画像形成装置
【課題】複雑な構成を用いることなく接触式の帯電手段表面に付着した異物を除去可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置1は、感光体ドラム2、帯電ローラ3、現像ユニット5、転写ローラ17及びクリーニング装置9を備えており、感光体ドラム2を逆回転させて帯電ローラ3をスラスト移動させると共に帯電ローラ3に第1逆バイアスを印加して、帯電ローラ3表面への清掃用トナー付着工程を行った後、感光体ドラム2を正回転させて清掃用トナーにより帯電ローラ3表面の摺擦を行うエージング工程を行い、該エージング工程後、感光体ドラム2を正回転させ、帯電ローラ3に帯電バイアスを印加して清掃用トナー回収工程を行うことによって、帯電ローラ3表面の清掃を行う。
【解決手段】画像形成装置1は、感光体ドラム2、帯電ローラ3、現像ユニット5、転写ローラ17及びクリーニング装置9を備えており、感光体ドラム2を逆回転させて帯電ローラ3をスラスト移動させると共に帯電ローラ3に第1逆バイアスを印加して、帯電ローラ3表面への清掃用トナー付着工程を行った後、感光体ドラム2を正回転させて清掃用トナーにより帯電ローラ3表面の摺擦を行うエージング工程を行い、該エージング工程後、感光体ドラム2を正回転させ、帯電ローラ3に帯電バイアスを印加して清掃用トナー回収工程を行うことによって、帯電ローラ3表面の清掃を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子写真法を用いた画像形成装置に関するものであり、特に感光体の帯電を行う帯電器の清掃に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真プロセスを用いた画像形成装置には、像担持体(感光体)表面を帯電させるために帯電器(帯電手段)が用いられている。帯電器としては、感光体と非接触に配置し、コロナ放電により感光体の表面を帯電させるコロトロン(若しくはスコロトロン)帯電器と、感光体に接触して若しくは非接触に配置されて感光体を帯電する帯電ローラ等の接触式の帯電器と、が知られている。しかし、近年、人体に有害なオゾンの排出量を減らすため、オゾン排出量がより少ない帯電ローラが採用されることが多くなっている。
【0003】
このような接触式の帯電器を用いる場合、像担持体である感光体表面がトナーの成分や転写紙の紙粉等の異物で汚染されていると、これら異物が、例えば帯電ローラの表面に移動し(白化現象)、帯電不良を起こす原因となり、帯電不良による画像品質の低下が生じていた。かかる帯電ローラの汚染(異物の付着)を防止するため、従来、帯電ローラに対して、回転式若しくは固定式のブラシやスポンジ等のクリーニング部材を接触させることにより、帯電ローラの清掃(リフレッシュ)が行われていた。
【0004】
特にブラシローラ等を帯電ローラに回転接触させてリフレッシュを行う場合、帯電ローラ表面へのダメージが少なく効果的にリフレッシュ可能である。ブラシによる清掃においては、ブラシにバイアスを印加して電気的に異物を除去する方法や、バイアスを印加せずに帯電ローラ表面に付着した外添剤をブラシで撹乱させて感光体ドラムに再付着させることにより、異物を除去する方法が用いられている。
【0005】
しかし、このようなクリーニング部材で単に物理的に擦り取るだけでは、長期間にわたり帯電ローラの白化現象を効果的に抑制することは難しく、クリーニング部材の劣化によって経時的に帯電ローラの白化現象が生じる。
【0006】
そこで、例えば、特許文献1には、潜像担持体(像担持体)に静電的に付着させたトナーを接触帯電部材に接触通過させて接触帯電部材を清掃することにより、新たな構成部品を増設することなく、接触帯電部材に付着するトナーや外添剤を簡便に低減することを可能とする方法が開示されている。また、かかる特許文献1には、像担持体上のトナーが接触帯電部材に接触通過する間、接触帯電部材に交流を重畳した直流の電圧を印加することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−196569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1の方法は、帯電部材に交流を重畳した直流バイアスを印加することにより、像担持体上のトナーがバイアスの交流成分で、像担持体と帯電部材との微少ギャップを往復運動し、静電的に、または物理的に帯電部材に付着した外添剤等の汚れを像担持体側に引きつけるという原理で帯電部材の清掃を行うものである。
【0009】
しかしながら、このような除去方法では、単に帯電部材上に乗っている汚れはトナーと共に像担持体側に静電的に引きつけて除去可能であるが、ある程度以上の力で固着した汚れは除去できない。従って、上述したような帯電部材の白化現象を長期間に亘って効果的に抑制することは困難であった。
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑み、複雑な構成を用いることなく接触式の帯電手段表面に付着した異物を除去可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために本発明は、画像形成時に所定の回転方向に回転可能であり静電潜像が形成される像担持体と、該像担持体を回転させる駆動手段と、前記像担持体に対して接触回転しながら帯電する接触式の帯電手段と、該帯電手段に帯電バイアスを印加可能な第1のバイアス印加手段と、前記像担持体表面にトナーを供給し前記像担持体表面に形成された静電潜像をトナー像とする現像手段と、該現像手段により現像されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、前記転写手段にトナーとは逆極性の転写バイアスを印加可能な第2のバイアス印加手段と、前記回転方向に対し前記帯電手段の上流側且つ前記転写手段の下流側に配置され前記像担持体表面に残留したトナーを回収可能なクリーニング手段と、を備えた画像形成装置において、前記帯電手段表面を摺擦可能な摺擦手段が設けられ、非画像形成時、回転する前記像担持体表面に前記現像装置から清掃用トナーを供給し、前記像担持体表面から前記帯電手段表面に略均一に前記清掃用トナーの付着を行った後、前記摺擦手段と前記帯電手段との間に線速差を設けて前記清掃用トナーにより前記帯電手段表面の摺擦を行い、該帯電手段表面の摺擦後、前記帯電手段表面から前記像担持体表面に前記清掃用トナーを移動させ前記像担持体表面から前記クリーニング手段への前記清掃用トナーの回収を行うことにより、前記帯電手段表面を清掃することを特徴としている。
【0012】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記帯電手段には、前記トナーの付着時及び前記帯電手段の摺擦時、前記帯電バイアスとは逆極性の第1の逆バイアスが印加されることを特徴としている。
【0013】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記帯電手段の摺擦時、前記帯電手段と前記摺擦手段との接触部において、前記帯電手段と前記摺擦手段との間で前記帯電手段の回転方向または軸方向に線速差が設けられることを特徴としている。
【0014】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記摺擦手段は、前記像担持体であることを特徴としている。
【0015】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記帯電手段の摺擦時、前記帯電手段の線速は、前記像担持体の線速よりも大きいことを特徴としている。
【0016】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記帯電手段の摺擦時、前記帯電手段が前記像担持体に対して前記軸方向に往復運動することを特徴としている。
【0017】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記帯電手段の摺擦時、前記帯電手段の回転方向の線速は、前記像担持体の回転方向の線速よりも大きいことを特徴としている。
【0018】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記摺擦手段は、前記帯電手段と接触回転する摺擦部材であり、該摺擦部材には、前記帯電手段と同電位のバイアスが印加されることを特徴としている。
【0019】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記摺擦部材は、少なくとも画像形成時に前記帯電手段と従動して回転し、前記帯電手段の摺擦時には、前記帯電手段との間で線速差が設けられることを特徴としている。
【0020】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記帯電手段の摺擦時、前記摺擦部材の線速は、前記帯電手段の線速よりも大きいことを特徴としている。
【0021】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記帯電手段の摺擦時、前記摺擦部材の回転方向の線速は、前記帯電手段の回転方向の線速よりも大きいことを特徴としている。
【0022】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記帯電手段の摺擦時、前記摺擦部材は、前記帯電手段に対して前記軸方向に往復運動することを特徴としている。
【0023】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記清掃用トナーの回収を行うとき、前記第1のバイアス印加手段が前記帯電手段に前記帯電バイアスを印加することを特徴としている。
【0024】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記駆動手段が前記像担持体を、前記清掃用トナーの付着を行うとき前記回転方向とは逆方向に回転させ、前記帯電手段の摺擦及び前記清掃用トナーの回収を行うとき前記回転方向に回転させることを特徴としている。
【0025】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記像担持体表面における前記現像手段と前記帯電手段との間隔は、前記帯電手段の周長以上であることを特徴としている。
【0026】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記帯電手段表面の清掃を行うとき、前記第2のバイアス印加手段が前記転写手段に前記転写バイアスとは逆極性の第2の逆バイアスを印加することを特徴としている。
【0027】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記清掃用トナーの付着を行うとき、前記像担持体の線速が前記画像形成時よりも小さいことを特徴としている。
【発明の効果】
【0028】
本発明の第1の構成によれば、帯電手段を摺擦可能な摺擦手段を設け、非画像形成時、回転する前記像担持体表面に前記現像装置から清掃用トナーを供給し、前記像担持体表面から前記帯電手段表面に略均一に前記清掃用トナーの付着を行った後、摺擦手段と前記帯電手段との間に線速差を設けて前記清掃用トナーにより帯電手段表面の摺擦を行い、該帯電手段表面の摺擦後、帯電手段表面から像担持体表面に清掃用トナーを移動させ像担持体表面からクリーニング手段への清掃用トナーの回収を行うことにより、帯電手段表面を清掃することによって、複雑な構成を用いることなく接触式の帯電手段表面に付着した異物を除去することが可能となる。
【0029】
また、本発明の第2の構成によれば、上記第1の構成の画像形成装置において、帯電手段に、トナーの付着時及び帯電手段の摺擦時、帯電バイアスとは逆極性の第1の逆バイアスを印加することによって、像担持体に供給された清掃用トナーを、より確実に帯電手段に付着させると共に帯電手段に付着した異物を掻き取ることができる。
【0030】
また、本発明の第3の構成によれば、上記第1または第2の構成の画像形成装置において、帯電手段の摺擦時、帯電手段と摺擦手段との接触部において、帯電手段と接触手段との間で帯電手段の回転方向または軸方向に線速差を設けることによって、帯電手段に付着した異物の清掃用トナーによる擦り取り性能が向上するため、より簡単な構成で確実に清掃用トナーに異物を付着させ、帯電手段に付着した異物を除去することができる。
【0031】
また、本発明の第4の構成によれば、上記第3の構成の画像形成装置において、摺擦手段を、像担持体とすることによって、より簡単な構成で複雑な部材を追加することなく、帯電手段に付着した異物を除去することができる。
【0032】
また、本発明の第5の構成によれば、上記第4の構成の画像形成装置において、帯電手段の摺擦時、帯電手段の線速を、像担持体の線速よりも大きくすることによって、帯電手段に付着した異物の清掃用トナーによる擦り取り性能が向上する。加えて、摺擦に要する時間を短縮できるため、帯電手段の清掃時間を短縮することができる。
【0033】
また、本発明の第6の構成によれば、上記第5の構成の画像形成装置において、摺擦手段の摺擦時、帯電手段が像担持体に対して軸方向に往復運動することによって、回転方向とは異なる方向から清掃用トナーが異物を擦り取ることができるため、より確実に清掃用トナーに異物を付着させ、帯電手段に付着した異物を除去することができる。
【0034】
また、本発明の第7の構成によれば、上記第5の構成の画像形成装置において、帯電手段の摺擦時、帯電手段の回転方向の線速を、像担持体の回転方向の線速よりも大きくすることによって、帯電手段の線速を変えるための複雑な部材を追加する必要がないため、より簡単な構成とすることができる。
【0035】
また、本発明の第8の構成によれば、上記第3の構成の画像形成装置において、摺擦手段を、帯電手段と接触回転する摺擦部材とし、摺擦部材に、帯電手段と同電位のバイアスを印加することによって、帯電手段の清掃時、帯電手段に付着した清掃用トナーが摺擦部材へと移動することを防止できるため、帯電手段に付着した異物の清掃用トナーによる擦り取り性能が向上すると共に、清掃用トナーの回収性能も向上する。
【0036】
また、本発明の第9の構成によれば、上記第8の構成の画像形成装置において、摺擦部材が、少なくとも画像形成時に帯電手段と従動して回転し、帯電手段の摺擦時には、帯電手段との間で線速差を設けることによって、画像形成に及ぼす影響をより回避すると共に、効率的に帯電手段に付着した異物を除去することができる。
【0037】
また、本発明の第10の構成によれば、上記第9の構成の画像形成装置において、帯電手段の摺擦時、摺擦部材の線速を、帯電手段の線速よりも大きくすることによって、帯電手段の線速を変えることなく、帯電手段に付着した異物を除去することができる。
【0038】
また、本発明の第11の構成によれば、上記第10の構成の画像形成装置において、帯電手段の摺擦時、前記摺擦部材の回転方向の線速を、前記帯電手段の回転方向の線速よりも大きくすることによって、摺擦部材の線速を変えるための複雑な部材を追加する必要がないため、より簡単な構成とすることができる。
【0039】
また、本発明の第12の構成によれば、上記第10の構成の画像形成装置において、帯電手段の摺擦時、摺擦部材が、帯電手段に対して軸方向に往復運動することによって、回転方向と軸方向とは異なる方向から清掃用トナーが異物を擦り取ることができるため、より確実に清掃用トナーに異物を付着させ、帯電手段に付着した異物を除去することができる。
【0040】
また、本発明の第13の構成によれば、上記第1〜第12のいずれかの構成の画像形成装置において、清掃用トナーの回収を行うとき、第1のバイアス印加手段が帯電手段に帯電バイアスを印加することによって、帯電手段表面から像担持体表面への清掃用トナーの移動を、より効率的且つ確実に行うことができる。
【0041】
また、本発明の第14の構成によれば、上記第1〜第13のいずれかの構成の画像形成装置において、駆動手段が像担持体を、清掃用トナーの付着を行うとき回転方向とは逆方向に回転させ、清掃用トナーの回収を行うとき回転方向に回転させることによって、清掃用トナーの付着時には、清掃用トナーが転写手段やクリーニング手段を通過することを回避できるため、帯電手段表面に清掃用トナーをより確実に付着させることができる。加えて、清掃用トナーの回収時には、クリーニング手段によって清掃用トナーをより確実に回収することができる。このように、清掃用トナーの付着及び回収をより確実に行うことができる。
【0042】
また、本発明の第15の構成によれば、上記第1〜第14のいずれかの構成の画像形成装置において、像担持体表面における現像手段と帯電手段との間隔を、帯電手段の周長以上とすることによって、帯電手段表面に付着させるのに十分な清掃用トナーを、帯電手段表面に到達するまでに現像手段から像担持体表面に供給できるため、帯電手段表面に清掃用トナーをより確実に付着させることが可能となる。
【0043】
また、本発明の第16の構成によれば、上記第1〜第15のいずれかの構成の画像形成装置において、帯電手段表面の清掃を行うとき、第2のバイアス印加手段が転写手段に転写バイアスとは逆極性の第2の逆バイアスを印加することによって、清掃用トナーが転写手段に付着することを防止できるため、清掃用トナーの付着及び回収がより確実になると共に、トナー像の記録媒体への転写時に不具合が発生することを回避できる。
【0044】
また、本発明の第17の構成によれば、上記第1〜第16のいずれかの構成の画像形成装置において、清掃用トナーの付着を行うとき、像担持体の線速を画像形成時よりも小さくすることによって、像担持体表面から帯電手段表面への清掃用トナーの付着をより確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の全体構成を示す概略図
【図2】本実施形態の画像形成装置に用いられる帯電ローラ周辺の概略拡大断面図
【図3】本実施形態に係る画像形成装置に用いられる第1スライドプーリ及び第1ガイド部材周辺を示す概略斜視図
【図4】帯電ローラがスラスト移動する状態を示す図であって、図4(a)は帯電ローラが一方にスラスト移動した状態を示す図であり、図4(b)は、他方にスラスト移動した状態を示す図
【図5】トナー付着工程における感光体ドラム、帯電ローラ及び現像ローラの回転を示す図であって、図5(a)は、トナーが現像ローラから感光体ドラム表面に供給される状態を示す図であり、図5(b)は、トナーが感光体ドラム表面から帯電ローラに付着する状態を示す図であり、図5(c)は、トナーが帯電ローラに略均一に付着した状態を示す図
【図6】エージング工程における感光体ドラム、帯電ローラ及び現像ローラの回転を示す図
【図7】トナー回収工程における感光体ドラム、帯電ローラ及び現像ローラの回転を示す図であって、図7(a)は、清掃用トナーが帯電ローラから感光体ドラム表面に移動する状態を示す図であり、図7(b)は、清掃用トナーが感光体ドラムの回転と共に移動する状態を示す図であり、図7(c)は、清掃用トナーがクリーニング装置に回収される状態を示す図
【図8】本実施形態に係る画像形成装置の制御機構の一例を示すブロック図
【図9】本実施形態に係る画像形成装置の制御手順の一例を示すフローチャート
【図10】図9の制御手順のタイミングチャート
【図11】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置に用いられる帯電ローラ周辺の構成を示す図
【図12】清掃用トナー付着工程における感光体ドラム、帯電ローラ及び現像ローラの回転を示す図であって、図12(a)は、清掃用トナーが現像ローラから感光体ドラム表面に供給される状態を示す図であり、図12(b)は、トナーが感光体ドラム表面から帯電ローラに付着する状態を示す図であり、図12(c)は、トナーが帯電ローラに略均一に付着した状態を示す図
【図13】エージング工程における感光体ドラム、帯電ローラ及び現像ローラの回転を示す図
【図14】清掃用トナー回収工程における感光体ドラム、帯電ローラ及び現像ローラの回転を示す図であって、図14(a)は、清掃用トナーが帯電ローラから感光体ドラム表面に移動する状態を示す図であり、図14(b)は、清掃用トナーが感光体ドラムの回転と共に移動する状態を示す図であり、図14(c)は、清掃用トナーがクリーニング装置に回収される状態を示す図
【図15】本実施形態に係る画像形成装置の制御機構の一例を示すブロック図
【図16】本実施形態に係る画像形成装置の制御手順の一例を示すフローチャート
【図17】図16の制御手順のタイミングチャート
【図18】本発明の第3実施形態に係る画像形成装置に用いられる帯電ローラ周辺の概略拡大断面図
【図19】本実施形態に係る画像形成装置に用いられる軸受け部材辺を示す概略側面図
【図20】清掃用トナー付着工程における感光体ドラム、帯電ローラ、摺擦ローラ及び現像ローラの回転を示す図であって、図20(a)は、清掃用トナーが現像ローラから感光体ドラム表面に供給される状態を示す図であり、図20(b)は、トナーが感光体ドラム表面から帯電ローラに付着する状態を示す図であり、図20(c)は、トナーが帯電ローラに略均一に付着した状態を示す図
【図21】エージング工程における感光体ドラム、帯電ローラ、摺擦ローラ及び現像ローラの回転を示す図
【図22】清掃用トナー回収工程における感光体ドラム、帯電ローラ、摺擦ローラ及び現像ローラの回転を示す図であって、図22(a)は、清掃用トナーが帯電ローラから感光体ドラム表面に移動する状態を示す図であり、図22(b)は、清掃用トナーが感光体ドラムの回転と共に移動する状態を示す図であり、図22(c)は、清掃用トナーがクリーニング装置に回収される状態を示す図
【図23】本実施形態に係る画像形成装置の制御機構の一例を示すブロック図
【図24】本実施形態に係る画像形成装置の制御手順の一例を示すフローチャート
【図25】図24の制御手順のタイミングチャートである。
【図26】本発明の第4実施形態の画像形成装置に用いられる帯電ローラ周辺の概略拡大断面図
【図27】本実施形態に係る画像形成装置に用いられる第2スライドプーリ及び第2ガイド部材周辺を示す概略斜視図
【図28】摺擦ローラがスラスト移動する状態を示す図であって、図28(a)は帯電ローラが一方にスラスト移動した状態を示す図であり、図28(b)は、他方にスラスト移動した状態を示す図
【図29】清掃用トナー付着工程における感光体ドラム、帯電ローラ、摺擦ローラ及び現像ローラの回転を示す図であって、図29(a)は、清掃用トナーが現像ローラから感光体ドラム表面に供給される状態を示す図であり、図29(b)は、トナーが感光体ドラム表面から帯電ローラに付着する状態を示す図であり、図29(c)は、トナーが帯電ローラに略均一に付着した状態を示す図
【図30】エージング工程における帯電ローラ、摺擦ローラ及び現像ローラの回転を示す図
【図31】清掃用トナー回収工程における感光体ドラム、帯電ローラ、摺擦ローラ及び現像ローラの回転を示す図であって、図31(a)は、清掃用トナーが帯電ローラから感光体ドラム表面に移動する状態を示す図であり、図31(b)は、清掃用トナーが感光体ドラムの回転と共に移動する状態を示す図であり、図31(c)は、清掃用トナーがクリーニング装置に回収される状態を示す図
【図32】本実施形態に係る画像形成装置の制御機構の一例を示すブロック図
【図33】本実施形態に係る画像形成装置の制御手順の一例を示すフローチャート
【図34】図33の制御手順のタイミングチャート
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の概略断面図である。画像形成装置1内には画像形成部Pが配設されている。この画像形成部Pは、帯電、露光、現像及び転写の各工程により所定の画像を形成する。
【0047】
この画像形成部Pには、可視像(トナー像)を担持する感光体ドラム(像担持体)2が配設されており、感光体ドラム2上に形成されたトナー像が、シート(記録媒体)6上に転写され、さらに、定着ユニット7においてシート6上に定着された後、装置本体より排出される構成となっている。第1駆動モータ21(駆動手段、図4参照)により感光体ドラム2を図1において時計回り(所定の回転方向)に回転(正回転)させながら、感光体ドラム2に対する画像形成プロセスが実行される。
【0048】
次に、画像形成部Pについて詳細に説明する。回転自在に配設された感光体ドラム2の周囲及び上方には、感光体ドラム2を帯電させる帯電ローラ(帯電手段)3と、感光体ドラム2に画像情報を露光する露光ユニット4と、感光体ドラム2上にトナー像を形成する現像ユニット(現像手段)5と、感光体ドラム2上に残留した現像剤(トナー)を回収するクリーニング装置(クリーニング手段)9と、静電潜像を除去する除電器10と、が設けられている。
【0049】
先ず、帯電ローラ3によって感光体ドラム2の表面を一様に帯電させ、次いで露光ユニット4によって光照射し、感光体ドラム2上に画像信号に応じた静電潜像を形成する。現像ユニット5は、感光体ドラム2と対向して配置された現像ローラ5aを有し、現像ユニット5には、磁性一成分の正帯電トナーがトナーコンテナ11によって所定量充填されている。このトナーは、不図示の現像バイアス印加装置により現像バイアスが印加された現像ローラ5aにより感光体ドラム2表面に供給され、静電的に付着することにより、露光ユニット4からの露光により形成された静電潜像に応じたトナー像が形成される。
【0050】
トナー像が転写されるシート6は、シート6を収納する複数の給紙カセット12a、12b、12cと、その上方に設けられるスタックバイパス(手差しトレイ)12dに収容されており、給紙ローラ13、レジストローラ14を介して、トナー像が形成された感光体ドラム2に向けて搬送される。
【0051】
このとき画像書き出し信号がONとなり、シート6の所定位置にトナー像が転写されるように感光体ドラム2上に画像形成を行う。そして、感光体ドラム2の下部において、所定の転写バイアスが印加された転写ローラ(転写手段)17で電界付与することにより、感光体ドラム2上のトナー像がシート6上に転写される。
【0052】
トナー像が転写されたシート6は、定着ユニット7へと搬送される。また、トナー像が転写された後の感光体ドラム2は、引き続き行われる新たな静電潜像の形成に備え、その表面に残留したトナーがクリーニング装置9により回収される。定着ユニット7に搬送されたシート6は、定着ローラ7aにより加熱及び加圧されてトナー像がシート6の表面に定着され、所定の画像が形成される。画像が形成されたシート6は、その後排出ローラ18によって排出トレイ19に排出される。
【0053】
図2は、本実施形態の画像形成装置に用いられる帯電ローラ周辺の概略拡大断面図である。なお、図2において、直線矢印方向は、シート6の搬送方向を示す。図1と共通する部分には共通する符号を付して説明を省略する。感光体ドラム2としては、例えばアモルファスシリコン(a−Si)ドラムを用いることができる。また、感光体ドラム2は、不図示の駆動ギアを介して第1駆動モータ21(図4参照)と連結されることにより、正逆回転するようになっており、上記した通り、画像形成時には図中時計回り(正回転方向)に回転(正回転)するようになっている。
【0054】
