説明

画像形成装置

【課題】簡易な方式でパッチ画像が転写ローラーに移らずにすることが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】転写ローラー150は、切欠部140を有する中空のドラム形状で設けられる。転写ローラー150の円弧状の外周面を間に挟むようにして、転写ローラー150の切欠部140の端部のそれぞれ近傍であり、かつ、転写ローラー150の切欠部140の外周面側に咥え爪152,154が設けられる。制御部200からの指示に従って転写ローラー150と中間転写体130とを同期させて回転させるとともに、切欠部140に対応する領域に同期して濃度検知用の画像パターン(パッチ画像)を中間転写体130に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリなどの電子写真方式の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置においては、現像装置を用いて感光体上に静電潜像がトナーにより現像される。そして、例えば、感光体上に現像された静電潜像が記録用紙に転写されて画像が形成されることになる。このような画像形成装置の転写プロセスでは、一般に静電転写方式が採用されている。
【0003】
トナー像を被転写体である用紙に転写する場合は、感光体に対向するように配置された用紙の裏面から転写ローラー等により電圧を印加し、感光体と記録用紙との間に電界を形成してこの電界によりトナー像を記録用紙に静電吸着させている。
【0004】
そして、その後、定着装置により加圧定着することにより転写されたトナー像を記録用紙に定着させている。
【0005】
一方で、近年、大量プリント用のオフィスプリンタやオンデマンド印刷装置などの、より高画質及び高解像度が要求される画像形成装置では、トナー粒子径が小さく、トナー像の乱れが生じにくい液体現像剤を用いた湿式画像形成装置が知られている。この湿式画像形成装置は、トナーの平均粒子径が0.1〜2μmと小さいので高解像度の画像が得られる、液体のため流動性が高いことから均一な画像が得られる、等の利点を有している。
【0006】
この湿式画像形成装置では、装置各部に与えるバイアス電位をはじめとする様々な要素から成る画像形成条件を変化させることで画像濃度などの画像品質を調節することが可能である。また、装置の個体差、経時変化や温湿度など装置の周囲環境の変化に起因してトナー像の画像濃度が異なることがある。
【0007】
それゆえ、上記要素のうち画像濃度に影響を与える画像形成条件を調整することで画像濃度を制御する濃度制御技術が従来より提案されている。
【0008】
一般的には光学的な検知手法を用いてパッチ画像のトナー量を検知し、その結果を現像装置にフィードバックする方式が採られている。
【0009】
たとえば、画像形成領域外に複数の濃度諧調からなるパッチ画像(検知パターン)を形成し、これを光学的な検知手法によって読み取ることにより、基準のトナー量範囲に入っているか判断する。
【0010】
高画質、安定性などが求められるオンデマンド印刷装置においては、このような検知工程をきめ細かく行い、画像濃度を安定化させることが必要となる。
【0011】
一方で、検知用のパッチ画像のクリーニングも重要である。当該パッチ画像(検知パターン)のクリーニングに関しては、一般的には、転写ローラーにクリーニング部を設けて対応する。しかしながら、この方式ではクリーニング不良があった場合に、パッチ画像(検知パターン)が用紙に裏写りする危険性がある。
【0012】
特許文献1によれば、転写ローラーの周長を紙とトナー像間の周期とに対応させ、転写ローラーの同じ領域にカラーパッチが付着する方式を提案している。そして、付着したカラーパッチに関して、次の周期の画像形成時に静電的な力で感光体および中間転写体に戻されるようにする方式を提案している。
【0013】
しかしながら、上記方式では、転写の際に逆帯電したトナー粒子が転写ローラー上に残り、フィルミングや飛散等の問題が生じる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2011−43629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、簡易な方式でパッチ画像が転写ローラーに移らずにすることが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明のある局面に従う画像形成装置は、像担持体上にトナー像を形成する画像形成装置であって、像担持体に画像パターンを形成する作像部と、濃度検知用の画像パターンの濃度を検知して、濃度を制御する濃度制御部と、像担持体と接触して像担持体に形成された画像パターンを転写部材に転写するための転写部とを備える。転写部は、像担持体と対向するとともに、切欠部を有するドラム形状で形成され、転写部材をドラム形状の円弧部分の外周に巻き付けて固定するチャッキング機構を有し、濃度検知用の画像パターンは、像担持体上において、転写部材の切欠部に対応する領域に同期して形成される。
