説明

画像解析を使用する比吸収率測定およびエネルギー送達デバイス特徴付け

【課題】エネルギー送達デバイスにより放出される電磁エネルギーの比吸収率を測定するためのシステムおよび方法を提供すること。
【解決手段】電気外科電力発生源;該電気外科電力発生源と作動可能に関連するエネルギー送達デバイス;プロセッサユニット;および組織温度情報を含む画像データを生成し得る画像化システム、を備え、該プロセッサユニットが、該画像化システムと作動可能に通信して配置されており、そして該画像データを解析して、該エネルギー送達デバイスの周囲の比吸収率を、該画像データから得られた該組織温度情報の関数として決定するように適合されている、電気外科システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エネルギー送達デバイス(例えば、エネルギー放出プローブまたは電極)により放出される電磁エネルギーの比吸収率を測定するためのシステムおよび方法に関し、そしてより特定すると、画像解析を使用する比吸収率測定およびエネルギー送達デバイスの特徴付けに関する。
【背景技術】
【0002】
特定の疾患の処置は、悪性の組織増殖(例えば、腫瘍)の破壊を必要とする。電磁放射線は、腫瘍細胞を加熱して破壊するために使用され得る。処置は、癌性腫瘍が確認された組織に切除プローブを挿入することを包含し得る。一旦、これらのプローブが配置されると、電磁エネルギーが、これらのプローブを通して周囲組織に通される。
【0003】
癌などの疾患の処置において、特定の型の腫瘍細胞は、健常細胞に対して通常は損傷性である温度よりかなり低い高温において、変性することが見出されている。公知の処置方法(例えば、加温療法)は、疾患細胞を41℃より高温まで加熱しながら、隣接する健常細胞を、不可逆的細胞破壊が起こる温度より低い温度に維持する。これらの方法は、電磁放射線を与えて、組織を加熱し、切除し、そして/または凝固させることを包含する。マイクロ波エネルギーは、ときどき、これらの方法を実施するために利用される。組織を加熱するために電磁放射線を利用する他の手順もまた、組織の凝固、切断および/または切除を包含する。組織を加熱するために電磁放射線を利用する多くの手順およびデバイスの型が、開発されている。
【0004】
電磁放射線を利用する処置方法(例えば、加温療法)において、熱の移動または分散は一般に、放射、伝導、および対流の機構によって起こり得る。電磁エネルギーによる組織の加熱から生じる生物学的効果はしばしば、「温熱」効果と称される。「熱放射」および「放射性熱移動」は、電磁波(例えば、電磁波理論により予測される)または光子(例えば、量子力学により予測される)の形態での、エネルギーの移動を説明するために使用される2つの用語である。熱移動の文脈において、用語「伝導」とは一般に、物質のよりエネルギーが高い粒子からよりエネルギーが低い粒子への、これらの粒子間の相互作用に起因するエネルギーの移動をいう。用語「対流」とは一般に、固体表面と隣接する移動流体との間でのエネルギー移動をいう。対流による熱移動は、流体内の拡散または分子移動と、流体のバルク移動または巨視的移動との組み合わせであり得る。
【0005】
組織加熱の程度は、数個の要因(エネルギーが処置中の組織により吸収されるかまたは散逸する速度が挙げられる)に依存し得る。生物学的組織における電磁エネルギーの吸収速度は、比吸収率(SAR)により定量され得、これは、組織により吸収される単位体積あたりのエネルギーの尺度であり、そして通常、1キログラムあたりのワット数(W/kg)の単位で表わされる。SAR評価のために、人体の物理特性(例えば、誘電率)と類似の物理特性を有する、シミュレーションされた生物学的組織または「ファントム」が、一般的に使用される。
【0006】
SARを決定するための1つの方法は、組織における温度上昇の速度を、その組織の比熱容量(しばしば「比熱」と短縮される)の関数として測定することである。この方法は、その組織の比熱を知ることを必要とする。第二の方法は、組織における電界強度を測定することによって、SARを決定することである。この方法は、その組織の伝導度および密度の値を知ることを必要とする。
【0007】
放射線とSARとの間の関係は、
【0008】
【数1】

として表わされ得、この式において、σは、1メートルあたりのジーメンス数(S/m)を単位とする組織の導電率であり、ρは、1立方メートルあたりのキログラム数(kg/m3)を単位とする組織の密度であり、そして|E|は、1メートルあたりのボルト数(V/m)を単位とする局所電界の大きさである。
【0009】
組織における初期温度上昇ΔT(℃)と比吸収率との間の関係は、
【0010】
【数2】

として表わされ得、この式において、cは、ジュール/kg・℃を単位とする組織(またはファントム材料)の比熱であり、そしてΔtは、秒で表わされる曝露時間である。式(1)を式(2)に代入することにより、組織における誘導温度上昇と、印加された電界との間の関係が、
【0011】
【数3】

として与えられる。
【0012】
上記式からわかるように、局所電界の振幅を変更することは、組織における局所エネルギー吸収および誘導温度上昇に直接影響を与える。加温療法などの処置方法において、悪性組織を41℃より高い温度まで加熱するために充分な強度の電界を蓄積させ、同時に健常組織の近くのSARの大きさを腫瘍内より低く制限して、細胞死を引き起こす温度より低い温度に健常細胞を維持することが望ましい。
【0013】
SAR測定およびエネルギー送達デバイスの特徴付けは、これらのエネルギー送達デバイスの臨床的安全性および性能を確実にし得る。SAR測定およびエネルギー送達デバイスの特徴付けは、治療的加温処置の計画および効果的実施を容易にするためのデータを生成し得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、本発明は、例えば、以下を提供する:
(項目1)
電気外科電力発生源;
該電気外科電力発生源と作動可能に関連するエネルギー送達デバイス;
プロセッサユニット;および
組織温度情報を含む画像データを生成し得る画像化システム、
を備え、該プロセッサユニットが、該画像化システムと作動可能に通信して配置されており、そして該画像データを解析して、該エネルギー送達デバイスの周囲の比吸収率を、該画像データから得られた該組織温度情報の関数として決定するように適合されている、電気外科システム。
(項目2)
上記画像化システムが、組織を第一方式で走査して組織温度情報を含む第一方式データを得ることができる多方式画像化システムである、上記項目に記載の電気外科システム。
(項目3)
上記第一方式が、X線システム、超音波(UT)システム、磁気共鳴画像化(MRI)システム、コンピュータ断層撮影(CT)システム、単一光子放射型コンピュータ断層撮影(SPECT)、およびポジトロン断層撮影(PET)システムからなる群より選択される、上記項目のいずれかに記載の電気外科システム。
(項目4)
上記エネルギー送達デバイスが、指向性放射パターンを放出するように構成されており、該指向性放射パターンは、該エネルギー送達デバイスの長手方向軸の周りでの回転中に、該エネルギー送達デバイスと一緒に回転する、上記項目のいずれかに記載の電気外科システム。
(項目5)
上記プロセッサユニットが、処置手順中に上記エネルギー送達デバイスの周囲で決定された比吸収率に基づいて、該エネルギー送達デバイスの長手方向軸の周りでの回転を制御するようにさらに適合されている、上記項目のいずれかに記載の電気外科システム。
(項目6)
上記プロセッサユニットが、上記エネルギー送達デバイスについてのシミュレーションされた放射パターンを、該エネルギー送達デバイスの周囲で決定された比吸収率の関数として生成するようにさらに適合されている、上記項目のいずれかに記載の電気外科システム。
(項目7)
上記プロセッサユニットと作動可能に関連するユーザインターフェースをさらに備える、上記項目のいずれかに記載の電気外科システム。
(項目8)
上記ユーザインターフェースが、表示デバイスを備え、該表示デバイスは、上記シミュレーションされた放射パターンを表示して、ユーザが処置手順中の患者に対する温熱処置の効果を可視化することを可能にし得る、上記項目のいずれかに記載の電気外科システム。
(項目9)
上記プロセッサユニットが上記電気外科電力発生源と作動可能に関連している、上記項目のいずれかに記載の電気外科システム。
(項目10)
上記プロセッサユニットが、上記エネルギー送達デバイスの周囲で決定された比吸収率に基づいて、上記電気外科電力発生源に関連する少なくとも1つの作動パラメータを決定するようにさらに適合されている、上記項目のいずれかに記載の電気外科システム。
(項目11)
上記電気外科電力発生源に関連する上記少なくとも1つの作動パラメータが、温度、インピーダンス、電力、電流、電圧、作動モード、および電磁エネルギーの印加の持続時間からなる群より選択される、上記項目のいずれかに記載の電気外科システム。
(項目12)
電気外科電力発生源;
該電気外科電力発生源と作動可能に関連するエネルギー送達デバイス;
プロセッサユニット;
該エネルギー送達デバイスに関連する熱プロフィールデータを含むライブラリユニット;および
該プロセッサユニットと作動可能に関連するユーザインターフェース、
を備え、該プロセッサユニットが、該ライブラリユニットと通信して関連しており、そして該熱プロフィールデータを解析して、該エネルギー送達デバイスの周囲の比吸収率を、該熱プロフィールデータの関数として決定するように適合されている、電気外科システム。
(項目13)
上記熱プロフィールデータが、上記エネルギー送達デバイスに関連する画像データを含む、上記項目のいずれかに記載の電気外科システム。
(項目14)
上記ライブラリユニットが、画像保存伝送システム(PACS)と通信して関連している、上記項目のいずれかに記載の電気外科システム。
(項目15)
上記プロセッサユニットが、PACSと通信して関連している、上記項目のいずれかに記載の電気外科システム。
(項目16)
上記プロセッサユニットが、上記エネルギー送達デバイスについてのシミュレーションされた放射パターンを、該エネルギー送達デバイスの周囲で決定された比吸収率の関数として生成するようにさらに適合されている、上記項目のいずれかに記載の電気外科システム。
(項目17)
上記ユーザインターフェースが、表示デバイスを備え、該表示デバイスは、上記シミュレーションされた放射パターンを表示して、ユーザが処置手順を実施する前に患者に対する温熱処置の潜在的効果を可視化することを可能にし得る、上記項目のいずれかに記載の電気外科システム。
(項目18)
上記プロセッサユニットが上記電気外科電力発生源と作動可能に関連している、上記項目のいずれかに記載の電気外科システム。
(項目19)
