説明

画像形成装置

【課題】被転写材の両面に画像を形成する画像形成装置において、被転写材の第1面と被転写材の第2面とに形成される画像における搬送方向に直交する方向(幅方向)の位置を合わせることができる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】被転写材Tにおける第1面又は第2面に転写する転写部200と、被転写材Tの表裏を反転させるスイッチバック部601と、表裏を反転された被転写材Tにおける幅方向D2の外縁を所定位置に位置させる位置補正部650と、第1面にトナー画像が転写された被転写材Tにおける幅方向D2の第1位置U1を検出する第1位置検出部Sと、位置補正部650により補正された被転写材Tにおける幅方向D2の第2位置U2を検出する第2位置検出部Sと、第1位置U1及び第2位置U2に基づいて、像担持体2a、2b、2c、2dの表面に形成される静電潜像の位置を補正する静電潜像形成位置補正部155と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、被転写材としての用紙に画像を形成(印刷)するための装置として、コピー機、プリンタ、ファクシミリ又はこれらの複合機などの画像形成装置が知られている。これらの画像形成装置において、用紙の両面に画像を形成する画像形成装置がある。用紙の両面に画像を形成する画像形成装置においては、用紙の第1面に画像を形成した後に、用紙の表裏を反転させて、用紙の第1面と反対側の第2面に画像を形成する。このような画像形成装置において、用紙を反転させるスイッチバック方式を採用した画像形成装置が知られている。
スイッチバック方式とは、第1面に画像が形成された用紙を所定の搬送路に搬送して搬送方向を逆転させることで、用紙の表裏を反転させる方式である。
【0003】
ところで、このような画像形成装置において、用紙を反転させることで、用紙における搬送方向に直交する方向(幅方向)の位置ずれが発生するという問題があった。そのため、用紙を反転させた後に、用紙における幅方向の位置を所定位置に位置させて補正する位置補正部を備えた画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−206195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の画像形成装置は、用紙を反転させた後において、用紙における幅方向の位置を所定位置に位置させている。しかし、特許文献1に記載の画像形成装置は、用紙の第1面に形成された画像と用紙の第2面に形成された画像との位置の関係については考慮されていない。つまり、用紙の両面に画像を形成する画像形成装置において、用紙の第1面と第2面とに形成される画像の位置がずれて形成される可能性があった。
【0006】
本発明は、被転写材の両面に画像を形成する画像形成装置において、被転写材の第1面と被転写材の第2面とに形成される画像における搬送方向に直交する方向(幅方向)の位置を合わせることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、筐体と、表面に静電潜像が形成される1又は複数の像担持体と、前記1又は複数の像担持体に形成された静電潜像にトナー画像を現像する現像器と、前記1又は複数の像担持体に形成された前記トナー画像を直接的又は間接的にシート状の被転写材における第1面又は前記第1面と反対側の第2面に転写する転写部と、前記転写部により前記被転写材に転写された前記トナー画像を前記被転写材に定着させる定着部と、前記転写部により前記トナー画像が転写された前記被転写材を前記定着部に搬送する第1搬送路と、前記定着部により前記トナー画像が定着された前記被転写材を搬送する第2搬送路と、前記第2搬送路を複数の搬送路に分岐させる分岐部と、前記第2搬送路から前記分岐部を介して分岐され、前記第2搬送路から搬送された前記被転写材を前記筐体の外部へ向けて搬送する第3搬送路と、前記第2搬送路から前記分岐部を介して分岐され、前記第2搬送路から搬送された前記転写部により前記第1面に前記トナー画像が転写された前記被転写材を搬送する前記第3搬送路とは異なる第4搬送路と、前記第4搬送路に搬送された前記被転写材の表裏を反転させるスイッチバック部と、前記スイッチバック部により表裏を反転された前記被転写材を前記転写部へ向けて搬送する第5搬送路と、前記スイッチバック部により表裏を反転された前記被転写材における搬送方向に直交する幅方向の外縁を所定位置に位置させる位置補正部と、前記転写部により前記第1面に前記トナー画像が転写された前記被転写材における前記幅方向の位置である第1位置を検出する第1位置検出部と、前記位置補正部により位置が補正された前記被転写材における前記幅方向の位置である第2位置を検出する第2位置検出部と、前記スイッチバック部により表裏を反転されると共に前記位置補正部により位置が補正された前記被転写材における前記第2面に前記転写部により前記トナー画像を転写する場合に、前記第1位置検出部により検出される前記第1位置及び前記第2位置検出部により検出される前記第2位置に基づいて、前記1又は複数の像担持体の表面に形成される静電潜像の位置を補正する静電潜像形成位置補正部と、を備える画像形成装置に関する。
【0008】
また、前記第1位置検出部は、前記被転写材における前記幅方向の外縁の位置を検知することにより前記第1位置を検出し、前記第2位置検出部は、前記被転写材における前記幅方向の外縁の位置を検知することにより前記第2位置を検出することが好ましい。
【0009】
また、前記第1位置検出部と、前記第2位置検出部とは、1つの位置検出部材により構成されることが好ましい。
【0010】
また、前記スイッチバック部は、前記第4搬送路に搬送された前記被転写材を挟持して引き込むと共に、前記引き込んだ前記被転写材の搬送方向を前記引き込んだ搬送方向とは反対方向に切り替えることにより前記被転写材の表裏を反転させて前記第5搬送路へ向けて送り出すスイッチバックローラ対と、前記被転写材を引き込む方向又は前記被転写材を引き込む方向とは反対方向に前記スイッチバックローラ対を回転させると共に、前記被転写材を引き込んだ前記スイッチバックローラ対の回転を一旦停止させる回転駆動部と、を有しており、前記位置補正部は、前記スイッチバックローラ対を前記被転写材から離間させる離間駆動部と、前記被転写材における前記幅方向の外縁の位置を規制する位置規制部材と、前記位置規制部材を前記幅方向に移動させる規制部材駆動部と、前記被転写材を引き込んだ状態で回転が停止した前記スイッチバックローラ対を前記被転写材から離間させるように前記離間駆動部を指示する離間制御部と、前記スイッチバックローラ対から離間した前記被転写材における前記幅方向の外縁の位置を所定位置に位置させるように前記規制部材駆動部を指示する位置補正制御部と、を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、被転写材の両面に画像を形成する画像形成装置において、被転写材の第1面と被転写材の第2面とに形成される画像における搬送方向に直交する方向(幅方向)の位置を合わせることができる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態のカラーコピー機1の各構成要素の配置を説明するための図である。
【図2】本発明の一実施形態のカラーコピー機1の主要な構成要素を説明するための図である。
【図3A】スイッチバック部601及び位置補正部650の構成を示す平面図である。
【図3B】図3Aにおけるスイッチバック部601及び位置補正部650を側面側から視た側面図である。
【図4】本発明の一実施形態のカラーコピー機1の機能を示す機能ブロック図である。
【図5】用紙Tにおける第1面及び第2面に形成される画像の幅方向D2の位置を合わせる過程を示すフローチャートである。
【図6A】スイッチバックローラ対602に用紙Tが引き込まれて搬送される様子を示す平面図である。
【図6B】図6Aにおけるスイッチバックローラ対602を側面側から視た側面図である。
【図7A】スイッチバックローラ対602に用紙Tが引き込まれてスイッチバックローラ対602が停止した状態を示す平面図である。
【図7B】図7Aにおけるスイッチバックローラ対602を側面側から視た側面図である。
【図8】スイッチバックローラ対602が用紙Tから離間した状態を示す側面図である。
【図9】用紙Tにおける幅方向D2の位置を補正した状態を示す平面図である。
【図10A】用紙Tにおける幅方向D2の位置が補正された用紙Tをスイッチバックローラ対602により再度挟持させた状態を示す平面図である。
【図10B】図10Aにおけるスイッチバックローラ対602を側面側から視た側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
まず、図1から図3Bにより、本実施形態における画像形成装置としてのカラーコピー機1における全体構造を説明する。図1は、本発明の一実施形態のカラーコピー機1の各構成要素の配置を説明するための図である。図2は、本発明の一実施形態のカラーコピー機1の主要な構成要素を説明するための図である。図3Aは、スイッチバック部601及び位置補正部650の構成を示す平面図である。図3Bは、図3Aにおけるスイッチバック部601及び位置補正部650を側面側から視た側面図である。本実施形態において、後述する手差しトレイ65が配置された側(図1における右側)をカラーコピー機1の前側とする。
【0014】
