説明

画像表示装置

【課題】アノード電極を備えたフェースプレートと、板状のスペーサと、を有する構成の画像表示装置において、スペーサとアノード電極間の放電を効果的に抑制する。
【解決手段】画像表示装置は、電子放出素子を有するリアプレート2と、リアプレート2と対向して位置しアノード電極8を有するフェースプレート1と、リアプレート2とフェースプレート1との間に、アノード電極8に対向して位置する板状のスペーサ4と、を有している。スペーサ4は、スペーサのフェースプレートと対向する辺41に沿って開口しスペーサ4の面内方向に広がる凹部12を有し、アノード電極8の縁部は凹部12の内側に位置している。凹部12の周縁部12aは円弧で形成されており、円弧の曲率半径をr、凹部の最大深さをdとしたときにr/d≧1の関係を満たしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像表示装置に関し、特に、画像表示装置の内部の、リアプレートとフェースプレートの間に設けられたスペーサの構成に関する。
【背景技術】
【0002】
薄型化、軽量化が可能な画像表示装置(電子線表示装置)として、表面伝導型電子放出素子などの電子放出素子を用いた平面型の画像表示装置が提案されている。このような表示装置は、電子放出素子を備えたリアプレートと、電子の照射によって発光する発光部材を備えたフェースプレートとを対向配置させ、周縁部に枠材を介して封止することにより、真空容器を形成してなる。フェースプレートには、発光部材に積層され高電位が印加されるアノード電極が設けられている。電子放出素子から放出された電子はアノード電極に引きつけられて発光部材の所定の位置に照射され、所望の画像が表示される。アノード電極には、電子を発光部材の所定の位置に照射させる目的のほか、表示装置の輝度を向上させるために、一般に数百Vから数KVの高電位が印加される。
【0003】
表示装置の内部には、表示装置内外の気圧差によるリアプレート及びフェースプレートの変形や破損を防止するため、スペーサと呼ばれる板状の支持体が設けられている。スペーサは表示装置内外の気圧差による押し付け力を支持するため、アノード電極に接触して設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−216923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、アノード電極には一般に数百Vから数KVの高電位が印加され、しかもリアプレートとフェースプレート間の間隙は表示装置の薄型化のためにできるだけ小さくされている。このため、表示装置の内部には通常、かなり高い電界が生じている。スペーサはアノード電極と接触しており、スペーサのアノード電極側端面は概ねアノード電極と等電位となっているため、アノード電極との間での放電は比較的起こりにくい。しかし、両者を完全に密着して接触させることは困難であり、実際には、スペーサとアノード電極の間に不可避的に存在する微小間隙のために、放電が生じる可能性がある。
【0006】
そこで本発明は、アノード電極を備えたフェースプレートと、板状のスペーサと、を有する構成の画像表示装置において、スペーサとアノード電極間の放電を効果的に抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の画像表示装置は、電子放出素子を有するリアプレートと、リアプレートと対向して位置し、リアプレートともに減圧空間を構成するフェースプレートであって、電子放出素子から放出された電子をフェースプレートに引きつけるアノード電位が供給されるアノード電極を有するフェースプレートと、リアプレートとフェースプレートとの間に、アノード電極に対向して位置する板状のスペーサと、を有している。スペーサは、スペーサのフェースプレートと対向する辺に沿って開口しスペーサの面内方向に広がる凹部を有し、アノード電極の縁部は凹部の内側に位置している。凹部の周縁部は円弧で形成されており、円弧の曲率半径をr、凹部の最大深さをdとしたときにr/d≧1の関係を満たしている。
【0008】
本願発明者は、スペーサとアノード電極間の放電はアノード電極の縁部で発生しやすいことを見出した。これは、アノード電極の縁部は製造過程で「ばり」などの突起が発生しやすく、かつ形状的に電界集中が発生しやすいためであると考えられる。本発明では、フェースプレートと対向する縁部に開口しスペーサの面内方向に広がる凹部をスペーサに設け、かつアノード電極の縁部がこの凹部の内側に位置するように構成しているので、アノード電極の縁部とスペーサとの間に空間を確保することが容易となる。これによって、スペーサとアノード電極間の放電が生じにくくなる。
