説明

画像検索装置、画像検索方法及びプログラム

【課題】類似画像検索の検索結果を提示する際、ユーザインターフェースの利便性を向上できる技術を提供する。
【解決手段】画像検索装置は、画像データベースと、クエリ画像を受け付ける検索要求受付手段と、画像データベースに登録されている画像の中から、クエリ画像と類似する類似画像を抽出する類似画像検索手段と、クエリ画像の周囲に類似画像を配置するとともに、クエリ画像と類似画像間を連結表示した検索結果を表示手段に提示する検索結果提示手段と、を備える。そして、検索結果提示手段は、前記検索要求受付手段によって新たなクエリ画像が受け付けられた場合には、表示手段に過去に提示した検索結果の連結表示を保持しつつ、その検索結果に新たなクエリ画像による検索結果を追加して表示手段に提示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザによって指定された画像に基づいて、これに類似する画像を検索する画像検索装置、画像検索方法及びプログラムに関し、特に、類似画像の検索結果を提示する際のユーザインターフェース(UI:User Interface)に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネット上で公開されている様々な情報(例えば、ウェブページや画像コンテンツ等)を検索する手法として、キーワードを検索キー(クエリ)とするキーワード検索が知られている。さらに、画像コンテンツを検索対象とする場合には、画像を検索キーとして、画像の特徴量(配色、輪郭線、模様やパターン等の画像の特徴を数値化して表現したもの)を比較することにより、検索キーである画像(以下、クエリ画像)に類似する画像を検索する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1に記載の類似画像提示システムでは、ネットワークを介してアクセスしてきたクライアント端末によって商品画像が指定されると、他の商品画像の中からこれに類似する画像が検索され、例えば、対応するサムネイルの一覧がクライアント端末に提示される。そして、検索結果として提示された類似画像を検索キーとしてさらに類似画像検索を行うこともできるようになっている。
【0003】
また、特許文献2には、ユーザにコンテンツを提示する際のユーザインターフェースに関する技術が開示されている。具体的には、検索対象となる複数のコンテンツを表示画面上に提示する際に、類似する特徴を有するコンテンツ同士をリンク線で連結する。これにより、表示画面上に提示される多数のコンテンツの類似関係を容易に把握することができるので、その中から所望のコンテンツを効率よく検索できるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4058288号公報
【特許文献2】特開2008−129942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
類似画像検索において、ユーザが指定したクエリ画像には、この画像に類似した画像を知りたいというユーザの検索意図が反映されている。特に、検索結果の中からクエリ画像を選択して検索を続けて実行する場合には、その検索履歴にもユーザの検索意図が反映されているはずである。
しかしながら、従来の類似画像検索では、検索結果として提示された類似画像の中から新たに検索キー(クエリ画像)が指定されると、この指定されたクエリ画像に類似する画像だけが検索結果として提示されることとなり、過去に指定されたクエリ画像による検索履歴は反映されない。
また、類似画像検索の結果を提示する際に特許文献2に記載の技術を適用したとしても、検索された類似画像同士が個々の類似度に基づいてリンク線で連結されるだけであり、検索結果として提示された類似画像の中から新たに検索キーが指定されたときは、やはりこのクエリ画像に類似する画像だけが検索結果として提示されることとなる。
【0006】
このように、従来の類似画像検索では、検索結果にユーザの検索意図が十分に反映されていないため、ユーザが所望する画像を効率よく検索することが困難となっている。また、ユーザが指定したクエリ画像の履歴を考慮して検索結果を表示することが考えられるが(いわゆる絞り込み検索)、ユーザの検索意図を読み取るにはクエリログ等を利用して各種解析を行う必要があるなど様々な問題が内在しているため、実用化には至っていない。
【0007】
本発明は、類似画像検索の検索結果を提示する際、ユーザインターフェースの利便性を向上できる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、ユーザによって指定されたクエリ画像による検索要求に応答して、このクエリ画像に類似する画像を検索する画像検索装置であって、
画像ごとに、画像の特徴量が登録されている画像データベースと、
表示手段に表示されている前記画像データベース中の画像からユーザが指定した画像をクエリ画像として受け付ける検索要求受付手段と、
前記画像データベースに登録されている画像の中から、前記クエリ画像と類似する類似画像を抽出する類似画像検索手段と、
前記クエリ画像の周囲に前記類似画像を配置するとともに、前記クエリ画像と類似画像間を連結表示した検索結果を前記表示手段に提示する検索結果提示手段と、を備え、
前記検索結果提示手段は、前記検索要求受付手段によって新たなクエリ画像が受け付けられた場合には、前記表示手段に過去に提示した検索結果の連結表示を保持しつつ、その検索結果に前記新たなクエリ画像による前記検索結果を追加して前記表示手段に提示することを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像検索装置において、前記検索結果提示手段は、最新のクエリ画像から所定距離以上離間している画像の連結表示を消去することを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像検索装置において、前記連結表示を消去した画像に関する連結情報を記録する連結情報記録手段を備え、