上記プロセッサユニットが、上記電気外科電力発生源に関連する少なくとも1つの作動パラメータを、該エネルギー送達デバイスの周囲で決定された比吸収率に基づいて決定するようにさらに適合されている、上記項目のいずれかに記載の電気外科システム。
(項目20)
上記電気外科電力発生源に関連する上記少なくとも1つの作動パラメータが、温度、インピーダンス、電力、電流、電圧、作動モード、および電磁エネルギーの印加の持続時間からなる群より選択される、上記項目のいずれかに記載の電気外科システム。
【0015】
(摘要)
電気外科システムは、電気外科電力発生源、この電気外科電力発生源と作動可能に関連するエネルギー送達デバイス、およびプロセッサユニットを備える。この電気外科システムはまた、組織温度情報を含む画像データを生成し得る画像化システムを備える。このプロセッサユニットは、この画像化システムと作動可能に通信するように配置され、そしてこの画像データを解析して、このエネルギー送達デバイスの周囲の比吸収率を、この画像データから得られた組織温度情報の関数として決定するように適合されている。
【0016】
(要旨)
本開示は、電気外科電力発生源、この電気外科電力発生源と作動可能に関連するエネルギー送達デバイス、およびプロセッサユニットを備える電気外科システムに関する。この電気外科システムはまた、組織温度情報を含む画像データを生成し得る画像化システムを備える。このプロセッサユニットは、この画像化システムと作動可能に通信するように配置され、そしてこの画像データを解析して、このエネルギー送達デバイスの周囲の比吸収率を、この画像データから得られた組織温度情報の関数として決定するように適合されている。
【0017】
本開示はまた、電気外科電力発生源、およびこの電気外科電力発生源と作動可能に関連するエネルギー送達デバイスを備える電気外科システムに関する。このシステムはまた、プロセッサユニット、このエネルギー送達デバイスに関連する熱プロフィールデータを含むライブラリユニット、およびこのプロセッサユニットと作動可能に関連するユーザインターフェースを備える。このプロセッサユニットは、このライブラリユニットと通信可能に関連し、そしてこの熱プロフィールデータを解析して、このエネルギー送達デバイスの周囲の比吸収率を、この熱プロフィールデータの関数として決定するように適合されている。
【0018】
比吸収率の測定およびエネルギー送達デバイスの特徴付けのための、本開示のシステムおよび方法、ならびに本開示の電気外科システムの、目的ならびに特徴は、これらの種々の実施形態の説明が添付の図面を参照しながら読まれる場合に、当業者に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、本開示の1つの実施形態による、標的組織領域へのエネルギーの送達のために配置されたエネルギーアプリケータアレイを備える熱プロファイリングシステムの概略図である。
【図2】図2は、本開示に従う試験設備アセンブリの1つの実施形態の、部分的に切り取った斜視図である。
【図3】図3は、本開示の1つの実施形態による、感熱性媒体と一緒に示される図2の試験設備アセンブリの、部分的に切り取った分解斜視図である。
【図4】図4は、関連するエネルギーアプリケータと一緒に示される、本開示の1つの実施形態による図2および図3の試験設備アセンブリの、部分的に切り取った斜視図である。
【図5】図5は、本開示に従う、切り抜き部分を備える感熱性媒体の1つの実施形態の断面図である。
【図6】図6は、図5の感熱性媒体の一部分が関連して示されている、本開示の1つの実施形態による図2〜図4の試験設備アセンブリの支持部材の斜視図である。
【図7】図7および図8は、本開示の1つの実施形態による、感熱性媒体の切り抜き部分の長手方向軸と中心を合わせて整列している、図5の感熱性媒体および図4のエネルギーアプリケータを概略的に図示する部分拡大図である。
【図8】図7および図8は、本開示の1つの実施形態による、感熱性媒体の切り抜き部分の長手方向軸と中心を合わせて整列している、図5の感熱性媒体および図4のエネルギーアプリケータを概略的に図示する部分拡大図である。
【図9】図9は、本開示に従う、図2〜図4の試験設備アセンブリならびに図7および図8のエネルギーアプリケータおよび感熱性媒体を備える、熱プロファイリングシステムの1つの実施形態の概略長手軸方向断面図である。
【図10】図10は、tがt1に等しい時点で感熱性媒体上に形成された熱放射パターンの概略的に図示された表現とともに示される、本開示の1つの実施形態による作動中の、図9の熱プロファイリングシステムの感熱性媒体を図示する概略図である。
【図11】図11は、本開示の1つの実施形態による、tがt1に等しい時点での選択された温度バンドを示す、図10の感熱性媒体の一部分の閾値化されたパターンの画像を図示する概略図である。
【図12】図12は、tがt2に等しい時点で感熱性媒体上に形成された熱放射パターンの概略的に図示された表現とともに示される、本開示の1つの実施形態による作動中の図9の熱プロファイリングシステムの感熱性媒体を図示する概略図である。
【図13】図13は、本開示の1つの実施形態による、tがt2に等しい時点で捕捉された、選択された温度バンドを示す、図12の感熱性媒体の一部分の閾値化されたパターンの画像を図示する概略図である。
【図14】図14は、tがt3に等しい時点で感熱性媒体上に形成された熱放射パターンの概略的に図示された表現とともに示される、本開示の1つの実施形態による作動中の図9の熱プロファイリングシステムの感熱性媒体を図示する概略図である。
【図15】図15は、本開示の1つの実施形態による、tがt3に等しい時点での選択された温度バンドを示す、図14の感熱性媒体の一部分の閾値化されたパターンの画像を図示する概略図である。
【図16】図16Aは、tがtに等しい時点での選択された温度バンドを示す、本開示の1つの実施形態による感熱性媒体の閾値化されたパターンの画像を図示する概略図である。図16Bは、温度バンドの内側境界および外側境界における等高線とともに示される、図16Aの閾値化されたパターンの画像の概略図である。
【図17】図17Aは、tがtn+1に等しい時点での選択された温度バンドを示す、本開示の1つの実施形態による感熱性媒体の閾値化されたパターンの画像を図示する概略図である。図17Bは、温度バンドの内側境界および外側境界の点のセットを接続する等高線とともに示される、図17Aの閾値化されたパターンの画像の概略図である。
【図18】図18および図19は、本開示の1つの実施形態による、図16Bおよび図17Bの温度バンドの境界線上にある点間の位置関係を図示する概略図である。
【図19】図18および図19は、本開示の1つの実施形態による、図16Bおよび図17Bの温度バンドの境界線上にある点間の位置関係を図示する概略図である。
【図20】図20は、本開示の1つの実施形態によるエネルギーアプリケータについてシミュレーションされた放射パターンの図式表現である。
【図21】図21は、本開示の別の実施形態によるエネルギーアプリケータについてシミュレーションされた放射パターンの図式表現である。
【図22】図22は、本開示の1つの実施形態による電気外科デバイスを備える切除システムの概略図である。
【図23】図23は、本開示の1つの実施形態による、指標目盛印および指標整列印とともに示される、図22の電気外科デバイスの概略図である。
【図24】図24および図25は、本開示の実施形態による横型放射パターンを示すシミュレーション結果の概略的に図示された表現である。
【図25】図24および図25は、本開示の実施形態による横型放射パターンを示すシミュレーション結果の概略的に図示された表現である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本開示のエネルギー送達デバイスの比吸収率(SAR)測定および特徴付けのためのシステムおよび方法の実施形態、ならびに本開示の電気外科システムの実施形態が、添付の図面を参照して記載される。同様の参照番号は、図面の記載全体を通して同様の要素または同一の要素を指し得る。図面に記載され、この記載に使用されているように、そして、物体上の相対的な配置を指す際に慣例的であるように、「近位」という用語は、ユーザに近い、装置の部分またはそのコンポーネントを指し、そして、「遠位」という用語は、ユーザから遠い、装置の部分またはそのコンポーネントを指す。
【0021】
この記載は、「一実施形態において」、「実施形態において」、「一部の実施形態において」、または「他の実施形態において」という句を使用し得、それらの句はそれぞれ、本開示にしたがって、同じ実施形態または異なる実施形態のうちの1つ以上を指し得る。この記載の目的のために、「A/B」という形式の句は、AまたはBを意味する。この記載の目的のために、「Aおよび/またはB」という形式の句は、「(A)、(B)、または(AおよびB)」を意味する。この記載の目的のために、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」という形式の句は、「(A)、(B)、(C)、(AおよびB)、(AおよびC)、(BおよびC)、または(A、B、およびC)」を意味する。
【0022】
電磁エネルギーは、概して、エネルギーを増加させるか、または波長を減少させるかによって、無線波、マイクロ波、赤外線、可視光、紫外線、X線、およびガンマ線に分類される。この記載において使用されるように、「マイクロ波」は、概して、300メガヘルツ(MHz)(3×10サイクル/秒)から300ギガヘルツ(GHz)(3×1011サイクル/秒)までの周波数範囲の電磁波を指す。この記載において使用されるように、「切除手順」は、概して、マイクロ波切除、無線周波数(RF)切除、またはマイクロ波切除支援リセクションなどの任意の切除手順を指す。この記載において使用されるように、「エネルギーアプリケータ」は、概して、マイクロ波電気外科発電機またはRF電気外科発電機などの電力発生源から組織にエネルギーを移送するために使用され得る任意のデバイスを指す。この記載において使用されるように、「伝送線」は、概して、一つの点から別の点へ信号を伝搬するために使用され得る任意の伝送媒体を指す。
【0023】
この記載において使用されるように、「長さ」は、電気的長さまたは物理的長さを指し得る。概して、電気的長さは、伝送媒体内を伝搬する信号の波長の観点から伝送媒体の長さを表す。電気的長さは、通常、波長、ラジアン、または度の観点から表され得る。例えば、電気的長さは、電磁波または電気信号が伝送媒体内を伝搬する波長の倍数または約数として表され得る。波長は、ラジアンで表され得るか、または度などの角度測定の人為的な単位で表され得る。伝送媒体の電気的長さは、伝送媒体の物理的長さに等しい距離に渡る自由空間における電磁波の伝搬時間(b)に対する伝送媒体を通る電気信号または電磁信号の伝搬時間(a)の比によって乗算された物理的長さとして表され得る。電気的長さは、概して、物理的長さとは異なる。適切な反応要素(容量性または誘導性)の付加によって、電気的長さは、物理的長さよりも顕著に短くまたは長くされ得る。