【0009】
ところで、板状のスペーサは一般に非常に薄く形成されているため、画像表示装置に組み込む際には、スペーサが湾曲せず平面形状を保ったまま所定の位置に固定されるように、スペーサを長手方向に引張りながら位置決めがなされる。このため、スペーサには長手方向に引張り応力が発生する。さらに、組み込み後においても、パネル内部を真空に排気する際や、製造工程におけるパネルの運搬等によって、スペーサには、引張り応力が発生する場合がある。上述のような凹部をスペーサに設けると応力集中が生じ、スペーサの引張り強度が十分に確保できないことが考えられる。しかし、凹部の周縁部は円弧で形成されており、しかも、円弧の曲率半径rは凹部の最大深さdと同じか、それより大きく形成されている(r/d≧1)。つまり、円弧の曲率半径が相対的に大きく形成され、凹部の周縁部に急激な形状変化が生じないようにされているため、応力集中の程度が緩和され、実質的な引張り強度が、凹部のない場合と比べて大きく低下しないようにされている。このように、本発明では、スペーサとアノード電極間の放電が生じにくくなるだけでなく、凹部を設けることによるスペーサの引張り強度の大幅な低下を防止することができるという効果も期待できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、アノード電極を備えたフェースプレートと、板状のスペーサと、を有する構成の画像表示装置において、スペーサとアノード電極間の放電を効果的に抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明による画像表示装置の実施例の斜視図である。
【図2】図1に示す画像表示装置のフェースプレートの、図1のA−A方向に見た平面図である。
【図3】スペーサの凹部の形状を示す断面図である。
【図4】実施例1におけるスペーサの凹部のさまざまな形状を示す概念図である。
【図5】凹部の形状パラメータとスペーサの破壊強度との関係を示す図である。
【図6】実施例2におけるスペーサの凹部のさまざまな形状を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の画像表示装置は、FED(Field Emission Display)表示装置、表面伝導型電子放出素子(SED)を備えた表示装置などを包含している。これらの画像表示装置では、電子放出素子を設けたリアプレートと発光体(例:蛍光体)を設けたフェースプレートとの間に支持体(スペーサ)が配置されており、本発明が適用される好ましい形態である。以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る画像表示装置について説明する。以下では、SEDが用いられる実施形態を例に説明する。
【0013】
図1は、画像表示装置(以下、表示装置10という。)の構成の一例を示す部分破断斜視図である。表示装置10は、電子源基板5が固定されたリアプレート2と、リアプレート2と対向して位置するフェースプレート1と、を有している。電子源基板5には多数の電子放出素子9が形成されている。電子源基板5には電子放出素子9が複数配列されており、X方向配線Dx1〜Dxmと、Y方向配線Dy1〜Dynによって単純マトリクス状に配線されている。電子放出素子9としては、SEDに用いられる表面伝導型の他、FE型或いはMIM(Metal Insulator Metal)型などの冷陰極素子が用いられる。
【0014】
フェースプレート1は、ガラス基板6と、その内面に形成され発光部材として機能する蛍光膜7と、蛍光膜7を覆うように形成されたアノード電極8と、を備えている。アノード電極8には高圧端子Hvからアノード電位が供給される。リアプレート2に形成された電子放出素子9から放出された電子ビームは、フェースプレート1に供給されるアノード電位によって加速され、フェースプレート1に引きつけられ、フェースプレート1に照射される。そして、フェースプレート1に照射された電子がフェースプレート1に形成された蛍光膜7に衝突することにより、蛍光膜7を構成する蛍光体が発光し、フェースプレート1に画像が映し出される。アノード電極8は、蛍光膜7から反射される光の一部を反射させ光利用率を向上させるメタルバックとしても機能する。
