説明

画像形成装置

【課題】ヘルプキーの操作に応じて、操作手順を画像でガイダンスする機能を備える画像形成装置に関し、画像データの記憶に必要な容量を削減しつつも、ユーザに対してわかり易いガイダンスをすることが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、矢印で示す動画データの流れに従って、タッチパネル16にガイダンス画像を表示し、さらに、マーキングデータ300が示すタイミングでタッチパネル16に補助画像を表示する構成で、装置状態に対応していない代表的なガイダンス画像を表示しても、ユーザは、補助画像を見ることで正しい操作手順を把握することができる。その結果、装置状態に対応した多数のガイダンス画像を用意しておく必要がなく、代表的なガイダンス画像を用意しておくことで事足りることになり、ガイダンス画像のデータを記憶するために必要となる記憶容量を極力少なくすることが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に、ユーザに操作手順を案内するためのガイダンス画像を表示する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の画像形成装置として、ヘルプキーの操作に応じて、操作手順を画像でガイダンスする機能を備える画像形成装置が知られている。また、ステープル等の消耗品を交換する操作や、ジャム処理などの操作が必要になったときに、ガイダンス画像を自動的に表示する機能を備える画像形成装置も知られている。
【0003】
たとえば、特開平8−123259号公報には、トナーエンプティを検出したときに、トナー補給の必要があることを示すメッセージを表示するとともに、トナー補給操作のガイダンスを動画で詳細に表示する画像形成装置が記載されている。
【0004】
また、特開2006−243160号公報には、フィルムが装填されていない状態を検出したときに、フィルムを装填するための第1セクション〜第4セクションまでの一連の操作手順を繰り返し表示する画像形成装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−123259号公報
【特許文献2】特開2006−243160号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
画像形成装置に要求されるガイダンスの種類は多い。また、同じ種類のガイダンスをする場合でも、装置状態が異なることがある。たとえば、ステープル等の消耗品が第1の箇所と第2の箇所とに取り付けられる画像形成装置には、第1の箇所に取り付けた消耗品の交換時期が到来している装置状態と、第2の箇所に取り付けた消耗品の交換時期が到来している装置状態と、第1および第2の箇所に取り付けた消耗品の交換時期が到来している装置状態とがある。
【0007】
このため、装置状態に対応するガイダンス画像を操作手順の初めから最後に至るまで表示しようとすると、画像形成装置に記憶しておかねばならないガイダンス画像のデータ量が多くなってしまう。特に、ガイダンス画像として動画を採用した場合には、より一層、データ量が膨大になる。
【0008】
そこで、データ量を削減するために、装置状態の違いに関わらず、1種類のガイダンス画像を代表例として表示することが考えられる。ところが、代表例として表示しているガイダンス画像と実際の装置状態とが異なると、ユーザが操作手順を正確に理解できないおそれがある。
【0009】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、画像データの記憶に必要な容量を削減しつつも、ユーザに対してわかり易いガイダンスをすることが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のある局面に従う画像形成装置は、シート上に画像を形成する画像形成手段と、操作手順を案内するためのガイダンス画像を表示する表示部と、前記操作手順に関係する装置状態を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された前記装置状態に対応して、前記ガイダンス画像が表示する操作手順との操作手順の違いを示すための補助画像を、前記ガイダンス画像とともに表示する表示制御手段とを備える。
【0011】
好ましくは、前記画像形成装置は、前記ガイダンス画像を表示するためのデータを記憶する記憶部を有し、前記データは、前記検出手段の検出対象となる前記装置状態の項目を指定するための項目指定情報を含み、前記検出手段は、前記項目指定情報に基づいて前記装置状態を検出する。
【0012】
特に、前記ガイダンス画像を表示するためのデータは、前記ガイダンス画像が表示する前記装置状態を特定するためのガイダンス画像情報を含み、前記記憶部は、前記項目指定情報と、前記ガイダンス画像情報と、前記補助画像のデータを特定するための情報とを対応付けて記憶し、前記記憶部に対応付けて記憶された情報に基づいて、前記検出手段により検出された前記装置状態に対応した前記補助画像を選択する選択手段をさらに含む。
【0013】
特に、前記ガイダンス画像を表示するためのデータは、前記ガイダンス画像が表示する前記装置状態を特定するためのガイダンス画像情報を含み、前記判定手段は、前記ガイダンス画像情報により特定される前記装置状態と、前記検出手段により検出された前記装置状態とを比較することによって前記判定をする。
【0014】
好ましくは、前記ガイダンス画像が表示する前記装置状態と、前記検出手段により検出された前記装置状態とが異なるか否かを判定する判定手段をさらに含み、前記表示制御手段は、前記判定手段によって、前記ガイダンス画像が表示する前記装置状態と前記検出手段により検出された前記装置状態とが異なると判定されたことを条件として、前記補助画像を表示する。
【発明の効果】
【0015】
上述の構成によると、ガイダンス画像が表示する操作手順との操作手順の違いを示すための補助画像が、ガイダンス画像とともに表示される。このため、装置状態に対応していない代表的なガイダンス画像を表示しても、ユーザは、補助画像を見ることで正しい操作手順を把握することができる。その結果、装置状態に対応した多数のガイダンス画像を用意しておく必要がなく、代表的なガイダンス画像を用意しておくことで事足りることになり、ガイダンス画像のデータを記憶するために必要となる記憶容量を極力少なくすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】画像形成装置およびフィニッシャのブロック図である。
