画像表示装置
【課題】製造コストや維持コストを低減することができる画像表示装置を提供することを目的とする。
【解決手段】画像表示装置1は、光源2と、この光源2を囲み、光源2からの光を透過拡散し、複数の画像をそれぞれ縦M分割、横N分割することで形成された各画素に対応する画素部を配列手段により配列した画素部群を有する画像部材3と、この画像部材3を透過する光のうち、各広告画像に対応した画素部ごとに観察者側に通過させる透過部が形成されるピンホールパネル4と、ピンホールパネル4を画像部材3に対して回転させるモータ53とを備える。配列手段は、画像ごとに対応する画素部から当該画像ごとに、各画像における分割位置が同一の1画素部ずつから形成された複数の画素部グループをこの広告画像における分割位置に応じて配列し、ピンホールパネル4の回転方向において隣り合う画素部が広告画像の表示順となるように各画素部グループ内で配列する。
【解決手段】画像表示装置1は、光源2と、この光源2を囲み、光源2からの光を透過拡散し、複数の画像をそれぞれ縦M分割、横N分割することで形成された各画素に対応する画素部を配列手段により配列した画素部群を有する画像部材3と、この画像部材3を透過する光のうち、各広告画像に対応した画素部ごとに観察者側に通過させる透過部が形成されるピンホールパネル4と、ピンホールパネル4を画像部材3に対して回転させるモータ53とを備える。配列手段は、画像ごとに対応する画素部から当該画像ごとに、各画像における分割位置が同一の1画素部ずつから形成された複数の画素部グループをこの広告画像における分割位置に応じて配列し、ピンホールパネル4の回転方向において隣り合う画素部が広告画像の表示順となるように各画素部グループ内で配列する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の画像を連続して表示する画像表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、街頭、スタジアム、競技場などには、多数の観察者が視認することができるように、大画面(例えば縦横ともに数メートル〜十数メートル)で画像、特に広告画像を表示する画像表示装置が提案されている。このような画像表示装置は、多数の観察者が離れた位置から視認するため、大画面の1画素が大きくても、大画面に表示されている画像を広告画像として認識することができる。
【0003】
この画像表示装置は、従来のポスターや垂れ幕などと異なり、複数の静止画広告あるいは1以上の動画広告を繰り返し表示することとなる。例えば、特許文献1に示すような画像表示装置のように、LEDなどの素子を用いて広告を表示させる画像表示装置などが提案されている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−157036号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記素子を用いた画像表示装置では、素子1つの単価が高いため、画像表示装置が高価なものとなるという問題がある。また、この素子は、大画面の1画素に用いられるものであるため、例えばモニターなどで用いられている素子よりも大きく、その消費電力も大きくなるという問題もあった。つまり、素子を用いた画像表示装置は、製造コストや維持コストが高いという問題があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、製造コストや維持コストを低減することができる画像表示装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明は、光を照射する発光手段と、前記発光手段からの光を透過し、K枚(K>1)の画像をそれぞれ横N(N>1)分割、縦M(M>1)分割することで形成された各画素に対応する画素部を配列手段により配列した画素部群を1組以上有する画像部材と、前記画像部材を挟んで、前記発光手段と対向して配置され、当該画像部材を透過する光のうち、各画像に対応した画素部ごとに当該画像部材側の反対側に通過させる透過部からなる透過部群1組以上形成される表示部材と、前記表示部材を前記画像部材に対して移動させる表示部材移動手段と、を備える画像表示装置であって、前記配列手段は、前記画像ごとに対応する画素部から当該画像ごとに1画素部ずつ合計K個をX(X>1)行×Y列に配列(K=X×Y)した複数の画素部グループ(M×N個)に形成し、前記複数の画素部グループを、各画素部グループ内の同一画像に対応する画素部の当該画像における分割位置に応じてM行×N列に配列し、前記画像部材に配列される各画素部を、前記表示部材の移動方向において隣り合うX個の前記各画素部グループ内の同一画像に対応する画素部が異なる行となり、当該移動方向において隣り合う画素部が前記K枚の画像の表示順となり、前記各画素部グループ内の画素部の前記各画像における分割位置が同一前記各画素部グループ内の各行の画素部の前記各画像における分割位置が同一であり当該行ごとの当該各画像における分割位置が連続、あるいは前記各画素部グループ内の各行の画素部の前記各画像における分割位置が連続であり当該行ごとの当該各画像における分割位置が連続のいずれか1つとなるように、前記各画素部グループ内で配列することを特徴とする。
【0008】
また、この発明では、光を照射する発光手段と、前記発光手段からの光を透過し、K枚(K>1)の画像をそれぞれ横N(N>1)分割、縦M(M>1)分割することで形成された各画素に対応する画素部を配列手段により配列した画素部群を1組以上有する画像部材と、前記画像部材を挟んで、前記発光手段と対向して配置され、当該画像部材を透過する光のうち、各画像に対応した画素部ごとに当該画像部材側の反対側に通過させる透過部からなる透過部群1組以上形成される表示部材と、前記画像部材を前記表示部材に対して移動させる画像部材移動手段と、を備える画像表示装置であって、前記配列手段は、前記画像ごとに対応する画素部から当該画像ごとに1画素部ずつ合計K個をX(X>1)行×Y列に配列(K=X×Y)した複数の画素部グループ(M×N個)に形成し、前記複数の画素部グループを、各画素部グループ内の同一画像に対応する画素部の当該画像における分割位置に応じてM行×N列に配列し、前記画像部材に配列される各画素部を、前記画像部材の移動方向と反対方向において隣り合うX個の前記各画素部グループ内の同一画像に対応する画素部が異なる行となり、当該移動方向と反対方向において隣り合う画素部が前記K枚の画像の表示順となり、前記各画素部グループ内の画素部の前記各画像における分割位置が同一前記各画素部グループ内の各行の画素部の前記各画像における分割位置が同一であり当該行ごとの当該各画像における分割位置が連続、あるいは前記各画素部グループ内の各行の画素部の前記各画像における分割位置が連続であり当該行ごとの当該各画像における分割位置が連続のいずれか1つとなるように、前記各画素部グループ内で配列することを特徴とする
【0009】
これらの発明によれば、表示部材が表示部材移動手段、あるいは画像部材が画像部材移動手段により移動することで、表示部材の透過部は、画像部材を透過する光のうち、各画像に対応した画素部ごとに画像部材側の反対側、すなわち観察者が画像表示装置を観察する観察者側に通過させる。従って、観察者側には、各画像に対応した画素部のみを透過する光により、この画素部に対応する画素から構成される画像、例えば広告画像が表示される。これにより、従来のように、各画素にそれぞれ素子を用いずに、各画像を表示することができるので、製造コストを低減することができる。また、従来のように、各画素にそれぞれ素子を用いず発光手段により、広告画像を表示することができるので、消費電力を低減することができ、維持コストを低減することができる。
【0010】
また、この発明では、上記画像表示装置において、前記透過部を通過する光を集光する集光手段をさらに備えることを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、画像部材の画素部のうち、透過部に対向する各画像に対応した画素部を透過し、この透過部を表示部材の観察者側に通過した光は、集光手段により、例えば観察者が観察する領域において集光した状態とすることができる。従って、観察者側に通過した光の拡散が抑制されるので、画像を明るく表示することができ、観察者の視認性が向上する。
【0012】
また、この発明では、上記画像表示装置において、各透過部の面積は、前記画像部材の1画素部の面積よりも狭いことを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、各透過部の面積は、画像部材の1画素部の面積よりも狭いので、画像部材の画素部のうち、各画像に対応した画素部を透過した光のうち、各画像に対応した画素部の範囲よりも少し狭い範囲のみが透過部を表示部材の観察者側に通過することとなる。従って、透過部を表示部材の観察者側に通過する光に、各画像に対応した画素部以外を透過した光が含まれることを抑制することができる。これにより、表示される画像のノイズを抑制することができる。
【0014】
また、この発明では、上記画像表示装置において、複数の画像は、動画の各フレームの静止画像であることを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、透過部は、動画の各フレームの静止画像を構成する画素に対応した画素部のみを透過する光を動画の各フレームの表示順に観察者側に通過させる。従って、動画、例えば動画広告を表示しても、製造コストおよび維持コストを低減することができる。
【0016】
この発明では、上記画像表示装置において、前記発光手段から照射された光を拡散する拡散手段をさらに備え、前記画像部材を透過した光は、前記拡散手段により拡散されることを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、例えば発光手段と画像部材との間に拡散手段を配置することや、画像部材自体を拡散手段とすることで、画像部材を透過した光を拡散させる。従って、表示部材の透過部を通過する光の強さは、各透過部の発光手段に対する位置関係に拘わらず均一とすることができる。これにより、観察者側には、各画像に対応した画素部のみを透過する光が均一となり、この画素部に対応する画素から構成される画像、例えば広告画像の一部が暗くなることを抑制することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明にかかる画像表示装置は、製造コストおよび維持コストを低減することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの或いは実質的に同一のものが含まれる。
【実施例】
【0020】
図1は、この発明の実施例にかかる画像表示装置の構成例を示す図である。図2は、画像表示装置により表示する画像、ここでは広告画像である。図3は、各画素部グループの構成例を示す図である。図4は、1組の画素部群を示す図である。図5は、画像部材の構成例を示す図である。図6は、表示部材の構成例を示す図である。図7〜図8は、画像表示装置の動作説明図である。図9および図10は、表示部材の他の構成例を示す図である。図11および図12は、この発明にかかる画像表示装置の他の構成例を示す図である。この実施例では、後述する画像部材3に、9枚の広告画像をそれぞれ縦3分割、横3分割することで形成された81個の各画素に対応する81個の画素部を配列した画素部群1組が形成されているが、広告画像の枚数、縦および/または横の分割数、画素部群の組数は、これに限定されるものではない。
