画像形成装置
【課題】画像形成装置において、排気ダクトを周辺部材の支持要素として利用することにより、部品点数の削減を図り、製造コストの低減化を図る。
【解決手段】この画像形成装置1は、感光体ドラム14を含む画像形成部4と、上流側に吸込み口41を有して、該吸込み口41から吸い込んだ画像形成部4の周囲空気を機体6の外部へ排気するための排気ダクト5とを備える。そして、排気ダクト5の感光体ドラム14に近接する上流部に、画像形成部4を構成する露光ヘッド16、除電デバイス20などの機能部品を設ける。
【解決手段】この画像形成装置1は、感光体ドラム14を含む画像形成部4と、上流側に吸込み口41を有して、該吸込み口41から吸い込んだ画像形成部4の周囲空気を機体6の外部へ排気するための排気ダクト5とを備える。そして、排気ダクト5の感光体ドラム14に近接する上流部に、画像形成部4を構成する露光ヘッド16、除電デバイス20などの機能部品を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばファクシリミ装置やプリンタ装置等の画像形成装置に関し、特に、放熱のための排気ダクトの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、機体内部に対向状に設けられた側板と、両側板の間に掛け渡された補強用のステーとを備え、ステーを機体の内部の空気を排気口へと導くダクト形状に形成した画像形成装置が開示されている。特許文献2には、ステーとそれに隣接する他の周辺部材とをダクト形状とした画像形成装置が開示されている。このように、ステー等により排気ダクトを構成していると、部品点数を削減することができるので、画像形成装置の製造コストの削減に貢献することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平05−224499号公報
【特許文献2】特開2005−067066号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上のように、排気ダクトをステー等で形成することは、画像形成装置の製造コストの削減を図るうえで有用なものではあるが、コスト削減の観点からして、多分に改良の余地があると言わざるを得ない。すなわち、特許文献1、2のように、従来の技術思想は、如何にして排気ダクトをステー等の支持要素を利用して構成するかという点に留まっており、排気ダクト自身を周辺部材の支持要素として利用するという思想は無く、その点に改良の余地があった。
【0005】
本発明は、画像形成装置において、排気ダクトを周辺部材の支持要素として利用することにより、部品点数の削減を図り、製造コストの低減化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る画像形成装置は、感光体ドラムを含む画像形成部と、上流側に吸込み口を有して、該吸込み口から吸い込んだ前記画像形成部の周囲空気を機体の外部へ排気するための排気ダクトとを備える。そして、前記排気ダクトに、前記画像形成部を構成する機能部品が設けられていることを特徴とする。
【0007】
具体的には、前記排気ダクトの前記感光体ドラムに対向する上流部に、前記画像形成部の周囲空気を吸い込むための吸込み口が設けられており、前記排気ダクトの上流部に、前記画像形成部を構成する除電デバイスが設けられている。
【0008】
また、前記排気ダクトの前記感光体ドラムに対向する上流部に、前記画像形成部の周囲空気を吸い込むための吸込み口が設けられており、前記排気ダクトの上流部に、前記画像形成部を構成する露光ヘッドが設けられている。
【発明の効果】
【0009】
本発明においては、排気ダクトに、画像形成部を構成する機能部品を設けたので、当該機能部品を支持するための専用の支持部材を削減することができる。従って、画像形成装置の部品点数を減らして、画像形成装置の製造コストを削減することができる。
【0010】
具体的には、排気ダクトの上流部に、画像形成部を構成する除電デバイスを設ける。これによれば、当該除電デバイスを支持するための専用の支持要素を廃することができるので、その分だけ部品点数を減らし、画像形成装置の製造コストを削減することができる。
【0011】
加えて、従来においては、機体に対して着脱可能に構成されるプロセスユニットの一部品として一体化されていた除電デバイスを、本発明によれば、プロセスユニットから外して排気ダクトに設けることができる。従って、消耗部品であるプロセスユニットの交換時において除電デバイスが交換されることを防ぐことができる。すなわち、一般的に、画像形成部の構成部品である、感光体ドラム、帯電デバイス、露光ヘッド、現像デバイス、除電デバイス、および清掃デバイスなどは、メンテナンスの容易化を図るため、プロセスユニットとして、装置本体に対して着脱可能に構成されることが多い。しかし、除電デバイスが故障することにより、画像形成部が動作不良に陥ることは極めて稀であり、プロセスユニットの交換時に除電デバイスを同時に交換することは、コスト的に著しい無駄があると言わざるを得ない。これに対して本願発明においては、プロセスユニットから除電デバイスを外して、これを排気ダクトに設けたので、交換部品であるプロセスユニットの低コスト化を図り、結果として画像形成装置の全体コストを削減することができる。
【0012】
排気ダクトの上流部に、画像形成部を構成する露光ヘッドを設ける。これによれば、当該露光ヘッドを支持するための専用の支持要素を廃することができるので、その分だけ部品点数を減らし、画像形成装置の製造コストを削減することができる。また、プロセスユニットから露光ヘッドを外して、これを排気ダクトに設けたので、交換部品であるプロセスユニットの低コスト化を図り、結果として画像形成装置の全体コストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る画像形成装置の要部の縦断正面図である。
【図2】画像形成装置を概念的に示す正面図である。
【図3】排気ダクトの全体構造を示す、画像形成装置の縦断正面図である。