感光体ドラム2の上方には、ドラム表面と回転自在に当接し、該ドラム表面を帯電する帯電ローラ3が配置されている。帯電ローラ3は、例えば、金属製のシャフト(芯金)3aの周面に抵抗値105〜106Ω、表面粗さRZ=10μmのエピクロルヒドリンゴム等から成るゴム層(弾性層)を形成した導電性ゴムローラ等のソリッドタイプを好適に用いることができるが、特にこれに限定されるものではない。その他、例えば、発泡ゴムローラにチューブを被せたスポンジタイプ等を用いることもできる。
【0055】
帯電ローラ3は、装置本体に回転可能に支持されている。また、帯電ローラ3は、感光体ドラム2に所定のニップ圧で圧接されており、感光体ドラム2に従動して回転するようになっている。また、画像形成時、帯電ローラ3には正極性の帯電バイアスが印加されるようになっている。
【0056】
具体的には、帯電ローラ3の芯金3aは、第1電源(第1のバイアス印加装置)25と電気的に接続され、第1電源25から帯電ローラ3に対して交流電圧を重畳した直流電圧から成る帯電バイアスが印加される。かかる帯電バイアスの印加によって帯電ローラ3のゴム層の抵抗に応じて流れる電流により、感光体ドラム2表面を帯電することができる。なお、第1電源25から帯電ローラ3に対して、直流電圧を印加することもできる。ここでは、帯電バイアスを、直流電圧Vdc=650V、該直流電圧に重畳する交流電圧のVpp=1.2kV、周波数Vf=1.5kHzとした。なお、帯電ローラ3の清掃時における帯電ローラ3の動作については後述する。
【0057】
また、転写ローラ17の芯金17aは、第2電源(第2のバイアス印加装置)27と電気的に接続され、画像形成時、第2電源27から転写ローラ17に対してトナーとは逆極性である負極性の転写バイアスが印加されるようになっている。また、後述する帯電ローラ3の清掃時には、転写ローラ17に対して、転写バイアスとは逆極性である正極性のバイアス(逆バイアス)が印加されるようになっている。
【0058】
クリーニング装置9には、感光体ドラム2表面の残留トナーを除去するためのクリーニングブレード22と、感光体ドラム2表面の残留トナーを除去するとともに感光体ドラム2表面を摺擦して研磨するクリーニングローラ23と、トナー排出手段としての回収スクリュー24と、が設けられている。クリーニングブレード22は、感光体ドラム2の表面に、該ドラムの正回転方向(図2の時計回り)に対しカウンターとなるよう当接している。クリーニングブレード22の厚みは、装置構成等に応じて例えば1.2mmとすることができる。
【0059】
感光体ドラム2表面の残留トナーや外添剤は、クリーニングブレード22により除去され、クリーニングローラ23及び回収スクリュー24によってトナー排出口(図示せず)からクリーニング装置9の外部に排出される。なお、図示しないが、クリーニング装置9には、クリーニングローラ23表面のトナーを所定の層厚とするためのスクレーパや、クリーニング装置9内の廃トナーを外部に漏らさないためのウレタンシール等も設けられている。
【0060】
かかるクリーニング装置9を設けることによって、上記の通り残留トナーや外添剤のほとんどは、クリーニングブレード22により除去されるが、除去されずにクリーニングブレード22を摺り抜けるトナーや外添剤等の異物も存在する。クリーニングブレード22を摺り抜け、感光体ドラム2表面に付着したまま正回転方向下流側に移動する異物のうち、トナーと逆極性を帯びているものは、帯電バイアスにより帯電ローラ3表面に付着する。
【0061】
かかる異物が帯電ローラ3に付着すると、付着した部分は帯電ローラ3表面の電位が他の部分とは異なるため帯電不良が生じるおそれがある。その結果、形成される画像上に黒点等となって出現し、画像不良が発生するおそれがある。
【0062】
そこで、本実施形態では、かかる帯電不良及び画像不良の原因となる異物を除去するために、非画像形成時、回転する感光体ドラム2表面に現像ユニット5から清掃用トナーを供給し、感光体ドラム2表面から帯電ローラ3表面に略均一に清掃用トナーの付着を行った後、感光体ドラム2と帯電ローラとの間で線速差を設けて清掃用トナーにより帯電ローラ3表面の摺擦を行い、該帯電ローラ3表面の摺擦後、帯電ローラ3表面から感光体ドラム2表面に清掃用トナーを移動させ感光体ドラム2表面からクリーニング装置9への清掃用トナーの回収を行うことにより、帯電ローラ3表面を清掃することとした。なお、清掃用トナーは、帯電ローラ3表面に付着され、異物が付着可能であれば特に限定されないが、画像形成に用いるトナーを用いればよい。
【0063】
図3は、本実施形態に係る画像形成装置に用いられる第1スライドプーリ及び第1ガイド部材周辺を示す概略斜視図であり、図4(a)は帯電ローラが一方にスラスト移動した状態を示す図であり、図4(b)は、他方にスラスト移動した状態を示す図である。本実施形態では、帯電ローラ3は、回転するのに伴って軸方向(左右方向)に往復移動するように構成されている(スラスト移動)。
【0064】
具体的には、図3に示すように、帯電ローラ3のシャフト3aの右端部は、図示は省略するが、帯電ローラ3を支持する不図示のハウジジングに軸方向(図の左右方向)にスライド可能に支持されている。一方、帯電ローラ3の左側部には、第1スライドプーリ51が取り付けられている。また、上記ハウジングには、第1スライドプーリ51をガイドする第1ガイド部材53が設けられている。
【0065】
第1スライドプーリ51は、円盤状をなしており、シャフト3aの左端部に当該帯電ローラ3の軸方向と直交する平面に対して傾斜した状態で取り付けられている。また、第1スライドプーリ51の左右両面には、リング状の第1凹溝51aがその底面同士の間に薄肉部分を形成するようにそれぞれ設けられている。第1ガイド部材53は、第1スライドプーリ51の下部が嵌り込み可能な前後方向に延びる第1ガイド溝53aを有している。この第1ガイド溝53aの左右両側面には、第1スライドプーリ51の第1凹溝51aに係合可能な第1突起53bがそれぞれ設けられている。
【0066】
そして、第1突起53bが第1凹溝51aに係合することにより、第1スライドプーリ51の第1凹溝51aの底面同士の間の薄肉部分が第1スライドプーリ51の軸方向の両側から第1ガイド部材53の第1突起53bによって摺動可能に挟持されるようになる。このため、帯電ローラ3が回転して、図4(a)に示すように第1スライドプーリ51の薄肉部分のうち最も右側寄りの部分が第1突起53b間に挟持されたときには、帯電ローラ3が左方に移動し、図4(b)に示すように第1スライドプーリ51の薄肉部分のうち最も左側寄りの部分が第1突起53b間に挟持されたときには、帯電ローラ3が右方に移動する。
【0067】
すなわち、帯電ローラ3が1回転すると、当該帯電ローラ3が軸方向に1回往復移動するようになる。なお、第1スライドプーリ51の傾斜角度は、帯電ローラ3の往復移動する距離が±0.5mm、すなわち帯電ローラ3の振幅が1mmとなるように設定されている。ここで、帯電ローラ3の往復移動する距離が±5mmより大きくなると、装置本体の横幅を大きくする必要が生じたり、帯電ローラ3の左右両側の清掃用トナーを回収し難くなったりするおそれがある。従って、例えばかかる観点を考慮すれば、帯電ローラ3の往復移動する距離は、±5mm以下であることが好ましい。
【0068】
ここでは、画像形成時及び非画像形成時において、感光体ドラム2及び帯電ローラ3が回転するとき、帯電ローラ3は感光体ドラム3に従動回転すると共に、スラスト方向に移動することとした。なお、画像形成時に帯電ローラ3がスラスト移動していても、感光体ドラム2の帯電を行うことができ、大きな画像不良は生じない。
【0069】
図5は、トナー付着工程(清掃用トナー付着工程)における感光体ドラム、帯電ローラ及び現像ローラの回転を示す図であって、図5(a)は、トナーが現像ローラから感光体ドラム表面に供給される状態を示す図であり、図5(b)は、トナーが感光体ドラム表面から帯電ローラに付着する状態を示す図であり、図5(c)は、トナーが帯電ローラに略均一に付着した状態を示す図である。また、図6は、エージング工程における感光体ドラム、帯電ローラ及び現像ローラの回転を示す図である。
【0070】
また、図7は、トナー回収工程(清掃用トナー回収工程)における感光体ドラム、帯電ローラ及び現像ローラの回転を示す図であって、図7(a)は、清掃用トナーが帯電ローラから感光体ドラム表面に移動する状態を示す図であり、図7(b)は、清掃用トナーが感光体ドラムの回転と共に移動する状態を示す図であり、図7(c)は、清掃用トナーがクリーニング装置に回収される状態を示す図である。なお、図5〜図7では清掃用トナーを黒丸で示す。
【0071】
画像形成時には、前述の図2に示すように、感光体ドラム2が正回転(図の時計回り)しているため、現像ローラ5aから供給された現像用のトナーは、転写ローラ17に向かう。なお、ここでは感光体ドラム2を、外径30mmのa−Si感光体ドラムから構成し、その画像形成時の線速を300mm/secとし、帯電ローラ3の外径を12mmとした。また、帯電ローラ3の清掃を画像形成時に行うと画像形成の妨げとなるため、非画像形成時に行うこととした。
【0072】
まず、帯電ローラ3への清掃用トナーの付着工程について説明する。清掃用トナー付着工程は、感光体ドラム2表面への清掃用トナーの供給と、感光体ドラム2表面に供給された清掃用トナーの帯電ローラ3への付着と、から構成されている。
【0073】
まず、感光体ドラム2表面への清掃用トナーの供給について説明する。非画像形成時において、現像ユニット5から感光体ドラム2表面に清掃用のトナーを供給して、ベタ画像から成るトナー像を形成することとした。非画像形成時には、帯電ローラ3に対する帯電バイアスの印加、現像ローラ5aに対する現像バイアスの印加、転写ローラ17に対する転写バイアスの印加及び感光体ドラム2の回転は停止している。
【0074】
この状態から、図5(a)に示すように、感光体ドラム2を画像形成時(帯電時)とは逆回転(図の反時計回り)させ、かかる逆回転開始と略同時に、現像ローラ5aに現像バイアスを印加し、帯電ローラ3に帯電バイアスとは逆極性(ここでは負極性)である第1逆バイアスを印加すると共に、転写ローラ17(図2参照)に転写バイアスとは逆極性(ここでは正極性)であるの第2逆バイアス(第2の逆バイアス)を印加することとした。
【0075】
このうち現像バイアスの印加により、感光体ドラム2と現像ローラ5aとの電位差によって、感光体ドラム2表面にベタ画像から成る清掃用トナー像を形成して、感光体ドラム2表面に清掃用トナーを供給することができる。また、逆回転時の感光体ドラム2の線速を、略100mm/secとした。また、帯電ローラ3に印加する第1逆バイアスを直流電圧とし、略−500Vとした。
【0076】
このとき、帯電ローラ3表面の軸方向全域及び周方向に少なくとも1周分の範囲に相当する清掃用トナーを、感光体ドラム2表面に供給することにより、帯電ローラ3の表面略全体に清掃用トナーを付着させることが可能となる。ここでは、帯電ローラ3表面の軸方向全域及び周方向に1周分の範囲に相当する清掃用トナーを供給することとした。
【0077】
また、感光体ドラム2表面において、帯電ローラ3と現像ユニット5との間隔を、帯電ローラ3の周長以上とした。これにより、現像ユニット5から供給された清掃用トナーが帯電ローラ3に到達するまでに、感光体ドラム2表面に帯電ローラ3表面の少なくとも1周分の範囲にわたる清掃用トナーを担持させることができる。しかし、かかる間隔は、帯電ローラ3表面略全体に略均一に清掃用トナーを付着させることが可能であれば、特に限定されない。
【0078】
また、清掃用トナーの供給時間も、帯電ローラ3表面略全体に清掃用トナーを略均一に付着させることが可能であれば特に限定されるものではなく、上記した帯電ローラ3と現像ユニット5との間隔や、清掃用トナー像の濃度等に応じて、少なくとも帯電ローラ3の1周分の清掃用トナーを帯電ローラ3に供給するのに要する時間とすればよい。また、供給時間が長すぎると、帯電ローラ3に付着する清掃用トナーが過剰となり、帯電ローラ3に付着されない清掃用トナーが増加したり、待機時間の延長に繋がるおそれがある。従って、例えばかかる観点を考慮して供給時間を適宜設定することができる。
【0079】
また、ここでは転写ローラ17に第2逆バイアス(例えば500V)を印加したため、転写ローラ17に清掃用トナーを付着させることなく、清掃用トナーを帯電ローラ3に到達させることができる。また、第2逆バイアスを、感光体ドラム2の逆回転開始(清掃用トナー付着工程の開始)から、正回転終了(清掃用トナー回収工程の終了)まで、転写ローラ17に印加することとした。これにより、清掃用トナーの付着から回収までの間、清掃用トナーが転写ローラ17に付着することを防止できる。
【0080】
なお、感光体ドラム2の逆回転時に現像ローラ5aから感光体ドラム2表面に供給された清掃用トナーは転写ローラ17には向かわないが、クリーニング装置9に回収されたトナーが転写ローラ17に到達して付着するおそれがある。従って、かかる逆回転時においても転写ローラ17に第2逆バイアスを印加することは効果的である。
【0081】
そして、感光体ドラム2への清掃用トナーの供給が終了したとき、現像ローラ5aに対する現像バイアスの印加を停止することとした。一方、転写ローラ17への第2逆バイアスの印加は継続することとした。
【0082】
次に、帯電ローラ3表面への清掃用トナーの付着について説明する。図5(b)に示すように、現像ローラ5aから清掃用トナーの供給が停止した後も、感光体ドラム2の逆回転を継続することとし、帯電ローラ3への第1逆バイアスの印加を継続することとした。感光体ドラム2の逆回転を継続すると、感光体ドラム2表面に供給された清掃用トナーが感光体ドラム2と帯電ローラ3とのニップに到着する。
【0083】
そして、帯電ローラ3と感光体ドラム2との間のニップに清掃用トナーが入り込むと、ニップ圧による物理的な作用と、感光体ドラム2と帯電ローラ3との間の電位差による電気的な作用とにより、トナーが感光体ドラム2上から帯電ローラ3表面に移動する。これにより、感光体ドラム2表面の清掃用トナーを帯電ローラ3表面に物理的に付着させることができる。
【0084】
その結果、図5(c)に示すように帯電ローラ3表面略全体に略均一に清掃用トナーが付着する。また、感光体ドラム2の線速は、上記した清掃用トナーの供給に引き続き略100mm/secとしたため、より確実に清掃用トナーを帯電ローラ3に付着させることができる。
【0085】
また、帯電ローラ3に印加する第1逆バイアスを、上記した清掃用トナーの供給に引き続き略−500Vの直流電圧としたため、より確実に清掃用トナーを帯電ローラ3に付着させることができる。なお、帯電ローラ3に対して、帯電バイアスも第1逆バイアスも印加することなく感光体ドラム2を逆回転させることによって、帯電ローラ3に清掃用トナーを付着させることもできる。
【0086】
また、ここでは、感光体ドラム2の逆回転開始時から帯電ローラ3に第1逆バイアスを印加したが、感光体ドラム2上に供給された清掃用トナーが帯電ローラ3に到着するのに合わせて第1逆バイアスを印加することもできる。
【0087】
感光体ドラム2から帯電ローラ3への清掃用トナーの付着時間は、帯電ローラ3表面に清掃用トナーを略均一に付着させることが可能であれば特に限定されるものではなく、少なくとも帯電ローラ3の1周分に要する時間とすればよい。また、付着時間が短いと、帯電ローラ3表面に付着した清掃用トナーが十分に均一化されないおそれがあり、また、異物を清掃用トナーに十分に付着させることができないおそれがある。
【0088】
一方、付着時間が長くなると、清掃用トナーが帯電ローラ3表面に強固に付着して、後述する清掃用トナーの回収の際、帯電ローラ3表面から感光体ドラム2表面に清掃用トナーを移動させ難くなるおそれがある。また、待機時間の長期化にも繋がる。従って、例えばかかる観点を考慮して、付着時間を適宜設定することができる。
【0089】
また、ここでは清掃用トナー付着工程時、感光体ドラム2の逆回転時の線速を、画像形成時の略1/3である略100mm/secとしたため、感光体ドラム2表面から帯電ローラ3表面へと清掃用トナーをより確実に付着させることができる。しかし、かかる逆回転時の線速は、現像ユニット5から感光体ドラム2表面に清掃用トナーを供給し、感光体ドラム2表面から帯電ローラ3表面に清掃用トナーを略均一に付着させることが可能であれば、特に限定されるものではなく、帯電ローラ3表面への清掃用トナーの付着状況等に応じて適宜設定することができる。
【0090】
次に、帯電ローラ3表面の摺擦(エージング)工程について説明する。帯電ローラ3表面において帯電ローラ3に付着した異物と清掃用トナーとが接触すると、異物が清掃用トナーに付着する。この状態で、図6に示すように、感光体ドラム2の回転方向を切り換えて正回転させることとした。
【0091】
また、感光体ドラム2の正回転の線速を、略300mm/secに戻した。これにより、帯電ローラ3の各表面が感光体ドラム2との接触する回数が多くなるため、清掃用トナーによる異物の摺り取り性能が向上する。また、帯電ローラ3には、引き続き第1逆バイアスを印加することとした。これにより、帯電ローラ3表面に付着した清掃用トナーが、帯電ローラ3から感光体ドラム2へと戻ることを防止することができる。また、帯電ローラ3は、上述の通り、スラスト移動しているため、軸方向において帯電ローラ3の線速が、感光体ドラム2よりも大きくなっている。
【0092】
なお、かかるエージング時の感光体ドラム2の線速は、帯電ローラ3表面において清掃用トナーが異物を掻き取り可能であれば、後述するように特に限定されるものではなく、清掃用トナーの移動状況や回収状況等に応じて適宜設定することができる。
【0093】
かかる軸方向の線速差により、清掃用トナーによる異物の擦り取り性能を向上させることができる。また、帯電ローラ3がスラスト移動することにより、回転方向とは異なる方向から清掃用トナーが異物を擦り取ることができるため、より確実にトナーに異物を付着させることができる。なお、帯電ローラ3の感光体ドラム2に対する圧接力は、エージング工程時に、感光体ドラム2表面が削れて画像形成に影響を及ぼさない程度に設定されている。
【0094】
かかるエージング時間は、例えば感光体ドラム2の正回転開始から10秒間とすることができる。かかる10秒間の間に、外径30mmの感光体ドラム2は約32周、外径12mmの帯電ローラ3は約80周回転するため、帯電ローラ3表面において清掃用トナーにより異物の擦り取を十分に行うことができる。
【0095】
なお、かかるエージング時間は、帯電ローラ3表面における清掃用トナーによる異物の擦り取り状況に応じて適宜設定することができ、特に限定されるものではない。ただし、エージング時間が短くなれば異物を十分に掻き取ることができないおそれがあり、長くなれば、無駄に待機時間が長期化するおそれがある。従って、例えばかかる観点を考慮して、エージング時間を適宜設定することができる。
【0096】
また、感光体ドラム2の逆回転から正回転への切り換え時、感光体ドラム2が停止する瞬間に帯電ローラ3にバイアス(帯電バイアス及び第1逆バイアス共に)が印加されていると、感光体ドラム2に対するリークが発生し、感光体ドラム2の一箇所に集中的に電流が流れることにより、感光体ドラム2表面にピンホールが発生するおそれがある。従って、感光体ドラム2の回転方向の切り換え時には、帯電ローラ3に対するバイアス印加を停止することが好ましい。
【0097】
次に、清掃用トナーの回収工程について説明する。エージング工程を行った後、図7(a)に示すように、引き続き感光体ドラム2を正回転させると同時に、帯電ローラ3に帯電バイアスを印加することとした。また、感光体ドラム2の線速は300mm/secとし、転写ローラ17への第2逆バイアスの印加を継続することとした。
【0098】
これにより、帯電ローラ3と感光体ドラム2との間の電位差によって、帯電ローラ3表面に付着した清掃用トナーが感光体ドラム2へと移動する。また、かかる清掃用トナーの移動と共に、清掃用トナーに付着した異物も感光体ドラム2に移動する。
【0099】
さらに感光体ドラム2が正回転を続けると、感光体ドラム2表面に移動した清掃用トナーは、図7(b)に示すように現像ユニット5を通過し、図7(c)に示すように転写ローラ17を通過する。このとき、転写ローラ17に第2逆バイアスが印加されているため、現像ユニット5を通過した清掃用トナーは、転写ローラ17に付着することなくこれを通過してクリーニング装置9(図2参照)に到達し、クリーニング装置9によって回収される。なお、回収時間は、例えば清掃用トナー回収工程開始から5秒間とすることができる。
【0100】
かかる5秒間の間に、外径30mmの感光体ドラム2は約16周、外径12mmの帯電ローラ3は約40周回転するため、帯電ローラ3から感光体ドラム2表面に清掃用トナーを十分に移動させることができ、更に、クリーニング装置9によって感光体ドラム2表面に移動した清掃用トナーを十分に回収することができる。
【0101】
なお、かかる回収時間は、感光体ドラム2表面からの清掃用トナーの回収状況に応じて適宜設定することができ、特に限定されるものではない。ただし、回収時間が短くなれば清掃用トナーを十分に回収できないおそれがあり、長くなれば十分に回収した後にも感光体ドラム2を回転させることになって、無駄に待機時間が長期化するおそれがある。従って、例えばかかる観点を考慮して、回収時間を適宜設定することができる。
【0102】
また、清掃用トナーの回収における感光体ドラム2の正回転時には、感光体ドラム2の線速を、画像形成時と同じ300mm/secとしたため、効率的に清掃用トナーの回収を行うことができる。しかし、かかる回収時の感光体ドラム2の線速は、帯電ローラ3表面から感光体ドラム2表面へと清掃用トナーを移動させ、クリーニング装置9によって清掃用トナーを回収可能であれば、特に限定されるものではなく、清掃用トナーの移動状況や回収状況等に応じて適宜設定することができる。
【0103】
そして、清掃用トナー回収工程終了後、帯電ローラ3への帯電バイアスの印加、転写ローラ17への逆バイアスの印加、及び感光体ドラム2の正回転を停止することとした。
【0104】
次に、帯電ローラ3表面の清掃の制御方法について説明する。図8は、本実施形態に係る画像形成装置の制御機構の一例を示すブロック図である。図1〜図7と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。画像形成装置1は、画像形成部P、定着ユニット7、クリーニング装置9、第1駆動モータ21、第1電源25、第2電源27、画像入力部32、AD変換部33、記憶部34、制御部35、操作パネル36を含む構成である。
【0105】
画像入力部32は、画像形成装置1が複写機である場合、複写時に原稿を照明するスキャナランプや原稿からの反射光の光路を変更するミラーが搭載された走査光学系、原稿からの反射光を集光して結像する集光レンズ、及び結像された画像光を電気信号に変換するCCD等から構成される画像読取部(図示せず)であり、画像形成装置1がプリンタである場合、パーソナルコンピュータ等から送信される画像データを受信する受信部である。画像入力部32より入力された画像信号は制御部35に送出され、階調処理等の画像処理を適宜行い、AD変換部33においてデジタル信号に変換された後、後述する記憶部34内の画像メモリ40に送出される。
【0106】
画像形成部Pは、感光体ドラム2、帯電ローラ3、露光ユニット4、現像ユニット5、転写ローラ17等から構成され、AD変換部33において変換され画像メモリ40に記憶された画像データをもとに感光体ドラム2上に静電潜像を形成する。感光体ドラム2の他、転写ローラ17、クリーニング装置9内のクリーニングローラ23及び搬送スクリュー24(図2参照)等も、第1駆動モータ21により不図示のギアやクラッチ等を介して回転駆動され、制御部35は第1駆動モータ21に制御信号を送信して感光体ドラム2や転写ローラ17、クリーニングローラ23、回収スクリュー24の回転及び停止を制御する。
【0107】
記憶部34は、画像メモリ40、RAM41、及びROM42を備えており、画像メモリ40は、画像入力部32において入力され、AD変換部33においてデジタル変換された画像信号(データ)を記憶し、制御部35に送出する。RAM41及びROM42は、制御部35の画像処理プログラムや処理内容等を記憶する。また、感光体ドラム2の逆回転及び正回転のタイミングや線速を制御するためのプログラムや、清掃用トナーを現像ユニット5から感光体ドラム2表面に供給するための現像バイアスやその印加及び印加停止タイミング、帯電ローラ3に印加する帯電バイアス、第1逆バイアスやそれらの印加及び印加停止タイミング、転写ローラ17に印加する第2逆バイアスやその印加及び印加停止タイミング等も記憶される。
【0108】
制御部35は、例えば中央処理装置(CPU)であり、設定されたプログラムに従って画像入力部32、画像形成部P、クリーニング装置9等を全般的に制御するとともに、画像入力部32から入力された画像信号を、必要に応じて変倍処理或いは階調処理して画像データ(印字データ)に変換する。露光ユニット4は、処理後の画像データに基づいてレーザ光を照射し、感光体ドラム2表面に静電潜像を形成する。さらに制御部35は、設定されたプログラムに従って画像入力部32、帯電ローラ3、露光ユニット4、現像ユニット5等の画像形成装置各部の制御も行う。
【0109】
また制御部35は、非画像形成時に帯電ローラ3表面の清掃モードが設定されると、感光体ドラム2を逆回転させると共に帯電ローラ3に第1逆バイアスを印加して、現像ユニット5から感光体ドラム2表面に清掃用トナーを供給すると共に感光体ドラム2表面に供給された清掃用トナーを帯電ローラ3表面に付着させる(清掃用トナー付着工程を行う)機能や、清掃用トナー付着工程後、感光体ドラム2を正回転させてエージング工程を行う機能や、エージング工程後、感光体ドラム2を正回転させると共に帯電ローラ3に帯電バイスを印加して帯電ローラ3表面から感光体ドラム2表面に清掃用トナーを移動させると共にクリーニング装置9によって回収させる(清掃用トナー回収工程を行う)機能や、清掃用トナー付着工程から回収工程までの間、転写ローラ17に第2逆バイアスを印加する機能も有している。
【0110】
操作パネル36は、画像形成装置1が複写機の場合には、複数の操作キーから成る操作部と、設定条件や装置の状態等を表示する表示部(いずれも図示せず)とから構成されており、ユーザが印刷サイズ等、印刷条件等の設定を行う他、例えば画像形成装置1がファクシミリ機能を有する場合は、記憶部34にファクシミリ送信先を登録し、さらに登録された送信先の読み出しや書き換えを行う等の種々の設定にも使用される。また、操作パネル36は、画像形成装置1がプリンタである場合には、不図示のパーソナルコンピュータに表示される表示部から構成される。
【0111】
なお、清掃モードは、ユーザが操作パネル36で設定する他、所定枚数の印字終了後や、一の印字ジョブの終了後等に自動的に行うこともできる。また、そのタイミングは特に限定されるものではなく、帯電ローラ3表面の汚染状況等に応じて適宜設定することができる。
【0112】
次に、本実施形態に係る画像形成装置の制御の一例について説明する。図9は、本実施形態に係る画像形成装置の制御手順の一例を示すフローチャートであり、図10は、図9の制御手順のタイミングチャートである。図8及び図10を参照しながら、図9のステップに従い本制御例について説明する。
【0113】
まず、画像形成(印字)終了後、帯電ローラ3に対する帯電バイアスの印加、現像ユニットの作動、転写ローラ17に対するバイアスの印加、感光体ドラム2の回転は、停止している(OFF)。
【0114】
