説明

画像形成装置

【課題】2つの回転体を互いに当接させて形成したニップ部に用紙等の記録媒体を通すときの回転体の回転速度の変動を、高速機にも対応可能で、比較的低廉且つ簡易な機構で抑制する複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置の提供。
【解決手段】第1の回転体72と第2の回転体64とを弾性的に当接させて形成したニップ部57を備え、ニップ部57に記録媒体Sを通す画像形成装置であって、第1の回転体72の回転中心軸と、第2の回転体64の回転中心軸との少なくとも一方が、ニップ部57に通される記録媒体Sの先端縁と非平行である画像形成装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの回転体を互いに当接させて形成したニップ部に用紙等の記録媒体を通す、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、転写部、定着部などにおいて、2つの回転体を互いに当接させて形成したニップ部に用紙等の記録媒体を通す、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置が知られている(たとえば、〔特許文献1〕、〔特許文献2〕参照)。このような画像形成装置では、かかるニップ部に記録媒体が進入することに起因する、かかる回転体の回転速度の変動が問題となることがある。
【0003】
たとえば、感光体等の像担持体上に形成された像を中間転写体上に転写し、中間転写体上に担持された像をさらに記録媒体に転写する構成を採用した画像形成装置(たとえば、〔特許文献1〕、〔特許文献2〕参照)においては、中間転写体から記録媒体に像を転写する2次転写部が、回転体である中間転写体と、この中間転写体との対向部において中間転写体の回転方向と同方向に回転する2次転写ローラ等の回転体とを互いに当接させたニップ部によって構成されていることが一般的であるが、この2次転写部に記録媒体が進入するときには、記録媒体の先端縁の全体がかかるニップ部に同時に進入し、記録媒体の厚みによって2次転写部が押し広げられて2次転写部のニップ圧が変動しさらには中間転写体の回転速度が変動することとなる。この中間転写体の回転速度の変動時に、感光体等の像担持体上から中間転写体上への像の転写、いわゆる1次転写が行われていると、この転写において中間転写体上に担持される像に濃度ムラ等の乱れが生じ得るため問題である。
【0004】
この問題は、記録媒体がニップ部に高速で通され画像形成が高速で行われるいわゆる高速機において顕著に現れるため、高速機においてとくに解決する必要がある。また、互いに異なる色の像を担持する複数の像担持体を備え、これらの像担持体から中間転写体上に像を転写するカラー画像形成装置においては濃度ムラ等がさらに色ずれ等となって現れる可能性もあるため解消する必要がある。
【0005】
1次転写におけるかかる像の乱れの問題を解決し得る技術として、記録媒体がニップ部に進入したときの回転体の変位の方向を、両回転体を互いに付勢した方向と異なる方向とする機構を用いる技術(たとえば、〔特許文献1〕参照)、ニップ部に進入する前の記録媒体の先端縁を記録媒体の進行方向に向けて尖らせるように裁断する機構を用いる技術(たとえば、〔特許文献2〕参照)などが挙げられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、これらの技術では、高速機については、動作の応答性や安定性の観点から、かかる問題が充分に解決されないと考えられる。また、これらの技術において採用されている機構は何れも複雑であり、高コストとなると考えられる。
【0007】
本発明は、2つの回転体を互いに当接させて形成したニップ部に用紙等の記録媒体を通すときの回転体の回転速度の変動を、高速機にも対応可能で、比較的低廉且つ簡易な機構で抑制する複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、第1の回転体と第2の回転体とを弾性的に当接させて形成したニップ部を備え、このニップ部に記録媒体を通す画像形成装置であって、第1の回転体の回転中心軸と、第2の回転体の回転中心軸との少なくとも一方が、前記ニップ部に通される記録媒体の先端縁と非平行である画像形成装置にある。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、第1の回転体の回転中心軸と、第2の回転体の回転中心軸との少なくとも一方が、主走査方向と非平行であることを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の画像形成装置において、第1の回転体の回転中心軸と、第2の回転体の回転中心軸とが、主走査方向に対し互いに異なる方向において非平行であることを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の画像形成装置において、第1の回転体の回転中心軸と主走査方向とがなす角度と、第2の回転体の回転中心軸と主走査方向とがなす角度とが、互いに等しいことを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項3または4記載の画像形成装置において、前記ニップ部の中心線と主走査方向とが平行であることを特徴とする。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項1ないし5の何れか1つに記載の画像形成装置において、第1の回転体の回転中心軸及び/又は第2の回転体の回転中心軸と主走査方向とのなす角は、記録媒体の幅方向における前記ニップ部の位置が、同ニップ部を通される同幅方向における記録媒体の位置を含むように設定されていることを特徴とする。
【0014】
請求項7記載の発明は、請求項1ないし6の何れか1つに記載の画像形成装置において、第1の回転体の回転中心軸と、第2の回転体の回転中心軸との少なくとも一方と、前記ニップ部に通される記録媒体の先端縁とのなす角度を調整する調整手段を有することを特徴とする。
【0015】
請求項8記載の発明は、請求項1ないし7の何れか1つに記載の画像形成装置において、第1の回転体は、前記ニップ部において記録媒体に2次転写される像を搬送するために回転することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1記載の発明によれば、第1の回転体と第2の回転体とを弾性的に当接させて形成したニップ部を備え、このニップ部に記録媒体を通す画像形成装置であって、第1の回転体の回転中心軸と、第2の回転体の回転中心軸との少なくとも一方が、前記ニップ部に通される記録媒体の先端縁と非平行である画像形成装置にあるので、ニップ部に対し記録媒体の先端縁が角度を持って漸次進入することで、ニップ部に記録媒体を通すときの回転体の回転速度の変動を、高速機にも対応可能であるとともに、大型化が抑制され比較的低廉且つ簡易な機構で抑制することが可能な画像形成装置を提供することができる。
【0017】
請求項2記載の発明によれば、第1の回転体の回転中心軸と、第2の回転体の回転中心軸との少なくとも一方が、主走査方向と非平行であるので、主走査方向に対して傾斜して配置された第1の回転体や第2の回転体によって形成されたニップ部に対し記録媒体の先端縁が角度を持って漸次進入することで、ニップ部に記録媒体を通すときの回転体の回転速度の変動を、高速機にも対応可能であるとともに、大型化が抑制され比較的低廉且つ簡易な機構で抑制することが可能な画像形成装置を提供することができる。
【0018】
