画像表示システム及び画像表示方法
【課題】可視画像に利用可能な光源を用いて可視画像と不可視画像とを表示可能な画像表示システム及び画像表示方法を得る。
【解決手段】第1の領域41の明度は、第3の領域43の明度と異なるため、裸眼で第1の画像50を観察するユーザは、第1の領域41と第3の領域43との境界を認識する。第2の領域42の三刺激値の値は、第3の領域43の輝度から求められる三刺激値と同じである。これをユーザが観察すると、第1の領域41が明るく見え、第2の領域42と第3の領域43が同じ明るさであって第1の領域41よりも暗く認識する。ユーザがデジタルカメラ30を用いて第1の画像50を撮影すると、撮影フィルタ33を透過した被写体像においては、第1の領域41が最も明るく、その次に第2の領域42が明るく、第3の領域43が最も暗い。
【解決手段】第1の領域41の明度は、第3の領域43の明度と異なるため、裸眼で第1の画像50を観察するユーザは、第1の領域41と第3の領域43との境界を認識する。第2の領域42の三刺激値の値は、第3の領域43の輝度から求められる三刺激値と同じである。これをユーザが観察すると、第1の領域41が明るく見え、第2の領域42と第3の領域43が同じ明るさであって第1の領域41よりも暗く認識する。ユーザがデジタルカメラ30を用いて第1の画像50を撮影すると、撮影フィルタ33を透過した被写体像においては、第1の領域41が最も明るく、その次に第2の領域42が明るく、第3の領域43が最も暗い。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置により撮像したときとユーザが肉眼で観察したときとで得られる画像が異なる画像表示システム及び画像表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
可視光と赤外光とを含む光を射出する照明部と、照明部からの可視光及び赤外光を変調する光変調手段とを有するプロジェクタが知られている。このプロジェクタは、不可視の赤外画像と可視画像とを重ねて1つのスクリーンに表示する。これにより、表示情報を制御するとともに、投影された画像の盗撮等の不正行為を抑制する(特許文献1から4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−299179号公報
【特許文献2】特開2008−209709号公報
【特許文献3】特開2008−185673号公報
【特許文献4】特開2008−176195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、赤外画像は人間の目で感知できないため、赤外光を利用して可視画像を描画することはできない。また、赤外光を発光する機能は、赤外画像を表示しないときには冗長となる。
【0005】
本発明はこれらの問題を鑑みてなされたものであり、可視画像に利用可能な光源を用いて可視画像と不可視画像とを表示可能な画像表示システム及び画像表示方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願第1の発明による画像表示システムは、互いに独立である複数の色を各々発光する第1の発光素子群と、第1の発光素子群とは異なる色であって互いに独立である複数の色を各々発光する第2の発光素子群とから成る画素を複数備える表示部材と、第1及び第2の発光素子群の発光輝度を制御する発光制御部と、第1及び第2の発光素子群が発光する複数の色の光のいずれかを透過しない撮影フィルタを有する撮像装置とを備え、発光制御部は、第1の発光素子群及び第2の発光素子群が発光可能な複数の色の光の組合せである第1の組合せと、第1の組合せとは異なる組合せである第2の組合せとを用い、第1の組合せによる三刺激値と第2の組合せによる三刺激値とが等しくなるように、第1及び第2の発光素子群の発光輝度を制御することを特徴とする。
【0007】
表示部材は、表示する画像に応じて設けられる第1の領域及び第2の領域を有し、発光制御部は、第1の領域内に位置する第1及び第2の発光素子群の発光輝度が互いに等しくなり、第2の領域内に位置する第2の発光素子群の発光輝度が互いに等しくなり、かつ第1の領域を構成する画素の1つにおいて、その画素に属する全ての発光素子の輝度の合計が、第2の領域を構成する画素の1つに属する全ての発光素子の輝度の合計と等しくなるように、第1及び第2の発光素子群の発光輝度を制御することが好ましい。
【0008】
表示部材は、表示する画像に応じて設けられる第3の領域をさらに有し、発光制御部は、第3の領域内に位置する第1の発光素子群の発光輝度が互いに等しくなるように、かつ第1及び第2の領域内に位置する第1及び第2の発光素子群の発光輝度と異なるように制御することが好ましい。
【0009】
第1及び第2の発光素子群は、発光する光を混色することにより複数色の光を生成可能であることが好ましい。
【0010】
第1の発光素子群は、RGB各色の発光色を有する発光素子から成り、第2の発光素子群は、CYM各色の発光色を有する発光素子から成ることが好ましい。
【0011】
撮影フィルタは、R、G、B、C、Y、M各色のうち1色以上の光を透過しないことが好ましい。
【0012】
本願第2の発明による画像表示装置は、互いに独立である複数の色を各々発光する第1の発光素子群と、第1の発光素子群とは異なる色であって互いに独立である複数の色を各々発光する第2の発光素子群とから成る画素を複数備える表示部材と、第1及び第2の発光素子群の発光輝度を制御する発光制御部とを備え、発光制御部は、第1の発光素子群及び第2の発光素子群が発光可能な複数の色の光の組合せである第1の組合せと、第1の組合せとは異なる組合せである第2の組合せとを用い、第1の組合せによる三刺激値と第2の組合せによる三刺激値とが等しくなるように、第1及び第2の発光素子群の発光輝度を制御することを特徴とする。
【0013】
本願第3の発明による画像表示方法は、互いに独立である複数の色を各々発光する第1の発光素子群と、第1の発光素子群とは異なる色であって互いに独立である複数の色を各々発光する第2の発光素子群とから成る画素を複数備える表示部材を用いて、複数の色領域を有する画像を表示する画像表示方法であって、第1の発光素子群が発した光による三刺激値が、第2の発光素子群が発した光による三刺激値と等しくなるように発光するステップと、色領域に設けられる第1の領域内に位置する第1及び第2の発光素子群の発光輝度が互いに等しくなるように、第1及び第2の発光素子群が発光するステップと、色領域に設けられる第2の領域内に位置する第2の発光素子群の発光輝度が互いに等しくなるように、第2の発光素子群が発光するステップと、第1の領域を構成する画素の1つにおいて、その画素に属する全ての発光素子の輝度の合計が、第2の領域を構成する画素の1つに属する全ての発光素子の輝度の合計と等しくなるように、第1及び第2の発光素子群が発光するステップとを備えることを特徴とする。
【0014】
色領域は第3の領域をさらに有し、第3の領域内に位置する第1の発光素子群が、互いに等しい発光輝度で発光するステップと、第3の領域内に位置する第1及び第2の発光素子群が、第1及び第2の領域内に位置する第1及び第2の発光素子群の発光輝度と異なる発光輝度で発光するステップとをさらに備えることが好ましい。
【0015】
