説明

画像表示装置、画像表示方法、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム

【課題】複数の画像のデータに対して、表示対象となる可能性の高さに応じた順序で予めデータ読み出し処理を実行できる画像表示装置を提供する。
【解決手段】複数の画像からなる画像列のうち、該画像列における位置を変更するユーザの位置変更指示に応じた画像を表示装置2に表示させる画像表示装置であって、表示装置2が表示中の画像と位置変更指示とに応じて決まる、次に表示すべき画像の画像列における位置である表示画像位置の情報を保持し、該表示画像位置に応じて決定される画像列における複数位置の画像のそれぞれに対して、当該各画像のデータを位置変更指示の内容に応じて決定される順序で複数の画像の各データを記憶する画像データ記憶手段から読み出し、読み出した画像のデータに基づいて、ユーザの位置変更指示に応じた画像を表示させる画像表示装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の画像を表示させる画像表示装置、画像表示方法、及びプログラム、並びに複数の処理対象データに対して処理を実行する情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ハードディスクドライブ等の記憶手段に記憶された複数の画像のデータを読み出して、当該複数の画像のうち、ユーザによる表示画像を変更する操作指示(表示対象変更指示)に応じた画像をディスプレイ等の表示手段に表示させる画像表示装置がある。このような画像表示装置によれば、ユーザは、例えばデジタルカメラ等によって撮影された撮像画像などを表示対象変更指示に応じて順に表示手段に表示させることで、複数の画像を観覧することができる。
【0003】
このような画像表示装置においては、記憶手段に記憶された画像のデータを読み出して、表示用データ形式に変換する必要があるが、これらの表示前処理には時間がかかる場合がある。そのため、ユーザが次々に連続して画像を表示させようとした場合、表示前処理が間に合わずに、表示画像変更時にユーザを待たせてしまうことがある。そこで、ユーザによる表示対象変更指示がなされる前に、次に表示対象となる可能性のある画像のデータに対するデータ読み出し処理やデータ形式変換処理などの表示前処理を予め実行する技術がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来例の技術においては、予めデータ読み出し処理を行う対象となる画像のデータは、当該データ読み出し処理を行う時点で表示手段に表示中の画像に応じて決まる固定の画像であって、これらの画像に対して読み出しを行う順序も固定の順序である。そのため、必ずしも表示対象となる可能性の高い順序で画像のデータが読み出されるとは限らない。その結果、ユーザの表示対象変更指示の内容によっては、データ読み出し処理が間に合わない場合がある。
【0005】
また、上記画像表示装置が読み出した画像のデータを表示用データ形式に変換する場合、表示用データ形式に変換された画像のデータのサイズが大きいと、画像表示装置内におけるデータ転送などに時間がかかり、やはり表示画像変換時にユーザを待たせてしまうことがあり得る。しかしながら、変換後の表示用データ形式としてデータのサイズが小さなデータ形式を用いることとすると、元の画像のデータが有している情報が損なわれてしまい、データサイズの大きなデータ形式と比較して画質が悪くなってしまう場合がある。
【0006】
また、上述した表示前処理を事前に行う場合、ユーザの表示対象変更指示によって、表示前処理の実行中に表示前処理の対象とすべき対象画像が変わってしまうことがある。このような場合、例えばある画像についてデータ読み出し処理の途中で表示前処理の対象画像が変わっても、そのままデータ形式変換処理まで実行するため、無駄な処理を実行することになってしまう。そして、当該画像に対してデータ形式変換処理が完了するまで、新たに表示前処理の対象画像となった画像について表示前処理を実行することができない。その結果、ユーザの表示対象変更指示により表示対象となった画像について表示前処理を事前に完了できず、やはり表示画像変更時にユーザを待たせてしまう場合がある。このような問題を防ぐために、複数の処理対象データ(例えば画像のデータ)に対して優先順位に従って所定処理(例えば表示前処理)を実行する場合に、当該所定処理の実行中に優先順位が変化したとしても、無駄な処理の実行をできるだけ回避することのできる技術が望まれる。
【0007】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的の一つは、複数の画像のデータに対して、表示対象となる可能性の高さに応じた順序で予めデータ読み出し処理を実行できる画像表示装置、画像表示方法及びプログラムを提供することにある。
【0008】
また、本発明の別の目的は、複数の画像をユーザの指示に応じて表示させる場合に、表示画像変更時のユーザの待ち時間の削減と、必要に応じた高画質の画像表示とを両立できる画像表示装置、画像表示方法及びプログラムを提供することにある。
【0009】
また、本発明の別の目的は、複数の処理対象データに対して優先順位に従って所定処理を実行する場合に、当該所定処理の実行中に優先順位が変化したとしても、無駄な処理の実行を削減できる情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するための本発明に係る画像表示装置は、複数の画像からなる画像列のうち、該画像列における位置を変更するユーザの位置変更指示に応じた画像を表示手段に表示させる画像表示装置であって、前記表示手段が表示中の画像と前記位置変更指示とに応じて決まる、次に表示すべき画像の前記画像列における位置である表示画像位置の情報を保持する表示画像位置保持手段と、前記表示画像位置に応じて決定される前記画像列における複数位置の画像のそれぞれに対して、当該各画像のデータを、前記位置変更指示の内容に応じて決定される順序で、前記複数の画像の各データを記憶する画像データ記憶手段から読み出すデータ読み出し処理を実行する読み出し処理手段と、前記読み出した画像のデータに基づいて、前記位置変更指示に応じた画像を前記表示手段に表示させる画像表示制御手段と、を含むことを特徴とする。
【0011】
また、上記画像表示装置において、前記複数位置は、前記位置変更指示の内容に応じて決定されることとしてもよい。さらに上記画像表示装置は、前記データ読み出し処理を実行する対象となる読み出し対象画像及び当該読み出し対象画像を読み出す順序を示す処理対象リストを保持する処理対象リスト保持手段と、前記位置変更指示に応じて前記処理対象リストを更新する処理対象リスト更新手段と、をさらに含み、前記読み出し処理手段は、前記処理対象リストにより示される前記読み出し対象画像に対して、前記表示前処理対象リストにより示される順序で、前記データ読み出し処理を実行することとしてもよい。
【0012】
また、上記画像表示装置において、前記読み出し処理手段は、前記位置変更指示によって変更される前記画像列における位置の移動方向に応じて決定される順序で、前記データ読み出し処理を実行することとしてもよい。
【0013】
また、上記画像表示装置は、前記表示画像位置に応じて決定される前記画像列における複数位置の画像のそれぞれに対して、前記データ読み出し処理により読み出された当該各画像のデータを、前記位置変更指示の内容に応じて決定される順序で、表示用データ形式に変換するデータ形式変換手段をさらに含み、前記画像表示制御手段は、前記変換された画像のデータに基づいて、前記表示対象変更指示に応じた画像を前記表示手段に表示させることとしてもよい。
【0014】
