説明

画像形成装置

【課題】原稿台カバーを利用して画像を見やすく投影することのできる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、作像した画像を出力する画像形成装置であって、読み取り対象となる原稿を載置する透明な原稿載置台と、画像形成装置本体に対しヒンジによって開閉可能に設けられ、原稿載置台に載置した原稿を押さえる原稿台カバーと、原稿を読み取る画像読取部と、読取部で読み取られた画像を記憶する記憶部と、記憶部に記憶された画像を、開かれた状態にある原稿台カバーの原稿を押さえる面に投影する投影部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンター、コピー等、原稿を出力するための画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンター、コピー等、原稿を出力するための画像形成装置において、実際に出力される画像が必ずしも所望の結果と一致するとは限らず、ミスプリント、ミスコピーを生み出してしまう場合がある。例えば、コピーを作成する場合、印刷設定のミスで用紙と印刷対象となる画像が不一致となり、一部の内容がコピーできないなどのミスコピーを生じることがある。また、実際のコピー状態をコントロールパネルのプレビュー表示で確認することができる場合であっても、画面が小さいため印刷結果のイメージが異なる場合がある。
【0003】
このようなミスコピーを防ぐものとして、特許文献1には、原稿台カバーの上面に表示部を有する画像形成装置が提案されている。これにより、実際のコピー状態を事前に確認することができるため、試しコピーをせずともミスコピーを防ぐことができることが記載されている。しかし、このように原稿台カバーの上面に表示部を有するものは、上から覗き込まなければならず、車いすのユーザーなどには利用しにくいものとなっていた。
【0004】
一方、原稿台カバーの原稿を押さえる面に表示部を設け、コピー前に原稿画像と用紙を重ね合わせた実物大の画像を確認することができる画像形成装置が知られている。特許文献2の画像形成装置では、原稿を押さえる面に表示部を有することにより、上から覗き込む必要がなく、車いすのユーザーなど目線の低いユーザーでも事前にコピー原稿を確認することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−099101号公報
【特許文献2】特開2008−107651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献2の画像形成装置では、車いすのユーザーは画像を確認する際に、原稿台カバーの上から覗き込む必要はないものの、下から覗き込む角度によっては液晶ディスプレイの反射により画面が確認しにくいという問題がある。また、今般の画像形成装置においては、連続通紙が可能な自動原稿搬送装置(Auto Document Feeder:以下、「ADF」という。)が原稿台カバーの代わりに設置されることが一般的であり、特許文献1や2のように原稿台カバーの上面や原稿を押さえる面に液晶ディスプレイを設けるとADFを設けることができないという制約が生じる。特に、特許文献2においては、原稿台カバーの裏面は原稿を適切にホールドするために可撓性があることが望まれるが、液晶ディスプレイを設けると、ディスプレイ面をフレキシブルにすることができず、ADFを装着できないだけでなく、原稿押さえとしての機能さえ十分に果たせない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、作像した画像を出力する画像形成装置であって、読み取り対象となる原稿を載置する透明な原稿載置台と、画像形成装置本体に対しヒンジによって開閉可能に設けられ、原稿載置台に載置した原稿を押さえる原稿台カバーと、原稿を読み取る画像読取部と、読取部で読み取られた画像を記憶する記憶部と、記憶部に記憶された画像を、開かれた状態にある原稿台カバーの原稿を押さえる面に投影する投影部とを有する。
【0008】
これにより、通常の原稿台カバーの原稿を押さえる面をスクリーンとして画像を投影できるため、簡易に大きな画像を確認することができる。
【0009】
また、本発明に係る画像形成装置は、原稿載置台に対する前記原稿台カバーの開閉角度を検出する角度検出部と、角度検出部による検出結果に応じて、原稿台カバーの原稿を押さえる面に投影される画像のゆがみを修正する投影画像調整部とを更に備えていてもよい。これにより、ゆがみのない画像を原稿を押さえる面に投影することができる。
【0010】
また、本発明に係る画像形成装置は、原稿台カバーを自動的に開閉する原稿台カバー駆動部と、角度検出部により検出された複数の角度を、それぞれ所定の符号と対応付けて記憶部へ記憶させる角度登録手段と、登録された複数の角度のうちの一つを呼出す角度呼出し手段とを更に備え、原稿台カバー駆動部は、角度呼出し手段により呼出された角度となるように原稿台カバーを自動的に開閉するようにしても良い。これにより、所望の角度を登録しておき、その角度となるように原稿台カバーを自動的に開閉することができるため、便利である。
【0011】
また、出力対象となる画像に対して印刷条件を設定する印刷条件設定手段を更に備え、投影画像調整部は、印刷条件設定手段により設定された印刷条件を出力対象となる画像に適用したプレビュー画像を、原稿台カバーの原稿を押さえる面に投影される画像として生成するようにしてもよい。テストプリントをしなくとも、プレビュー画像を確認してから印刷することができ、印刷ミスを防ぐことができる。
【0012】
また、投影部は、投影画像調整部により生成されたプレビュー画像を前記原稿台カバーの原稿を押さえる面に実物大で投影するようにしてもよい。実物大でプレビュー画像を確認できるため、より確実に、実際にプリントされる画像の状態を把握することができる。
