説明

画像形成装置

【課題】給紙部内に設けた捌き板に接する給紙ローラを回転させるモータの負荷トルク又はモータの負荷トルク相当値が予め設定した閾値を超えた場合に異常を検出する。
【解決手段】給紙部60は、給紙トレイ61上に積層された用紙Pを給紙する第1給紙ローラ61と、第1給紙ローラ61よりも下流に設置された第2給紙ローラ63と、第2給紙ローラ63に接するように設けられ且つ第2給紙ローラ63との間で第1給紙ローラ62により給紙された用紙Pを挟持しながら1枚ずつ捌く捌き板64とを有し、且つ、第2給紙ローラ63を回転駆動させるモータ41の負荷トルク又はモータ41の負荷トルク相当値を検出手段(85〜87)で検出した際、制御部100によりモータ41の負荷トルク又はモータ41の負荷トルク相当値が閾値を超えた場合に、第2給紙ローラ63の回転を停止させている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給紙部と、画像形成部と、排紙部と、制御部とを少なくとも備えた画像形成装置において、給紙部内に設けた捌き板に接する給紙ローラを回転駆動させるモータの負荷トルク又はモータの負荷トルク相当値の変動を検出することにより、給紙部の異常を検出できるように構成した画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、用紙を給紙する給紙部と、給紙された用紙上に画像を形成する画像形成部と、画像が形成された用紙を排紙する排紙部と、装置内の各部を制御する制御部とを少なくとも備えた画像形成装置の例として、孔版印刷装置や、インクジェット印刷装置とか、レーザ印刷装置とか、熱転写印刷装置とか、複写機などがある。
【0003】
この種の画像形成装置において、装置内に給紙センサを設けずに、排紙センサからの情報を用いて用紙の有無状態を検出でき、低価格を図った画像形成システムがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、画像形成装置を用いて用紙上に画像を形成するにあたって、本出願人は先に画像形成装置に適用可能な給紙装置を提案している(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
特許文献2に開示された給紙装置では、ここでの図示を省略するものの、給紙トレイ上に載置された最上方位置の用紙に圧接する第1給紙ローラと、第1給紙ローラによる用紙の搬送方向の下流位置に設けられた捌き板(公報ではサバキ板と呼称)と、捌き板の略当接する位置に配置された第2給紙ローラとを有し、第1給紙ローラの回転によって給紙した最上方位置の用紙を第2給紙ローラと捌き板との間で挟持しながら1枚ずつ用紙を下流側に向けて搬送させる給紙装置において、捌き板に対する用紙の待機位置を検出する先端位置検出センサと、捌き板のサバキ角をサバキモータの駆動力によって可変できるサバキ角調整手段と、先端位置検出センサで検出した用紙の待機位置に基づいてサバキ角調整手段のサバキモータを制御することで、用紙の紙質に応じて適切なサバキ角の調整を自動で行うことができる旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−233540号公報
【特許文献2】特開2001−19186号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記した特許文献1に開示された画像形成システムの技術的思想と、上記した特許文献2に開示された給紙装置の技術的思想とを組み合わせて低価格を図った新たな画像形成装置を開発する場合に、画像形成装置内に給紙センサを設けずに、排紙センサからの情報で用紙の有無状態を検出できるが、排紙センサで用紙がないと検出された場合には、複数回に亘って用紙なしを確認した後に、給紙部側で用紙がなくなったという判断を受け取るまでの間に第2給紙ローラが捌き板に直接擦れるので、第2給紙ローラが捌き板上を空回りする。
【0008】
この第2給紙ローラが空回りしたときに、第2給紙ローラと捌き板との間に用紙が挟持されていないので、第2給紙ローラと捌き板との間で摩擦抵抗が増大して両者の表面同士が磨耗などにより劣化してしまう。
【0009】
そして、第2給紙ローラと捌き板の表面同士が劣化した状態で給紙を行うと、第1給紙ローラで給紙された用紙が第2給紙ローラと捌き板との間で正確に用紙の捌きができずに、重送により給紙ジャムが発生するという問題が生じる。
【0010】
そこで、給紙部と、画像形成部と、排紙部と、制御部とを少なくとも備えた画像形成装置において、装置内に給紙センサを設けずに、排紙センサからの情報で用紙の搬送状態を検出するように装置の低価格化を図ったときに、給紙部内で給紙トレイよりも下流に設けた捌き板と、この捌き板に接する給紙ローラとの間で生じる表面同士の劣化を防止できる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、請求項1記載の発明は、用紙が複数枚積層された給紙トレイと、前記給紙トレイ上に積層された最上層の用紙に接して該用紙を給紙する第1給紙ローラと、前記第1給紙ローラよりも下流に設置された第2給紙ローラと、前記第2給紙ローラに接するように設けられ且つ前記第2給紙ローラとの間で前記第1給紙ローラにより給紙された前記用紙を挟持しながら1枚ずつ捌く捌き板とを有する給紙部と、
