説明

画像生成装置およびX線CT装置並びにプログラム

【課題】X線CT撮影による造影検査において低被曝化を実現する。
【解決手段】ヨウ素を含む造影剤が投与された被検体のデュアルエネルギー撮影を行い、得られたデータを基に、被検体の仮想造影画像を生成する。また、上記データを基に、被検体をヨウ素とヨウ素以外の所定物質との合成で表すモデルに基づく、被検体におけるヨウ素の密度分布を表すヨウ素密度画像を生成する。そして、上記仮想造影画像から上記ヨウ素密度画像を減算または加重減算することにより仮想非造影画像を生成する。これにより、1回の撮影で、造影画像に相当する画像と非造影画像に相当する画像の両方を取得できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像生成装置およびX線CT(Computed Tomography)装置並びにそのためのプログラム(program)に関し、詳しくは、造影検査におけるデュアルエネルギー(dual energy)撮影を利用した低被曝化の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、X線CT装置を用いて被検体の造影検査を行う場合、造影剤を投与する前の単純撮影による単純画像と、造影剤を投与した後の造影撮影による造影画像とを取得し、これらを互いに比較参照して読影がなされることが多い(例えば、特許文献1の要約参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−85401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
単純画像と造影画像を取得するには、通常、被検体の単純撮影と造影撮影とを別々に行う必要があるため、被検体の被曝が一般の検査と比較して大きくなる。
【0005】
このような事情により、造影検査における被検体の低被曝化が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の観点の発明は、ヨウ素を含む造影剤が投与された被検体のX線CTデュアルエネルギー撮影により得られたデータ(data)に基づいて、前記被検体を所望の実効X線エネルギーのX線を用いてX線CT撮影したときに得られる画像に相当する仮想造影画像を生成する第1の生成手段と、前記データに基づいて、前記被検体をヨウ素とヨウ素以外の所定物質との合成で表すモデル(model)に基づく、前記被検体における仮想的なヨウ素の密度分布を表すヨウ素密度画像を生成する第2の生成手段と、前記仮想造影画像から前記ヨウ素密度画像を減算または加重減算することにより、前記被検体の非造影撮影により得られる画像に相当する仮想非造影画像を生成する第3の生成手段とを備えた画像生成装置を提供する。
【0007】
第2の観点の発明は、ヨウ素を含む造影剤が投与された被検体のX線CTデュアルエネルギー撮影により得られたデータに基づいて、前記被検体を所望の実効X線エネルギーのX線を用いてX線CT撮影したときに得られる画像に相当する仮想造影画像を生成する第1の生成手段と、前記データに基づいて、前記被検体をヨウ素とヨウ素以外の所定物質との合成で表すモデルに基づく、前記被検体における仮想的なヨウ素の密度分布を表すヨウ素密度画像を生成する第2の生成手段と、前記ヨウ素密度画像に対して負の画素値をゼロ(zero)に変換する処理を施し、前記仮想造影画像から該処理済みのヨウ素密度画像を減算または加重減算することにより、前記被検体の非造影撮影により得られる画像に相当する仮想非造影画像を生成する第3の生成手段とを備えた画像生成装置を提供する。
【0008】
第3の観点の発明は、前記所定物質が、X線吸収係数が水より大きくヨウ素より小さい物質である上記第1の観点または第2の観点の画像生成装置を提供する。
【0009】
第4の観点の発明は、前記所定物質が、カルシウム(calcium)である上記第3の観点の画像生成装置を提供する。
【0010】
第5の観点の発明は、前記データが、第1のエネルギーのX線による第1の投影データと、前記第1のエネルギーとは異なる第2のエネルギーのX線による第2の投影データとを含んでおり、前記第1の生成手段が、前記第1の投影データと前記第2の投影データとを2種類の重み付けにより加重減算処理して2種類の投影データを得、該2種類の投影データをそれぞれ画像再構成処理して、前記被検体を互いに異なる第1の物質および第2の物質の合成で表すモデルに基づく、前記被検体における仮想的な前記第1の物質の密度分布を表す第1の物質密度画像と、前記被検体における仮想的な前記第2の物質の密度分布を表す第2の物質密度画像とを得、該第1および第2の物質密度画像を加重加算処理することにより前記仮想造影画像を生成する上記第1の観点から第4の観点のいずれか一つの観点の画像生成装置を提供する。
【0011】