【0013】
また、投影画像調整部は、角度検出部により検出された角度又は印刷条件設定手段により設定された印刷条件が変更される度に、原稿台カバーの原稿を押さえる面に投影される画像を変更するようにすることもできる。これにより、投影される画像を確認しながら、原稿台カバーの角度や印刷条件を変更することができ、利便性が高まる。
【0014】
また、表示部を有するコントロールパネルを更に備え、記憶部は、前記コントロールパネルに関する画像を記憶しており、投影部は、記憶部に記憶された前記コントロールパネルに関する画像を原稿を押さえる面に拡大して投影するようにしてもよい。これにより、コントロールパネルの表示が小さくてみづらいと感じる場合に、大きく拡大して内容を確認することができる。
【0015】
また、コントロールパネルは、角度登録手段、角度呼出し手段、印刷条件設定手段を備えるようにしても良い。
【0016】
また、投影部は、原稿台カバーに対し前記原稿載置台を挟んで反対側の画像形成装置本体内部に配置されていても良い。または、投影部は、画像形成装置本体の上面に、原稿載置台に隣接して、原稿台カバーのヒンジが設置された側と対向する側に配置されていても良い。
【0017】
更に、原稿台カバーは、原稿を自動で搬送する原稿自動搬送装置であっても良い。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、通常の原稿台カバーの原稿を押さえる面をスクリーンとして画像を投影することにより、簡易に大きなスクリーンで画像を確認することができる。また、原稿台カバーの開閉角度に合わせて画像を投影することにより、下から覗き込む車いすユーザーにとっても利便性が良い画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】画像形成装置の概略構成を示す概略図である。
【図2】画像形成装置の機能ブロック図である。
【図3】ADFを開いた状態の画像形成装置の斜視図である。
【図4】投影部の概略図である。
【図5】ヒンジ結合部の概略図である。
【図6】ADF自動開閉処理のフローチャートである。
【図7】プレビュー処理のフローチャートである。
【図8】角度登録処理のフローチャートである。
【図9】コントロールパネルで開閉角度タブを選択した場合の平面図である。
【図10】コントロールパネルで印刷設定タブを選択した場合の平面図である。
【図11】変形例にかかる投影部の配置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0021】
<全体構成>
図1は本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略図である。図1の画像形成装置1は、電子写真方式の複写機である。
【0022】
画像形成装置1は、本体20と、本体20に対してヒンジによって開閉可能に設けられ、原稿台カバーの役割をする自動原稿搬送装置30(以下「ADF30」という)とから構成されている。
【0023】
ADF30は、原稿台カバーと一体となって、本体20の上部に装着されており、ADF30の上面に原稿台32と排紙部33が設けられている。原稿台32に載置された原稿WPは、複数のローラ等により構成される原稿搬送装置により読取位置に搬送され、画像形成装置20の画像読取部13で読み取られ、その後、排出経路Lを介して排紙部33に排紙される。
【0024】
図2(a)は、ADF30を本体20に対して開いた状態の斜視図である。本体20の上部には、上述のADFの読み取り位置に対向する位置に、スリット上のシートスルー用プラテンガラス22が備えられ、シートスルー用プラテンガラス22に並んで、ADF30の原稿を押さえる面37と対向する位置に、透明な原稿載置台であるプラテンガラス21が備えられている。ADF30に対しプラテンガラス21を挟んで反対側の本体20の内部スペースには投影部17が配置されている。本実施の形態においては、図2(b)に示すように、ADF30を開放した状態で、ADF30の原稿を押さえる面37(以下、「投影面37」ともいう)に、投影部17から画像を投影する。投影部17については後述する。
【0025】
図1に戻って、本体20の上部前面には、画像形成を行うための設定条件を入力するコントロールパネル15が設けられている。コントロールパネル15には、タッチパネル式の液晶表示装置により構成された表示部151、コピー枚数等の数値を入力するキーボード152、及び、ADF30の自動開閉ボタン153、読み込んだ画像を投影面37に投影してからプリントを行うためのプレビューボタン154、コピー動作のためのコピーボタン155が設けられている。
【0026】
本体20の内部には、画像形成部11、画像読取部13、給排紙部14、及び制御部100が設けられている。
【0027】
画像読取部13は、光源LT、ミラーMR1、MR2、MR3、結像レンズLZ等からなるスキャナと、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサーを含む電気回路からなる読取装置ESとで構成されており、シートスルー方式とスキャナ移動方式との両方で原稿画像の読み取りが可能となるように構成されている。シートスルー方式の場合、ADF30により自動的に読取位置に搬送される原稿WPの画像情報を、前述のスキャナを静止させた状態で、シートスルー用プラテンガラス22を介して読取装置ESのCCDに結像させて読み取る。スキャナ移動方式の場合、プラテンガラス21上に載置された原稿に対して前述のスキャナを移動させ、原稿からの反射光について、原稿読取位置から読取装置ESのCCDまでの光路長を常に一定に維持した状態でCCDに結像させて読み取る。このようにして読み取られた画像情報は、制御部100の画像処理部150においてデジタル信号としての画像データに変換され、圧縮されて、制御部100の記憶部180に記憶される。
