画像形成装置
【課題】定着ローラが記録媒体を搬送ドラムに押し付ける押付力が変化することで生じる記録媒体のシワや、定着ローラと記録媒体とが滑ることで生じる記録媒体に形成された画像の損傷を抑制することができる画像形成装置を得る。
【解決手段】従動ローラ78と定着ローラ74との間に設けられた回転力伝達手段82が、定着ドラム50に対して従動回転する従動ローラ78の回転力を定着ローラ74に伝達し、従動ローラ78の回転軸と定着ローラ74の回転軸とのずれを許容する。これにより、用紙Pに形成された画像と定着ローラ74との間での滑り(スリップ)が減少し、用紙Pに形成された画像が損傷するのを抑制することができる。また、用紙Pの厚さによって、定着ローラ74が定着ドラム50の外表面に対して近接又は離間するため、用紙Pを定着ドラム50の外表面に押し付ける押付力が所定の範囲内となり、用紙Pにシワが生じるのを抑制することができる。
【解決手段】従動ローラ78と定着ローラ74との間に設けられた回転力伝達手段82が、定着ドラム50に対して従動回転する従動ローラ78の回転力を定着ローラ74に伝達し、従動ローラ78の回転軸と定着ローラ74の回転軸とのずれを許容する。これにより、用紙Pに形成された画像と定着ローラ74との間での滑り(スリップ)が減少し、用紙Pに形成された画像が損傷するのを抑制することができる。また、用紙Pの厚さによって、定着ローラ74が定着ドラム50の外表面に対して近接又は離間するため、用紙Pを定着ドラム50の外表面に押し付ける押付力が所定の範囲内となり、用紙Pにシワが生じるのを抑制することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の画像形成装置には、円柱状の圧胴の外表面と接して従動回転するヒートローラが記載されている。そして、特許文献1には、ヒートローラの両端部にゴムなどの摩擦係数の高い部材を付与したり、粗面加工を施したりするなどによって駆動力を高めてもよい旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−120072号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の技術では定着ローラをしっかり駆動させる為に押しつけ力を強くしすぎると記録媒体にシワが発生することが考えられる。また押しつけ力を少なくすると定着ローラがスリップし記録媒体に形成された画像が損傷する事が考えられる。
【0005】
本発明の課題は、定着ローラが記録媒体を搬送ドラムに押し付ける押付力が変化することで生じる記録媒体のシワや、定着ローラと記録媒体とが滑ることで生じる記録媒体に形成された画像の損傷を抑制することが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係る画像形成装置は、シート状の記録媒体に画像を形成する液滴吐出ヘッドから吐出された液滴によって表面に画像が形成された記録媒体の裏面を保持して記録媒体を搬送する搬送ドラムと、前記搬送ドラムに保持された前記記録媒体上に形成された画像を記録媒体に定着させる定着装置と、を備え、前記定着装置は、前記搬送ドラムの外周面に接して従動回転する従動ローラと、前記記録媒体を前記搬送ドラムの外周面に向けて押圧する定着ローラと、前記従動ローラの回転力を前記定着ローラに伝達すると共に、前記従動ローラの回転軸と前記定着ローラの回転軸とのずれを許容する回転力伝達手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
上記構成によれば、シート状の記録媒体の表面に液滴吐出ヘッドから吐出された液滴によって画像が形成され、搬送ドラムが、表面に画像が形成された記録媒体の裏面を保持して記録媒体を搬送する。
【0008】
そして、定着装置に設けられた従動ローラが搬送ドラムの外周面に接して従動回転し、回転力伝達手段が従動ローラの回転力を定着ローラに伝達すると共に、従動ローラの回転軸と定着ローラの回転軸とのずれを許容する。そして、定着ローラが回転しながら記録媒体を搬送ドラムの外周面に向けて押圧し、搬送ドラムに保持された記録媒体上に形成された画像を記録媒体に定着させる。
【0009】
このように、回転力伝達手段が従動ローラの回転力を定着ローラに伝達するため、定着ローラが確実に回転する。これにより、記録媒体と定着ローラとの間での滑り(スリップ)が減少し、記録媒体に形成された画像が損傷するのを抑制することができる。
【0010】
また、回転力伝達手段によって、従動ローラの回転軸と定着ローラの回転軸とのずれが許容される。このため、記録媒体の厚さによって定着ローラが搬送ドラムの外表面に対して近接又は離間するので記録媒体の厚さを吸収すると共に、従動ローラを強く搬送ドラムの外周面に接する様にしても、従動ローラを搬送ドラムに対して押圧した力が定着ローラに対して伝わらないのでシワが発生しない。
【0011】
本発明の請求項2に係る画像形成装置は、請求項1に記載において、前記従動ローラを前記搬送ドラムの外周面に押し付ける付勢部材が設けられることを特徴とする。
【0012】
上記構成によれば、付勢部材が従動ローラを搬送ドラムの外周面に押し付ける。このため、従動ローラが、確実に搬送ドラムの外周面に接して従動回転することができる。
【0013】
本発明の請求項3に係る画像形成装置は、請求項1に記載において、前記従動ローラには、前記従動ローラの外周面に磁場を生じさせ、前記従動ローラを前記搬送ドラムの外周面に吸着させる磁石が設けられることを特徴とする。
【0014】
上記構成によれば、従動ローラに設けられた磁石が、従動ローラの外周面に磁場を生じさせ、従動ローラを搬送ドラムの外周面に吸着させる。このため、従動ローラが、確実に搬送ドラムの外周面に接して従動回転することができる。
【0015】
本発明の請求項4に係る画像形成装置は、請求項1〜3の何れか1項に記載において、前記回転力伝達手段は、前記従動ローラから回転力を受けて回転すると共に前記従動ローラに対して、前記従動ローラの回転軸の第1の径方向へ相対移動可能な第一移動部と、前記定着ローラに設けられ、前記第一移動部から回転力を前記定着ローラに伝達すると共に、前記第一移動部に対して、前記第1の径方向に対して交差する第2の径方向へ相対移動可能な第二移動部と、を備えることを特徴とする。
【0016】
上記構成によれば、従動ローラの回転軸の第1の径方向へ従動ローラに対して相対移動可能な第一移動部が、従動ローラから回転力を受けて回転する。
【0017】
さらに、第一移動部に対して第1の径方向に対して交差する第2の径方向へ相対移動可能な第二移動部が、第一移動部から回転力を前記定着ローラに伝達する。
【0018】
このように、第一移動部と第二移動部とを含んで構成される回転力伝達手段が、従動ローラの回転力を定着ローラに伝達すると共に、従動ローラの回転軸と定着ローラの回転軸とのずれを許容する。
【0019】
本発明の請求項5に係る画像形成装置は、請求項1〜3の何れか1項に記載において、前記回転力伝達手段は、前記従動ローラに設けられ、凹状又は凸状の係合部と、前記定着ローラに設けられ、前記係合部と係合して前記従動ローラの回転力を前記定着ローラに伝達すると共に、前記従動ローラに対して前記従動ローラの回転軸の径方向に相対移動可能な凸状又は凹状の被係合部と、を備えることを特徴とする。
【0020】