【図4】排気ダクトの平面図である。
【図5】排気ダクトの側面図である。
【図6】排気ダクトに設けられた露光ヘッドの動作を説明するための図である。
【図7】近接位置における露光ヘッドの状態を示す図である。
【図8】離間位置における露光ヘッドの状態を示す図である。
【図9】図6のA−A線断面図である。
【図10】排気ダクトに設けられた規制片を示す図である。
【図11】排気ダクトに設けられた規制片を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施例) 図1から図11に、本発明に係る画像形成装置を、コピー機能とファクシミリ機能とを備えた複合機に適用した実施例を示す。なお、本発明における前後、左右、上下とは、図2、図4、図5および図6に示す交差矢印と、各矢印の近傍に表記した前後、左右、上下の表示に従う。
【0015】
図2において複合機1は、フラットベッドスキャナとして機能する画像読取部2と、画像読み取り、および記録の開始等を入力するための操作パネル3と、画像形成部4および排気ダクト5を備える機体6と、記録用紙を順次供給する給紙カセット7とを備える。機体6の前面、すなわち操作パネル3が設けられた面にはフロントカバーが設けられ、右側面にはジャムアクセスカバーが設けられている。これらフロントカバー、ジャムアクセスカバーを開放することにより、機体6の内部にアクセスすることができる。
【0016】
画像読取部2の上面には、原稿読取面を開閉するプラテンカバー8が設けられている。プラテンカバー8には自動原稿搬送部(ADF)9が組み込まれている。プラテンカバー8は、その後端に設けたヒンジを中心にして上下に揺動することにより、原稿読取面の上面に被さり、或いは原稿読取面の上面を開放する。
【0017】
給紙カセット7は、上方開放状に形成されており、フラッパおよび給紙ローラ11を備え、前方に向かって引き出し可能に構成されている。給紙カセット7の上方には、画像形成部4が配置され、更にその上には定着部12および排紙トレイ13が配置されている。機体6の内部には、給紙カセット7から排紙トレイ13へ記録用紙を搬送するための搬送路10(図3参照)が形成されている。この搬送路10は、給紙カセット7の一端側から上方に向かって延びて画像形成部4に至り、更に上方に延びて定着部12を通過した後、水平方向へ湾曲して排紙トレイ13に至るように構成されている。
【0018】
図1および図3に示すように、画像形成部4は、感光体ドラム14と、感光体ドラム14の周囲に配設された帯電デバイス15、露光デバイス(露光ヘッド)16、現像デバイス17、転写ローラ18、クリーニングデバイス19、および除電デバイス20で構成されている。これらのうち、感光体ドラム14、帯電デバイス15、およびクリーニングデバイス19は、プロセスユニット21として、ユニット部品化されている。
【0019】
感光体ドラム14は、表面に有機感光体による光導電膜が形成され、モータにより所定速度で回転駆動されるように構成されている。帯電デバイス15は、所謂スコロトロン帯電器と呼ばれる非接触のコロナ帯電方式のものに構成され、この帯電器によって感光体ドラムの表面が均一に、例えば負に帯電されるようになっている。なお、帯電デバイス15には、非接触のコロナ帯電方式に代えて接触型のローラ帯電方式等、他の帯電デバイスを採用してもよい。
【0020】
露光デバイスとしての露光ヘッド16は、LEDアレイを記録画素数だけ並設してなるものであり、LEDアレイが発した光をセルフォックレンズアレイで感光体ドラム14の表面に結像する。露光ヘッド16は、感光体ドラム14に対して画像情報に基づいて感光体ドラム14の表面を選択的に露光して、その表面に静電潜像を形成する。帯電デバイス15により帯電された感光体ドラム14の表面は、露光ヘッド16により露光されることにより表面電位が減衰し、露光されていない部分との電位差により静電潜像が形成される。
【0021】
現像デバイス17は、供給ローラ23と、現像ローラ24と、トナー容器25とを備える。不図示の電気回路から供給ローラ23および現像ローラ24に各々に印加されるバイアス電圧の差により、トナー容器25のトナーが供給ローラ23を経て現像ローラ24へ供給され、現像ローラ24の表面にトナー層が形成される。トナー層が形成された現像ローラ24が感光体ドラム14に近接した位置で回転され、感光体ドラム14の静電潜像との電位差により現像ローラ24上のトナーが感光体ドラム14へ移動し、該静電潜像に基づいてトナー画像が感光体ドラム14の表面に形成される。トナー容器25の内部には、攪拌部材26が設けられており、この攪拌部材26を回転駆動することにより、トナーを均一に攪拌することができる。また、トナー容器25の上部には、トナーカートリッジ27が配置されている。このトナーカートリッジ27は、前後方向に伸びる四角容器状に形成されており、機体6に対して着脱可能に構成されている。なお、このような現像デバイス17は一例であり、磁性トナー又は非磁性トナーの選択や、接触現像法又は非接触現像法の選択等は任意である。
【0022】
転写ローラ18は、搬送路10の対向位置において感光体ドラム14に圧接されており、不図示の電気回路からバイアス電圧が印加されるようになっている。給紙カセット7から搬送路を経て供給された記録用紙を、感光体ドラム14および転写ローラ18でニップしてバイアス電圧を印加することにより、感光体ドラム14の表面に形成されたトナー画像を記録用紙へ転写することができる。
【0023】
クリーニングデバイス19は、転写後の感光体ドラム14に圧接したクリーニングブレードであり、感光体ドラム14の表面に残留したトナーや紙粉を除去するとともにイレーサランプにより静電潜像を消去する。これにより、感光体ドラム14の表面が清掃されて連続使用が可能となる。なお、クリーニングデバイス19としては、クリーニングローラ等による他の接触型の方式や非接触方式も採用でき、また、クリーニングデバイスを用いないクリーニングレス方式とすることもできる。
【0024】
