説明

画像生成装置、遊技機、画像生成方法、および画像生成プログラム

【課題】処理負担が少なく、かつ、オブジェクトデータの変更のみでモーションブラー効果の見栄えを変更することが可能な画像生成技術を提供する。
【解決手段】ブラーオブジェクト(400)として、第1のボーン(401)および第2のボーン(402)とその間隙を繋ぐ面状体(411)とが定義されており、第1のボーンの位置を定める第1のボーン位置設定部(3031)、第2のボーンの位置を定める第2のボーン位置設定部(3032)、第1のボーンと第2のボーンとの間を繋ぐように面状体をモデリングする面状体モデリング部(3033)、面状体に所定の色をレンダリングしてブラーを生じさせるレンダリング部(3071)を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オブジェクトが尾を引くように流れる画像効果、いわゆるモーションブラー効果を表示させるための画像生成技術に係り、特に画像生成のための処理負荷を軽減するための改良技術に関する。
【背景技術】
【0002】
画像処理技術の一つとして「モーションブラー処理」という画像処理効果が知られていた。例えば、遊技機の分野においては、特開2003−233828号公報にその技術が開示されている(特許文献1)。この公報によれば、所定のフレームにおいて、所定の物体を描画するに際し、当該物体を描画すると共に、当該物体が描画される位置から前フレームで描画された表示位置の方向に所定量ずれた位置に、当該物体の表示画像情報を半透明処理して表示するように処理が実行されるものであった。
【0003】
このようなモーションブラー処理をゲーム機の分野で行うものとしては、特開2003−58912号公報に開示されるものがあった(特許文献2)。このようなモーションブラー処理は、前フレームに表示されていた位置にも物体の表示画像情報を生成し、現フレームにおける新たに位置にも物体の表示画像情報を生成して重ねていた。
【特許文献1】特開2003−233828号公報(段落0027、図2,図3)
【特許文献2】特開2003−58912号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のモーションブラー処理では、モーションブラー効果を送出する対象となる物体の過去の移動軌跡に沿って物体の表示画像を何重にも重ね書きしたフレーム画像をフレーム期間毎に生成する必要があった。このような方法では、多数の物体の表示画像を生成し重ね合わせなければならないため、処理負担が大きく、モーションブラー効果のために多くの画像メモリが必要であった。
【0005】
また遊技機やゲーム機の開発現場では、画像生成シーケンスを規定するプログラムの開発を担当するプログラマーとモーションブラー効果部分を含むオブジェクト(物体)のデザインを担当するデザイナーとが異なる段階で関与し、一つのソフトウェアを完成させる場合が多い。デザイナーがデザインしたオブジェクトはオブジェクトデータとして提供され、プログラマーが開発したプログラムはオブジェクトデータを利用するように設計される。表示画像の見栄えはデザインの適否によることが多いため、デザイナーは完成されたプログラムに様々なデザインのオブジェクトを適用して、製品としてのソフトウェアの完成度を高めたいと考える。よって、プログラムの変更なしにモーションブラー効果の見栄えをデザイナーのみの作業で変更できるように構成することが好ましい。
【0006】
そこで、本発明は、処理負担が少なく、かつ、オブジェクトデータの変更のみでモーションブラー効果の見栄えを変更することが可能な画像生成技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の画像生成装置は、仮想三次元空間にオブジェクトをモデリングして立体画像を生成する画像生成装置であって、ブラー対象オブジェクトとして、第1のボーンおよび第2のボーンと第1のボーンおよび第2のボーンの間隙を繋ぐ面状体とが定義されており、第1のボーンの位置を定める第1のボーン位置設定部と、第2のボーンの位置を定める第2のボーン位置設定部と、第1のボーンと第2のボーンとの間を繋ぐように面状体をモデリングする面状体モデリング部と、面状体に所定の色をレンダリングしてブラーを生じさせるレンダリング部と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明の画像生成方法は、仮想三次元空間にオブジェクトをモデリングして立体画像を生成する画像生成方法であって、ブラー対象オブジェクトとして、第1のボーンおよび第2のボーンと第1のボーンおよび第2のボーンの間隙を繋ぐ面状体とが定義されており、第1のボーンの位置を定めるステップと、第2のボーンの位置を定めるステップと、第1のボーンと第2のボーンとの間を繋ぐように面状体をモデリングするステップと、面状体に所定の色をレンダリングしてブラーを生じさせるステップと、を備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明の画像生成プログラムは、仮想三次元空間にオブジェクトをモデリングして立体画像を生成する画像生成プログラムであって、第1および第2のボーンと第1のボーンおよび第2のボーンの間隙を繋ぐ面状体とが定義されたブラー対象オブジェクトが参照可能になっており、コンピュータに、第1のボーンの位置を定める機能と、第2のボーンの位置を定める機能と、第1のボーンと第2のボーンとの間を繋ぐように面状体をモデリングする機能と、面状体に所定の色をレンダリングしてブラーを生じさせる機能と、を実行させる。
【0010】
本発明によれば、第1および第2のボーンの位置を設定し、それらボーンを繋ぐ面状体をモデリングし、その面状体に色を付することでブラーに係る画像が表現できる。よって、過去の画像更新タイミングにおけるブラー画像を個別に格納したり読み出して現・画像更新タイミングにおけるブラー画像と合成したりする特殊なブラー処理が必要なく、通常の三次元オブジェクトのモデリングと同様に、通常の立体画像生成方法にしたがった処理をすることでモーションブラー効果を得ることが可能となり、装置の処理負担が少ない。またブラー対象オブジェクトのオブジェクトデータの設定によりモーションブラー効果の見栄えを任意に設定・変更することができ便宜である。
【0011】
なお、「ボーン」については、いわゆる直線状(棒状)である必要はない。例えば点状だったり屈曲点を有する形状であったりしてもよい。点状に設定すれば、ブラー対象オブジェクトとして球形の光を表現できることになる。「面状体」は、一つのポリゴンで構成された単純な平面であってもよいし、複数のポリゴンで構成されていてもよい。
【0012】
ここで、ブラー対象オブジェクトとして、第1のボーンに対して1以上のポリゴンを含むオブジェクトが定義されており、ポリゴンは第1のボーンに接して、または、所定の距離をおいて相対位置が決められていることは好ましい。モーションブラー処理は中心となるオブジェクト、例えば球状や棒状の光が動くに従ってそれから尾を引くように光が流れるように見せる処理である。当発明によれば、第1のボーンに対してオブジェクトを定義して画像化することにより、モーションブラー効果の発生源となる光を表現することが可能となる。
【0013】
例えば、「所定の距離をおいて相対位置」を決めることができるので、所定の基準座標(ボディ座標)を基準にした立体的なオブジェクトを設定し、そのオブジェクトに面状体を係らせることで、立体オブジェクトから尾を引くようなモーションブラー効果の表現が可能となる。また立体オブジェクトを定義する場合には、面状体は一つに限られず、立体オブジェクトの異なる位置に面状体をモデリングしてもよい。
【0014】
ここで、レンダリング部は、面状体に対してグラデーションを有する色を付与することが好ましい。モーションブラー処理は中心となるオブジェクトから尾を引くように光が流れ、それが薄れていくように表現することが多い。当発明によれば、ブラー対象オブジェクト自体は第1および第2のボーンで区切られた面状体の範囲にしか色づけがされないが、面状体に付与する色にグラデーションを付与するので、例えば第1のボーンから第2のボーンに近くなる程薄くなるような色合いに設定することで、モーションブラー効果を表現可能となる。また、グラデーションの態様によって様々な見栄えのモーションブラー効果を表現することが可能である。
【0015】
ここで、第2のボーン位置設定部は、過去の画像更新タイミングにおける第1のボーンの位置に第2のボーンを配置することは好ましい。モーションブラー効果は、中心となる光のオブジェクトの軌跡に従って尾を引くように光を表現する処理である。当発明によれば、第2のボーンが過去の第1のボーンの位置、すなわち第1のボーンの軌跡上の一点に設定されるので、モーションブラー効果を表現可能である。また当発明によれば、第1のボーンの配置を記憶しておき、その位置を次回以降の画像更新タイミングにおける第2のボーンの配置として直接的に用いることができ、演算をさらに省略することができる。
【0016】
また本発明において、ブラー対象オブジェクトとして、さらに面状体に含まれる1以上の第3のボーンが定義されており、第3のボーンの位置を定める第3のボーン位置設定部をさらに備え、第3のボーン位置設定部は、第2のボーンを配置する過去の画像更新タイミングよりも現時点に近い画像更新タイミングにおける第1のボーンの位置に第3のボーンを配置することとしてもよい。当発明によれば、第1および第2のボーンの間の面状体のいずれかの位置に第3のボーンが設定され、この第3のボーンが第1のボーンの過去の画像更新タイミングにおける位置に、第2のボーンがさらに過去の画像更新タイミングにおける第1のボーンの位置に配置される。よって、第3のボーンおよび第2のボーンの順で第1のボーンの軌跡を追うようにモデリングされるため、第1のボーンが複雑な動きをしてもその軌跡を忠実に追って長いモーションブラー効果の尾を表現することができる。例えば、第1のボーンがジグザグ形に移動すれば、その軌跡を追うようにモーションブラー効果の尾を表現することができる。
【0017】
例えば、ブラー対象オブジェクトとして、面状体は相互に頂点を接する複数のポリゴンにより定義されており、いずれのボーンにも接しないポリゴンの頂点位置は、隣接する一対のボーンの位置を補間演算して定められるようにすることが可能である。当発明によれば、面状体を複数のポリゴンで構成し、その頂点位置を補間演算で決定するので、ボーンが屈曲している場合やボーンの軌跡の曲率が大きい場合には滑らかなブラーを表現できる。
【0018】
例えば、ブラー対象オブジェクトとして、面状体は複数のポリゴンにより定義されており、各ポリゴンの頂点はいずれかのボーンに接しているように構成してもよい。当発明によればポリゴンが複数定義され、そのいずれの頂点もボーンに接しているので、ボーン間に屈曲点の存在しないモーションブラー効果を表現することができる。
【0019】
本発明は、上記に記載の画像生成装置を備える遊技機でもある。
ここで、「遊技機」には、特に限定は無いが、例えばぱちんこ機(第一種ぱちんこ機、第二種ぱちんこ機を含む)、回胴式遊技機(以下、「スロットマシン」という。)等を含む。