上記構成によれば、定着ローラに設けられた被係合部が、従動ローラに設けられた係合部と係合して従動ローラの回転力を定着ローラに伝達する。さらに、被係合部は、従動ローラに対して従動ローラの回転軸の径方向に相対移動可能とされている。
【0021】
このように、係合部と被係合部とを含んで構成される回転力伝達手段が、従動ローラの回転力を定着ローラに伝達すると共に、従動ローラの回転軸と定着ローラの回転軸とのずれを許容する。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、定着ローラが記録媒体を搬送ドラムに押し付ける押付力が変化することで生じる記録媒体のシワや、定着ローラと記録媒体とが滑ることで生じる記録媒体に形成された画像の損傷を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置に用いられる定着装置等を示した斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置に用いられる定着装置等を示した側面図である。
【図3】(A)(B)本発明の第1実施形態に係る画像形成装置用いられた定着ローラ、従動ローラ及び回転力伝達手段等を示した斜視図である。
【図4】(A)(B)本発明の第1実施形態に係る画像形成装置用いられた定着ローラ、従動ローラ及び回転力伝達手段等を示した側面図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置を示した概略構成図である。
【図6】(A)(B)本発明の第2実施形態に係る画像形成装置用いられた定着ローラ、従動ローラ及び回転力伝達手段等を示した斜視図である。
【図7】(A)(B)本発明の第2実施形態に係る画像形成装置用いられた定着ローラ、従動ローラ及び回転力伝達手段等を示した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の第1実施形態に係る画像形成装置10の一例について図1〜図5に従って説明する。なお、図中の矢印UPは、鉛直方向上方を示す。
【0025】
(全体構成)
図5に示されるように、画像形成装置10は、記録媒体としての用紙Pを装置本体10Aに供給する給紙部12と、用紙Pの画像形成面に処理液を塗布する処理液塗布部14と、用紙Pに画像を形成する画像記録部16と、画像が形成された描画部の膜質を強化するために用紙Pを乾燥させる(水分を減少させる)乾燥部18と、形成された画像を用紙Pに定着させる定着部20と、用紙Pが排出される排出部22と、を備えている。
【0026】
そして、給紙部12には、用紙Pが積載され、給紙部12がこの用紙Pを1枚ずつ装置本体10Aに向けて送り出すようになっている。さらに、給紙部12に対して、用紙Pの搬送方向下流側(以下単に下流側という)には、給紙部12から送り出された用紙Pを装置本体10Aに向けて案内する給紙トレイ24が設けられている。また、給紙トレイ24の下流側で、装置本体10A内には、回転しながら用紙Pを外周面に沿わせて搬送する給紙ドラム26が設けられている。そして、給紙ドラム26によって、用紙Pは処理液塗布部14へ搬送されるようになっている。
【0027】
さらに、処理液塗布部14には、給紙ドラム26よって搬送された用紙Pを回転しながら受け取り、外周面に沿わせて搬送する処理液塗布ドラム28が設けられている。詳細には、処理液塗布ドラム28の外周面には、用紙Pの先端部を保持する保持部材30が設けられている。この構成により、用紙Pの先端が保持部材30で保持された状態で、処理液塗布ドラム28の回転により用紙Pが下流側へ搬送されるようになっている。なお、保持部材30については、後述する各ドラムに同様に設けられている。
【0028】
また、処理液塗布ドラム28の上部には、処理液塗布ドラム28によって搬送される用紙Pの画像形成面に処理液をと塗布する処理液塗布装置32が設けられている。なお、処理液は、後述する液滴と反応して色材(顔料)を凝集し、色材(顔料)と溶媒を分離促進する効果を有している。
【0029】
さらに、処理液塗布ドラム28の下流側には、処理液塗布ドラム28よって搬送された用紙Pを回転しながら受け取り、画像記録部16に向けて搬送する搬送ドラム34が設けられている。
【0030】
また、画像記録部16には、搬送ドラム34によって搬送された用紙Pを回転しながら受け取り、外周面に沿わせて搬送する画像記録ドラム36が設けられている。さらに、画像記録ドラム36の上方には、画像記録ドラム36によって搬送される用紙Pにインク等の液滴を吐出して用紙Pに画像を形成する液滴吐出ヘッド38が設けられている。そして、液滴吐出ヘッド38は、用紙Pの最大幅に対応するインク吐出範囲を有する、いわゆるフルラインヘッドとされている。なお、本実施形態では、一例として基本色であるY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(サイアン)、K(クロ)の4色の液滴吐出ヘッド38が画像記録ドラム36の周方向に沿って配置されている。
【0031】
さらに、画像記録ドラム36の下流側には、画像記録ドラム36よって搬送された用紙Pを受け取り乾燥部18に向けて搬送する搬送ドラム40が設けられている。
【0032】
また、乾燥部18には、搬送ドラム40によって搬送された用紙Pを回転しながら受け取り、外周面に沿わせて搬送する乾燥ドラム42が設けられている。そして、乾燥ドラム42の上方には、ハロゲンヒータ44及び温風ノズル46が配置されている。用紙Pが乾燥ドラム42によって搬送されつつ、画像が形成された描画部の膜質を強化するために用紙Pに含まれる水分がハロゲンヒータ44からの熱と、温風ノズル46からの温風とにより、減少するようになっている(乾燥するようになっている)。これにより、用紙Pに形成された画像の膜質強度が向上するようになっている。
【0033】
さらに、乾燥ドラム42の下流側には、乾燥ドラム42によって搬送された用紙Pを受け取り定着部20に向けて搬送する搬送ドラム48が設けられている。
【0034】
また、定着部20には、搬送ドラム48によって搬送された用紙Pを回転しながら受け取り、外周面に沿わせて搬送する搬送ドラムの一例としての定着ドラム50が設けられている。そして、定着ドラム50の外周面に対向するように、定着ドラム50の上方には、用紙P上に形成された画像を用紙Pに定着させる定着装置64と、用紙P上のチェックパターンや水分量、表面温度、光沢度等を計測するインラインセンサ66とが設けられている。なお、定着装置64については詳細を後述する。
【0035】
そして、定着ドラム50の下流側には、定着ドラム50によって搬送された用紙Pを回転しながら受け取り、受け取った用紙Pを装置本体10A外へ排出する排出ドラム52が設けられている。
【0036】
また、排出ドラム52の下流側には、装置本体10Aの外部へ用紙Pを案内する湾曲状に形成された案内板54が設けられている。さらに、排出ドラム52によって、装置本体10A外に排出された用紙Pが積載される積載部68が、排出部22に設けられている。
【0037】
(要部構成)
次に、定着装置64等の構成について説明する。
【0038】