除電デバイス20は、用紙幅方向である前後方向に伸びる基板30と、該基板30上に前後方向に等間隔を置いて配置された多数個のLED31とからなる。LED31から感光体ドラム14に向けて照射光を照射することで、感光体ドラム14の表面電荷を取り除くことができる。
【0025】
定着部12は、搬送路の対向位置に夫々配置された加熱ローラ33および加圧ローラ34からなり、搬送路を搬送された記録用紙上のトナー画像を加熱および加圧して固定する。加熱ローラ33の表面はヒータにより所定の温度に維持されており、加熱ローラ33に加圧ローラ34が所定の圧力で圧接されている。トナー画像が転写された記録用紙が、加熱ローラ33と加圧ローラ34とにニップされることにより記録用紙上のトナーが溶融されて固定される。
【0026】
図3に示すように、排気ダクト5および画像形成部4等は、本体フレーム37・38で仕切られた機体6の空間内に配置されている。下方側の本体フレーム37は、上壁371と、上壁371の左右端から鉛直方向に伸びる起立壁372・373と、各起立壁372・373に連続して設けられて水平方向に伸びる底壁374・375とで構成される。上側の本体フレーム38は、排紙トレイ13と機体6とを仕切るものであり、大部分が水平方向に伸びる横壁381で構成されている。
【0027】
横壁381の下方に、合成樹脂製のダクト本体40をベースとする排気ダクト5が配置される。図3および図4に示すように、ダクト本体40は、底壁401と、底壁401の前後端から鉛直方向に立ち上げ形成された前後一対の縦壁402・403を備え、上方開放状に形成されている。底壁401の左右方向の中央部には、支持壁404が下方に向けて突出状に形成されている。底壁401の右端部には、斜め上方向に立ち上げ形成された傾斜壁405と、傾斜壁405に連続して鉛直方向に形成された側壁406とが設けられている。
【0028】
図1および図3に示すように、ダクト本体40の右端部には吸込み口41が開口され、左端部には吸込み口41から吸い込まれた機体6の内部の空気を強制的に機外へ排出するための排気ファン42が配置されている。すなわち、排気ダクト5は、右端部を空気流路の上流側とし、左端部を空気流路の下流側として、吸込み口41から吸い込まれた空気を機外へ排出するようになっている。図4に示すように、底壁401は、上流側である右端から下流側である左端に向かって、次第に前後方向の幅寸法が小さくなるように形成されている。図3に示すように、底壁401は、上流から下流に向かって上り傾斜する第1傾斜面407と、第1傾斜面407に連続して形成され、下流に向かって下り傾斜する第2傾斜面408と、第2傾斜面408に連続して形成された水平面409とで構成されている。排気ダクト5よりも上流側の水平面409には、排気ダクト5の下方における機体6の内部空気を吸い込むための導入口43が形成されている。
【0029】
図4に示すように、底壁401の右端部には、前後方向に向かって一対のポケット410・411が設けられている。ポケット410・411は、底壁412と前後方向に伸びる縦壁413とを有し、上方に開口を有する容器状に形成されている。後方側のポケット411には、縦壁403の左半部に沿って、排気ファン42に電力を供給するためのハーネス66が収容されるハーネス収容部414が後方向かって張り出し形成されている。なお、図4において、符号415は、底壁401に一体形成された整流板を示す。また、図4および図6おいて、符号416は、支持壁404の下面に突出状に形成された位置決め用のボスを示す。
【0030】
以上のような構成からなる排気ダクト5は、画像形成部4において発生した高温の空気およびオゾンフィルタでろ過後の空気を機体6の外部へ強制的に排気することを主たる目的とする。このため、排気ダクト5の上流部である右端部は、感光体ドラム14に近接する位置にあり、この上流部に吸込み口41が形成されている。より具体的には、傾斜壁405との境界部における底壁401に、下方に指向するように吸込み口41が設けられている。
【0031】
そのうえで、本実施形態においては、以上のような構成からなる排気ダクト5の上流部に、画像形成部4を構成する機能部品が取り付けられている。すなわち、画像形成部4を構成する機能部品の支持要素として、排気ダクト5の上流部を利用している。具体的には、上記のように、底壁401の右端部に傾斜壁405を形成して、この傾斜壁405の外側面に、不図示のビスにより、除電デバイス20を構成する基板30を固定している。傾斜壁405の傾斜角度は、除電デバイス20のLED31からの照射光が感光体ドラム14に向かう傾斜角度に設定されている。
【0032】
また、排気ダクト5の底壁401の下面には、露光ヘッド16が装着されている。具体的には、図5に示すように、底壁401の上流部には、前後一対の支持台50・50が装着されており、これら支持台50・50に露光ヘッド16が取り付けられている。各支持台50は、ベース板501に設けられた軸受孔502と、軸受孔502の下方に設けられた上下一対の溝状のガイドレール503・503と、ガイドレール503の上方に設けられた左右一対のロック穴504とを備える。
【0033】
ガイドレール503・503は、感光体ドラムに向かう傾斜状に形成されている。このガイドレール503に沿って、露光ヘッド16を保持するヘッドホルダー60が、感光体ドラム14に近付く近接位置(図7参照)と、感光体ドラム14から遠ざかる離間位置(図8参照)との間で移動可能に構成されている。ヘッドホルダー60は、前後方向に長いプラスチック成形品であり、感光体ドラム14に対向する右端面に、露光ヘッド16を装填するための開口部を有する。また、ヘッドホルダー60の前後端には、各ガイドレール503・503に入り込み、ヘッドホルダー60をガイドレール503・503に沿って移動させるためのガイド片601が突出状に形成されている。図5および図9に示すように、ヘッドホルダー60の前後端には、ロック片602と、ロック片602を付勢するバネ603とを組み付けるためのハウジング604が設けられている。ロック片602は、バネ603によりハウジング604から前後方向に突出する方向に付勢されており、ロック片602がいずれかのロック穴504に入り込むことにより、近接位置および離間位置における露光ヘッド16の位置が保持される。