【0015】
図2は、図1のA−A方向に見た、フェースプレートの平面図(見上げ図)である。図2を参照すると、フェースプレート1には、アノード電極8の周囲を取り巻き、かつアノード電極8と離間して位置する電位規定電極11が形成されている。電位規定電極11は任意設置であり、省略することもできる。電位規定電極11は接地電位に規定されているが、アノード電位より低い電位であれば接地電位に限定されない。電位規定電極11はアノード電極8の周囲に形成される高電位空間を制限する。電位規定電極11の形状については特に制約はなく、例えば、リアプレート2側から高電位を受け取るために、フェースプレート1の外周部に設けられる図示しない電位取り出し部の周りを取り巻くように設けられてもよい。フェースプレート1のガラス基板6の表面からの電位規定電極11の高さは、フェースプレート1のガラス基板6の表面からのアノード電極8の高さとほぼ等しい。
【0016】
フェースプレート1とリアプレート2の間には支持枠3が設けられており、これらのプレート1,2とともに減圧空間Sを構成している。フェースプレート1と支持枠3、及びリアプレート2と支持枠3は各々、フリットガラスによって接合されている。
【0017】
フェースプレート1とリアプレート2との間には、スペーサ4とよばれる支持体が設置されている。以下、表示装置の断面図である図3を参照して、スペーサ4の構成について詳細に説明する。図3(a)は本発明の一実施形態に係る表示装置の、スペーサ長手方向と直交する方向から見た断面図である。
【0018】
スペーサ4は、絶縁性基板の表面に帯電防止を目的とした高抵抗膜(図示せず)を成膜した板状の部材である。スペーサ4の下辺は図1に示すように、X方向配線Dx1〜Dxmに固定されている。スペーサ4の上辺41は図3(a)に示すように、アノード電極8及び電位規定電極11と対向し、かつアノード電極8及び電位規定電極11と接触して位置している。いうまでもないが、電位規定電極11が設けられない実施形態では、スペーサ4の上辺41は、アノード電極8と対向し、かつアノード電極8と接触して位置することになる。本願発明者はフェースプレート1、リアプレート2、及び支持枠3を、スペーサ4を内部に挿入してパネル化し、真空にした後にパネルを分解してスペーサ4の接触の度合いを観察した。アノード電極8及び電位規定電極11のスペーサ4との接触部分には、大気圧で押され押し潰されたような跡が残っており、スペーサ4がこれらの部材と接触していることは明らかであった。スペーサ4は全てのX方向配線Dx1〜Dxmの上に設けられてはおらず、複数のX方向配線毎に1つの割合で設けられている。スペーサ4は、大気圧に対して十分な強度を有している。リアプレート2とフェースプレート1に供給される電位がスペーサ4の上下辺に印加されることにより、スペーサ4の表面には電位分布が形成される。
【0019】
スペーサ4は、スペーサ4のフェースプレート1と対向する辺41(上辺)に沿って開口しスペーサ4の面内方向に広がる凹部12を有している。この凹部12は円弧状の切欠きであり、以下、切欠き12と称する場合もある。本実施形態では、凹部の周縁部12aは中心角が180度に等しい円弧、すなわち半円状の円弧からなっている。凹部12の円弧の曲率半径をr、円弧のスペーサの辺41から測った最大深さをdとしたときに、r/d=1の関係を満たしている。しかし、円弧は、図3(b)に示すように、中心角が180未満、すなわちr/d>1の関係を満たしていてもよい。つまり、凹部12の円弧は、r/d≧1の関係を満たしていればよい。既述の通り、スペーサ4を固定する際や、パネル内部を真空に排気する際、製造工程におけるパネルの運搬等によって、スペーサ4にはスペーサ長手方向Lに引張り力が印加される。しかし、このような関係を満たす凹部12の形状は円弧の形状変化が緩やかであり、応力集中係数を小さく抑え、スペーサ4の長手方向引張り強度(破壊強度)の低下を最小限にとどめることができる。
【0020】
凹部12はダイヤモンド砥石を用いた研削などの任意の方法で形成することができる。アノード電極8と電位規定電極11の互いに対向する縁部8a,11aは、凹部12の内側に位置している。換言すれば、凹部12はアノード電極8の縁部8aと電位規定電極11の縁部11aが露出するように形成されている。
【0021】
