説明

画像表示装置、入出力切替え方法およびプログラム

【課題】入出力切替えを簡易にし、かつ消費電力を削減すること。
【解決手段】画像表示装置は、接続機器からの画像信号が入力される外部入力用端子と、接続機器からの画像信号および電圧信号が入力されるとともに、画像信号を接続機器に出力する外部入出力用端子と、外部入出力端子から入力された画像信号に基づく第1同期信号と、外部入出力端子から入力された電圧信号とを検出する検出部と、第1同期信号または電圧信号に基づいて、外部入力端子から入力された画像信号の外部入出力端子からの出力と、外部入出力端子から入力された画像信号の画像表示装置内部への出力とを切り替える切替制御部と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置、入出力切替え方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プロジェクタは、大画面の映像をスクリーンなどに投影することができ、映画鑑賞、プレゼンテーション、教育用等に用いられている。このようなプロジェクタでは、PC(Personal Computer)からのRGBアナログ映像信号を入力する端子、DSUB(15pin)端子を備えているのが一般的である。
【0003】
また、プロジェクタの外部入力端子数を減少させるため、DVD(Digital Versatile Disc)プレーヤからのYPbPr信号も、DSUB(15Pin)端子を使用して入力するプロジェクタが増加している。
【0004】
更に、この種のプロジェクタでは、上記DSUB(15pin)端子から入力されたアナログ映像信号をアナログ映像信号のまま、モニタ等他の表示装置に出力可能とするために、外部出力用のDSUB(15pin)端子を備えている。
【0005】
近年では、ユーザから要望により、プロジェクタに、外部入力用DSUB(15pin)端子を2つ備える傾向にある。このため、このような外部接続端子が多くなってしまい、プロジェクタを小型化することが困難であり、これを解決すべく、入力用DSUB(15pin)端子の1つと外部出力用DSUB(15pin)端子とを兼用する技術が既に知られている。すなわち、入力用DSUB(15pin)端子と外部出力用DSUB(15pin)端子を兼用する入出力兼用DSUB(15pin)端子を備えたプロジェクタが登場してきている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような入出力兼用DSUB(15pin)端子を備えたプロジェクタでは、入出力の切り替えを機械的なスイッチで行っているため、ユーザの使用目的に応じてスイッチを切り替える必要があり、ユーザによる入出力の切替え操作が煩雑になるという問題がある。
【0007】
また、従来技術では、外部出力する映像信号が存在しない場合または入力される映像信号が存在しない場合でも、入出力を切り替えるための制御回路が駆動状態となり、消費電力が無駄に増大するという問題がある。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、入出力切替えを簡易にし、かつ消費電力を削減することができる画像表示装置、入出力切替え方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる画像表示装置は、接続機器に接続される画像表示装置であって、前記接続機器からの画像信号が入力される外部入力用端子と、前記接続機器からの画像信号および電圧信号が入力されるとともに、画像信号を前記接続機器に出力する外部入出力用端子と、前記外部入出力端子から入力された画像信号に基づく第1同期信号と、前記外部入出力端子から入力された前記電圧信号とを検出する検出部と、前記第1同期信号または前記電圧信号に基づいて、前記外部入力端子から入力された画像信号の前記外部入出力端子からの出力と、前記外部入出力端子から入力された画像信号の前記画像表示装置内部への出力とを切り替える切替制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明にかかる入出力切替え方法は、接続機器に接続される画像表示装置で実行される入出力切替え方法であって、前記画像表示装置は、前記接続機器からの画像信号が入力される外部入力用端子と、前記接続機器からの画像信号および電圧信号が入力されるとともに、画像信号を前記接続機器に出力する外部入出力用端子と、を備え、前記外部入出力端子から入力された画像信号に基づく第1同期信号と、前記外部入出力端子から入力された前記電圧信号とを検出するステップと、前記第1同期信号または前記電圧信号に基づいて、前記外部入力端子から入力された画像信号の前記外部入出力端子からの出力と、前記外部入出力端子から入力された画像信号の前記画像表示装置内部への出力とを切り替えるステップと、を含むことを特徴とする。
【0011】