【0024】
この記載において使用されるように、「実時間」という用語は、概して、データ処理と表示との間に観察可能な待ち時間のないことを意味する。この記載において使用されるように、「ほぼ実時間」は、概して、データ収集と表示との時間の間の比較的短い期間を指す。
【0025】
本開示の様々な実施形態が、エネルギーアプリケータと関連付けられる比吸収率データにしたがって、エネルギーを組織に導くシステムおよび方法を提供する。実施形態は、マイクロ波周波数または他の周波数における電磁放射を使用して実装され得る。様々な実施形態にしたがった、エネルギーアプリケータアレイを含む電磁エネルギー送達デバイスは、約300MHzと約10GHzとの間で作動するように設計および構成されている。
【0026】
エネルギーアプリケータまたはエネルギーアプリケータアレイを含む、本開示の電気外科システムの様々な実施形態は、マイクロ波切除に適し、そして、マイクロ波切除支援外科リセクションのために組織を予備凝固するための使用に適している。また、以下の記載は、ダイポールマイクロ波アンテナの使用を記載しているが、本開示の教示は、モノポール、らせん、他の適切な種類のマイクロ波アンテナ(またはRF電極)にも適用され得る。
【0027】
本開示の実施形態にしたがった電気外科システム100が、図1に示され、電磁エネルギー送達デバイスまたはエネルギーアプリケータアレイ「E」を含む。エネルギーアプリケータアレイ「E」は、1つ以上のエネルギーアプリケータまたはプローブを含み得る。他のプローブの実施形態(例えば、図22および図23のそれぞれに示された500および800)が、使用され得ることが理解される。例えば、外科部位に対する外傷を減らし、正確なプローブの配置を容易にすることにより、周囲の健康な組織に対して最小の損傷で外科医が標的組織を処置することを可能にするために、プローブの厚さは、最小にされ得る。一部の実施形態において、エネルギーアプリケータアレイ「E」は、複数のプローブを含む。プローブは、同様な直径または異なる直径を有し得、等しい長さまたは異なる長さを延び得、そして、先細先端を有する遠位端を有し得る。一部の実施形態において、1つ以上のプローブは、冷却剤チャンバを提供され得る。プローブは、ハブ(例えば、図1に示されたハブ34)と一体をなして関連付けられ得、ハブは、電気的接続および/または冷却剤接続をプローブに提供する。さらに、または代替的に、プローブは、冷却剤流入ポートと冷却剤流出ポートとを含み、冷却剤チャンバへの冷却剤の流れ、および冷却剤チャンバからの冷却剤の流れを容易にし得る。冷却剤チャンバと冷却剤流入ポートと冷却剤流出ポートとの実施形態の例は、「COOLED DIELECTRICALLY BUFFERED MICROWAVE DIPOLE ANTENNA」と題される、2009年3月10日に出願の、同一人に譲渡された米国特許出願第12/401,268号と、「DEVICES AND METHODS FOR COOLING MICROWAVE ANTENNAS」と題される、米国特許第7,311,703号とに開示されている。
【0028】
図1に示された実施形態において、エネルギーアプリケータアレイ「E」は、3つのプローブ1、2、および3を含み、該プローブ1、2、および3は、異なる長さを有し、そして、互いに対して実質的に平行に配置されている。プローブ1、2、および3は、概して、放射セクション「R1」、「R2」、および「R3」をそれぞれ含み、そして、送電線(またはシャフト)1a、2a、および3aのそれぞれによって、電気外科電力発生源16、例えば、マイクロ波電気外科発電機またはRF電気外科発電機に作動可能に接続されている。伝送線10、11、および12は、給電線1a、2a、および3aをそれぞれ電気外科発生源16に電気的に結合するために提供され得る。先端部分1b、2b、および3bがそれぞれ、各プローブ1、2、および3の遠位端に配置され、先端部分1b、2b、および3bは、人体の臓器「OR」またはその他の体の組織に挿入されるように構成され得る。先端部分1b、2b、および3bは、最小の抵抗で組織の中に挿入することを可能にするために鋭利な先端で終端し得る。先端部分1b、2b、および3bは、例えば、丸い先端、平坦な先端、正方形の先端、六角形の先端、または円筒円錐形の先端などの他の形状を含み得る。エネルギーアプリケータアレイ「E」のプローブの形状、サイズ、および数は、図1に描かれた構成から変化され得る。
【0029】
本開示の実施形態にしたがった電気外科システム100は、ユーザインターフェース50を含み、ユーザインターフェース50は、表示デバイス21を含み得、表示デバイス21は、限定するものではないが、フラットパネルグラフィックLCD(液晶ディスプレー)などであり、表示ディスプレー21は、1つ以上のユーザインターフェース要素(例えば、図1に示された23、24、および25)を視覚的に表示するように適合されている。一実施形態において、表示デバイス21は、タッチスクリーン性能、例えば、スタイラスまたは指先と表示デバイス21の表示パネルを接触させることによって、例えば、表示デバイス21との直接的な物理的相互作用を介してユーザ入力を受信する能力を含む。ユーザインターフェース要素(例えば、図1に示された23、24、および/または25)は、対応するアクティブ領域を有することにより、ユーザインターフェース要素と関連付けられるアクティブ領域内の表示パネルに触れることによって、ユーザインターフェース要素と関連付けられる入力が、ユーザインターフェース50によって受信され得る。
【0030】
ユーザインターフェース50は、追加的に、または代替的に、1つ以上の制御装置22を含み得、限定するものではないが、1つ以上の制御装置22は、スイッチ(例えば、押しボタンスイッチ、トグルスイッチ、スライドスイッチ)および/または連続アクチュエータ(例えば、回転式電位差計もしくは線形電位差計、回転式符号器もしくは線形符号器)を含み得る。一実施形態において、制御装置22は、専用の機能、例えば、表示のコントラスト、電源のオン/オフなどを有する。制御装置22はまた、電気外科システム100の作動モードにしたがって変化し得る機能を有し得る。ユーザインターフェース要素(例えば、図1に示された23)は、制御装置22の機能を示すために提供され得る。制御装置22はまた、例えば、単一に彩色されるか、または変更可能に彩色されるLED(発光ダイオード)インジケータなどの照明されるインジケータのようなインジケータを含み得る。
【0031】
一部の実施形態において、電気外科電力発生源16は、約300MHzから約2500MHzまでの作動周波数でマイクロ波エネルギーを提供するように構成されている。電力発生源16は、様々な周波数の電磁エネルギーを提供するように構成され得る。他の実施形態において、電力発生源16は、約300MHzから約10GHzまでの作動周波数でマイクロ波エネルギーを提供するように構成されている。電力発生源16は、様々な周波数の電磁エネルギーを提供するように構成され得る。
【0032】
給電線1a、2a、および3aは、適切な可撓性、半剛性、または剛性のマイクロ波伝導ケーブルから形成され得、そして、電気外科電力発生源16に直接的に接続し得る。給電線1a、2a、および3aは、放射セクション「R1」、「R2」、および「R3」のそれぞれの近位端から伝送線10、11、および12のそれぞれの遠位端まで可変の長さを有し得、可変の長さは、約1インチから約12インチまでの長さの範囲である。給電線1a、2a、および3aは、ステンレス鋼で作られ得、ステンレス鋼は、概して、組織および/または皮膚を穿刺するために必要な強度を提供する。給電線1a、2a、および3aは、内側導体と、内側導体を同軸で囲んでいる誘電性材料と、誘電性材料を同軸で囲んでいる外側導体とを含み得る。放射セクション「R1」、「R2」、および「R3」は、給電線1a、2a、および3aのそれぞれの遠位から放射セクション「R1」、「R2」、および「R3」のそれぞれまで延びる内側導体の一部分から形成され得る。給電線1a、2a、および3aは、流体、例えば、食塩水、水、または他の適切な冷却剤流体によって冷却されることにより、電力の取り扱いを改善し得、そして、ステンレス鋼カテーテルを含み得る。伝送線10、11、および12は、追加的に、または代替的に、冷却剤源32からエネルギーアプリケータアレイ「E」に冷却剤流体を提供するように構成されたコンジット(図示せず)を提供し得る。
【0033】
図1に示されているように、電気外科システム100は、基準電極19(本明細書においては、「リターン」電極とも呼ばれる)を含み得る。リターン電極19は、伝送線20を介して電力発生源16に電気的に結合され得る。手順の間、リターン電極19は、患者の皮膚または臓器「OR」の表面と接触して配置され得る。外科医がエネルギーアプリケータアレイ「E」を作動させるとき、リターン電極19と伝送線20とは、電力発生源16からプローブ1、2、および3を通って流れる電流のためにリターン電流経路として働き得る。
【0034】
例えば、電気外科システム100を使用したマイクロ波切除の間、エネルギーアプリケータアレイ「E」は、組織の中に挿入されるか、または組織に隣接して配置され、マイクロ波エネルギーが、そこに供給される。超音波またはコンピュータ断層撮影(CT)誘導装置が、エネルギーアプリケータアレイ「E」を、処置される組織の範囲に正確に誘導するために使用され得る。プローブ1、2、および3は、例えば、外科手術のスタッフによって従来の外科手術を使用して、経皮的に、または外科的に配置され得る。臨床医は、マイクロ波エネルギーが印加される時間の長さを事前に決定し得る。印加の持続期間は、エネルギーアプリケータの設計、同時に使用されるエネルギーアプリケータの数、腫瘍のサイズおよび場所、ならびに腫瘍が続発性癌であるか、原発性癌であるかなどの様々な要因に依存し得る。エネルギーアプリケータアレイ「E」を使用したマイクロ波エネルギーの印加の期間は、破壊される組織範囲および/または周囲の組織の中での熱分布の進行に依存し得る。
【0035】
図1は、実線「T」によって断面図で表された、切除の標的とされた組織を含む標的とされた領域を示す。多量の強い熱の上昇で、標的とされた領域「T」を完全に包み込むことによって標的とされた領域を切除することが望ましいことがあり得る。標的とされた領域「T」は、例えば、医療画像化システム30によって検出された腫瘍であり得る。
【0036】