【図2】針カートリッジの交換手順をガイダンスするための動画データを示す図である。
【図3】動画データの記憶領域を説明するための図である。
【図4】マーキングデータの構成を説明するための図である(第1実施の形態)。
【図5】判定テーブルを示す図である(第1実施の形態)。
【図6】ガイダンス表示の流れを説明するための図である(第1実施の形態)。
【図7】ガイダンス表示処理を説明するためのフローチャートである(第1実施の形態)。
【図8】ガイダンス表示の流れを説明するための図である(第2実施の形態)。
【図9】ガイダンス表示の流れを説明するための図である(第3実施の形態)。
【図10】ガイダンス表示の流れを説明するための図である(第3実施の形態)。
【図11】ガイダンス表示の流れを説明するための図である(第3実施の形態)。
【図12】ガイダンス表示の流れを説明するための図である(第3実施の形態)。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明において同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一であるものとする。
【0018】
(第1実施の形態)
図1は、画像形成装置1およびフィニッシャ2のブロック図である。画像形成装置1は、コピー機能の他、ネットワークによって接続されたコンピュータからの指令に応じた印刷をする機能や、ファクシミリとしての機能を備える。画像形成装置1は、制御部10、原稿読取装置14、画像形成部15、およびタッチパネル16を有する。
【0019】
制御部10は、設定記憶部101、タッチパネル制御部102、画像データ記憶部103、および判定テーブル記憶部104を含む。設定記憶部101には、画像形成装置1の設定値が記憶されている。画像形成部15は、感光体ドラムや、帯電装置、像露光装置、現像装置、転写装置、クリーニング装置、定着装置等を備える。画像形成部15は、原稿読取装置14によって読み取られた原稿面の画像を周知の電子写真方法によって用紙上に形成する機能を備える。
【0020】
タッチパネル制御部102は、タッチパネル16で検出されたユーザの操作に応じて、画像形成装置1へコピーや後処理の指示を与え、あるいは、ユーザの指示内容をタッチパネル16に表示する。さらに、タッチパネル制御部102は、タッチパネル16にガイダンス用の動画とガイダンス用の静止画とを表示する。
【0021】
画像形成装置1には、フィニッシャ2が連結されている。フィニッシャ2は、画像形成装置1から搬送されてきた用紙に対して、綴じ加工や折り加工などを、ユーザの指示に応じて行なう。
【0022】
フィニッシャ2は、フィニッシャ制御部20、第1ステープラホルダ21、および第2ステープラホルダ22を有する。第1ステープラホルダ21は、ステープラ211と針無し検出センサ212と針カートリッジ213とを備える。第2ステープラホルダ22は、ステープラ221と針無し検出センサ222と針カートリッジ223とを備える。
【0023】
針無し検出センサ212は、第1ステープラホルダ21の針カートリッジ213に針が無いことを検出するためのセンサである。一方、針無し検出センサ222は、第2ステープラホルダ22の針カートリッジ223に針が無いことを検出するためのセンサである。針無し検出センサ212および針無し検出センサ222の検出信号は、フィニッシャ制御部20を介して画像形成装置1の制御部10に入力される。制御部10は、これらの検出信号に基づいて、第1ステープラホルダ21の針カートリッジ213に針が無い装置状態であること、あるいは第2ステープラホルダ22の針カートリッジ223に針が無い装置状態であることを検出する。
【0024】
フィニッシャ制御部20は、画像形成装置1から搬入された用紙を設定に応じた搬送路へと搬送する制御や、第1ステープラホルダ21および第2ステープラホルダ22において複数枚の用紙を綴じる制御等を実行する。
【0025】
図2は、針カートリッジの交換手順をガイダンスするための動画データを示す図である。第1実施の形態に係る画像形成装置1は、画像形成装置1に関する操作手順をガイダンスするためのガイダンス画像をタッチパネル16に表示する機能を備える。ここでは、ガイダンス画像の一例として、針カートリッジの交換手順に関するガイダンス画像を挙げる。このガイダンス画像は、動画である。ただし、動画に代えて、静止画を採用してもよい。
【0026】
針カートリッジの交換手順をガイダンスするための動画データは、図示するように、動画データ51〜動画データ54から成る。針カートリッジの交換手順をガイダンスするための動画データ51〜54により、第1ステープラホルダ21および第2ステープラホルダ22の針カートリッジを交換する手順がガイダンスされる。
【0027】
動画データ51は、フィニッシャ2を画像形成装置1から取り外す操作を表示するためのデータである。動画データ52は、ステープラホルダが設けられた位置にズームインするように表示内容を切換えるためのデータである。
【0028】
動画データ53は、ステープラホルダを手前に引き出して針カートリッジを交換する様子を表示するためのデータである。動画データ54は、試し綴じの指示操作をガイダンスするためのデータである。
【0029】
動画データ53は、マーキングデータ300を含む。マーキングデータ300は、ガイダンス画像に加えて、補助画像をタッチパネル16に表示するためのデータである。マーキングデータ300によって、補助画像の種類、および補助画像の表示タイミングが指定される。補助画像は、画像形成装置1およびフィニッシャ2の現在の装置状態に応じて操作手順をガイダンスするための画像である。
【0030】
補助画像は、静止画である。ただし、静止画に代えて、動画を採用してもよい。画像形成装置1は、動画データ中にマーキングデータ300が含まれている場合には、その動画データに対応するガイダンス画像に加えて、マーキングデータ300に対応する補助画像をタッチパネル16に表示する。
【0031】
