画像形成装置
【課題】 開閉部材を片閉まり状態になりにくく、開閉部材を簡易に閉じやすくする。
【解決手段】 開閉部材と装置本体とを係合するための第1係合部材及び第2係合部材と、第1係合部材及び第2係合部材に連結された連結部材と、を備える係合ユニットと、第1係合部材及び第2係合部材が開閉部材と装置本体とを係合する方向へ移動するよう係合ユニットを付勢する第1付勢手段と、開閉部材が装置本体に対して開くように開閉部材を付勢する第2付勢手段と、を有する画像形成装置において、第2付勢手段は、開閉部材の前記第1係合部材により装置本体と係合する側にのみ付勢力を付与することを特徴とする。
【解決手段】 開閉部材と装置本体とを係合するための第1係合部材及び第2係合部材と、第1係合部材及び第2係合部材に連結された連結部材と、を備える係合ユニットと、第1係合部材及び第2係合部材が開閉部材と装置本体とを係合する方向へ移動するよう係合ユニットを付勢する第1付勢手段と、開閉部材が装置本体に対して開くように開閉部材を付勢する第2付勢手段と、を有する画像形成装置において、第2付勢手段は、開閉部材の前記第1係合部材により装置本体と係合する側にのみ付勢力を付与することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は装置本体に対して開閉するドアを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置には、カートリッジを着脱や、装置内部の清掃あるいはジャム処理等を行う為に装置本体に対して開閉可能な開閉部材(ドア)が設けられている。
【0003】
このようなドアを装置本体に対して閉じた状態で保持する為、装置本体の穴と係合可能な係合部材をドアの両端にそれぞれ保持し、各々の係合部材が対応する穴に係合するよう各々の係合部材をバネで付勢した構成がある(特許文献1)。
【0004】
また、ユーザがドアを開く際にドアを開くことを補助する為、ドアを開方向に付勢するバネを設けた構成(所謂ポップアップ機構)が知られている。
【0005】
上記特許文献1の構成において、ドアを開方向に付勢するバネを設ける場合、ユーザがドアの片側のみを押してドアを閉めた場合、次のような状態になる可能性がある。つまり、ユーザに押された側の係合部材のみが本体に係合して他方の係合部材は係合しない状態となる所謂片閉まり状態である。このような状態になるのは、両側の係合部材が独立して動いて装置本体と係合してしまうからである。特にドアが大きかったり剛性が低かったりする程、ドアの片側のみを押された場合にドアを開方向に付勢するバネの付勢力の影響を受けてドアが撓みやすくので、片閉まりが発生しやすい。
【0006】
この片閉まり状態では、完全にドアが閉まった状態と外見がさほど変わらないので、片閉まり状態であるにもかかわらず、ユーザはドアが完全に閉まっていると認識してしまう可能性がある。そして、このような片閉まり状態で装置を作動させてしまうと、装置内にゴミが侵入したり、レーザスキャナからのレーザ光が装置外に漏れたりする虞がある。また、片閉まり状態の時は装置を作動させないような安全機構を装置に備える場合、ユーザは、装置を動作させる為に片閉まりに気付いてドアを閉める必要があり、ユーザの作業効率を落としてしまう虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−3403
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、ドア101をその回転軸Xの半径方向から見た図である図12に示すように、リンク部材105でドア101両端の係合部材103a、103bを連結部108で連結し、両端の係合部材103a、103bを連動して動かす構成が提案されている。リンク部材105は、2つのガイド部材109により図中左右方向に摺動可能に開閉部材101に保持され、開閉部材101の両端で夫々回動可能に保持される係合部材103a、103bに回動自在に嵌合している。また、リンク部材105はバネ110によりR方向に付勢されており、リンク部材105を介して係合部材103a、103bが本体の穴104a、104bと係合する方向に付勢されている。
【0009】
この構成では、両端の係合部材103a、103bが独立して動くことが抑制されるので、一方の係合部材のみが本体に係合し他方の係合部材が係合しない状態でドア101が保持された片閉まり状態になることを防ぐことができる。
【0010】
この構成では、ユーザがドア101の片側(図中右側)のみを力Wで押してドア101を閉めた場合、ドア101のユーザに押されていない側(図中左側)の部分は、ユーザから直接力を受けていない。このため、ドア101のユーザに押されていない側はドア101のユーザに押された側の部分よりも遅れて移動していき、ドア101は撓んで回動軸Xに対してねじれた状態となる。
【0011】
そして、ユーザに押された側の係合部材103aは本体の穴104aに係合可能な位置に到達する。一方、押されていない側の係合部材103bは、開方向に付勢するバネ106bにより付勢力Fを受けるので、ドア101はねじれた状態のままとなってしまい、係合部材103bは穴104bに係合する位置まで到達できない(図12(a))。このため、リンク部材105を介して係合部材103bに連動する係合部材103aも穴104aへ係合する方向への移動が規制される。従って、係合部材103aは穴104aに係合可能な位置に到達しているにも関わらず、穴104aに十分に係合することができない。
【0012】
その結果、ユーザがドア101から手を放すと、係合部材103aはバネ106aの付勢力に負けて穴104aに係合できず、ドア101は開いてしまう(図12(b))。特にドア101が大きかったりその剛性が低かったりする程、ドア101が撓みやすく、上記のような事態が発生しやすい。
【0013】
このように、図12の構成では、ユーザがドア101の両側を押すことにより係合部材103a、103bを共に本体の穴104a、104bに係合する位置に移動させないと、両側の係合部材を係合させてドアを閉じた状態とすることができない。即ち、図12の構成は、片閉まり状態になることを抑えることはできるものの、ドア101を簡単に閉じやすくするというユーザビリティの観点ではまだ改良の余地がある。
【0014】
上記の課題に鑑みて、本発明は、開閉部材を装置本体に対して開く方向に付勢する付勢手段を有する画像形成装置において、開閉部材が片閉まり状態になりにくく、開閉部材を簡易に閉じやすい画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
そこで本発明は、装置本体に対して開閉可能な開閉部材と、前記開閉部材と装置本体とを係合するための第1係合部材及び第2係合部材と、前記第1係合部材及び前記第2係合部材に連結された連結部材と、を備える係合ユニットと、前記第1係合部材及び前記第2係合部材が前記開閉部材と装置本体とを係合する方向へ移動するよう前記係合ユニットを付勢する第1付勢手段と、前記開閉部材が装置本体に対して開くように前記開閉部材を付勢する第2付勢手段と、を有し、前記連結部材により、前記第1係合部材の前記開閉部材と装置本体とが係合する方向への移動に連動して前記第2係合部材が前記開閉部材と装置本体とが係合する方向へ移動する画像形成装置において、前記第2付勢手段は、前記開閉部材の前記第1係合部材により装置本体と係合する側にのみ付勢力を付与することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、開閉部材を装置本体に対して開く方向に付勢する付勢手段を有する画像形成装置において、開閉部材が片閉まり状態になりにくく、簡易に開閉部材を閉じることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】画像形成装置の概略断面図。
【図2】画像形成装置の斜視図。
【図3】(a)ドアを装置本体に対して閉じた状態の画像形成装置の概略断面図。(b)ドアを装置本体に対して開いた状態の画像形成装置の概略断面図。
【図4】(a)ドアが装置本体に対して閉じてロックされている状態のドアを回転軸Xの半径方向から見た図。(b)ドアと装置本体とのロックが解除された状態のドアを回転軸Xの半径方向から見た図。
【図5】ドアの斜視図。
【図6】(a)ボタンが押されていない状態のドアの係合ユニットと装置本体のボタンの斜視図。(b)ボタンが押された状態のドアの係合ユニットと装置本体のボタンの斜視図。