請求項3記載の発明によれば、第1の回転体の回転中心軸と、第2の回転体の回転中心軸とが、主走査方向に対し互いに異なる方向において非平行であるので、主走査方向に対して互いに異なる方向に傾斜して配置された第1の回転体と第2の回転体とによって形成されたニップ部に対し記録媒体の先端縁が角度を持って漸次進入することで、ニップ部に記録媒体を通すときの回転体の回転速度の変動を、高速機にも対応可能であるとともに、大型化が抑制され比較的低廉且つ簡易な機構で抑制することが可能な画像形成装置を提供することができる。
【0019】
請求項4記載の発明によれば、第1の回転体の回転中心軸と主走査方向とがなす角度と、第2の回転体の回転中心軸と主走査方向とがなす角度とが、互いに等しいので、主走査方向に対して互いに等しく異なる方向に傾斜して配置された第1の回転体と第2の回転体とによって対称性を持って形成されたニップ部に対し記録媒体の先端縁が角度を持って漸次進入することで、ニップ部に記録媒体を通すときの回転体の回転速度の変動を、高速機にも対応可能であるとともに、大型化が抑制され比較的低廉且つ簡易な機構で抑制することが可能な画像形成装置を提供することができる。
【0020】
請求項5記載の発明によれば、前記ニップ部の中心線と主走査方向とが平行であるので、主走査方向に対して互いに異なる方向に傾斜して配置された第1の回転体と第2の回転体とによって形成された、その中心線が主走査方向に平行なニップ部に対し記録媒体の先端縁が角度を持って漸次進入することで、ニップ部に記録媒体を通すときの回転体の回転速度の変動を、高速機にも対応可能であるとともに、大型化が抑制され比較的低廉且つ簡易な機構で抑制することが可能な画像形成装置を提供することができる。
【0021】
請求項6記載の発明によれば、第1の回転体の回転中心軸及び/又は第2の回転体の回転中心軸と主走査方向とのなす角は、記録媒体の幅方向における前記ニップ部の位置が、同ニップ部を通される同幅方向における記録媒体の位置を含むように設定されているので、ニップ部に対し記録媒体の先端縁が角度を持って漸次進入することで、ニップ部に記録媒体を通すときの回転体の回転速度の変動を、高速機にも対応可能であるとともに、大型化が抑制され比較的低廉且つ簡易な機構で抑制することが可能であるとともに、記録媒体が幅方向の全体においてニップ部を通過して良好に搬送され、ニップ部画像の転写部である場合には転写が良好に行われる画像形成装置を提供することができる。
【0022】
請求項7記載の発明によれば、第1の回転体の回転中心軸と、第2の回転体の回転中心軸との少なくとも一方と、前記ニップ部に通される記録媒体の先端縁とのなす角度を調整する調整手段を有するので、ニップ部を記録媒体の特性に応じて形成することが可能であり、ニップ部に対し記録媒体の先端縁が角度を持って漸次進入することで、ニップ部に記録媒体を通すときの回転体の回転速度の変動を、高速機にも対応可能であるとともに、大型化が抑制され比較的低廉且つ簡易な機構で適正に抑制することが可能な画像形成装置を提供することができる。
【0023】
請求項8記載の発明によれば、第1の回転体は、前記ニップ部において記録媒体に2次転写される像を搬送するために回転するので、ニップ部に対し記録媒体の先端縁が角度を持って漸次進入することで、ニップ部に記録媒体を通すときの回転体の回転速度の変動を、高速機にも対応可能であるとともに、大型化が抑制され比較的低廉且つ簡易な機構で抑制することが可能であり、またかかる変動の抑制により、1次転写を、濃度ムラを低減ないし防止して良好に行うことが可能であり、これによって良好な画像形成を行うことが可能な画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明を適用した画像形成装置の概略正面図である。
【図2】図1に示した画像形成装置に備えられたニップ部の拡大概略正面図である。
【図3】図1に示した画像形成装置に備えられた第1の回転体及び第2の回転体の配置の例を示した概略側面図である。
【図4】図1に示した画像形成装置に備えられた第1の回転体及び第2の回転体の配置の別の例を示した概略側面図である。
【図5】図1に示した画像形成装置に備えられた第1の回転体及び第2の回転体の配置のまた別の例を示した概略側面図である。
【図6】図1に示した画像形成装置に備えられた第1の回転体及び第2の回転体の配置のさらに別の例を示した概略側面図である。
【図7】図1に示した画像形成装置に調整手段を設けた例を示した概略側面図である。
【図8】図1に示した画像形成装置において不具合が生じるとした場合の、かりの構成例を示した概略側面図である。
【図9】図1に示した画像形成装置に備えられた第1の回転体及び第2の回転体の配置と比較される構成例を示した概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1に本発明を適用した画像形成装置の概略を示す。画像形成装置100は、カラーレーザプリンタであるが、他のタイプのプリンタ、ファクシミリ、複写機、印刷機、複写機とプリンタとの複合機等、他の画像形成装置であっても良い。画像形成装置100は、外部から受信した画像情報に対応する画像信号に基づき画像形成処理を行なう。画像形成装置100は、一般にコピー等に用いられる普通紙の他、OHPシートや、カード、ハガキ等の厚紙や、封筒等の何れをもシート状の記録媒体として画像形成を行なうことが可能である。
【0026】
画像形成装置100は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に色分解された色にそれぞれ対応する像としての画像を像形成物質としてのトナーを担持することで形成可能な第1の像担持体としての潜像担持体である感光体たる感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKを平行配設したタンデム構造、言い換えるとタンデム方式を採用している。感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKは図1における紙面に垂直な方向を長手方向とし、この方向に延在している。
【0027】
感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKは、画像形成装置100の本体99の図示しないフレームに回転自在に支持された可撓性を有する第2の像担持体としての中間転写体である無端ベルト状の転写ベルト11の移動方向であって図1において反時計回り方向であるA1方向の上流側からこの順で並んでいる。各符号の数字の後に付されたY、M、C、BKは、イエロー、マゼンタ、シアン、黒用の部材であることを示している。
【0028】
各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKはそれぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(BK)の画像を形成するための作像ユニットである画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKに備えられている。
【0029】
感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKは、本体99の内部のほぼ中央部に配設された回転体である無端のベルトとして構成された中間転写ベルトである転写ベルト11の外周面側すなわち作像面側に位置している。
【0030】