【0028】
画像形成部11は、前述の記憶部180に記憶された画像情報に基づく画像を感光体ドラム5上に形成し、転写材Pに転写する。モーター等の駆動源により予め設定された方向(矢印Y)に回転する感光体ドラム5を中心として、その周りに矢印Y方向に順に以下の部材が配置されている。感光体ドラム5を一様に帯電する帯電部6、原稿の画像情報に基づき感光体ドラム5に静電潜像を形成する露光光Eを発光する露光部(図示せず)、感光体ドラム5に形成された静電潜像をトナー像として顕像化する現像部7、感光体ドラム5に形成されたトナー像を転写材P等に転写する転写分離部8、トナー像が転写材P等に転写された後、感光体ドラム5に残留するトナーや紙粉等を掻き落とすためのクリーニング部9、及び、転写されたトナー像を転写材Pに溶融固着するための定着部10が、感光体ドラム5の周りに配置されている。
【0029】
給排紙部14は、手差しトレイ2、給紙カセット12、排紙トレイ3、及び複数の搬送ローラからなる搬送路144で構成されている。給紙カセット12は、A4サイズ用紙IPを収納するカセット12aと、A3サイズ用紙Pを収納するカセット12bとからなり、異なるサイズの用紙を収容可能となっている。手差しトレイ2は、本体20の側面に開閉可能に設けられており、特殊な用紙などを載置して搬送路144へ送り込むことができるようになっている。排紙トレイ3は、手差しトレイ2と反対側の本体20の側面に設けられている。
【0030】
このような画像形成部11及び給排紙部14において、回転駆動される感光体ドラム5の表面が帯電部6により所定の電位に帯電されると、露光光Eにより、画像情報に基づく静電潜像が感光体ドラム5上に形成される。現像部7がこの静電潜像にトナーを供給することにより、トナー画像が感光体ドラム5上に形成される。形成されたトナー画像は転写分離部8に搬送される。給排紙部14の搬送ローラは、給紙カセット12から用紙IP又はPをピックアップし、画像形成部11により形成された画像が転写装置8に搬送されるタイミングに合わせて、用紙IP又はPを転写装置8まで搬送する。感光体ドラム5上に形成されたトナー画像は、転写分離部8まで搬送されてきた用紙IP又はPに転写される。用紙IP又はPは搬送ローラにより定着部10まで搬送され、転写されたトナー画像は、定着部10により熱と圧力を加えられ用紙IP又はPに定着する。トナー画像が定着した用紙IP又はPは、搬送ローラにより搬送され、排紙トレイ3に排出される。
【0031】
<制御部>
図2は、画像形成装置1の機能ブロック図である。制御部100は、ADF30、画像読取部13、画像形成部11、給排紙部14、コントロールパネル15、投影部17と接続され、画像形成装置1全体の制御を行う。制御部100は、主な構成要素として、CPU110、駆動部140、画像処理部150、投影画像調整部170、記憶部180、RAM(Random Access Memory)190を備えている。
【0032】
駆動部140は、ADF30など各機能ブロックを駆動させるためのドライバICであり、CPU110からの指示に従い各機能ブロックを駆動する。
【0033】
画像処理部150は、画像読取部13から入力される画像信号に公知のシェーディング補正や階調補正などの各種処理を施して画像データを生成し、記憶部180に格納させる。
【0034】
投影画像調整部170は、記憶部180に記憶された画像データに基づいて、投影面37に投影する画像信号の調整を行う。画像信号の調整は、例えば輝度調整や色温度調整といった画質調整や、後述する台形補正処理などである。また、投影画像調整部170は、記憶部180に記憶された画像データに基づき、コントロールパネル15から入力される印刷設定を反映させたプレビュー画像データを生成し、記憶部180に格納させる。
【0035】
記憶部180は、HDD(Hard Disk Drive)や半導体などの不揮発性メモリ等により構成される。記憶部180には、画像処理部150で生成された画像データが記憶され、また画像形成に係る各種処理プログラム及びデータのほか、後述するユーザーにより登録されたADF30のプラテンガラス21に対する開閉角度などが記憶されている。記憶部180に格納された画像データは、画像形成部14に入力されてプリント処理に供され、又は投影部17に入力されて投影面37へ表示される。
【0036】
RAM190は、各種プログラムのワークエリアとして機能し、また、画像読取部13から読み取った画像データや印刷ジョブデータを一時的に記憶する。
【0037】
<投影部>
図3及び図4を参照して、投影部17について説明する。投影部17は、ADF30を開放した状態で、制御部100(図2)の記憶部180に格納された画像データを投影面37に投影する(図3(b))。
【0038】
図3に示す通り、投影部17は、ADF30に対しプラテンガラス21を挟んで反対側の本体20の内部スペースに配置されている。投影部17は、読取装置ESのスキャナがプラテンガラス21に載置された原稿画像を読み取るために移動する際、スキャナに干渉しないような位置に配置されており、ADF30と本体20をつなぐヒンジ結合部35側ではなく、本体20正面側に近い位置に配置されている。
【0039】
図4は投影部17の概略図である。投影部17は、投影面37から遠い方から順に、照明光学系171と、液晶パネル(LCD;Liquid Cristal Diode)172と、投写光学系173と備えている。制御部100(図2)の投影画像調整部170は、記憶部180に記憶された画像データに基づいて、液晶パネル172を駆動するための駆動信号を生成する。この駆動信号は、液晶パネル172に供給されて、液晶パネル172が有する各画素の透過光量の制御に使用される。照明光学系171が光を発すると、液晶パネル172を透過した光が、投写光学系173に照射される。投写光学系173は、液晶パネル172から照射された光を投影面37に投写する。