様々な実施形態にしたがった医療画像化システム30は、任意の適切な画像化方式のスキャナ(例えば、図1に示された15)、または画像を表示する入力画素データを生成することができる他の画像収集デバイス、例えば、デジタルカメラまたはデジタルビデオレコーダを含む。医療画像化システム30は、追加的に、または代替的に、入力画素データに基づいて画像の可視表示を形成するように作動可能である医療撮像装置を含み得る。医療画像化システム30は、内部メモリユニットなどのストレージデバイスを含み得、ストレージデバイスは、内部メモリカードおよびリムーバブルメモリを含み得る。一部の実施形態において、医療画像化システム30は、異なる方式を使用して走査することができる他方式画像化システムであり得る。適切に、そして、選択的に使用され得る画像化方式の例は、X線システム、超音波(UT)システム、磁気共鳴画像化(MRI)システム、コンピュータ断層撮影(CT)システム、単一光子放射型コンピュータ断層撮影(SPECT)、およびポジトロン断層撮影(PET)システムを含む。本開示の実施形態にしたがった、医療画像化システム30は、関心の解剖学的領域を表示するデジタルデータを生成することができる任意のデバイスを含み得る。医療画像化システム30は、第一方式データを得るための第一方式と、第二方式データを得るための第二方式とにおいて組織を走査することができる多方式画像化システムであり得、第一方式データおよび/または第二方式データは、組織温度情報を含む。1つ以上の画像化方式によって収集された組織温度情報が、任意の適切な方法によって決定され得、例えば、組織内の密度変化から計算され得る。
【0037】
1つ以上の画像を表示する画像データは、医療画像化システム30とプロセッサユニット26との間で通信され得る。医療画像化システム30とプロセッサユニット26とは、有線通信および/またはワイヤレス通信を利用し得る。プロセッサユニット26は、任意の種類の計算デバイスもしくは計算回路、または任意の種類のプロセッサもしくは処理回路を含み得、それらは、プロセッサユニット26と関連付けられるメモリ(図示せず)に格納された一連の命令を実行することができる。プロセッサユニット26は、オペレーティングシステムのプラットホームおよびアプリケーションプログラムを実行するように適合され得る。プロセッサユニット26は、キーボード(図示せず)、ポインティングデバイス27、例えば、マウス、ジョイスティック、もしくはトラックボール、および/またはプロセッサユニット26に通信するように結合された他のデバイスからユーザ入力を受信し得る。
【0038】
任意の適切な画像化方式のスキャナ(例えば、図1に示された15)は、さらに、または代替的に、臓器「OR」と接触して配置されることにより、画像データを提供し得る。実例となる例として、図1における2つの破線15Aが、例えば、実時間超音波スキャナなどのスキャナ15による検査のための領域の境界となる。
【0039】
図1において、標的とされた領域「T」を囲む破線8は、臓器「OR」を通る断面図における切除等温線を表す。このような切除等温線は、約50℃以上という達成可能な表面温度の切除等温線であり得る。破線8によって例示されたような、切除等温線の体積の形状およびサイズは、エネルギーアプリケータアレイ「E」の構成、放射セクション「R1」、「R2」、および「R3」の幾何形状、プローブ1、2、および3の冷却、切除時間およびワット数、ならびに組織の特性を含む様々な要因によって影響され得る。プロセッサユニット26は、プロセッサユニット26からの出力を表示するために1つ以上の表示デバイス(例えば、図1に示された21)に接続され得、1つ以上の表示デバイスは、例えば、切除手順などの手順の間、実時間またはほぼ実時間で、標的とされた領域「T」および/または切除等温線の体積8を視覚化するために、臨床医によって使用され得る。
【0040】
実施形態において、CTスキャン、超音波、またはMRI(または他の走査方式)から収集された、組織温度情報を含む実時間データおよび/またはほぼ実時間データは、プロセッサユニット26から1つ以上の表示デバイスに出力され得る。プロセッサユニット26は、組織温度情報を含む画像データを解析して、エネルギーアプリケータの周囲の比吸収率(SAR)を、画像データから得られた組織温度情報の関数として決定するように適合されている。患者から直接SARを取得することに対する考えられる利点は、アンテナまたは電極の局部的な範囲における任意の組織の不整合が、SARを使用して検出されることである。患者において使用されている電極またはアンテナからSARを計算することは、不均一な切除領域の始まりを検出することを可能にし得る。
【0041】
SAR計算は、式(2)を使用して行われ得、ここで、cは組織の比熱(ジュール/kg・℃の単位で)であり、Δtは、時間間隔(秒単位で)、そしてΔTは、時間間隔Δt内における、温度上昇(℃単位で)である。式(2)が、以下で再び述べられる。
【0042】
【数4】

この式は、以下のように書き直され得る。
【0043】
【数5】

本開示の実施形態にしたがって、プロセッサユニット26は、電気外科電力発生源と作動可能に関連付けられ、そして、エネルギーアプリケータの周囲の比吸収率に基づいて、電気外科電力発生源と関連付けられる1つ以上の作動パラメータを決定するように適合されている。実施形態において、潜在的に異常な状態の早期の検出、例えば、不均一な切除領域の始まりの検出に応答して、または他の状態の下で、(例えば、電極またはアンテナと作動可能に関連付けられる)電気外科電力発生源と関連付けられる1つ以上の作動パラメータが、SARに基づいて決定され得る。限定するものではないが、電気外科電力発生源と関連付けられる作動パラメータの例は、温度、インピーダンス、電力、電流、電圧、作動モード、および電磁エネルギーの印加の持続時間を含む。
【0044】
プロセッサユニット26は、処置手順の間、エネルギー送達デバイスの周囲の比吸収率に基づいて、エネルギー送達デバイスの長手方向軸の周りでのエネルギー送達デバイス(例えば、図22に示された500)の回転を制御するように適合され得る。一部の実施形態において、エネルギー送達デバイスは、指向性放射パターンを放出するように構成され、指向性放射パターンは、エネルギー送達デバイスの長手方向軸の周りでのエネルギー送達デバイスの回転の間、エネルギー送達デバイスと共に回転する。
【0045】
一部の実施形態において、患者の解剖学的構造が、腫瘍および周囲の正常な組織を視覚化するために、CT走査、MRI走査、超音波、PET走査などのようないくつかの走査方式のうちの1つ以上によって走査され得る。それによって、腫瘍の寸法が、決定され得、および/または重要な構造および外側の解剖学的構造に対する腫瘍の場所が、突き止められ得る。エネルギーアプリケータの最適な数とサイズとは、最小数の電極の挿入と、周囲の健康な組織に対する最小の損傷とで、切除等温線が、腫瘍を最適に取り囲み、殺し得るように選択され得る。
【0046】
電気外科システム100は、複数の熱プロファイルまたはオーバレイ202〜202を含むライブラリ200を含み得る。この記載において使用されるように、「ライブラリ」は、概して、任意の、保管場所、データバンク、データベース、キャッシュ、ストレージユニットなどを指す。オーバレイ202〜202のそれぞれは、特定のエネルギーアプリケータの設計、特定のエネルギーアプリケータアレイ、および/または露出時間に特徴的であり、および/または特異的である熱プロファイルを含み得る。オーバレイの実施形態の例は、「PORTABLE THERMALLY PROFILING PHANTOM AND METHOD OF USING THE SAME」と題される、2006年9月13日に出願された、同一人に譲渡された米国特許出願第11/520,171号と、「SYSTEM AND METHOD FOR THERMALLY PROFILING RADIOFREQUENCY ELECTRODES」と題された、2007年7月16日に出願された、米国特許出願第11/879,061号に開示されており、これらの開示は、本明細書においてその全体が参考として援用される。
【0047】
本開示の実施形態にしたがった、ライブラリ200は、データベース284を含み得、データベース284は、エネルギーアプリケータデータ、例えば、1つ以上のエネルギーアプリケータ(例えば、図1に示された1、2、および3)および/または1つ以上のエネルギーアプリケータアレイ(例えば、図1に示された「E」)と関連付けられるパラメータを格納および検索するように構成されている。エネルギーアプリケータまたはエネルギーアプリケータアレイと関連して、データベース284に格納されたパラメータは、エネルギーアプリケータ(またはエネルギーアプリケータアレイ)識別子、エネルギーアプリケータ(またはエネルギーアプリケータアレイ)の寸法、周波数、切除の長さ(例えば、放射セクションの長さと関連して)、切除の直径、時間係数(temporal coefficient)、形状の測定基準(metric)、および/または周波数の測定基準(metric)を含み得るが、それらには限定されない。一実施形態において、切除パターンのトポロジーは、データモデル284に含まれ得、例えば、エネルギーアプリケータアレイ(例えば、図1に示された25)のワイヤーフレームモデル、および/またはエネルギーアプリケータアレイと関連付けられる放射パターンの表示である。
【0048】
本開示の実施形態にしたがったライブラリ200は、例えば、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicineの頭字語である)でフォーマットされた医学画像を含む画像保存伝送システム(PACS)データベース(図1に58として概略的に示されている)と通信するように関連付けられ得る。PACSデータベース58は、組織温度情報を含む画像データを格納および検索するように構成され得る。図1に示されているように、プロセッサユニット26は、PACSデータベース58と通信するように関連付けられ得る。1つ以上の本開示の方法にしたがって、標的組織体積の事前の処置と関連付けられる画像データが、PACSデータベース58から検索され(例えば、図24に示されたステップ2445)、そして、SARが、組織温度情報の関数として、画像データから計算される(例えば、図24に示されたステップ2460)。
【0049】
ライブラリ200に格納され、および/またはPACSデータベース58から検索可能な画像および/または非図表データは、電気外科システム100を構成し、および/またはその作動を制御するために使用され得る。例えば、本開示の実施形態にしたがった、エネルギーアプリケータと関連付けられる熱プロファイリングデータは、機器および/または臨床医の動きを制御する、例えば、大きな血管、健常組織、または重要な膜障壁などの重要な構造を臨床医が切除することを回避することを可能にするために、フィードバックツールとして使用され得る。
【0050】