第6の観点の発明は、前記データが、第1のエネルギーのX線による第1の投影データと、前記第1のエネルギーとは異なる第2のエネルギーのX線による第2の投影データとを含んでおり、前記第1の生成手段が、前記第1の投影データと前記第2の投影データとをそれぞれ画像再構成処理して2種類の画像を得、該2種類の画像を2種類の重み付けにより加重減算処理して、前記被検体を互いに異なる第1の物質および第2の物質の合成で表すモデルに基づく、前記被検体における仮想的な前記第1の物質の密度分布を表す第1の物質密度画像と、前記被検体における仮想的な前記第2の物質の密度分布を表す第2の物質密度画像とを得、該第1および第2の物質密度画像を加重加算処理することにより前記仮想造影画像を生成する上記第1の観点から第4の観点のいずれか一つの観点の画像生成装置を提供する。
【0012】
第7の観点の発明は、前記第2の生成手段が、前記第1および第2の物質密度画像を2種類の重み付けにより加重加算処理して、前記被検体を第1の実効X線エネルギーのX線を用いてX線CT撮影したときに得られる画像に相当する第1の画像と、前記被検体を第2の実効X線エネルギーのX線を用いてX線CT撮影したときに得られる画像に相当する第2の画像とを得、該第1および第2の画像を前記所定物質の成分が消去されるように加重減算処理することにより前記ヨウ素密度画像を生成する上記第5の観点または第6の観点の画像生成装置を提供する。
【0013】
第8の観点の発明は、前記第2の生成手段が、前記第1の投影データと前記第2の投影データとを前記所定物質の成分が消去されるように加重減算処理して第3の投影データを得、該第3の投影データを画像再構成処理することにより前記ヨウ素密度画像を生成する上記第5の観点または第6の観点の画像生成装置を提供する。
【0014】
第9の観点の発明は、前記第2の生成手段が、前記第1の投影データと前記第2の投影データとをそれぞれ画像再構成処理して2種類の画像を得、該2種類の画像を前記所定物質の成分が消去されるように加重減算処理することにより前記ヨウ素密度画像を生成する上記第5の観点または第6の観点の画像生成装置を提供する。
【0015】
第10の観点の発明は、前記第1および第2の物質が、水およびヨウ素である上記第5の観点から第9の観点のいずれか一つの観点の画像生成装置を提供する。
【0016】
第11の観点の発明は、上記第1の観点から第10の観点のいずれか一つの観点の画像生成装置を備えたX線CT装置を提供する。
【0017】
第12の観点の発明は、コンピュータ(computer)を、上記第1の観点から第10の観点のいずれか一つの観点の画像生成装置として機能させるためのプログラムを提供する。
【0018】
なお、ここで言う「密度」とは、実際の密度ではなく仮想的な密度であり、所定の2種類の物質を基底物質とし、ある物質のX線吸収係数をその2種類の基底物質のX線吸収係数の加重加算値で表す場合に、その2種類の基底物質のX線吸収係数に乗ずる加重係数に相当するものである。したがって、例えば、水およびヨウ素を1組の基底物質としたときの水密度画像は、撮影対象の画像における各画素が表す物質のX線吸収係数を、水のX線吸収係数とヨウ素のX線吸収係数との加重加算値で表す場合における、水のX線吸収係数に乗ずる加重係数に相当する値の分布図となる。
【発明の効果】
【0019】
上記観点の発明によれば、ヨウ素を含む造影剤が投与された被検体のX線CTデュアルエネルギー撮影により、仮想造影画像とヨウ素密度画像とを生成し、仮想造影画像からヨウ素密度画像を減算または加重減算して仮想非造影画像を得ることができる。その結果、造影画像に相当する画像と、非造影画像に相当する画像の両方を、1回のデュアルエネルギー撮影によって得ることができ、造影撮影および非造影撮影をそれぞれ行う必要がなく、造影検査における低被曝化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第一実施形態によるX線CT装置の構成を示す図である。
【図2】第一実施形態に係るX線CT装置における処理の流れを示す図である。
【図3】カルシウム密度画像およびヨウ素密度画像による補外処理を説明するための図である。
【図4】第二実施形態に係るX線CT装置における処理の流れを示す図である。
【図5】第三実施形態に係るX線CT装置における処理の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第一実施形態)
まず、第一実施形態に係るX線CT装置の構成について説明する。
【0022】
図1は、第一実施形態に係るX線CT装置の構成を示す図である。
【0023】
X線CT装置100は、操作コンソール(console)1と、撮影テーブル(table)10と、走査ガントリ(gantry)20とを具備している。
【0024】
操作コンソール1は、操作者からの入力を受け付ける入力装置2と、被検体40をスキャン(scan)するための各部の制御や各種演算などを行う中央処理装置3と、走査ガントリ20で取得したデータを収集するデータ収集バッファ(buffer)5と、画像を表示するモニタ(monitor)6と、プログラムやデータなどを記憶する記憶装置7とを具備している。
【0025】
撮影テーブル10は、被検体40を載せて走査ガントリ20の開口部に搬入・搬出するクレードル(cradle)12を具備している。クレードル12は、撮影テーブル10に内蔵するモータ(motor)で昇降および水平直線移動される。