【0040】
<ヒンジ結合部>
次に、図5を参照して、ADF30のヒンジ結合部35について説明する。
【0041】
ヒンジ結合部35は、図5に示すように、ADF30に固定される第1固定具351と、本体20に固定される第2固定具352と、それら第1固定具351及び第2固定具352を連結するヒンジ軸353とを備え、ADF30と本体20とを結合している。なお、ヒンジ結合部35はヒンジ軸方向両端部にそれぞれ配置されている。
第1固定具351はヒンジ軸353に固定されており、ヒンジ軸353が回転するとそれに連動して第1固定具351もヒンジ軸353を回転軸として回動する。第1固定具351が回動すると第1固定具351が固定されているADF30もヒンジ軸353を回転軸として回動するため、その結果、ADF30が本体20に対して開閉する。
ヒンジ結合部35には、開閉角度検出センサー365が備えられている。開閉角度検出センサー365は、ヒンジ軸353の回転角度を電圧に変換するロータリー型の可変抵抗器であって、ADF30の開閉角度が変更されると、可変抵抗器の抵抗値が変更される。これにより、角度検出部として、プラテンガラス21に対するADF30の開閉角度を検出する。
【0042】
ADF30は、ヒンジ結合部35に設けられた開閉モーター361により自動開閉される。開閉モーター361は、正逆方向に所定回転速度で回転するステッピングモーターであって、開閉モーター361の回転駆動力は図示しない伝達ギアによりヒンジ軸353に伝達される。なお、開閉モーター361は、一方のヒンジ結合部35にのみ内蔵されていても良いし、両方のヒンジ結合部35にそれぞれ内蔵されていても良い。
【0043】
制御部100は、開閉角度検出センサー365の出力をフィードバックしながら開閉モーター361を正逆回転させ、ADF30が所定の角度で開放されるようにモーター361を制御する。
【0044】
<ADF自動開閉>
図9(a)乃至(c)は、コントロールパネル15の平面図である。本実施の形態においては、コントロールパネル15の自動開閉ボタン153を押すことにより、ADF30が自動開閉される。また、ADF30のプラテンガラス21に対する角度をあらかじめユーザーが登録しておくことにより、ワンタッチで、ADF30をプラテンガラス21に対して所望の角度となるように自動開放することができる。
【0045】
例えば、ユーザーがADF30を閉じた状態で、自動開閉ボタン153を押すと、ADF30を開く旨の操作情報が制御部100に入力され、ADF30が自動的に開放される。この時、コントロールパネル15で登録された角度を選択してから自動開閉ボタン153を押すと、ワンタッチでその角度となるようにADF30が自動開放される。
【0046】
このように登録された角度になるようにADF30が自動開放される処理について以下に説明する。
【0047】
図9(a)乃至(c)は、タッチパネル式の表示部151において、開閉角度タブ1512が選択された状態を示している。開閉角度タブ1512において角度呼出しキー1512bを押すと、図9(b)に示すような、角度呼出し画面が表示される。角度呼出し画面には、角度表示・入力部1512d、登録番号選択表示1512e、登録番号1512f、及びキャンセルキー1512gが表示されている。ここでは、所定の角度が登録されている登録番号として、「1」、「2」が選択可能に表示されており、その他の番号はグレーアウトされ選択できないようになっている。ここで、コントロールパネル15において、開閉角度タブ1512を選択し、角度呼出しキー1512bを押して登録番号1512fの選択がなされた上で、自動開閉ボタン153を押すと、選択された登録番号に対応付けられて記憶部180に記憶されている角度となるように、ADF30が自動開放される。
【0048】
図6は、制御部100が実行する、ADF30の自動開閉処理を説明したフローチャートである。
【0049】
ステップS101において、コントロールパネル15からの入力により、開閉角度タブ1512が選択されたか否かを判断する。開閉角度タブが選択されていれば(ステップS101でYes)ステップS102へ進み、図9(a)の開閉角度画面を表示し、ステップS103へ進む。ステップS101において、開閉角度タブが選択されていなければ(ステップS101でNo)そのままステップS103へ進む。
【0050】
ステップS103において、コントロールパネル15からの入力により、角度呼出しキー1512bがONされたか否かを判断する。角度呼出しキー1512bがONされていれば(ステップS103でYes)、ステップS104へ進み、図9(b)の角度呼出し画面を表示する。そして、ステップS105へ進む。ステップS103において、角度呼出しキー1512bがONされていなければ(ステップS103でNo)そのままステップS105へ進む。
【0051】
ステップS105において、角度表示・入力部1512dに所定の角度の入力がなされたか、又は登録番号1512fのいずれかの選択があったか否かを判断する。あったと判断すると(ステップS105でYes)ステップS106へ進み、入力又は選択により指定された角度を記憶部180に記憶する(角度A)。そしてステップS107へ進む。ステップS105において、角度表示・入力部1512dに所定の角度の入力がなされなかった場合(ステップS105でNo)ステップS107へ進む。この場合、ステップS106における開閉角度の設定を行わないので、記憶部180において、角度Aは、初期値の90°となっている。
【0052】
ステップS107において、自動開閉ボタン153がONされたか否かを判断する。ONされていなければ(ステップS107でNo)処理を終了し、ONされていれば(ステップS107でYes)ステップS108へ進む。