図1、図2に示されるように、定着装置64は、装置本体10A(図5参照)に固定されたハウジング72と、定着ドラム50の外表面に保持された用紙Pを定着ドラム50に押し付けて用紙Pに形成された画像を用紙Pに定着させる定着ローラ74と、定着ローラ74の長手方向両側に配置され、定着ドラム50の外周面に接して従動回転する従動ローラ78と、従動ローラ78が回転自在に取り付けられると共にハウジング72に揺動可能に取り付けられる取付部材80と、従動ローラ78の回転力を定着ローラ74に伝達すると共に、従動ローラ78の回転軸と定着ローラ74の回転軸とのずれを許容する回転力伝達手段82とを備えている。
【0039】
定着ローラ74は、インクを加熱加圧することによって、インク中の樹脂粒子(特に自己分散性ポリマー粒子)を溶着し、インクを皮膜化させるためのローラ部材であり、用紙Pを加熱加圧するようになっている。
【0040】
具体的には、用紙Pは、定着ローラ74と定着ドラム50との間に挟まれ、所定のニップ圧(例えば0.15MPa)でニップされ、定着処理が行なわれる。また、定着ローラ74は、熱伝導性の良いアルミなどの金属パイプ内に加熱用のハロゲンランプ(図示省略)が組み込まれて構成され、所定の温度(例えば60〜80℃)に制御されるようになっている。
【0041】
そして、定着ローラ74で用紙Pを加熱することによって、インクに含まれる樹脂粒子のTg(ガラス転移温度)以上の熱エネルギーがインクに付与され、樹脂粒子が溶融されることにより、用紙Pの凹凸にインクが押し込まれて定着が行なわれるようになっている。また、このように用紙Pの凹凸にインクが押し込まれることで、画像表面の凹凸がレベリングされ、画像の光沢が得られるようになっている。
【0042】
さらに、定着ローラ74の長手方向両端部には、回転力伝達手段82を介して一対の従動ローラ78が設けられている。従動ローラ78の外周面は、回転する定着ドラム50の外周面の両端部に接するように配置されており、一対の従動ローラ78は、回転する定着ドラム50に対して従動回転するようになっている。
【0043】
さらに、一対の従動ローラ78を外側から回転自在に支持する取付部材80は、取付部材80の一端側に設けられた軸部80Aでハウジング72に対して揺動可能に取り付けられており、取付部材80の他端側には、圧縮コイルスプリングである付勢部材の一例としてのスプリング86の一端部が取り付けられている。また、スプリング86の他端は、ハウジング72の内側に設けられた凸部72Aに取り付けられている。そして、従動ローラ78が定着ドラム50の外表面に接した状態で、スプリング86は、予め決められた量だけ圧縮されるようになっている。
【0044】
この構成により、スプリング86の付勢力が取付部材80を介して従動ローラ78に伝達され、従動ローラ78が定着ドラム50の外周面に押し付けられるようになっている。
【0045】
また、図1に示されるように、従動ローラ78が押し付けられる定着ドラム50の外周面であって、保持部材30が配置された両端部には、他の一般部よりも定着ドラム50の径方向に円弧状に突出する突起部50Aが設けられている。これにより、定着ローラ74が保持部材30を通過する際には、従動ローラ78が突起部50Aに載り上がることで、スプリング86が圧縮されて取付部材80が揺動する。そして、定着ローラ74が定着ドラム50の外表面から離間して、定着ローラ74と保持部材30とが干渉するのが防止されるようになっている。
【0046】
一方、図3(A)(B)に示されるように、従動ローラ78と定着ローラ74との間には、従動ローラ78から回転力を受けて回転すると共に、従動ローラ78に対して、従動ローラ78の回転軸の第1の径方向(図3(B)に示す矢印D方向)へ相対移動可能な第一移動部の一例としての第一リング部材88が設けられている。さらに、第一リング部材88に対して定着ローラ74側には、定着ローラ74の端部に固定され、第一リング部材88から回転力を定着ローラ74に伝達すると共に、第1の径方向に対して交差(本実施例では直交)する第2の径方向(図3(B)に示す矢印E方向)へ第一リング部材88に対して相対移動可能な第二移動部の一例としての第二リング部材90が設けられている。前述した回転力伝達手段82は、第一リング部材88と第二リング部材90とを含んで構成されている。
【0047】
詳細には、従動ローラ78は、外側が閉塞された筒状とされ、従動ローラ78の閉塞面78Aには、取付部材80(図2参照)に軸支される軸部78Bが突出して設けられている。さらに、従動ローラ78において定着ローラ74側を向いた円形状の端部には、従動ローラ78の回転軸を挟んで向かい合うように形成された一対の凸部78Cが設けられている。
【0048】
また、定着ローラ74の両端側には、用紙Pを押圧する一般部74Aより小径化された円筒部74Bが設けられ、円筒部74Bの外径は、従動ローラ78の内径より一回り小さくされている。そして、円筒部74Bの端部には、従動ローラ78が円筒部74Bの外周面と隙を空けて嵌るようになっている。
【0049】
さらに、従動ローラ78の内側(定着ローラ74側)には、前述した第一リング部材88が設けられている。第一リング部材88は、円筒状とされ、定着ローラ74の円筒部74Bに嵌るようになっている。また、第一リング部材88の内径は、円筒部74Bの外径より一回り大きくされている。
【0050】
さらに、第一リング部材88における従動ローラ78側の端面には、前述した第1の方向(矢印D方向)で第一リング部材88の回転軸を挟むように形成されると共に、従動ローラ78の凸部78Cが嵌る凹部88Aが形成されている。そして、凹部88Aに嵌められた凸部78Cは第1の方向に移動可能とされている。
【0051】
また、第一リング部材88における従動ローラ78側とは反対側の端面には、前述した第2の方向(矢印E方向)で第一リング部材88の回転軸を挟むように形成される凹状の凹部88Bが形成されている。
【0052】
さらに、第一リング部材88の内側には、定着ローラ74に固定される前述した第二リング部材90が設けられている。第二リング部材90は、円筒状とされ、定着ローラ74の円筒部74Bに嵌るようになっている。さらに、第二リング部材90における第一リング部材88側の端面には、第一リング部材88の凹部88Bに嵌る凸状の凸部90Aが形成されている。そして、凹部88Bに嵌められた凸部90Aは第2の方向に移動可能とされている。
【0053】
以上の構成により、従動ローラ78と第一リング部材88とは、第1の方向に相対移動が許容され、第一リング部材88と第二リング部材90とは、第2の方向に相対移動が許容される。これにより、回転力伝達手段82は、従動ローラ78の回転力を定着ローラ74に伝達すると共に、従動ローラ78の回転軸と定着ローラ74の回転軸とのずれを許容するようになっている。
【0054】
(作用・効果)
図5に示されるように、給紙部12から給紙された用紙Pは、回転する給紙ドラム26及び処理液塗布ドラム28の外周面に沿って搬送される。処理液塗布部14では、処理液塗布装置32が、処理液塗布ドラム28の外周面に沿って搬送される用紙Pの画像形成面に処理液を塗布する。
【0055】
さらに、処理液が塗布された用紙Pは、回転する搬送ドラム34及び画像記録ドラム36の外周面に沿って搬送される。画像記録部16では、各色の液滴吐出ヘッド38が、画像記録ドラム36によって搬送される用紙Pの画像形成面(表面)にインク等の液滴を吐出して用紙Pに画像を形成する。
【0056】
また、画像形成面に画像が形成された用紙Pは、回転する搬送ドラム40及び乾燥ドラム42の外周面に沿って搬送される。乾燥部18では、ハロゲンヒータ44の熱及び温風ノズル46から噴き出される温風により、用紙Pが乾燥する(用紙Pに含まれる水分が減少する。
