説明

画像表示装置、画像表示方法及び画像表示プログラム

【課題】ユーザの所望のページを表示するまで、画像を順次切り換えるページめくり動作中は、画像の一部分のみを切り換え、ユーザの所望のページを表示する場合は、画像の全体を表示することにより、ページめくり動作中の不揮発性表示部の消費電力を低減する画像表示装置を提供する。
【解決手段】前進ボタン3a又は後退ボタン3bによるページめくりの指示が行なわれると、不揮発性表示部2の表示画面は全面表示がされる。ページめくりの指示が継続していると判断されたときは、不揮発性表示部2は表示画面の一部分領域2bのみが連続して切り換えられる。ユーザが所望のページの画像を表示画面の全面に表示させるために、ページめくりの指示を停止した場合は、指示が非継続と判断され、不揮発性表示部2は表示画面の全領域2a、2bに所望のページを表示する。この結果、ページめくりにより所望のページが表示されるまでに要する消費電力は低減される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者の指示に従って、表示画面上の画像をページ単位で切り換え、表示する画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、紙に印字されていた書籍などの多数ページの画像を、ページ単位で電子的に画面に表示する画像表示装置が存在する。例えば、特許文献1にはフレキシブルな電子ペーパーを複数束ねた電子ブックが開示されている。各々の電子ペーパーにセンサ部が設けられており、センサ部の曲がり方向、曲がり量及び曲がりの継続時間が検出される。利用者が画面の表示を切り換えるために特定の電子ペーパーを曲げると、センサ部は曲がり状態を検出する。センサ部が曲げられた状態が1秒継続されると、画面の表示が切り換えられる。その後も曲げた状態が継続される限り、0.5秒経過毎に次々と画面の表示が切り換えられる。このように、利用者は電子ペーパーの曲げ状態を継続する間は、ページめくり動作が実行される。このページめくり動作では、希望する画像が表示されるまでページ単位で画面の表示と切り換えとが交互に行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−318123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の電子ブックにおいては、利用者が希望する画像を表示するまで、ページ単位で表示画像の全面が切り換えられている。しかしながら、利用者は表示される一部の画像を見て、更なるページめくりを行うかを判断するのが一般的である。よって、ページめくり動作中に常に全面を切り換えることは電力を無駄に消費している。
【0005】
よって、本発明の目的は、上述の問題を解決し、画像を順次切り換えるページめくり動作中は画像を部分的に表示することにより、ページめくり動作中の不揮発性表示部の電力消費を低減させる画像表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、請求項1記載の画像表示装置は、多数の画像の各々を表示するための表示データに従って各画像を多数の画素により表示画面上に表示し、表示される画像を順次切り換えるための電圧が少なくとも1つの画素に印加され、電圧の印加後に画像の表示状態を保持することが可能な不揮発性表示部と、前記表示画面上の少なくとも1つの画素の表示状態を変化させるための電圧を発生可能な電源部と、前記表示画面の全面における多数の画素に前記電源部からの電圧を印加することにより画像の全面を切り換える全面切換動作と、前記表示画面の所定部分における多数の画素に前記電源部からの電圧を印加することにより画像の一部を切り換える部分切換動作との、いずれかを実行可能な切換動作部と、前記表示画面に表示される画像の切換を指示する指示部と、前記指示部による切換の指示が継続しているか否かを判断する指示判断部と、前記指示判断部により切換の指示が継続していると判断されたとき、前記部分切換動作の実行を前記切換動作部に指令する切換制御部を備える構成である。
【0007】
請求項2記載の画像表示装置は、前記指示部は、画像の切換を指示するために操作可能な操作部材を有し、前記指示判断部は、前記操作部材による操作が継続しているか否かを判断し、前記切換制御部は、前記指示判断部により操作の継続が判断されている間、前記切換動作部に前記部分切換動作の実行を指令し、前記切換動作部は前記不揮発性表示部の全面に画像を表示することを特徴とする構成である。
【0008】
請求項3記載の画像表示装置は、前記指示部は、画像の切換を指示するために操作可能な操作部材を有し、前記指示判断部は、前記操作部材による操作が継続しているか否かを判断し、前記操作部材により操作が行なわれたときに、前記切換制御部は前記切換動作部に前記全面切換動作の実行を指令し、前記指示判断部により操作の継続が判断されたとき、前記切換制御部は前記切換動作部に前記部分切換動作を実行させることを特徴とする構成である。
【0009】
請求項4記載の画像表示装置は、前記指示部は、画像の切換を指示するために操作可能な操作部材を有し、前記指示判断部は、前記操作部材が操作されたとき、計時動作を開始する計時部を有し、前記指示判断部は、前記計時部により計時された一定時間経過後、前記操作部材による操作が継続しているか否かを判断し、前記切換制御部は、前記指示判断部により操作の継続が判断されたとき、前記切換動作部に前記部分切換動作の実行を指令し、前記指示判断部により操作の継続が終了したと判断されたとき、前記切換動作部は前記不揮発性表示部の全面に画像を表示することを特徴とする構成である。
【0010】
請求項5記載の画像表示装置は、前記指示部は、画像の切換を指示するために操作可能な操作部材を有し、前記指示判断部は、前記操作部材が操作されたとき、計時動作を開始する計時部を有し、前記指示判断部は、前記計時部により計時された一定時間内に、前記操作部材による操作が行なわれたとき、操作が継続と判断し、前記切換制御部は、前記指示判断部により操作の継続が判断されたとき、前記切換動作部に前記部分切換動作の実行を指令し、前記指示判断部により操作の継続が終了したと判断されたとき、前記切換動作部は前記不揮発性表示部の全面に画像を表示することを特徴とする構成である。
【0011】
請求項6記載の画像表示装置は、前記指示部は、画像の切換を指示するために操作可能な操作部材を有し、前記指示判断部は、前記操作部材が操作されたとき、計時動作を開始する計時部を有し、前記指示判断部は、前記計時部により計時された一定時間経過後、前記操作部材による操作が継続しているか否かを判断し、前記切換制御部は、前記計時部が前記一定時間を計時する間に、前記切換動作部に前記全面切換動作を実行させ、前記指示判断部により操作の継続が判断されたとき、前記切換動作部に前記部分切換動作を実行させることを特徴とする構成である。
【0012】
請求項7記載の画像表示装置は、前記指示部は、画像の切換を指示するために操作可能な操作部材を有し、前記指示判断部は、前記操作部材が操作されたとき、計時動作を開始する計時部を有し、前記指示判断部は、前記計時部により計時された一定時間内に、前記操作部材による操作が行なわれたとき、操作が継続と判断し、前記切換制御部は、前記切換動作部に前記全面切換動作の実行を指令し、前記指示判断部により操作の継続が判断されたとき、前記切換動作部に前記部分切換動作を実行させることを特徴とする構成である。
【0013】
請求項8記載の画像表示装置は、前記指示判断部が判断する一定時間は、前記表示画面の全面における多数の画素に前記電源部からの電圧を印加することにより画像の全面を切り換えるために要する時間であることを特徴とする構成である。
【0014】
請求項9記載の画像表示装置は、前記切換動作部は、前記指示判断部により操作の継続が終了したと判断されたとき、前記部分切換動作が行われた前記表示画面の所定部分以外の残り部分における多数の画素に前記電源部からの電圧を印加することにより前記全面切換動作の全面に画像を表示することを実行することを特徴とする構成である。
【0015】
請求項10記載の画像表示装置は、前記切換動作部は、前記部分切換動作を実行するとき前記表示画面上の同一の所定部分における多数の画素に前記電源部からの電圧を印加することを特徴とする構成である。
【0016】
請求項11記載の画像表示装置は、前記表示画面の全面における多数の画素は、複数の画素グループに属する多数の画素から構成され、前記切換動作部は、前記複数の画素グループに対応する複数のドライバを有し、前記複数のドライバの各々は、対応する画素グループに属する多数の画素に前記電源部からの電圧を印加するために動作可能であり、前記切換動作部は、前記部分切換動作を実行するとき、前記複数のドライバの中で、前記表示画面の所定部分以外の残り部分における多数の画素が属する少なくとも1つの画素グループに対応するドライバを停止させることを特徴とする構成である。
【0017】