【0021】
図1に示すように、実施例にかかる画像表示装置1は、発光手段である光源2と、画像部材3と、表示部材であるピンホールパネル4と、表示部材移動手段であるモータ53とにより構成されている。なお、5は、光源2からの光が外部に漏れることを防止するケーシングである。また、100は、画像表示装置1に表示された広告画像を視認する観察者である。例えば、画像表示装置1が、広告画像を大画面(例えば、縦および横の長さが数メートルから数十メートル)として表示する場合は、画像表示装置1に対してこの観察者100が十分に離れて位置するものとする(例えば、数メートルから数十メートル)。
【0022】
光源2は、発光手段であり、同図に示すように、ケーシング5内に収納されている。この光源2は、この実施例では複数本の蛍光灯で構成されている。この光源2は、画像表示装置1により広告画像を表示する際に、図示しない電力供給手段から供給された電力により光を照射するものである。なお、光源2は、蛍光灯に限られるものではなく、光を照射するものであれば例えばLEDなどであっても良い。
【0023】
画像部材3は、同図に示すように、平面に形成され、上記発光手段である光源2の前に配置されて、ケーシング5内に収納されている。この画像部材3には、1組以上の画素部群、この実施例では、図5に示すように、1組の画素部群31を有する。この画像部材3は、この実施例では、入射した光を拡散透過するバックライトフィルムが用いられている。つまり、この画像部材3は、発光手段である光源2から照射された光を拡散する拡散手段としても機能するものである。なお、画像部材3は、バックライトフィルムに限られるものではなく、光を透過し、環状に形成できるものであれば例えば紙や、薄板などであっても良い。また、画像部材3として、バックライトフィルム以外の透明なプラスチックフィルムを用いる場合は、この画像部材3と光源2との間に、拡散手段として光を拡散する光拡散板を備えることが好ましい。
【0024】
以下に、複数の広告画像からこの画像部材3の画素部の配列方法について説明する。まず、図2に示すように、K枚(K>1)の広告画像、この実施例では、同じ大きさの9枚の広告画像A〜Iをそれぞれ複数の画素に分割する。ここで、この9枚の広告画像A〜Iは、それぞれ図示しない1つの動画広告の各フレームの静止画像である。各広告画像A〜Iは、それぞれ各画素の大きさが同一となるように、横N(N>1)分割、縦M(M>1)分割され、M×N個の画素が形成される。この実施例では、各広告画像A〜Iをそれぞれ縦3分割(M=3)し、横3(N=3)分割し、各広告画像A〜Iからそれぞれ9個の画素を形成する。上記画像部材3の画素部群31は、それぞれ上記K枚の広告画像A〜Iを分割することで形成されたK×M×N画素に対応したK×M×N個により構成されている。つまり、この実施例では、画素部群31は、81個の画素にそれぞれ対応した81個の画素部A11〜I33により構成されている。なお、この画素部A11〜I33を画像部材3に形成する方法としては、例えば画像部材3に81個の画素を直接印刷することで、この81個の画素にそれぞれ対応した画素部A11〜I33を形成する。
【0025】
次に、画素部A11〜I33により複数のグループを形成する。ここでは、広告画像ごとに対応する画素部からこの広告画像ごとに1画素部ずつ合計KをX行(X>1)×Y列(Y>1)に配列し、M×N個の画素部グループを形成する。この実施例では、図3に示すように、9枚の広告画像A〜Iごとに1画素部ずつ合計9個を3行(X=3)×3列(Y=3)に配列した9個の画素部グループ(M1N1グループ〜M3N3グループ)を形成する。つまり、各画素部グループ(M1N1グループ〜M3N3グループ)には、各広告画像A〜Iに対応する画素部がそれぞれ1画素部ずつ含まれる。
【0026】
ここで、各画素部グループ(M1N1グループ〜M3N3グループ)内に含まれる各広告画像A〜Iに対応する1画素部の選択方法は、種々考えられるが、この実施例では各画素部グループ(M1N1グループ〜M3N3グループ)内の画像部が各広告画像における分割位置と同一となるように選択する。実施例では、同図に示すように、各広告画像A〜Iの上部左側を分割位置とする画素部A11〜I11をM1N1グループとし、各広告画像A〜Iの上部中央側を分割位置とする画素部A12〜I12をM1N2グループとし、各広告画像A〜Iの上部右側を分割位置とする画素部A13〜I13をM1N3グループとし、各広告画像A〜Iの中央部右側を分割位置とする画素部A21〜I21をM1N2グループとし、各広告画像A〜Iの中央部中央側を分割位置とする画素部A22〜I22をM1N1グループとし、各広告画像A〜Iの中央部右側を分割位置とする画素部A23〜I23をM2N3グループとし、各広告画像A〜Iの下部左側を分割位置とする画素部A31〜I31をM3N1グループとし、各広告画像A〜Iの下部中央部を分割位置とする画素部A32〜I32をM3N2グループとし、各広告画像A〜Iの下部右側を分割位置とする画素部A33〜I33をM3N3グループとする。
【0027】
次に、図4に示すように、画素部群のそれぞれのK×M×N個の画素部が区分けされた複数(M×N個)の画素部グループを各画素部グループ内の画素部の広告画像における分割位置に応じて縦M行、横N列に配列する。この実施例では、上記画素部群31のそれぞれの画素部A11〜I33が区分けされた9個の画素部グループ(M1N1グループ〜M3N3グループ)を、この9個の画素部グループ(M1N1グループ〜M3N3グループ)内の画素部A11〜I33の広告画像A〜Iにおける分割位置に応じて配列する。ここでは、この9個の画素部グループを縦3行、横3列に配列する。これにより、画素部群31は、上の列(M=1)がM1N1グループ、M1N2グループ、M1N3グループの順、中央の列(M=2)がM2N1グループ、M2N1グループ、M2N3グループの順、下の列(M=3)がM3N1グループ、M3N1グループ、M3N3グループの順となる。
【0028】
次に、図5に示すように、画像部材に配列される各画像部を表示部材の移動方向、すなわち回転方向において隣り合うX個の各画像部グループ内の同一画像に対応する画像部が異なる行となるように各画素部グループ内で配列する。この実施例では、画像部材3に配列される画素部群31の各画像部A11〜I33の全てがピンホールパネル4の回転方向において隣り合う3個(X=3)の各画像部グループ内の同一画像に対応する画像部が異なる行となるように配列する。例えば、画素部群31のM=1のグループ(M1N1グループ、M1N1グループ、M1N3グループ)における同一画像である広告画像Aに対応する画素部A11,A12,A13や、同一画像である広告画像Dに対応する画素部D11,D12,D13や、同一画像である広告画像Gに対応する画素部G11,G12,G13などは異なる行となるように配列する。なお、M=2,M=3のグループにおいても、同様に同一画像に対向する画像部が異なる行となるように配列する。
【0029】
そして、同図に示すように、画像部材に配列される各画像部を表示部材の移動方向、すなわち回転方向において隣り合う画素部がK枚の広告画像の表示順となる各画素部グループ内で配列する。この実施例では、画像部材3に配列される画素部群31の各画像部A11〜I33の全てがピンホールパネル4の回転方向において隣り合う画素部が9(K=9)枚の広告画像A〜Iの表示順となるように各画素部グループ(M1N1グループ〜M3N3グループ)内で配列する。例えば、同図に示すように、ピンホールパネル4の回転方向に互いに隣り合う画像部A11〜I33は、回転方向側と反対側に向かってA11,B11,C11,D12,E12,F12,G13,H13,I13の順やA23,B23,C23,D21,E21,F21,G22,H22,I22の順のように、回転方向に向かって広告画像A〜Iを構成する画素に対応する画像部がA〜Iの順を繰り返すように配列される。
【0030】
ピンホールパネル4は、表示部材であり、図1に示すように、環状に形成され、その内側に上記発光手段である光源2および画像部材3を囲むようにケーシング5内に収納されている。つまり、ピンホールパネル4は、画像部材3を挟んで、光源2と対向して配置されている。このピンホールパネル4は、その一方の面、すなわち画像部材側の反対側である観察者100が画像表示装置1を観察する観察者側の面がケーシング5から露出するように、このケーシング5に固定されている。このピンホールパネル4は、透明なフィルムを後述する透過部を除いて黒色に印刷することで構成され、この黒色に印刷された部分が光を透過しないものである。従って、画像部材3の後述する透過部41a〜41iに対向する部分以外の部分を透過した光源2の光は、このピンホールパネル4により、ケーシング5の外部、すなわち観察者側に届かない。なお、このピンホールパネル4は、光を透過しないものであれば、例えば黒色のプラスチック板や金属板などで構成されていても良い。また、このピンホールパネル4は、ケーシング5に対して、画像部材3を挟んで対向するように設けても良い。これにより、画像表示装置1の両側面から画像を表示することができる。
【0031】
このピンホールパネル4には、図6に示すように、画像部材3を透過拡散する光を画像部材側の反対側、すなわち観察者側に通過させる透過部が、画素部群の各画素部グループにそれぞれ対応するようにM×N個形成され、このM×N個からなる透過部群1組以上有する。この実施例では、画素部群31の各画素部グループ(M1N1グループ〜M3N3グループ)にそれぞれ対応するように9個の透過部41a〜41i,42a〜42i,43a〜43iからなる3組の透過部群41,42,43が表示部材であるピンホールパネル4の移動方向に隣り合うように形成されている。各透過部群41〜43の各透過部41a〜41i,42a〜42i,43a〜43iは、それぞれ各画素部グループ(M1N1グループ〜M3N3グループ)の画素部A11〜I33のうち、各広告画像A〜Iに対応した画素部、この実施例では広告画像Aに対応した画素部A11〜A33に対向するように形成されている。これにより、透過部41a〜43iは、画像部材3の画素部A11〜I33のうち各広告画像A〜Iに対応した画素部のみ、例えば広告画像Aに対応した画素部A11〜A33のみ、または広告画像Cに対応した画素部C11〜C33のみ、広告画像Gに対応した画素部G11〜G33のみを透過する光を観察者側に通過させる。なお、この各透過部41a〜43iは、その面積が上記画像部材3に形成される1画素部の面積と同一となるように形成されている。
【0032】