【0057】
さらに、ハロゲンヒータ44の熱及び温風ノズル46から噴き出される温風により高温とされた用紙Pは、回転する搬送ドラム48及び定着ドラム50の外周面に沿って搬送される。定着部20では加熱された定着ローラ74(図2参照)で用紙Pを定着ドラム50の外表面に押し付けることで画像を用紙Pに定着する。さらに用紙Pはインラインセンサ66の対向部を通過する。インラインセンサ66は、通過する用紙P上のチェックパターンや水分量、表面温度、光沢度等を計測する。
【0058】
また、インラインセンサ66によって計測された用紙Pは、回転する排出ドラム52の外周面に沿って搬送され、案内板54に案内されて装置本体10Aの外部の排出部22に設けられた積載部68へ排出される。
【0059】
ここで、図1に示されるように、従動ローラ78と定着ローラ74との間に設けられた回転力伝達手段82が、定着ドラム50に対して従動回転する従動ローラ78の回転力を定着ローラ74に伝達し、従動ローラ78の回転軸と定着ローラ74の回転軸とのずれを許容する。
【0060】
このように、回転力伝達手段82が従動ローラ78の回転力を定着ローラ74に伝達するため、用紙Pに形成された画像と定着ローラ74との間での滑り(スリップ)が減少し、用紙Pに形成された画像が損傷するのを抑制することができる。
【0061】
また、図4(A)(B)に示されるように、回転力伝達手段82が従動ローラ78の回転軸と定着ローラ74の回転軸とのずれを許容するため、用紙Pの厚さによって、定着ローラ74が定着ドラム50の外表面に対して近接又は離間する。このため、用紙Pを定着ドラム50の外表面に押し付ける押付力が所定の範囲内となり、用紙Pにシワが生じるのを抑制することができる。
【0062】
次ぎに、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の一例について図6、図7に従って説明する。なお、第1実施形態と同一部材については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0063】
図6(A)(B)に示されるように、第2実施形態の従動ローラ92において定着ローラ74側を向いた円形状の端面には、従動ローラ92の回転軸を挟んで一対の凹状(円柱状)の係合部92Aが設けられている。
【0064】
さらに、定着ローラ74の円筒部74Bには、この円筒部74Bに固定される筒状のリング部材94が設けられ、このリング部材94の従動ローラ92側の端面には、係合部92Aに隙を空けて嵌る凸状(円柱状)の被係合部94Aが形成されている。
【0065】
以上より、従動ローラ92の回転力を定着ローラ74に伝達すると共に、従動ローラ92の回転軸と定着ローラ74の回転軸とのずれを許容する回転力伝達手段96は、係合部92Aと被係合部94Aとを備えて構成されている。
【0066】
この構成により、回転力伝達手段96が従動ローラ92の回転力を定着ローラ74に伝達するため、用紙Pに形成された画像と定着ローラ74との間での滑り(スリップ)が減少し、用紙Pに形成された画像が損傷するのを抑制することができる。
【0067】
また、図7(A)(B)に示されるように、回転力伝達手段96が、従動ローラ92の回転軸と定着ローラ74の回転軸とのずれを許容するため、用紙Pの厚さによって、定着ローラ74が定着ドラム50の外表面に対して近接又は離間する。このため、用紙Pを定着ドラム50の外表面に押し付ける押付力が所定の範囲内となり、用紙Pにシワが生じるのを抑制することができる。
【0068】
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、スプリングの86の付勢力を用いて従動ローラ78を定着ドラム50の外周面に押し付けて従動ローラ78を定着ドラム50に対して従動回転させたが、従動ローラの外周面に磁場を生じさせ、従動ローラを搬送ドラムの外周面に吸着させる磁石を設けることで、従動ローラ78を定着ドラム50に対して従動回転させてもよい。
【0069】
また、第1実施形態では、第1の径方向と第2の径方向とは直交したが、特に直交に限定されず交差する方向であればよい。
【0070】
また、第2実施形態では、従動ローラ92に凹状の係合部92Aが設けられ、リング部材94に係合部92Aと隙を空けて嵌る凸状の被係合部94Aが形成されているが、従動ローラに凸状の被係合部を設け、リング部材に凹状の係合部を設けてもよい。
【0071】
また、第2実施形態では、リング部材94に係合部92Aと隙を空けて嵌る凸状の被係合部94Aが形成されているが、凸状の被係合部を定着ローラの端面に設けても良い。
【0072】
また、第1、第2実施形態では、定着ローラ74の定着ドラム50への押しつけ力は定着ローラ74の自重としたが、従動ローラ92とは別に定着ローラを定着ドラムへ付勢する付勢部材を追加して定着ローラを定着ドラムに押し付けてもよい。
【0073】
また、第1実施形態では、定着ローラ74及び回転力伝達手段82の定着ドラム50に対する移動方向が一定方向に定められていなかったが、定着ローラ及び回転力伝達手段の移動をガイドするガイド部材を設けて定着ローラ及び回転力伝達手段の移動方向を定着ドラムから離れる方向(法線方向)としてもよい。
【符号の説明】
【0074】
10 画像形成装置
38 液滴吐出ヘッド
50 定着ドラム(搬送ドラムの一例)
64 定着装置
74 定着ローラ
78 従動ローラ
82 回転力伝達手段
86 スプリング(付勢部材の一例)
88 第一リング部材(第一移動部の一例)
90 第二リング部材(第二移動部の一例)
92A 係合部
92 従動ローラ
94A 被係合部
96 回転力伝達手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の画像形成装置には、円柱状の圧胴の外表面と接して従動回転するヒートローラが記載されている。そして、特許文献1には、ヒートローラの両端部にゴムなどの摩擦係数の高い部材を付与したり、粗面加工を施したりするなどによって駆動力を高めてもよい旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−120072号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の技術では定着ローラをしっかり駆動させる為に押しつけ力を強くしすぎると記録媒体にシワが発生することが考えられる。また押しつけ力を少なくすると定着ローラがスリップし記録媒体に形成された画像が損傷する事が考えられる。
【0005】
本発明の課題は、定着ローラが記録媒体を搬送ドラムに押し付ける押付力が変化することで生じる記録媒体のシワや、定着ローラと記録媒体とが滑ることで生じる記録媒体に形成された画像の損傷を抑制することが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係る画像形成装置は、シート状の記録媒体に画像を形成する液滴吐出ヘッドから吐出された液滴によって表面に画像が形成された記録媒体の裏面を保持して記録媒体を搬送する搬送ドラムと、前記搬送ドラムに保持された前記記録媒体上に形成された画像を記録媒体に定着させる定着装置と、を備え、前記定着装置は、前記搬送ドラムの外周面に接して従動回転する従動ローラと、前記記録媒体を前記搬送ドラムの外周面に向けて押圧する定着ローラと、前記従動ローラの回転力を前記定着ローラに伝達すると共に、前記従動ローラの回転軸と前記定着ローラの回転軸とのずれを許容する回転力伝達手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
