説明

画像形成装置

【課題】液滴吐出ヘッドから吐出され、搬送体の回転方向の下流側に向って流れる液滴のミストを回収することができる画像形成装置を得る。
【解決手段】搬送ドラム26の回転方向の下流側に流れたミストは、案内部材52によって吸込口54に向けて案内される。このように、ミストを吸込口54に向けて案内する案内部材52を設けることで、液滴吐出ヘッド20から吐出され、搬送ドラム26の回転方向の下流側に向って流れる液滴のミストを回収することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、外表面に記録媒体を保持しながら回転する円柱状のドラムと、このドラムの外表面に保持される記録媒体に液滴を吐出するインジェクジェットヘッドとを備えた画像形成装置が記載されている。
【0003】
そして、インジェクジェットヘッド(液滴吐出ヘッド)から吐出された液滴のミストを吸い込む吸込手段が設けられ、この吸込手段に備えられたミスト吸込口が、ドラム(搬送体)と対向するように配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平2−32857号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、液滴吐出ヘッドから吐出され、搬送体の回転方向の下流側に向って流れる液滴のミストを回収することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係る画像形成装置は、外表面に記録媒体を保持しながら回転する搬送体と、前記搬送体に保持される記録媒体に液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと、前記液滴吐出ヘッドに対して前記搬送体の回転方向の下流側に設けられ、液滴のミストを吸い込む吸込口を備えると共に、前記吸込口から吸い込んだミストを回収する回収手段と、前記吸引口と前記液滴吐出ヘッドとの間に設けられ、前記吸引口へミストを案内する案内部材と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項2に係る画像形成装置は、請求項1に記載において、前記案内部材と前記搬送体との間の空間が、前記吸込口に近づくにつれて狭くなるように前記案内部材が配置されていることを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項3に係る画像形成装置は、請求項1又は2に記載において、前記案内部材における前記搬送体の回転方向の下流側の端部は、前記吸込口における前記搬送体の回転方向の上流側の口縁に接し、又は上流側の口縁を構成していることを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項4に係る画像形成装置は、請求項3に記載において、前記吸入口における前記搬送体の回転方向の下流側の口縁と前記搬送体との最短距離は、前記上流側の口縁と前記搬送体との最短距離より狭いことを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項5に係る画像形成装置は、請求項1〜4何れか1項に記載において、前記吸込口における前記搬送体の回転方向の下流側の口縁には、前記搬送体に向けて突出する突出板が設けられることを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項6に係る画像形成装置は、請求項1〜5何れか1項に記載において、前記回収手段は、前記吸込口が形成された通風路と、前記吸込口から前記通風路へミストを吸い込む吸込力を付与する吸込部材と、を備え、前記吸込部材の吸込力により前記吸込口から吸い込まれたミストが前記通風路で広がるように前記通風路の形状が決められていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の請求項1の構成によれば、ミストを案内する案内部材を備えない場合と比して、液滴吐出ヘッドから吐出され、搬送体の回転方向の下流側に向って流れる液滴のミストを効率よく回収することができる。
【0013】
本発明の請求項2の構成によれば、案内部材と搬送体との間の空間が、吸込口に近づくにつれて狭くなっていない場合と比して、液滴吐出ヘッドから吐出され、搬送体の回転方向の下流側に向って流れる液滴のミストを効率よく回収することができる。
【0014】
本発明の請求項3の構成によれば、吸込口の口縁が案内部材の端部と接していない場合と比して、液滴吐出ヘッドから吐出され、搬送体の回転方向の下流側に向って流れる液滴のミストを効率よく回収することができる。
【0015】