前記給紙部にて1枚ずつ捌かれた前記用紙上に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部にて前記画像が形成された前記用紙を排紙する排紙部と、
前記第2給紙ローラを回転駆動させるモータの負荷トルク又は前記モータの負荷トルク相当値を検出する検出手段と、
前記モータの負荷トルク又は前記モータの負荷トルク相当値と予め設定した閾値とを比較する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記モータの負荷トルク又は前記モータの負荷トルク相当値が前記閾値を超えた場合に、前記第2給紙ローラの回転を停止させるか、又は、前記第2給紙ローラの回転速度を低下させることを特徴とする画像形成装置である。
【0012】
また、請求項2記載の発明は、用紙が複数枚積層された給紙トレイと、前記給紙トレイ上に積層された最上層の用紙に接して該用紙を給紙する給紙ローラと、前記給紙ローラよりも下流で該給紙ローラに接するように設けられ且つ前記給紙ローラとの間で該給紙ローラにより給紙された前記用紙を挟持しながら1枚ずつ捌く捌き板とを有する給紙部と、
前記給紙部にて1枚ずつ捌かれた前記用紙上に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部にて前記画像が形成された前記用紙を排紙する排紙部と、
前記給紙ローラを回転駆動させるモータの負荷トルク又は前記モータの負荷トルク相当値を検出する検出手段と、
前記モータの負荷トルク又は前記モータの負荷トルク相当値と予め設定した閾値とを比較する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記モータの負荷トルク又は前記モータの負荷トルク相当値が前記閾値を超えた場合に、前記給紙ローラの回転を停止させることを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の画像形成装置によると、捌き板に接する第2給紙ローラを回転駆動させるモータの負荷トルク又はモータの負荷トルク相当値を検出手段で検出して、検出したモータの負荷トルク又はモータの負荷トルク相当値と予め設定した閾値とを制御部で比較する際に、制御部は、モータの負荷トルク又はモータの負荷トルク相当値が閾値を超えた場合に、第2給紙ローラの回転を停止させるか、又は、第2給紙ローラと捌き板との間で劣化が生じないように第2給紙ローラの回転速度を低下させているので、この結果、第2給紙ローラと捌き板の劣化が低下することで第2給紙ローラと捌き板との間で発生する異常摩擦を抑制することができるために、捌き板と第2給紙ローラとの間で生じる表面同士の劣化を防止でき、通常の給紙時に第2給紙ローラと捌き板との間で用紙を確実に捌くことができるので、重送による給紙ジャムの発生がなくなる。
【0014】
また、第2給紙ローラと捌き板との間で異常摩擦が生じている状態を知らずに用紙を第2給紙ローラと捌き板との間で挟持搬送した場合に、給紙ジャムが発生し易くなるが、この時に、捌き板に接する第2給紙ローラを回転駆動させるモータの負荷トルク又はモータの負荷トルク相当値が閾値を超えたことを検出すれば、給紙ジャム状態であると操作パネル部に警告を出すことができる。
【0015】
また、請求項2記載の画像形成装置によると、捌き板に接する給紙ローラを回転駆動させるモータの負荷トルク又はモータの負荷トルク相当値を検出手段で検出して、検出したモータの負荷トルク又はモータの負荷トルク相当値と予め設定した閾値とを制御部で比較する際に、制御部は、モータの負荷トルク又はモータの負荷トルク相当値が閾値を超えた場合に、給紙ローラの回転を停止させているので、この結果、給紙ローラと捌き板の劣化が低下することで給紙ローラと捌き板との間で発生する異常摩擦を抑制することができるために、捌き板と給紙ローラとの間で生じる表面同士の劣化を防止でき、通常の給紙時に給紙ローラと捌き板との間で用紙を確実に捌くことができるので、重送による給紙ジャムの発生がなくなる。
【0016】
また、給紙ローラと捌き板との間で異常摩擦が生じている状態を知らずに用紙を給紙ローラと捌き板との間で挟持搬送した場合に、給紙ジャムが発生し易くなるが、この時に、捌き板に接する給紙ローラを回転駆動させるモータの負荷トルク又はモータの負荷トルク相当値が閾値を超えたことを検出すれば、給紙ジャム状態であると操作パネル部に警告を出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る実施例の画像形成装置の全体構成を示した全体構成図である。
【図2】図1に示した操作パネル部を拡大して示した上面図である。
【図3】図1に示した第1,第2給紙ローラ及びタイミングローラを回転駆動させる駆動機構を拡大して示した図である。
【図4】図1に示した制御部を拡大して示した図である。
【図5】本発明に係る実施例の画像形成装置において、捌き板に接する給紙ローラを回転駆動させるモータの電流値を検出する際の動作タイミングを示した図である。