図1に示すように、画像形成装置としてのカラーコピー機1は、上方側に配置され所定の原稿を送り出す原稿送り部70と、原稿送り部70により送り出された原稿に形成された画像を読み込む画像読み込み部71と、下方側に配置され画像読み込み部71からの画像情報に基づいて用紙Tにトナー画像を形成する装置本体Mと、を備える。
【0015】
装置本体Mは、所定の画像情報に基づいて用紙Tに所定のトナー画像を形成する画像形成部GKと、用紙Tを画像形成部GKに給紙すると共にトナー画像が形成された用紙Tを排紙する給排紙部KHとを有する。
装置本体Mにおける外形は、筐体としてのケース体BDにより構成される。
【0016】
図1に示すように、画像形成部GKは、像担持体(感光体)としての感光体ドラム2a、2b、2c、2dと、帯電部10a、10b、10c、10dと、露光ユニットとしてのレーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dと、現像器16a、16b、16c、16dと、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dと、トナー供給部6a、6b、6c、6dと、ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dと、除電器90a、90b、90c、90dと、中間転写ベルト7と、1次転写ローラ37a、37b、37c、37dと、2次転写ローラ8を含む転写部としての中間転写部200と、定着部9と、を備える。
【0017】
図1に示すように、給排紙部KHは、給紙カセット52と、手差し給紙部64と、用紙Tの搬送路54と、レジストローラ対80と、排紙部50とを備える。なお、搬送路54は、後述するように、給紙搬送路55と、第1搬送路56と、第2搬送路509と、第3搬送路としての排出搬送路510と、第4搬送路としての反転用搬送路520と、第5搬送路としての戻し搬送路59と、合流用搬送路530との集合体である。
【0018】
以下、画像形成部GK及び給排紙部KHの各構成について詳細に説明する。
まず、画像形成部GKについて説明する。
画像形成部GKにおいては、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に沿って順に、上流側から下流側に順に、帯電部10a、10b、10c、10dによる帯電、レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dによる露光、現像器16a、16b、16c、16dによる現像、中間転写ベルト7及び1次転写ローラ37a、37b、37c、37dによる1次転写、除電器90a、90b、90c、90dによる除電、及びドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dによるクリーニングが行われる。
また、画像形成部GKにおいては、中間転写ベルト7、2次転写ローラ8及び対向ローラ108による2次転写、並びに定着部9による定着が行われる。
【0019】
感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれは、円筒形状の部材からなり、感光体又は像担持体として機能する。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれは、中間転写ベルト7の進行方向に対して直交する方向に延びる機軸を中心に矢印の方向に回転可能に配置される。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれにおける表面には、静電潜像が形成され得る。
【0020】
帯電部10a、10b、10c、10dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対向して配置される。帯電部10a、10b、10c、10dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を一様に負(マイナス極性)又は正(プラス極性)に帯電させる。
【0021】
レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dは、露光ユニットとして機能するものであり、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面から離間して配置される。レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれは、不図示のレーザ光源、ポリゴンミラー、ポリゴンミラー駆動用モータ等を有して構成される。
【0022】
レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれは、画像読み込み部71により読み込まれた画像に関する画像情報に基づいて感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を走査露光する。レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれにより走査露光されることで、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面の露光された部分の電荷が除去される。これにより、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に静電潜像が形成される。
【0023】
現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dにそれぞれ対応して設けられ、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に対向して配置される。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に形成された静電潜像に各色のトナーを付着させて、カラーのトナー画像を感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に形成する。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの色に対応する。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に対向配置された現像ローラ116a、116b、116c、116d、トナー攪拌用の攪拌ローラ等を有して構成される。
【0024】
トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれは、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対応して設けられており、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対して供給される各色のトナーを収容する。トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれは、イエローのトナー、シアンのトナー、マゼンタのトナー、ブラックのトナーを収容する。
【0025】
トナー供給部6a、6b、6c、6dそれぞれは、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5d及び現像器16a、16b、16c、16dにそれぞれ対応して設けられており、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれに収容された各色のトナーを、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対して供給する。トナー供給部6a、6b、6c、6dそれぞれと現像器16a、16b、16c、16dそれぞれとは、不図示のトナー供給路により結ばれている。
【0026】
中間転写ベルト7には、感光体ドラム2a、2b、2c、2dに形成された各色のトナー画像が順次1次転写される。中間転写ベルト7は、駆動ローラ35とテンションローラ36との間に掛け渡されて配置される。テンションローラ36がバネ38によって駆動ローラ35から離れる側に付勢されているので、中間転写ベルト7には、所定の張力が与えられる。
【0027】
中間転写ベルト7を挟んで感光体ドラム2a、2b、2c、2dと反対の側には、1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれが対向して配置される。
【0028】
中間転写ベルト7における所定部分は、1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれと、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれとにより挟み込まれる。この挟み込まれた所定部分は、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれにおける表面に押し当てられる。このようにして1次転写ニップN1a、N1b、N1c、N1dが形成され、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれに現像された各色のトナー画像が中間転写ベルト7に順次1次転写される。これにより、中間転写ベルト7には、フルカラーのトナー画像が形成される。
【0029】
1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれには、不図示の1次転写バイアス印加部により、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれに形成された各色のトナー画像を中間転写ベルト7に転写させるための1次転写バイアスが印加される。