【0034】
両支持台50の軸受穴502・502の間には、操作軸505が装着されている。操作軸505の前後方向の中央部には、ヘッドホルダー60を近接位置と離間位置との間で姿勢を変位させるための操作片506・506が二つ装着されている。各操作片506の下端にはピン507が設けられており、このピン507がヘッドホルダー60に設けられたピン穴605に連結されている。操作軸505の前端には、手動操作用の操作部材610が装着されている。以上より、操作部材610を、手動操作により時計方向に回転させることにより、操作軸505および操作片506を回転させて、露光ヘッド16を近接位置から離間位置に切り替えることができる。また、操作部材610を反時計方向に回転させることにより、露光ヘッド16を離間位置から近接位置に退避させることができる。
このように、露光ヘッド16が離間位置に退避可能に構成されていると、プロセスユニット21の交換時に、誤って露光ヘッド16にプロセスユニット21が接触して露光ヘッド16が傷つくことを防ぐことができる。
【0035】
図4に示すように、後方側のポケット411を介して、露光ヘッド16に操作信号を送るためのハーネス65が案内されている。具体的には、ポケット411の底面には、ハーネス65の中間に装着されたフェライトコア67を保持するための保持爪が一体に形成されており、保持爪420にフェライトコア67を押し込んでセットすることで、ハーネス65がポケット411から浮き上がり、他の部品等に引っ掛かり傷つくことを防ぐことができる。底壁412の右端部には、ハーネス65を露光ヘッド16に導くための開口421が形成されている。また、底壁412の左端部には、ハーネス65を制御部に導くための開口422が形成されている。
【0036】
ハーネス収容部414の底面には、複数本の断続壁430が設けられている。断続壁430は、左右方向に隙間を形成しつつ反復して配置される。ハーネス66を断続壁430の間に押し込んでセットすることで、ハーネス66がハーネス収容部414から浮き上がり、他の部品等に引っ掛かり傷つくことを防ぐことができる。
【0037】
図3、図10および図11に示すように、ポケット411の底壁412の下面には、誤ったカートリッジ27の装着を防ぐための規制部材70が装着されている。本実施形態に挙げる規制部材70は、前後方向に伸びる2つの規制片71・71を要素とし、これら規制片71・71が5つのレーンから選択される2つのレーンにビスにより装着されている(レーンについては図4参照)。図10および図11に示すように、規制部材70に対応して、カートリッジ27の上面には、複数本のリブ81と、これらリブ81の間に設けられた進入溝82とを備える被規制体80が装着されている。被規制体80は90°ずつ回転させた状態で、カートリッジ27に装着することができる。従って、図10に示すように、被規制体80の進入溝82の位置と排気ダクト5側の規制片71の位置とが一致する場合には、カートリッジ27を後方向に押し込んで所定位置に装着することができる。これに対して、図11に示すように、被規制体80の進入溝82の位置と排気ダクト5側の規制片71の位置とが不一致となる場合には、カートリッジ27を所定位置まで押し込んで装着することができない。これにて、誤ったカートリッジ27が装着されることに起因する、画像形成装置の動作不良の発生を効果的に防ぐことができる。
【0038】
以上のように、本実施形態に係る複合機1によれば、排気ダクト5に、プロセスユニット21を構成する除電デバイス20や露光ヘッド16などの機能部品を設けた。これにより、これら機能部品を支持するための専用の支持部材を削減する、或いは廃することができるので、複合機1の部品点数を減らして、画像形成装置の製造コストを削減することができる。
【0039】
また、従来においては、プロセスユニット21に一体化されていた除電デバイス20や露光ヘッド16などの機能部品を排気ダクト5に設けたので、プロセスユニット21の交換時に、除電デバイス20等が交換されることを防ぐことができる。従って、交換部品であるプロセスユニット21の低コスト化を図り、結果として複合機1の全体コストを削減することができる。
【0040】
排気ダクト5の形状は、上記実施形態に示したものに限られない。すなわち、本発明の排気ダクト5としては、直円錐形のコニカルホーン、双曲線ホーンと称されるハイボリックホーン、指数ホーンと称されるイクスポネンシャルホーンなどを採用することができる。
【0041】
また、上記実施形態においては、排気ダクト5に除電デバイス20と露光ヘッド16とを設けたが、これら除電デバイス20と露光ヘッド16のいずれか一方のみを排気ダクト15に設けた形態であってもよい。
【符号の説明】
【0042】
1 画像形成装置(複合機)
4 画像形成部
5 排気ダクト
6 機体
14 感光体ドラム
16 露光ヘッド
20 除電デバイス
41 吸込み口
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばファクシリミ装置やプリンタ装置等の画像形成装置に関し、特に、放熱のための排気ダクトの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、機体内部に対向状に設けられた側板と、両側板の間に掛け渡された補強用のステーとを備え、ステーを機体の内部の空気を排気口へと導くダクト形状に形成した画像形成装置が開示されている。特許文献2には、ステーとそれに隣接する他の周辺部材とをダクト形状とした画像形成装置が開示されている。このように、ステー等により排気ダクトを構成していると、部品点数を削減することができるので、画像形成装置の製造コストの削減に貢献することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平05−224499号公報