本発明にかかるプログラムは、接続機器に接続されるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記コンピュータは、前記接続機器からの画像信号が入力される外部入力用端子と、前記接続機器からの画像信号および電圧信号が入力されるとともに、画像信号を前記接続機器に出力する外部入出力用端子と、を備え、前記外部入出力端子から入力された画像信号に基づく第1同期信号と、前記外部入出力端子から入力された前記電圧信号とを検出するステップと、前記第1同期信号または前記電圧信号に基づいて、前記外部入力端子から入力された画像信号の前記外部入出力端子からの出力と、前記外部入出力端子から入力された画像信号の前記コンピュータ内部への出力とを切り替えるステップと、を前記コンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、入出力切替えを簡易にし、かつ消費電力を削減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本実施の形態にかかるプロジェクタの構成図である。
【図2】図2は、入出力切替制御回路の詳細構成を主体的に示す図である。
【図3】図3は、同期信号、+5V電源の電圧信号の測定範囲および各信号を有効と判断するための第1範囲、第2範囲の一例を示す説明図である。
【図4】図4は、SWの詳細な回路図である。
【図5】図5は、本実施の形態の入出力切替処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】図6は、本実施の形態の入出力切替処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像表示装置、入出力切替え方法およびプログラムの実施の形態を詳細に説明する。本実施の形態では、画像表示装置を、画像をスクリーン等に投影表示する画像投影装置であるプロジェクタに適用した例を挙げて説明するが、これに限定されるものではなく、画像を表示する装置であれば、例えば、ビデオ再生装置やPC等いずれの装置にも適用することが可能である。また、本実施の形態では、画像信号として映像信号を例にあげて説明する。
【0015】
図1は、本実施の形態にかかるプロジェクタの構成図である。本実施の形態のプロジェクタ100は、図1に示すように、外部映像入力端子110と、外部映像入出力端子111と、ADコンバータ101(以下、「ADC101」という。)と、スケーラ102と、ドライブ回路106と、光源108と、表示素子107と、投影光学系109と、入出力切替制御回路112と、制御部103と、メモリ104と、操作部105とを主に備えている。
【0016】
本実施の形態のプロジェクタ100は、PC(Personal Computer)やDVDプレーヤ等の接続機器と外部映像入力端子110、外部映像入出力端子111で接続され、外部映像入力端子110または外部映像入出力端子111から入力されるPC画像の映像信号やDVDの映像信号を、図示しないスクリーン上に拡大投影する投射装置である。
【0017】
外部映像入力端子110は、接続機器からの映像信号が入力される端子である。外部映像入出力端子111は、接続機器からの映像信号および電圧信号が入力される入力端子と、外部映像入力端子110から入力された映像信号をアナログ信号のまま出力する出力端子とを兼用する端子である。本実施の形態では、外部映像入力端子110、外部映像入出力端子111は、いずれもDSUB(15pin)端子であるが、これに限定されるものではない。
【0018】
ADC101は、外部映像入力端子110または外部映像入出力端子111から入力されるアナログの映像信号をデジタルの映像信号に変換する。
【0019】
スケーラ102は、ADC101から出力される映像信号を入力し、当該映像信号の内容から縦と横の画素数を判定し、プロジェクタ100の出力画素数のアスペクト比に対して入力映像が最適表示になるように自動でスケーリングを行なう。
【0020】
制御部103は、マイクロコントローラで構成され、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などの演算回路および記憶回路を備えている。そして、制御部103は、プロジェクタ100の全般的な制御を行うと共に、各種の設定及び比較を行うための制御を行う。
【0021】
メモリ104は、制御部103で設定した内容を記憶する不揮発性メモリなどで構成され、プロジェクタ100の電源オフ後も前回の設定内容(言語設定など)が保存される。
【0022】
操作部105は、プロジェクタ100の本体の操作パネル上のキー入力部またはリモコン送信機のキー入力部などで構成されており、例えばプロジェクタ100の各種設定や選択を行うためのメニュー画面を表示させるメニューキーなどを備えている。
【0023】
ドライブ回路106は、スケーラ103からのスケーリングされた映像信号及びその同期信号を入力し、表示素子107を駆動する。
【0024】
表示素子107は、液晶パネルなどの表示パネルで構成され、スケーリングされた映像を表示し、その映像によって光源108からの光を変調する。投影光学系109は、投射レンズ(不図示)を含み、表示素子108からの映像光をスクリーン(不図示)上に拡大投影する。