【0026】
走査ガントリ20は、回転部15と、回転部15を回転可能に支持する支持部16とを有する。回転部15には、X線管21と、X線管21を制御するX線コントローラ(controller)22と、X線管21から発生したX線81をコリメート(collimate)して整形するコリメータ(collimator)23と、X線管21から照射され、被検体40を透過したX線81を検出するX線検出器24と、X線検出器24の出力を投影データに変換して収集するデータ収集装置(DAS;Data Acquisition System)25と、X線コントローラ22,コリメータ23,DAS25の制御を行う回転部コントローラ26とが搭載される。支持部16は、制御信号などを操作コンソール1や撮影テーブル10と通信する制御コントローラ29を具備する。回転部15と支持部16とは、スリップリング(slip ring)30を介して電気的に接続されている。
【0027】
これより、第一実施形態に係るX線CT装置における処理の流れについて説明する。
【0028】
この処理は、被検体を2種類の基底物質の合成によって表す所定のモデルを利用して、1回のX線CTデュアルエネルギー撮影で被検体の造影画像および非造影画像に相当する画像をそれぞれ求める処理である。
【0029】
本例では、上記モデルにより、被検体のX線CTデュアルエネルギー撮影によって得られた2種類の投影データから、被検体の仮想造影画像と、被検体の仮想的なヨウ素の密度分布を表すヨウ素密度画像とを求める。そして、さらに、仮想造影画像からヨウ素密度画像を減算することにより仮想非造影画像を求める。
【0030】
以下、上記処理をステップ(step)ごとに詳しく説明する。
【0031】
図2は、第一実施形態に係るX線CT装置における処理の流れを示す図である。
【0032】
ステップS1では、被検体40のX線CTデュアルエネルギー撮影を行う。これにより、第1管電圧投影データPv1および第2管電圧投影データPv2を収集する。
【0033】
第1管電圧投影データPv1は、X線管電圧が第1X線管電圧V1であるときのX線による複数ビュー(view)の投影データである。また、第2管電圧投影データPv2は、X線管電圧が第1X線管電圧とは異なる第2X線管電圧V2であるときのX線による複数ビューの投影データである。
【0034】
X線CTデュアルエネルギー撮影は、例えば、次のようにして行う。
【0035】
X線管電圧を1または数ビュー単位で第1X線管電圧V1と第2X線管電圧V2とに交互に切り換えながら被検体40のスキャン(scan)を行い、180°+X線ビーム(beam)のファン(fan)角α°分以上の投影データを収集する。この場合、X線管電圧が同じである投影データのセットにおいて欠落したビューの投影データは、その欠落したビューに近接するビューの投影データを加重加算処理して求める。
【0036】
あるいは、まずX線管電圧を第1X線管電圧V1にしてスキャンを行って、180°+ファン角α°分以上の投影データを収集し、次にX線管電圧を第2X線管電圧V2にしてスキャンを行って、180°+ファン角α°分以上の投影データを収集する。
【0037】
ここでは、一例として、第1X線管電圧V1を80kVpとし、第2X線管電圧V2を140kVpとする。
【0038】
ステップS2およびS3では、第1および第2管電圧投影データPv1,Pv2を基に、水密度画像Gw(w,io)およびヨウ素密度画像Gio(w,io)を再構成する。
【0039】
水密度画像Gw(w,io)およびヨウ素密度画像Gio(w,io)は、それぞれ、被検体40を2種類の基底物質の合成によって表すモデル、例えば、米国特許第7724865号公報(US2009/0052612)等に記載されているモデルにおいて、被検体40におけるその基底物質の仮想的な密度分布を表す物質密度画像である。すなわち、水密度画像Gw(w,io)は、当該モデルの基底物質を水およびヨウ素としたときの、被検体40における仮想的な水の密度分布を表す画像である。また、ヨウ素密度画像Gio(w,io)は、当該モデルの基底物質を水およびヨウ素としたときの、被検体40における仮想的なヨウ素の密度分布を表す画像である。
【0040】
上記モデルに基づき、これら水密度画像Gw(w,io)およびヨウ素密度画像Gio(w,io)を加重加算処理することで、所望の実効X線エネルギーのX線により被検体40をX線CT撮影したときに得られる画像に相当するモノクロマチック画像を再構成することができる。そして、このモノクロマチック画像は、被検体40の仮想造影画像として用いることができる。
【0041】
上記モデルの2種類の基底物質は、基本的にどのような物質であってもよいが、人体などの被検体40の画像をモノクロマチック画像として再構成する場合には、水およびヨウ素を用いるとよい。これは、人体に含まれる物質のほとんどは、X線吸収係数が水より大きくヨウ素より小さいので、被検体の画像における各画素値を、水を表す画素値とヨウ素を表す画素値との補間で表すことができ、精度の悪い補外を極力避けることができるからである。
【0042】