かかる非画像形成時に、清掃モードが設定されると(スタート)、制御部35は、第1駆動モータ21を逆回転させることにより感光体ドラム2を逆回転させ、帯電ローラ3を感光体ドラム2と従動回転させると共にスラスト移動させた直後、帯電ローラ3に第1逆バイアスを印加させ、転写ローラ17に第2逆バイアスを印加させると共に、現像ローラ5aに現像バイアスを印加させて、感光体ドラム2表面に清掃用トナーを供給すると共に感光体ドラム2から帯電ローラ3に清掃用トナーを付着させる(ステップS1)。
【0115】
次に、帯電ローラ3の1周分の清掃用トナーが感光体ドラム2表面に供給されると、制御部35は、現像ローラ5aへの現像バイアスに印加を停止して清掃用トナーの供給を停止する(ステップS2)。次に、感光体ドラム2の逆回転開始から例えば2秒経過後、制御部35は、第1駆動モータ21の回転方向を切り換え、感光体ドラム2を正回転させて、エージング工程を行う(ステップS3)。これにより、帯電ローラ3表面において、異物が清掃用トナーに擦り取られながら、該清掃用トナーに付着する。
【0116】
なお、ここでは、ステップS2での清掃用トナー付着工程終了後、ステップS3でのエージング工程前に、現像ローラ5aへの現像バイアスの印加を停止すると共に帯電ローラ3への第1逆バイアスの印加、及び転写ローラ17に対する第2逆バイアスの印加を停止した後、一旦、感光体ドラム2の逆回転を停止させた。
【0117】
次に、感光体ドラム2の正回転開始から例えば10秒経過後、制御部35は、感光体ドラム2を正回転させると共に、帯電ローラ3に印加するバイアスを切り換えて、帯電バイアスを印加する(ステップS4)。これにより、異物が付着した清掃用トナーが、帯電ローラ3表面から、正回転する感光体ドラム2表面に移動する。また、感光体ドラム2表面に移動した清掃用トナーは、第2逆バイアスが印加された転写ローラ17に付着することなくこれを通過して、クリーニング装置9により回収される。
【0118】
なお、ここでは、ステップS3でのエージング工程後、ステップS4での清掃用トナー回収前に、帯電ローラ3に対する第1逆バイアスの印加及び転写ローラ17に対する第2逆バイアスの印加を停止した後、一旦、感光体ドラム2の正回転を停止させた。
【0119】
そして、清掃用トナー回収工程開始から例えば5秒経過後、制御部35は、帯電ローラ3に対する帯電バイアスの印加、転写ローラ17に対する第2逆バイアスの印加、及び、感光体ドラム2の正回転を停止させた後(ステップS5)、終了する。なお、ここでは、帯電ローラ3に対する帯電バイアスの印加、及び転写ローラ17に対する第2逆バイアスの印加を停止した後、感光体ドラム2の正回転を停止した。
【0120】
上記の通り、非画像形成時、帯電ローラ3を摺擦可能な感光体ドラム2を設け、非画像形成時、回転する感光体ドラム2表面に現像ユニット5から清掃用トナーを供給し、感光体ドラム2表面から帯電ローラ3表面に略均一に清掃用トナーの付着を行った後、感光体ドラム2との間で線速差を設けて清掃用トナーにより帯電ローラ3表面の摺擦を行い、該帯電ローラ3表面の摺擦後、帯電ローラ表面から感光体ドラム2表面に清掃用トナーを移動させ感光体ドラム2表面からクリーニング装置9への清掃用トナーの回収を行うことにより、帯電ローラ3表面を清掃した。
【0121】
これにより、帯電ローラ3に付着した異物を清掃用トナーに付着させて効率的に除去することができるため、複雑な構成を用いることなく接触式の帯電ローラ3表面に付着した異物を除去することが可能となる。さらに、長期間にわたって安定した画像品質を得ることが可能となる。
【0122】
なお、本実施形態では、清掃用トナー付着工程及び清掃用トナー回収工程においても、帯電ローラ3がスラスト移動することとしたが、その他、帯電ローラ3の摺擦時にのみ帯電ローラ3をスラスト移動させることもできる。これにより、帯電ローラ3に清掃用トナーを付着させ易くなり、帯電ローラ3から感光体ドラム2に移動させ易くなる。
【0123】
かかる場合、一例として、帯電ローラ3のシャフト3aを回転自在に支持すると共に、シャフト3aの軸方向一端を圧縮バネ等で他端側に付勢する。そして、シャフト3aの他端部を、装置本体に設けたソレノイドのプランジャが押圧可能とし、ソレノイドの作動をON/OFFしてプランジャを出没させることによって、帯電ローラ3をスラスト駆動することができる。また、これにより、画像形成時に、帯電ローラ3がスラスト移動しないようにすることができる。
【0124】
また、本実施形態では、清掃用トナー付着工程時及びエージング工程時に、帯電ローラ3に第1逆バイアスを印加したため、感光体ドラム2に供給されたトナーを、より確実に帯電ローラ3に付着させると共に清掃用トナーにより異物を掻き取ることができる。また、帯電ローラ3と感光体ドラム2との間の線速差は、回転方向に特に限定されるものではなく、軸方向に線速差を設けることもできる。
【0125】
次に、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置について説明する。図11は、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置に用いられる帯電ローラ周辺の構成を示す図である。また、図12は、清掃用トナー付着工程における感光体ドラム、帯電ローラ及び現像ローラの回転を示す図であって、図12(a)は、清掃用トナーが現像ローラから感光体ドラム表面に供給される状態を示す図であり、図12(b)は、トナーが感光体ドラム表面から帯電ローラに付着する状態を示す図であり、図12(c)は、トナーが帯電ローラに略均一に付着した状態を示す図である。
【0126】
また、図13は、エージング工程における感光体ドラム、帯電ローラ及び現像ローラの回転を示す図であり、図14は、清掃用トナー回収工程における感光体ドラム、帯電ローラ及び現像ローラの回転を示す図であって、図14(a)は、清掃用トナーが帯電ローラから感光体ドラム表面に移動する状態を示す図であり、図14(b)は、清掃用トナーが感光体ドラムの回転と共に移動する状態を示す図であり、図14(c)は、清掃用トナーがクリーニング装置に回収される状態を示す図である。なお、図12〜図14では清掃用トナーを黒丸で示す。また、図1〜図10と共通する部分には共通する符号を付して説明を省略する。
【0127】
本実施形態では、帯電ローラ3の摺擦時、帯電ローラ3と感光体ドラム2との間で軸方向の線速差を設ける代わりに、回転方向の線速を設けることとした。
【0128】
図11に示すように、帯電ローラ3のシャフト3aは、第1駆動モータ21とは別途設けられた第2駆動モータ41に第1クラッチ機構43を介して連結されるようになっている。エージング工程時に、第1クラッチ機構43が作動してシャフト3aが第2駆動モータ41と駆動連結されると、第2駆動モータ41からの駆動力が伝達されて、帯電ローラ3は、感光体ドラム2との接触部において感光体ドラム2と同方向に駆動回転する。その他の構成は第1実施形態と同様であるため、以下、主として第1実施形態と異なる点について説明する。
【0129】
本実施形態では、清掃用トナー付着工程を、帯電ローラ3の駆動が停止し、帯電ローラ3がスラスト移動することなく感光体ドラム2と従動回転させ、上記第1実施形態と同様にして、行うこととした。これにより、図12(a)に示すように、清掃用トナーが現像ローラ5aから感光体ドラム2表面に供給された後、図12(b)に示すように、清掃用トナーが感光体ドラム2から帯電ローラ3に付着し、図12(c)に示すように、清掃用トナーが帯電ローラ3表面に略均一に付着する。
【0130】
次に、エージング工程において、図13に示すように、感光体ドラム2の回転方向を切り換え、線速300mm/secで正回転(図の時計回り)させると共に、帯電ローラ3を第2駆動モータ41により線速360mm/secで駆動回転させる。また、帯電ローラ3には、第1実施形態と同様、第1逆バイアスを印加する。これにより、帯電ローラ3の線速の方が感光体ドラム2の線速よりも大きくなり、帯電ローラ3と感光体ドラム2との間の線速差は、60mm/secとなる。
【0131】
このように線速差を設けることにより、エージング工程時において、清掃用トナーによる異物の擦り取り性能が向上する。また、帯電ローラ3の線速を感光体ドラム3の線速よりも大きくすることによって、帯電ローラ3表面での清掃用トナーによる異物の摺擦時間を短縮することができる。
【0132】
なお、感光体ドラム2の線速を帯電ローラ3の線速よりも小さくすることもできる。ただし、上記したように、感光体ドラム2が停止している状態で帯電ローラ3にバイアスが印加されると、感光体ドラム2表面にピンホールが発生するおそれがある。従って、かかる観点を考慮すれば、感光体ドラム2は少なくとも回転している(線速が0より大きい)ことが好ましく、その線速は、20mm/sec以上がより好ましく、100mm/sec以上がさらに好ましい。
【0133】
また、感光体ドラム2の線速が大きくなれば、摺擦時間を短縮することが可能となるが、画像形成時の設定に戻すための作業が煩雑となるおそれがある。かかる観点を考慮すれば、エージング時の感光体ドラム2の線速を、画像形成時と同じ線速(例えば略300mm/sec)とすることが好ましい。
【0134】
そして、清掃用トナー付着工程においては、帯電ローラ3の駆動を停止し、上述した第1実施形態と同様にして、図14(a)に示すように、感光体ドラム2を正回転させると共に帯電ローラ3に帯電バイアスを印加して、図14(b)に示すように、帯電ローラ3に付着した清掃用トナーを感光体ドラム2に移動させた後、図14(c)に示すように、清掃用トナーをクリーニング装置9(図2参照)で回収する。
【0135】
図15は、本実施形態に係る画像形成装置の制御機構の一例を示すブロック図である。図8と共通する部分には共通する符号を付して説明を省略する。図15に示すように、記憶部34には、第2駆動モータ41を作動及び停止するタイミングに関するパラメータが記憶されている。
【0136】
また、制御部35は、感光体ドラム2を逆回転させ、第2駆動モータ41の作動を停止した状態で帯電ローラ3に第1逆バイアス、現像ローラ5aに現像バイアスを印加させて清掃用トナーの付着を行う機能や、清掃用トナーの付着工程後、感光体ドラム2を正回転させ、第2駆動モータ41を作動させると共に、帯電ローラ3に第1逆バイアスを印加させてエージング工程を行う機能や、エージング工程後、感光体ドラム2を正回転させ、第2駆動モータ41の作動を停止させると共に、帯電ローラ3に帯電バイアスを印加させて清掃用トナー回収工程を行う機能を有している。
【0137】
次に、本実施形態に係る画像形成装置の制御の一例について説明する。図16は、本実施形態に係る画像形成装置の制御手順の一例を示すフローチャートであり、図17は、図16の制御手順のタイミングチャートである。図9、図10と共通する部分には共通する符号を付して説明を省略する。図15及び図17を参照しながら、図16のステップに従い本制御例について説明する。
【0138】
まず、帯電ローラ3の駆動を停止した状態で、帯電ローラ3をスラスト移動させることなく感光体ドラム2と従動回転させ、上記第1実施形態のステップS1、S2と同様に、ステップS11、S12を実行して、清掃用トナー付着工程を行う。
【0139】
次に、感光体ドラム2の逆回転開始から例えば2秒経過後、制御部35は、第1駆動モータ21の回転方向を切り換えて感光体ドラム2を正回転させると共に、第2駆動モータ41により帯電ローラ3を回転させて、エージング工程を行う(ステップS13)。これにより、帯電ローラ3表面において、異物が清掃用トナーに擦り取られながら、該清掃用トナーに付着する。
【0140】
次に、感光体ドラム2の正回転開始から例えば10秒経過後、制御部35は、帯電ローラ3の駆動を停止して帯電ローラ3を感光体ドラム2と従動回転させて、上記実施形態1のステップS4と同様に、清掃用トナー回収工程を行う(ステップS14)。これにより、異物が付着した清掃用トナーが、帯電ローラ3表面から、正回転する感光体ドラム2表面に移動し、感光体ドラム2表面に移動した清掃用トナーは、第2逆バイアスが印加された転写ローラ17に付着することなくこれを通過して、クリーニング装置9により回収される。
【0141】
そして、清掃用トナー回収工程開始から例えば5秒経過後、制御部35は、第1実施形態と同様に、帯電ローラ3に対する帯電バイアスの印加、転写ローラ17に対する第2逆バイアスの印加、及び、感光体ドラム2の正回転を停止させた後(ステップS15)、終了する。
【0142】
なお、本実施形態においても、第1実施形態と同様にして、清掃用トナー付着工程とエージング工程との間、及び、エージング工程と清掃用トナー回収工程との間、において感光体ドラム2の回転を一旦停止させた。
【0143】
上記の通り、本実施形態においても、エージング工程時、感光体ドラム2と帯電ローラとの間に線速差を設けたため、帯電ローラ3の摺擦時において、清掃用トナーによる異物の擦り取り性能が向上する。また、本実施形態では、回転方向において感光体ドラム2と帯電ローラ3との間で線速差を設けたため、かかる線速差を設けるための複雑な部材を追加することを回避できると共に、清掃用トナーによる異物の擦り取り性能が向上する。また、本実施形態では、帯電ローラ3の線速を感光体ドラム3の線速よりも大きくしたため、帯電ローラ3表面での摺擦時間を短縮することができる。
【0144】
また、本実施形態では、第2駆動モータ41を設けたが、その他、第2駆動モータ41を設けない構成とすることもできる。かかる場合、例えば、帯電ローラ3のシャフト3aを、エージング工程時に、不図示のクラッチ機構を切り換えることによって第1駆動モータ21に連結されたギアと噛み合わせることができるようにし、かかるギアと噛み合ったときに、帯電ローラ3の線速が感光体ドラム2よりも大きくなるようにギア比を調整する。これにより、第2駆動モータ41を設けることなく、帯電ローラ3の線速を可変することができる。
【0145】
上記第1及び第2実施形態では、帯電ローラ3の摺擦時、帯電ローラ3と感光体ドラム2との間で線速差を設けることによって、清掃用トナーによる異物の擦り取り性能を向上させたが、本発明の摺擦手段は、感光体ドラム2に特に限定されるものではない。
【0146】
次に、本発明の第3実施形態に係る画像形成装置について説明する。図18は、本発明の第3実施形態に係る画像形成装置に用いられる帯電ローラ周辺の概略拡大断面図であり、図19は、本実施形態に係る画像形成装置に用いられる軸受け部材辺を示す概略側面図である。
【0147】
また、図20は、清掃用トナー付着工程における感光体ドラム、帯電ローラ、摺擦ローラ及び現像ローラの回転を示す図であって、図20(a)は、清掃用トナーが現像ローラから感光体ドラム表面に供給される状態を示す図であり、図20(b)は、トナーが感光体ドラム表面から帯電ローラに付着する状態を示す図であり、図20(c)は、トナーが帯電ローラに略均一に付着した状態を示す図である。また、図21は、エージング工程における感光体ドラム、帯電ローラ、摺擦ローラ及び現像ローラの回転を示す図である。
【0148】
また、図22は、清掃用トナー回収工程における感光体ドラム、帯電ローラ、摺擦ローラ及び現像ローラの回転を示す図であって、図22(a)は、清掃用トナーが帯電ローラから感光体ドラム表面に移動する状態を示す図であり、図22(b)は、清掃用トナーが感光体ドラムの回転と共に移動する状態を示す図であり、図22(c)は、清掃用トナーがクリーニング装置に回収される状態を示す図である。図1〜図17と共通する部分には共通する符号を付して説明を省略する。
【0149】
本実施形態では、帯電ローラ3と接触回転する摺擦ローラ(摺擦部材、摺擦手段)55を設け、画像形成時には摺擦ローラ55が帯電ローラ3に従動回転し、エージング工程時、摺擦ローラ55を駆動回転させることによって、摺擦ローラ55と帯電ローラ3との間で、回転方向に線速差を設けることとした。また、本実施形態では、摺擦ローラ55の線速を帯電ローラの線速よりも大きくすることとした。
【0150】
図18に示すように、帯電ローラ3の上方には、導電性のブラシローラから成る摺擦ローラ55が配置されている。摺擦ローラ55は、芯金から成る支軸55aの周囲に、例えば、6−ナイロン製、ブラシ径12mm、フィラメント太さ2デニール、フィラメント密度4万フィラメント/cm2、ブラシ抵抗値0.7×107Ωの導電性のファーブラシが形成されている。なお、摺擦ローラ55は特に限定されるものではなく、導電性のスポンジ系の発泡部材から形成することも可能であるが、帯電ローラ3の寿命を考慮すれば、ブラシローラとすることが好ましい。
【0151】
図19に示すように、摺擦ローラ55の支軸55aは、帯電ローラ3のシャフト3aと共に導電性の軸受け部材57に回転自在に支持されている。具体的には、軸受け部材57には、摺擦ローラ55の支軸55aと、帯電ローラ3のシャフト3aとを、それぞれ支持可能な2つの貫通穴57aが形成されており、かかる貫通穴57aに、支軸55aとシャフト3aが支持されている。また、貫通穴57aは、摺擦ローラ55が帯電ローラ3に対して帯電ローラ3の帯電への影響を及ぼさない程度の圧接力で圧接されるような間隔で形成されている。
【0152】
これにより、帯電ローラ3の摺擦時に、帯電ローラ3に第1逆バイアスが印加されると、摺擦ローラ55にも、同電位の第1逆バイアスが印加される。また、支軸55aの一端部は、第1駆動モータ21とは別途独立した第3駆動モータ61に、上記した第2実施形態と同様の第2クラッチ機構63を介して接続されている。その他の構成は第1実施形態と同様であるため、以下、主として第1実施形態と異なる点について説明する。
【0153】
本実施形態では、清掃用トナー付着工程においては、帯電ローラ3がスラスト移動することなく感光体ドラム2と従動回転し、摺擦ローラ55の駆動を停止させて、上述した第1実施形態と同様にして、図20(a)に示すように、清掃用トナーが現像ローラ5aから感光体ドラム2表面に供給された後、図20(b)に示すように、清掃用トナーが感光体ドラム2から帯電ローラ3に付着し、図20(c)に示すように、清掃用トナーが帯電ローラ3表面に略均一に付着する。
【0154】
次に、エージング工程において、図21に示すように、感光体ドラム2の回転方向を切り換え、線速300mm/secで正回転(図の時計回り)させ、帯電ローラ3を従動回転させる(線速300mm/sec)と共に、摺擦ローラ55を第3駆動モータ61により線速360mm/secで駆動回転させる。また、帯電ローラ3には、第1実施形態と同様、第1逆バイアスを印加する。これにより、摺擦ローラ55の線速の方が帯電ローラ3の線速よりも大きくなり、摺擦ローラ55と帯電ローラ3との間の線速差は、60mm/secとなる。
【0155】
このように線速差を設けることにより、エージング工程時において、清掃用トナーによる異物の擦り取り性能が向上する。また、摺擦ローラ55の線速を感光体ドラム3の線速よりも大きくすることによって、帯電ローラ3表面での摺擦時間を短縮することができる。
【0156】
しかし、摺擦ローラ55の線速を帯電ローラ3よりも小さくすることもできる。また、上記第2実施形態に示すように帯電ローラ3の線速を可変することにより、帯電ローラ3の線速を、摺擦ローラ55よりも大きくすることも小さくすることできる。ただし、上記したように、感光体ドラム2が停止している状態で帯電ローラ3のバイアスが印加されるとピンホールが発生するおそれがある。かかる観点を考慮すれば、帯電ローラ3は少なくとも回転している(線速が0より大きい)ことが好ましく、その線速は、20mm/sec以上がより好ましく、100mm/sec以上がさらに好ましい。
【0157】
また、上記したように、摺擦時間を短縮するという観点、及び、画像形成時の設定に戻すための作業の煩雑さを考慮すれば、エージング時の帯電ローラ3の線速を、画像形成時と同じ線速(例えば略300mm/sec)とすることが好ましい。
【0158】
また、本実施形態では、帯電ローラ3の摺擦時、帯電ローラ3と摺擦ローラ55とを同電位としたため、帯電ローラ3から摺擦ローラ55に清掃用トナー及び異物が移動することを防止することができる。
【0159】
そして、清掃用トナー回収工程においては、摺擦ローラ55の駆動を停止し、上述した第1実施形態と同様にして、図22(a)に示すように、感光体ドラム2を正回転させると共に帯電ローラ3に帯電バイアスを印加して、図22(b)に示すように、帯電ローラ3に付着した清掃用トナーを感光体ドラム2に移動させた後、図22(c)に示すように、清掃用トナーをクリーニング装置9(図2参照)で回収する。
【0160】
なお、摺擦ローラ55を帯電ローラ3に従動回転させることにより、帯電ローラ3と摺擦ローラ55との間での清掃用トナーの滞留を回避できるため、帯電ローラ3表面の清掃用トナーの回収が容易となる。
【0161】
また、上記の通り、摺擦ローラ55は帯電ローラ3と同電位となるため、帯電ローラ3に帯電バイアスを印加しても、帯電ローラ3表面の清掃用トナーの摺擦ローラ55への移動を防止することができる。これにより、帯電ローラ3からの清掃用トナーの回収が容易となる。
【0162】
なお、ここでは、画像形成時には、帯電ローラ3に従動回転するため、摺擦ローラ55は帯電ローラ3表面の清掃能力は殆ど有していない。しかし、摺擦ローラ55が、画像形成時に帯電ローラ3に対する清掃能力を有するような構成にすることもできる。
【0163】
図23は、本実施形態に係る画像形成装置の制御機構の一例を示すブロック図である。図8と共通する部分には共通する符号を付して説明を省略する。図23に示すように、記憶部34には、第3駆動モータ61を作動及び停止するタイミングに関するパラメータが記憶されている。
【0164】
また、制御部35は、感光体ドラム2を逆回転させ、第3駆動モータ61の作動を停止した状態で帯電ローラ3に第1逆バイアス、現像ローラ5aに現像バイアスを印加させて清掃用トナーの付着を行う機能や、清掃用トナーの付着工程後、感光体ドラム2を正回転させ、第3駆動モータ61を作動させると共に、帯電ローラ3に第1逆バイアスを印加させてエージング工程を行う機能や、エージング工程後、感光体ドラム2を正回転させ、第3駆動モータ61の作動を停止させると共に、帯電ローラ3に帯電バイアスを印加させて清掃用トナー回収工程を行う機能を有している。
【0165】
次に、本実施形態に係る画像形成装置の制御の一例について説明する。図24は、本実施形態に係る画像形成装置の制御手順の一例を示すフローチャートであり、図25は、図24の制御手順のタイミングチャートである。図9及び図10と共通する部分には共通する符号を付して説明を省略する。図23及び図25を参照しながら、図24のステップに従い本制御例について説明する。
【0166】
まず、帯電ローラ3がスラスト移動することなく感光体ドラム2と従動回転し、摺擦ローラ55の駆動を停止させ、上記第1実施形態のステップS1、S2と同様に、ステップS21、S22を実行して、清掃用トナー付着工程を行う。このとき摺擦ローラ55は帯電ローラ3と従動回転している。
【0167】
次に、感光体ドラム2の逆回転開始から例えば2秒経過後、制御部35は、第1駆動モータ21の回転方向を切り換えて感光体ドラム2を正回転させると共に、第3駆動モータ61により摺擦ローラ55を回転させて、エージング工程を行う(ステップS23)。これにより、帯電ローラ3表面において、異物が清掃用トナーに擦り取られながら、該清掃用トナーに付着する。
【0168】
次に、感光体ドラム2の正回転開始から例えば10秒経過後、制御部35は、摺擦ローラ55の駆動を停止して摺擦ローラ55を帯電ローラ3と従動回転させて、上記実施形態1のステップS4と同様に、清掃用トナー回収工程を行う(ステップS24)。これにより、異物が付着した清掃用トナーが、帯電ローラ3表面から、正回転する感光体ドラム2表面に移動し、感光体ドラム2表面に移動した清掃用トナーは、第2逆バイアスが印加された転写ローラ17に付着することなくこれを通過して、クリーニング装置9により回収される。
【0169】
そして、清掃用トナー回収工程開始から例えば5秒経過後、制御部35は、第1実施形態と同様に、帯電ローラ3に対する帯電バイアスの印加、転写ローラ17に対する第2逆バイアスの印加、及び、感光体ドラム2の正回転を停止させた後(ステップS25)、終了する。
【0170】
なお、本実施形態においても、第1実施形態と同様にして、清掃用トナー付着工程とエージング工程との間、及び、エージング工程と清掃用トナー回収工程との間、において感光体ドラム2の回転を一旦停止させた。
【0171】
上記の通り、本実施形態においても、非画像形成時、回転する感光体ドラム2表面に現像ユニット5から清掃用トナーを供給し、感光体ドラム2表面から帯電ローラ3表面に略均一に清掃用トナーの付着を行った後、摺擦ローラ55と帯電ローラ3との間で線速差を設けて清掃用トナーにより帯電ローラ3表面の摺擦を行い、該帯電ローラ3表面の摺擦後、帯電ローラ3表面から感光体ドラム2表面に清掃用トナーを移動させ感光体ドラム2表面からクリーニング装置9への清掃用トナーの回収を行うことにより、帯電ローラ3表面を清掃することができる。
【0172】
また、本実施形態では、摺擦ローラ55に、帯電ローラ3と同電位のバイアスを印加したため、清掃トナー付着工程時、エージング工程時及び清掃用トナー回収工程時の全ての帯電ローラ3表面の清掃時において、帯電ローラ3に付着した清掃用トナーが摺擦ローラ55または感光体ドラム2へと移動することを防止できるため、帯電ローラ3に付着した異物の清掃用トナーによる擦り取り性能、及び、清掃用トナーの回収性能が向上する。
【0173】
また、本実施形態では、摺擦ローラ55が、少なくとも画像形成時に帯電ローラ3と従動して回転し、帯電ローラ3の摺擦時に、摺擦ローラ55との間で線速差を設けることとしたため、画像形成に及ぼす影響をより回避すると共に、効率的に帯電ローラ3に付着した異物を除去することができる。
【0174】
また、本実施形態では、エージング工程時、摺擦ローラ55の線速を、帯電ローラ3の線速よりも大きくしたため、帯電ローラ3の線速を変えることなく、帯電ローラ3に付着した異物を除去することができる。また、本実施形態では、エージング工程時、回転方向において摺擦ローラ55の線速を、帯電ローラ3の線速よりも大きくしたため、摺擦ローラ55の線速を変えるための複雑な部材を追加する必要がなく、より簡単な構成とすることができる。
【0175】
なお、摺擦ローラ55と帯電ローラ3との間での線速差は、回転方向に設けることに特に限定されず、軸方向に設けることもできる。
【0176】
次に、本発明の第4実施形態に係る画像形成装置について説明する。図26は、本実施形態の画像形成装置に用いられる帯電ローラ周辺の概略拡大断面図であり、図27は、本実施形態に係る画像形成装置に用いられる第2スライドプーリ及び第2ガイド部材周辺を示す概略斜視図であり、図28は、摺擦ローラがスラスト移動する状態を示す図であって、図28(a)は摺動ローラが一方にスラスト移動した状態を示す図であり、図28(b)は、他方にスラスト移動した状態を示す図である。
【0177】
また、図29は、清掃用トナー付着工程における感光体ドラム、帯電ローラ、摺擦ローラ及び現像ローラの回転を示す図であって、図29(a)は、清掃用トナーが現像ローラから感光体ドラム表面に供給される状態を示す図であり、図29(b)は、トナーが感光体ドラム表面から帯電ローラに付着する状態を示す図であり、図29(c)は、トナーが帯電ローラに略均一に付着した状態を示す図である。また、図30は、エージング工程における感光体ドラム、帯電ローラ及び現像ローラの回転を示す図である。
