説明

画像形成装置

【課題】設置に必要なスペースを削減可能な画像形成装置を提供すること。
【解決手段】画像形成装置において、トレイ装置50は、両端にスライドレール51a,51bを有する。外装体106は、画像形成装置の背面を構成する。画像形成装置の電源コード口104aは、背面視でスライドレール51a,51bの間に設けられ、画像形成装置の背面に対し斜めに交差する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、ファクシミリ、複写機又はこれらの複合機等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置では、排紙装置等のオプション装置が本体側面に装着されることが多いため、電源コードのインレットプラグの差込口は本体背面側に設けられることが一般的である(例えば特許文献1を参照)。なお、電源コードは、本体背面に設けられた電源コード口から引き出されていることもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−198996号公報(図5参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の画像形成装置では、インレットプラグは本体背面に対し略垂直に差し込まれるため、画像形成装置の上面視で電源コードの根元は本体背面からはみ出てしまう。なお、電源コード口から引き出される場合も同様である。したがって、電源コード保護の観点から、本体背面及び壁の間にはクリアランスが必要となる。それゆえ、従来の画像形成装置には、奥行き方向に実際のサイズを超える設置スペース(例えば、奥行きサイズ+100[mm])が必要となるという課題があった。
【0005】
上記課題に鑑み、本発明の目的は、設置に必要なスペースを削減可能な画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明の一局面は、両端にスライドレールを有するトレイ装置を備えた画像形成装置であって、画像形成装置の背面を構成する外装体と、背面視で前記スライドレール間に設けられ、前記背面に対し斜めに交差する電源コード口と、を備えている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一局面によれば、画像形成装置の設置に必要なスペースを削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】画像形成装置の概略的な構成を示す模式図である。
【図2】画像形成装置の本体背面側を示す斜視図である。
【図3】画像形成装置の電源ユニットを示す斜視図である。
【図4】画像形成装置の外装体を示す図である。
【図5】外装体取付時の電源ユニットの周辺を示す斜視図である。
【図6】電源ユニットの配置関係を詳細に示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の各実施形態に係る画像形成装置について、添付図面を参照して説明する。
【0010】
(画像形成装置の概略構成)
図1において、画像形成装置は、例えば、タンデム方式の電子写真法を用いたカラープリンタであり、大略的に、Y,M,C,Kの各色のトナー画像を形成するためのプロセスユニット10(10Y,10M,10C,10K)と、中間転写ユニット20と、記録用紙を収容した給紙ユニット30と、定着ユニット35と、を本体40に備えている。
【0011】
各プロセスユニット10は、それぞれ、感光体ドラム11、帯電チャージャ12、露光装置13、現像器14、感光体ドラム11のクリーニング装置15などを配置したもので、露光装置13から照射される光によってそれぞれの感光体ドラム11上に描画される静電潜像を現像器14で現像して各色のトナー画像を形成する。
【0012】
中間転写ユニット20は、矢印Z方向に無端状に回転駆動される中間転写ベルト21を備え、各感光体ドラム11と対向する1次転写ローラ22から付与される電界にて、各感光体ドラム11上に形成されたトナー画像を中間転写ベルト21上に1次転写して合成する。なお、このような電子写真法による画像形成プロセスは周知であり、詳細な説明は省略する。
【0013】
本体40の下部には、例えば2段構成の給紙ユニット30が配置される。各給紙ユニット30は、自身が有するトレイ装置50内に収納された用紙を1枚ずつ取り出す。取り出された各用紙は、給紙ユニット30に備わる給紙ローラ31と捌きローラ32とのニップ部から、タイミングローラ対33を介して前記中間転写ベルト21と2次転写ローラ25とのニップ部に搬送され、ここでトナー画像(合成カラー画像)が2次転写される。その後、用紙は定着ユニット35に搬送されてトナーの加熱定着を施され、排紙ローラ対38から装置本体の上面に配置されたトレイ部5に排出される。
【0014】
さらに、本体40の側部には両面プリント用の搬送ユニット39が設置されている。第1面に画像を形成された用紙は、第2面にも画像を形成する場合、排紙ローラ対38から矢印Bで示すようにいったん外部に送り出され、その後、排紙ローラ対38を逆転させることで逆方向に搬送(スイッチバック)され、用紙搬送ユニット39を経由してタイミングローラ対33まで戻される。
【0015】
また、図2〜図6に示すように、本体40はさらに、シャーシ100と、2個1対のガイド部102a,102bと、電源ユニット104と、外装体106と、を備えている。