請求項12記載の画像表示方法は、多数の画像の各々を表示するための表示データに従って画像を多数の画素により表示画面上に表示し、表示される画像を順次切り換えるための電圧が少なくとも1つの画素に印加され、その画素への電圧の印加が遮断されたときに画像の表示状態を保持することが可能な不揮発性表示部を備えた画像表示装置において、前記不揮発性表示部の表示画面に表示される画像の切換動作を指示する指示ステップと、前記指示ステップによる切換動作の指示が継続しているか否かを判断する指示判断ステップと、前記指示判断ステップにより切換動作の指示が継続していると判断されないときに、前記不揮発性表示部の表示画面に表示された画像の全面を切り換える全面切換動作を指令し、前記指示判断ステップにより切換動作の指示が継続していると判断されたときに、画像の一部を切り換える部分切換動作を指令する切換制御ステップと、前記切換制御ステップにより指令された切換動作に従って、少なくとも1つの画素に電圧を印加することにより前記不揮発性表示部の表示画面に表示される画像を切り換える切換動作ステップを備える構成である。
【0018】
請求項13記載の画像表示プログラムは、多数の画像の各々を表示するための表示データに従って各画像を多数の画素により表示画面上に表示し、表示される画像を順次切り換えるための電圧が少なくとも1つの画素に印加され、その画素への電圧の印加が遮断されたときに画像の表示状態を保持することが可能な不揮発性表示部を備え、切換動作指令に従って不揮発性表示部の表示を切り換える画像表示装置において、前記不揮発性表示部の表示画面に表示される画像を切り換える指示を検出する指示検出ステップと、前記指示検出ステップにより検出された切換動作の指示が継続しているか否かを判断する指示判断ステップと、前記指示判断ステップにより切換動作の指示が継続していると判断されないときに、前記不揮発性表示部の表示画面に表示された画像の全面を切り換える全面切換動作を指令し、前記指示判断ステップにより切換動作の指示が継続していると判断されたときに、画像の一部を切り換える部分切換動作を指令する切換制御ステップを備える構成である。
【発明の効果】
【0019】
請求項1記載の画像表示装置においては、切換動作部が部分切換動作を行い、ユーザの希望する画像が不揮発性表示部に表示されるまでの間、表示画面の所定部分以外は切り換えられない。この結果、前記不揮発性表示部の表示の切り換え時の消費電力は、常に全面切換動作で表示を行う場合に比べて低減される。
【0020】
請求項2記載の画像表示装置においては、指示判断部により操作の継続が終了したと判断されたとき、表示部が部分切換動作での表示から全面切換表示へ切り換えられる。この結果、ユーザは、操作部材による操作の継続または終了という簡単な操作で表示部に部分切換表示または全面切換表示を行わせることができる。
【0021】
請求項3記載の画像表示装置においては、指示判断部により操作の継続が判断されると、切換動作部は部分切換動作を実行する。この結果、ユーザは、操作部材を操作してから、その操作を継続するのみの簡単な操作で、全面切換動作を終了して部分切換動作の開始を指示することができる。
【0022】
請求項4記載の画像表示装置においては、操作部材が一定時間に操作されたか否かにより、操作の継続または非継続が判断される。継続の判断によって、切換動作部は部分切換動作を実行する。この結果、継続の判断基準は一定時間の経過後に操作を判断することにより、切換動作のタイミングの判断が明確になり、指示判断部による継続または非継続の判断に応じて、切換動作部は部分切換動作での表示と全面切換表示とを正確なタイミングで実行することができる。また、全面切換動作を行いたい場合は、ユーザは操作部材の操作を終了するだけで、全面切換動作を簡単に実行することができる。
【0023】
請求項5記載の画像表示装置においては、計時部が一定時間を計時し、一定時間内に操作が行なわれたときに、指示判断部は操作の継続と判断し、切換動作部が部分切換動作を実行する。この結果、指示判断部は一定時間内の操作によってユーザの表示切換意思を判断することができ、切換動作部はユーザの意思に従い部分切換動作での表示と全面切換表示との切り換えを行うことができる。また、指示判断部が一定時間内に操作が行われたと判断した時点で、切換制御部は切換動作部に部分切換動作の実行を指令することができる。これによりユーザは、一定時間を待つことなく、表示切換意思を示すことで、部分切換動作を行うまでの時間が短縮される。
【0024】
請求項6記載の画像表示装置においては、操作部材が一定時間に操作されたか否かにより、操作の継続または非継続が判断される。継続の判断によって、切換動作部は部分切換動作を実行する。この結果、継続の判断基準は一定時間の経過後に操作を判断することにより、切換動作のタイミングの判断が明確になる。指示判断部が継続または非継続の判断を行い、切換制御部は切換動作部に全面切換動作と部分切換動作との実行を正確なタイミングで指令することができる。また、操作部材が操作されてから一定時間の間、全面切換動作が実行されることから、ユーザは一定時間の間に書き換えられる領域の表示から、表示形式及びその内容を最初の全面表示から容易に理解し、部分切換動作を指示することができる。更に、操作開始時から切換動作部が部分切換動作で表示した場合は、所望のページを全面表示状態で表示するためには改めて切換動作を行わなければならない。これに対し、本発明では操作開始時から切換動作部が全面切換動作を行う。よって、指示判断部により操作の継続が判断されるまでの間に不揮発性表示部に現れる表示画面が、ユーザの所望のページであった場合には、改めて切換動作部がページを全面表示状態で表示するための切換動作を行う必要がない。
【0025】
請求項7記載の画像表示装置においては、指示判断部は計時部により計時される一定時間内に操作部材によって操作が行なわれたときに操作の継続と判断し、切換動作部が部分切換動作を実行する。この結果、指示判断部は操作部材の操作によってユーザの表示切換意思を判断することができ、切換動作部は全面切換動作と部分切換動作との切り換えを、ユーザの意思によってユーザが一定時間の経過を待つことなく、迅速なタイミングで実行させることができる。また、操作開始時から部分切換動作が行われた場合には、不揮発性表示部にユーザ所望のページを全面表示状態で表示するためには切換動作部が改めて切換動作を行わなければならない。これに対し、本発明では操作開始時から切換動作部が全面切換動作を行う。よって、指示判断部が操作の継続を判断するまでの間に現れる表示画面が、所望のページであった場合には、改めて切換動作部がページを全面表示状態で表示するために切換動作を行う必要がない。
【0026】
請求項8記載の画像表示装置においては、指示判断部が操作の継続か否かを判断する一定時間が全面切換動作に要する時間である。この結果、切換動作部が全面切換動作を行う時間が経過するまでの間、ユーザは、現在の表示画面の内容を正確に理解するための時間を持つことができ、その表示画面を保持するのか、または表示画面を切り換える場合には全面切換動作と部分切換動作とのいずれかを切り換える決断することができる。
【0027】
請求項9記載の画像表示装置においては、指示判断部が操作の継続が終了されたと判断したとき、切換動作部は部分切換動作を行った所定部分以外の残り部分のみに電圧を印加する。この結果、不揮発性表示部の全面表示を行うために必要な電力が残り部分の表示部の切り換えに必要な最小限の電力に抑えられる。
【0028】
請求項10記載の画像表示装置においては、切換動作部は部分切換動作を続けて行う場合は、不揮発性表示部の表示画面上の同一の所定部分を切り換える。この結果、ユーザは同一の所定部分を注視していればよく、部分切換動作が行われた所定部分の表示内容を容易に認識することができる。また、ユーザは切換動作部が部分切換動作を行う度に切り換えを行う所定部分を特定する必要がない。
【0029】
請求項11記載の画像表示装置においては、切換動作部が部分切換動作を実行する時に、切換制御部は、複数の画素グループに対応する複数のドライバのうち部分切換動作に使用されないドライバを停止させる。この結果、部分切換動作に使用されないドライバが電力を消費することがなく、不必要な電力消費が抑えられる。
【0030】
請求項12記載の画像表示方法においては、指示ステップによる指示が継続していると指示判断ステップにより判断される場合は、切換動作ステップが部分切換動作を行い、ユーザの希望するページの画像が不揮発性表示部に表示されるまでの間、不揮発性表示部の表示画面の所定部分以外は切り換えられない。この結果、切換動作ステップが常に全面切換動作で表示を行う場合に比べ、不揮発性表示部の表示の切り換え時に電力の消費が低減される。
【0031】
請求項13記載の画像表示プログラムにおいては、指示判断ステップにより不揮発性表示部の切換動作の指示が継続していると判断されたとき、切換制御ステップは不揮発性表示部の表示の一部を切り換える部分切換動作を行うように指令する。ユーザの希望するページの画像が前記不揮発性表示部に表示されるまで、不揮発性表示部の一部の領域以外は切り換えない部分切換動作が指令されるので、常に全面切換動作で表示を行う場合に比べて前記不揮発性表示部の表示の切り換え時に電力の消費が低減される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】第1の実施形態に係る画像表示装置の外観を示す正面図である。