スペーサ4のアノード電極8との接触領域における電位はアノード電極と略同じ電位であり、スペーサ4の電位規定電極11との接触領域における電位も電位規定電極11と略同じ電位である。しかし、アノード電極8とスペーサ4は全体としては接触しているものの、実際にはアノード電極8とスペーサ4の接触部には、製造誤差や組立時の誤差、接触部の表面粗さなど、様々な原因に起因した微小な間隙が存在していると考えられる。同様に、電位規定電極11とスペーサ4も全体としては接触しているものの、実際にはアノード電極8と電位規定電極11の接触部には微小な間隙が存在していると考えられる。こういった微小間隙はアノード電極8あるいは電位規定電極11とスペーサ4との間に電位差を生じさせ、放電の原因となる。特に、アノード電極8の縁部8a及び電位規定電極11の縁部11aの縁部は、形状的に電界集中が生じ易く、「ばり」などの突起も生じ易いため、スペーサ4との間の放電が特に生じ易い。
【0022】
本実施形態では、これらの縁部8a,11aは凹部12の中に位置しており、スペーサ4との間に、放電を防止するに十分な間隔を持った間隙を容易に確保することができる。
【0023】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳述する。以下に述べる各実施例においては、素子電極間の導電性薄膜に電子放出部を有するタイプのn×m個(n=480、m=100)の表面伝導型電子放出素子を、m本の行方向配線とn本の列方向配線とによりマトリクス配線したマルチ電子ビーム源を用いた。
【0024】
(実施例1)
実施例1の画像表示装置は図1を用いて説明した画像表示装置と同じ構成を有し、カラー表示を行うためにRGBの蛍光体とブラックマトリックスを内包している。アノード電極8と電位規定電極11との間の距離は4mmとした。アノード電極8はメタルバックと兼用し、電位規定電極11は接地電位とした。
【0025】
スペーサ4として、旭硝子社製商品番号PD200の、高さ2mm、幅0.2mmの平板状の基材を用意し、切欠き部12をダイヤモンド砥石による切削によって作製した。切欠き部(凹部)12の形状は、図4に示すものを用いた。凹部の曲率半径rは0.15mm〜15mm、凹部の最大深さdは0.6mmとした。寸法の一例を述べると、図4(a)に示す例では曲率半径r=0.6mm、凹部の最大深さd=0.6mm、スペーサ長手方向長さW=1.2mmであった。図4(b)に示す例ではr=0.3mm、d=0.6mm、W=0.6mmであった。図4(c)に示す例では、r1=0.6mm、r2=0.3mm、d=0.6mm、W=2.4mmであった。ここで、r1は第1の円弧(左側コーナー部)の曲率半径、r2は第2の円弧(右側コーナー部)の曲率半径である。
【0026】
作製したスペーサに対して引張り試験を行い、r/dと破壊強度の関係を図示したものが図5である。図4(c)に示す例では、応力集中係数が大きくなる第2の円弧のr2/dで代表した。破壊強度は、10回試験の平均値である。この結果から、r/d(r2/d)が1より小さくなると、急激に強度が低くなることがわかる。図4(b),(c)は、r/d<1となる例である。これは、r/dが1より小さくなると、切欠きによって生じる応力がコーナーの円弧部に集中するためである。図4(a)のようにr/d≧1の関係を満たす構造のスペーサを用いた画像表示装置では、スペーサが破壊することなく平面状の形状で所定の位置に固定され、良好な画質が確認できた。なお、第1の円弧と第2の円弧の形状が互いに異なる場合でも、図6(c)に示すようにr1/d1≧1かつr2/d2≧1の関係を満たせば、十分な強度が確保可能である。d1は、第1の円弧の、スペーサの上辺からみた最深点の深さ、d2は、第2の円弧の、スペーサの上辺からみた最深点の深さである。
【0027】
(実施例2)
実施例2では、スペーサ長手方向の凹部の長さWと曲率半径の関係について検討した。実施例1と同様、スペーサ4として、旭硝子社製商品番号PD200の、高さ2mm、幅0.2mmの平板状の基材を用意し、切欠き部12を、実施例1と同様に、ダイヤモンド砥石による研削によって作製した。切欠き部12の形状は図6に示すものを用いた。凹部の周縁部は2つの円弧(第1の円弧及び第2の円弧)と2つの円弧を結ぶ線分とで形成されている。寸法の一例を述べると、図6(a)に示す例ではr=0.6mm、d=0.6mm、幅W=1.2であった。図6(b)に示す例では、周縁部は中心角が90度に等しい2つの円弧と、この2つの円弧を結ぶ、スペーサの前記辺と平行な直線と、からなっており、r1=r2=0.6mm、d1=d2=0.6mm、W=2.4mmであった。図6(c)に示す例では、第1の円弧(左側コーナー部)の形状がr1=0.6mm、d1=0.6mm、第2の円弧(右側コーナー部)の形状がr2=0.3mm、d2=0.3mmであり、W=2.4mmであった。なお、図6の各図に示す例はr/d≧1の関係、あるいはr1/d1≧1かつr2/d2≧1の関係を満たしていることに留意されたい。