また、本発明に係る画像表示方法は、複数の画像からなる画像列のうち、該画像列における位置を変更するユーザの位置変更指示に応じた画像を表示手段に表示させる画像表示方法であって、前記表示手段が表示中の画像と前記位置変更指示とに応じて決まる、次に表示すべき画像の前記画像列における位置である表示画像位置の情報を表示画像位置保持手段に保持させるステップと、前記表示画像位置に応じて決定される前記画像列における複数位置の画像のそれぞれに対して、当該各画像のデータを、前記位置変更指示の内容に応じて決定される順序で、前記複数の画像の各データを記憶する画像データ記憶手段から読み出すデータ読み出し処理を実行するステップと、前記読み出した画像のデータに基づいて、前記位置変更指示に応じた画像を前記表示手段に表示させるステップと、を含むことを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係るプログラムは、複数の画像からなる画像列のうち、該画像列における位置を変更するユーザの位置変更指示に応じた画像を表示手段に表示させる画像表示装置としてコンピュータを機能させるプログラムであって、前記表示手段が表示中の画像と前記位置変更指示とに応じて決まる、次に表示すべき画像の前記画像列における位置である表示画像位置の情報を保持する表示画像位置保持手段、前記表示画像位置に応じて決定される前記画像列における複数位置の画像のそれぞれに対して、当該各画像のデータを、前記位置変更指示の内容に応じて決定される順序で、前記複数の画像の各データを記憶する画像データ記憶手段から読み出すデータ読み出し処理を実行する読み出し処理手段、及び前記読み出した画像のデータに基づいて、前記位置変更指示に応じた画像を前記表示手段に表示させる画像表示制御手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る他の画像表示装置は、複数の画像のうち、ユーザによる表示対象変更指示に応じた画像を表示手段に表示させる画像表示装置であって、前記複数の画像に含まれる少なくとも一つの変換対象画像のデータを、第1の表示用データ形式に変換して第1の一時記憶領域に格納した後に、前記変換対象画像に含まれる少なくとも一つの画像のデータを、前記第1の表示用データ形式とは異なる第2の表示用データ形式に変換して前記第1の一時記憶領域とは異なる第2の一時記憶領域に格納するデータ形式変換手段と、前記変換された画像のデータに基づいて、前記表示対象変更指示に応じた表示対象画像を前記表示手段に表示させる手段であって、該表示対象画像のデータが前記第2の表示用データ形式に変換されている場合には当該第2の表示用データ形式に変換された画像のデータに、該表示対象画像のデータが前記第2の表示用データ形式に変換されていない場合には前記第1の表示用データ形式に変換された画像のデータに、それぞれ基づいて、該表示対象画像を表示手段に表示させる画像表示制御手段と、を含むことを特徴とする。
【0017】
また、上記画像表示装置において、前記第1の表示用データ形式に変換された画像のデータは、前記第2の表示用データ形式に変換された画像のデータよりデータサイズが小さくなることとしてもよい。
【0018】
また、本発明に係る他の画像表示方法は、複数の画像のうち、ユーザによる表示対象変更指示に応じた画像を表示手段に表示させる画像表示方法であって、前記複数の画像に含まれる少なくとも一つの変換対象画像のデータを、第1の表示用データ形式に変換して第1の一時記憶領域に格納した後に、前記変換対象画像に含まれる少なくとも一つの画像のデータを、前記第1の表示用データ形式とは異なる第2の表示用データ形式に変換して前記第1の一時記憶領域とは異なる第2の一時記憶領域に格納するステップと、前記変換された画像のデータに基づいて、前記表示対象変更指示に応じた表示対象画像を前記表示手段に表示させるステップであって、該表示対象画像のデータが前記第2の表示用データ形式に変換されている場合には当該第2の表示用データ形式に変換された画像のデータに、該表示対象画像のデータが前記第2の表示用データ形式に変換されていない場合には前記第1の表示用データ形式に変換された画像のデータに、それぞれ基づいて、該表示対象画像を表示手段に表示させるステップと、を含むことを特徴とする。
【0019】
また、本発明に係る他のプログラムは、複数の画像のうち、ユーザによる表示対象変更指示に応じた画像を表示手段に表示させる画像表示装置としてコンピュータを機能させるプログラムであって、前記複数の画像に含まれる少なくとも一つの変換対象画像のデータを、第1の表示用データ形式に変換して第1の一時記憶領域に格納した後に、前記変換対象画像に含まれる少なくとも一つの画像のデータを、前記第1の表示用データ形式とは異なる第2の表示用データ形式に変換して前記第1の一時記憶領域とは異なる第2の一時記憶領域に格納するデータ形式変換手段、及び前記変換された画像のデータに基づいて、前記表示対象変更指示に応じた表示対象画像を前記表示手段に表示させる手段であって、該表示対象画像のデータが前記第2の表示用データ形式に変換されている場合には当該第2の表示用データ形式に変換された画像のデータに、該表示対象画像のデータが前記第2の表示用データ形式に変換されていない場合には前記第1の表示用データ形式に変換された画像のデータに、それぞれ基づいて、該表示対象画像を表示手段に表示させる画像表示制御手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とする。
【0020】
また、本発明に係る情報処理装置は、複数の処理対象データに対して、第1処理及び第2処理を順に実行する情報処理装置であって、前記複数の処理対象データに対する前記第1及び第2処理の優先順位を示す優先順位リストを保持する優先順位リスト保持手段と、前記複数の処理対象データの中から前記保持している優先順位リストに基づいて順次選択した処理対象データに対して、前記第1処理を実行してその処理結果を一時記憶領域に格納する第1処理実行手段と、所定のイベントの発生に応じて、前記優先順位リストを更新する優先順位リスト更新手段と、前記一時記憶領域に格納された処理結果の中から、前記更新された優先順位リストに基づいて順次選択した処理結果に対して、前記第2処理を実行する第2処理実行手段と、を含むことを特徴とする。
【0021】
また、上記情報処理装置は、複数の画像のうち、ユーザによる表示対象変更指示に応じた表示対象画像を表示手段に表示させる画像表示制御手段をさらに含み、前記処理対象データは、前記画像のデータであって、前記第1処理は、前記画像のデータを前記複数の画像の各データを記憶する画像データ記憶手段から読み出すデータ読み出し処理であって、前記第2処理は、前記読み出した画像のデータを表示用データ形式に変換するデータ形式変換処理であって、前記所定のイベントは、前記表示対象変更指示であって、前記画像表示制御手段は、前記データ形式変換処理により変換された画像のデータに基づいて、前記表示対象画像を前記表示手段に表示させることとしてもよい。
【0022】
また、本発明に係る情報処理方法は、複数の処理対象データに対して、第1処理及び第2処理を順に実行する情報処理方法であって、前記複数の処理対象データに対する前記第1及び第2処理の優先順位を示す優先順位リストを優先順位リスト保持手段に保持させるステップと、前記複数の処理対象データの中から前記保持している優先順位リストに基づいて順次選択した処理対象データに対して、前記第1処理を実行してその処理結果を一時記憶領域に格納するステップと、所定のイベントの発生に応じて、前記優先順位リストを更新するステップと、前記一時記憶領域に格納された処理結果の中から、前記更新された優先順位リストに基づいて順次選択した処理結果に対して、前記第2処理を実行するステップと、を含むことを特徴とする。
【0023】
また、本発明に係る他のプログラムは、複数の処理対象データに対して、第1処理及び第2処理を順に実行する情報処理装置としてコンピュータを機能させるプログラムであって、前記複数の処理対象データに対する前記第1及び第2処理の優先順位を示す優先順位リストを保持する優先順位リスト保持手段、前記複数の処理対象データの中から前記保持している優先順位リストに基づいて順次選択した処理対象データに対して、前記第1処理を実行してその処理結果を一時記憶領域に格納する第1処理実行手段、所定のイベントの発生に応じて、前記優先順位リストを更新する優先順位リスト更新手段、及び前記一時記憶領域に格納された処理結果の中から、前記更新された優先順位リストに基づいて順次選択した処理結果に対して、前記第2処理を実行する第2処理実行手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とする。
【0024】
以上の説明において、コンピュータは、例えばコンテンツプレーヤ、家庭用ゲーム機、携帯用ゲーム機、業務用ゲーム機、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、携帯電話機等である。また、プログラムはCD−ROMやDVD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な各種情報記憶媒体に記憶されてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。本発明の一実施形態に係る画像表示装置1は、図1に示すように、制御部11と、メモリ12と、媒体情報読み取り部13と、操作部14と、画像処理部15と、表示制御部16と、を含んで構成されている。また、表示制御部16を介して表示装置2に接続されている。なお、画像表示装置1は、本発明における情報処理装置にも相当する。
【0026】
制御部11は、CPU等であって、メモリ12に格納されるプログラムに従って動作する。なお、制御部11は、複数のプロセッサを含んでもよい。ここでは制御部11は、媒体情報読み取り部13を介して情報記憶媒体に記憶された画像のデータを読み出し、表示用データ形式に変換する表示前処理を実行する。そして、当該表示前処理によって得られる画像のデータに基づいて、ユーザの操作部14に対する表示対象変更指示に応じた画像を表示装置2に表示させる画像表示制御処理を行う。本実施の形態において制御部11が実行する処理の詳細については、後述する。