本発明の請求項4の構成によれば、吸込口の下流側の口縁と搬送体との最短距離が、上流側の口縁と搬送体との最短距離より広い場合と比較して、液滴吐出ヘッドから吐出され、搬送体の回転方向の下流側に向って流れる液滴のミストを効率よく回収することができる。
【0016】
本発明の請求項5の構成によれば、搬送体に向けて突出する突出板が設けられない場合と比して、液滴吐出ヘッドから吐出され、搬送体の回転方向の下流側に向って流れる液滴のミストを効率よく回収することができる。
【0017】
本発明の請求項6の構成によれば、吸込口から吸い込まれたミストが通風路で広がるように通風路の形状が決められていない場合と比して、液滴吐出ヘッドから吐出され、搬送体の回転方向の下流側に向って流れる液滴のミストを効率よく回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用された回収装置及び案内部材等を示した拡大断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用された回収装置及び案内部材等を示した断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用された回収装置及び案内部材等を示した斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用された回収装置及び案内部材等を示した拡大斜視図である。
【図5】本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用された回収装置及び案内部材近傍を流れる空気のシミュレーション結果を示した図面である。
【図6】本発明の実施形態に係る画像形成装置を示した概略構成図である。
【図7】本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用された液滴吐出ヘッドが支持される支持台を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態に係る画像形成装置の一例について図1〜図7に従って説明する。
【0020】
(全体構成)
図6に示されるように、画像形成装置としてのインクジェット記録装置10は、画像が記録される前の記録媒体としてのシート部材Pが収容される給紙部12と、この給紙部12から供給されたシート部材Pに画像を記録する画像記録部14と、画像記録部14へシート部材Pを搬送する搬送手段16と、画像記録部14によって画像が記録され、搬送手段16によって搬送されるシート部材Pを収容する排紙部18と、を含んで構成されている。
【0021】
〔搬送手段〕
搬送手段16は、給紙部12に収容されたシート部材Pを回転しながら1枚ずつ取り出して外表面に保持する円柱状の取出ドラム24と、回転しながら取出ドラム24からシート部材Pを受け取り、受け取ったシート部材Pを外表面に保持しながら画像記録部14と対向する位置に搬送する搬送体の一例としての円柱状の搬送ドラム26と、画像記録部14によって画像が記録されたシート部材Pを搬送ドラム26から回転しながら受け取り、受け取ったシート部材Pを外表面で保持しながら排紙部18へ送り出す送出ドラム28と、を備えている。
【0022】
詳細には、取出ドラム24、搬送ドラム26、送出ドラム28の外表面には、静電的吸着手段、又は吸引や粘着などの非静電的吸着手段によってシート部材Pが保持されるようになっている。
【0023】
また、取出ドラム24、搬送ドラム26、送出ドラム28の外表面には、各ドラム24、26、28の回転軸32を挟んで両側に凹状の凹部24A、26A、28Aが回転軸32の軸方向に延びて2個ずつ形成されている。そして、この凹部24A、26A、28A内には、各ドラム24、26、28の回転軸32と平行に回転軸34が設けられている。
【0024】
さらに、凹部24A、26A、28Aに配置され、各ドラム24、26、28の外表面から突出してシート部材Pの先端部を外表面との間で挟んで保持する保持部30Aを先端部に備えた保持具30が回転軸34の軸方向に所定間隔を隔てて複数個設けられている。また、この保持具の基端部(保持部30Aに対して反対側の端部)は、回転軸34に固定されている。
【0025】
そして、回転軸34が図示しないアクチュエーターによって正逆両方向に回転するし、保持具30が各ドラム24、26、28の周方向に沿って正逆両方向に回転する。保持具30が正逆両方向に回転することで、保持具30の保持部30Aがシート部材Pを保持したり、離したりするようになっている。
【0026】