【0030】
除電器90a、90b、90c、90dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対向して配置される。除電器12a、12b、12c、12dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に光を照射することにより、1次転写が行われた後の感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を除電する(電荷を除去する)。
【0031】
ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対向して配置される。ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に残存したトナーや付着物を除去すると共に、除去されたトナー等を所定の回収機構へ搬送して、回収させる。
【0032】
2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に1次転写されたフルカラーのトナー画像を用紙Tに2次転写させる。2次転写ローラ8には、不図示の2次転写バイアス印加部により、中間転写ベルト7に形成されたフルカラーのトナー画像を用紙Tに転写させるための2次転写バイアスが印加される。
【0033】
2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に対して当接したり離間したりする。具体的には、2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に当接される当接位置と中間転写ベルト7から離間する離間位置とに移動可能に構成される。詳細には、2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7の表面に1次転写されたフルカラーのトナー画像を用紙Tに2次転写させる場合には当接位置に配置され、他の場合には離間位置に配置される。ここで、2次転写ローラ8における当接したり離間したりする動作は中間転写部200全体が回動移動されることによりなされる。
【0034】
2次転写ローラ8は、中間転写部200に含まれる。中間転写部200は、2次転写ローラ8を収容すると共に該2次転写ローラ8を回転可能に軸支するハウジング201と、ハウジング201の側面に配置される回転駆動ギア210と、2次転写ローラ8の回転軸方向であってハウジング201の側面に配置されるローラ側ギア220と、回転駆動ギア210とローラ側ギア220とに当接して配置されるアイドルギア230とを備える。中間転写部200は、不図示の転写部移動部により、不図示の回転軸を中心として2次転写ローラ8が中間転写ベルト7に当接可能な位置と、中間転写ベルト7に当接しない位置とに回動移動される。
【0035】
中間転写ベルト7を挟んで2次転写ローラ8とは反対側には、対向ローラ108が配置される。中間転写ベルト7における所定部分は、2次転写ローラ8と対向ローラ108とによって挟み込まれる。そして、用紙Tは中間転写ベルト7の外面(トナー画像が1次転写された面)に押し当てられる。中間転写ベルト7と2次転写ローラ8との間で2次転写ニップN2が形成される。2次転写ニップN2において、中間転写ベルト7に1次転写されたフルカラーのトナー画像が用紙Tにおける第1面又は第1面と反対側の第2面に2次転写される。
【0036】
定着部9は、用紙Tに2次転写されたトナー画像を構成する各色のトナーを溶融及び加圧して、用紙Tに定着させる。定着部9は、ヒータにより加熱される加熱回転体9aと、加熱回転体9aに圧接される加圧回転体9bと、を備える。加熱回転体9aと加圧回転体9bとは、トナー画像が2次転写された用紙Tを挟み込んで加圧すると共に、搬送する。加熱回転体9aと加圧回転体9bとの間に挟まれた状態で用紙Tが搬送されることによって、用紙Tに転写されたトナーは、溶融及び加圧されることで用紙Tに定着される。
【0037】
2次転写ローラ8とテンションローラ36との間には、中間転写ベルト7を清掃するためのベルトクリーニング装置40が配置される。ベルトクリーニング装置40は、中間転写ベルト7の表面に摺接されるクリーニングブラシ41と、クリーニングブラシ41と接触するように配置されたクリーニングローラ42と、先端がクリーニングローラ42の表面に接触するように配置されるブレード43と、ブレード43の下方に配置された回収スパイラル44と、を備える。
【0038】
次に、給排紙部KHについて説明する。
図1に示すように、装置本体Mにおける下方側には、用紙Tを収容する給紙カセット52が水平方向に引き出し可能に配置される。給紙カセット52には、用紙Tが積層された状態で収容される。給紙カセット52には、用紙Tが載置される載置板60が配置される。載置板に載置された用紙Tは、給紙カセット52の用紙送り出し側端部(図1における右側の端部)に配置されるカセット給紙部51により搬送路54に送り出される。カセット給紙部51は、載置板60上の用紙Tを取り出すための前送りコロ61と、用紙Tを1枚ずつ搬送路54に送り出すための給紙ローラ対63とからなる重送防止機構を備える。
【0039】
カセット給紙部51と排紙部50との間には、用紙Tを搬送する搬送路54が形成される。搬送路54は、カセット給紙部51から2次転写ニップN2までの給紙搬送路55と、2次転写ニップN2から定着部9までの第1搬送路56と、定着部9から分岐部としての第1分岐部501までの第2搬送路509と、第1分岐部501から排紙部50までの排出搬送路(第3搬送路)510と、第1分岐部501に接続される反転用搬送路(第4搬送路)520とを有する。反転用搬送路520は、後述する搬送反転部500の一部を構成する。搬送反転部500及び反転用搬送路520は、後に詳述する。
【0040】
給紙搬送路55は、給紙カセット52から送り出された用紙Tを上方に搬送しつつ搬送方向を図1における左方向にするための湾曲路55aと、湾曲路55aから2次転写ローラ8までの直線路55bとを有する。給紙搬送路55には、用紙Tを案内しながら搬送するガイド板及びローラ対が配置される。また、給紙搬送路55には、用紙Tを検出するためのセンサと、用紙Tのスキュー(斜め給紙)補正や画像形成部GKにおけるトナー画像の形成とタイミングを合わせるためのレジストローラ対80とが配置される。センサは、用紙Tの搬送方向におけるレジストローラ対80の直前(搬送方向における上流側)に配置される。レジストローラ対80は、センサからの検出信号情報に基づいて上述の補正やタイミング調整をして用紙Tを搬送する。
【0041】
第1搬送路56は、中間転写部200によりトナー画像が転写された用紙Tを2次転写ニップN2から定着部9に搬送する搬送路である。第1搬送路56には、用紙Tを載置した状態で搬送する搬送ベルト250が配置される。また、第1搬送路56及び後述する反転空間HKにおける所定位置の上方には、用紙Tにおける搬送方向D1に直交する方向の幅方向D2の位置を検出するための位置検出部材としての位置検出センサ(第1位置検出部、第2位置検出部)Sが配置される。本実施形態においては、位置検出センサSは、第1位置検出部及び第2位置検出部の機能を同時に有する。
本実施形態の説明においては、用紙Tの搬送方向を「搬送方向D1」といい、用紙Tの搬送方向に直交する方向を「幅方向D2」という。
【0042】
図2に示すように、位置検出センサSは、中間転写部200から排出された第1面にトナー画像が転写された用紙Tにおける幅方向D2の位置である第1位置U1を検出する。具体的には、位置検出センサSは、用紙Tの第1位置U1を検出するために、第1搬送路56における第1検出位置S1において、用紙Tにおける搬送方向D1の中央部の位置であって用紙Tにおける幅方向D2の外縁の位置を検知する。
また、位置検出センサSは、後述する位置補正部650により補正された用紙Tにおける幅方向D2の位置である第2位置U2を検出する。具体的には、位置検出センサSは、用紙Tの第2位置U2を検出するために、反転空間HKにおける第2検出位置S2において、用紙Tにおける搬送方向D1の中央部の位置であって用紙Tにおける幅方向D2の外縁の位置を検知する。
【0043】
また、位置検出センサ(第1位置検出部、第2位置検出部)Sは、1つの位置検出部材により構成される。位置検出センサSは、第1搬送路56及び反転空間HKにおける所定位置の上方に配置されることで、用紙Tにおける第1位置U1及び第2位置U2の幅方向D2の外縁の位置を検知することができる。位置検出センサSは、例えば、カラーコピー機1の内部の部材を切り欠いたり、検出位置の用紙Tに対して斜め上方に配置することなどで、用紙Tの第1位置U1及び第2位置U2を検出可能に構成される。例えば、位置検出センサSとしては、画像認識センサや、光センサなどがある。
【0044】
なお、本実施形態においては、位置検出センサSは、用紙Tにおける幅方向D2の外縁の位置を搬送方向D1における中央部で検出しているが、これに制限されない。例えば、位置検出センサSは、用紙Tにおける幅方向D2の外縁の位置を、用紙Tにおける搬送方向D1の先端で検出してもよいし、用紙Tにおける搬送方向D1の複数の位置の平均値を算出して検出してもよい。
【0045】
第2搬送路509は、定着部9によりトナー画像が定着された用紙Tを第1分岐部501へ向けて搬送する搬送路である。
【0046】