【0028】
作製したスペーサ4に対して、引張り試験を行い、W/rと破壊強度の関係を検討した。破壊強度は、10回試験の平均値である。W/rが5より小さくなると、強度が低くなることが分かった。これは、切欠きによって生じる応力集中点が、W/rが5以上であると2つのコーナー部に分離しているが、W/rが5より小さくなると応力集中点が近接し、互いの応力が影響しあうようになり、応力が増大するためであると考えられる。W/r=2では応力集中点が一つに収束する。図6(c)に示す例では、r1>r2であることから、W/r1で代表したが、W/r1≧5かつW/r2≧5が必要条件となる。W/r≧5を満たす構造のスペーサを用いた画像表示装置では、スペーサが破壊することなく平面状の形状で所定の位置に固定され、良好な画質が確認できた。
【符号の説明】
【0029】
1 フェースプレート
2 リアプレート
4 スペーサ
8アノード電極
11 電位規定電極
12 凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子放出素子を有するリアプレートと、
前記リアプレートと対向して位置し、該リアプレートともに減圧空間を構成するフェースプレートであって、前記電子放出素子から放出された電子を該フェースプレートに引きつけるアノード電位が供給されるアノード電極を有するフェースプレートと、
前記リアプレートと前記フェースプレートとの間に、前記アノード電極に対向して位置する板状のスペーサと、を有し、
前記スペーサは、該スペーサの前記フェースプレートと対向する辺に沿って開口し該スペーサの面内方向に広がる凹部を有し、
前記アノード電極の縁部は前記凹部の内側に位置しており、
前記凹部の周縁部は円弧で形成され、該円弧の曲率半径をr、前記凹部の最大深さをdとしたときに、r/d≧1の関係を満たす、画像表示装置。
【請求項2】
前記凹部の前記周縁部は中心角が180度に等しい円弧からなる、請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
電子放出素子を有するリアプレートと、
前記リアプレートと対向して位置し、該リアプレートともに減圧空間を構成するフェースプレートであって、前記電子放出素子から放出された電子を該フェースプレートに引きつけるアノード電位が供給されるアノード電極を有するフェースプレートと、
前記リアプレートと前記フェースプレートとの間に、前記アノード電極に対向して位置する板状のスペーサと、を有し、
前記スペーサは、該スペーサの前記フェースプレートと対向する辺に沿って開口し該スペーサの面内方向に広がる凹部を有し、
前記アノード電極の縁部は前記凹部の内側に位置しており、
前記凹部の周縁部は2つの円弧と該2つの円弧を結ぶ線分とで形成され、第1の円弧の曲率半径をr1、第2の円弧の曲率半径をr2、前記第1の円弧の、前記スペーサの前記辺からみた最深点の深さをd1、前記第2の円弧の、前記スペーサの前記辺からみた最深点の深さをd2としたときに、r1/d1≧1かつr2/d2≧1の関係を満たす、画像表示装置。
【請求項4】
前記凹部の前記周縁部は中心角が90度に等しい2つの円弧と、該2つの円弧を結ぶ、前記スペーサの前記辺と平行な直線と、からなる、請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記凹部のスペーサ長手方向の長さをWとしたときに、W/r1≧5かつW/r2≧5の関係を満たす、請求項3または4に記載の画像表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2011−48979(P2011−48979A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−195413(P2009−195413)
【出願日】平成21年8月26日(2009.8.26)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】