説明

画像形成装置

【課題】装置に関する情報を適切に表示することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】案内部85は、第1表示部81および第1操作部82を、矢印AR1方向に沿って進退させる。第2表示部86は、第1表示部81と同様に、液晶ディスプレイにより構成されており、タッチパネル機能を実現することができる。また、第2表示部86は、図3に示すように、第1表示部81の下方に設けられており、第1表示部81および第1操作部82が案内部85により案内されることによって視認可能となる。
第2操作部87は、第2表示部86に隣接して設けられた入力部である。図3に示すように、第2操作部87は、第2表示部86と同様に、第1表示部81の下方に設けられている。制御部は、案内部85による第1表示部81の案内動作に連動して、第2表示部86に、第1表示部81の表示内容に関連する内容を、表示させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリ、およびこれらの機能を複合的に備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、操作画面用表示部とは別に、着脱可能な構成にしたプレビュー画面用表示部を設けた画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1)。また、操作パネルユニットに操作画面を表示し、拡張LCDユニットにヘルプ画面を表示する技術も、従来知られている(例えば、特許文献2)。さらに、操作表示部10のタッチパネル10aに、用途に応じた複数の領域を表示させる技術も、従来より知られている(例えば、特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−014244号公報
【特許文献2】特開2008−079803号公報
【特許文献3】特開2010−010843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、特許文献1から3の技術では、複数の表示部、または複数の領域が必要となり、これら表示部または領域のためのスペースを確保することが必要となる。その結果、表示部が大型化するという問題が生ずる。
【0005】
そこで、本発明では、装置に関する情報を適切に表示することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、画像形成装置であって、第1表示部と、前記第1表示部を案内方向に沿って進退させる案内部と、前記第1表示部の下方に設けられており、前記第1表示部が前記案内部により案内されることによって視認可能となる第2表示部と、前記案内部による案内動作に連動して、前記第2表示部に、前記第1表示部の表示内容に関連する内容を、表示させる表示制御部とを備えることを特徴とする。
【0007】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記第1表示部に隣接して設けられており、前記第1表示部とともに前記案内部により案内される第1操作部と、前記第1表示部の下方に設けられており、前記第1表示部が前記案内部により案内されることによって操作可能となる第2操作部、をさらに備えることを特徴とする。
【0008】
また、請求項3の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、前記第1表示部は、タッチパネルであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1から請求項3に記載の発明において、第2表示部には、案内部による案内動作に連動して、第1表示部の表示内容に関連する内容が、表示される。これにより、第1表示部には、基本操作に必要な事項を、第2表示部には、基本操作を補足するための事項を、それぞれ表示させることができる。すなわち、第1表示部には、必要最小限の事項だけを表示することができる。そのため、第1および第2表示部が配置されるスペースを縮小でき、画像形成装置の小型化を図ることができる。
【0010】
特に、請求項2に記載の発明によれば、第2操作部は、第1表示部の下方に設けられている。そのため、第1および第2表示部、並びに第2操作部が配置されるスペースをさらに縮小でき、画像形成装置の小型化をさらに図ることができる。
【0011】
特に、請求項3に記載の発明によれば、第1表示部は、タッチパネルにより構成されている。これにより、入力作業毎に第1表示部を移動させることは必要とされない。そのため、入力作業をさらに容易に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態における画像形成装置の全体構成の一例を示す正面斜視図である。
【図2】操作表示部の構成の一例を示す平面図である。
【図3】操作表示部の構成の一例を示す平面図である。
【図4】操作表示部に表示される内容の一例を示す平面図である。