前記検索結果提示手段は、前記クエリ画像に対して検索された類似画像が前記連結情報記録手段に記録されている場合に、前記消去した連結表示を再表示させることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の画像検索装置において、前記検索結果提示手段は、前記クエリ画像とこれに類似する類似画像の類似度に基づいて、これらを連結する連結表示の長さを設定することを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の画像検索装置において、前記検索結果提示手段は、前記検索された類似画像が他のクエリ画像に対する類似画像と共通する場合に、当該複数のクエリ画像のそれぞれと前記共通する類似画像の類似度に基づいて、それぞれの連結表示の長さの比を設定することを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の画像検索装置において、前記検索結果提示手段は、前記新たなクエリ画像に類似する類似画像が過去の検索結果に含まれる場合には、この類似画像に類似する複数のクエリ画像の中間にこの類似画像を配置するとともに、この類似画像と新たなクエリ画像を連結表示することを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の画像検索装置において、前記検索結果提示手段は、前記検索結果に含まれるクエリ画像と類似画像を異なる表示態様とすることを特徴とする。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項1から7のいずれか一項に記載の画像検索装置において、前記検索結果提示手段は、前記類似画像検索手段により抽出された類似画像のうち、類似度が高い順に所定数だけ配置することを特徴とする。
【0016】
請求項9に記載の発明は、画像ごとに、画像の特徴量が登録されている画像データベースを備えた画像検索装置のコンピュータが、ユーザによって指定されたクエリ画像による検索要求に応答して、このクエリ画像に類似する画像を検索する方法であって、
表示手段に表示されている前記画像データベース中の画像からユーザが指定した画像をクエリ画像として受け付けるステップと、
前記画像データベースに登録されている画像の中から、前記クエリ画像の特徴量と類似する特徴量を有する類似画像を抽出するステップと、
前記クエリ画像の周囲に前記類似画像を配置するとともに、前記クエリ画像と類似画像間を連結表示した検索結果を前記表示手段に提示するステップと、
新たなクエリ画像を受け付けた場合に、前記表示手段に過去に提示した検索結果の連結表示を保持しつつ、その検索結果に前記新たなクエリ画像による前記検索結果を追加して表示手段に提示するステップと、を有することを特徴とする。
【0017】
請求項10に記載の発明は、画像ごとに、画像の特徴量が登録されている画像データベースを備え、ユーザによって指定されたクエリ画像による検索要求に応答して、このクエリ画像に類似する画像を検索する画像検索装置のコンピュータに、
表示手段に表示されている前記画像データベース中の画像からユーザが指定した画像をクエリ画像として受け付けるステップと、
前記画像データベースに登録されている画像の中から、前記クエリ画像の特徴量と類似する特徴量を有する類似画像を抽出するステップと、
前記クエリ画像の周囲に前記類似画像を配置するとともに、前記クエリ画像と類似画像間を連結表示した検索結果を前記表示手段に提示するステップと、
新たなクエリ画像を受け付けた場合に、前記表示手段に過去に提示した検索結果の連結表示を保持しつつ、その検索結果に前記新たなクエリ画像による前記検索結果を追加して表示手段に提示するステップと、を実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、最新のクエリ画像に類似する画像を提示する際に、過去のクエリ画像による検索結果が含まれる(例えば、リンク線による連結態様が保持される)ので、ユーザの検索意図を的確に表現できる。また、検索を重ねることでユーザの検索意図に沿う画像が中央に集合してくるので、ユーザは効率よく所望する画像を検索することができる。
したがって、類似画像検索において検索結果を提示する際のユーザインターフェースの利便性が格段に向上される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る画像検索装置を適用したネットワーク構成の一例について示す概略図である。
【図2】ウェブサーバのハードウェア構成の概略を示すブロック図である。
【図3】画像データベースのデータ構成の一例を示す説明図である。
【図4】画像表示用テーブルのデータ構成の一例を示す説明図である。
【図5】ユーザが類似画像検索サービスを利用するときのウェブサーバ及びクライアント端末における処理手順の一例について示すフローチャートである。
【図6】類似画像検索に係る検索結果画面の遷移態様の一例について示す説明図である。
【図7】類似画像検索に係る検索結果画面の遷移態様の他の一例について示す説明図である。
【図8】類似画像検索に係る検索結果画面の遷移態様の他の一例について示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係る画像検索装置を適用したネットワーク構成の一例について示す概略図である。
図1に示すように、ウェブサーバ1には、パーソナルコンピュータ2aや携帯端末2b等のクライアント端末2が通信ネットワークNを介して接続され、互いにデータ通信可能となっている。通信ネットワークNは、インターネットや電気通信事業者等の電話回線網、携帯電話通信網等である。
