画像形成装置
【課題】本発明は、上記問題に鑑み、転写ローラを小型しつつも画像の品質を維持し、装置本体の小型化が可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】転写ローラ21の回転軸線Zは、感光ドラム11に対して用紙搬送ベルト18の回転方向下流側にずれて配置されている。転写ローラ21は、ローラ本体30と毛31とを備える。用紙搬送ベルト18上には、第二ニップ部Fを通過しローラ本体30と離間した後も毛31と接触することで第三ニップ部Gが形成される。これにより、転写ローラ21のローラ本体30を小型化しつつ、感光ドラム11と用紙搬送ベルト18との離間時生じる剥離放電が起こることを低減することが出来る。
【解決手段】転写ローラ21の回転軸線Zは、感光ドラム11に対して用紙搬送ベルト18の回転方向下流側にずれて配置されている。転写ローラ21は、ローラ本体30と毛31とを備える。用紙搬送ベルト18上には、第二ニップ部Fを通過しローラ本体30と離間した後も毛31と接触することで第三ニップ部Gが形成される。これにより、転写ローラ21のローラ本体30を小型化しつつ、感光ドラム11と用紙搬送ベルト18との離間時生じる剥離放電が起こることを低減することが出来る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式のカラーの画像形成装置において、装置本体内部に色ごとに設けられた感光ドラム(感光体)が一列に配置されたものが知られている。このような画像形成装置において、各感光ドラムの下方に対向して転写ローラ(転写部材)が配置され、転写ローラと感光ドラムによって挟まれる搬送ベルトが設けられたものがある。
【0003】
搬送ベルトは、各感光ドラムの表面に形成されたトナー像が、ベルト上に順次転写される中間転写ベルトや、ベルト上を搬送される用紙に対して順次転写される用紙搬送ベルトが知られている。このような画像形成装置では、感光ドラム上のトナー像が、中間転写ベルトおよび用紙上に順次転写されることでカラー画像が形成される。
【0004】
上記のような画像形成装置では、転写ローラの回転中心は、感光ドラムに対して、中間転写ベルト102の進行方向下流側にオフセットして配置されるものがある(例えば特許文献1)。特許文献1では、図10に示すように、転写ローラ100の回転軸線Zは、感光ドラム101の回転軸線Xに対して中間転写ベルト102の進行方向下流側にずれ、更に上方に押し上げて配置されている。
【0005】
このように転写ローラ100が配置されることで、トナー像が中間転写ベルト102の転写される転写部では、図10に示すように、中間転写ベルト102上に、上流ニップH、物理ニップIおよび下流ニップJが形成される。
【0006】
物理ニップは、中間転写ベルト102が感光ドラム101と転写ローラ100によって挟まれる中間転写ベルト102上の領域である。感光ドラムに形成されたトナー像は、物理ニップIにて中間転写ベルト102上に転写される。
【0007】
上流ニップHは、物理ニップIに対して中間転写ベルト102の移動方向上流側に位置しており、感光ドラム101のみが転写ローラ100と接触する中間転写ベルト102上の領域である。上流ニップHにおいて中間転写ベルト102は、転写ローラ100と接触する前に感光ドラム101と接触する。
【0008】
下流ニップJは、物理ニップIに対して中間転写ベルト102の移動方向下流側に位置しており、転写ローラ100と中間転写ベルト102とのみが接触する中間転写ベルト102上の領域である。下流ニップJでは、中間転写ベルト102は、感光ドラム101が離間した後も転写ローラ100と接触している。
【0009】
このように、上流ニップH、物理ニップIおよび下流ニップJが確保されることで、良好なトナー像の転写が可能となる。具体的には、以下の理由が考えられる。上流ニップHは、感光ドラム101上のトナー像が物理ニップIに至る前に、トナー像を感光ドラム101と中間転写ベルト102とによって挟む。これにより、感光ドラム101上のトナー像が、物理ニップIに至る前に感光ドラム101から飛翔して、中間転写ベルト102に転写されること(いわゆるプレ転写)の発生を低減することができる。
【0010】
また、物理ニップIを設けることで、感光ドラム101と転写ローラ100との間には転写に必要な十分な電界が発生する。従って、物理ニップIにて、感光ドラム101上のトナー像は、中間転写ベルト102上に転写される。
【0011】
また、下流ニップJは、上流ニップH等で中間転写ベルト102に移動した電荷を転写ローラ100に帰すことで、感光ドラム101と中間転写ベルト102とが離間するときに起きる剥離放電を低減することが出来る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2005−189563
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
近年、画像形成装置の小型化の要請に伴い、転写ローラ100の径を小さくすることが望まれている。しかしながら、特許文献1に記載の画像形成装置の構成では、転写に必要な物理ニップIを確保しつつ十分な量の下流ニップJを確保しようとすると、一定の径以上の転写ローラ100を用いる必要があり、転写ローラ100の径を小さくすることが困難であった。
【0014】
例えば、図11に示すように、転写ローラ100を小径化しつつ十分な物理ニップIを確保できるように転写ローラ100を配置すると、下流ニップJは、図10の状態と比較して十分な量が確保されていない。また、図12に示すように転写ローラ100を小径化しつつ十分な下流ニップJを確保できるように転写ローラ100を配置すると、物理ニップIは、図10と比べると十分な量が確保されていない。
【0015】
そこで、本発明は、上記問題に鑑み、転写ローラを小型しつつも画像の品質を維持し、装置本体の小型化が可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
請求項1に記載の画像形成装置は、表面に現像剤像が担持され回転する現像剤像担持体と、前記現像剤像担持体と接触して配置され、前記現像剤像担持体の回転軸線と直交する方向に移動し、前記現像剤像担持体に担持される前記現像剤像を搬送する搬送ベルトと、前記搬送ベルトを挟んで前記現像剤像担持体と反対側にあり、前記搬送ベルトと接触して前記現像剤像を前記搬送ベルトに向けて転写する転写部材と、を備え、前記転写部材は、前記搬送ベルトとの接触位置において、前記搬送ベルトの移動方向と同じ方向に回転し、前記現像剤像担持体の回転軸線と平行に配置されるローラ本体と、前記ローラ本体の周面に対して固定される一端部と、前記一端部に対して前記ローラ本体の径方向外側に向って延び、前記一端部に対して移動可能な他端部と、を有する可動部材と、を有し、前記ローラ本体の回転軸線は、前記ローラ本体が前記搬送ベルトを介して前記現像剤像担持体と接触するように、前記現像剤像担持体の回転軸線に対して前記搬送ベルトの移動方向下流側に配置されていることを特徴とする画像形成装置。
【0017】
請求項2に記載の画像形成装置は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記可動部材の他端部は、前記可動部材の一端部よりも、前記ローラ本体の回転方向上流側に位置するように予め設けられていることを特徴とする。
【0018】
請求項3に記載の画像形成装置は、請求項1または請求項2に記載の画像形成装置において、前記可動部材は、前記ローラ本体の周面に植毛された毛であることを特徴とする。
【0019】
請求項4に記載の画像形成装置は、請求項1または請求項2に記載の画像形成装置において、前記可動部材は、前記ローラ本体の回転軸線方向に沿って延びるフィルム部材であることを特徴とする。
【0020】
請求項5に記載の画像形成装置は、請求項4に記載の画像形成装置において、前記フィルム部材は、前記ローラ本体の回転方向について、所定の間隔で複数設けられ、前記間隔は、前記フィルム部材の前記一端部から前記他端部までの長さよりも長いことを特徴とする。
【0021】
請求項6に記載の画像形成装置は、請求項1または請求項2に記載の画像形成装置において、前記搬送ベルトに対して前記現像剤像担持体とは反対側に位置し、前記ローラ本体の回転軸線に沿って前記ローラ本体の周面と対向することで、前記可動部材を前記ローラ本体側に向けてガイドするガイド壁を備えることを特徴とする。
【0022】
請求項7に記載の画像形成装置は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の画像形成装置において、前記転写部材は、前記画像形成装置本体に設けられたモータの駆動力を受け回転することを特徴とする。
【0023】
請求項8に記載の画像形成装置は、請求項1から請求項7のいずれかに記載の画像形成装置において、前記可動部材は、導電剤が添加されたナイロンであることを特徴とする。
【0024】
請求項9に記載の画像形成装置は、ローラ部材と、前記ローラ部材の周面に架張され、表面に現像剤を担持して前記ローラ部材の回転軸線と直交する方向に移動する現像剤像担持ベルトと、前記ローラ部材が設けられる位置にて前記現像剤像担持ベルトと接触して配置され、前記ローラ部材の回転軸線と直交する方向に移動し、前記現像剤像担持ベルトに担持される前記現像剤像を搬送する搬送ベルトと、前記搬送ベルトを挟んで前記現像剤像担持ベルトとは反対側にあり、前記搬送ベルトと接触して前記現像剤像を前記搬送ベルトに向けて転写する転写部材と、を備え、前記転写部材は、前記搬送ベルトとの接触位置において、前記搬送ベルトの移動方向と同じ方向に回転し、前記ローラ部材の回転軸線と平行に配置されるローラ本体と、前記ローラ本体の周面に対して固定される一端部と、前記一端部に対して前記ローラ本体の径方向外側に向かって延び、前記一端部に対して移動可能な他端部と、を有する可動部材と、を有し、前記ローラ本体の回転軸線は、前記ローラ本体が前記搬送ベルトを介して前記現像剤像担持ベルトと接触するように、前記ローラ部材の回転軸線に対して前記搬送ベルトの移動方向下流側に配置されていることを特徴とする画像形成装置。
【0025】
請求項10に記載の画像形成装置は、請求項9に記載の画像形成装置において、前記可動部材の他端部は、前記可動部材の一端部よりも、前記ローラ本体の回転方向上流側に位置するように予め設けられていることを特徴とする。
【0026】
請求項11に記載の画像形成装置は、請求項9または請求項10に記載の画像形成装置において、前記可動部材は、前記ローラ本体の周面に植毛された毛であることを特徴とする。
【0027】