【0025】
入出力切替制御回路112は、外部映像入出力端子111から入力された映像信号に基づく同期信号(Hsync,Vsync)および+5V電源の電圧信号、外部映像入力端子110から入力された映像信号に基づく同期信号を検出し、これらの信号に基づいて、外部映像入出力端子111の入力設定と出力設定とを切替える。すなわち、入出力切替制御回路112は、外部映像入力端子110から入力された映像信号の外部映像入出力端子111からの出力(出力設定)と、外部映像入出力端子111から入力された映像信号のプロジェクタ100内部のADC101への出力(入力設定)とを切り替える。
【0026】
図2は、入出力切替制御回路112の詳細構成を主体的に示す図である。図2において、一点鎖線により囲まれた部分が入出力切替制御回路112を示している。図2に示すように、入出力切替制御回路112は、EEPROM113,114と、信号検出・入出力切替部119と、同期分離回路115,116と、入出力切替スイッチ回路117(以下、「SW117」という。)とを備えている。
【0027】
同期分離回路115は、第2分離部として機能し、外部映像入力端子110から入力された映像信号が輝度信号Yと2つの色差信号Cb,Crとからなるコンポーネント信号である場合、輝度信号Yから同期信号を分離する。
【0028】
同期分離回路116は、第1分離部として機能し、外部映像入出力端子111から入力された映像信号が上記コンポーネント信号である場合、輝度信号Yから同期信号を分離する。
【0029】
EEPROM113,114は、接続機器であるPCとの接続の際にプラグアンドプレイを実現するために必要となるEDID(Extended Display Identification Data)を記憶しており、PCから入力される+5V電源を供給して動作している。
【0030】
信号検出・入出力切替部119は、マイクロコントローラで構成され、GPIO(General Purpose Input/Output)制御によって入出力切替制御回路112の制御を行う。
【0031】
信号検出・入出力切替部119には、外部映像入力端子110または外部映像入出力端子111に入力される映像信号の同期信号が入力される。
【0032】
また、信号検出・入出力切替部119には、外部映像入出力端子111から入力される+5V電源ラインも接続されている。ここで、プロジェクタ100に接続機器としてDVDプレーヤ等が接続されている場合には、外部映像入出力端子111から映像信号が入力されるが、プロジェクタ100に接続機器としてPCが接続されている場合には、外部映像入出力端子111からの映像信号の他、+5V電源の電圧信号が入力される。
【0033】
従って、信号検出・入出力切替部119は、外部映像入出力端子111から入力された映像信号からの同期信号(第1同期信号)と、外部映像入出力端子111から入力された+5V電源の電圧信号と、外部映像入力端子110から入力された映像信号からの同期信号(第2同期信号)を検出する。
【0034】
また、信号検出・入出力切替部119は、入力される上記信号が有効であるか否かを判断する。具体的には、信号検出・入出力切替部119は、同期分離回路116で分離された同期信号の周波数が所定の第1範囲に含まれるか否かにより、当該同期信号が有効であるか否かを判断する。また、信号検出・入出力切替部119は、同期分離回路115で分離された同期信号の周波数が所定の第2範囲に含まれるか否かにより、当該同期信号が有効であるか否かを判断する。さらに、信号検出・入出力切替部119は、検出された+5V電源の電圧信号の電圧値が所定の電圧範囲に含まれるか否かにより、当該電圧信号が有効であるか否かを判断する。
【0035】
ここで、有効と判断するための第1範囲、第2範囲、電圧範囲は、予め設定されている。図3は、同期信号、+5V電源の電圧信号の測定範囲および各信号を有効と判断するための第1範囲、第2範囲の一例を示す説明図である。
【0036】
信号検出・入出力切替部119には、同期信号(Hsync,Vsync)及び+5V電源の電圧信号が入力される。外部映像入力端子110、外部映像入出力端子111から入力される同期信号(Hsync,Vsync)については、VESA規格で対応している標準信号に対応するため、Hsyncに関しては周波数:15kHz〜100kHzを有効な周波数範囲とし、Vsyncに関しては周波数:30Hz〜120Hzを有効な周波数範囲とし、信号検出・入出力切替部119は、検出した同期信号がこれらの有効な周波数範囲(すなわち第1範囲、第2範囲)にある場合は、外部映像入力端子110、外部映像入出力端子111から入力される映像信号があると判定する。
【0037】
同期分離回路115,116から入力される同期信号については、コンポーネント信号のみが対応する信号とするため、Hsyncに関しては周波数:15kHz〜75kHzを有効な周波数範囲とし、Vsyncに関しては周波数:45Hz〜65Hzを有効な周波数範囲とし、検出した同期信号がこれらの有効な周波数範囲(すなわち第1範囲、第2範囲)にある場合は、信号検出・入出力切替部119は、外部映像入力端子110または外部映像入出力端子111に入力信号があると判定する。