【0027】
メモリ12は、例えばRAMやROM等のメモリ素子であって、制御部11によって実行されるプログラムを保持する。また、メモリ12は、制御部11のワークメモリとして用いられる一時記憶領域を含んでいる。
【0028】
媒体情報読み取り部13は、コンピュータで読み取り可能な情報記憶媒体に記憶されたデータを読み取り、読み取ったデータを制御部11に対して出力する。ここで情報記憶媒体は、例えばハードディスクや、CD−ROM、DVD−ROM等のディスクデバイスであってもよいし、またメモリスティック(登録商標)などの半導体メモリ等であってもよい。あるいは、通信ネットワークを介して画像表示装置1と接続されるストレージデバイス等であってもよい。本実施の形態においては、この情報記憶媒体は、画像表示装置1による表示対象となる複数の画像の各データを記憶する。
【0029】
操作部14は、ユーザの指示操作を受け付けて、当該指示操作の内容を制御部11に出力する。操作部14は、例えばキーボードやマウスであってもよいし、家庭用ゲーム機のコントローラ等であってもよい。
【0030】
画像処理部15は、グラフィックプロセッサを含んで構成されており、制御部11からの指示に従って描画処理を実行する。ここでは画像処理部15は、表示用データ形式に変換された画像のデータを制御部11から受け入れて、表示装置2に表示させるためのサイズ変換等の処理を行う。画像処理部15による描画処理結果は、表示制御部16に出力される。
【0031】
表示制御部16は、画像処理部15により出力された描画処理結果を映像信号に変換し、ディスプレイ装置や家庭用テレビなどの表示装置2に対して出力する。表示装置2は、例えばディスプレイ装置や家庭用テレビなどであって、本発明における表示手段に相当する。表示装置2は、表示制御部16の出力する映像信号に基づいて、画面上に映像を表示する。
【0032】
次に、画像表示装置1が実現する機能の概要について説明する。前述したように、画像表示装置1は、情報記憶媒体に記憶された複数の画像の各データ(処理対象データ)から選択したデータに対して、表示前処理を行う。ここでは具体的に、画像表示装置1は、当該複数の画像の各データから選択したデータに対して、当該データを情報記憶媒体から読み出すデータ読み出し処理(第1処理)、及び読み出したデータを所定の表示用データ形式に変換するデータ形式変換処理(第2処理)を順に実行する。そして、当該表示前処理によって得られる画像のデータに基づいて、ユーザの操作部14に対する表示対象変更指示に応じた画像を表示装置2に表示させる。
【0033】
また、ここでは表示対象となる複数の画像は、所定の順序を示す画像列Lを構成するものとする。例えば画像列Lは、情報記憶媒体上において各画像のデータが記憶されている順序を示すものであってもよいし、各画像のデータに関連付けられたファイル名や日付の情報に基づく順序を示すものであってもよい。以下では、画像列Lを構成する複数の画像を、I(1),I(2),・・・,I(p),・・・で表すこととする。また、当該各画像のデータを、D(1),D(2),・・・,D(p),・・・で表すこととする。
【0034】
さらにこの場合において、ユーザの操作部14に対する表示対象変更指示は、画像列Lにおける位置を変更する位置変更指示であることとする。具体例として、操作部14が上方向を示す上方向ボタンと、下方向を示す下方向ボタンとを備えていることとし、上方向ボタンが画像列Lの逆方向、下方向ボタンが画像列Lの順方向にそれぞれ対応付けられているものとする。この場合、ユーザの下方向ボタンを押下する指示操作は、画像列Lにおいて一つ先の画像を表示させる指示(以下、順方向指示という)を示し、上方向ボタンを押下する指示操作は、画像列Lにおいて一つ前の画像を表示させる指示(以下、逆方向指示という)を示すこととなる。
【0035】
続いて、画像表示装置1が実現する各機能の詳細について説明する。画像表示装置1は、機能的に図2に示すように、処理対象リスト及び表示画像位置の情報を管理する処理対象リスト管理部21と、画像のデータを情報記憶媒体から読み出すデータ読み出し処理を実行するデータ読み出し処理部22と、読み出されたデータを表示用データ形式に変換するデータ形式変換処理を実行するデータ形式変換処理部23と、変換されたデータに基づいて表示装置2に画像を表示させる画像表示制御処理を実行する画像表示制御部24と、を含んで構成される。なお、これらの処理は、互いに並列して起動されるプロセスやスレッドなどによって、同時期に実行されるものであってよい。また、制御部11が複数のプロセッサを含む場合、これらの処理の少なくとも一部は特定のプロセッサによって実行されることとしてもよい。例えば制御部11が所定の演算処理に特に適したプロセッサを含む場合、当該プロセッサがデータ形式変換処理を実行することとしてもよい。
【0036】
まず、処理対象リスト管理部21について説明する。処理対象リスト管理部21は、後述するデータ読み出し処理部22、データ形式変換処理部23、及び画像表示制御部24がそれぞれ処理の対象とする画像のデータを決定するために用いる処理対象リスト及び表示画像位置の情報を管理する。処理対象リスト管理部21は、機能的に図3に示すように、表示画像位置保持部21aと、処理対象リスト保持部21bと、処理対象リスト更新部21cと、を含んで構成される。
【0037】
表示画像位置保持部21aは、表示装置2が表示中の画像とユーザの位置変更指示とに応じて決まる、次に表示すべき画像の画像列Lにおける位置(表示画像位置)の情報を保持する。表示画像位置保持部21aは、メモリ12によって実現できる。また、ここでは表示画像位置の情報は、当該表示対象画像が画像列Lにおいて先頭から何番目の画像であるかを示す値であることとする。表示画像位置保持部21aが保持する表示画像位置の情報は、後述する処理対象リスト更新部21cによって処理対象リストとともに更新される。
【0038】
処理対象リスト保持部21bは、データ読み出し処理部22が実行するデータ読み出し処理の優先順位を示す処理対象リスト(優先順位リスト)を保持する。処理対象リスト保持部21bも、メモリ12によって実現できる。具体的に、処理対象リストは、データ読み出し処理を実行する対象となる読み出し対象画像及び当該読み出し対象画像を読み出す順序を示すリストである。
【0039】
また、処理対象リストは、データ読み出し処理の優先順位とともに、データ形式変換処理部23が実行するデータ形式変換処理の優先順位を示すものであってもよい。この場合、処理対象リストは、データ形式変換処理を実行する対象となる変換対象画像及び当該変換対象画像に対して変換処理を実行する順序を示すリストでもある。
【0040】
処理対象リスト更新部21cは、画像表示制御部24が通知する新たな画像を表示装置2に表示させる画像表示制御処理を実行した旨の情報と、ユーザの操作部14に対する表示対象変更指示と、に応じて、表示画像位置保持部21aが保持する表示画像位置の情報と、処理対象リスト保持部21bが保持する処理対象リストと、を更新する。処理対象リスト更新部21cは、制御部11及びメモリ12によって実現できる。
【0041】
具体例として、処理対象リスト更新部21cは、ユーザが操作部14に対して行った位置変更指示の内容を示すキーバッファ情報を取得し、メモリ12に保持する。そして、当該取得したキーバッファ情報に応じて、表示画像位置の情報を更新する。すなわち、これまでになされた位置変更指示に応じた画像が既に表示装置2に表示されて未処理の位置変更指示がない状態において、新たに順方向指示がなされた場合には、表示画像位置の情報に1を加算する。また、逆方向指示がなされた場合には、表示画像位置の情報から1を減算する。また、画像表示制御部24から表示画像位置により示される画像を表示させる処理を実行した旨の情報が通知された場合には、まだ表示画像位置の更新に用いられていない未処理の位置変更指示がキーバッファ情報に保持されていないかを判定する。そして、未処理の位置変更指示がある場合には、当該位置変更指示のうち、最も古い位置変更指示に応じて表示画像位置の情報を更新するとともに、この最も古い位置変更指示を処理済みに変更する。このような処理により、例えばユーザが連続的に操作部14に対して位置変更指示を行った場合であっても、処理対象リスト更新部21cは順次位置変更指示に応じた画像を示すように表示画像位置の情報を更新できる。なお、処理対象リストに対する更新処理の例については、後述する。
【0042】
次に、データ読み出し処理部22について説明する。データ読み出し処理部22は、読み出し対象画像に対して、当該読み出し対象画像の各データを情報記憶媒体から読み出して、メモリ12に含まれる一時記憶領域(バッファ)に格納するデータ読み出し処理を順次実行する。データ読み出し処理部22は、制御部11、メモリ12、及び媒体情報読み取り部13によって実現できる。また、ここではデータ読み出し処理部22が読み出したデータを格納するメモリ12内の一時記憶領域を、記憶領域B1とする。さらに記憶領域B1は、読み出したデータを一つだけ格納する単位記憶領域を、所定の数Nだけ含んでいるものとする。これにより、データ読み出し処理部22は最大N個の画像のデータを読み出して、記憶領域B1に保持できる。