【0178】
また、図31は、清掃用トナー回収工程における感光体ドラム、帯電ローラ、摺擦ローラ及び現像ローラの回転を示す図であって、図31(a)は、清掃用トナーが帯電ローラから感光体ドラム表面に移動する状態を示す図であり、図31(b)は、清掃用トナーが感光体ドラムの回転と共に移動する状態を示す図であり、図31(c)は、清掃用トナーがクリーニング装置に回収される状態を示す図である。図1〜図25と共通する部分には共通する符号を付して説明を省略する。
【0179】
本実施形態では、図26、図27及び図28に示すように、摺擦ローラ55の支軸55aを上記第3実施形態に示す第3駆動モータ61に連結する代わりに、上記した第1実施形態で帯電ローラ3をスラスト移動させたのと同様にして、摺擦ローラ55をスラスト移動させることとした。
【0180】
具体的には、図27に示すように、摺擦ローラ55の支軸55aの右端部は、図示は省略するが、帯電ローラ3及び摺擦ローラ55を支持する不図示のハウジングに軸方向(図の左右方向)にスライド可能に支持されている。一方、摺擦ローラ55の左側部には、第1実施形態で示した第1スライドプーリ51と同様の第2スライドプーリ71が取り付けられている。
【0181】
また、上記ハウジングには、第1実施形態に示した第1ガイド部材53と同様の、第2スライドプーリ71をガイドする第2ガイド部材73が設けられており、第2ガイド部材73は、第1実施形態に示した第1ガイド溝53aと同様の第2ガイド溝73aを有し、この第2ガイド溝73aの左右両側面には、第1実施形態に示した第1突起53bと同様の、第2突起73bが設けられている。
【0182】
そして、第2突起73bが第2凹溝71aに係合することにより、第2スライドプーリ71の第2凹溝71aの底面同士の間の薄肉部分が第2スライドプーリ71の軸方向の両側から第2ガイド部材73の第2突起73bによって摺動可能に挟持されるようになる。このため、摺動ローラ55が回転して、図28(a)に示すように第2スライドプーリ71の薄肉部分のうち最も右側寄りの部分が第2突起73b間に挟持されたときには、摺擦ローラ55が左方に移動し、図29(b)に示すように第2スライドプーリ71の薄肉部分のうち最も左側寄りの部分が第2突起73b間に挟持されたときには、摺擦ローラ55が右方に移動する。すなわち、摺擦ローラ55が1回転すると、当該摺擦ローラ55が軸方向に1回往復移動する。
【0183】
なお、第1実施形態と同様、第2スライドプーリ71の傾斜角度は、摺擦ローラ55の往復移動する距離が±0.5mm、すなわち摺擦ローラ55の振幅が1mmとなるように設定されており、摺擦ローラ55の往復移動する距離は、±5mm以下であることが好ましい。
【0184】
また、ここでは、画像形成時及び非画像形成時において、感光体ドラム2及び帯電ローラ3が回転するとき、摺擦ローラ55は帯電ローラ3に従動回転すると共に、スラスト方向に移動することとしたが、上記第1実施形態と同様、帯電ローラ3の摺擦時にのみスラスト移動する構成とすることもできる。なお、画像形成時に摺擦ローラ55がスラスト移動していても、帯電ローラ3による感光体ドラム2の帯電を行うことができ、画像不良は生じない。その他の構成は第3実施形態と同様であるため、以下、主として第3実施形態と異なる点について説明する。
【0185】
本実施形態では、清掃用トナー付着工程においては、摺擦ローラ55をスラスト移動しながら帯電ローラ3と従動回転させて、上述した第3実施形態と同様にして、図29(a)に示すように、清掃用トナーが現像ローラ5aから感光体ドラム2表面に供給された後、図29(b)に示すように、清掃用トナーが感光体ドラム2から帯電ローラ3に付着し、図29(c)に示すように、清掃用トナーが帯電ローラ3表面に略均一に付着する。
【0186】
次に、エージング工程において、感光体ドラム2の回転方向を切り換え、線速300mm/secで正回転(図の時計回り)させる。また、帯電ローラ3には、第3実施形態と同様、第1逆バイアスを印加する。これにより、感光体ドラム2と従動回転する帯電ローラ3と、スラスト移動する摺擦ローラ55と、が摺擦し、帯電ローラ3表面の異物を清掃用トナーにより擦り取ることができる。
【0187】
そして、清掃用トナー回収工程においては、上述した第3実施形態と同様にして、図31(a)に示すように、感光体ドラム2を正回転させると共に帯電ローラ3に帯電バイアスを印加して、図31(b)に示すように、帯電ローラ3に付着した清掃用トナーを感光体ドラム2に移動させた後、図31(c)に示すように、清掃用トナーをクリーニング装置9(図2参照)で回収する。
【0188】
図32は、本実施形態に係る画像形成装置の制御機構の一例を示すブロック図である。図23と共通する部分には共通する符号を付して説明を省略する。制御部35は、感光体ドラム2を逆回転させた状態で帯電ローラ3に第1逆バイアス、現像ローラ5aに現像バイアスを印加させて清掃用トナーの付着を行う機能や、清掃用トナーの付着工程後、感光体ドラム2を正回転させると共に、帯電ローラ3に第1逆バイアスを印加させてエージング工程を行う機能や、エージング工程後、感光体ドラム2を正回転させると共に、帯電ローラ3に帯電バイアスを印加させて清掃用トナー回収工程を行う機能を有している。
【0189】
次に、本実施形態に係る画像形成装置の制御の一例について説明する。図33は、本実施形態に係る画像形成装置の制御手順の一例を示すフローチャートであり、図34は、図33の制御手順のタイミングチャートである。図24及び図25と共通する部分には共通する符号を付して説明を省略する。図32及び図34を参照しながら、図33のステップに従い本制御例について説明する。
【0190】
まず、帯電ローラ3を感光体ドラム2と従動回転させると共に、摺擦ローラ55をスラスト移動させながら帯電ローラ3と従動回転させ、上記第3実施形態のステップS21、S22と同様に、ステップS31、S32を実行して、清掃用トナー付着工程を行う。
【0191】
次に、感光体ドラム2の逆回転開始から例えば2秒経過後、制御部35は、第1駆動モータ21の回転方向を切り換えて感光体ドラム2を正回転させて、エージング工程を行う(ステップS33)。これにより、帯電ローラ3表面において、異物が清掃用トナーに擦り取られながら、該清掃用トナーに付着する。
【0192】
次に、感光体ドラム2の正回転開始から例えば10秒経過後、制御部35は、感光体ドラム2を正回転させて、上記第3実施形態のステップS24と同様に、清掃用トナー回収工程を行う(ステップS34)。これにより、異物が付着した清掃用トナーが、帯電ローラ3表面から、正回転する感光体ドラム2表面に移動し、感光体ドラム2表面に移動した清掃用トナーは、第2逆バイアスが印加された転写ローラ17に付着することなくこれを通過して、クリーニング装置9により回収される。
【0193】
そして、清掃用トナー回収工程開始から例えば5秒経過後、制御部35は、第3実施形態と同様に、帯電ローラ3に対する帯電バイアスの印加、転写ローラ17に対する第2逆バイアスの印加、及び、感光体ドラム2の正回転を停止させた後(ステップS35)、終了する。
【0194】
なお、本実施形態においても、第3実施形態と同様にして、清掃用トナー付着工程とエージング工程との間、及び、エージング工程と清掃用トナー回収工程との間、において感光体ドラム2の回転を一旦停止させた。
【0195】
本実施形態により、エージング工程時、摺擦ローラ55が、帯電ローラ3に対して軸方向に往復運動することとしたため、回転方向とは異なる方向から清掃用トナーが異物を擦り取ることができるため、より確実に清掃用トナーに異物を付着させ、帯電ローラ3に付着した異物を除去することができる。
【0196】
なお、摺擦ローラ55の代わりに、その他、摺擦部材として、板状のブラシ部材を用いることもできる。この場合には、本実施形態と同様に、摺擦部材をスラスト移動させればよい。
【0197】
上記各実施形態では、清掃用トナー回収工程時、第1電源25が帯電ローラ3に帯電バイアスを印加したため、帯電ローラ3表面から感光体ドラム2表面への清掃用トナーの移動を、より効率的且つ確実に行うことができる。
【0198】
なお、かかる回収時の帯電バイアスを、画像形成時の帯電バイアスと同じにすることによって構成の複雑化を防止することができる。しかし、回収時の帯電バイアスは、特に限定されるものではなく、帯電ローラ3表面から感光体ドラム2表面への清掃用トナーの移動状況等に応じて適宜設定することができる。また、清掃用トナーの移動状況によっては、回収時に帯電バイアスを必ずしも印加する必要はない。
【0199】
また上記各実施形態では、第1駆動モータ21が感光体ドラム2を、清掃用トナー付着工程及びエージング工程を行うとき逆回転させ、清掃用トナー回収工程を行うとき正回転させたため、清掃用トナー付着工程時及びエージング工程時には、清掃用トナーが転写ローラ17やクリーニング装置9を通過することを回避できる。これにより、帯電ローラ3表面に清掃用トナーをより短時間で確実に付着させることができる。加えて、清掃用トナー回収工程時には、クリーニング装置9によって清掃用トナーをより確実に回収することができる。従って、清掃用トナーの付着及び回収がより効果的となる。
【0200】
また、清掃用トナーが帯電ローラ3表面に付着する前に転写ローラ17に付着したり、クリーニング装置9に回収されないように、転写ローラ17及びクリーニング装置9を感光体ドラム2に対して離間させるための離間装置等を設ける必要がないため、装置の大型化や装置構成の複雑化を回避することができる。
【0201】
しかし、感光体ドラム2を正回転させて帯電ローラ3に清掃用トナーを付着させることもできる。かかる場合、感光体ドラム2を正回転させると共に、転写ローラ17に第2逆バイアスを印加することによって、転写ローラ17に対する清掃用トナーの付着を防止することができる。また、上記した様な離間装置によりクリーニング装置9を感光体ドラム2から離間させることによって、クリーニング装置9により清掃用トナーが回収されることを防止できる。なお、清掃用トナー回収工程時には、クリーニング装置9を感光体ドラム2に接触させればよい。
【0202】
また、清掃用トナー付着工程時に感光体ドラム2を正回転させる場合には、清掃用トナー像を、帯電ローラ3で感光体ドラム2表面を帯電後、露光ユニット4によりベタ画像から成る静電潜像を形成し、かかる静電潜像に対して現像ローラ5aから清掃用トナーを供給することによって形成することもできる。この場合には、帯電後、清掃用トナーが帯電ローラ3表面に到着するまでに帯電ローラ3に対する帯電バイアスの印加を停止すればよい。
【0203】
また、上記各実施形態では、帯電ローラ3表面の清掃を行うとき、第2電源27が転写ローラ17に転写バイアスとは逆極性の第2逆バイアスを印加したため、清掃用トナーが転写ローラ17に付着することを防止できる。これにより、清掃用トナーの付着及び回収がより確実になると共に、トナー像の記録媒体への転写に及ぼす不具合を回避できる。しかし、その他、上記の様な離間装置を設け、第2逆バイアスを印加する代わりに転写ローラ17を感光体ドラム2から離間させることもできる。なお、転写手段として非接触式の転写部材を用いた場合には、かかる離間装置を設ける必要はない。
【0204】
また、例えば中間転写ベルトを有するタンデム型の画像形成装置を用いた場合には、中間転写ベルトに対する清掃用トナーの付着を防止するため、中間転写ベルトを感光体ドラム2から離間させる離間装置を設けることができる。また、本実施形態では、清掃用トナー付着工程時から回収工程時まで、転写ローラ17に第2逆バイアスを印加したが、その他、感光体ドラム2の正回転時のみ第2逆バイアスを印加すること等もできる。
【0205】
また、上記各実施形態では、感光体ドラム2表面において、帯電ローラ3と現像ユニット5との間隔を、帯電ローラ3の周長以上としたため、帯電ローラ3表面に付着させるのに十分な、帯電ローラ3の少なくとも1周分以上の清掃用トナーを、帯電ローラ3表面に到達するまでに現像ユニット5から感光体ドラム2表面に供給できる。これにより、帯電ローラ3表面に清掃用トナーをより確実に付着させることが可能となる。
【0206】
また、上記各実施形態では、清掃用トナーの付着を行うとき、感光体ドラム2の線速を画像形成時よりも小さくしたため、感光体ドラム2表面から帯電ローラ3表面への清掃用トナーの付着をより確実に行うことができる。特に、本実施形態では、このときの線速を画像形成時の略1/3としたため、帯電ローラ3表面への清掃用トナーの付着を一層確実に行うことができる。
【0207】
その他、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上記した感光体ドラム2や帯電ローラ3の材質や外径、線速等は、特に限定されるものではなく、装置構成等に応じて適宜設定することができる。また、上記実施形態では、本発明を正帯電トナーに適用したが、その他、負帯電トナーに適用することもでき、トナーの極性に応じて帯電バイアスや転写バイアスを正極性または負極性のバイアスに設定すればよい。
【0208】
また、本実施形態では、一成分現像剤を用いたため、非画像形成時に感光体ドラム2を正逆回転させても、画像形成時における現像ユニット5から感光体ドラム2へのトナーの供給(現像条件)に大きな影響を及ぼさないため、効果的である。しかし、二成分現像剤を用い、現像時、二成分現像剤の現像剤チェーンが感光体ドラム2に当接するような場合であっても、現像条件等を適宜設定することにより、感光体ドラム2を逆回転させて上記した帯電ローラ3の清掃を行うことができる。
【0209】
また、二成分現像剤を用い、現像ユニット5に現像剤チェーンが形成される磁気ローラ(トナー供給部材)と、磁気ローラからトナーのみが供給される現像ローラ(トナー担持体)とを設け、現像ローラから感光体ドラム2にトナーのみを飛翔させる画像形成装置においても、上記した帯電ローラ3の清掃を行うことができる。また、本発明は、デジタル複合機やタンデム式のカラー複写機、アナログ方式のモノクロ複写機等の複写機、或いはファクシミリやレーザプリンタ等、種々の画像形成装置に適用可能である。
【0210】
また、上記実施形態では、感光体ドラム2としてa−Si感光体ドラムを用いたため、清掃用トナーの回収時、交流電圧が重畳された直流電圧を帯電ローラ3に印加することにより、清掃用トナーが帯電ローラ3から感光体ドラム2に移動し易くなる。しかし、その他、有機感光体(OPC)ドラムを用いることもできる。かかる場合には、画像形成時に帯電ローラ3に帯電バイアスとして直流電圧を印加し、清掃用トナー回収工程時においても、帯電ローラ3に直流電圧を印加することができる。
【0211】
以下、本発明について実施例により更に具体的に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0212】
図1〜図4及び図8に示すように、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置1を用い、印字1000枚ごとに図5〜図7に示すように帯電ローラ3の清掃を行いながら、印字率5%の画像を10万枚印字した後、画像品質を評価した。画像形成時の感光体ドラム2の線速を300mm/secとした。また、帯電ローラ3の清掃において、感光体ドラム2の逆回転時の線速を100mmsecとし、正回転時の線速を300mm/secとし、帯電ローラ3のスラスト移動幅を1mm(±0.5mm)とした。
【0213】
画像品質の評価は、600dpi 1×1ドットの25%ハーフ画像を印字して、画像の濃度ムラを測定した。なお、画像ムラの測定には、X−rite社製の透過濃度測定装置(Model310T)を用い、画像濃度(透過濃度)ムラΔTD値が0.1以下の場
合を画像品質が良好(○印)、0.1超の場合を画像品質が不良(×印)とした。結果を表1に示す。
【実施例2】
【0214】
図1、図11及び図15に示すように、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置1を用い、印字1000枚ごとに図12〜図14に示すように帯電ローラ3の清掃を行いながら、印字率5%の画像を10万枚印字した後、画像品質を評価した。画像形成時の感光体ドラム2の線速を300mm/secとした。また、帯電ローラ3の清掃時、感光体ドラム2の逆回転時の線速を100mmsecとし、正回転時の線速を300mm/secとし、エージング工程時の摺擦ローラ55の線速を360mm/secとした。それ以外は実施例1と同様にして、画像の濃度ムラを測定し、画像品質の評価を行った。結果を表1に示す。
【比較例】
【0215】
図1に示すような画像形成装置1において、ファーブラシから成るブラシローラを帯電ローラ3と当接させながら、印字率5%の画像を10万枚印字した後、画像品質を評価した。ファーブラシとして、6−ナイロン製、ブラシ径12mm、フィラメント太さ2デニール、フィラメント密度4万フィラメント/cm2、ブラシ抵抗値0.7×107Ωのものを用い、感光体ドラム2の線速を300mm/secとした。それ以外は実施例1と同様にして、画像の濃度ムラを測定し、画像品質の評価を行った。結果を表1に示す。
【0216】
【表1】
【0217】
表2に示すように、実施例1及び実施例2では、画像品質が良好であったのに対し、比較例では、画像品質が低下していた。この結果、本発明に係る帯電ローラ3の清掃を行うことにより、帯電ローラ3表面に付着した異物が除去され、帯電不良による画像品質の低下を防止できることがわかった。なお、帯電ローラ3の清掃間隔は、上記実施例に特に限定されるものではなく、装置構成等に応じて適宜設定することができる。
【産業上の利用可能性】
【0218】
本発明は、帯電手段を摺擦可能な摺擦手段を設け、非画像形成時、回転する前記像担持体表面に前記現像装置から清掃用トナーを供給し、前記像担持体表面から前記帯電手段表面に略均一に前記清掃用トナーの付着を行った後、摺擦手段と帯電手段との間で線速差を設けて清掃用トナーにより帯電手段表面の摺擦を行い、該帯電手段表面の摺擦後、帯電手段表面から像担持体表面に清掃用トナーを移動させ像担持体表面からクリーニング手段への清掃用トナーの回収を行うことにより、帯電手段表面を清掃するものである。
【0219】
これにより、複雑な構成を用いることなく接触式の帯電手段表面に付着した異物を除去することが可能となるため、長期間にわたって安定した画像品質を得ることが可能となる。
【0220】
また、帯電手段に、トナーの付着時及び帯電手段の摺擦時、帯電バイアスとは逆極正の第2の逆バイアスを印加することによって、清掃用トナーを、より確実に帯電手段に付着させると共に帯電ローラに付着した異物を掻き取ることができる。また、帯電手段の摺擦時、帯電手段と摺擦手段との接触部において、帯電手段と接触手段との間で帯電手段の回転方向または軸方向に線速差を設けることによって、より簡単な構成で確実に清掃用トナーに異物を付着させ、帯電手段に付着した異物を除去することができる。
【0221】
また、摺擦手段を、像担持体とすることによって、より簡単な構成で、帯電手段に付着した異物を除去することができる。また、帯電手段の摺擦時、帯電手段の線速を、像担持体の線速よりも大きくすることによって、清掃用トナーによる異物の擦り取り性能が向上すると共に、清掃時間を短縮することができる。また、摺擦手段の摺擦時、帯電手段が像担持体に対して軸方向に往復運動することによって、より確実に清掃用トナーに異物を付着させ、帯電手段に付着した異物を除去することができる。
【0222】
また、帯電手段の摺擦時、帯電手段の回転方向の線速を、像担持体の回転方向の線速よりも大きくすることによって、より簡単な構成とすることができる。また、摺擦手段を、帯電手段と接触回転する摺擦部材とし、摺擦部材に、帯電手段と同電位のバイアスを印加することによって、清掃用トナーによる異物の擦り取り性能が向上すると共に、清掃用トナーの回収性能も向上する。また、摺擦部材が、少なくとも画像形成時に帯電手段と従動して回転し、帯電手段の摺擦時には、帯電手段との間で線速差を設けることによって、画像形成に及ぼす影響をより回避すると共に、効率的に帯電手段に付着した異物を除去することができる。
【0223】
また、帯電手段の摺擦時、摺擦部材の線速を、帯電手段の線速よりも大きくすることによって、帯電手段の線速を変えることなく、帯電手段に付着した異物を除去することができる。また、帯電手段の摺擦時、前記摺擦部材の前記回転方向の線速を、前記帯電手段の前記回転方向の線速よりも大きくすることによって、より簡単な構成とすることができる。また、帯電手段の摺擦時、摺擦部材が、帯電手段に対して軸方向に往復運動することによって、より確実に清掃用トナーに異物を付着させ、帯電手段に付着した異物を除去することができる。
【0224】
また、清掃用トナーの回収を行うとき、第1のバイアス印加手段が帯電手段に帯電バイアスを印加することによって、帯電手段表面から像担持体表面への清掃用トナーの移動を、より効率的且つ確実に行うことができる。
【0225】
また、駆動手段が像担持体を、清掃用トナーの付着を行うとき回転方向とは逆方向に回転させ、清掃用トナーの回収を行うとき回転方向に回転させることによって、清掃用トナーの付着及び回収をより確実に行うことができる。また、像担持体表面における現像手段と帯電手段との間隔を、帯電手段の周長以上とすることによって、帯電手段表面に清掃用トナーをより確実に付着させることが可能となる。
【0226】
また、帯電手段表面の清掃を行うとき、第2のバイアス印加手段が転写手段に転写バイアスとは逆極性の第2の逆バイアスを印加することによって、清掃用トナーの付着及び回収がより確実になると共に、トナー像の記録媒体への転写時に不具合が発生することを回避できる。また、掃用トナーの付着を行うとき、像担持体の線速を画像形成時よりも小さくすることによって、像担持体表面から帯電手段表面への清掃用トナーの付着をより確実に行うことができる。
【符号の説明】
【0227】
1 画像形成装置
2 感光体ドラム(像担持体、摺擦手段)
3 帯電ローラ(帯電手段)
3a シャフト
5 現像ユニット(現像手段)
9 クリーニング装置(クリーニング手段)
17 転写ローラ(転写手段)
21 第1駆動モータ(駆動手段)
25 第1電源(第1のバイアス印加装置)
27 第2電源(第2のバイアス印加装置)
34 記憶部
35 制御部
41 第2駆動モータ
51 第1スライドプーリ
53 第1ガイド部材
55 摺擦ローラ(摺擦部材、摺擦手段)
55a 支軸
61 第3駆動モータ
71 第2スライドプーリ
73 第2ガイド部材
【技術分野】
【0001】
本発明は電子写真法を用いた画像形成装置に関するものであり、特に感光体の帯電を行う帯電器の清掃に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真プロセスを用いた画像形成装置には、像担持体(感光体)表面を帯電させるために帯電器(帯電手段)が用いられている。帯電器としては、感光体と非接触に配置し、コロナ放電により感光体の表面を帯電させるコロトロン(若しくはスコロトロン)帯電器と、感光体に接触して若しくは非接触に配置されて感光体を帯電する帯電ローラ等の接触式の帯電器と、が知られている。しかし、近年、人体に有害なオゾンの排出量を減らすため、オゾン排出量がより少ない帯電ローラが採用されることが多くなっている。
【0003】
このような接触式の帯電器を用いる場合、像担持体である感光体表面がトナーの成分や転写紙の紙粉等の異物で汚染されていると、これら異物が、例えば帯電ローラの表面に移動し(白化現象)、帯電不良を起こす原因となり、帯電不良による画像品質の低下が生じていた。かかる帯電ローラの汚染(異物の付着)を防止するため、従来、帯電ローラに対して、回転式若しくは固定式のブラシやスポンジ等のクリーニング部材を接触させることにより、帯電ローラの清掃(リフレッシュ)が行われていた。
【0004】
特にブラシローラ等を帯電ローラに回転接触させてリフレッシュを行う場合、帯電ローラ表面へのダメージが少なく効果的にリフレッシュ可能である。ブラシによる清掃においては、ブラシにバイアスを印加して電気的に異物を除去する方法や、バイアスを印加せずに帯電ローラ表面に付着した外添剤をブラシで撹乱させて感光体ドラムに再付着させることにより、異物を除去する方法が用いられている。
【0005】
しかし、このようなクリーニング部材で単に物理的に擦り取るだけでは、長期間にわたり帯電ローラの白化現象を効果的に抑制することは難しく、クリーニング部材の劣化によって経時的に帯電ローラの白化現象が生じる。
【0006】
そこで、例えば、特許文献1には、潜像担持体(像担持体)に静電的に付着させたトナーを接触帯電部材に接触通過させて接触帯電部材を清掃することにより、新たな構成部品を増設することなく、接触帯電部材に付着するトナーや外添剤を簡便に低減することを可能とする方法が開示されている。また、かかる特許文献1には、像担持体上のトナーが接触帯電部材に接触通過する間、接触帯電部材に交流を重畳した直流の電圧を印加することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−196569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1の方法は、帯電部材に交流を重畳した直流バイアスを印加することにより、像担持体上のトナーがバイアスの交流成分で、像担持体と帯電部材との微少ギャップを往復運動し、静電的に、または物理的に帯電部材に付着した外添剤等の汚れを像担持体側に引きつけるという原理で帯電部材の清掃を行うものである。
【0009】
しかしながら、このような除去方法では、単に帯電部材上に乗っている汚れはトナーと共に像担持体側に静電的に引きつけて除去可能であるが、ある程度以上の力で固着した汚れは除去できない。従って、上述したような帯電部材の白化現象を長期間に亘って効果的に抑制することは困難であった。
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑み、複雑な構成を用いることなく接触式の帯電手段表面に付着した異物を除去可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために本発明は、画像形成時に所定の回転方向に回転可能であり静電潜像が形成される像担持体と、該像担持体を回転させる駆動手段と、前記像担持体に対して接触回転しながら帯電する接触式の帯電手段と、該帯電手段に帯電バイアスを印加可能な第1のバイアス印加手段と、前記像担持体表面にトナーを供給し前記像担持体表面に形成された静電潜像をトナー像とする現像手段と、該現像手段により現像されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、前記転写手段にトナーとは逆極性の転写バイアスを印加可能な第2のバイアス印加手段と、前記回転方向に対し前記帯電手段の上流側且つ前記転写手段の下流側に配置され前記像担持体表面に残留したトナーを回収可能なクリーニング手段と、を備えた画像形成装置において、前記帯電手段表面を摺擦可能な摺擦手段が設けられ、非画像形成時、回転する前記像担持体表面に前記現像装置から清掃用トナーを供給し、前記像担持体表面から前記帯電手段表面に略均一に前記清掃用トナーの付着を行った後、前記摺擦手段と前記帯電手段との間に線速差を設けて前記清掃用トナーにより前記帯電手段表面の摺擦を行い、該帯電手段表面の摺擦後、前記帯電手段表面から前記像担持体表面に前記清掃用トナーを移動させ前記像担持体表面から前記クリーニング手段への前記清掃用トナーの回収を行うことにより、前記帯電手段表面を清掃することを特徴としている。