【0038】
外部映像入出力端子111から入力される+5V電源の電圧信号については、入力される電圧値により信号の有無を判断する。この信号は、接続機器がPCの場合に入力され、各機器のバラつきを考慮して、判定用電圧値3V程度に設定することが好ましい。すなわち、信号検出・入出力切替部119は、電圧信号の電圧値が3V以上の電圧範囲にある場合に、+5V電源の電圧信号が入力されていると判断する。
【0039】
上記の有効な各範囲は、一般的に使用される信号を基準に設定している。このため、プロジェクタ100の仕様及びユーザの希望により有効な範囲を変更することができる。
【0040】
SW117は、信号検出・入出力切替部119から送信される制御信号によって、外部映像入力端子110から入力された映像信号を外部映像入出力端子111から出力させるか(すなわち、外部映像入出力端子111を出力設定にするか)、または外部映像入出力端子111から入力された映像信号をADC101に出力させるか(すなわち、外部映像入出力端子111を入力設定にするか)を切り替えるスイッチICである。
【0041】
すなわち、SW117は、外部映像入出力端子111からの同期信号が有効な周波数範囲(第1範囲)にある場合に、外部映像入出力端子111を入力設定にし、外部映像入出力端子111から入力された映像信号をADC101への出力に切り替える。また、SW117は、+5V電源の電圧信号が有効な電圧範囲にある場合に、同様に、外部映像入出力端子111を入力設定にする。
【0042】
より具体的には、SW117は、信号検出・入出力切替部119からの制御信号により、外部映像入力端子110からの同期信号が有効な周波数範囲(第2範囲)にある場合であって、外部映像入出力端子111からの同期信号が有効な周波数範囲(第1範囲)にある場合、または外部映像入出力端子111からの+5V電源の電圧信号が有効な電圧範囲にある場合には、外部映像入出力端子111に映像信号が入力されてると判断し、外部映像入出力端子111を入力設定にし、外部映像入出力端子111から入力された映像信号をADC101への出力に切り替える。
【0043】
また、SW117は、SW117は、信号検出・入出力切替部119からの制御信号により、外部映像入力端子110からの同期信号が有効な周波数範囲(第2範囲)にある場合であって、外部映像入出力端子111からの同期信号が有効な周波数範囲(第1範囲)になく、かつ外部映像入出力端子111からの+5V電源の電圧信号が有効な電圧範囲にない場合(例えば、3V未満)には、外部映像入出力端子111に映像信号が入力されておらず、外部映像入力端子110に映像信号が入力されていると判断し、外部映像入出力端子111を出力設定にして、外部映像入力端子110から入力された映像信号を外部映像入出力端子111から出力するように切り替える。
【0044】
また、SW117は、SW117は、信号検出・入出力切替部119からの制御信号により、外部映像入力端子110からの同期信号が有効な周波数範囲(第2範囲)にない場合であって、外部映像入出力端子111からの同期信号が有効な周波数範囲にあるか、または+5V電源の電圧信号が有効な電圧範囲にある場合には、外部映像入出力端子111に映像信号が入力されてると判断し、外部映像入出力端子111を入力設定にし、外部映像入出力端子111から入力された映像信号をADC101への出力に切り替える。
【0045】
さらに、SW117は、SW117は、信号検出・入出力切替部119からの制御信号により、外部映像入力端子110からの同期信号が有効な周波数範囲(第2範囲)にない場合であって、外部映像入出力端子111からの同期信号が有効な周波数範囲になく、かつ+5V電源の電圧信号が有効な電圧範囲にない場合、外部映像入力端子110、外部映像入出力端子111のいずれも映像信号を入力していないと判断し、電源供給を停止するように制御する。
【0046】
図4は、SW117の詳細な回路図である。外部映像入力端子110から入力される映像信号(R,G,B)300は、ADC101に入力されると同時にSW117内において6dB AMP121,122,123によって電圧レベルを2倍にし、75Ω抵抗124,125,126を経由して切替スイッチ130,131,132に入力される。
【0047】
外部映像入力端子110から入力される同期信号301は、ADC101に入力されると同時にSW117内においてSchmitt Triggerバッファ123を通って整形され、切替スイッチ133に入力される。そして映像信号(R,G,B)300、同期信号301は、SW117が出力設定になっている場合、外部映像入出力端子111から出力される。
【0048】
6dB AMP121,122,123及びSchmitt Triggerバッファ123は、SW117より送られる制御信号によってPower OFF設定でき、Power OFF時は消費電力を低くすることができる。