図3は、動画データの記憶領域を説明するための図である。画像データ記憶部103には、ガイダンス画像として用いられる複数種類の動画データが記憶領域のアドレスに対応付けて記憶されている。さらに、画像データ記憶部103には、動画データを特定するための動画データ情報が記憶領域のアドレスに対応付けて記憶されている。
【0032】
たとえば、アドレス「A001」には「フィニッシャオープン」の動画データが、動画データ情報とともに記憶されている。アドレス「A002」には「ステープラ位置移動」の動画データが、動画データ情報とともに記憶されている。アドレス「A003」には「ステープル交換」の動画データが、動画データ情報とともに記憶されている。「ステープル交換」の動画データの先頭には、補助画像を表示するために用いるマーキングデータが含まれている。アドレス「A004」には「試し綴じ動作指示」の動画データが、動画データ情報とともに記憶されている。
【0033】
画像データ記憶部103のアドレス「A005」以降には、図3に例示した針カートリッジ交換のガイダンスに対応する動画データ以外の他のガイダンスの種類に対応する動画データも記憶されている。制御部10は、ガイダンスの種類に応じた動画データを画像データ記憶部103から読出し、タッチパネル16にガイダンス画像を表示する。
【0034】
図4は、マーキングデータ300の構成を説明するための図である。マーキングデータ300は、マーキング検出用データ31と、項目指定情報32と、タイミング指定情報33と、ガイダンス画像情報34と、表示情報35とを含んでいる。
【0035】
マーキング検出用データ31は、このマーキング検出用データ31を含むデータがマーキングデータ300であることを示すデータである。制御部10は、動画データの先頭にマーキング検出用データ31として定めた識別コードが含まれているか否かによって、マーキングデータを判別する。
【0036】
項目指定情報32は、検出すべき装置状態の項目を示す情報である。項目指定情報32によって、たとえば、針無しステープラを検出することが指定される。制御部10は、この情報に基づいて、針カートリッジの針が無くなっているステープラホルダが第1ステープラホルダ21であるのか、第2ステープラホルダ22であるのかを検出する。
【0037】
タイミング指定情報33は、補助画像を表示するタイミングを示す情報である。タイミング指定情報33によって、たとえば、動画データ53および動画データ54を表示するタイミングで、補助画像を表示することが指定される。
【0038】
ガイダンス画像情報34は、ガイダンス画像が表示する装置状態の情報である。図4には、装置状態の情報として、「ステープラ情報」が例示されている。「ステープラ情報」としては、「STP1,2」の1種類のみが用意されている。
【0039】
この「STP1,2」は、第1ステープラホルダ21および第2ステープラホルダ22の双方を対象として針カートリッジを交換するための操作手順を示すガイダンス画像を意味する。このため、ガイダンス画像情報34が「STP1,2」であるマーキングデータ300を含むガイダンス画像は、第1ステープラホルダ21および第2ステープラホルダ22の双方を対象として針カートリッジを交換するための操作手順を示す。
【0040】
表示情報35は、補助画像のタイプが静止画であるか動画であるかを示す。画像形成装置1は、表示情報35の指定に応じて静止画または動画の補助画像を選択する。
【0041】
図5は判定テーブル400を示す図である。判定テーブル400は、判定テーブル記憶部104(図1参照)に記憶されているデータである。判定テーブル400には、「装置状態の検出項目」と、「ガイダンス画像情報」と、「検出結果」と、「補助画像のデータ」と、「格納先アドレス」とが対応付けられている。画像形成装置1は、マーキングデータ300と判定テーブル400とを用いて、補助画像の種類、および補助画像を表示するタイミングを決定する。
【0042】
「装置状態の検出項目」は、画像形成装置1がガイダンス画像を表示する前に検出する装置状態の項目である。たとえば、「針無しステープラ検出」は、針が存在しないステープラホルダを検出することを意味する。「装置状態の検出項目」には、その他の検出項目として、X1やX2などの種類が存在する。
【0043】
「ガイダンス画像情報」は、ガイダンス画像の種類を示す情報である。ここでは、「針無しステープラ検出」に対応するガイダンス画像情報は、「STP1,2」の1種類のみとしている。「STP1,2」のガイダンス画像情報は、第1ステープラホルダ21および第2ステープラホルダ22の双方を対象として針カートリッジを交換するための操作手順を示す。
【0044】
「検出結果」は、「装置状態の検出項目」に対応した装置状態の検出結果である。「STP1」は、第1ステープラホルダ21が針無しであることを意味する。「STP2」は、第2ステープラホルダ22が針無しであることを意味する。「STP1,2」は、第1ステープラホルダ21および第2ステープラホルダ22の双方が針無しであることを意味する。
【0045】
また、「K1」〜「K3」は、その他の装置状態の検出項目「X1」、「X2」に対応する検出結果である。
【0046】
「補助画像のデータ」は、ガイダンス画像を表示しているときに、併せて表示する補助画像のデータの種類を示している。「STP_emp1」は、第1ステープラホルダ21を対象として針カートリッジを交換するための操作手順を示す補助画像のデータである。「STP_emp2」は、第2ステープラホルダ22を対象として針カートリッジを交換するための操作手順を示す補助画像のデータである。
【0047】
たとえば、ガイダンス画像情報が「STP1,2」であり、かつ、検出結果が「STP1」のとき、画像形成装置1は、補助画像として「STP_emp1」を選択する。また、ガイダンス画像情報が「STP1,2」であり、かつ、検出結果が「STP2」のとき、画像形成装置1は、補助画像として「STP_emp2」を選択する。その結果、第1ステープラホルダ21および第2ステープラホルダ22の双方を対象として針カートリッジを交換するための操作手順がガイダンス画像で表示されつつ、装置状態に応じた補助画像が表示される。
【0048】