【0012】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記帯電手段には、前記トナーの付着時及び前記帯電手段の摺擦時、前記帯電バイアスとは逆極性の第1の逆バイアスが印加されることを特徴としている。
【0013】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記帯電手段の摺擦時、前記帯電手段と前記摺擦手段との接触部において、前記帯電手段と前記摺擦手段との間で前記帯電手段の回転方向または軸方向に線速差が設けられることを特徴としている。
【0014】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記摺擦手段は、前記像担持体であることを特徴としている。
【0015】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記帯電手段の摺擦時、前記帯電手段の線速は、前記像担持体の線速よりも大きいことを特徴としている。
【0016】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記帯電手段の摺擦時、前記帯電手段が前記像担持体に対して前記軸方向に往復運動することを特徴としている。
【0017】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記帯電手段の摺擦時、前記帯電手段の回転方向の線速は、前記像担持体の回転方向の線速よりも大きいことを特徴としている。
【0018】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記摺擦手段は、前記帯電手段と接触回転する摺擦部材であり、該摺擦部材には、前記帯電手段と同電位のバイアスが印加されることを特徴としている。
【0019】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記摺擦部材は、少なくとも画像形成時に前記帯電手段と従動して回転し、前記帯電手段の摺擦時には、前記帯電手段との間で線速差が設けられることを特徴としている。
【0020】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記帯電手段の摺擦時、前記摺擦部材の線速は、前記帯電手段の線速よりも大きいことを特徴としている。
【0021】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記帯電手段の摺擦時、前記摺擦部材の回転方向の線速は、前記帯電手段の回転方向の線速よりも大きいことを特徴としている。
【0022】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記帯電手段の摺擦時、前記摺擦部材は、前記帯電手段に対して前記軸方向に往復運動することを特徴としている。
【0023】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記清掃用トナーの回収を行うとき、前記第1のバイアス印加手段が前記帯電手段に前記帯電バイアスを印加することを特徴としている。
【0024】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記駆動手段が前記像担持体を、前記清掃用トナーの付着を行うとき前記回転方向とは逆方向に回転させ、前記帯電手段の摺擦及び前記清掃用トナーの回収を行うとき前記回転方向に回転させることを特徴としている。
【0025】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記像担持体表面における前記現像手段と前記帯電手段との間隔は、前記帯電手段の周長以上であることを特徴としている。
【0026】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記帯電手段表面の清掃を行うとき、前記第2のバイアス印加手段が前記転写手段に前記転写バイアスとは逆極性の第2の逆バイアスを印加することを特徴としている。
【0027】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記清掃用トナーの付着を行うとき、前記像担持体の線速が前記画像形成時よりも小さいことを特徴としている。
【発明の効果】
【0028】
本発明の第1の構成によれば、帯電手段を摺擦可能な摺擦手段を設け、非画像形成時、回転する前記像担持体表面に前記現像装置から清掃用トナーを供給し、前記像担持体表面から前記帯電手段表面に略均一に前記清掃用トナーの付着を行った後、摺擦手段と前記帯電手段との間に線速差を設けて前記清掃用トナーにより帯電手段表面の摺擦を行い、該帯電手段表面の摺擦後、帯電手段表面から像担持体表面に清掃用トナーを移動させ像担持体表面からクリーニング手段への清掃用トナーの回収を行うことにより、帯電手段表面を清掃することによって、複雑な構成を用いることなく接触式の帯電手段表面に付着した異物を除去することが可能となる。
【0029】
また、本発明の第2の構成によれば、上記第1の構成の画像形成装置において、帯電手段に、トナーの付着時及び帯電手段の摺擦時、帯電バイアスとは逆極性の第1の逆バイアスを印加することによって、像担持体に供給された清掃用トナーを、より確実に帯電手段に付着させると共に帯電手段に付着した異物を掻き取ることができる。
【0030】
また、本発明の第3の構成によれば、上記第1または第2の構成の画像形成装置において、帯電手段の摺擦時、帯電手段と摺擦手段との接触部において、帯電手段と接触手段との間で帯電手段の回転方向または軸方向に線速差を設けることによって、帯電手段に付着した異物の清掃用トナーによる擦り取り性能が向上するため、より簡単な構成で確実に清掃用トナーに異物を付着させ、帯電手段に付着した異物を除去することができる。
【0031】
また、本発明の第4の構成によれば、上記第3の構成の画像形成装置において、摺擦手段を、像担持体とすることによって、より簡単な構成で複雑な部材を追加することなく、帯電手段に付着した異物を除去することができる。
【0032】
また、本発明の第5の構成によれば、上記第4の構成の画像形成装置において、帯電手段の摺擦時、帯電手段の線速を、像担持体の線速よりも大きくすることによって、帯電手段に付着した異物の清掃用トナーによる擦り取り性能が向上する。加えて、摺擦に要する時間を短縮できるため、帯電手段の清掃時間を短縮することができる。
【0033】
また、本発明の第6の構成によれば、上記第5の構成の画像形成装置において、摺擦手段の摺擦時、帯電手段が像担持体に対して軸方向に往復運動することによって、回転方向とは異なる方向から清掃用トナーが異物を擦り取ることができるため、より確実に清掃用トナーに異物を付着させ、帯電手段に付着した異物を除去することができる。
【0034】
また、本発明の第7の構成によれば、上記第5の構成の画像形成装置において、帯電手段の摺擦時、帯電手段の回転方向の線速を、像担持体の回転方向の線速よりも大きくすることによって、帯電手段の線速を変えるための複雑な部材を追加する必要がないため、より簡単な構成とすることができる。
【0035】
また、本発明の第8の構成によれば、上記第3の構成の画像形成装置において、摺擦手段を、帯電手段と接触回転する摺擦部材とし、摺擦部材に、帯電手段と同電位のバイアスを印加することによって、帯電手段の清掃時、帯電手段に付着した清掃用トナーが摺擦部材へと移動することを防止できるため、帯電手段に付着した異物の清掃用トナーによる擦り取り性能が向上すると共に、清掃用トナーの回収性能も向上する。
【0036】
また、本発明の第9の構成によれば、上記第8の構成の画像形成装置において、摺擦部材が、少なくとも画像形成時に帯電手段と従動して回転し、帯電手段の摺擦時には、帯電手段との間で線速差を設けることによって、画像形成に及ぼす影響をより回避すると共に、効率的に帯電手段に付着した異物を除去することができる。
【0037】
また、本発明の第10の構成によれば、上記第9の構成の画像形成装置において、帯電手段の摺擦時、摺擦部材の線速を、帯電手段の線速よりも大きくすることによって、帯電手段の線速を変えることなく、帯電手段に付着した異物を除去することができる。
【0038】
また、本発明の第11の構成によれば、上記第10の構成の画像形成装置において、帯電手段の摺擦時、前記摺擦部材の回転方向の線速を、前記帯電手段の回転方向の線速よりも大きくすることによって、摺擦部材の線速を変えるための複雑な部材を追加する必要がないため、より簡単な構成とすることができる。
【0039】
また、本発明の第12の構成によれば、上記第10の構成の画像形成装置において、帯電手段の摺擦時、摺擦部材が、帯電手段に対して軸方向に往復運動することによって、回転方向と軸方向とは異なる方向から清掃用トナーが異物を擦り取ることができるため、より確実に清掃用トナーに異物を付着させ、帯電手段に付着した異物を除去することができる。
【0040】
また、本発明の第13の構成によれば、上記第1〜第12のいずれかの構成の画像形成装置において、清掃用トナーの回収を行うとき、第1のバイアス印加手段が帯電手段に帯電バイアスを印加することによって、帯電手段表面から像担持体表面への清掃用トナーの移動を、より効率的且つ確実に行うことができる。
【0041】
また、本発明の第14の構成によれば、上記第1〜第13のいずれかの構成の画像形成装置において、駆動手段が像担持体を、清掃用トナーの付着を行うとき回転方向とは逆方向に回転させ、清掃用トナーの回収を行うとき回転方向に回転させることによって、清掃用トナーの付着時には、清掃用トナーが転写手段やクリーニング手段を通過することを回避できるため、帯電手段表面に清掃用トナーをより確実に付着させることができる。加えて、清掃用トナーの回収時には、クリーニング手段によって清掃用トナーをより確実に回収することができる。このように、清掃用トナーの付着及び回収をより確実に行うことができる。
【0042】
また、本発明の第15の構成によれば、上記第1〜第14のいずれかの構成の画像形成装置において、像担持体表面における現像手段と帯電手段との間隔を、帯電手段の周長以上とすることによって、帯電手段表面に付着させるのに十分な清掃用トナーを、帯電手段表面に到達するまでに現像手段から像担持体表面に供給できるため、帯電手段表面に清掃用トナーをより確実に付着させることが可能となる。
【0043】
また、本発明の第16の構成によれば、上記第1〜第15のいずれかの構成の画像形成装置において、帯電手段表面の清掃を行うとき、第2のバイアス印加手段が転写手段に転写バイアスとは逆極性の第2の逆バイアスを印加することによって、清掃用トナーが転写手段に付着することを防止できるため、清掃用トナーの付着及び回収がより確実になると共に、トナー像の記録媒体への転写時に不具合が発生することを回避できる。
【0044】
また、本発明の第17の構成によれば、上記第1〜第16のいずれかの構成の画像形成装置において、清掃用トナーの付着を行うとき、像担持体の線速を画像形成時よりも小さくすることによって、像担持体表面から帯電手段表面への清掃用トナーの付着をより確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の全体構成を示す概略図
【図2】本実施形態の画像形成装置に用いられる帯電ローラ周辺の概略拡大断面図
【図3】本実施形態に係る画像形成装置に用いられる第1スライドプーリ及び第1ガイド部材周辺を示す概略斜視図
【図4】帯電ローラがスラスト移動する状態を示す図であって、図4(a)は帯電ローラが一方にスラスト移動した状態を示す図であり、図4(b)は、他方にスラスト移動した状態を示す図
【図5】トナー付着工程における感光体ドラム、帯電ローラ及び現像ローラの回転を示す図であって、図5(a)は、トナーが現像ローラから感光体ドラム表面に供給される状態を示す図であり、図5(b)は、トナーが感光体ドラム表面から帯電ローラに付着する状態を示す図であり、図5(c)は、トナーが帯電ローラに略均一に付着した状態を示す図
【図6】エージング工程における感光体ドラム、帯電ローラ及び現像ローラの回転を示す図
【図7】トナー回収工程における感光体ドラム、帯電ローラ及び現像ローラの回転を示す図であって、図7(a)は、清掃用トナーが帯電ローラから感光体ドラム表面に移動する状態を示す図であり、図7(b)は、清掃用トナーが感光体ドラムの回転と共に移動する状態を示す図であり、図7(c)は、清掃用トナーがクリーニング装置に回収される状態を示す図
【図8】本実施形態に係る画像形成装置の制御機構の一例を示すブロック図
【図9】本実施形態に係る画像形成装置の制御手順の一例を示すフローチャート
【図10】図9の制御手順のタイミングチャート
【図11】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置に用いられる帯電ローラ周辺の構成を示す図
【図12】清掃用トナー付着工程における感光体ドラム、帯電ローラ及び現像ローラの回転を示す図であって、図12(a)は、清掃用トナーが現像ローラから感光体ドラム表面に供給される状態を示す図であり、図12(b)は、トナーが感光体ドラム表面から帯電ローラに付着する状態を示す図であり、図12(c)は、トナーが帯電ローラに略均一に付着した状態を示す図
【図13】エージング工程における感光体ドラム、帯電ローラ及び現像ローラの回転を示す図
【図14】清掃用トナー回収工程における感光体ドラム、帯電ローラ及び現像ローラの回転を示す図であって、図14(a)は、清掃用トナーが帯電ローラから感光体ドラム表面に移動する状態を示す図であり、図14(b)は、清掃用トナーが感光体ドラムの回転と共に移動する状態を示す図であり、図14(c)は、清掃用トナーがクリーニング装置に回収される状態を示す図
【図15】本実施形態に係る画像形成装置の制御機構の一例を示すブロック図
【図16】本実施形態に係る画像形成装置の制御手順の一例を示すフローチャート
【図17】図16の制御手順のタイミングチャート
【図18】本発明の第3実施形態に係る画像形成装置に用いられる帯電ローラ周辺の概略拡大断面図
【図19】本実施形態に係る画像形成装置に用いられる軸受け部材辺を示す概略側面図
【図20】清掃用トナー付着工程における感光体ドラム、帯電ローラ、摺擦ローラ及び現像ローラの回転を示す図であって、図20(a)は、清掃用トナーが現像ローラから感光体ドラム表面に供給される状態を示す図であり、図20(b)は、トナーが感光体ドラム表面から帯電ローラに付着する状態を示す図であり、図20(c)は、トナーが帯電ローラに略均一に付着した状態を示す図
【図21】エージング工程における感光体ドラム、帯電ローラ、摺擦ローラ及び現像ローラの回転を示す図
【図22】清掃用トナー回収工程における感光体ドラム、帯電ローラ、摺擦ローラ及び現像ローラの回転を示す図であって、図22(a)は、清掃用トナーが帯電ローラから感光体ドラム表面に移動する状態を示す図であり、図22(b)は、清掃用トナーが感光体ドラムの回転と共に移動する状態を示す図であり、図22(c)は、清掃用トナーがクリーニング装置に回収される状態を示す図
【図23】本実施形態に係る画像形成装置の制御機構の一例を示すブロック図
【図24】本実施形態に係る画像形成装置の制御手順の一例を示すフローチャート
【図25】図24の制御手順のタイミングチャートである。
【図26】本発明の第4実施形態の画像形成装置に用いられる帯電ローラ周辺の概略拡大断面図
【図27】本実施形態に係る画像形成装置に用いられる第2スライドプーリ及び第2ガイド部材周辺を示す概略斜視図
【図28】摺擦ローラがスラスト移動する状態を示す図であって、図28(a)は帯電ローラが一方にスラスト移動した状態を示す図であり、図28(b)は、他方にスラスト移動した状態を示す図
【図29】清掃用トナー付着工程における感光体ドラム、帯電ローラ、摺擦ローラ及び現像ローラの回転を示す図であって、図29(a)は、清掃用トナーが現像ローラから感光体ドラム表面に供給される状態を示す図であり、図29(b)は、トナーが感光体ドラム表面から帯電ローラに付着する状態を示す図であり、図29(c)は、トナーが帯電ローラに略均一に付着した状態を示す図
【図30】エージング工程における帯電ローラ、摺擦ローラ及び現像ローラの回転を示す図
【図31】清掃用トナー回収工程における感光体ドラム、帯電ローラ、摺擦ローラ及び現像ローラの回転を示す図であって、図31(a)は、清掃用トナーが帯電ローラから感光体ドラム表面に移動する状態を示す図であり、図31(b)は、清掃用トナーが感光体ドラムの回転と共に移動する状態を示す図であり、図31(c)は、清掃用トナーがクリーニング装置に回収される状態を示す図
【図32】本実施形態に係る画像形成装置の制御機構の一例を示すブロック図
【図33】本実施形態に係る画像形成装置の制御手順の一例を示すフローチャート
【図34】図33の制御手順のタイミングチャート
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の概略断面図である。画像形成装置1内には画像形成部Pが配設されている。この画像形成部Pは、帯電、露光、現像及び転写の各工程により所定の画像を形成する。
【0047】
この画像形成部Pには、可視像(トナー像)を担持する感光体ドラム(像担持体)2が配設されており、感光体ドラム2上に形成されたトナー像が、シート(記録媒体)6上に転写され、さらに、定着ユニット7においてシート6上に定着された後、装置本体より排出される構成となっている。第1駆動モータ21(駆動手段、図4参照)により感光体ドラム2を図1において時計回り(所定の回転方向)に回転(正回転)させながら、感光体ドラム2に対する画像形成プロセスが実行される。
【0048】
次に、画像形成部Pについて詳細に説明する。回転自在に配設された感光体ドラム2の周囲及び上方には、感光体ドラム2を帯電させる帯電ローラ(帯電手段)3と、感光体ドラム2に画像情報を露光する露光ユニット4と、感光体ドラム2上にトナー像を形成する現像ユニット(現像手段)5と、感光体ドラム2上に残留した現像剤(トナー)を回収するクリーニング装置(クリーニング手段)9と、静電潜像を除去する除電器10と、が設けられている。
【0049】
先ず、帯電ローラ3によって感光体ドラム2の表面を一様に帯電させ、次いで露光ユニット4によって光照射し、感光体ドラム2上に画像信号に応じた静電潜像を形成する。現像ユニット5は、感光体ドラム2と対向して配置された現像ローラ5aを有し、現像ユニット5には、磁性一成分の正帯電トナーがトナーコンテナ11によって所定量充填されている。このトナーは、不図示の現像バイアス印加装置により現像バイアスが印加された現像ローラ5aにより感光体ドラム2表面に供給され、静電的に付着することにより、露光ユニット4からの露光により形成された静電潜像に応じたトナー像が形成される。
【0050】
トナー像が転写されるシート6は、シート6を収納する複数の給紙カセット12a、12b、12cと、その上方に設けられるスタックバイパス(手差しトレイ)12dに収容されており、給紙ローラ13、レジストローラ14を介して、トナー像が形成された感光体ドラム2に向けて搬送される。
【0051】
このとき画像書き出し信号がONとなり、シート6の所定位置にトナー像が転写されるように感光体ドラム2上に画像形成を行う。そして、感光体ドラム2の下部において、所定の転写バイアスが印加された転写ローラ(転写手段)17で電界付与することにより、感光体ドラム2上のトナー像がシート6上に転写される。
【0052】
トナー像が転写されたシート6は、定着ユニット7へと搬送される。また、トナー像が転写された後の感光体ドラム2は、引き続き行われる新たな静電潜像の形成に備え、その表面に残留したトナーがクリーニング装置9により回収される。定着ユニット7に搬送されたシート6は、定着ローラ7aにより加熱及び加圧されてトナー像がシート6の表面に定着され、所定の画像が形成される。画像が形成されたシート6は、その後排出ローラ18によって排出トレイ19に排出される。
【0053】
図2は、本実施形態の画像形成装置に用いられる帯電ローラ周辺の概略拡大断面図である。なお、図2において、直線矢印方向は、シート6の搬送方向を示す。図1と共通する部分には共通する符号を付して説明を省略する。感光体ドラム2としては、例えばアモルファスシリコン(a−Si)ドラムを用いることができる。また、感光体ドラム2は、不図示の駆動ギアを介して第1駆動モータ21(図4参照)と連結されることにより、正逆回転するようになっており、上記した通り、画像形成時には図中時計回り(正回転方向)に回転(正回転)するようになっている。
【0054】
感光体ドラム2の上方には、ドラム表面と回転自在に当接し、該ドラム表面を帯電する帯電ローラ3が配置されている。帯電ローラ3は、例えば、金属製のシャフト(芯金)3aの周面に抵抗値105〜106Ω、表面粗さRZ=10μmのエピクロルヒドリンゴム等から成るゴム層(弾性層)を形成した導電性ゴムローラ等のソリッドタイプを好適に用いることができるが、特にこれに限定されるものではない。その他、例えば、発泡ゴムローラにチューブを被せたスポンジタイプ等を用いることもできる。
【0055】
帯電ローラ3は、装置本体に回転可能に支持されている。また、帯電ローラ3は、感光体ドラム2に所定のニップ圧で圧接されており、感光体ドラム2に従動して回転するようになっている。また、画像形成時、帯電ローラ3には正極性の帯電バイアスが印加されるようになっている。
【0056】
具体的には、帯電ローラ3の芯金3aは、第1電源(第1のバイアス印加装置)25と電気的に接続され、第1電源25から帯電ローラ3に対して交流電圧を重畳した直流電圧から成る帯電バイアスが印加される。かかる帯電バイアスの印加によって帯電ローラ3のゴム層の抵抗に応じて流れる電流により、感光体ドラム2表面を帯電することができる。なお、第1電源25から帯電ローラ3に対して、直流電圧を印加することもできる。ここでは、帯電バイアスを、直流電圧Vdc=650V、該直流電圧に重畳する交流電圧のVpp=1.2kV、周波数Vf=1.5kHzとした。なお、帯電ローラ3の清掃時における帯電ローラ3の動作については後述する。
【0057】
また、転写ローラ17の芯金17aは、第2電源(第2のバイアス印加装置)27と電気的に接続され、画像形成時、第2電源27から転写ローラ17に対してトナーとは逆極性である負極性の転写バイアスが印加されるようになっている。また、後述する帯電ローラ3の清掃時には、転写ローラ17に対して、転写バイアスとは逆極性である正極性のバイアス(逆バイアス)が印加されるようになっている。
【0058】
クリーニング装置9には、感光体ドラム2表面の残留トナーを除去するためのクリーニングブレード22と、感光体ドラム2表面の残留トナーを除去するとともに感光体ドラム2表面を摺擦して研磨するクリーニングローラ23と、トナー排出手段としての回収スクリュー24と、が設けられている。クリーニングブレード22は、感光体ドラム2の表面に、該ドラムの正回転方向(図2の時計回り)に対しカウンターとなるよう当接している。クリーニングブレード22の厚みは、装置構成等に応じて例えば1.2mmとすることができる。
【0059】
感光体ドラム2表面の残留トナーや外添剤は、クリーニングブレード22により除去され、クリーニングローラ23及び回収スクリュー24によってトナー排出口(図示せず)からクリーニング装置9の外部に排出される。なお、図示しないが、クリーニング装置9には、クリーニングローラ23表面のトナーを所定の層厚とするためのスクレーパや、クリーニング装置9内の廃トナーを外部に漏らさないためのウレタンシール等も設けられている。
【0060】
かかるクリーニング装置9を設けることによって、上記の通り残留トナーや外添剤のほとんどは、クリーニングブレード22により除去されるが、除去されずにクリーニングブレード22を摺り抜けるトナーや外添剤等の異物も存在する。クリーニングブレード22を摺り抜け、感光体ドラム2表面に付着したまま正回転方向下流側に移動する異物のうち、トナーと逆極性を帯びているものは、帯電バイアスにより帯電ローラ3表面に付着する。
【0061】
かかる異物が帯電ローラ3に付着すると、付着した部分は帯電ローラ3表面の電位が他の部分とは異なるため帯電不良が生じるおそれがある。その結果、形成される画像上に黒点等となって出現し、画像不良が発生するおそれがある。
【0062】
そこで、本実施形態では、かかる帯電不良及び画像不良の原因となる異物を除去するために、非画像形成時、回転する感光体ドラム2表面に現像ユニット5から清掃用トナーを供給し、感光体ドラム2表面から帯電ローラ3表面に略均一に清掃用トナーの付着を行った後、感光体ドラム2と帯電ローラとの間で線速差を設けて清掃用トナーにより帯電ローラ3表面の摺擦を行い、該帯電ローラ3表面の摺擦後、帯電ローラ3表面から感光体ドラム2表面に清掃用トナーを移動させ感光体ドラム2表面からクリーニング装置9への清掃用トナーの回収を行うことにより、帯電ローラ3表面を清掃することとした。なお、清掃用トナーは、帯電ローラ3表面に付着され、異物が付着可能であれば特に限定されないが、画像形成に用いるトナーを用いればよい。
【0063】
図3は、本実施形態に係る画像形成装置に用いられる第1スライドプーリ及び第1ガイド部材周辺を示す概略斜視図であり、図4(a)は帯電ローラが一方にスラスト移動した状態を示す図であり、図4(b)は、他方にスラスト移動した状態を示す図である。本実施形態では、帯電ローラ3は、回転するのに伴って軸方向(左右方向)に往復移動するように構成されている(スラスト移動)。
【0064】
具体的には、図3に示すように、帯電ローラ3のシャフト3aの右端部は、図示は省略するが、帯電ローラ3を支持する不図示のハウジジングに軸方向(図の左右方向)にスライド可能に支持されている。一方、帯電ローラ3の左側部には、第1スライドプーリ51が取り付けられている。また、上記ハウジングには、第1スライドプーリ51をガイドする第1ガイド部材53が設けられている。
【0065】
第1スライドプーリ51は、円盤状をなしており、シャフト3aの左端部に当該帯電ローラ3の軸方向と直交する平面に対して傾斜した状態で取り付けられている。また、第1スライドプーリ51の左右両面には、リング状の第1凹溝51aがその底面同士の間に薄肉部分を形成するようにそれぞれ設けられている。第1ガイド部材53は、第1スライドプーリ51の下部が嵌り込み可能な前後方向に延びる第1ガイド溝53aを有している。この第1ガイド溝53aの左右両側面には、第1スライドプーリ51の第1凹溝51aに係合可能な第1突起53bがそれぞれ設けられている。
【0066】
そして、第1突起53bが第1凹溝51aに係合することにより、第1スライドプーリ51の第1凹溝51aの底面同士の間の薄肉部分が第1スライドプーリ51の軸方向の両側から第1ガイド部材53の第1突起53bによって摺動可能に挟持されるようになる。このため、帯電ローラ3が回転して、図4(a)に示すように第1スライドプーリ51の薄肉部分のうち最も右側寄りの部分が第1突起53b間に挟持されたときには、帯電ローラ3が左方に移動し、図4(b)に示すように第1スライドプーリ51の薄肉部分のうち最も左側寄りの部分が第1突起53b間に挟持されたときには、帯電ローラ3が右方に移動する。
【0067】