【0021】
図1において、ウェブサーバ1は、インターネット上で公開されている画像を、クエリ画像により検索する類似画像検索サービスをクライアント端末2に対して提供する。そして、クライアント端末2においてユーザによってクエリ画像による検索要求がなされると、これに応答してクエリ画像に類似する画像(類似画像)を抽出し、検索結果をクライアント端末2に提示する。すなわち、本実施形態では、ウェブサーバ1が本発明に係る画像検索装置を構成している。
【0022】
図2は、ウェブサーバ1のハードウェア構成の概略を示すブロック図である。
図2に示すように、ウェブサーバ1は、制御部11、記憶部(補助記憶)12、入出力部13、通信部14、画像データベース15等を備えた一般的なコンピュータである。各ブロックはバスライン16により電気的に接続されている。
【0023】
制御部11は、演算/制御装置としてのCPU(Central Processing Unit)111、主記憶装置としてのRAM(Random Access Memory)112及びROM(Read Only Memory)113で構成される。
ROM113には、BIOS(Basic Input Output System)と呼ばれるプログラムや基本的な設定データが記憶されている。RAM112には、記憶部12から読み出されたOSや各種アプリケーションなどのプログラムが展開される。
CPU111は、RAM112に展開されたプログラムに従って各種処理を実行し、各ブロックを制御する。
【0024】
記憶部12は、例えばハードディスク等で構成され、OS、各種アプリケーションプログラム(例えば、サーバ用プログラムやウェブアプリケーションプログラム)、及び各種データ等が記憶されている。
入出力部13は、ウェブサーバ1の管理者が利用するためのユーザインターフェースを構成する。
通信部14は、TCP/IP等の通信プロトコルに従って処理を行い、通信ネットワークNを介してクライアント端末2とデータの送受信を行う。
【0025】
画像データベース15は、クエリ画像による検索要求に応答して類似画像を検索するときに参照されるもので、インターネット上で公開されている画像に関するデータが登録されている。ウェブサーバ1では、例えば、インターネット上で公開されている画像を収集(クロール)するプログラムが常時実行されており、インターネット上で公開されている画像が更新(増減)されると、それに伴い画像データベース15の内容が更新されるようになっている。
【0026】
図3は、画像データベース15のデータ構成の一例を示す説明図である。
図3に示すように、画像データベース15には、画像IDに対して、収集された画像に関するデータ(画像データ)と、画像の視覚的な特徴を表す特徴量が登録されている。ここで、画像データには、この画像の所在地(URL)、タグ付けされたテキスト情報及びサムネイルなどが含まれる。また、特徴量には、視覚的な特徴を表す特徴量の他、画像から得られる周波数やヒストグラム等を利用することもできる。
本実施形態では、画像を収集したときに実データを解析することにより、画像の構成要素である色C、輪郭線S、模様やパターンTを算出し、これらを特徴量として登録している。複数の画像間の類似性を判断する場合、それぞれの画像が有する特徴量に基づいて画像間の類似度が算出され、例えば、この類似度が閾値以上の場合に両者は類似するものとして判断される。なお、特徴量や類似度の算出については、公知の技術を利用することができる。
【0027】
また、画像データベース15には、類似画像検索の検索結果画面を生成するための画像表示用テーブル151が一時的に登録される。この画像表示用テーブル151には、類似画像検索の検索結果に含まれる画像(クエリ画像と類似画像)の表示に関する情報が登録される。
画像表示用テーブル151は、例えば、クライアント端末2における類似画像検索サービスの利用に際して生成され、類似画像検索サービスの利用が終了したとき(ログアウトしたとき)に破棄される。
【0028】
図4は、画像表示用テーブル151のデータ構成の一例を示す説明図である。図4に示すように、画像表示用テーブル151は、クエリ画像及び類似画像(に対応するサムネイル)を検索結果画面の所定位置に配置するための表示オブジェクトテーブル(図4(a))と、クエリ画像と類似画像間をリンク線で連結するためのリンクテーブル(図4(b))とで構成されている。
なお、検索結果画面において配置されるのは画像に対応するサムネイルであるが、表現を簡素化して画像を配置するものとして記載することもある。
【0029】
図4(a)に示す表示オブジェクトテーブルには、検索結果に含まれる画像の画像ID、画像種別(クエリ画像/類似画像)、それぞれの画像に対応するサムネイルを配置する表示座標が登録される。図4(a)では、クエリ画像“#1”の表示座標として(x1,y1)が設定され、類似画像“#2”の表示座標として(x2,y2)が設定された場合について示している。検索結果画面では、この表示オブジェクトテーブルで設定された表示座標に従って、各画像に対応するサムネイルが表示されることとなる。
表示オブジェクトテーブルにおいて画像種別が“クエリ画像”となっていれば、当該画像による類似画像検索は既に実行されていることになる。つまり、類似画像検索を実行する際に表示オブジェクトテーブルを参照することで、指定された画像による類似画像検索の要否を判定することができる。また、表示オブジェクトテーブルは、ユーザが検索キーとして選択したクエリ画像を蓄積するログとしても機能する。すなわち、画像種別が“クエリ画像”となっている画像は、ユーザにクエリ画像として選択されたことを示す。
【0030】