【0043】
ここで、例えば読み出し対象画像は、表示画像位置保持部21aが保持する表示画像位置に応じて決定される、画像列Lにおける複数位置の画像である。一例として、表示画像位置がpである場合に、データ読み出し処理部22は、画像列Lにおいて表示画像位置pの画像及びその前後の所定の数の画像を読み出し対象画像として選択する。例えば所定の数が2であれば、I(p−2),I(p−1),I(p),I(p+1),I(p+2)を読み出し対象画像とする。
【0044】
さらに、データ読み出し処理部22は、読み出し対象画像の各データに対して、ユーザの位置変更指示の内容に応じて決定される順序で、データ読み出し処理を実行することとしてもよい。このように位置変更指示の内容に応じた順序でデータ読み出し処理を実行することで、画像表示装置1は、位置変更指示の内容から表示対象となる可能性が高いと推測される画像に対して、優先してデータ読み出し処理を実行することができる。これにより、表示画像変更時に表示対象となった画像のデータ読み出し処理が完了していないためにすぐに画像を表示させることができず、ユーザを待たせてしまう状態を減らすことができる。
【0045】
具体的に、例えばデータ読み出し処理部22は、位置変更指示によって変更される画像列Lにおける位置の移動方向に応じて決定される順序で、データ読み出し処理を実行する。これにより、画像列Lにおけるこれまでの表示画像の移動方向に応じて、表示対象となる可能性が高い画像をより高い精度で推測することができる。具体例として、ユーザの位置変更指示がまだなされていない場合、又は直前の位置変更指示が順方向指示の場合には、次にユーザの指示により表示対象となる画像は表示画像位置に対して順方向の位置にある画像である可能性が高い。そこでデータ読み出し処理部22は、表示画像位置から等しい距離にある画像のうち、順方向の位置にある画像の優先順位を高くすることとする。また、直前の位置変更指示が逆方向指示の場合には、次にユーザの指示により表示対象となる画像は表示画像位置に対して逆方向の位置にある画像である可能性が高い。そこでデータ読み出し処理部22は、表示画像位置から等しい距離にある画像のうち、逆方向の位置にある画像の優先順位を高くすることとする。例えば前述した5つの読み出し対象画像の例において、直前の位置変更指示が順方向指示の場合には、I(p),I(p+1),I(p−1),I(p+2),I(p−2)という順序でデータ読み出し処理を実行することとし、直前の位置変更指示が逆方向指示の場合には、I(p),I(p−1),I(p+1),I(p−2),I(p+2)という順序でデータ読み出し処理を実行することとする。
【0046】
また、データ読み出し処理部22は、読み出し対象画像として、表示画像位置と、ユーザの位置変更指示の内容とに応じて決定される画像列Lにおける複数位置の画像を順次読み出すこととしてもよい。例えば、ユーザの位置変更指示のうち、当該位置変更指示に応じた画像の表示がまだなされていない位置変更指示がある場合には、この位置変更指示に応じた画像をこれから表示すべきであるため、当該画像のデータを優先して読み出す必要がある。そこで、このような位置変更指示の内容に応じて決まる位置の画像を、読み出し対象画像とすることで、ユーザによりこれから表示するように指示された画像を順次読み出すことができる。
【0047】
さらに、データ読み出し処理部22は、処理対象リスト保持部21aが保持する処理対象リストにより示される読み出し対象画像に対して、当該処理対象リストにより示される順序で、データ読み出し処理を実行することとしてもよい。このように、処理対象リストに基づいて順次選択した読み出し対象画像に対してデータ読み出し処理を実行することで、データ読み出し処理部22は一つの画像についてデータ読み出し処理を実行するごとに、処理対象リストを参照して次に読み出すべき画像のデータを決定することができる。これにより、データ読み出し処理部22は、一つの画像についてデータ読み出し処理を終えるごとにユーザの位置変更指示の有無を判定して次に読み出す画像を決定する必要がなくなり、簡易な処理で次に読み出すべき画像のデータを決定できる。なお、処理対象リストを用いてデータ読み出し処理を行う場合に、データ読み出し処理部22が具体的に実行する処理の例については、後に詳しく説明する。
【0048】
次に、データ形式変換処理部23について説明する。データ形式変換処理部23は、少なくとも一つの変換対象画像に対して、データ読み出し処理部22により読み出されて記憶領域B1に格納された当該変換対象画像のデータを、所定の表示用データ形式に変換して、メモリ12に含まれる記憶領域B1とは異なる一時記憶領域に格納するデータ形式変換処理を順次実行する。データ形式変換部23は、制御部11及びメモリ12によって実現できる。
【0049】
ここで、変換対象画像は、読み出し対象画像と同様に、表示画像位置保持部21aが保持する表示画像位置に応じて決定される、画像列Lにおける複数位置の画像であることとしてもよい。この場合において、変換対象画像の数は、読み出し対象画像と同じ数であってもよいし、これより少ない数であってもよい。
【0050】
また、データ形式変換処理部23は、データ読み出し処理部22と同様に、ユーザによる位置変更指示の内容に応じて決定される順序で、変換対象画像のデータ形式変換処理を実行することとしてもよい。これにより、画像表示装置1は、位置変更指示の内容から表示対象となる可能性が高いと推測される画像に対して、優先してデータ形式変換処理を実行することができ、表示画像変更時にユーザを待たせてしまう状態を減らすことができる。
【0051】
さらに、データ形式変換処理部23は、変換対象画像のデータを、第1の表示用データ形式(以下、速度優先形式という)のデータに変換した後に、変換対象画像に含まれる少なくとも一つの画像のデータを、第1の表示用データ形式とは異なる第2の表示用データ形式(以下、画質優先形式という)のデータに変換することとしてもよい。この場合において、速度優先形式に変換された画像のデータはメモリ12内の記憶領域B2に格納されることとし、画質優先形式に変換された画像のデータは、記憶領域B2とは異なる一時記憶領域である記憶領域B3に格納されることとする。なお、ここでは記憶領域B2及びB3は、記憶領域B1と同様に、変換されたデータを一つだけ格納する単位記憶領域を、それぞれ所定の数だけ含んでいるものとする。
【0052】
ここで、表示用データ形式は、画像表示制御部24による画像表示制御処理に応じた画像のデータ形式であって、例えば各画素についてRGBそれぞれの成分色の画素値と半透明度を表すα値とを含んだビットマップ画像形式であることとする。また、速度優先形式は、当該形式に変換された画像のデータのサイズが、画質優先形式に変換された画像のデータのサイズより小さくなるような表示用データ形式であることとする。ビットマップ画像形式のデータのサイズは、当該画像に含まれる画素数に応じて決まる。そこで、例えばデータ形式変換処理部23は、速度優先形式として画素数の少ない(すなわち、画像サイズの小さい)データ形式に画像のデータを変換する。
【0053】
一例として、データ形式変換処理部23は、JPEG形式で情報記憶媒体に記憶されている画像のデータに対して、以下のようなデータ形式変換処理を行う。すなわち、当該JPEG形式の画像のデータを、速度優先形式として、元の画像の画素数に対して、縦横いずれも半分(全体として4分の1)の画素数のビットマップ画像形式のデータに変換する。また、同じ画像のデータを、画質優先形式として、元の画像の画素数と等しい画素数のビットマップ画像形式のデータに変換する。これにより、速度優先形式に変換された画像のデータは、画質優先形式に変換された画像のデータと比較して、データサイズが4分の1になる。あるいは、データ形式変換処理部23は、予め定められた記憶領域B2及び記憶領域B3に含まれる単位記憶領域の容量のサイズに応じて、当該単位記憶領域に格納できるようなデータサイズの形式に画像のデータを変換することとしてもよい。
【0054】
このように、まず変換対象画像のデータを比較的データサイズの小さい速度優先形式のデータに変換することで、画像表示装置1は、当該形式に変換された画像を表示させる際に、装置内におけるデータの転送時間を短縮することができる。これにより、例えばユーザが次々に表示画像を変更する指示を行った場合であっても、比較的ユーザを待たせることなく次の画像を表示させることができる。一方で、データ形式変換処理部23が変換対象画像について速度優先形式へのデータ形式変換処理を終えた場合には、改めて優先度の高い画像のデータについて画質優先形式へのデータ形式変換処理を行うことで、ユーザを待たせる懸念がない状態においては画質を優先した表示用データ形式で画像を表示させることができる。これにより、画像表示装置1は、表示画像変更時のユーザの待ち時間の削減と、必要に応じた高画質の画像表示とを両立することができる。