【図6】本発明に係る実施例の画像形成装置において、捌き板に接する給紙ローラを回転駆動させるモータの電流値を検出して閾値と比較する動作を説明するためのフロー図である。
【図7】図1に示した給紙部を一部変形させた変形例の給紙部を示した図である。
【図8】図7に示した変形例の給紙部において、給紙ローラ及びタイミングローラを回転駆動させる駆動機構を拡大して示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に本発明に係る画像形成装置の一実施例について図1〜図8を参照して詳細に説明する。
【0019】
本発明に係る画像形成装置は、用紙を給紙する給紙部と、給紙された用紙上に画像を形成する画像形成部と、画像が形成された用紙を排紙する排紙部と、装置内の各部を制御する制御部とを少なくとも備えて構成されていると共に、装置内に給紙センサを設けずに、排紙センサからの情報で用紙の搬送状態を検出するように低価格化を図って構成されている。
【0020】
この際、給紙部は、給紙トレイ上に複数枚積層された用紙のうちで最上層の用紙を第1給紙ローラにより給紙した後に、この用紙を第1給紙ローラによりも下流に設置した第2給紙ローラと捌き板との間で挟持しながら1枚ずつ下流側の画像形成部に搬送する際に、捌き板に接する第2給紙ローラを回転駆動させるモータの負荷トルク又はモータの負荷トルク相当値が予め設定した閾値を超えた場合に異常を検出できるように構成したことを特徴としている。
【0021】
また、上記した給紙部を一部変形させた給紙部は、給紙トレイ上に複数枚積層された用紙のうちで最上層の用紙を給紙ローラにより給紙した後に、この用紙を給紙ローラと捌き板との間で挟持しながら1枚ずつ下流側の画像形成部に搬送する際に、捌き板に接する給紙ローラを回転駆動させるモータの負荷トルク又はモータの負荷トルク相当値が予め設定した閾値を超えた場合に異常を検出できるように構成したことを特徴としている。
【0022】
また、用紙上に画像を形成する画像形成部としては、孔版印刷方式、インクジェット印刷方式、レーザ印刷方式、熱転写印刷方式などにより画像を印刷する印刷部、又は、画像を複写するコピー部のいずれでも良いが、以下の実施例では孔版印刷方式を適用した例について説明する。
【実施例】
【0023】
図1に示した如く、本発明に係る実施例の画像形成装置1は、この装置1を操作する操作パネル部10と、画像や文字が記載された原稿を読み取る原稿読み取り部20と、原稿読み取り部20で読み取った画像情報に基いて孔版原紙Mに孔版画像を孔版穿孔する製版部30と、孔版原紙Mの孔版画像に基づいて用紙P上にインクIKを用いてインク画像を形成(印刷)する画像形成部(以下、印刷部と記す)40と、印刷部40で使用済みとなった孔版原紙Mを排版する排版部50と、給紙トレイ61上に複数枚積層された用紙P(未印刷の用紙P1)のうちで最上層の用紙Pを第1給紙ローラ62で給紙した後にこの用紙を第1給紙ローラによりも下流に設置した第2給紙ローラ63と捌き板64との間で挟持しながら下流側に設置した印刷部40に向けて1枚ずつ順次搬送する給紙部60と、印刷部40で印刷された印刷済みの用紙P2を排紙トレイ97上に順次排紙する排紙部90と、装置1の各部を制御する制御部100と、電源部110と、を備えることで、孔版印刷方式を適用して構成されている。
【0024】
ここで、実施例の画像形成装置1の各部について順を追って具体的に説明すると、この画像形成装置1の外観を形成する筐体2は箱状に形成されている。
【0025】
まず、前記した操作パネル部10は、筐体2の上面(又は前面)に設置されており、図2に拡大して示した如く、印刷動作(製版動作も含む)を開始させるスタートキー11と、印刷動作を緊急停止させるストップキー12と、テンキー13と、各種の情報を表示する液晶表示パネル14と、用紙Pの搬送ミスによるジャムをジャム発生場所に対応して表示するジャム表示部15と、印刷濃度を設定する印刷濃度設定キー16と、装置1内で生じたトラブルに対して警告を出すアラーム表示部17と、が設けられている。
【0026】
図1に戻り、前記した原稿読み取り部20は、筐体2の上面に設置されており、ここでの詳細な図示を省略するが、原稿台上に載置された原稿上の画像情報をCCDイメージセンサで読み取って、読み取った画像情報を制御部100に設けたRAM103(図4)内に一時的に格納して製版部30内の孔版原紙への製版画像用として供給している。
【0027】
次に、前記した製版部30は、筐体2内で原稿読み取り部20の下方に設置されている。
【0028】
この製版部30は、ここでの詳細な図示を省略するが、原稿読み取り部20で原稿から読み取った画像情報を基にしてサーマルヘッドにより帯状の孔版原紙に製版画像を感熱穿孔しており、感熱穿孔済みの孔版原紙をカッタにより最大サイズとなる例えばA3サイズ1版分の長さに切断して孔版原紙Mを作製した後に、この孔版原紙Mを印刷部40に供給している。
【0029】
尚、製版部30で孔版原紙Mを製版する場合に、原稿読み取り部20で原稿から読み取った画像情報を用いて製版するだけでなく、不図示のパソコンなどで作成した画像情報を用いて製版する場合もある。