このピンホールパネル4は、ケーシング5に回転自在に支持された2つのローラ51,52により、これらローラ51,52の回転方向に回転自在に支持されている。ローラ51には、表示部材移動手段であるモータ53が連結されており、このモータ53は、画像表示装置1により画像、ここでは広告画像を表示する際に、図示しない電力供給手段から供給された電力によりローラ51を矢印S1方向に回転させる。ピンホールパネル4は、ローラ51が矢印S1方向に回転することで、画像表示部材3に対して矢印S2方向である回転方向に回転することとなる。なお、モータ53の回転数が高い場合は、このローラ51との間に減速機を介在させても良い。
【0033】
次に、画像表示装置1の動作について説明する。図7に示すように、まず透過部群41の透過部41a〜41iに広告画像Aに対応した画素部A11〜A33がそれぞれ対向する位置となるように、ピンホールパネル4を画像部材3に対して配置する。従って、この状態の表示広告装置1は、広告画像Aに対応する画像部A11〜A33を透過する光が透過部41a〜41iを通過して観察者側に届くこととなる。これにより、観察者側に広告画像Aが表示され、観察者100は画像表示装置1からの広告画像Aを視認する。
【0034】
次に、モータ53を駆動することで、ピンホールパネル4を回転方向(図1の矢印S2方向)回転させると、ピンホールパネル4が画像部材3に対して回転方向に回転する。従って、各透過部41a〜43iが回転方向に移動し、各透過部41a〜43iのうち、ケーシング5から外部に露出する部分の各透過部に対向する画像部材3の画像部は、図8に示すように、広告画像Aに対応する画像部A11〜A33から広告画像Bに対応する画像部B11〜B33となり、この画像部B11〜B33を透過する光が透過部41a〜41iを通過して観察者側に届くこととなる。これにより、観察者側に広告画像Bが表示され、観察者100は画像表示装置1からの広告画像Bを視認する。
【0035】
さらに、モータ53を駆動することで、ピンホールパネル4が画像部材3に対して回転方向に回転すると、透過部41a〜41iに対向する画像部材3の画像部は、図8に示すように、広告画像Bに対応する画像部B11〜B33から広告画像Cに対応する画像部C11〜C33、広告画像Dに対応する画像部D11〜D33、広告画像Eに対応する画像部E11〜E33、広告画像Fに対応する画像部F11〜F33、広告画像Gに対応する画像部G11〜G33、広告画像Hに対応する画像部H11〜H33、広告画像Iに対応する画像部I11〜I33の順で変化し、画像部C11〜C33を透過する光、画像部D11〜D33を透過する光、画像部E11〜E33を透過する光、画像部F11〜F33を透過する光、画像部G11〜G33を透過する光、画像部H11〜H33を透過する光、画像部I11〜I33を透過する光の順で透過部41a〜41iを通過して観察者側に届くこととなる。これにより、観察者側に広告画像A〜Iが順番に表示され、観察者100は画像表示装置1からの広告画像A〜Iを順番に視認する。なお、モータ53を駆動することで、画像部材3がピンホールパネル4に対して回転方向に回転し続けると、観察者側に各広告画像A〜Iを順番に繰り返し表示されることとなる。
【0036】
以上のように、表示部材であるピンホールパネル4が表示部材移動手段であるモータ53により回転することで、表示部材であるピンホールパネル4の各透過部群41〜43の各透過部41a〜43iは、画像部材3を透過拡散する光のうち、各広告画像A〜Iに対応した画素部ごとに画像部材側の反対側、すなわち観察者が画像表示装置1を観察する観察者側に通過させる。従って、観察者側には、各広告画像A〜Iに対応した画素部のみを透過する光により、この画素部に対応する画素から構成される広告画像A〜Iが順番に表示される。従って、画像表示装置1は、9枚の広告画像A〜Iを各フレームとする1つの動画広告を繰り返して、表示することができる。
【0037】
これにより、従来のように、各画素にそれぞれ素子を用いずに、画像、ここでは動画広告を表示することができるので、製造コストを低減することができる。また、従来のように、各画素にそれぞれ素子を用いず発光手段により、広告画像を表示することができるので、消費電力を低減することができ、維持コストを低減することができる。また、画像表示装置1が表示する各画像を変更する際には、画像部材3を交換するのみで良いので、維持コストの増加を抑制するとともに、画像表示装置1が表示する各画像の変更を容易に行うことができる。
【0038】
また、製造コストや維持コストを低減する画像表示装置として、レンチキュラレンズを用いた画像表示装置も考えられる。このレンチキュラレンズは、見る角度によって異なった画像が表示されるものである。従って、このレンチキュラレンズを用いた画像表示装置は、複数の画像、あるいは連続した静止画像を表示することで動画を表示することができる。しかしながら、このレンチキュラレンズを用いた画像表示装置では、画像の表示可能数は、観察者の移動方向における各画像の分割数にのみ依存する。これは、観察者の移動方向と直交する方向においては、各画像を分割することができないためである。つまり、このレンチキュラレンズを用いた画像表示装置では、表示可能な画像の数が少ないため、この画像表示装置で動画を表示することが困難であるという問題がある。しかしながら、この発明では、各画像を縦および横に分割することができるため、表示可能な画像の数をレンチキュラレンズを用いた画像表示装置と比較して、多くすることができる。これにより、動画の各フレームの静止画像を多く表示することができるので、動画をスムーズに表示することができる。
【0039】
また、このレンチキュラレンズを用いた画像表示装置では、観察者が移動しないと、各画像や動画、すなわち表示可能な全ての画像を視認することができないという問題がある。しかしながら、この発明は、各透過部群41〜43の各透過部41a〜43iは、各広告画像A〜Iに対応した画素部のみを透過する光を各広告画像A〜Iの表示順に観察者側に通過させ、各広告画像A〜Iを表示するので、観察者100が移動しなくとも、観察者100が表示可能なすべての広告画像を視認することができる。
【0040】
また、この実施例では、画像部材3自体が拡散手段であるため、画像部材3を透過した光を拡散させることができる。従って、表示部材であるピンホールパネル4の各透過部41a〜43iを通過する光の強さは、各透過部41a〜43iの発光手段である光源2に対する位置関係に拘わらず均一とすることができる。これにより、各広告画像A〜Iに対応した画素部のみを透過する光は均一となり、この画素部に対応する画素から構成される広告画像A〜Iの一部が暗くなることを抑制することができる。
【0041】
ここで、上記実施例における複数の広告画像A〜Iは、各広告画像A〜Iが静止画広告であっても良い。この場合は、画像表示装置1は、複数の静止画広告が順番に繰り返し表示することとなる。また、モータ53の回転を間欠的にすることで、ピンホールパネル4の回転を停止することができ、このピンホールパネル4の回転停止中に各透過部41a〜43iに対向する画素部に対応する広告画像を長時間表示させることができる。
【0042】
また、上記実施例におけるピンホールパネル4は、3組の透過部群41〜43が形成されているが、ピンホールパネル4の回転方向に1組の透過部群41の各透過部41a〜41iを形成しても良い。
【0043】
また、上記実施例では、各画素部グループ(M1N1グループ〜M3N3グループ)内に含まれる各広告画像A〜I対応する1画素部の選択方法として、各画素部グループ(M1N1グループ〜M3N3グループ)内の画像部の各広告画像における分割位置と同一となるように選択したが、この発明はこれに限定されるものではない。例えば、各画素部グループ(M1N1グループ〜M3N3グループ)内の画像部の各広告画像における分割位置が同一であって行ごとのこの各広告画像における分割位置が連続となるように選択しても、各画素部グループ(M1N1グループ〜M3N3グループ)内の画像部の各広告画像における分割位置が連続であって各行のこの各広告画像における分割位置が連続となるように選択しても良い。
【0044】
図9および図10は、画像部材の他の構成例を示す図である。図9に示すように、各画素部グループ(M1N1グループ〜M3N3グループ)の各画素部を、各行(X=3)がそれぞれ各広告画像A,B,Cにおける分割位置が同一で他の行と分割位置が連続する画素部、各広告画像D,E,Fにおける分割位置が同一で他の行と分割位置が連続する画素部、各広告画像G,H,Iにおける分割位置が同一で他の行と分割位置が連続する画素部となるように選択する。例えば、M1N1グループは、それぞれの行に、各広告画像A,B,Cにおける分割位置が同一で他の行と分割位置が連続する画素部A11,B11,C11、各広告画像G,H,Iにおける分割位置が同一で他の行と分割位置が連続する画素部G12,H12,I12、各広告画像D,E,Fにおける分割位置が同一で他の行と分割位置が連続する画素部D13,E13,F13を配列する。なお、このような各画素部グループ(M1N1グループ〜M3N3グループ)内に含まれる各広告画像A〜I対応する1画素部の選択であっても、同図に示すように、画像部材3に配列される各画像部をピンホールパネル4の回転方向において隣り合う3個の各画像部グループ内の同一広告画像A〜Iに対応する画像部が異なる行となるように各画素部グループ内で配列し、ピンホールパネル4の回転方向において隣り合う画素部が9枚の広告画像A〜Iの表示順となる各画素部グループ内で配列する。
【0045】
また、図10に示すように、各画素部グループ(M1N1グループ〜M3N3グループ)の各画素部を、各行(X=3)がそれぞれ各広告画像A,B,Cにおける分割位置が連続で他の行と分割位置が連続する画素部、各広告画像D,E,Fにおける分割位置が連続で他の行と分割位置が連続する画素部、各広告画像G,H,Iにおける分割位置が連続で他の行と分割位置が連続する画素部となるように選択する。例えば、M1N1グループは、それぞれの行に、各広告画像A,B,Cにおける分割位置が連続で他の行と分割位置が連続する画素部A11,B12,C13、各広告画像G,H,Iにおける分割位置が連続で他の行と分割位置が連続する画素部G12,H13,I11、各広告画像D,E,Fにおける分割位置が連続で他の行と分割位置が連続する画素部D13,E11,F12を配列する。なお、このような各画素部グループ(M1N1グループ〜M3N3グループ)内に含まれる各広告画像A〜I対応する1画素部の選択であっても、同図に示すように、画像部材3に配列される各画像部をピンホールパネル4の回転方向において隣り合う3個の各画像部グループ内の同一広告画像A〜Iに対応する画像部が異なる行となるように各画素部グループ内で配列し、ピンホールパネル4の回転方向において隣り合う画素部が9枚の広告画像A〜Iの表示順となる各画素部グループ内で配列する。
【0046】
図11は、透過部の他の構成例を示す図である。同図に示すように、実施例における各透過部群41〜43の各透過部41a〜43iの面積X1は、画像部材3の1画素部(2点鎖線で囲まれる範囲)の面積X2より狭くても良い。各透過部41a〜43iの面積X1が画像部材3の1画素部の面積X2よりも狭いと、画像部材3の画素部A11〜I33のうち、各広告画像A〜Iに対応した画素部を透過した光のうち、各広告画像A〜Iに対応した画素部の範囲よりも少し狭い範囲のみが透過部41a〜41iをピンホールパネル4の観察者側に通過することとなる。従って、透過部41a〜43iをピンホールパネル4の観察者側に通過する光に、各広告画像A〜Iに対応した画素部以外を透過した光が含まれることを抑制することができる。これにより、表示される広告画像のノイズを抑制することができる。