【図7】(a)左側の係合部材のみが穴と係合した状態のドアを回転軸Xの半径方向から見た図。(b)は2つの係合部材がそれぞれ穴と係合していない状態のドアを回転軸Xの半径方向から見た図。
【図8】ドアを回転軸Xの半径方向から見た図。
【図9】(a)右側の係合部材のみが穴と係合した状態のドアを回転軸Xの半径方向から見た図。(b)2つの係合部材がそれぞれ穴と係合した状態のドアを回転軸Xの半径方向から見た図。
【図10】ドアを回転軸Xの半径方向から見た図。
【図11】係合部材と穴の部分断面図。
【図12】従来の構成におけるドアを回転軸Xの半径方向から見た図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1実施形態>
本発明に係る画像形成装置の第1実施形態の構成について説明する。
【0019】
本実施形態では、まず初めに画像形成装置の全体構成について説明し、次に開閉部材及びその開閉部材と装置本体との係合機構、及び、開閉部材の閉動作時のメカニズムについて説明する。
【0020】
[画像形成装置の全体構成]
図1は画像形成装置100の概略断面図である。画像形成装置100には、画像形成手段として、感光ドラム203と感光ドラム203に作用する不図示の帯電手段、現像手段、清掃手段と、感光ドラム203を露光するレーザスキャナ211と、感光ドラム203上に帯電した像をシートSに転写する転写ローラ204、シートSのトナー像を定着させる定着手段205が装置内に配置されている。プロセスカートリッジ202は感光ドラム203と感光ドラム203に作用する不図示のプロセス手段である帯電手段、現像手段、清掃手段を備え、後に説明するドアを開いて装置本体内を開放することで装置本体に着脱可能である。
【0021】
画像形成装置100は、感光層を有する感光ドラム203を回転し、その表面に帯電手段の帯電ローラを当接させ、電圧を印加することによって、感光ドラム表面を一様に帯電する。次いで、レーザスキャナ211からの画像情報に応じたレーザ光を露光開口部212を介して感光ドラム203へ照射し、感光ドラム203に潜像を形成する。そしてこの潜像を不図示の現像手段によりトナーを用いて現像し、トナー像として可視像化する。
【0022】
感光ドラム203へのトナー像の形成と同期して、シートSをシート収納カセット213からピックアップローラ214によって送り出し、次いで、搬送ローラ215によって搬送する。次いで、シートSは、レジストレションローラ対210によって一時停止され、トナー像に合うタイミングで感光ドラム203と転写手段としての転写ローラ204とで形成される転写ニップNへ搬送される。次いで、転写ニップNにて感光ドラム203に形成したトナー像を転写ローラ204によってシートSに転写する。次いで、トナー像を転写されたシートSを、定着手段205へ搬送する。この定着手段205はヒタを内蔵する定着回転体206及び、前記回転体206にシートSを押圧して搬送する加圧ローラ207からなり、トナー像が形成されたシートSを加熱及び加圧することで、トナー像をシートSに定着させる。トナー像が定着したシートSを排紙ローラ208により搬送して排出部209へ排出する。転写ニップN通過後に感光ドラム203上に残ったトナーは不図示の清掃手段により感光ドラム203上から除去される。
【0023】
一般的に通紙枚数が増えると、画像形成手段を構成する各部材、ユニットの中にはメンテナンス作業が必要になるものがでてくる。このメンテナンス作業には、例えばプロセスカートリッジ202など消耗部品の交換の作業が含まれる。また、シートSへの画像形成中にシートSのジャムが生じた場合は、画像形成動作を一旦中止して、シートSを取り除く必要がある。
【0024】
[ドアの構成]
図2は画像形成装置100の斜視図であり、(a)はドア111を装置本体に対して閉じた状態、(b)はドア111を装置本体に対して開いた状態を示す。上述したようなプロセスカートリッジ202の交換の作業やジャム処理等をユーザが容易に行えるように、画像形成装置100には装置本体に対して開閉可能なドア(開閉部材)111が設けられている。これにより、ユーザがドア111を開くことで、装置本体内部を開放し、プロセスカートリッジ202の交換やジャム処理を容易に行うことができる。
【0025】
ドア111は、装置本体の外装カバを兼ねており、収納カセット213上方の本体フレム内側に設けられた回転軸Xを中心に開閉回転が可能である。またドア111には、装置本体に係合する2つの係合部材113が回転軸方向の両端部に設けられている。係合部材113はそれぞれ装置本体のドア111の回転軸方向の両側に設けられた穴124と係合する方向に付勢されている。
【0026】
ドア111を閉じる際は、ユーザがドア111を押してドア111を閉位置(図2(a)に示す状態)まで移動させることで、係合部材113のそれぞれが穴124に係合することで、ドア111は閉状態でロックされ保持される。また、ドア111の外側面にはボタン114が設けられており、ユーザがボタン114を押すことで係合部材113と穴124との係合を解除してドアを開くことができる。
【0027】
図3は図2(a)、(b)のA方向から見た画像形成装置の概略断面図であり、(a)はドア111を装置本体に対して閉じた状態、(b)はドア111を装置本体に対して開いた状態を示す。ドア111の一方(図2に示す装置本体の奥側)の端部には、回転軸Xの半径方向にスライド可能な開方向付勢レバー(第2付勢手段)115を有している。開方向付勢レバー115はドアが閉状態の時には、装置本体のフレム内側に設けられた突き当て面116に突き当たった状態となっている。この時、レバー115はバネ117によりドア111を装置本体に対して開く方向に付勢している状態になっている。
【0028】
このため、ボタン114を押して係合部材113と穴123との係合を解除すると、開方向付勢レバー115が回転軸Xの半径方向へ移動することで、装置本体に対して開く方向へドア111を自動的に移動させることができる。このようにドア111が自動的に開くことで、ドア111を開く際のユーザの負荷を軽減したり、ドア111の開き方がわからないユーザが操作方法を理解し易くなる。
【0029】
[ロック機構の構成]
次に上述した係合部材113と穴124を用いたドア111のロック機構の詳細な構成について説明する。図4はドア111を回転軸Xの半径方向から見た図であり、(a)はドア111が装置本体100に対して閉じてロックされている状態、(b)はドア111と装置本体100とのロックが解除された状態を示す。なお、ドア111に設けられた外装部等については説明を簡単にするため記載を省略している。図5はドア111の斜視図である。なお、ドア111に設けられた装置の外装の一部をなす部材等は説明を簡単にするため記載を省略している。
【0030】
まず、係合部材113a、113bと2つの係合部材を連結する連結部材としてのリンク部材121とを備える係合ユニットの構成について説明する。
【0031】
係合部材113(113a、113b)はドア111の回転軸X方向両端に支点軸118a、118bを中心に回動可能にドア111に保持されている。係合部材113a、113bには、装置本体100に設けられた穴124(124a、124b)に入り込んで穴124に引っ掛かって係合する引っ掛け部119a、119bがそれぞれ形成されている。また、係合部材113a、113bはそれぞれリンク連結軸120a 、120bを有し、このリンク連結軸120a 、120bが連結部122a、122bでリンク部材121に連結している。このため、係合部材113a、113bはリンク部材121に対して回動可能である。また、リンク連結軸120aは、係合部材113aの引っ掛け部119aと支点軸118aとの間の位置に配置されている。リンク連結軸120bは、係合部材113aの引っ掛け部119bとリンク連結軸120bとの間に支点軸118bが配置される位置に配置されている。また、リンク部材121は、ドア111のガイド部123によりガイドされることで、図中左右方向に摺動可能である。
【0032】
係合ユニットは上述のような構成であるので、リンク部材121のR方向への移動に連動して係合部材113は各々同位相でロックポジション(穴124に入り込んだ位置)へ移動する(図4(a)参照)。逆に、リンク部材121のR方向の反対方向であるL方向への移動に連動して係合部材113は各々同位相でロック解除ポジション(穴124から抜けた位置)へ移動する(図4(b)参照)。
【0033】
なお、係合部材113のロックポジションとは、装置本体100の引っ掛け穴(穴)124に係合部材113が引っ掛かった(係合した)状態(図4(a))を示す。ロック解除ポジションとは引っ掛け穴124に係合部材113が引っ掛かっていない(係合が解除されている)状態(図4(b))を示す。