【0053】
ステップS108において、ADF30の角度を開閉角度検出センサー365の出力により判断し、記憶部180に記憶された角度Aより大きいか否かを判断する。ステップS108でADF30の角度が記憶された角度Aより大きくないと判断すると(ステップS108でNo)、ステップS109へ進み、ADFを開く処理を行う。すなわち、ステップS109においてADFを開放するように開閉モーター361を正転させ、ステップS110へ進む。ステップS110において、開閉角度検出センサー365の出力によりADF30の角度が記憶部180に記憶された角度Aに達したか否かを判断する。角度Aより小さい場合は(ステップS110でNo)ステップS109へ戻り、開閉モーター361の駆動制御を続ける。ADF30の角度が角度Aと等しい又はそれより大きくなったことを検知すると(ステップS110でYes)ステップS111へ進み、開閉モーター361を停止させて処理を終了する。これにより、所定の角度AにADFが自動開放される。
【0054】
一方、ステップS108でADF30の角度が角度Aより大きいと判断すると(ステップS108でYes)、ステップS112へ進み、ADFを閉じる処理を行う。すなわり、ステップS112においてADFを閉鎖するように開閉モーター361を逆転させ、ステップS113へ進む。ステップS113において、開閉角度検出センサー365の出力によりADF30の角度が記憶部180に記憶された角度Aに達したか否かを判断する。角度Aより大きい場合は(ステップS113でNo)ステップS112へ戻り、開閉モーター361の駆動制御を続ける。ADF30の角度が角度Aと等しい又はそれより小さくなったことを検知すると(ステップS113でYes)ステップS111へ進み、開閉モーター361を停止させて処理を終了する。これにより、ADFが所望の角度まで自動閉鎖される。
【0055】
このように、ADF30のプラテンガラス21に対する所望の開閉角度を登録しておけば、角度呼出しキーでその角度をすぐに呼出し、所望の角度となるようにADF30を自動的に開放することができるので、大変便利である。
【0056】
<プレビュー処理>
次に、ADF30の投影面37にプレビュー画像を投影し、ユーザーがプレビュー画像を確認してから印刷を実行することのできる、プレビュー処理について説明する。なお、プレビュー画像とは、制御部100の記憶部180に記憶されている画像データについて、印刷設定を反映させた画像をいう。
【0057】
図10(a)及び(b)はコントロールパネル15の平面図である。タッチパネル式の表示部151において、印刷設定タブ1511が選択されている。印刷設定タブ1511には、用紙や倍率等を設定するための印刷条件設定手段である印刷設定キー1511aが示されている。ユーザーは、印刷設定キー1511aにより、用紙の選択、印刷倍率の設定、印刷濃度の設定、集約印刷(N枚の原稿を1枚に縮小して収めるNin1集約など)の設定を行うことができる。例えば、ユーザーがコントロールパネル15において、A4用紙を選択し、2in1の集約印刷設定を行い、ADF30に複数枚の原稿を載置してコントロールパネル15のプレビューボタン154を押すと、原稿が搬送されて画像読取部13により読み取られる。すると、ADF30が自動的に開いて、ADF30の原稿を押さえる面である投影面37に、読み取られた原稿が実際に印刷されるような、例えば2in1に集約された状態でA4サイズにて投影される。ユーザーは投影されたプレビュー画像を確認しながら、印刷設定の変更を行うことができる。2in1に集約されたプレビュー画像が表示された状態で、コントロールパネル15において集約印刷設定を解除し、A3の用紙に拡大して印刷するよう設定すると、記憶部180に記憶されている画像データについて、新しい印刷設定が反映されたプレビュー画像が生成され、投影面37にA3に拡大された実物大の画像が投影される。この状態で印刷する場合は、コピーボタン155を押すと、A3用紙に拡大された画像が印刷される。
【0058】
図7は、制御部100が実行するプレビュー処理を説明するフローチャートである。プレビュー処理とは、制御部100によって行われる処理であって、画像を読み込み、読み込んだ画像に印刷設定を反映させたプレビュー画像を投影し、投影されたプレビュー画像通りに印刷を行うという処理である。
【0059】
ステップS201では、コントロールパネル15において、印刷設定タブ1511が選択されたか否かを判断する。選択されていると判断すれば(ステップS201でYes)ステップS202へ進み、図10(a)の印刷設定画面を表示して、ステップS203へ進む。ステップS201において印刷設定タブ1511が選択されていないと判断すれば(ステップS201でNo)ステップS203へ進む。
【0060】
ステップS203では、プレビューボタンがONされたか否かが判断される。プレビューボタンがONされていなければ(ステップS203でNo)処理を終了する。プレビューボタンがONされていれば(ステップS203でYes)ステップS204へ進み、画像の読み込みを行う。画像の読み込みは、ここでは、ADF30の原稿台32上に載置された原稿を搬送しながら読み取り部13で読取ることにより行い、読み取った画像データは記憶部180に記憶される。
【0061】
次にステップS205へ進み、ADF30の角度がAであるか否かを判断する。ADF30の角度は、ヒンジ結合部35に備えられた開閉角度検出センサー365の出力により判断する。ADF30の角度がAでなければ(ステップS205でNo)、ステップS206へ進み、ADF30を角度Aとなるように開放して、ステップS205へ戻る。S205におけるADFの自動開放処理については、前述のステップS109〜S111(図6)の処理と同じであるので、ここでは説明を省略する。