上記構成によれば、シート状の記録媒体の表面に液滴吐出ヘッドから吐出された液滴によって画像が形成され、搬送ドラムが、表面に画像が形成された記録媒体の裏面を保持して記録媒体を搬送する。
【0008】
そして、定着装置に設けられた従動ローラが搬送ドラムの外周面に接して従動回転し、回転力伝達手段が従動ローラの回転力を定着ローラに伝達すると共に、従動ローラの回転軸と定着ローラの回転軸とのずれを許容する。そして、定着ローラが回転しながら記録媒体を搬送ドラムの外周面に向けて押圧し、搬送ドラムに保持された記録媒体上に形成された画像を記録媒体に定着させる。
【0009】
このように、回転力伝達手段が従動ローラの回転力を定着ローラに伝達するため、定着ローラが確実に回転する。これにより、記録媒体と定着ローラとの間での滑り(スリップ)が減少し、記録媒体に形成された画像が損傷するのを抑制することができる。
【0010】
また、回転力伝達手段によって、従動ローラの回転軸と定着ローラの回転軸とのずれが許容される。このため、記録媒体の厚さによって定着ローラが搬送ドラムの外表面に対して近接又は離間するので記録媒体の厚さを吸収すると共に、従動ローラを強く搬送ドラムの外周面に接する様にしても、従動ローラを搬送ドラムに対して押圧した力が定着ローラに対して伝わらないのでシワが発生しない。
【0011】
本発明の請求項2に係る画像形成装置は、請求項1に記載において、前記従動ローラを前記搬送ドラムの外周面に押し付ける付勢部材が設けられることを特徴とする。
【0012】
上記構成によれば、付勢部材が従動ローラを搬送ドラムの外周面に押し付ける。このため、従動ローラが、確実に搬送ドラムの外周面に接して従動回転することができる。
【0013】
本発明の請求項3に係る画像形成装置は、請求項1に記載において、前記従動ローラには、前記従動ローラの外周面に磁場を生じさせ、前記従動ローラを前記搬送ドラムの外周面に吸着させる磁石が設けられることを特徴とする。
【0014】
上記構成によれば、従動ローラに設けられた磁石が、従動ローラの外周面に磁場を生じさせ、従動ローラを搬送ドラムの外周面に吸着させる。このため、従動ローラが、確実に搬送ドラムの外周面に接して従動回転することができる。
【0015】
本発明の請求項4に係る画像形成装置は、請求項1〜3の何れか1項に記載において、前記回転力伝達手段は、前記従動ローラから回転力を受けて回転すると共に前記従動ローラに対して、前記従動ローラの回転軸の第1の径方向へ相対移動可能な第一移動部と、前記定着ローラに設けられ、前記第一移動部から回転力を前記定着ローラに伝達すると共に、前記第一移動部に対して、前記第1の径方向に対して交差する第2の径方向へ相対移動可能な第二移動部と、を備えることを特徴とする。
【0016】
上記構成によれば、従動ローラの回転軸の第1の径方向へ従動ローラに対して相対移動可能な第一移動部が、従動ローラから回転力を受けて回転する。
【0017】
さらに、第一移動部に対して第1の径方向に対して交差する第2の径方向へ相対移動可能な第二移動部が、第一移動部から回転力を前記定着ローラに伝達する。
【0018】
このように、第一移動部と第二移動部とを含んで構成される回転力伝達手段が、従動ローラの回転力を定着ローラに伝達すると共に、従動ローラの回転軸と定着ローラの回転軸とのずれを許容する。
【0019】
本発明の請求項5に係る画像形成装置は、請求項1〜3の何れか1項に記載において、前記回転力伝達手段は、前記従動ローラに設けられ、凹状又は凸状の係合部と、前記定着ローラに設けられ、前記係合部と係合して前記従動ローラの回転力を前記定着ローラに伝達すると共に、前記従動ローラに対して前記従動ローラの回転軸の径方向に相対移動可能な凸状又は凹状の被係合部と、を備えることを特徴とする。
【0020】
上記構成によれば、定着ローラに設けられた被係合部が、従動ローラに設けられた係合部と係合して従動ローラの回転力を定着ローラに伝達する。さらに、被係合部は、従動ローラに対して従動ローラの回転軸の径方向に相対移動可能とされている。
【0021】
このように、係合部と被係合部とを含んで構成される回転力伝達手段が、従動ローラの回転力を定着ローラに伝達すると共に、従動ローラの回転軸と定着ローラの回転軸とのずれを許容する。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、定着ローラが記録媒体を搬送ドラムに押し付ける押付力が変化することで生じる記録媒体のシワや、定着ローラと記録媒体とが滑ることで生じる記録媒体に形成された画像の損傷を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置に用いられる定着装置等を示した斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置に用いられる定着装置等を示した側面図である。
【図3】(A)(B)本発明の第1実施形態に係る画像形成装置用いられた定着ローラ、従動ローラ及び回転力伝達手段等を示した斜視図である。
【図4】(A)(B)本発明の第1実施形態に係る画像形成装置用いられた定着ローラ、従動ローラ及び回転力伝達手段等を示した側面図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置を示した概略構成図である。
【図6】(A)(B)本発明の第2実施形態に係る画像形成装置用いられた定着ローラ、従動ローラ及び回転力伝達手段等を示した斜視図である。
【図7】(A)(B)本発明の第2実施形態に係る画像形成装置用いられた定着ローラ、従動ローラ及び回転力伝達手段等を示した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の第1実施形態に係る画像形成装置10の一例について図1〜図5に従って説明する。なお、図中の矢印UPは、鉛直方向上方を示す。
【0025】
(全体構成)
図5に示されるように、画像形成装置10は、記録媒体としての用紙Pを装置本体10Aに供給する給紙部12と、用紙Pの画像形成面に処理液を塗布する処理液塗布部14と、用紙Pに画像を形成する画像記録部16と、画像が形成された描画部の膜質を強化するために用紙Pを乾燥させる(水分を減少させる)乾燥部18と、形成された画像を用紙Pに定着させる定着部20と、用紙Pが排出される排出部22と、を備えている。
【0026】
そして、給紙部12には、用紙Pが積載され、給紙部12がこの用紙Pを1枚ずつ装置本体10Aに向けて送り出すようになっている。さらに、給紙部12に対して、用紙Pの搬送方向下流側(以下単に下流側という)には、給紙部12から送り出された用紙Pを装置本体10Aに向けて案内する給紙トレイ24が設けられている。また、給紙トレイ24の下流側で、装置本体10A内には、回転しながら用紙Pを外周面に沿わせて搬送する給紙ドラム26が設けられている。そして、給紙ドラム26によって、用紙Pは処理液塗布部14へ搬送されるようになっている。
【0027】