【0034】
次に、係合ユニットと装置本体との係合について説明する。係合ユニットは、係合部材113a、113bがそれぞれ引っ掛け穴124に係合する方向に移動するようにバネ(第1付勢手段)125により付勢されている。そして、この付勢力により、係合ユニットが装置本体と係合した状態(係合部材113がそれぞれ引っ掛け穴124に引っ掛かった状態)で保持し、ドア111を閉状態で保持することができる。本実施形態では、バネ125は、係合部材113aのみに直接R方向の付勢力を付与する構成となっている。係合部材113bには、リンク部材121を介して、間接的にバネ125のR方向の付勢力が付与されていることになる。なお、直接付勢力を付与するとは、付勢力を付与する部材(バネ125)が付勢力を付与される部材(係合部材113b)へ付勢力を伝達する過程で部材間のガタを介することなく付勢力を伝達させることを意味している。
【0035】
次に、係合ユニットと装置本体との係合の解除について説明する。図6はドア111の係合ユニットと装置本体のボタン114の斜視図であり、(a)はボタン114が押されていない状態、(b)はボタン114が押された状態を示す。なお、その他の部材については説明を簡単にする為に記載を省略している。ボタン114は装置本体100にZ方向に移動可能に保持されており、傾斜部126が一体的に形成されている。ユーザがボタン114を押し下げる(Z方向に移動させる)と、傾斜部126が当接する係合部材113bの傾斜部127を押圧し、バネ125(図4参照)の付勢力に抗して係合部材113bがロック解除ポジションへと移動する(図6(b))。この動きよりリンク部材121をR方向の反対方向であるL方向に移動し、他方の係合部材113aもロック解除ポジションへと移動する。このため、2つの係合部材113の引っ掛け穴124への引っ掛かりは外れ、ドア111と装置本体100との係合が解除されることになる。従って上述したように、開方向付勢レバー115が回転軸Xの半径方向へ移動し、装置本体100に対して開く方向へドア111を自動的に移動する。
【0036】
[ドア111の閉動作]
次にドア111が片側のみをユーザに押されて閉じられようとした場合について説明する。まず、ドア111のバネ125及び開方向付勢レバー115を有していない側(係合部材113b側:図中左側)のみをユーザに押された場合について説明する。
【0037】
図7はドア111を回転軸Xの半径方向から見た図であり、(a)は左側の係合部材113bのみが穴124bと係合した状態、(b)は2つの係合部材113がそれぞれ穴124と係合していない状態を示す。
【0038】
図7(a)に示すように、ドア111のバネ125及び開方向付勢レバー115を有さない側(図中左側)のみをユーザが力Wで押圧すると、ドア111のユーザに押されていない側(図中右側)の部分は、ユーザから直接力を受けていない。このため、ドア111のユーザに押されていない側がドア111のユーザに押された側の部分よりも遅れて移動していき、ドア111は撓んで回動軸Xに対してねじれた状態となる。
【0039】
そして、係合部材113bは引っ掛け穴124bに係合(引っ掛かる)可能な位置に到達する。一方、押されていない側の係合部材113aは、開方向に付勢するドア111の右側は開方向付勢レバー115による開方向への付勢(力F)を受ける。このため、ドア111はねじれた状態のままとなってしまい、係合部材113aは穴124aに係合可能な位置まで到達できない。
【0040】
その結果、リンク部材121を介して係合部材113aに連動する係合部材113bも穴124bへ係合する方向への移動が規制される。従って、係合部材113bは穴124bに係合可能な位置に到達しているにも関わらず、穴124aに十分に係合することができない。
【0041】
仮に連結部122やガイド部123のガタによる2つの係合部材113の位置位相のズレから、係合部材113bが引っ掛け穴124bにわずかに引っ掛かっていたとしても、バネ125から直接付勢力を付与されていない。このため、ドア111が開方向へ移動すると、係合ユニットのガタにより、係合部材113bは引っ掛け穴124bから外れてしまう。その結果、ユーザがドア111の押圧をやめてしまうと、開方向付勢レバー115の付勢力に負けしまい、引っ掛かった状態を保持することができない。
【0042】
また、図8に示すように、本構成のドア111は開方向付勢レバー115による開方向への付勢によってドア111の右側の方が積極的に開こうとするので、ドア111自体は撓むだけでなく図C方向に傾こうとする。このようなドア111の傾きによってドア111の左側の係合部材113bは装置内側に動こうとするため、引っ掛け穴124bへのわずかな引っ掛かりはより外れやすくなる。
【0043】
以上の動きにより、ドア111のバネ125及び開方向付勢レバー115を有していない側のみをユーザに押された場合、ドア111は「片閉まり」もなく、ドア111が開いた状態になる。
【0044】
次に、ドア111のバネ125及び開方向付勢レバー115を有する側(係合部材113a側:図中右側)のみをユーザに押された場合について説明する。
【0045】
図9はドア111を回転軸Xの半径方向から見た図であり、(a)は右側の係合部材113aのみが穴124aと係合した状態、(b)は2つの係合部材113がそれぞれ穴124と係合した状態を示す。
【0046】
図9(a)に示すように、ドア111のバネ125及び開方向付勢レバー115を有する側(図中右側)をユーザが力Wで押圧すると、係合部材113aは引っ掛け穴124aに係合(引っ掛かる)可能な位置にくる。
【0047】
一方、係合部材113bが設けられているドア111のユーザに押されていない側(図中左側)の部分は、ユーザから直接力を受けていない。このため、ドア111のユーザに押されていない側がドア111のユーザに押された側(図中右側)の部分よりも遅れて移動していき、ドア111は撓んで回動軸Xに対してねじれた状態となる。
【0048】
そして、係合部材113aはバネ125から直接付勢力を付与されているので、引っ掛け穴124aに引っ掛かって係合する方向(ロックポジション方向)に動いていく。この動きに連動して、もう一方の係合部材113bもリンク部材を介して穴124bに引っ掛かって係合する方向(ロックポジション方向)へ動いていこうとする。このとき、ドア111の係合部材113bが設けられた側には、抵抗となる開方向への付勢がない。このため、係合部材113bは、ドア111がねじれた状態であっても、リンク部材を介してバネ125の付勢力を付与され、引っ掛け穴124bに引っ掛かって係合する方向に動いていき、引っ掛け穴124bに引っ掛かる。
【0049】
以上の動きにより、ドア111のバネ125及び開方向付勢レバー115を有する側(図中右側)のみをユーザに押された場合、2つの係合部材113とも引っ掛け穴124に深く引っ掛かった状態となる。従って「片閉まり」することなく、ドア111と装置本体が係合してドア111が閉まった状態になる。
【0050】
従来の構成では、ドア101の片側のみを押された場合、2つの係合部材103が穴104に係合できず、ドア101が開いてしまったが、本実施形態であれば、少なくともドア右側のみを押された場合は、2つの係合部材113を穴124に係合させドアを閉じた状態にすることが可能になった。
【0051】
従って、本実施形態によれば、ドア111を装置本体100に対して開く方向に付勢する付勢手段を有する画像形成装置において、ドア111が片閉まり状態になりにくく、簡易にドア111を閉じることができる。
【0052】
なお、上述の実施形態ではドア111の開方向付勢レバー115が無い側(図中左側)にはドア111を開方向に付勢する付勢手段は無いが、ドア111の開方向付勢レバー115が無い側(図中左側)にも第2の開方向付勢レバーを設けてもよい。この場合、第2の開方向付勢レバーの付勢力は、ドア111の開方向付勢レバー115を有する側(図中右側)のみをユーザに押された場合に、係合部材113bが引っ掛け穴124bに引っ掛かる程度に小さい付勢力であればよい。
【0053】