図4(b)に示すリンクテーブルには、クエリ画像の画像IDに対応して、抽出された類似画像の画像IDが登録される。図4(b)では、クエリ画像“#1”に対して類似画像“#2”,“#3”がリンク付けられた場合について示している。検索結果画面では、リンク付けられた画像に対応するサムネイル同士(図4(b)では画像“#1”と“#2”及び画像“#1”と“#3”)がリンク線で連結されることとなる。
【0031】
ウェブサーバ1の制御部11は、サーバ用ソフトウェアを実行することにより、クライアント端末2対して類似画像検索サービスを提供する。また、類似画像検索サービスにおいて、クライアント端末2からクエリ画像による検索要求がなされたときに、この検索要求に応答して類似画像の検索を実行する。そして、クエリ画像に類似する類似画像を抽出し、検索結果としてクライアント端末2に提示する。
本実施形態では、クライアント端末2に提示される検索結果画面を構成するユーザインターフェースが特徴的となっている。具体的には、クライアント端末2の表示部に表示させている画像の中から新たにクエリ画像が指定された場合に、この指定されたクエリ画像による検索結果を新たに提示するのではなく、過去の検索結果(今回のクエリ画像が類似画像として含まれている検索結果)に関連させて提示する。これにより、検索結果画面においてユーザの検索意図を的確に表現することができる。
【0032】
図1に示すクライアント端末2のハードウェア構成は、ウェブサーバ1とほぼ同様なので図示を省略する。クライアント端末2は、制御部、記憶部、入力部、表示部、通信部等を備えている。
クライアント端末2の制御部の構成はウェブサーバ1の制御部11の構成と同様である。
記憶部は、例えばハードディスクで構成され、OS、各種アプリケーションプログラム(例えば、ウェブブラウザプログラム)、及び各種データ等を記憶する。
入力部は、例えば、キーボード及びマウスで構成され、ユーザが情報を入力する際に使用される。入力部により、例えば、ウェブサーバ1に対して検索要求を行うときの検索キーの入力が行われる。
表示部は、例えば、液晶ディスプレイ等で構成され、制御部からの表示制御指令に基づいて所定の画面を表示する。表示部には、例えば、ウェブブラウザのGUI(Graphical User Interface)が表示される。
通信部は、TCP/IP等の通信プロトコルに従って処理を行い、通信ネットワークNを介してウェブサーバ1とデータの送受信を行う。
【0033】
クライアント端末2の制御部は、ウェブブラウザプログラムを実行することにより、ウェブサーバ1がインターネットを介して提供する類似画像検索サービスの画面を表示部に出力する。また、類似画像検索サービスにおいて、ユーザがクエリ画像による検索を指示すると、この検索要求をウェブサーバ1に対して送信する。そして、ウェブサーバ1から送信された検索結果を取得し、検索結果画面を表示部に出力する。
【0034】
図5は、ユーザが類似画像検索サービスを利用するときのウェブサーバ1及びクライアント端末2における処理手順の一例について示すフローチャートである。この処理は、ウェブサーバ1の制御部11及びクライアント端末2の制御部によって実行される。
図5には、例えば、クライアント端末2のウェブブラウザ上で、ユーザにより類似画像検索サービスへのアクセス操作(例えば、URLの入力)が行われ、ウェブサーバ1に対して類似画像検索サービスの利用要求が送信された後の処理手順について示している。
【0035】
図5のステップS101において、ウェブサーバ1は、クライアント端末2からの利用要求に応答して、類似画像検索サービスのトップページのHTMLファイルを送信する。ウェブサーバ1から送信されるHTMLファイルには、クライアント端末2におけるユーザ操作に応じて、ウェブページを動的に生成して提供するための制御プログラム(例えば、JAVA(登録商標)プログラム)が埋め込まれている。
【0036】
ステップS201において、クライアント端末2は、ウェブサーバ1から送信されたHTMLファイルを解析して、ウェブブラウザ上に類似画像検索サービスのトップページを表示する。
本実施形態の類似画像検索サービスでは、トップページにおいて検索キー(クエリ画像)とし得る画像群を提示し、その中からユーザにクエリ画像を選択させるようになっている。例えば、所定期間内にクエリ画像として指定された頻度の高い画像を提示したり、画像データベース15に登録されている画像をランダムに選択して提示したりする。また例えば、画像データベース15に登録されている画像を予めカテゴリ別に分類しておき、各カテゴリを代表する画像(例えば、カテゴリの特徴を反映している画像)を提示するようにしてもよい。
【0037】
ステップS202では、ユーザにより検索キーとするクエリ画像が指定されたか否かを判定する。例えば、トップページ又は検索結果画面において提示された画像の中から1つの画像が選択された状態で検索ボタンがクリックされた場合に、クエリ画像による検索要求がなされたと判定する。そして、ユーザによってクエリ画像による検索要求がなされたと判定すると、ステップS203に移行して、このクエリ画像による検索要求をウェブサーバ1に対して送信する。
【0038】
ステップS102において、ウェブサーバ1は、クライアント端末2からの検索要求に含まれるクエリ画像を取得する。すなわち、ユーザが指定した画像をクエリ画像として受け付ける。そして、取得したクエリ画像に関する情報を画像表示用テーブル151に登録する。
【0039】
ここで、新規に要求された類似画像検索の場合には、図4(a)の表示オブジェクトテーブルにおいて、取得したクエリ画像の画像IDを登録するとともに、画像種別として“クエリ画像”を設定する。また、図4(b)のリンクテーブルのクエリ画像IDとして、取得したクエリ画像の画像IDを登録する。