【0016】
シャーシ100は、例えばアルミ等の金属製の底板100a及び取付板100bを含む(図2,図3参照)。底板100aは、本体40の底面を構成し、上面視で略長方形の外形を有する。取付板100bは、正面視で略長方形の外形を有し、底板100aに対し略垂直に固定される。なお、取付板100bにはプロセスユニット10等、他の様々な構成も取り付けられるが、これらの図示は図2,図3では省略されている。
【0017】
また、トレイ装置50の左側及び右側にはスライドレール51a,51bが設けられる。これらスライドレール51a,51bに対応して、シャーシ100の取付板100bにはガイド部102a,102bが固定される。用紙補充時等にユーザによりトレイ装置50が引き出される際、各スライドレール51a,51bはガイド部102a,102b内をスライドする。
【0018】
ところで、一般的に、トレイ装置50が本体40から完全に引き出されたとしても、本体40から外れないように、スライドレール51a,51bは、トレイ装置50の最奥部よりも奥行き方向に突出している。本実施形態では、トレイ装置50を本体40に収納した際、スライドレール51a,51bの先端(突出部分)は取付板100bに形成された2個の孔を通り、取付板100bから奥行き方向に突出する。
【0019】
電源ユニット104は、商用電源から供給された電力を、本体40に備わる各部の駆動に適した電力(例えば直流電力)に変換して供給する。電源ユニット104は、上面視で、底板100aの外形からはみ出ないように、底板100a上に固定される。また、電源ユニット104は、背面視で、取付板100bから奥行き方向に突出したスライドレール51a,51bの間に配置される。
【0020】
また、電源ユニット104は、電源コード口104aが形成された主面104bを有する。電源コード口104aには電源コード104c(図3中、点線で図示)の一方端が挿通され、電源ユニット104の内部回路に結合される。また、図示は省略しているが、電源コード104cの他方端には差込プラグが設けられる。この差込プラグは壁等に配設されたコンセントに接続される。
【0021】
また、本体40の側面40bには、排紙装置等のオプション装置70が装着されることがある。オプション装置70への電力供給のために、主面104bには、電源コードのインレットプラグの差込口104dが、電源コード口104aに対し本体40の縦方向に並ぶように設けられる。差込口104dもまた、電源コード104cと同様に、電源ユニット104の内部回路に結合される。
【0022】
また、図4〜図6に明示するように、外装体106は、本体40の背面40aや側面40bを構成し、該背面40a又は該側面40bが実質的にフラットになるように形成される。また、外装体106は、取付板100bから突出するスライドレール51a,51bや底板100aに配置された電源ユニット104等を覆うようにシャーシ100に取り付けられる。また、図5に明示するように、外装体106には開口106aが形成される。開口106aからは、外装体106がシャーシ100に取り付けられた際、電源ユニット104の主面104bが露出する。さらに、外装体106の背面40aには、開口106aから側面40bに向かうガイド溝106bが形成される。
【0023】
ここで、図5,図6に示すように、電源ユニット104は、本体40の奥行き方向について背面40aと取付板100bとの間に配設される。また、幅方向に関しては、電源ユニット104は、取付板100bから突出するスライドレール51a,51bの間であって、スライドレール51a,51bのいずれか一方寄りに配設される。その一例として、本実施形態では、電源ユニット104は、スライドレール51b側、つまり、本体40の幅方向中心よりも側面40bに近い位置に配設される。また、図2,図3に示すように、電源ユニット104は、本体40の縦方向に関して、底板100a上、つまり本体40の最も下部に近い場所に配設される。
【0024】
ここで、電源ユニット104の配置をより詳細に説明するが、それに先立ち、以下の文言を定義する。まず、x軸は、本体40の幅方向に平行な軸であり、x軸の正方向は、開口106aからガイド溝106bに沿って側面40bに向かう方向である。y軸はx軸に直交し、y軸の正方向はトレイ装置50のスライド方向(図6中、白抜きの矢印で図示)、より具体的には、ユーザがトレイ装置50を引き出す際の方向である。開口面Pは、開口106aの縁、つまり実質的に電源コード口104aを含む平面である。このようなxy平面において、開口面Pは、x>0かつy>0の領域にて背面40aと斜めに交わる。つまり、開口面Pはトレイ装置50のスライド方向と90°未満の角度で斜めに交わり、このような開口面Pに対し実質的に垂直に電源コード104cが引き出される。
【0025】
以上の構成を有する本体40によれば、電源コード104を保護しつつ背面40aと壁面Wとの間のクリアランスを最低限に抑えることが可能となる。以下その理由を説明する。まず、図6に示すように、電源コード104cは、背面40aに対し斜め交差する電源コード口104aから引き出される。また、この電源コード104cは、電源コード口104aからガイド溝106bを通って側面40bから抜け、そしてコンセントと接続される。したがって、電源コード104cの根元部分が壁面Wと接触することを避けることができ、電源コード104cを保護することが可能となる。