【図2】第1の実施形態における不揮発性表示部の空間を拡大して示す拡大図である。
【図3】図2に示す上記空間の内部構成を拡大して示すA−A線に従う断面図である。
【図4】上記画像表示装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】第1の実施形態におけるROMに記憶されるプログラムの記憶領域を示す説明図である。
【図6】第1の実施形態におけるRAMに一時記憶されるデータの記憶領域を示す説明図である。
【図7】上記不揮発性表示部と切換動作部との電気的構成を示すブロック図である。
【図8】第1の実施形態における切換メイン処理を示すフローチャートである。
【図9】上記切換メイン処理において不揮発性表示部の表示画面の遷移する状態を示す説明図である。
【図10】第1の実施形態における切換指示監視処理を示すフローチャートである。
【図11】第1の実施形態における全面切換サブルーチンを示すフローチャートである。
【図12】第1の実施形態における部分切換サブルーチンを示すフローチャートである。
【図13】第1の実施形態における未切換部切換サブルーチンを示すフローチャートである。
【図14】第2の実施形態における切換メイン処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
<第1の実施形態>
以下、本発明に係る画像表示装置の第1の実施形態について図面を参照して説明する。
【0034】
<画像表示装置の基本構造>
まず、図1を参照して、第1の実施形態に係る画像表示装置1の外観的な構成を説明する。図1は、画像表示装置1の正面図である。不揮発性表示部2が、画像表示装置1の正面に配置されている。不揮発性表示部の表示領域は、左半分領域2a、右半分領域2bとからなる。不揮発性表示部2は、文字、記号及び図形を含む多数ページの画像を表示し、電力供給が断たれても表示状態を保持することが可能である。第1の実施形態では、不揮発性表示部2の一例として、電気泳動表示装置が使用される。また、前進ボタン3aと後退ボタン3bとが不揮発性表示部2の左側に配置されている。前進ボタン3aは、表示を1ページ前の画像に変更するために操作可能であり、後退ボタン3bは、表示を1ページ後の画像に変更するために操作可能である。電源ボタン3cが、不揮発性表示部2の左側であって、前進ボタン3a及び後退ボタン3bの下方に配置されている。尚、第1の実施形態における不揮発性表示部2が本発明の不揮発性表示部の一例であり、前進ボタン3aと後退ボタン3bとが、本発明の操作部材の一例である。
【0035】
図2及び図3を参照して、不揮発性表示部2の具体的構成について説明する。第1の実施形態の不揮発性表示部2は、電気泳動ディスプレイ(EPD)を例に説明するが、これに限らない。例えば、帯電微粉末トナーを用いるものや、エレクトロミックディスプレイ(ECD)、不揮発性表示型の液晶ディスプレイであるコレステリック液晶などを用いてもよい。図2は不揮発性表示部2の拡大図であり、不揮発性表示部2に表示される画像を構成する多数の空間20の配列を示している。説明の便宜上、図2では、不揮発性表示部2における4×4の空間20を示している。
【0036】
図3を参照して、不揮発性表示部2の内部構成を説明する。図3は、図2のA―A線矢視方向断面図であり、連続した2つの空間20を示している。図3における上方を不揮発性表示部2の上側とし、図3における下方を不揮発性表示部2の下側とする。素子基板21が不揮発性表示部2の底面に配置されており、画素電極22が素子基板21上に配列されている。仕切板23が、画素電極22の配置位置に合わせて画素電極22の周囲を区切る。仕切板23の区切りにより、各空間20が画素電極22上に形成される。空間20には白色帯電粒子24と黒色帯電粒子25とが混在しており、分散媒26が封入されている。白色帯電粒子24及び黒色帯電粒子25と、分散媒26は、比重が略同じであり、空間20内の各粒子及び分散媒26の分布状態は保たれている。また、透明電極27が仕切板23を支えとして、画素電極22に対向するように配置されており、表示パネル28が透明電極27上に配置されている。尚、第1の実施形態における1つの画素電極22に電圧が印加されることにより白色帯電粒子24及び黒色帯電粒子25が移動し、表示画面上の色が変わる領域が、本発明の1つの画素に対応する。第1の実施形態では、画素電極22に正の電圧が印加されると、黒色帯電粒子25が上側へ移動し、白色帯電粒子24が下側へ移動して、不揮発性表示部2には黒色が表示される。画素電極22に負の電圧が印加されると、白色帯電粒子24が上側へ移動し、黒色帯電粒子25が下側へ移動して、不揮発性表示部2には白色が表示される。尚、第1の実施形態における切り換えられるとは、画素の表示状態を変化させることである。表示状態は、画素電極22に電圧が印加され、粒子が移動することにより、変化される。電圧は、画素の表示状態を保持するためには印加されない。
【0037】
<画像表示装置の電気的構成>
図4を参照し、画像表示装置1の電気的構成について説明する。図4は画像表示装置1の電気的構成を示すブロック図である。図4に示すように、画像表示装置1は、不揮発性表示部2と、操作部3と、制御部4と、切換動作部5と、バッテリ6とにより構成される。メモリカード7は、インタフェース8を介して画像表示装置1に着脱可能に接続される。
【0038】
インタフェース8は、操作部3とメモリカード7とに接続している。操作部3は、前進ボタン3aと後退ボタン3bとを含む複数のボタンで構成される。操作部3が押下されると、インタフェース8は、操作信号を制御部4に供給する。メモリカード7は不揮発性表示部2に表示するための表示データを記憶している。表示データは、テキストデータ及びイメージデータなどの表示可能なデータである。メモリカード7は、表示データの読み出しと書き込みとを行うことが可能である。メモリカード7に記憶される表示データは、インタフェース8を通して、制御部4に供給される。尚、第1の実施形態における前進ボタン3a及び後退ボタン3bが押下される動作が、本発明の指示ステップの一例である。
【0039】
<制御部の電気的構成>
制御部4は、画像表示装置1全体の主制御を行うCPU41と、複数のプログラムが記憶されたROM42と、フラグ及びデータを一時的に記憶するRAM43と、計時を行うRTC44(Real Time Clock)とによって構成される。CPU41は、インタフェース8を介して操作部3及びメモリカード7と接続される。さらに、CPU41は切換動作部5に接続される。
【0040】
図5を参照し、ROM42の記憶内容を説明する。図5はROM42に記憶されたプログラムの記憶領域を示している。ROM42は、記憶領域421〜424の4つの領域から構成される。記憶領域421は、切換メイン処理プログラムP1を記憶する。切換メイン処理プログラムP1は、不揮発性表示部2の表示画面の一部又は全面領域において表示を切り換えるプログラムである。記憶領域422は、切換指示状態監視プログラムP2を記憶する。切換指示状態監視プログラムP2は、ユーザが行う前進ボタン3a又は後退ボタン3bの押下を検知により、不揮発性表示部2の表示を切り換える指示の有無を判断するプログラムである。記憶領域423は、画素指定プログラムP3を記憶する。画素指定プログラムP3は、メモリカード7から読み出された表示データを解析し、不揮発性表示部2に表示する画素の色を特定するプログラムである。記憶領域424は、計時プログラムP4を記憶する。計時プログラムP4は、切換処理が行なわれる時に計時の開始を指令し、一定時間経過後に計時の終了を指令するプログラムである。
【0041】
図6を参照して、RAM43の記憶内容を説明する。図6はRAM43に一時記憶されるデータ及びフラグの記憶領域を示す。RAM43は、一時記憶領域431、432の2つの領域から構成される。一時記憶領域431は、表示画素データD1を記憶する。表示画像データD1は、画素指定プログラムP3によって特定された不揮発性表示部2に表示する画素の色情報である。一時記憶領域432は、指示フラグ及び現表示データ情報D2を記憶する。指示フラグ及び現表示データ情報D2は、切換指示状態監視プログラムP2により判断される不揮発性表示部2の表示の切換指示を表すフラグと、不揮発性表示部2に表示された表示データの情報である。現表示データ情報は、例えばページ番号である。
【0042】
図4のRTC44は、計時プログラムP4が実行されるとCPU41からの計時開始の制御信号を受け取り、計時を開始する。またRTC44は、CPU41から計時終了の制御信号を受け取ると、計時を終了する。
【0043】
<不揮発性表示部及び切換動作部の電気的構成>