【0047】
図12は、透過部の他の構成例を示す図である。同図に示すように、実施例における各透過部群41〜43の各透過部41a〜43iに集光手段である集光レンズ44を取り付けても良い。この集光レンズ44は、透過部41a〜43iを通過する画像部材3の画素部A11〜I33のうち、この透過部41a〜43iに対向する各広告画像A〜Iに対応した画素部を透過した拡散光T2を集光するものである。ここで、光源2から照射された光T1は、画像部材3を透過する際に、拡散され拡散光T2となる。従って、透過部41a〜43iを通過した拡散光T2は、通常観察者側においてさらに拡散するが、集光レンズ44を取り付けることにより、T3のように観察者側に集光した状態とすることができる。従って、観察者側に通過した拡散光T2の拡散が抑制されるので、画像を明るく表示することができ、観察者の視認性を向上することができる。
【0048】
なお、上記実施例では、表示部材であるピンホールパネル4を画像部材3に対して回転させたが、この発明はこれに限定されるものではない。図13は、この発明にかかる画像表示装置の他の構成例を示す図である。同図に示すように、画像部材6を表示部材であるピンホールパネル7に対して回転するように構成しても良い。
【0049】
画像部材6は、バックライトフィルムなどを環状に形成し、その内側に光源2を囲み、ピンホールパネル7と光源2との間に配置され、各広告画像A〜Iに対応した画素部A11〜I33が配列された画素部群が画像部材6の回転方向と反対方向に隣り合うように複数組、例えば2組形成する。画像部材6は、ケーシング5に回転自在に支持された2つのローラ51,52により、これらローラ51,52の回転方向に回転自在に支持されている。ローラ51には、画像部材移動手段であるモータ53が連結されており、画像部材6は、ローラ51が矢印S1方向に回転することで、ピンホールパネル7に対して矢印S3方向である回転方向に回転することとなる。一方、ピンホールパネル7は、平面に形成され、かつ外側の面、すなわち観察者側の面がケーシング5から露出するように、このケーシング5内に収納されている。このピンホールパネル7は、少なくとも透過部41a〜41iからなる透過部群41が1組以上形成されている。
【0050】
光源2から光が照射され、画像部材6が回転方向にピンホールパネル7に対して回転すると、画像部材6に配列された画像部A11〜A33は、透過部41a〜41iに対して、広告画像Aに対応する画像部A11〜A33に対向する位置から順番に広告画像Iに対応する画像部I11〜I33に対向する位置まで移動する。従って、画像表示装置1は、各広告画像A〜Iを広告画像A〜Iごとに表示位置が回転方向に順次ずれながら、A〜Iの順番で表示することができる。なお、上記実施例における画像表示装置1は、各広告画像A〜Iを広告画像A〜Iごとに表示位置が回転方向に順次ずれながら、A〜Iの順番で表示することができる。
【0051】
また、上記実施例では、ピンホールパネル4のみあるいは画像部材6のみが環状に形成されているが、この発明はこれに限定されるものではない。図14は、この発明にかかる画像表示装置の他の構成例を示す図である。同図に示すように、画像部材8およびピンホールパネル9のいずれも環状に形成しても良い。この場合、画像部材8には、各広告画像A〜Iに対応した画素部A11〜I33が配列された画素部群を1組で画像部材8の全周となるように形成する。画像部材8は、図示しない回転支持手段により、光源2を中心に回転自在に支持されている。この画像部材8は、画像部材移動手段であるモータ53が連結されたローラ54が接触しており、ローラ54がモータ53により矢印S4方向に回転することで、ピンホールパネル9に対して矢印S5方向である回転方向に回転することとなる。
【0052】
ピンホールパネル9は、画像部材8を囲むように配置され、固定されている。このピンホールパネル9には、透過部41a〜41iを1組とした際に、画像部材8の回転方向に、この1組の透過部41a〜41iで、ピンホールパネル9の全周でとなるように形成する。
【0053】
光源2から光が照射され、画像部材8が回転方向にピンホールパネル9に対して回転すると、透過部41a〜41iは、それぞれ広告画像Aに対応する画像部A11〜A33に対向する位置から順番に広告画像Iに対応する画像部I11〜I33に対向する位置まで移動する。従って、画像表示装置1は、各広告画像A〜Iを広告画像A〜Iごとに表示位置が回転方向に順次ずれながら、A〜Iの順番で表示することができる。
【0054】
また、ピンホールパネル9が環状に形成されているので、この画像表示装置1は、画像部材8にこの画像部材8の回転方向に隣り合うように上記画素部群を複数組形成し、ピンホールパネル9に画像部材8の回転方向に隣り合うように透過部41a〜41iを1組とした際に、複数組形成しても良い。これにより、画像表示装置1は、各広告画像A〜Iを円周上の複数箇所(透過部41a〜41iの組数に応じた箇所、例えばピンホールパネル9の全周)で表示することができる。これにより、観察者100は、自分の位置に拘わらず、表示可能なすべての広告画像A〜Iを視認することができる。
【0055】
また、上記のように、画像部材8および画像表示部材であるピンホールパネル9がともに環状に形成されている場合は、画像部材8をピンホールパネル9に対して回転、あるいはピンホールパネル9を画像部材8に対して回転させるのみならず、画像部材8とピンホールパネル9とを相対回転させても良い。
【産業上の利用可能性】
【0056】
以上のように、この発明にかかる画像表示装置は、動画を表示するのに有用であり、特に、製造コストおよび維持コストの低減に適している。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】この発明の実施例にかかる画像表示装置の構成例を示す図である。
【図2】画像表示装置により表示する広告画像を示す図である。
【図3】各画素部グループの構成例を示す図である。
【図4】1組の画素部群を示す図である。
【図5】画像部材の構成例を示す図である。
【図6】表示部材の構成例を示す図である。
【図7】画像表示装置の動作説明図である。
【図8】画像表示装置の動作説明図である。
【図9】画像部材の他の構成例を示す図である。
【図10】画像部材の他の構成例を示す図である。
【図11】透過部の他の構成例を示す図である。
【図12】透過部の他の構成例を示す図である。
【図13】この発明にかかる画像表示装置の他の構成例を示す図である。
【図14】この発明にかかる画像表示装置の他の構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0058】
1 画像表示装置
2 光源(発光手段)
3,6,8 画像部材
31〜33 画素部群
4,7,9 ピンホールパネル(表示部材)
41〜43 透過部群
41a〜43i 透過部
44 集光レンズ
5 ケーシング
51,52,54 ローラ
53 モータ(表示部材移動手段、画像部材移動手段)
100 観察者
A〜I 広告画像
A11〜I33 画素部
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の画像を連続して表示する画像表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、街頭、スタジアム、競技場などには、多数の観察者が視認することができるように、大画面(例えば縦横ともに数メートル〜十数メートル)で画像、特に広告画像を表示する画像表示装置が提案されている。このような画像表示装置は、多数の観察者が離れた位置から視認するため、大画面の1画素が大きくても、大画面に表示されている画像を広告画像として認識することができる。
【0003】
この画像表示装置は、従来のポスターや垂れ幕などと異なり、複数の静止画広告あるいは1以上の動画広告を繰り返し表示することとなる。例えば、特許文献1に示すような画像表示装置のように、LEDなどの素子を用いて広告を表示させる画像表示装置などが提案されている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−157036号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記素子を用いた画像表示装置では、素子1つの単価が高いため、画像表示装置が高価なものとなるという問題がある。また、この素子は、大画面の1画素に用いられるものであるため、例えばモニターなどで用いられている素子よりも大きく、その消費電力も大きくなるという問題もあった。つまり、素子を用いた画像表示装置は、製造コストや維持コストが高いという問題があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、製造コストや維持コストを低減することができる画像表示装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明は、光を照射する発光手段と、前記発光手段からの光を透過し、K枚(K>1)の画像をそれぞれ横N(N>1)分割、縦M(M>1)分割することで形成された各画素に対応する画素部を配列手段により配列した画素部群を1組以上有する画像部材と、前記画像部材を挟んで、前記発光手段と対向して配置され、当該画像部材を透過する光のうち、各画像に対応した画素部ごとに当該画像部材側の反対側に通過させる透過部からなる透過部群1組以上形成される表示部材と、前記表示部材を前記画像部材に対して移動させる表示部材移動手段と、を備える画像表示装置であって、前記配列手段は、前記画像ごとに対応する画素部から当該画像ごとに1画素部ずつ合計K個をX(X>1)行×Y列に配列(K=X×Y)した複数の画素部グループ(M×N個)に形成し、前記複数の画素部グループを、各画素部グループ内の同一画像に対応する画素部の当該画像における分割位置に応じてM行×N列に配列し、前記画像部材に配列される各画素部を、前記表示部材の移動方向において隣り合うX個の前記各画素部グループ内の同一画像に対応する画素部が異なる行となり、当該移動方向において隣り合う画素部が前記K枚の画像の表示順となり、前記各画素部グループ内の画素部の前記各画像における分割位置が同一前記各画素部グループ内の各行の画素部の前記各画像における分割位置が同一であり当該行ごとの当該各画像における分割位置が連続、あるいは前記各画素部グループ内の各行の画素部の前記各画像における分割位置が連続であり当該行ごとの当該各画像における分割位置が連続のいずれか1つとなるように、前記各画素部グループ内で配列することを特徴とする。
【0008】