すなわち、帯電ローラ3が1回転すると、当該帯電ローラ3が軸方向に1回往復移動するようになる。なお、第1スライドプーリ51の傾斜角度は、帯電ローラ3の往復移動する距離が±0.5mm、すなわち帯電ローラ3の振幅が1mmとなるように設定されている。ここで、帯電ローラ3の往復移動する距離が±5mmより大きくなると、装置本体の横幅を大きくする必要が生じたり、帯電ローラ3の左右両側の清掃用トナーを回収し難くなったりするおそれがある。従って、例えばかかる観点を考慮すれば、帯電ローラ3の往復移動する距離は、±5mm以下であることが好ましい。
【0068】
ここでは、画像形成時及び非画像形成時において、感光体ドラム2及び帯電ローラ3が回転するとき、帯電ローラ3は感光体ドラム3に従動回転すると共に、スラスト方向に移動することとした。なお、画像形成時に帯電ローラ3がスラスト移動していても、感光体ドラム2の帯電を行うことができ、大きな画像不良は生じない。
【0069】
図5は、トナー付着工程(清掃用トナー付着工程)における感光体ドラム、帯電ローラ及び現像ローラの回転を示す図であって、図5(a)は、トナーが現像ローラから感光体ドラム表面に供給される状態を示す図であり、図5(b)は、トナーが感光体ドラム表面から帯電ローラに付着する状態を示す図であり、図5(c)は、トナーが帯電ローラに略均一に付着した状態を示す図である。また、図6は、エージング工程における感光体ドラム、帯電ローラ及び現像ローラの回転を示す図である。
【0070】
また、図7は、トナー回収工程(清掃用トナー回収工程)における感光体ドラム、帯電ローラ及び現像ローラの回転を示す図であって、図7(a)は、清掃用トナーが帯電ローラから感光体ドラム表面に移動する状態を示す図であり、図7(b)は、清掃用トナーが感光体ドラムの回転と共に移動する状態を示す図であり、図7(c)は、清掃用トナーがクリーニング装置に回収される状態を示す図である。なお、図5〜図7では清掃用トナーを黒丸で示す。
【0071】
画像形成時には、前述の図2に示すように、感光体ドラム2が正回転(図の時計回り)しているため、現像ローラ5aから供給された現像用のトナーは、転写ローラ17に向かう。なお、ここでは感光体ドラム2を、外径30mmのa−Si感光体ドラムから構成し、その画像形成時の線速を300mm/secとし、帯電ローラ3の外径を12mmとした。また、帯電ローラ3の清掃を画像形成時に行うと画像形成の妨げとなるため、非画像形成時に行うこととした。
【0072】
まず、帯電ローラ3への清掃用トナーの付着工程について説明する。清掃用トナー付着工程は、感光体ドラム2表面への清掃用トナーの供給と、感光体ドラム2表面に供給された清掃用トナーの帯電ローラ3への付着と、から構成されている。
【0073】
まず、感光体ドラム2表面への清掃用トナーの供給について説明する。非画像形成時において、現像ユニット5から感光体ドラム2表面に清掃用のトナーを供給して、ベタ画像から成るトナー像を形成することとした。非画像形成時には、帯電ローラ3に対する帯電バイアスの印加、現像ローラ5aに対する現像バイアスの印加、転写ローラ17に対する転写バイアスの印加及び感光体ドラム2の回転は停止している。
【0074】
この状態から、図5(a)に示すように、感光体ドラム2を画像形成時(帯電時)とは逆回転(図の反時計回り)させ、かかる逆回転開始と略同時に、現像ローラ5aに現像バイアスを印加し、帯電ローラ3に帯電バイアスとは逆極性(ここでは負極性)である第1逆バイアスを印加すると共に、転写ローラ17(図2参照)に転写バイアスとは逆極性(ここでは正極性)であるの第2逆バイアス(第2の逆バイアス)を印加することとした。
【0075】
このうち現像バイアスの印加により、感光体ドラム2と現像ローラ5aとの電位差によって、感光体ドラム2表面にベタ画像から成る清掃用トナー像を形成して、感光体ドラム2表面に清掃用トナーを供給することができる。また、逆回転時の感光体ドラム2の線速を、略100mm/secとした。また、帯電ローラ3に印加する第1逆バイアスを直流電圧とし、略−500Vとした。
【0076】
このとき、帯電ローラ3表面の軸方向全域及び周方向に少なくとも1周分の範囲に相当する清掃用トナーを、感光体ドラム2表面に供給することにより、帯電ローラ3の表面略全体に清掃用トナーを付着させることが可能となる。ここでは、帯電ローラ3表面の軸方向全域及び周方向に1周分の範囲に相当する清掃用トナーを供給することとした。
【0077】
また、感光体ドラム2表面において、帯電ローラ3と現像ユニット5との間隔を、帯電ローラ3の周長以上とした。これにより、現像ユニット5から供給された清掃用トナーが帯電ローラ3に到達するまでに、感光体ドラム2表面に帯電ローラ3表面の少なくとも1周分の範囲にわたる清掃用トナーを担持させることができる。しかし、かかる間隔は、帯電ローラ3表面略全体に略均一に清掃用トナーを付着させることが可能であれば、特に限定されない。
【0078】
また、清掃用トナーの供給時間も、帯電ローラ3表面略全体に清掃用トナーを略均一に付着させることが可能であれば特に限定されるものではなく、上記した帯電ローラ3と現像ユニット5との間隔や、清掃用トナー像の濃度等に応じて、少なくとも帯電ローラ3の1周分の清掃用トナーを帯電ローラ3に供給するのに要する時間とすればよい。また、供給時間が長すぎると、帯電ローラ3に付着する清掃用トナーが過剰となり、帯電ローラ3に付着されない清掃用トナーが増加したり、待機時間の延長に繋がるおそれがある。従って、例えばかかる観点を考慮して供給時間を適宜設定することができる。
【0079】
また、ここでは転写ローラ17に第2逆バイアス(例えば500V)を印加したため、転写ローラ17に清掃用トナーを付着させることなく、清掃用トナーを帯電ローラ3に到達させることができる。また、第2逆バイアスを、感光体ドラム2の逆回転開始(清掃用トナー付着工程の開始)から、正回転終了(清掃用トナー回収工程の終了)まで、転写ローラ17に印加することとした。これにより、清掃用トナーの付着から回収までの間、清掃用トナーが転写ローラ17に付着することを防止できる。
【0080】
なお、感光体ドラム2の逆回転時に現像ローラ5aから感光体ドラム2表面に供給された清掃用トナーは転写ローラ17には向かわないが、クリーニング装置9に回収されたトナーが転写ローラ17に到達して付着するおそれがある。従って、かかる逆回転時においても転写ローラ17に第2逆バイアスを印加することは効果的である。
【0081】
そして、感光体ドラム2への清掃用トナーの供給が終了したとき、現像ローラ5aに対する現像バイアスの印加を停止することとした。一方、転写ローラ17への第2逆バイアスの印加は継続することとした。
【0082】
次に、帯電ローラ3表面への清掃用トナーの付着について説明する。図5(b)に示すように、現像ローラ5aから清掃用トナーの供給が停止した後も、感光体ドラム2の逆回転を継続することとし、帯電ローラ3への第1逆バイアスの印加を継続することとした。感光体ドラム2の逆回転を継続すると、感光体ドラム2表面に供給された清掃用トナーが感光体ドラム2と帯電ローラ3とのニップに到着する。
【0083】
そして、帯電ローラ3と感光体ドラム2との間のニップに清掃用トナーが入り込むと、ニップ圧による物理的な作用と、感光体ドラム2と帯電ローラ3との間の電位差による電気的な作用とにより、トナーが感光体ドラム2上から帯電ローラ3表面に移動する。これにより、感光体ドラム2表面の清掃用トナーを帯電ローラ3表面に物理的に付着させることができる。
【0084】
その結果、図5(c)に示すように帯電ローラ3表面略全体に略均一に清掃用トナーが付着する。また、感光体ドラム2の線速は、上記した清掃用トナーの供給に引き続き略100mm/secとしたため、より確実に清掃用トナーを帯電ローラ3に付着させることができる。
【0085】
また、帯電ローラ3に印加する第1逆バイアスを、上記した清掃用トナーの供給に引き続き略−500Vの直流電圧としたため、より確実に清掃用トナーを帯電ローラ3に付着させることができる。なお、帯電ローラ3に対して、帯電バイアスも第1逆バイアスも印加することなく感光体ドラム2を逆回転させることによって、帯電ローラ3に清掃用トナーを付着させることもできる。
【0086】
また、ここでは、感光体ドラム2の逆回転開始時から帯電ローラ3に第1逆バイアスを印加したが、感光体ドラム2上に供給された清掃用トナーが帯電ローラ3に到着するのに合わせて第1逆バイアスを印加することもできる。
【0087】
感光体ドラム2から帯電ローラ3への清掃用トナーの付着時間は、帯電ローラ3表面に清掃用トナーを略均一に付着させることが可能であれば特に限定されるものではなく、少なくとも帯電ローラ3の1周分に要する時間とすればよい。また、付着時間が短いと、帯電ローラ3表面に付着した清掃用トナーが十分に均一化されないおそれがあり、また、異物を清掃用トナーに十分に付着させることができないおそれがある。
【0088】
一方、付着時間が長くなると、清掃用トナーが帯電ローラ3表面に強固に付着して、後述する清掃用トナーの回収の際、帯電ローラ3表面から感光体ドラム2表面に清掃用トナーを移動させ難くなるおそれがある。また、待機時間の長期化にも繋がる。従って、例えばかかる観点を考慮して、付着時間を適宜設定することができる。
【0089】
また、ここでは清掃用トナー付着工程時、感光体ドラム2の逆回転時の線速を、画像形成時の略1/3である略100mm/secとしたため、感光体ドラム2表面から帯電ローラ3表面へと清掃用トナーをより確実に付着させることができる。しかし、かかる逆回転時の線速は、現像ユニット5から感光体ドラム2表面に清掃用トナーを供給し、感光体ドラム2表面から帯電ローラ3表面に清掃用トナーを略均一に付着させることが可能であれば、特に限定されるものではなく、帯電ローラ3表面への清掃用トナーの付着状況等に応じて適宜設定することができる。
【0090】
次に、帯電ローラ3表面の摺擦(エージング)工程について説明する。帯電ローラ3表面において帯電ローラ3に付着した異物と清掃用トナーとが接触すると、異物が清掃用トナーに付着する。この状態で、図6に示すように、感光体ドラム2の回転方向を切り換えて正回転させることとした。
【0091】
また、感光体ドラム2の正回転の線速を、略300mm/secに戻した。これにより、帯電ローラ3の各表面が感光体ドラム2との接触する回数が多くなるため、清掃用トナーによる異物の摺り取り性能が向上する。また、帯電ローラ3には、引き続き第1逆バイアスを印加することとした。これにより、帯電ローラ3表面に付着した清掃用トナーが、帯電ローラ3から感光体ドラム2へと戻ることを防止することができる。また、帯電ローラ3は、上述の通り、スラスト移動しているため、軸方向において帯電ローラ3の線速が、感光体ドラム2よりも大きくなっている。
【0092】
なお、かかるエージング時の感光体ドラム2の線速は、帯電ローラ3表面において清掃用トナーが異物を掻き取り可能であれば、後述するように特に限定されるものではなく、清掃用トナーの移動状況や回収状況等に応じて適宜設定することができる。
【0093】
かかる軸方向の線速差により、清掃用トナーによる異物の擦り取り性能を向上させることができる。また、帯電ローラ3がスラスト移動することにより、回転方向とは異なる方向から清掃用トナーが異物を擦り取ることができるため、より確実にトナーに異物を付着させることができる。なお、帯電ローラ3の感光体ドラム2に対する圧接力は、エージング工程時に、感光体ドラム2表面が削れて画像形成に影響を及ぼさない程度に設定されている。
【0094】
かかるエージング時間は、例えば感光体ドラム2の正回転開始から10秒間とすることができる。かかる10秒間の間に、外径30mmの感光体ドラム2は約32周、外径12mmの帯電ローラ3は約80周回転するため、帯電ローラ3表面において清掃用トナーにより異物の擦り取を十分に行うことができる。
【0095】
なお、かかるエージング時間は、帯電ローラ3表面における清掃用トナーによる異物の擦り取り状況に応じて適宜設定することができ、特に限定されるものではない。ただし、エージング時間が短くなれば異物を十分に掻き取ることができないおそれがあり、長くなれば、無駄に待機時間が長期化するおそれがある。従って、例えばかかる観点を考慮して、エージング時間を適宜設定することができる。
【0096】
また、感光体ドラム2の逆回転から正回転への切り換え時、感光体ドラム2が停止する瞬間に帯電ローラ3にバイアス(帯電バイアス及び第1逆バイアス共に)が印加されていると、感光体ドラム2に対するリークが発生し、感光体ドラム2の一箇所に集中的に電流が流れることにより、感光体ドラム2表面にピンホールが発生するおそれがある。従って、感光体ドラム2の回転方向の切り換え時には、帯電ローラ3に対するバイアス印加を停止することが好ましい。
【0097】
次に、清掃用トナーの回収工程について説明する。エージング工程を行った後、図7(a)に示すように、引き続き感光体ドラム2を正回転させると同時に、帯電ローラ3に帯電バイアスを印加することとした。また、感光体ドラム2の線速は300mm/secとし、転写ローラ17への第2逆バイアスの印加を継続することとした。
【0098】
これにより、帯電ローラ3と感光体ドラム2との間の電位差によって、帯電ローラ3表面に付着した清掃用トナーが感光体ドラム2へと移動する。また、かかる清掃用トナーの移動と共に、清掃用トナーに付着した異物も感光体ドラム2に移動する。
【0099】
さらに感光体ドラム2が正回転を続けると、感光体ドラム2表面に移動した清掃用トナーは、図7(b)に示すように現像ユニット5を通過し、図7(c)に示すように転写ローラ17を通過する。このとき、転写ローラ17に第2逆バイアスが印加されているため、現像ユニット5を通過した清掃用トナーは、転写ローラ17に付着することなくこれを通過してクリーニング装置9(図2参照)に到達し、クリーニング装置9によって回収される。なお、回収時間は、例えば清掃用トナー回収工程開始から5秒間とすることができる。
【0100】
かかる5秒間の間に、外径30mmの感光体ドラム2は約16周、外径12mmの帯電ローラ3は約40周回転するため、帯電ローラ3から感光体ドラム2表面に清掃用トナーを十分に移動させることができ、更に、クリーニング装置9によって感光体ドラム2表面に移動した清掃用トナーを十分に回収することができる。
【0101】
なお、かかる回収時間は、感光体ドラム2表面からの清掃用トナーの回収状況に応じて適宜設定することができ、特に限定されるものではない。ただし、回収時間が短くなれば清掃用トナーを十分に回収できないおそれがあり、長くなれば十分に回収した後にも感光体ドラム2を回転させることになって、無駄に待機時間が長期化するおそれがある。従って、例えばかかる観点を考慮して、回収時間を適宜設定することができる。
【0102】
また、清掃用トナーの回収における感光体ドラム2の正回転時には、感光体ドラム2の線速を、画像形成時と同じ300mm/secとしたため、効率的に清掃用トナーの回収を行うことができる。しかし、かかる回収時の感光体ドラム2の線速は、帯電ローラ3表面から感光体ドラム2表面へと清掃用トナーを移動させ、クリーニング装置9によって清掃用トナーを回収可能であれば、特に限定されるものではなく、清掃用トナーの移動状況や回収状況等に応じて適宜設定することができる。
【0103】
そして、清掃用トナー回収工程終了後、帯電ローラ3への帯電バイアスの印加、転写ローラ17への逆バイアスの印加、及び感光体ドラム2の正回転を停止することとした。
【0104】
次に、帯電ローラ3表面の清掃の制御方法について説明する。図8は、本実施形態に係る画像形成装置の制御機構の一例を示すブロック図である。図1〜図7と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。画像形成装置1は、画像形成部P、定着ユニット7、クリーニング装置9、第1駆動モータ21、第1電源25、第2電源27、画像入力部32、AD変換部33、記憶部34、制御部35、操作パネル36を含む構成である。
【0105】
画像入力部32は、画像形成装置1が複写機である場合、複写時に原稿を照明するスキャナランプや原稿からの反射光の光路を変更するミラーが搭載された走査光学系、原稿からの反射光を集光して結像する集光レンズ、及び結像された画像光を電気信号に変換するCCD等から構成される画像読取部(図示せず)であり、画像形成装置1がプリンタである場合、パーソナルコンピュータ等から送信される画像データを受信する受信部である。画像入力部32より入力された画像信号は制御部35に送出され、階調処理等の画像処理を適宜行い、AD変換部33においてデジタル信号に変換された後、後述する記憶部34内の画像メモリ40に送出される。
【0106】
画像形成部Pは、感光体ドラム2、帯電ローラ3、露光ユニット4、現像ユニット5、転写ローラ17等から構成され、AD変換部33において変換され画像メモリ40に記憶された画像データをもとに感光体ドラム2上に静電潜像を形成する。感光体ドラム2の他、転写ローラ17、クリーニング装置9内のクリーニングローラ23及び搬送スクリュー24(図2参照)等も、第1駆動モータ21により不図示のギアやクラッチ等を介して回転駆動され、制御部35は第1駆動モータ21に制御信号を送信して感光体ドラム2や転写ローラ17、クリーニングローラ23、回収スクリュー24の回転及び停止を制御する。
【0107】
記憶部34は、画像メモリ40、RAM41、及びROM42を備えており、画像メモリ40は、画像入力部32において入力され、AD変換部33においてデジタル変換された画像信号(データ)を記憶し、制御部35に送出する。RAM41及びROM42は、制御部35の画像処理プログラムや処理内容等を記憶する。また、感光体ドラム2の逆回転及び正回転のタイミングや線速を制御するためのプログラムや、清掃用トナーを現像ユニット5から感光体ドラム2表面に供給するための現像バイアスやその印加及び印加停止タイミング、帯電ローラ3に印加する帯電バイアス、第1逆バイアスやそれらの印加及び印加停止タイミング、転写ローラ17に印加する第2逆バイアスやその印加及び印加停止タイミング等も記憶される。
【0108】
制御部35は、例えば中央処理装置(CPU)であり、設定されたプログラムに従って画像入力部32、画像形成部P、クリーニング装置9等を全般的に制御するとともに、画像入力部32から入力された画像信号を、必要に応じて変倍処理或いは階調処理して画像データ(印字データ)に変換する。露光ユニット4は、処理後の画像データに基づいてレーザ光を照射し、感光体ドラム2表面に静電潜像を形成する。さらに制御部35は、設定されたプログラムに従って画像入力部32、帯電ローラ3、露光ユニット4、現像ユニット5等の画像形成装置各部の制御も行う。
【0109】
また制御部35は、非画像形成時に帯電ローラ3表面の清掃モードが設定されると、感光体ドラム2を逆回転させると共に帯電ローラ3に第1逆バイアスを印加して、現像ユニット5から感光体ドラム2表面に清掃用トナーを供給すると共に感光体ドラム2表面に供給された清掃用トナーを帯電ローラ3表面に付着させる(清掃用トナー付着工程を行う)機能や、清掃用トナー付着工程後、感光体ドラム2を正回転させてエージング工程を行う機能や、エージング工程後、感光体ドラム2を正回転させると共に帯電ローラ3に帯電バイスを印加して帯電ローラ3表面から感光体ドラム2表面に清掃用トナーを移動させると共にクリーニング装置9によって回収させる(清掃用トナー回収工程を行う)機能や、清掃用トナー付着工程から回収工程までの間、転写ローラ17に第2逆バイアスを印加する機能も有している。
【0110】
操作パネル36は、画像形成装置1が複写機の場合には、複数の操作キーから成る操作部と、設定条件や装置の状態等を表示する表示部(いずれも図示せず)とから構成されており、ユーザが印刷サイズ等、印刷条件等の設定を行う他、例えば画像形成装置1がファクシミリ機能を有する場合は、記憶部34にファクシミリ送信先を登録し、さらに登録された送信先の読み出しや書き換えを行う等の種々の設定にも使用される。また、操作パネル36は、画像形成装置1がプリンタである場合には、不図示のパーソナルコンピュータに表示される表示部から構成される。
【0111】
なお、清掃モードは、ユーザが操作パネル36で設定する他、所定枚数の印字終了後や、一の印字ジョブの終了後等に自動的に行うこともできる。また、そのタイミングは特に限定されるものではなく、帯電ローラ3表面の汚染状況等に応じて適宜設定することができる。
【0112】
次に、本実施形態に係る画像形成装置の制御の一例について説明する。図9は、本実施形態に係る画像形成装置の制御手順の一例を示すフローチャートであり、図10は、図9の制御手順のタイミングチャートである。図8及び図10を参照しながら、図9のステップに従い本制御例について説明する。
【0113】
まず、画像形成(印字)終了後、帯電ローラ3に対する帯電バイアスの印加、現像ユニットの作動、転写ローラ17に対するバイアスの印加、感光体ドラム2の回転は、停止している(OFF)。
【0114】
かかる非画像形成時に、清掃モードが設定されると(スタート)、制御部35は、第1駆動モータ21を逆回転させることにより感光体ドラム2を逆回転させ、帯電ローラ3を感光体ドラム2と従動回転させると共にスラスト移動させた直後、帯電ローラ3に第1逆バイアスを印加させ、転写ローラ17に第2逆バイアスを印加させると共に、現像ローラ5aに現像バイアスを印加させて、感光体ドラム2表面に清掃用トナーを供給すると共に感光体ドラム2から帯電ローラ3に清掃用トナーを付着させる(ステップS1)。
【0115】
次に、帯電ローラ3の1周分の清掃用トナーが感光体ドラム2表面に供給されると、制御部35は、現像ローラ5aへの現像バイアスに印加を停止して清掃用トナーの供給を停止する(ステップS2)。次に、感光体ドラム2の逆回転開始から例えば2秒経過後、制御部35は、第1駆動モータ21の回転方向を切り換え、感光体ドラム2を正回転させて、エージング工程を行う(ステップS3)。これにより、帯電ローラ3表面において、異物が清掃用トナーに擦り取られながら、該清掃用トナーに付着する。
【0116】
なお、ここでは、ステップS2での清掃用トナー付着工程終了後、ステップS3でのエージング工程前に、現像ローラ5aへの現像バイアスの印加を停止すると共に帯電ローラ3への第1逆バイアスの印加、及び転写ローラ17に対する第2逆バイアスの印加を停止した後、一旦、感光体ドラム2の逆回転を停止させた。
【0117】
次に、感光体ドラム2の正回転開始から例えば10秒経過後、制御部35は、感光体ドラム2を正回転させると共に、帯電ローラ3に印加するバイアスを切り換えて、帯電バイアスを印加する(ステップS4)。これにより、異物が付着した清掃用トナーが、帯電ローラ3表面から、正回転する感光体ドラム2表面に移動する。また、感光体ドラム2表面に移動した清掃用トナーは、第2逆バイアスが印加された転写ローラ17に付着することなくこれを通過して、クリーニング装置9により回収される。
【0118】
なお、ここでは、ステップS3でのエージング工程後、ステップS4での清掃用トナー回収前に、帯電ローラ3に対する第1逆バイアスの印加及び転写ローラ17に対する第2逆バイアスの印加を停止した後、一旦、感光体ドラム2の正回転を停止させた。
【0119】
そして、清掃用トナー回収工程開始から例えば5秒経過後、制御部35は、帯電ローラ3に対する帯電バイアスの印加、転写ローラ17に対する第2逆バイアスの印加、及び、感光体ドラム2の正回転を停止させた後(ステップS5)、終了する。なお、ここでは、帯電ローラ3に対する帯電バイアスの印加、及び転写ローラ17に対する第2逆バイアスの印加を停止した後、感光体ドラム2の正回転を停止した。
【0120】
上記の通り、非画像形成時、帯電ローラ3を摺擦可能な感光体ドラム2を設け、非画像形成時、回転する感光体ドラム2表面に現像ユニット5から清掃用トナーを供給し、感光体ドラム2表面から帯電ローラ3表面に略均一に清掃用トナーの付着を行った後、感光体ドラム2との間で線速差を設けて清掃用トナーにより帯電ローラ3表面の摺擦を行い、該帯電ローラ3表面の摺擦後、帯電ローラ表面から感光体ドラム2表面に清掃用トナーを移動させ感光体ドラム2表面からクリーニング装置9への清掃用トナーの回収を行うことにより、帯電ローラ3表面を清掃した。
【0121】
これにより、帯電ローラ3に付着した異物を清掃用トナーに付着させて効率的に除去することができるため、複雑な構成を用いることなく接触式の帯電ローラ3表面に付着した異物を除去することが可能となる。さらに、長期間にわたって安定した画像品質を得ることが可能となる。
【0122】
なお、本実施形態では、清掃用トナー付着工程及び清掃用トナー回収工程においても、帯電ローラ3がスラスト移動することとしたが、その他、帯電ローラ3の摺擦時にのみ帯電ローラ3をスラスト移動させることもできる。これにより、帯電ローラ3に清掃用トナーを付着させ易くなり、帯電ローラ3から感光体ドラム2に移動させ易くなる。
【0123】
かかる場合、一例として、帯電ローラ3のシャフト3aを回転自在に支持すると共に、シャフト3aの軸方向一端を圧縮バネ等で他端側に付勢する。そして、シャフト3aの他端部を、装置本体に設けたソレノイドのプランジャが押圧可能とし、ソレノイドの作動をON/OFFしてプランジャを出没させることによって、帯電ローラ3をスラスト駆動することができる。また、これにより、画像形成時に、帯電ローラ3がスラスト移動しないようにすることができる。
【0124】
また、本実施形態では、清掃用トナー付着工程時及びエージング工程時に、帯電ローラ3に第1逆バイアスを印加したため、感光体ドラム2に供給されたトナーを、より確実に帯電ローラ3に付着させると共に清掃用トナーにより異物を掻き取ることができる。また、帯電ローラ3と感光体ドラム2との間の線速差は、回転方向に特に限定されるものではなく、軸方向に線速差を設けることもできる。
【0125】
次に、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置について説明する。図11は、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置に用いられる帯電ローラ周辺の構成を示す図である。また、図12は、清掃用トナー付着工程における感光体ドラム、帯電ローラ及び現像ローラの回転を示す図であって、図12(a)は、清掃用トナーが現像ローラから感光体ドラム表面に供給される状態を示す図であり、図12(b)は、トナーが感光体ドラム表面から帯電ローラに付着する状態を示す図であり、図12(c)は、トナーが帯電ローラに略均一に付着した状態を示す図である。
【0126】
また、図13は、エージング工程における感光体ドラム、帯電ローラ及び現像ローラの回転を示す図であり、図14は、清掃用トナー回収工程における感光体ドラム、帯電ローラ及び現像ローラの回転を示す図であって、図14(a)は、清掃用トナーが帯電ローラから感光体ドラム表面に移動する状態を示す図であり、図14(b)は、清掃用トナーが感光体ドラムの回転と共に移動する状態を示す図であり、図14(c)は、清掃用トナーがクリーニング装置に回収される状態を示す図である。なお、図12〜図14では清掃用トナーを黒丸で示す。また、図1〜図10と共通する部分には共通する符号を付して説明を省略する。
【0127】
本実施形態では、帯電ローラ3の摺擦時、帯電ローラ3と感光体ドラム2との間で軸方向の線速差を設ける代わりに、回転方向の線速を設けることとした。
【0128】