転写ベルト11は、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに対峙しながら矢印A1方向に移動可能となっている。各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに形成された可視像すなわちトナー像は、矢印A1方向に移動する転写ベルト11に対しそれぞれ重畳転写され、その後、記録媒体である記録材としての用紙たる転写紙Sに一括転写されるようになっている。よって画像形成装置100は中間転写方式言い換えると間接転写方式の画像形成装置となっている。したがって画像形成装置100はタンデム型間接転写方式の画像形成装置である。
【0031】
転写ベルト11は、その下側の部分が各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに対向しており、この対向した部分が、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BK上のトナー像を転写ベルト11に転写する1次転写部58を形成している。転写ベルト11は、図1における紙面に垂直な方向を幅方向とし、この方向に垂直な方向をA1方向としている。
【0032】
転写ベルト11に対する重畳転写は、転写ベルト11がA1方向に移動する過程において、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに形成されたトナー像が、転写ベルト11の同じ位置に重ねて転写されるよう、転写ベルト11を挟んで各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに対向する位置に配設された一次転写手段としての1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKによる電圧印加によって、A1方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして行われる。
【0033】
転写ベルト11は、ベース層を伸びの少ない材質で構成し、ベース層の表面を平滑性の良い材質によって覆ったコート層とし、ベース層にコート層を重ねて形成した多層構造となっている。ベース層の材質としては、たとえばフッ素樹脂、PVDFシート、ポリイミド系樹脂が挙げられ、本形態ではポリイミドを使用している。コート層の材質としては、たとえばフッ素系樹脂等が挙げられる。
【0034】
転写ベルト11は、その縁部にそれぞれ、寄り止め部材としての図示しない寄り止めガイドを有している。寄り止めガイドは、転写ベルト11がA1方向に回転するときに、主走査方向に対応した、図1における紙面と垂直な幅方向のうちの何れかの方向に偏倚することを防止するために配設されている。寄り止めガイドは、ウレタンゴム製であるが、その他、シリコンゴムなど各種ゴム材料により構成することができる。
【0035】
転写ベルト11は、幅方向において、A4横サイズの転写紙Sに対応した幅を有している。よって、画像形成装置100は、最大でA3縦サイズの転写紙Sに対する画像形成が可能となっている。
【0036】
画像形成装置100は、本体99内に、4つの画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKと、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの上方に対向して配設され、転写ベルト11を備えた中間転写ユニットとしての中間転写ベルトユニットである転写ベルトユニット10と、図1における転写ベルト11の右側において転写ベルト11に対向して配設された2次転写手段としての2次転写装置5と、画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKの下方に対向して配設された潜像形成手段としての光書込みユニットである書き込みユニットとしての露光装置たる光走査装置8とを有している。
【0037】
画像形成装置100はまた、本体99内に、転写ベルト11と2次転写装置5との間の2次転写部57に向けて搬送される転写紙Sを多数枚積載可能な給紙カセットとしての給紙トレイであるシート給送装置61と、シート給送装置61から搬送されてきた転写紙Sを、画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKによるトナー像の形成タイミングに合わせた所定のタイミングで、2次転写部57に向けて繰り出すレジストローラ対4と、転写紙Sの先端がレジストローラ対4に到達したことを検知する図示しないセンサとを有している。
【0038】
画像形成装置100はまた、本体99内に、トナー像を転写された転写紙Sに同トナー像すなわち未定着トナー画像を定着させるための定着手段であるベルト定着方式の定着ユニットとしての定着装置6と、シート給送装置61から送り出された転写紙Sを搬送する搬送ローラ14を備え、転写紙Sの搬送方向において搬送ローラ14より下流側の中途部にレジストローラ対4、定着装置6をこれらの順で配設された記録媒体搬送路である転写材搬送路としての給紙路32とを有している。
【0039】
画像形成装置100はまた、給紙路32の終端に位置し定着済みの転写紙Sである画像出力物を本体99の外部に排出する排出ローラである排紙ローラ対としての排紙ローラ7と、給紙路32に沿って配設され2次転写部57を通過した転写紙Sを定着装置6に案内するガイド部材67と、転写ベルトユニット10の上方に配設され、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色の補給用のトナーを充填されたトナーボトル9Y、9M、9C、9BKと、本体99の上側に配設され排出ローラ7により本体99の外部に排出された転写紙Sを積載する排紙部としての排紙トレイ17とを有している。
【0040】
画像形成装置100はまた、本体99内に、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKを回転駆動する図示しない駆動手段としての駆動装置と、画像形成装置100の動作全般を制御する図示しないCPU、メモリ等を含む制御手段91とを有している。
【0041】
画像形成装置100はまた、画像形成に用いる転写紙Sの種類に関する情報すなわち転写紙Sのサイズ、転写紙Sが厚紙や封筒等の普通紙よりも厚みのあるものであるか否かに関する情報等を入力可能とした操作パネル92を有している。操作パネル92は、転写紙Sの種類を入力する点において紙種入力手段として機能し、転写紙Sの厚みを入力する点において紙厚入力手段として機能し、転写紙Sのサイズを入力する点においてサイズ入力手段として機能する。なお、操作パネル92で入力される転写紙Sのサイズに関する情報には、転写紙Sの搬送方向すなわち縦搬送であるか横搬送であるかについての情報も含むものとする。
【0042】
画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKと、転写ベルトユニット10と、光走査装置8と、定着装置6とは、シート給送装置61の上方に位置する画像形成部を構成している。
【0043】
転写ベルトユニット10は、転写ベルト11の他に、1次転写バイアスローラとしての1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKと、転写ベルト11を巻き掛けられた、駆動部材である第1の回転体としての駆動ローラ72と、張架ローラとしてのクリーニング対向ローラ74と、駆動ローラ72及びクリーニング対向ローラ74とともに転写ベルト11を張架する支持ローラとしての張架ローラ75、33と、転写ベルト11に対向して配設され転写ベルト11表面をクリーニングする中間転写体クリーニング装置であるベルトクリーニング装置としてのクリーニング装置13とを有している。
【0044】