請求項12に記載の画像形成装置は、請求項9または請求項10に記載の画像形成装置において、前記可動部材は、前記ローラ本体の回転軸線方向に沿って延びるフィルム部材であることを特徴とする。
【0028】
請求項13に記載の画像形成装置は、請求項12に記載の画像形成装置において、前記フィルム部材は、前記ローラ本体の回転方向について、所定の間隔で複数設けられ、前記間隔は、前記フィルム部材の前記一端部から前記他端部までの長さよりも長いことを特徴とする。
【0029】
請求項14に記載の画像形成装置は、請求項9または請求項10に記載の画像形成装置において、前記搬送ベルトに対して前記現像剤像担持ベルトとは反対側に位置し、前記ローラ本体の回転軸線に沿って前記ローラ本体の周面と対向することで、前記可動部材を前記ローラ本体側に向けてガイドするガイド壁を備えることを特徴とする。
【0030】
請求項15に記載の画像形成装置は、請求項9から請求項14のいずれかに記載の画像形成装置において、前記転写部材は、前記画像形成装置本体に設けられたモータの駆動力を受け回転することを特徴とする。
【0031】
請求項16に記載の画像形成装置は、請求項9から請求項15のいずれかに記載の画像形成装置において、前記可動部材は、導電剤が添加されたナイロンであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0032】
請求項1に記載の画像形成装置によると、転写部材は、ローラ本体の周面に対して一端部が固定され、一端に対してローラ本体の径方向外側に向かって延びる他端部が移動可能な可動部材を備える。可動部材は、ローラ本体の回転に伴い、ローラ本体と搬送ベルトとの接触位置を通過し、接触位置に対して搬送ベルトの移動方向下流側で、搬送ベルトの転写部材側の面と接触する。これにより、ローラ本体の径を小さくしても、現像剤像担持体と搬送ベルトとの離間時における剥離放電を低減し、良好な画像形成が可能となる。
【0033】
請求項2に記載の画像形成装置によると、転写ローラと搬送ベルトとの接触位置においてローラ本体の回転を妨げることがないので、良好な転写が可能となる。
【0034】
請求項3に記載の画像形成装置によると、可動部材を毛とすることで、ローラ本体の周面に毛を密に設けることが出来る。従って、毛と搬送ベルトとの面積を増やすことができ、現像剤担持体と搬送ベルトとが離間するとき生じる剥離放電をより低減できる。
【0035】
請求項4に記載の画像形成装置によると、可動部材をフィルム部材とすることで、揺動片の耐久性を上げることが出来る。
【0036】
請求項5に記載の画像形成装置によると、フィルム部材が搬送ベルトとローラ本体との接触位置に位置しているとき、フィルム部材と隣接する他のフィルム部材と重なり合わない。従って、搬送ベルトと転写ローラとの接触位置での良好な転写が可能となる。
【0037】
請求項6に記載の画像形成装置によると、可動部材が、装置本体内の部材と接触することを防ぐことが出来る。従って、画像形成装置を小型化できる。
【0038】
請求項7に記載の画像形成装置によると、転写部材をモータにより積極的に回転させることで、可動部材がローラ本体と搬送ベルトとによって挟まれ続けることによって変形することを防ぐことが出来る。
【0039】
請求項8に記載の画像形成装置によると、安価な部材で転写部材を構成できる。
【0040】
請求項9に記載の画像形成装置によると、転写部材は、ローラ本体の周面に対して一端部が固定され、一端に対してローラ本体の径方向外側に向かって延びる他端部が移動可能な可動部材を備える。可動部材は、ローラ本体の回転に伴い、ローラ本体と搬送ベルトとの接触位置を通過し、接触位置に対して搬送ベルトの移動方向下流側で、搬送ベルトの転写部材側の面と接触する。これにより、ローラ本体の径を小さくしても、現像剤像担持ベルトと搬送ベルトとの離間時における剥離放電を低減し、良好な画像形成が可能となる。
【0041】
請求項10に記載の画像形成装置によると、転写ローラと搬送ベルトとの接触位置においてローラ本体の回転を妨げることがないので、良好な転写が可能となる。
【0042】
請求項11に記載の画像形成装置によると、可動部材を毛とすることで、ローラ本体の周面に毛を密に設けることが出来る。従って、毛と搬送ベルトとの面積を増やすことができ、現像剤担持ベルトと搬送ベルトとが離間するとき生じる剥離放電をより低減できる。
【0043】
請求項12に記載の画像形成装置によると、可動部材をフィルム部材とすることで、揺動片の耐久性を上げることが出来る。
【0044】
請求項13に記載の画像形成装置によると、フィルム部材が搬送ベルトとローラ本体との接触位置に位置しているとき、フィルム部材と隣接する他のフィルム部材と重なり合わない。従って、搬送ベルトと転写ローラとの接触位置での良好な転写が可能となる。
【0045】
請求項14に記載の画像形成装置によると、可動部材が、装置本体内の部材と接触することを防ぐことが出来る。従って、画像形成装置を小型化できる。
【0046】
請求項15に記載の画像形成装置によると、転写部材をモータにより積極的に回転させることで、可動部材がローラ本体と搬送ベルトとによって挟まれ続けることによって変形することを防ぐことが出来る。
【0047】
請求項16に記載の画像形成装置によると、安価な部材で転写部材を構成できる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】カラープリンタの側断面の模式図である。
【図2】感光ドラム、搬送ベルトおよび転写ローラ側断面図である。
【図3】毛31Cの先端部の拡大図である。
【図4】本実施形態の効果を説明する図である。
【図5(a)】変形例1に係る転写ローラの斜視図である(L>d1の場合)。
【図5(b)】変形例1に係る転写ローラの斜視図である(L≦d2の場合)。
【図6】変形例2に係る感光ドラム、転写ローラおよび搬送ベルトの側断面図である。
【図7】ガイド壁に関するその他の実施形態を示す図である。
【図8】現像剤像担持ベルトを用いた画像形成装置の一例を表す図である。
【図9】現像剤像担持ベルトの一例を示す図である。
【図10】従来の感光ドラム、中間転写ベルトおよび転写ローラの側断面図である。
【図11】従来の転写ローラを小型化した場合に、発生する課題を説明する図である。
【図12】従来の転写ローラを小型化した場合に、発生する課題を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら説明する。
【0050】
<カラープリンタの全体構成>
図1は、画像形成装置の一例としてのカラープリンタ1の側断面の模式図である。カラープリンタ1は、タンデム型のカラープリンタである。
【0051】
図1に示すように、カラープリンタ1は、本体ケーシング2内に、給紙カセット3、スキャナ部4、プロセス部5(5K、5Y、5M、5C)、転写部6および定着部7を備える。本体ケーシング2は、その上部に排紙トレイ8を備える。本体ケーシング2は、本体ケーシング2の一方の側壁に開閉可能に設けられたフロントカバー9を備える。複数のプロセス部5は、引き出し部材10に搭載されており、フロントカバー9を開けて本体ケーシング2に対して引き出し可能となっている。
【0052】
なお、以下の説明において、フロントカバー9が設けられる側(図1における右側)を前側とし、その反対側(図1における左側)を後側とする。また、カラープリンタ1を前側か見たときを左右の基準とする。
【0053】
給紙カセット3は、本体ケーシング2の底部に配置されている。給紙カセット3に収容されている用紙Pは、各種ローラにより転写部6と各プロセス部5に向けて搬送される。
【0054】
スキャナ部4は、本体ケーシング2の上側に配置されている。スキャナ部4は、図示はしないが、レーザ発光部、ポリゴンミラー、複数のレンズおよび反射鏡を備えている。スキャナ部4では、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色に対応したレーザ光を、プロセス部5の現像剤像担持体の一例としての各感光ドラム11に照射する。
【0055】
各プロセス部5は、スキャナ部4と転写部6との間に配置されており、用紙Pの搬送方向(前後方向)に沿って並列配置されている。各プロセス部5は、感光ドラム11、スコロトロン型帯電器12、クリーニングローラ13および現像ユニット14を備えている。
【0056】
感光ドラム11(11K、11Y、11M、11C)は、左右方向に延びる回転軸線について回転可能に設けられている。感光ドラム11は、図1に示す矢印の向き(右回り)に回転する。スコロトロン型帯電器12は、感光ドラム11と接触しないように所定の間隔をあけて、感光ドラム11の回転軸線に沿って設けられている。
【0057】
感光ドラム11の表面上をクリーニングするクリーニングローラ13は、スコロトロン型帯電器12に対して感光ドラム11の回転方向上流側に、スコロトロン型帯電器12と隣り合って配置されている。
【0058】
引き出し部材10は、左右方向に対向して配置された一対の側板を有する。一対の側板は、左右方向両側から挟みこむように、感光ドラム11、スコロトロン型帯電器12およびクリーニングローラ13を支持している。図1中においては、便宜上、左側の側板のみを示している。
【0059】
現像ユニット14は、内部に現像剤の一例としてのトナーを収容する現像器15、現像ローラ16、および供給ローラ17を備える。現像器15は、ボックス形状をしている。現像ローラ16は、周面の一部を外部に露出した状態で、現像器15の下端部に保持される。供給ローラ17は、現像ローラ16の上方において現像ローラ16と接触している。
【0060】
このように構成されるプロセス部5では、感光ドラム11の表面が、スコロトロン型帯電器12により一様に正帯電された後、スキャナ部4からのレーザ光の高速走査により露光される。これにより、露光された部分の電位が下がって、画像データに基づく静電潜像が形成される。
【0061】
現像器15内のトナーは、供給ローラ17と現像ローラ16によって、感光ドラム11の静電潜像に供給される。そして、トナーは、感光ドラム11の表面上で選択的に担持されることによって可視像化され、これによって反転現像によりトナー像が形成される。
【0062】
転写部6は、搬送ベルトの一例としての用紙搬送ベルト18、駆動ローラ19、従動ローラ20および転写部材の一例としての転写ローラ21(21K、21Y、21M、21C)を備える。用紙搬送ベルト18は、1対の駆動ローラ19と従動ローラ20との間に掛け渡されて、4つの感光ドラム11に下方から対向して配置されている。
【0063】
駆動ローラ19と従動ローラ20は、前後方向に離間して平行に配置され、その間にエンドレスベルトからなる用紙搬送ベルト18が架張されている。用紙搬送ベルト18は、図に示す矢印の向き(左回り)に回転している。用紙搬送ベルト18の上側部分は、前方から後方に向かって移動している。