【0055】
また、ここではデータ形式変換処理部23は、データ読み出し処理部22と同様に、処理対象リスト保持部21aが保持する処理対象リストにより示される変換対象画像に対して、当該処理対象リストにより示される順序で、データ形式変換処理を実行することとする。このようにすれば、データ形式変換処理部23は、一つの画像についてデータ形式変換処理を終えるごとに処理対象リストを参照して次に処理すべき変換対象画像を決定することができる。そのため、例えばデータ読み出し処理部22によるデータ読み出し処理の途中でユーザの表示対象変更指示によって処理対象リストが更新され、処理の優先順位が変化したとしても、データ形式変換処理部23はこの変化に応じて決まる変換対象画像に対してデータ形式変換処理を実行することができる。これにより、画像表示装置1は、処理対象となったデータに対してデータ読み出し処理及びデータ形式変換処理を連続的に実行する場合と比較して、無駄な処理の実行を削減することができる。なお、処理対象リストを用いてデータ形式変換処理を行う場合に、データ形式変換処理部23が具体的に実行する処理の例については、後に詳しく説明する。
【0056】
続いて、画像表示制御部24について説明する。画像表示制御部24は、データ形式変換処理部23のデータ形式変換処理により表示用データ形式に変換された画像のデータに基づいて、複数の画像のうち、ユーザによる表示対象変更指示に応じた表示対象画像を表示装置2に表示させる画像表示制御処理を行う。画像表示制御部23は、制御部11、画像処理部15、及び表示制御部16によって実現できる。
【0057】
ここでは画像表示制御部24は、次に表示装置2に表示させるべき表示対象画像を、表示画像位置保持部21aが保持する表示画像位置の情報を参照して特定する。そして、当該画像のデータを表示用データ形式に変換して得られるデータを、メモリ12内の一時記憶領域から読み出して、所定のタイミングで表示装置2に表示させる。また、画像表示制御部24は、表示装置2に新たな画像を表示させる画像表示制御処理を実行した場合には、当該処理を実行したことを示す情報を処理対象リスト更新部21cに対して通知する。これにより、処理対象リスト更新部21cは、表示装置2に表示されている画像の切り替えに応じて、処理対象リスト及び表示画像位置の情報を更新できる。
【0058】
また、前述したようにデータ形式変換処理部23が速度優先形式又は画質優先形式のいずれかの表示用データ形式に画像のデータを変換する場合には、画像表示制御部24は、以下のような処理を実行する。すなわち、表示画像位置の情報により特定した表示対象画像のデータが画質優先形式に変換されて記憶領域B3に格納されている場合には、当該画質優先形式に変換された画像のデータに基づいて画像表示制御処理を行う。一方、表示対象画像のデータが画質優先形式に変換されていない場合には、記憶領域B2に格納されている速度優先形式に変換された画像のデータに基づいて画像表示制御処理を行う。これにより、画像表示制御部24は画質優先形式による表示が可能な場合には当該形式により画像を表示させ、不可能な場合には速度優先形式により画像を表示させることができる。
【0059】
次に、処理対象リスト保持部21aが保持する処理対象リスト、及び処理対象リスト更新部21cが当該処理対象リストを更新する際の更新ルールの例について、説明する。
【0060】
具体例として、処理対象リストは、所定の数の読み出し対象画像を、処理すべき優先順位に従って並べたリストである。そして、処理対象リストに含まれる画像のうち、優先順位の高い順に所定の数の画像は、変換対象画像でもあることとする。
【0061】
優先順位は、表示画像位置保持部21aが保持する表示画像位置の情報と、ユーザによる位置変更指示とに基づいて、例えば以下のように決定される。すなわち、まず表示画像位置の情報によって示される画像を、最も高い優先順位で処理対象リストに加える(ルール1)。そして、表示画像位置の決定に用いられていない未処理の位置変更指示がある場合には、当該位置変更指示によって示される、順に表示対象とすべき画像を、表示画像位置の情報によって示される画像に続いて第2位以降の優先順位で処理対象リストに追加する(ルール2)。ただし、順に表示対象とすべき画像のうち、2回以上表示対象となるよう指示されている画像については、1回目に表示対象となる場合のみ処理対象リストに追加する。
【0062】
さらに、これ以降の優先順位は、以下のようにして決定される。すなわち、まだ処理対象リストに追加されていない画像のうち、画像列Lにおいて既に処理対象リストに追加された画像と隣接し、さらに表示画像位置から見て最後の位置変更指示によって示される方向にある画像を、次に処理対象リストに追加する(ルール3)。なお、位置変更指示がまだなされていない状態においては、最後の位置変更指示によって示される方向に代えて、基準方向(例えば順方向)にある画像を、処理対象リストに追加する。そして、その次に、やはり既に処理対象リストに追加された画像と隣接し、表示画像位置から見て最後の位置変更指示によって示される方向と反対方向にある画像を、処理対象リストに追加する(ルール4)。以降、このルール3とルール4の手順を繰り返して、処理対象リストに画像を追加する(ルール5)。
【0063】
図4(a)、図4(b)及び図4(c)は、このようなルールによって決定される処理対象リストに含まれる画像の優先順位を示す説明図である。これらの図は、いずれも表示画像位置の情報がpの場合の、pを中心とした画像列Lを構成する画像を示している。また、向かって右側が画像列Lの順方向を示している。さらに、各画像の下に付されている数字が、処理対象リスト内における優先順位を示しており、数字の付されていない画像は処理対象リストに含まれない画像である。また、ここでは処理対象リストは、読み出し対象画像として7個の画像を含むこととする。
【0064】
図4(a)は、位置変更指示がなされていない状態における処理対象リストの例を示している。この場合、ルール1によって画像I(p)が優先順位第1位となり、位置変更指示がないためにルール2によって処理対象リストに追加される画像はない。そして、ルール3によって基準方向にある画像I(p+1)が第2位に、ルール4によって画像I(p−1)が第3位になる。さらにルール5に基づいて第4位以降の画像は図示されているように決定される。
【0065】
図4(b)は、未処理の位置変更指示として、2回の逆方向指示を示すキーバッファ情報が保持されている場合の例を示している。この場合、ルール1によって画像I(p)が優先順位第1位となり、ルール2によって、未処理の位置変更指示に応じた画像I(p−1)及びI(p−2)が、それぞれ優先順位第2位及び第3位となる。さらに、最後の位置変更指示が逆方向指示であるため、ルール3によって画像I(p−3)が第4位、ルール4によって画像I(p+1)が第5位となる。
【0066】
図4(c)は、未処理の位置変更指示として、順に逆方向指示、逆方向指示、及び順方向指示を示すキーバッファ情報が保持されている場合の例を示している。この場合、優先順位第3位までは図4(b)と同様に決定される。しかし、それ以降については、最後の位置変更指示が順方向指示であるため、図4(b)の場合とは第4位と第5位とが入れ替わることとなる。すなわち、ルール3によって画像I(p+1)が第4位、画像I(p−3)が第5位となる。
【0067】
処理対象リスト更新部21cは、新たな位置変更指示を取得した場合や、画像表示制御部24から画像表示制御処理を実行した旨の情報が通知された場合に、都度以上説明したようなルールに基づいて処理対象リストを再生成することとしてもよいが、例えば予めメモリ12内に保持されたルールテーブルを用いて処理対象リストを更新することとしてもよい。当該ルールテーブルは、例えば未処理の位置変更指示を示す情報と、上述したルールに従って定められる処理対象リストを構成する画像を表示画像位置からの相対位置によって表した情報と、を対応づけるテーブルである。処理対象リスト更新部21cは、更新時点におけるキーバッファ情報に保持された未処理の位置変更指示の情報と、表示画像位置の情報と、に基づいて、当該ルールテーブルを参照して処理対象リストを更新できる。
【0068】
次に、データ読み出し処理部22、データ形式変換処理部23、及び画像表示制御部24のそれぞれが実行する処理の流れの具体例について、説明する。
【0069】
まず、データ読み出し処理部22、データ形式変換処理部23、及び画像表示制御部24が以下に説明する処理の例において使用する、記憶領域管理テーブルについて説明する。記憶領域管理テーブルT1は、記憶領域B1に格納されている画像のデータを特定する情報を含むテーブルである。記憶領域管理テーブルT1はメモリ12内に記憶されており、データ読み出し処理部22及びデータ形式変換処理部23により参照及び更新が可能であるものとする。
【0070】