つまり、保持具30は、保持具30に備えられた保持部30Aを各ドラム24、26、28の外表面から突出させて回転移動させることで、取出ドラム24の外表面と搬送ドラム26の外表面とが対面する受渡位置36において、取出ドラム24の保持具30から搬送ドラム26の保持具30へシート部材Pを受け渡すことができ、搬送ドラム26の外表面と送出ドラム28の外表面とが対面する受渡位置38において、搬送ドラム26の保持具30から送出ドラム28の保持具30へシート部材Pを受け渡すことができるようになっている。
【0027】
〔画像記録部〕
搬送ドラム26と対向して配置される画像記録部14には、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色の液滴を搬送ドラム26の外表面に保持されるシート部材Pに吐出してシート部材Pに画像を形成する液滴吐出ヘッド20Y、20M、20C、20Kが、搬送ドラム26の回転方向の下流側からこの順で配置されている。
【0028】
なお、以下の説明では、各色を区別する場合に符号に各色に対応する頭文字を付加し、特に区別しない場合には各色に対応する頭文字を省略して説明する。
【0029】
液滴吐出ヘッド20は、液滴を吐出するノズル(図示省略)が形成されたノズル面22を備えている。そして、このノズル面22が搬送ドラム26の外表面に対向するように支持する図7に示される支持台40が搬送ドラム26と対向して設けられている。
【0030】
この支持台40は、略矩形の枠体42と、枠体42に固定されると共に、搬送ドラム26の軸線に対して略放射状に設けられ、各色の液滴吐出ヘッド20の両側縁部が嵌り込む4対の昇降ガイド44、46と、を備えている。
【0031】
さらに、図6に示されるように、液滴吐出ヘッド20Yに対して搬送ドラム26の回転方向の下流側には、液滴吐出ヘッド20から吐出された液滴のミスト(ノズルから吐出された液滴が霧状に舞い上がったもの)を回収する回収手段の一例としての回収装置50が設けられている。
【0032】
(要部構成)
次ぎに、液滴吐出ヘッド20から吐出された液滴のミストを回収する回収装置50等について説明する。
【0033】
図1、図2に示されるように、回収装置50は、箱状とされた筐体50Aを備え、搬送ドラム26の回転軸32の軸方向(紙面奥行方向、以下単に「軸方向」という)に延びて搬送ドラム26の外表面と軸方向の全長に亘って対向している。さらに、回収装置50の上面(図2に示す上方向を向いた面)には、軸方向に延びるL字状の固定部材56が図示せぬ固定具で固定されている。さらに、装置本体に固定された軸方向に延びるフレーム部材58が設けられ、固定部材56は、図示せぬ固定具でフレーム部材58に固定されている。
【0034】
また、回収装置50の筐体50A内には、回収されるミストが通過する通風路60が形成されている。そして、この通風路60を形成する壁板の一部を開放することで、軸方向に延びた液滴のミストを吸い込む吸込口54が設けられている。なお、吸込口54から液滴吐出ヘッド20Yまでの長さ(図6に示すE寸法)が、凹部26Aの周方向の開口長さ(図6に示すF寸法)より長くなるように吸込口54の位置が決めされている。
【0035】
さらに、回収装置50の筐体50A内には、吸込口54へミストを吸い込む吸込力を付与する吸込部材の一例としての吸込ファン62が軸方向に並んで8個設けられている(図3参照)。また、吸込ファン62の後方(図2に示す左側)には、吸込ファン62によって筐体50A内に吸い込まれた空気を外部へ排出する円形の排出口68(図4参照)が複数個形成されている。
【0036】
さらに、吸込ファン62の設置空間と通風路60を区画するように、吸込口54から吸い込まれて通風路60を通過したミストを捕獲するフィルター64が設けられている。
【0037】
ここで、吸込ファン62の吸込力により吸込口54から吸い込まれたミストが通風路60で広がるように、前述した通風路60の形状が決められている。
【0038】
一方、吸込口54と液滴吐出ヘッド20Yとの間には、液滴吐出ヘッド20から吐出された液滴のミストを吸込口54へ案内する板状の案内部材52が設けられ、この案内部材52は、筐体50Aに図示せぬ固定具で固定されている。
【0039】
詳細には、ミストは矢印D方向に回転する搬送ドラム26の外表面に沿って搬送ドラム26の回転方向の下流側に流れる。この搬送ドラム26の回転方向の下流側に流れるミストを板状の案内部材52が、吸込口54に案内するようになっている。
【0040】
そして、案内部材52の液滴吐出ヘッド20Y側の一端部は、液滴吐出ヘッド20Yの支持台40への脱着にともなう可動範囲を考慮して液滴吐出ヘッド20Yに最も近い位置まで延長されており、液滴吐出ヘッド20Yと案内部材52との間から案内部材52の外側へミストが漏れるのを抑制するようになっている。
【0041】
さらに、案内部材52は、案内部材52と搬送ドラム26の外表面との間の空間が、吸込口54に近づくにつれて狭くなるように配置されており、案内部材52の端部は、吸込口54における搬送ドラム26の回転方向の上流側の口縁54Aに接している。