【0026】
また、前述したように、トレイ装置50の収納時、スライドレール51a,51bの先端は、取付板100bから奥行き方向に突出する。その結果、スライドレール51a,51bの間には、本体40の幅方向にも奥行き方向にもスペースが生まれる。このスペースを有効活用すべく、電源ユニット104、特に、電源コード口104aは、背面視で、突出するスライドレール51a,51bの間に配設され、これにより、画像形成装置の本体40の奥行き方向のサイズを低減することが可能となる。以上のように、電源コード104cの保護を図りつつ、本体40の奥行き方向のサイズを低減することで、本体40の奥行きと実質的に同じ大きさのスペースに画像形成装置を設置することが可能となる。よって、本実施形態によれば、設置に必要なスペースを削減可能な画像形成装置を提供することが可能となる。
【0027】
ところで、画像形成装置、とりわけ高速処理が要求される複合機においては、ソーティングやグルーピング等の用紙排出処理が求められるため、本体40の側面40bに例えば排紙オプション等のオプション装置70が装着可能になっていることが一般的である。このようなオプション装置70への電力供給を考慮して、電源ユニット104にはインレットプラグの差込口104d(図5参照)が設けられ、さらには、電源ユニット104は本体40の幅方向中心よりも側面40b寄りに配設される。これにより、背面40b側でオプション装置の電源コードを長く這わせる必要がなく、オプション装置の電源コードの長さを最適化することが可能となる。
【0028】
また、図5に示すように、差込口104dは、電源コード口104aに対し画像形成装置本体40の縦方向に並んでいる。これによっても、画像形成装置の本体40の奥行き方向サイズを抑えることが可能となる。
【0029】
なお、以上の実施形態では、電源コード104cをガイド溝106bに沿わせるとして説明した。しかし、ガイド溝106bを設けずに、電源コード104cを外装体106と取付板100bとの間を通して、側面40bから逃がしても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明に係る画像形成装置は、壁ぎりぎりまで装置背面を寄せて設置可能であり、プリンタ、ファクシミリ、複写機及びこれらの複合機に適用可能である。
【符号の説明】
【0031】
40 画像形成装置本体
40a 背面
40b 側面
50 トレイ装置
51a,51b スライドレール
100 シャーシ
102a,102b ガイド部
104 電源ユニット
104a 電源コード口
104b 主面
104c 電源コード
104d オプション装置用のインレットプラグの差込口
106 外装体
70 オプション装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端にスライドレールを有するトレイ装置を備えた画像形成装置であって、
画像形成装置の背面を構成する外装体と、
背面視で前記スライドレール間に設けられ、前記背面に対し斜めに交差する電源コード口と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記電源コード口は、前記ガイドレールのいずれか一方の近傍に設けられている、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記外装体には、前記電源コード口から引き出された電源コードを通すための開口が形成されており、前記開口と前記トレイ装置のスライド方向とは90°未満の角度で交差する、
請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記外装体には、前記電源コードを前記開口から前記画像形成装置の側面に向けてガイドするガイド溝が形成される、
請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像形成装置の側面には、オプション装置を装着可能である、
請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像形成装置は、さらに、
前記電源コード口に対し縦方向に並んでおり、前記オプション装置用の電源コードのインレットプラグが差し込まれる差込口を、
備える、請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記画像形成装置は、さらに、
前記電源コードが接続されており、該電源コードを介して供給された電力を、前記画像形成装置の構成各部に適した電力に変換し供給する電源ユニットを、備え、
前記電源ユニットは、上面視で前記スライドレール間に形成される空間に配置される、
請求項1〜6のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図6】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−57722(P2013−57722A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−194779(P2011−194779)
【出願日】平成23年9月7日(2011.9.7)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】