【特許文献2】特開2005−067066号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上のように、排気ダクトをステー等で形成することは、画像形成装置の製造コストの削減を図るうえで有用なものではあるが、コスト削減の観点からして、多分に改良の余地があると言わざるを得ない。すなわち、特許文献1、2のように、従来の技術思想は、如何にして排気ダクトをステー等の支持要素を利用して構成するかという点に留まっており、排気ダクト自身を周辺部材の支持要素として利用するという思想は無く、その点に改良の余地があった。
【0005】
本発明は、画像形成装置において、排気ダクトを周辺部材の支持要素として利用することにより、部品点数の削減を図り、製造コストの低減化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る画像形成装置は、感光体ドラムを含む画像形成部と、上流側に吸込み口を有して、該吸込み口から吸い込んだ前記画像形成部の周囲空気を機体の外部へ排気するための排気ダクトとを備える。そして、前記排気ダクトに、前記画像形成部を構成する機能部品が設けられていることを特徴とする。
【0007】
具体的には、前記排気ダクトの前記感光体ドラムに対向する上流部に、前記画像形成部の周囲空気を吸い込むための吸込み口が設けられており、前記排気ダクトの上流部に、前記画像形成部を構成する除電デバイスが設けられている。
【0008】
また、前記排気ダクトの前記感光体ドラムに対向する上流部に、前記画像形成部の周囲空気を吸い込むための吸込み口が設けられており、前記排気ダクトの上流部に、前記画像形成部を構成する露光ヘッドが設けられている。
【発明の効果】
【0009】
本発明においては、排気ダクトに、画像形成部を構成する機能部品を設けたので、当該機能部品を支持するための専用の支持部材を削減することができる。従って、画像形成装置の部品点数を減らして、画像形成装置の製造コストを削減することができる。
【0010】
具体的には、排気ダクトの上流部に、画像形成部を構成する除電デバイスを設ける。これによれば、当該除電デバイスを支持するための専用の支持要素を廃することができるので、その分だけ部品点数を減らし、画像形成装置の製造コストを削減することができる。
【0011】
加えて、従来においては、機体に対して着脱可能に構成されるプロセスユニットの一部品として一体化されていた除電デバイスを、本発明によれば、プロセスユニットから外して排気ダクトに設けることができる。従って、消耗部品であるプロセスユニットの交換時において除電デバイスが交換されることを防ぐことができる。すなわち、一般的に、画像形成部の構成部品である、感光体ドラム、帯電デバイス、露光ヘッド、現像デバイス、除電デバイス、および清掃デバイスなどは、メンテナンスの容易化を図るため、プロセスユニットとして、装置本体に対して着脱可能に構成されることが多い。しかし、除電デバイスが故障することにより、画像形成部が動作不良に陥ることは極めて稀であり、プロセスユニットの交換時に除電デバイスを同時に交換することは、コスト的に著しい無駄があると言わざるを得ない。これに対して本願発明においては、プロセスユニットから除電デバイスを外して、これを排気ダクトに設けたので、交換部品であるプロセスユニットの低コスト化を図り、結果として画像形成装置の全体コストを削減することができる。
【0012】
排気ダクトの上流部に、画像形成部を構成する露光ヘッドを設ける。これによれば、当該露光ヘッドを支持するための専用の支持要素を廃することができるので、その分だけ部品点数を減らし、画像形成装置の製造コストを削減することができる。また、プロセスユニットから露光ヘッドを外して、これを排気ダクトに設けたので、交換部品であるプロセスユニットの低コスト化を図り、結果として画像形成装置の全体コストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る画像形成装置の要部の縦断正面図である。
【図2】画像形成装置を概念的に示す正面図である。
【図3】排気ダクトの全体構造を示す、画像形成装置の縦断正面図である。
【図4】排気ダクトの平面図である。
【図5】排気ダクトの側面図である。
【図6】排気ダクトに設けられた露光ヘッドの動作を説明するための図である。
【図7】近接位置における露光ヘッドの状態を示す図である。
【図8】離間位置における露光ヘッドの状態を示す図である。
【図9】図6のA−A線断面図である。
【図10】排気ダクトに設けられた規制片を示す図である。
【図11】排気ダクトに設けられた規制片を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施例) 図1から図11に、本発明に係る画像形成装置を、コピー機能とファクシミリ機能とを備えた複合機に適用した実施例を示す。なお、本発明における前後、左右、上下とは、図2、図4、図5および図6に示す交差矢印と、各矢印の近傍に表記した前後、左右、上下の表示に従う。
【0015】
図2において複合機1は、フラットベッドスキャナとして機能する画像読取部2と、画像読み取り、および記録の開始等を入力するための操作パネル3と、画像形成部4および排気ダクト5を備える機体6と、記録用紙を順次供給する給紙カセット7とを備える。機体6の前面、すなわち操作パネル3が設けられた面にはフロントカバーが設けられ、右側面にはジャムアクセスカバーが設けられている。これらフロントカバー、ジャムアクセスカバーを開放することにより、機体6の内部にアクセスすることができる。
【0016】
画像読取部2の上面には、原稿読取面を開閉するプラテンカバー8が設けられている。プラテンカバー8には自動原稿搬送部(ADF)9が組み込まれている。プラテンカバー8は、その後端に設けたヒンジを中心にして上下に揺動することにより、原稿読取面の上面に被さり、或いは原稿読取面の上面を開放する。
【0017】
給紙カセット7は、上方開放状に形成されており、フラッパおよび給紙ローラ11を備え、前方に向かって引き出し可能に構成されている。給紙カセット7の上方には、画像形成部4が配置され、更にその上には定着部12および排紙トレイ13が配置されている。機体6の内部には、給紙カセット7から排紙トレイ13へ記録用紙を搬送するための搬送路10(図3参照)が形成されている。この搬送路10は、給紙カセット7の一端側から上方に向かって延びて画像形成部4に至り、更に上方に延びて定着部12を通過した後、水平方向へ湾曲して排紙トレイ13に至るように構成されている。
