説明

画像表示装置および画像表示装置の冷却方法

【課題】外部装置と通信する際に冷却ファンの安定動作が可能な画像表示装置を提供する。
【解決手段】外部装置と通信可能な画像表示装置であって、冷却手段と、冷却手段を駆動する駆動手段と、駆動手段を制御する制御手段とを有し、制御手段は、外部装置から信号を受信したと判定した場合、外部電源を用いて冷却手段を第1の期間だけ駆動させるよう制御し、第1の期間が経過してから第2の期間において、信号を受信しても、外部電源を用いて冷却手段の駆動を行わないように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置および画像表示装置の冷却方法に関する。
【背景技術】
【0002】
会議室やプレゼンテーションルームに設置される画像表示装置(プロジェクタ)の操作は、付属リモコンや装置本体の操作パネルを用いずに、会議室やプレゼンテーションルーム全体の機器を制御するコントローラ装置を用いて行われることが多い。この場合、コントローラ装置と各機器の間はシリアルの専用線で接続されており、コントローラ装置は各機器の状態を常に監視するために、各機器に対して状態要求コマンドを送信し、動作状態を確認している。画像表示装置が待機状態にある場合、コントローラ装置が状態要求コマンドを送信すると、画像表示装置は、その内部の一部の回路ブロックを起動して必要な情報を取得したのち、コントローラ装置に応答する。このとき、画像表示装置の消費電力が増加して内部温度が上昇するため、冷却ファンが一定期間だけ作動する。
【0003】
ところが、冷却ファンが停止した直後に更に状態要求コマンドが送信される場合がある。冷却ファンは、駆動状態(回転状態)から停止状態に移行する際に再度起動されると、保護回路が正常に動作しないおそれがある。
【0004】
特許文献1には、回路の負荷電流に応じて冷却ファンの動作期間を変更する装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平6−82892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示されている装置は、消費電力に応じて冷却ファンの間欠駆動を行う。このため、このような装置を外部装置からのアクセスに応じて動作させる装置に適用することは困難である。また、プロジェクタの投射用ランプのように装置の大部分の消費電力を必要とする部材が存在する場合、負荷に応じて状態を把握することは困難である。
【0007】
また、装置には冷却ファンが回転しているか否かを示す検出端子が設けられているが、その検出タイミングが停止タイミングとずれている場合がある。このため、冷却ファンの停止直後に再起動しようとすると、冷却ファンの動作が不安定になるおそれがある。
【0008】
また画像表示装置には、投射時にACコンセントが抜かれても(外部電源からの電源の供給が停止されても)、一定時間だけ装置内部を冷却するための充電回路が内蔵されていることが多い。このような充電回路が内蔵されている場合、画像表示装置内部のコントローラが冷却ファンの回転を停止させるように制御した場合でも、供給電圧が徐々に低下しながら冷却ファンの回転が一定期間継続する。この場合、低電圧印加状態が継続し、冷却ファンの再起動時に冷却ファンの保護回路が正常に動作しない不安定な期間が存在する。
【0009】
そこで本発明は、外部装置と通信する際に冷却ファンの安定動作が可能な画像表示装置、および、画像表示装置の冷却方法を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一側面としての画像表示装置は、外部装置と通信可能な画像表示装置であって、冷却手段と、前記冷却手段を駆動する駆動手段と、
前記駆動手段を制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、前記外部装置から信号を受信したと判定した場合、外部電源を用いて前記冷却手段を第1の期間だけ駆動させるよう制御し、前記第1の期間が経過してから第2の期間において、前記信号を受信しても、外部電源を用いて前記冷却手段の駆動を行わないように制御する。
【0011】
本発明の他の側面としての画像表示装置の冷却方法は、外部装置と通信可能な画像表示装置の冷却方法であって、前記外部装置からの信号を受信したか否かを判定するステップと、前記信号を受信したと判定した場合、外部電源を用いて冷却手段を第1の期間だけ動作させるように制御するステップと、前記第1の期間が経過してから第2の期間において、前記信号を受信しても、外部電源を用いて前記冷却手段を動作させないように制御するステップとを有する。
【0012】