【0042】
詳細には、軸方向から見て、搬送ドラム26の外表面上で、吸込口54における搬送ドラム26の回転方向の下流側の口縁54Bに対して最も近い点を点Aとし、この点Aにて搬送ドラム26の外表面に接する接線Bと案内部材52とが平行になるように案内部材52が配置されている。
【0043】
一方、吸込口54における搬送ドラム26の回転方向の下流側の口縁54Bを構成する筐体50Aの部分には、搬送ドラム26の回転軸32に向けて突出する突出板66が軸方向に亘って設けられ、突出板66の基端部は筐体50Aに固定されている。
【0044】
さらに、図3、図4に示されるように、突出板66及び案内部材52の軸方向の両端部は、搬送ドラム26に向けて折り曲げられ、ミストが突出板66及び案内部材52から軸方向外側に漏れるのを抑制するようになっていることが好ましい。
【0045】
(作用)
先ず、液滴吐出ヘッド20に対して搬送ドラム26の回転方向の下流側で生じる空気の流れについて説明する。図5には、液滴吐出ヘッド20と搬送ドラム26と搬送装置50との間で生じる空気流のシミュレーション結果が示されており、矢印の方向は、空気が流れる方向を示し、矢印の数量は、流れる空気の流量を示す。つまり、矢印が密である程、疎である場合と比べ、多くの空気が流れており流速が速いことが分かる。
【0046】
このシミュレーション結果より、案内部材52と搬送ドラム26との間を流れる空気の流速は、案内部材52と搬送ドラム26との間の空間が、吸込口54に近づくにつれて狭くなっているため、吸込口54に近づくにつれて速くなっているのが分かる。
【0047】
また、案内部材52と搬送ドラム26との間を流れる空気は、突出板66に当り、吸込口54に吸い込まれることが分かる。一方、突出板66に対して搬送ドラム26の回転方向の下流側の空気は、吸込口54に生じる吸込力により、突出板66と搬送ドラム26との間を通って吸込口54に吸い込まれることが分かる。
【0048】
従って、図1に示されるように、液滴吐出ヘッド20からシート部材Pに向けて吐出された液滴のミストは、矢印D方向に回転する搬送ドラム26の外表面に沿って搬送ドラム26の回転方向の下流側に流れる。
【0049】
搬送ドラム26の回転方向の下流側に流れたミストは、案内部材52によって吸込口54に向けて案内される。ここで、案内部材52と搬送ドラム26との間の空間が、吸込口54に近づくにつれて狭くなっているため、ミストの流速は、吸込口54に近づくにつれて速くなる。ミストの流速が速くなることで、ミストの流速が変わらない場合と比して、ミストは、搬送ドラム26の外周面を覆う空気の層から剥離し易くなる。
【0050】
一方、吸込ファン62を駆動させることで、吸込口54には吸込力が生じる。そして、この吸込口54に生じた吸込力により、案内部材52よって案内されると共に、突出板66と当ったミストは、吸込口54から通風路60へ吸い込まれる。
【0051】
ここで、前述したように、吸込ファン62の吸込力により吸込口54から吸い込まれたミストが通風路60で広がるように通風路60の形状が決められている。このため、軸方向に延びる吸込口54の吸込力にむらが生じるのが抑制されている。さらに、軸方向に延びる吸込口54に生じる吸込力(風速分布)のむらを抑制することで、軸方向に延びるフィルター64を通過する空気の流量にむらが生じるのが抑制されている。
【0052】
そして、通風路60へ吸い込まれたミストは、フィルター64に回収され、ミストが回収された空気は、吸込ファン62を通過して排出口68から排出される。
【0053】
このように、ミストを吸込口54に向けて案内する案内部材52を設けることで、搬送ドラム26の回転方向の下流側に向って流れる液滴吐出ヘッド20から吐出された液滴のミストは回収される。
【0054】
また、搬送ドラム26の回転方向の下流側に向けて流れる液滴のミストが回収されることで、ミストが装置内を浮遊して他の部品に付着したり、シート部材Pに付着するのが抑制される。
【0055】
また、前述したように、案内部材52と搬送ドラム26との間の空間が、吸込口54に近づくにつれて狭くなっている。このため、ミストの流速は、吸込口54に近づくにつれて速くなり、ミストは搬送ドラム26の外周面を覆う空気の層から剥離し易くなる。
【0056】
また、吸込口54における搬送ドラム26の回転方向の下流側の口縁54Bには、搬送ドラム26の回転軸32に向けて突出する突出板66が設けられている。このため、搬送ドラム26の回転方向の下流側に向って流れるミストは、突出板66に当り、吸込口54に吸い込まれる。
【0057】