【0017】
好ましくは、像担持体上の濃度検知用の画像パターンを除去するクリーニング装置をさらに備える。
【0018】
好ましくは、転写部のドラム形状の円弧部分の外周は、転写部材の長さよりも短い。
好ましくは、濃度検知用の画像パターンは、転写部材に転写される画像パターン間に形成され、像担持体上の濃度検知用の画像パターンは、切欠部の両端を結ぶ円弧で結ぶ外周長よりも短い長さに設定される。
【0019】
好ましくは、画像パターンは、転写部材の回転周期と同じ周期で形成される。
【発明の効果】
【0020】
本発明に従う画像形成装置の転写部は、像担持体と対向するとともに、切欠部を有するドラム形状で形成され、転写部材をドラム形状の円弧部分の外周に巻き付けて固定するチャッキング機構を有する。そして、濃度検知用の画像パターンは、像担持体上において、転写部の切欠部に対応する領域に同期して形成される。当該構成により濃度検知用の画像パターンであるパッチ画像は、転写部と接触しないため転写部にパッチ画像が移ることを抑制することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態に従う湿式画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に従う転写ローラー150の構成を説明する図である。
【図3】本発明の実施の形態に従うパッチ画像および通常のトナー像の転写を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明においては同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一であるものとする。
【0023】
本発明の実施の形態においては、画像形成装置の一例として湿式画像形成装置について代表的に説明するが乾式画像形成装置についても同様に適用することが可能である。
【0024】
図1は、本発明の実施の形態に従う湿式画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
図1を参照して、本発明の実施の形態に従う湿式画像形成装置には、ドラム状の像担持体である感光体110が設けられ、感光体110の周辺には矢印で示す回転方向の順に除電器112、帯電装置113、露光装置114、現像装置の現像ローラー106、濃度検知センサー120、中間転写体130、クリーニング装置111がそれぞれ配設される。
【0025】
感光体110の表面は、帯電装置113により所定の表面電位に一様に帯電される。そして、その後、露光装置114により画像情報の露光を行ない、感光体110の表面に静電潜像を形成する。次いで、感光体110上の静電潜像は、現像装置の現像ローラー106によりトナー粒子およびキャリア液を含む液体現像剤で現像され、感光体110の表面にトナー像が形成される。このとき、トナー粒子だけでなく分散媒であるキャリア液も感光体110の表面に付着する。
【0026】
そして、感光体110の表面に形成されたトナー像は、中間転写体130との対向部である一次転写部に運ばれる。そして、一次転写部では、中間転写体130が矢印の方向に搬送され、中間転写体130に印加されたトナー粒子と逆極性の電圧の力により感光体110上のトナー粒子は中間転写体130に転写される。そして、トナー粒子が転写された中間転写体130に転写されたトナー像は、転写ローラー150との間で記録用紙へ二次転写されて画像が形成されることになる。そして、図示しない定着部に搬送されトナー像が定着される。
【0027】
ここで、転写ローラー150は、後述するが切欠部140を有するドラム形状で構成されており、切欠部140を除く円弧状の外周面に記録用紙がチャッキングされた状態でトナー像が転写される。具体的には、記録用紙の一端側および他端側が転写ローラー150の切欠部140の外周面側に設けられたチャッキング機構である咥え爪152,154により挟まれて固定された状態となる。ここで、記録用紙の長さは切欠部140を除く円弧状の外周面よりも少し長い。
【0028】
一方、一次転写部を通過した後の感光体110上には、クリーニング装置111が設けられており、感光体110上に残留した転写残トナー粒子およびキャリア液を回収する。また、除電器112により感光体110の表面上の電荷は除電される。
【0029】
また、中間転写体130の周辺には、矢印で示す回転方向の順に感光体110、転写ローラー150およびクリーニング装置131がそれぞれ配設される。
【0030】
二次転写部を通過した後の中間転写体130上に残留した転写残トナー粒子およびキャリア液は、クリーニング装置131により回収される。
【0031】
これらの工程を繰り返し行なうことにより、次々に画像が印字される。
本例においては、図1に示されるように転写ローラー150への記録用紙のチャッキングを制御するチャッキング制御部160と、画像形成の指示および画像形成のタイミング等、湿式画像形成装置全体を制御する制御部200とが設けられている場合が示されている。