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施例において説明される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、外部装置と通信する際に冷却ファンの安定動作が可能な画像表示装置、および、画像表示装置の冷却方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施例における画像表示装置の外部との通信および冷却に関する部分の電気的ブロック図である。
【図2】本実施例における画像表示装置の冷却方法のフローチャートである。
【図3】本実施例における画像表示装置の冷却方法のタイムチャートである。
【図4】本実施例における画像表示装置の冷却方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
【0016】
まず、図1を参照して、本実施例における画像表示装置(プロジェクタ)の冷却部について説明する。図1は、画像表示装置の外部との通信および冷却に関する部分の電気ブロック図であり、画像表示装置における通信部、制御部、および冷却部の構成を示している。図1において、11は、冷却部を駆動するための電源L11(外部電源)を供給する電源端子である。12は、外部装置(不図示)から通信信号を入力し、また外部装置に通信信号を出力する通信インターフェース端子である。このように、画像表示装置は外部装置と通信可能に構成されている。
【0017】
21は、画像表示装置のシステム全体を制御するコントローラ(制御手段)である。22は、コントローラ21から出力される制御信号L13により制御され、後述のファン駆動回路23に電源L11(外部電源)を供給してファンを駆動するか否かを制御するファン駆動スイッチである。23は、コントローラ21からの制御信号L12により出力電圧が制御され、後述のファン駆動電圧(電源L15、L18、L21、L24)を供給する(すなわち、後述の冷却手段を駆動する)ファン駆動回路(駆動手段)である。25は、ファン駆動スイッチ22がオンになって電源L17が供給されることにより、その内部に電荷を蓄積し、その蓄積電荷に基づく電源L14を後述のスイッチ回路28、31、34、37に供給するファン駆動用充電回路(充填手段)である。ファン駆動用充電回路25は、冷却ファン30、33、36、39を動作させるための電源として用いられる。
【0018】
26は、後述のネットワークドライバ27(信号線L27、L28)を介して外部装置との通信を行い、受信コマンドを解読し、必要に応じて受信情報を、信号線L29を介してコントローラ21へ送る通信制御回路である。27は、外部装置との信号のやりとりを行うネットワークドライバ回路である。
【0019】
28は、電源端子11から供給される電源L17(外部電源)がオフになった場合、ファン駆動用充電回路25から供給された電源L14を後述の加算回路29に伝達するスイッチ回路である。29は、ファン駆動回路23から供給される電源L15(駆動信号)とスイッチ回路28から供給される電源L16とを加算する加算回路である。30は、加算回路29からの出力信号(電源L30)に基づいて駆動される冷却ファン(冷却手段)である。
【0020】
31は、電源端子11から供給される電源L17がオフになった場合、ファン駆動用充電回路25から供給された電源L14を後述の加算回路32に伝達するスイッチ回路である。32は、ファン駆動回路23から供給される電源L18(駆動信号)とスイッチ回路31から供給される電源L19とを加算する加算回路である。33は、加算回路32からの出力信号(電源L31)に基づいて駆動される冷却ファン(冷却手段)である。
【0021】
34は、電源端子11から供給される電源L17がオフになった場合、ファン駆動用充電回路25から供給された電源L14を後述の加算回路35に伝達するスイッチ回路である。35は、ファン駆動回路23から供給される電源L21(駆動信号)とスイッチ回路34から供給される電源L22とを加算する加算回路である。36は、加算回路35からの出力信号(電源L32)に基づいて駆動される冷却ファン(冷却手段)である。
【0022】
37は、電源端子11から供給される電源L17がオフになった場合、ファン駆動用充電回路25から供給された電源L14を後述の加算回路38に伝達するスイッチ回路である。38は、ファン駆動回路23から供給される電源L25(駆動信号)とスイッチ回路37から供給される電源L25とを加算する加算回路である。39は、加算回路38からの出力信号(電源L33)に基づいて駆動される冷却ファン(冷却手段)である。
【0023】