図4を参照して不揮発性表示部2と切換動作部5との電気的構成を説明する。切換動作部5は、コントローラ部51と、ドライバ52と、薄膜トランジスタ53(Thin Film Transistor:以下、「TFT」という。)とにより構成される。コントローラ部51はCPU41と電気的に接続され、ドライバ52がコントローラ部51に接続されている。尚、第1の実施形態における切換動作部5が本発明の切換動作部の一例である。
【0044】
コントローラ部51がドライバ52を制御することにより、不揮発性表示部2の表示が切り換えられる。コントローラ部51は、CPU41から、不揮発性表示部2の表示を行う領域を示す切換領域情報と、不揮発性表示部の表示を切り換える色を示す色情報とを受け取る。切換領域情報とは、不揮発性表示部2の表示の左半分領域2aと、右半分領域2bと、半分領域2a、2bの両領域とから選択され、切り換える領域を指定された情報である。コントローラ部51は、切換領域情報に基づいて、切換領域に対応するドライバ52を指定する。コントローラ部51は、色情報に基づいて、画素の表示状態を変化させるために必要な電圧値と電圧極性とを決定する。コントローラ部51は、切換領域に含まれるドライバ52を起動させ、決定された電圧をドライバ52に印加させる。その結果、不揮発性表示部2は、CPU41によって特定された切換領域において、表示を切り換える。
【0045】
<ドライバとTFTの接続関係>
図7に示すように、ドライバ52は、複数のゲートドライバ521と複数のソースドライバ522とから構成される。図7は、第1の実施形態におけるドライバ52の一部の構成を示し、一部の構成として2台のゲートドライバ521a、521bと2台のソースドライバ522a、522bとを示している。各ゲートドライバ521a、521bには多数のゲート線523が接続され、各ソースドライバ522a、522bは多数のソース線524が接続されている。ゲート線523とソース線524とは、互いに交差するように配線されている。TFT53が、ゲート線523とソース線524との各交差部近傍に接続されている。TFT53のゲート端子531がゲート線523に接続され、TFT53のソース端子532がソース線524に接続されている。また、TFT53のドレイン端子533が不揮発性表示部2の一部である画素電極22に接続されている。尚、第1の実施形態におけるゲートドライバ521とソースドライバ522が本発明のドライバの一例である。
【0046】
ソース線524への印加電圧は、不揮発性表示部2の透明電極27の電位を基準電位として定められた電圧である。ドライバ52は画素電極22に電圧を印加する。コントローラ部51はドライバ52がゲート線523またはソース線524に印加する電圧を制御する。ゲートドライバ521は、ゲート線523にTFT53をオンにするためのゲート電圧を印加する。TFT53は、ゲート電圧が印加されるか否かで、オン・オフ制御を行う。ゲート電圧がゲート線523を通しTFT53のゲート端子531に印加されると、TFT53がオンとなり、ソース線に印加された電圧が画素電極22に印加され、画素の表示状態の変化が可能となる。ソースドライバ522は、正の電圧と負の電圧とを切り換えて選択的にソース線524に発生させ、画素電極22に印加する。尚、第1の実施形態では、不揮発性表示部2はアクティブマトリクス方式であるが、単純マトリクス方式で構成されていてもよい。
【0047】
<画像表示装置の動作及び作用>
以上説明した構成を備える第1の実施形態に係る画像表示装置1の動作及び作用について、図面を参照して説明する。図8は、切換メイン処理の手順を示すフローチャートである。図9は、不揮発性表示部2の表示画面の状態を表し、図9(A)〜(D)は切換メイン処理実行時において、不揮発性表示部2の表示画面が順に遷移する状態を示す説明図である。図10は、不揮発性表示部2の表示画面を切り換える指示が入力されたか否かの入力状態を検知する切換指示の監視処理を示すフローチャートである。切換メイン処理は、電源ボタン3cが押下されて、バッテリ6が画像表示装置1に接続されることにより動作する。バッテリ6からの電力が制御部4に供給された場合に、制御部4が切換メイン処理プログラムを実行する。第1の実施形態の動作は、全て制御部4のCPU41により実行される処理である。図9(A)は、画像表示装置1にバッテリ6が接続された時に、不揮発性表示部2が表示している表示状態を示す図である。図9(A)に示す表示状態では、不揮発性表示部2の両半分領域2a、2bの全面に表示が行われる。不揮発性表示部2の表示状態は、不揮発性表示部2へパルス電圧が印加されなくても保持されている。以下、図9に示す切換メイン処理のフローチャートに沿って説明する。第1の実施形態では、操作部3の後退ボタン3bがユーザにより押下された場合に、不揮発性表示部2に表示された画像が、1ページ次の画像へ切り換えられる処理手順を説明する。第1の実施形態における制御部4は、1つのCPU41が、時分割された所定の周期毎に、複数の制御プログラムを切り換えながら所定の順番で実行するタイムシェアリング方式(時分割処理方式)で動作し、切換メイン処理を実行する間に、切換指示監視処理を実行することが可能な構成である。また、制御部は、複数のCPUが、複数の制御プログラムを各々別個の処理として実行するマルチ処理方式(多重処理方式)で動作してもよい。
【0048】
<切換指示の監視>
ステップSA1では、切換指示の監視処理が開始される。切換指示監視処理では、不揮発性表示部2の表示の切換指示が行なわれたか否かが繰り返し判断される。以下、図10を参照し切換指示の監視処理を説明する。
【0049】
切換指示監視処理におけるステップSB1では、前進ボタン3a又は後退ボタン3bのどちらか1つによる、不揮発性表示部の表示を切り換える指示が検知されたか否かが判断される。切換指示が検知されると(SB1:YES)、ステップSB2が実行される。切換指示は、一定時間の間、前進ボタン3a又は後退ボタン3bによる指示が検知され続けた場合に、検知されたと判断される。尚、この一定時間は、後述の切換処理時に計時される0.7秒以内とする。第1の実施形態において、0.2秒指示が検知され続けたとき、切換指示が検知されたと判断する。切換指示の入力が検知されない場合(SB1:NO)は、ステップSB3の処理が実行される。尚、第1の実施形態におけるSB1の処理が本発明の指示検出ステップの一例である。
【0050】
ステップSB2では、ステップSB1において検知された切換指示の入力情報が、RAM43の一時記憶領域432に指示フラグD2として記憶される。すなわち、切換指示状態を表す指示フラグD2がセットされ、切換指示がある状態を表す。
【0051】
ステップSB3では、切換指示監視処理を終了させる指示がされたか否かが判断される。切換指示監視処理は、切換メイン処理のSA13において、画像表示装置1の電源をOFFとする指示がされたことが検知されると、切換メイン処理のSA14から終了が指示される。切換指示監視の終了が指示されたと判断されない場合(SB3:NO)は、ステップSB1の処理が実行される。切換メイン処理のSA14による切換指示監視の終了が指示されたと判断されると(SB3:YES)、切換指示監視が終了される。制御部4は、切換指示監視処理が終了されることにより、タイムシェアリング処理方式での動作を終了する。
【0052】
<切換メイン処理説明>
ステップSA2では、切換指示情報である指示フラグが取得される。ステップSA1で開始された指示状態監視処理におけるステップSB2において、RAM43の一時記憶領域432に指示フラグD2が記憶されていれば、指示フラグD2が取得される。
【0053】
ステップSA3では、ステップSA2において指示フラグD2が取得されたか否かが判断される。指示フラグD2が取得されたと判断されると(SA3:YES)、切換指示がユーザにより行なわれたと判断し、ステップSA4の処理が実行される。指示フラグD2が取得されたと判断されない場合(SA3:NO)は、ステップSA2の処理が実行される。
【0054】
ステップSA4では、RAM43の一時記憶領域132に記憶された指示フラグD2をリセットする処理が実行される。すなわち、指示フラグD2はリセットされて、切換指示がない状態を表す。
【0055】
ステップSA5では、全面切換処理が実行される。全面切換処理は、不揮発性表示部2の全面を対象に、つまり、半分領域2a、2bの両領域を対象に表示を切り換える処理である。全面切換処理が行なわれると、図9(A)に示す表示状態にある不揮発性表示部2の表示画面は、図9(B)に示す表示状態に切り換えられる。
【0056】
ステップSA6では、指示フラグD2が取得される。ステップSA4の処理により指示フラグD2がリセットされた以後に、RAM43の指示フラグD2が新たにセットされていれば、指示フラグD2が取得される。
【0057】