また、この発明では、光を照射する発光手段と、前記発光手段からの光を透過し、K枚(K>1)の画像をそれぞれ横N(N>1)分割、縦M(M>1)分割することで形成された各画素に対応する画素部を配列手段により配列した画素部群を1組以上有する画像部材と、前記画像部材を挟んで、前記発光手段と対向して配置され、当該画像部材を透過する光のうち、各画像に対応した画素部ごとに当該画像部材側の反対側に通過させる透過部からなる透過部群1組以上形成される表示部材と、前記画像部材を前記表示部材に対して移動させる画像部材移動手段と、を備える画像表示装置であって、前記配列手段は、前記画像ごとに対応する画素部から当該画像ごとに1画素部ずつ合計K個をX(X>1)行×Y列に配列(K=X×Y)した複数の画素部グループ(M×N個)に形成し、前記複数の画素部グループを、各画素部グループ内の同一画像に対応する画素部の当該画像における分割位置に応じてM行×N列に配列し、前記画像部材に配列される各画素部を、前記画像部材の移動方向と反対方向において隣り合うX個の前記各画素部グループ内の同一画像に対応する画素部が異なる行となり、当該移動方向と反対方向において隣り合う画素部が前記K枚の画像の表示順となり、前記各画素部グループ内の画素部の前記各画像における分割位置が同一前記各画素部グループ内の各行の画素部の前記各画像における分割位置が同一であり当該行ごとの当該各画像における分割位置が連続、あるいは前記各画素部グループ内の各行の画素部の前記各画像における分割位置が連続であり当該行ごとの当該各画像における分割位置が連続のいずれか1つとなるように、前記各画素部グループ内で配列することを特徴とする
【0009】
これらの発明によれば、表示部材が表示部材移動手段、あるいは画像部材が画像部材移動手段により移動することで、表示部材の透過部は、画像部材を透過する光のうち、各画像に対応した画素部ごとに画像部材側の反対側、すなわち観察者が画像表示装置を観察する観察者側に通過させる。従って、観察者側には、各画像に対応した画素部のみを透過する光により、この画素部に対応する画素から構成される画像、例えば広告画像が表示される。これにより、従来のように、各画素にそれぞれ素子を用いずに、各画像を表示することができるので、製造コストを低減することができる。また、従来のように、各画素にそれぞれ素子を用いず発光手段により、広告画像を表示することができるので、消費電力を低減することができ、維持コストを低減することができる。
【0010】
また、この発明では、上記画像表示装置において、前記透過部を通過する光を集光する集光手段をさらに備えることを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、画像部材の画素部のうち、透過部に対向する各画像に対応した画素部を透過し、この透過部を表示部材の観察者側に通過した光は、集光手段により、例えば観察者が観察する領域において集光した状態とすることができる。従って、観察者側に通過した光の拡散が抑制されるので、画像を明るく表示することができ、観察者の視認性が向上する。
【0012】
また、この発明では、上記画像表示装置において、各透過部の面積は、前記画像部材の1画素部の面積よりも狭いことを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、各透過部の面積は、画像部材の1画素部の面積よりも狭いので、画像部材の画素部のうち、各画像に対応した画素部を透過した光のうち、各画像に対応した画素部の範囲よりも少し狭い範囲のみが透過部を表示部材の観察者側に通過することとなる。従って、透過部を表示部材の観察者側に通過する光に、各画像に対応した画素部以外を透過した光が含まれることを抑制することができる。これにより、表示される画像のノイズを抑制することができる。
【0014】
また、この発明では、上記画像表示装置において、複数の画像は、動画の各フレームの静止画像であることを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、透過部は、動画の各フレームの静止画像を構成する画素に対応した画素部のみを透過する光を動画の各フレームの表示順に観察者側に通過させる。従って、動画、例えば動画広告を表示しても、製造コストおよび維持コストを低減することができる。
【0016】
この発明では、上記画像表示装置において、前記発光手段から照射された光を拡散する拡散手段をさらに備え、前記画像部材を透過した光は、前記拡散手段により拡散されることを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、例えば発光手段と画像部材との間に拡散手段を配置することや、画像部材自体を拡散手段とすることで、画像部材を透過した光を拡散させる。従って、表示部材の透過部を通過する光の強さは、各透過部の発光手段に対する位置関係に拘わらず均一とすることができる。これにより、観察者側には、各画像に対応した画素部のみを透過する光が均一となり、この画素部に対応する画素から構成される画像、例えば広告画像の一部が暗くなることを抑制することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明にかかる画像表示装置は、製造コストおよび維持コストを低減することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの或いは実質的に同一のものが含まれる。
【実施例】
【0020】
図1は、この発明の実施例にかかる画像表示装置の構成例を示す図である。図2は、画像表示装置により表示する画像、ここでは広告画像である。図3は、各画素部グループの構成例を示す図である。図4は、1組の画素部群を示す図である。図5は、画像部材の構成例を示す図である。図6は、表示部材の構成例を示す図である。図7〜図8は、画像表示装置の動作説明図である。図9および図10は、表示部材の他の構成例を示す図である。図11および図12は、この発明にかかる画像表示装置の他の構成例を示す図である。この実施例では、後述する画像部材3に、9枚の広告画像をそれぞれ縦3分割、横3分割することで形成された81個の各画素に対応する81個の画素部を配列した画素部群1組が形成されているが、広告画像の枚数、縦および/または横の分割数、画素部群の組数は、これに限定されるものではない。
【0021】
図1に示すように、実施例にかかる画像表示装置1は、発光手段である光源2と、画像部材3と、表示部材であるピンホールパネル4と、表示部材移動手段であるモータ53とにより構成されている。なお、5は、光源2からの光が外部に漏れることを防止するケーシングである。また、100は、画像表示装置1に表示された広告画像を視認する観察者である。例えば、画像表示装置1が、広告画像を大画面(例えば、縦および横の長さが数メートルから数十メートル)として表示する場合は、画像表示装置1に対してこの観察者100が十分に離れて位置するものとする(例えば、数メートルから数十メートル)。
【0022】
光源2は、発光手段であり、同図に示すように、ケーシング5内に収納されている。この光源2は、この実施例では複数本の蛍光灯で構成されている。この光源2は、画像表示装置1により広告画像を表示する際に、図示しない電力供給手段から供給された電力により光を照射するものである。なお、光源2は、蛍光灯に限られるものではなく、光を照射するものであれば例えばLEDなどであっても良い。
【0023】
画像部材3は、同図に示すように、平面に形成され、上記発光手段である光源2の前に配置されて、ケーシング5内に収納されている。この画像部材3には、1組以上の画素部群、この実施例では、図5に示すように、1組の画素部群31を有する。この画像部材3は、この実施例では、入射した光を拡散透過するバックライトフィルムが用いられている。つまり、この画像部材3は、発光手段である光源2から照射された光を拡散する拡散手段としても機能するものである。なお、画像部材3は、バックライトフィルムに限られるものではなく、光を透過し、環状に形成できるものであれば例えば紙や、薄板などであっても良い。また、画像部材3として、バックライトフィルム以外の透明なプラスチックフィルムを用いる場合は、この画像部材3と光源2との間に、拡散手段として光を拡散する光拡散板を備えることが好ましい。
【0024】
以下に、複数の広告画像からこの画像部材3の画素部の配列方法について説明する。まず、図2に示すように、K枚(K>1)の広告画像、この実施例では、同じ大きさの9枚の広告画像A〜Iをそれぞれ複数の画素に分割する。ここで、この9枚の広告画像A〜Iは、それぞれ図示しない1つの動画広告の各フレームの静止画像である。各広告画像A〜Iは、それぞれ各画素の大きさが同一となるように、横N(N>1)分割、縦M(M>1)分割され、M×N個の画素が形成される。この実施例では、各広告画像A〜Iをそれぞれ縦3分割(M=3)し、横3(N=3)分割し、各広告画像A〜Iからそれぞれ9個の画素を形成する。上記画像部材3の画素部群31は、それぞれ上記K枚の広告画像A〜Iを分割することで形成されたK×M×N画素に対応したK×M×N個により構成されている。つまり、この実施例では、画素部群31は、81個の画素にそれぞれ対応した81個の画素部A11〜I33により構成されている。なお、この画素部A11〜I33を画像部材3に形成する方法としては、例えば画像部材3に81個の画素を直接印刷することで、この81個の画素にそれぞれ対応した画素部A11〜I33を形成する。
【0025】
次に、画素部A11〜I33により複数のグループを形成する。ここでは、広告画像ごとに対応する画素部からこの広告画像ごとに1画素部ずつ合計KをX行(X>1)×Y列(Y>1)に配列し、M×N個の画素部グループを形成する。この実施例では、図3に示すように、9枚の広告画像A〜Iごとに1画素部ずつ合計9個を3行(X=3)×3列(Y=3)に配列した9個の画素部グループ(M1N1グループ〜M3N3グループ)を形成する。つまり、各画素部グループ(M1N1グループ〜M3N3グループ)には、各広告画像A〜Iに対応する画素部がそれぞれ1画素部ずつ含まれる。
【0026】
ここで、各画素部グループ(M1N1グループ〜M3N3グループ)内に含まれる各広告画像A〜Iに対応する1画素部の選択方法は、種々考えられるが、この実施例では各画素部グループ(M1N1グループ〜M3N3グループ)内の画像部が各広告画像における分割位置と同一となるように選択する。実施例では、同図に示すように、各広告画像A〜Iの上部左側を分割位置とする画素部A11〜I11をM1N1グループとし、各広告画像A〜Iの上部中央側を分割位置とする画素部A12〜I12をM1N2グループとし、各広告画像A〜Iの上部右側を分割位置とする画素部A13〜I13をM1N3グループとし、各広告画像A〜Iの中央部右側を分割位置とする画素部A21〜I21をM1N2グループとし、各広告画像A〜Iの中央部中央側を分割位置とする画素部A22〜I22をM1N1グループとし、各広告画像A〜Iの中央部右側を分割位置とする画素部A23〜I23をM2N3グループとし、各広告画像A〜Iの下部左側を分割位置とする画素部A31〜I31をM3N1グループとし、各広告画像A〜Iの下部中央部を分割位置とする画素部A32〜I32をM3N2グループとし、各広告画像A〜Iの下部右側を分割位置とする画素部A33〜I33をM3N3グループとする。
【0027】