また、シミュレーション結果からも分かるように、突出板66に対して搬送ドラム26の回転方向の下流側の空気は、吸込口54に生じる吸込力により、突出板66と搬送ドラム26との間を通って吸込口54に吸い込まれる。このため、案内部材52によって案内され搬送ドラム26の回転方向の下流側に向って流れるミストが、突出板66と搬送ドラム26との間から搬送ドラム26の回転方向の下流側に漏れるのが抑制される。
【0058】
また、吸込ファン62の吸込力により吸込口54から吸い込まれたミストが通風路60で広がるように、通風路60の形状が決められている。このため、軸方向に延びる吸込口54の吸込力にむらが生じるのが抑制される。
【0059】
また、軸方向に延びる吸込口54の吸込力にむらが生じるのが抑制されることで、軸方向に渡って満遍なくミストが吸込口54から吸い込まれる。
【0060】
また、軸方向に延びる吸込口54の吸込力にむらが生じるのが抑制されることで、軸方向に延びるフィルター64を通過する空気の流量にむらが生じるのが抑制される。
【0061】
また、軸方向に延びるフィルター64を通過する空気の流量にむらが生じるのが抑制されることで、フィルター64全体に渡ってミストが付着し、フィルター64の寿命が延びる。
【0062】
また、吸込口54から液滴吐出ヘッド20Yまでの長さ(図6に示すE寸法)は、凹部24Aの開口長さ(図6に示すF寸法)より長くされている。このため、凹部26Aの内部に浮遊するミストが突出板66に対して搬送ドラム26の回転方向の下流側に漏れるが抑制される。
【0063】
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、筐体50Aと案内部材52及び突出板66を別個に設けたが、案内部材及び突出板の少なくとも一方を筐体と一体化してもよい。
【0064】
また、上記実施形態では、案内部材52の表面を平面に形成させて、搬送ドラム26の外表面との間の空間を吸込口54に近づくにつれて狭くなるようにしたが、例えば、案内部材の表面を曲面又は階段状として、搬送ドラムの外表面との間の空間を吸込口に近づくにつれて狭くなるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0065】
10 インクジェット記録装置(画像形成装置)
20 液滴吐出ヘッド
26 搬送ドラム(搬送体)
50 回収装置(回収手段)
52 案内部材
54 吸込口
54A 口縁
54B 口縁
60 通風路
62 吸込ファン(吸込部材)
66 突出板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外表面に記録媒体を保持しながら回転する搬送体と、
前記搬送体に保持される記録媒体に液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと、
前記液滴吐出ヘッドに対して前記搬送体の回転方向の下流側に設けられ、液滴のミストを吸い込む吸込口を備えると共に、前記吸込口から吸い込んだミストを回収する回収手段と、
前記吸引口と前記液滴吐出ヘッドとの間に設けられ、前記吸引口へミストを案内する案内部材と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記案内部材と前記搬送体との間の空間が、前記吸込口に近づくにつれて狭くなるように前記案内部材が配置されている請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記案内部材における前記搬送体の回転方向の下流側の端部は、前記吸込口における前記搬送体の回転方向の上流側の口縁に接し、又は上流側の口縁を構成している請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記吸入口における前記搬送体の回転方向の下流側の口縁と前記搬送体との最短距離は、前記上流側の口縁と前記搬送体との最短距離より狭い請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記吸込口における前記搬送体の回転方向の下流側の口縁には、前記搬送体に向けて突出する突出板が設けられる請求項1〜4何れか1項に記載された画像形成装置。
【請求項6】
前記回収手段は、前記吸込口が形成された通風路と、前記吸込口から前記通風路へミストを吸い込む吸込力を付与する吸込部材と、を備え、
前記吸込部材の吸込力により前記吸込口から吸い込まれたミストが前記通風路で広がるように前記通風路の形状が決められている請求項1〜5何れか1項に記載された画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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