そのため、本例では、モノクロマチック画像の再構成に用いる物質密度画像として、上記モデルの基底物質を水およびヨウ素としたときの水密度画像Gw(w,io)およびヨウ素密度画像Gio(w,io)を再構成する。
【0043】
ここでは、ステップS2において、第1管電圧投影データPv1と第2管電圧投影データPv2とをヨウ素の成分が消去されるように加重減算処理して、上記モデルの基底物質を水およびヨウ素としたときの、被検体40における水の成分を表す水密度投影データPw(w,io)を生成する。また、第1管電圧投影データPv1と第2管電圧投影データPv2とを水の成分が消去されるように加重減算処理して、上記モデルの基底物質を水およびヨウ素としたときの、被検体40におけるヨウ素の成分を表すヨウ素密度投影データPio(w,io)を生成する。なお、第1および第2管電圧投影データPv1,Pv2の加重減算処理は、線形な1次の加重減算処理でもよいが、ここでは、非線形な多次の加重減算処理とし、多次の加重係数を調整することによりビームハードニング(beam hardening)補正を併せて行う。
【0044】
第1および第2管電圧投影データPv1,Pv2の加重減算処理に用いる加重係数は、第1および第2X線管電圧V1,V2と、上記モデルで設定する2種類の基底物質(ここでは水およびヨウ素)と、加重減算で消去したいあるいは残したい成分との組合せに応じて定まるものであり、上記モデルに基づく所定の演算により予め求めることができる。
【0045】
また、ステップS3において、水密度投影データPw(w,io)を逆投影処理等により画像再構成処理して、水密度画像Gw(w,io)を再構成する。また、ヨウ素密度投影データPio(w,io)を画像再構成処理して、ヨウ素密度画像Gio(w,io)を再構成する。
【0046】
ところで、本例では、前述した通り、仮想造影画像からヨウ素密度画像を減算することにより仮想非造影画像を求める。この際に用いるヨウ素密度画像は、基本的に、上記モデルの基底物質をヨウ素とヨウ素以外の所定物質とし、ある2種類の管電圧画像をこの所定物質の成分が消去されるように加重減算処理して得られるヨウ素密度画像、もしくはこのヨウ素密度画像を基にした画像であればよい。
【0047】
その意味では、仮想造影画像から減算するヨウ素密度画像として、ステップS3で得られた、上記モデルの基底物質を水およびヨウ素としたときのヨウ素密度画像Gio(w,io)を用いることは可能である。
【0048】
しかしながら、仮想造影画像から減算するヨウ素密度画像においては、被検体40内の物質のうちヨウ素以外の成分が極力除かれている方がよい。そのため、上記の所定物質は、被検体を実際に構成する物質、すなわち、X線吸収係数が水より大きくヨウ素より小さい物質であることが好ましい。
【0049】
また、上記の所定物質は、仮想造影画像から減算するヨウ素密度画像においては、ヨウ素の成分が、実際に被検体を構成する物質のうちX線吸収係数がヨウ素に近い他の物質、例えば骨部に多く含まれるカルシウムなどと精度よく分離されて抽出されるよう、X線吸収係数がヨウ素に近い物質であることがより好ましい。
【0050】
そこで、ここでは、仮想非造影画像を得る際に仮想造影画像から減算するヨウ素強調画像として、上記モデルの2種類の基底物質をカルシウムおよびヨウ素としたときのヨウ素密度画像を用いる。
【0051】
ステップS4では、水密度画像Gw(w,io)およびヨウ素密度画像Gio(w,io)を基に、第1モノクロマチック画像Gme1、第2モノクロマチック画像Gme2、および第3モノクロマチック画像Gme3を再構成する。
【0052】
第1〜第3モノクロマチック画像Gme1〜Gme3は、造影剤が投与された被検体40を、第1〜第3実効X線エネルギーE1〜E3のX線を用いてそれぞれX線CT撮影したときに得られる画像に相当する画像である。
【0053】
ここでは、一例として、第1実効X線エネルギーE1を、X線管電圧120kVpにおけるX線のエネルギーに相当する65keVとする。また、第2実効X線エネルギーE2を、X線管電圧80kVpにおけるX線のエネルギーに相当する50keVとする。また、第3実効X線エネルギーE3を、X線管電圧140kVpにおけるX線のエネルギーに相当する80keVとする。
【0054】
すなわち、第1モノクロマチック画像Gme1は、X線管電圧120kVpのX線による投影データを画像再構成して得られる管電圧画像に相当する画像である。ここでは、第1モノクロマチック画像Gme1は、被検体40の仮想造影画像として用いる。
【0055】
また、第2モノクロマチック画像Gme2は、X線管電圧80kVpのX線による投影データすなわち第1管電圧投影データPv1を画像再構成して得られる第1管電圧画像Gv1に相当する画像である。第3モノクロマチック画像Gme3は、X線管電圧140kVpのX線による投影データすなわち第2管電圧投影データPv2を画像再構成して得られる第2管電圧画像Gv2に相当する画像である。ただし、本例における第2および第3モノクロマチック画像Gme2,Gme3は、実際の第1および第2管電圧画像Gv1,Gv2に対して、さらにビームハードニング補正が施された画像になっている。ここでは、第2および第3モノクロマチック画像Gme2,Gme3は、仮想非造影画像を得る際に仮想造影画像から減算するヨウ素密度画像を生成するための元画像として用いる。