さらに、ガイダンス画像情報が「STP1,2」であり、かつ、検出結果が「STP1,2」のときには、ガイダンス画像と装置状態が一致するため、補助画像を表示する必要がない。この場合、画像形成装置1は、補助画像データを表示しない。
【0049】
「格納先アドレス」は、補助画像のデータが格納されている画像データ記憶部103のアドレスを示す。画像形成装置1は、「格納先アドレス」に示されるアドレスを参照して、画像データ記憶部103から補助画像のデータをロードする。
【0050】
なお、図5には、「針無しステープラ検出」に対応するガイダンス画像情報として、「STP1,2」の1種類のみを示した。しかしながら、「STP1」および「STP2」のうちの一方のガイダンス画像情報をさらに加えてもよい。たとえば、ガイダンス画像情報として、「STP1,2」と「STP1」とを用意した場合には、ガイダンス表示の方法が次のように変更される。
【0051】
「検出結果」が「STP1,2」のとき、画像形成装置1は、ガイダンス画像として、第1ステープラホルダ21および第2ステープラホルダ22の双方を対象として針カートリッジを交換するための操作手順を表示する。この場合、補助画像の表示は不要である。「検出結果」が「STP1」のとき、画像形成装置1は、ガイダンス画像として、第1ステープラホルダ21を対象として針カートリッジを交換するための操作手順を表示する。この場合、補助画像の表示は不要である。「検出結果」が「STP2」のとき、画像形成装置1は、ガイダンス画像として、第1ステープラホルダ21を対象として針カートリッジを交換するための操作手順を表示する。この場合、「検出結果」とガイダンス画像とが一致していない。そこで、画像形成装置1は、「STP_emp2」のデータに基づいた補助画像を新たに表示することでユーザに対して注意を促すことが可能となる。
【0052】
図6は、ガイダンス表示の流れを説明するための図である。タッチパネル16には、ガイダンス画像を表示するための表示領域161と、補助画像を表示するための表示領域162と、ユーザが画像形成装置1に対して各種の指示を入力するための操作領域163とが割当てられている。
【0053】
表示領域161には、ガイダンスの種類に応じたガイダンス画像が表示される。ガイダンス画像は動画である。表示領域162には装置状態に応じた補助画像が表示される。補助画像は静止画である。補助画像は、マーキングデータ300が指定するタイミングで表示される。マーキングデータ300は、ガイダンス画像を構成する複数の動画データのうちのいずれかに含まれている。
【0054】
画像形成装置1は、図6の矢印で示す動画データの流れに従って、タッチパネル16にガイダンス画像を表示する。さらに、画像形成装置1は、マーキングデータ300が示すタイミングでタッチパネル16に補助画像を表示する。ここでは、画像形成装置1が第2ステープラホルダ22内の針カートリッジの針が無くなっていることを検出した場合を例に挙げて、ガイダンス表示の流れを説明する。
【0055】
まず、ガイダンス画像として、「フィニッシャオープン」の動画データ51に基づく動画が表示領域161に表示される。図6(A)は、「フィニッシャオープン」に対応するタッチパネル16の表示状態を示している。図6(A)の表示領域161には、「フィニッシャオープン」の動画の一部が表示されている。「フィニッシャオープン」の動画を表示しているときには、補助画像は表示されない。ユーザは、この動画が表示されることによって、フィニッシャ2を画像形成装置1から取り外す必要があることを理解できる。
【0056】
次に、「ステープラ位置移動」の動画データ52に基づく動画が表示領域161に表示される。このとき、補助画像はタッチパネル16に表示されない。図6(A)〜図6(C)では、「ステープラ位置移動」に対応するタッチパネル16の表示状態の図示を省略している。「ステープラ位置移動」は、ステープラホルダが設けられた位置にズームインするように表示内容を切換える動画である。ユーザは、この動画によって、ステープラホルダが設けられた箇所を理解する。
【0057】
次に、「ステープル交換」の動画データ53に基づく動画が表示領域161に表示される。図6(B)は、「ステープル交換」に対応するタッチパネル16の表示状態を示している。図6(B)の表示領域161には、「ステープル交換」の動画の一部が表示されている。図6(B)の表示領域161の「ステープル交換」の動画は、第1ステープラホルダ21と第2ステープラホルダ22との双方を手前に引き出す動画である。
【0058】
このように、図6(B)の動画では、針カートリッジ交換の対象が第1ステープラホルダ21であるか第2ステープラホルダ22であるかに関わらず、第1ステープラホルダ21と第2ステープラホルダ22との双方を手前に引き出す様子が表示される。このため、ユーザは、動画データ53の動画のみでは、左右いずれのステープラホルダを引き出せばよいのか理解できない。
【0059】
仮に、装置状態の判定結果が「STEP2」であるとすると、第2ステープラホルダ22のステープル交換が必要とされていることになる。この場合、図6(B)の表示領域161に表示されている装置状態と、実際の装置状態とが一致しない。
【0060】
そこで、図6(B)に示すように、表示領域162には、第2ステープラホルダ22を引き出している状態を示す補助画像が表示される。補助画像には、第2ステープラホルダ22を表す画像220が表示されている。さらに、補助画像では、第2ステープラホルダ22を引き出している様子を表す部分が丸枠の画像170で囲まれている。これにより、操作の対象が第2ステープラホルダ22であることをユーザがより一層理解し易くなる。なお、図6(B)に示す補助画像に代えて、第1ステープラホルダ21および第2ステープラホルダ22のうち、針カートリッジを交換する必要のあるステープラホルダのみを手前に引き出す様子を表示する補助画像を表示してもよい。
【0061】
次に、「試し綴じ動作指示」の動画データ54に基づく動画が表示領域161に表示される。この動画は、針カートリッジを交換したステープラホルダを用いて試し綴じをする操作を示す動画である。図6(C)は、「試し綴じ動作指示」の動画を表示しているときのタッチパネル16の表示状態を示している。「ステープル交換」の動画から「試し綴じ動作指示」の動画に切換わると、補助画像も切換わる。図10(C)では、切換わった後の表示領域161の動画および表示領域162の補助画像の図示を省略している。切換わった後の補助画像では第2ステープラホルダ22を用いて試し綴じをする様子が表示される。ユーザは、補助画像を参照することにより、試し綴じ操作の対象が第2ステープラホルダ22であることを容易に理解できる。