第1分岐部501は、第2搬送路509を複数の搬送路に分岐させる分岐部である。本実施形態においては、第1分岐部501は、第2搬送路509と、排出搬送路510と、反転用搬送路520と、を接続する。第1分岐部501は、第2搬送路509から搬送された用紙Tを排出搬送路510又は反転用搬送路520に搬送する分岐部である。
【0047】
第1分岐部501には、第1切り替え部材540が設けられている。第1切り替え部材540は、第2搬送路509から搬送された用紙Tの搬送方向D1を、排出搬送路510へ向かう方向、又は用紙Tを反転させるための反転用搬送路520へ向かう方向に選択的に切り替える。第1切り替え部材540は、不図示の駆動部により移動される。
【0048】
排出搬送路510は、第2搬送路509から第1分岐部501を介して分岐された搬送路である。排出搬送路510は、定着部9から排出された用紙Tを排紙部50を介してケース体BDの外部へ向けて搬送する搬送路である。
【0049】
装置本体Mの図1における右側面であって給紙カセット52の上方には、手差し給紙部64が設けられる。手差し給紙部64は、閉状態において側壁を構成する手差しトレイ65と、給紙コロ66とを備える。手差しトレイ65は、下端が給紙搬送路55の湾曲路55aの近傍に回動自在(開閉自在)に取り付けられる。手差し給紙部64は、開状態の手差しトレイ65に載置された用紙Tを給紙搬送路55の湾曲路55aに給紙する。
【0050】
搬送反転部500について詳述する。
図1及び図2に示すように、搬送反転部500は、第1分岐部501から反転用搬送路520に搬送された用紙Tの表裏を反転させる。搬送反転部500は、反転用搬送路520と、合流用搬送路530と、戻し搬送路(第5搬送路)59と、連絡用搬送路610と、用紙Tの表裏を反転させるスイッチバック部601と、反転空間HKと、位置補正部650と、第2分岐部502と、第2切り替え部材604と、転回用ローラ600とを備える。
【0051】
反転用搬送路520は、第2搬送路509から第1分岐部501を介して分岐された排出搬送路510とは異なる搬送路である。反転用搬送路520は、第1分岐部501から後述するスイッチバック部601までの搬送路である。反転用搬送路520は、第1分岐部501からほぼ下向きに延びている。反転用搬送路520は、第1分岐部501からスイッチバック部601へ第1面にトナー画像が転写された用紙Tを搬送する。スイッチバック部601については、後に詳述する。
【0052】
連絡用搬送路610は、スイッチバック部601から第2分岐部502までの搬送路である。連絡用搬送路610は、スイッチバック部601から排出された用紙Tを第2分岐部502へ向けて搬送する。
【0053】
反転用搬送路520におけるスイッチバック部601側の端部と、連絡用搬送路610におけるスイッチバック部601側の端部とは、スイッチバック部601における一方側の直前で合流している。これにより、反転用搬送路520からスイッチバック部601に導入された用紙Tと、スイッチバック部601から連絡用搬送路610に排出される用紙Tとは、スイッチバック部601における一方側から導入されると共に排出される。なお、反転用搬送路520及び連絡用搬送路610の合流部には、スイッチバック部601から排出される用紙Tの反転用搬送路520側への搬送を禁止し、連絡用搬送路610側への搬送を許可する不図示の切り替え部材が設けられる。
【0054】
反転空間HKは、スイッチバック部601を挟んで反転用搬送路520及び連絡用搬送路610とは反対側に形成される空間である。反転空間HKは、反転用搬送路520を搬送される用紙Tがスイッチバック部601に挟み込まれて引き込まれた際に、用紙Tの一部がスイッチバック部601における反転用搬送路520とは反対側から突出されて、突出された用紙Tの一部が位置される空間である。反転空間HKを利用することで、スイッチバック部601は、用紙Tの表裏を反転させる。
【0055】
第2分岐部502は、連絡用搬送路610と、合流用搬送路530と、戻し搬送路59と、を接続する。第2分岐部502は、連絡用搬送路610から搬送された用紙Tを合流用搬送路530又は戻し搬送路59に搬送する分岐部である。
【0056】
第2分岐部502には、第2切り替え部材604が設けられている。第2切り替え部材604は、連絡用搬送路610の終端部に設けられる。第2切り替え部材604は、スイッチバック部601において用紙Tの表裏が反転され、連絡用搬送路610を搬送される用紙Tの搬送先を、合流用搬送路530に向かう方向又は戻し搬送路59に向かう方向に選択的に切り替える。第2切り替え部材604は、不図示の駆動部により移動される。
【0057】
転回用ローラ600は、第2分岐部502において連絡用搬送路610及び戻し搬送路59に沿うように配置される。転回用ローラ600は、第2切り替え部材604により用紙Tの搬送先が戻し搬送路59に向かうように選択された場合に、用紙Tの搬送方向を約180度転回させて戻し搬送路59に搬送させる。
【0058】
合流用搬送路530は、第2分岐部502から排出搬送路510の途中に接続される。合流用搬送路530は、反転用搬送路520を経由した用紙Tを排出搬送路510に合流させる搬送路である。
【0059】
戻し搬送路59は、第2分岐部502から給紙搬送路55における湾曲路55aに接続される。戻し搬送路59は、定着部9から排出され反転用搬送路520を経由して搬送された用紙Tを、2次転写ローラ8の上流側に配置されたレジストローラ対80の上流側に戻すための搬送路である。
【0060】
本実施形態においては、戻し搬送路59は、第2分岐部502から転回用ローラ600に沿って転回し、定着部9、第1搬送路56、2次転写ローラ8及びレジストローラ対80の下方を通り、上方に向かうよう形成される。戻し搬送路59は、用紙Tの両面にトナー画像(文字等を含む)を印刷(印字)する、いわゆる両面印刷(印字)をする場合に用いられる搬送路である。用紙Tは、例えば、スイッチバック部601により表裏が反転された状態で戻し搬送路59を介して給紙搬送路55に戻される。
【0061】
詳細には、用紙Tの第1面にトナー画像を印刷する際には、用紙Tは、中間転写ベルト7の表面に第1面が対向するように中間転写部200に搬送される。用紙Tの第1面に印刷された用紙Tの第2面にトナー画像を印刷する場合には、用紙Tは、スイッチバック部601により表裏が反転された状態で戻し搬送路59を介して給紙搬送路55に戻されることにより、中間転写ベルト7の表面に第2面が対向するように中間転写部200に搬送される。戻し搬送路59は、他の搬送路と同様に、用紙Tをガイドしながら搬送するガイド板及びローラ対を有して構成されると共に、所定位置には用紙検出用のセンサが配置される。
【0062】
スイッチバック部601は、図2に示すように、反転用搬送路520における用紙Tの搬送方向D11の下流側端部であって、且つ連絡用搬送路610における用紙Tの排出方向D12の上流側端部に配置される。スイッチバック部601は、反転用搬送路520を搬送された用紙Tの表裏を反転させる。なお、本実施形態の説明においては、用紙Tの搬送方向D1において、用紙Tが反転用搬送路520からスイッチバック部601に導入される方向(引き込まれる方向)を「搬送方向D11」ともいい、用紙Tがスイッチバック部601から連絡用搬送路610に排出される方向(引き込まれる方向とは反対方向)を「排出方向D12」又は「反対方向D12」ともいう。
【0063】
スイッチバック部601は、図3A及び図3Bに示すように、スイッチバックローラ対602と、回転駆動部605とを有する。スイッチバックローラ対602は、反転ローラ602aと、従動ローラ602bとを有する。反転ローラ602a及び従動ローラ602bは、用紙Tにおける幅方向D2に平行に延びるように形成される。
【0064】
反転ローラ602aは、外周面が従動ローラ602bの外周面に当接するように従動ローラ602bに対向して配置される。反転ローラ602aの回転軸には、反転ローラ602aを回転駆動させる電動モータ等の回転駆動部605が接続される。
【0065】
回転駆動部605は、反転ローラ602aを所定速度で回転駆動することで、反転ローラ602aの外周面に当接する従動ローラ602bを従動して回転する。これにより、スイッチバックローラ対602は、反転ローラ602aと従動ローラ602bとの間で反転用搬送路520により搬送される用紙Tを挟持して引き込む。
【0066】
また、回転駆動部605は、用紙Tを引き込む方向又は用紙Tを引き込む方向とは反対方向に反転ローラ602aを回転させる。これにより、スイッチバックローラ対602は、引き込んだ用紙Tの搬送方向D11を反対方向D12に切り替える。
【0067】
また、回転駆動部605は、反転ローラ602aの回転方向を反対方向に切り替える際に、用紙Tを引き込んだスイッチバックローラ対602における反転ローラ602aの回転を一旦停止させる。これにより、スイッチバック部601は、引き込まれた用紙Tの搬送方向D11を反対方向D12に切り替えて用紙Tの表裏を反転させる。そして、スイッチバック部601は、スイッチバック部601における用紙Tを引き込んだ側と同じ側から用紙Tを連絡用搬送路610に送り出す。
【0068】
従動ローラ602bは、ホルダ部材640に支持される。ホルダ部材640は、2枚の側壁板640a、640aと、上面板640bとを有する。2枚の側壁板640a、640aは、板状の部材により形成され、従動ローラ602bの両端部近傍に配置される。上面板640bは、幅方向D2に長い板状の部材により形成される。上面板640bは、従動ローラ602bの上方に配置され、幅方向D2における両端部において2枚の側壁板640a、640aに接続される。