また本発明の画像生成プログラムは、コンピュータに読み取り可能な所定の記憶媒体に格納することが可能である。すなわち本発明のプログラムは、CD関連ディスク、DVD関連ディスク、磁気ディスク、半導体メモリおよび通信ネットワークなどの各種の媒体を通じて、例えば、業務用又は家庭用のテレビゲーム機や、パーソナルコンピュータなど情報処理装置内のメモリにロードし、実行させることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、複数のボーンの位置を設定し、それらボーンを繋ぐ面状体をモデリングし、その面状体に色を付するという通常の立体オブジェクトと同様の処理でモーションブラー効果が表現できるので、処理負担が少ない。またモーションブラー効果の見栄えはブラー対象オブジェクトのデータに依存しプログラムに依存しないので、オブジェクトデータの変更のみでモーションブラー効果の見栄えを変更することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
なお、本実施形態では、本発明の画像生成装置(画像生成方法・画像生成プログラム)を遊技機に適用するものとし、その一例として、いわゆるスロットマシンを例に挙げて説明する。但し、画像表示機能を有する装置であれば、その他の遊技機(パチンコ機(第二種、第三種等))やゲーム機、シミュレーション装置であっても本発明を適用可能である。
【0022】
(定義)
本明細書における用語を以下のように定義する。
「遊技」とはメダルの投入からストップスイッチの操作を経た次のメダルの投入前までの一連の動作をいう。
「通常遊技」とは、デフォルト状態のために設定された期待値で実行される「遊技」をいう。
「特別遊技」とは、「通常遊技」とは異なる「遊技」であって、「通常遊技」よりも多くのメダルを獲得させるための遊技者に有利な「遊技」をいう。
【0023】
「抽選」とは、遊技機が所定の条件(スイッチの操作状態等)になった場合に、乱数等を用いて、予め定められた期待値でコンピュータがくじを引く処理をいう。
「当選」とは、「抽選」の結果をいい、特に、コンピュータによるくじ引きで当たり等になった場合をいい、「ハズレ」を含む概念である。本実施形態では機械的に定まる「入賞」と区別して用いる。
「入賞」とは、停止したリールにより示される有効ライン上の図柄の組合せが、特定の役を示す状態となっていることをいう。
【0024】
「役」とは、抽選の結果が何らかの当選である場合をいい、「小役」、「特別役」、「リプレイ」を含む。
【0025】
「小役」とは、「入賞役」ともいい、その小役の種類に応じた枚数のメダルを遊技者に払い出すための役である。
【0026】
「特別役」とは、「通常遊技」から「特別遊技」に移行させるための役であり、一種BB(第一種ビッグボーナス役)、RB(第一種特別役物)、SRB(シフトRB)、二種BB(第二種ビッグボーナス役)、CB(第二種特別役物・チャレンジボーナス役)、SB(普通役物・シングルボーナス役)等を含む。
「リプレイ」とは、再遊技役であり、前回の遊技で投入されたメダル枚数を維持したまま再遊技を行う権利を与えるための役である。
「有効ライン」とは、停止した図柄の並びを便宜上示すもので、有効ライン上に並んだ図柄の組合せによって特定の「役」であるか「ハズレ」であるかを示すものである。複数の「有効ライン」が設定されている場合には、それらをまとめて「有効ライン群」という。
【0027】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態に係るスロットマシンの外観を示す正面図である。
図1に示すように、本実施形態に係るスロットマシン1の筐体の前面部は、開閉自在にフロントパネル2が取り付けられている。フロントパネル2の上部に表示機能を有する液晶表示装置80が設けられた表示領域となっており、中央部に操作部が設けられている。
【0028】
筐体上部には、表示機能を有する液晶表示装置80が設けられている。液晶表示装置80は、液晶パネルを含んで構成されており、種々の演出のための画像や遊技に必要な情報を表示画面に表示可能に構成されている。但し、表示方式は液晶表示に限定されるものではなく、その他の方式、EL表示、プラズマ表示、CRT表示等種々に適用可能である。液晶表示装置80には、1つの透明な表示窓21が設けられている。表示窓21の領域には、画像を表示するための液晶や液晶を構成する部材(偏光板など)や液晶を制御する回路などが設けられておらず、光を透過するようになっており、物理的に画像表示できない領域となっている。
【0029】
筐体内部であって表示窓21を通して視認可能な位置には、3つのリール(回胴)が配置されている。正面から見て左側から、左リール22L、中リール22C、右リール22Rの順番で配置されている。
【0030】
リール22L、22Cおよび22Rは、リング状の中空構造に成形されている。リールの外周は、外周面に貼られるリールテープの幅に成形されており、外周面にはリールテープ上に印刷される図柄の形状に合わせて開口が複数設けられている。リールの内部は中空になっており、外周面から延びるフレームで回転軸が支持されている。
【0031】
リールの外周面には入賞図柄(入賞役を構成する図柄)を印刷したリールテープが各々貼られている。それぞれのリールテープには、例えば21個の図柄が等間隔で配列されて印刷されている。図柄の配列は、リールテープごとに異なるようになっている。リールテープの図柄が、リールの外周面に設けられた開口に対応するようになっている。表示窓21からは、この表示窓を通してリール22L、22C、および22Rが観察されるようになっており、各リール外周面の上下方向で連続する3つの図柄が見えるように表示窓21の大きさが設定されている。図1では、リール群22(リール22L、22Cおよび22Rのまとまりを意味する)上に示された円が、一つの図柄を示している。
【0032】
リール22L、22C、および22Rのそれぞれの回転軸には、ステッピングモータ(図示せず)が各々連結されている。このステッピングモータは、リール22L、22Cおよび22Rを任意の速度で回転させたり、任意の角度(位置)で停止させたりすることが可能になっている。各リールが回転する場合には、リール22L、22C、および22Rの図柄が表示窓21内で上下に移動しているように視認されるようになっている。
【0033】
リール22L、22C、および22Rの内側には、バックランプ(図示せず)が設けられている。バックランプはリールごとに3個ずつ配置されており、リールが停止した時に表示窓21から見える総計で9個の図柄に対して、リール外周面の開口を通して光を照射するようになっている。
【0034】
図1に示す表示窓21上の破線は、有効ライン26a、26b、および26cからなる有効ライン群26を示すものである。有効ライン群26は、水平方向の中段の有効ライン26aと、水平方向の上段および下段の2本の有効ライン26bと、右下がりおよび左下がりの斜め方向の2本の有効ライン26cとから構成されている。そして、リール22L、22C、および22Rに付された図柄は、リール22L、22C、および22Rが停止した時に、表示窓21から見える9個の図柄が全てこれらの有効ライン群26上に位置するような間隔で配置されている。
【0035】
スロットマシン1の筐体の中央部において、液晶表示装置80の右下側に当たる位置には、メダル投入口43(セレクタ)が設けられている。メダル投入口43からメダルが投入されると、投入されたメダル枚数に応じて有効ライン26a、26b、および26cの1ライン乃至5ラインが有効になるように構成されている。すなわち、投入した枚数のメダルが掛け金として徴収される。投入されたメダルが1枚の場合には1つの有効ライン26aが有効になり、2枚のときは水平方向の3つの有効ライン26aおよび26bが有効になり、3枚のときはさらに加えて斜め方向の2つの有効ライン26cを含む総計で5つの有効ライン26a〜26cが有効になる。これらの制御は、後述のメインCPU(中央演算装置)11(図2参照)により行われる。例えば、3枚のメダルが投入されている場合には、リール22L、22C、および22Rが停止した時に、少なくとも1つの有効ライン26a〜26cに特定の図柄の組み合わせが停止していれば、その組み合わせに応じた役に入賞したこととなる。
【0036】
また筐体の中央部には、遊技者によって操作される各種の操作スイッチが設けられている。例えば、本実施形態では、スタートスイッチ46、ストップスイッチ群47およびベットスイッチ群44・45が設けられている。
【0037】
スタートスイッチ46は、リール22L、22Cおよび22Rの回転をスタートさせるときに遊技者が操作するスイッチ、例えばボタンやレバーである。ストップスイッチ群47は、左リール22Lを停止させるときに操作する左リールストップスイッチ47Lと、中リール22Cを停止させるときに操作する中リールストップスイッチ47Cと、右リール22Rを停止させるときに操作する右リールストップスイッチ47Rとから構成されている。これらのストップスイッチ47L、47C、および47Rは、例えばボタンとして並設されている。
【0038】
ベットスイッチ群は、遊技者がクレジット内のメダルを投入する際にベット数(賭数)を指定するスイッチ群であり、1ベット・2ベットスイッチ44およびMAXベットスイッチ(3ベットスイッチ)45から構成されている。これらのベットスイッチ44および45も、例えばボタンとして配置されている。1ベット・2ベットスイッチ44が操作されると、1枚又は2枚のメダルがベットされ(ゲームの掛け額として徴収され)、MAXベットスイッチ45が操作されると、最大ベット数である3枚のメダルがベットされる。すなわち、ベットスイッチ群の操作で指定されるベット数が、クレジットとなっているメダル数から徴収され、クレジットがベット数だけ減算される。
【0039】
さらに、筐体の下部の中央部には、メダル払出口(ホッパ装置)31が設けられ、メダル払出口31の両側には、スピーカ90(左スピーカ90Lおよび右スピーカ90R)が設けられている。遊技(ゲーム)中には、種々の演出、例えばバックランプの点灯、液晶表示装置80を用いた画像表示およびスピーカ90からの音声の出力等が行われる。
【0040】
これらの構成を有するスロットマシンにおいて実施される通常遊技の概要を簡単に説明する。
スロットマシン1において、遊技者がメダル投入口43からメダルを投入するか、ベットスイッチ群44・45を操作すると、有効ライン26a〜26cがベット数に応じて有効化される。
【0041】
ベット数を指定した遊技者がスタートスイッチ46を操作すると、ベット数に応じた役の抽選が行われると共に、リール22L、22C、および22Rが回転し始める。そして、遊技者がストップスイッチ47L、47C、および47Rのいずれかを操作すると、操作されたボタンに応じてリール22L、22Cおよび22Rの回転が停止する。このとき、スタートスイッチ46の操作と同時に行われている役の抽選結果が当選であった場合には、有効化されている有効ライン群26上に並ぶ図柄の組み合わせが、予め定められた何らかの役の図柄の組み合わせに一致するようにリールが停止制御され、その入賞役に応じたメダルの払い出し等が行われる。
【0042】
(システム構成)
次に、スロットマシン1の内部構成等のシステム構成について説明する。
図2は、本発明の実施形態に係るスロットマシン1のシステム構成を示すブロック図である。スロットマシン1の筐体内部には、メイン制御基板10、並びにこのメイン制御基板10に接続されたサブ制御基板50、リール基板20、電源装置基板30、および中央表示基板40が配置されている。
【0043】
(メイン制御基板10)
メイン制御基板10は、当該スロットマシン1で実施される遊技全体を制御するための基板である。メイン制御基板10には、メインCPU11、乱数発生器12、ROM13、およびRAM14、およびインタフェース回路(I/F回路)15が設けられており、これらはバスを介して互いに接続されている。
【0044】