転写ベルトユニット10はまた、駆動ローラ72を回転駆動する図示しない駆動モータを備えた図示しない駆動系と、1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKにそれぞれ独立して1次転写バイアスを印加する図示しない第1の転写バイアス印加手段としての電源及び制御手段91の一機能として実現された第1の転写バイアス制御手段とを有している。
【0045】
駆動ローラ72、クリーニング対向ローラ74、張架ローラ75、33は、転写ベルト11を回転搬送可能に掛け回した支持ローラとなっている。クリーニング対向ローラ74、張架ローラ75、33は、駆動ローラ72によって回転駆動される転写ベルト11に連れ回りする従動ローラとなっている。1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKは、転写ベルト11をその裏面から感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに向けて押圧してそれぞれ転写ニップである1次転写ニップを形成する。この1次転写ニップは、転写ベルト11の、張架ローラ75、33の間に張り渡した部分において形成されている。張架ローラ75、33は、1次転写ニップを安定化する機能を有する。
【0046】
各1次転写ニップには、1次転写バイアスの影響により、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKと1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKとの間に1次転写電界が形成される。感光体ドラム20Y、20M、20C、20BK上に形成された各色のトナー像は、この1次転写電界やニップ圧の影響によって転写ベルト11上に1次転写される。
【0047】
駆動ローラ72は、転写ベルト11を介して2次転写装置5を当接されており、転写ニップたる2次転写ニップとしてのニップ部である2次転写部57を形成している。よって駆動ローラ72は2次転写対向ローラとしての対向ローラを兼ねている。駆動ローラ72は、2次転写部57において転写紙Sに2次転写される転写ベルト11上のトナー像を1次転写部58から2次転写部57に向けて搬送するために回転し転写ベルト11を回転駆動するものである。
クリーニング対向ローラ74は、転写ベルト11に、転写に適した所定の張力を与える加圧部材としてのテンションローラたる機能を有している。
【0048】
クリーニング装置13は、図1においてクリーニング対向ローラ74及び張架ローラ75の左方に配設されている。クリーニング装置13は、クリーニング対向ローラ74に対向する位置、すなわち、A1方向において2次転写部57の下流側且つ1次転写部58の上流側の位置で転写ベルト11に当接するように配設されたクリーニングブレード76と、クリーニングブレード76をその内部に収容したケース77とを有している。
【0049】
クリーニング装置13は、転写ベルト11上の残留トナー等の異物をクリーニングブレード76で掻き取り、除去して、転写ベルト11をクリーニングするようになっている。
転写ベルトユニット10は、本体99に対して一体で着脱可能となっている。
【0050】
シート給送装置61は、転写紙Sを複数枚重ねた転写紙束の状態で収容するものであり、本体99の下部において光走査装置8の下方に多段、本形態では2段で配設されている。多段のシート給送装置61により、本体99の底部に給紙テーブルたる給紙部としてのペーパーバンク31が形成されている。
【0051】
シート給送装置61は、最上位の転写紙Sの上面に押圧される給紙ローラとしての給送ローラ3を有しており、給送ローラ3が所定のタイミングで反時計回り方向に回転駆動されることにより、最上位の転写紙Sを1枚ずつ分離してレジストローラ対4に向けて給送するようになっている。この点、給紙ローラ3は分離ローラとしても機能する。
シート給送装置61から送り出された転写紙Sは、給紙路32を経てレジストローラ対4に至り、レジストローラ対4のローラ間に挟まれる。
【0052】
レジストローラ対4は、転写紙Sを2次転写部57に高速で給送するようになっており、これに合わせて、転写ベルト11の回転速度、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの回転速度、光走査装置8の駆動速度等も高速で行われ、画像形成が高速で行われるようになっている。したがって、画像形成装置100は、いわゆる高速機となっている。
【0053】
光走査装置8は、図1における紙面に垂直な方向に沿って感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに光書込みを行う。よって、かかる方向が主走査方向となっており、この方向は、転写ベルト11の幅方向に一致している。
【0054】
2次転写装置5は、駆動ローラ72に対向して配置されている。2次転写装置5は、駆動ローラ72との間で転写ベルト11を挟むようにして配設され、転写ベルト11との間を通過する転写紙Sに転写ベルト11上のトナー像を転写可能とするための2次転写部材である転写部材としての第2の回転体たる2次転写ローラ64と、2次転写ローラ64をクリーニングするクリーニング装置65と、2次転写ローラ64を駆動ローラ72に向けて付勢した付勢部材としての圧縮バネである図2に示すバネ40とを有している。
【0055】
なお、図2において、矢印C1は、2次転写部57に通される転写紙Sの搬送方向を示しており、符号72a、64aはそれぞれ、駆動ローラ72の回転軸、2次転写ローラ64の回転軸を示している。回転軸72a、回転軸64aはそれぞれ、図示しない軸受けを介して、本体99の定位置に回転自在に設けられている。回転軸72a、回転軸64aはそれぞれ、駆動ローラ72、2次転写ローラ64の回転中心軸上にあり、実質的に駆動ローラ72、2次転写ローラ64の回転中心軸となっている。同図において紙面に垂直な方向は、C1方向に垂直であり、転写紙Sの幅方向に対応しているとともに、主走査方向に対応している。
【0056】
駆動ローラ72と2次転写ローラ64との少なくとも一方は、回転軸72a、回転軸64aに支持されている部分がゴム等の弾性体で構成された弾性ローラであり、バネ40によって互いに圧接の態様で当接していることにより、互いに弾性的に当接している。この弾性的な当接により、2次転写部57はC1方向に幅を持つニップ部となっている。
【0057】
図1に示すように、2次転写ローラ64と、転写ベルト11の2次転写部57近傍の一部とは、給紙路32に臨むように配設されている。2次転写ローラ64は、駆動ローラ72との間で2次転写バイアスを印加する図示しない第2の転写バイアス印加手段としての電源及び制御手段91の一機能として実現された第2の転写バイアス制御手段を接続されている。
【0058】
電源は、2次転写ローラ64に、転写ベルト11上に担持されたトナー像を構成するトナーの帯電極性と逆極性のバイアスを印加する。よって2次転写ローラ64は、電源によるバイアス印加により転写ベルト11上に担持されたトナー像に対する引力を発生させ、これによってかかるトナー像を転写紙S上に静電転写する。この点、2次転写ローラ64は引力ローラとして機能する。2次転写部57は、像担持体である転写ベルト11上のトナー像を、転写紙Sに転写する転写位置となっている。
【0059】
クリーニング装置65は、2次転写ローラ64に先端が当接したブレードを主に有しており、2次転写ローラ64に付着した紙粉やトナー等の異物を除去し、2次転写ローラ64をクリーニングするようになっている。
【0060】