【0056】
ステップS4の具体的な処理としては、水密度画像Gw(w,io)およびヨウ素密度画像Gio(w,io)を、第1〜第3実効X線エネルギーE1〜E3にそれぞれ対応した所定の重み付けすなわち加重係数により加重加算処理して、第1〜第3モノクロマチック画像Gme1〜Gme3を再構成する。
【0057】
なお、各物質密度画像およびモノクロマチック画像の再構成方法の詳細については、特許文献:特開2010−172590号公報や、米国特許文献:米国特許第7724865号公報(US2009/0052612)等を参照されたい。
【0058】
ステップS5では、第2モノクロマチック画像Gme2と第3モノクロマチック画像Gme3とを、次式のように加重減算処理して、上記モデルの基底物質をヨウ素およびカルシウムとしたときの、被検体40における仮想的なヨウ素の密度分布を表すヨウ素密度画像Gio(ca,io)を再構成する。
【0059】
Gio(ca,io)=Gme2×w2−Gme3×w3 …(数式1)
w2=1,w3=1.5
【0060】
これら加重係数w2,w3は、第1および第2X線管電圧V1,V2がそれぞれ80kVpおよび140kVpであり、上記モデルの基底物質がヨウ素およびカルシウムであり、消去したい成分がカルシウムである場合に対応する加重係数の例である。
【0061】
これにより、上記モデルの基底物質をヨウ素およびカルシウムとしたときのヨウ素密度画像Gio(ca,io)を得ることができる。ヨウ素密度画像Gio(ca,io)は、この被検体40の造影画像から、X線吸収係数がカルシウム相当値以下の成分が除去されてヨウ素の成分が強調された画像である。
【0062】
なお、ヨウ素密度画像Gio(ca,io)を得るための加重加算に用いる画像は、第1および第2管電圧画像Gv1,Gv2であってもよいが、これらに相当する第2および第3モノクロマチック画像Gme2,Gme3の方が、ビームハードニング補正済みであるという点で好ましい。ビームハードニング補正が成されている分、より良好な画質のヨウ素密度画像Gio(ca,io)を得ることができる。
【0063】
ヨウ素密度画像は、造影剤の成分であるヨウ素の成分を多く含む画像である。したがって、仮想造影画像からこのようなヨウ素密度画像を減算すれば、造影画像からヨウ素の成分が除去された非造影画像を仮想的に得ることができる。
【0064】
そこで、ステップS6では、仮想造影画像としての第1モノクロマチック画像Gme1からヨウ素密度画像Gio(ca,io)を減算処理または加重減算処理して、仮想非造影画像Gvncを得る。
【0065】
なお、この際、ヨウ素密度画像Gio(ca,io)に、負の画素値をカット(cut)する処理、すなわち負の画素値(密度値)を0(ゼロ)に変換する処理を施し、仮想造影画像から当該処理済のヨウ素密度画像Gio(ca,io)′を減算処理または加重減算処理するとよい。その理由を以下に説明する。
【0066】
図3は、ヨウ素およびカルシウムの各物質について、X線管電圧が80kVpのときのCT画像におけるその物質の画素値と、X線管電圧が140kVpのときのCT画像におけるその物質の画素値との関係を示すグラフ(graph)である。
【0067】
図3のグラフにおける各直線は、各物質とそれぞれ対応しており、直線の傾きは、その物質のX線吸収係数の大きさと相関を有している。そして、その物質の直線に沿ったベクトル(vector)は、各物質の物質密度画像における画素値、すなわちその物質の密度と対応している。具体的には、ヨウ素の直線Lioに沿ったベクトルVioは、ヨウ素密度画像における画素値、すなわちヨウ素の密度と対応しており、カルシウムの直線Lcaに沿ったベクトルVcaは、カルシウム密度画像における画素値、すなわちカルシウムの密度と対応している。したがって、モノクロマチック画像における各画素の画素値は、ヨウ素密度画像における対応画素の画素値と、カルシウム密度画像における対応画素の画素値との加重加算処理で表すことができ、図3において、ヨウ素のベクトルVioと、カルシウムのベクトルVcaとの線形加算和で表すことができる。
【0068】
ここで、X線吸収係数がカルシウムより大きくヨウ素より小さい物質Q1の画素値と、X線吸収係数がカルシウムより小さい物質Q2の画素値を、カルシウムの密度を表す画素値(カルシウムのベクトルVca)と、ヨウ素の密度を表す画素値(ヨウ素のベクトルVio)との加重加算(線形加算和)でそれぞれ表すことを考える。
【0069】
物質のQ1の場合、加重加算処理は、カルシウムの密度を表す画素値とヨウ素の密度を表す画素値とによる「補間処理」に相当する。そのため、図3に示すように、加重加算に用いるカルシウム密度画像における画素値(+w11・Vca)とヨウ素密度画像における画素値(+w12・Vio)とにおいては、いずれの画素値も正となる。
【0070】
一方、物質Q2の場合、加重加算処理は、カルシウムの密度を表す画素値とヨウ素の密度を表す画素値とによる「補外処理」に相当する。そのため、図3に示すように、加重加算に用いるカルシウム密度画像における画素値(+w21・Vca)とヨウ素密度画像における画素値(−w22・Vio)とにおいては、ヨウ素密度画像における画素値が負となる。