また、図7に示すような従来の構成ではバネ106a、106bによる開方向への付勢力は実質的に同じであった。つまり、ドアの左側に付与される付勢力とドアの右側に付与される付勢力と左側に付与される付勢力とが実質的に同じであった。しかし、ドア右側のみをユーザに押されて閉じられようとした際、ドア左側の係合部材113bが穴124bに係合できるように、ドアの左側に付与される付勢力がドアの右側に付与される付勢力よりも小さくなるようにした。このようにすることで、ドア全体にかかる開方向の付勢力は従来の構成と実質的に同じのままで、少なくともドア右側のみを押された場合には2つの係合部材113を穴124に係合させドアを閉じた状態にすることが可能になった。従って、ドア111を装置本体100に対して開く方向に付勢する付勢手段を有する画像形成装置において、ドア111が片閉まり状態になりにくく、簡易にドア111を閉じることができる。
【0054】
なお、本実施形態ではドア111は回転軸X周りに回動して装置本体100に対して開閉する構成であったが、本発明はこれに限られず、外装面と平行にスライド(移動)するものであってもよい。また、2つの係合部材113は、ドア111のドア111が開閉する際の移動方向に直交する方向の両端部に設けられていればよい。
【0055】
また、本実施形態では、係合部材113とリンク部材121からなる係合ユニットはドア111に保持されていたが、係合ユニットを装置本体100に保持し、係合部材113が係合する穴124をドア111に設ける構成であってもよい。また、本実施形態では、係合ユニットの係合部材113は回転し、リンク部材121はスライド移動するようなリンク機構だったが他のリンク機構でもよい。また本実施形態の画像形成装置100は電子写真方式の画像形成装置であったが、インクジェット等のその他の方式の画像形成装置であってもよい。
【0056】
<第2実施形態>
次に第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と共通の部分については同様の符号を付して説明は省略する。図10は、ドア111を回転軸Xの半径方向から見た図である。本実施形態では2つの係合部材113が穴124に係合するように係合ユニットを付勢しているバネが直接付勢力を付与している対象が第1実施形態とは異なる。
【0057】
即ち、第1実施形態では、バネ125が係合部材113aへ直接付勢力を付与していたが、第2実施形態では、リンク部材121にバネ325が直接付勢力を付与している。
【0058】
なお、バネ317はドア111を開方向へ付勢する付勢手段であるが、第1実施形態の開方向付勢レバー115と同様に、ドア111の図中右側でドア111を開方向に付勢している。
【0059】
このような構成であっても、ドア111を装置本体100に対して開く方向に付勢する付勢手段を有する画像形成装置において、ドア111が片閉まり状態になりにくく、簡易にドア111を閉じることができるという第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0060】
[第1実施形態と第2実施形態の比較]
次に第1実施形態と第2実施形態を比較し異なる点について説明する。
【0061】
通常係合ユニットでは、リンク部材121を介しても2つの係合部材113がスムーズに動作するよう、係合部材113とリンク部材121との間にガタが形成されている。従って、第2実施形態の場合、係合部材113は、バネ325の付勢力によりガタ分を移動した係合部材113が当接することで、バネ325からの付勢力が付与される。つまり、第2実施形態において、係合部材113への付勢力は、バネ325がリンク部材121に付与する付勢力からガタにより失われる分を差し引いたものとなる。このため、第2実施形態において、係合部材113が穴124に係合する為の付勢力を第1実施形態と同等に付与しようとすると、バネ325のバネ力を第1実施形態のバネ125のバネ力よりも大きく設定する必要がある。しかしながら、バネ325のバネ力を大きく設定し過ぎると係合部材113と穴124との係合を解除する際に必要な負荷が大きくなる可能性がある。
【0062】
<第3実施形態>
次に第3実施形態について説明する。なお、第1実施形態と共通の部分については同様の符号を付して説明は省略する。
【0063】
図11は係合部材113bと穴124の部分断面図である。本実施形態では係合部材113bの引っ掛け部119bの先端に穴124bへ呼び込まれるための傾斜面128を形成している。また、穴124bには係合部材113bを呼び込むための呼び込み傾斜面129を形成している。同様に反対側の係合部材113a及び穴124bにも傾斜面128、129を形成している。
【0064】
このため、傾斜面128、129が当接すると、係合部材113bのロックポジション方向(L方向)への力は分散されることなく引っ掛け穴124bに呼び込まれる方向への分力を大きく発生する。このため、ドア111がねじれた状態であっても、第1実施形態よりもより係合部材113が容易に引っ掛かる方向(ロックポジション方向)に呼び込まれ易くなる。
【0065】
このよう第3実施形態では第1実施形態と同様の効果を得ることができる。更に、第1実施形態よりも確実に係合部材113が穴124に呼び込まれるようになるので、ドア11を閉じる動作がより簡易になりユーザの負荷を軽減することができる。
【符号の説明】
【0066】
111 ドア
113 係合部材
115 開方向付勢レバー
117 バネ
118 係合部材の回動支点軸
119 係合部材の引っ掛け部
120 係合部材の連結軸
121 リンク部材
122 係合部材とリンク部材の連結部
124 引っ掛け穴
125 バネ
100 画像形成装置
X 回転軸
【技術分野】
【0001】
本発明は装置本体に対して開閉するドアを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置には、カートリッジを着脱や、装置内部の清掃あるいはジャム処理等を行う為に装置本体に対して開閉可能な開閉部材(ドア)が設けられている。
【0003】
このようなドアを装置本体に対して閉じた状態で保持する為、装置本体の穴と係合可能な係合部材をドアの両端にそれぞれ保持し、各々の係合部材が対応する穴に係合するよう各々の係合部材をバネで付勢した構成がある(特許文献1)。
【0004】
また、ユーザがドアを開く際にドアを開くことを補助する為、ドアを開方向に付勢するバネを設けた構成(所謂ポップアップ機構)が知られている。
【0005】
上記特許文献1の構成において、ドアを開方向に付勢するバネを設ける場合、ユーザがドアの片側のみを押してドアを閉めた場合、次のような状態になる可能性がある。つまり、ユーザに押された側の係合部材のみが本体に係合して他方の係合部材は係合しない状態となる所謂片閉まり状態である。このような状態になるのは、両側の係合部材が独立して動いて装置本体と係合してしまうからである。特にドアが大きかったり剛性が低かったりする程、ドアの片側のみを押された場合にドアを開方向に付勢するバネの付勢力の影響を受けてドアが撓みやすくので、片閉まりが発生しやすい。
【0006】
この片閉まり状態では、完全にドアが閉まった状態と外見がさほど変わらないので、片閉まり状態であるにもかかわらず、ユーザはドアが完全に閉まっていると認識してしまう可能性がある。そして、このような片閉まり状態で装置を作動させてしまうと、装置内にゴミが侵入したり、レーザスキャナからのレーザ光が装置外に漏れたりする虞がある。また、片閉まり状態の時は装置を作動させないような安全機構を装置に備える場合、ユーザは、装置を動作させる為に片閉まりに気付いてドアを閉める必要があり、ユーザの作業効率を落としてしまう虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−3403
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、ドア101をその回転軸Xの半径方向から見た図である図12に示すように、リンク部材105でドア101両端の係合部材103a、103bを連結部108で連結し、両端の係合部材103a、103bを連動して動かす構成が提案されている。リンク部材105は、2つのガイド部材109により図中左右方向に摺動可能に開閉部材101に保持され、開閉部材101の両端で夫々回動可能に保持される係合部材103a、103bに回動自在に嵌合している。また、リンク部材105はバネ110によりR方向に付勢されており、リンク部材105を介して係合部材103a、103bが本体の穴104a、104bと係合する方向に付勢されている。
【0009】
この構成では、両端の係合部材103a、103bが独立して動くことが抑制されるので、一方の係合部材のみが本体に係合し他方の係合部材が係合しない状態でドア101が保持された片閉まり状態になることを防ぐことができる。