定着装置6は、第1の加熱手段たる第1の加熱源としての加熱ローラヒータであるヒータ66と、ヒータ66を内部に有する中空の金属ローラである加熱ローラ62と、加熱ローラ62に巻き掛けられた定着ベルト63と、加熱ローラ62とともに定着ベルト63を巻き掛けたゴム製の定着ローラ68と、定着ローラ68との間で定着ベルト63に圧接し圧接部であるニップ部としての定着ニップ70を形成する中空のローラである加圧ローラ69と、加圧ローラ69の内部に配設された第2の加熱手段たる第2の加熱源としての加圧ローラヒータとしてのヒータ84とを有している。
【0061】
定着装置6はまた、加熱ローラ62及び定着ローラ68とともに定着ベルト63を巻き掛けたテンションローラ73と、テンションローラ73に、定着ベルト63の張力を増加する向きの付勢力を与えるようにテンションローラ73を定着ベルト63の内側から外側に向かって付勢した付勢部材としての図示しないスプリングと、加圧ローラ69の温度を検知する温度検知手段としてのサーミスタ86とを有している。
【0062】
定着装置6はまた、加圧ローラ69の外周面に当接して同外周面に付着した紙粉やトナーを除去するローラ状のクリーニング部材89と、定着ローラ68を回転駆動させることで、定着ベルト63、加熱ローラ62、テンションローラ73、加圧ローラ69、クリーニング部材89を従動回転させ、定着ニップ70において転写紙Sを搬送する駆動手段としての図示しない駆動モータと、加圧ローラ69を定着ベルト63を介して定着ローラ62に圧接させる付勢手段としての図示しないスプリングと、定着装置6に備えられた以上の構成を囲繞し内包して作業者にかかる構成が直接触れられないようにしたケーシングとしての定着ケース85とを有している。
【0063】
定着ローラ68、加熱ローラ62、テンションローラ73はそれぞれ、その回転中心位置が固定となるように、その軸68a、62a、73aを定着ケース85に定位置で回転自在に支持されている。
【0064】
加圧ローラ69、クリーニング部材89はそれぞれ、その軸69a、89aを定着ケース85に回転自在に支持されているが、加圧ローラ69は、定着ローラ68、定着ベルト63等に相対変位するように言い換えると近接離間する向きに定着ケース85に移動自在に支持されているとともに、クリーニング部材89は加圧ローラ69の変位に追従可能なように定着ケース85に移動自在に支持されている。
【0065】
定着ベルト63、定着ローラ68、加熱ローラ62、テンションローラ73、加圧ローラ69は、定着ニップ70において転写紙Sに担持されたトナー像の定着を行うために転写紙Sを搬送するための搬送部材として機能する回転体となっている。回転体としての定着ベルト63、定着ローラ68、加熱ローラ62、テンションローラ73、加圧ローラ69はそれぞれ、ベルト回転体、定着回転体、加熱回転体、テンション回転体、加圧回転体となっている。
【0066】
定着装置6は、本体99に着脱自在であり、本体99の外部に一体で取り出し可能であって、このようなユニット化により、交換部品として取り扱うことが可能となっており、また本体99から取り出した状態での修理等のアクセスが容易化するため、メンテナンス性が著しく向上している。
【0067】
定着ローラ68は、耐熱性で無端状であればゴム以外の弾性体で構成されていてもよい。
定着装置6は、トナー像を担持した転写紙Sを定着ニップ70に挟み込む態様で通すことで、熱と圧力との作用により、転写紙Sに担持されたトナー像を同転写紙Sの表面に定着するようになっている。
【0068】
トナーボトル9Y、9M、9C、9BK内のイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色のトナーは、ワックス成分が内部に均一に分散した重合トナーであって、転写ベルト11に付着した際、ワックス成分の外部への析出が少なくなっている。かかる各色のトナーは、図示しない搬送経路を経て、所定の補給量だけ、画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKに備えられた現像装置80Y、80M、80C、80BKに補給される。
【0069】
図1に示すように、画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKは互いに同様の構成となっている。画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKはそれぞれ、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの周囲に、図1中時計方向であるその回転方向B1に沿って、1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKと、クリーニング手段としてのクリーニング装置71Y、71M、71C、71BKと、除電手段としての除電装置78Y、78M、78C、78BKと、AC帯電を行なう帯電手段としての帯電装置79Y、79M、79C、79BKと、2成分現像剤により現像を行う現像手段としての現像装置80Y、80M、80C、80BKと、調整モード時であるプロセスコントロール時に感光体ドラム20Y、20M、20C、20BK上の形成された基準トナー像のトナー濃度及びラインの位置を検出することでトナー濃度及びラインの位置ズレ補正を行うための図示しない像検知センサとを有している。
【0070】
画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKはそれぞれ、本体99に固定された図示しないガイドレールに沿って本体99に対して引き出し自在であるとともに、本体99に押し込むことが可能であり、本体99に対して着脱自在に設置されたプロセスカートリッジとなっている。プロセスカートリッジとしての画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKはそれぞれ、本体99に押し込むと、画像形成に適した所定の位置に装填され、位置決めされるようになっている。このようにプロセスカートリッジ化することは、交換部品として取り扱うことが可能であるため、メンテナンス性が著しく向上し、大変好ましい。またプロセスカートリッジの要素である各部の寿命が同等とされているため、不要な交換が防止、抑制され、さらに好ましい構成となっている。
【0071】
ここで、すでに述べたように、従来より、転写部、定着部などにおいて、2つの回転体を互いに当接させて形成したニップ部に用紙等の記録媒体を通す、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置では、かかるニップ部に記録媒体が進入することに起因する、かかる回転体の回転速度の変動が問題となることがある。
【0072】
この問題を画像形成装置100の構成を借りて図8を参照して説明すると次のとおりである。2次転写部57に転写紙Sが進入するときに、転写紙Sの先端縁の全体が2次転写部57に同時に進入すると、転写紙Sの厚みによって2次転写部57が押し広げられて2次転写部57のニップ圧が変動しさらには転写ベルト11の回転速度が変動することとなる。この転写ベルト11の回転速度の変動時に、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BK上から転写ベルト11上への像の転写が行われていると、この転写において転写ベルト11上に担持されるトナー像に濃度ムラ等の乱れが生じ得るため問題となる。この問題は、画像形成装置100が高速機であることから顕著に現れるため、解決する必要がある。また、互いに異なる色のトナー像を、複数の感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKから転写ベルト11上に転写するカラー画像形成時においては濃度ムラ等がさらに色ずれ等となって現れる可能性もあるため解消する必要がある。