次に、図4に示すように、画素部群のそれぞれのK×M×N個の画素部が区分けされた複数(M×N個)の画素部グループを各画素部グループ内の画素部の広告画像における分割位置に応じて縦M行、横N列に配列する。この実施例では、上記画素部群31のそれぞれの画素部A11〜I33が区分けされた9個の画素部グループ(M1N1グループ〜M3N3グループ)を、この9個の画素部グループ(M1N1グループ〜M3N3グループ)内の画素部A11〜I33の広告画像A〜Iにおける分割位置に応じて配列する。ここでは、この9個の画素部グループを縦3行、横3列に配列する。これにより、画素部群31は、上の列(M=1)がM1N1グループ、M1N2グループ、M1N3グループの順、中央の列(M=2)がM2N1グループ、M2N1グループ、M2N3グループの順、下の列(M=3)がM3N1グループ、M3N1グループ、M3N3グループの順となる。
【0028】
次に、図5に示すように、画像部材に配列される各画像部を表示部材の移動方向、すなわち回転方向において隣り合うX個の各画像部グループ内の同一画像に対応する画像部が異なる行となるように各画素部グループ内で配列する。この実施例では、画像部材3に配列される画素部群31の各画像部A11〜I33の全てがピンホールパネル4の回転方向において隣り合う3個(X=3)の各画像部グループ内の同一画像に対応する画像部が異なる行となるように配列する。例えば、画素部群31のM=1のグループ(M1N1グループ、M1N1グループ、M1N3グループ)における同一画像である広告画像Aに対応する画素部A11,A12,A13や、同一画像である広告画像Dに対応する画素部D11,D12,D13や、同一画像である広告画像Gに対応する画素部G11,G12,G13などは異なる行となるように配列する。なお、M=2,M=3のグループにおいても、同様に同一画像に対向する画像部が異なる行となるように配列する。
【0029】
そして、同図に示すように、画像部材に配列される各画像部を表示部材の移動方向、すなわち回転方向において隣り合う画素部がK枚の広告画像の表示順となる各画素部グループ内で配列する。この実施例では、画像部材3に配列される画素部群31の各画像部A11〜I33の全てがピンホールパネル4の回転方向において隣り合う画素部が9(K=9)枚の広告画像A〜Iの表示順となるように各画素部グループ(M1N1グループ〜M3N3グループ)内で配列する。例えば、同図に示すように、ピンホールパネル4の回転方向に互いに隣り合う画像部A11〜I33は、回転方向側と反対側に向かってA11,B11,C11,D12,E12,F12,G13,H13,I13の順やA23,B23,C23,D21,E21,F21,G22,H22,I22の順のように、回転方向に向かって広告画像A〜Iを構成する画素に対応する画像部がA〜Iの順を繰り返すように配列される。
【0030】
ピンホールパネル4は、表示部材であり、図1に示すように、環状に形成され、その内側に上記発光手段である光源2および画像部材3を囲むようにケーシング5内に収納されている。つまり、ピンホールパネル4は、画像部材3を挟んで、光源2と対向して配置されている。このピンホールパネル4は、その一方の面、すなわち画像部材側の反対側である観察者100が画像表示装置1を観察する観察者側の面がケーシング5から露出するように、このケーシング5に固定されている。このピンホールパネル4は、透明なフィルムを後述する透過部を除いて黒色に印刷することで構成され、この黒色に印刷された部分が光を透過しないものである。従って、画像部材3の後述する透過部41a〜41iに対向する部分以外の部分を透過した光源2の光は、このピンホールパネル4により、ケーシング5の外部、すなわち観察者側に届かない。なお、このピンホールパネル4は、光を透過しないものであれば、例えば黒色のプラスチック板や金属板などで構成されていても良い。また、このピンホールパネル4は、ケーシング5に対して、画像部材3を挟んで対向するように設けても良い。これにより、画像表示装置1の両側面から画像を表示することができる。
【0031】
このピンホールパネル4には、図6に示すように、画像部材3を透過拡散する光を画像部材側の反対側、すなわち観察者側に通過させる透過部が、画素部群の各画素部グループにそれぞれ対応するようにM×N個形成され、このM×N個からなる透過部群1組以上有する。この実施例では、画素部群31の各画素部グループ(M1N1グループ〜M3N3グループ)にそれぞれ対応するように9個の透過部41a〜41i,42a〜42i,43a〜43iからなる3組の透過部群41,42,43が表示部材であるピンホールパネル4の移動方向に隣り合うように形成されている。各透過部群41〜43の各透過部41a〜41i,42a〜42i,43a〜43iは、それぞれ各画素部グループ(M1N1グループ〜M3N3グループ)の画素部A11〜I33のうち、各広告画像A〜Iに対応した画素部、この実施例では広告画像Aに対応した画素部A11〜A33に対向するように形成されている。これにより、透過部41a〜43iは、画像部材3の画素部A11〜I33のうち各広告画像A〜Iに対応した画素部のみ、例えば広告画像Aに対応した画素部A11〜A33のみ、または広告画像Cに対応した画素部C11〜C33のみ、広告画像Gに対応した画素部G11〜G33のみを透過する光を観察者側に通過させる。なお、この各透過部41a〜43iは、その面積が上記画像部材3に形成される1画素部の面積と同一となるように形成されている。
【0032】
このピンホールパネル4は、ケーシング5に回転自在に支持された2つのローラ51,52により、これらローラ51,52の回転方向に回転自在に支持されている。ローラ51には、表示部材移動手段であるモータ53が連結されており、このモータ53は、画像表示装置1により画像、ここでは広告画像を表示する際に、図示しない電力供給手段から供給された電力によりローラ51を矢印S1方向に回転させる。ピンホールパネル4は、ローラ51が矢印S1方向に回転することで、画像表示部材3に対して矢印S2方向である回転方向に回転することとなる。なお、モータ53の回転数が高い場合は、このローラ51との間に減速機を介在させても良い。
【0033】
次に、画像表示装置1の動作について説明する。図7に示すように、まず透過部群41の透過部41a〜41iに広告画像Aに対応した画素部A11〜A33がそれぞれ対向する位置となるように、ピンホールパネル4を画像部材3に対して配置する。従って、この状態の表示広告装置1は、広告画像Aに対応する画像部A11〜A33を透過する光が透過部41a〜41iを通過して観察者側に届くこととなる。これにより、観察者側に広告画像Aが表示され、観察者100は画像表示装置1からの広告画像Aを視認する。
【0034】
次に、モータ53を駆動することで、ピンホールパネル4を回転方向(図1の矢印S2方向)回転させると、ピンホールパネル4が画像部材3に対して回転方向に回転する。従って、各透過部41a〜43iが回転方向に移動し、各透過部41a〜43iのうち、ケーシング5から外部に露出する部分の各透過部に対向する画像部材3の画像部は、図8に示すように、広告画像Aに対応する画像部A11〜A33から広告画像Bに対応する画像部B11〜B33となり、この画像部B11〜B33を透過する光が透過部41a〜41iを通過して観察者側に届くこととなる。これにより、観察者側に広告画像Bが表示され、観察者100は画像表示装置1からの広告画像Bを視認する。
【0035】
さらに、モータ53を駆動することで、ピンホールパネル4が画像部材3に対して回転方向に回転すると、透過部41a〜41iに対向する画像部材3の画像部は、図8に示すように、広告画像Bに対応する画像部B11〜B33から広告画像Cに対応する画像部C11〜C33、広告画像Dに対応する画像部D11〜D33、広告画像Eに対応する画像部E11〜E33、広告画像Fに対応する画像部F11〜F33、広告画像Gに対応する画像部G11〜G33、広告画像Hに対応する画像部H11〜H33、広告画像Iに対応する画像部I11〜I33の順で変化し、画像部C11〜C33を透過する光、画像部D11〜D33を透過する光、画像部E11〜E33を透過する光、画像部F11〜F33を透過する光、画像部G11〜G33を透過する光、画像部H11〜H33を透過する光、画像部I11〜I33を透過する光の順で透過部41a〜41iを通過して観察者側に届くこととなる。これにより、観察者側に広告画像A〜Iが順番に表示され、観察者100は画像表示装置1からの広告画像A〜Iを順番に視認する。なお、モータ53を駆動することで、画像部材3がピンホールパネル4に対して回転方向に回転し続けると、観察者側に各広告画像A〜Iを順番に繰り返し表示されることとなる。
【0036】
以上のように、表示部材であるピンホールパネル4が表示部材移動手段であるモータ53により回転することで、表示部材であるピンホールパネル4の各透過部群41〜43の各透過部41a〜43iは、画像部材3を透過拡散する光のうち、各広告画像A〜Iに対応した画素部ごとに画像部材側の反対側、すなわち観察者が画像表示装置1を観察する観察者側に通過させる。従って、観察者側には、各広告画像A〜Iに対応した画素部のみを透過する光により、この画素部に対応する画素から構成される広告画像A〜Iが順番に表示される。従って、画像表示装置1は、9枚の広告画像A〜Iを各フレームとする1つの動画広告を繰り返して、表示することができる。
【0037】
これにより、従来のように、各画素にそれぞれ素子を用いずに、画像、ここでは動画広告を表示することができるので、製造コストを低減することができる。また、従来のように、各画素にそれぞれ素子を用いず発光手段により、広告画像を表示することができるので、消費電力を低減することができ、維持コストを低減することができる。また、画像表示装置1が表示する各画像を変更する際には、画像部材3を交換するのみで良いので、維持コストの増加を抑制するとともに、画像表示装置1が表示する各画像の変更を容易に行うことができる。
【0038】
また、製造コストや維持コストを低減する画像表示装置として、レンチキュラレンズを用いた画像表示装置も考えられる。このレンチキュラレンズは、見る角度によって異なった画像が表示されるものである。従って、このレンチキュラレンズを用いた画像表示装置は、複数の画像、あるいは連続した静止画像を表示することで動画を表示することができる。しかしながら、このレンチキュラレンズを用いた画像表示装置では、画像の表示可能数は、観察者の移動方向における各画像の分割数にのみ依存する。これは、観察者の移動方向と直交する方向においては、各画像を分割することができないためである。つまり、このレンチキュラレンズを用いた画像表示装置では、表示可能な画像の数が少ないため、この画像表示装置で動画を表示することが困難であるという問題がある。しかしながら、この発明では、各画像を縦および横に分割することができるため、表示可能な画像の数をレンチキュラレンズを用いた画像表示装置と比較して、多くすることができる。これにより、動画の各フレームの静止画像を多く表示することができるので、動画をスムーズに表示することができる。
【0039】