【0030】
この際、印刷対象の用紙Pが最大サイズのA3サイズよりも小さい場合でも孔版原紙MはA3サイズを用いている。
【0031】
次に、前記した印刷部40Bは、筐体2内で製版部30よりも下流に設けられ且つ筐体2内の略中央部位に設置されている。
【0032】
この印刷部40は、ドラムモータ41によって印刷ドラム(版胴)43が軸部43aを中心にして図示反時計方向に予め設定した速度で回転駆動され、且つ、円筒状の外周面43bに取り付けたクランプ板44によってA3サイズに切断された孔版原紙Mが外周面43bに沿って巻き付けられている。
【0033】
この際、ドラムモータ41の後端軸部(図示せず)に取り付けたエンコーダ42によって印刷ドラム43の基準位置を示すドラム1回転パルスと、印刷ドラム43の基準位置からの回転角度位置を示す角度位置パルスとがそれぞれ出力されるようになっている。
【0034】
また、印刷ドラム43の回転速度は、制御部100のROM102(図4)に格納した動作プログラムによって予め設定されているが、操作パネル部10に用紙搬送速度設定キー(図示せず)を設ければ印刷ドラム43の回転速度が可変可能であり、印刷ドラム43の回転速度は用紙搬送速度と等価である。
【0035】
また、印刷ドラム43内でこの軸部43aの下方には、ドクターローラ45とインクローラ46とが互に添接しながら回転自在に設けられていると共に、ドクターローラ45とインクローラ46と間に軸部43aから供給されたインクIKが溜まっており、このインクIKはドクターローラ45とインクローラ46との隙間を通過してインクローラ46の外周面から印刷ドラム43の外周面43bに巻装された孔版原紙Mに供給されるようになっている。
【0036】
また、印刷ドラム43の外側下方位置には、プレスローラ47が不図示の電磁ソレノイドなどにより印刷ドラム43内に設けたインクローラ46に対して接離自在に設けられており、このプレスローラ47は印刷ドラム43の外周面43bに巻装された孔版原紙Mに未印刷の用紙P1を重ね合わせて不図示のバネによって所定の圧力で押圧することで、印刷ドラム43内に供給されたインクIKを孔版原紙Mを通過させて未印刷の用紙P1上にインク画像を印刷できるようになっている。
【0037】
この際、印刷ドラム43と一体に孔版原紙Mが反時計方向に回転して、印刷ドラム43に取り付けたクランプ板44がプレスローラ47を通過するときには、不図示の電磁ソレノイドを作動させてプレスローラ47を一時的に印刷ドラム43から退避させている。
【0038】
そして、印刷部40で未印刷の用紙P1上にインク画像を印刷し、この後、印刷済みの用紙P2は、印刷ドラム43の右下方に設けた排紙部90の用紙剥離爪91によって印刷ドラム43の外周面43bから剥離されるようになっている。
【0039】
次に、前記した排版部50Bは、筐体2内で印刷部40の左上方に設置されており、印刷ドラム43に巻き付いた孔版原紙Mが使用済みになったときに、印刷ドラム43の外周面43bに接近して設けた孔版原紙剥離爪51により孔版原紙Mを印刷ドラム43から剥離して排版している。
【0040】
次に、前記した給紙部60は、筐体2内の図示左方に設置されており、給紙部60と印刷部40との間の用紙搬送路中には装置1の低価格を図るために給紙センサは設置されていない。
【0041】
上記した給紙部60は、用紙P(未印刷の用紙P1)が複数枚積層された給紙トレイ61と、給紙トレイ61上に積層された最上層の用紙Pに回転自在に圧接してこの用紙Pを給紙する第1給紙ローラ62と、第1給紙ローラ62よりも下流に回転自在に設置された第2給紙ローラ63と、第2給紙ローラ63に接するように設けられ且つ第2給紙ローラ63との間で第1給紙ローラ62により給紙された用紙Pを挟持しながら1枚ずつ捌く捌き板64と、第2給紙ローラ63と捌く捌き板64との間を通過した用紙Pをタイミング合わせて印刷部40に搬送する一対のタイミングローラ65,66とを有している。
【0042】
この際、給紙トレイ61は、孔版原紙Mに合わせて例えばA3サイズの用紙Pが専用可能に収納できるように形成されているが、ここでの図示を省略するものの、給紙トレイ61をA3サイズ,B4サイズ,A4サイズなど複数の用紙サイズに対応可能に外形サイズを可変させる構造もあり、更には、複数の用紙サイズに対応して複数の給紙トレイを用意することも可能である。
【0043】
また、第2給紙ローラ63が圧接する捌き板64は、ゴムやラバーコルクなどを用いた摩擦部材64aが接着剤を用いて平板64b上に一体的に固着されているものであり、摩擦部材64aに第2給紙ローラ63が圧接している。
【0044】
尚、捌き板64は図1では簡略に図示しているが、先に説明した特許文献2に記載されたようなサバキ角度調整手段を採用することも可能である。
【0045】
そして、第1給紙ローラ62が給紙トレイ61上に積層された最上層の用紙P1に圧接して、この第1給紙ローラ62により最上層の用紙P1が給紙され、この後、未印刷の用紙P1は第2給紙ローラ63と捌き板64との間で挟持されながら1枚ずつ捌かれて用紙二重送りを防止されつつ順次下流側に送り出され、更に、未印刷の用紙P1は一対のタイミングローラ65,66により搬送タイミングが合わされて印刷部40の印刷ドラム43に巻き付いた孔版原紙Mとプレスローラ47との間に送り込まれている。