図11に示すように、帯電ローラ3のシャフト3aは、第1駆動モータ21とは別途設けられた第2駆動モータ41に第1クラッチ機構43を介して連結されるようになっている。エージング工程時に、第1クラッチ機構43が作動してシャフト3aが第2駆動モータ41と駆動連結されると、第2駆動モータ41からの駆動力が伝達されて、帯電ローラ3は、感光体ドラム2との接触部において感光体ドラム2と同方向に駆動回転する。その他の構成は第1実施形態と同様であるため、以下、主として第1実施形態と異なる点について説明する。
【0129】
本実施形態では、清掃用トナー付着工程を、帯電ローラ3の駆動が停止し、帯電ローラ3がスラスト移動することなく感光体ドラム2と従動回転させ、上記第1実施形態と同様にして、行うこととした。これにより、図12(a)に示すように、清掃用トナーが現像ローラ5aから感光体ドラム2表面に供給された後、図12(b)に示すように、清掃用トナーが感光体ドラム2から帯電ローラ3に付着し、図12(c)に示すように、清掃用トナーが帯電ローラ3表面に略均一に付着する。
【0130】
次に、エージング工程において、図13に示すように、感光体ドラム2の回転方向を切り換え、線速300mm/secで正回転(図の時計回り)させると共に、帯電ローラ3を第2駆動モータ41により線速360mm/secで駆動回転させる。また、帯電ローラ3には、第1実施形態と同様、第1逆バイアスを印加する。これにより、帯電ローラ3の線速の方が感光体ドラム2の線速よりも大きくなり、帯電ローラ3と感光体ドラム2との間の線速差は、60mm/secとなる。
【0131】
このように線速差を設けることにより、エージング工程時において、清掃用トナーによる異物の擦り取り性能が向上する。また、帯電ローラ3の線速を感光体ドラム3の線速よりも大きくすることによって、帯電ローラ3表面での清掃用トナーによる異物の摺擦時間を短縮することができる。
【0132】
なお、感光体ドラム2の線速を帯電ローラ3の線速よりも小さくすることもできる。ただし、上記したように、感光体ドラム2が停止している状態で帯電ローラ3にバイアスが印加されると、感光体ドラム2表面にピンホールが発生するおそれがある。従って、かかる観点を考慮すれば、感光体ドラム2は少なくとも回転している(線速が0より大きい)ことが好ましく、その線速は、20mm/sec以上がより好ましく、100mm/sec以上がさらに好ましい。
【0133】
また、感光体ドラム2の線速が大きくなれば、摺擦時間を短縮することが可能となるが、画像形成時の設定に戻すための作業が煩雑となるおそれがある。かかる観点を考慮すれば、エージング時の感光体ドラム2の線速を、画像形成時と同じ線速(例えば略300mm/sec)とすることが好ましい。
【0134】
そして、清掃用トナー付着工程においては、帯電ローラ3の駆動を停止し、上述した第1実施形態と同様にして、図14(a)に示すように、感光体ドラム2を正回転させると共に帯電ローラ3に帯電バイアスを印加して、図14(b)に示すように、帯電ローラ3に付着した清掃用トナーを感光体ドラム2に移動させた後、図14(c)に示すように、清掃用トナーをクリーニング装置9(図2参照)で回収する。
【0135】
図15は、本実施形態に係る画像形成装置の制御機構の一例を示すブロック図である。図8と共通する部分には共通する符号を付して説明を省略する。図15に示すように、記憶部34には、第2駆動モータ41を作動及び停止するタイミングに関するパラメータが記憶されている。
【0136】
また、制御部35は、感光体ドラム2を逆回転させ、第2駆動モータ41の作動を停止した状態で帯電ローラ3に第1逆バイアス、現像ローラ5aに現像バイアスを印加させて清掃用トナーの付着を行う機能や、清掃用トナーの付着工程後、感光体ドラム2を正回転させ、第2駆動モータ41を作動させると共に、帯電ローラ3に第1逆バイアスを印加させてエージング工程を行う機能や、エージング工程後、感光体ドラム2を正回転させ、第2駆動モータ41の作動を停止させると共に、帯電ローラ3に帯電バイアスを印加させて清掃用トナー回収工程を行う機能を有している。
【0137】
次に、本実施形態に係る画像形成装置の制御の一例について説明する。図16は、本実施形態に係る画像形成装置の制御手順の一例を示すフローチャートであり、図17は、図16の制御手順のタイミングチャートである。図9、図10と共通する部分には共通する符号を付して説明を省略する。図15及び図17を参照しながら、図16のステップに従い本制御例について説明する。
【0138】
まず、帯電ローラ3の駆動を停止した状態で、帯電ローラ3をスラスト移動させることなく感光体ドラム2と従動回転させ、上記第1実施形態のステップS1、S2と同様に、ステップS11、S12を実行して、清掃用トナー付着工程を行う。
【0139】
次に、感光体ドラム2の逆回転開始から例えば2秒経過後、制御部35は、第1駆動モータ21の回転方向を切り換えて感光体ドラム2を正回転させると共に、第2駆動モータ41により帯電ローラ3を回転させて、エージング工程を行う(ステップS13)。これにより、帯電ローラ3表面において、異物が清掃用トナーに擦り取られながら、該清掃用トナーに付着する。
【0140】
次に、感光体ドラム2の正回転開始から例えば10秒経過後、制御部35は、帯電ローラ3の駆動を停止して帯電ローラ3を感光体ドラム2と従動回転させて、上記実施形態1のステップS4と同様に、清掃用トナー回収工程を行う(ステップS14)。これにより、異物が付着した清掃用トナーが、帯電ローラ3表面から、正回転する感光体ドラム2表面に移動し、感光体ドラム2表面に移動した清掃用トナーは、第2逆バイアスが印加された転写ローラ17に付着することなくこれを通過して、クリーニング装置9により回収される。
【0141】
そして、清掃用トナー回収工程開始から例えば5秒経過後、制御部35は、第1実施形態と同様に、帯電ローラ3に対する帯電バイアスの印加、転写ローラ17に対する第2逆バイアスの印加、及び、感光体ドラム2の正回転を停止させた後(ステップS15)、終了する。
【0142】
なお、本実施形態においても、第1実施形態と同様にして、清掃用トナー付着工程とエージング工程との間、及び、エージング工程と清掃用トナー回収工程との間、において感光体ドラム2の回転を一旦停止させた。
【0143】
上記の通り、本実施形態においても、エージング工程時、感光体ドラム2と帯電ローラとの間に線速差を設けたため、帯電ローラ3の摺擦時において、清掃用トナーによる異物の擦り取り性能が向上する。また、本実施形態では、回転方向において感光体ドラム2と帯電ローラ3との間で線速差を設けたため、かかる線速差を設けるための複雑な部材を追加することを回避できると共に、清掃用トナーによる異物の擦り取り性能が向上する。また、本実施形態では、帯電ローラ3の線速を感光体ドラム3の線速よりも大きくしたため、帯電ローラ3表面での摺擦時間を短縮することができる。
【0144】
また、本実施形態では、第2駆動モータ41を設けたが、その他、第2駆動モータ41を設けない構成とすることもできる。かかる場合、例えば、帯電ローラ3のシャフト3aを、エージング工程時に、不図示のクラッチ機構を切り換えることによって第1駆動モータ21に連結されたギアと噛み合わせることができるようにし、かかるギアと噛み合ったときに、帯電ローラ3の線速が感光体ドラム2よりも大きくなるようにギア比を調整する。これにより、第2駆動モータ41を設けることなく、帯電ローラ3の線速を可変することができる。
【0145】
上記第1及び第2実施形態では、帯電ローラ3の摺擦時、帯電ローラ3と感光体ドラム2との間で線速差を設けることによって、清掃用トナーによる異物の擦り取り性能を向上させたが、本発明の摺擦手段は、感光体ドラム2に特に限定されるものではない。
【0146】
次に、本発明の第3実施形態に係る画像形成装置について説明する。図18は、本発明の第3実施形態に係る画像形成装置に用いられる帯電ローラ周辺の概略拡大断面図であり、図19は、本実施形態に係る画像形成装置に用いられる軸受け部材辺を示す概略側面図である。
【0147】
また、図20は、清掃用トナー付着工程における感光体ドラム、帯電ローラ、摺擦ローラ及び現像ローラの回転を示す図であって、図20(a)は、清掃用トナーが現像ローラから感光体ドラム表面に供給される状態を示す図であり、図20(b)は、トナーが感光体ドラム表面から帯電ローラに付着する状態を示す図であり、図20(c)は、トナーが帯電ローラに略均一に付着した状態を示す図である。また、図21は、エージング工程における感光体ドラム、帯電ローラ、摺擦ローラ及び現像ローラの回転を示す図である。
【0148】
また、図22は、清掃用トナー回収工程における感光体ドラム、帯電ローラ、摺擦ローラ及び現像ローラの回転を示す図であって、図22(a)は、清掃用トナーが帯電ローラから感光体ドラム表面に移動する状態を示す図であり、図22(b)は、清掃用トナーが感光体ドラムの回転と共に移動する状態を示す図であり、図22(c)は、清掃用トナーがクリーニング装置に回収される状態を示す図である。図1〜図17と共通する部分には共通する符号を付して説明を省略する。
【0149】
本実施形態では、帯電ローラ3と接触回転する摺擦ローラ(摺擦部材、摺擦手段)55を設け、画像形成時には摺擦ローラ55が帯電ローラ3に従動回転し、エージング工程時、摺擦ローラ55を駆動回転させることによって、摺擦ローラ55と帯電ローラ3との間で、回転方向に線速差を設けることとした。また、本実施形態では、摺擦ローラ55の線速を帯電ローラの線速よりも大きくすることとした。
【0150】
図18に示すように、帯電ローラ3の上方には、導電性のブラシローラから成る摺擦ローラ55が配置されている。摺擦ローラ55は、芯金から成る支軸55aの周囲に、例えば、6−ナイロン製、ブラシ径12mm、フィラメント太さ2デニール、フィラメント密度4万フィラメント/cm2、ブラシ抵抗値0.7×107Ωの導電性のファーブラシが形成されている。なお、摺擦ローラ55は特に限定されるものではなく、導電性のスポンジ系の発泡部材から形成することも可能であるが、帯電ローラ3の寿命を考慮すれば、ブラシローラとすることが好ましい。
【0151】
図19に示すように、摺擦ローラ55の支軸55aは、帯電ローラ3のシャフト3aと共に導電性の軸受け部材57に回転自在に支持されている。具体的には、軸受け部材57には、摺擦ローラ55の支軸55aと、帯電ローラ3のシャフト3aとを、それぞれ支持可能な2つの貫通穴57aが形成されており、かかる貫通穴57aに、支軸55aとシャフト3aが支持されている。また、貫通穴57aは、摺擦ローラ55が帯電ローラ3に対して帯電ローラ3の帯電への影響を及ぼさない程度の圧接力で圧接されるような間隔で形成されている。
【0152】
これにより、帯電ローラ3の摺擦時に、帯電ローラ3に第1逆バイアスが印加されると、摺擦ローラ55にも、同電位の第1逆バイアスが印加される。また、支軸55aの一端部は、第1駆動モータ21とは別途独立した第3駆動モータ61に、上記した第2実施形態と同様の第2クラッチ機構63を介して接続されている。その他の構成は第1実施形態と同様であるため、以下、主として第1実施形態と異なる点について説明する。
【0153】
本実施形態では、清掃用トナー付着工程においては、帯電ローラ3がスラスト移動することなく感光体ドラム2と従動回転し、摺擦ローラ55の駆動を停止させて、上述した第1実施形態と同様にして、図20(a)に示すように、清掃用トナーが現像ローラ5aから感光体ドラム2表面に供給された後、図20(b)に示すように、清掃用トナーが感光体ドラム2から帯電ローラ3に付着し、図20(c)に示すように、清掃用トナーが帯電ローラ3表面に略均一に付着する。
【0154】
次に、エージング工程において、図21に示すように、感光体ドラム2の回転方向を切り換え、線速300mm/secで正回転(図の時計回り)させ、帯電ローラ3を従動回転させる(線速300mm/sec)と共に、摺擦ローラ55を第3駆動モータ61により線速360mm/secで駆動回転させる。また、帯電ローラ3には、第1実施形態と同様、第1逆バイアスを印加する。これにより、摺擦ローラ55の線速の方が帯電ローラ3の線速よりも大きくなり、摺擦ローラ55と帯電ローラ3との間の線速差は、60mm/secとなる。
【0155】
このように線速差を設けることにより、エージング工程時において、清掃用トナーによる異物の擦り取り性能が向上する。また、摺擦ローラ55の線速を感光体ドラム3の線速よりも大きくすることによって、帯電ローラ3表面での摺擦時間を短縮することができる。
【0156】
しかし、摺擦ローラ55の線速を帯電ローラ3よりも小さくすることもできる。また、上記第2実施形態に示すように帯電ローラ3の線速を可変することにより、帯電ローラ3の線速を、摺擦ローラ55よりも大きくすることも小さくすることできる。ただし、上記したように、感光体ドラム2が停止している状態で帯電ローラ3のバイアスが印加されるとピンホールが発生するおそれがある。かかる観点を考慮すれば、帯電ローラ3は少なくとも回転している(線速が0より大きい)ことが好ましく、その線速は、20mm/sec以上がより好ましく、100mm/sec以上がさらに好ましい。
【0157】
また、上記したように、摺擦時間を短縮するという観点、及び、画像形成時の設定に戻すための作業の煩雑さを考慮すれば、エージング時の帯電ローラ3の線速を、画像形成時と同じ線速(例えば略300mm/sec)とすることが好ましい。
【0158】
また、本実施形態では、帯電ローラ3の摺擦時、帯電ローラ3と摺擦ローラ55とを同電位としたため、帯電ローラ3から摺擦ローラ55に清掃用トナー及び異物が移動することを防止することができる。
【0159】
そして、清掃用トナー回収工程においては、摺擦ローラ55の駆動を停止し、上述した第1実施形態と同様にして、図22(a)に示すように、感光体ドラム2を正回転させると共に帯電ローラ3に帯電バイアスを印加して、図22(b)に示すように、帯電ローラ3に付着した清掃用トナーを感光体ドラム2に移動させた後、図22(c)に示すように、清掃用トナーをクリーニング装置9(図2参照)で回収する。
【0160】
なお、摺擦ローラ55を帯電ローラ3に従動回転させることにより、帯電ローラ3と摺擦ローラ55との間での清掃用トナーの滞留を回避できるため、帯電ローラ3表面の清掃用トナーの回収が容易となる。
【0161】
また、上記の通り、摺擦ローラ55は帯電ローラ3と同電位となるため、帯電ローラ3に帯電バイアスを印加しても、帯電ローラ3表面の清掃用トナーの摺擦ローラ55への移動を防止することができる。これにより、帯電ローラ3からの清掃用トナーの回収が容易となる。
【0162】
なお、ここでは、画像形成時には、帯電ローラ3に従動回転するため、摺擦ローラ55は帯電ローラ3表面の清掃能力は殆ど有していない。しかし、摺擦ローラ55が、画像形成時に帯電ローラ3に対する清掃能力を有するような構成にすることもできる。
【0163】
図23は、本実施形態に係る画像形成装置の制御機構の一例を示すブロック図である。図8と共通する部分には共通する符号を付して説明を省略する。図23に示すように、記憶部34には、第3駆動モータ61を作動及び停止するタイミングに関するパラメータが記憶されている。
【0164】
また、制御部35は、感光体ドラム2を逆回転させ、第3駆動モータ61の作動を停止した状態で帯電ローラ3に第1逆バイアス、現像ローラ5aに現像バイアスを印加させて清掃用トナーの付着を行う機能や、清掃用トナーの付着工程後、感光体ドラム2を正回転させ、第3駆動モータ61を作動させると共に、帯電ローラ3に第1逆バイアスを印加させてエージング工程を行う機能や、エージング工程後、感光体ドラム2を正回転させ、第3駆動モータ61の作動を停止させると共に、帯電ローラ3に帯電バイアスを印加させて清掃用トナー回収工程を行う機能を有している。
【0165】
次に、本実施形態に係る画像形成装置の制御の一例について説明する。図24は、本実施形態に係る画像形成装置の制御手順の一例を示すフローチャートであり、図25は、図24の制御手順のタイミングチャートである。図9及び図10と共通する部分には共通する符号を付して説明を省略する。図23及び図25を参照しながら、図24のステップに従い本制御例について説明する。
【0166】
まず、帯電ローラ3がスラスト移動することなく感光体ドラム2と従動回転し、摺擦ローラ55の駆動を停止させ、上記第1実施形態のステップS1、S2と同様に、ステップS21、S22を実行して、清掃用トナー付着工程を行う。このとき摺擦ローラ55は帯電ローラ3と従動回転している。
【0167】
次に、感光体ドラム2の逆回転開始から例えば2秒経過後、制御部35は、第1駆動モータ21の回転方向を切り換えて感光体ドラム2を正回転させると共に、第3駆動モータ61により摺擦ローラ55を回転させて、エージング工程を行う(ステップS23)。これにより、帯電ローラ3表面において、異物が清掃用トナーに擦り取られながら、該清掃用トナーに付着する。
【0168】
次に、感光体ドラム2の正回転開始から例えば10秒経過後、制御部35は、摺擦ローラ55の駆動を停止して摺擦ローラ55を帯電ローラ3と従動回転させて、上記実施形態1のステップS4と同様に、清掃用トナー回収工程を行う(ステップS24)。これにより、異物が付着した清掃用トナーが、帯電ローラ3表面から、正回転する感光体ドラム2表面に移動し、感光体ドラム2表面に移動した清掃用トナーは、第2逆バイアスが印加された転写ローラ17に付着することなくこれを通過して、クリーニング装置9により回収される。
【0169】
そして、清掃用トナー回収工程開始から例えば5秒経過後、制御部35は、第1実施形態と同様に、帯電ローラ3に対する帯電バイアスの印加、転写ローラ17に対する第2逆バイアスの印加、及び、感光体ドラム2の正回転を停止させた後(ステップS25)、終了する。
【0170】
なお、本実施形態においても、第1実施形態と同様にして、清掃用トナー付着工程とエージング工程との間、及び、エージング工程と清掃用トナー回収工程との間、において感光体ドラム2の回転を一旦停止させた。
【0171】
上記の通り、本実施形態においても、非画像形成時、回転する感光体ドラム2表面に現像ユニット5から清掃用トナーを供給し、感光体ドラム2表面から帯電ローラ3表面に略均一に清掃用トナーの付着を行った後、摺擦ローラ55と帯電ローラ3との間で線速差を設けて清掃用トナーにより帯電ローラ3表面の摺擦を行い、該帯電ローラ3表面の摺擦後、帯電ローラ3表面から感光体ドラム2表面に清掃用トナーを移動させ感光体ドラム2表面からクリーニング装置9への清掃用トナーの回収を行うことにより、帯電ローラ3表面を清掃することができる。
【0172】
また、本実施形態では、摺擦ローラ55に、帯電ローラ3と同電位のバイアスを印加したため、清掃トナー付着工程時、エージング工程時及び清掃用トナー回収工程時の全ての帯電ローラ3表面の清掃時において、帯電ローラ3に付着した清掃用トナーが摺擦ローラ55または感光体ドラム2へと移動することを防止できるため、帯電ローラ3に付着した異物の清掃用トナーによる擦り取り性能、及び、清掃用トナーの回収性能が向上する。
【0173】
また、本実施形態では、摺擦ローラ55が、少なくとも画像形成時に帯電ローラ3と従動して回転し、帯電ローラ3の摺擦時に、摺擦ローラ55との間で線速差を設けることとしたため、画像形成に及ぼす影響をより回避すると共に、効率的に帯電ローラ3に付着した異物を除去することができる。
【0174】
また、本実施形態では、エージング工程時、摺擦ローラ55の線速を、帯電ローラ3の線速よりも大きくしたため、帯電ローラ3の線速を変えることなく、帯電ローラ3に付着した異物を除去することができる。また、本実施形態では、エージング工程時、回転方向において摺擦ローラ55の線速を、帯電ローラ3の線速よりも大きくしたため、摺擦ローラ55の線速を変えるための複雑な部材を追加する必要がなく、より簡単な構成とすることができる。
【0175】
なお、摺擦ローラ55と帯電ローラ3との間での線速差は、回転方向に設けることに特に限定されず、軸方向に設けることもできる。
【0176】
次に、本発明の第4実施形態に係る画像形成装置について説明する。図26は、本実施形態の画像形成装置に用いられる帯電ローラ周辺の概略拡大断面図であり、図27は、本実施形態に係る画像形成装置に用いられる第2スライドプーリ及び第2ガイド部材周辺を示す概略斜視図であり、図28は、摺擦ローラがスラスト移動する状態を示す図であって、図28(a)は摺動ローラが一方にスラスト移動した状態を示す図であり、図28(b)は、他方にスラスト移動した状態を示す図である。
【0177】
また、図29は、清掃用トナー付着工程における感光体ドラム、帯電ローラ、摺擦ローラ及び現像ローラの回転を示す図であって、図29(a)は、清掃用トナーが現像ローラから感光体ドラム表面に供給される状態を示す図であり、図29(b)は、トナーが感光体ドラム表面から帯電ローラに付着する状態を示す図であり、図29(c)は、トナーが帯電ローラに略均一に付着した状態を示す図である。また、図30は、エージング工程における感光体ドラム、帯電ローラ及び現像ローラの回転を示す図である。
【0178】
また、図31は、清掃用トナー回収工程における感光体ドラム、帯電ローラ、摺擦ローラ及び現像ローラの回転を示す図であって、図31(a)は、清掃用トナーが帯電ローラから感光体ドラム表面に移動する状態を示す図であり、図31(b)は、清掃用トナーが感光体ドラムの回転と共に移動する状態を示す図であり、図31(c)は、清掃用トナーがクリーニング装置に回収される状態を示す図である。図1〜図25と共通する部分には共通する符号を付して説明を省略する。
【0179】
本実施形態では、図26、図27及び図28に示すように、摺擦ローラ55の支軸55aを上記第3実施形態に示す第3駆動モータ61に連結する代わりに、上記した第1実施形態で帯電ローラ3をスラスト移動させたのと同様にして、摺擦ローラ55をスラスト移動させることとした。
【0180】
具体的には、図27に示すように、摺擦ローラ55の支軸55aの右端部は、図示は省略するが、帯電ローラ3及び摺擦ローラ55を支持する不図示のハウジングに軸方向(図の左右方向)にスライド可能に支持されている。一方、摺擦ローラ55の左側部には、第1実施形態で示した第1スライドプーリ51と同様の第2スライドプーリ71が取り付けられている。
【0181】
また、上記ハウジングには、第1実施形態に示した第1ガイド部材53と同様の、第2スライドプーリ71をガイドする第2ガイド部材73が設けられており、第2ガイド部材73は、第1実施形態に示した第1ガイド溝53aと同様の第2ガイド溝73aを有し、この第2ガイド溝73aの左右両側面には、第1実施形態に示した第1突起53bと同様の、第2突起73bが設けられている。
【0182】
そして、第2突起73bが第2凹溝71aに係合することにより、第2スライドプーリ71の第2凹溝71aの底面同士の間の薄肉部分が第2スライドプーリ71の軸方向の両側から第2ガイド部材73の第2突起73bによって摺動可能に挟持されるようになる。このため、摺動ローラ55が回転して、図28(a)に示すように第2スライドプーリ71の薄肉部分のうち最も右側寄りの部分が第2突起73b間に挟持されたときには、摺擦ローラ55が左方に移動し、図29(b)に示すように第2スライドプーリ71の薄肉部分のうち最も左側寄りの部分が第2突起73b間に挟持されたときには、摺擦ローラ55が右方に移動する。すなわち、摺擦ローラ55が1回転すると、当該摺擦ローラ55が軸方向に1回往復移動する。
【0183】
なお、第1実施形態と同様、第2スライドプーリ71の傾斜角度は、摺擦ローラ55の往復移動する距離が±0.5mm、すなわち摺擦ローラ55の振幅が1mmとなるように設定されており、摺擦ローラ55の往復移動する距離は、±5mm以下であることが好ましい。
【0184】
また、ここでは、画像形成時及び非画像形成時において、感光体ドラム2及び帯電ローラ3が回転するとき、摺擦ローラ55は帯電ローラ3に従動回転すると共に、スラスト方向に移動することとしたが、上記第1実施形態と同様、帯電ローラ3の摺擦時にのみスラスト移動する構成とすることもできる。なお、画像形成時に摺擦ローラ55がスラスト移動していても、帯電ローラ3による感光体ドラム2の帯電を行うことができ、画像不良は生じない。その他の構成は第3実施形態と同様であるため、以下、主として第3実施形態と異なる点について説明する。
【0185】
本実施形態では、清掃用トナー付着工程においては、摺擦ローラ55をスラスト移動しながら帯電ローラ3と従動回転させて、上述した第3実施形態と同様にして、図29(a)に示すように、清掃用トナーが現像ローラ5aから感光体ドラム2表面に供給された後、図29(b)に示すように、清掃用トナーが感光体ドラム2から帯電ローラ3に付着し、図29(c)に示すように、清掃用トナーが帯電ローラ3表面に略均一に付着する。
【0186】
次に、エージング工程において、感光体ドラム2の回転方向を切り換え、線速300mm/secで正回転(図の時計回り)させる。また、帯電ローラ3には、第3実施形態と同様、第1逆バイアスを印加する。これにより、感光体ドラム2と従動回転する帯電ローラ3と、スラスト移動する摺擦ローラ55と、が摺擦し、帯電ローラ3表面の異物を清掃用トナーにより擦り取ることができる。
【0187】
そして、清掃用トナー回収工程においては、上述した第3実施形態と同様にして、図31(a)に示すように、感光体ドラム2を正回転させると共に帯電ローラ3に帯電バイアスを印加して、図31(b)に示すように、帯電ローラ3に付着した清掃用トナーを感光体ドラム2に移動させた後、図31(c)に示すように、清掃用トナーをクリーニング装置9(図2参照)で回収する。
【0188】
図32は、本実施形態に係る画像形成装置の制御機構の一例を示すブロック図である。図23と共通する部分には共通する符号を付して説明を省略する。制御部35は、感光体ドラム2を逆回転させた状態で帯電ローラ3に第1逆バイアス、現像ローラ5aに現像バイアスを印加させて清掃用トナーの付着を行う機能や、清掃用トナーの付着工程後、感光体ドラム2を正回転させると共に、帯電ローラ3に第1逆バイアスを印加させてエージング工程を行う機能や、エージング工程後、感光体ドラム2を正回転させると共に、帯電ローラ3に帯電バイアスを印加させて清掃用トナー回収工程を行う機能を有している。
【0189】
次に、本実施形態に係る画像形成装置の制御の一例について説明する。図33は、本実施形態に係る画像形成装置の制御手順の一例を示すフローチャートであり、図34は、図33の制御手順のタイミングチャートである。図24及び図25と共通する部分には共通する符号を付して説明を省略する。図32及び図34を参照しながら、図33のステップに従い本制御例について説明する。
【0190】
まず、帯電ローラ3を感光体ドラム2と従動回転させると共に、摺擦ローラ55をスラスト移動させながら帯電ローラ3と従動回転させ、上記第3実施形態のステップS21、S22と同様に、ステップS31、S32を実行して、清掃用トナー付着工程を行う。
【0191】
次に、感光体ドラム2の逆回転開始から例えば2秒経過後、制御部35は、第1駆動モータ21の回転方向を切り換えて感光体ドラム2を正回転させて、エージング工程を行う(ステップS33)。これにより、帯電ローラ3表面において、異物が清掃用トナーに擦り取られながら、該清掃用トナーに付着する。
【0192】