一方、検索結果画面で提示した類似画像の中からクエリ画像が指定された類似画像検索の場合、すなわち、取得したクエリ画像に関する情報が既に画像表示用テーブル151に登録されている場合には、図4(a)の表示オブジェクトテーブルにおいて、取得したクエリ画像の画像IDに対応して設定されている画像種別を“類似画像”から“クエリ画像”に変更する。また、図4(b)のリンクテーブルのクエリ画像IDとして、取得したクエリ画像の画像IDを設定する。つまり、図4(b)のリンクテーブルに類似画像IDとして登録されていた画像IDが、クエリ画像IDとしても登録されることとなる。
【0040】
ステップS103では、画像データベース15に登録されている画像の中から、クエリ画像と類似する類似画像を抽出する。例えば、画像データベース15を参照して、取得したクエリ画像の特徴量とその他の登録画像の特徴量を比較して類似度を算出し、類似度が閾値以上の画像、或いは類似度が上位の所定数の画像を類似画像として抽出する。そして、抽出した類似画像に関する情報を図4に示す画像表示用テーブル151に登録する。
本実施形態では、類似画像検索手段により抽出された類似画像のうち、類似度が上位の所定数(例えば、6個)の画像だけを類似画像として登録するようにしている。すなわち、検索結果画面において提示される画像数は予め決められている。これにより、類似画像が多数抽出された場合に、検索結果画面が繁雑になりすぎるのを防止できる。
【0041】
ここで、新規に要求された類似画像検索の場合には、図4(a)の表示オブジェクトテーブルにおいて、抽出した類似画像の画像IDを登録するとともに、画像種別として“類似画像”を設定する。また、図4(b)のリンクテーブルの類似画像IDとして、抽出した類似画像の画像IDを、クエリ画像IDに対応付けて登録する。
一方、検索結果画面で提示された類似画像の中からクエリ画像が指定された類似画像検索の場合には、図4(a)の表示オブジェクトテーブルにおいて、新たに抽出した類似画像の画像IDを登録する(既に登録されている類似画像については新たに登録されない)とともに、画像種別として“類似画像”を設定する。また、図4(b)のリンクテーブルの類似画像IDとして、抽出した類似画像の画像IDを、クエリ画像IDに対応付けて登録する。
【0042】
ステップS104では、取得したクエリ画像及び抽出した類似画像に基づいて、検索結果画面における画像(に対応するサムネイル)の配置位置となる表示座標を設定する。このとき、検索結果画面において提示する画像の視認性を確保しつつ、表示領域を有効利用できるように(できるだけ余白がないように)画像の表示座標を設定するのが望ましい。
【0043】
本実施形態では、原則として、クエリ画像の表示座標を設定し、その周囲にこのクエリ画像に類似する類似画像の表示座標を設定するようにしている。
ただし、検索結果に含まれる類似画像の中から新たにクエリ画像が指定された場合には、検索結果におけるリンク線による連結態様を保持しつつ、新たなクエリ画像の周囲にこれに類似する類似画像を配置してリンク線で連結できるように、それぞれの表示座標を設定する。また、新たなクエリ画像に類似する類似画像が過去の検索結果に含まれる場合には、この類似画像に類似する複数のクエリ画像の中間にこの類似画像が配置されるように、表示座標が変更されることとなる。このとき、複数のクエリ画像の間の最短距離となるライン上に類似画像が配置されることが望ましい。ただし、他の画像との配置の関係上、画像に重なりが生じてしまう場合は、その重なりを避ける程度に配置位置をずらすようにしてもよい。
つまり、過去の検索結果の表示態様をできるだけ保持しつつ、表示すべき画像の数、表示領域の大きさ、画像間のリンク関係(描画されるリンク線の複雑さ)に応じて各画像の表示座標を設定するようにしている。
【0044】
ステップS105では、設定された表示座標に各画像を配置するとともに、リンク関係にある画像間をリンク線で連結した検索結果画面のデータ(HTMLファイル)を生成し、クライアント端末2に対して送信する。
【0045】
ステップS204において、クライアント端末2は、検索結果画面のHTMLファイルを解析して、ウェブブラウザ上に検索結果を表示する。この検索結果画面により、ユーザはクエリ画像に類似する類似画像を知得することができる。
さらに、この検索結果画面において提示されている類似画像を新たなクエリ画像として指定できるようになっている。この場合、ステップS202に以降の処理が実行されることとなる。
【0046】
図6は、類似画像検索に係る検索結果画面の遷移態様の一例について示す説明図である。
図6(a)に示すように、類似画像検索サービスのトップページでは、例えば、検索キーとし得る複数の画像がマトリックス状に配置される。なお、画像の配置を、ランダムな配置としてもよい。図6(a)では、提示された画像群の中から画像Aがクエリ画像として選択されている。このように、画像Aがクエリ画像として指定されると、図6(b)に示す検索結果が提示される。
【0047】
図6(b)に示すように、クエリ画像Aによる検索の結果画面では、クエリ画像Aの周囲にこれに類似する6つの類似画像が配置されるとともに、クエリ画像Aと類似画像間がリンク線Lで連結されている。つまり、検索結果画面がこのように描画されるように、各画像の表示座標が設定されている。
図6(b)では、検索結果として提示された類似画像の中から画像Bが次のクエリ画像(新たなクエリ画像)として選択されている。このように、画像Bがクエリ画像として指定されると、図6(c)に示す検索結果が提示される。
【0048】
図6(c)に示すように、クエリ画像Bによる検索の結果画面では、図6(b)に示す検索結果におけるリンク線による連結態様を保持しつつ、新たなクエリ画像Bの周囲にこれに類似する6つの類似画像(クエリ画像Aを含む)が配置されるとともに、クエリ画像Bと類似画像間がリンク線Lで連結されている。つまり、検索結果画面がこのように描画されるように、各画像の表示座標が設定されている。具体的には、クエリ画像Bの周囲に類似画像を配置するために、クエリ画像Bの表示位置は図6(b)に示す位置より上方に移動されている。