次に、図2を参照して、本実施例におけるコントローラ21の動作(画像表示装置の冷却方法)について説明する。図2は、画像表示装置の冷却方法のフローチャートである。本フローチャートにおいて、画像表示装置は画像表示(画像投影)を行っていない状態(待機状態)であり、受信データがない場合には冷却ファンは動作しない。このような待機状態では、通信機能を維持するためのコントローラ21に対しては電源(外部電源)が供給されている。
【0024】
図2に示されるフローチャートにおいて、まずステップS10において、初期化が行われる。具体的には、カウントダウンタイマーTの値およびカウントダウンタイマーDの値をそれぞれ0に設定し、レジスタFにOFF(0)を書き込む。カウントダウンタイマーTは、後述の受信データを受け取った場合に冷却ファンを動作させる期間(第1の期間)を設定するために設けられている。カウントダウンタイマーDは、第1の期間が経過してから更に受信データを受け取った場合に冷却ファンの駆動を行わないようにファン駆動回路23を制御する期間(第2の期間)を設定するために設けられている。第2の期間は、例えばファン駆動用充電回路25により冷却ファンが動作する期間に応じて適宜設定される。
【0025】
続いてステップS11において、コントローラ21は、通信制御回路26からの受信データがあるか否かを判定する。受信データがない場合にはステップS15に進む。一方、受信データがある場合にはステップS12に進む。ステップS12において、コントローラ21は、現在のカウントダウンタイマーDの値が0であるか否か、すなわち冷却ファン非動作期間(第2の期間内)であるか否かを判定する。カウントダウンタイマーDの値が0の場合(ファン非動作期間でない場合)にはステップS17に進む。一方、カウントダウンタイマーDの値が0でない場合(ファン非動作期間である場合)にはステップS13に進む。
【0026】
ステップS13において、コントローラ21は、受信データに従って各種の処理を行う。各種処理の終了後、ステップS14に進む。ステップS14において、コントローラ21は、ステップS13における処理結果を外部装置に送信する(レスポンス出力)。レスポンス出力が完了すると、ステップS11に戻る。
【0027】
ステップS11において、受信データがない場合にはステップS15に進む。コントローラ21は、ステップS15において、レジスタFが1(ON)であり、かつ、カウントダウンタイマーTが0(第1の期間内)であるか否かを判定する。2つの条件を満たす場合、すなわち、冷却ファンが駆動状態であり、かつ、カウントダウンタイマーTのカウントダウンが終了した状態である場合にはステップS16に進む。ステップS16において、コントローラ21は、レジスタFを0(OFF)にし、カウントダウンタイマーDを例えば180(D=180)にセットする。すなわち、冷却ファンが180秒間(第2の期間)だけ動作しないように設定される。その後、ステップS11に戻る。一方、ステップS15において少なくとも一方の条件が満たされていない場合、ステップS11に戻る。
【0028】
ステップS12において、ファン非駆動期間でない場合、すなわちカウントダウンタイマーDの値が0である場合、ステップS17において、冷却ファンを駆動状態にし、カウントダウンタイマーTを例えば240(T=240)にセットする。すなわち、冷却ファンが240秒間(第1の期間)だけ動作するように設定される。このようにコントローラ21は、待機状態において外部装置から通信信号(第1の信号)を受信したと判定した場合、冷却ファンを第1の期間(カウントダウンタイマーTに設定された値)だけ動作させるようにファン駆動回路23を制御する。その後、上述のようにステップS13に進み、コントローラ21は各種処理を行う。
【0029】
次に、図3(a)〜(c)を参照して、画像表示装置の動作(冷却方法)について説明する。図3(a)〜(c)は、画像表示装置の冷却方法を示すタイムチャートであり、外部装置からのアクセス間隔がそれぞれ異なる場合を示している。本実施例において、冷却ファンの動作期間(冷却期間)を単位時間3つ分、非動作期間を単位時間2.2つ分としているが、これらに限定されるものではない。
【0030】
図3(a)は、カウントダウンタイマーTよりも短い間隔で繰り返し外部装置からアクセスされる場合のタイムチャートである。本図では、単位時間2つ分の間隔でアクセスされる場合を示している。図3(b)は、カウントダウンタイマーTよりも長い間隔で、かつ、カウントダウンタイマーTとカウントダウンタイマーDの時間を合わせた時間よりも短い間隔で繰り返し外部装置からアクセスされる場合のタイムチャートである。本図では、単位時間4つ分の間隔で外部装置からアクセスされる場合を示している。図3(c)は、カウントダウンタイマーTとカウントダウンタイマーDの時間を合わせた時間よりも長い間隔で繰り返し外部装置からアクセスされる場合のタイムチャートである。本図では、単位時間6つ分の間隔で外部装置からアクセスされる場合を示している。