【0049】
外部映像入出力端子111から入力される映像信号(R,G,B)302は、切替スイッチに入力後、SW117が入力設定になっている場合、75Ω抵抗127,128,129で終端してADC101に入力される。同様に、外部映像入出力端子111から入力される同期信号303も、SW117が入力設定になっている場合、ADC101に入力される。
【0050】
上記のとおり、外部映像入力端子110または外部映像入出力端子111に入力されている信号の状態を、信号検出・入出力切替部119で判断し、その状態によってSW117を自動で切替制御するため、ユーザによる切替の手間を省略することができる。また、外部映像入力端子110および外部映像入出力端子111に入力信号がない場合、不要な処理を停止させることで消費電力を低減させることができる。
【0051】
次に、以上のように構成された本実施の形態のプロジェクタ100による入出力切替処理について説明する。図5、図6は、本実施の形態の入出力切替処理の手順を示すフローチャートである。
【0052】
まず、信号検出・入出力切替部119が、外部映像入力端子100および同期分離回路115からの同期信号(Hsync/Vsync信号)を検出すると(ステップS1)、信号検出・入出力切替部119は、検出した同期信号(Hsync/Vsync信号)が、図3で示した有効な周波数範囲(第2範囲)に含まれているか否かを判断する(ステップS2)。
【0053】
そして、検出した同期信号(Hsync/Vsync信号)が有効な周波数範囲(第2範囲)に含まれている場合には(ステップS2:Yes)、信号検出・入出力切替部119は、外部映像入出力端子111から+5V電源の電圧信号を検出する(ステップS3)。そして、信号検出・入出力切替部119は、検出した+5V電源の電圧信号が、図3に示した有効な電圧範囲内(例えば、3V以上)であるか否かを判断する(ステップS4)。
【0054】
そして、+5V電源の電圧信号が上記電圧範囲内である場合には(ステップS4:Yes)、信号検出・入出力切替部119は、外部映像入出力端子111を入力設定に切り替える旨の制御信号をSW117に送出し、SW117は外部映像入出力端子111を入力設定にする(ステップS5)。
【0055】
一方、ステップS4において、+5V電源の電圧信号が上記電圧範囲内でない場合には(ステップS4:No)、信号検出・入出力切替部119は、同期分離回路116からの同期信号(Hsync/Vsync信号)を検出する(ステップS6)。
【0056】
そして、信号検出・入出力切替部119は、検出した同期信号(Hsync/Vsync信号)が、図3で示した有効な周波数範囲(第1範囲)に含まれているか否かを判断する(ステップS7)。
【0057】
そして、検出した同期信号(Hsync/Vsync信号)が有効な周波数範囲(第1範囲)に含まれている場合には(ステップS7:Yes)、信号検出・入出力切替部119は、外部映像入出力端子111を入力設定に切り替える旨の制御信号をSW117に送出し、SW117は外部映像入出力端子111を入力設定にする(ステップS8)。
【0058】
一方、ステップS7において、検出した同期信号(Hsync/Vsync信号)が有効な周波数範囲(第1範囲)に含まれていない場合には(ステップS7:No)、信号検出・入出力切替部119は、外部映像入出力端子111を出力設定に切り替える旨の制御信号をSW117に送出し、SW117は外部映像入出力端子111を出力設定にする(ステップS9)。
【0059】
また、ステップS2において、ステップS1で検出した同期信号(Hsync/Vsync信号)が有効な周波数範囲(第2範囲)に含まれていない場合には(ステップS2:No)、信号検出・入出力切替部119は、外部映像入出力端子111から+5V電源の電圧信号を検出する(ステップS10)。そして、信号検出・入出力切替部119は、検出した+5V電源の電圧信号が、図3に示した有効な電圧範囲内(例えば、3V以上)であるか否かを判断する(ステップS11)。
【0060】
そして、+5V電源の電圧信号が上記電圧範囲内である場合には(ステップS11:Yes)、信号検出・入出力切替部119は、外部映像入出力端子111を入力設定に切り替える旨の制御信号をSW117に送出し、SW117は外部映像入出力端子111を入力設定にする(ステップS12)。
【0061】
一方、ステップS11において、+5V電源の電圧信号が上記電圧範囲内でない場合には(ステップS11:No)、信号検出・入出力切替部119は、同期分離回路116からの同期信号(Hsync/Vsync信号)を検出する(ステップS13)。
【0062】
そして、信号検出・入出力切替部119は、検出した同期信号(Hsync/Vsync信号)が、図3で示した有効な周波数範囲(第1範囲)に含まれているか否かを判断する(ステップS14)。
【0063】