【0062】
以上のように、ガイダンス用の「ステープル交換」の動画データは、針カートリッジ交換の対象が第1ステープラホルダ21であるか第2ステープラホルダ22であるかに関わらず、共通して用いられる。同様に、ガイダンス用の「試し綴じ動作指示」の動画データも、針カートリッジ交換の対象が第1ステープラホルダ21であるか第2ステープラホルダ22であるかに関わらず、共通して用いられる。このため、第1ステープラホルダ21の針カートリッジを交換する動画データと、第2ステープラホルダ22の針カートリッジを交換する動画と、第1ステープラホルダ21および第2ステープラホルダ22の双方のステープラホルダの針カートリッジを交換する動画データとを異ならせる場合と比較して、必要な動画データの数を減らすことができる。その結果、動画データの記憶に必要なメモリの記憶容量を減らすことができる。
【0063】
しかも、装置状態に関わらず共通する動画をガイダンス画像として表示するときには、装置状態に応じて異なる補助画像を表示するため、ユーザが操作に迷うことを極力防止できる。
【0064】
また、補助画像として静止画を採用している。このため、補助画像として動画を採用することに比べて、補助画像の記憶に必要なメモリの記憶容量を減らすことができる。
【0065】
次に、図7を用いて画像形成装置1が備える制御部10の制御手順を説明する。図7は、制御部10が実行するガイダンス表示処理を示すフローチャートである。
【0066】
まず、制御部10は、動画によるガイダンス表示をするタイミングであるか否かを判定する(S1)。
【0067】
たとえば、制御部10は、ガイダンスの表示を要求する操作を検出した場合に、S1でYESと判定する。ガイダンスの表示を要求する操作は、タッチパネル16の操作領域163をユーザが操作することによって検出される。あるいは、制御部10は、針カートリッジ等の消耗品を交換する必要性が生じたとき、またはジャム処理の必要性が生じたときに、S1でYESと判定する。
【0068】
制御部10は、S1でYESと判定した場合、ガイダンスに用いる動画データが存在するか否かを判定する(S2)。ガイダンスに用いる動画データは、画像データ記憶部103に記憶されている。要求されたガイダンスに対応する種類の動画データが存在しない場合にはガイダンス表示処理を終了する。要求されたガイダンスに対応する種類の動画データが存在する場合には、ガイダンスに用いるすべての動画データ情報を取得する(S3)。これにより、たとえば、制御部10は、図3に示した「フィニッシャオープン」「ステープラ位置移動」「ステープル交換」および「試し綴じ動作指示」の動画データ情報を取得する。
【0069】
次に、制御部10は、取得した動画情報に対応する動画データをロードし、順次、動画を表示する(S4)。これにより、たとえば、図3に示した「フィニッシャオープン」「ステープラ位置移動」「ステープル交換」および「試し綴じ動作指示」の動画データに基づく動画が順次、タッチパネル16に表示される。
【0070】
次に、制御部10は、表示している動画のデータの中にマーキングデータが含まれているか否かを判定する(S5)。これによって、マーキングデータが含まれている動画データが特定される。動画データの中にマーキングデータが含まれていない場合には、S11に進む。
【0071】
動画データの中にマーキングデータが含まれている場合、制御部10は、マーキングデータを解析する(S6)。具体的には、マーキングデータ300の中のガイダンス画像情報と項目指定情報と表示情報とタイミング指定情報とを参照して、これらを判定テーブル400と比較する。
【0072】
次に、制御部10は、現在の装置状態と、マーキングデータ300に含まれるガイダンス画像情報とが一致しているか否かを判定する(S7)。たとえば、現在の装置状態が、第1ステープラホルダ21および第2ステープラホルダ22の双方共に針が無い状態であるとする。この場合、図5を参照して、現在の装置状態の検出結果は「STP1,2」となる。このとき、マーキングデータのガイダンス画像情報が「STP1,2」の場合には、S7でYESと判定される。つまり、補助画像を表示する必要がない。この場合、S11に進む。
【0073】
これに対して、現在の装置状態が、第1ステープラホルダ21のみ針が無い状態であるとする。この場合、図5を参照して、現在の装置状態の検出結果は「STP1」となる。このとき、マーキングデータのガイダンス画像情報が「STP1,2」の場合には、S7でNOと判定される。この場合、制御部10は、装置状態に対応する補助画像のデータをロードする(S8)。具体的には、制御部10は、「STP_emp1」の補助画像のデータ(図5参照)を選択し、選択したデータを画像データ記憶部103のアドレスa1からロードする。
【0074】
このように検出された装置状態に応じて、ガイダンス画像が表示する操作手順と検出された操作状態で必要とされる操作手順の違いを示すための適切な補助画像を、ガイダンス画像とともに表示することで、メモリの記憶容量を抑えつつ、ユーザに対してわかり易いガイダンスを実現することができる。
【0075】
次に、制御部10は、S6で参照したタイミング指定情報に基づいて、補助画像の表示タイミングであるか否かを判定する(S9)。補助画像の表示タイミングではない場合、S10に進む。補助画像の表示タイミングである場合、制御部10は、補助画像を表示する(S10)。これにより、たとえば、第1ステープラホルダ21および第2ステープラホルダ22の針カートリッジを交換するための動画(ガイダンス画像)が表示されつつ、装置状態に応じた補助画像がタッチパネル16に表示される。
【0076】
次に、制御部10は、ガイダンス用の一連の動画の表示を終了させるタイミングであるか否かを判定する(S11)。たとえば、図6に示した動画データ51〜54に基づく一連の動画の表示を終了させるタイミングになれば、制御部10は、動画の表示を終了させるとともに、補助画像の表示を終了させる(S12)。これによって、制御部10による、ガイダンス表示処理が終了する。