さらに、処理液塗布部14には、給紙ドラム26よって搬送された用紙Pを回転しながら受け取り、外周面に沿わせて搬送する処理液塗布ドラム28が設けられている。詳細には、処理液塗布ドラム28の外周面には、用紙Pの先端部を保持する保持部材30が設けられている。この構成により、用紙Pの先端が保持部材30で保持された状態で、処理液塗布ドラム28の回転により用紙Pが下流側へ搬送されるようになっている。なお、保持部材30については、後述する各ドラムに同様に設けられている。
【0028】
また、処理液塗布ドラム28の上部には、処理液塗布ドラム28によって搬送される用紙Pの画像形成面に処理液をと塗布する処理液塗布装置32が設けられている。なお、処理液は、後述する液滴と反応して色材(顔料)を凝集し、色材(顔料)と溶媒を分離促進する効果を有している。
【0029】
さらに、処理液塗布ドラム28の下流側には、処理液塗布ドラム28よって搬送された用紙Pを回転しながら受け取り、画像記録部16に向けて搬送する搬送ドラム34が設けられている。
【0030】
また、画像記録部16には、搬送ドラム34によって搬送された用紙Pを回転しながら受け取り、外周面に沿わせて搬送する画像記録ドラム36が設けられている。さらに、画像記録ドラム36の上方には、画像記録ドラム36によって搬送される用紙Pにインク等の液滴を吐出して用紙Pに画像を形成する液滴吐出ヘッド38が設けられている。そして、液滴吐出ヘッド38は、用紙Pの最大幅に対応するインク吐出範囲を有する、いわゆるフルラインヘッドとされている。なお、本実施形態では、一例として基本色であるY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(サイアン)、K(クロ)の4色の液滴吐出ヘッド38が画像記録ドラム36の周方向に沿って配置されている。
【0031】
さらに、画像記録ドラム36の下流側には、画像記録ドラム36よって搬送された用紙Pを受け取り乾燥部18に向けて搬送する搬送ドラム40が設けられている。
【0032】
また、乾燥部18には、搬送ドラム40によって搬送された用紙Pを回転しながら受け取り、外周面に沿わせて搬送する乾燥ドラム42が設けられている。そして、乾燥ドラム42の上方には、ハロゲンヒータ44及び温風ノズル46が配置されている。用紙Pが乾燥ドラム42によって搬送されつつ、画像が形成された描画部の膜質を強化するために用紙Pに含まれる水分がハロゲンヒータ44からの熱と、温風ノズル46からの温風とにより、減少するようになっている(乾燥するようになっている)。これにより、用紙Pに形成された画像の膜質強度が向上するようになっている。
【0033】
さらに、乾燥ドラム42の下流側には、乾燥ドラム42によって搬送された用紙Pを受け取り定着部20に向けて搬送する搬送ドラム48が設けられている。
【0034】
また、定着部20には、搬送ドラム48によって搬送された用紙Pを回転しながら受け取り、外周面に沿わせて搬送する搬送ドラムの一例としての定着ドラム50が設けられている。そして、定着ドラム50の外周面に対向するように、定着ドラム50の上方には、用紙P上に形成された画像を用紙Pに定着させる定着装置64と、用紙P上のチェックパターンや水分量、表面温度、光沢度等を計測するインラインセンサ66とが設けられている。なお、定着装置64については詳細を後述する。
【0035】
そして、定着ドラム50の下流側には、定着ドラム50によって搬送された用紙Pを回転しながら受け取り、受け取った用紙Pを装置本体10A外へ排出する排出ドラム52が設けられている。
【0036】
また、排出ドラム52の下流側には、装置本体10Aの外部へ用紙Pを案内する湾曲状に形成された案内板54が設けられている。さらに、排出ドラム52によって、装置本体10A外に排出された用紙Pが積載される積載部68が、排出部22に設けられている。
【0037】
(要部構成)
次に、定着装置64等の構成について説明する。
【0038】
図1、図2に示されるように、定着装置64は、装置本体10A(図5参照)に固定されたハウジング72と、定着ドラム50の外表面に保持された用紙Pを定着ドラム50に押し付けて用紙Pに形成された画像を用紙Pに定着させる定着ローラ74と、定着ローラ74の長手方向両側に配置され、定着ドラム50の外周面に接して従動回転する従動ローラ78と、従動ローラ78が回転自在に取り付けられると共にハウジング72に揺動可能に取り付けられる取付部材80と、従動ローラ78の回転力を定着ローラ74に伝達すると共に、従動ローラ78の回転軸と定着ローラ74の回転軸とのずれを許容する回転力伝達手段82とを備えている。
【0039】
定着ローラ74は、インクを加熱加圧することによって、インク中の樹脂粒子(特に自己分散性ポリマー粒子)を溶着し、インクを皮膜化させるためのローラ部材であり、用紙Pを加熱加圧するようになっている。
【0040】
具体的には、用紙Pは、定着ローラ74と定着ドラム50との間に挟まれ、所定のニップ圧(例えば0.15MPa)でニップされ、定着処理が行なわれる。また、定着ローラ74は、熱伝導性の良いアルミなどの金属パイプ内に加熱用のハロゲンランプ(図示省略)が組み込まれて構成され、所定の温度(例えば60〜80℃)に制御されるようになっている。
【0041】
そして、定着ローラ74で用紙Pを加熱することによって、インクに含まれる樹脂粒子のTg(ガラス転移温度)以上の熱エネルギーがインクに付与され、樹脂粒子が溶融されることにより、用紙Pの凹凸にインクが押し込まれて定着が行なわれるようになっている。また、このように用紙Pの凹凸にインクが押し込まれることで、画像表面の凹凸がレベリングされ、画像の光沢が得られるようになっている。
【0042】
さらに、定着ローラ74の長手方向両端部には、回転力伝達手段82を介して一対の従動ローラ78が設けられている。従動ローラ78の外周面は、回転する定着ドラム50の外周面の両端部に接するように配置されており、一対の従動ローラ78は、回転する定着ドラム50に対して従動回転するようになっている。
【0043】
さらに、一対の従動ローラ78を外側から回転自在に支持する取付部材80は、取付部材80の一端側に設けられた軸部80Aでハウジング72に対して揺動可能に取り付けられており、取付部材80の他端側には、圧縮コイルスプリングである付勢部材の一例としてのスプリング86の一端部が取り付けられている。また、スプリング86の他端は、ハウジング72の内側に設けられた凸部72Aに取り付けられている。そして、従動ローラ78が定着ドラム50の外表面に接した状態で、スプリング86は、予め決められた量だけ圧縮されるようになっている。
【0044】
この構成により、スプリング86の付勢力が取付部材80を介して従動ローラ78に伝達され、従動ローラ78が定着ドラム50の外周面に押し付けられるようになっている。
【0045】
また、図1に示されるように、従動ローラ78が押し付けられる定着ドラム50の外周面であって、保持部材30が配置された両端部には、他の一般部よりも定着ドラム50の径方向に円弧状に突出する突起部50Aが設けられている。これにより、定着ローラ74が保持部材30を通過する際には、従動ローラ78が突起部50Aに載り上がることで、スプリング86が圧縮されて取付部材80が揺動する。そして、定着ローラ74が定着ドラム50の外表面から離間して、定着ローラ74と保持部材30とが干渉するのが防止されるようになっている。
【0046】