【図5】操作表示部に表示される内容の一例を示す平面図である。
【図6】操作表示部に表示される内容の一例を示す平面図である。
【図7】操作表示部に表示される内容の一例を示す平面図である。
【図8】操作表示部に表示される内容の一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0014】
<1.画像形成装置および操作表示部の構成>
図1は、本発明の実施の形態における画像形成装置1の全体構成の一例を示す正面斜視図である。図2および図3は、操作表示部80の構成の一例を示す平面図である。ここで、画像形成装置1は、複写機、プリンター、ファクシミリ、およびこれらの機能を複合的に有するものである。図1に示すように、画像形成装置1は、主として、画像形成部10と、給紙部30と、排紙部50と、スキャナー部60と、操作表示部80と、制御部90と、を有している。
【0015】
画像形成部10は、電子写真方式により、静電潜像に基づいたトナー像を記録材Pに記録する記録部であり、図1に示すように、給紙部30の上部に設けられている。そして、画像形成部10は、給紙部30から供給される記録材に、モノクロ画像またはカラー画像を印刷する。
【0016】
給紙部30は、主として、一または複数(本実施の形態では3つ)の給紙トレイ31を有している。各給紙トレイ31は、複数の記録材を収容可能な収容部である。給紙部30は、給紙トレイ31内に収容された各記録材を、最上層のものから順に、繰り出す。そして、給紙部30は、給紙トレイ31から1枚ずつ繰り出された記録材を画像形成部10に供給する。
【0017】
排紙部50は、画像形成部10によりトナー像が印刷された記録材を、本体1a外に排紙する。図1に示すように、排紙部50は、画像形成部10の上部に設けられている。
【0018】
スキャナー部60は、自動給紙(ADF:Automatic Document Feeder)方式、または、フラットベッド(Flat Bed)方式によって、原稿から画像を読み取る。図1に示すように、スキャナー部60は、排紙部50の上方に配置されており、主として、原稿給送部61と、原稿載置部62と、読取部63と、を有している。
【0019】
原稿給送部61は、自動給紙方式が採用されており、読取部63に対して原稿を搬送させつつ、原稿の各部で反射された反射光を読取部63に読み取らせることによって、原稿の画像を取得させる。
【0020】
原稿載置部62は、フラットベッド方式による画像読取に使用される。図1に示すように、原稿載置部62は、原稿給送部61の下方に配置されている。例えば、原稿載置部62に対して原稿給送部61が開閉されることによって、読取対象となる原稿が、原稿載置部62に載置される。そして、原稿で反射され、原稿載置部62を透過した光が、読取部63で読み取られることによって、原稿の画像が取得される。
【0021】
読取部63は、いわゆる画像入力部であり、原稿上の画像を読み取る。図1に示すように、読取部63は、原稿給送部61および原稿載置部62の下方に設けられている。読取部63で読み取られた画像データは、例えばJPEG方式に圧縮され、画像メモリ(図示省略)に記憶される。
【0022】
操作表示部80は、画像形成装置1に関する情報を表示するとともに、画像形成装置1の使用者(以下、単に、「使用者」とも呼ぶ)が行った入力動作を受け付ける。図2および図3に示すように、操作表示部80は、主として、第1および第2表示部81、86と、第1および第2操作部82、87と、を有している。
【0023】
第1表示部81は、第2表示部86の上方に設けられた液晶ディスプレイである。第1表示部81は、指や専用のペンで画面に触れることによって画面上の位置を指定できる「タッチパネル」としての機能を有している。したがって、使用者は、第1表示部81に表示された内容に基づき、第1表示部81の「タッチパネル」機能を使用した指示を行うことによって、画像形成装置1に所定の処理を実行させることができる。このように、第1表示部81は、使用者からの入力動作を受け付ける入力部としても使用される。
【0024】
第1操作部82は、第1表示部81に隣接して設けられた入力部である。ここで、図2および図3に示すように、第1操作部82は、例えば、「電源ボタン」および「印刷開始ボタン」が含まれており、第1操作部82には画像形成装置1の基本的な操作が、割り付けられている。
【0025】
案内部85は、第1表示部81および第1操作部82を、矢印AR1方向(案内方向)に沿って進退させる。なお、案内部85の案内動作は、ガイドレール等の公知の技術によって実現することができる。
【0026】
第2表示部86は、第1表示部81と同様に、液晶ディスプレイにより構成されており、タッチパネル機能も実現することができる。また、第2表示部86は、図3に示すように、第1表示部81の下方に設けられており、第1表示部81および第1操作部82が案内部85により案内されることによって視認可能となる。
【0027】