【0046】
更に、この実施例では、第1,第2給紙ローラ62,63及びタイミングローラ65を回転駆動させるためのモータは、印刷ドラム43を回転駆動するドラムモータ41を兼用させており、ここではドラムモータ41に連結させたギア列70(図3)を介して各ローラ62,63,65を回転駆動している。
【0047】
上記したギア列70は、図3に拡大して示した如く、エンコーダ42を取り付けたドラムモータ41の先端軸部41aに固着させたギア71が、印刷ドラム43の軸部43aに固着させたギア72に常時噛合しており、更に、ギア72は、ギア73〜ギア78にこの順で常時噛合している。
【0048】
また、ギア74は電磁クラッチ81を介してタイミングローラ65に連結され、且つ、ギア76は電磁クラッチ82を介して第2給紙ローラ63に連結され、且つ、ギア78は電磁クラッチ83を介して第1給紙ローラ62に連結されており、給紙時にギア列70と電磁クラッチ81〜83とを介してドラムモータ41の回転駆動力が第1,第2給紙ローラ62,63及びタイミングローラ65に伝達されるようになっている。
【0049】
この際、電磁クラッチ81〜83は、給紙部60内に設けたクラッチ駆動回路84(図4のみ図示)によりそれぞれ独立して接続状態又は切り離し状態に切り替えられている。
【0050】
更に、ギア73,75,77はアイドラーギアとして機能しており、アイドラーギア73,75,77により印刷ドラム43,タイミングローラ65,第2給紙ローラ63,第1給紙ローラ62の各回転方向が全て同一になることで、用紙Pを給紙部60から印刷部40に搬送可能となっている。
【0051】
従って、この実施例では、給紙部60内に設けた第1,第2給紙ローラ62,63及びタイミングローラ65を回転駆動させるモータは、印刷ドラム43を回転駆動するドラムモータ41を兼用することで、給紙部60から印刷部40に搬送する用紙Pの搬送タイミング合わせが確実になっている。
【0052】
尚、ここでの図示を省略するが、第1,第2給紙ローラ62,63及びタイミングローラ65をドラムモータ41とは異なったモータとギア列と電磁クラッチとにより回転駆動させる構造でも良いが、この場合には給紙部60と印刷部40との間で用紙Pの搬送タイミング合わせが必要となる。
【0053】
再び図1に戻り、前記した排紙部90は、印刷部40の用紙搬送下流側で筐体2の右方に設置されており、印刷部40で印刷した印刷済みの用紙P2を印刷部40の右下方に設けた用紙剥離爪91によって印刷ドラム43の外周面43bから剥離させた後、印刷済みの用紙P2を一対のプーリー92,93間に掛け渡した用紙搬送ベルト94上に吸気ファン95で吸引しながら不図示の駆動源を介して用紙搬送ベルト94を回転させて搬送し、光透過型(又は光反射型)の排紙センサ96を通過させた後に排紙トレイ97上に排紙している。
【0054】
この際、排紙センサ96は制御部100を介して用紙搬送ベルト94で搬送される印刷済みの用紙P2の通過を検出している。また、前述したように給紙部60内に給紙センサを設けていないので、排紙センサ96で印刷済みの用紙P2の有無状態を検出してこの情報を制御部100を介して給紙部60に知らせている。
【0055】
次に、前記した制御部100は、筐体2内の適宜な場所に設置されている。この制御部100は、図4に拡大して示した如く、演算処理や判断処理するCPU101と、画像形成装置1の動作プログラムなどを格納したROM102と、原稿読み取り部20で読み取った画像情報とか印刷時の各種の印刷条件や、後述するドラムモータ41の電流値を検出するときのモータ電流の閾値などを一時的に記憶するRAM103とを内部に有している。
【0056】
また、制御部100は、操作パネル部10と、原稿読み取り部20と、製版部30と、印刷部40と、排版部50と、給紙部60と、排紙部90とをそれぞれ制御している。
【0057】
ここで、制御部100により印刷部40を制御する際に、制御部100は印刷部40内に設けたモータ駆動回路85を介してドラムモータ41を回転駆動させ、このドラムモータ41に取り付けたエンコーダ42からの出力を制御部100に入力させており、エンコーダ42から出力されたドラム1回転パルスが図5(a)に示したようにこの装置1の基準パルスとして用いられている。
【0058】
この際、ドラムモータ41の回転駆動力は、先に示した図3を用いて説明したようにギア列70を介して第1,第2給紙ローラ62,63及びタイミングローラ65に伝達されているものの、先に従来技術で説明したと同様に、図5(b)に示した如く、排紙センサ96の出力がオフになり印刷済みの用紙P2がなくなると、第2給紙ローラ63と捌き板64との間で用紙P(未印刷の用紙P1)を挟むことなく第2給紙ローラ63が捌き板64に直接擦れるために、第2給紙ローラ63と捌き板64の摩擦部材64aとの間で摩擦抵抗が増大して両者63,64aの表面同士が劣化してしまう。
【0059】
これにより、給紙時に第1給紙ローラ62で給紙された用紙Pが第2給紙ローラ63と捌き板64との間で正確に用紙の捌きができずに重送により給紙ジャムが発生する危険性がある。