【0010】
この構成では、ユーザがドア101の片側(図中右側)のみを力Wで押してドア101を閉めた場合、ドア101のユーザに押されていない側(図中左側)の部分は、ユーザから直接力を受けていない。このため、ドア101のユーザに押されていない側はドア101のユーザに押された側の部分よりも遅れて移動していき、ドア101は撓んで回動軸Xに対してねじれた状態となる。
【0011】
そして、ユーザに押された側の係合部材103aは本体の穴104aに係合可能な位置に到達する。一方、押されていない側の係合部材103bは、開方向に付勢するバネ106bにより付勢力Fを受けるので、ドア101はねじれた状態のままとなってしまい、係合部材103bは穴104bに係合する位置まで到達できない(図12(a))。このため、リンク部材105を介して係合部材103bに連動する係合部材103aも穴104aへ係合する方向への移動が規制される。従って、係合部材103aは穴104aに係合可能な位置に到達しているにも関わらず、穴104aに十分に係合することができない。
【0012】
その結果、ユーザがドア101から手を放すと、係合部材103aはバネ106aの付勢力に負けて穴104aに係合できず、ドア101は開いてしまう(図12(b))。特にドア101が大きかったりその剛性が低かったりする程、ドア101が撓みやすく、上記のような事態が発生しやすい。
【0013】
このように、図12の構成では、ユーザがドア101の両側を押すことにより係合部材103a、103bを共に本体の穴104a、104bに係合する位置に移動させないと、両側の係合部材を係合させてドアを閉じた状態とすることができない。即ち、図12の構成は、片閉まり状態になることを抑えることはできるものの、ドア101を簡単に閉じやすくするというユーザビリティの観点ではまだ改良の余地がある。
【0014】
上記の課題に鑑みて、本発明は、開閉部材を装置本体に対して開く方向に付勢する付勢手段を有する画像形成装置において、開閉部材が片閉まり状態になりにくく、開閉部材を簡易に閉じやすい画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
そこで本発明は、装置本体に対して開閉可能な開閉部材と、前記開閉部材と装置本体とを係合するための第1係合部材及び第2係合部材と、前記第1係合部材及び前記第2係合部材に連結された連結部材と、を備える係合ユニットと、前記第1係合部材及び前記第2係合部材が前記開閉部材と装置本体とを係合する方向へ移動するよう前記係合ユニットを付勢する第1付勢手段と、前記開閉部材が装置本体に対して開くように前記開閉部材を付勢する第2付勢手段と、を有し、前記連結部材により、前記第1係合部材の前記開閉部材と装置本体とが係合する方向への移動に連動して前記第2係合部材が前記開閉部材と装置本体とが係合する方向へ移動する画像形成装置において、前記第2付勢手段は、前記開閉部材の前記第1係合部材により装置本体と係合する側にのみ付勢力を付与することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、開閉部材を装置本体に対して開く方向に付勢する付勢手段を有する画像形成装置において、開閉部材が片閉まり状態になりにくく、簡易に開閉部材を閉じることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】画像形成装置の概略断面図。
【図2】画像形成装置の斜視図。
【図3】(a)ドアを装置本体に対して閉じた状態の画像形成装置の概略断面図。(b)ドアを装置本体に対して開いた状態の画像形成装置の概略断面図。
【図4】(a)ドアが装置本体に対して閉じてロックされている状態のドアを回転軸Xの半径方向から見た図。(b)ドアと装置本体とのロックが解除された状態のドアを回転軸Xの半径方向から見た図。
【図5】ドアの斜視図。
【図6】(a)ボタンが押されていない状態のドアの係合ユニットと装置本体のボタンの斜視図。(b)ボタンが押された状態のドアの係合ユニットと装置本体のボタンの斜視図。
【図7】(a)左側の係合部材のみが穴と係合した状態のドアを回転軸Xの半径方向から見た図。(b)は2つの係合部材がそれぞれ穴と係合していない状態のドアを回転軸Xの半径方向から見た図。
【図8】ドアを回転軸Xの半径方向から見た図。
【図9】(a)右側の係合部材のみが穴と係合した状態のドアを回転軸Xの半径方向から見た図。(b)2つの係合部材がそれぞれ穴と係合した状態のドアを回転軸Xの半径方向から見た図。
【図10】ドアを回転軸Xの半径方向から見た図。
【図11】係合部材と穴の部分断面図。
【図12】従来の構成におけるドアを回転軸Xの半径方向から見た図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1実施形態>
本発明に係る画像形成装置の第1実施形態の構成について説明する。
【0019】
本実施形態では、まず初めに画像形成装置の全体構成について説明し、次に開閉部材及びその開閉部材と装置本体との係合機構、及び、開閉部材の閉動作時のメカニズムについて説明する。
【0020】
[画像形成装置の全体構成]
図1は画像形成装置100の概略断面図である。画像形成装置100には、画像形成手段として、感光ドラム203と感光ドラム203に作用する不図示の帯電手段、現像手段、清掃手段と、感光ドラム203を露光するレーザスキャナ211と、感光ドラム203上に帯電した像をシートSに転写する転写ローラ204、シートSのトナー像を定着させる定着手段205が装置内に配置されている。プロセスカートリッジ202は感光ドラム203と感光ドラム203に作用する不図示のプロセス手段である帯電手段、現像手段、清掃手段を備え、後に説明するドアを開いて装置本体内を開放することで装置本体に着脱可能である。
【0021】
画像形成装置100は、感光層を有する感光ドラム203を回転し、その表面に帯電手段の帯電ローラを当接させ、電圧を印加することによって、感光ドラム表面を一様に帯電する。次いで、レーザスキャナ211からの画像情報に応じたレーザ光を露光開口部212を介して感光ドラム203へ照射し、感光ドラム203に潜像を形成する。そしてこの潜像を不図示の現像手段によりトナーを用いて現像し、トナー像として可視像化する。
【0022】
感光ドラム203へのトナー像の形成と同期して、シートSをシート収納カセット213からピックアップローラ214によって送り出し、次いで、搬送ローラ215によって搬送する。次いで、シートSは、レジストレションローラ対210によって一時停止され、トナー像に合うタイミングで感光ドラム203と転写手段としての転写ローラ204とで形成される転写ニップNへ搬送される。次いで、転写ニップNにて感光ドラム203に形成したトナー像を転写ローラ204によってシートSに転写する。次いで、トナー像を転写されたシートSを、定着手段205へ搬送する。この定着手段205はヒタを内蔵する定着回転体206及び、前記回転体206にシートSを押圧して搬送する加圧ローラ207からなり、トナー像が形成されたシートSを加熱及び加圧することで、トナー像をシートSに定着させる。トナー像が定着したシートSを排紙ローラ208により搬送して排出部209へ排出する。転写ニップN通過後に感光ドラム203上に残ったトナーは不図示の清掃手段により感光ドラム203上から除去される。
【0023】
一般的に通紙枚数が増えると、画像形成手段を構成する各部材、ユニットの中にはメンテナンス作業が必要になるものがでてくる。このメンテナンス作業には、例えばプロセスカートリッジ202など消耗部品の交換の作業が含まれる。また、シートSへの画像形成中にシートSのジャムが生じた場合は、画像形成動作を一旦中止して、シートSを取り除く必要がある。
【0024】
[ドアの構成]
図2は画像形成装置100の斜視図であり、(a)はドア111を装置本体に対して閉じた状態、(b)はドア111を装置本体に対して開いた状態を示す。上述したようなプロセスカートリッジ202の交換の作業やジャム処理等をユーザが容易に行えるように、画像形成装置100には装置本体に対して開閉可能なドア(開閉部材)111が設けられている。これにより、ユーザがドア111を開くことで、装置本体内部を開放し、プロセスカートリッジ202の交換やジャム処理を容易に行うことができる。
【0025】
ドア111は、装置本体の外装カバを兼ねており、収納カセット213上方の本体フレム内側に設けられた回転軸Xを中心に開閉回転が可能である。またドア111には、装置本体に係合する2つの係合部材113が回転軸方向の両端部に設けられている。係合部材113はそれぞれ装置本体のドア111の回転軸方向の両側に設けられた穴124と係合する方向に付勢されている。