2枚の側壁板640a、640aは、従動ローラ602bにおける幅方向D2の両端部から突出する回転軸を支持する。これにより、従動ローラ602bは、ホルダ部材640に回転可能に支持される。
【0069】
ホルダ部材640における反転空間HK側の端部には、ホルダ部材640を反転ローラ602a側に付勢するバネ材645が固定される。これにより、ホルダ部材640に支持された従動ローラ602bは、反転ローラ602a側に付勢される。
【0070】
ホルダ部材640は、支軸部材646を介してカラーコピー機1における装置本体Mのケース体BDやその他の部材に回動可能に支持される。具体的には、支軸部材646は、ホルダ部材640における反転空間HKとは反対側の端部において、2枚の側壁板640a、640aから幅方向D2外側に突出する。支軸部材646は、カラーコピー機1における装置本体Mのケース体BDやその他の部材により回動可能に支持される。
ホルダ部材640に支持された従動ローラ602bは、ホルダ部材640がバネ材645の付勢力に抗して支軸部材646を中心に反転ローラ602aから離れる方向に回動することで、反転ローラ602aから離間する方向に移動する。
また、ホルダ部材640には、ホルダ部材640を回動させて反転ローラ602aから離間させる後述する離間駆動部641が接続される。
【0071】
位置補正部650は、図3A及び図3Bに示すように、スイッチバックローラ対602を用紙Tから離間させる離間駆動部641と、ベース板652と、2つの位置規制部材653、653と、2つの棒状ギア655、655と、2つの棒状ギア655、655に係合する駆動ギア656と、位置規制部材653を駆動させる規制部材駆動部659と、を有する。位置補正部650は、スイッチバック部601により反転された用紙Tにおける幅方向D2の位置を補正する。
【0072】
離間駆動部641は、スイッチバックローラ対602が用紙Tを挟持している状態から、従動ローラ602bを用紙Tから離間させる。具体的には、離間駆動部641は、支軸部材646の軸を中心としてホルダ部材640を回動させる。これにより、ホルダ部材640に支持された従動ローラ602bは、反転ローラ602aから離間する位置又は当接可能な位置に移動される。離間駆動部641は、例えば、ステッピングモータなどを動力源として、カム機構などによりホルダ部材640を上方に移動させるように構成することができる。
【0073】
ベース板652は、反転空間HKに配置される。ベース板652は、矩形状の板材により形成される。ベース板652には、スイッチバックローラ対602から反転空間HK側に突出される用紙Tの一部又は全部が載置される。ベース板652は、長方形状の長い貫通孔により形成される長孔部657を有する。長孔部657は、ベース板652におけるスイッチバックローラ対602寄りに、用紙Tの幅方向D2に平行に形成される。
【0074】
2つ位置規制部材653、653それぞれは、ベース板652の上面側に配置される。2つの位置規制部材653、653は、用紙Tにおける幅方向D2の外縁の位置を規制する。2つの位置規制部材653、653それぞれは、ベース板652の上面に沿って用紙Tの幅方向D2に移動可能に構成される。2つの位置規制部材653、653それぞれは、載置板653aと、規制板653bとを有する。
【0075】
載置板653aは、用紙Tの搬送方向D1に長く形成される板状の部材である。載置板653aの表面には、反転空間HKに位置する用紙Tにおける幅方向D2の端部が載置される。載置板653aの裏面は、ベース板652の上面に当接する。載置板653aの裏面には、載置板653aに直交する方向に延びるローラ軸を介して2つのローラ658、658が回転可能に取り付けられる。
【0076】
2つのローラ658、658は、ベース板652の長孔部657に挿入される。2つのローラ658、658は、ベース板652の長孔部657を幅方向D2に沿って回転しながら移動する。これにより、2つの位置規制部材653、653は、用紙Tにおける幅方向D2に移動可能に構成される。
【0077】
規制板653bは、載置板653aの上面における幅方向D2の外縁から載置板653aに対して垂直方向に延びて形成される板状の部材である。規制板653bは、用紙Tの搬送方向D1に平行に直線状に延びて形成される。規制板653bは、用紙Tが載置板653aに載置された場合に、用紙Tの幅方向D2の外縁に当接するように幅方向D2に移動可能である。
【0078】
具体的には、2つの規制板653b、653bは、用紙Tにおける幅方向D2の長さに対応して幅方向D2に移動される。そして、2つの規制板653b、653bは、用紙Tにおける幅方向D2の両方の外縁に当接される。そのため、用紙Tは、幅方向D2の外縁の位置が搬送方向D1に平行になるように規制される。これにより、用紙Tがスイッチバックローラ対602から離間している場合に、用紙Tにおける幅方向D2の外縁の位置を所定位置に位置させることができる。例えば、用紙Tは、搬送方向D1に対して斜めに傾いて位置する場合において、幅方向D2における両方の外縁が2つの規制板653b、653bに当接することで、搬送方向D1に平行になるように補正され得る。
【0079】
2つの棒状ギア655、655それぞれは、幅方向D2に延びる直線状のギアである。2つの棒状ギア655、655は、ベース板652の裏面側に配置される。2つの棒状ギア655、655は、ベース板652の長孔部657に沿って、ベース板652の長孔部657を跨いで平行に並んで配置される。2つの棒状ギア655、655には、互いに対向する側の側面に複数のギア歯が形成される。
【0080】
2つの棒状ギア655、655それぞれの一端部は、搬送方向D1における長孔部657側に延びて形成される。2つの棒状ギア655、655それぞれの一端部は、ベース板652側の面が2つのローラ658、658のローラ軸を介して載置板653aの裏面に取り付けられる。これにより、2つの棒状ギア655、655それぞれは、2つの位置規制部材653、653に接続される。
【0081】
駆動ギア656は、円筒形状の部材により形成され、周面にギア歯が形成される。駆動ギア656は、ベース板652における幅方向D2の略中央に配置される。駆動ギア656は、2つの棒状ギア655、655の間に配置され、周面における対向する部分で2つの棒状ギア655、655それぞれに係合する。駆動ギア656が回転駆動することで、2つの棒状ギア655、655それぞれは連動して幅方向D2における相反する方向それぞれに移動する。これにより、2つの棒状ギア655、655が取り付けられた2つの位置規制部材653、653それぞれは、用紙Tの幅方向D2において、互いが近づく方向又は離間する方向に略均等の移動量で移動する。
【0082】
駆動ギア656には、規制部材駆動部659が接続される。規制部材駆動部659は、例えば、ステッピングモータなどにより所定のステップ数だけ駆動ギア656を回転駆動させる。
【0083】
次に、図3Aから図4を参照して、本実施形態のカラーコピー機1の制御に係る機能について説明する。図4は、本発明の一実施形態のカラーコピー機1の機能を示す機能ブロック図である。
図4に示すように、カラーコピー機1は、制御部102と、メモリ103とを備える。制御部102は、第1位置検出部151と、第2位置検出部152と、位置差分算出部153と、画像形成制御部154と、回転駆動制御部157と、離間制御部158と、位置補正制御部159とを有する。
【0084】
第1位置検出部151は、位置検出センサ(第1位置検出部)Sにより検知された用紙Tにおける幅方向D2の外縁の位置を検知して、用紙Tの第1位置U1を検出する。第1位置検出部151により検出された第1位置U1に関する位置情報は、後述するメモリ103の用紙位置情報記憶部171に記憶される。
【0085】
第2位置検出部152は、位置検出センサ(第2位置検出部)Sにより検知された用紙Tにおける幅方向D2の外縁の位置を検知して、用紙Tの第2位置U2を検出する。第2位置検出部152により検出された第2位置U2に関する位置情報は、メモリ103の用紙位置情報記憶部171に記憶される。
【0086】
位置差分算出部153は、メモリ103に記憶された第1位置U1に関する位置情報及び第2位置U2に関する位置情報に基づいて、第2位置U2についての第1位置U1に対する幅方向D2における差分量を算出する。位置差分算出部153により算出された差分量に関する差分情報は、メモリ103の用紙位置情報記憶部171に記憶される。
【0087】
画像形成制御部154は、静電潜像形成位置補正部155と、静電潜像形成部156とを有する。
静電潜像形成位置補正部155は、位置差分算出部153により算出された差分量に関する差分情報及び後述する静電潜像形成位置情報記憶部172に記憶された情報に基づいて、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に形成される静電潜像の位置の差分量に対応する補正値を算出する。
【0088】
静電潜像形成部156は、両面印刷時における用紙Tの第1面にトナー画像を形成する場合に、後述する静電潜像形成位置情報記憶部172に記憶された情報に基づいて、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面の所定位置に静電潜像を形成するように、レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dを指示する。