第1の発光素子群は、赤色(r)、緑色(g)及び青色(b)を発光し、第2の発光素子群は、シアン色(c)、マゼンタ色(m)及びイエロー色(y)を発光し、第2の領域の明度L2、第3の領域の明度L3、第2の領域のピクセルが有する各画素の輝度値[r2,g2,b2,c2,m2,y2]、第3の領域のピクセルが有する各画素の輝度値[r3,g3,b3,c3,m3,y3]、第2の領域のピクセルが有する各画素の輝度値により得られた三刺激値[X2,Y2,Z2]、及び第3の領域のピクセルが有する各画素の輝度値により得られた三刺激値[X3,Y3,Z3]は、以下の式により決定されることが好ましい。
L1>L2
[X2,Y2,Z2]=[X3,Y3,Z3]
[r2,g2,b2,c2,m2,y2]≠[r3,g3,b3,c3,m3,y3]
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、可視画像に利用可能な光源を用いて可視画像と不可視画像とを表示可能な画像表示システム及び画像表示方法を得る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1の実施形態による画像表示システムを模式的に示した図である。
【図2】画素を拡大して表示した図である。
【図3】デジタルカメラ断面の概略図である。
【図4】デジタルカメラのフィルタが透過する光の波長を示した図である。
【図5】人間の目における等色関数を模式的に示した図である。
【図6】第1の画像を示した図である。
【図7】各領域に位置する画素が発光する光の波長を示した図である。
【図8】ユーザが裸眼で見たときの画面を示した図である。
【図9】画素が発光した光のうち、デジタルカメラのフィルタを通過した光の波長を示した図である。
【図10】デジタルカメラのフィルタを介して見たときの画面を示した図である。
【図11】各領域に位置する画素が発光する光の波長を示した図である。
【図12】第2の画像を示した図である。
【図13】ユーザが裸眼で見たときの第2の画像を示した図である。
【図14】画素が発光した光のうち、デジタルカメラのフィルタを通過した光の波長を示した図である。
【図15】デジタルカメラのフィルタを介して見たときの第2の画像を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明における画像表示システム100について添付図面を参照して説明する。
【0019】
図1から4を参照すると、画像表示システム100は、画像生成装置10、ディスプレイ20、及びデジタルカメラ30から構成される。
【0020】
画像生成装置10とディスプレイ20はケーブルで接続され、画像生成装置10が作成した画像をディスプレイ20が表示する。ユーザ40は、裸眼でディスプレイ20に表示される画像を観察、又はデジタルカメラ30によりディスプレイ20に表示される画像を撮影可能である。
【0021】
ディスプレイ20は画面を有する。画面は、複数のピクセル21により構成され、1つのピクセル21は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)、シアン色(C)、マゼンタ色(M)、及びイエロー色(Y)の光を透過する6種類のフィルタを1つずつ有する。これらのフィルタを透過する光の波長の外縁は、他のフィルタを透過する光の波長とわずかに重複する。
【0022】
これら6種類のフィルタは、図2に示すような特定の様式に従って1ピクセルの中に並べられる。以下、赤色に発色する画素をR画素、緑色に発色する画素をG画素、青色に発色する画素をB画素、シアン色に発色する画素をC画素、マゼンタ色に発色する画素をM画素、及びイエロー色に発色する画素をY画素と呼ぶ。
【0023】
画像生成装置10は、画像を生成するGPU11と、画像を一時的に記憶するVRAM(画像メモリ)12を備える。VRAM12は各画素に対応するメモリ領域を備え、各画素の輝度を各メモリ領域に記憶する。画像生成装置10が外部から画像を受信すると、GPU11は、VRAM12に画像を一時的に記憶させながら、受信した画像に応じて各画素の輝度を決定する。その後、ディスプレイ20に画像信号を出力する。
【0024】
デジタルカメラ30は、ミラーボックス36内に設けられるリターンミラー31、シャッター幕32、撮影フィルタ33、及び撮像素子34を有する。撮像レンズ35が着脱自在にデジタルカメラ30に取り付けられる。
【0025】
撮影時においては、まず、リターンミラー31が上げられ、シャッター幕32が開かれる。被写体像は、撮像レンズ35を介してデジタルカメラ30に入射し、ミラーボックス36内を通過した後、撮影フィルタ33を透過して撮像素子34に結像する。撮像素子34は被写体像を電気信号に変換し、デジタルカメラ30は、この電気信号を用いて撮影画像を作成する。
【0026】
撮影フィルタ33は、特定の波長の光を透過する観察角度依存性の少ない染色フィルタであって、図4に図示するような光透過特性を有する。図4は、撮影フィルタ33の光透過特性を模式的に示したものであり、説明のため簡略化している。
【0027】
図4に示されるグラフにおいて、横軸は光の波長を示す。横軸の下に記載した文字は、その波長の光が人間の目に入ったとき、人間が感じる色を表す。Bは青色、Cはシアン色、Gは緑色、Yはイエロー色、Rは赤色を示す。撮影フィルタ33は、シアン色、イエロー色周辺の波長の光を透過せず、青色、緑色、赤色周辺の波長の光を透過する特性を有する。この透過特性は、一般的なデジタルカメラが備える撮影フィルタの透過特性を模式的に示したものである。
【0028】
人間の目は、図5に図示するような等色関数を有する。図5は、等色関数を模式的に示したものであり、説明のため簡略化している。例えばBの波長のみを有する光が人間の目に入ったとき、人間は、青色を感じる。
【0029】
複数の波長を有する光が人間の目に入ったとき、人間が感じる色は、各波長における輝度を等色関数により変換して求められる三刺激値による。ディスプレイ20のように6種類の光を発光する場合、三刺激値X、Y、Zは、等色関数x(λ)、y(λ)及びz(λ)を用いて、以下の式により求められる。Xは赤色に対する刺激値、Yは緑色に対する刺激値、Zは青色に対する刺激値である。
X=∫[380:780]{r・Sr(λ)+g・Sg(λ)+b・Sb(λ)+c・Sc(λ)+m・Sm(λ)+y・Sy(λ)}・x(λ)dλ
Y=∫[380:780]{r・Sr(λ)+g・Sg(λ)+b・Sb(λ)+c・Sc(λ)+m・Sm(λ)+y・Sy(λ)}・y(λ)dλ
Z=∫[380:780]{r・Sr(λ)+g・Sg(λ)+b・Sb(λ)+c・Sc(λ)+m・Sm(λ)+y・Sy(λ)}・z(λ)dλ
ここで、rはR画素の発光輝度、gはG画素の発光輝度、bはB画素の発光輝度、cはC画素の発光輝度、mはM画素の発光輝度、yはY画素の発光輝度である。そして、Sr(λ)はR画素のフィルタを透過した光の分光分布、Sg(λ)はG画素のフィルタを透過した光の分光分布、Sb(λ)はB画素のフィルタを透過した光の分光分布、Sc(λ)はC画素のフィルタを透過した光の分光分布、Sm(λ)はM画素のフィルタを透過した光の分光分布、Sy(λ)はY画素のフィルタを透過した光の分光分布である。
【0030】
次に、外部から受信した第1の画像50を画像生成装置10が画像処理して、ディスプレイ20に表示する構成について図6から8を用いて説明する。
【0031】
第1の画像50は、各画素の輝度が各々異なる第1、第2、及び第3の領域41、42、43を有する。
【0032】