【0071】
つまり、上記モデルの基底物質をヨウ素およびカルシウムとしたときのヨウ素密度画像Gio(ca,io)において負の画素値を持つ画素は、X線吸収係数がカルシウムより小さい物質を表している。
【0072】
実際に得られるヨウ素密度画像には、このようなX線吸収係数がカルシウムより小さい物質の成分が分離し切れずに残ることが想定される。しかしながら、このような物質を表す画素は、仮想非造影画像を得る際に仮想造影画像から減算すべき画素ではない。そこで、このような画素は減算の対象から予め外しておくとよい。
【0073】
ステップS7では、仮想造影画像としての第1モノクロマチック画像Gme1と、仮想非造影画像Gvncとをモニタに表示する。
【0074】
(第二実施形態)
第一実施形態では、仮想非造影画像を得る際に仮想造影画像から減算するヨウ素密度画像、すなわち上記モデルの基底物質をカルシウムおよびヨウ素としたときのヨウ素密度画像Gio(ca,io)を、第2および第3モノクロマチック画像Gme2,Gme3の加重減算処理により求めている。
【0075】
一方、第二実施形態では、仮想非造影画像を得る際に仮想造影画像から減算するヨウ素密度画像Gio(ca,io)を、第1および第2管電圧投影データPv1,Pv2を加重減算処理して得られたヨウ素密度投影データio(ca,io)の画像再構成処理により求める。
【0076】
図4は、第二実施形態に係るX線CT装置における処理の流れを示す図である。
【0077】
ステップT1では、ステップS1と同様に、X線CTデュアルエネルギー撮影を行って、第1管電圧投影データPv1および第2管電圧投影データPv2を収集する。
【0078】
ステップT2では、第1管電圧投影データPv1と第2管電圧投影データPv2とを加重減算処理して、上記モデルの基底物質を水およびヨウ素としたときの、水密度投影データPw(w,io)およびヨウ素密度投影データPio(w,io)を生成する。また、第1管電圧投影データPv1と第2管電圧投影データPv2とを加重減算処理して、上記モデルの基底物質をカルシウムおよびヨウ素としたときのヨウ素密度投影データPio(ca,io)を生成する。
【0079】
ステップT3では、水密度投影データPw(w,io)およびヨウ素密度投影データPio(w,io)をそれぞれ画像再構成処理して、上記モデルの基底物質を水およびヨウ素としたときの水密度画像Gw(w,io)およびヨウ素密度画像Gio(w,io)を再構成する。また、ヨウ素密度投影データPio(ca,io)を画像再構成処理して、上記モデルの基底物質をカルシウムおよびヨウ素としたときのヨウ素密度画像Gio(ca,io)を再構成する。
【0080】
ステップT4では、水密度画像Gw(w,io)およびヨウ素密度画像Gio(w,io)を加重加算処理して、第1モノクロマチック画像Gme1を再構成する。
【0081】
ステップT5では、ステップS6と同様に、仮想造影画像としての第1モノクロマチック画像Gme1から、ヨウ素抽出画像としてのヨウ素密度画像Gio(ca,io)を、減算処理または加重減算処理して、仮想非造影画像Gvncを得る。この際、第一実施形態と同様に、ヨウ素密度画像に対して「負の画素値をゼロに変換する処理」を施す。
【0082】
ステップT6では、ステップS7と同様に、仮想造影画像としての第1モノクロマチック画像Gme1と、仮想非造影画像Gvncとをモニタに表示する。
【0083】
(第三実施形態)
第一実施形態では、モノクロマチック画像を再構成する際の加重加算処理に用いる水密度画像Gw(w,io)およびヨウ素密度画像Gio(w,io)を、第1および第2管電圧投影データPv1,Pv2を加重減算処理して得られた水密度投影データPw(w,io)およびヨウ素密度投影データio(w,io)の画像再構成処理により求めている。また、仮想非造影画像を得る際に仮想造影画像から減算するヨウ素密度画像、すなわち上記モデルの基底物質をカルシウムおよびヨウ素としたときのヨウ素密度画像Gio(ca,io)を、第2および第3モノクロマチック画像Gme2,Gme3の加重減算処理により求めている。
【0084】
一方、第三実施形態では、モノクロマチック画像を再構成する際の加重加算処理に用いる水密度画像Gw(w,io)およびヨウ素密度画像Gio(w,io)を、第1および第2管電圧投影データPv1,Pv2を画像再構成処理して得られた第1および第2管電圧画像Gv1,Gv2の加重減算処理により求める。また、仮想非造影画像Gvncを得る際に仮想造影画像Gme1から減算するヨウ素密度画像Gio(ca,io)を、第1および第2管電圧画像Gv1,Gv2の加重減算処理により求める。
【0085】
図5は、第三実施形態に係るX線CT装置における処理の流れを示す図である。
【0086】
ステップU1では、ステップS1と同様に、X線CTデュアルエネルギー撮影を行って、第1管電圧投影データPv1および第2管電圧投影データPv2を収集する。
【0087】