【0032】
ここで、液体現像剤は、キャリア液である絶縁性液体と、静電潜像を現像するトナー粒子と、トナー粒子を分散させる分散剤とを主要成分としている。
【0033】
キャリア液としては、一般に電子写真用液体現像剤に用いるものであれば特に制限することなく使用することができるが、例えば、キャリア液として、イソパラフィン系のアイソパー(G、H、L、Mなど)(エクソンモビール)、IPソルベント(1620、2028、2835など)(出光興産)や、パラフィン系のモレスコホワイト(P−40,P−70,P−120)(松村石油研究所)を挙げることができる。また、シリコンオイル、ミネラルオイルを用いることも可能である。
【0034】
トナー粒子は、主として、樹脂と着色のための顔料や染料からなる。樹脂には、顔料や染料を樹脂中に均一に分散させる機能と、記録用紙に定着させる際のバインダとしての機能がある。
【0035】
トナー粒子としては、一般に電子写真用液体現像剤に用いるものであれば、特に制限することなく使用することができる。トナー用結着樹脂としては、たとえばポリスチレン樹脂、スチレンアクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることができる。またこれらの樹脂を複数、混合して用いることも可能である。
【0036】
また、トナーの着色に用いられる顔料および染料も一般に市販されているものを用いることができる。たとえば、顔料としては、カーボンブラック、ベンガラ、酸化チタン、シリカ、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、スカイブルー、ベンジジンイエロー、レーキレッドD等を用いることができる。染料としてはソルベントレッド27やアシッドブルー9等を用いることができる。
【0037】
液体現像剤の調整方法としては、一般に用いられる技法に基づいて調整することができる。たとえば、結着剤樹脂と顔料とを所定の配合比で、加圧ニーダ、ローラーミルなどを用いて溶融混練して均一に分散させ、得られた分散体をたとえばジェットミルによって微粉砕する。得られた微粉末をたとえば風力分級機などにより分級することで、所望の粒径の着色トナーを得ることができる。そして、得られたトナー粒子をキャリア液としての絶縁性液体と所定の配合比で混合する。この混合物をボールミル等の分散手段により均一に分散させ、液体現像剤を得ることができる。
【0038】
トナーの平均粒径は、湿式画像形成方式を採用しているため、0.1μm〜5μmとすることが可能である。0.1μm未満では現像性が大きく低下し、5μmより大きい粒径では画像品位が低下するため、0.1〜5μmに設定することが望ましい。
【0039】
液体現像剤の質量に対するトナー粒子の質量の割合は、10〜50%程度が適当である。
【0040】
10%未満の場合、トナー粒子に沈降が生じやすく、長期保管時の経時的な安定性に問題があり、また、必要な画像濃度を得るため、多量の液体現像剤を供給する必要があり、記録用紙に付着するキャリア液が増加し、定着時に乾燥させた際の蒸気の処理が問題となる可能性がある。一方で、50%を超える場合には、液体現像剤の粘度が高くなりすぎ、製造上も取り扱いが困難になる可能性がある。
【0041】
液体現像剤の粘度は、25℃において、0.1mPa・s以上、10000mPa・s以下が望ましい。10000mPa・sより大きくなると液体現像剤の攪拌や送液等の取り扱いが困難となり、均一な液体現像剤を供給する装置の負担が大きくなる可能性がある。
【0042】
次に、本発明の実施の形態に従う現像装置の構成について、概略について簡単に説明する。
【0043】
現像装置には、感光体110と加圧接触される現像ローラー106と、トナー粒子およびキャリア液を含む液体現像剤を貯蔵した現像槽101とが設けられ、現像槽101に汲み上げローラー102の一部が浸漬されている場合が示されている。汲み上げローラー102と現像ローラー106の間には互いに接触された搬送ローラー104が設けられる。本例においては、汲み上げローラー102等は、矢印の方向に回転し、搬送ローラー104を介して現像ローラー106に液体現像剤が供給される。
【0044】
汲み上げローラー102には、規制ブレード103が設けられる。規制ブレード103により汲み上げローラー102で汲み上げられる液体現像剤量が規制されて搬送ローラー104に供給される。
【0045】
また、搬送ローラー104の周辺には、クリーニング装置105が設けられる。そして、搬送ローラー104を介して現像ローラー106に液体現像剤が移動する。残留した液体現像剤についてはクリーニング装置105により回収される。
【0046】
また、現像ローラー106の周辺には、クリーニング装置107が設けられる。残留した液体現像剤についてはクリーニング装置107により回収される。
【0047】