【0018】
図1および図3に示すように、画像形成部4は、感光体ドラム14と、感光体ドラム14の周囲に配設された帯電デバイス15、露光デバイス(露光ヘッド)16、現像デバイス17、転写ローラ18、クリーニングデバイス19、および除電デバイス20で構成されている。これらのうち、感光体ドラム14、帯電デバイス15、およびクリーニングデバイス19は、プロセスユニット21として、ユニット部品化されている。
【0019】
感光体ドラム14は、表面に有機感光体による光導電膜が形成され、モータにより所定速度で回転駆動されるように構成されている。帯電デバイス15は、所謂スコロトロン帯電器と呼ばれる非接触のコロナ帯電方式のものに構成され、この帯電器によって感光体ドラムの表面が均一に、例えば負に帯電されるようになっている。なお、帯電デバイス15には、非接触のコロナ帯電方式に代えて接触型のローラ帯電方式等、他の帯電デバイスを採用してもよい。
【0020】
露光デバイスとしての露光ヘッド16は、LEDアレイを記録画素数だけ並設してなるものであり、LEDアレイが発した光をセルフォックレンズアレイで感光体ドラム14の表面に結像する。露光ヘッド16は、感光体ドラム14に対して画像情報に基づいて感光体ドラム14の表面を選択的に露光して、その表面に静電潜像を形成する。帯電デバイス15により帯電された感光体ドラム14の表面は、露光ヘッド16により露光されることにより表面電位が減衰し、露光されていない部分との電位差により静電潜像が形成される。
【0021】
現像デバイス17は、供給ローラ23と、現像ローラ24と、トナー容器25とを備える。不図示の電気回路から供給ローラ23および現像ローラ24に各々に印加されるバイアス電圧の差により、トナー容器25のトナーが供給ローラ23を経て現像ローラ24へ供給され、現像ローラ24の表面にトナー層が形成される。トナー層が形成された現像ローラ24が感光体ドラム14に近接した位置で回転され、感光体ドラム14の静電潜像との電位差により現像ローラ24上のトナーが感光体ドラム14へ移動し、該静電潜像に基づいてトナー画像が感光体ドラム14の表面に形成される。トナー容器25の内部には、攪拌部材26が設けられており、この攪拌部材26を回転駆動することにより、トナーを均一に攪拌することができる。また、トナー容器25の上部には、トナーカートリッジ27が配置されている。このトナーカートリッジ27は、前後方向に伸びる四角容器状に形成されており、機体6に対して着脱可能に構成されている。なお、このような現像デバイス17は一例であり、磁性トナー又は非磁性トナーの選択や、接触現像法又は非接触現像法の選択等は任意である。
【0022】
転写ローラ18は、搬送路10の対向位置において感光体ドラム14に圧接されており、不図示の電気回路からバイアス電圧が印加されるようになっている。給紙カセット7から搬送路を経て供給された記録用紙を、感光体ドラム14および転写ローラ18でニップしてバイアス電圧を印加することにより、感光体ドラム14の表面に形成されたトナー画像を記録用紙へ転写することができる。
【0023】
クリーニングデバイス19は、転写後の感光体ドラム14に圧接したクリーニングブレードであり、感光体ドラム14の表面に残留したトナーや紙粉を除去するとともにイレーサランプにより静電潜像を消去する。これにより、感光体ドラム14の表面が清掃されて連続使用が可能となる。なお、クリーニングデバイス19としては、クリーニングローラ等による他の接触型の方式や非接触方式も採用でき、また、クリーニングデバイスを用いないクリーニングレス方式とすることもできる。
【0024】
除電デバイス20は、用紙幅方向である前後方向に伸びる基板30と、該基板30上に前後方向に等間隔を置いて配置された多数個のLED31とからなる。LED31から感光体ドラム14に向けて照射光を照射することで、感光体ドラム14の表面電荷を取り除くことができる。
【0025】
定着部12は、搬送路の対向位置に夫々配置された加熱ローラ33および加圧ローラ34からなり、搬送路を搬送された記録用紙上のトナー画像を加熱および加圧して固定する。加熱ローラ33の表面はヒータにより所定の温度に維持されており、加熱ローラ33に加圧ローラ34が所定の圧力で圧接されている。トナー画像が転写された記録用紙が、加熱ローラ33と加圧ローラ34とにニップされることにより記録用紙上のトナーが溶融されて固定される。
【0026】
図3に示すように、排気ダクト5および画像形成部4等は、本体フレーム37・38で仕切られた機体6の空間内に配置されている。下方側の本体フレーム37は、上壁371と、上壁371の左右端から鉛直方向に伸びる起立壁372・373と、各起立壁372・373に連続して設けられて水平方向に伸びる底壁374・375とで構成される。上側の本体フレーム38は、排紙トレイ13と機体6とを仕切るものであり、大部分が水平方向に伸びる横壁381で構成されている。
【0027】
横壁381の下方に、合成樹脂製のダクト本体40をベースとする排気ダクト5が配置される。図3および図4に示すように、ダクト本体40は、底壁401と、底壁401の前後端から鉛直方向に立ち上げ形成された前後一対の縦壁402・403を備え、上方開放状に形成されている。底壁401の左右方向の中央部には、支持壁404が下方に向けて突出状に形成されている。底壁401の右端部には、斜め上方向に立ち上げ形成された傾斜壁405と、傾斜壁405に連続して鉛直方向に形成された側壁406とが設けられている。
【0028】