【0064】
各感光ドラム11に対して用紙搬送ベルト18を挟んで対向する各位置には、転写ローラ21が配置されている。用紙搬送ベルト18上に搬送された用紙Pは、用紙搬送ベルト18の走行により、用紙搬送ベルト18と各感光ドラム11との間を順次に通過する。そして、感光ドラム11の表面上のトナー像は、用紙Pと対向したときに、転写ローラ21に印加された転写バイアスによって、用紙Pに転写される。
【0065】
転写ローラ21は、本体ケーシング2内に設けられたモータ70と接続され、モータ70の駆動力を受けて、感光ドラム11と同じ回転速度で回転される。転写ローラ21は、図に示す矢印の向き(左回り)に回転する。
【0066】
定着部7は、加熱ローラ22および加圧ローラ23を備えている。この定着部7では、加熱ローラ22と加圧ローラ23との間で用紙Pを挟持しつつ送り出すことで、用紙P上のトナー像を熱定着させる。
【0067】
排紙トレイ8は、定着部7から排出された用紙Pを積載する。
【0068】
<転写部の具体的な構成>
次に、本実施形態における感光ドラム11、用紙搬送ベルト18および転写ローラ21の具体的な構成を、適宜図面を参照しながら説明する。図2は、感光ドラム11C、転写ローラ21Cおよび用紙搬送ベルト18の拡大即断面図である。以下、感光ドラム11、用紙搬送ベルト18および転写ローラ21の具体的な説明においては、感光ドラム11Cと転写ローラ21Cとに注目して説明するが、他の感光ドラム11と転写ローラ21も同様の構成である。
【0069】
図2に示すように、感光ドラム11Cは、左右方向に延びる回転軸線Xについて図中の矢印で示す向きに回転する。感光ドラム11は、上方から用紙搬送ベルト18と接触して配置されている。
【0070】
図2に示すように、転写ローラ21Cは、ローラ本体30Cおよびローラ本体30Cの表面に植毛された可動部材の一例として複数の毛31Cを備える。長さの等しい複数の毛31Cは、ローラ本体30Cの表面に静電植毛により植毛されている。ローラ本体30Cは、導電性のゴム材料製である。ローラ本体30Cは、左右方向に延びる回転軸線Zについて図中の矢印に示す向きに回転する。回転軸線Zは、回転軸線Xと平行である。ローラ本体30Cの左右方向の幅は、感光ドラム11Cの左右方向の幅とほぼ等しい。転写ローラ21Cの回転軸線Zは、感光ドラム11Cの回転軸線Xに対して、用紙搬送ベルト18の進行方向下流側にずれて配置されている。
【0071】
毛31Cは、一端部の一例としての接着部32Cと他端部の一例としての可動部33Cとを備える。接着部32Cは、ローラ本体30Cの表面に接着剤等で接着されている。可動部33Cは、接着部32C対するローラ本体30Cの径方向外側に向かう毛31の端部である。可動部33Cは、接着部32Cに対して移動可能である。
【0072】
毛31Cは、ローラ本体30Cの回転方向上流側に寝るように、予めローラ本体30Cに対して植毛されている。毛31Cは、可動部33Cが接着部32Cに対してローラ本体30Cの回転方向上流側に傾くように予め接着されている。毛31Cは、導電剤(例えば、カーボンブラック)が添加されたナイロンやポリエステル等が用いられる。
【0073】
このように、感光ドラム11C、用紙搬送ベルト18及び転写ローラ21Cが構成されることで、用紙搬送ベルト18上には、第一ニップ部E、第二ニップ部F、第三ニップ部Gが形成される。
【0074】
図2に示すように、第一ニップ部Eは、転写ローラ21に対して用紙搬送ベルト18の進行方向上流側に位置し、感光ドラム11Cと用紙搬送ベルト18とが接触する用紙搬送ベルト18上の領域である。第一ニップ部Eでは、感光ドラム11C上に形成されたトナー像は、転写ローラ21Cにより転写される前に、用紙搬送ベルト18と感光ドラム11Cとによって挟まれる。これにより、感光ドラム11C上のトナー像が転写ローラ21Cと感光ドラム11Cによって挟まれる前に、用紙搬送ベルト18に向けて飛翔する現象(いわゆるプレ転写)を低減できる。
【0075】
第二ニップ部Fは、用紙搬送ベルト18が感光ドラム11Cおよび転写ローラ21Cに挟まれる用紙搬送ベルト18上の領域である。第二ニップ部Fにより、感光ドラム11Cと転写ローラ21Cとの間に進入するトナー像に対して十分な電界を与えることができ、良好な転写が可能となる。
【0076】
第三ニップ部Gは、第二ニップ部Fに対して用紙搬送ベルト18の進行方向上流側に位置し、毛31Cと用紙搬送ベルト18が接触しローラ本体30Cと用紙搬送ベルト18とは接触していない用紙搬送ベルト18上の領域である。具体的には、第三ニップ部Gは、転写ローラ21Cの回転に伴い第二ニップ部Eを通過した毛31Cが、用紙搬送ベルト18の転写ローラ21C側の面と接触することで形成される。転写ローラ21Cが更に回転することで、毛31Cは、用紙搬送ベルト18から離間する。
【0077】
第三ニップ部Gにより、第一ニップ部Eを通過することで用紙搬送ベルト18中に注入され電荷を毛31Cを介してローラ本体30Cに戻すことが出来る。これにより、感光ドラム11と用紙搬送ベルト18との離間時に発生する放電(いわゆる剥離放電)を低減することが出来る。
【0078】
また、用紙搬送ベルト18から離間した毛31Cは、転写ローラ21Cの回転方向上流側に寝ている。従って、毛31Cは、転写ローラ21Cの回転に伴い、第一ニップ部Eの反対側に位置する用紙搬送ベルト18の面と接触することなく第二ニップ部Fに進入する。即ち、毛31Cは、第一ニップ部Eにおいて用紙搬送ベルト18と接触することが無い。
【0079】
また、図3(a)や図3(b)に示すように毛31Cの先端部に球形部35や転写ローラ21の回転方向を向く斜面部36を設けると良い。これにより、毛31の一本当たりの用紙搬送ベルト18への接触面積を増やすことができ、より多くの電荷を用紙搬送ベルト18からローラ本体に移動させることが出来る。
【0080】
上記実施形態においては、以下のような効果を得ることができる。
【0081】
本実施形態に示す転写ローラ21を用いることで、カラープリンタ1の小型化が可能となる。その具体例を図4を用いて説明する。図4(a)は、従来の転写ローラ100の側断面図である。図4(b)は、本実施形態に係る転写ローラ21の側断面図である。
【0082】
例えば、図4(a)に示すように、転写ローラ100の半径をφ1、図4(b)に示すように転写ローラ21の回転中心から毛31の先端までの長さをφ1、ローラ本体30の半径をφ2および感光ドラム11の半径をφ3とする。このとき、図4(a)に示すように、感光ドラム11の回転軸線Xと転写ローラ100の回転軸線Zとを結ぶ直線L1の長さは、L1=φ1+φ3である。
【0083】
一方、転写ローラ21は、毛31を備えている。毛31は、第二ニップ部41において、用紙搬送ベルト18とローラ本体30との間に挟まれることによりローラ本体30の周面に沿って倒れる。従って、回転軸線Xと回転軸線Zとを結ぶ直線の長さL2は、L2=φ2+φ3となる。ここで、L1とL2の差は、L1−L2=φ1−φ2となり、この長さ分だけ転写ローラ21と感光ドラム11との間隔を狭めることが出来る。従って、本実施形態に示す転写ローラ21を使うことによりカラープリンタ1を小型化することが出来る。ここでのL1とL2の長さでは、用紙搬送ベルト18の厚み分を省略している。
【0084】
また、第三ニップ部Gは、毛31が用紙搬送ベルト18に接触することで、用紙搬送ベルト18上に形成される。従って、剥離放電が発生することを低減し、良好な転写を可能とする。
【0085】
また、毛31の可動部33は、接触部32に対して、転写ローラ21の回転方向上流側に傾くように寝ている。これにより、第二ニップ部Fにより毛31が転写ローラ21の回転を妨げることがないので、トナー像の転写を良好に行うことが出来る。
【0086】
また、転写ローラ21は、ローラ本体30の周面に毛31が設けられている。従って、ローラ本体30の周面に対して毛31を密に設けることが出来る。従って、毛31が接触する第三ニップ部Gの面積を増やすことができ、より良好に剥離放電を低減できる。
【0087】
また、モータにより転写ローラ21を積極的に回転させることで、毛31がローラ本体30と用紙搬送ベルト18との間に挟まれ続けることによって、毛31が変形することを防ぐことが出来る。
【0088】
<変形例1>
次に図5を用いて、変形例1について説明する。図5は、変形例1に係る転写ローラ50の斜視図である。以下の変形例の説明において、上記実施形態において説明した部材と同一の部材については、上記実施形態と同一の番号を付し説明を省略する。図5(a)は、転写ローラ50においてフィルム51の長さLよりも他の隣り合うフィルムとの間隔d1が短い場合を示している。図5(b)は、転写ローラ50においてフィルム51の長さLよりも他の隣り合うフィルムとの間隔d2が長い場合を示している。
【0089】
図5に示すように、転写ローラ50は、ローラ本体30と、可動部材の一例としての弾性変形可能なフィルム51とを備えている。フィルム51は、導電剤(例えばカーボンブラック)が添加されたナイロンやポリエステル等が用いられる。
【0090】
図5に示すように、フィルム51は、一端部の一例としての接着部52と他端部の一例としての可動部53とを備える。接着部52は、ローラ本体30の表面に接着剤等で接着されている。可動部53は、接着部52対するローラ本体30の径方向外側に向かうフィルム51の端部である。可動部53は、接着部52に対して移動可能である。
【0091】
フィルム51は、第二ニップ部Fにおいて、用紙搬送ベルト18とローラ本体との間に挟まれることで、毛31と同様にローラ本体30の周面に沿って倒れる。そして、ローラ本体30は、転写ローラ50の回転に伴い第二ニップ部Fを通過することで、用紙搬送ベルト18から離間する。しかし、フィルム51は、第二ニップ部Fを通過後もその先端部が用紙搬送ベルト18と接触しているので、第三ニップ部Gを形成することが出来る。
【0092】
図5(a)に示すフィルム51は、接着部52から可動部53間での長さがLであり、ローラ本体30の周面に対して隣り合うフィルム51と間隔d1となるように接着されている。図5(a)においては、フィルムの長さLは、間隔d1より長い。このようにすることで、フィルム51をローラ本体30に対して密に設けることができ、用紙搬送ベルト18上における第三ニップ部Gの領域を広く設けることが出来る。
【0093】
このようにフィルム51を用いることで、毛31を用いる場合と比べて転写ローラの耐久性を上げることが出来る。例えば、毛31が第二ニップ部Fを繰り返し通過することで、ローラ本体30の周面に向けて倒れたままになり、第三ニップ部Gの面積が減少することを低減できる。