現像ローラー106により感光体110に搬送された荷電されたトナー粒子は感光体110上において画像部を現像する。
【0048】
そして、本例においては、感光体110の周辺において、濃度検知センサー120を設けた構成が示されている。
【0049】
濃度検知センサー120は、濃度検知用の画像パターンであるパッチ画像から画像濃度を検知し、検知結果に基づいて画像濃度を調整する制御が実行される。パッチ画像は、例えば、中間調濃度を有するデータが用いられる。
【0050】
濃度検知センサー120は、発光部と受光部とを有する光学センサーであり、被測定対象に発光部から光を照射し、その反射光を受光部で検出することにより、被測定対象の光学的な濃度を検知するためのセンサーである。
【0051】
例えば、検知結果に基づき画像濃度を制御する方式の例として、汲み上げローラー102、搬送ローラー104と現像ローラー106の周速比を制御することが挙げられる。この方式を取れば、現像ローラー106に受け渡される液体現像剤量は、汲み上げローラー102、搬送ローラー104との周速比に比例するため、画像濃度を基準に合わせて制御することが可能である。なお、当該方式に限られず、現像ローラー106から感光体110を用いて現像する際や、その後の転写過程における電界を調整することによって画像濃度を調整してもよい。
【0052】
なお、本例においては、現像装置が一台のみ配置されているが、カラー画像形成のために複数台配置してもよい。
【0053】
カラー現像の方式、中間転写の方式などは任意に設定すればよく、それに合わせた任意の配置構成をとることができる。また、現像ローラーや中間転写体は図ではローラー形状となっているが、ベルト構成としてもよい。
【0054】
また、濃度検知センサー120は感光体110上に配設された場合について説明しているが、これに限定されるものではなく、現像ローラー106よりも搬送方向の下流側、転写ローラー150よりも上流側であれば良い。
【0055】
図2は、本発明の実施の形態に従う転写ローラー150の構成を説明する図である。
図2を参照して、転写ローラー150は、本例においては、一例として、切欠部140を有するドラム形状で設けられているものとする。ここでは、その断面図が示されている。断面図においては、切欠部140は扁平形状となっている場合が示されている。
【0056】
そして、ここでは、転写ローラー150の円弧状の外周面151を間に挟むようにして、転写ローラー150の切欠部140の端部156,157のそれぞれの近傍であり、かつ、転写ローラ150の切欠部140の外周面側に咥え爪152,154が設けられている場合が示されている。当該咥え爪152,154は、図示しない咥え爪可動機構により可動可能なように設けられており、咥え爪可動機構は、チャッキング制御部160の指示により制御されるものとする。
【0057】
チャッキング制御部160は、咥え爪可動機構に指示し咥え爪152,154を可動させて搬送される記録用紙の先端および後端を当該咥え爪154,咥え爪152により挟んで記録用紙を転写ローラー150に固定させる。
【0058】
そして、当該状態で制御部200からの指示に従って転写ローラー150と中間転写体130とを同期させて回転させることにより中間転写体130に転写されたトナー像を記録用紙に転写させる。
【0059】
1枚ずつこれらの工程を繰り返し行なうことにより、次々に記録用紙に画像が印字される。
【0060】
なお、本例においては、切欠部140の端部156,157を円弧で結ぶ線158(外周長)が点線で示されている。
【0061】
そして、当該外周長よりも内側に咥え爪152,154が設けられるように、咥え爪152,154が配置されている。したがって、転写ローラー150が回転した場合であっても咥え爪152,154が対向する中間転写体130と接触することはない。
【0062】
次に、パッチ画像のクリーニング方式について説明する。
本実施の形態に従うパッチ画像は、中間転写体130上において転写ローラー150の切欠部140に対応する領域に同期して形成される。パッチ画像は、例えば網線パターンや万線パターンなど中間調濃度を有するデータが用いられる。
【0063】
具体的には、転写ローラー150の端部156と中間転写体130との接触状態が終了した後、次の端部157と中間転写体130との接触状態となるまでの間の中間転写体130が転写ローラー150と非接触状態である領域に形成される。
【0064】
図3は、本発明の実施の形態に従うパッチ画像および通常のトナー像の転写を説明する図である。
【0065】
図3(A)に示されるように、ここでは、咥え爪152,154により記録用紙を転写ローラー150にチャッキングした状態が示されている。
【0066】
ここで、パッチ画像201は、中間転写体130上において転写ローラー150の切欠部140に対応する領域に同期して形成されるため転写ローラー150に転写されることなく、クリーニング装置131が設けられた位置に搬送される。
【0067】