ステップSA7では、ステップSA6において指示フラグD2が取得されたか否かが判断される。指示フラグD2が取得されたと判断された場合は(SA7:YES)、切換指示が継続して行われていると判断され、ステップSA8の処理が実行される。指示フラグD2が取得されたと判断されず(SA7:NO)、切換指示が継続して行われていないと判断されると、ステップSA2の処理が実行される。即ち、ステップSA7では、ステップSA5の全面切換処理後に、指示フラグD2が取得されていないと判断された場合は、全面切換処理が一回行なわれ、新たに切換指示が検知され指示フラグD2が取得されるまでステップSA2とステップS3の処理が繰り返される。その後、ステップS3において改めて指示フラグD2が取得されたと判断されると、再び全面切換処理が実行される。全面切換処理時に切換指示が検知され、全面切換処理後に指示フラグD2が取得されたと判断された場合は、切換指示が継続して行われていると判断され、続けてステップSA8の処理が実行される。
【0058】
ステップSA8では、ステップSA6において取得されたRAM43の一時記憶領域432にセットされた指示フラグD2をリセットする処理が実行される。
【0059】
ステップSA9では、部分切換処理が実行される。部分切換処理は、不揮発性表示部2の表示領域の右半分領域2bのみを対象に、表示を切り換える処理である。その結果、不揮発性表示部2の表示は、図1に示す右半分領域2bのみが新たな表示状態に切り換えられる。図1に示す左半分領域2aは、全面切換処理で表示された表示状態が保持される。部分切換処理が行われると、不揮発性表示部2の表示画面は図9(C)に示す表示状態に切り換えられる。
【0060】
ステップSA10では、指示フラグD2が取得される。ステップSA8の処理により指示フラグD2がリセットされた以後に、RAM43の指示フラグD2が新たにセットされていれば、指示フラグD2が取得される。
【0061】
ステップSA11では、ステップSA10において指示フラグD2が取得されたか否かが判断される。指示フラグD2が取得されたと判断された場合は(SA11:YES)、切換指示が継続して行われていると判断され、ステップSA8の処理が実行される。指示フラグD2が取得されたと判断されず(SA11:NO)、切換指示が継続して行われていないと判断されると、ステップSA12の処理が実行される。
【0062】
ステップSA12では、未切換部切換処理が実行される。未切換部切換処理は、部分切換処理により切り換えられなかった不揮発性表示部2の左半分領域2aの表示を切り換える処理である。不揮発性表示部2の右半分領域2bは、部分切換処理が行なわれた時の表示状態が保持される。その結果、不揮発性表示部2の左半分領域2aと右半分領域2bとが同一ページの全面を表示する。不揮発性表示部2が図9(C)に示す表示状態にある場合に、未切換部切換処理が実行されると、不揮発性表示部2は図9(D)に示す表示状態に切り換えられる。尚、第1の実施形態におけるステップSA3、ステップSA7又はステップSA11の処理が、本発明の指示判断ステップの一例であり、第1の実施形態における制御部4と、ステップSA3、ステップSA7又はステップSA11の処理が、本発明の指示判断部の一例である。
【0063】
以下、図11〜13を参照して、第1の実施形態における不揮発性表示部2の表示の切換動作について説明する。切換動作は、図9に示す切換メイン処理中のステップSA5の全面切換処理、ステップSA9の部分切換処理、及びステップSA12の未切換部切換処理により実行される。
【0064】
<全面切換処理>
図11は、不揮発性表示部2の両半分領域2a、2bを対象に切換動作する全面切換処理を示すフローチャートである。全面切換処理が実行されると、ステップSAA1では、RAM43の一時記憶領域431から、不揮発性表示部2に表示させるページの表示画素データD1が読み出される。表示させるページは、一時記憶領域432に記憶された現表示データのページ番号の、次のページ番号のページとする。尚、ステップSAA1が実行されるときに、不揮発性表示部2の表示画面は図9(A)に示す表示状態にあるものとする。
【0065】
ステップSAA2では、カウントが開始される。ステップSAA2では、制御部4が備えるRTC44により、計時が開始される。
【0066】
ステップSAA3では、全面切換動作が開始される。全面切換動作は、不揮発性表示部2の両半分領域2a、2bの全面を対象に表示を切り換える。ステップSAA1で読み出された特定の表示画素データD1に基づいて、不揮発性表示部2の表示画面の切り換えが実行される。ステップSAA3では、切り換える領域が半分領域2a、2bの両領域と選択された切換領域情報に基づいて、全面切換動作の開始がコントローラ部51に指令される。全面切換動作を行う場合は、画像表示装置1が備える全てのドライバ52が、コントローラ部51の指示により起動され、不揮発性表示部2の全ての画素電極22に電圧が印加されることにより画素の表示状態が変化する。その結果、図9(A)に示す表示状態にある不揮発性表示部2の表示画面は、図9(B)に示す表示状態に切り換えられる。尚、第1の実施形態におけるステップSAA3の処理が、本発明の切換制御ステップの一例であり、第1の実施形態における制御部4と、ステップSAA3の処理とが、本発明の切換制御部の一例である。また、第1の実施形態におけるステップSAA3の全面切換指令に従って、切換動作部5が不揮発性表示部2の表示状態を切り換える動作が、本発明の切換動作ステップの一例である。
【0067】
ステップSAA4では、ステップSAA2において、RTC44による計時が開始された時から、一定時間が経過したか否かにより全面切換動作が完了されたか否かが判断される。一定時間が経過していないと判断された場合は(SAA4:NO)、全面切換動作が完了していないと判断され、ステップSAA4の処理が実行される。一定時間が経過したと判断された場合は(SAA4:YES)、全面切換動作が完了したと判断され、ステップSAA5の処理が実行される。第1の実施形態では、一定時間は不揮発性表示部2の両半分領域2a、2bの全面を切り換えるために要する時間である0.7秒とする。ステップSAA4では、ステップSAA2において計時が開始されてから0.7秒経過したか否かが判断される。
【0068】
ステップSAA5では、ステップSAA4により一定時間が経過したと判断されると、ステップSAA2において開始されたRTC44による計時が停止される。
【0069】
尚、第1の実施形態における全面切換動作とは、不揮発性表示部2の全面領域に画像の1ページが全面表示されるものであればよい。例えば一度に複数のドライバ52が同時に起動され、全面表示が行われる場合や、コントローラ部51の制御負担を軽減させるために各ドライバ52は異なるタイミングで順次起動され、全面表示が行われるものであってもよい。
【0070】
<部分切換サブルーチン>
図12は、不揮発性表示部2の右半分領域2bを対象に部分切換動作する部分切換処理を示すフローチャートである。
【0071】
ステップSAP1では、不揮発性表示部2に表示させる表示画素データD1が、RAM43の一時記憶領域431から読み出される。ステップSAP1において読み出される表示画素データD1は、不揮発性表示部2の右半分2b領域に表示されているページの次のページの表示画素データである。尚、全面切換処理が完了した直後にステップSAP1が実行されるときに、不揮発性表示部2の表示画面は、図9(B)に示す表示状態にあるものとする。
【0072】
ステップSAP2では、カウントが開始される。ステップSAP2では、制御部4に備えるRTC44により、計時が開始される。
【0073】
ステップSAP3では、不揮発性表示部2の表示画面の一部領域を切り換える部分切換動作が開始される。第1の実施形態における部分切換動作では、図1に示す不揮発性表示部2の右半分領域2bの表示が切り換えられる。ステップSAP1で読み出された特定の表示画素データD1に基づいて、不揮発性表示部2の表示画面の切り換えが実行される。ステップSAP3では、切り換える領域が右半分領域2bと選択された切換領域情報に基づいて、部分切換動作の開始がコントローラ部51に指令される。第1の実施形態では、部分切換動作を行う場合は、画像表示装置1が備えるドライバ52のうち、不揮発性表示部2の表示画面の右半分領域2bに対応するドライバ52のみが起動される。部分切換動作においても、不揮発性表示部2の左半分領域2aに対応するドライバ52の起動を行わない他は、全面切換動作時と同じ処理が実行される。この結果、不揮発性表示部2の左半分領域2aは、全面切換動作実行時の表示状態に保持され、右半分領域2bの表示状態のみが新たに変化される。これにより、図9(B)に示す表示状態にある不揮発性表示部2の表示画面は、図9(C)に示す表示状態に切り換えられる。尚、第1の実施形態におけるステップSAP3の処理が、本発明の切換制御ステップの一例であり、第1の実施形態における制御部4と、ステップSAP3の処理とが、本発明の切換制御部の一例である。また、第1の実施形態におけるステップSAP3の部分切換指令に従って、切換動作部5が不揮発性表示部2の表示状態を切り換える動作が、本発明の切換動作ステップの一例である。
【0074】