【0094】
図5(b)に示すフィルム51は、接着部52から可動部53までの長さがLであり、ローラ本体30の周面に対して隣り合うフィルム51と間隔d2となるように設けられている。図5(b)においては、フィルム51の長さLは、間隔d2よりも短い。このようにすることで、第二ニップ部Fでフィルム51がローラ本体30に沿うように倒れたとき、隣り合う他のフィルム51と重なることが無い。これにより、第二ニップ部Fでフィルム51が倒れ、隣り合う他のフィルム51と重なることで生じるフィルムとフィルムの段差をなくすことができ、転写されたトナー像が乱れることを低減できる。
【0095】
<変形例2>
次に図6を用いて、変形例2の説明をする。図6は、変形例2に係る感光ドラム11C、用紙搬送ベルト18および転写ローラ21Cの側断面図である。
【0096】
図6に示すように、変形例2に係る転写部6は、毛31Cをローラ本体30Cの周面に向けてガイドするガイド壁60Cを備える。ガイド壁60Cは、左右方向か見て円弧形状の板状の部材である。ガイド壁60Cは、左右方向において転写ローラ21Cの周面に沿って延びている。このガイド壁60Cは、転写ローラ21K、21M、21Yに対しても設けられている。
【0097】
ガイド壁60Cは、用紙搬送ベルト18の下側において、転写ローラ21Cの周面を覆うように設けられている。ガイド壁60Cは、その感光ドラム11と対向する内周面61Cを有する。ガイド壁60Cは、転写ローラ21Cの回転に伴い、毛31Cがローラ本体30Cと内周面61Cとの間に入り込んだ時ローラ本体30側に倒れるように、ローラ本体30Cと間隔を空けて配置されている。
【0098】
このように、転写部6に毛31をローラ本体30に向けてガイドするガイド壁60を設けることによって、プリンタ1本体の小型化を図りつつ、毛31が装置本体内の他の部材と接触することでローラ本体30の回転を妨げることを低減できる。
【0099】
<その他の実施形態>
上記実施形態において、搬送ベルトの一例として用紙搬送ベルト18を採用したが、用紙搬送ベルト18の代わりに中間転写ベルトを採用しても良い。
【0100】
また、上記実施形態において、転写ローラ21は、ガイド壁60においてその周面が覆われる構成とした。しかし、図7に示すように、ガイド壁60の代わりに、転写ローラ21の回転方向に沿って間隔を空けて配置されるガイド板65としても良い。ガイド板65は、左右方向において転写ローラ21に沿って設けられている。
【0101】
また、上記実施形態において、複数の毛31およびフィルム51の長さは、均一とする構成を採用した。しかしながら、複数の毛31およびフィルム51の長さは、均一でなくとも良い。
【0102】
また、上記実施形態においては、搬送ベルトの一例として用紙搬送ベルト18を採用したが、代わりに中間転写ベルトを採用してもよい。
【0103】
また、上記実施形態においては、トナー像が担持される部材として感光ドラム11を採用したが、感光ドラム11に代わりに現像剤像担持ベルトの一例としての感光ベルト80を採用しても良い。その例を図8および図9に示す。
【0104】
図8に示すように、感光ベルト80は、図示しない露光装置によりその表面が露光されることで静電潜像が形成され、静電潜像は、現像器83により現像されトナー像となる。トナー像は、現像器83の下方に設けられた中間転写ベルト82上に転写ローラ21とローラ部材81との間を通過することで、中間転写ベルト82上に転写される。中間転写ベルト82に転写されたトナー像は、第二転写ローラ84と中間転写ベルト82との間を通過する用紙Pに対して転写される。
【0105】
図9に示すように、感光ベルト80は、転写ローラ21の回転軸線Zに対して平行に延びるローラ部材81の周面に巻き付けられるようにして、ローラ部材81に架張されている。感光ベルト80は、ローラ部材81の周面に沿うことで、中間転写ベルト82に対して上方に延びている。感光ベルト80は、表面がスキャナ部4からのレーザ光により露光されることで、表面に静電潜像が形成される。
【0106】
形成された静電潜像は、現像剤が供給されることで、現像される。感光ベルト80は、ローラ部材81が図9に示す向きに回転することで、表面が移動しトナー像を搬送する。そして、中間転写ベルト82上を搬送される用紙Pは、第二転写ローラ84と感光ベルト80の間を通過するときに中間転写ベルト82上のトナー像が転写される。
【0107】
転写ローラ21の回転軸線Zは、ローラ部材81の回転軸線Wに対して中間転写ベルト82の上側部の移動方向下流側にずれて配置されている。このような構成であっても、感光ベルト80と中間転写ベルト82のみが接触する第一ニップ部E、ローラ本体30とローラ部材81とにより感光ベルト80と中間転写ベルト82がニップされる第二ニップ部Fおよび第二ニップ部Fの搬送ベルトの移動方向下流側に位置し中間転写ベルト82と毛31のみが接触する第三ニップ部Gを形成することが出来る。
【符号の説明】
【0108】
11 感光ドラム
18 搬送ベルト
21 転写ローラ
30 ローラ本体
31 毛
51 フィルム
60 ガイド壁
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式のカラーの画像形成装置において、装置本体内部に色ごとに設けられた感光ドラム(感光体)が一列に配置されたものが知られている。このような画像形成装置において、各感光ドラムの下方に対向して転写ローラ(転写部材)が配置され、転写ローラと感光ドラムによって挟まれる搬送ベルトが設けられたものがある。
【0003】
搬送ベルトは、各感光ドラムの表面に形成されたトナー像が、ベルト上に順次転写される中間転写ベルトや、ベルト上を搬送される用紙に対して順次転写される用紙搬送ベルトが知られている。このような画像形成装置では、感光ドラム上のトナー像が、中間転写ベルトおよび用紙上に順次転写されることでカラー画像が形成される。
【0004】
上記のような画像形成装置では、転写ローラの回転中心は、感光ドラムに対して、中間転写ベルト102の進行方向下流側にオフセットして配置されるものがある(例えば特許文献1)。特許文献1では、図10に示すように、転写ローラ100の回転軸線Zは、感光ドラム101の回転軸線Xに対して中間転写ベルト102の進行方向下流側にずれ、更に上方に押し上げて配置されている。
【0005】
このように転写ローラ100が配置されることで、トナー像が中間転写ベルト102の転写される転写部では、図10に示すように、中間転写ベルト102上に、上流ニップH、物理ニップIおよび下流ニップJが形成される。
【0006】
物理ニップは、中間転写ベルト102が感光ドラム101と転写ローラ100によって挟まれる中間転写ベルト102上の領域である。感光ドラムに形成されたトナー像は、物理ニップIにて中間転写ベルト102上に転写される。
【0007】
上流ニップHは、物理ニップIに対して中間転写ベルト102の移動方向上流側に位置しており、感光ドラム101のみが転写ローラ100と接触する中間転写ベルト102上の領域である。上流ニップHにおいて中間転写ベルト102は、転写ローラ100と接触する前に感光ドラム101と接触する。
【0008】
下流ニップJは、物理ニップIに対して中間転写ベルト102の移動方向下流側に位置しており、転写ローラ100と中間転写ベルト102とのみが接触する中間転写ベルト102上の領域である。下流ニップJでは、中間転写ベルト102は、感光ドラム101が離間した後も転写ローラ100と接触している。
【0009】
このように、上流ニップH、物理ニップIおよび下流ニップJが確保されることで、良好なトナー像の転写が可能となる。具体的には、以下の理由が考えられる。上流ニップHは、感光ドラム101上のトナー像が物理ニップIに至る前に、トナー像を感光ドラム101と中間転写ベルト102とによって挟む。これにより、感光ドラム101上のトナー像が、物理ニップIに至る前に感光ドラム101から飛翔して、中間転写ベルト102に転写されること(いわゆるプレ転写)の発生を低減することができる。
【0010】
また、物理ニップIを設けることで、感光ドラム101と転写ローラ100との間には転写に必要な十分な電界が発生する。従って、物理ニップIにて、感光ドラム101上のトナー像は、中間転写ベルト102上に転写される。
【0011】
また、下流ニップJは、上流ニップH等で中間転写ベルト102に移動した電荷を転写ローラ100に帰すことで、感光ドラム101と中間転写ベルト102とが離間するときに起きる剥離放電を低減することが出来る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2005−189563
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
近年、画像形成装置の小型化の要請に伴い、転写ローラ100の径を小さくすることが望まれている。しかしながら、特許文献1に記載の画像形成装置の構成では、転写に必要な物理ニップIを確保しつつ十分な量の下流ニップJを確保しようとすると、一定の径以上の転写ローラ100を用いる必要があり、転写ローラ100の径を小さくすることが困難であった。
【0014】
例えば、図11に示すように、転写ローラ100を小径化しつつ十分な物理ニップIを確保できるように転写ローラ100を配置すると、下流ニップJは、図10の状態と比較して十分な量が確保されていない。また、図12に示すように転写ローラ100を小径化しつつ十分な下流ニップJを確保できるように転写ローラ100を配置すると、物理ニップIは、図10と比べると十分な量が確保されていない。
【0015】
そこで、本発明は、上記問題に鑑み、転写ローラを小型しつつも画像の品質を維持し、装置本体の小型化が可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
請求項1に記載の画像形成装置は、表面に現像剤像が担持され回転する現像剤像担持体と、前記現像剤像担持体と接触して配置され、前記現像剤像担持体の回転軸線と直交する方向に移動し、前記現像剤像担持体に担持される前記現像剤像を搬送する搬送ベルトと、前記搬送ベルトを挟んで前記現像剤像担持体と反対側にあり、前記搬送ベルトと接触して前記現像剤像を前記搬送ベルトに向けて転写する転写部材と、を備え、前記転写部材は、前記搬送ベルトとの接触位置において、前記搬送ベルトの移動方向と同じ方向に回転し、前記現像剤像担持体の回転軸線と平行に配置されるローラ本体と、前記ローラ本体の周面に対して固定される一端部と、前記一端部に対して前記ローラ本体の径方向外側に向って延び、前記一端部に対して移動可能な他端部と、を有する可動部材と、を有し、前記ローラ本体の回転軸線は、前記ローラ本体が前記搬送ベルトを介して前記現像剤像担持体と接触するように、前記現像剤像担持体の回転軸線に対して前記搬送ベルトの移動方向下流側に配置されていることを特徴とする画像形成装置。