次に、感光体ドラム2の正回転開始から例えば10秒経過後、制御部35は、感光体ドラム2を正回転させて、上記第3実施形態のステップS24と同様に、清掃用トナー回収工程を行う(ステップS34)。これにより、異物が付着した清掃用トナーが、帯電ローラ3表面から、正回転する感光体ドラム2表面に移動し、感光体ドラム2表面に移動した清掃用トナーは、第2逆バイアスが印加された転写ローラ17に付着することなくこれを通過して、クリーニング装置9により回収される。
【0193】
そして、清掃用トナー回収工程開始から例えば5秒経過後、制御部35は、第3実施形態と同様に、帯電ローラ3に対する帯電バイアスの印加、転写ローラ17に対する第2逆バイアスの印加、及び、感光体ドラム2の正回転を停止させた後(ステップS35)、終了する。
【0194】
なお、本実施形態においても、第3実施形態と同様にして、清掃用トナー付着工程とエージング工程との間、及び、エージング工程と清掃用トナー回収工程との間、において感光体ドラム2の回転を一旦停止させた。
【0195】
本実施形態により、エージング工程時、摺擦ローラ55が、帯電ローラ3に対して軸方向に往復運動することとしたため、回転方向とは異なる方向から清掃用トナーが異物を擦り取ることができるため、より確実に清掃用トナーに異物を付着させ、帯電ローラ3に付着した異物を除去することができる。
【0196】
なお、摺擦ローラ55の代わりに、その他、摺擦部材として、板状のブラシ部材を用いることもできる。この場合には、本実施形態と同様に、摺擦部材をスラスト移動させればよい。
【0197】
上記各実施形態では、清掃用トナー回収工程時、第1電源25が帯電ローラ3に帯電バイアスを印加したため、帯電ローラ3表面から感光体ドラム2表面への清掃用トナーの移動を、より効率的且つ確実に行うことができる。
【0198】
なお、かかる回収時の帯電バイアスを、画像形成時の帯電バイアスと同じにすることによって構成の複雑化を防止することができる。しかし、回収時の帯電バイアスは、特に限定されるものではなく、帯電ローラ3表面から感光体ドラム2表面への清掃用トナーの移動状況等に応じて適宜設定することができる。また、清掃用トナーの移動状況によっては、回収時に帯電バイアスを必ずしも印加する必要はない。
【0199】
また上記各実施形態では、第1駆動モータ21が感光体ドラム2を、清掃用トナー付着工程及びエージング工程を行うとき逆回転させ、清掃用トナー回収工程を行うとき正回転させたため、清掃用トナー付着工程時及びエージング工程時には、清掃用トナーが転写ローラ17やクリーニング装置9を通過することを回避できる。これにより、帯電ローラ3表面に清掃用トナーをより短時間で確実に付着させることができる。加えて、清掃用トナー回収工程時には、クリーニング装置9によって清掃用トナーをより確実に回収することができる。従って、清掃用トナーの付着及び回収がより効果的となる。
【0200】
また、清掃用トナーが帯電ローラ3表面に付着する前に転写ローラ17に付着したり、クリーニング装置9に回収されないように、転写ローラ17及びクリーニング装置9を感光体ドラム2に対して離間させるための離間装置等を設ける必要がないため、装置の大型化や装置構成の複雑化を回避することができる。
【0201】
しかし、感光体ドラム2を正回転させて帯電ローラ3に清掃用トナーを付着させることもできる。かかる場合、感光体ドラム2を正回転させると共に、転写ローラ17に第2逆バイアスを印加することによって、転写ローラ17に対する清掃用トナーの付着を防止することができる。また、上記した様な離間装置によりクリーニング装置9を感光体ドラム2から離間させることによって、クリーニング装置9により清掃用トナーが回収されることを防止できる。なお、清掃用トナー回収工程時には、クリーニング装置9を感光体ドラム2に接触させればよい。
【0202】
また、清掃用トナー付着工程時に感光体ドラム2を正回転させる場合には、清掃用トナー像を、帯電ローラ3で感光体ドラム2表面を帯電後、露光ユニット4によりベタ画像から成る静電潜像を形成し、かかる静電潜像に対して現像ローラ5aから清掃用トナーを供給することによって形成することもできる。この場合には、帯電後、清掃用トナーが帯電ローラ3表面に到着するまでに帯電ローラ3に対する帯電バイアスの印加を停止すればよい。
【0203】
また、上記各実施形態では、帯電ローラ3表面の清掃を行うとき、第2電源27が転写ローラ17に転写バイアスとは逆極性の第2逆バイアスを印加したため、清掃用トナーが転写ローラ17に付着することを防止できる。これにより、清掃用トナーの付着及び回収がより確実になると共に、トナー像の記録媒体への転写に及ぼす不具合を回避できる。しかし、その他、上記の様な離間装置を設け、第2逆バイアスを印加する代わりに転写ローラ17を感光体ドラム2から離間させることもできる。なお、転写手段として非接触式の転写部材を用いた場合には、かかる離間装置を設ける必要はない。
【0204】
また、例えば中間転写ベルトを有するタンデム型の画像形成装置を用いた場合には、中間転写ベルトに対する清掃用トナーの付着を防止するため、中間転写ベルトを感光体ドラム2から離間させる離間装置を設けることができる。また、本実施形態では、清掃用トナー付着工程時から回収工程時まで、転写ローラ17に第2逆バイアスを印加したが、その他、感光体ドラム2の正回転時のみ第2逆バイアスを印加すること等もできる。
【0205】
また、上記各実施形態では、感光体ドラム2表面において、帯電ローラ3と現像ユニット5との間隔を、帯電ローラ3の周長以上としたため、帯電ローラ3表面に付着させるのに十分な、帯電ローラ3の少なくとも1周分以上の清掃用トナーを、帯電ローラ3表面に到達するまでに現像ユニット5から感光体ドラム2表面に供給できる。これにより、帯電ローラ3表面に清掃用トナーをより確実に付着させることが可能となる。
【0206】
また、上記各実施形態では、清掃用トナーの付着を行うとき、感光体ドラム2の線速を画像形成時よりも小さくしたため、感光体ドラム2表面から帯電ローラ3表面への清掃用トナーの付着をより確実に行うことができる。特に、本実施形態では、このときの線速を画像形成時の略1/3としたため、帯電ローラ3表面への清掃用トナーの付着を一層確実に行うことができる。
【0207】
その他、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上記した感光体ドラム2や帯電ローラ3の材質や外径、線速等は、特に限定されるものではなく、装置構成等に応じて適宜設定することができる。また、上記実施形態では、本発明を正帯電トナーに適用したが、その他、負帯電トナーに適用することもでき、トナーの極性に応じて帯電バイアスや転写バイアスを正極性または負極性のバイアスに設定すればよい。
【0208】
また、本実施形態では、一成分現像剤を用いたため、非画像形成時に感光体ドラム2を正逆回転させても、画像形成時における現像ユニット5から感光体ドラム2へのトナーの供給(現像条件)に大きな影響を及ぼさないため、効果的である。しかし、二成分現像剤を用い、現像時、二成分現像剤の現像剤チェーンが感光体ドラム2に当接するような場合であっても、現像条件等を適宜設定することにより、感光体ドラム2を逆回転させて上記した帯電ローラ3の清掃を行うことができる。
【0209】
また、二成分現像剤を用い、現像ユニット5に現像剤チェーンが形成される磁気ローラ(トナー供給部材)と、磁気ローラからトナーのみが供給される現像ローラ(トナー担持体)とを設け、現像ローラから感光体ドラム2にトナーのみを飛翔させる画像形成装置においても、上記した帯電ローラ3の清掃を行うことができる。また、本発明は、デジタル複合機やタンデム式のカラー複写機、アナログ方式のモノクロ複写機等の複写機、或いはファクシミリやレーザプリンタ等、種々の画像形成装置に適用可能である。
【0210】
また、上記実施形態では、感光体ドラム2としてa−Si感光体ドラムを用いたため、清掃用トナーの回収時、交流電圧が重畳された直流電圧を帯電ローラ3に印加することにより、清掃用トナーが帯電ローラ3から感光体ドラム2に移動し易くなる。しかし、その他、有機感光体(OPC)ドラムを用いることもできる。かかる場合には、画像形成時に帯電ローラ3に帯電バイアスとして直流電圧を印加し、清掃用トナー回収工程時においても、帯電ローラ3に直流電圧を印加することができる。
【0211】
以下、本発明について実施例により更に具体的に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0212】
図1〜図4及び図8に示すように、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置1を用い、印字1000枚ごとに図5〜図7に示すように帯電ローラ3の清掃を行いながら、印字率5%の画像を10万枚印字した後、画像品質を評価した。画像形成時の感光体ドラム2の線速を300mm/secとした。また、帯電ローラ3の清掃において、感光体ドラム2の逆回転時の線速を100mmsecとし、正回転時の線速を300mm/secとし、帯電ローラ3のスラスト移動幅を1mm(±0.5mm)とした。
【0213】
画像品質の評価は、600dpi 1×1ドットの25%ハーフ画像を印字して、画像の濃度ムラを測定した。なお、画像ムラの測定には、X−rite社製の透過濃度測定装置(Model310T)を用い、画像濃度(透過濃度)ムラΔTD値が0.1以下の場
合を画像品質が良好(○印)、0.1超の場合を画像品質が不良(×印)とした。結果を表1に示す。
【実施例2】
【0214】
図1、図11及び図15に示すように、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置1を用い、印字1000枚ごとに図12〜図14に示すように帯電ローラ3の清掃を行いながら、印字率5%の画像を10万枚印字した後、画像品質を評価した。画像形成時の感光体ドラム2の線速を300mm/secとした。また、帯電ローラ3の清掃時、感光体ドラム2の逆回転時の線速を100mmsecとし、正回転時の線速を300mm/secとし、エージング工程時の摺擦ローラ55の線速を360mm/secとした。それ以外は実施例1と同様にして、画像の濃度ムラを測定し、画像品質の評価を行った。結果を表1に示す。
【比較例】
【0215】
図1に示すような画像形成装置1において、ファーブラシから成るブラシローラを帯電ローラ3と当接させながら、印字率5%の画像を10万枚印字した後、画像品質を評価した。ファーブラシとして、6−ナイロン製、ブラシ径12mm、フィラメント太さ2デニール、フィラメント密度4万フィラメント/cm2、ブラシ抵抗値0.7×107Ωのものを用い、感光体ドラム2の線速を300mm/secとした。それ以外は実施例1と同様にして、画像の濃度ムラを測定し、画像品質の評価を行った。結果を表1に示す。
【0216】
【表1】
【0217】
表2に示すように、実施例1及び実施例2では、画像品質が良好であったのに対し、比較例では、画像品質が低下していた。この結果、本発明に係る帯電ローラ3の清掃を行うことにより、帯電ローラ3表面に付着した異物が除去され、帯電不良による画像品質の低下を防止できることがわかった。なお、帯電ローラ3の清掃間隔は、上記実施例に特に限定されるものではなく、装置構成等に応じて適宜設定することができる。
【産業上の利用可能性】
【0218】
本発明は、帯電手段を摺擦可能な摺擦手段を設け、非画像形成時、回転する前記像担持体表面に前記現像装置から清掃用トナーを供給し、前記像担持体表面から前記帯電手段表面に略均一に前記清掃用トナーの付着を行った後、摺擦手段と帯電手段との間で線速差を設けて清掃用トナーにより帯電手段表面の摺擦を行い、該帯電手段表面の摺擦後、帯電手段表面から像担持体表面に清掃用トナーを移動させ像担持体表面からクリーニング手段への清掃用トナーの回収を行うことにより、帯電手段表面を清掃するものである。
【0219】
これにより、複雑な構成を用いることなく接触式の帯電手段表面に付着した異物を除去することが可能となるため、長期間にわたって安定した画像品質を得ることが可能となる。
【0220】
また、帯電手段に、トナーの付着時及び帯電手段の摺擦時、帯電バイアスとは逆極正の第2の逆バイアスを印加することによって、清掃用トナーを、より確実に帯電手段に付着させると共に帯電ローラに付着した異物を掻き取ることができる。また、帯電手段の摺擦時、帯電手段と摺擦手段との接触部において、帯電手段と接触手段との間で帯電手段の回転方向または軸方向に線速差を設けることによって、より簡単な構成で確実に清掃用トナーに異物を付着させ、帯電手段に付着した異物を除去することができる。
【0221】
また、摺擦手段を、像担持体とすることによって、より簡単な構成で、帯電手段に付着した異物を除去することができる。また、帯電手段の摺擦時、帯電手段の線速を、像担持体の線速よりも大きくすることによって、清掃用トナーによる異物の擦り取り性能が向上すると共に、清掃時間を短縮することができる。また、摺擦手段の摺擦時、帯電手段が像担持体に対して軸方向に往復運動することによって、より確実に清掃用トナーに異物を付着させ、帯電手段に付着した異物を除去することができる。
【0222】
また、帯電手段の摺擦時、帯電手段の回転方向の線速を、像担持体の回転方向の線速よりも大きくすることによって、より簡単な構成とすることができる。また、摺擦手段を、帯電手段と接触回転する摺擦部材とし、摺擦部材に、帯電手段と同電位のバイアスを印加することによって、清掃用トナーによる異物の擦り取り性能が向上すると共に、清掃用トナーの回収性能も向上する。また、摺擦部材が、少なくとも画像形成時に帯電手段と従動して回転し、帯電手段の摺擦時には、帯電手段との間で線速差を設けることによって、画像形成に及ぼす影響をより回避すると共に、効率的に帯電手段に付着した異物を除去することができる。
【0223】
また、帯電手段の摺擦時、摺擦部材の線速を、帯電手段の線速よりも大きくすることによって、帯電手段の線速を変えることなく、帯電手段に付着した異物を除去することができる。また、帯電手段の摺擦時、前記摺擦部材の前記回転方向の線速を、前記帯電手段の前記回転方向の線速よりも大きくすることによって、より簡単な構成とすることができる。また、帯電手段の摺擦時、摺擦部材が、帯電手段に対して軸方向に往復運動することによって、より確実に清掃用トナーに異物を付着させ、帯電手段に付着した異物を除去することができる。
【0224】
また、清掃用トナーの回収を行うとき、第1のバイアス印加手段が帯電手段に帯電バイアスを印加することによって、帯電手段表面から像担持体表面への清掃用トナーの移動を、より効率的且つ確実に行うことができる。
【0225】
また、駆動手段が像担持体を、清掃用トナーの付着を行うとき回転方向とは逆方向に回転させ、清掃用トナーの回収を行うとき回転方向に回転させることによって、清掃用トナーの付着及び回収をより確実に行うことができる。また、像担持体表面における現像手段と帯電手段との間隔を、帯電手段の周長以上とすることによって、帯電手段表面に清掃用トナーをより確実に付着させることが可能となる。
【0226】
また、帯電手段表面の清掃を行うとき、第2のバイアス印加手段が転写手段に転写バイアスとは逆極性の第2の逆バイアスを印加することによって、清掃用トナーの付着及び回収がより確実になると共に、トナー像の記録媒体への転写時に不具合が発生することを回避できる。また、掃用トナーの付着を行うとき、像担持体の線速を画像形成時よりも小さくすることによって、像担持体表面から帯電手段表面への清掃用トナーの付着をより確実に行うことができる。
【符号の説明】
【0227】
1 画像形成装置
2 感光体ドラム(像担持体、摺擦手段)
3 帯電ローラ(帯電手段)
3a シャフト
5 現像ユニット(現像手段)
9 クリーニング装置(クリーニング手段)
17 転写ローラ(転写手段)
21 第1駆動モータ(駆動手段)
25 第1電源(第1のバイアス印加装置)
27 第2電源(第2のバイアス印加装置)
34 記憶部
35 制御部
41 第2駆動モータ
51 第1スライドプーリ
53 第1ガイド部材
55 摺擦ローラ(摺擦部材、摺擦手段)
55a 支軸
61 第3駆動モータ
71 第2スライドプーリ
73 第2ガイド部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成時に所定の回転方向に回転可能であり静電潜像が形成される像担持体と、
該像担持体を回転させる駆動手段と、
前記像担持体に対して接触回転しながら帯電する接触式の帯電手段と、
該帯電手段に帯電バイアスを印加可能な第1のバイアス印加手段と、
前記像担持体表面にトナーを供給し前記像担持体表面に形成された静電潜像をトナー像とする現像手段と、
該現像手段により現像されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
前記転写手段にトナーとは逆極性の転写バイアスを印加可能な第2のバイアス印加手段と、前記回転方向に対し前記帯電手段の上流側且つ前記転写手段の下流側に配置され前記像担持体表面に残留したトナーを回収可能なクリーニング手段と、を備えた画像形成装置において、
前記帯電手段表面を摺擦可能な摺擦手段が設けられ、
非画像形成時、回転する前記像担持体表面に前記現像装置から清掃用トナーを供給し、前記像担持体表面から前記帯電手段表面に略均一に前記清掃用トナーの付着を行った後、前記摺擦手段と前記帯電手段との間に線速差を設けて前記清掃用トナーにより前記帯電手段表面の摺擦を行い、該帯電手段表面の摺擦後、前記帯電手段表面から前記像担持体表面に前記清掃用トナーを移動させ前記像担持体表面から前記クリーニング手段への前記清掃用トナーの回収を行うことにより、前記帯電手段表面を清掃することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記帯電手段には、前記トナーの付着時及び前記帯電手段の摺擦時、前記帯電バイアスとは逆極性の第1の逆バイアスが印加されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記帯電手段の摺擦時、前記帯電手段と前記摺擦手段との接触部において、前記帯電手段と前記摺擦手段との間で前記帯電手段の回転方向または軸方向に線速差が設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記摺擦手段は、前記像担持体であることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記帯電手段の摺擦時、前記帯電手段の線速は、前記像担持体の線速よりも大きいことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記帯電手段の摺擦時、前記帯電手段が前記像担持体に対して前記軸方向に往復運動することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記帯電手段の摺擦時、前記帯電手段の回転方向の線速は、前記像担持体の回転方向の線速よりも大きいことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記摺擦手段は、前記帯電手段と接触回転する摺擦部材であり、該摺擦部材には、前記帯電手段と同電位のバイアスが印加されることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記摺擦部材は、少なくとも画像形成時に前記帯電手段と従動して回転し、前記帯電手段の摺擦時には、前記帯電手段との間で線速差が設けられることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記帯電手段の摺擦時、前記摺擦部材の線速は、前記帯電手段の線速よりも大きいことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記帯電手段の摺擦時、前記摺擦部材の回転方向の線速は、前記帯電手段の回転方向の線速よりも大きいことを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記帯電手段の摺擦時、前記摺擦部材は、前記帯電手段に対して前記軸方向に往復運動することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記清掃用トナーの回収を行うとき、前記第1のバイアス印加手段が前記帯電手段に前記帯電バイアスを印加することを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記駆動手段が前記像担持体を、前記清掃用トナーの付着を行うとき前記回転方向とは逆方向に回転させ、前記帯電手段の摺擦及び前記清掃用トナーの回収を行うとき前記回転方向に回転させることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記像担持体表面における前記現像手段と前記帯電手段との間隔は、前記帯電手段の周長以上であることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記帯電手段表面の清掃を行うとき、前記第2のバイアス印加手段が前記転写手段に前記転写バイアスとは逆極性の第2の逆バイアスを印加することを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記清掃用トナーの付着を行うとき、前記像担持体の線速が前記画像形成時よりも小さいことを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項1】
画像形成時に所定の回転方向に回転可能であり静電潜像が形成される像担持体と、
該像担持体を回転させる駆動手段と、
前記像担持体に対して接触回転しながら帯電する接触式の帯電手段と、
該帯電手段に帯電バイアスを印加可能な第1のバイアス印加手段と、
前記像担持体表面にトナーを供給し前記像担持体表面に形成された静電潜像をトナー像とする現像手段と、
該現像手段により現像されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
前記転写手段にトナーとは逆極性の転写バイアスを印加可能な第2のバイアス印加手段と、前記回転方向に対し前記帯電手段の上流側且つ前記転写手段の下流側に配置され前記像担持体表面に残留したトナーを回収可能なクリーニング手段と、を備えた画像形成装置において、
前記帯電手段表面を摺擦可能な摺擦手段が設けられ、
非画像形成時、回転する前記像担持体表面に前記現像装置から清掃用トナーを供給し、前記像担持体表面から前記帯電手段表面に略均一に前記清掃用トナーの付着を行った後、前記摺擦手段と前記帯電手段との間に線速差を設けて前記清掃用トナーにより前記帯電手段表面の摺擦を行い、該帯電手段表面の摺擦後、前記帯電手段表面から前記像担持体表面に前記清掃用トナーを移動させ前記像担持体表面から前記クリーニング手段への前記清掃用トナーの回収を行うことにより、前記帯電手段表面を清掃することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記帯電手段には、前記トナーの付着時及び前記帯電手段の摺擦時、前記帯電バイアスとは逆極性の第1の逆バイアスが印加されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記帯電手段の摺擦時、前記帯電手段と前記摺擦手段との接触部において、前記帯電手段と前記摺擦手段との間で前記帯電手段の回転方向または軸方向に線速差が設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記摺擦手段は、前記像担持体であることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記帯電手段の摺擦時、前記帯電手段の線速は、前記像担持体の線速よりも大きいことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記帯電手段の摺擦時、前記帯電手段が前記像担持体に対して前記軸方向に往復運動することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記帯電手段の摺擦時、前記帯電手段の回転方向の線速は、前記像担持体の回転方向の線速よりも大きいことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記摺擦手段は、前記帯電手段と接触回転する摺擦部材であり、該摺擦部材には、前記帯電手段と同電位のバイアスが印加されることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記摺擦部材は、少なくとも画像形成時に前記帯電手段と従動して回転し、前記帯電手段の摺擦時には、前記帯電手段との間で線速差が設けられることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記帯電手段の摺擦時、前記摺擦部材の線速は、前記帯電手段の線速よりも大きいことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記帯電手段の摺擦時、前記摺擦部材の回転方向の線速は、前記帯電手段の回転方向の線速よりも大きいことを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記帯電手段の摺擦時、前記摺擦部材は、前記帯電手段に対して前記軸方向に往復運動することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記清掃用トナーの回収を行うとき、前記第1のバイアス印加手段が前記帯電手段に前記帯電バイアスを印加することを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記駆動手段が前記像担持体を、前記清掃用トナーの付着を行うとき前記回転方向とは逆方向に回転させ、前記帯電手段の摺擦及び前記清掃用トナーの回収を行うとき前記回転方向に回転させることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記像担持体表面における前記現像手段と前記帯電手段との間隔は、前記帯電手段の周長以上であることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記帯電手段表面の清掃を行うとき、前記第2のバイアス印加手段が前記転写手段に前記転写バイアスとは逆極性の第2の逆バイアスを印加することを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記清掃用トナーの付着を行うとき、前記像担持体の線速が前記画像形成時よりも小さいことを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
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【図30】
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【図33】
【図34】
【公開番号】特開2011−248082(P2011−248082A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−121135(P2010−121135)
【出願日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
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