【0077】
(第2実施の形態)
次に、図8を用いて第2実施の形態を説明する。図8は、ガイダンス表示の流れを説明するための図である。第2実施の形態は、第1実施の形態と比較して、表示領域162に表示する補助画像の表示サイズをガイダンス画像の表示サイズよりもより一層小さくした点に特徴を有する。そのため、図8に示すように、表示領域162に表示される補助画像の表示サイズは、表示領域161に表示されるガイダンス画像の表示サイズよりもはるかに小さくなる。
【0078】
第2実施の形態によれば、補助画像の表示サイズを小さくしたため、補助画像データの記憶に必要なメモリの容量を減らすことができる。なお、補助画像は、動画および静止画のいずれでもよい。また、補助画像の解像度をガイダンス画像よりも低くすることで、補助画像のデータサイズをガイダンス画像のデータサイズより小さくしてもよい。あるいは、補助画像のデータをガイダンス画像のデータよりも圧縮率が高いフォーマットで画像データ記憶部103に記憶してもよい。これらによって、より一層、補助画像の記憶に必要なメモリの記憶容量を減らすことができる。
【0079】
(第3実施の形態)
次に、図9〜図12を用いて第3実施の形態を説明する。上記第1実施の形態および第2実施の形態では、針カートリッジ交換を例としてガイダンス表示を説明した。この第3実施の形態では、その他のガイダンス表示について説明する。なお、第3実施の形態は、第1実施の形態および第2実施の形態のいずれにも適用可能である。
【0080】
まず、図9および図10を用いて、トナーカートリッジ交換を例とするガイダンス表示について説明する。画像形成装置1には、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、およびK(ブラック)の4種類のトナーカートリッジが装着されている。ここでは、このうち、Y(イエロー)のトナーカートリッジを交換するためのガイダンス表示について説明する。
【0081】
なお、画像形成装置1は、トナーカートリッジの残量をトナーカートリッジの種類別に検出するためのトナー残量検出センサを備えている(図示省略)。制御部10は、このトナー残量検出センサの検出信号に基づいて、交換が必要なトナーカートリッジの種類を判定する。
【0082】
図9に示すように、トナーカートリッジ交換のガイダンス表示には、動画データ61〜63を用いる。動画データ61は、画像形成装置1の前ドアを開く様子を表示するためのデータである。動画データ62は、K(ブラック)のトナーカートリッジを交換する様子を表示するためのデータである。
【0083】
動画データ62の先頭には、マーキングデータが含まれている。動画データ63は、トナーカートリッジ交換を終えて、前ドアを閉じる様子を表示するためのデータである。
【0084】
制御部10は、まず、動画データ61に基づいた動画を表示する。これにより、図9(A)に示すように、画像形成装置1の前ドアを開いて、トナーカートリッジを露出させる様子が表示領域161に表示される。トナーカートリッジは、前ドアを開いたときに、向かって左からY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の順に並んで装着されている。
【0085】
次に、制御部10は、動画データ62に基づいた動画を表示する。これにより、図9(B)、図9(C)、図10(D)に示すように、トナーカートリッジを引き出す様子と、新たなトナーカートリッジのトナーをほぐす様子と、新たなトナーカートリッジを画像形成装置1に装着する様子とが順に表示領域161に表示される。
【0086】
ただし、動画データ62は、K(ブラック)のトナーカートリッジを対象とする交換手順を表示するデータである。一方、実際に交換が必要とされているトナーカートリッジの種類は、Y(イエロー)である。このため、装置状態と、動画データ62によるガイダンス画像とが一致していない。
【0087】
そこで、第3実施の形態では、動画データ62によってガイダンス画像を表示するともに、表示領域162に、装置状態に対応する補助画像を表示する。すなわち、図9(B)、図9(C)、図10(D)に示すように、表示領域162には、Y(イエロー)のトナーカートリッジが装着されている箇所に丸枠の画像180が付された補助画像が表示される。その結果、トナーカートリッジの種類に係わらず共通するガイダンス画像を表示領域161に表示しても、ユーザは、交換すべきトナーカートリッジの位置を理解することができる。
【0088】
次に、制御部10は、動画データ63に基づいた動画を表示する。これにより、図10(E)に示すように、前ドアを閉じてトナーカートリッジの交換作業を終える様子が表示領域161に表示される。また、このとき、補助画像の表示が消える。
【0089】
次に、図11および図12を用いて、ジャム処理のガイダンス表示について説明する。フィニッシャ2には、ジャム用紙を取り除くために開閉する8つの開閉部が設けられている。以下では、これらの8つの開閉部を、各々、FN1〜FN8と称する。さらに、フィニッシャ2には、オプションでジョブセパレータを搭載することが可能とされている。ここで、ジョブセパレータは、コピー、プリントアウト用紙、およびファクシミリの排紙を仕分ける装置である。ここでは、フィニッシャ2にジョブセパレータが搭載されていない場合のガイダンス表示について説明する。
【0090】
ジャム処理のガイダンス表示には、FN1〜FN8の各々に対応する動画データに加えて、ジョブセパレータに対応する動画データを用いる。図11には、このうち、FN1、FN8、およびジョブセパレータに対応する動画データのみを示している。図11に示す動画データ71は、FN8を開いて用紙を取り除く様子を表示するためのデータである。動画データ72は、FN1を開いて用紙を取り除く様子を表示するためのデータである。動画データ73は、ジョブセパレータから用紙を取り除く様子を表示するためのデータである。
【0091】
動画データ73の先頭には、マーキングデータが含まれている。
制御部10は、まず、動画データ71を再生する。これにより、図11(A)に示すように、フィニッシャ2のFN8を開いて用紙を取り除く様子が表示領域161に表示される。
【0092】