ステップSAP4では、ステップSAP2において、RTC44による計時が開始された時から、一定時間が経過したか否かにより部分切換動作が完了されたか否かが判断される。一定時間が経過していないと判断された場合は(SAP4:NO)、部分切換動作が完了していないと判断され、ステップSAP4の処理が実行される。一定時間が経過したと判断された場合は(SAP4:YES)、部分切換動作が完了したと判断され、ステップSAP5の処理が実行される。尚、第1の実施形態における部分切換動作が完了したか否かの判断方法は、全面切換動作の完了判断方法と同様であり、RTC44による計時が開始された時から、一定時間が経過したか否かにより判断される。
【0075】
ステップSAP5では、ステップSAP4により一定時間が経過したと判断されると、ステップSAP2において開始されたRTC44による計時が停止される。
【0076】
<未切換部切換処理>
図13は、未切換部切換処理を示すフローチャートである。未切換部切換処理は、部分切換ルーチンで切り換えられなかった不揮発性表示部2の左半分領域2aを対象に、未切換部切換処理が実行される。
【0077】
ステップSAU1では、部分切換動作実行時に切り換えられなかった不揮発性表示部2の左半分領域2aを切り換えるための表示画素データD1が、RAM43の一時記憶領域431から読み出される。未切換部切換処理において読み出される表示画素データD1は、不揮発性表示部2の右半分領域2bに表示されているページと同一の表示画素データD1である。尚、ステップSAU1が実行されるときに、不揮発性表示部2の表示画面には図9(C)に示す表示状態にあるものとする。
【0078】
ステップSAU2では、不揮発性表示部2の表示画面の部分切換処理で切り換えられなかった領域を切り換える未切換部切換動作が開始される。第1の実施形態における未切換部切換動作では、図1に示す不揮発性表示部2の表示画面の左半分領域2aの切り換えが実行される。ステップSAU2では、切り換える領域が左半分領域2aと選択された切換領域情報に基づいて、未切換部切換動作の開始がコントローラ部51に指令される。本実施形態では、未切換部切換動作を行う場合は、画像表示装置1が備えるドライバ52のうち、不揮発性表示部2の表示画面の左半分領域2aに対応するドライバ52のみが起動される。未切換部切換動作においても、不揮発性表示部2の右半分領域2bに対応するドライバ52の起動を行わない他は、全面切換動作時と同じ処理が実行される。この結果、不揮発性表示部2の右半分領域2bは、ステップSAU2において最後に部分切換動作が実行されたときの表示状態に保持され、左半分領域2aの表示状態のみが新たに変化する。これにより、図9(C)に示す表示状態にある不揮発性表示部2の表示画面は、図9(D)に示す表示状態に切り換えられ、全面表示の状態となる。第1の実施形態では、不揮発性表示部2の左半分領域2aのみの表示状態を新たに変化させるが、これに限らない。全面切換動作時と同じ、不揮発性表示部2の両半分領域2a、2bの表示を切り換える処理により、未切換部切換動作としてもよい。尚、第1の実施形態におけるステップSAU2の処理が、本発明の切換制御ステップの一例であり、第1の実施形態における制御部4と、ステップSAU2の処理が、本発明の切換制御部の一例である。また、第1の実施形態におけるステップSAU2の切換指令に従って、切換動作部5が不揮発性表示部2の表示状態を切り換える動作が、本発明の切換動作ステップの一例である。
【0079】
第1の実施形態において、切換メイン処理の各処理の実行に要する時間はごくわずかな時間とする。不揮発性表示部2の表示画面が図9(A)に示す表示状態のとき、ユーザが前進ボタン3bを0.4秒押し続ける場合の、表示画面の変化を説明する。ユーザにより前進ボタン3bが押された0.2秒後に、ステップSB1において切換指示が検知されたと判断し、フラグがセットされる。セットされたフラグは、切換メイン処理のステップSA4においてフラグ有と判断され、ステップSA4においてリセットされる。フラグがリセットされた後、ステップSA5において不揮発性表示部2の表示画面が1ページ切り換える全面切換処理が開始し、図9(B)に示す表示状態になる。フラグがリセットされた後、切換指示監視処理において0.2秒経過後に改めてフラグがセットされ、切換メイン処理のステップSA7でフラグ有と判断される。セットされたフラグは、ステップSA8でリセットされ、不揮発性表示部2の表示画面は部分切換処理が実行される。部分切換処理は再び1ページが切り換えられ、表示画面は図9(C)に示す表示状態になり、続けて図9(D)に示す表示状態になる。
【0080】
同様に、不揮発性表示部2の表示画面が図9(A)に示す表示状態のとき、ユーザが前進ボタン3bの0.2秒の押下を複数回連続して繰り返して行う場合の、表示画面の変化を説明する。表示画面が図9(A)に示す表示状態のとき、ユーザが0.2秒押し続けると切換指示監視処理でフラグがセットされる。セットされたフラグは、ステップSA4においてフラグがリセットされる。フラグのリセット後に、不揮発性表示部2の表示画面は1ページ分の切換が行われ、図9(B)に示す表示状態に切り換えられる。フラグがリセットされた後、図9(B)に示す表示状態に切り換えられる間にユーザが再び0.2秒押し続けると、再びフラグがセットされ、部分切換処理が実行される。部分切換処理では、不揮発性表示部2の表示画面は図9(C)に示す表示状態に切り換えられる。図9(C)に示す表示状態に切り換えられる間に、ユーザが0.2秒押し続けなければ、続けて図9(D)に示す表示状態に切り換えられ、表示画面は1ページ分の切換処理が行われる。図9(C)に示す表示状態に切り換えられる間に、ユーザが0.2秒押し続けると、続けて不揮発性表示部2の右半分領域2bを対象に部分切換処理が実行され、新たなページに切り換えられる。
【0081】
上述した構成により、画像表示装置1に備えられた操作部3の前進ボタン3a又は後退ボタン3bによる指示が継続と判断された場合は、ドライバ52の起動及び停止が制御されることにより、消費電力が抑えられた不揮発性表示部2の部分切換表示が実行される。前進ボタン3a又は後退ボタン3bによる指示が非継続と判断された場合であっても、部分切換動作が行われた後に切換動作を行うときは、部分切換動作で切り換えられなかった領域のみを対象に切換動作が行われることから、消費電力が低減された状態で全面表示が実行される。前進ボタン3a又は後退ボタン3bの指示により、部分切換表示と全面表示とが判断される。ユーザは同一のボタンにより指示するのみで、不揮発性表示部に部分切換表示と全面表示とを実行させることができる。
【0082】
<第2の実施形態>
以下、不揮発性表示部を備えた画像表示装置に本発明を適用した第2の実施形態について図面を参照して説明する。
【0083】
第2の実施形態は、切換指示の状態であるフラグが取得されるタイミングに関して、第1の実施形態と相違している。すなわち、第1の実施形態では、切換指示の状態であるフラグが取得されるタイミングは、不揮発性表示部2の表示画面の切換が完了した後である。一方、第2の実施形態の切換メイン処理では、切換動作の完了を待たずに切換指示の状態であるフラグが取得される。第2の実施形態の基本構造及び電気的構成は、第1の実施形態とほぼ同じ構成であるので、相違する部分についてのみ説明する。図14は、第2の実施形態における切換メイン処理のフローチャートであり、計時が開始されてから終了されるまでの一定時間内に、新たに前進ボタン3a又は後退ボタン3bの押下が行なわれたか否かを判断することにより、切換動作の指示が継続しているか否かを判断する処理手順の一例を示す。
【0084】
ステップSC1〜SC4はそれぞれ第1の実施形態における切換メイン処理のステップSA1〜SA4と同一の処理が行なわれる。ステップSC5〜SC7の処理は、第1の実施形態における全面切換処理のステップSAA1〜SAA3と同一の処理である。尚、ステップSC1の処理で開始される切換指示監視処理は、第1の実施形態の切換指示監視処理と同一である。尚、ステップSC1において切換指示監視処理が開始されると、制御部4はタイムシェアリング方式での動作を開始する。
【0085】
ステップSC8は、図9に示すステップSA6の処理と同一の処理が行なわれる。ステップSC8は、ステップSC7による不揮発性表示部2の表示を切り換える全面切換動作が開始されると、処理が実行される。ステップSC4の処理により指示フラグD2がリセットされた以後に、RAM43の指示フラグD2が新たにセットされていれば、指示フラグD2が取得される。ステップSC9では、ステップSC8において指示フラグD2ga取得されたか否かが判断される。指示フラグD2が取得されたと判断されない場合は(SC9:NO)、ステップSC8の処理が実行される。指示フラグD2が取得されたと判断された場合は(SC9:YES)、ステップSC10の処理が実行される。
【0086】
ステップSC10では、ステップSC6において開始されたRTC44による計時が停止される。尚、ステップSC10は、第1の実施形態のステップSAA5の処理と同一である。
【0087】
ステップSC11では、ステップSC6で開始され、ステップSC10において停止されたRTC44の計時時間が判断される。ステップSC11における一定時間とは、第1の実施形態の切換メイン処理におけるステップSAA4の一定時間と同一である。RTC44によって計時された時間が、一定時間以上であれば(SC11:YES)、切換指示が継続して行われていないと判断し、ステップSC4の処理が実行される。計時された時間が一定時間内であれば(SC11:NO)、切換指示が継続して行われていると判断し、ステップSC12の処理が実行される。