【0026】
ドア111を閉じる際は、ユーザがドア111を押してドア111を閉位置(図2(a)に示す状態)まで移動させることで、係合部材113のそれぞれが穴124に係合することで、ドア111は閉状態でロックされ保持される。また、ドア111の外側面にはボタン114が設けられており、ユーザがボタン114を押すことで係合部材113と穴124との係合を解除してドアを開くことができる。
【0027】
図3は図2(a)、(b)のA方向から見た画像形成装置の概略断面図であり、(a)はドア111を装置本体に対して閉じた状態、(b)はドア111を装置本体に対して開いた状態を示す。ドア111の一方(図2に示す装置本体の奥側)の端部には、回転軸Xの半径方向にスライド可能な開方向付勢レバー(第2付勢手段)115を有している。開方向付勢レバー115はドアが閉状態の時には、装置本体のフレム内側に設けられた突き当て面116に突き当たった状態となっている。この時、レバー115はバネ117によりドア111を装置本体に対して開く方向に付勢している状態になっている。
【0028】
このため、ボタン114を押して係合部材113と穴123との係合を解除すると、開方向付勢レバー115が回転軸Xの半径方向へ移動することで、装置本体に対して開く方向へドア111を自動的に移動させることができる。このようにドア111が自動的に開くことで、ドア111を開く際のユーザの負荷を軽減したり、ドア111の開き方がわからないユーザが操作方法を理解し易くなる。
【0029】
[ロック機構の構成]
次に上述した係合部材113と穴124を用いたドア111のロック機構の詳細な構成について説明する。図4はドア111を回転軸Xの半径方向から見た図であり、(a)はドア111が装置本体100に対して閉じてロックされている状態、(b)はドア111と装置本体100とのロックが解除された状態を示す。なお、ドア111に設けられた外装部等については説明を簡単にするため記載を省略している。図5はドア111の斜視図である。なお、ドア111に設けられた装置の外装の一部をなす部材等は説明を簡単にするため記載を省略している。
【0030】
まず、係合部材113a、113bと2つの係合部材を連結する連結部材としてのリンク部材121とを備える係合ユニットの構成について説明する。
【0031】
係合部材113(113a、113b)はドア111の回転軸X方向両端に支点軸118a、118bを中心に回動可能にドア111に保持されている。係合部材113a、113bには、装置本体100に設けられた穴124(124a、124b)に入り込んで穴124に引っ掛かって係合する引っ掛け部119a、119bがそれぞれ形成されている。また、係合部材113a、113bはそれぞれリンク連結軸120a 、120bを有し、このリンク連結軸120a 、120bが連結部122a、122bでリンク部材121に連結している。このため、係合部材113a、113bはリンク部材121に対して回動可能である。また、リンク連結軸120aは、係合部材113aの引っ掛け部119aと支点軸118aとの間の位置に配置されている。リンク連結軸120bは、係合部材113aの引っ掛け部119bとリンク連結軸120bとの間に支点軸118bが配置される位置に配置されている。また、リンク部材121は、ドア111のガイド部123によりガイドされることで、図中左右方向に摺動可能である。
【0032】
係合ユニットは上述のような構成であるので、リンク部材121のR方向への移動に連動して係合部材113は各々同位相でロックポジション(穴124に入り込んだ位置)へ移動する(図4(a)参照)。逆に、リンク部材121のR方向の反対方向であるL方向への移動に連動して係合部材113は各々同位相でロック解除ポジション(穴124から抜けた位置)へ移動する(図4(b)参照)。
【0033】
なお、係合部材113のロックポジションとは、装置本体100の引っ掛け穴(穴)124に係合部材113が引っ掛かった(係合した)状態(図4(a))を示す。ロック解除ポジションとは引っ掛け穴124に係合部材113が引っ掛かっていない(係合が解除されている)状態(図4(b))を示す。
【0034】
次に、係合ユニットと装置本体との係合について説明する。係合ユニットは、係合部材113a、113bがそれぞれ引っ掛け穴124に係合する方向に移動するようにバネ(第1付勢手段)125により付勢されている。そして、この付勢力により、係合ユニットが装置本体と係合した状態(係合部材113がそれぞれ引っ掛け穴124に引っ掛かった状態)で保持し、ドア111を閉状態で保持することができる。本実施形態では、バネ125は、係合部材113aのみに直接R方向の付勢力を付与する構成となっている。係合部材113bには、リンク部材121を介して、間接的にバネ125のR方向の付勢力が付与されていることになる。なお、直接付勢力を付与するとは、付勢力を付与する部材(バネ125)が付勢力を付与される部材(係合部材113b)へ付勢力を伝達する過程で部材間のガタを介することなく付勢力を伝達させることを意味している。
【0035】
次に、係合ユニットと装置本体との係合の解除について説明する。図6はドア111の係合ユニットと装置本体のボタン114の斜視図であり、(a)はボタン114が押されていない状態、(b)はボタン114が押された状態を示す。なお、その他の部材については説明を簡単にする為に記載を省略している。ボタン114は装置本体100にZ方向に移動可能に保持されており、傾斜部126が一体的に形成されている。ユーザがボタン114を押し下げる(Z方向に移動させる)と、傾斜部126が当接する係合部材113bの傾斜部127を押圧し、バネ125(図4参照)の付勢力に抗して係合部材113bがロック解除ポジションへと移動する(図6(b))。この動きよりリンク部材121をR方向の反対方向であるL方向に移動し、他方の係合部材113aもロック解除ポジションへと移動する。このため、2つの係合部材113の引っ掛け穴124への引っ掛かりは外れ、ドア111と装置本体100との係合が解除されることになる。従って上述したように、開方向付勢レバー115が回転軸Xの半径方向へ移動し、装置本体100に対して開く方向へドア111を自動的に移動する。
【0036】
[ドア111の閉動作]
次にドア111が片側のみをユーザに押されて閉じられようとした場合について説明する。まず、ドア111のバネ125及び開方向付勢レバー115を有していない側(係合部材113b側:図中左側)のみをユーザに押された場合について説明する。
【0037】
図7はドア111を回転軸Xの半径方向から見た図であり、(a)は左側の係合部材113bのみが穴124bと係合した状態、(b)は2つの係合部材113がそれぞれ穴124と係合していない状態を示す。
【0038】
図7(a)に示すように、ドア111のバネ125及び開方向付勢レバー115を有さない側(図中左側)のみをユーザが力Wで押圧すると、ドア111のユーザに押されていない側(図中右側)の部分は、ユーザから直接力を受けていない。このため、ドア111のユーザに押されていない側がドア111のユーザに押された側の部分よりも遅れて移動していき、ドア111は撓んで回動軸Xに対してねじれた状態となる。
【0039】
そして、係合部材113bは引っ掛け穴124bに係合(引っ掛かる)可能な位置に到達する。一方、押されていない側の係合部材113aは、開方向に付勢するドア111の右側は開方向付勢レバー115による開方向への付勢(力F)を受ける。このため、ドア111はねじれた状態のままとなってしまい、係合部材113aは穴124aに係合可能な位置まで到達できない。
【0040】
その結果、リンク部材121を介して係合部材113aに連動する係合部材113bも穴124bへ係合する方向への移動が規制される。従って、係合部材113bは穴124bに係合可能な位置に到達しているにも関わらず、穴124aに十分に係合することができない。
【0041】
仮に連結部122やガイド部123のガタによる2つの係合部材113の位置位相のズレから、係合部材113bが引っ掛け穴124bにわずかに引っ掛かっていたとしても、バネ125から直接付勢力を付与されていない。このため、ドア111が開方向へ移動すると、係合ユニットのガタにより、係合部材113bは引っ掛け穴124bから外れてしまう。その結果、ユーザがドア111の押圧をやめてしまうと、開方向付勢レバー115の付勢力に負けしまい、引っ掛かった状態を保持することができない。