メインCPU10は、プログラムを構成する命令の読み出し(フェッチ)、解釈(デコード)および実行を行う。そして、メインCPU10は、ROM13に記憶されているプログラムおよびデータ等を読み出し、これらに基づいてスロットマシン1全体の制御を行う。
【0045】
乱数発生器12は、役抽選のための乱数を発生させるブロックである。具体的に、乱数発生器12はクロック発生回路とカウント回路と記憶回路とを備え、電源投入時にカウント回路がクロック信号に基づいて繰り返し所定のビット数(例えば16ビット)の数値を発生させており、所定のタイミング(例えば遊技者の特定スイッチの操作)において一つの数値を記憶回路にラッチし、乱数値として出力する。
【0046】
ROM13には、メインCPU10に、後述のフローチャートに示すような抽選実行プログラム、その他の遊技の制御に必要なメイン制御プログラム、およびデータ等が記憶されている。特にROM13は、役の抽選処理に用いる役抽選テーブルやリールの停止制御に用いる停止位置決定テーブルを備える。
【0047】
RAM14は、メインCPU10が各種の制御を行う場合に用いられ、特に、役抽選処理、リール停止制御に関するデータを一時的に記憶可能に構成されている。
【0048】
I/F回路15は、メイン制御基板10と、サブ制御基板60、リール基板20、電源装置基板30,および中央表示基板30の間でコマンドを送受信するブロックである。
【0049】
(サブ制御基板50)
サブ制御基板50は、画像や音響による演出を制御するための基板であり、メイン制御基板10からのコマンドに基づいて、演出の抽選や演出に係る画像データや音響データを生成する基板である。サブ制御基板50は、大きく、演出制御基板60と、画像音響生成基板70とに分けられる。演出制御基板60は、主として演出全体を制御するための基板であり、メイン制御基板10およびランプ66と電気的に接続されている。演出制御基板60には、サブCPU61、乱数発生器61、ROM63、RAM64、I/F回路65が設けられている。画像音響生成基板70は、液晶表示装置80、スピーカ90、およびバスを介して演出制御基板60と接続されている。画像音響生成基板70は演出制御基板60によって抽選された演出に対応する画像演出および音響演出のためのデータを生成する基板である。画像音響生成基板70には、画像制御回路70、画像ROM72、ビデオRAM73、音源回路74、音源ROM75、およびアンプ76が設けられている。
【0050】
サブCPU61は、演出制御基板60上の動作を司る演算素子であり、ROM63に記憶されている演出制御プログラムを構成する命令の読み出し(フェッチ)、解釈(デコード)し、ROM63に記憶されているデータを読み出し、数値計算、情報処理、各種機器制御を行うようになっている。なお、サブCPU61の処理能力や開発言語等には、何らの制約もない。
【0051】
乱数発生器62は、演出抽選のための乱数を発生させるブロックであり、上記乱数発生器12と同様の動作により一つの乱数値を出力するよう構成されている。
【0052】
ROM63には、サブCPU61に実行させるための、後述するフローチャートに示すような演出制御プログラムおよびデータが記憶されている。特にROM63には、演出の抽選処理に用いる演出抽選テーブルが記憶されている。また、RAM63は、サブCPU61が各種の制御を行う時に用いられ、データ等を一時的に記憶可能に構成されている。
【0053】
なお、ROM63およびRAM64は、夫々ROM13およびRAM14と同一のものを用いてもよいが、これらよりも容量の大きいものを用いてもよい。また、ROM13およびRAM14やROM63およびRAM64は、いわゆるワンチップマイコンとしてメインCPU11やサブCPU61と同一チップ上に含まれたものでもよい。
【0054】
I/F回路65は、メイン制御基板10からのコマンドの受信を行う基板であり、メイン制御基板10からのコマンド受信の際に、タイミングの制御等を行う。なお、メイン制御基板10からサブ制御基板50への信号の送信は行われるが、サブ制御基板50からメイン制御基板10への信号の送信は行われない。すなわち、一方向の送信のみが可能となっている。
【0055】
画像制御回路71は、演出制御基板60からの画像演出情報に基づいて、画像ROM72に記憶されている元画像データを読み出しながら画像演出のための画像データを生成する。画像ROM72は、画像制御回路71のための画像演出に用いるプログラムおよび画像演出のためのキャラクタ、文字および背景等の画像データを生成するための元画像データを記憶するメモリである。ビデオRAM73は、画像ROM72に格納されている画像演出に用いるプログラムおよびデータの一時的な記憶を実行するものであり、複数ページのフレーム画像を記憶可能な容量を備え、画像データROM72から読み出した元画像データ等に基づき生成された画像データがフレーム画像データとして展開されるようになっている。液晶表示装置80は、画像音響生成基板70と電気的に接続されており、画像音響生成基板70で生成された画像データを受信して画像の表示を実施するものである。
【0056】
音源回路74は、主として音響演出のための音響データを生成する。具体的に、音源回路74は、所定のチャネル数、例えば8つの音響チャネルの発音回路を備えており、音響チャネル数分のフレーズの同時再生が可能になっている。音源回路74は、演出制御基板60からの音響演出情報に基づいて音源ROM75から所定の音源データを読み出し音響信号を、右チャネル、左チャネル別に発生させる。そしてD/A変換してアナログ音響信号として出力する。アンプ76は、この左右のチャネルそれぞれのアナログ音響信号を電力増幅して出力することにより、右スピーカ90R・左スピーカ90Rからステレオ音響を送出させる。
【0057】
(リール基板20)
リール基板20は、メイン制御基板10から制御信号を入力し、左リールモータ21L、中リールモータ21C、および右リールモータ21Rに接続されている。またリール基板20は、左リールセンサ23L、中リールセンサ23C、右リールセンサ23R、外部集中端子板24、およびドアスイッチ25に接続されている。
【0058】
左リールモータ21Lは左リール22Lを回転させ、中リールモータ21Cは中リール22Cを回転させ、右リールモータ21Rは右リール22Rを回転させるためのステッピングモータであり、メイン制御基板10からの制御信号に基づいて各リールの加速・減速・強制停止が可能になっている。
【0059】
左リールセンサ23Lは左リール22Lに設けられた検出片を検出し、中リールセンサ23Cは中リール22Cに設けられた検出片を検出し、右リールセンサ23Rは右リール22Rに設けられた検出片を検出して、それぞれのリールの回転角度を表すリールセンサ信号をリール基板20経由でメイン制御基板10に出力する。
【0060】
外部集中端子板24は、メダル払出信号、メダル投入信号等の遊技情報に関する信号、ドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号等のセキュリティに関する信号をメイン制御基板10から受信し、遊技場で複数の遊技機を管理するホストコンピュータに出力するための基板である。
【0061】
ドアスイッチ25は、遊技機1のフロントパネル2の開閉に応じてドア開閉スイッチ信号をリール基板20経由でメイン制御基板10に出力する。
【0062】
(電源装置基板30)
電源装置基板30は、遊技機1に電源を供給するための基板である。電源装置基板30には、メイン制御基板10、ホッパ装置31、リセットスイッチ32、電源スイッチ33、および設定変更有効化スイッチ34が接続されている。
【0063】
電源装置基板30は、メイン制御基板10からホッパモータ信号を受信して、ホッパ装置31に供給する。ホッパ装置31に設けられているホッパモータは、このホッパモータ信号に対応する数のメダルを払い出すようになっている。またホッパ装置31に設けられている払出センサはメダルの実際の払出を検出して払出センサ信号として電源装置基板30経由でメイン制御基板10に出力するようになっている。
【0064】
リセットスイッチ32は、操作されることによりリセットボタン信号を電源装置基板30経由でメイン制御基板10に出力するようになっている。このリセットボタン信号は、エラー信号の出力を停止させ、遊技機のエラー状態から復旧させるためのものである。電源スイッチ33は、遊技機全体の動作のための直流電圧を供給・遮断を切り替えるためのスイッチである。設定変更有効化スイッチ34は、操作されることにより設定変更有効化信号を電源装置基板30経由でメイン制御基板10に出力するようになっている。設定変更有効化スイッチ34は設定スイッチ41における設定の変更を可能な状態にする際に操作するスイッチであり、設定変更有効化スイッチ34がオンの状態になっているときに限り、設定スイッチ41を用いた設定の変更が可能になる。
【0065】
(中央表示基板40)
中央表示基板40は、例えばフロントパネル20の裏側の中央部に取り付けられる。中央表示基板40には、設定スイッチ41、精算スイッチ42、セレクタ43、1ベット・2ベットスイッチ44、MAXベットスイッチ(3ベットスイッチ)45、スタートスイッチ(レバー)46、左リールストップスイッチ(ボタン)47L、中リールストップスイッチ(ボタン)47C、および右リールストップスイッチ(ボタン)47Rが接続されている。
【0066】
設定スイッチ41は、出玉率に対応した複数の段階を設定するためのスイッチであり、メイン制御基板10は設定変更有効化スイッチ34がオン状態となっている場合に当該設定スイッチ41の設定に基づいた確立で抽選を実行するようになっている。
【0067】
精算スイッチ42は、遊技者による投入や入賞により獲得されたメダルを払い出させるためのスイッチであり、操作されることにより精算スイッチ信号を中央表示基板40経由でメイン制御基板10に出力するようになっている。
【0068】
セレクタ43は、メダル投入口に設けられており、メイン制御基板10から中央表示基板40経由でブロッカ信号を受信するとメダルの投入を阻止するように機能し、メダル投入口からの正規のメダルの投入を検出すると投入センサ信号を中央表示基板40経由でメイン制御基板10に出力するようになっている。また、投入されたメダルが不正なメダルである場合には、そのような不正なメダルを排除するように構成されている。
【0069】
1ベット・2ベットスイッチ44は操作に応じてベットスイッチ信号を、MAXベットスイッチ45は操作に応じてMAXベットセンサ信号を、スタートスイッチ46は操作に応じてスタートスイッチセンサ信号を、それぞれ中央表示基板40経由でメイン制御基板10に出力する。各ストップスイッチ47L,47C、および47Rは、操作に応じてストップスイッチセンサ信号を中央表示基板40経由でメイン制御基板10に出力する。
【0070】
(メイン制御基板における機能ブロック)
図3は、メイン制御基板10の機能的な構成を示す機能ブロック図である。
図3に示すように、遊技機1は、メイン制御手段100、操作手段170、設定値設定手段180、図柄表示手段190、およびサブ制御手段200を備えている。
【0071】
(操作手段170)
操作手段170は、遊技者によって操作されるスイッチ群およびそれらスイッチ群の操作状態の検知機能に対応した機能ブロックであり、ベット手段171、MAXベット手段172、スタート手段173、左リールストップ手段175L・中リールストップ手段175C・右リールストップ手段175Rを含む停止操作手段174を備えている。
【0072】