ステップU2では、第1管電圧投影データPv1を画像再構成処理して、第1管電圧画像Gv1を再構成する。また、第2管電圧投影データPv2を画像再構成処理して、第2管電圧画像Gv2を再構成する。
【0088】
ステップU3では、第1管電圧画像Gv1と第2管電圧画像Gv2とを、第1および第2X線管電圧が80kVpおよび140kVpであり、上記モデルの基底物質が水およびヨウ素であり、消去したい物質の成分がヨウ素であるときに対応する重み付けで加重減算処理することにより、上記モデルの基底物質を水およびヨウ素としたときの水密度画像Gw(w,io)を再構成する。また、第1管電圧画像Gv1と第2管電圧画像Gv2とを、第1および第2X線管電圧が80kVpおよび140kVpであり、上記モデルの基底物質が水およびヨウ素であり、消去したい物質の成分が水であるときに対応する重み付けで加重減算処理することにより、上記モデルの基底物質を水およびヨウ素としたときのヨウ素密度画像Gio(w,io)を再構成する。さらに、第1管電圧画像Gv1と第2管電圧画像Gv2とを、第1および第2X線管電圧が80kVpおよび140kVpであり、上記モデルの基底物質がカルシウムおよびヨウ素であり、消去したい物質の成分がカルシウムであるときに対応する重み付けで加重減算処理することにより、上記モデルの基底物質をカルシウムおよびヨウ素としたときのヨウ素密度画像Gio(ca,io)を再構成する。
【0089】
ステップU4では、水密度画像Gw(w,io)およびヨウ素密度画像Gio(w,io)を加重加算処理して、第1モノクロマチック画像Gme1を再構成する。
【0090】
ステップU5では、ステップS6と同様に、仮想造影画像としての第1モノクロマチック画像Gme1から、ヨウ素抽出画像としてのヨウ素密度画像Gio(ca,io)を、減算処理または加重減算処理して、仮想非造影画像Gvncを得る。この際、第一実施形態と同様に、ヨウ素密度画像に対して「負の画素値をゼロに変換する処理」を施す。
【0091】
ステップU6では、ステップS7と同様に、仮想造影画像としての第1モノクロマチック画像Gme1と、仮想非造影画像Gvncとをモニタに表示する。
【0092】
このように上記の各実施形態によれば、ヨウ素を含む造影剤が投与された被検体のX線CTデュアルエネルギー撮影により、仮想非造影画像を高精度に得ることができる。その結果、造影画像に相当するモノクロマチック画像と、非造影画像に相当する仮想非造影画像の両方を、1回のデュアルエネルギー撮影によって得ることができ、造影撮影および非造影撮影をそれぞれ行う必要がなく、造影検査における低被曝化を実現できる。
【0093】
以上、発明の実施形態について説明したが、発明の実施形態は、上記のものに限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の形態を取り得る。すなわち、被検体のX線CTデュアルエネルギー撮影によって得られた投影データから、被検体の仮想造影画像と、被検体の仮想的なヨウ素の密度分布を表すヨウ素密度画像とを求め、仮想造影画像からヨウ素密度画像を減算することにより仮想非造影画像を求めるものであれば、どのような形態であってもよい。
【0094】
例えば、上記の各実施形態において、モノクロマチック画像は、水密度画像およびヨウ素密度画像を基に生成しているが、他の物質を基底物質とする物質密度画像を基に生成してもよい。
【0095】
また例えば、上記の各実施形態において、仮想造影画像からヨウ素密度画像を減算または加重減算する際に、ヨウ素密度画像に対して「負の画素値をゼロに変換する処理」を施しているが、この処理を省略することもできる。
【0096】
また例えば、上記の各実施形態はX線CT装置であるが、上記のような仮想非造影画像の生成機能を有する画像生成装置も発明の一実施形態である。
【0097】
また例えば、コンピュータを、上記の画像生成装置として機能させるためのプログラムもまた、発明の一実施形態である。
【符号の説明】
【0098】
1 操作コンソール
2 入力装置
3 中央処理装置
5 データ収集バッファ
6 モニタ
7 記憶装置
10 撮影テーブル
12 クレードル
15 回転部
16 支持部
20 走査ガントリ
21 X線管
22 X線管コントローラ
23 コリメータ
24 X線検出器
25 データ収集装置(DAS)
26 回転部コントローラ
29 制御コントローラ
30 スリップリング
40 被検体
81 X線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヨウ素を含む造影剤が投与された被検体のX線CTデュアルエネルギー撮影により得られたデータに基づいて、前記被検体を所望の実効X線エネルギーのX線を用いてX線CT撮影したときに得られる画像に相当する仮想造影画像を生成する第1の生成手段と、
前記データに基づいて、前記被検体をヨウ素とヨウ素以外の所定物質との合成で表すモデルに基づく、前記被検体における仮想的なヨウ素の密度分布を表すヨウ素密度画像を生成する第2の生成手段と、
前記仮想造影画像から前記ヨウ素密度画像を減算または加重減算することにより、前記被検体の非造影撮影により得られる画像に相当する仮想非造影画像を生成する第3の生成手段とを備えた画像生成装置。