そして、検出した同期信号(Hsync/Vsync信号)が有効な周波数範囲(第1範囲)に含まれている場合には(ステップS14:Yes)、信号検出・入出力切替部119は、外部映像入出力端子111を入力設定に切り替える旨の制御信号をSW117に送出し、SW117は外部映像入出力端子111を入力設定にする(ステップS15)。
【0064】
一方、ステップS14において、検出した同期信号(Hsync/Vsync信号)が有効な周波数範囲(第1範囲)に含まれていない場合には(ステップS14:No)、信号検出・入出力切替部119は、SW117をPower Downモードに設定し、電源供給を停止する(ステップS16)。
【0065】
このように本実施の形態では、信号検出・入出力切替部119が外部映像入力端子110からの同期信号、外部映像入出力端子111からの同期信号および外部映像入出力端子111からの+5V電源の電圧信号に応じて、入力端子と出力端子を兼用する外部映像入出力端子111の入力設定、出力設定を切り替えるので、機械的スイッチにより入力端子と出力端子の切替えを行う従来技術に比べて、入出力切替えを簡易に行うことができる。
【0066】
また、本実施の形態では、外部映像入力端子110からの同期信号、外部映像入出力端子111からの同期信号が有効な周波数範囲になく、また外部映像入出力端子111からの+5V電源の電圧信号が有効な電圧範囲にない場合には、信号検出・入出力切替部119は、Power Downモードに切り替えて電源供給を停止しているので、消費電力を削減することができる。
【0067】
なお、本実施の形態のプロジェクタ100で実行される入出力切替処理は、図2の回路のようなハードウェアで実現してもよいし、ソフトウェアで実現してもよい。
【0068】
本実施の形態の入出力切替処理をソフトウェアで実現する場合、本実施の形態のプロジェクタ100で実行される入出力切替プログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。本実施の形態のプロジェクタ100で実行される入出力切替プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0069】
さらに、本実施の形態のプロジェクタ100で実行される入出力切替プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施の形態のプロジェクタ100で実行される入出力切替プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0070】
本実施の形態のプロジェクタ100で実行される入出力切替プログラムは、上述した各部(信号検出・入出力切替部119、SW117)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMから入出力切替プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、信号検出・入出力切替部119、SW117が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【符号の説明】
【0071】
100 外部映像入力端子
101 ADコンバータ(ADC)
102 スケーラ
103 制御部
104 メモリ
105 操作部
106 ドライブ回路
107 表示素子
108 光源
109 投影光学系
110 外部映像入力端子
111 外部映像入出力端子
112 入出力切替制御回路
113,114 EEPROM
115,116 同期分離回路
117 入出力切替スイッチ回路(SW)
119 信号検出・入出力切替部
123 Schmitt Triggerバッファ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0072】
【特許文献1】特開2007−327987号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続機器に接続される画像表示装置であって、
前記接続機器からの画像信号が入力される外部入力用端子と、
前記接続機器からの画像信号および電圧信号が入力されるとともに、画像信号を前記接続機器に出力する外部入出力用端子と、
前記外部入出力端子から入力された画像信号に基づく第1同期信号と、前記外部入出力端子から入力された前記電圧信号とを検出する検出部と、
前記第1同期信号または前記電圧信号に基づいて、前記外部入力端子から入力された画像信号の前記外部入出力端子からの出力と、前記外部入出力端子から入力された画像信号の前記画像表示装置内部への出力とを切り替える切替制御部と、
を備えたことを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記検出部は、さらに、前記第1同期信号の周波数に基づいて、前記第1同期信号が有効であるか否かを判断し、
前記切替制御部は、前記第1同期信号が有効である場合に、前記外部入出力端子から入力された画像信号の前記画像表示装置内部への出力に切り替えること、