ベット手段171は、遊技者がメダル等の遊技媒体を投入する手段の一つであり、1ベット・2ベットスイッチ44およびその操作状態の検出・認識機能に対応している。MAXベット手段172は、遊技者がメダル等の遊技媒体を投入する手段の一つであり、MAXベットスイッチ45およびその操作状態の検出・認識機能に対応している。スタート手段173は、遊技を開始させる手段であり、スタートスイッチ46およびその操作状態の検出・認識機能に対応している。停止操作手段174は、遊技者が各リールを停止させるための操作・操作状態の検出・認識機能を有するものであり、左リールストップ手段175Lは左リールストップスイッチ47Lに、中リールストップ手段175Cは中リールストップスイッチ47Cに、右リールストップ手段175Rは右リールストップスイッチ175Rに、それぞれ対応している。
【0073】
(設定値設定手段180)
設定値設定手段180は、複数の段階の出玉率から一つを設定するための手段であり、設定値変更有効化手段181および設定手段182を備える。
【0074】
設定値変更有効化手段181は、設定値の変更を有効化させるための手段であり、設定値変更有効化スイッチ34およびそのスイッチ状態の検出・認識機能に対応している。設定手段182は、設定値を定める手段であり、設定スイッチ41の操作状態に応じた設定値を検出し、記憶させる手段である。
【0075】
(図柄表示手段190)
図柄表示手段190は、役を構成する図柄を表示させるための手段であり、左リール駆動手段191Lおよび左リール位置検出手段192Lを有する左リール22L、中リール駆動手段191Cおよび中リール位置検出手段192Cを有する中リール22C、並びに右リール駆動手段191Rおよび右リール位置検出手段192Rを有する左リール22Rを備えて構成される。
【0076】
各リール駆動手段191L、191C、および191Rは、リール22L、22C、および22Rの加速・減速・強制停止を行う手段であり、左リールモータ21L、中リールモータ21C、および右リールモータ21R並びにそれらの駆動機能が相当している。
【0077】
各リール位置検出手段192L、192C、および192Rは、リール22L、22C、および22Rの回転位置を検出する手段であり、基準位置からの各リールの検出片の検出位置に基づいてリールの回転角度(位置)を検出する。
【0078】
(メイン制御手段100)
メイン制御手段100は、例えばメインCPU11がROM13内に記録されるプログラムを実行することにより実現される機能ブロックであり、具体的に、メイン制御手段100は、役抽選手段110、リール制御手段120、停止図柄判断手段130、払出制御手段140、特別役持ち越し手段150、および遊技状態制御手段160を備えている。
【0079】
(役抽選手段110)
役抽選手段110は、役(特別役、小役、リプレイ(継続)等)の抽選を行う機能ブロックであり、乱数発生手段111、乱数抽出手段112、乱数判定手段113、および役抽選テーブル記憶手段114を備える。なお、役抽選手段110は乱数発生器12等が相当している。
【0080】
乱数発生手段111は、役抽選のための乱数を発生させる手段であり、例えば、所定のビット数(例えば16ビット)の乱数を定期的に発生させる手段である。乱数抽出手段112は、役抽選を行うための乱数を抽出する手段であり、乱数発生手段111が発生させている乱数を所定のタイミング、例えばスタートスイッチ46の操作がされたタイミングで抽出する。乱数判定手段113は、役抽選を行うための乱数に基づいて入賞役を判定する手段であり、乱数抽出手段112により抽出された乱数に基づいて役抽選テーブル記憶手段114に記憶された役抽選テーブルを参照し、当選役を判定する。
【0081】
役抽選テーブル記憶手段114には、役抽選を行うためのデータが記憶されており、設定値設定手段180により設定された設定値に応じて、抽選される役の種類と各役の当選確率とを定めた役抽選テーブルが記憶されている。
【0082】
(リール制御手段120)
リール制御手段120は、リール群22の加速・減速・強制停止を制御する手段であり、リール回転制御手段121、リール停止制御手段122、および停止位置決定テーブル123を備えている。
【0083】
リール回転制御手段121は、リールを駆動させる手段であり、スタート手段173によりリールの始動が指示されると、図柄表示手段190の左リール駆動手段191L、中リール駆動手段191C、および右リール駆動手段191Rに回転制御信号を出力してリール群22を始動させる。
【0084】
リール停止制御手段122は、リールを停止させる手段であり、停止操作手段174によりいずれかのリールの停止が指示されると、停止位置決定テーブル123を参照して停止位置を特定し、その停止位置に停止させるための停止制御信号を図柄表示手段190の左リール駆動手段191L、中リール駆動手段191C、および右リール駆動手段191Rに出力して、一定時間以内に各リールを停止させる。
【0085】
停止位置決定テーブル123は、リールの停止位置を決定するために用いるテーブルであり、役抽選手段110により出力された役の抽選結果と停止操作手段174が操作された瞬間の各リールの位置とから、リールの図柄の停止位置を定めたテーブルである。リール停止制御手段122は、この停止位置決定テーブル123を参照して停止操作手段174の操作から数コマ以内にリールの停止位置を決定する。
【0086】
(停止図柄判断手段130)
停止図柄判断手段130は、各リールが停止した時の図柄を判断する手段である。停止図柄判断手段130は、図柄表示手段190の左リール位置検出手段192L、中リール位置検出手段192C、または右リール位置検出手段192Rにより検出されたリールの停止位置を判定して、有効ライン26a〜cのいずれかに停止するリールの図柄の組合せが、予め定めたいずれかの役に対応する図柄の組合せと一致するか否かを判定する。
【0087】
(払出制御手段140)
払出制御手段140は、入賞に係るメダルの払出を制御する手段であり、停止図柄判断手段130により有効ラインに停止する図柄がいずれかの役に対応する図柄の組合せとなっていると判断された場合に、その入賞役に応じて定まる枚数のメダルを払い出すか、または、クレジットして積算する処理を行う。入賞役が「リプレイ」である場合には、払出制御手段140は、メダルの払出等の処理をすることなく、当該遊技で投入されていたメダルの枚数を再び投入する扱いとする。
【0088】
(特別役持ち越し手段150)
特別役持ち越し手段150は、特別役に入賞した場合に当選役を持ち越す手段であり、当選した特別役に対応する図柄の組合せがいずれかの有効ライン26a〜cに停止するまで、その特別役の当選を持ち越すように制御する手段である。
【0089】
(遊技状態制御手段160)
遊技状態制御手段160は、複数の遊技状態を制御する手段であり、通常遊技制御手段161、特別遊技制御手段162、および再遊技高確率遊技制御手段163を備える。
通常遊技制御手段161は、遊技ごとの連続性を保持させないで遊技させず、通常の利益を遊技者に与えるための「通常遊技」を制御する手段である。特別遊技制御手段162は、通常遊技以上の利益を獲得することが期待できる各種の「特別遊技」を制御する手段である。再遊技高確率遊技制御手段163は、「リプレイ」等の再遊技役に当選しやすいように特別の遊技状態確立テーブルを用いた遊技を制御する手段である。
【0090】
(サブ制御手段200)
サブ制御手段200は、メイン制御手段100の出力した抽選結果に対応した演出を行う手段であり、演出制御手段210および画像音響生成手段220を備える。
【0091】
(演出制御手段210)
演出制御手段は、メイン制御手段100の出力した抽選結果に対応した演出を決定し、その演出を実行させるための画像演出情報および音響演出情報を画像音響生成手段220に出力する機能ブロックである。これら演出情報は、所定のコマンド形式で送付してもよい。画像演出情報には、次の画像更新タイミングにどのオブジェクトを仮想三次元空間でどのような位置にどのような姿勢で配置するかを規定する情報を含んでいる。
【0092】
例えば、演出制御手段210は、スタート手段173の操作検出に応じて導入演出に係る画像演出情報および音響演出情報を出力する。また、停止操作手段174により最初の停止操作(以下「第1停止」という。)が入力されると第1停止に対応した期待度演出の、第1停止の次の停止操作(以下「第2停止」という。)が入力されると第2停止に対応した期待度演出のそれぞれに対応した画像演出情報および音響演出情報を出力する。さらに、演出制御手段210は、最後に停止操作(以下「第3停止」という。)が入力されると抽選結果に対応させて「特別役」および「小役」等の当選演出、「リプレイ」に対応したリプレイ演出、「ハズレ」に対応したハズレ演出等のそれぞれに係る画像演出情報および音響演出情報を出力する。
【0093】
(画像音響生成手段220)
画像音響生成手段220は、本発明に係り、遊技機の画像演出および音響演出を行う手段である。
図4に、画像音響生成手段220の詳細な機能ブロックを示す。
図4に示すように、画像音響生成手段220は、オブジェクトデータ記憶部301、ブラーオブジェクトデータ記憶部302、モデリング部303、透視投影変換部304、テクスチャデータ記憶部305、ブラーテクスチャデータ記憶部306、レンダリング部307、および音響生成部308を備えている。モデリング部303は、第1ボーン位置設定部3031、第2ボーン位置設定部3032、および面状体モデリング部3033を含んでいる。レンダリング部307は、面状体レンダリング部3071を含んでいる。
【0094】
このうち、オブジェクトデータ記憶部301、ブラーオブジェクト記憶部302、テクスチャデータ記憶部305、およびブラーテクスチャデータ記憶部306は、画像データROM72に相当している。それ以外の機能ブロックは、サブCPU61の制御に基づき動作する画像制御回路71により実現される。
【0095】
(オブジェクトデータ記憶部301)
オブジェクトデータ記憶部301は、仮想三次元空間に配置するオブジェクトの形状を定義するための形状情報をオブジェクトごとに格納している。形状情報は、例えば、オブジェクトをポリゴンで表現する形態の場合には、オブジェクトを構成する各ポリゴンの頂点座標の集合となる。各ポリゴンの頂点座標は、個々のオブジェクトに対して定められた基準座標であるボディ座標系で定義される。
【0096】
(ブラーオブジェクトデータ記憶部302)
ブラーオブジェクトデータ記憶部302は、本発明に係るブラーオブジェクトの定義情報を格納している。本実施形態では、ブラーオブジェクトの先端を規定する第1のボーンの定義情報、ブラーオブジェクトの末端を規定する第2のボーンの定義情報、および第1のボーンと第2のボーンとの間に展開される面状体の定義情報を格納している。
【0097】
図8に本実施形態におけるブラーオブジェクト400の概念図を示す。
図8に示すように、本実施形態のブラーオブジェクト400は、第1のボーン401、第2のボーン402、および面状体411により構成される。ブラーオブジェクト400にはボディ座標系における基準点(原点)が設定されている。第1のボーン401の定義情報はボーン形状が直線状なのであれば、始点405の座標、ボーンの長さL1、およびボーンの方向で規定し、第2のボーン401の定義情報も始点406の座標、ボーンの長さL2、およびボーンの方向で規定する。第1のボーンの長さL1と第2のボーンの長さL2とは等しくても異なっていてもよい。面状体411は、複数のポリゴン412を相互に連結して構成されており、ブラーオブジェクトの上記基準点からの各ポリゴンを構成する頂点の相対座標で規定する。
【0098】