GPU11は、各領域内に位置する1ピクセルが有する各画素の輝度分布を図7に示すような値に設定する。すなわち、第1の領域41では、B画素、G画素、及びR画素が輝度2.5で各々発光する。第2の領域42では、B画素、C画素、G画素、Y画素、及びR画素が輝度1で各々発光する。そして、第3の領域43では、B画素、G画素、及びR画素が輝度1.75で各々発光する。これらの輝度は、以下の3式のいずれをも満たすように決定される。
L1>L2
[X2,Y2,Z2]=[X3,Y3,Z3]
[r2,g2,b2,c2,m2,y2]≠[r3,g3,b3,c3,m3,y3]
ここで、Lnは第nの領域の明度、[rn,gn,bn,cn,mn,yn]は第nの領域のピクセルが有する各画素の輝度値、[Xn,Yn,Zn]は第nの領域のピクセルが有する各画素の輝度値により得られた三刺激値である。
【0033】
すなわち、第1の領域41の明度は第2の領域42の明度よりも高く、第2の領域42と第3の領域43の輝度値は互いに異なり、第2の領域42と第3の領域43の三刺激値は互いに等しい。
【0034】
そして、このようにして得られた第1の画像50をディスプレイ20に表示する。
【0035】
ユーザ40が裸眼で第1の画像50を観察する場合について図7及び8を用いて説明する。
【0036】
第1及び第3の領域41、43内に位置するB画素、G画素、R画素は、ユーザ40が黒色から白色光を認識するような輝度で各々発光する。しかし、第1の領域41における各画素の輝度から求められる第1の領域41の明度は、第3の領域43における各画素の輝度から求められる明度と異なるため、ユーザ40は、第1の領域41と第3の領域43との境界を認識する。
【0037】
第2の領域42は、B画素、G画素、R画素、C画素、及びY画素が同じ輝度で発光している。これらの輝度を等色関数により求められる三刺激値の値は、第3の領域43の輝度から求められる三刺激値と同じである。そのため、ユーザ40は、第2の領域42と第3の領域43は、同じ色を発光していると認識する。これをユーザ40が観察すると、第1の領域41が明るく見え、第2の領域42と第3の領域43が同じ明るさであって第1の領域41よりも暗く認識する(図8参照)。
【0038】
すなわち、ユーザ40が裸眼で第1の画像50を観察すると、図8に示すような画像を認識できる。
【0039】
ユーザ40がデジタルカメラ30を用いて第1の画像50を撮影する場合について説明する。デジタルカメラ30の撮影フィルタ33は、シアン色及びイエロー色周辺の波長を有する光を透過しない(図4参照)。そのため、デジタルカメラ30の撮影フィルタ33を透過した第1の画像50の波長は、図7に示す波長と比較して、シアン色及びイエロー色周辺の波長が欠けたものになる(図9参照)。
【0040】
デジタルカメラ30を用いてこれを撮影すると、撮影フィルタ33を透過した被写体像においては、第1の領域41が最も明るく、その次に第2の領域42が明るく、第3の領域43が最も暗い(図10参照)。これは、デジタルカメラ30の撮影フィルタ33によりシアン色及びイエロー色周辺の波長が削られることにより、第1から第3の領域41、42、43の明度が互いに異なって見えるためである。すなわち、第1の領域41は、青色、緑色、及び赤色周辺の光による明度で発光しているように見え、第2の領域42は、青色、緑色、及び赤色に加え、シアン色及びイエロー色外縁の光による明度で発光しているように見え、第3の領域43は、青色、緑色、及び赤色周辺の光による明度で発光しているように見える。
【0041】
ユーザ40がデジタルカメラ30で撮影した第1の画像50を観察すると、図10に示すような画像を認識できる。
【0042】
次に、外部から受信した第2の画像60を画像生成装置10が画像処理して、ディスプレイ20に表示する構成について図11から15を用いて説明する。
【0043】
第2の画像60は、各画素の輝度が各々異なる第4、第5、及び第6の領域71、72、73を有する。第2の画像60では、第5の領域72は、第4の領域71の詳細が不明となるような位置及び形状で設けられる。
【0044】
GPU11は、各領域内に位置する1ピクセルが有する各画素の輝度分布を図11に示すような値に設定する。すなわち、第4の領域71では、B画素、G画素、及びR画素が輝度2.5で各々発光する。第5の領域72では、B画素、C画素、G画素、Y画素、及びR画素が輝度1.5で各々発光する。そして、第6の領域73では、B画素、G画素、及びR画素が輝度1.75で各々発光する。これらの輝度は、以下の3式のいずれをも満たすように決定される。
L4=L5>L6
[X4,Y4,Z4]=[X5,Y5,Z5]
[r4,g4,b4,c4,m4,y4]≠[r5,g5,b5,c5,m5,y5]
ここで、Lnは第nの領域の明度、[rn,gn,bn,cn,mn,yn]は第nの領域のピクセルが有する各画素の輝度値、[Xn,Yn,Zn]は第nの領域のピクセルが有する各画素の輝度値により得られた三刺激値である。
【0045】
すなわち、第4の領域71の明度は第5の領域72の明度よりも高く、第5の領域72と第6の領域73の輝度値は互いに異なり、第4の領域71と第5の領域72の三刺激値は互いに等しい。
【0046】
そして、このようにして得られた第2の画像60をディスプレイ20に表示する。
【0047】
ユーザ40が裸眼で第2の画像60を観察する場合について図11から13を用いて説明する。
【0048】
第4及び第6の領域71、73内に位置するB画素、G画素、R画素は、ユーザ40が黒色から白色光を認識するような輝度で各々発光する。しかし、第4の領域71における各画素の輝度から求められる第4の領域71の明度は、第6の領域73における各画素の輝度から求められる明度と異なるため、ユーザ40は、第4の領域71と第6の領域7との境界を認識する。
【0049】
第5の領域72は、B画素、G画素、R画素、C画素、及びY画素が同じ輝度で発光している。これらの輝度を等色関数により求められる三刺激値の値は、第4の領域71の輝度から求められる三刺激値と同じである。そのため、ユーザ40は、第5の領域72と第4の領域71は、同じ色を発光していると認識する。これをユーザ40が観察すると、第6の領域73が最も暗く見え、第4の領域71と第5の領域72とが同じ明るさであって第6の領域73よりも明るいと認識する(図13参照)。
【0050】
すなわち、ユーザ40が裸眼で第2の画像60を観察すると、図13に示すような画像を認識できる。
【0051】
ユーザ40がデジタルカメラ30を用いて第2の画像60を撮影する場合について説明する。前述のように、デジタルカメラ30の撮影フィルタ33は、シアン色及びイエロー色周辺の波長を有する光を透過しない(図4参照)。そのため、デジタルカメラ30の撮影フィルタ33を透過した第2の画像60の波長は、図11に示す波長と比較して、シアン色及びイエロー色周辺の波長が欠けたものになる(図13参照)。
【0052】
デジタルカメラ30を用いてこれを撮影すると、撮影フィルタ33を透過した被写体像においては、第4の領域71が最も明るく、その次に第5の領域72が明るく、第6の領域73が最も暗い(図15参照)。これは、デジタルカメラ30の撮影フィルタ33によりシアン色及びイエロー色周辺の波長が削られることにより、第4から第6の領域71−73の明度が互いに異なって見えるためである。すなわち、第4の領域71は、青色、緑色、及び赤色周辺の光による明度で発光しているように見え、第5の領域72は、青色、緑色、及び赤色に加え、シアン色及びイエロー色外縁の光による明度で発光しているように見え、第6の領域73は、青色、緑色、及び赤色周辺の光による明度で発光しているように見える。