また、静電潜像形成部156は、両面印刷時における用紙Tの第2面にトナー画像を形成する場合に、静電潜像形成位置補正部155により算出された補正値に基づいて、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面の所定位置に静電潜像を形成するように、レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dを指示する。
【0089】
回転駆動制御部157は、用紙Tを引き込む方向又は用紙Tを引き込む方向とは反対方向にスイッチバックローラ対602における反転ローラ602aを回転させるように回転駆動部605を指示する。回転駆動制御部157は、反転ローラ602aの回転方向を反対方向に切り替える際に、反転ローラ602aを一旦停止するように回転駆動部605を指示する。
【0090】
離間制御部158は、用紙Tを引き込んだ状態で回転が停止したスイッチバックローラ対602を用紙Tから離間させるように離間駆動部641を指示する。
【0091】
位置補正制御部159は、スイッチバックローラ対602から離間した用紙Tにおける幅方向D2の外縁の位置を所定位置に位置させるように規制部材駆動部659を指示する。具体的には、位置補正制御部159は、後述するメモリ103に記憶された用紙Tにおける幅方向D2の外縁の位置に関する情報に基づいて、位置規制部材653を用紙Tの幅方向D2に移動させるように規制部材駆動部659を指示する。
【0092】
メモリ103は、所定のパラメータや各種テーブル等を記憶する。具体的には、メモリ103は、各種機能を動作させるアプリケーションプログラムや、各種データを記憶する。例えば、メモリ103には、位置補正制御部159により用紙Tを位置させるための用紙Tにおける幅方向D2の外縁の位置に関する情報が記憶される。
本実施形態においては、メモリ103は、用紙位置情報記憶部171と、静電潜像形成位置情報記憶部172とを有する。
【0093】
用紙位置情報記憶部171は、第1位置検出部151により検出された第1位置U1に関する情報及び第2位置検出部152により検出された第2位置U2に関する情報を記憶する。また、用紙位置情報記憶部171は、位置差分算出部153により算出された差分量に関する差分情報を記憶する。
【0094】
静電潜像形成位置情報記憶部172には、中間転写部200に搬送される用紙Tに対してトナー画像を適切な位置に転写させるため、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に形成する静電潜像の位置に関する情報が記憶されている。例えば、静電潜像形成位置情報記憶部172には、中間転写部200に搬送される用紙Tにおける搬送方向D1及び幅方向D2の位置に対応した感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に形成する静電潜像の位置に関する情報が記憶されている。
【0095】
次に、本実施形態のカラーコピー機1の基本動作について簡単に説明する。
原稿送り部70から送り出された原稿は、画像読み込み部71により画像が読み込まれる。読み込まれた画像における画像情報は、装置本体Mに入力される。
【0096】
装置本体Mにおいて、入力された画像情報は、画像形成制御部154に入力される。画像形成制御部154は、画像情報に基づいて、画像形成部GKを構成する像担持体としての感光体ドラム2a、2b、2c、2d、帯電部10a、10b、10c、10d、レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dや現像器16a、16b、16c、16d等を制御する。感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面には、画像情報に基づいて、所定のトナー画像が形成される(図1参照)。
【0097】
具体的には、画像形成部GKにおいては、感光体ドラム2の表面に対して、上流側から下流側に順に、帯電部10a、10b、10c、10dによる帯電、レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dによる露光、現像器16a、16b、16c、16dによる現像が行われる。
詳細には、まず、帯電部10a、10b、10c、10dは、感光体ドラム2の表面を一様に負(マイナス極性)又は正(プラス極性)に帯電させる。
次に、レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれは、画像読み込み部71により読み込まれた画像に関する画像情報に基づいて感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を走査露光する。レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれにより走査露光されることで、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面の露光された部分の電荷が除去される。これにより、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に静電潜像が形成される。
次に、現像器16a、16b、16c、16dは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に形成された静電潜像に各色のトナーを付着させて、トナー画像を感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に形成する。
【0098】
感光体ドラム2a、2b、2c、2dに形成されたトナー画像は、中間転写ベルト7を介して、2次転写ニップN2において、用紙Tの第1面に2次転写される。第1面に印刷(画像が形成)された用紙Tは、排紙部50からケース体BDの外部に排出される(図1参照)。
【0099】
ここで、用紙Tが片面に印刷される場合には、第1面に画像が形成された用紙Tは、排出搬送路510を経由して直接(反転用搬送路520を経由することなく)排紙部50からケース体BDの外部に排出される。
一方、用紙Tが両面に印刷される場合には、用紙Tは、反転用搬送路520、スイッチバックローラ対602、転回用ローラ600、戻し搬送路59等を経由することにより表裏が反転されて、2次転写ニップN2に再度搬送され、用紙Tの第2面への印刷(画像の形成)が行われる。また、第2面に印刷がされた用紙Tは、反転用搬送路520、スイッチバックローラ対602、合流用搬送路530等を経由することにより、(印刷が行われることなく)再度表裏が反転されて、排紙部50からケース体BDの外部に排出される。
【0100】
次に、本実施形態のカラーコピー機1の具体的な動作につき、図5から10Bを参照しながら説明する。本実施形態のカラーコピー機1の具体的な動作については、画像形成制御部154に入力された画像情報に基づいて、用紙Tの両面に印刷(画像を形成)する場合について説明する。図5は、用紙Tにおける第1面及び第2面に形成される画像の幅方向D2の位置を合わせる過程を示すフローチャートである。図6Aは、スイッチバックローラ対602に用紙Tが引き込まれて搬送される様子を示す平面図である。図6Bは、図6Aにおけるスイッチバックローラ対602を側面側から視た側面図である。図7Aは、スイッチバックローラ対602に用紙Tが引き込まれてスイッチバックローラ対602が停止した状態を示す平面図である。図7Bは、図7Aにおけるスイッチバックローラ対602を側面側から視た側面図である。図8は、スイッチバックローラ対602が用紙Tから離間した状態を示す側面図である。図9は、用紙Tにおける幅方向D2の位置を補正した状態を示す平面図である。図10Aは、用紙Tにおける幅方向D2の位置が補正された用紙Tをスイッチバックローラ対602により再度挟持させた状態を示す平面図である。図10Bは、図10Aにおけるスイッチバックローラ対602を側面側から視た側面図である。
【0101】
用紙Tの両面に画像を形成する場合、原稿送り部70から送り出された原稿は、画像読み込み部71により、原稿における第1面及び第2面の画像が読み込まれる。読み込まれた画像における画像情報は、装置本体Mに入力される。
【0102】
ステップST101において、装置本体Mにおいて、入力された画像情報は、画像形成制御部154に入力される。
【0103】
ステップST102において、画像形成制御部154は、原稿における第1面の画像情報及び静電潜像形成位置情報記憶部172に記憶された静電潜像の形成位置に関する情報に基づいて、感光体ドラム2a、2b、2c、2dにおける表面の所定位置に静電潜像を形成するようにレーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dを指示する。
【0104】
具体的には、静電潜像形成部156は、静電潜像形成位置情報記憶部172に記憶された静電潜像の形成位置に関する情報に基づいて、帯電された感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面を走査露光するようにレーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dを指示する。レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれにより走査露光されることで、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面の露光された部分の電荷が除去される。これにより、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面の所定位置に静電潜像が形成される。その後、現像器16a、16b、16c、16dは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に形成された静電潜像に各色のトナーを付着させて、トナー画像を感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に形成する。