【0088】
ステップSC12は、第1の実施形態における切換メイン処理のステップSA8と同一の処理である。ステップSC13〜ステップSC15の処理は、第1の実施形態における部分切換処理のステップSAP1〜SAP3と同一の処理である。
【0089】
ステップSC16及びステップSC17の処理は、ステップSC8及びステップS9の処理と同一である。ステップSC16では、ステップSC12の処理により指示フラグD2がリセットされた以後に、RAM43の指示フラグD2が新たにセットされていれば、指示フラグD2が取得される。ステップSC17は、指示フラグD2が取得されたと判断された場合は(SC17:YES)、ステップS18の処理が実行される。ステップSC16により指示フラグD2が取得されたと判断されない場合は(SC17:NO)、ステップSC19の処理が実行される。
【0090】
ステップSC18では、ステップSC14において開始されたRTC44による計時が停止される。尚、ステップSC18は、第1の実施形態のステップSAP5の処理と同一である。
【0091】
ステップSC19は、ステップSC14において開始されたRTC44による計時時間が判断される。ステップSC19において、一定時間が経過していないと判断された場合は(SC19:NO)、ステップSC15において開始された部分切換動作が完了していないと判断され、ステップSC16の処理が実行される。計時された時間が一定時間以上経過したと判断された場合は(SC11:YES)、ステップSC20の処理が実行される。
【0092】
ステップSC20では、ステップSC14において開始されたRTC44による計時が停止される。尚、ステップSC20は、ステップSC18の処理と同一である。
【0093】
ステップSC21及びステップSC22は、それぞれ第1の実施形態における切換メイン処理における未切換部切換処理のステップSAU1及びステップSAU2と同一の処理が行なわれる。ステップSC23及びステップSC24は、それぞれ第1の実施形態における切換メイン処理のステップSA13及びSA14と同一の処理が行なわれる。
【0094】
第2の実施形態において、切換動作の完了時間内に切換指示が行なわれた場合は、第1の実施形態における不揮発性表示部2の表示画面の切換完了を待って取得される場合より、切換指示が早期に判断されることから、新たな切換処理が迅速に行われる。
【0095】
(変形例1)
第1及び第2の実施形態では、一部のドライバ52が停止することで、不揮発性表示部2の部分切換動作が行われる構成であるが、各ドライバ52が備える複数のゲート線523またはソース線524のうち、一部のゲート線523またはソース線524へ電圧を印加させない制御を行うことにより、部分切換動作とする構成であってもよい。この実現方法としては、特開2008−197491号公報に開示されている。この場合、不揮発性表示部2の表示画面は、より細かな領域に対しての部分切換動作を行うことが可能となる。また、一部のゲート線523及びソース線524へ電圧を印加させないことにより、不要な電力の消費が低減される。
【0096】
(変形例2)
第1及び第2の実施形態では、前進ボタン3a又は後退ボタン3bの操作開始時に、不揮発性表示部2の表示画面が切り換えられる切換動作は、全面切換動作であったが、これに限定されない。前進ボタン3a又は後退ボタン3bの操作開始時から、部分切換表示が実行される構成であっても良い。
【0097】
(変形例3)
第1及び第2の実施形態では、不揮発性表示部2の表示の切換動作はドライバ52毎に起動制御が行われ、色が変わらない画素に対しても電圧の印加が行われているが、切換動作前後の不揮発性表示部2の表示色が変化する画素のみに電圧の印加が行われる構成であっても良い。この場合、ドライバ52単位で表示の切換制御が行われた場合より、更に表示の切換動作時に生じる消費電力が抑えられる。
【0098】
(変形例4)
第1及び第2の実施形態では、不揮発性表示部2に表示される画像に関する表示データは、図4に示すメモリカード7に記憶されたデータであったが、これ以外に、インターネットや無線通信手段を介して外部記憶装置から表示データが取得可能な構成であってもよい。
【0099】
(変形例5)
第1及び第2の実施形態では、画像表示装置1に備わる電源部10は、内部バッテリ電源から構成されているが、外部電源から電力が供給される構成であってもよい。
【0100】
(変形例6)
第1及び第2の実施形態では、各画素電極22に印加されることにより、各画素の表示状態が変化されるが、複数の画素電極22に印加されることによりが1つの画素の表示状態を変化させる構成であってもよい。
【0101】
(変形例7)
第1及び第2の実施形態においては、黒色または白色の2値の表示が不揮発性表示部2に行われることで、画素の表示状態が変化している。この2値の表示以外にも、電圧が印加されることにより、空間内に存在する粒子の分布状態が変化する場合は、不揮発性表示部2の画素の表示色が変わらない場合であっても、画素の表示状態が変化することに相当する。また、不揮発性表示部2が多階調表示を可能とする構成である場合は、階調を変化させる場合も画素の表示状態が変化することに相当する。
【0102】
(変形例8)
第1及び第2の実施形態において、計時される一定時間は不揮発性表示部2の表示を切り換えるために必要な時間であるが、これに限らず表示を切り換える切換動作を実行させるか否かを判断できる時間であればよい。例えば、不揮発性表示部2の表示を切り換えるために長時間を要する場合は、計時開始後の短い一定時間内に指示が行なわれた場合に継続と判断される構成であってもよい。また、短時間で不揮発性表示部2の表示を切り換えることが可能であれば、表示が切り換えられてから指示を検知するための時間が一定時間設けてもよい。
【0103】
(変形例9)
第1及び第2の実施形態において、部分切換処理で表示が切り換えられる所定部分は右半分領域2bとしているが、ユーザが全面切換動作を必要とするページとそうでないページとが判断できる表示が行われていればよい。例えば、不揮発性表示部2の上部を対象に部分切換動作が行われた場合、ユーザは、上方から下方に向かって記載された文章などの前半部分の内容を理解することができ、その理解を基に切換動作を選択することができる。不揮発性表示部2の下部を対象に部分切換動作が行われていた場合は、一般にページ番号が最下部に表示されることから、ユーザはページ番号により全面切換動作を行うか、部分切換動作を続けるかを判断することができる。また、第1及び第2の実施形態においては、新聞や書籍などは右方から左方に向かって文章が記載されていることが多いことから、表示されたページに記載された文章の文頭を読むことができ、ユーザが希望するページか否かを判断することができる。
【0104】
(変形例10)
第1及び第2の実施形態において、部分切換処理で表示が切り換えられる所定部分は常に同一領域であるが、不揮発性表示部2の表示画面の一部が部分切換処理で切り換えられる構成であればよい。例えば、切換動作の指示が継続と判断される間に部分切換処理が2回以上続けて行なわれる場合に、2回目以降の部分切換処理は、直前の部分切換処理で切り換えられた領域の少なくとも一部を含まない領域が切り換えられ、不揮発性表示部の表示画面は、全面切換処理で切り換えられた画像と、複数回の部分切換処理で切り換えられた複数画像とが表示されてもよい。
【0105】
(変形例11)
第1及び第2の実施形態では、切換指示が検知されると、指示フラグD2がRAM32にセットされ、切換指示が検知された状態が保持される構成である。しかし、切換指示が検知されないときは、RAM32にセットされる指示フラグD2をリセットする処理が行なわれてもよい。切換指示の検知の有無によって、フラグのセット及びリセットを行うことにより、フラグが取得されたときの正確な切換指示の状態を判断することができる。
【0106】
(変形例12)
第2の実施形態では、計時が開始されてから一定時間内に前進ボタン3a又は後退ボタン3bの押下が行なわれた場合に、切換指示が継続と判断される構成である。しかし、切換動作の指示が継続しているか否かの判断は、通常の全面切換指示と区別できるものであればよい。例えば、前進ボタン3a又は後退ボタン3bが一定時間内に2回以上の所定回数押下された場合に、継続と判断する構成であってもよい。この場合、切換指示監視処理において2回以上検知されたときに、一時記憶領域432に指示フラグがセットされることにより、継続と判断される。
【符号の説明】
【0107】
1 画像表示装置
2 不揮発性表示部
3 操作部
3a 前進ボタン
3b 後退ボタン
4 制御部
5 切換動作部
6 バッテリ
41 CPU
42 ROM
43 RAM
44 RTC
51 コントローラ部
52 ドライバ
P1 メイン処理プログラム