【0060】
ここで発生する給紙ジャムを防止するために、この実施例では、第2給紙ローラ63と捌き板64の摩擦部材64aとの間で表面同士が劣化したときに、ドラムモータ41の負荷トルクが変化することに着目し、また、ドラムモータ41の負荷トルクとモータ電流とが比例することに注目してドラムモータ41の負荷トルク相当値となるモータ電流値を監視していれば、用紙Pを第2給紙ローラ63と捌き板64との間で摩擦抵抗が小さい状態で挟持搬送している通常状態であるか、それとも、用紙Pがなくなり第2給紙ローラ63と捌き板64との間で異常摩擦が発生している異常状態であるかを判別できる。
【0061】
そこで、本実施例においては、ドラムモータ41の負荷トルクを監視する手段として、ドラムモータ41の負荷トルクと比例するモータ電流を監視することで、ドラムモータ41の負荷トルク相当値となるモータ電流値の検出によりドラムモータ41の負荷トルクを間接的に検出しているが、これに限ることなく、ドラムモータ41の負荷トルクを監視できるものであれば何でも良く、例えば、ドラムモータ41から第2給紙ローラ63までの間の回転軸にトルク検出器(図示をせず)を取り付け、このトルク検出器でドラムモータ41の負荷トルクを直接検出する方法でも良いが、この場合にはトルク検出器がモータ電流検出構成よりもコスト高になるものと考えられる。
【0062】
ここで、ドラムモータ41の負荷トルクを、モータ電流の検出により簡易に且つ間接的に検出する例について説明すると、印刷部40内にモータ駆動回路85と、モータ電流値検出回路86と、A/Dコンバータ87とを設け.モータ駆動回路85から出力されたドラムモータ41のアナログ電流値をモータ電流値検出回路86で検出し、このドラムモータ41のアナログ電流値をA/Dコンバータ87によりデジタル電流値に変換した後に制御部100に入力している。
【0063】
従って、モータ駆動回路85,モータ電流値検出回路86,A/Dコンバータ87が、第1,第2給紙ローラ62,63及びタイミングローラ65を回転駆動させるモータのモータ電流検出手段(モータ負荷トルク相当値検出手段)として機能している。
【0064】
尚、この実施例では第1,第2給紙ローラ62,63及びタイミングローラ65を回転駆動させるドラムモータ41の電流値を検出するためにモータ電流検出手段85〜87を印刷部40内に設けたが、第1,第2給紙ローラ62,63及びタイミングローラ65を回転駆動させるモータをドラムモータ41とは異なるモータを用いる場合には、このモータの負荷トルク又はモータの負荷トルク相当値を検出する検出手段を給紙部60内に設ければ良い。
【0065】
この後、制御部100は、RAM103内に予め記憶させておいたドラムモータ41の電流の閾値を読み出して、図5(c)に示したように、ドラムモータ41の電流の閾値と、モータ電流検出手段85〜87により検出したドラムモータ41のデジタル電流値とをCPU101で比較することにより、第2給紙ローラ63と捌き板64との間で異常が生じているか否かを検出している。
【0066】
この際、上記した閾値は、ドラムモータ41が通常に回転しているときの電流値に対して略10%程度増加した値に予め設定されている。
【0067】
上記から、この実施例では、捌き板64に接する第2給紙ローラ62を回転駆動させるモータの負荷トルク又はモータの負荷トルク相当値を検出する検出手段を設けて、検出したモータの負荷トルク又はモータの負荷トルク相当値と予め設定した閾値とを制御部100で比較すれば良いものである。
【0068】
ここで、捌き板64に接する第2給紙ローラ63を回転駆動させるモータ(ドラムモータ41)の電流値を検出して、予め設定した閾値と比較する動作について、先に示した図1,図2,図5と新たな図6とを併用して説明する。
【0069】
図6に示した如く、ドラムモータ41の電流値の検出フローを開始すると、まず、ステップS1でユーザーは操作パネル部10のスタートキー11を押す。これにより、制御部100内のROM101に格納された装置1の動作プログラムがスタートする。
【0070】
次に、ステップS2で、制御部100は、印刷部40内に設けた印刷ドラム43を回転駆動するドラムモータ41に取り付けたエンコーダ42からドラム1回転パルスが出力された否かを問い、ドラム1回転パルスが出力されない場合(NOの場合)にはステップS1に戻る。
【0071】
一方、ステップS2でドラム1回転パルスが出力された場合(YESの場合)には、印刷ドラム43が回転しているので、ステップS3で制御部100は印刷ドラム43を回転駆動するドラムモータ41の電流値が予め設定した閾値を超えたか否かを問い、閾値を超えない場合(NOの場合)に、制御部100は第2給紙ローラ63と捌き板64との間で異常が生じていないと判断してステップS3に戻る。
【0072】
一方、ステップS3でドラムモータ41の電流値が閾値を超えた場合(YESの場合)に、制御部100は第2給紙ローラ63と捌き板64との間で異常が生じていると判断し、ステップS4に移行する。
【0073】