一方、図3(A)(B)に示されるように、従動ローラ78と定着ローラ74との間には、従動ローラ78から回転力を受けて回転すると共に、従動ローラ78に対して、従動ローラ78の回転軸の第1の径方向(図3(B)に示す矢印D方向)へ相対移動可能な第一移動部の一例としての第一リング部材88が設けられている。さらに、第一リング部材88に対して定着ローラ74側には、定着ローラ74の端部に固定され、第一リング部材88から回転力を定着ローラ74に伝達すると共に、第1の径方向に対して交差(本実施例では直交)する第2の径方向(図3(B)に示す矢印E方向)へ第一リング部材88に対して相対移動可能な第二移動部の一例としての第二リング部材90が設けられている。前述した回転力伝達手段82は、第一リング部材88と第二リング部材90とを含んで構成されている。
【0047】
詳細には、従動ローラ78は、外側が閉塞された筒状とされ、従動ローラ78の閉塞面78Aには、取付部材80(図2参照)に軸支される軸部78Bが突出して設けられている。さらに、従動ローラ78において定着ローラ74側を向いた円形状の端部には、従動ローラ78の回転軸を挟んで向かい合うように形成された一対の凸部78Cが設けられている。
【0048】
また、定着ローラ74の両端側には、用紙Pを押圧する一般部74Aより小径化された円筒部74Bが設けられ、円筒部74Bの外径は、従動ローラ78の内径より一回り小さくされている。そして、円筒部74Bの端部には、従動ローラ78が円筒部74Bの外周面と隙を空けて嵌るようになっている。
【0049】
さらに、従動ローラ78の内側(定着ローラ74側)には、前述した第一リング部材88が設けられている。第一リング部材88は、円筒状とされ、定着ローラ74の円筒部74Bに嵌るようになっている。また、第一リング部材88の内径は、円筒部74Bの外径より一回り大きくされている。
【0050】
さらに、第一リング部材88における従動ローラ78側の端面には、前述した第1の方向(矢印D方向)で第一リング部材88の回転軸を挟むように形成されると共に、従動ローラ78の凸部78Cが嵌る凹部88Aが形成されている。そして、凹部88Aに嵌められた凸部78Cは第1の方向に移動可能とされている。
【0051】
また、第一リング部材88における従動ローラ78側とは反対側の端面には、前述した第2の方向(矢印E方向)で第一リング部材88の回転軸を挟むように形成される凹状の凹部88Bが形成されている。
【0052】
さらに、第一リング部材88の内側には、定着ローラ74に固定される前述した第二リング部材90が設けられている。第二リング部材90は、円筒状とされ、定着ローラ74の円筒部74Bに嵌るようになっている。さらに、第二リング部材90における第一リング部材88側の端面には、第一リング部材88の凹部88Bに嵌る凸状の凸部90Aが形成されている。そして、凹部88Bに嵌められた凸部90Aは第2の方向に移動可能とされている。
【0053】
以上の構成により、従動ローラ78と第一リング部材88とは、第1の方向に相対移動が許容され、第一リング部材88と第二リング部材90とは、第2の方向に相対移動が許容される。これにより、回転力伝達手段82は、従動ローラ78の回転力を定着ローラ74に伝達すると共に、従動ローラ78の回転軸と定着ローラ74の回転軸とのずれを許容するようになっている。
【0054】
(作用・効果)
図5に示されるように、給紙部12から給紙された用紙Pは、回転する給紙ドラム26及び処理液塗布ドラム28の外周面に沿って搬送される。処理液塗布部14では、処理液塗布装置32が、処理液塗布ドラム28の外周面に沿って搬送される用紙Pの画像形成面に処理液を塗布する。
【0055】
さらに、処理液が塗布された用紙Pは、回転する搬送ドラム34及び画像記録ドラム36の外周面に沿って搬送される。画像記録部16では、各色の液滴吐出ヘッド38が、画像記録ドラム36によって搬送される用紙Pの画像形成面(表面)にインク等の液滴を吐出して用紙Pに画像を形成する。
【0056】
また、画像形成面に画像が形成された用紙Pは、回転する搬送ドラム40及び乾燥ドラム42の外周面に沿って搬送される。乾燥部18では、ハロゲンヒータ44の熱及び温風ノズル46から噴き出される温風により、用紙Pが乾燥する(用紙Pに含まれる水分が減少する。
【0057】
さらに、ハロゲンヒータ44の熱及び温風ノズル46から噴き出される温風により高温とされた用紙Pは、回転する搬送ドラム48及び定着ドラム50の外周面に沿って搬送される。定着部20では加熱された定着ローラ74(図2参照)で用紙Pを定着ドラム50の外表面に押し付けることで画像を用紙Pに定着する。さらに用紙Pはインラインセンサ66の対向部を通過する。インラインセンサ66は、通過する用紙P上のチェックパターンや水分量、表面温度、光沢度等を計測する。
【0058】
また、インラインセンサ66によって計測された用紙Pは、回転する排出ドラム52の外周面に沿って搬送され、案内板54に案内されて装置本体10Aの外部の排出部22に設けられた積載部68へ排出される。
【0059】
ここで、図1に示されるように、従動ローラ78と定着ローラ74との間に設けられた回転力伝達手段82が、定着ドラム50に対して従動回転する従動ローラ78の回転力を定着ローラ74に伝達し、従動ローラ78の回転軸と定着ローラ74の回転軸とのずれを許容する。
【0060】
このように、回転力伝達手段82が従動ローラ78の回転力を定着ローラ74に伝達するため、用紙Pに形成された画像と定着ローラ74との間での滑り(スリップ)が減少し、用紙Pに形成された画像が損傷するのを抑制することができる。
【0061】
また、図4(A)(B)に示されるように、回転力伝達手段82が従動ローラ78の回転軸と定着ローラ74の回転軸とのずれを許容するため、用紙Pの厚さによって、定着ローラ74が定着ドラム50の外表面に対して近接又は離間する。このため、用紙Pを定着ドラム50の外表面に押し付ける押付力が所定の範囲内となり、用紙Pにシワが生じるのを抑制することができる。
【0062】
次ぎに、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の一例について図6、図7に従って説明する。なお、第1実施形態と同一部材については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0063】
図6(A)(B)に示されるように、第2実施形態の従動ローラ92において定着ローラ74側を向いた円形状の端面には、従動ローラ92の回転軸を挟んで一対の凹状(円柱状)の係合部92Aが設けられている。
【0064】
さらに、定着ローラ74の円筒部74Bには、この円筒部74Bに固定される筒状のリング部材94が設けられ、このリング部材94の従動ローラ92側の端面には、係合部92Aに隙を空けて嵌る凸状(円柱状)の被係合部94Aが形成されている。
【0065】
以上より、従動ローラ92の回転力を定着ローラ74に伝達すると共に、従動ローラ92の回転軸と定着ローラ74の回転軸とのずれを許容する回転力伝達手段96は、係合部92Aと被係合部94Aとを備えて構成されている。
【0066】
この構成により、回転力伝達手段96が従動ローラ92の回転力を定着ローラ74に伝達するため、用紙Pに形成された画像と定着ローラ74との間での滑り(スリップ)が減少し、用紙Pに形成された画像が損傷するのを抑制することができる。
【0067】