次に、制御部10は、動画データ72に基づいた動画を表示する。これにより、図11(B)に示すように、フィニッシャ2のFN1を開いて用紙を取り除く様子が表示領域161に表示される。
【0093】
次に、制御部10は、動画データ73に基づいた動画を表示する。これにより、図11(C)に示すように、フィニッシャ2に搭載されたジョブセパレータから用紙を取り除く様子が表示領域161に表示される。ここで、フィニッシャ2にジョブセパレータが搭載されていない場合、装置状態と、動画データ73によるガイダンス画像とが一致していないことになる。
【0094】
そこで、第3実施の形態では、このような場合には、動画データ73によってガイダンス画像を表示するともに、表示領域162に、装置状態をユーザに教えるための補助画像を表示する。すなわち、図11(C)に示すように、表示領域162には、「この装置には、該当の操作箇所がありませんので、この操作は不要です。」というメッセージが表示される。その結果、ジョブセパレータの搭載の有無に係わらず共通するガイダンス画像を表示領域161に表示しても、ユーザは、ジャム処理の操作に迷うことがない。
【0095】
制御部10は、動画データ73に続いて、図示しない動画データに基づいた動画を順次表示する。これにより、残りの開閉部を開いて用紙を取り除く様子が順次、表示領域161に表示される。そして、最後には、図12(D)に示すように、フィニッシャ2のFN6を開いて用紙を取り除く様子が表示領域161に表示される。
【0096】
以上、説明したように、第1〜第3実施の形態によれば、ガイダンス表示をする際に、装置状態に関わらない共通のガイダンス用の動画を用いるため、動画データを記憶するために必要となる記憶容量を極力少なくすることができる。しかも、第1〜第3実施の形態によれば、ガイダンス用の動画の再生が進行して、装置状態に応じて操作手順が異なる場面に達したときに、装置状態に応じた補助画像が併せて表示される。このため、不慣れなユーザにおいても、動画によるガイダンスの内容と装置状態とが異なることに迷うことなく、ガイダンス内容を把握することができる。
【0097】
次に、変形例などを列挙する。
(1) 画像形成装置1には、ガイダンス画像および補助画像を表示するための専用の表示部を設けてもよい。また、上記各実施の形態では、画像形成装置1とフィニッシャ2とが独立した構成について説明した。しかしながら、画像形成装置1自体がフィニッシャを備えた構成としてもよい。
【0098】
(2) 判定テーブル記憶部104は、制御部10の制御プログラムを記憶したROM(Read Only Memory)で構成してもよい。あるいは、判定テーブル記憶部104は、制御部10の制御プログラムを記憶したROMとは別のメモリで構成してもよい。
【0099】
(3) ガイダンス画像は、複数種類の動画データをガイダンスの種類に応じて適宜組合せて再生するものである。たとえば、図2には、針カートリッジの交換手順をガイダンスするための4つの動画データを示した。このような動画データの各々は、様々な種類のガイダンス画像の一部に兼用できる。
【0100】
(4) ガイダンス画像を図2に示すように複数の動画で構成した場合、各動画は、次の(a)、(b)のいずれの方法で表示してもよい。
【0101】
(a) 複数の動画の各々を一定の時間が経過する毎に、順次、切換えて表示する。すべての動画の表示が終了すると、再度、最初に表示した動画から表示し直すことを繰り返す。また、複数の動画を表示している途中で、装置状態に応じた補助画像を表示する。
【0102】
(b) 複数の動画の各々を、ユーザの操作が検出されたことに基づいて、順次、切り替えて表示する。たとえば、複数の動画のうちの第1動画が表示する操作手順をユーザが実行したことを検出したときに、第1動画から第2動画に切り替える。また、複数の動画を表示している途中で、装置状態に応じた補助画像を表示する。
【0103】
(5) 実際の装置状態とガイダンス画像とが違っている箇所が複数箇所存在する場合、画像形成装置1は、その都度、実際の装置状態に対応する補助画像を表示する。
【0104】
(6) 画像形成装置1は、補助画像の表示タイミングを、ガイダンス画像の表示時間で制御する。たとえば、画像形成装置1は、ガイダンス画像の表示を開始してから第1の時間が経過したときに、補助画像の表示を開始する。次に、補助画像の表示を開始してから第2の時間が経過したときに、補助画像の表示を終了させる。
【0105】
あるいは、画像形成装置1は、補助画像の表示タイミングを、動画を構成する画像フレームに基づいて制御してもよい。たとえば、画像形成装置1は、動画を構成する複数の画像フレームのうち、先頭の画像フレームから第1の画像フレームまでの再生を終えたときに、補助画像の表示を開始する。さらに、第1の画像フレームから第2の画像フレームまでの再生を終えたときに、補助画像の表示を終了する。
【0106】
(7) 第3実施の形態では、画像形成装置1にジョブセパレータが装備されていないときに、ジョブセパレータに関係する操作手順がガイダンス画像で表示されると、ジョブセパレータに関する操作が不要である旨のメッセージが表示される。このような制御は、ジョブセパレータのみならず、ジョブセパレータと同様に、オプションとして装備の有無を選択可能な付属品に関しても同様に行なうことが望ましい。
【0107】
また、ある種の機能を有効にするか否かを設定スイッチの操作によって切換え可能な画像形成装置1においては、その機能が有効に設定されているときにのみ必要となる操作手順が存在することも想定される。この場合、その機能が無効に設定されている画像形成装置1において、その操作手順がガイダンス画像で表示されているときに、その操作手順が不要である旨のメッセージを表示することが望ましい。
【0108】
(8) ガイダンス画像に重ね合わせるようにして、補助画像を表示してもよい。たとえば、図6(B)の表示領域161内に表示されたガイダンス画像のうちの第2ステープラホルダに対して、丸枠の画像170を表示することが考えられる。この場合、図6(B)の表示領域162への補助画像の表示は不要である。
【0109】
あるいは、画像形成装置1にタッチパネル16とは別の表示画面を設け、ガイダンス画像と補助画像とのうちのいずれか一方をタッチパネル16に表示し、他方をその表示画面に表示してもよい。
【0110】