本実施形態では、第1のボーン401についてのみボーンオブジェクト410が定義されている。ボーンオブジェクト410はボーン401を幾何中心に含む一つのポリゴンで構成されている。面状体411は、このボーンオブジェクト410の端辺から連結するように位置決めがされている。
【0099】
(モデリング部303)
モデリング部303は、オブジェクトデータ記憶部301に格納されたオブジェクトデータに基づいて仮想三次元空間にオブジェクトをモデリングする機能ブロックである。モデリング部303は、画像演出情報に基づいて各オブジェクトを仮想三次元空間に配置する。例えば、オブジェクトデータ記憶部301においてボディ座標系で定義されている各オブジェクトを演出内容で定まる空間位置に配置させるための画像変換演算を実行し、各オブジェクトを構成するポリゴンの頂点座標を仮想三次元空間における配置を規定するグローバル座標系で再定義する。
【0100】
特に本実施形態のモデリング部303は、第1ボーン位置設定部3031、第2ボーン位置設定部3032、および面状体モデリング部3033を備えており、ブラーオブジェクト400のモデリングを実行可能に構成されている。
【0101】
第1ボーン位置設定部3031はブラーオブジェクトデータ記憶部302に格納されているブラーオブジェクト400のオブジェクトデータを読み出して、第1のボーン401の定義情報を取得する。そして演出内容で定まる仮想三次元空間(グローバル座標系)の所定位置に第1のボーン401を配置するための座標変換演算を実施する。演算された第1のボーンの配置情報はボーン配置記憶部309に画像更新タイミングの情報(例えばフレーム数)とともに格納される。
【0102】
ここで、本実施形態の第1のボーン401に対しては、図8に示すようにボーンオブジェクト410が設定されている。ボーンオブジェクト410は一つのポリゴンであり、第1のボーン401を幾何中心に含むように定義されている。第1ボーン位置設定部3031はこのボーンオブジェクト410に対しても座標変換演算を実施し仮想三次元空間内において第1のボーン401を含むように配置する。
【0103】
次いで第2ボーン位置設定部3032は過去の画像更新タイミング(本実施形態ではNフレーム前(Nは自然数))における第1のボーン401の配置情報をボーン配置記憶部309から読み出して、Nフレーム前の第1のボーン401の空間位置を今回の画像更新タイミング(現フレーム期間)における第2のボーン402の空間位置とする。この演算によって、第2のボーン402は第1のボーン401にNフレーム分遅れて第1のボーンの軌跡上を追従することになる。
【0104】
ここで、何(N)フレーム前の第1のボーンの空間位置に第2のボーンを配置するかは、モーションブラー効果による尾の長さに依存する。Nの値をより小さくすればより短いブラーの尾が形成され、Nの値をより大きくすればより長いブラーの尾が形成される。ただし、モーションブラー効果の見栄えは面状体411に適用するテクスチャにも依存するので、Nの値を相対的に大きくしても面状体411に適用するテクスチャにおけるブラー表現のためのグラデーションを調整することで短く見えるモーションブラー効果の尾を表現することも可能である。
【0105】
面状体モデリング部3033は、ブラーオブジェクト400のオブジェクトデータを参照して、上記のようにして配置された第1のボーン401と第2のボーン402との間を繋ぐように面状体410を配置する。本実施形態では、第1のボーン401を含むように位置が定義されたボーンオブジェクト410の端辺に面状体411の一辺が接するように位置決めがされ、第2のボーン402に沿って面状体411の他辺が接するように位置決めがされる。ただし、第1のボーン401に面状体411の一辺が接するように位置決めをしてもよい。面状体411は複数のポリゴン412を連結して構成されているので、面状体モデリング部3033は、ボーンオブジェクト410の一辺側の位置情報と第2のボーン402の位置情報とに基づいてその間の各ポリゴン412の頂点座標を演算していく。演算方法に限定は無く、例えば、線形的な補間演算によりポリゴンの頂点座標を演算していくことができる。
【0106】
また所定の曲線関数(スプライン関数等)に基づいてポリゴンの頂点座標を演算していってもよい。スプライン関数等を利用する補間演算を適用することにより、第1のボーンと第2のボーンとの間を滑らかに繋ぐ面状体411が表現できる。この補間演算を採用する場合、第1のボーン401の軌跡上とは異なる位置に面状体411の各ポリゴンの頂点位置が演算される可能性があるが、画像更新タイミング毎に演算されるポリゴンの頂点位置が画像更新タイミング毎に変化するのは見苦しい。そこで、過去の画像更新タイミングにおいて演算されたポリゴンの頂点位置を記憶しておき、過去のポリゴンの頂点位置の影響度を大きくするような重み付け演算を含む補間演算をすることが好ましい。
【0107】
(透視投影変換部304)
透視投影変換部304は、モデリングされたオブジェクトのうち透視投影すべき範囲(いわゆる視体積)内に入っている部分に対して、演出に応じて定められた視点を基準とする透視投影変換演算を実行する。具体的には、視体積に含まれるグローバル座標系で定義されたオブジェクトに透視投影変換演算を実行して視点座標系にて再定義する。さらに視点座標系で定義されたオブジェクトを正規化座標系にする正規化演算を実行してもよい。この座標変換により、視体積内のオブジェクトを二次元画像平面(ビュースクリーン)に投影した場合の座標が得られる。
【0108】
(レンダリング部307)
レンダリング部307は、透視投影変換された画像に対してピクセル毎の色データを生成する機能ブロックである。具体的には、オブジェクトを構成するポリゴン毎にテクスチャデータ記憶部305からテクスチャデータを読み出して所定のマッピング法によりそのテクスチャをポリゴン面にマッピングする。必要に応じてテクスチャの拡大・縮小・回転等の変形演算を実施する。テクスチャデータは、所定面積の二次元で定義された画像データであり、TIFF形式、PIN形式、ビットマップ形式、JPEG形式等種々の形式で記憶される。ここで、ピクセルデータは、各ピクセルの色を定める情報であり、複数の色要素(RGBやYUV等)によって色相、色調、彩度が決定される。
【0109】
特に本実施形態では、レンダリング部307は面状体レンダリング部3071を含む。面状体レンダリング部3071はブラーテクスチャデータ記憶部306からボーンオブジェクト410にマッピングするためのテクスチャデータを読み出して、透視投影変換されたボーンオブジェクト410のポリゴン面に展開するマッピング演算を行う。また面状体レンダリング部3071はブラーテクスチャデータ記憶部306から面状体411にマッピングするためのテクスチャデータをポリゴン412単位で読み出して、透視投影変換された面状体411を構成する各ポリゴン412の面に順次テクスチャを展開するマッピング演算を行う。このマッピング処理により、ボーンオブジェクト410および面状体412に色が付与されることになる。必要に応じてボーンオブジェクトや面状体の形状に適合させるためのテクスチャの拡大・縮小・回転等の変形演算を実施する点は上記と同様である。
【0110】
図9に本実施形態においてブラーオブジェクト400にマッピングされるテクスチャの例を示す。
図9に示すように、ボーンオブジェクト410に対しても面状体411に対してもグラデーションを有するテクスチャがマッピングされるようになっている。ボーンオブジェクト410のテクスチャは第1のボーン部分の色の濃度(輝度・明度・彩度)が高く周辺部の濃度が低くなるよう設定されている。面状体411のテクスチャは第1のボーン401側の色の濃度が高く第2のボーン402側の色の濃度が低くなるよう設定されている。ボーンオブジェクト410に対して適用するテクスチャにグラデーションを掛ける理由は、モーションブラー効果が光の流れや膨らみを表現するものであるため、境界が明りょうなテクスチャよりも濃度が端部になる程低くなっていくようなグラデーションを掛けたテクスチャの方が自然な見栄えとなるからである。両方向に対象にグラデーションを付する理由は、第1のボーン401がどちらの方向に動かされるかは演出内容に依存し、一方に固定することができないからである。双方向に同様のグラデーションを付与しておけば、第1のボーンが動かされる方向によって境界の見栄えが変わるといった不自然さを回避できる。また面状体411に対してグラデーションを掛ける理由は、第1のボーン部分の強い光が尾を引きながら徐々に消えてくような表現がボーン効果で表現したい画像だからそのような光の濃淡を表現させるためである。
【0111】
なお、ボーンオブジェクト410や面状体411に対して特定のテクスチャを割り当てる必要は必ずしもなく、明度や彩度の高い色をボーンオブジェクト410や面状体411の各ポリゴン412の頂点に割り当てておき、頂点に割り当てられた色に基づいて各ピクセルの色を補間演算により生成するように構成してもよい。この場合、面状体のためのテクスチャを予め用意しておく必要はない。
【0112】
(音響生成部308)
音響生成部308は、演出制御手段210からの音響演出コマンドに基づいて音響演出に対応した音響信号を発生させスピーカ90に出力する機能ブロックである。音響演出コマンドに対応する音源データに基づいて音響信号を合成し増幅してからスピーカ90に出力するように構成されている。
【0113】
(動作の説明)
以下、フローチャートを参照しながら、本実施形態における動作を説明する。
(メイン制御手段100における動作)
図5は、メイン制御手段100を中心とするメイン制御処理を示すフローチャートである。
遊技者によってメダルが投入されると、メダル投入数に応じてクレジット数が加算されるようになっている。ステップS101において、ベット手段171またはMAXベット手段172が操作されたか否かが判定される。ベット手段171またはMAXベット手段172が操作されると(YES)、ステップS102に移行し、ベット手段171またはMAXベット手段172は対応するベット数のクレジット減算処理を実行する。ベット手段171が操作されると、1枚又は2枚のメダルがクレジットとなっているメダル数から減算され、1枚または2枚のメダルが当該ゲームにベット(ゲームの掛け額として徴収)されたことになる。MAXベット手段172が操作されると、最大ベット数である3枚のメダルがクレジットとなっているメダル数から減算され、3枚のメダルが当該ゲームにベット(ゲームの掛け額として徴収)されたことになる。次いでステップS103に移行し、操作手段170は、サブ制御手段200の演出制御手段210にベット操作がされた旨のベット情報にクレジット数を含めて送信する。なお、ステップS101において、ベット手段171またはMAXベット手段172が操作されなかった場合は(NO)、ステップS104に移行する。
【0114】
ステップS104において、ベット数を指定した遊技者がスタート手段173を操作したか否かが判定される。スタート手段173が操作されていると(YES)、メイン制御手段100の役抽選手段110は、ステップS105において役の抽選処理を行う。すなわち、乱数発生手段111が発生させている乱数を乱数抽出手段112が一つだけ抽出し、乱数判定手段113が役抽選テーブル記憶手段114を参照しながら入賞役を決定する。
【0115】
また、リール制御手段120は、リール22の回転を開始させるように制御する。すなわち、リール回転制御手段121は、総てのリール22L、22C、および22Rについて、図柄表示手段190のリール駆動手段191を制御して、リールの回転を開始させる。
【0116】