次に、ステップS4では、ドラムモータ41の電流値が閾値を超えているので、図5(c)に示したようにドラムモータ41の停止により印刷を停止することで、第2給紙ローラ63の回転を停止させて、このフローを終了する。
【0074】
この際、ステップS4で印刷を停止させて第2給紙ローラ63の回転を停止させた場合には、ドラムモータ41の回転停止により第1給紙ローラ62の回転も停止される。
【0075】
尚、ステップS4でドラムモータ41を停止させずにこのモータ41を減速して、第2給紙ローラ63と捌き板64の劣化がなくなるように第2給紙ローラ63の回転速度を低下させても良い。
【0076】
この際、ステップS4で第2給紙ローラ63の回転速度を低下させる場合には、ドラムモータ41の回転速度を通常の回転速度の略半分程度まで減速させることで、第2給紙ローラ63の回転速度も通常の回転速度の略半分程度まで減速させることができるが、第1給紙ローラ62は電磁クラッチ83を介してドラムモータ41側からの駆動力を切り離して停止させることで、第1給紙ローラ62が接している用紙Pに対して何等の支障も生じない。
【0077】
また、ドラムモータ41の電流値が閾値を超えた場合に、操作パネル部10内のアラーム表示部17で警告を表示したり、又は、操作パネル部10内の液晶表示パネル14でドラムモータ41の電流値が閾値を超えたことを示す記号を表示すれば良い。
【0078】
これにより、第2給紙ローラ63と捌き板64の劣化が低下することで第2給紙ローラ63と捌き板64との間で発生する異常摩擦を抑制することができるために、通常の給紙時に第2給紙ローラ63と捌き板64との間で用紙Pを確実に捌くことができるので、重送による給紙ジャムの発生がなくなる。
【0079】
また、第2給紙ローラ63と捌き板64との間で異常摩擦が生じている状態を知らずに用紙Pを第2給紙ローラ63と捌き板64との間で挟持搬送した場合に、給紙ジャムが発生し易くなるが、この時に、捌き板64に接する第2給紙ローラ63を回転駆動させるドラムモータ41の電流値が閾値を超えたことを検出すれば、給紙ジャム状態であると操作パネル部10に警告を出すことができる。
【0080】
次に、実施例の画像形成装置において、先に図1を用いて説明した給紙部を一部変形させた変形例の給紙部について、図7及び図8を用いて簡略に説明する。
【0081】
図7に示した如く、変形例の給紙部60’は、先に図1を用いて説明した給紙部60内で捌き板64に接する第2給紙ローラ63を削除している。
【0082】
即ち、変形例の給紙部60’では、一の給紙ローラ62’が給紙トレイ61上に積層した複数枚の用紙P(未印刷の用紙P1)のうちで最上層の用紙Pに当接している。
【0083】
また、給紙ローラ62’及び排紙トレイ97よりも下流でこの給紙ローラ62’に接するように捌き板64’が設けられており、給紙ローラ62’と捌き板64’との間で給紙ローラ62’により給紙した用紙Pを挟持しながら1枚ずつ捌くようになっている。
【0084】
この際、捌き板64’は、給紙ローラ62’と接する摩擦部材64aが平板64b上に接着剤を用いて固着されている。
【0085】
また、図8に示した如く、給紙ローラ62’及びタイミングローラ65に駆動力を伝達するギア列70’は、先に図3を用いて説明したギア列70から第2給紙ローラ63とこれに対応する部位を削除しただけであるので、図3中での同じ部材に対して同じ符番を付して図示しているが、この変形例でも、給紙時にギア列70’を介してドラムモータ41の回転駆動力が給紙ローラ62’及びタイミングローラ65に伝達されるようなっている。
【0086】
この変形例でも、アイドラーギア73,75により印刷ドラム43,タイミングローラ65,給紙ローラ62’の各回転方向が全て同一になることで、用紙Pを給紙部60’から印刷部40に搬送可能となっている。
【0087】
従って、この変形例でも、給紙部60’内に設けた給紙ローラ62’及びタイミングローラ65を回転駆動させるモータは、印刷ドラム43を回転駆動するドラムモータ41を兼用することで、給紙部60’から印刷部40に搬送する用紙Pの搬送タイミング合わせが確実になっている。
【0088】
尚、ここでの図示を省略するが、給紙ローラ62’及びタイミングローラ65をドラムモータ41とは異なったモータとギア列と電磁クラッチとにより回転駆動させる構造でも良いが、この場合には給紙部60’と印刷部40との間で用紙Pの搬送タイミング合わせが必要となる。
【0089】
上記のように構成した変形例の給紙部60’において、給紙ローラ62’によって給紙された最上層の用紙Pは、直ちに給紙ローラ62’と捌き板64’の摩擦部材64aとの間で挟持されながら用紙二重送りを防止されて1枚ずつ順次下流側に設置した一対のタイミングローラ65,66を経て印刷部40に送り出されている。
【0090】
更に、この変形例でも、捌き板64’に接する給紙ローラ62’を回転駆動させるモータ(ドラムモータ41)の電流値を検出して、検出したドラムモータ41の電流値と制御部100のRAM103内に記憶させた閾値とを比較し、ドラムモータ41の電流値が閾値を超えた場合に、ドラムモータ41の停止により印刷を停止することで、給紙ローラ62’の回転を停止させているので、給紙ローラ62’が接している用紙Pに対して何等の支障も生じない。