を特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記検出部は、さらに、前記電圧信号が示す電圧値に基づいて、前記電圧信号が有効であるか否かを判断し、
前記切替制御部は、前記電圧信号が有効である場合に、前記外部入出力端子から入力された画像信号の前記画像表示装置内部への出力に切り替えること、
を特徴とする請求項2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記検出部は、さらに、前記外部入力端子から入力された画像信号に基づく第2同期信号を検出し、前記第2同期信号の周波数に基づいて、前記第2同期信号が有効であるか否かを判断し、
前記切替制御部は、前記第2同期信号が有効である場合であって、前記第1同期信号または前記電圧信号が有効である場合に、前記外部入出力端子から入力された画像信号の前記画像表示装置内部への出力に切り替えること、
を特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記切替制御部は、前記第2同期信号が有効である場合であって、前記第1同期信号および前記電圧信号が無効である場合に、前記外部入力端子から入力された画像信号の前記外部入出力端子からの出力に切り替えること、
を特徴とする請求項4に記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記切替制御部は、前記第2同期信号が有効でない場合であって、前記第1同期信号または前記電圧信号が有効である場合に、前記外部入出力端子から入力された画像信号の前記画像表示装置内部への出力に切り替えること、
を特徴とする請求項4に記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記切替制御部は、前記第2同期信号が有効でない場合であって、前記第1同期信号および前記電圧信号が無効である場合に、電源供給を停止するように制御すること、
を特徴とする請求項6に記載の画像表示装置。
【請求項8】
前記検出部は、前記第1同期信号の周波数が、予め定められた周波数の第1範囲に含まれるか否かにより、前記第1同期信号が有効か否かを判断し、前記第2同期信号の周波数が、予め定められた周波数の第2範囲に含まれるか否かにより、前記第2同期信号が有効か否かを判断すること、
を特徴とする請求項4〜7のいずれか一つに記載の画像表示装置。
【請求項9】
前記外部入出力端子から入力された画像信号から、前記第1同期信号を分離する第1分離部と、
前記外部入力端子から入力された画像信号から、前記第2同期信号を分離する第2分離部と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項4〜8のいずれか一つに記載の画像表示装置。
【請求項10】
前記第1分離部及び前記第2分離部は、前記入力された画像信号が輝度信号と2つの色差信号とからなるコンポーネント信号である場合、前記輝度信号から前記第1同期信号および前記第2同期信号を分離すること、
をさらに備えたことを特徴とする請求項9に記載の画像表示装置。
【請求項11】
接続機器に接続される画像表示装置で実行される入出力切替え方法であって、
前記画像表示装置は、前記接続機器からの画像信号が入力される外部入力用端子と、前記接続機器からの画像信号および電圧信号が入力されるとともに、画像信号を前記接続機器に出力する外部入出力用端子と、を備え、
前記外部入出力端子から入力された画像信号に基づく第1同期信号と、前記外部入出力端子から入力された前記電圧信号とを検出するステップと、
前記第1同期信号または前記電圧信号に基づいて、前記外部入力端子から入力された画像信号の前記外部入出力端子からの出力と、前記外部入出力端子から入力された画像信号の前記画像表示装置内部への出力とを切り替えるステップと、
を含むことを特徴とする入出力切替え方法。
【請求項12】
接続機器に接続されるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記コンピュータは、前記接続機器からの画像信号が入力される外部入力用端子と、前記接続機器からの画像信号および電圧信号が入力されるとともに、画像信号を前記接続機器に出力する外部入出力用端子と、を備え、
前記外部入出力端子から入力された画像信号に基づく第1同期信号と、前記外部入出力端子から入力された前記電圧信号とを検出するステップと、
前記第1同期信号または前記電圧信号に基づいて、前記外部入力端子から入力された画像信号の前記外部入出力端子からの出力と、前記外部入出力端子から入力された画像信号の前記コンピュータ内部への出力とを切り替えるステップと、
を前記コンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−64784(P2013−64784A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−202113(P2011−202113)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】