【0031】
コントローラ21は、電源L11が供給されると、図2のステップS10において初期化動作を行うとともにカウントダウンタイマーTおよびカウントダウンタイマーDの値を0に設定する。またコントローラ21は、レジスタFに0を入力する。同時に、通信制御回路26およびネットワークドライバ27にも電源L11が供給され、画像表示装置は外部装置と通信可能な状態となる。
【0032】
続いてステップ11において、コントローラ21は、画像表示装置が外部装置からの通信信号を受信したか否かを判定する。画像表示装置が通信信号を受信していない場合、ステップS15に進む。ステップS15において、F=ON(冷却ファンが駆動されている状態)で、かつ、カウントダウンタイマーTの値が0(T=0)であるかを判定する。現段階ではF=OFFであるため、ステップS11に戻る。このように、外部装置からの通信信号を待っている状態(受信待ち状態)では、画像表示装置は上記動作を繰り返す。
【0033】
通信インターフェース端子12を介して外部装置から画像表示装置にアクセスがあると、アクセス信号は信号線L27を介してネットワークドライバ27に送られる。ネットワークドライバ27は、受け取ったデータ(アクセス信号)を通信制御回路26に出力する。また通信制御回路26は、このデータをコントローラ21に出力(受信データ)する。コントローラ21は、この受信データを受け取ると、ステップS11からステップS12に進む。ステップS12では、カウントダウンタイマーDの値が0であるため、ステップS17に進む。
【0034】
ステップS17では、F=ON、すなわち冷却ファンを起動して回転させる(起動状態)。これは、図1に示されるファン駆動スイッチ回路を制御信号L13により短絡させて電源L11をファン駆動回路23に供給することに相当する。これにより、ファン駆動回路23は、コントローラ21からの制御信号L12に応じた電圧(電源)を信号線L15、L18、L21、L24に出力する。また、カウントダウンタイマーTの値を240にセットし、ステップS13に進む。
【0035】
続いてステップS13において、コントローラ21は、受信データを処理する。例えば、画像表示装置が待機状態または投影状態のいずれであるかなどの動作状態要求や、画像表示装置の通電時間などの情報要求に対して、画像表示装置の内部にある記憶素子ICや信号処理ICに保持されている情報を取り出して送信データを生成する。この処理が終了するとステップS14に進み、送信データを通信制御回路26に出力する。また通信制御回路26は、送信プロトコルを生成し、ネットワークドライバ27を介して通信インターフェース端子12から外部装置に出力(レスポンス信号)する。コントローラ21は、送信データを通信制御回路26に出力すると、ステップS11に進む。ステップS11において、受信データがない場合にはステップS15に進む。ステップS15では、カウントダウンタイマーTの値がまだ0になっていないため、ステップS11に進み、カウントダウンタイマーTの値が0になるまでステップS11とステップS15とを繰り返す。
【0036】
ここで、図3(a)に示されるタイムチャートを参照して、外部装置からのアクセス間隔がカウントダウンタイマーTよりも短い場合について説明する。ここでは、上記の一回目のアクセス信号に対する処理が終了してS11に戻ったところから説明する。図2中のステップS11とステップS15を繰り返している間、カウントダウンタイマーT=0となる前にステップS11にて受信データを受けると、ステップS12に進む。ここでは、カウントダウンタイマーD=0であるからステップS17に進み、冷却ファンが駆動状態となる。ここでは、冷却ファンは既に駆動状態であるため、この状態が保たれる。またステップS17において、カウントダウンタイマーTが240に設定される。このため、データ処理中およびステップS11とステップS15の繰り返し期間において、カウントダウンタイマーTの値は、240からカウントダウンされることになる。以降は、上述の各ステップの繰り返しとなる。以上のように、外部装置からのアクセス間隔がカウントダウンタイマーTに設定された時間よりも短い場合、冷却ファンは冷却動作を継続する。
【0037】