【0017】
請求項2に記載の画像形成装置は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記可動部材の他端部は、前記可動部材の一端部よりも、前記ローラ本体の回転方向上流側に位置するように予め設けられていることを特徴とする。
【0018】
請求項3に記載の画像形成装置は、請求項1または請求項2に記載の画像形成装置において、前記可動部材は、前記ローラ本体の周面に植毛された毛であることを特徴とする。
【0019】
請求項4に記載の画像形成装置は、請求項1または請求項2に記載の画像形成装置において、前記可動部材は、前記ローラ本体の回転軸線方向に沿って延びるフィルム部材であることを特徴とする。
【0020】
請求項5に記載の画像形成装置は、請求項4に記載の画像形成装置において、前記フィルム部材は、前記ローラ本体の回転方向について、所定の間隔で複数設けられ、前記間隔は、前記フィルム部材の前記一端部から前記他端部までの長さよりも長いことを特徴とする。
【0021】
請求項6に記載の画像形成装置は、請求項1または請求項2に記載の画像形成装置において、前記搬送ベルトに対して前記現像剤像担持体とは反対側に位置し、前記ローラ本体の回転軸線に沿って前記ローラ本体の周面と対向することで、前記可動部材を前記ローラ本体側に向けてガイドするガイド壁を備えることを特徴とする。
【0022】
請求項7に記載の画像形成装置は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の画像形成装置において、前記転写部材は、前記画像形成装置本体に設けられたモータの駆動力を受け回転することを特徴とする。
【0023】
請求項8に記載の画像形成装置は、請求項1から請求項7のいずれかに記載の画像形成装置において、前記可動部材は、導電剤が添加されたナイロンであることを特徴とする。
【0024】
請求項9に記載の画像形成装置は、ローラ部材と、前記ローラ部材の周面に架張され、表面に現像剤を担持して前記ローラ部材の回転軸線と直交する方向に移動する現像剤像担持ベルトと、前記ローラ部材が設けられる位置にて前記現像剤像担持ベルトと接触して配置され、前記ローラ部材の回転軸線と直交する方向に移動し、前記現像剤像担持ベルトに担持される前記現像剤像を搬送する搬送ベルトと、前記搬送ベルトを挟んで前記現像剤像担持ベルトとは反対側にあり、前記搬送ベルトと接触して前記現像剤像を前記搬送ベルトに向けて転写する転写部材と、を備え、前記転写部材は、前記搬送ベルトとの接触位置において、前記搬送ベルトの移動方向と同じ方向に回転し、前記ローラ部材の回転軸線と平行に配置されるローラ本体と、前記ローラ本体の周面に対して固定される一端部と、前記一端部に対して前記ローラ本体の径方向外側に向かって延び、前記一端部に対して移動可能な他端部と、を有する可動部材と、を有し、前記ローラ本体の回転軸線は、前記ローラ本体が前記搬送ベルトを介して前記現像剤像担持ベルトと接触するように、前記ローラ部材の回転軸線に対して前記搬送ベルトの移動方向下流側に配置されていることを特徴とする画像形成装置。
【0025】
請求項10に記載の画像形成装置は、請求項9に記載の画像形成装置において、前記可動部材の他端部は、前記可動部材の一端部よりも、前記ローラ本体の回転方向上流側に位置するように予め設けられていることを特徴とする。
【0026】
請求項11に記載の画像形成装置は、請求項9または請求項10に記載の画像形成装置において、前記可動部材は、前記ローラ本体の周面に植毛された毛であることを特徴とする。
【0027】
請求項12に記載の画像形成装置は、請求項9または請求項10に記載の画像形成装置において、前記可動部材は、前記ローラ本体の回転軸線方向に沿って延びるフィルム部材であることを特徴とする。
【0028】
請求項13に記載の画像形成装置は、請求項12に記載の画像形成装置において、前記フィルム部材は、前記ローラ本体の回転方向について、所定の間隔で複数設けられ、前記間隔は、前記フィルム部材の前記一端部から前記他端部までの長さよりも長いことを特徴とする。
【0029】
請求項14に記載の画像形成装置は、請求項9または請求項10に記載の画像形成装置において、前記搬送ベルトに対して前記現像剤像担持ベルトとは反対側に位置し、前記ローラ本体の回転軸線に沿って前記ローラ本体の周面と対向することで、前記可動部材を前記ローラ本体側に向けてガイドするガイド壁を備えることを特徴とする。
【0030】
請求項15に記載の画像形成装置は、請求項9から請求項14のいずれかに記載の画像形成装置において、前記転写部材は、前記画像形成装置本体に設けられたモータの駆動力を受け回転することを特徴とする。
【0031】
請求項16に記載の画像形成装置は、請求項9から請求項15のいずれかに記載の画像形成装置において、前記可動部材は、導電剤が添加されたナイロンであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0032】
請求項1に記載の画像形成装置によると、転写部材は、ローラ本体の周面に対して一端部が固定され、一端に対してローラ本体の径方向外側に向かって延びる他端部が移動可能な可動部材を備える。可動部材は、ローラ本体の回転に伴い、ローラ本体と搬送ベルトとの接触位置を通過し、接触位置に対して搬送ベルトの移動方向下流側で、搬送ベルトの転写部材側の面と接触する。これにより、ローラ本体の径を小さくしても、現像剤像担持体と搬送ベルトとの離間時における剥離放電を低減し、良好な画像形成が可能となる。
【0033】
請求項2に記載の画像形成装置によると、転写ローラと搬送ベルトとの接触位置においてローラ本体の回転を妨げることがないので、良好な転写が可能となる。
【0034】
請求項3に記載の画像形成装置によると、可動部材を毛とすることで、ローラ本体の周面に毛を密に設けることが出来る。従って、毛と搬送ベルトとの面積を増やすことができ、現像剤担持体と搬送ベルトとが離間するとき生じる剥離放電をより低減できる。
【0035】
請求項4に記載の画像形成装置によると、可動部材をフィルム部材とすることで、揺動片の耐久性を上げることが出来る。
【0036】
請求項5に記載の画像形成装置によると、フィルム部材が搬送ベルトとローラ本体との接触位置に位置しているとき、フィルム部材と隣接する他のフィルム部材と重なり合わない。従って、搬送ベルトと転写ローラとの接触位置での良好な転写が可能となる。
【0037】
請求項6に記載の画像形成装置によると、可動部材が、装置本体内の部材と接触することを防ぐことが出来る。従って、画像形成装置を小型化できる。
【0038】
請求項7に記載の画像形成装置によると、転写部材をモータにより積極的に回転させることで、可動部材がローラ本体と搬送ベルトとによって挟まれ続けることによって変形することを防ぐことが出来る。
【0039】
請求項8に記載の画像形成装置によると、安価な部材で転写部材を構成できる。
【0040】
請求項9に記載の画像形成装置によると、転写部材は、ローラ本体の周面に対して一端部が固定され、一端に対してローラ本体の径方向外側に向かって延びる他端部が移動可能な可動部材を備える。可動部材は、ローラ本体の回転に伴い、ローラ本体と搬送ベルトとの接触位置を通過し、接触位置に対して搬送ベルトの移動方向下流側で、搬送ベルトの転写部材側の面と接触する。これにより、ローラ本体の径を小さくしても、現像剤像担持ベルトと搬送ベルトとの離間時における剥離放電を低減し、良好な画像形成が可能となる。
【0041】
請求項10に記載の画像形成装置によると、転写ローラと搬送ベルトとの接触位置においてローラ本体の回転を妨げることがないので、良好な転写が可能となる。
【0042】
請求項11に記載の画像形成装置によると、可動部材を毛とすることで、ローラ本体の周面に毛を密に設けることが出来る。従って、毛と搬送ベルトとの面積を増やすことができ、現像剤担持ベルトと搬送ベルトとが離間するとき生じる剥離放電をより低減できる。
【0043】
請求項12に記載の画像形成装置によると、可動部材をフィルム部材とすることで、揺動片の耐久性を上げることが出来る。
【0044】
請求項13に記載の画像形成装置によると、フィルム部材が搬送ベルトとローラ本体との接触位置に位置しているとき、フィルム部材と隣接する他のフィルム部材と重なり合わない。従って、搬送ベルトと転写ローラとの接触位置での良好な転写が可能となる。
【0045】
請求項14に記載の画像形成装置によると、可動部材が、装置本体内の部材と接触することを防ぐことが出来る。従って、画像形成装置を小型化できる。
【0046】
請求項15に記載の画像形成装置によると、転写部材をモータにより積極的に回転させることで、可動部材がローラ本体と搬送ベルトとによって挟まれ続けることによって変形することを防ぐことが出来る。
【0047】
請求項16に記載の画像形成装置によると、安価な部材で転写部材を構成できる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】カラープリンタの側断面の模式図である。
【図2】感光ドラム、搬送ベルトおよび転写ローラ側断面図である。
【図3】毛31Cの先端部の拡大図である。
【図4】本実施形態の効果を説明する図である。
【図5(a)】変形例1に係る転写ローラの斜視図である(L>d1の場合)。
【図5(b)】変形例1に係る転写ローラの斜視図である(L≦d2の場合)。
【図6】変形例2に係る感光ドラム、転写ローラおよび搬送ベルトの側断面図である。
【図7】ガイド壁に関するその他の実施形態を示す図である。
【図8】現像剤像担持ベルトを用いた画像形成装置の一例を表す図である。
【図9】現像剤像担持ベルトの一例を示す図である。
【図10】従来の感光ドラム、中間転写ベルトおよび転写ローラの側断面図である。
【図11】従来の転写ローラを小型化した場合に、発生する課題を説明する図である。
【図12】従来の転写ローラを小型化した場合に、発生する課題を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら説明する。
【0050】
<カラープリンタの全体構成>
図1は、画像形成装置の一例としてのカラープリンタ1の側断面の模式図である。カラープリンタ1は、タンデム型のカラープリンタである。
【0051】