また、図7(A)(B)に示されるように、回転力伝達手段96が、従動ローラ92の回転軸と定着ローラ74の回転軸とのずれを許容するため、用紙Pの厚さによって、定着ローラ74が定着ドラム50の外表面に対して近接又は離間する。このため、用紙Pを定着ドラム50の外表面に押し付ける押付力が所定の範囲内となり、用紙Pにシワが生じるのを抑制することができる。
【0068】
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、スプリングの86の付勢力を用いて従動ローラ78を定着ドラム50の外周面に押し付けて従動ローラ78を定着ドラム50に対して従動回転させたが、従動ローラの外周面に磁場を生じさせ、従動ローラを搬送ドラムの外周面に吸着させる磁石を設けることで、従動ローラ78を定着ドラム50に対して従動回転させてもよい。
【0069】
また、第1実施形態では、第1の径方向と第2の径方向とは直交したが、特に直交に限定されず交差する方向であればよい。
【0070】
また、第2実施形態では、従動ローラ92に凹状の係合部92Aが設けられ、リング部材94に係合部92Aと隙を空けて嵌る凸状の被係合部94Aが形成されているが、従動ローラに凸状の被係合部を設け、リング部材に凹状の係合部を設けてもよい。
【0071】
また、第2実施形態では、リング部材94に係合部92Aと隙を空けて嵌る凸状の被係合部94Aが形成されているが、凸状の被係合部を定着ローラの端面に設けても良い。
【0072】
また、第1、第2実施形態では、定着ローラ74の定着ドラム50への押しつけ力は定着ローラ74の自重としたが、従動ローラ92とは別に定着ローラを定着ドラムへ付勢する付勢部材を追加して定着ローラを定着ドラムに押し付けてもよい。
【0073】
また、第1実施形態では、定着ローラ74及び回転力伝達手段82の定着ドラム50に対する移動方向が一定方向に定められていなかったが、定着ローラ及び回転力伝達手段の移動をガイドするガイド部材を設けて定着ローラ及び回転力伝達手段の移動方向を定着ドラムから離れる方向(法線方向)としてもよい。
【符号の説明】
【0074】
10 画像形成装置
38 液滴吐出ヘッド
50 定着ドラム(搬送ドラムの一例)
64 定着装置
74 定着ローラ
78 従動ローラ
82 回転力伝達手段
86 スプリング(付勢部材の一例)
88 第一リング部材(第一移動部の一例)
90 第二リング部材(第二移動部の一例)
92A 係合部
92 従動ローラ
94A 被係合部
96 回転力伝達手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状の記録媒体に画像を形成する液滴吐出ヘッドから吐出された液滴によって表面に画像が形成された記録媒体の裏面を保持して記録媒体を搬送する搬送ドラムと、
前記搬送ドラムに保持された前記記録媒体上に形成された画像を記録媒体に定着させる定着装置と、を備え、
前記定着装置は、
前記搬送ドラムの外周面に接して従動回転する従動ローラと、
前記記録媒体を前記搬送ドラムの外周面に向けて押圧する定着ローラと、
前記従動ローラの回転力を前記定着ローラに伝達すると共に、前記従動ローラの回転軸と前記定着ローラの回転軸とのずれを許容する回転力伝達手段と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記従動ローラを前記搬送ドラムの外周面に押し付ける付勢部材が設けられる請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記従動ローラには、前記従動ローラの外周面に磁場を生じさせ、前記従動ローラを前記搬送ドラムの外周面に吸着させる磁石が設けられる請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記回転力伝達手段は、
前記従動ローラから回転力を受けて回転すると共に前記従動ローラに対して、前記従動ローラの回転軸の第1の径方向へ相対移動可能な第一移動部と、
前記定着ローラに設けられ、前記第一移動部から回転力を前記定着ローラに伝達すると共に、前記第一移動部に対して、前記第1の径方向に対して交差する第2の径方向へ相対移動可能な第二移動部と、
を備える請求項1〜3の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記回転力伝達手段は、
前記従動ローラに設けられ、凹状又は凸状の係合部と、
前記定着ローラに設けられ、前記係合部と係合して前記従動ローラの回転力を前記定着ローラに伝達すると共に、前記従動ローラに対して前記従動ローラの回転軸の径方向に相対移動可能な凸状又は凹状の被係合部と、
を備える請求項1〜3の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項1】
シート状の記録媒体に画像を形成する液滴吐出ヘッドから吐出された液滴によって表面に画像が形成された記録媒体の裏面を保持して記録媒体を搬送する搬送ドラムと、
前記搬送ドラムに保持された前記記録媒体上に形成された画像を記録媒体に定着させる定着装置と、を備え、
前記定着装置は、
前記搬送ドラムの外周面に接して従動回転する従動ローラと、
前記記録媒体を前記搬送ドラムの外周面に向けて押圧する定着ローラと、
前記従動ローラの回転力を前記定着ローラに伝達すると共に、前記従動ローラの回転軸と前記定着ローラの回転軸とのずれを許容する回転力伝達手段と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記従動ローラを前記搬送ドラムの外周面に押し付ける付勢部材が設けられる請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記従動ローラには、前記従動ローラの外周面に磁場を生じさせ、前記従動ローラを前記搬送ドラムの外周面に吸着させる磁石が設けられる請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記回転力伝達手段は、
前記従動ローラから回転力を受けて回転すると共に前記従動ローラに対して、前記従動ローラの回転軸の第1の径方向へ相対移動可能な第一移動部と、
前記定着ローラに設けられ、前記第一移動部から回転力を前記定着ローラに伝達すると共に、前記第一移動部に対して、前記第1の径方向に対して交差する第2の径方向へ相対移動可能な第二移動部と、
を備える請求項1〜3の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記回転力伝達手段は、
前記従動ローラに設けられ、凹状又は凸状の係合部と、
前記定着ローラに設けられ、前記係合部と係合して前記従動ローラの回転力を前記定着ローラに伝達すると共に、前記従動ローラに対して前記従動ローラの回転軸の径方向に相対移動可能な凸状又は凹状の被係合部と、
を備える請求項1〜3の何れか1項に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【公開番号】特開2012−128345(P2012−128345A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−281953(P2010−281953)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
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