次に、図3(b)のタイムチャートを参照して、外部装置からのアクセス間隔がカウントダウンタイマーTよりも長い間隔で、かつ、カウントダウンタイマーTとカウントダウンタイマーDを合わせた間隔(T+D)よりも短い場合について説明する。図2中のステップS11とステップS15を繰り返してカウントダウンタイマーT=0となると、ステップS15からステップS16に進む。ステップS16では、レジスタFをOFFすなわち冷却ファンを停止状態にする。つまり、図1のファン駆動スイッチ22をオープン状態にして、冷却ファン30、33、36、39の駆動を停止する。
【0038】
コントローラ21からファン駆動回路23に対して供給される制御信号L12は、ファン駆動回路23の出力電圧を制御する制御信号である。コントローラ21は、冷却ファン30、33、36、39で使用される電圧を、冷却目的に応じて電圧を設定している。冷却ファンは上記電圧やファンの形状に応じて停止までの時間が異なり一定とはならない。
【0039】
また図2中のステップS16では、カウントダウンタイマーDに180をセットし、ステップS11に進む。ここで、ファン駆動スイッチ22がオフ(オープン状態)になると、ファン駆動回路23に供給される電源L17がLOW(オフ)となる。このため、ファン駆動用充電回路25から電源L14がスイッチ回路28、31、34、37を介して加算回路29、32、35、38にそれぞれ供給される。そして冷却ファン30、33、36、39に対して、電源L30、31、32、34がそれぞれ供給される。このため、コントローラ21がファン駆動スイッチ22をオフするように制御信号L12を出力した場合でも、冷却ファン30、33、36、39は直ぐに停止することはない。本実施例では、ファン駆動用充電回路25が設けられていることにより、例えばACコンセントが抜かれた場合でも、冷却ファン30、33、36、39を一定期間(例えば、第2の期間よりも短い時間)だけ駆動することができる。
【0040】
ここで、まだ受信データを受け取っていない間は、ステップS11とステップS15を繰り返す。一方、受信データを受け取ると、ステップS11からステップS12に進む。上述のように、ステップS16でカウントダウンタイマーDが180にセットされてカウントダウンされているが、カウントダウンタイマーDはまだ0になっていない。このとき、コントローラ21は冷却ファンの非動作期間(D≠0)であると判定し、ステップS13に進む。そしてコントローラ21は、ステップS13において受信データに応じた処理を行い、ステップS14において送信データ信号を出力する。このようにコントローラ21は、冷却ファンの非動作期間(D≠0)において受信データを受け取った場合、冷却ファンを駆動することなく所定の処理を行う。
【0041】
このようにコントローラ21は、第1の期間が経過してから第2の期間において外部装置からアクセス信号(第2の信号)を受信した場合であっても、冷却ファンの駆動を行わないようにファン駆動回路23を制御する。すなわち、ファン駆動用充電回路25から供給される電源L14により冷却ファンが回転状態にある時間を含む一定期間(第2の期間)は、スイッチ回路22はオープンのままとなり、冷却ファンの駆動は行われない。
【0042】
そしてステップS11に戻り、コントローラ21は受信データを受け取ったか否かを確認する。コントローラ21が受信データを受け取っていない場合、ステップS15に進む。ステップS11とステップS15を繰り返すうちに冷却ファンが停止してカウントダウンタイマーD=0となる。その後、コントローラ21が受信データを受け取ると、ステップS12に進む。ここで、カウントダウンタイマーDの値は0となっているため、ステップS17に進み、スイッチ回路22を短絡させてファン駆動回路23を駆動し、カウントダウンタイマーTに240をセットする。以降、最初のデータ受信時と同様の処理が行われる。
【0043】
次に、図3(c)のタイムチャートを参照して、外部装置からのアクセス間隔がカウントダウンタイマーTとカウントダウンタイマーDを合わせた時間T+Dよりも長い場合について説明する。図2中のステップS15において、コントローラ21はカウントダウンタイマーTが0である(T=0)と判定すると、ステップS15からステップS16に移行する。ステップS16において、コントローラ21は冷却ファンを停止状態(スイッチ回路22をオープン状態)にし、カウントダウンタイマーDに180をセットして、ステップS11に戻る。以降、ステップS11とステップS15を繰り返す。
【0044】