【0053】
ユーザ40がデジタルカメラ30で撮影した第2の画像60を観察すると、図15に示すような画像を認識できる。
【0054】
本実施形態によれば、ユーザ40が裸眼で観察したときと、デジタルカメラ30を用いて撮影したときとで、画像表示システムはユーザ40に異なる画像を認識させることができる。例えば、第2の領域42に文字情報を表示することにより、ユーザ40に図形のみを認識させたいときには裸眼で観察させ、ユーザ40に文字情報を認知させたい場合には、デジタルカメラ30で撮影した画像を観察させればよい。また、第2の領域42を第1の領域41の詳細を隠すように配置することにより、ユーザ40が裸眼で観察したときには図形を認識できる一方で、撮影画像を観察した場合には図形を認識不可能とすることができる。これにより、撮影による情報流出を防止できる。
【0055】
また、デジタルカメラ30を用いて観察したとき、あるいは用いずに観察したとき、いずれの場合であっても、ユーザ40は画像を認識可能である。
【0056】
また、干渉を利用しないため、干渉フィルタよりも安価な染色フィルタを用いることが可能になるとともに、ユーザ40が認識する画像が観察角度に左右されない。
【0057】
また、撮影フィルタ33がシアン色及びイエロー色周辺の光を透過しない構成について説明したが、シアン色及びイエロー色ではなく、他の色であっても良い。
【0058】
撮影フィルタ31の透過特性は、図4に図示するような光透過特性に限定されない。
【0059】
撮像装置がデジタルカメラ30であるとして説明したが、撮像装置はスチールカメラであっても良い。このとき、撮影フィルタ33は、例えば撮影レンズ35に取り付けられる。
【符号の説明】
【0060】
100 画像表示システム
10 画像生成装置
11 GPU
12 VRAM
20 ディスプレイ
30 デジタルカメラ
31 撮影フィルタ
40 ユーザ
41 第1の領域
42 第2の領域
43 第3の領域
50 第1の画像
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置により撮像したときとユーザが肉眼で観察したときとで得られる画像が異なる画像表示システム及び画像表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
可視光と赤外光とを含む光を射出する照明部と、照明部からの可視光及び赤外光を変調する光変調手段とを有するプロジェクタが知られている。このプロジェクタは、不可視の赤外画像と可視画像とを重ねて1つのスクリーンに表示する。これにより、表示情報を制御するとともに、投影された画像の盗撮等の不正行為を抑制する(特許文献1から4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−299179号公報
【特許文献2】特開2008−209709号公報
【特許文献3】特開2008−185673号公報
【特許文献4】特開2008−176195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、赤外画像は人間の目で感知できないため、赤外光を利用して可視画像を描画することはできない。また、赤外光を発光する機能は、赤外画像を表示しないときには冗長となる。
【0005】
本発明はこれらの問題を鑑みてなされたものであり、可視画像に利用可能な光源を用いて可視画像と不可視画像とを表示可能な画像表示システム及び画像表示方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願第1の発明による画像表示システムは、互いに独立である複数の色を各々発光する第1の発光素子群と、第1の発光素子群とは異なる色であって互いに独立である複数の色を各々発光する第2の発光素子群とから成る画素を複数備える表示部材と、第1及び第2の発光素子群の発光輝度を制御する発光制御部と、第1及び第2の発光素子群が発光する複数の色の光のいずれかを透過しない撮影フィルタを有する撮像装置とを備え、発光制御部は、第1の発光素子群及び第2の発光素子群が発光可能な複数の色の光の組合せである第1の組合せと、第1の組合せとは異なる組合せである第2の組合せとを用い、第1の組合せによる三刺激値と第2の組合せによる三刺激値とが等しくなるように、第1及び第2の発光素子群の発光輝度を制御することを特徴とする。
【0007】
表示部材は、表示する画像に応じて設けられる第1の領域及び第2の領域を有し、発光制御部は、第1の領域内に位置する第1及び第2の発光素子群の発光輝度が互いに等しくなり、第2の領域内に位置する第2の発光素子群の発光輝度が互いに等しくなり、かつ第1の領域を構成する画素の1つにおいて、その画素に属する全ての発光素子の輝度の合計が、第2の領域を構成する画素の1つに属する全ての発光素子の輝度の合計と等しくなるように、第1及び第2の発光素子群の発光輝度を制御することが好ましい。
【0008】
表示部材は、表示する画像に応じて設けられる第3の領域をさらに有し、発光制御部は、第3の領域内に位置する第1の発光素子群の発光輝度が互いに等しくなるように、かつ第1及び第2の領域内に位置する第1及び第2の発光素子群の発光輝度と異なるように制御することが好ましい。
【0009】
第1及び第2の発光素子群は、発光する光を混色することにより複数色の光を生成可能であることが好ましい。
【0010】
第1の発光素子群は、RGB各色の発光色を有する発光素子から成り、第2の発光素子群は、CYM各色の発光色を有する発光素子から成ることが好ましい。
【0011】
撮影フィルタは、R、G、B、C、Y、M各色のうち1色以上の光を透過しないことが好ましい。
【0012】
本願第2の発明による画像表示装置は、互いに独立である複数の色を各々発光する第1の発光素子群と、第1の発光素子群とは異なる色であって互いに独立である複数の色を各々発光する第2の発光素子群とから成る画素を複数備える表示部材と、第1及び第2の発光素子群の発光輝度を制御する発光制御部とを備え、発光制御部は、第1の発光素子群及び第2の発光素子群が発光可能な複数の色の光の組合せである第1の組合せと、第1の組合せとは異なる組合せである第2の組合せとを用い、第1の組合せによる三刺激値と第2の組合せによる三刺激値とが等しくなるように、第1及び第2の発光素子群の発光輝度を制御することを特徴とする。
【0013】
本願第3の発明による画像表示方法は、互いに独立である複数の色を各々発光する第1の発光素子群と、第1の発光素子群とは異なる色であって互いに独立である複数の色を各々発光する第2の発光素子群とから成る画素を複数備える表示部材を用いて、複数の色領域を有する画像を表示する画像表示方法であって、第1の発光素子群が発した光による三刺激値が、第2の発光素子群が発した光による三刺激値と等しくなるように発光するステップと、色領域に設けられる第1の領域内に位置する第1及び第2の発光素子群の発光輝度が互いに等しくなるように、第1及び第2の発光素子群が発光するステップと、色領域に設けられる第2の領域内に位置する第2の発光素子群の発光輝度が互いに等しくなるように、第2の発光素子群が発光するステップと、第1の領域を構成する画素の1つにおいて、その画素に属する全ての発光素子の輝度の合計が、第2の領域を構成する画素の1つに属する全ての発光素子の輝度の合計と等しくなるように、第1及び第2の発光素子群が発光するステップとを備えることを特徴とする。