【0105】
ステップST103において、用紙Tの第1面には、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に形成されたトナー画像が中間転写部200により2次転写される。これにより、用紙Tの第1面における所定位置にトナー画像が転写される。第1面にトナー画像が転写された用紙Tは、中間転写部200から排出されて第1搬送路56により搬送される。
【0106】
ステップST104において、位置検出センサ(第1位置検出部)Sは、第1搬送路56により搬送される用紙Tにおける幅方向D2の位置である第1位置U1を、用紙Tの幅方向D2の外縁の位置を検知することで検出する。本実施形態においては、位置検出センサSは、第1搬送路56の所定の位置の上方に配置される。位置検出センサSは、第1搬送路56における第1検出位置S1において、用紙Tにおける搬送方向D1の中央部であって幅方向D2の外縁の位置を検知する。位置検出センサSに検出された第1位置U1に関する情報は、メモリ103の用紙位置情報記憶部171に記憶される。
【0107】
ステップST105において、用紙Tは、定着部9に搬送される。用紙Tの第1面に形成されたトナー画像は、定着部9により定着される。
【0108】
ステップST106において、用紙Tは、用紙Tの第2面にトナー画像を形成するために、スイッチバック部601に向けて搬送される。具体的には、定着部9から排出された第1面にトナー画像が形成された用紙Tは、第2搬送路509、第1分岐部501及び反転用搬送路520を経由して、スイッチバック部601に搬送される。
【0109】
ステップST107において、図6Aから図7Bに示すように、スイッチバック部601に搬送された用紙Tは、スイッチバックローラ対602に挟持されて所定の長さだけ搬送方向D11に引き込まれる。
【0110】
具体的には、スイッチバック部601に引き込まれた用紙Tは、スイッチバック部601を通過して反転空間HKに導入される。用紙Tは、位置補正部650のベース板652及び載置板653aの上面に載置された状態で、反転空間HKに所定の位置まで導入されていく。
【0111】
ステップST108において、図7A及び図7Bに示すように、回転駆動制御部157は、用紙Tにおける搬送方向D1の後端部がスイッチバックローラ対602に挟持された状態で、スイッチバックローラ対602を一旦停止させるように回転駆動部605を指示する。用紙Tは、スイッチバックローラ対602に引き込まれて、スイッチバックローラ対602が一旦停止することで表裏が反転された状態となる。
【0112】
ステップST109において、図8に示すように、スイッチバック部601は、回転を一旦停止した後に、スイッチバックローラ対602を用紙Tから離間させる。具体的には、離間制御部158は、用紙Tからスイッチバックローラ対602を離間させるように離間駆動部641を指示する。これにより、用紙Tにおける幅方向D2の外縁の位置を所定位置に位置させる補正が可能となる。
【0113】
ステップST110において、図9に示すように、位置補正部650により用紙Tにおける幅方向D2の位置を補正する。具体的には、用紙Tが位置補正部650に導入される際には、位置補正部650の規制板653bは、用紙Tにおける幅方向D2の外縁よりも外側に位置している。その後、用紙Tが所定の位置まで導入され、スイッチバックローラ対602を用紙Tから離間させた後に、位置補正制御部159は、メモリ103に記憶された幅方向D2の外縁の位置に関する情報に基づいて、2つの位置規制部材653、653を用紙Tの幅方向D2に移動させるように規制部材駆動部659を指示する。つまり、2つの位置規制部材653、653の規制板653b、653bは、メモリ103に記憶された幅方向D2の外縁の位置に関する情報に基づいて、用紙Tにおける搬送方向D1の中央部側に互いに近づくように移動される。これにより、位置補正部650は、用紙Tにおける幅方向D2の両方の外縁が2つの規制板653b、653bに当接することにより、用紙Tにおける幅方向D2の位置を所定位置に位置させる。
【0114】
ステップST111において、図2に示すように、位置検出センサSは、用紙Tにおける幅方向D2の位置である第2位置U2を、用紙Tにおける幅方向D2の外縁の位置を検知することで検出する。本実施形態においては、位置検出センサSは、反転空間HKに位置する用紙Tにおける幅方向D2の外縁の位置を検知可能な状態で、反転空間HK及び第1搬送路56の上方に配置されている。これにより、位置検出センサSは、第1位置U1を検知する場合と同様に、反転空間HKにおける第2検出位置S2において、用紙Tにおける搬送方向D1の中央部であって幅方向D2の外縁の位置を検知する。
位置検出センサSに検出された第2位置U2に関する情報は、メモリ103の用紙位置情報記憶部171に記憶される。
【0115】
ステップST112において、図10A及び図10Bに示すように、離間制御部158は、スイッチバックローラ対602が用紙Tを挟持するように離間駆動部641を指示する。つまり、位置補正部650により幅方向D2における補正が行われた用紙Tは、スイッチバックローラ対602に再度挟持される。
その後、用紙Tを引き込む方向とは反対方向にスイッチバックローラ対602を回転させることで、用紙Tの搬送方向D11は、反対方向D12に切り替えられる。これにより、用紙Tは、スイッチバックローラ対602における用紙Tが引き込まれた側と同じ側から排出される。排出された用紙Tは、連絡用搬送路610及び戻し搬送路59を経由して中間転写部200へ向けて搬送される。
【0116】
ステップST113において、位置差分算出部153は、メモリ103の用紙位置情報記憶部171に記憶された第1位置U1及び第2位置U2に関する位置情報に基づいて、第1位置U1に対する第2位置U2についての幅方向D2における差分量を算出する。位置差分算出部153に算出された差分量に関する差分情報は、メモリ103の用紙位置情報記憶部171に記憶される。
【0117】
ステップST114において、静電潜像形成位置補正部155は、用紙位置情報記憶部171に記憶された差分情報に基づいて、静電潜像形成位置情報記憶部172に記憶された用紙Tにおける第1面にトナー画像を形成する場合の静電潜像の形成位置に関する情報を参照して、用紙Tの第1面にトナー画像を形成した場合における静電潜像に対する幅方向D2の差分量に対応する補正値を算出する。これにより、感光体ドラム2a、2b、2c、2dに形成される静電潜像の位置を補正するための幅方向D2における補正値が算出される。
【0118】
ステップST115において、静電潜像形成部156は、静電潜像形成位置補正部155に算出された補正値に基づいて、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に静電潜像を形成する。その後、現像器16a、16b、16c、16dは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に形成された静電潜像に各色のトナーを付着させて、トナー画像を感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に形成する。
【0119】
ステップST116において、中間転写部200に搬送された用紙Tの第2面には、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に形成されたトナー画像が中間転写部200により2次転写される。用紙Tの第2面にトナー画像を形成する場合、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面には、差分量に対応する補正値の分だけ幅方向D2に静電潜像をシフトさせて形成することができる。これにより、用紙Tの第1面及び第2面に形成されるトナー画像における幅方向D2の位置を合わせることができる。
【0120】
以上の構成を有する本実施形態のカラーコピー機1によれば、以下の効果が奏される。
本実施形態のカラーコピー機1は、用紙Tの表裏を反転させるスイッチバック部601と、スイッチバック部601により表裏を反転された用紙Tにおける幅方向D2の外縁を所定位置に位置させる位置補正部650と、中間転写部200により第1面にトナー画像が転写された用紙Tにおける幅方向D2の位置である第1位置U1を検出する位置検出センサ(第1位置検出部)Sと、位置補正部650により補正された用紙Tにおける幅方向D2の位置である第2位置U2を検出する位置検出センサ(第2位置検出部)Sと、スイッチバック部601により表裏を反転されると共に位置補正部650により位置が補正された用紙Tにおける第2面に中間転写部200によりトナー画像を転写する場合に、第1位置検出部Sにより検出される第1位置U1及び第2位置検出部Sにより検出される第2位置U2に基づいて、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に形成される静電潜像の位置を補正する静電潜像形成位置補正部155と、を備える。
【0121】