【請求項2】
ヨウ素を含む造影剤が投与された被検体のX線CTデュアルエネルギー撮影により得られたデータに基づいて、前記被検体を所望の実効X線エネルギーのX線を用いてX線CT撮影したときに得られる画像に相当する仮想造影画像を生成する第1の生成手段と、
前記データに基づいて、前記被検体をヨウ素とヨウ素以外の所定物質との合成で表すモデルに基づく、前記被検体における仮想的なヨウ素の密度分布を表すヨウ素密度画像を生成する第2の生成手段と、
前記ヨウ素密度画像に対して負の画素値をゼロに変換する処理を施し、前記仮想造影画像から該処理済みのヨウ素密度画像を減算または加重減算することにより、前記被検体の非造影撮影により得られる画像に相当する仮想非造影画像を生成する第3の生成手段とを備えた画像生成装置。
【請求項3】
前記所定物質は、X線吸収係数が水より大きくヨウ素より小さい物質である請求項1または請求項2に記載の画像生成装置。
【請求項4】
前記所定物質は、カルシウムである請求項3に記載の画像生成装置。
【請求項5】
前記データは、第1のエネルギーのX線による第1の投影データと、前記第1のエネルギーとは異なる第2のエネルギーのX線による第2の投影データとを含んでおり、
前記第1の生成手段は、前記第1の投影データと前記第2の投影データとを2種類の重み付けにより加重減算処理して2種類の投影データを得、該2種類の投影データをそれぞれ画像再構成処理して、前記被検体を互いに異なる第1の物質および第2の物質の合成で表すモデルに基づく、前記被検体における仮想的な前記第1の物質の密度分布を表す第1の物質密度画像と、前記被検体における仮想的な前記第2の物質の密度分布を表す第2の物質密度画像とを得、該第1および第2の物質密度画像を加重加算処理することにより前記仮想造影画像を生成する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の画像生成装置。
【請求項6】
前記データは、第1のエネルギーのX線による第1の投影データと、前記第1のエネルギーとは異なる第2のエネルギーのX線による第2の投影データとを含んでおり、
前記第1の生成手段は、前記第1の投影データと前記第2の投影データとをそれぞれ画像再構成処理して2種類の画像を得、該2種類の画像を2種類の重み付けにより加重減算処理して、前記被検体を互いに異なる第1の物質および第2の物質の合成で表すモデルに基づく、前記被検体における仮想的な前記第1の物質の密度分布を表す第1の物質密度画像と、前記被検体における仮想的な前記第2の物質の密度分布を表す第2の物質密度画像とを得、該第1および第2の物質密度画像を加重加算処理することにより前記仮想造影画像を生成する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の画像生成装置。
【請求項7】
前記第2の生成手段は、前記第1および第2の物質密度画像を2種類の重み付けにより加重加算処理して、前記被検体を第1の実効X線エネルギーのX線を用いてX線CT撮影したときに得られる画像に相当する第1の画像と、前記被検体を第2の実効X線エネルギーのX線を用いてX線CT撮影したときに得られる画像に相当する第2の画像とを得、該第1および第2の画像を前記所定物質の成分が消去されるように加重減算処理することにより前記ヨウ素密度画像を生成する請求項5または請求項6に記載の画像生成装置。
【請求項8】
前記第2の生成手段は、前記第1の投影データと前記第2の投影データとを前記所定物質の成分が消去されるように加重減算処理して第3の投影データを得、該第3の投影データを画像再構成処理することにより前記ヨウ素密度画像を生成する請求項5または請求項6に記載の画像生成装置。
【請求項9】
前記第2の生成手段は、前記第1の投影データと前記第2の投影データとをそれぞれ画像再構成処理して2種類の画像を得、該2種類の画像を前記所定物質の成分が消去されるように加重減算処理することにより前記ヨウ素密度画像を生成する請求項5または請求項6に記載の画像生成装置。
【請求項10】
前記第1および第2の物質は、水およびヨウ素である請求項5から請求項9のいずれか一項に記載の画像生成装置。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の画像生成装置を備えたX線CT装置。
【請求項12】
コンピュータを、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の画像生成装置として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−245235(P2012−245235A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−120526(P2011−120526)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(300019238)ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー (1,125)
【Fターム(参考)】