【0042】
また、図8に示すように、本構成のドア111は開方向付勢レバー115による開方向への付勢によってドア111の右側の方が積極的に開こうとするので、ドア111自体は撓むだけでなく図C方向に傾こうとする。このようなドア111の傾きによってドア111の左側の係合部材113bは装置内側に動こうとするため、引っ掛け穴124bへのわずかな引っ掛かりはより外れやすくなる。
【0043】
以上の動きにより、ドア111のバネ125及び開方向付勢レバー115を有していない側のみをユーザに押された場合、ドア111は「片閉まり」もなく、ドア111が開いた状態になる。
【0044】
次に、ドア111のバネ125及び開方向付勢レバー115を有する側(係合部材113a側:図中右側)のみをユーザに押された場合について説明する。
【0045】
図9はドア111を回転軸Xの半径方向から見た図であり、(a)は右側の係合部材113aのみが穴124aと係合した状態、(b)は2つの係合部材113がそれぞれ穴124と係合した状態を示す。
【0046】
図9(a)に示すように、ドア111のバネ125及び開方向付勢レバー115を有する側(図中右側)をユーザが力Wで押圧すると、係合部材113aは引っ掛け穴124aに係合(引っ掛かる)可能な位置にくる。
【0047】
一方、係合部材113bが設けられているドア111のユーザに押されていない側(図中左側)の部分は、ユーザから直接力を受けていない。このため、ドア111のユーザに押されていない側がドア111のユーザに押された側(図中右側)の部分よりも遅れて移動していき、ドア111は撓んで回動軸Xに対してねじれた状態となる。
【0048】
そして、係合部材113aはバネ125から直接付勢力を付与されているので、引っ掛け穴124aに引っ掛かって係合する方向(ロックポジション方向)に動いていく。この動きに連動して、もう一方の係合部材113bもリンク部材を介して穴124bに引っ掛かって係合する方向(ロックポジション方向)へ動いていこうとする。このとき、ドア111の係合部材113bが設けられた側には、抵抗となる開方向への付勢がない。このため、係合部材113bは、ドア111がねじれた状態であっても、リンク部材を介してバネ125の付勢力を付与され、引っ掛け穴124bに引っ掛かって係合する方向に動いていき、引っ掛け穴124bに引っ掛かる。
【0049】
以上の動きにより、ドア111のバネ125及び開方向付勢レバー115を有する側(図中右側)のみをユーザに押された場合、2つの係合部材113とも引っ掛け穴124に深く引っ掛かった状態となる。従って「片閉まり」することなく、ドア111と装置本体が係合してドア111が閉まった状態になる。
【0050】
従来の構成では、ドア101の片側のみを押された場合、2つの係合部材103が穴104に係合できず、ドア101が開いてしまったが、本実施形態であれば、少なくともドア右側のみを押された場合は、2つの係合部材113を穴124に係合させドアを閉じた状態にすることが可能になった。
【0051】
従って、本実施形態によれば、ドア111を装置本体100に対して開く方向に付勢する付勢手段を有する画像形成装置において、ドア111が片閉まり状態になりにくく、簡易にドア111を閉じることができる。
【0052】
なお、上述の実施形態ではドア111の開方向付勢レバー115が無い側(図中左側)にはドア111を開方向に付勢する付勢手段は無いが、ドア111の開方向付勢レバー115が無い側(図中左側)にも第2の開方向付勢レバーを設けてもよい。この場合、第2の開方向付勢レバーの付勢力は、ドア111の開方向付勢レバー115を有する側(図中右側)のみをユーザに押された場合に、係合部材113bが引っ掛け穴124bに引っ掛かる程度に小さい付勢力であればよい。
【0053】
また、図7に示すような従来の構成ではバネ106a、106bによる開方向への付勢力は実質的に同じであった。つまり、ドアの左側に付与される付勢力とドアの右側に付与される付勢力と左側に付与される付勢力とが実質的に同じであった。しかし、ドア右側のみをユーザに押されて閉じられようとした際、ドア左側の係合部材113bが穴124bに係合できるように、ドアの左側に付与される付勢力がドアの右側に付与される付勢力よりも小さくなるようにした。このようにすることで、ドア全体にかかる開方向の付勢力は従来の構成と実質的に同じのままで、少なくともドア右側のみを押された場合には2つの係合部材113を穴124に係合させドアを閉じた状態にすることが可能になった。従って、ドア111を装置本体100に対して開く方向に付勢する付勢手段を有する画像形成装置において、ドア111が片閉まり状態になりにくく、簡易にドア111を閉じることができる。
【0054】
なお、本実施形態ではドア111は回転軸X周りに回動して装置本体100に対して開閉する構成であったが、本発明はこれに限られず、外装面と平行にスライド(移動)するものであってもよい。また、2つの係合部材113は、ドア111のドア111が開閉する際の移動方向に直交する方向の両端部に設けられていればよい。
【0055】
また、本実施形態では、係合部材113とリンク部材121からなる係合ユニットはドア111に保持されていたが、係合ユニットを装置本体100に保持し、係合部材113が係合する穴124をドア111に設ける構成であってもよい。また、本実施形態では、係合ユニットの係合部材113は回転し、リンク部材121はスライド移動するようなリンク機構だったが他のリンク機構でもよい。また本実施形態の画像形成装置100は電子写真方式の画像形成装置であったが、インクジェット等のその他の方式の画像形成装置であってもよい。
【0056】
<第2実施形態>
次に第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と共通の部分については同様の符号を付して説明は省略する。図10は、ドア111を回転軸Xの半径方向から見た図である。本実施形態では2つの係合部材113が穴124に係合するように係合ユニットを付勢しているバネが直接付勢力を付与している対象が第1実施形態とは異なる。
【0057】
即ち、第1実施形態では、バネ125が係合部材113aへ直接付勢力を付与していたが、第2実施形態では、リンク部材121にバネ325が直接付勢力を付与している。
【0058】
なお、バネ317はドア111を開方向へ付勢する付勢手段であるが、第1実施形態の開方向付勢レバー115と同様に、ドア111の図中右側でドア111を開方向に付勢している。
【0059】
このような構成であっても、ドア111を装置本体100に対して開く方向に付勢する付勢手段を有する画像形成装置において、ドア111が片閉まり状態になりにくく、簡易にドア111を閉じることができるという第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0060】
[第1実施形態と第2実施形態の比較]
次に第1実施形態と第2実施形態を比較し異なる点について説明する。
【0061】
通常係合ユニットでは、リンク部材121を介しても2つの係合部材113がスムーズに動作するよう、係合部材113とリンク部材121との間にガタが形成されている。従って、第2実施形態の場合、係合部材113は、バネ325の付勢力によりガタ分を移動した係合部材113が当接することで、バネ325からの付勢力が付与される。つまり、第2実施形態において、係合部材113への付勢力は、バネ325がリンク部材121に付与する付勢力からガタにより失われる分を差し引いたものとなる。このため、第2実施形態において、係合部材113が穴124に係合する為の付勢力を第1実施形態と同等に付与しようとすると、バネ325のバネ力を第1実施形態のバネ125のバネ力よりも大きく設定する必要がある。しかしながら、バネ325のバネ力を大きく設定し過ぎると係合部材113と穴124との係合を解除する際に必要な負荷が大きくなる可能性がある。
【0062】
<第3実施形態>
次に第3実施形態について説明する。なお、第1実施形態と共通の部分については同様の符号を付して説明は省略する。
【0063】
図11は係合部材113bと穴124の部分断面図である。本実施形態では係合部材113bの引っ掛け部119bの先端に穴124bへ呼び込まれるための傾斜面128を形成している。また、穴124bには係合部材113bを呼び込むための呼び込み傾斜面129を形成している。同様に反対側の係合部材113a及び穴124bにも傾斜面128、129を形成している。
【0064】