【0073】
そこで、画像形成装置100においては、転写紙Sの搬送方向C1の下流側端部である転写紙Sの先端縁の全体が2次転写部57に同時に進入することがないようにすることで、転写紙Sが2次転写部57に進入したときにおける2次転写部57のニップ圧の変動及びこれに伴う転写ベルト11の回転速度の変動を抑制するようになっている。そのため、2次転写部57に通される転写紙Sの先端縁が、転写紙Sの搬送面内で、駆動ローラ72の回転中心軸と2次転写ローラ64の回転中心軸との少なくとも一方に非平行となるように、駆動ローラ72、2次転写ローラ64を配設している。
【0074】
このような駆動ローラ72、2次転写ローラ64の配設例を、図3ないし図6にそれぞれ示して説明する。なお、これらの図において、転写ベルト11の図示は省略している。これらの図において、左右方向Dは、転写紙Sの幅方向に対応しているとともに、主走査方向に対応している。転写紙Sはこれらの図の紙面に平行に、これらの図の上下方向に対応したC1方向に搬送される。よって、これらの図の紙面に平行な方向が転写紙Sの搬送面となっている。すでに述べたが、駆動ローラ72と2次転写ローラ64とは弾性的に当接しているため、2次転写部57は、C1方向において幅を持っている。2次転写部57はこれらの図において網掛けの領域で示されているが、この2次転写部57は実際には転写ベルト11と2次転写ローラ64とが当接した領域である。これらの図において、一点鎖線Mは、C1方向における2次転写部57の中心線すなわちC1方向における駆動ローラ72の回転中心軸位置と従動ローラ64の回転中心軸位置との平均位置を示している。
【0075】
図3は、転写紙Sの搬送面内で、2次転写ローラ64の回転中心軸をD方向に平行に配置するとともに、駆動ローラ72の回転中心軸をD方向に対し反時計回り方向に傾けて配置した例を示している。駆動ローラ72の回転中心軸はD方向に対し時計回り方向に傾けても良い。
【0076】
図4は、転写紙Sの搬送面内で、駆動ローラ72の回転中心軸をD方向に平行に配置するとともに、2次転写ローラ64の回転中心軸をD方向に対し反時計回り方向に傾けて配置した例を示している。2次転写ローラ64の回転中心軸はD方向に対し時計回り方向に傾けても良い。
【0077】
図5は、転写紙Sの搬送面内で、駆動ローラ72及び従動ローラ64の回転中心軸をD方向に対し時計回り方向に同角度で傾けて配置した例を示している。駆動ローラ72、2次転写ローラ64の回転中心軸はD方向に対し反時計回り方向に傾けても良い。駆動ローラ72の回転中心軸をD方向に対して傾ける角度と従動ローラ64の回転中心軸をD方向に対して傾ける角度とは同角度でなくても良い。
【0078】
図6は、転写紙Sの搬送面内で、駆動ローラ72の回転中心軸をD方向に対し時計回り方向に傾けて配置するとともに、従動ローラ64の回転中心軸をD方向に対し反時計回り方向に傾けて配置した例、すなわち駆動ローラ72の回転中心軸と従動ローラ64の回転中心軸とが、主走査方向に対し互いに異なる角度において非平行である例を示している。駆動ローラ72の回転中心軸をD方向に対し反時計回り方向に傾けて配置するとともに、従動ローラ64の回転中心軸をD方向に対し時計回り方向に傾けて配置しても良い。
【0079】
同図に示した例においてはとくに、駆動ローラ72の回転中心軸がD方向に対して時計回り方向に傾いている角度と、従動ローラ64の回転中心軸がD方向に対し反時計回り方向傾いている角度とは互いに等しくなっている。よって、中心線Mは、主走査方向に平行になっている。
【0080】
これらそれぞれの構成において、2次転写部57の、C1方向上流側の端部は、その少なくとも一部がD方向と非平行となり、C1方向において異なる位置を占めることとなるから、転写紙Sの先端縁は、2次転写部57に進入する際、D方向における一部がまず2次転写部57に進入して2次転写部57を押し広げ、C1方向に進むにつれてD方向における全体が2次転写部57に進入することとなり2次転写部57を漸次押し広げていくため、画像形成装置100は高速機であるが、2次転写部57のニップ圧の変動及びこれに伴う転写ベルト11の回転速度の変動が抑制される。よって、2次転写時に1次転写が行われていても、転写ベルト11上に担持されるトナー像の乱れ、具体的には濃度ムラ等が抑制される。転写紙Sの先端縁が2次転写部57に進入開始する部分は、D方向において、図3、図4に示した構成例ではこれらの図における左側の部分であり、図5に示した構成例では、同図における右側の部分であり、図6に示した構成例では、同図における中央部分である。
【0081】
また、2次転写部57の、C1方向下流側の端部についても、その少なくとも一部がD方向と非平行となり、C1方向において異なる位置を占めることとなるから、転写紙Sの後端縁は、2次転写部57から離脱する際、D方向における一部がまず2次転写部57から離脱して2次転写部57が狭まり、C1方向に進むにつれてD方向における全体が2次転写部57から離脱することとなり2次転写部57を漸次密着させていくため、画像形成装置100は高速機であるが、2次転写部57のニップ圧の変動及びこれに伴う転写ベルト11の回転速度の変動が抑制される。よって、2次転写時に1次転写が行われていても、転写ベルト11上に担持されるトナー像の乱れ、具体的には濃度ムラ等が抑制される。転写紙Sの後端縁が2次転写部57から離脱開始する部分は、D方向において、図3、図4に示した構成例ではこれらの図における右側の部分であり、図5に示した構成例では、同図における左側の部分であり、図6に示した構成例では、同図における中央部分である。
【0082】
転写紙Sの搬送方向であるC1方向は主走査方向に直交する方向であるため、転写紙Sが斜行した状態で2次転写部57に進入する場合と異なり、2次転写は転写紙Sに正対した状態で良好に行われる。
【0083】
ただし、図9に示しているように、D方向において2次転写部57が形成されている領域が、D方向において転写紙Sが搬送される領域より狭いような場合には、2次転写は正常に行われないため、同図に示したような駆動ローラ72の回転中心軸、2次転写ローラ64の回転中心軸の配置は避ける必要がある。したがって、図3ないし図6に示した各構成例において、主走査方向に対して傾いている駆動ローラ72の回転中心軸及び/又は2次転写ローラ64の回転中心軸と、主走査方向とのなす角、言い換えると、駆動ローラ72の回転中心軸と2次転写ローラ64の回転中心軸とのなす角は、D方向における2次転写部57の位置が、2次転写部57を通されるD方向における転写紙Sの位置すなわち通紙領域を含むように設定されている必要がある。
【0084】
すでに述べたように、画像形成装置100において、駆動ローラ72、2次転写ローラ64は、本体99内の定位置で回転するように設けられているが、駆動ローラ72の回転中心軸と、2次転写ローラ64の回転中心軸との少なくとも一方は、2次転写部57に通される転写紙Sの先端縁とのなす角度を調整されるようになっていても良い。図7は、駆動ローラ72の回転中心軸と2次転写部57に通される転写紙Sの先端縁とのなす角度を調整する調整手段41と、2次転写ローラ64の回転中心軸と2次転写部57に通される転写紙Sの先端縁とのなす角度を調整する調整手段42とを有する例を示している。
【0085】
調整手段41、42はそれぞれ、たとえば、回転軸72a、回転軸64aの軸受けを本体99に対して移動させる、ピニオン・ラックを用いた機構、ソレノイドを用いた機構等によって適宜構成される。
【0086】