図6(c)では、検索結果として提示された類似画像の中から画像Cが次のクエリ画像(新たなクエリ画像)として選択されている。このように、画像Cがクエリ画像として指定されると、図6(d)に示す検索結果が提示される。
【0049】
図6(d)に示すように、クエリ画像Cによる検索の結果画面では、図6(c)に示す検索結果におけるリンク線による連結態様を保持しつつ、新たなクエリ画像Cの周囲にこれに類似する6つの類似画像(クエリ画像A及び類似画像Xを含む)が配置され、クエリ画像Cと類似画像間がリンク線Lで連結されている。
また、新たなクエリ画像Cに類似する類似画像Xは過去の検索結果(クエリ画像Aによる検索結果)に含まれるので、この類似画像Xに類似する2つのクエリ画像A,Cの中間にこの類似画像Xが配置され、類似画像Xと新たなクエリ画像Cがリンク線Lで連結されている。
つまり、検索結果画面がこのように描画されるように、各画像の表示座標が設定されている。具体的には、クエリ画像Cの周囲に類似画像を配置し、かつクエリ画像Cと類似画像Xをリンク線Lで連結するために、クエリ画像Cの表示位置は図6(c)に示す位置より下方に移動され、類似画像Xの表示位置は図6(c)に示す位置より上方に移動されている。
図6(d)では、検索結果として提示された類似画像の中から画像Dが次のクエリ画像(新たなクエリ画像)として選択されている。このように、画像Dがクエリ画像として指定されると、図6(e)に示す検索結果が提示される。
【0050】
図6(e)に示すように、クエリ画像Dによる検索の結果画面では、図6(d)に示す検索結果におけるリンク線による連結態様を保持しつつ、新たなクエリ画像Dの周囲にこれに類似する6つの類似画像(クエリ画像C及び類似画像Yを含む)が配置され、クエリ画像Dと類似画像間がリンク線Lで連結されている。
また、新たなクエリ画像Dに類似する類似画像Yは過去の検索結果(クエリ画像Bによる検索結果)に含まれるので、この類似画像Yに類似する2つのクエリ画像B,Dの中間にこの類似画像Yが配置され、類似画像Yと新たなクエリ画像Dがリンク線Lで連結されている。
つまり、検索結果画面がこのように描画されるように、各画像の表示座標が設定されている。具体的には、クエリ画像Dの周囲に類似画像を配置し、かつクエリ画像Dと類似画像Yをリンク線Lで連結するために、クエリ画像Dの表示位置は図6(d)に示す位置より上方に移動されている。クエリ画像Dの表示領域だけで調整できるため、類似画像Yの表示位置は図6(d)に示す位置から変化していない。
このように、検索を重ねると検索結果としてのグラフ構造が動的に変化し、ユーザの検索意図に沿う画像、すなわちユーザが指定した複数のクエリ画像に共通する類似画像がクエリ画像を中心として表示空間中央に集合してくるので、ユーザは効率よく所望する画像を検索することができる。
【0051】
また、図6に示すように、クエリ画像を網掛け表示とし、類似画像を白抜き表示とすることで、検索結果画面においてクエリ画像と類似画像を異なる表示態様としている。実際には、画像枠の太さや色を変えることで、クエリ画像と類似画像を区別することができる。これにより、ユーザの検索履歴(どの画像をクエリ画像としたか)を視覚的に把握できるので、一度指定したクエリ画像が再度指定されるのを防止できるので、利便性が向上する。
【0052】
上述したように、ウェブサーバ1は、ユーザによって指定されたクエリ画像による検索要求に応答して、このクエリ画像に類似する画像を検索する画像検索装置を構成している。
そして、画像ごとに、画像の視覚的な特徴を表す特徴量が登録されている画像データベース(15)、表示手段(クライアント端末2の表示部)に表示されている画像データベース(15)中の画像からユーザが指定した画像をクエリ画像として受け付ける検索要求受付手段(制御部11、図5のステップS102)、画像データベース(15)に登録されている画像の中から、クエリ画像と類似する類似画像を抽出する類似画像検索手段(制御部11、図5のステップS103)、クエリ画像の周囲に類似画像を配置するとともに、クエリ画像と類似画像間を連結表示(リンク線で連結)した検索結果を表示手段に提示する検索結果提示手段(制御部11、図5のステップS104,S105)、を備えている。
検索結果提示手段(制御部11、図5のステップS104,S105)は、検索要求受付手段によって新たなクエリ画像が受け付けられた場合には、表示手段に過去に提示した検索結果の連結表示を保持しつつ、その検索結果に新たなクエリ画像による検索結果を追加して表示手段に提示する。
新たなクエリ画像に類似する類似画像が過去の検索結果に含まれる場合には、この類似画像に類似する複数のクエリ画像の中間にこの類似画像を配置するとともに、この類似画像と新たなクエリ画像を連結表示することとなる。
【0053】
これにより、最新のクエリ画像に類似する画像を提示する際に、過去のクエリ画像による検索結果が含まれる(例えば、リンク線による連結態様が保持される)ので、ユーザの検索意図を的確に表現できる。また、検索を重ねることでユーザの検索意図に沿う画像が中央に集合してくるので、ユーザは効率よく所望する画像を検索することができる。
したがって、類似画像検索において検索結果を提示する際のユーザインターフェースの利便性が格段に向上される。
【0054】
ところで、クエリ画像による画像検索が繰り返されると、検索結果に含まれる類似画像が増加して表示領域が不足することが考えられる。この場合、最新のクエリ画像から所定距離以上離間している画像の連結表示を消去することで対応できる。
図7は、類似画像検索に係る検索結果画面の遷移態様の他の一例について示す説明図である。