ライブラリ200に格納され、および/またはPACSデータベース58から検索可能な画像および/または非図表データは、例えば、切除手順などの手順の計画および効果的な実行を容易にするために使用され得る。本開示の実施形態にしたがった、エネルギーアプリケータと関連付けられる熱プロファイリングデータは、切除プロセスの前に、どのように切除が生じるかに関する予報的な表示として使用され得る。本開示の実施形態にしたがった、エネルギーアプリケータと関連付けられる熱プロファイリングデータは、エネルギーアプリケータの周囲の比吸収率(SAR)を決定するために使用され得る。エネルギーアプリケータに対するシミュレーションされた放射パターンは、エネルギーアプリケータの周囲のSARの関数として生成され得る。例えば、有限要素解析(FEA)環境において電界方程式と結合されたPennes’生体熱方程式は、概して、生物学的組織においてエネルギー堆積をモデリングするコンピュータシュミレーションのための主要な構造を提供する。有限要素解析(FEA)環境において電界方程式と結合されたPennes’生体熱方程式は、エネルギーアプリケータの周囲のSARの関数として、エネルギーアプリケータに対するシミュレーションされた放射パターンを生成するために使用され得ることが、想定され、また、本開示の範囲内である。例えば、画像、シミュレーションされた放射パターン(例えば、図20および図21のそれぞれに示された「P1」および「P2」)、および/またはユーザインターフェース50の表示デバイス21に表示された情報が、例えば、組織、腫瘍、およびがん細胞の切除などの組織の温熱処置の間に、さらに最適な結果をどのように達成するかをさらに良く視覚化し、理解するために、臨床医によって使用され得る。
【0051】
本開示にしたがった、エネルギー送達デバイスの比吸収率の測定および特徴付けに適したシステム(図9において900として概略的に示されている)の実施形態は、図2〜図4の試験設備アセンブリ300と、試験設備アセンブリ300の中に配置された感熱性の色変化媒体(例えば、図3および図4に示された331)とを含み、そして、感熱性媒体の周囲に配置されたヒドロゲル材料304を含み得る。試験設備アセンブリ300は、筐体302を含み、筐体302は、壁302aと、壁302aに画定されたポート303と、筐体302の内部領域(図2において301として概略的に示されている)に配置された、感熱性色変化媒体の少なくとも一部分を支持するように適合された支持部材325とを含む。感熱性色変化媒体は。感熱性の紙または感熱フィルムのシートまたは層であり得、単一層または複数層の構造であり得、そして、支持基板を含み得る。感熱性媒体の層は、異なる材料から構成され得る。
【0052】
筐体302は、多量の流体および/またはゲル材料304、例えば、導電性かつ熱伝導性ポリマー、ヒドロゲル、または導電性と熱伝導性とを有する他の適切な透明もしくは実質的に透明な媒体を含むように構成され得る。筐体302は、底部315と、底部315から上方に延びる壁302aとを含むことにより、内部領域または内部空間(例えば、図2に示された301)を画定する。筐体302は、任意の適切な材料、例えば、プラスチックまたは他の成形可能な材料から製造され得、そして、実質的に長方形または箱型の形状を有し得る。実施形態において、筐体302は、非導電性の材料、例えば、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル(PVC)などのプラスチックなどを含み得る。筐体302は、金属、プラスチック、セラミック、複合材、例えば、プラスチック−金属複合材もしくはセラミック−金属複合材、または他の材料から製造され得る。一部の実施形態において、筐体302は、熱伝導性の高い材料、例えばアルミニウムで形成される。筐体302の形状およびサイズは、図2〜図4に描かれた構成とは異なり得る。筐体302は、例えば、円形、卵形、腎臓形状、肝臓形状、または肺形状などの異なる解剖学的構造を有し得、これらの形状は、処置手順を実際に行う前に、患者に対する温熱処置の潜在的な効果を臨床医がより良く視覚化することを可能にし得る。
【0053】
本開示の実施形態にしたがった筐体302は、1つ以上のポート(例えば、図3に示された303)を含み、1つ以上のポートは、筐体302に画定され、そして、プローブ(図1、図4、図7、図8、および図9において1として概略的に示されている)の少なくとも遠位部分が、筐体302の内部領域に配置されることを可能にするように構成されている。ポートは、異なるサイズのプローブを収容するように構成され得る。
【0054】
図3に示されているように、固定具または取付具306が、ポート303に提供され得る。取付具306は、筐体302の壁302aを通って延びるように構成され得る。取付具306は、概して、通路(例えば、図2に示された308)を画定する管状部分(例えば、図3に示された307)を含み、通路は、その中を通るプローブ(例えば、図4に示された1)を選択的に受け取るように構成されている。実施形態において、例えば、プローブが取付具306から取り外されたときに、取付具306は、筐体302の中からのヒドロゲル304の漏れを防ぐように構成され得る。取付具306は、追加的に、または代替的に、プローブが、取付具306の中を通って挿入されたときに、プローブの周囲に実質的に流体密なシールを形成し得る。取付具306は、単一使用の取付具であり得る。取付具306は、各使用後、または数回の使用後に交換可能であり得る。取付具306は、ルアー型取付具、穿刺可能な膜ポート等を含み得るが、それらには限定されない。ガード306aが、取付具306の反対側に配置されることにより、取付具306の偶発的な接触または破壊を妨げ得る。本開示の実施形態にしたがった、試験設備アセンブリ300は、例えば、複数のプローブを収容するために、筐体302の中に画定された複数のポートを含み得る。試験設備アセンブリ300は、追加的に、または代替的に、複数の取付具306を含み得る。
【0055】
一部の実施形態において、試験設備アセンブリ300は、筐体302内に配置された接地リング310を含む。接地リング310は、任意の適切な導電性材料、例えばアルミニウムなどの金属を含み得る。熱プロファイリングシステム900の作動の間、接地リング310は、試験設備アセンブリ300と関連付けられるエネルギーアプリケータから電磁エネルギーを受け取り、および/または試験設備アセンブリ300と関連付けられるエネルギーアプリケータへ電磁エネルギーを送り得る。図2および図3に示されるように、接地リング310は、例えば、筐体302の内周の周りを実質的に延びるように、筐体302の形状を実質的に補完する形状を有し得る。接地接続312が、提供され得、接地接続312は、接地リング310と電気接続するように適合されている。図3および図4に示されているように、接地接続312は、筐体302の壁を通って延び得、そして、電気外科電力発生源(例えば、図9に示された16)に接地リング310を電気接続するために使用され得る。一部の実施形態において、接地リング310は、取り外し可能であり得る。接地リング310は、接地リング310の存在によって引き起こされ得るあらゆる反射エネルギーを減少させるために取り除かれ得、このことは、プローブの構成と作動パラメータとによって影響され得る。例えば、マイクロ波作動周波数が使用されるときに、接地リング310を取り除くことが望ましいことがあり得る。
【0056】
本開示の実施形態にしたがった試験設備アセンブリ300は、筐体302の壁302aの内側表面に配置され、そこから内方に延びている支持部材325を含み、そして、筐体の下側表面から筐体302の中へと上方に延びている少なくとも1つの支持ロッド322を含み得る。図6は、支持部材325の実施形態を示し、支持部材325は、棚部分320と、棚部分320の平坦な上表面「S」に画定された溝320aの形式の窪みと、棚部分320に結合された棚支持部材328とを含む。棚部分320と棚支持部材328とは、一体をなして形成され得る。図6に示されているように、チャネル328aが、棚支持部材328に画定され、そして、そこを通って延びている。一部の実施形態において、チャネル328aは、実質的に円筒形の形状を有し、溝320aは、実質的に半円筒形の形状を有し、そして、溝320aは、チャネル328aの下側半円筒形部分と実質的に整列され得る。
【0057】
図9は、本開示にしたがった熱プロファイリングシステム900の一実施形態を示し、熱プロファイル900は、図2〜図4の試験設備アセンブリ300と、画像化システム918とを含む。画像化システム918は、画像データを生成することができる画像収集ユニット912を含み、そして、画像収集ユニット912と通信する画像処理ユニット954を含み得る。画像収集ユニット912は、画像を表示する入力画素データを生成することができる任意の適切なデバイス、例えば、デジタルカメラまたはデジタルビデオレコーダを含み得る。画像は、例えば、5120本の走査線を有し、1走査線当たり4096画素を有し、そして、1画素当たり8ビットを有し得る。本明細書においてさらに詳細に記載されるように、適切な感熱性媒体331の少なくとも1つのシートまたは層が、筐体302の内部領域(図2において301として概略的に示された)の中に配置される。本開示の実施形態にしたがった画像収集ユニット912が、感熱性媒体331に形成された熱放射パターンの時系列画像データを捕捉するように構成され、そして、筐体302の内部領域の上に配置され得るか、または感熱性媒体331またはその一部分の画像の捕捉を容易にするように配置され得る。
【0058】
一部の実施形態において、感熱性媒体331は、液晶(LC)検温紙を含み得る。複数の感熱性媒体331のシートが、エネルギーアプリケータの特性、および/またはパラメータ、および/または電力発生源の設定にしたがって、シートの上に一組の熱プロファイルを生成するために提供され得る。感熱性媒体331のシートの形状、サイズ、および数は、図3および図4に描かれた構成とは異なり得る。一部の実施形態において、感熱性媒体331は、選択された筐体(例えば、図2〜図4に示された302)の形状に適合する形状を有し得、および/または感熱性媒体331は、その周りを、加熱された媒体、例えば、ヒドロゲルが循環するのを可能にするような形状にされ得る。
【0059】
熱プロファイリングシステム900は、電気外科電力発生源16を含み得る。図9に示されているように、試験設備アセンブリ300と関連付けられるエネルギーアプリケータ1の給電線1aは、電気外科電力発生源16のアクティブポートまたはアクティブ端子に電気結合され得、そして、試験設備アセンブリ300の接地接続321は、電気外科電力発生源16のリターンポートまたはリターン端子に電気結合され得る。
【0060】