調整手段41、42は、紙種入力手段、紙圧入力手段、サイズ入力手段として機能する操作パネル92に入力された情報に応じて、駆動ローラ72の回転中心軸、2次転写ローラ64の回転中心軸と、転写紙Sの先端縁とのなす角度を調整する。具体的には、たとえば、転写紙Sが厚紙であるとの情報が入力された場合には、転写紙Sが普通紙である場合に比べて、かかる角度が大きくなるようにして、高速機である画像形成装置100において、転写紙Sが2次転写部57に進入したときの2次転写部57のニップ圧の変動及びこれに伴う転写ベルト11の回転速度の変動の抑制がより有効に作用するようにする。また、たとえば、D方向における転写紙Sの幅が大きい場合には、小さい場合に比べて、かかる角度が小さくなるようにして、D方向における2次転写部57の位置が、2次転写部57を通されるD方向における転写紙Sの位置すなわち通紙領域を含むように設定する。なお、D方向における2次転写部57の位置は、転写を行うことに関しては、2次転写部57を通されるD方向における転写紙Sの位置すなわち通紙領域のうち、トナー像が転写される領域すなわち画像位置を含んでいれば良いため、調整手段41、42はこれを満たすように、駆動ローラ72の回転中心軸、2次転写ローラ64の回転中心軸と、転写紙Sの先端縁とのなす角度を調整するものであっても良い。これらのことは、調整手段41と調整手段42との何れか一方が備えられている場合においても同様である。
【0087】
なお、図3ないし図7に示した各構成例についての以上の説明においては、転写紙Sの先端縁あるいは後端縁が主走査方向に平行となるように転写紙SがC1方向に搬送されることを前提としているため、主に、主走査方向との関係で、駆動ローラ72の回転中心軸、2次転写ローラ64の回転中心軸の配置状態、2次転写部57の形成状態を説明している。よって、かかる主走査方向は、転写紙Sの先端縁が延びる方向と読み替えても良い。また以上の説明においては、主走査方向と、駆動ローラ72の回転中心軸や2次転写ローラ64の回転中心軸とが、転写紙Sの搬送面内において、非平行であるとしているが、これは、かかる搬送面と異なる面内において非平行であることを否定するものではない。
【0088】
このような構成の画像形成装置100において、カラー画像を形成すべき旨の信号が入力されると、制御手段91において形成すべき所望の画像であるフルカラー画像に対応した画像情報を含む印刷ジョブである画像形成ジョブがメモリに記憶され保持されるとともに、駆動ローラ72が駆動され、転写ベルト11、クリーニング対向ローラ74、張架ローラ75、33が従動回転するとともに、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKがB1方向に回転駆動される。
【0089】
感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKはそれぞれ、B1方向への回転に伴い、帯電装置79Y、79M、79C、79BKにより表面を所定の極性に一様に帯電され、光走査装置8からの、同図の紙面垂直方向に略一致する主走査方向への、上方へ向けた、光変調されたレーザー光の露光走査すなわち照射により、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応した静電潜像による潜像を形成され、この静電潜像を現像装置80Y、80M、80C、80BKによりイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーにより現像され、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像によって構成された単色画像が形成される。
【0090】
なお、制御手段91は、光走査装置8を駆動して各色に対応した静電潜像を形成するにあたり、メモリに記憶した画像情報をイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の色情報に分解し、各色に分解された単色の画像情報である各色画像情報に基づいて光走査装置8を駆動する。
【0091】
現像による可視像化により得られたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像は、A1方向の最上流側に位置するイエロートナー画像から、マゼンタトナー画像、シアントナー画像、ブラックトナー画像の順で、順次、1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKによって形成される1次転写バイアスにより、A1方向に回転している転写ベルト11上の同じ位置に1次転写され、転写ベルト11上にはフルカラーのトナー画像である合成カラー画像が形成され担持される。画像形成装置100は高速機であるが、このとき、2次転写部57に転写紙Sが進入しても、これによる転写ベルト11の速度変動が抑制されており、1次転写におけるトナー像の乱れすなわち濃度ムラ等は防止ないし抑制され、4色のトナー像が重ね合わされて形成される合成カラー画像も良好に形成される。
【0092】
一方、カラー画像を形成すべき旨の信号の入力に伴い、ペーパーバンク31に備えられたシート給送装置61のいずれかが選択され、選択されたシート給送装置61に備えられた給送ローラ3が回転して転写紙Sを繰り出すとともに1枚ずつ分離して給紙路32に送り込み、給紙路32に送り込まれた転写紙Sは図示しない搬送ローラでさらに搬送され、レジストローラ対4に突き当てられた状態で停止する。
【0093】
転写ベルト11上に重ね合わされた合成カラー画像が転写ベルト11のA1方向の回転に伴って2次転写部57まで移動するタイミングに合わせて、言い換えると給紙タイミングを計られて、レジストローラ対4が回転し、2次転写部57では、合成カラー画像が、2次転写部57に送り込まれた転写紙Sに密着し、2次転写バイアス及びニップ圧の作用によって転写紙Sに一括して2次転写され、記録される。このとき、すでに述べたように、2次転写部57に転写紙Sが進入することによる転写ベルト11の速度変動は抑制されており、1次転写が行われても、1次転写におけるトナー像の乱れすなわち濃度ムラ等は防止ないし抑制され、1次転写が良好に行われる。
【0094】
転写紙Sは2次転写装置5によって搬送されて定着装置6に送り込まれ、定着装置6において定着ベルト63と加圧ローラ69との間の定着ニップ70すなわち定着部を通過する際、熱と圧力との作用により、担持したトナー像が溶融され、合成カラー画像を定着される。
【0095】
定着装置6を通過した、合成カラー画像を定着済みの転写紙Sは、排紙ローラ7を経て本体99外に排出され、本体99の上部の排紙トレイ17上にスタックされる。
【0096】
感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKは、転写後に残留した残留トナーである転写残トナーをクリーニング装置71Y、71M、71C、71BKにより表面から除去され、除電装置78Y、78M、78C、78BKによって除電され、表面電位を初期化されて、帯電装置79Y、79M、79C、79BKによる次の帯電に供される。
【0097】
2次転写を終えた2次転写部57通過後の転写ベルト11は、クリーニング装置13に備えられたクリーニングブレード76によって転写後にその表面に残留した転写残トナーを除去されてクリーニングされ、次の転写に備える。
【0098】
以上本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0099】