この繰り返しの期間にカウントダウンタイマーDの値は徐々に減り、アクセス(受信データ)間隔はT+Dよりも長いため、ステップS11とステップS15の繰り返し期間にD=0となる。すなわち、この時点で冷却ファンは既に停止状態となっている。以降、コントローラ21が受信データを受け取ると、ステップS11からステップS12に進む。ステップS12では既にD=0であるため、ステップS17に進む。ステップS17において、コントローラ21は、F=ONすなわち冷却ファンを駆動し、カウントダウンタイマーTに240をセットする。そしてコントローラ21は、ステップS13において所定の処理を行い、ステップS14において送信データ出力を行う。その後、ステップS11に戻り、ステップS11とステップS15を繰り返す。その間にカウントダウンタイマーTの値は0となり、以降、上述と同様の動作を繰り返す。
【0045】
本実施例では、図3(b)を参照して説明したように、所定の間隔でデータを受信した場合(アクセスがあった場合)、消費電力が上昇しても冷却ファンを動作させない期間が存在する。しかし、冷却ファンの停止前に少なくともカウントダウンタイマーTの設定期間(第1の期間)の冷却動作を行っている。また、冷却動作が行われないのは、カウントダウンタイマーDの設定期間(第2の期間)に限定される。それ以降のアクセスに対しては冷却動作を行うため、プロジェクタ内部の温度上昇は一定の範囲に留まる。なお、冷却ファンの非動作期間は、ファン駆動用充電回路の特性や冷却ファンの特性により適宜変更可能である。
【0046】
上述のとおり、本実施例のコントローラ21は、カウントダウンタイマーTに設定された第1の期間内に受信データ信号を受信したと判定した場合、冷却ファンの駆動の際(通信信号の受信の際)に第1の期間のカウントダウンを開始するように再設定する。ただし本実施例はこれに限定されるものではない。例えば、図4に示されるように、ステップS14における送信データ出力が終了してから冷却ファンの駆動期間を設定してもよい。この場合、コントローラ21は、受信データ信号に対する外部装置への送信データ信号の出力の際に第1の期間を開始するように再設定する。
【0047】
ステップS14からステップS19に進むと、コントローラ21は、ステップS17にて冷却ファンを動作させたか否か(F=ON)を判定する。冷却ファンが動作している場合、コントローラ21はステップS20カウントダウンタイマーTの値を240に設定する(T=240)。このような構成によれば、送信データ出力が終了してから一定期間、冷却ファンを駆動することができる。
【0048】
本実施例によれば、外部装置と通信する際に冷却ファンの安定動作が可能な画像表示装置、および、画像表示装置の冷却方法を提供することができる。
【0049】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0050】
21:コントローラ
30、33、36、39:冷却ファン
23:ファン駆動回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置と通信可能な画像表示装置であって、
冷却手段と、
前記冷却手段を駆動する駆動手段と、
前記駆動手段を制御する制御手段と、を有し、
前記制御手段は、前記外部装置から信号を受信したと判定した場合、外部電源を用いて前記冷却手段を第1の期間だけ駆動させるよう制御し、
前記第1の期間が経過してから第2の期間において、前記信号を受信しても、外部電源を用いて前記冷却手段の駆動を行わないように制御する、ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
電荷を蓄積する充電手段を更に有し、
前記充電手段は、前記第2の期間において、前記冷却手段を駆動させるための電源として用いられることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
外部装置と通信可能な画像表示装置の冷却方法であって、
前記外部装置からの信号を受信したか否かを判定するステップと、
前記信号を受信したと判定した場合、外部電源を用いて冷却手段を第1の期間だけ動作させるように制御するステップと、
前記第1の期間が経過してから第2の期間において、前記信号を受信しても、外部電源を用いて前記冷却手段を動作させないように制御するステップと、を有することを特徴とする画像表示装置の冷却方法。
【請求項4】
前記第2の期間において、前記冷却手段を動作させるための電源として充電手段が用いられていることを特徴とする請求項3に記載の画像表示装置の冷却方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−44975(P2013−44975A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−183213(P2011−183213)
【出願日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】