【0091】
これにより、給紙ローラ62’と捌き板64’の劣化が低下することで給紙ローラ62’と捌き板64’との間で発生する異常摩擦を抑制することができるために、通常の給紙時に給紙ローラ62’と捌き板64’との間で用紙Pを確実に捌くことができるので、重送による給紙ジャムの発生がなくなる。
【0092】
また、給紙ローラ62’と捌き板64’との間で異常摩擦が生じている状態を知らずに用紙Pを給紙ローラ62’と捌き板64’との間で挟持搬送した場合に、給紙ジャムが発生し易くなるが、この時に、捌き板64’に接する給紙ローラ62’を回転駆動させるドラムモータ41の電流値が閾値を超えたことを検出すれば、給紙ジャム状態であると操作パネル部10に警告を出すことができる。
【0093】
尚、この変形でも、実施例と略同様に、捌き板64’に接する給紙ローラ62’を回転駆動させるモータの負荷トルク又はモータの負荷トルク相当値を検出する検出手段を設けて、検出したモータの負荷トルク又はモータの負荷トルク相当値と予め設定した閾値とを制御部100で比較すれば良いものである。
【符号の説明】
【0094】
1…画像形成装置、2…筐体、
10…操作パネル部、11…スタートキー、12…ストップキー、
14…液晶表示パネル、15…ジャム表示部、17…アラーム表示部、
20…原稿読み取り部、30…製版部、
40…画像形成部(印刷部)、
41…ドラムモータ、42…エンコーダ、43…印刷ドラム(版胴)、
44…クランプ板、47…プレスローラ、
50…排版部、
60,60’…給紙部、61…給紙トレイ、
62…第1給紙ローラ、63…第2給紙ローラ、62’…給紙ローラ、
64,64’…捌き板、64a…摩擦部材、64b…平板、
65,66…一対のタイミングローラ、
70,70’…ギア列、71〜78…ギア、81〜83…電磁クラッチ、
84…クラッチ駆動回路、85…モータ駆動回路、86…モータ電流値検出回路、
87…A/Dコンバータ、
85〜87…モータ電流検出手段(モータ負荷トルク相当値検出手段)、
90…排紙部、96…排紙センサ、97…排紙トレイ、
100…制御部、101…CPU、102…ROM、103…RAM、
IK…インク、M…孔版原紙、
P…用紙、P1…未印刷の用紙、P2…印刷済みの用紙。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙が複数枚積層された給紙トレイと、前記給紙トレイ上に積層された最上層の用紙に接して該用紙を給紙する第1給紙ローラと、前記第1給紙ローラよりも下流に設置された第2給紙ローラと、前記第2給紙ローラに接するように設けられ且つ前記第2給紙ローラとの間で前記第1給紙ローラにより給紙された前記用紙を挟持しながら1枚ずつ捌く捌き板とを有する給紙部と、
前記給紙部にて1枚ずつ捌かれた前記用紙上に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部にて前記画像が形成された前記用紙を排紙する排紙部と、
前記第2給紙ローラを回転駆動させるモータの負荷トルク又は前記モータの負荷トルク相当値を検出する検出手段と、
前記モータの負荷トルク又は前記モータの負荷トルク相当値と予め設定した閾値とを比較する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記モータの負荷トルク又は前記モータの負荷トルク相当値が前記閾値を超えた場合に、前記第2給紙ローラの回転を停止させるか、又は、前記第2給紙ローラの回転速度を低下させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
用紙が複数枚積層された給紙トレイと、前記給紙トレイ上に積層された最上層の用紙に接して該用紙を給紙する給紙ローラと、前記給紙ローラよりも下流で該給紙ローラに接するように設けられ且つ前記給紙ローラとの間で該給紙ローラにより給紙された前記用紙を挟持しながら1枚ずつ捌く捌き板とを有する給紙部と、
前記給紙部にて1枚ずつ捌かれた前記用紙上に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部にて前記画像が形成された前記用紙を排紙する排紙部と、
前記給紙ローラを回転駆動させるモータの負荷トルク又は前記モータの負荷トルク相当値を検出する検出手段と、
前記モータの負荷トルク又は前記モータの負荷トルク相当値と予め設定した閾値とを比較する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記モータの負荷トルク又は前記モータの負荷トルク相当値が前記閾値を超えた場合に、前記給紙ローラの回転を停止させることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−17152(P2012−17152A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−153762(P2010−153762)
【出願日】平成22年7月6日(2010.7.6)
【出願人】(000250502)理想科学工業株式会社 (1,191)
【Fターム(参考)】