たとえば、第1の回転体は、第1の回転体と第2の回転体とを弾性的に当接させて形成したニップ部において記録媒体に2次転写される像を搬送するために回転するものであれば、駆動ローラ72のような対向ローラでなく、かかる像を担持する像担持体である中間転写体自体であっても良い。中間転写体は転写ベルト11のようなベルト状の部材でなく、ローラ状の部材であっても良い。第2の回転体は、かかるニップ部を形成するのであれば2次転写ローラ64のようなローラ状の部材でなく、ベルト状の部材であっても良い。この点、上述した2次転写装置5は、トナー像を転写された後の転写紙Sを定着装置6へと搬送するシート搬送機能も有するように、転写部材として無端ベルト状の2次転写ベルトを備えていてもよい。この場合、かかるベルト状の部材の内部にかかるニップ部を形成するためのローラ状の部材を設ける場合には、この部材が第2の回転体であっても良い。
【0100】
かかるニップ部は、2次転写部でなく、定着ニップ70のような定着ニップ部であっても良い。この場合、定着装置6を参照すると、駆動ローラ72、2次転写ローラ64をそれぞれ第1の回転体、第2の回転体とした例に合わせれば、定着ローラ68、加圧ローラ69がそれぞれ、第1の回転体、第2の回転体となる。ただし、上述のように定着ベルト63を第1の回転体しても良い。また、定着装置6のようにベルト定着方式を採用したものに限らず、ローラ定着方式を採用した定着装置の場合には、定着ローラ68に対応するローラが第1の回転体となり得る。
【0101】
このように、定着ニップ部をニップ部とした場合には、第1の回転体は転写される像を搬送するために回転するものではないが、記録媒体が定着ニップ部に進入するときにおける記録媒体の搬送速度の速度変動が抑制されるため、画像形成装置100のように定着ニップ部と2次転写部とが比較的近く、定着ニップ部に進入した記録媒体が同時に2次転写部にも進入した状態となる構成においては、2次転写のときのトナー像の乱れが抑制される。ただし、定着ニップ部に進入することによる速度変動は記録媒体自身の撓みによって緩和されやすいことから、トナー像の乱れ防止ないし抑制の観点において、2次転写部をニップ部とした場合の1次転写におけるトナー像の乱れ抑制、防止機能のほうが良好に発揮される。第1の回転体の速度変動が1次転写部に伝達され易いためである。
【0102】
第1の回転体が転写される像を搬送するために回転する構成として、かかるニップ部は、1次転写部であっても良いが、1次転写部に記録媒体が進入する構成においては、第1の回転体の速度変動と同時に記録媒体の速度変動が生じ、速度変動が相殺されて1次転写が行われるため、トナー像の乱れ抑制、防止機能については、やはりかかるニップ部が2次転写部であるほうが良好に発揮される。
【0103】
以上述べた事項が考慮されるのであれば、本発明を適用する画像形成装置は、タンデム型であっても、上述した間接転写方式でなく、直接転写方式を採用可能である。また、画像形成装置は、いわゆるタンデム方式の画像形成装置ではなく、1つの感光体ドラム(像担持体)上に順次各色のトナー像を形成して各色トナー像を順次重ね合わせてカラー画像を得るいわゆる1ドラム方式の画像形成装置にも同様に適用することが可能であるし、他にも、シート状の有機感光体等の像担持体上に各色のトナー像を現像するものの色重ね自体は別にある中間転写体(像担持体)を用いる方式、あるいは中間転写体(像担持体)を複数用いる方式、中間色トナーを用いる方式等の画像形成装置にも同様に適用することが可能である。
【0104】
その他、画像形成装置は、近年では、市場からの要求にともない、カラー複写機やカラープリンタなど、カラーのものが多くなってきているが、画像形成装置は、モノカラー画像のみを形成可能なものであっても良い。
【0105】
このような画像形成装置に用いる画像形成物質としての現像剤は、二成分現像剤に限らず、一成分現像剤であっても良いし、画像形成物質は定着を必要とする他のものであっても良い。
【0106】
画像形成装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリの複合機でなく、これらの単体であっても良いし、その他、複写機とプリンタとの複合機等の他の組み合わせの複合機であっても良い。
画像形成装置は、印刷装置であっても良い。また、画像形成装置は、高速機に限らない。
【0107】
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0108】
41 調整手段
42 調整手段
57 ニップ部
64 第2の回転体
64a 第2の回転体の回転中心軸
72 第1の回転体
72a 第1の回転体の回転中心軸
100 画像形成装置
D 主走査方向、記録媒体の幅方向
M ニップ部の中心線
S 記録媒体
【先行技術文献】
【特許文献】
【0109】
【特許文献1】特開2008−96557号公報
【特許文献2】特開2009−216781号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の回転体と第2の回転体とを弾性的に当接させて形成したニップ部を備え、このニップ部に記録媒体を通す画像形成装置であって、
第1の回転体の回転中心軸と、第2の回転体の回転中心軸との少なくとも一方が、前記ニップ部に通される記録媒体の先端縁と非平行である画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置において、
第1の回転体の回転中心軸と、第2の回転体の回転中心軸との少なくとも一方が、主走査方向と非平行であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2記載の画像形成装置において、
第1の回転体の回転中心軸と、第2の回転体の回転中心軸とが、主走査方向に対し互いに異なる方向において非平行であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項3記載の画像形成装置において、
第1の回転体の回転中心軸と主走査方向とがなす角度と、第2の回転体の回転中心軸と主走査方向とがなす角度とが、互いに等しいことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項3または4記載の画像形成装置において、
前記ニップ部の中心線と主走査方向とが平行であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1ないし5の何れか1つに記載の画像形成装置において、
第1の回転体の回転中心軸及び/又は第2の回転体の回転中心軸と主走査方向とのなす角は、記録媒体の幅方向における前記ニップ部の位置が、同ニップ部を通される同幅方向における記録媒体の位置を含むように設定されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1ないし6の何れか1つに記載の画像形成装置において、
第1の回転体の回転中心軸と、第2の回転体の回転中心軸との少なくとも一方と、前記ニップ部に通される記録媒体の先端縁とのなす角度を調整する調整手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1ないし7の何れか1つに記載の画像形成装置において、
第1の回転体は、前記ニップ部において記録媒体に2次転写される像を搬送するために回転することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−58470(P2012−58470A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−201143(P2010−201143)
【出願日】平成22年9月8日(2010.9.8)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】