また、このレンチキュラレンズを用いた画像表示装置では、観察者が移動しないと、各画像や動画、すなわち表示可能な全ての画像を視認することができないという問題がある。しかしながら、この発明は、各透過部群41〜43の各透過部41a〜43iは、各広告画像A〜Iに対応した画素部のみを透過する光を各広告画像A〜Iの表示順に観察者側に通過させ、各広告画像A〜Iを表示するので、観察者100が移動しなくとも、観察者100が表示可能なすべての広告画像を視認することができる。
【0040】
また、この実施例では、画像部材3自体が拡散手段であるため、画像部材3を透過した光を拡散させることができる。従って、表示部材であるピンホールパネル4の各透過部41a〜43iを通過する光の強さは、各透過部41a〜43iの発光手段である光源2に対する位置関係に拘わらず均一とすることができる。これにより、各広告画像A〜Iに対応した画素部のみを透過する光は均一となり、この画素部に対応する画素から構成される広告画像A〜Iの一部が暗くなることを抑制することができる。
【0041】
ここで、上記実施例における複数の広告画像A〜Iは、各広告画像A〜Iが静止画広告であっても良い。この場合は、画像表示装置1は、複数の静止画広告が順番に繰り返し表示することとなる。また、モータ53の回転を間欠的にすることで、ピンホールパネル4の回転を停止することができ、このピンホールパネル4の回転停止中に各透過部41a〜43iに対向する画素部に対応する広告画像を長時間表示させることができる。
【0042】
また、上記実施例におけるピンホールパネル4は、3組の透過部群41〜43が形成されているが、ピンホールパネル4の回転方向に1組の透過部群41の各透過部41a〜41iを形成しても良い。
【0043】
また、上記実施例では、各画素部グループ(M1N1グループ〜M3N3グループ)内に含まれる各広告画像A〜I対応する1画素部の選択方法として、各画素部グループ(M1N1グループ〜M3N3グループ)内の画像部の各広告画像における分割位置と同一となるように選択したが、この発明はこれに限定されるものではない。例えば、各画素部グループ(M1N1グループ〜M3N3グループ)内の画像部の各広告画像における分割位置が同一であって行ごとのこの各広告画像における分割位置が連続となるように選択しても、各画素部グループ(M1N1グループ〜M3N3グループ)内の画像部の各広告画像における分割位置が連続であって各行のこの各広告画像における分割位置が連続となるように選択しても良い。
【0044】
図9および図10は、画像部材の他の構成例を示す図である。図9に示すように、各画素部グループ(M1N1グループ〜M3N3グループ)の各画素部を、各行(X=3)がそれぞれ各広告画像A,B,Cにおける分割位置が同一で他の行と分割位置が連続する画素部、各広告画像D,E,Fにおける分割位置が同一で他の行と分割位置が連続する画素部、各広告画像G,H,Iにおける分割位置が同一で他の行と分割位置が連続する画素部となるように選択する。例えば、M1N1グループは、それぞれの行に、各広告画像A,B,Cにおける分割位置が同一で他の行と分割位置が連続する画素部A11,B11,C11、各広告画像G,H,Iにおける分割位置が同一で他の行と分割位置が連続する画素部G12,H12,I12、各広告画像D,E,Fにおける分割位置が同一で他の行と分割位置が連続する画素部D13,E13,F13を配列する。なお、このような各画素部グループ(M1N1グループ〜M3N3グループ)内に含まれる各広告画像A〜I対応する1画素部の選択であっても、同図に示すように、画像部材3に配列される各画像部をピンホールパネル4の回転方向において隣り合う3個の各画像部グループ内の同一広告画像A〜Iに対応する画像部が異なる行となるように各画素部グループ内で配列し、ピンホールパネル4の回転方向において隣り合う画素部が9枚の広告画像A〜Iの表示順となる各画素部グループ内で配列する。
【0045】
また、図10に示すように、各画素部グループ(M1N1グループ〜M3N3グループ)の各画素部を、各行(X=3)がそれぞれ各広告画像A,B,Cにおける分割位置が連続で他の行と分割位置が連続する画素部、各広告画像D,E,Fにおける分割位置が連続で他の行と分割位置が連続する画素部、各広告画像G,H,Iにおける分割位置が連続で他の行と分割位置が連続する画素部となるように選択する。例えば、M1N1グループは、それぞれの行に、各広告画像A,B,Cにおける分割位置が連続で他の行と分割位置が連続する画素部A11,B12,C13、各広告画像G,H,Iにおける分割位置が連続で他の行と分割位置が連続する画素部G12,H13,I11、各広告画像D,E,Fにおける分割位置が連続で他の行と分割位置が連続する画素部D13,E11,F12を配列する。なお、このような各画素部グループ(M1N1グループ〜M3N3グループ)内に含まれる各広告画像A〜I対応する1画素部の選択であっても、同図に示すように、画像部材3に配列される各画像部をピンホールパネル4の回転方向において隣り合う3個の各画像部グループ内の同一広告画像A〜Iに対応する画像部が異なる行となるように各画素部グループ内で配列し、ピンホールパネル4の回転方向において隣り合う画素部が9枚の広告画像A〜Iの表示順となる各画素部グループ内で配列する。
【0046】
図11は、透過部の他の構成例を示す図である。同図に示すように、実施例における各透過部群41〜43の各透過部41a〜43iの面積X1は、画像部材3の1画素部(2点鎖線で囲まれる範囲)の面積X2より狭くても良い。各透過部41a〜43iの面積X1が画像部材3の1画素部の面積X2よりも狭いと、画像部材3の画素部A11〜I33のうち、各広告画像A〜Iに対応した画素部を透過した光のうち、各広告画像A〜Iに対応した画素部の範囲よりも少し狭い範囲のみが透過部41a〜41iをピンホールパネル4の観察者側に通過することとなる。従って、透過部41a〜43iをピンホールパネル4の観察者側に通過する光に、各広告画像A〜Iに対応した画素部以外を透過した光が含まれることを抑制することができる。これにより、表示される広告画像のノイズを抑制することができる。
【0047】
図12は、透過部の他の構成例を示す図である。同図に示すように、実施例における各透過部群41〜43の各透過部41a〜43iに集光手段である集光レンズ44を取り付けても良い。この集光レンズ44は、透過部41a〜43iを通過する画像部材3の画素部A11〜I33のうち、この透過部41a〜43iに対向する各広告画像A〜Iに対応した画素部を透過した拡散光T2を集光するものである。ここで、光源2から照射された光T1は、画像部材3を透過する際に、拡散され拡散光T2となる。従って、透過部41a〜43iを通過した拡散光T2は、通常観察者側においてさらに拡散するが、集光レンズ44を取り付けることにより、T3のように観察者側に集光した状態とすることができる。従って、観察者側に通過した拡散光T2の拡散が抑制されるので、画像を明るく表示することができ、観察者の視認性を向上することができる。
【0048】
なお、上記実施例では、表示部材であるピンホールパネル4を画像部材3に対して回転させたが、この発明はこれに限定されるものではない。図13は、この発明にかかる画像表示装置の他の構成例を示す図である。同図に示すように、画像部材6を表示部材であるピンホールパネル7に対して回転するように構成しても良い。
【0049】
画像部材6は、バックライトフィルムなどを環状に形成し、その内側に光源2を囲み、ピンホールパネル7と光源2との間に配置され、各広告画像A〜Iに対応した画素部A11〜I33が配列された画素部群が画像部材6の回転方向と反対方向に隣り合うように複数組、例えば2組形成する。画像部材6は、ケーシング5に回転自在に支持された2つのローラ51,52により、これらローラ51,52の回転方向に回転自在に支持されている。ローラ51には、画像部材移動手段であるモータ53が連結されており、画像部材6は、ローラ51が矢印S1方向に回転することで、ピンホールパネル7に対して矢印S3方向である回転方向に回転することとなる。一方、ピンホールパネル7は、平面に形成され、かつ外側の面、すなわち観察者側の面がケーシング5から露出するように、このケーシング5内に収納されている。このピンホールパネル7は、少なくとも透過部41a〜41iからなる透過部群41が1組以上形成されている。
【0050】
光源2から光が照射され、画像部材6が回転方向にピンホールパネル7に対して回転すると、画像部材6に配列された画像部A11〜A33は、透過部41a〜41iに対して、広告画像Aに対応する画像部A11〜A33に対向する位置から順番に広告画像Iに対応する画像部I11〜I33に対向する位置まで移動する。従って、画像表示装置1は、各広告画像A〜Iを広告画像A〜Iごとに表示位置が回転方向に順次ずれながら、A〜Iの順番で表示することができる。なお、上記実施例における画像表示装置1は、各広告画像A〜Iを広告画像A〜Iごとに表示位置が回転方向に順次ずれながら、A〜Iの順番で表示することができる。
【0051】
また、上記実施例では、ピンホールパネル4のみあるいは画像部材6のみが環状に形成されているが、この発明はこれに限定されるものではない。図14は、この発明にかかる画像表示装置の他の構成例を示す図である。同図に示すように、画像部材8およびピンホールパネル9のいずれも環状に形成しても良い。この場合、画像部材8には、各広告画像A〜Iに対応した画素部A11〜I33が配列された画素部群を1組で画像部材8の全周となるように形成する。画像部材8は、図示しない回転支持手段により、光源2を中心に回転自在に支持されている。この画像部材8は、画像部材移動手段であるモータ53が連結されたローラ54が接触しており、ローラ54がモータ53により矢印S4方向に回転することで、ピンホールパネル9に対して矢印S5方向である回転方向に回転することとなる。
【0052】
ピンホールパネル9は、画像部材8を囲むように配置され、固定されている。このピンホールパネル9には、透過部41a〜41iを1組とした際に、画像部材8の回転方向に、この1組の透過部41a〜41iで、ピンホールパネル9の全周でとなるように形成する。
【0053】
光源2から光が照射され、画像部材8が回転方向にピンホールパネル9に対して回転すると、透過部41a〜41iは、それぞれ広告画像Aに対応する画像部A11〜A33に対向する位置から順番に広告画像Iに対応する画像部I11〜I33に対向する位置まで移動する。従って、画像表示装置1は、各広告画像A〜Iを広告画像A〜Iごとに表示位置が回転方向に順次ずれながら、A〜Iの順番で表示することができる。
【0054】
また、ピンホールパネル9が環状に形成されているので、この画像表示装置1は、画像部材8にこの画像部材8の回転方向に隣り合うように上記画素部群を複数組形成し、ピンホールパネル9に画像部材8の回転方向に隣り合うように透過部41a〜41iを1組とした際に、複数組形成しても良い。これにより、画像表示装置1は、各広告画像A〜Iを円周上の複数箇所(透過部41a〜41iの組数に応じた箇所、例えばピンホールパネル9の全周)で表示することができる。これにより、観察者100は、自分の位置に拘わらず、表示可能なすべての広告画像A〜Iを視認することができる。
【0055】
また、上記のように、画像部材8および画像表示部材であるピンホールパネル9がともに環状に形成されている場合は、画像部材8をピンホールパネル9に対して回転、あるいはピンホールパネル9を画像部材8に対して回転させるのみならず、画像部材8とピンホールパネル9とを相対回転させても良い。