一例として、記憶領域管理テーブルT1は、図5に示すように、記憶領域B1に含まれる各単位記憶領域を特定する領域識別情報と、当該各単位領域に格納されている画像のデータを特定する画像識別情報と、当該各単位記憶領域の状態を示すステータス情報とを対応づけるテーブルである。また、ステータス情報は、単位記憶領域の状態として、「空き領域」、「読み出し処理中」、「読み出し処理完了」、「変換処理中」、及び「変換処理完了」を、それぞれ示す情報であり、データ読み出し処理部22及びデータ形式変換処理部23によって更新される。単位記憶領域にデータが格納されていない場合、また格納されたデータが削除可能な場合には、ステータス情報は「空き領域」となる。そして、例えば画像I(p)のデータD(p)がデータ読み出し処理部22によって単位記憶領域の一つに格納される途中の場合には、当該単位記憶領域に対応づけられたステータス情報として「読み出し処理中」を示す情報が記憶領域管理テーブルT1に格納される。データ読み出し処理部22がデータ読み出し処理を完了するとステータス情報は「読み出し処理完了」に更新される。さらにデータ形式変換処理部23が当該単位記憶領域に格納されたD(p)に対してデータ形式変換処理を開始すると、ステータス情報は「変換処理中」に更新され、当該データ形式変換処理が完了すると、ステータス情報は後述する判定条件に応じて「変換処理完了」又は「空き領域」に更新される。
【0071】
また、記憶領域管理テーブルT2は、記憶領域B2及びB3に格納されている画像のデータを特定する情報を含むテーブルである。記憶領域管理テーブルT2はメモリ12内に記憶されており、データ形式変換処理部23及び画像表示制御部24により参照及び更新が可能であるものとする。
【0072】
一例として、記憶領域管理テーブルT2は、記憶領域B2及びB3に含まれる各単位記憶領域を特定する領域識別情報と、当該各単位記憶領域に格納されている画像のデータを特定する画像識別情報と、当該各単位記憶領域の状態を示すステータス情報とを対応づけるテーブルである。また、ステータス情報は、データの状態として、「空き領域」、「変換処理中」、「変換処理完了」、及び「表示処理中」を、それぞれ示す情報であり、データ形式変換処理部23及び画像表示制御部24によって更新される。単位記憶領域にデータが格納されていない場合、また格納されたデータが削除可能と判定された場合には、ステータス情報は「空き領域」となる。そして、例えば画像I(p)について、データ形式変換処理部23によるデータ形式変換処理が実行中であって、変換後の画像のデータが記憶領域B2又はB3に含まれる単位記憶領域の一つに対して書き込まれている途中の場合には、当該単位記憶領域に対応づけられたステータス情報として「変換処理中」を示す情報が記憶領域管理テーブルT2に格納される。データ形式変換処理部23がデータ形式変換処理を完了するとステータス情報は「変換処理完了」に更新される。さらに画像表示制御部24が当該単位記憶領域に格納された変換後のデータに対して画像表示制御処理を開始すると、ステータス情報は「表示処理中」に更新される。そして、当該画像表示制御処理が完了した場合には、画像表示制御部24によって、ステータス情報は後述する判定条件に応じて「変換処理完了」又は「空き領域」に更新される。
【0073】
次に、データ読み出し処理部22が実行する処理の流れの例について、図6のフロー図に基づいて説明する。
【0074】
データ読み出し処理部22は、処理を開始すると、まずデータ読み出し処理を行うか否かを判定すべき契機となるイベントの発生を待つ(S1)。具体的には、処理対象リスト更新部21cによる処理対象リストの更新があった場合、及び記憶領域B1内の単位記憶領域の一つに対するステータス情報が、データ形式変換処理部23によって「空き領域」に変更された場合に、当該イベントが発生したと判定する。
【0075】
S1の処理においてイベントが発生したと判定した場合、データ読み出し処理部22は、処理対象リストを参照して削除可能なデータが記憶領域B1に格納されているかを判定する(S2)。具体的には、記憶領域管理テーブルT1により示される記憶領域B1にデータが格納された画像の情報と、処理対象リストにより示される読み出し対象画像の情報とを比較する。そして、当該判定時点で読み出し対象画像に含まれない画像のデータが記憶領域B1に格納されており、かつ、当該データの格納された単位記憶領域のステータス情報が「読み出し処理完了」又は「変換処理完了」である場合に、当該データは削除可能なデータであると判定する。削除可能なデータが記憶領域B1に格納されていると判定した場合、データ読み出し処理部22は、当該データが格納された単位記憶領域のステータス情報を「空き領域」に変更する(S3)。
【0076】
次に、データ読み出し処理部22は、処理対象リストと、記憶領域管理テーブルT1とを参照して、データ読み出し処理の対象とするデータを決定する(S4)。具体的には、記憶領域B1内にステータス情報が「空き領域」の単位記憶領域があって、処理対象リストにより示される読み出し対象画像のうち、記憶領域B1にデータが格納されていない画像がある場合に、これらの画像のうち処理対象リストにより示される順序により最も優先されると判断される画像のデータを、処理対象データとして選択する。
【0077】
S4の処理によりデータ読み出し処理の対象となるデータが決定できなかった場合、データ読み出し処理部22はS1の処理に戻って新たなイベントの発生を待つ。一方、S4の処理によりデータ読み出し処理の対象となる処理対象データを決定した場合、当該決定した処理対象データに対して、データ読み出し処理を実行する(S5)。データ読み出し処理を完了すると、データ読み出し処理部22はS2の処理に戻ってさらにデータ読み出し処理を実行可能な処理対象データがあるか否かの判定を繰り返す。なお、以上の処理は、画像表示装置1による画像表示処理の全体がユーザの指示操作等によって終了されるまで繰り返される。
【0078】
次に、データ形式変換処理部23が実行する処理の流れの例について、図7のフロー図に基づいて説明する。
【0079】
データ形式変換処理部23は、処理を開始すると、まずデータ形式変換処理を行うか否かを判定すべき契機となるイベントの発生を待つ(S11)。具体的には、処理対象リスト更新部21cによる処理対象リストの更新があった場合、データ読み出し処理部22がデータ読み出し処理を完了して記憶領域管理テーブルT1に含まれるいずれかのステータス情報が「読み出し処理完了」に更新された場合、及び記憶領域管理テーブルT2に含まれるいずれかのステータス情報が「空き領域」に更新された場合に、当該イベントが発生したと判定する。
【0080】
S11の処理においてイベントが発生したと判定した場合、データ形式変換処理部23は、処理対象リストを参照して削除可能なデータが記憶領域B2又はB3に格納されているかを判定する(S12)。具体的には、記憶領域管理テーブルT2により示される記憶領域B2及びB3にデータが格納された画像の情報と、処理対象リストにより示される変換対象画像の情報とを比較する。そして、当該判定時点で変換対象画像に含まれない画像のデータが記憶領域B2又はB3に格納されており、かつ、当該データの格納された単位記憶領域のステータス情報が「変換処理完了」である場合に、当該データは削除可能なデータであると判定する。削除可能なデータが記憶領域B2又はB3に格納されていると判定した場合、データ形式変換処理部23は、当該データが格納された単位記憶領域のステータス情報を「空き領域」に変更する(S13)。
【0081】
次に、データ形式変換処理部23は、処理対象リストと、記憶領域管理テーブルT2とを参照して、速度優先形式へのデータ形式変換処理の対象とすべきデータがあるか否かを判定する(S14)。具体的には、記憶領域B2内にステータス情報が「空き領域」の単位記憶領域があって、処理対象リストにより示される変換対象画像のうち、記憶領域B2にデータが格納されておらず、かつ読み出されたデータが記憶領域B1内に格納されてステータス情報が「読み出し処理完了」となっている画像がある場合に、処理対象とすべきデータがあると判定する。
【0082】
S14の処理により処理対象とすべきデータがあると判定した場合、これらの処理対象データのうち、処理対象リストにより示される順序により最も優先されると判断される画像のデータを、データ形式変換処理の対象として決定する(S15)。そして、当該決定したデータに対して、速度優先形式へのデータ形式変換処理を実行する(S16)。
【0083】
一方、S14の処理により処理対象とすべきデータがないと判定した場合、次にデータ形式変換処理部23は、画質優先形式へのデータ形式変換処理の対象とすべきデータがあるか否かを判定する(S17)。具体的には、記憶領域B3内にステータス情報が「空き領域」の単位記憶領域があって、処理対象リストにより示される変換対象画像のうち、記憶領域B3にデータが格納されておらず、かつ読み出されたデータが記憶領域B1内に格納されてステータス情報が「読み出し処理完了」となっている画像がある場合に、処理対象とすべきデータがあると判定する。