図1に示すように、カラープリンタ1は、本体ケーシング2内に、給紙カセット3、スキャナ部4、プロセス部5(5K、5Y、5M、5C)、転写部6および定着部7を備える。本体ケーシング2は、その上部に排紙トレイ8を備える。本体ケーシング2は、本体ケーシング2の一方の側壁に開閉可能に設けられたフロントカバー9を備える。複数のプロセス部5は、引き出し部材10に搭載されており、フロントカバー9を開けて本体ケーシング2に対して引き出し可能となっている。
【0052】
なお、以下の説明において、フロントカバー9が設けられる側(図1における右側)を前側とし、その反対側(図1における左側)を後側とする。また、カラープリンタ1を前側か見たときを左右の基準とする。
【0053】
給紙カセット3は、本体ケーシング2の底部に配置されている。給紙カセット3に収容されている用紙Pは、各種ローラにより転写部6と各プロセス部5に向けて搬送される。
【0054】
スキャナ部4は、本体ケーシング2の上側に配置されている。スキャナ部4は、図示はしないが、レーザ発光部、ポリゴンミラー、複数のレンズおよび反射鏡を備えている。スキャナ部4では、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色に対応したレーザ光を、プロセス部5の現像剤像担持体の一例としての各感光ドラム11に照射する。
【0055】
各プロセス部5は、スキャナ部4と転写部6との間に配置されており、用紙Pの搬送方向(前後方向)に沿って並列配置されている。各プロセス部5は、感光ドラム11、スコロトロン型帯電器12、クリーニングローラ13および現像ユニット14を備えている。
【0056】
感光ドラム11(11K、11Y、11M、11C)は、左右方向に延びる回転軸線について回転可能に設けられている。感光ドラム11は、図1に示す矢印の向き(右回り)に回転する。スコロトロン型帯電器12は、感光ドラム11と接触しないように所定の間隔をあけて、感光ドラム11の回転軸線に沿って設けられている。
【0057】
感光ドラム11の表面上をクリーニングするクリーニングローラ13は、スコロトロン型帯電器12に対して感光ドラム11の回転方向上流側に、スコロトロン型帯電器12と隣り合って配置されている。
【0058】
引き出し部材10は、左右方向に対向して配置された一対の側板を有する。一対の側板は、左右方向両側から挟みこむように、感光ドラム11、スコロトロン型帯電器12およびクリーニングローラ13を支持している。図1中においては、便宜上、左側の側板のみを示している。
【0059】
現像ユニット14は、内部に現像剤の一例としてのトナーを収容する現像器15、現像ローラ16、および供給ローラ17を備える。現像器15は、ボックス形状をしている。現像ローラ16は、周面の一部を外部に露出した状態で、現像器15の下端部に保持される。供給ローラ17は、現像ローラ16の上方において現像ローラ16と接触している。
【0060】
このように構成されるプロセス部5では、感光ドラム11の表面が、スコロトロン型帯電器12により一様に正帯電された後、スキャナ部4からのレーザ光の高速走査により露光される。これにより、露光された部分の電位が下がって、画像データに基づく静電潜像が形成される。
【0061】
現像器15内のトナーは、供給ローラ17と現像ローラ16によって、感光ドラム11の静電潜像に供給される。そして、トナーは、感光ドラム11の表面上で選択的に担持されることによって可視像化され、これによって反転現像によりトナー像が形成される。
【0062】
転写部6は、搬送ベルトの一例としての用紙搬送ベルト18、駆動ローラ19、従動ローラ20および転写部材の一例としての転写ローラ21(21K、21Y、21M、21C)を備える。用紙搬送ベルト18は、1対の駆動ローラ19と従動ローラ20との間に掛け渡されて、4つの感光ドラム11に下方から対向して配置されている。
【0063】
駆動ローラ19と従動ローラ20は、前後方向に離間して平行に配置され、その間にエンドレスベルトからなる用紙搬送ベルト18が架張されている。用紙搬送ベルト18は、図に示す矢印の向き(左回り)に回転している。用紙搬送ベルト18の上側部分は、前方から後方に向かって移動している。
【0064】
各感光ドラム11に対して用紙搬送ベルト18を挟んで対向する各位置には、転写ローラ21が配置されている。用紙搬送ベルト18上に搬送された用紙Pは、用紙搬送ベルト18の走行により、用紙搬送ベルト18と各感光ドラム11との間を順次に通過する。そして、感光ドラム11の表面上のトナー像は、用紙Pと対向したときに、転写ローラ21に印加された転写バイアスによって、用紙Pに転写される。
【0065】
転写ローラ21は、本体ケーシング2内に設けられたモータ70と接続され、モータ70の駆動力を受けて、感光ドラム11と同じ回転速度で回転される。転写ローラ21は、図に示す矢印の向き(左回り)に回転する。
【0066】
定着部7は、加熱ローラ22および加圧ローラ23を備えている。この定着部7では、加熱ローラ22と加圧ローラ23との間で用紙Pを挟持しつつ送り出すことで、用紙P上のトナー像を熱定着させる。
【0067】
排紙トレイ8は、定着部7から排出された用紙Pを積載する。
【0068】
<転写部の具体的な構成>
次に、本実施形態における感光ドラム11、用紙搬送ベルト18および転写ローラ21の具体的な構成を、適宜図面を参照しながら説明する。図2は、感光ドラム11C、転写ローラ21Cおよび用紙搬送ベルト18の拡大即断面図である。以下、感光ドラム11、用紙搬送ベルト18および転写ローラ21の具体的な説明においては、感光ドラム11Cと転写ローラ21Cとに注目して説明するが、他の感光ドラム11と転写ローラ21も同様の構成である。
【0069】
図2に示すように、感光ドラム11Cは、左右方向に延びる回転軸線Xについて図中の矢印で示す向きに回転する。感光ドラム11は、上方から用紙搬送ベルト18と接触して配置されている。
【0070】
図2に示すように、転写ローラ21Cは、ローラ本体30Cおよびローラ本体30Cの表面に植毛された可動部材の一例として複数の毛31Cを備える。長さの等しい複数の毛31Cは、ローラ本体30Cの表面に静電植毛により植毛されている。ローラ本体30Cは、導電性のゴム材料製である。ローラ本体30Cは、左右方向に延びる回転軸線Zについて図中の矢印に示す向きに回転する。回転軸線Zは、回転軸線Xと平行である。ローラ本体30Cの左右方向の幅は、感光ドラム11Cの左右方向の幅とほぼ等しい。転写ローラ21Cの回転軸線Zは、感光ドラム11Cの回転軸線Xに対して、用紙搬送ベルト18の進行方向下流側にずれて配置されている。
【0071】
毛31Cは、一端部の一例としての接着部32Cと他端部の一例としての可動部33Cとを備える。接着部32Cは、ローラ本体30Cの表面に接着剤等で接着されている。可動部33Cは、接着部32C対するローラ本体30Cの径方向外側に向かう毛31の端部である。可動部33Cは、接着部32Cに対して移動可能である。
【0072】
毛31Cは、ローラ本体30Cの回転方向上流側に寝るように、予めローラ本体30Cに対して植毛されている。毛31Cは、可動部33Cが接着部32Cに対してローラ本体30Cの回転方向上流側に傾くように予め接着されている。毛31Cは、導電剤(例えば、カーボンブラック)が添加されたナイロンやポリエステル等が用いられる。
【0073】
このように、感光ドラム11C、用紙搬送ベルト18及び転写ローラ21Cが構成されることで、用紙搬送ベルト18上には、第一ニップ部E、第二ニップ部F、第三ニップ部Gが形成される。
【0074】
図2に示すように、第一ニップ部Eは、転写ローラ21に対して用紙搬送ベルト18の進行方向上流側に位置し、感光ドラム11Cと用紙搬送ベルト18とが接触する用紙搬送ベルト18上の領域である。第一ニップ部Eでは、感光ドラム11C上に形成されたトナー像は、転写ローラ21Cにより転写される前に、用紙搬送ベルト18と感光ドラム11Cとによって挟まれる。これにより、感光ドラム11C上のトナー像が転写ローラ21Cと感光ドラム11Cによって挟まれる前に、用紙搬送ベルト18に向けて飛翔する現象(いわゆるプレ転写)を低減できる。
【0075】
第二ニップ部Fは、用紙搬送ベルト18が感光ドラム11Cおよび転写ローラ21Cに挟まれる用紙搬送ベルト18上の領域である。第二ニップ部Fにより、感光ドラム11Cと転写ローラ21Cとの間に進入するトナー像に対して十分な電界を与えることができ、良好な転写が可能となる。
【0076】
第三ニップ部Gは、第二ニップ部Fに対して用紙搬送ベルト18の進行方向上流側に位置し、毛31Cと用紙搬送ベルト18が接触しローラ本体30Cと用紙搬送ベルト18とは接触していない用紙搬送ベルト18上の領域である。具体的には、第三ニップ部Gは、転写ローラ21Cの回転に伴い第二ニップ部Eを通過した毛31Cが、用紙搬送ベルト18の転写ローラ21C側の面と接触することで形成される。転写ローラ21Cが更に回転することで、毛31Cは、用紙搬送ベルト18から離間する。
【0077】
第三ニップ部Gにより、第一ニップ部Eを通過することで用紙搬送ベルト18中に注入され電荷を毛31Cを介してローラ本体30Cに戻すことが出来る。これにより、感光ドラム11と用紙搬送ベルト18との離間時に発生する放電(いわゆる剥離放電)を低減することが出来る。
【0078】
また、用紙搬送ベルト18から離間した毛31Cは、転写ローラ21Cの回転方向上流側に寝ている。従って、毛31Cは、転写ローラ21Cの回転に伴い、第一ニップ部Eの反対側に位置する用紙搬送ベルト18の面と接触することなく第二ニップ部Fに進入する。即ち、毛31Cは、第一ニップ部Eにおいて用紙搬送ベルト18と接触することが無い。
【0079】
また、図3(a)や図3(b)に示すように毛31Cの先端部に球形部35や転写ローラ21の回転方向を向く斜面部36を設けると良い。これにより、毛31の一本当たりの用紙搬送ベルト18への接触面積を増やすことができ、より多くの電荷を用紙搬送ベルト18からローラ本体に移動させることが出来る。
【0080】
上記実施形態においては、以下のような効果を得ることができる。
【0081】
本実施形態に示す転写ローラ21を用いることで、カラープリンタ1の小型化が可能となる。その具体例を図4を用いて説明する。図4(a)は、従来の転写ローラ100の側断面図である。図4(b)は、本実施形態に係る転写ローラ21の側断面図である。
【0082】
例えば、図4(a)に示すように、転写ローラ100の半径をφ1、図4(b)に示すように転写ローラ21の回転中心から毛31の先端までの長さをφ1、ローラ本体30の半径をφ2および感光ドラム11の半径をφ3とする。このとき、図4(a)に示すように、感光ドラム11の回転軸線Xと転写ローラ100の回転軸線Zとを結ぶ直線L1の長さは、L1=φ1+φ3である。
【0083】