【0014】
色領域は第3の領域をさらに有し、第3の領域内に位置する第1の発光素子群が、互いに等しい発光輝度で発光するステップと、第3の領域内に位置する第1及び第2の発光素子群が、第1及び第2の領域内に位置する第1及び第2の発光素子群の発光輝度と異なる発光輝度で発光するステップとをさらに備えることが好ましい。
【0015】
第1の発光素子群は、赤色(r)、緑色(g)及び青色(b)を発光し、第2の発光素子群は、シアン色(c)、マゼンタ色(m)及びイエロー色(y)を発光し、第2の領域の明度L2、第3の領域の明度L3、第2の領域のピクセルが有する各画素の輝度値[r2,g2,b2,c2,m2,y2]、第3の領域のピクセルが有する各画素の輝度値[r3,g3,b3,c3,m3,y3]、第2の領域のピクセルが有する各画素の輝度値により得られた三刺激値[X2,Y2,Z2]、及び第3の領域のピクセルが有する各画素の輝度値により得られた三刺激値[X3,Y3,Z3]は、以下の式により決定されることが好ましい。
L1>L2
[X2,Y2,Z2]=[X3,Y3,Z3]
[r2,g2,b2,c2,m2,y2]≠[r3,g3,b3,c3,m3,y3]
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、可視画像に利用可能な光源を用いて可視画像と不可視画像とを表示可能な画像表示システム及び画像表示方法を得る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1の実施形態による画像表示システムを模式的に示した図である。
【図2】画素を拡大して表示した図である。
【図3】デジタルカメラ断面の概略図である。
【図4】デジタルカメラのフィルタが透過する光の波長を示した図である。
【図5】人間の目における等色関数を模式的に示した図である。
【図6】第1の画像を示した図である。
【図7】各領域に位置する画素が発光する光の波長を示した図である。
【図8】ユーザが裸眼で見たときの画面を示した図である。
【図9】画素が発光した光のうち、デジタルカメラのフィルタを通過した光の波長を示した図である。
【図10】デジタルカメラのフィルタを介して見たときの画面を示した図である。
【図11】各領域に位置する画素が発光する光の波長を示した図である。
【図12】第2の画像を示した図である。
【図13】ユーザが裸眼で見たときの第2の画像を示した図である。
【図14】画素が発光した光のうち、デジタルカメラのフィルタを通過した光の波長を示した図である。
【図15】デジタルカメラのフィルタを介して見たときの第2の画像を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明における画像表示システム100について添付図面を参照して説明する。
【0019】
図1から4を参照すると、画像表示システム100は、画像生成装置10、ディスプレイ20、及びデジタルカメラ30から構成される。
【0020】
画像生成装置10とディスプレイ20はケーブルで接続され、画像生成装置10が作成した画像をディスプレイ20が表示する。ユーザ40は、裸眼でディスプレイ20に表示される画像を観察、又はデジタルカメラ30によりディスプレイ20に表示される画像を撮影可能である。
【0021】
ディスプレイ20は画面を有する。画面は、複数のピクセル21により構成され、1つのピクセル21は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)、シアン色(C)、マゼンタ色(M)、及びイエロー色(Y)の光を透過する6種類のフィルタを1つずつ有する。これらのフィルタを透過する光の波長の外縁は、他のフィルタを透過する光の波長とわずかに重複する。
【0022】
これら6種類のフィルタは、図2に示すような特定の様式に従って1ピクセルの中に並べられる。以下、赤色に発色する画素をR画素、緑色に発色する画素をG画素、青色に発色する画素をB画素、シアン色に発色する画素をC画素、マゼンタ色に発色する画素をM画素、及びイエロー色に発色する画素をY画素と呼ぶ。
【0023】
画像生成装置10は、画像を生成するGPU11と、画像を一時的に記憶するVRAM(画像メモリ)12を備える。VRAM12は各画素に対応するメモリ領域を備え、各画素の輝度を各メモリ領域に記憶する。画像生成装置10が外部から画像を受信すると、GPU11は、VRAM12に画像を一時的に記憶させながら、受信した画像に応じて各画素の輝度を決定する。その後、ディスプレイ20に画像信号を出力する。
【0024】
デジタルカメラ30は、ミラーボックス36内に設けられるリターンミラー31、シャッター幕32、撮影フィルタ33、及び撮像素子34を有する。撮像レンズ35が着脱自在にデジタルカメラ30に取り付けられる。
【0025】
撮影時においては、まず、リターンミラー31が上げられ、シャッター幕32が開かれる。被写体像は、撮像レンズ35を介してデジタルカメラ30に入射し、ミラーボックス36内を通過した後、撮影フィルタ33を透過して撮像素子34に結像する。撮像素子34は被写体像を電気信号に変換し、デジタルカメラ30は、この電気信号を用いて撮影画像を作成する。
【0026】
撮影フィルタ33は、特定の波長の光を透過する観察角度依存性の少ない染色フィルタであって、図4に図示するような光透過特性を有する。図4は、撮影フィルタ33の光透過特性を模式的に示したものであり、説明のため簡略化している。
【0027】
図4に示されるグラフにおいて、横軸は光の波長を示す。横軸の下に記載した文字は、その波長の光が人間の目に入ったとき、人間が感じる色を表す。Bは青色、Cはシアン色、Gは緑色、Yはイエロー色、Rは赤色を示す。撮影フィルタ33は、シアン色、イエロー色周辺の波長の光を透過せず、青色、緑色、赤色周辺の波長の光を透過する特性を有する。この透過特性は、一般的なデジタルカメラが備える撮影フィルタの透過特性を模式的に示したものである。
【0028】
人間の目は、図5に図示するような等色関数を有する。図5は、等色関数を模式的に示したものであり、説明のため簡略化している。例えばBの波長のみを有する光が人間の目に入ったとき、人間は、青色を感じる。
【0029】
複数の波長を有する光が人間の目に入ったとき、人間が感じる色は、各波長における輝度を等色関数により変換して求められる三刺激値による。ディスプレイ20のように6種類の光を発光する場合、三刺激値X、Y、Zは、等色関数x(λ)、y(λ)及びz(λ)を用いて、以下の式により求められる。Xは赤色に対する刺激値、Yは緑色に対する刺激値、Zは青色に対する刺激値である。
X=∫[380:780]{r・Sr(λ)+g・Sg(λ)+b・Sb(λ)+c・Sc(λ)+m・Sm(λ)+y・Sy(λ)}・x(λ)dλ
Y=∫[380:780]{r・Sr(λ)+g・Sg(λ)+b・Sb(λ)+c・Sc(λ)+m・Sm(λ)+y・Sy(λ)}・y(λ)dλ
Z=∫[380:780]{r・Sr(λ)+g・Sg(λ)+b・Sb(λ)+c・Sc(λ)+m・Sm(λ)+y・Sy(λ)}・z(λ)dλ
ここで、rはR画素の発光輝度、gはG画素の発光輝度、bはB画素の発光輝度、cはC画素の発光輝度、mはM画素の発光輝度、yはY画素の発光輝度である。そして、Sr(λ)はR画素のフィルタを透過した光の分光分布、Sg(λ)はG画素のフィルタを透過した光の分光分布、Sb(λ)はB画素のフィルタを透過した光の分光分布、Sc(λ)はC画素のフィルタを透過した光の分光分布、Sm(λ)はM画素のフィルタを透過した光の分光分布、Sy(λ)はY画素のフィルタを透過した光の分光分布である。