【0062】
ステップS205でADF30の角度がAであると判断すると(ステップS205でYes)、ステップS207へ進む。
【0063】
ステップS207では、コントロールパネル15で印刷設定キー1511aがONされたか否かを判断する。印刷設定キー1511aがONされていれば(ステップS207でYes)、ステップS208へ進みコントロールパネル15でユーザーにより指定された、用紙のサイズ、倍率、濃度、集約の有無などの印刷設定を記憶部180に記憶する。印刷設定キー1511aがONされていなければ(ステップS207でNo)ステップS209へ進む。この場合、記憶部180には印刷の初期設定(例えば、サイズA4、等倍、基準濃度、集約なし)が記憶されている。
【0064】
ステップS209において、開閉角度検出センサー365の出力からプラテンガラス21に対するADF30の開閉角度が検出され、検出された角度を角度Aとして記憶部180に記憶させる。次にステップS210に進む。
【0065】
ステップS210では、記憶部180に記憶された印刷設定を読み込み、ステップS211へ進む。
【0066】
ステップS211では、投影画像調整部170により、記憶部180に記憶された画像データに対し、印刷設定を反映させたプレビュー画像データが生成される。投影画像調整部170は、また、記憶されたADF30の開閉角度Aに応じて、プレビュー画像の台形補正を行うと共に、輝度や色温度などの画質調整を行う。台形補正については後述する。次にステップS212へ進む。
【0067】
ステップS212において、投影画像調整部170により調整された1ページ目のプレビュー画像データを、投影部17により実物大で投影面37へ投影させ、ステップS213へ進む。
【0068】
ステップS213では、図10(b)に示すように、コントロールパネル15の表示部151に、「この設定で印刷しますか?」という確認表示1511bと、OKキー1511c及びキャンセルキー1511dを表示し、ステップS214へ進む。
【0069】
ステップS214では、OKキー1511cが押されたか否かを判断する。OKキー1151cが押されていれば(ステップS214でYes)、ステップS215へ進み、次ページが読み込まれているか否かを記憶部180に記憶された画像データにより判断する。次ページがあれば(ステップS215でYes)、ステップS216へ進み、ページ数をカウントアップ(N+1)して、ステップS205へ戻る。なお、ページ数Nは初期値「1」が最初に設定されている。
【0070】
ステップS215で次ページがないと判断されれば(ステップS215でNo)、ステップS217へ進み、画像データを先ほど表示したプレビュー画像の通りの設定でプリント出力する。次に、ステップS218へ進み、ページ数Nを初期値にリセット(N=1)して処理を終了する。
【0071】
さて、ステップS214においてOKキー1511cが押されていなければ(ステップS214でNo)、ステップS220へ進む。ステップS220では、コピーボタン155が押されたか否かを判断する。コピーボタン155が押されていれば(ステップS220でYes)、前述の通りステップS217で原稿をプリントし、ステップS218でページ数Nをリセット(N=1)して処理を終了する。
【0072】
ステップS220において、コピーボタン155が押されていなければ(ステップS220でNo)、ステップS221へ進み、ジョブのキャンセルがなされたか否かを判断する。すなわち、ユーザーがキャンセルキー1511dを押してプリントジョブのキャンセルを行ったかどうかを判断する。キャンセルがなされていれば(ステップS221でYes)、ステップS218へ進み、ページ数Nをリセット(N=1)して処理を終了する。
【0073】
ステップ221においてキャンセルキー1511dが押されていなければ(ステップ221でNo)、ステップS205へ戻る。
【0074】
このように、原稿台カバーの原稿を押さえる面37に、実物大のプレビュー画像を表示することができるため、ユーザーは、プレビュー画像を確認してから実際の印刷を実行することができ、試しコピーを取る必要がない。これにより、ミスコピーを防ぐことができる。
【0075】
また、表示を確認しながら印刷設定の変更を行い、又はADF30の開放角度を変更を行ったとしても、各変更を反映したプレビュー画像がすぐに投影されるので、大変使い勝手が良い。
【0076】
なお、この実施の形態では、ADF30に原稿を載置して読み取ってからプレビュー処理を行う例を説明したが、プラテンガラス21に原稿を載置して読み取っても良い。この場合、プラテンガラス21上に原稿を残したままだと、投影部17から投影される画像が原稿によってけられてしまうので、原稿を取り除く必要がある。
【0077】
また、プレビュー画像は実物大の画像としたが、これに限られず、拡大して表示できるようにしても良い。
【0078】
<角度登録処理>
次に、ADF30のプラテンガラス21に対する開閉角度を登録する、角度登録処理について説明する。角度登録処理は、制御部100によって実行される処理であり、ADF30のプラテンガラス21の角度を検出し、検出した角度を所定の符号と対応付けて記憶部180に記憶させる処理である。例えば目線の低いユーザーが、ちょうど見やすい位置となるようにADF30の角度を傾けて、その角度を符号と対応付けて登録しておくことができ、その後、いつでもワンタッチで登録した角度を呼出し、ADF30をその角度となるように自動開放することができる。
【0079】