一方、転写ローラ21は、毛31を備えている。毛31は、第二ニップ部41において、用紙搬送ベルト18とローラ本体30との間に挟まれることによりローラ本体30の周面に沿って倒れる。従って、回転軸線Xと回転軸線Zとを結ぶ直線の長さL2は、L2=φ2+φ3となる。ここで、L1とL2の差は、L1−L2=φ1−φ2となり、この長さ分だけ転写ローラ21と感光ドラム11との間隔を狭めることが出来る。従って、本実施形態に示す転写ローラ21を使うことによりカラープリンタ1を小型化することが出来る。ここでのL1とL2の長さでは、用紙搬送ベルト18の厚み分を省略している。
【0084】
また、第三ニップ部Gは、毛31が用紙搬送ベルト18に接触することで、用紙搬送ベルト18上に形成される。従って、剥離放電が発生することを低減し、良好な転写を可能とする。
【0085】
また、毛31の可動部33は、接触部32に対して、転写ローラ21の回転方向上流側に傾くように寝ている。これにより、第二ニップ部Fにより毛31が転写ローラ21の回転を妨げることがないので、トナー像の転写を良好に行うことが出来る。
【0086】
また、転写ローラ21は、ローラ本体30の周面に毛31が設けられている。従って、ローラ本体30の周面に対して毛31を密に設けることが出来る。従って、毛31が接触する第三ニップ部Gの面積を増やすことができ、より良好に剥離放電を低減できる。
【0087】
また、モータにより転写ローラ21を積極的に回転させることで、毛31がローラ本体30と用紙搬送ベルト18との間に挟まれ続けることによって、毛31が変形することを防ぐことが出来る。
【0088】
<変形例1>
次に図5を用いて、変形例1について説明する。図5は、変形例1に係る転写ローラ50の斜視図である。以下の変形例の説明において、上記実施形態において説明した部材と同一の部材については、上記実施形態と同一の番号を付し説明を省略する。図5(a)は、転写ローラ50においてフィルム51の長さLよりも他の隣り合うフィルムとの間隔d1が短い場合を示している。図5(b)は、転写ローラ50においてフィルム51の長さLよりも他の隣り合うフィルムとの間隔d2が長い場合を示している。
【0089】
図5に示すように、転写ローラ50は、ローラ本体30と、可動部材の一例としての弾性変形可能なフィルム51とを備えている。フィルム51は、導電剤(例えばカーボンブラック)が添加されたナイロンやポリエステル等が用いられる。
【0090】
図5に示すように、フィルム51は、一端部の一例としての接着部52と他端部の一例としての可動部53とを備える。接着部52は、ローラ本体30の表面に接着剤等で接着されている。可動部53は、接着部52対するローラ本体30の径方向外側に向かうフィルム51の端部である。可動部53は、接着部52に対して移動可能である。
【0091】
フィルム51は、第二ニップ部Fにおいて、用紙搬送ベルト18とローラ本体との間に挟まれることで、毛31と同様にローラ本体30の周面に沿って倒れる。そして、ローラ本体30は、転写ローラ50の回転に伴い第二ニップ部Fを通過することで、用紙搬送ベルト18から離間する。しかし、フィルム51は、第二ニップ部Fを通過後もその先端部が用紙搬送ベルト18と接触しているので、第三ニップ部Gを形成することが出来る。
【0092】
図5(a)に示すフィルム51は、接着部52から可動部53間での長さがLであり、ローラ本体30の周面に対して隣り合うフィルム51と間隔d1となるように接着されている。図5(a)においては、フィルムの長さLは、間隔d1より長い。このようにすることで、フィルム51をローラ本体30に対して密に設けることができ、用紙搬送ベルト18上における第三ニップ部Gの領域を広く設けることが出来る。
【0093】
このようにフィルム51を用いることで、毛31を用いる場合と比べて転写ローラの耐久性を上げることが出来る。例えば、毛31が第二ニップ部Fを繰り返し通過することで、ローラ本体30の周面に向けて倒れたままになり、第三ニップ部Gの面積が減少することを低減できる。
【0094】
図5(b)に示すフィルム51は、接着部52から可動部53までの長さがLであり、ローラ本体30の周面に対して隣り合うフィルム51と間隔d2となるように設けられている。図5(b)においては、フィルム51の長さLは、間隔d2よりも短い。このようにすることで、第二ニップ部Fでフィルム51がローラ本体30に沿うように倒れたとき、隣り合う他のフィルム51と重なることが無い。これにより、第二ニップ部Fでフィルム51が倒れ、隣り合う他のフィルム51と重なることで生じるフィルムとフィルムの段差をなくすことができ、転写されたトナー像が乱れることを低減できる。
【0095】
<変形例2>
次に図6を用いて、変形例2の説明をする。図6は、変形例2に係る感光ドラム11C、用紙搬送ベルト18および転写ローラ21Cの側断面図である。
【0096】
図6に示すように、変形例2に係る転写部6は、毛31Cをローラ本体30Cの周面に向けてガイドするガイド壁60Cを備える。ガイド壁60Cは、左右方向か見て円弧形状の板状の部材である。ガイド壁60Cは、左右方向において転写ローラ21Cの周面に沿って延びている。このガイド壁60Cは、転写ローラ21K、21M、21Yに対しても設けられている。
【0097】
ガイド壁60Cは、用紙搬送ベルト18の下側において、転写ローラ21Cの周面を覆うように設けられている。ガイド壁60Cは、その感光ドラム11と対向する内周面61Cを有する。ガイド壁60Cは、転写ローラ21Cの回転に伴い、毛31Cがローラ本体30Cと内周面61Cとの間に入り込んだ時ローラ本体30側に倒れるように、ローラ本体30Cと間隔を空けて配置されている。
【0098】
このように、転写部6に毛31をローラ本体30に向けてガイドするガイド壁60を設けることによって、プリンタ1本体の小型化を図りつつ、毛31が装置本体内の他の部材と接触することでローラ本体30の回転を妨げることを低減できる。
【0099】
<その他の実施形態>
上記実施形態において、搬送ベルトの一例として用紙搬送ベルト18を採用したが、用紙搬送ベルト18の代わりに中間転写ベルトを採用しても良い。
【0100】
また、上記実施形態において、転写ローラ21は、ガイド壁60においてその周面が覆われる構成とした。しかし、図7に示すように、ガイド壁60の代わりに、転写ローラ21の回転方向に沿って間隔を空けて配置されるガイド板65としても良い。ガイド板65は、左右方向において転写ローラ21に沿って設けられている。
【0101】
また、上記実施形態において、複数の毛31およびフィルム51の長さは、均一とする構成を採用した。しかしながら、複数の毛31およびフィルム51の長さは、均一でなくとも良い。
【0102】
また、上記実施形態においては、搬送ベルトの一例として用紙搬送ベルト18を採用したが、代わりに中間転写ベルトを採用してもよい。
【0103】
また、上記実施形態においては、トナー像が担持される部材として感光ドラム11を採用したが、感光ドラム11に代わりに現像剤像担持ベルトの一例としての感光ベルト80を採用しても良い。その例を図8および図9に示す。
【0104】
図8に示すように、感光ベルト80は、図示しない露光装置によりその表面が露光されることで静電潜像が形成され、静電潜像は、現像器83により現像されトナー像となる。トナー像は、現像器83の下方に設けられた中間転写ベルト82上に転写ローラ21とローラ部材81との間を通過することで、中間転写ベルト82上に転写される。中間転写ベルト82に転写されたトナー像は、第二転写ローラ84と中間転写ベルト82との間を通過する用紙Pに対して転写される。
【0105】
図9に示すように、感光ベルト80は、転写ローラ21の回転軸線Zに対して平行に延びるローラ部材81の周面に巻き付けられるようにして、ローラ部材81に架張されている。感光ベルト80は、ローラ部材81の周面に沿うことで、中間転写ベルト82に対して上方に延びている。感光ベルト80は、表面がスキャナ部4からのレーザ光により露光されることで、表面に静電潜像が形成される。
【0106】
形成された静電潜像は、現像剤が供給されることで、現像される。感光ベルト80は、ローラ部材81が図9に示す向きに回転することで、表面が移動しトナー像を搬送する。そして、中間転写ベルト82上を搬送される用紙Pは、第二転写ローラ84と感光ベルト80の間を通過するときに中間転写ベルト82上のトナー像が転写される。
【0107】
転写ローラ21の回転軸線Zは、ローラ部材81の回転軸線Wに対して中間転写ベルト82の上側部の移動方向下流側にずれて配置されている。このような構成であっても、感光ベルト80と中間転写ベルト82のみが接触する第一ニップ部E、ローラ本体30とローラ部材81とにより感光ベルト80と中間転写ベルト82がニップされる第二ニップ部Fおよび第二ニップ部Fの搬送ベルトの移動方向下流側に位置し中間転写ベルト82と毛31のみが接触する第三ニップ部Gを形成することが出来る。
【符号の説明】
【0108】
11 感光ドラム
18 搬送ベルト
21 転写ローラ
30 ローラ本体
31 毛
51 フィルム
60 ガイド壁
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に現像剤像が担持され回転する現像剤像担持体と、
前記現像剤像担持体と接触して配置され、前記現像剤像担持体の回転軸線と直交する方向に移動し、前記現像剤像担持体に担持される前記現像剤像を搬送する搬送ベルトと、
前記搬送ベルトを挟んで前記現像剤像担持体と反対側にあり、前記搬送ベルトと接触して前記現像剤像を前記搬送ベルトに向けて転写する転写部材と、を備え、
前記転写部材は、
前記搬送ベルトとの接触位置において、前記搬送ベルトの移動方向と同じ方向に回転し、前記現像剤像担持体の回転軸線と平行に配置されるローラ本体と、
前記ローラ本体の周面に対して固定される一端部と、前記一端部に対して前記ローラ本体の径方向外側に向って延び、前記一端部に対して移動可能な他端部と、を有する可動部材と、を有し、
前記ローラ本体の回転軸線は、前記ローラ本体が前記搬送ベルトを介して前記現像剤像担持体と接触するように、前記現像剤像担持体の回転軸線に対して前記搬送ベルトの移動方向下流側に配置されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記可動部材の他端部は、前記可動部材の一端部よりも、前記ローラ本体の回転方向上流側に位置するように予め設けられていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記可動部材は、前記ローラ本体の周面に植毛された毛であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記可動部材は、前記ローラ本体の回転軸線方向に沿って延びるフィルム部材であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記フィルム部材は、前記ローラ本体の回転方向について、所定の間隔で複数設けられ、