【0030】
次に、外部から受信した第1の画像50を画像生成装置10が画像処理して、ディスプレイ20に表示する構成について図6から8を用いて説明する。
【0031】
第1の画像50は、各画素の輝度が各々異なる第1、第2、及び第3の領域41、42、43を有する。
【0032】
GPU11は、各領域内に位置する1ピクセルが有する各画素の輝度分布を図7に示すような値に設定する。すなわち、第1の領域41では、B画素、G画素、及びR画素が輝度2.5で各々発光する。第2の領域42では、B画素、C画素、G画素、Y画素、及びR画素が輝度1で各々発光する。そして、第3の領域43では、B画素、G画素、及びR画素が輝度1.75で各々発光する。これらの輝度は、以下の3式のいずれをも満たすように決定される。
L1>L2
[X2,Y2,Z2]=[X3,Y3,Z3]
[r2,g2,b2,c2,m2,y2]≠[r3,g3,b3,c3,m3,y3]
ここで、Lnは第nの領域の明度、[rn,gn,bn,cn,mn,yn]は第nの領域のピクセルが有する各画素の輝度値、[Xn,Yn,Zn]は第nの領域のピクセルが有する各画素の輝度値により得られた三刺激値である。
【0033】
すなわち、第1の領域41の明度は第2の領域42の明度よりも高く、第2の領域42と第3の領域43の輝度値は互いに異なり、第2の領域42と第3の領域43の三刺激値は互いに等しい。
【0034】
そして、このようにして得られた第1の画像50をディスプレイ20に表示する。
【0035】
ユーザ40が裸眼で第1の画像50を観察する場合について図7及び8を用いて説明する。
【0036】
第1及び第3の領域41、43内に位置するB画素、G画素、R画素は、ユーザ40が黒色から白色光を認識するような輝度で各々発光する。しかし、第1の領域41における各画素の輝度から求められる第1の領域41の明度は、第3の領域43における各画素の輝度から求められる明度と異なるため、ユーザ40は、第1の領域41と第3の領域43との境界を認識する。
【0037】
第2の領域42は、B画素、G画素、R画素、C画素、及びY画素が同じ輝度で発光している。これらの輝度を等色関数により求められる三刺激値の値は、第3の領域43の輝度から求められる三刺激値と同じである。そのため、ユーザ40は、第2の領域42と第3の領域43は、同じ色を発光していると認識する。これをユーザ40が観察すると、第1の領域41が明るく見え、第2の領域42と第3の領域43が同じ明るさであって第1の領域41よりも暗く認識する(図8参照)。
【0038】
すなわち、ユーザ40が裸眼で第1の画像50を観察すると、図8に示すような画像を認識できる。
【0039】
ユーザ40がデジタルカメラ30を用いて第1の画像50を撮影する場合について説明する。デジタルカメラ30の撮影フィルタ33は、シアン色及びイエロー色周辺の波長を有する光を透過しない(図4参照)。そのため、デジタルカメラ30の撮影フィルタ33を透過した第1の画像50の波長は、図7に示す波長と比較して、シアン色及びイエロー色周辺の波長が欠けたものになる(図9参照)。
【0040】
デジタルカメラ30を用いてこれを撮影すると、撮影フィルタ33を透過した被写体像においては、第1の領域41が最も明るく、その次に第2の領域42が明るく、第3の領域43が最も暗い(図10参照)。これは、デジタルカメラ30の撮影フィルタ33によりシアン色及びイエロー色周辺の波長が削られることにより、第1から第3の領域41、42、43の明度が互いに異なって見えるためである。すなわち、第1の領域41は、青色、緑色、及び赤色周辺の光による明度で発光しているように見え、第2の領域42は、青色、緑色、及び赤色に加え、シアン色及びイエロー色外縁の光による明度で発光しているように見え、第3の領域43は、青色、緑色、及び赤色周辺の光による明度で発光しているように見える。
【0041】
ユーザ40がデジタルカメラ30で撮影した第1の画像50を観察すると、図10に示すような画像を認識できる。
【0042】
次に、外部から受信した第2の画像60を画像生成装置10が画像処理して、ディスプレイ20に表示する構成について図11から15を用いて説明する。
【0043】
第2の画像60は、各画素の輝度が各々異なる第4、第5、及び第6の領域71、72、73を有する。第2の画像60では、第5の領域72は、第4の領域71の詳細が不明となるような位置及び形状で設けられる。
【0044】
GPU11は、各領域内に位置する1ピクセルが有する各画素の輝度分布を図11に示すような値に設定する。すなわち、第4の領域71では、B画素、G画素、及びR画素が輝度2.5で各々発光する。第5の領域72では、B画素、C画素、G画素、Y画素、及びR画素が輝度1.5で各々発光する。そして、第6の領域73では、B画素、G画素、及びR画素が輝度1.75で各々発光する。これらの輝度は、以下の3式のいずれをも満たすように決定される。
L4=L5>L6
[X4,Y4,Z4]=[X5,Y5,Z5]
[r4,g4,b4,c4,m4,y4]≠[r5,g5,b5,c5,m5,y5]
ここで、Lnは第nの領域の明度、[rn,gn,bn,cn,mn,yn]は第nの領域のピクセルが有する各画素の輝度値、[Xn,Yn,Zn]は第nの領域のピクセルが有する各画素の輝度値により得られた三刺激値である。
【0045】
すなわち、第4の領域71の明度は第5の領域72の明度よりも高く、第5の領域72と第6の領域73の輝度値は互いに異なり、第4の領域71と第5の領域72の三刺激値は互いに等しい。
【0046】
そして、このようにして得られた第2の画像60をディスプレイ20に表示する。
【0047】
ユーザ40が裸眼で第2の画像60を観察する場合について図11から13を用いて説明する。
【0048】
第4及び第6の領域71、73内に位置するB画素、G画素、R画素は、ユーザ40が黒色から白色光を認識するような輝度で各々発光する。しかし、第4の領域71における各画素の輝度から求められる第4の領域71の明度は、第6の領域73における各画素の輝度から求められる明度と異なるため、ユーザ40は、第4の領域71と第6の領域7との境界を認識する。
【0049】
第5の領域72は、B画素、G画素、R画素、C画素、及びY画素が同じ輝度で発光している。これらの輝度を等色関数により求められる三刺激値の値は、第4の領域71の輝度から求められる三刺激値と同じである。そのため、ユーザ40は、第5の領域72と第4の領域71は、同じ色を発光していると認識する。これをユーザ40が観察すると、第6の領域73が最も暗く見え、第4の領域71と第5の領域72とが同じ明るさであって第6の領域73よりも明るいと認識する(図13参照)。
【0050】
すなわち、ユーザ40が裸眼で第2の画像60を観察すると、図13に示すような画像を認識できる。
【0051】
ユーザ40がデジタルカメラ30を用いて第2の画像60を撮影する場合について説明する。前述のように、デジタルカメラ30の撮影フィルタ33は、シアン色及びイエロー色周辺の波長を有する光を透過しない(図4参照)。そのため、デジタルカメラ30の撮影フィルタ33を透過した第2の画像60の波長は、図11に示す波長と比較して、シアン色及びイエロー色周辺の波長が欠けたものになる(図13参照)。