ユーザーが、コントロールパネル15で開閉角度タブ1512を選択し、角度登録キー1512aを押すと、図9(c)のような角度登録画面が表示される。角度登録画面には、現在のADF30の開閉角度を表示する角度表示・入力部1512d、この角度を所定の符号である番号に対応付けて登録するための登録番号1512f、「登録番号を選んで下さい」という表示である登録番号選択表示1512e、及び角度登録処理をキャンセルするためのキャンセルキー1512gが表示される。登録番号1512fの内、既に所定の角度が登録され使用されている登録番号は選択できないよう、グレーアウトされている。この例では、登録番号1512fのうち、「1」と「2」は既に使用されているので、「3」〜「9」の任意の番号が選択可能である。所望の角度となるようADF30を開放して「3」〜「9」のいずれかを選択すると、選択した番号に対応付けて、現在のADF30の開閉角度を登録することができる。
【0080】
図8は、制御部100が実行する角度登録処理を示したものである。
【0081】
ステップS301において、コントロールパネル15で開閉角度タブ1512が選択されたか否かを判断する。開閉角度タブ1512が選択されていれば(ステップS301でYes)ステップS302へ進み、開閉角度画面(図9(a))を表示して、ステップS303へ進む。開閉角度タブ1512が選択されていなければ(ステップS301でNo)そのままステップS303へ進む。
【0082】
ステップS303において角度登録キー1512aがONされたか否かを判断する。角度登録キー1512aがONされていなければ(ステップS303でNo)処理を終了する。
【0083】
ステップS303において角度登録キー1512aがONされていると判断すれば(ステップS303でYes)、ステップS304へ進み、角度登録画面(図9(c))を表示する。
【0084】
ステップS305へ進み、開閉角度検出センサー365の出力からプラテンガラス21に対するADF30の開閉角度を検出する。次にステップS306へ進み、検出した角度を、角度表示・入力部1512dへ表示して、ステップS307へ進む。
【0085】
ステップS307では、登録番号1512fのいずれかが選択されたか否かを判断する。いずれかの番号が選択されていれば(ステップS307でYes)ステップS308へ進み、選択された登録番号と、角度表示・入力部1512dへ表示されている角度とを対応付けて記憶部180へ記憶する。
【0086】
ステップS307で登録番号1512fのいずれも選択されていないと判断されれば(ステップS307でNo)、ステップS309へ進み、キャンセルキー1512gがONされたか否かを判断する。
【0087】
ステップS309でキャンセルキー1512gがONされていないと判断されれば(ステップS309でNo)ステップS305へ戻る。キャンセルキー1512gがONされたと判断されれば(ステップS309でYes)処理を終了する。
【0088】
このように、プラテンガラス21に対するADF30の任意の角度を登録番号に対応付けて登録することができるため、いつでもワンタッチで所望の角度を呼出してADFを自動開放することができる。
【0089】
以上、ADF自動開放処理、プレビュー処理、角度登録処理を個々に説明したが、これらの処理は個別に実行されるだけでなく、一連の処理として実行することもできる。例えば、ADFの自動開放処理を行ってからプレビュー処理を行ったり、プレビュー画像を見ながら角度登録処理を行うことも可能である。
【0090】
<投影画像の台形補正>
次に、投影画像調整部170が実行する投影面37の傾斜角度に応じた投影画像の台形補正について説明する。台形補正とは、投影面37が投影部17の光軸に対して正対しないために生ずる台形のゆがみを補正するための処理である。
【0091】
投影部17は本体20の内部にプラテンガラス21を挟んでADF30の反対側に固定配置されており、ADF30の開閉角度によって、投影部17の光軸に対する投影面37の傾きが異なってくる。そこで、制御部100は、ADF30の開閉角度検出センサー165からの入力信号によりADF30の開閉角度を検出すると、投影部17の光軸と投影面37との角度を算出し、この算出結果に基づき投影面37上の台形ゆがみの形状を演算処理する。投影画像調整部170は、投影面37上の台形ゆがみとは逆の台形ゆがみの形状となるようなプレビュー画像データを生成する。この逆の台形ゆがみとなった画像データが液晶パネル172に表示され、この画像が投影面37に投射されると、台形ゆがみのない画像が投影面37に表示される。
【0092】
このように、投影面37の角度に応じて台形補正がなされた画像が投影されるので、投影面37をどのような角度としても実物大のプレビュー画像を確認することができる。
【0093】
<変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、かかる実施の形態に限られないことはいうまでもない。
【0094】
画像形成装置は、モノクロ複写機に限られず、カラー複写機でも良く、もちろん、複写機機能に加えてプリンターや、スキャナなどの複合的な機能を有する複合機であっても良い。
【0095】
投影面は、ADF30の原稿を押さえる面37である場合に限られず、ADF30を有しない原稿台カバーの原稿を押さえる面であっても構わない。
【0096】
投影部の配置は、画像形成装置の本体に内蔵される形式に限られない。例えば、図11の画像形成装置100では、投影部1700が、原稿台カバー300のヒンジ部350と対向して、本体200の上面に、プラテンガラス210に隣接して配置されている。投影部の配置は、原稿台カバーの原稿を押さえる面に画像を投影できる位置であればよい。
【0097】
台形補正は、投影面37上の台形ゆがみの形状を演算処理する方法に限られない。予め制御部100の記憶部180に、複数のADF30開閉角度と、各開閉角度(投影面37の傾斜角度)に応じた画像修正値を対応付けた修正テーブルを備えておき、ADF30の開閉角度により、対応する修正値を用いてプレビュー画像データを生成するようにしてもよい。また、LCD172の画像は補正せず、投影部の投影光学系173の角度を制御することにより、光学的に補正するようにしてもよい。