図1および図3に示すように、ダクト本体40の右端部には吸込み口41が開口され、左端部には吸込み口41から吸い込まれた機体6の内部の空気を強制的に機外へ排出するための排気ファン42が配置されている。すなわち、排気ダクト5は、右端部を空気流路の上流側とし、左端部を空気流路の下流側として、吸込み口41から吸い込まれた空気を機外へ排出するようになっている。図4に示すように、底壁401は、上流側である右端から下流側である左端に向かって、次第に前後方向の幅寸法が小さくなるように形成されている。図3に示すように、底壁401は、上流から下流に向かって上り傾斜する第1傾斜面407と、第1傾斜面407に連続して形成され、下流に向かって下り傾斜する第2傾斜面408と、第2傾斜面408に連続して形成された水平面409とで構成されている。排気ダクト5よりも上流側の水平面409には、排気ダクト5の下方における機体6の内部空気を吸い込むための導入口43が形成されている。
【0029】
図4に示すように、底壁401の右端部には、前後方向に向かって一対のポケット410・411が設けられている。ポケット410・411は、底壁412と前後方向に伸びる縦壁413とを有し、上方に開口を有する容器状に形成されている。後方側のポケット411には、縦壁403の左半部に沿って、排気ファン42に電力を供給するためのハーネス66が収容されるハーネス収容部414が後方向かって張り出し形成されている。なお、図4において、符号415は、底壁401に一体形成された整流板を示す。また、図4および図6おいて、符号416は、支持壁404の下面に突出状に形成された位置決め用のボスを示す。
【0030】
以上のような構成からなる排気ダクト5は、画像形成部4において発生した高温の空気およびオゾンフィルタでろ過後の空気を機体6の外部へ強制的に排気することを主たる目的とする。このため、排気ダクト5の上流部である右端部は、感光体ドラム14に近接する位置にあり、この上流部に吸込み口41が形成されている。より具体的には、傾斜壁405との境界部における底壁401に、下方に指向するように吸込み口41が設けられている。
【0031】
そのうえで、本実施形態においては、以上のような構成からなる排気ダクト5の上流部に、画像形成部4を構成する機能部品が取り付けられている。すなわち、画像形成部4を構成する機能部品の支持要素として、排気ダクト5の上流部を利用している。具体的には、上記のように、底壁401の右端部に傾斜壁405を形成して、この傾斜壁405の外側面に、不図示のビスにより、除電デバイス20を構成する基板30を固定している。傾斜壁405の傾斜角度は、除電デバイス20のLED31からの照射光が感光体ドラム14に向かう傾斜角度に設定されている。
【0032】
また、排気ダクト5の底壁401の下面には、露光ヘッド16が装着されている。具体的には、図5に示すように、底壁401の上流部には、前後一対の支持台50・50が装着されており、これら支持台50・50に露光ヘッド16が取り付けられている。各支持台50は、ベース板501に設けられた軸受孔502と、軸受孔502の下方に設けられた上下一対の溝状のガイドレール503・503と、ガイドレール503の上方に設けられた左右一対のロック穴504とを備える。
【0033】
ガイドレール503・503は、感光体ドラムに向かう傾斜状に形成されている。このガイドレール503に沿って、露光ヘッド16を保持するヘッドホルダー60が、感光体ドラム14に近付く近接位置(図7参照)と、感光体ドラム14から遠ざかる離間位置(図8参照)との間で移動可能に構成されている。ヘッドホルダー60は、前後方向に長いプラスチック成形品であり、感光体ドラム14に対向する右端面に、露光ヘッド16を装填するための開口部を有する。また、ヘッドホルダー60の前後端には、各ガイドレール503・503に入り込み、ヘッドホルダー60をガイドレール503・503に沿って移動させるためのガイド片601が突出状に形成されている。図5および図9に示すように、ヘッドホルダー60の前後端には、ロック片602と、ロック片602を付勢するバネ603とを組み付けるためのハウジング604が設けられている。ロック片602は、バネ603によりハウジング604から前後方向に突出する方向に付勢されており、ロック片602がいずれかのロック穴504に入り込むことにより、近接位置および離間位置における露光ヘッド16の位置が保持される。
【0034】
両支持台50の軸受穴502・502の間には、操作軸505が装着されている。操作軸505の前後方向の中央部には、ヘッドホルダー60を近接位置と離間位置との間で姿勢を変位させるための操作片506・506が二つ装着されている。各操作片506の下端にはピン507が設けられており、このピン507がヘッドホルダー60に設けられたピン穴605に連結されている。操作軸505の前端には、手動操作用の操作部材610が装着されている。以上より、操作部材610を、手動操作により時計方向に回転させることにより、操作軸505および操作片506を回転させて、露光ヘッド16を近接位置から離間位置に切り替えることができる。また、操作部材610を反時計方向に回転させることにより、露光ヘッド16を離間位置から近接位置に退避させることができる。
このように、露光ヘッド16が離間位置に退避可能に構成されていると、プロセスユニット21の交換時に、誤って露光ヘッド16にプロセスユニット21が接触して露光ヘッド16が傷つくことを防ぐことができる。
【0035】
図4に示すように、後方側のポケット411を介して、露光ヘッド16に操作信号を送るためのハーネス65が案内されている。具体的には、ポケット411の底面には、ハーネス65の中間に装着されたフェライトコア67を保持するための保持爪が一体に形成されており、保持爪420にフェライトコア67を押し込んでセットすることで、ハーネス65がポケット411から浮き上がり、他の部品等に引っ掛かり傷つくことを防ぐことができる。底壁412の右端部には、ハーネス65を露光ヘッド16に導くための開口421が形成されている。また、底壁412の左端部には、ハーネス65を制御部に導くための開口422が形成されている。
【0036】
ハーネス収容部414の底面には、複数本の断続壁430が設けられている。断続壁430は、左右方向に隙間を形成しつつ反復して配置される。ハーネス66を断続壁430の間に押し込んでセットすることで、ハーネス66がハーネス収容部414から浮き上がり、他の部品等に引っ掛かり傷つくことを防ぐことができる。