【0052】
デジタルカメラ30を用いてこれを撮影すると、撮影フィルタ33を透過した被写体像においては、第4の領域71が最も明るく、その次に第5の領域72が明るく、第6の領域73が最も暗い(図15参照)。これは、デジタルカメラ30の撮影フィルタ33によりシアン色及びイエロー色周辺の波長が削られることにより、第4から第6の領域71−73の明度が互いに異なって見えるためである。すなわち、第4の領域71は、青色、緑色、及び赤色周辺の光による明度で発光しているように見え、第5の領域72は、青色、緑色、及び赤色に加え、シアン色及びイエロー色外縁の光による明度で発光しているように見え、第6の領域73は、青色、緑色、及び赤色周辺の光による明度で発光しているように見える。
【0053】
ユーザ40がデジタルカメラ30で撮影した第2の画像60を観察すると、図15に示すような画像を認識できる。
【0054】
本実施形態によれば、ユーザ40が裸眼で観察したときと、デジタルカメラ30を用いて撮影したときとで、画像表示システムはユーザ40に異なる画像を認識させることができる。例えば、第2の領域42に文字情報を表示することにより、ユーザ40に図形のみを認識させたいときには裸眼で観察させ、ユーザ40に文字情報を認知させたい場合には、デジタルカメラ30で撮影した画像を観察させればよい。また、第2の領域42を第1の領域41の詳細を隠すように配置することにより、ユーザ40が裸眼で観察したときには図形を認識できる一方で、撮影画像を観察した場合には図形を認識不可能とすることができる。これにより、撮影による情報流出を防止できる。
【0055】
また、デジタルカメラ30を用いて観察したとき、あるいは用いずに観察したとき、いずれの場合であっても、ユーザ40は画像を認識可能である。
【0056】
また、干渉を利用しないため、干渉フィルタよりも安価な染色フィルタを用いることが可能になるとともに、ユーザ40が認識する画像が観察角度に左右されない。
【0057】
また、撮影フィルタ33がシアン色及びイエロー色周辺の光を透過しない構成について説明したが、シアン色及びイエロー色ではなく、他の色であっても良い。
【0058】
撮影フィルタ31の透過特性は、図4に図示するような光透過特性に限定されない。
【0059】
撮像装置がデジタルカメラ30であるとして説明したが、撮像装置はスチールカメラであっても良い。このとき、撮影フィルタ33は、例えば撮影レンズ35に取り付けられる。
【符号の説明】
【0060】
100 画像表示システム
10 画像生成装置
11 GPU
12 VRAM
20 ディスプレイ
30 デジタルカメラ
31 撮影フィルタ
40 ユーザ
41 第1の領域
42 第2の領域
43 第3の領域
50 第1の画像
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに独立である複数の色を各々発光する第1の発光素子群と、前記第1の発光素子群とは異なる色であって互いに独立である複数の色を各々発光する第2の発光素子群とから成る画素を複数備える表示部材と、
前記第1及び第2の発光素子群の発光輝度を制御する発光制御部と、
前記第1及び第2の発光素子群が発光する複数の色の光のいずれかを透過しない撮影フィルタを有する撮像装置とを備え、
前記発光制御部は、前記第1の発光素子群及び前記第2の発光素子群が発光可能な複数の色の光の組合せである第1の組合せと、前記第1の組合せとは異なる組合せである第2の組合せとを用い、前記第1の組合せによる三刺激値と前記第2の組合せによる三刺激値とが等しくなるように、前記第1及び第2の発光素子群の発光輝度を制御する画像表示システム。
【請求項2】
前記表示部材は、表示する画像に応じて設けられる第1の領域及び第2の領域を有し、
前記発光制御部は、前記第1の領域内に位置する第1及び第2の発光素子群の発光輝度が互いに等しくなり、前記第2の領域内に位置する前記第2の発光素子群の発光輝度が互いに等しくなり、かつ前記第1の領域を構成する画素の1つにおいて、その画素に属する全ての発光素子の輝度の合計が、前記第2の領域を構成する画素の1つに属する全ての発光素子の輝度の合計と等しくなるように、前記第1及び第2の発光素子群の発光輝度を制御する請求項2に記載の画像表示システム。
【請求項3】
前記表示部材は、表示する画像に応じて設けられる第3の領域をさらに有し、
前記発光制御部は、前記第3の領域内に位置する前記第1の発光素子群の発光輝度が互いに等しくなるように、かつ前記第1及び第2の領域内に位置する前記第1及び第2の発光素子群の発光輝度と異なるように制御する請求項2に記載の画像表示システム。
【請求項4】
前記第1及び第2の発光素子群は、発光する光を混色することにより複数色の光を生成可能である請求項1に記載の画像表示システム。
【請求項5】
前記第1の発光素子群は、赤色、緑色、青色各色の発光色を有する発光素子から成り、前記第2の発光素子群は、シアン色、イエロー色、マゼンタ色各色の発光色を有する発光素子から成る請求項3に記載の画像表示システム。
【請求項6】
前記撮影フィルタは、赤色、緑色、青色、シアン色、イエロー色、マゼンタ色各色のうち1色以上の光を透過しない請求項5に記載の画像表示システム。
【請求項7】
互いに独立である複数の色を各々発光する第1の発光素子群と、前記第1の発光素子群とは異なる色であって互いに独立である複数の色を各々発光する第2の発光素子群とから成る画素を複数備える表示部材と、
前記第1及び第2の発光素子群の発光輝度を制御する発光制御部とを備え、
前記発光制御部は、前記第1の発光素子群及び前記第2の発光素子群が発光可能な複数の色の光の組合せである第1の組合せと、前記第1の組合せとは異なる組合せである第2の組合せとを用い、前記第1の組合せによる三刺激値と前記第2の組合せによる三刺激値とが等しくなるように、前記第1及び第2の発光素子群の発光輝度を制御する画像表示装置。
【請求項8】
互いに独立である複数の色を各々発光する第1の発光素子群と、前記第1の発光素子群とは異なる色であって互いに独立である複数の色を各々発光する第2の発光素子群とから成る画素を複数備える表示部材を用いて、複数の色領域を有する画像を表示する画像表示方法であって、
前記第1の発光素子群が発した光による三刺激値が、前記第2の発光素子群が発した光による三刺激値と等しくなるように発光するステップと、
前記色領域に設けられる第1の領域内に位置する前記第1及び第2の発光素子群の発光輝度が互いに等しくなるように、前記第1及び第2の発光素子群が発光するステップと、
前記色領域に設けられる第2の領域内に位置する前記第2の発光素子群の発光輝度が互いに等しくなるように、前記第2の発光素子群が発光するステップと、
前記第1の領域を構成する画素の1つにおいて、その画素に属する全ての発光素子の輝度の合計が、前記第2の領域を構成する画素の1つに属する全ての発光素子の輝度の合計と等しくなるように、前記第1及び第2の発光素子群が発光するステップと
を備える画像表示方法。
【請求項9】
前記色領域は第3の領域をさらに有し、
前記第3の領域内に位置する前記第1の発光素子群が、互いに等しい発光輝度で発光するステップと、
前記第3の領域内に位置する前記第1及び第2の発光素子群が、前記第1及び第2の領域内に位置する前記第1及び第2の発光素子群の発光輝度と異なる発光輝度で発光するステップと
をさらに備える請求項8に記載の画像表示方法。
【請求項10】