【産業上の利用可能性】
【0056】
以上のように、この発明にかかる画像表示装置は、動画を表示するのに有用であり、特に、製造コストおよび維持コストの低減に適している。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】この発明の実施例にかかる画像表示装置の構成例を示す図である。
【図2】画像表示装置により表示する広告画像を示す図である。
【図3】各画素部グループの構成例を示す図である。
【図4】1組の画素部群を示す図である。
【図5】画像部材の構成例を示す図である。
【図6】表示部材の構成例を示す図である。
【図7】画像表示装置の動作説明図である。
【図8】画像表示装置の動作説明図である。
【図9】画像部材の他の構成例を示す図である。
【図10】画像部材の他の構成例を示す図である。
【図11】透過部の他の構成例を示す図である。
【図12】透過部の他の構成例を示す図である。
【図13】この発明にかかる画像表示装置の他の構成例を示す図である。
【図14】この発明にかかる画像表示装置の他の構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0058】
1 画像表示装置
2 光源(発光手段)
3,6,8 画像部材
31〜33 画素部群
4,7,9 ピンホールパネル(表示部材)
41〜43 透過部群
41a〜43i 透過部
44 集光レンズ
5 ケーシング
51,52,54 ローラ
53 モータ(表示部材移動手段、画像部材移動手段)
100 観察者
A〜I 広告画像
A11〜I33 画素部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を照射する発光手段と、
前記発光手段からの光を透過し、K枚(K>1)の画像をそれぞれ横M(M>1)分割、縦N(N>1)分割することで形成された各画素に対応する画素部を配列手段により配列した画素部群を1組以上有する画像部材と、
前記画像部材を挟んで、前記発光手段と対向して配置され、当該画像部材を透過する光のうち、各画像に対応した画素部ごとに当該画像部材側の反対側に通過させる透過部からなる透過部群1組以上形成される表示部材と、
前記表示部材を前記画像部材に対して移動させる表示部材移動手段と、
を備える画像表示装置であって、
前記配列手段は、
前記画像ごとに対応する画素部から当該画像ごとに1画素部ずつ合計K個をX(X>1)行×Y(Y>1)列に配列(K=X×Y)した複数の画素部グループ(M×N個)を形成し、
前記複数の画素部グループを、各画素部グループ内の同一画像に対応する画素部の当該画像における分割位置に応じてM行×N列に配列し、
前記画像部材に配列される各画素部を、前記表示部材の移動方向において隣り合うX個の前記各画素部グループ内の同一画像に対応する画素部が異なる行となり、当該移動方向において隣り合う画素部が前記K枚の画像の表示順となり、
前記各画素部グループ内の画素部の前記各画像における分割位置が同一、前記各画素部グループ内の各行の画素部の前記各画像における分割位置が同一であり当該行ごとの当該各画像における分割位置が連続、あるいは前記各画素部グループ内の各行の画素部の前記各画像における分割位置が連続であり当該行ごとの当該各画像における分割位置が連続のいずれか1つとなるように、前記各画素部グループ内で配列することを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
光を照射する発光手段と、
前記発光手段からの光を透過し、K枚(K>1)の画像をそれぞれ横N(N>1)分割、縦M(M>1)分割することで形成された各画素に対応する画素部を配列手段により配列した画素部群を1組以上有する画像部材と、
前記画像部材を挟んで、前記発光手段と対向して配置され、当該画像部材を透過する光のうち、各画像に対応した画素部ごとに当該画像部材側の反対側に通過させる透過部からなる透過部群1組以上形成される表示部材と、
前記画像部材を前記表示部材に対して移動させる画像部材移動手段と、
を備える画像表示装置であって、
前記配列手段は、
前記画像ごとに対応する画素部から当該画像ごとに1画素部ずつ合計K個をX(X>1)行×Y列に配列(K=X×Y)した複数の画素部グループ(M×N個)に形成し、
前記複数の画素部グループを、各画素部グループ内の同一画像に対応する画素部の当該画像における分割位置に応じてM行×N列に配列し、
前記画像部材に配列される各画素部を、前記画像部材の移動方向と反対方向において隣り合うX個の前記各画素部グループ内の同一画像に対応する画素部が異なる行となり、当該反対方向において隣り合う画素部が前記K枚の画像の表示順となり、
前記各画素部グループ内の画素部の前記各画像における分割位置が同一、前記各画素部グループ内の各行の画素部の前記各画像における分割位置が同一であり当該行ごとの当該各画像における分割位置が連続、あるいは前記各画素部グループ内の各行の画素部の前記各画像における分割位置が連続であり当該行ごとの当該各画像における分割位置が連続のいずれか1つとなるように、前記各画素部グループ内で配列することを特徴とする画像表示装置。
【請求項3】
前記透過部を通過する光を集光する集光手段をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記各透過部の面積は、前記画像部材の1画素部の面積よりも狭いことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の画像表示装置。
【請求項5】
複数の画像は、動画の各フレームの静止画像であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記発光手段から照射された光を拡散する拡散手段をさらに備え、
前記画像部材を透過した光は、前記拡散手段により拡散されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の画像表示装置。
【請求項1】
光を照射する発光手段と、
前記発光手段からの光を透過し、K枚(K>1)の画像をそれぞれ横M(M>1)分割、縦N(N>1)分割することで形成された各画素に対応する画素部を配列手段により配列した画素部群を1組以上有する画像部材と、
前記画像部材を挟んで、前記発光手段と対向して配置され、当該画像部材を透過する光のうち、各画像に対応した画素部ごとに当該画像部材側の反対側に通過させる透過部からなる透過部群1組以上形成される表示部材と、
前記表示部材を前記画像部材に対して移動させる表示部材移動手段と、
を備える画像表示装置であって、
前記配列手段は、
前記画像ごとに対応する画素部から当該画像ごとに1画素部ずつ合計K個をX(X>1)行×Y(Y>1)列に配列(K=X×Y)した複数の画素部グループ(M×N個)を形成し、
前記複数の画素部グループを、各画素部グループ内の同一画像に対応する画素部の当該画像における分割位置に応じてM行×N列に配列し、
前記画像部材に配列される各画素部を、前記表示部材の移動方向において隣り合うX個の前記各画素部グループ内の同一画像に対応する画素部が異なる行となり、当該移動方向において隣り合う画素部が前記K枚の画像の表示順となり、
前記各画素部グループ内の画素部の前記各画像における分割位置が同一、前記各画素部グループ内の各行の画素部の前記各画像における分割位置が同一であり当該行ごとの当該各画像における分割位置が連続、あるいは前記各画素部グループ内の各行の画素部の前記各画像における分割位置が連続であり当該行ごとの当該各画像における分割位置が連続のいずれか1つとなるように、前記各画素部グループ内で配列することを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
光を照射する発光手段と、
前記発光手段からの光を透過し、K枚(K>1)の画像をそれぞれ横N(N>1)分割、縦M(M>1)分割することで形成された各画素に対応する画素部を配列手段により配列した画素部群を1組以上有する画像部材と、
前記画像部材を挟んで、前記発光手段と対向して配置され、当該画像部材を透過する光のうち、各画像に対応した画素部ごとに当該画像部材側の反対側に通過させる透過部からなる透過部群1組以上形成される表示部材と、
前記画像部材を前記表示部材に対して移動させる画像部材移動手段と、
を備える画像表示装置であって、
前記配列手段は、
前記画像ごとに対応する画素部から当該画像ごとに1画素部ずつ合計K個をX(X>1)行×Y列に配列(K=X×Y)した複数の画素部グループ(M×N個)に形成し、
前記複数の画素部グループを、各画素部グループ内の同一画像に対応する画素部の当該画像における分割位置に応じてM行×N列に配列し、
前記画像部材に配列される各画素部を、前記画像部材の移動方向と反対方向において隣り合うX個の前記各画素部グループ内の同一画像に対応する画素部が異なる行となり、当該反対方向において隣り合う画素部が前記K枚の画像の表示順となり、
前記各画素部グループ内の画素部の前記各画像における分割位置が同一、前記各画素部グループ内の各行の画素部の前記各画像における分割位置が同一であり当該行ごとの当該各画像における分割位置が連続、あるいは前記各画素部グループ内の各行の画素部の前記各画像における分割位置が連続であり当該行ごとの当該各画像における分割位置が連続のいずれか1つとなるように、前記各画素部グループ内で配列することを特徴とする画像表示装置。
【請求項3】
前記透過部を通過する光を集光する集光手段をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記各透過部の面積は、前記画像部材の1画素部の面積よりも狭いことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の画像表示装置。
【請求項5】
複数の画像は、動画の各フレームの静止画像であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記発光手段から照射された光を拡散する拡散手段をさらに備え、
前記画像部材を透過した光は、前記拡散手段により拡散されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の画像表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−132959(P2007−132959A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−305021(P2005−305021)
【出願日】平成17年10月19日(2005.10.19)
【出願人】(592254526)学校法人五島育英会 (28)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年10月19日(2005.10.19)
【出願人】(592254526)学校法人五島育英会 (28)
【Fターム(参考)】
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