次いでステップS106において、役抽選手段110は、抽選結果を抽選結果情報として演出制御手段210に送信する。なお、ステップS103において、遊技者によりスタート手段173が操作されなかった場合は(NO)、ステップS107に移行する。
【0117】
ステップS107において、停止操作手段174は、いずれかのストップ手段175L、175C、または175Rが操作されたか否かを判定する。判定の結果、何れか1つのストップ手段175が操作されると(YES)、リール制御手段120は、ステップS108に移行し、当選役が入賞可能となるようなリール制御を行って、操作されたストップ手段175に対応するリール22の回転を停止させるようとする。すなわち、リール停止制御手段122は、対応するリール位置検出手段192からの検出信号に基づいて、対応するリール駆動手段191を制御して、入賞役に応じて決定した図柄の組合せとなるように、対応するリール22の回転を停止させる。最終的に停止した時のリールの位置が検出され記録される。遊技者の操作タイミングに応じて停止させることのできるリールの図柄は変動しうる。
【0118】
次いでステップS109に移行し、リール停止制御手段122は、ストップ手段175のいずれかが操作される度に、対応するストップ手段が押下された旨の操作情報をサブ制御手段200に送信する。スタート手段173の操作後、最初に操作されたストップ手段に対しては第1停止が操作された旨、2番目に操作されたストップ手段に対しては第2停止が操作された旨、最後に操作されたストップ手段に対しては第3停止が操作された旨がそれぞれ通知される。
なお、ステップS107において、遊技者によりストップ手段が操作されなかった場合は(NO)、ステップS110に移行する。
【0119】
ステップS110において、停止図柄判断手段130は総てのリールが停止したか(第3停止であるか)否かを判定する。全リールが未だ停止していない場合には(NO)、一旦当該処理を抜ける。
【0120】
リールの引き込み動作が行われ総てのリールの回動が停止したと判断できたら(YES)、停止図柄判断手段130は、ステップS111に移行し、有効化された有効ライン26a〜c上に並んでいる図柄の組合せに基づいて入賞の有無を判断する。すなわち、スタート手段173の操作と同時に行われた乱数判定手段113の役の抽選結果が入賞であり、最終的にリールの引き込み動作により有効ライン群22上に並んで静止した図柄の組み合わせが入賞しているか否かが判断される。この結果、何らかの入賞ある場合には(YES)、入賞した役に対応する入賞処理が実行される(ステップS112)。
【0121】
例えば、「通常遊技」である場合、通常遊技制御手段161は、払出制御手段140に対し入賞役に応じたメダルを払い出すよう制御する。また「特別役」に入賞した場合には、特別役持ち越し手段150は、当選した特別役に対応する図柄の組合せがいずれかの有効ライン26a〜cに停止するまで、その特別役の当選を持ち越すように制御する。特別遊技制御手段162は、「特別役」に入賞したことを検出した場合には、通常遊技以上の利益を獲得することが期待できる各種の「特別遊技」を実行させる。また「再遊技役」に入賞したことを検出した場合には、通常遊技制御手段161は現在のゲームと同じクレジット数で再遊技をさせるよう制御する。
【0122】
ステップS113において、遊技状態制御手段160は、入賞役を含んだ当選情報をサブ制御手段200に送信する。特別役や小役に入賞している場合には該当する入賞役に「当選」したものとして、「リプレイ」に入賞している場合には再遊技役に「当選」したものとして、入賞しなかった場合には「ハズレ」に当選したものとして、当選情報が生成される。
【0123】
(演出制御手段210における動作)
図6は、演出制御手段210による演出制御処理を示すフローチャートである。以下、単に「演出コマンド」というときは、画像演出コマンドとその画像演出に対応した音響演出コマンドの双方を含むものとする。
【0124】
ステップS201において、抽選結果情報、操作情報、および当選情報等のいずれかの情報がメイン制御手段100から送信されてきているか否かが判定される。情報が送信されてくるまでは(NO)、演出制御手段200はループ処理を継続する。情報が送信されていたら(YES)、ステップS202に移行する。
【0125】
ステップS202において、操作情報としてベット情報が送信されてきたか否かが判定される。ベット情報が送信されていた場合(YES)、演出制御手段210は、ベット操作がされた場合の標準的演出であるタイトルコール演出をさせるための画像演出コマンドおよび音響演出コマンドを画像音響生成手段220に送信する。ベット情報が送信されていない場合(NO)、演出制御手段210はステップS204に移行する。
【0126】
ステップS204において、抽選結果情報が送信されているか否かが判定される。抽選結果情報が送信されていたら(YES)、スタート手段173が操作されたことを意味しているので、演出制御手段210は抽選結果情報に基づく抽選結果を記憶するとともに、ステップS205に移行し、スタート手段173が操作された場合の標準的演出である導入演出をさせるための画像演出コマンドおよび音響演出コマンドを画像音響生成手段220に送信する。送信結果情報が送信されていない場合(NO)、ステップS206に移行する。
【0127】
ステップS206において、操作情報として第1停止情報が送信されてきたか否かが判定される。第1停止情報が送信されていた場合(YES)、演出制御手段210は第1停止が操作された場合の標準的演出である第1期待度演出をさせるための画像演出コマンドおよび音響演出コマンドを演出実行部に送信する。第1停止情報が送信されていない場合(NO)、ステップS208に移行する。
【0128】
ステップS208において、操作情報として第2停止情報が送信されてきたか否かが判定される。第2停止情報が送信されていた場合(YES)、演出制御手段210は第2停止が操作された場合の標準的演出である第2期待度演出をさせるための画像演出コマンドおよび音響演出コマンドを演出実行部に送信する。第2停止情報が送信されていない場合(NO)、ステップS210に移行する。
【0129】
ステップS210において、操作情報として第3停止情報が送信されてきたか否かが判定される。第3停止情報が送信されていた場合(YES)、演出制御手段210はステップS211に移行し、引き続き送信されてくる当選情報を参照し、最終的に確定した入賞状態を記録する。
【0130】
ステップS211において、特別役に入賞していれば(特別役)、ステップS212に移行し、演出制御手段210は特別役に対応した所定の入賞演出をさせるための画像演出コマンドおよび音響演出コマンドを演出実行部に送信する。「小役」に当選していれば(小役)、演出制御手段210は所定の小役演出をさせるための画像演出コマンドおよび音響演出コマンドを演出実行部に送信する。「ハズレ」に当選していれば(ハズレ)、演出制御手段210は所定のハズレ演出をさせるための画像演出コマンドおよび音響演出コマンドを演出実行部に送信する。「再遊技役」に当選していれば(再遊技役)、演出制御手段210は所定のリプレイ演出をさせるための画像演出コマンドおよび音響演出コマンドを演出実行部に送信する。
以上により、一回の演出制御処理が終了する。この処理を適当な周期で実行することで、抽選や操作状態に応じた演出を制御するようになっている。
【0131】
(画像音響生成手段220における動作)
図7は、画像音響生成手段220による演出実行処理を示すフローチャートである。当該処理は、画像の更新タイミングごとに実施される。
【0132】
ステップS301において、画像音響生成手段220は、演出制御手段210からの演出コマンドを読み取る。まず演出コマンドがタイトルコール演出、すなわちメダルのデポジットに対応した演出をするコマンドであるかが判定される。演出コマンドがタイトルコール演出である場合(YES)、ステップS303に移行し、画像音響生成手段210はタイトルコール演出フラグをオン状態にする。演出コマンドがタイトルコール演出コマンドではない場合は(NO)、ステップS304に移行する。
【0133】
ステップS304において、演出コマンドが導入演出、すなわちスタート手段173の操作に対応してリール群22が回動を始めた場合に実行される演出のコマンドである場合(YES)、ステップS305に移行し、画像音響生成手段220は導入演出のための導入演出フラグをオン状態にする。演出コマンドが導入演出コマンドではない場合は(NO)、ステップS306に移行する。
【0134】
ステップS306において、演出コマンドが第1期待度演出、すなわち第1停止の操作がされた場合に実行される演出のコマンドである場合(YES)、ステップS307に移行し、画像音響生成手段220は第1期待度演出のための第1期待度演出フラグをオン状態にする。演出コマンドが第1期待度演出コマンドではない場合は(NO)、ステップS308に移行する。
【0135】
ステップS308において、演出コマンドが第2期待度演出、すなわち第2停止の操作がされた場合に実行される演出のコマンドである場合(YES)、ステップS309に移行し、画像音響生成手段220は第2期待度演出のための第2期待度演出フラグをオン状態にする。演出コマンドが第2期待度演出コマンドではない場合は(NO)、ステップS310に移行する。
【0136】
ステップS310において、画像音響生成手段220は、第3停止の操作に対応して演出制御手段210が当選状態に応じて送信してくる演出コマンドの判定を行なう。
演出コマンドが小役コマンド、すなわち何れかの「小役」に入賞していた場合には、ステップS311に移行し、画像音響生成手段220は当選内容が入賞したときに行う小役演出のための小役演出フラグをオン状態にする。演出コマンドがハズレコマンド、すなわち「ハズレ」に当選していた場合には、ステップS312に移行し、画像音響生成手段220は当選内容がハズレたときのハズレ演出フラグをオン状態にする。演出コマンドが再遊技コマンド、すなわち「再遊技役」に当選していた場合には、ステップS313に移行し、画像音響生成手段220は当選内容が再遊技役をするための再遊技演出フラグをオン状態にする。演出コマンドが特別遊技コマンドに入賞していた場合には、ステップS314に移行し、画像音響生成手段220は特別遊技に移行するときに行う特別遊技演出のための特別演出フラグをオン状態にする。
【0137】
さてステップS315において、画像音響生成手段220のモデリング部303は、オン状態にされた演出フラグに対応するオブジェクトをモデリングする。モデリング部303は、演出フラグに対応したオブジェクトデータをオブジェクトデータ記憶部301から読み出してモデリング変換を行い、仮想三次元空間にオブジェクトを配置する。
【0138】
次いでステップS316において、モデリング部303はモーションブラー効果を行う演出であるか否かを判定する。モデリング部303は、モーションブラー効果を行うべき演出である場合(YES)にはステップS317に移行し、モーションブラー効果を行うべき演出ではない場合(NO)にはステップS322に移行する。
【0139】
ステップS317において、第1ボーン位置設定部3031はブラーオブジェクトデータ記憶部302から読み出したブラーオブジェクトデータに基づいて第1のボーン401の仮想三次元空間における配置を決定するための座標変換演算を行う。さらにステップS318においてその配置情報をボーン配置記憶部309に記憶する。
【0140】
次いでステップS319において、第2ボーン位置設定部3032はNフレーム前に演算された第1のボーン401の配置情報をボーン配置記憶部309から読み出し、ステップS320においてその配置情報に対応する空間位置を第2のボーン402の空間位置としてモデリングする。