(9) 上記各実施の形態では、補助画像を必ずガイダンス画像と共に表示する例を挙げた。しかしながら、補助画像を表示するときには、ガイダンス画像を表示しないようにしてもよい。
【0111】
(10) コンピュータを機能させて、上述のフローチャートで説明したような制御を実行させるプログラムを提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM、RAMおよびメモリカードなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。
【0112】
あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0113】
なお、プログラムは、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0114】
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0115】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0116】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0117】
1 画像形成装置、2 フィニッシャ、10 制御部、16 タッチパネル、21 第1ステープラホルダ、22 第2ステープラホルダ、170 丸枠の画像、180 丸枠の画像、300 マーキングデータ、400 判定テーブル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート上に画像を形成する画像形成手段と、
操作手順を案内するためのガイダンス画像を表示する表示部と、
前記操作手順に関係する装置状態を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された前記装置状態に対応して、前記ガイダンス画像が表示する操作手順との操作手順の違いを示すための補助画像を、前記ガイダンス画像とともに表示する表示制御手段とを備える、画像形成装置。
【請求項2】
前記ガイダンス画像を表示するためのデータを記憶する記憶部を有し、前記データは、前記検出手段の検出対象となる前記装置状態の項目を指定するための項目指定情報を含み、
前記検出手段は、前記項目指定情報に基づいて前記装置状態を検出する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ガイダンス画像を表示するためのデータは、前記ガイダンス画像が表示する前記装置状態を特定するためのガイダンス画像情報を含み、
前記記憶部は、前記項目指定情報と、前記ガイダンス画像情報と、前記補助画像のデータを特定するための情報とを対応付けて記憶し、
前記記憶部に対応付けて記憶された情報に基づいて、前記検出手段により検出された前記装置状態に対応した前記補助画像を選択する選択手段をさらに含む、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ガイダンス画像が表示する前記装置状態と、前記検出手段により検出された前記装置状態とが異なるか否かを判定する判定手段をさらに含み、
前記表示制御手段は、前記判定手段によって、前記ガイダンス画像が表示する前記装置状態と前記検出手段により検出された前記装置状態とが異なると判定されたことを条件として、前記補助画像を表示する、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ガイダンス画像情報により特定される前記装置状態と、前記検出手段により検出された前記装置状態とを比較することによって前記ガイダンス画像が表示する前記装置状態と、前記検出手段により検出された前記装置状態とが異なるか否かを判定する判定手段をさらに含む、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記ガイダンス画像を表示するためのデータは、前記補助画像を表示するタイミングを指定するためのタイミング指定情報を含み、
前記表示制御手段は、前記タイミング指定情報が指定するタイミングで前記補助画像を表示する、請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記ガイダンス画像は、複数の画像データから成り、
前記表示制御手段は、複数の画像データを所定順序で再生することによって、前記ガイダンス画像を表示し、
前記項目指定情報と前記タイミング指定情報と前記ガイダンス画像情報とを含むマーキングデータが、前記複数の画像データのうちのいずれかに含まれており、
前記表示制御手段は、前記複数の画像データを前記所定順序で再生するときに、前記マーキングデータが含まれる画像データを特定する、請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記画像形成装置は、前記操作手順のうちの一部が不要となる装置構成に変更可能であり、
前記表示制御手段は、不要な操作手順に対応するガイダンス画像が表示されているときには、前記ガイダンス画像に対応する操作が不要であることを示す補助画像を表示する、請求項1〜請求項7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記補助画像は静止画である、請求項1〜請求項7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記補助画像は動画である、請求項1〜請求項7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記補助画像のデータサイズは、前記ガイダンス画像のデータサイズよりも小さい、請求項1〜請求項7のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−63415(P2012−63415A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−205607(P2010−205607)
【出願日】平成22年9月14日(2010.9.14)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】