そのため、第1位置検出部Sにより検出される第1位置U1及び第2位置検出部Sにより検出される第2位置U2に基づいて、静電潜像形成位置補正部155は、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に形成される静電潜像の幅方向D2の位置を補正することにより、用紙Tの第2面に形成されるトナー画像の幅方向D2の位置を調整することができる。これにより、用紙Tの両面に画像を形成するカラーコピー機1において、用紙Tの第1面と用紙Tの第2面とに形成される画像における幅方向D2の位置を合わせることができる。
【0122】
また、本実施形態のカラーコピー機1によれば、第1位置検出部Sは、用紙Tにおける幅方向D2の外縁の位置を検知することにより第1位置U1を検出し、第2位置検出部Sは、用紙Tにおける幅方向D2の外縁の位置を検知することにより第2位置U2を検出するように構成される。
そのため、用紙Tにおける幅方向D2の外縁の位置を検知するだけの簡易な構成により、用紙Tにおける幅方向D2の位置を精度よく検出することができる。
【0123】
また、本実施形態のカラーコピー機1は、第1位置検出部と、第2位置検出部とは、1つの位置検出センサSにより構成される。そのため、位置検出センサSに要するコストを低減することができる。また、位置検出センサSを2つ設けるための空間を確保する必要がないため、カラーコピー機1の内部空間を有効に活用することができる。
【0124】
また、本実施形態のカラーコピー機1によれば、スイッチバック部601は、スイッチバックローラ対602と、用紙Tを引き込む方向又は用紙Tを引き込む方向とは反対方向にスイッチバックローラ対602を回転させると共に、用紙Tを引き込んだスイッチバックローラ対602の回転を一旦停止させる回転駆動部605と、を有しており、位置補正部650は、スイッチバックローラ対602を用紙Tから離間させる離間駆動部641と、用紙Tにおける幅方向D2の外縁の位置を規制する位置規制部材653と、位置規制部材653を幅方向D2に移動させる規制部材駆動部659と、用紙Tを引き込んだ状態で回転が停止したスイッチバックローラ対602を用紙Tから離間させるように離間駆動部641を指示する離間制御部158と、スイッチバックローラ対602から離間した用紙Tにおける幅方向D2の外縁の位置を所定位置に位置させるように規制部材駆動部659を指示する位置補正制御部159と、を有する。
【0125】
そのため、スイッチバック部601により用紙Tの表裏を反転させた後に、位置補正部650により用紙Tにおける幅方向D2の外縁の位置を合わせることができる。これにより、用紙Tの表裏を反転させることができる。また、例えば、用紙Tが搬送路を斜めに搬送された場合などに、用紙Tにおける幅方向D2の位置を合わせることができる。更に、スイッチバック部601及び位置補正部650が簡易な構成であるため、簡易な構成で用紙Tの表裏を反転させることができると共に、簡易な構成で用紙Tにおける幅方向D2の外縁の位置を合わせることができる。
【0126】
以上、好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく種々の形態で実施することができる。
例えば、前述の実施形態においては、位置補正部650は、用紙Tにおける幅方向D2の外縁の位置を規制する位置規制部材653を備える構成としているが、これに制限されない。例えば、位置補正部650は、用紙Tにおける搬送方向D1の先端部が一旦当接されることにより、用紙Tにおける幅方向D2の外縁の位置を搬送方向D1に平行に補正する構成としてもよい。
【0127】
また、前述の実施形態においては、位置検出センサSを1つ備える構成としているが、これに制限されない。位置検出センサSは、用紙Tの第1位置U1を検出する位置検出センサ及び用紙Tの第2位置U2を検出する位置検出センサの2つを別々に備える構成としてもよい。
【0128】
また、前述の実施形態においては、中間転写部200により間接的に用紙Tにトナー画像を転写させているが、これに制限されない。中間転写部200は、トナー画像を直接的に用紙Tに転写させる構成としてもよい。
【0129】
また、本発明の画像形成装置の種類は、特に限定がなく、モノクロコピー機、プリンタ、ファクシミリ、又はこれらの複合機などであってもよい。
シート状の被転写材は、用紙に制限されず、例えば、フィルムシートであってもよい。
【符号の説明】
【0130】
1……カラーコピー機(画像形成装置)、2a,2b,2c,2d……感光体ドラム(像担持体)、9……定着部、16a,16b,16c,16d……現像器、56……第1搬送路、59……戻し搬送路(第5搬送路)、155……静電潜像形成位置補正部、200……中間転写部(転写部)、501……第1分岐部(分岐部)、509……第2搬送路、510……排出搬送路(第3搬送路)、520……反転用搬送路(第4搬送路)、601……スイッチバック部、650……位置補正部、D1……搬送方向、D2……幅方向、BD……ケース体(筐体)、S……位置検出センサ(位置検出部材、第1位置検出部、第2位置検出部)、T……用紙(被転写材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
表面に静電潜像が形成される1又は複数の像担持体と、
前記1又は複数の像担持体に形成された静電潜像にトナー画像を現像する現像器と、
前記1又は複数の像担持体に形成された前記トナー画像を直接的又は間接的にシート状の被転写材における第1面又は前記第1面と反対側の第2面に転写する転写部と、
前記転写部により前記被転写材に転写された前記トナー画像を前記被転写材に定着させる定着部と、
前記転写部により前記トナー画像が転写された前記被転写材を前記定着部に搬送する第1搬送路と、
前記定着部により前記トナー画像が定着された前記被転写材を搬送する第2搬送路と、
前記第2搬送路を複数の搬送路に分岐させる分岐部と、
前記第2搬送路から前記分岐部を介して分岐され、前記第2搬送路から搬送された前記被転写材を前記筐体の外部へ向けて搬送する第3搬送路と、
前記第2搬送路から前記分岐部を介して分岐され、前記第2搬送路から搬送された前記転写部により前記第1面に前記トナー画像が転写された前記被転写材を搬送する前記第3搬送路とは異なる第4搬送路と、
前記第4搬送路に搬送された前記被転写材の表裏を反転させるスイッチバック部と、
前記スイッチバック部により表裏を反転された前記被転写材を前記転写部へ向けて搬送する第5搬送路と、
前記スイッチバック部により表裏を反転された前記被転写材における搬送方向に直交する幅方向の外縁を所定位置に位置させる位置補正部と、
前記転写部により前記第1面に前記トナー画像が転写された前記被転写材における前記幅方向の位置である第1位置を検出する第1位置検出部と、
前記位置補正部により位置が補正された前記被転写材における前記幅方向の位置である第2位置を検出する第2位置検出部と、
前記スイッチバック部により表裏を反転されると共に前記位置補正部により位置が補正された前記被転写材における前記第2面に前記転写部により前記トナー画像を転写する場合に、前記第1位置検出部により検出される前記第1位置及び前記第2位置検出部により検出される前記第2位置に基づいて、前記1又は複数の像担持体の表面に形成される静電潜像の位置を補正する静電潜像形成位置補正部と、を備える
画像形成装置。
【請求項2】
前記第1位置検出部は、前記被転写材における前記幅方向の外縁の位置を検知することにより前記第1位置を検出し、
前記第2位置検出部は、前記被転写材における前記幅方向の外縁の位置を検知することにより前記第2位置を検出する
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1位置検出部と、前記第2位置検出部とは、1つの位置検出部材により構成される
請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記スイッチバック部は、
前記第4搬送路に搬送された前記被転写材を挟持して引き込むと共に、前記引き込んだ前記被転写材の搬送方向を前記引き込んだ搬送方向とは反対方向に切り替えることにより前記被転写材の表裏を反転させて前記第5搬送路へ向けて送り出すスイッチバックローラ対と、
前記被転写材を引き込む方向又は前記被転写材を引き込む方向とは反対方向に前記スイッチバックローラ対を回転させると共に、前記被転写材を引き込んだ前記スイッチバックローラ対の回転を一旦停止させる回転駆動部と、を有しており、
前記位置補正部は、
前記スイッチバックローラ対を前記被転写材から離間させる離間駆動部と、
前記被転写材における前記幅方向の外縁の位置を規制する位置規制部材と、
前記位置規制部材を前記幅方向に移動させる規制部材駆動部と、
前記被転写材を引き込んだ状態で回転が停止した前記スイッチバックローラ対を前記被転写材から離間させるように前記離間駆動部を指示する離間制御部と、
前記スイッチバックローラ対から離間した前記被転写材における前記幅方向の外縁の位置を所定位置に位置させるように前記規制部材駆動部を指示する位置補正制御部と、を有する
請求項1から3のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【公開番号】特開2011−70071(P2011−70071A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−222338(P2009−222338)
【出願日】平成21年9月28日(2009.9.28)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】