【0141】
次いでステップS321において、面状体モデリング部3033はブラーオブジェクトデータに基づいて配置が定まった第1のボーン401に対してボーンオブジェクト410をモデリングし、そのボーンオブジェクト410の端辺と第2のボーン402との間に面状体411をモデリングする演算を行う。
【0142】
ステップS322において、透視投影変換部304はモデリング変換された通常のオブジェクト、ブラーオブジェクト400に対して透視投影変換を行い視点座標系に変換する。そしてレンダリング部307は透視投影変換後のポリゴン面のピクセルデータを生成するレンダリング処理を行う。すなわちレンダリング部307はテクスチャデータ記憶部305に格納されたテクスチャデータに基づいてオブジェクトを構成するポリゴン面にテクスチャを展開するマッピング演算を行う。また面状体レンダリング部3071は面状体テクスチャデータ記憶部306に格納されたボーンオブジェクト410のためのテクスチャデータを読み出してボーンオブジェクト410のポリゴン面にテクスチャを展開するマッピング演算を行う。さらに面状体レンダリング部3071は面状体411にテクスチャを展開するマッピング演算を行う。
【0143】
図10に、以上のような処理により生成されるブラーオブジェクト400の画像表示例を示す。この例では、演出の主人公であるキャラクタが振り回す「光の剣」にブラーオブジェクト400が適用されている。その動画像としては、第1のボーン401を含むボーンオブジェクト410で表現される「光の剣」が白抜き矢印の方角に経時的に移動していく。第2のボーン402の空間位置は第1のボーン401のNフレーム前の空間位置に配置されるので、第2のボーン402が第1のボーン401に追従していくようにモデリングされる。面状体411は第1のボーン401と第2のボーン402との間に補間演算により展開され、扇形状にモデリングされている。画像化されるブラーオブジェクト400は、第1のボーン401を含むボーンオブジェクト410が明るく第2のボーン402に近づくにつれて暗くなる(薄くなる)ようにテクスチャがマッピングされているので、モーションブラー処理に基づく画像と同様のモーションブラー効果による画像が表現されている。
【0144】
(実施形態の効果)
以上、本実施形態によれば、以下の利点を備える。
1)本実施形態によれば、第1のボーン401および第2のボーン402の配置を演算し、それらボーンを繋ぐ面状体411をモデリングし、その面状体にテクスチャをマッピングしてブラーオブジェクトに係る画像を表現するので、他のブジェクトのモデリングと同様の処理によりモーションブラー効果を表現できるため、画像生成装置の処理負担が少なくて済む。
【0145】
2)本実施形態によれば、ブラーオブジェクトデータ記憶部302に格納するブラーオブジェクトデータを変更することで任意の形状のブラーオブジェクトをモデリングすることができる。またブラーテクスチャデータ記憶部306に格納するブラーテクスチャデータを変更することで、モーションブラー効果の見栄えを任意に設定・変更することができるため、デザイナーのみの意図でモーションブラー効果の見栄えを調整することが可能である。
【0146】
3)本実施形態によれば、第1のボーン401に対してボーンオブジェクト410が定義されているので、モーションブラー効果の中心となる「光の剣」を示すオブジェクトを画像化することが可能である。
【0147】
4)本実施形態によれば、第1のボーン401から第2のボーン402にかけて徐々に色の濃度が薄くなるようなグラデーションが施されたテクチャがマッピングされるので、光の発生源となるボーンオブジェクト410から光から尾を引くようなモーションブラー効果の画像を表現させることができる。
【0148】
5)本実施形態によれば、第2のボーン402の空間位置は、Nフレーム前の第1のボーン401の空間位置が使用されるので、第2のボーン402は第1のボーン401の軌跡を追従するようになり、モーションブラー効果を表現可能である。また第2のボーン402に対する座標演算処理を削減できるので、処理負担をさらに軽減させることができる。
【0149】
6)本実施形態によれば、面状体411を相互に頂点を接する複数のポリゴン412により定義し、いずれのボーンにも接しないポリゴンの頂点位置を補間演算するように構成したので、ボーンが屈曲している場合やボーンの軌跡の曲率が大きい場合にも滑らかなブラーを表現できる。
【0150】
(実施形態2)
本発明の実施形態2は第3のボーンを適用したブラーオブジェクトの例に関する。
本実施形態2における基本構成、メイン制御手段100、および演出制御手段210については上記実施形態1と同様なので省略する。
【0151】
図11に本実施形態2における画像音響生成手段220の詳細なブロック図を示す。
図11に示すように、本実施形態2における画像音響生成手段220は、ブラーオブジェクトデータ記憶部302に第3のボーン403に係る定義情報が含まれている点、および、モデリング部303に第3ボーン位置設定部3034を備える点で、上記実施形態1と相違している。
【0152】
図12に本実施形態2におけるブラーオブジェクト420の概念図を示す。
図12に示すように、本実施形態2のブラーオブジェクト420は、第1のボーン401、第2のボーン402、面状体411を備える点は上記実施形態1と同様であるが、第1のボーン401および第2のボーン402の間に第3のボーン403が複数連設されている点で実施形態1のブラーオブジェクト400と異なっている。その他の機能ブロックの構成および動作は上記実施形態1と同様なので説明を省略する。
【0153】
ボーンオブジェクトデータ記憶部302に格納される第3のボーン403における定義情報は、視点の座標、ボーンの長さ、およびボーンの方向で規定される点で第1のボーン401および第2のボーン402と同様である。
【0154】
第3ボーン位置設定部3034は、ブラーオブジェクトデータ記憶部302に格納されているブラーオブジェクト420のオブジェクトデータを読み出して、第3のボーン403の定義情報を取得する。そして過去の画像更新タイミングであって第2のボーン402に適用する画像更新タイミングよりも前のタイミングにおける第1のボーン401の配置情報をボーン配置記憶部309から読み出して、第3のボーン403の空間位置として設定する。本実施形態では第2のボーン402がNフレーム前の第1のボーン401の空間位置に設定されるので、第3のボーン403は1フレーム前からN−1フレーム前までの第1のボーン401のそれぞれの空間位置に順に配置されるものとする。この設定によって、第3のボーン403は第1のボーン401の軌跡を忠実に追従していくことになる。ただし、隣接する第3のボーン403間、第1のボーン401や第2のボーン402との間の時間間隔は1フレームである必要はなく、複数フレーム毎の時間間隔に設定してもよい。隣接するボーンとの時間間隔は、モーションブラー効果の見栄えや動きに対する応答性に関連するため、演出内容に応じた第1のボーンの移動速度やブラーオブジェクトの性質に応じて定めればよい。
【0155】
次に本実施形態2における画像音響生成手段220の動作を説明する。
図12は、本実施形態2における画像音響生成手段220の演出実行処理を示すフローチャートである。当該処理は、画像の更新タイミングごとに実施される。
ステップS301からS314までの処理は上記実施形態1と同様なので説明を省略する。
【0156】
ステップS315において、画像音響生成手段220のモデリング部303は、上記処理によってオン状態にされた演出フラグに対応するオブジェクトをモデリングする。モデリング部303は、演出フラグに対応したオブジェクトデータをオブジェクトデータ記憶部301から読み出してモデリング変換を行い、仮想三次元空間にオブジェクトを配置する。
【0157】
次いでステップS316において、モデリング部303はモーションブラー効果を行う演出であるか否かを判定する。モデリング部303は、モーションブラー効果を行うべき演出である場合(YES)にはステップS317に移行し、モーションブラー効果を行うべき演出ではない場合(NO)にはステップS322に移行する。
【0158】
ステップS317において、第1ボーン位置設定部3031はブラーオブジェクトデータ記憶部302から読み出したブラーオブジェクトデータに基づいて第1のボーン401の仮想三次元空間における配置を決定するための座標変換演算を行う。さらにステップS318においてその配置情報をボーン配置記憶部309に記憶する。
【0159】
次いでステップS319において、第2ボーン位置設定部3032はNフレーム前に演算された第1のボーン401の配置情報をボーン配置記憶部309から読み出し、ステップS320においてその配置情報に対応する空間位置を第2のボーン402の空間位置としてモデリングする。
【0160】
さてステップS330において、まず第3のボーンを特定するためのカウンタnを1にセットする。次いでステップS331に移行し、第3ボーン位置設定部3034はボーン配置記憶部309からnフレーム前の第1のボーン401の空間位置を読み出し、ステップS332においてn番目の第3のボーン403の空間位置として設定する。
【0161】
次いでステップS333において、カウンタnを一つ増加させ、ステップS334において他に設定すべき第3のボーンが存在するか、すなわちn=Nとなっていないかを判定する。他に設定すべき第3のボーン403が存在している場合(YES)にはステップS331に戻り、次の第3のボーン403の空間位置を設定する。他に設定すべき第3のボーン403が残存していない場合には(NO)、ステップS321に移行する。
【0162】
ステップS321において、上記実施形態1と同様、面状体モデリング部3033はブラーオブジェクトデータに基づいてボーンオブジェクト410をモデリングし、ボーンオブジェクト410、複数の第3のボーン403、第2のボーン402に跨った面状体411をモデリングする。そしてステップS322において、上記実施形態1と同様、透視投影変換処理とレンダリング処理を実行する。
【0163】
図14に、以上のような処理により生成されるブラーオブジェクト420の画像表示例を示す。この例では、「光の剣」が曲線を描くように動かされている。よってボーンオブジェクト410で表現される「光の剣」が矢印のように波形(ジグザグ形)に移動していく。このとき第3のボーン403が第1のボーン401の過去のフレーム期間における空間位置に順に配置されており、面状体411はそれらのボーンの間に展開されることになる。従って、第1のボーン401の動きを忠実に追ってブラーが移動するようなモーションブラー効果が表現される。
【0164】
以上本実施形態2によれば、第3のボーン403および第2のボーン402の順で第1のボーン401の軌跡を追うようにモデリングされるため、第1のボーンが複雑な動きをしてもその軌跡を忠実に追って長いモーションブラー効果の尾を表現することができる。例えば、第1のボーンがジグザグ形に移動すれば、その軌跡を追うようにモーションブラー効果の尾を表現することができる。
【0165】
(実施形態3)
本実施形態3はブラーオブジェクトの変形例に関する。
図15に本実施形態3におけるブラーオブジェクト430の概念図を示す。