第2操作部87は、第2表示部86に隣接して設けられた入力部である。図3に示すように、第2操作部87は、第2表示部86と同様に、第1表示部81の下方に設けられている。そして、第1表示部81および第1操作部82が案内部85により案内されることによって、第2操作部87は操作可能となる。ここで、図3に示すように、第2操作部87は、例えば、「テンキー」が含まれており、第2操作部87には汎用的な操作が、割り付け可能とされている。
【0028】
このように、第2表示部86に加えて第2操作部87も、第1表示部81の下方に設けられている。そのため、第1および第2表示部81、86、並びに第2操作部87が配置されるスペースをさらに縮小できる。
【0029】
また、上述のように、第1表示部81は、タッチパネルにより構成されており、第1表示部81を用いることによっても、汎用的な入力動作を実現できる。すなわち、入力作業毎に第1表示部81を移動させることは、必要とされない。そのため、入力作業をさらに容易に実行することができる。
【0030】
制御部90は、図1に示すように、排紙部50の下方に設けられている。制御部90は、画像形成装置1の各要素の動作制御、およびデータ演算を実現する。例えば、制御部90は、案内部85による第1表示部81の案内動作に連動して、第2表示部86に、第1表示部81の表示内容に関連する内容を、表示させることができる。このように、制御部90は、第1表示部81および第2表示部86の表示内容を制御する表示制御部として、使用できる。
【0031】
<2.第1および第2表示部の表示例>
図4および図5は、ジャム発生時における第1および第2表示部81、86の表示例を示す。例えば、紙詰まり等が発生すると、第1表示部81には、画像形成装置1の模式図と、紙詰まり位置81aと、が、表示される(図4参照)。そして、第1表示部81が矢印AR1方向に移動させられ、第2表示部86が視認可能となると、第2表示部86には、ジャム処理手順が表示される。
【0032】
また、図6および図7は、コピー時における第1および第2表示部81、86の表示例を示す。第1表示部81にコピー時における基本的な条件(例えば、コピー枚数や、コピーサイズ等)を設定する画面が表示された状態で、第1表示部81をスライドさせると、第2表示部86には、コピー時における応用的な条件(例えば、ステープルの位置等)を設定する画面が表示される。
【0033】
また、図8は、FAX送信時における第1および第2表示部81、86の表示例を示す。例えば、FAXが送信された後、第1表示部81をスライドさせると、第2操作部87には、FAXの送信状況を示す情報が表示される。
【0034】
<3.本実施の形態における画像形成装置の利点>
以上のように、画像形成装置1において、第2表示部86には、案内部85による案内動作に連動して、第1表示部81の表示内容に関連する内容が、表示される。これにより、第1表示部81には、基本操作に必要な情報を、第2表示部86には、基本操作を補足するための情報を、それぞれ表示させることができる。すなわち、第1表示部81には、必要最小限の情報だけを表示することができる。そのため、第1および第2表示部81、86が配置されるスペースを縮小でき、画像形成装置1の小型化を図ることができる。
【符号の説明】
【0035】
1 画像形成装置
1a 本体
10 画像形成部
30 給紙部
50 排紙部
60 スキャナー部
80 操作表示部
81 第1表示部
82 第1操作部
85 案内部
86 第2表示部
87 第2操作部
90 制御部(表示制御部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置であって、
(a) 第1表示部と、
(b) 前記第1表示部を案内方向に沿って進退させる案内部と、
(c) 前記第1表示部の下方に設けられており、前記第1表示部が前記案内部により案内されることによって視認可能となる第2表示部と、
(d) 前記案内部による案内動作に連動して、前記第2表示部に、前記第1表示部の表示内容に関連する内容を、表示させる表示制御部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
(e) 前記第1表示部に隣接して設けられており、前記第1表示部とともに前記案内部により案内される第1操作部と、
(f) 前記第1表示部の下方に設けられており、前記第1表示部が前記案内部により案内されることによって操作可能となる第2操作部、
をさらに備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像形成装置において、
前記第1表示部は、タッチパネルであることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−70279(P2013−70279A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−208164(P2011−208164)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】