【0037】
図3、図10および図11に示すように、ポケット411の底壁412の下面には、誤ったカートリッジ27の装着を防ぐための規制部材70が装着されている。本実施形態に挙げる規制部材70は、前後方向に伸びる2つの規制片71・71を要素とし、これら規制片71・71が5つのレーンから選択される2つのレーンにビスにより装着されている(レーンについては図4参照)。図10および図11に示すように、規制部材70に対応して、カートリッジ27の上面には、複数本のリブ81と、これらリブ81の間に設けられた進入溝82とを備える被規制体80が装着されている。被規制体80は90°ずつ回転させた状態で、カートリッジ27に装着することができる。従って、図10に示すように、被規制体80の進入溝82の位置と排気ダクト5側の規制片71の位置とが一致する場合には、カートリッジ27を後方向に押し込んで所定位置に装着することができる。これに対して、図11に示すように、被規制体80の進入溝82の位置と排気ダクト5側の規制片71の位置とが不一致となる場合には、カートリッジ27を所定位置まで押し込んで装着することができない。これにて、誤ったカートリッジ27が装着されることに起因する、画像形成装置の動作不良の発生を効果的に防ぐことができる。
【0038】
以上のように、本実施形態に係る複合機1によれば、排気ダクト5に、プロセスユニット21を構成する除電デバイス20や露光ヘッド16などの機能部品を設けた。これにより、これら機能部品を支持するための専用の支持部材を削減する、或いは廃することができるので、複合機1の部品点数を減らして、画像形成装置の製造コストを削減することができる。
【0039】
また、従来においては、プロセスユニット21に一体化されていた除電デバイス20や露光ヘッド16などの機能部品を排気ダクト5に設けたので、プロセスユニット21の交換時に、除電デバイス20等が交換されることを防ぐことができる。従って、交換部品であるプロセスユニット21の低コスト化を図り、結果として複合機1の全体コストを削減することができる。
【0040】
排気ダクト5の形状は、上記実施形態に示したものに限られない。すなわち、本発明の排気ダクト5としては、直円錐形のコニカルホーン、双曲線ホーンと称されるハイボリックホーン、指数ホーンと称されるイクスポネンシャルホーンなどを採用することができる。
【0041】
また、上記実施形態においては、排気ダクト5に除電デバイス20と露光ヘッド16とを設けたが、これら除電デバイス20と露光ヘッド16のいずれか一方のみを排気ダクト15に設けた形態であってもよい。
【符号の説明】
【0042】
1 画像形成装置(複合機)
4 画像形成部
5 排気ダクト
6 機体
14 感光体ドラム
16 露光ヘッド
20 除電デバイス
41 吸込み口
【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体ドラムを含む画像形成部と、上流側に吸込み口を有して、該吸込み口から吸い込んだ前記画像形成部の周囲空気を機体の外部へ排気するための排気ダクトとを備え、
前記排気ダクトに、前記画像形成部を構成する機能部品が取り付けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記排気ダクトの前記感光体ドラムに対向する上流部に、前記画像形成部の周囲空気を吸い込むための吸込み口が設けられており、
前記排気ダクトの上流部に、前記画像形成部を構成する除電デバイスが設けられている、請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記排気ダクトの前記感光体ドラムに対向する上流部に、前記画像形成部の周囲空気を吸い込むための吸込み口が設けられており、
前記排気ダクトの上流部に、前記画像形成部を構成する露光ヘッドが設けられている、請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項1】
感光体ドラムを含む画像形成部と、上流側に吸込み口を有して、該吸込み口から吸い込んだ前記画像形成部の周囲空気を機体の外部へ排気するための排気ダクトとを備え、
前記排気ダクトに、前記画像形成部を構成する機能部品が取り付けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記排気ダクトの前記感光体ドラムに対向する上流部に、前記画像形成部の周囲空気を吸い込むための吸込み口が設けられており、
前記排気ダクトの上流部に、前記画像形成部を構成する除電デバイスが設けられている、請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記排気ダクトの前記感光体ドラムに対向する上流部に、前記画像形成部の周囲空気を吸い込むための吸込み口が設けられており、
前記排気ダクトの上流部に、前記画像形成部を構成する露光ヘッドが設けられている、請求項1又は2記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−70105(P2011−70105A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−223034(P2009−223034)
【出願日】平成21年9月28日(2009.9.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.セルフォック
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月28日(2009.9.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.セルフォック
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】
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