【0084】
S17の処理により処理対象とすべきデータがないと判定した場合、データ形式変換処理部23は、S11の処理に戻って新たなイベントの発生を待つ。一方、S17の処理により処理対象とすべきデータがあると判定した場合、これらの処理対象データのうち、処理対象リストにより示される順序により最も優先されると判断される画像のデータを、データ形式変換処理の対象として決定する(S18)。そして、当該決定したデータに対して、画質優先形式へのデータ形式変換処理を実行する(S19)。
【0085】
S16又はS19のデータ形式変換処理を実行した場合、データ形式変換処理部23は後処理を実行する(S20)。具体的には、表示させた画像が処理対象リストにおいて読み出し対象画像として示されている場合には、記憶領域管理テーブルT1において、当該画像の格納された単位記憶領域のステータス情報を「変換処理完了」に更新する。一方で表示させた画像が処理対象リストにおいて読み出し対象画像として示されていない場合には、記憶領域管理テーブルT2において、当該画像の格納された単位記憶領域のステータス情報を「空き領域」に更新する。その後、データ形式変換処理部23はS12の処理に戻ってさらにデータ形式変換処理を実行可能なデータがあるか否かの判定を繰り返す。
【0086】
次に、画像表示制御部23が実行する処理の流れの例について、図8のフロー図に基づいて説明する。
【0087】
画像表示制御部24は、処理を開始すると、まず画像表示制御処理を行うか否かを判定すべき契機となるイベントの発生を待つ(S21)。具体的には、例えば垂直同期信号などの信号入力があった場合に、当該イベントが発生したと判定する。
【0088】
S21の処理においてイベントが発生したと判定した場合、画像表示制御部24は、表示画像位置保持部21aが保持する表示画像位置の情報を参照して、表示対象とすべき画像を特定する(S22)。そして、当該画像の変換後のデータが、記憶領域B3に格納されており、ステータス情報が「変換処理完了」となっているか否かを判定する(S23)。記憶領域B3に変換後のデータが「変換処理完了」の状態で格納されていれば、当該データに基づいて画像を表示装置2に表示させる画像表示制御処理を行う(S24)。これにより、画像表示制御部24は画質優先形式で画像を表示させることができる。
【0089】
一方、記憶領域B3に変換後のデータがなければ、さらに画像表示制御部24は、変換後のデータが記憶領域B2に格納されており、ステータス情報が「変換処理完了」となっているか否かを判定する(S25)。記憶領域B2に変換後のデータが「変換処理完了」の状態で格納されていなければ、画像表示制御部24はS21の処理に戻って新たなイベントの発生を待つ。一方、S25の処理において記憶領域B2に変換後のデータがあると判定した場合、画像表示制御部24は当該データに基づいて画像を表示装置2に表示させる画像表示制御処理を行う(S26)。
【0090】
S24又はS26の画像表示制御処理を実行した場合、画像表示制御部24は後処理を実行する(S27)。具体的には、表示させた画像が処理対象リストにおいて変換対象画像として示されている場合には、記憶領域管理テーブルT2において、当該画像の格納された単位記憶領域のステータス情報を「変換処理完了」に戻す。一方で表示させた画像が処理対象リストにおいて変換対象画像として示されていない場合には、記憶領域管理テーブルT2において、当該画像の格納された単位記憶領域のステータス情報を「空き領域」に更新する。そして、いずれの場合においても、処理対象リスト更新部21cに対して、画像表示制御処理を実行した旨を示す情報を通知する。その後、画像表示制御部24はS21の処理に戻って新たなイベントの発生を待つ。
【0091】
なお、本発明は以上説明した実施形態に限定されるものではなく、種々の実施形態により実現可能である。例えば以上の説明においては、記憶領域B1、B2及びB3は、それぞれ一つの画像のデータを格納する単位記憶領域を、所定の数だけ含むこととしたが、これ以外の方法でデータを格納することとしてもよい。例えば、記憶領域B1はデータサイズの上限が予め定められた領域であって、当該領域内に格納されるデータの数は可変であってもよい。この場合、一例として記憶領域管理テーブルは、当該記憶領域内に格納されているデータを識別する情報と、当該データが格納された記憶領域内の位置を示すアドレス情報とを、対応づけるテーブルであることとする。またこの場合、処理対象リストは、記憶領域内に格納されうるデータの最大数に応じた数の読み出し対象画像を、優先順位に従って並べたリストであることとする。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像表示装置の構成例を表すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る画像表示装置の機能の一例を表す機能ブロック図である。
【図3】処理対象リスト管理部の機能の一例を表す機能ブロック図である。
【図4】画像列に含まれる画像の、処理対象リストにおける優先順位の例を表す説明図である。
【図5】記憶領域管理テーブルの一例を表す図である。
【図6】データ読み出し処理部によって実行される処理の一例を示すフロー図である。
【図7】データ形式変換処理部によって実行される処理の一例を示すフロー図である。
【図8】画像表示制御部によって実行される処理の一例を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0093】
1 画像表示装置、2 表示装置、11 制御部、12 メモリ、13 媒体情報読み取り部、14 操作部、15 画像処理部、16 表示制御部、21 処理対象リスト管理部、21a 表示画像位置保持部、21b 処理対象リスト保持部、21c 処理対象リスト更新部、22 データ読み出し処理部、23 データ形式変換処理部、24 画像表示制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像からなる画像列のうち、該画像列における位置を変更するユーザの位置変更指示に応じた画像を表示手段に表示させる画像表示装置であって、
前記表示手段が表示中の画像と前記位置変更指示とに応じて決まる、次に表示すべき画像の前記画像列における位置である表示画像位置の情報を保持する表示画像位置保持手段と、
前記表示画像位置に応じて決定される前記画像列における複数位置の画像のそれぞれに対して、当該各画像のデータを、前記位置変更指示の内容に応じて決定される順序で、前記複数の画像の各データを記憶する画像データ記憶手段から読み出すデータ読み出し処理を実行する読み出し処理手段と、
前記読み出した画像のデータに基づいて、前記位置変更指示に応じた画像を前記表示手段に表示させる画像表示制御手段と、
を含むことを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像表示装置において、
前記複数位置は、前記位置変更指示の内容に応じて決定される
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像表示装置において、
前記データ読み出し処理を実行する対象となる読み出し対象画像及び当該読み出し対象画像を読み出す順序を示す処理対象リストを保持する処理対象リスト保持手段と、
前記位置変更指示に応じて前記処理対象リストを更新する処理対象リスト更新手段と、
をさらに含み、
前記読み出し処理手段は、前記処理対象リストにより示される前記読み出し対象画像に対して、前記表示前処理対象リストにより示される順序で、前記データ読み出し処理を実行する
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像表示装置において、
前記読み出し処理手段は、前記位置変更指示によって変更される前記画像列における位置の移動方向に応じて決定される順序で、前記データ読み出し処理を実行する
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像表示装置において、
前記表示画像位置に応じて決定される前記画像列における複数位置の画像のそれぞれに対して、前記データ読み出し処理により読み出された当該各画像のデータを、前記位置変更指示の内容に応じて決定される順序で、表示用データ形式に変換するデータ形式変換手段をさらに含み、
前記画像表示制御手段は、前記変換された画像のデータに基づいて、前記表示対象変更指示に応じた画像を前記表示手段に表示させる
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項6】
複数の画像からなる画像列のうち、該画像列における位置を変更するユーザの位置変更指示に応じた画像を表示手段に表示させる画像表示方法であって、
前記表示手段が表示中の画像と前記位置変更指示とに応じて決まる、次に表示すべき画像の前記画像列における位置である表示画像位置の情報を表示画像位置保持手段に保持させるステップと、