本開示の実施形態にしたがった熱プロファイリングシステム900は、熱制御ユニット(図示せず)を含み得、熱制御ユニットは、ヒドロゲル304の温度を検出し、所定の温度または所定の温度範囲にヒドロゲル304を維持することができる。本開示の実施形態にしたがって、ヒドロゲル304の周囲の温度と感熱性媒体331の閾値温度との間の差が、比較的に小さくなるように、例えば、断熱条件に近いことを可能にするように設計される。例えば、熱プロファイリングシステム900は、約34.5度の温度でヒドロゲル304を維持するように構成され得、そして、感熱性媒体331は、約35.0度の閾値温度を有するように選択され得る。
【0061】
本開示の実施形態による感熱性媒体331は、感熱性媒体331に空隙を規定する切り抜き部分(例えば、図5に示される332)を備える。この切り抜き部分は、エネルギーアプリケータの輪郭に実質的に一致するように構成され得、そしてこのエネルギーアプリケータと感熱性媒体331との間に、この切り抜き部分の縁部において間隙(例えば、図7に示される「G」)を提供するように構成され得る。感熱性媒体331は、任意の適切な感熱性を有し得る。いくつかの実施形態において、感熱性媒体331は、約1℃の感熱性を有する。感熱性媒体331またはその一部分は、支持部材325の少なくとも一部分を覆って配置され得る。さらに、または代替的に、感熱性媒体331の少なくとも一部分は、1つ以上の支持ロッド322を覆って配置され得る。
【0062】
いくつかの実施形態において、感熱性媒体331の少なくとも一部分は、棚部分320を覆って配置され、そして切り抜き部分332の長手方向軸(例えば、図5に示される「A−A」)を棚支持部材328の溝328aの中心長手方向軸(例えば、図6に示される「A−A」)と実質的に整列させるように配置される。いくつかの実施形態において、切り抜き部分332の長手方向軸(例えば、図5に示される「A−A」)は、溝328aの中心長手方向軸(例えば、図6に示される「A−A」)に対して平行に配置される。図3および図9に協同して示されるように、取付具306が、筐体302の壁302aに規定されたポート303に提供され得、ここで取付具306の管状部分307は、ポート303を通って支持部材325の溝328a内へと延びるように構成され得る。ポート303および溝328aの中に配置された管状部分307は、感熱性媒体331の切り抜き部分332に対するエネルギーアプリケータ(例えば、図4および図9に示される1)の整列を維持することを補助し得る。取付具306は、管状部分307と実質的に同軸に整列するスリーブ部材(例えば、図4に示される308a)を備え得、例えば、内部に配置されるエネルギーアプリケータ部分の周りに弾力性圧縮シールを提供する。このスリーブ部材は、柔軟な材料(例えば、シリコーンゴム、天然ゴムもしくは合成ゴム、または他の適切な弾力性圧縮性材料)から形成され得る。
【0063】
いくつかの実施形態において、棚部分320および1つ以上の支持ロッド322は、感熱性媒体331を筐体302内で支持するように機能する。棚部分320および支持ロッド322は、本開示の実施形態によれば、感熱性媒体331が筐体302の底部315の外装表面に対して実質的に平行な面(例えば、図5に示される「P」)内に維持されるように、感熱性媒体331を支持するように構成され得る。棚部分320および支持ロッド322は、さらに、または代替的に、感熱性媒体331が棚部分320の面に対して実質的に平行な面内に維持されるように、感熱性媒体331を支持するように構成され得る。棚部分320および支持ロッド322は、さらに、または代替的に、切り抜き部分332の長手方向軸(例えば、図5に示される「A−A」)が、関連するエネルギーアプリケータ(例えば、図8に示される1)の中心長手方向軸(例えば、図8に示される「A−A」)と実質的に整列するように、感熱性媒体331を支持するように構成され得る。
【0064】
熱プロファイリングシステム900は、本開示の実施形態によれば、筐体302の内部領域への視野を提供するための透明筐体部分(例えば、図4に示される「W」)を備え、そして筐体302の上に選択的に重なるように構成されたカバー340を備え得る。カバー340またはその一部分は、任意の適切な透明材料または実質的に透明な材料(例えば、ガラス、光学的に透明な熱可塑性物質(例えば、ポリアクリルガラスまたはポリカーボネートガラス))から製造され得る。いくつかの実施形態において、筐体302は、上縁部(例えば、図2に示される339)を備え、この上縁部は、任意の適切な形状をとり得る。カバー340は、任意の適切な固定要素(例えば、ねじ、ボルト、ピン、クリップ、クランプ、および蝶番)によって、筐体302の上縁部に取り外し可能に固定可能であり得る。
【0065】
図9に示されるように、熱プロファイリングシステム900は、電気外科電力発生源916および筐体302に作動可能に関連する画像化システム918を備え、そして電気外科電力発生源916に電気的に結合された表示デバイス21を備え得る。例えば、画像化システム918は、感熱性媒体331において起こる視覚的変化ならびに/あるいは電気外科電力発生源916のパラメータおよび/または設定(例えば、電力設定、時間設定、波設定、デューティサイクル設定、エネルギーアプリケータ1の構成など)を記録するための、画像収集ユニット912を備え得る。画像化システム918は、PACSデータベース(例えば、図1に示される58)と通信可能に結合され得る。画像化システム918はまた、画像処理ユニット954を備え得、これに、携帯格納媒体958が電気的に接続され得る。携帯格納媒体958は、とりわけ、DICOM形式の画像データをPACSデータベース(例えば、図1に示される58)に伝送することを可能にし得る。図9に示されるように、画像処理ユニット954は、画像収集ユニット912と電力発生源916との間に電気的に接続され、そして表示デバイス21に電気的に接続され得る。
【0066】
本明細書中以下で、本開示に従う熱ファントムおよび画像解析を使用して、比吸収率を測定し、そしてエネルギーアプリケータを特徴付ける方法が、図1〜図9を参照しながら記載される。図2〜図4の試験設備アセンブリ300が提供され、そしてヒドロゲル材料304が、試験設備アセンブリ300の筐体302の内部領域301に導入される。切り抜き部分332を備える感熱性媒体331が、ヒドロゲル304を収容する筐体302に、例えば、感熱性媒体331の色が変わる面がカバー340に面するような様式で、すなわち、底部315の逆を向くような様式で入れられる。感熱性媒体331は、感熱性媒体331の少なくとも一部分が支持部材325の棚部分320上に位置するように、そして/または感熱性媒体331の少なくとも一部分が支持ロッド322上に位置するように、筐体302内に配置され得る。1つの実施形態において、ねじなどのファスナーが、感熱性媒体331を棚部分320および/または支持ロッド322に固定するために使用され得る。感熱性媒体331が筐体302内のヒドロゲル304に沈められた状態で、カバー340が筐体302に固定され得、例えば、感熱性媒体331を筐体302内に実質的に閉じ込める。
【0067】
選択されたエネルギーアプリケータ(例えば、図1、4および9に示される1)が、遠位先端部分(例えば、図1に示される1b)をポート303内に配置された取付具306に入れ、そしてこの取付具に通してエネルギーアプリケータを、このエネルギーアプリケータの放射セクションの少なくとも一部分が感熱性媒体331の切り抜き部分332に位置するまで進めることによって、ポート303を通して筐体302に導入される。図7に示されるように、切り抜き部分332内に配置されたエネルギーアプリケータ1は、感熱性媒体331から距離または間隙「G」の間隔を空け得る。間隙「G」は、感熱性媒体331とエネルギーアプリケータ1とを接触させることなく、達成され得る限り狭い距離であるように構成され得る。いくつかの実施形態において、間隙「G」は、約1ミリメートルであり得る。図7に示されるように、間隙「G」の幅は、エネルギーアプリケータ1の全外周の周囲と実質的に同じであり得、例えば、画像処理および解析段階における誤差を最小にする。
【0068】
エネルギーアプリケータ1は、電気外科電力発生源916のアクティブポートまたは端子に電気的に接続され、そして試験設備アセンブリ300の接地接続312は、電力発生源916のリターンポートまたは端子に電気的に接続される。試験設備アセンブリ300は、本開示の実施形態によれば、試験設備アセンブリ300内に配置されたエネルギーアプリケータ1の少なくとも遠位部分の位置を、エネルギーアプリケータ1の中心長手方向軸(例えば、図8に示される「A−A」)が感熱性媒体331を含む面(例えば、図5に示される「P」)に対して実質的に平行であるように維持するように適合される。
【0069】
いくつかの実施形態において、電力発生源916は、所定の設定に構成または設定される。例えば、電力発生源916は、所定の温度(例えば、疼痛の処置のために使用され得る温度(例えば、約42℃または約80℃))、所定の波形、所定のデューティサイクル、活性化の所定の期間または持続時間などに設定され得る。
【0070】
エネルギーアプリケータ1が試験設備アセンブリ300内に配置される場合、画像化システム918は活性化されて、感熱性媒体331の任意の視覚的変化、電力発生源916の設定および/またはパラメータ、ならびにエネルギーアプリケータ1の構成を記録し得る。
【0071】
本開示の1つの実施形態によれば、電気外科電力発生源916の活性化の前に、筐体302内のヒドロゲル304の温度は、約37℃の温度に安定化される。電力発生源916が活性化される場合、エネルギーアプリケータ1の放射セクション(例えば、図4に示される「R1」)と接地リング310との間で通信される電磁エネルギーは、感熱性媒体331に作用して、この感熱性媒体上に熱画像(例えば、図10に示される「S1」)を作成させる。
【0072】
この方法は、画像化システム918を作動させて時系列の熱画像(例えば、それぞれ図10、12および14に示される「S1」、「S2」および「S3」)を捕捉する工程をさらに包含し得る。例えば、感熱性媒体331上に作成された温度勾配または「ハロー(halo)」は、画像化システム918の画像収集ユニット912により捕捉され得、そしてこの画像化システムと通信可能に結合された画像処理ユニット954または携帯格納媒体958に電子的に格納され得る。エネルギーアプリケータ1から放出される電磁放射線により生成する熱は、感熱性媒体331に影響を与えるので、温度勾配または「ハロー」(例えば、有色のリングまたはバンド)は、比較的高温の領域および比較的低温の領域を示す。使用される特定の感熱性媒体331は、ある範囲の温度ではなく、目的の1つの温度のみを示すように選択され得ることが想定される。
【0073】
さらに、画像化システム918は、感熱性媒体331上における画像の作成に関連する、電気外科電力発生源916の設定および/またはパラメータ(例えば、温度、インピーダンス、電力、電流、電圧、作動モード、電磁エネルギーの印加の持続時間など)を記録および格納し得る。