図7(a)に示すように、類似画像検索を複数回重ね、最新のクエリ画像aによる検索結果が追加されると、画面左上の6つ画像b〜gは、クエリ画像aと所定距離R以上離間することとなる。すなわち、これらの画像b〜gは最新のクエリ画像aと関連性が低いものと判断できるので、これらの連結表示を消去する。
すなわち、図7(b)に示す検索結果画面が、最新のクエリ画像aによる類似画像検索の結果として提示される。なお、図7(b)では、画像b〜gを画面上から消去しているが、連結表示(リンク線による連結)を消去するだけで、これらの画像b〜gを一部の表示領域にまとめて縮小表示するようにしてもよい。
【0055】
このように一部の画像の連結表示を消去する場合、リンクテーブル(図4(b)参照)に記録されているリンク情報は消去しない。そして、新たにクエリ画像が指定され、このクエリ画像の類似画像に、画面上から消去された画像が含まれる場合には、リンクテーブルに保持されているリンク情報を参照して、その画像に関する連結表示を復帰させるようにする。
例えば、図7(b)に示す検索結果が面において画像iがクエリ画像として指定され、この画像iの類似画像に、画像hとの連結表示が消去された画像gが含まれる場合、図7(c)に示す検索結果画面が提示されることとなる。すなわち、新たなクエリ画像iの周囲にその類似画像(類似画像gを含む)が配置されて連結表示されるとともに、類似画像gについてはクエリ画像hとの連結表示が再表示される。
【0056】
上述したように、画像検索装置としてのウェブサーバ1は、最新のクエリ画像から所定距離(R)以上離間している画像の連結表示を消去する。これにより、最新のクエリ画像と関連性の高い画像などユーザにとって有用な検索結果を損なうことなく表示領域を有効活用できる。
また、連結表示を消去した画像に関する連結情報(リンク情報)を記録する連結情報記録手段(リンクテーブル)を備え、クエリ画像に対して検索された類似画像が連結情報記録手段に記録されている場合に、消去した連結表示を再表示させる。これにより、一旦連結表示が消去された画像であっても、過去の検索結果をできるだけ利用して画像間の連結表示が形成されるので、検索結果画面において画像間の類似性を効率よく提示できる。
【0057】
なお、最新のクエリ画像の表示位置を検索結果の中心とすることで、最新の検索結果を容易に把握することができる。また、検索結果に含まれる類似画像が増加して表示領域が不足する場合には、表示領域をスクロールして提示したり、全体的に縮小表示したりすることで対応するようにしてもよい。
【0058】
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記実施形態では、検索結果画面において提示する画像の視認性を確保しつつ表示領域を有効利用すべく画像の表示座標を設定しているが、クエリ画像とこれに類似する類似画像の類似度に基づいて、これらを連結する連結表示の長さを設定するようにしてもよい。
また例えば、検索された類似画像が他のクエリ画像に対する類似画像と共通する場合に、当該複数のクエリ画像のそれぞれと共通する類似画像の類似度に基づいて、それぞれの連結表示の長さの比を設定するようにしてもよい。
【0059】
具体的には、検索結果画面において提示する画像をばねで結合したもの(ばねモデル)としてシミュレーションする手法を利用して、画像間の類似性をリンク線の長さに反映することができる。フックの法則によりばねによる反力Fは以下のように表される。
F=−k(x−L)
x:ばねの長さ、L:荷重がないときのばねの長さ、k:ばね定数
ばねモデルでは、このように表された各ばねのFが釣り合うようにシミュレーションする。そこで、画像間の類似性を表す値をSとすると、
F=−k(x−S・L)
というようにばねの長さを変動させることで、リンク線の長さに反映することができる。また、
F=−s・k(x−L)
として、ばね定数を変化させることで、リンク線の長さに反映させることもできる。この場合には、画像が複数の画像とリンク線で結合されている場合にのみ長さの違いが現れる。
ここで、類似性を表す値Sには、画像間の類似度0〜1(類似するほど0に近い)や、クエリ画像と類似する順(ランク)を正規化した値(=(R−1)/N,R:ランク,N:登録数又は検索数)を利用することができる。
このようにクエリ画像と類似画像の類似性をリンク線の長さに反映させることにより、検索結果画面が特徴量空間とし表されることとなるので、各画像間の類似性・関連性を視覚的に把握できるようになる。
【0060】
上記実施形態では、類似画像検索サービスのトップページにおいて、検索キーとし得る画像群が提示されるようにしているが、ユーザがクライアント端末2から画像をアップロードすることにより、検索キーとなるクエリ画像を指定できるようにしてもよい。また、類似画像検索に先立ってキーワードを検索キーとする画像検索を行い、その検索結果画面において提示される画像群の中から最初のクエリ画像を指定できるようにしてもよい。
検索結果画面が表示された状態で新たにクエリ画像を指定する際にも、表示されている画像群からクエリ画像を指定するのではなく、ユーザがクライアント端末2から画像をアップロードすることによりクエリ画像を指定できるようにしてもよい。
【0061】
さらに、図8(a)、(b)に示すように、ユーザによってクエリ画像(親画像)Q1が一度指定されると、そのクエリ画像に類似する類似画像(子画像)を抽出して、さらにその類似画像(子画像)をクエリ画像Q2〜Q7として、これに類似する類似画像(孫画像)を抽出する、というように類似画像を段階的に自動検索して提示するようにしてもよい。
これにより、ユーザが一度だけクエリ画像を指定するだけで、検索結果として広範囲のグラフが提示されるので、さらに効率よく検索することが可能となる。