前記表示画像位置に応じて決定される前記画像列における複数位置の画像のそれぞれに対して、当該各画像のデータを、前記位置変更指示の内容に応じて決定される順序で、前記複数の画像の各データを記憶する画像データ記憶手段から読み出すデータ読み出し処理を実行するステップと、
前記読み出した画像のデータに基づいて、前記位置変更指示に応じた画像を前記表示手段に表示させるステップと、
を含むことを特徴とする画像表示方法。
【請求項7】
複数の画像からなる画像列のうち、該画像列における位置を変更するユーザの位置変更指示に応じた画像を表示手段に表示させる画像表示装置としてコンピュータを機能させるプログラムであって、
前記表示手段が表示中の画像と前記位置変更指示とに応じて決まる、次に表示すべき画像の前記画像列における位置である表示画像位置の情報を保持する表示画像位置保持手段、
前記表示画像位置に応じて決定される前記画像列における複数位置の画像のそれぞれに対して、当該各画像のデータを、前記位置変更指示の内容に応じて決定される順序で、前記複数の画像の各データを記憶する画像データ記憶手段から読み出すデータ読み出し処理を実行する読み出し処理手段、及び
前記読み出した画像のデータに基づいて、前記位置変更指示に応じた画像を前記表示手段に表示させる画像表示制御手段、
として前記コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項8】
複数の画像のうち、ユーザによる表示対象変更指示に応じた画像を表示手段に表示させる画像表示装置であって、
前記複数の画像に含まれる少なくとも一つの変換対象画像のデータを、第1の表示用データ形式に変換して第1の一時記憶領域に格納した後に、前記変換対象画像に含まれる少なくとも一つの画像のデータを、前記第1の表示用データ形式とは異なる第2の表示用データ形式に変換して前記第1の一時記憶領域とは異なる第2の一時記憶領域に格納するデータ形式変換手段と、
前記変換された画像のデータに基づいて、前記表示対象変更指示に応じた表示対象画像を前記表示手段に表示させる手段であって、該表示対象画像のデータが前記第2の表示用データ形式に変換されている場合には当該第2の表示用データ形式に変換された画像のデータに、該表示対象画像のデータが前記第2の表示用データ形式に変換されていない場合には前記第1の表示用データ形式に変換された画像のデータに、それぞれ基づいて、該表示対象画像を表示手段に表示させる画像表示制御手段と、
を含むことを特徴とする画像表示装置。
【請求項9】
請求項8に記載の画像表示装置において、
前記第1の表示用データ形式に変換された画像のデータは、前記第2の表示用データ形式に変換された画像のデータよりデータサイズが小さくなる
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項10】
複数の画像のうち、ユーザによる表示対象変更指示に応じた画像を表示手段に表示させる画像表示方法であって、
前記複数の画像に含まれる少なくとも一つの変換対象画像のデータを、第1の表示用データ形式に変換して第1の一時記憶領域に格納した後に、前記変換対象画像に含まれる少なくとも一つの画像のデータを、前記第1の表示用データ形式とは異なる第2の表示用データ形式に変換して前記第1の一時記憶領域とは異なる第2の一時記憶領域に格納するステップと、
前記変換された画像のデータに基づいて、前記表示対象変更指示に応じた表示対象画像を前記表示手段に表示させるステップであって、該表示対象画像のデータが前記第2の表示用データ形式に変換されている場合には当該第2の表示用データ形式に変換された画像のデータに、該表示対象画像のデータが前記第2の表示用データ形式に変換されていない場合には前記第1の表示用データ形式に変換された画像のデータに、それぞれ基づいて、該表示対象画像を表示手段に表示させるステップと、
を含むことを特徴とする画像表示方法。
【請求項11】
複数の画像のうち、ユーザによる表示対象変更指示に応じた画像を表示手段に表示させる画像表示装置としてコンピュータを機能させるプログラムであって、
前記複数の画像に含まれる少なくとも一つの変換対象画像のデータを、第1の表示用データ形式に変換して第1の一時記憶領域に格納した後に、前記変換対象画像に含まれる少なくとも一つの画像のデータを、前記第1の表示用データ形式とは異なる第2の表示用データ形式に変換して前記第1の一時記憶領域とは異なる第2の一時記憶領域に格納するデータ形式変換手段、及び
前記変換された画像のデータに基づいて、前記表示対象変更指示に応じた表示対象画像を前記表示手段に表示させる手段であって、該表示対象画像のデータが前記第2の表示用データ形式に変換されている場合には当該第2の表示用データ形式に変換された画像のデータに、該表示対象画像のデータが前記第2の表示用データ形式に変換されていない場合には前記第1の表示用データ形式に変換された画像のデータに、それぞれ基づいて、該表示対象画像を表示手段に表示させる画像表示制御手段、
として前記コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項12】
複数の処理対象データに対して、第1処理及び第2処理を順に実行する情報処理装置であって、
前記複数の処理対象データに対する前記第1及び第2処理の優先順位を示す優先順位リストを保持する優先順位リスト保持手段と、
前記複数の処理対象データの中から前記保持している優先順位リストに基づいて順次選択した処理対象データに対して、前記第1処理を実行してその処理結果を一時記憶領域に格納する第1処理実行手段と、
所定のイベントの発生に応じて、前記優先順位リストを更新する優先順位リスト更新手段と、
前記一時記憶領域に格納された処理結果の中から、前記更新された優先順位リストに基づいて順次選択した処理結果に対して、前記第2処理を実行する第2処理実行手段と、
を含むことを特徴とする情報処理装置。
【請求項13】
請求項12に記載の情報処理装置において、
複数の画像のうち、ユーザによる表示対象変更指示に応じた表示対象画像を表示手段に表示させる画像表示制御手段をさらに含み、
前記処理対象データは、前記画像のデータであって、
前記第1処理は、前記画像のデータを前記複数の画像の各データを記憶する画像データ記憶手段から読み出すデータ読み出し処理であって、
前記第2処理は、前記読み出した画像のデータを表示用データ形式に変換するデータ形式変換処理であって、
前記所定のイベントは、前記表示対象変更指示であって、
前記画像表示制御手段は、前記データ形式変換処理により変換された画像のデータに基づいて、前記表示対象画像を前記表示手段に表示させる
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項14】
複数の処理対象データに対して、第1処理及び第2処理を順に実行する情報処理方法であって、
前記複数の処理対象データに対する前記第1及び第2処理の優先順位を示す優先順位リストを優先順位リスト保持手段に保持させるステップと、
前記複数の処理対象データの中から前記保持している優先順位リストに基づいて順次選択した処理対象データに対して、前記第1処理を実行してその処理結果を一時記憶領域に格納するステップと、
所定のイベントの発生に応じて、前記優先順位リストを更新するステップと、
前記一時記憶領域に格納された処理結果の中から、前記更新された優先順位リストに基づいて順次選択した処理結果に対して、前記第2処理を実行するステップと、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項15】
複数の処理対象データに対して、第1処理及び第2処理を順に実行する情報処理装置としてコンピュータを機能させるプログラムであって、
前記複数の処理対象データに対する前記第1及び第2処理の優先順位を示す優先順位リストを保持する優先順位リスト保持手段、
前記複数の処理対象データの中から前記保持している優先順位リストに基づいて順次選択した処理対象データに対して、前記第1処理を実行してその処理結果を一時記憶領域に格納する第1処理実行手段、
所定のイベントの発生に応じて、前記優先順位リストを更新する優先順位リスト更新手段、及び
前記一時記憶領域に格納された処理結果の中から、前記更新された優先順位リストに基づいて順次選択した処理結果に対して、前記第2処理を実行する第2処理実行手段、
として前記コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−293044(P2007−293044A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−120960(P2006−120960)
【出願日】平成18年4月25日(2006.4.25)
【出願人】(395015319)株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント (871)
【Fターム(参考)】