【0074】
感熱性媒体331上に作成された画像の収集後、電力発生源916が脱活性化され得、そしてエネルギーアプリケータ1が筐体302から引き抜かれ得る。使用済みの感熱性媒体331は、筐体302から取り出され得、そして新たな未使用の感熱性媒体331と交換され得る。上記方法は、電力発生源916についての設定および/またはパラメータの同じセットまたは異なるセットについて、ならびに/あるいはエネルギーアプリケータ1の同じ構成または異なる構成について、繰り返され得る。
【0075】
熱プロファイリングシステム900は、任意の適切な低温エネルギーシステムおよび/または切除エネルギーシステム(例えば、切除エネルギーを送達するためにマイクロ波アンテナを使用するマイクロ波エネルギーシステムが挙げられる)と組み合わせて使用され得る。上記熱プロファイリングシステム900は、1つのエネルギーアプリケータ1の特徴付けに関連して具体的に記載された。しかし、試験設備アセンブリ300は、上記方法に従って、複数(例えば、2つ以上)のエネルギーアプリケータを受容するように構成され、そしてその画像および/またはデータが収集されるように構成されることが想定され、そして本開示の範囲内である。
【0076】
熱プロファイリングシステム900の使用中に、画像化システム918の画像収集ユニット912は、感熱性媒体331の一連の画像を獲得し、この感熱性媒体上に形成された色バンドが、エネルギーアプリケータ1の周囲に配置される。画像収集ユニット912は、画像収集前の様々な時間遅延を有する一連の画像を獲得し得る。いくつかの実施形態において、画像収集ユニット912は、時系列の画像を獲得し、この場合、この一連の画像は、時間に沿って、均一な時間間隔で記録される。
【0077】
図10、図12および図14は、熱プロファイリングシステム900の使用中にtがt1、t2およびt3に等しい時点で感熱性媒体331上に形成された、熱放射パターンそれぞれ「S1」、「S2」および「S3」の概略的に図示された表現とともに、感熱性媒体331の切り抜き部分332内に配置されたエネルギーアプリケータ1を示す。図10、図12および図14において、複数の色バンド(本明細書中で温度バンドともまた称される)が、エネルギーアプリケータ1の周囲に示されている。感熱性媒体331上の温度バンドの形状、サイズおよび数は、図10、図12および図14に図示される構成から変わり得る。
【0078】
画像化システム918は、種々の実施形態によれば、画像収集ユニット912と通信する画像処理ユニット954を備える。画像収集ユニット912により収集された時系列の画像データ(またはMRIなどの他の画像化方式からの画像データ)は、画像処理ユニット954のメモリ(図示せず)に入力されて格納され得る。本開示の実施形態によれば、1つ以上の温度バンド(例えば、図14に示される「B1」、「B2」、「B3」および/または「B4」)は、ユーザにより手動で(例えば、ポインティングデバイス(例えば、図1に示される27)および/または表示デバイスのタッチスクリーン能力(例えば、図1に示される21)を使用して、あるいは自動的に(例えば、画像処理ユニット954によって)のいずれかで、画像を処理してエネルギーアプリケータ1を特徴付ける際に使用するためのデータを生成するために、選択され得る。
【0079】
本開示の実施形態による方法は、強度値が所定の閾値より高い全ての画素をフォアグラウンド値に設定し、そして残りの全ての画素をバックグラウンド値に設定することによって、画像データを閾値化してセグメント化する工程を包含する。
【0080】
図11、図13および図15は、tがそれぞれt1、t2およびt3に等しい時点での選択された温度バンド「B2」を示す、図10、図12および図14の感熱性媒体の一部分の、それぞれの閾値化されたパターンの画像「T1」、「T2」および「T3」を示す。
【0081】
本開示の実施形態による方法は、内側境界(例えば、図16Bおよび図17Bに示される「IB」)および/または外側境界(例えば、図16Bおよび図17Bに示される「OB」)により囲まれた選択された温度バンド(例えば、図16Aおよび図17Aに示される「B」)の閾値化されたパターンの画像に基づいて、画像データを生成する工程を包含する。
【0082】
図16Aは、tがtに等しい時点での選択された温度バンド「B」を示し、そして図17Bは、tがtn+1に等しい時点での温度バンド「B」を示す。図16Bおよび図17Bに図式的に示されるように、時系列画像データの閾値化は、この時系列画像データの各画像データにおいて、選択された色バンドの内側境界および外側境界を検出するために使用され得る。
【0083】
温度バンド(例えば、図16Bおよび図17Bの「B」)の境界上にある2つの点間の位置関係の例が、図18および図19に示される。説明の目的で、tがtに等しい時点(図18において実線の曲線で示され、そして図19において破線の曲線で示される)、およびtがtn+1に等しい時点(図19において実線の曲線で示される)での、温度バンドの内側境界「L1」および外側境界「L2」が、等しい目盛単位「D」を有する座標格子上にプロットされている。簡潔にするために、単位「D」は、説明の目的で、切り抜き部分の幅と等しくされ得る。他の空間データまたは特徴(例えば、格子線もしくは印、または画像収集前に感熱性媒体上に置かれる物体、またはエネルギーアプリケータの直径)が、測定目盛を確立するために使用され得ることが想定される。
【0084】
図18および図19において、点「P1」および「P2」の各々は、1つの画素に対応しても、一群の画素に対応してもよい。図18を参照すると、tがtに等しい時点で、内側境界「L1」上の点「P1」は、切り抜き部分の縁点から長さ「J」だけ間隔を空けており、そして外側境界「L2」上の点「P2」は、切り抜き部分の縁点から長さ「K」だけ間隔を空けている。この例において、長さ「J」は、単位「D」の2倍に等しい。ここで図19を参照すると、tがtn+1に等しい時点で、内側境界「L1」上の点「P1」は、切り抜き部分の縁点から長さ「L」だけ間隔を空けており、そして外側境界「L2」上の点「P2」は、切り抜き部分の縁点から長さ「M」だけ間隔を空けている。この例において、長さ「L」は、単位「D」の2.5倍に等しい。この例において、tに等しい時刻tからtn+1に等しい時刻tまでで、この温度バンドの内側境界「L1」上の点「P1」は、この座標格子上の第一の位置から第二の位置まで、単位「D」の半分に等しい距離だけ移動することが、この座標格子から計算され得る。本開示の1つの実施形態によれば、この温度バンドの内側境界「L1」上の点「P1」の位置変化の決定は、比吸収率を計算する際に使用するための温度差の値ΔTを提供する。tに等しい時刻tからtn+1に等しい時刻tまでの時間の差は、画像収集デバイス(例えば、図9に示される912)のフレーム速度により設定され得る。
【0085】
比吸収率(SAR)は、以下の式
【0086】
【数6】

により計算され得、この式において、cρは、ヒドロゲル304の比熱(ジュール/kg・℃の単位)であり、ΔTは、温度差(℃)であり、そしてΔtは、フレーム速度またはその分数もしくは倍数に従う、秒の単位での期間である。
【0087】
図22は、指向性放射パターンを有する電気外科デバイス500を備える、本開示の1つの実施形態による電気外科システム700を示す。電気外科デバイス500は、伝送ライン15を介してコネクタ17に結合され、この伝送ラインはさらに、電気外科デバイス500を電気外科電力発生源28(例えば、マイクロ波電気外科発電機またはRF電気外科発電機)に接続し得る。電気外科デバイス500は、チャンバを囲む本体壁を規定する細長本体部材を備え、このチャンバは、エネルギーアプリケータの少なくとも一部分を内部に受容するように構成される。この本体壁は、少なくとも1つの開口部440を有して、このエネルギーアプリケータから放射された電磁エネルギーが、組織の標的体積内に移動することを可能にする。いくつかの実施形態において、開口部440は、横型放射パターン(例えば、図24および図25に示される非限定的な例である指向性放射パターン)でエネルギーを放射するように構成される。
【0088】
手順(例えば、切除手順)中、電気外科システム700の電気外科デバイス500は、組織「T」に挿入されるか、または組織「T」に隣接して配置され、そしてこの組織にエネルギーが供給される。電気外科デバイス500は、軸「A−A」の周りで(双方向矢印により示されるように)選択的に回転させられ得、その結果、この電気外科デバイスと一緒に指向性放射パターンが回転する。ある実施形態において、電気外科デバイス500は、軸「A−A」の周りで、ユーザにより手動でか、または自動的に、選択的に回転させられ得る。アクチュエータ95が、電気外科デバイス500の回転を自動プロセスにおいて制御するために、電気外科デバイス500に作動可能に結合され得る。アクチュエータ95は、電気外科電力発生源28および/またはユーザインターフェース(例えば、図1に示される50)に作動可能に結合され得る。
【0089】
ある実施形態において、エネルギーアプリケータの位置は、計算された比吸収率に基づいて調節され得る。例えば、指向性放射パターンを有するエネルギーアプリケータ(例えば、電気外科デバイス500)は、計算された比吸収率に基づいて、例えば、感受性構造体(例えば、大きい脈管、健常な器官または重要な膜障壁)を切除することを回避するために、手動でかまたは自動的にかのいずれかで回転させられ得る。任意の細長放射ローブが一緒に回転するように回転可能であるアンテナアセンブリの例は、同一人に譲渡された米国特許出願番号12/197,405(2008年8月25日出願、発明の名称「MICROWAVE ANTENNA ASSEMBLY HAVING A DIELECTRIC BODY PORTION WITH RADIAL PARTITIONS OF DIELECTRIC MATERIAL」)、米国特許出願番号12/535,856(2009年8月5日出願、発明の名称「DIRECTIVE WINDOW ABLATION ANTENNA WITH DIELECTRIC LOADING」)、および米国特許出願番号12/476,960(2009年6月2日出願、発明の名称「ELECTROSURGICAL DEVICES WITH DIRECTIONAL RADIATION PATTERN」)に開示されており、これらの開示は、その全体が本明細書中に参考として援用される。
【0090】