【0098】
投影する画像は、これから印刷する画像の実物大表示に限られず、例えばコントロールパネル15の表示部151に表示されているメニュー画面を拡大して投影するようにしても良い。この場合、前述のプレビュー処理において、コントロールパネル15の表示部151に表示されている表示画像を記憶部180に記憶させ、記憶させた表示画像について、投影画像調整部170にてADF30の開閉角度に応じた台形補正等を行って、投影部17により拡大して投影面37に投影させればよい。これにより、広い投影面37を利用してメニュー画面を拡大表示できるので、車いすユーザーのように目線の低いユーザーだけでなく、コントロールパネル15の表示部151が小さくて見づらいと感じるユーザーなどにとっても、利便性を高めることができる。
【符号の説明】
【0099】
1 画像形成装置
13 画像読取部
15 コントロールパネル
17 投影部
21 プラテンガラス
30 自動原稿搬送装置(ADF)
35 ヒンジ結合部
37 原稿を押さえる面(投影面)
361 開閉モーター
365 開閉角度検出センサー
170 投影画像調整部
180 記憶部
151 表示部
153 自動開閉ボタン
154 プレビューボタン
155 コピーボタン
1511 印刷設定タブ
1511a 印刷設定キー
1512 開閉角度タブ1512
1512a 角度登録キー
1512b 角度呼出しキー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作像した画像を出力する画像形成装置であって、
読み取り対象となる原稿を載置する透明な原稿載置台と、
画像形成装置本体に対しヒンジによって開閉可能に設けられ、前記原稿載置台に載置した原稿を押さえる原稿台カバーと、
前記原稿を読み取る画像読取部と、
前記読取部で読み取られた画像を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された画像を、開かれた状態にある前記原稿台カバーの原稿を押さえる面に投影する投影部とを有する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記原稿載置台に対する前記原稿台カバーの開閉角度を検出する角度検出部と、
前記角度検出部による検出結果に応じて、前記原稿台カバーの原稿を押さえる面に投影される画像のゆがみを修正する投影画像調整部とを更に備える
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記原稿台カバーを自動的に開閉する原稿台カバー駆動部と、
前記角度検出部により検出された複数の角度を、それぞれ所定の符号と対応付けて前記記憶部へ記憶させる角度登録手段と、
前記登録された複数の角度のうちの一つを呼出す角度呼出し手段とを更に備え、
前記原稿台カバー駆動部は、前記角度呼出し手段により呼出された角度となるように前記原稿台カバーを自動的に開閉する
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
出力対象となる画像に対して印刷条件を設定する印刷条件設定手段を更に備え、
前記投影画像調整部は、前記印刷条件設定手段により設定された印刷条件を出力対象となる画像に適用したプレビュー画像を、前記原稿台カバーの原稿を押さえる面に投影される画像として生成する
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記投影部は、前記投影画像調整部により生成されたプレビュー画像を前記原稿台カバーの原稿を押さえる面に実物大で投影する
ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記投影画像調整部は、前記角度検出部により検出された角度又は前記印刷条件設定手段により設定された印刷条件が変更される度に、前記原稿台カバーの原稿を押さえる面に投影される画像を変更する
ことを特徴とする請求項4又は5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
表示部を有するコントロールパネルを更に備え、
前記記憶部は、前記コントロールパネルに関する画像を記憶しており、
前記投影部は、前記記憶部に記憶された前記コントロールパネルに関する画像を前記原稿を押さえる面に拡大して投影する
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記コントロールパネルは、
前記角度登録手段、前記角度呼出し手段、前記印刷条件設定手段を備える
ことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記投影部は、前記原稿台カバーに対し前記原稿載置台を挟んで反対側の画像形成装置本体内部に配置されている
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記投影部は、画像形成装置本体の上面に、前記原稿載置台に隣接して、前記原稿台カバーのヒンジが設置された側と対向する側に配置されている
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記原稿台カバーは、原稿を自動で搬送する原稿自動搬送装置である
ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−66026(P2013−66026A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−203021(P2011−203021)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】