前記第1の発光素子群は、赤色(r)、緑色(g)及び青色(b)を発光し、前記第2の発光素子群は、シアン色(c)、マゼンタ色(m)及びイエロー色(y)を発光し、
前記第2の領域の明度L2、前記第3の領域の明度L3、第2の領域のピクセルが有する各画素の輝度値[r2,g2,b2,c2,m2,y2]、第3の領域のピクセルが有する各画素の輝度値[r3,g3,b3,c3,m3,y3]、第2の領域のピクセルが有する各画素の輝度値により得られた三刺激値[X2,Y2,Z2]、及び第3の領域のピクセルが有する各画素の輝度値により得られた三刺激値[X3,Y3,Z3]は、以下の式により決定される請求項9に記載の画像表示方法。
L1>L2
[X2,Y2,Z2]=[X3,Y3,Z3]
[r2,g2,b2,c2,m2,y2]≠[r3,g3,b3,c3,m3,y3]
【請求項1】
互いに独立である複数の色を各々発光する第1の発光素子群と、前記第1の発光素子群とは異なる色であって互いに独立である複数の色を各々発光する第2の発光素子群とから成る画素を複数備える表示部材と、
前記第1及び第2の発光素子群の発光輝度を制御する発光制御部と、
前記第1及び第2の発光素子群が発光する複数の色の光のいずれかを透過しない撮影フィルタを有する撮像装置とを備え、
前記発光制御部は、前記第1の発光素子群及び前記第2の発光素子群が発光可能な複数の色の光の組合せである第1の組合せと、前記第1の組合せとは異なる組合せである第2の組合せとを用い、前記第1の組合せによる三刺激値と前記第2の組合せによる三刺激値とが等しくなるように、前記第1及び第2の発光素子群の発光輝度を制御する画像表示システム。
【請求項2】
前記表示部材は、表示する画像に応じて設けられる第1の領域及び第2の領域を有し、
前記発光制御部は、前記第1の領域内に位置する第1及び第2の発光素子群の発光輝度が互いに等しくなり、前記第2の領域内に位置する前記第2の発光素子群の発光輝度が互いに等しくなり、かつ前記第1の領域を構成する画素の1つにおいて、その画素に属する全ての発光素子の輝度の合計が、前記第2の領域を構成する画素の1つに属する全ての発光素子の輝度の合計と等しくなるように、前記第1及び第2の発光素子群の発光輝度を制御する請求項2に記載の画像表示システム。
【請求項3】
前記表示部材は、表示する画像に応じて設けられる第3の領域をさらに有し、
前記発光制御部は、前記第3の領域内に位置する前記第1の発光素子群の発光輝度が互いに等しくなるように、かつ前記第1及び第2の領域内に位置する前記第1及び第2の発光素子群の発光輝度と異なるように制御する請求項2に記載の画像表示システム。
【請求項4】
前記第1及び第2の発光素子群は、発光する光を混色することにより複数色の光を生成可能である請求項1に記載の画像表示システム。
【請求項5】
前記第1の発光素子群は、赤色、緑色、青色各色の発光色を有する発光素子から成り、前記第2の発光素子群は、シアン色、イエロー色、マゼンタ色各色の発光色を有する発光素子から成る請求項3に記載の画像表示システム。
【請求項6】
前記撮影フィルタは、赤色、緑色、青色、シアン色、イエロー色、マゼンタ色各色のうち1色以上の光を透過しない請求項5に記載の画像表示システム。
【請求項7】
互いに独立である複数の色を各々発光する第1の発光素子群と、前記第1の発光素子群とは異なる色であって互いに独立である複数の色を各々発光する第2の発光素子群とから成る画素を複数備える表示部材と、
前記第1及び第2の発光素子群の発光輝度を制御する発光制御部とを備え、
前記発光制御部は、前記第1の発光素子群及び前記第2の発光素子群が発光可能な複数の色の光の組合せである第1の組合せと、前記第1の組合せとは異なる組合せである第2の組合せとを用い、前記第1の組合せによる三刺激値と前記第2の組合せによる三刺激値とが等しくなるように、前記第1及び第2の発光素子群の発光輝度を制御する画像表示装置。
【請求項8】
互いに独立である複数の色を各々発光する第1の発光素子群と、前記第1の発光素子群とは異なる色であって互いに独立である複数の色を各々発光する第2の発光素子群とから成る画素を複数備える表示部材を用いて、複数の色領域を有する画像を表示する画像表示方法であって、
前記第1の発光素子群が発した光による三刺激値が、前記第2の発光素子群が発した光による三刺激値と等しくなるように発光するステップと、
前記色領域に設けられる第1の領域内に位置する前記第1及び第2の発光素子群の発光輝度が互いに等しくなるように、前記第1及び第2の発光素子群が発光するステップと、
前記色領域に設けられる第2の領域内に位置する前記第2の発光素子群の発光輝度が互いに等しくなるように、前記第2の発光素子群が発光するステップと、
前記第1の領域を構成する画素の1つにおいて、その画素に属する全ての発光素子の輝度の合計が、前記第2の領域を構成する画素の1つに属する全ての発光素子の輝度の合計と等しくなるように、前記第1及び第2の発光素子群が発光するステップと
を備える画像表示方法。
【請求項9】
前記色領域は第3の領域をさらに有し、
前記第3の領域内に位置する前記第1の発光素子群が、互いに等しい発光輝度で発光するステップと、
前記第3の領域内に位置する前記第1及び第2の発光素子群が、前記第1及び第2の領域内に位置する前記第1及び第2の発光素子群の発光輝度と異なる発光輝度で発光するステップと
をさらに備える請求項8に記載の画像表示方法。
【請求項10】
前記第1の発光素子群は、赤色(r)、緑色(g)及び青色(b)を発光し、前記第2の発光素子群は、シアン色(c)、マゼンタ色(m)及びイエロー色(y)を発光し、
前記第2の領域の明度L2、前記第3の領域の明度L3、第2の領域のピクセルが有する各画素の輝度値[r2,g2,b2,c2,m2,y2]、第3の領域のピクセルが有する各画素の輝度値[r3,g3,b3,c3,m3,y3]、第2の領域のピクセルが有する各画素の輝度値により得られた三刺激値[X2,Y2,Z2]、及び第3の領域のピクセルが有する各画素の輝度値により得られた三刺激値[X3,Y3,Z3]は、以下の式により決定される請求項9に記載の画像表示方法。
L1>L2
[X2,Y2,Z2]=[X3,Y3,Z3]
[r2,g2,b2,c2,m2,y2]≠[r3,g3,b3,c3,m3,y3]
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図11】
【図12】
【図14】
【図8】
【図10】
【図13】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
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【図11】
【図12】
【図14】
【図8】
【図10】
【図13】
【図15】
【公開番号】特開2011−158815(P2011−158815A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−22055(P2010−22055)
【出願日】平成22年2月3日(2010.2.3)
【出願人】(000113263)HOYA株式会社 (3,820)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月3日(2010.2.3)
【出願人】(000113263)HOYA株式会社 (3,820)
【Fターム(参考)】
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