P2 切換指示状態監視プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の画像の各々を表示するための表示データに従って各画像を多数の画素により表示画面上に表示し、表示される画像の表示を切り換えるための電圧が少なくとも1つの画素に印加され、電圧の印加後に画像の表示を保持することが可能な不揮発性表示部と、
前記表示画面上の少なくとも1つの画素の表示状態を変化させるための電圧を発生可能な電源部と、
前記表示画面の全面における多数の画素に前記電源部からの電圧を印加することにより画像を切り換える全面切換動作と、前記表示画面の所定部分における多数の画素に前記電源部からの電圧を印加することにより画像の一部を切り換える部分切換動作との、いずれかを実行可能な切換動作部と、
前記表示画面に表示される画像の切換を指示する指示部と、
前記指示部による切換の指示が継続しているか否かを判断する指示判断部と、
前記指示判断部により切換の指示が継続していると判断されたとき、前記部分切換動作の実行を前記切換動作部に指令する切換制御部と、
を備える画像表示装置。
【請求項2】
前記指示部は、画像の切換を指示するために操作可能な操作部材を有し、
前記指示判断部は、前記操作部材による操作が継続しているか否かを判断し、
前記切換制御部は、前記指示判断部により操作の継続が判断されている間、前記切換動作部に前記部分切換動作の実行を指令し、前記指示判断部により操作の継続が終了したと判断されたとき、前記切換動作部は前記不揮発性表示部の全面に画像を表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記指示部は、画像の切換を指示するために操作可能な操作部材を有し、
前記指示判断部は、前記操作部材による操作が継続しているか否かを判断し、
前記操作部材により操作が行なわれたときに、前記切換制御部は前記切換動作部に前記全面切換動作の実行を指令し、
前記指示判断部により操作の継続が判断されたとき、前記切換制御部は前記切換動作部に前記部分切換動作を実行させる、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記指示部は、画像の切換を指示するために操作可能な操作部材を有し、
前記指示判断部は、前記操作部材が操作されたとき、計時動作を開始する計時部を有し、
前記指示判断部は、前記計時部により計時された一定時間経過後、前記操作部材による操作が継続しているか否かを判断し、
前記切換制御部は、前記指示判断部により一定時間の操作の継続が判断されたとき、前記切換動作部に前記部分切換動作の実行を指令し、前記指示判断部により操作の継続が終了したと判断されたとき、前記切換動作部は前記不揮発性表示部の全面に画像を表示する、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記指示部は、画像の切換を指示するために操作可能な操作部材を有し、
前記指示判断部は、前記操作部材が操作されたとき、計時動作を開始する計時部を有し、
前記指示判断部は、前記計時部により計時された一定時間内に、前記操作部材による操作が行なわれたとき、操作が継続と判断し、
前記切換制御部は、前記指示判断部により操作の継続が判断されたとき、前記切換動作部に前記部分切換動作の実行を指令し、前記指示判断部により操作の継続が終了したと判断されたとき、前記切換動作部は前記不揮発性表示部の全面に画像を表示する、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記指示部は、画像の切換を指示するために操作可能な操作部材を有し、
前記指示判断部は、前記操作部材が操作されたとき、計時動作を開始する計時部を有し、
前記指示判断部は、前記計時部により計時された一定時間経過後、前記操作部材による操作が継続しているか否かを判断し、
前記切換制御部は、前記計時部が前記一定時間を計時する間に、前記切換動作部に前記全面切換動作を実行させ、前記指示判断部により操作の継続が判断されたとき、前記切換動作部に前記部分切換動作の実行を指令し、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記指示部は、画像の切換を指示するために操作可能な操作部材を有し、
前記指示判断部は、前記操作部材が操作されたとき、計時動作を開始する計時部を有し、
前記指示判断部は、前記計時部により計時された一定時間内に、前記操作部材による操作が行なわれたとき、操作が継続と判断し、
前記切換制御部は、前記切換動作部に前記全面切換動作の実行を指令し、前記指示判断部により操作の継続が判断されたとき、前記切換動作部に前記部分切換動作の実行を指令する、
ことを特徴とする請求項1〜3及び5のいずれかに記載の画像表示装置。
【請求項8】
前記指示判断部が判断する一定時間は、前記表示画面の全面における多数の画素に前記電源部からの電圧を印加することにより画像の全面を切り換えるために要する時間である、
ことを特徴とする請求項6または7に記載の画像表示装置。
【請求項9】
前記切換動作部は、前記指示判断部により操作の継続が終了したと判断されたとき、部分的に表示されている画像の表示データに対して、前記部分切換動作が行われた前記表示画面の所定部分以外の残り部分における多数の画素に前記電源部からの電圧を印加することにより前記不揮発性表示部の全面に画像を表示する、
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の画像表示装置。
【請求項10】
前記切換動作部は、前記部分切換動作を実行するとき前記表示画面上の同一の所定部分における多数の画素に前記電源部からの電圧を印加する、
ことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の画像表示装置。
【請求項11】
前記表示画面の全面における多数の画素は、複数の画素グループに属する多数の画素から構成され、
前記切換動作部は、前記複数の画素グループに対応する複数のドライバを有し、
前記複数のドライバの各々は、対応する画素グループに属する多数の画素に前記電源部からの電圧を印加するために動作可能であり、
前記切換動作部は、前記部分切換動作を実行するとき、前記複数のドライバの中で、前記表示画面の所定部分以外の残り部分における多数の画素が属する少なくとも1つの画素グループに対応するドライバを停止させる、
ことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の画像表示装置。
【請求項12】
多数の画像の各々を表示するための表示データに従って各画像を多数の画素により表示画面上に表示し、表示される画像の表示を切り換えるための電圧が少なくとも1つの画素に印加され、電圧の印加後に画像の表示を保持することが可能な不揮発性表示部を備えた画像表示装置において、
前記不揮発性表示部の表示画面に表示される画像の切換を指示する指示ステップと、
前記指示ステップによる切換の指示が継続しているか否かを判断する指示判断ステップと、
前記指示判断ステップにより切換の指示が継続していると判断されないときに、前記不揮発性表示部の表示画面に表示された画像の全面を切り換える全面切換動作を指令し、前記指示判断ステップにより切換の指示が継続していると判断されたときに、画像の一部を切り換える部分切換動作を指令する切換制御ステップと、
前記切換制御ステップにより指令された切換動作に従って、少なくとも1つの画素に電圧を印加することにより前記不揮発性表示部の表示画面に表示される画像を切り換える切換動作ステップと、
を備える画像表示方法。
【請求項13】
多数の画像の各々を表示するための表示データに従って画像を多数の画素により表示画面上に表示し、表示される画像の表示を切り換えるための電圧が少なくとも1つの画素に印加され、電圧の印加後に画像の表示を保持することが可能な不揮発性表示部を備え、切換動作指令に従って不揮発性表示部の表示を切り換える画像表示装置において、
前記不揮発性表示部の表示画面に表示される画像を切り換える指示を検出する指示検出ステップと、
前記指示検出ステップにより検出された切換の指示が継続しているか否かを判断する指示判断ステップと、
前記指示判断ステップにより切換の指示が継続していると判断されないときに、前記不揮発性表示部の表示画面に表示された画像の全面を切り換える全面切換動作を指令し、前記指示判断ステップにより切換の指示が継続していると判断されたときに、画像の一部を切り換える部分切換動作を指令する切換制御ステップと、
をコンピュータにより実現する画像表示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−204418(P2010−204418A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−50347(P2009−50347)
【出願日】平成21年3月4日(2009.3.4)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】