前記間隔は、前記フィルム部材の前記一端部から前記他端部までの長さよりも長いことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記搬送ベルトに対して前記現像剤像担持体とは反対側に位置し、前記ローラ本体の回転軸線に沿って前記ローラ本体の周面と対向することで、前記可動部材を前記ローラ本体側に向けてガイドするガイド壁を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記転写部材は、前記画像形成装置本体に設けられたモータの駆動力を受け回転することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記可動部材は、導電剤が添加されたナイロンであることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
ローラ部材と、
前記ローラ部材の周面に架張され、表面に現像剤を担持して前記ローラ部材の回転軸線と直交する方向に移動する現像剤像担持ベルトと、
前記ローラ部材が設けられる位置にて前記現像剤像担持ベルトと接触して配置され、前記ローラ部材の回転軸線と直交する方向に移動し、前記現像剤像担持ベルトに担持される前記現像剤像を搬送する搬送ベルトと、
前記搬送ベルトを挟んで前記現像剤像担持ベルトとは反対側にあり、前記搬送ベルトと接触して前記現像剤像を前記搬送ベルトに向けて転写する転写部材と、を備え、
前記転写部材は、
前記搬送ベルトとの接触位置において、前記搬送ベルトの移動方向と同じ方向に回転し、前記ローラ部材の回転軸線と平行に配置されるローラ本体と、
前記ローラ本体の周面に対して固定される一端部と、前記一端部に対して前記ローラ本体の径方向外側に向かって延び、前記一端部に対して移動可能な他端部と、を有する可動部材と、を有し、
前記ローラ本体の回転軸線は、前記ローラ本体が前記搬送ベルトを介して前記現像剤像担持ベルトと接触するように、前記ローラ部材の回転軸線に対して前記搬送ベルトの移動方向下流側に配置されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
前記可動部材の他端部は、前記可動部材の一端部よりも、前記ローラ本体の回転方向上流側に位置するように予め設けられていることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記可動部材は、前記ローラ本体の周面に植毛された毛であることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記可動部材は、前記ローラ本体の回転軸線方向に沿って延びるフィルム部材であることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記フィルム部材は、前記ローラ本体の回転方向について、所定の間隔で複数設けられ、
前記間隔は、前記フィルム部材の前記一端部から前記他端部までの長さよりも長いことを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記搬送ベルトに対して前記現像剤像担持ベルトとは反対側に位置し、前記ローラ本体の回転軸線に沿って前記ローラ本体の周面と対向することで、前記可動部材を前記ローラ本体側に向けてガイドするガイド壁を備えることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記転写部材は、前記画像形成装置本体に設けられたモータの駆動力を受け回転することを特徴とする請求項9から請求項14のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記可動部材は、導電剤が添加されたナイロンであることを特徴とする請求項9から請求項15のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項1】
表面に現像剤像が担持され回転する現像剤像担持体と、
前記現像剤像担持体と接触して配置され、前記現像剤像担持体の回転軸線と直交する方向に移動し、前記現像剤像担持体に担持される前記現像剤像を搬送する搬送ベルトと、
前記搬送ベルトを挟んで前記現像剤像担持体と反対側にあり、前記搬送ベルトと接触して前記現像剤像を前記搬送ベルトに向けて転写する転写部材と、を備え、
前記転写部材は、
前記搬送ベルトとの接触位置において、前記搬送ベルトの移動方向と同じ方向に回転し、前記現像剤像担持体の回転軸線と平行に配置されるローラ本体と、
前記ローラ本体の周面に対して固定される一端部と、前記一端部に対して前記ローラ本体の径方向外側に向って延び、前記一端部に対して移動可能な他端部と、を有する可動部材と、を有し、
前記ローラ本体の回転軸線は、前記ローラ本体が前記搬送ベルトを介して前記現像剤像担持体と接触するように、前記現像剤像担持体の回転軸線に対して前記搬送ベルトの移動方向下流側に配置されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記可動部材の他端部は、前記可動部材の一端部よりも、前記ローラ本体の回転方向上流側に位置するように予め設けられていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記可動部材は、前記ローラ本体の周面に植毛された毛であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記可動部材は、前記ローラ本体の回転軸線方向に沿って延びるフィルム部材であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記フィルム部材は、前記ローラ本体の回転方向について、所定の間隔で複数設けられ、
前記間隔は、前記フィルム部材の前記一端部から前記他端部までの長さよりも長いことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記搬送ベルトに対して前記現像剤像担持体とは反対側に位置し、前記ローラ本体の回転軸線に沿って前記ローラ本体の周面と対向することで、前記可動部材を前記ローラ本体側に向けてガイドするガイド壁を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記転写部材は、前記画像形成装置本体に設けられたモータの駆動力を受け回転することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記可動部材は、導電剤が添加されたナイロンであることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
ローラ部材と、
前記ローラ部材の周面に架張され、表面に現像剤を担持して前記ローラ部材の回転軸線と直交する方向に移動する現像剤像担持ベルトと、
前記ローラ部材が設けられる位置にて前記現像剤像担持ベルトと接触して配置され、前記ローラ部材の回転軸線と直交する方向に移動し、前記現像剤像担持ベルトに担持される前記現像剤像を搬送する搬送ベルトと、
前記搬送ベルトを挟んで前記現像剤像担持ベルトとは反対側にあり、前記搬送ベルトと接触して前記現像剤像を前記搬送ベルトに向けて転写する転写部材と、を備え、
前記転写部材は、
前記搬送ベルトとの接触位置において、前記搬送ベルトの移動方向と同じ方向に回転し、前記ローラ部材の回転軸線と平行に配置されるローラ本体と、
前記ローラ本体の周面に対して固定される一端部と、前記一端部に対して前記ローラ本体の径方向外側に向かって延び、前記一端部に対して移動可能な他端部と、を有する可動部材と、を有し、
前記ローラ本体の回転軸線は、前記ローラ本体が前記搬送ベルトを介して前記現像剤像担持ベルトと接触するように、前記ローラ部材の回転軸線に対して前記搬送ベルトの移動方向下流側に配置されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
前記可動部材の他端部は、前記可動部材の一端部よりも、前記ローラ本体の回転方向上流側に位置するように予め設けられていることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記可動部材は、前記ローラ本体の周面に植毛された毛であることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記可動部材は、前記ローラ本体の回転軸線方向に沿って延びるフィルム部材であることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記フィルム部材は、前記ローラ本体の回転方向について、所定の間隔で複数設けられ、
前記間隔は、前記フィルム部材の前記一端部から前記他端部までの長さよりも長いことを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記搬送ベルトに対して前記現像剤像担持ベルトとは反対側に位置し、前記ローラ本体の回転軸線に沿って前記ローラ本体の周面と対向することで、前記可動部材を前記ローラ本体側に向けてガイドするガイド壁を備えることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記転写部材は、前記画像形成装置本体に設けられたモータの駆動力を受け回転することを特徴とする請求項9から請求項14のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記可動部材は、導電剤が添加されたナイロンであることを特徴とする請求項9から請求項15のいずれかに記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5(a)】
【図5(b)】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5(a)】
【図5(b)】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−177738(P2012−177738A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−39494(P2011−39494)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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