【0062】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0063】
1 ウェブサーバ(画像検索装置)
2 クライアント端末
N 通信ネットワーク
11 制御部(検索要求受付手段、類似画像検索手段、検索結果提示手段)
12 記憶部
13 入出力部
14 通信部
15 画像データベース
16 バスライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによって指定されたクエリ画像による検索要求に応答して、このクエリ画像に類似する画像を検索する画像検索装置であって、
画像ごとに、画像の特徴量が登録されている画像データベースと、
表示手段に表示されている前記画像データベース中の画像からユーザが指定した画像をクエリ画像として受け付ける検索要求受付手段と、
前記画像データベースに登録されている画像の中から、前記クエリ画像と類似する類似画像を抽出する類似画像検索手段と、
前記クエリ画像の周囲に前記類似画像を配置するとともに、前記クエリ画像と類似画像間を連結表示した検索結果を前記表示手段に提示する検索結果提示手段と、を備え、
前記検索結果提示手段は、前記検索要求受付手段によって新たなクエリ画像が受け付けられた場合には、前記表示手段に過去に提示した検索結果の連結表示を保持しつつ、その検索結果に前記新たなクエリ画像による前記検索結果を追加して前記表示手段に提示することを特徴とする画像検索装置。
【請求項2】
前記検索結果提示手段は、最新のクエリ画像から所定距離以上離間している画像の連結表示を消去することを特徴とする請求項1に記載の画像検索装置。
【請求項3】
前記連結表示を消去した画像に関する連結情報を記録する連結情報記録手段を備え、
前記検索結果提示手段は、前記クエリ画像に対して検索された類似画像が前記連結情報記録手段に記録されている場合に、前記消去した連結表示を再表示させることを特徴とする請求項2に記載の画像検索装置。
【請求項4】
前記検索結果提示手段は、前記クエリ画像とこれに類似する類似画像の類似度に基づいて、これらを連結する連結表示の長さを設定することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の画像検索装置。
【請求項5】
前記検索結果提示手段は、前記検索された類似画像が他のクエリ画像に対する類似画像と共通する場合に、当該複数のクエリ画像のそれぞれと前記共通する類似画像の類似度に基づいて、それぞれの連結表示の長さの比を設定することを特徴とする請求項4に記載の画像検索装置。
【請求項6】
前記検索結果提示手段は、前記新たなクエリ画像に類似する類似画像が過去の検索結果に含まれる場合には、この類似画像に類似する複数のクエリ画像の中間にこの類似画像を配置するとともに、この類似画像と新たなクエリ画像を連結表示することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の画像検索装置。
【請求項7】
前記検索結果提示手段は、前記検索結果に含まれるクエリ画像と類似画像を異なる表示態様とすることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の画像検索装置。
【請求項8】
前記検索結果提示手段は、前記類似画像検索手段により抽出された類似画像のうち、類似度が高い順に所定数だけ配置することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の画像検索装置。
【請求項9】
画像ごとに、画像の特徴量が登録されている画像データベースを備えた画像検索装置のコンピュータが、ユーザによって指定されたクエリ画像による検索要求に応答して、このクエリ画像に類似する画像を検索する方法であって、
表示手段に表示されている前記画像データベース中の画像からユーザが指定した画像をクエリ画像として受け付けるステップと、
前記画像データベースに登録されている画像の中から、前記クエリ画像の特徴量と類似する特徴量を有する類似画像を抽出するステップと、
前記クエリ画像の周囲に前記類似画像を配置するとともに、前記クエリ画像と類似画像間を連結表示した検索結果を前記表示手段に提示するステップと、
新たなクエリ画像を受け付けた場合に、前記表示手段に過去に提示した検索結果の連結表示を保持しつつ、その検索結果に前記新たなクエリ画像による前記検索結果を追加して表示手段に提示するステップと、を有することを特徴とする画像検索方法。
【請求項10】
画像ごとに、画像の特徴量が登録されている画像データベースを備え、ユーザによって指定されたクエリ画像による検索要求に応答して、このクエリ画像に類似する画像を検索する画像検索装置のコンピュータに、
表示手段に表示されている前記画像データベース中の画像からユーザが指定した画像をクエリ画像として受け付けるステップと、
前記画像データベースに登録されている画像の中から、前記クエリ画像の特徴量と類似する特徴量を有する類似画像を抽出するステップと、
前記クエリ画像の周囲に前記類似画像を配置するとともに、前記クエリ画像と類似画像間を連結表示した検索結果を前記表示手段に提示するステップと、
新たなクエリ画像を受け付けた場合に、前記表示手段に過去に提示した検索結果の連結表示を保持しつつ、その検索結果に前記新たなクエリ画像による前記検索結果を追加して表示手段に提示するステップと、を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−250529(P2010−250529A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−98811(P2009−98811)
【出願日】平成21年4月15日(2009.4.15)
【出願人】(500257300)ヤフー株式会社 (1,128)
【Fターム(参考)】