図3(B)では、パッチ画像201がクリーニング装置131側に搬送されるとともに、通常のトナー像202が記録用紙に転写される場合が示されている。なお、パッチ画像201は、クリーニング装置131で除去されることになる。
【0068】
ここで、パッチ画像は、通常のトナー像と、次の通常のトナー像との間に作像される。当該方式により効率的に画像濃度の制御を実行することが可能である。また、1枚毎に画像濃度の制御を実行することが可能であるため画像濃度を安定化させることが可能である。
【0069】
具体的には、制御部200は、画像形成するに際し、各画像間の周期を転写ローラー150の回転周期と同じとなるようにタイミング制御する。
【0070】
また、制御部200は、パッチ画像の長さについて、パッチ画像が転写ローラー150に転写されないように、図2で説明した切欠部140の端部156,157を円弧で結ぶ線158(外周長)の長さよりも短くなる長さに設定する。なお、端部156,157との接触を確実に回避するためにある程度のマージンを持たせて短くすることが望ましい。
【0071】
なお、転写ローラー150の切欠部140を除く円弧状の外周面151の長さは、記録用紙の長さよりも短い。また、本例においては、所定の記録用紙に対応するように咥え爪152,154を設けた構成について説明したが、他の長さの記録用紙つまり複数の種類の記録用紙に対応させてチャッキングするために咥え爪等を転写ローラ150の適切な位置に設けるようにして同様の方式で画像形成を実行することも当然に可能である。
【0072】
なお、本例においては、クリーニング部材としてブレード形状のものについて説明するが、クリーニング部材の形態は特にこれに限られず、必要に合わせて適切なものを選択すればよく、例をあげればブラシ等でもよい。クリーニング装置で回収したキャリア液及びパッチ画像のトナー粒子は、再利用するようにすることにより、ランニングコストを低減することが可能である。
【0073】
本例においては、切欠部を有する転写ローラー150を設け、当該切欠部に対応する領域に同期して濃度検知用の画像パターン(パッチ画像)を設けることにより、簡易な方式でパッチ画像が転写ローラーに移らずにすることが可能である。
【0074】
なお、上述したように、転写ローラー150の円弧の外周長よりも内側に咥え爪152,154が設けられているため中間転写体130に形成されたパッチ画像と咥え爪152,154とが接触することはない。
【0075】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0076】
101 現像槽、102 汲み上げローラー、103 規制ブレード、104 搬送ローラー、105,107,111,131 クリーニング装置、106 現像ローラー、110 感光体、112 除電器、113 帯電装置、114 露光装置、120 濃度検知センサー、130 中間転写体、150 転写ローラー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体上にトナー像を形成する画像形成装置であって、
前記像担持体に画像パターンを形成する作像部と、
濃度検知用の画像パターンの濃度を検知して、濃度を制御する濃度制御部と、
前記像担持体と接触して前記像担持体に形成された画像パターンを転写部材に転写するための転写部とを備え、
前記転写部は、前記像担持体と対向するとともに、切欠部を有するドラム形状で形成され、前記転写部材を前記ドラム形状の円弧部分の外周に巻き付けて固定するチャッキング機構を有し、
前記濃度検知用の画像パターンは、前記像担持体上において、前記転写部の切欠部に対応する領域に同期して形成される、画像形成装置。
【請求項2】
前記像担持体上の前記濃度検知用の画像パターンを除去するクリーニング装置をさらに備える、請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記転写部の前記ドラム形状の円弧部分の外周は、前記転写部材の長さよりも短い、請求項1または2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記濃度検知用の画像パターンは、前記転写部材に転写される画像パターン間に形成され、
前記像担持体上の前記濃度検知用の画像パターンは、前記切欠部の両端を結ぶ円弧で結ぶ外周長よりも短い長さに設定される、請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像パターンは、前記転写部材の回転周期と同じ周期で形成される、請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−3254(P2013−3254A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−132325(P2011−132325)
【出願日】平成23年6月14日(2011.6.14)
【出願人】(000001270)コニカミノルタホールディングス株式会社 (4,463)
【Fターム(参考)】