図15に示すように、ブラーオブジェクト430は、第1のボーン401と第2のボーン402との間に、辺同士で連結された短冊形状を有する複数のポリゴン432により面状体431を備えている。第1のボーン401や第2のボーン402が直線状である場合には、このような短冊形状のポリゴン432で構成された面状体431によってもモーションブラー効果を表現することが可能である。特に本実施形態によれば、短冊形状のポリゴンを適用することで面状体431を構成するポリゴンの数を少なくしているので、さらに処理負担を軽減することが可能である。
【0166】
(実施形態4)
本実施形態4はブラーオブジェクトの他の変形例に関する。
図16に本実施形態4におけるブラーオブジェクト440の概念図を示す。
図16に示すように、ブラーオブジェクト440は、第1のボーン401と第2のボーン402との間に単一のポリゴン442のみの面状体431を備えている。モーションブラー効果の尾を短く表現する場合には、このような単一のポリゴン442で構成された面状体441によってもモーションブラー効果を表現することが可能である。特に本実施形態によれば、ポリゴンの数を極端に少なくしているので、さらに処理負担を軽減することが可能である。
【0167】
(実施形態5)
本実施形態5はブラーオブジェクトの他の変形例に関する。
図17に本実施形態5におけるブラーオブジェクト450の概念図を示す。
図17に示すように、ブラーオブジェクト450は、第1のボーン401と第2のボーン402との間に、辺同士で連結された短冊形状を有する複数のポリゴン452により面状体451を備え、ポリゴン452の連結部分に第3のボーン403が設定されている。第1のボーン401や第2のボーン402が直線状である場合には、このような短冊形状のポリゴン452で構成された面状体451によってもモーションブラー効果を表現することが可能である。また、特に本実施形態によれば、短冊形状のポリゴンを適用することでポリゴンの数を少なくしているので、処理負担を軽減することが可能である他、第3のボーン403を適用しているので、第1のボーン401に複雑な動きを適用しても見栄えのよいモーションブラー効果を表現することが可能である。
【0168】
(実施形態6)
本実施形態6はブラーオブジェクトのさらに他の変形例に関する。
図18に本実施形態6におけるブラーオブジェクト460の概念図を示す。
図18に示すように、ブラーオブジェクト460は、第1のボーン401第2のボーン402、および第3のボーン403が屈曲を有している。面状体461は、これら屈曲点を境界とするように区分けされた複数のポリゴン462で構成されている。このようにボーン401が屈曲を有する場合でも、面状体を複数のポリゴンで構成することで、モーションブラー効果を表現することが可能である。
【0169】
(実施形態7)
本実施形態7はブラーオブジェクトのさらに他の変形例に関する。
図19に本実施形態7におけるブラーオブジェクト470の概念図を示す。
図19に示すように、ブラーオブジェクト470は、ボーンという概念からは外れる基準点401が設定されており、その基準点401から相対的に距離の定められた複数のポリゴンによる立体ボーンオブジェクト470が設定されている。具体的には基準点401から半径rの距離に複数のポリゴンによる球状の立体ボーンオブジェクト470が定義されている。その立体ボーンオブジェクト470の一部から複数のポリゴン472により構成される面状体471が連結され、第2のボーン402にまでつながって構成されている。このように本発明におけるブラーオブジェクトでは、面状体が必ずしもボーンに接続されていることを要しないし、ボーンオブジェクトが平面状であることも要しない。
【0170】
本実施形態によれば、点を基準としたオブジェクトのモデリングによりブラーオブジェクトを構成しているので、例えば光の玉から光の尾が流れるようなモーションブラー効果を表現することが可能である。
【0171】
(変形例)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく種々に変形して適用することが可能である。
例えば、上記実施形態において示したブラーオブジェクトは例示に過ぎず、さらに種々のボーン形状や面状体の構成を採用することが可能である。
【0172】
また上記実施形態において示したブラーオブジェクトのためのテクスチャも例示に過ぎず、さらに異なるテクスチャを適用してもよい。
【0173】
また上記実施形態では一つの面状体をボーンに連結したが、複数の面状体を連結してもよい。
【0174】
また、上記実施形態では、遊技機としてスロットマシンを例示したが、パチンコ機に適用可能である。さらに遊技機の枠を超えて、ゲーム装置やシミュレーション装置の画像表示に本発明に係る画像生成処理を適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0175】
【図1】本発明の実施形態に係るスロットマシンの正面図
【図2】本発明の実施形態に係るスロットマシンのシステム構成を示すブロック図
【図3】本発明の実施形態に係るスロットマシンの機能ブロック図
【図4】サブ制御手段の詳細な機能ブロック図
【図5】メイン制御手段のメイン制御処理を示すフローチャート
【図6】演出制御手段における演出制御処理を示すフローチャート
【図7】実施形態1の画像音響生成手段における演出実行処理を示すフローチャート
【図8】実施形態1のブラーオブジェクトの概念図
【図9】実施形態1のブラーテクスチャの設定例
【図10】実施形態1のブラーオブジェクトの画像表示例
【図11】実施形態2の画像音響生成手段における演出実行処理を示すフローチャート
【図12】実施形態2の画像音響生成手段における演出実行処理を示すフローチャート
【図13】実施形態2のブラーオブジェクトの概念図
【図14】実施形態2のブラーオブジェクトの画像表示例
【図15】実施形態3のブラーオブジェクトの概念図
【図16】実施形態4のブラーオブジェクトの概念図
【図17】実施形態5のブラーオブジェクトの概念図
【図18】実施形態6のブラーオブジェクトの概念図
【図19】実施形態7のブラーオブジェクトの概念図
【符号の説明】
【0176】
1 スロットマシン
2 フロントパネル
10 メイン制御基板
21 表示窓
22 リール
22L 左リール
22C 中リール
22R 右リール
50 サブ制御基板
60 演出制御基板
70 画像音響生成基板
80 液晶表示装置
100 メイン制御手段
110 役抽選手段
120 リール制御手段
130 停止図柄判断手段
140 払出制御手段
150 特別役持ち越し手段
160 遊技状態制御手段
170 操作手段
180 設定値設定手段
190 図柄表示手段
200 サブ制御手段
210 演出制御手段
220 画像音響生成手段
301 オブジェクトデータ記憶部
302 ブラーオブジェクト制御情報記憶部
303 モデリング部
3031 第1ボーン位置設定部
3032 第2ボーン位置設定部
3033 面状体モデリング部
3034 第3ボーン位置設定部
304 透視投影変換部
305 テクスチャデータ記憶部
306 ブラーテクスチャデータ記憶部
307 レンダリング部
3071 ブラーレンダリング部
400、420、430,440、450、460、470 ブラーオブジェクト
401 第1のボーン
402 第2のボーン
403 第3のボーン
411、421,431,441,451、461、471 面状体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想三次元空間にオブジェクトをモデリングして立体画像を生成する画像生成装置であって、
ブラー対象オブジェクトとして、第1のボーンおよび第2のボーンと該第1のボーンおよび該第2のボーンの間隙を繋ぐ面状体とが定義されており、
該第1のボーンの位置を定める第1のボーン位置設定部と、
該第2のボーンの位置を定める第2のボーン位置設定部と、
該第1のボーンと該第2のボーンとの間を繋ぐように該面状体をモデリングする面状体モデリング部と、
該面状体に所定の色をレンダリングしてブラーを生じさせるレンダリング部と、
を備えたことを特徴とする画像生成装置。
【請求項2】
前記ブラー対象オブジェクトとして、前記第1のボーンに対して1以上のポリゴンを含むオブジェクトが定義されており、
該ポリゴンは前記第1のボーンに接して、または、所定の距離をおいて相対位置が決められている、
請求項1に記載の画像生成装置。
【請求項3】
前記レンダリング部は、前記面状体に対してグラデーションを有する色を付与する、
請求項1または2に記載の画像生成装置。
【請求項4】
前記第2のボーン位置設定部は、
過去の画像更新タイミングにおける前記第1のボーンの位置に前記第2のボーンを配置する、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像生成装置。
【請求項5】
前記ブラー対象オブジェクトとして、さらに前記面状体に含まれる1以上の第3のボーンが定義されており、
該第3のボーンの位置を定める第3のボーン位置設定部をさらに備え、
該第3のボーン位置設定部は、前記第2のボーンを配置する過去の画像更新タイミングよりも現時点に近い画像更新タイミングにおける前記第1のボーンの位置に該第3のボーンを配置する、
請求項4に記載の画像生成装置。
【請求項6】
前記ブラー対象オブジェクトとして、前記面状体は相互に頂点を接する複数のポリゴンにより定義されており、
いずれのボーンにも接しないポリゴンの頂点位置は、隣接する一対のボーンの位置を補間演算して定められる、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の画像生成装置。
【請求項7】
前記ブラー対象オブジェクトとして、前記面状体は複数のポリゴンにより定義されており、各ポリゴンの頂点はいずれかのボーンに接している、
請求項5に記載の画像生成装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の画像生成装置を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項9】
仮想三次元空間にオブジェクトをモデリングして立体画像を生成する画像生成方法であって、
ブラー対象オブジェクトとして、第1のボーンおよび第2のボーンと該第1のボーンおよび該第2のボーンの間隙を繋ぐ面状体とが定義されており、
該第1のボーンの位置を定めるステップと、
該第2のボーンの位置を定めるステップと、
該第1のボーンと該第2のボーンとの間を繋ぐように該面状体をモデリングするステップと、
該面状体に所定の色をレンダリングしてブラーを生じさせるステップと、
を備えたことを特徴とする画像生成方法。
【請求項10】
仮想三次元空間にオブジェクトをモデリングして立体画像を生成する画像生成プログラムであって、
第1および第2のボーンと該第1のボーンおよび該第2のボーンの間隙を繋ぐ面状体とが定義されたブラー対象オブジェクトが参照可能になっており、
コンピュータに、
該第1のボーンの位置を定める機能と、
該第2のボーンの位置を定める機能と、
該第1のボーンと該第2のボーンとの間を繋ぐように該面状体をモデリングする機能と、
該面状体に所定の色をレンダリングしてブラーを生じさせる機能と、
を実行させるための画像生成プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−252033(P2009−252033A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−100611(P2008−100611)
【出願日】平成20年4月8日(2008.4.8)
【出願人】(390031783)サミー株式会社 (5,279)
【Fターム(参考)】