このため、傾斜面128、129が当接すると、係合部材113bのロックポジション方向(L方向)への力は分散されることなく引っ掛け穴124bに呼び込まれる方向への分力を大きく発生する。このため、ドア111がねじれた状態であっても、第1実施形態よりもより係合部材113が容易に引っ掛かる方向(ロックポジション方向)に呼び込まれ易くなる。
【0065】
このよう第3実施形態では第1実施形態と同様の効果を得ることができる。更に、第1実施形態よりも確実に係合部材113が穴124に呼び込まれるようになるので、ドア11を閉じる動作がより簡易になりユーザの負荷を軽減することができる。
【符号の説明】
【0066】
111 ドア
113 係合部材
115 開方向付勢レバー
117 バネ
118 係合部材の回動支点軸
119 係合部材の引っ掛け部
120 係合部材の連結軸
121 リンク部材
122 係合部材とリンク部材の連結部
124 引っ掛け穴
125 バネ
100 画像形成装置
X 回転軸
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体に対して開閉可能な開閉部材と、
前記開閉部材と装置本体とを係合するための第1係合部材及び第2係合部材と、前記第1係合部材及び前記第2係合部材に連結された連結部材と、を備える係合ユニットと、
前記第1係合部材及び前記第2係合部材が前記開閉部材と装置本体とを係合する方向へ移動するよう前記係合ユニットを付勢する第1付勢手段と、
前記開閉部材が装置本体に対して開くように前記開閉部材を付勢する第2付勢手段と、
を有し、前記連結部材により、前記第1係合部材の前記開閉部材と装置本体とが係合する方向への移動に連動して前記第2係合部材が前記開閉部材と装置本体とが係合する方向へ移動する画像形成装置において、
前記第2付勢手段は、前記開閉部材の前記第1係合部材により装置本体と係合する側にのみ付勢力を付与することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
装置本体に対して開閉可能な開閉部材と、
前記開閉部材と装置本体とを係合するための第1係合部材及び第2係合部材と、前記第1係合部材及び前記第2係合部材に連結された連結部材と、を備える係合ユニットと、
前記第1係合部材及び前記第2係合部材が前記開閉部材と装置本体と係合する方向へ移動するよう前記係合ユニットを付勢する第1付勢手段と、
前記開閉部材が装置本体に対して開くように前記開閉部材を付勢する第2付勢手段と、
を有し、前記連結部材により、前記第1係合部材の前記開閉部材と装置本体とが係合する方向への移動に連動して前記第2係合部材が前記開閉部材と装置本体とが係合する方向へ移動する画像形成装置において、
前記開閉部材が前記第1係合部材により装置本体と係合する側のみを押圧されて閉じられようとした際、前記第1付勢手段の付勢力により前記第2係合部材が前記開閉部材と装置本体と係合できるよう、前記第2付勢手段が前記開閉部材の前記第1係合部材により装置本体と係合する側に付与する付勢力よりも、前記第2付勢手段が前記開閉部材の前記第2係合部材により装置本体を係合する側に付与する付勢力が小さいことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記第1付勢手段は前記係合ユニットの前記第1係合部材に直接付勢力を付与するように設けられ、前記第2係合部材には前記連結部材を介して付勢力を付与することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1付勢手段は前記係合ユニットの前記連結部材に直接付勢力を付与するように設けられ、前記第1係合部材及び前記第2係合部材には前記連結部材を介して付勢力を付与することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記開閉部材は軸回りに回動することで装置本体に対して開閉可能であり、
前記係合ユニットは前記開閉部材に設けられ、前記第1係合部材及び前記第2係合部材は前記開閉部材の前記軸方向の両端部に配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記開閉部材は軸回りに回動することで装置本体に対して開閉可能であり、
前記係合ユニットは装置本体に設けられ、前記第1係合部材及び前記第2係合部材は前記開閉部材の前記軸方向の両端部に係合可能に配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項1】
装置本体に対して開閉可能な開閉部材と、
前記開閉部材と装置本体とを係合するための第1係合部材及び第2係合部材と、前記第1係合部材及び前記第2係合部材に連結された連結部材と、を備える係合ユニットと、
前記第1係合部材及び前記第2係合部材が前記開閉部材と装置本体とを係合する方向へ移動するよう前記係合ユニットを付勢する第1付勢手段と、
前記開閉部材が装置本体に対して開くように前記開閉部材を付勢する第2付勢手段と、
を有し、前記連結部材により、前記第1係合部材の前記開閉部材と装置本体とが係合する方向への移動に連動して前記第2係合部材が前記開閉部材と装置本体とが係合する方向へ移動する画像形成装置において、
前記第2付勢手段は、前記開閉部材の前記第1係合部材により装置本体と係合する側にのみ付勢力を付与することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
装置本体に対して開閉可能な開閉部材と、
前記開閉部材と装置本体とを係合するための第1係合部材及び第2係合部材と、前記第1係合部材及び前記第2係合部材に連結された連結部材と、を備える係合ユニットと、
前記第1係合部材及び前記第2係合部材が前記開閉部材と装置本体と係合する方向へ移動するよう前記係合ユニットを付勢する第1付勢手段と、
前記開閉部材が装置本体に対して開くように前記開閉部材を付勢する第2付勢手段と、
を有し、前記連結部材により、前記第1係合部材の前記開閉部材と装置本体とが係合する方向への移動に連動して前記第2係合部材が前記開閉部材と装置本体とが係合する方向へ移動する画像形成装置において、
前記開閉部材が前記第1係合部材により装置本体と係合する側のみを押圧されて閉じられようとした際、前記第1付勢手段の付勢力により前記第2係合部材が前記開閉部材と装置本体と係合できるよう、前記第2付勢手段が前記開閉部材の前記第1係合部材により装置本体と係合する側に付与する付勢力よりも、前記第2付勢手段が前記開閉部材の前記第2係合部材により装置本体を係合する側に付与する付勢力が小さいことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記第1付勢手段は前記係合ユニットの前記第1係合部材に直接付勢力を付与するように設けられ、前記第2係合部材には前記連結部材を介して付勢力を付与することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1付勢手段は前記係合ユニットの前記連結部材に直接付勢力を付与するように設けられ、前記第1係合部材及び前記第2係合部材には前記連結部材を介して付勢力を付与することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記開閉部材は軸回りに回動することで装置本体に対して開閉可能であり、
前記係合ユニットは前記開閉部材に設けられ、前記第1係合部材及び前記第2係合部材は前記開閉部材の前記軸方向の両端部に配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記開閉部材は軸回りに回動することで装置本体に対して開閉可能であり、
前記係合ユニットは装置本体に設けられ、前記第1係合部材及び前記第2係合部材は前記開閉部材の前記軸方向の両端部に係合可能に配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−3378(P2013−3378A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−135100(P2011−135100)
【出願日】平成23年6月17日(2011.6.17)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月17日(2011.6.17)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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