図23は、電気外科デバイス800を示し、この電気外科デバイスは、電気外科デバイス800の近位端の指標整列印810および指標目盛印880以外は、図22の電気外科デバイス500と類似である。指標整列印810および/または指標目盛印880は、電気外科デバイス800の細長本体部材に載せられ得るか、またはこの細長本体部材に刻まれ得る。いくつかの実施形態において、電気外科デバイス800は、直線測定の単位を規定する複数の指標目盛印880を備え、これらは、細長本体部材の周りで実質的に周囲に刻まれ得る。指標目盛印880は、組織「T」の表面に対する開口部440の相対位置を示すために使用され得る。いくつかの実施形態において、指標目盛印880は、組織「T」の表面に対する開口部440の遠位端の位置を示すために使用され得る。指標目盛印880は、任意の標準的な長さの尺度(例えば、インチまたはセンチメートル)を使用して、増分パターンを形成するように配置され得る。
【0091】
いくつかの実施形態において、電気外科デバイス800は、指標整列印810(例えば、有色ストライプ)を備え、この指標整列印は、細長本体部材の近位端に沿って容易に見ることができる。指標整列印810は、整列印810の長手方向軸が開口部440の長手方向軸と実質的に整列して、エネルギーの流れ方向の配向を指標整列印810と一致させることを外科医に視覚的合図を提供するように、細長本体部材上に配置される。図23に示されるように、指標目盛印880のうちの1つ以上は、指標整列印810と重なり得る。数字の印(図示せず)が、指標目盛印880と関連し得る。指標整列印810および指標目盛印880の形状およびサイズは、図23に図示される構成から変わり得る。
【0092】
図24および図25は、指向性放射パターンを示すシミュレーション結果の概略的に図示された表現である。図示される結果は、電気外科デバイス600のモデル化された作動が指向性放射パターンで作動するように構成されているシミュレーションに基づく。図24および図25に示される電気外科デバイス600は、図22の電気外科デバイス500と類似であるので、そのさらなる説明は、簡潔にするために省略される。
【0093】
上記システムおよび方法は、熱ファントムの画像解析に関連するデータを、SAR(例えば、エネルギーアプリケータにより放出される放射パターンを予測するために使用される)の計算のために使用して、手順(例えば、切除手順)の計画および効果的な実施を容易にすることを包含し得る。
【0094】
上記システムおよび方法は、組織温度情報を含む画像データを使用して、SARを、手順中の組織温度情報(例えば、電気外科電力発生源に関連する1つ以上の作動パラメータを決定するために使用される)の関数として計算することを包含し得る。上記のように、組織温度情報を含む画像データ(例えば、1つ以上の画像化方式により収集される)は、DICOM形式でPACSデータベースに格納され得、そしてこの格納された画像データは、手順前および/または手順中に、例えば、手順中のSARを計算する際に使用するために、このPACSデータベースから検索され得る。電気外科電力発生源に関連する1つ以上の作動パラメータは、手順(例えば、切除手順)中に1つ以上の画像化方式から収集された、リアルタイム(またはほぼリアルタイム)の組織温度データを使用して、決定され得る。
【0095】
上記のように、組織温度情報を含む画像データは、手順中に(例えば、手順中のSARを計算する際に使用するために)1つ以上の画像化方式から受信され得る。SARを患者から直接測定することの可能な利点は、アンテナまたは電極の局所領域における任意の組織の不一致が、このSARを使用して検出されることである。患者において使用されている際に電極またはアンテナからSARを計算することにより、不均一な切除領域の開始を検出することが可能であり得る。
【0096】
SARの計算は、式(2)を使用して実施され得る。この式において、cは、組織の比熱(ジュール/kg・℃の単位)であり、Δtは、時間間隔(秒の単位)であり、そしてΔTは、時間間隔Δtにおける温度上昇(℃の単位)である。式(2)を、以下に再度記載する。
【0097】
【数7】

この式は、
【0098】
【数8】

と書き直され得る。
【0099】
本開示の電気外科システムの種々の実施形態によれば、エネルギー適用の周囲のSARは、上記方法により決定される場合、エネルギーアプリケータにより放出される放射パターンを予測するため、および/または電気外科デバイスの位置を制御するため(例えば、指向性放射パターンと一緒にエネルギーアプリケータを回転させて、感受性構造体(例えば、大きい脈管)、健常組織もしくは重要な膜障壁)を回避するため)、および/またはエネルギーアプリケータに作動可能に関連する電気外科電力発生源を制御するために、使用され得る。
【0100】
複数の実施形態が、図示および説明の目的で、添付の図面を参照しながら詳細に記載されたが、本発明のプロセスおよび装置は、これらの実施形態により限定されると解釈されるべきではないことが理解されるべきである。上記実施形態に対する種々の改変が、本開示の範囲から逸脱することなくなされ得ることが、当業者に明らかである。
【符号の説明】
【0101】
16 電気外科電力発生源
21 表示デバイス
26 プロセッサユニット
30 医療画像化システム
50 ユーザインターフェース
100 電気外科システム
200 ライブラリ
331 感熱性媒体
500 エネルギー送達デバイス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気外科電力発生源;
該電気外科電力発生源と作動可能に関連するエネルギー送達デバイス;
プロセッサユニット;および
組織温度情報を含む画像データを生成し得る画像化システム、
を備え、該プロセッサユニットが、該画像化システムと作動可能に通信して配置されており、そして該画像データを解析して、該エネルギー送達デバイスの周囲の比吸収率を、該画像データから得られた該組織温度情報の関数として決定するように適合されている、電気外科システム。
【請求項2】
前記画像化システムが、組織を第一方式で走査して組織温度情報を含む第一方式データを得ることができる多方式画像化システムである、請求項1に記載の電気外科システム。
【請求項3】
前記第一方式が、X線システム、超音波(UT)システム、磁気共鳴画像化(MRI)システム、コンピュータ断層撮影(CT)システム、単一光子放射型コンピュータ断層撮影(SPECT)、およびポジトロン断層撮影(PET)システムからなる群より選択される、請求項2に記載の電気外科システム。
【請求項4】
前記エネルギー送達デバイスが、指向性放射パターンを放出するように構成されており、該指向性放射パターンは、該エネルギー送達デバイスの長手方向軸の周りでの回転中に、該エネルギー送達デバイスと一緒に回転する、請求項1に記載の電気外科システム。
【請求項5】
前記プロセッサユニットが、処置手順中に前記エネルギー送達デバイスの周囲で決定された比吸収率に基づいて、該エネルギー送達デバイスの長手方向軸の周りでの回転を制御するようにさらに適合されている、請求項1に記載の電気外科システム。
【請求項6】
前記プロセッサユニットが、前記エネルギー送達デバイスについてのシミュレーションされた放射パターンを、該エネルギー送達デバイスの周囲で決定された比吸収率の関数として生成するようにさらに適合されている、請求項1に記載の電気外科システム。
【請求項7】
前記プロセッサユニットと作動可能に関連するユーザインターフェースをさらに備える、請求項6に記載の電気外科システム。
【請求項8】
前記ユーザインターフェースが、表示デバイスを備え、該表示デバイスは、前記シミュレーションされた放射パターンを表示して、ユーザが処置手順中の患者に対する温熱処置の効果を可視化することを可能にし得る、請求項7に記載の電気外科システム。
【請求項9】
前記プロセッサユニットが前記電気外科電力発生源と作動可能に関連している、請求項1に記載の電気外科システム。
【請求項10】
前記プロセッサユニットが、前記エネルギー送達デバイスの周囲で決定された比吸収率に基づいて、前記電気外科電力発生源に関連する少なくとも1つの作動パラメータを決定するようにさらに適合されている、請求項1に記載の電気外科システム。
【請求項11】
前記電気外科電力発生源に関連する前記少なくとも1つの作動パラメータが、温度、インピーダンス、電力、電流、電圧、作動モード、および電磁エネルギーの印加の持続時間からなる群より選択される、請求項10に記載の電気外科システム。
【請求項12】
電気外科電力発生源;
該電気外科電力発生源と作動可能に関連するエネルギー送達デバイス;
プロセッサユニット;
該エネルギー送達デバイスに関連する熱プロフィールデータを含むライブラリユニット;および
該プロセッサユニットと作動可能に関連するユーザインターフェース、
を備え、該プロセッサユニットが、該ライブラリユニットと通信して関連しており、そして該熱プロフィールデータを解析して、該エネルギー送達デバイスの周囲の比吸収率を、該熱プロフィールデータの関数として決定するように適合されている、電気外科システム。
【請求項13】
前記熱プロフィールデータが、前記エネルギー送達デバイスに関連する画像データを含む、請求項12に記載の電気外科システム。
【請求項14】
前記ライブラリユニットが、画像保存伝送システム(PACS)と通信して関連している、請求項12に記載の電気外科システム。
【請求項15】
前記プロセッサユニットが、PACSと通信して関連している、請求項12に記載の電気外科システム。
【請求項16】
前記プロセッサユニットが、前記エネルギー送達デバイスについてのシミュレーションされた放射パターンを、該エネルギー送達デバイスの周囲で決定された比吸収率の関数として生成するようにさらに適合されている、請求項12に記載の電気外科システム。
【請求項17】
前記ユーザインターフェースが、表示デバイスを備え、該表示デバイスは、前記シミュレーションされた放射パターンを表示して、ユーザが処置手順を実施する前に患者に対する温熱処置の潜在的効果を可視化することを可能にし得る、請求項16に記載の電気外科システム。
【請求項18】
前記プロセッサユニットが前記電気外科電力発生源と作動可能に関連している、請求項12に記載の電気外科システム。
【請求項19】
前記プロセッサユニットが、前記電気外科電力発生源に関連する少なくとも1つの作動パラメータを、該エネルギー送達デバイスの周囲で決定された比吸収率に基づいて決定するようにさらに適合されている、請求項18に記載の電気外科システム。
【請求項20】
前記電気外科電力発生源に関連する前記少なくとも1つの作動パラメータが、温度、インピーダンス、電力、電流、電圧、作動モード、および電磁エネルギーの印加の持続時間からなる群より選択される、請求項19に記載の電気外科システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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