説明

画像記録システム

【課題】複数の検査手段を設けることなく、固定画像部分と可変画像部分とをともに高精度かつ迅速に検査することのできる画像記録システムを提供する。
【解決手段】記録用画像データを記録用固定データと記録用可変データとに分離して画像記録装置3に送信し、検査用画像データを検査用固定データと、検査用可変データとに分離して画像検査装置5に送信する画像供給装置1と、少なくとも1ページ分の記録用固定データを保持する固定データメモリ32と、少なくとも1ページ分の記録用可変データを保持する可変データメモリ33とを備え、記録用固定データと、記録用可変データとを合成して記録媒体に記録を行う画像記録装置3と、少なくとも1ページ分の検査用固定データを保持する固定データメモリ52と、少なくとも1ページ分の検査用可変データを保持する可変データメモリ53とを備え、記録画像の検査を行う画像検査装置5とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像記録システムに関するものであって、特に記録媒体上に順次、固定画像と可変画像を含む画像を記録するとともに、記録した画像をセンサ等で読み取って検査を行う画像記録システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像記録システムにおいては、画像記録装置によって記録媒体に画像を記録した後、その記録画像に記録不良等の不備がないかを検査することが行われている。
そして、複数ページを連続的に記録する場合等には、各ページに共通する画像である固定画像と、各ページごとに変化する画像である可変画像とが混在しているものがあり、このような固定画像と可変画像とが混在した画像について適切に検査を行うための手法が求められている。
【0003】
この点、例えば、固定画像と可変画像とが混在した画像を記録し、これについて事後的に検査を行う場合に、画像データのうち可変画像部分については除外して固定画像部分のみについて検査を行うものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
しかし、固定画像部分のみならず、通し番号やページ番号等の可変画像部分についても適切に検査ができなければ記録画像の品質を保持することができない。
この点、特許文献1に記載の手法では、可変画像部分については検査を行うことができず、記録画像を高品質に保つことができない。
【0005】
そこで、固定画像部分と可変画像部分とを区別せずに検査を行い、記録画像にインク垂れやインク抜けがないかを検出するものも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
さらに、固定画像部分を検査する検査部と可変画像部分を検査する検査部とを別個に設けて、固定画像部分と可変画像部分とをそれぞれ異なる検査部で検査するものも提案されている(例えば、特許文献3参照)。
これによれば、固定画像部分も可変画像部分もともに高精度の検査を行うことができる点で好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−226616号公報
【特許文献2】特開2003−94627号公報
【特許文献2】特開2003−54096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献2に記載の手法では、固定画像部分のデータである固定データと可変画像部分のデータである可変データとを区別せずに、各ページごとに固定データを含む1ページ分の全データを検査部に転送しているため、データの転送に時間を要し、記録速度が速い場合には検査データの転送が間に合わなくなる場合がある。
また、固定画像部分と可変画像部分とをそれぞれ別の検査手段で検査する場合には、検査手段を複数設ける分、システム全体が大型化し、また、装置コストもかさんでしまうとの問題がある。また、別個の装置で検査を行うため、画像検査に時間がかかるとの問題もある。
【0009】
そこで、本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、複数の検査手段を設けることなく、固定画像部分と可変画像部分とをともに高精度かつ迅速に検査することのできる画像記録システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の問題を解決するために、請求項1に記載の画像記録システムは、
画像供給装置と、当該画像供給装置から供給された記録用画像データを記録媒体に記録する画像記録装置と、当該画像記録装置により記録媒体上に記録された記録画像を撮像しこの記録画像と前記画像供給装置から供給された検査用画像データとを照合して正常に記録が行われたか否かを検査する画像検査装置と、を備える画像記録システムであって、
前記画像供給装置は、前記記録用画像データを複数ページに共通する記録用固定データと共通しない記録用可変データとに分離して前記画像記録装置に送信するとともに、前記検査用画像データを前記記録用固定データに対応する検査用固定データと、前記記録用可変データに対応する検査用可変データとに分離して画像検査装置に送信し、
前記画像記録装置は、少なくとも1ページ分の前記記録用固定データを保持する固定データメモリと、少なくとも1ページ分の前記記録用可変データを保持する可変データメモリとを備え、前記固定データメモリに保持された前記記録用固定データと、前記可変データメモリに保持された前記記録用可変データとを1ページずつ合成して記録媒体に記録を行う画像記録部を備え、
前記画像検査装置は、前記画像記録装置により記録媒体上に記録された記録画像を撮像する画像撮像部と、少なくとも1ページ分の前記検査用固定データを保持する固定データメモリと、少なくとも1ページ分の前記検査用可変データを保持する可変データメモリとを備え、前記固定データメモリに保持された前記検査用固定データと前記可変データメモリに保持された前記検査用可変データとを合成して得られる検査用画像と、前記画像撮像部で撮像された記録画像とを照合して記録画像の検査を行う画像検査部を備え、
前記画像供給装置は、複数ページの画像記録に際して前記記録用固定データを1回前記画像記録装置に供給するとともに、前記検査用固定データを1回前記画像検査装置に供給することを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像記録システムにおいて、
前記画像記録装置の前記可変データメモリは、少なくとも2ページ分の前記記録用可変データを保持する容量を備え、記録の終ったページのメモリ領域を循環的に順次、新しいページの前記記録用可変データの保持に使用することを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の画像記録システムにおいて、
前記画像記録装置は、Nページ(N≧2)分の記録画像に対応した前記記録用固定データを格納する固定データ領域と前記記録用可変データを保持する可変データ領域とを有するN個の共通メモリと、この共通メモリのどの領域に前記記録用可変データを保持するかを管理する可変データ領域管理部とを備え、
画像記録に先立ち、前記画像供給装置より供給された前記記録用固定データを前記N個の共通メモリに保持するとともに、前記画像供給装置より供給された前記記録用可変データの格納領域を示す可変データ位置情報を前記可変データ領域管理部に保持し、
前記可変データ領域管理部は、前記画像供給装置より供給される前記記録用可変データを前記可変データ位置情報に基づいて前記N個の共通メモリの前記可変データ領域にページごとに循環的に順次保持し、
前記画像記録部は、前記N個の共通メモリに保持された前記記録用固定データと前記記録用可変データとを1ページごとに循環的に読み出して記録媒体に記録を行うことを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の画像記録システムにおいて、
前記画像検査装置の前記可変データメモリは、少なくとも2ページ分の前記検査用可変データを保持する容量を備え、検査の終ったページのメモリ領域を循環的に順次、新しいページの前記検査用可変データの保持に使用することを特徴とする。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の画像記録システムにおいて、
前記画像検査装置は、Nページ(N≧2)分の検査画像に対応した前記検査用固定データを格納する固定データ領域と前記検査用可変データを格納する可変データ領域とを有するN個の共通メモリと、この共通メモリのどの領域に前記検査用可変データを保持するかを管理する可変データ領域管理部とを備え、
画像検査に先立ち、前記画像供給装置より供給された前記検査用固定データを前記N個の共通メモリに保持するとともに、前記画像供給装置より供給された前記検査用可変データの格納領域を示す可変データ位置情報を前記可変データ領域管理部に保持し、
該可変データ領域管理部は、前記画像供給装置より供給される前記検査用可変データを前記可変データ位置情報に基づいて前記N個の共通メモリの前記可変データ領域にページごとに循環的に順次保持し、
前記画像検査部は、N個の共通メモリに保持された前記検査用固定データと前記検査用可変データとを1ページごとに循環的に読み出し、前記画像撮像部で撮像された記録画像と照合して記録画像の検査を行うことを特徴とする。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の画像記録システムにおいて、
前記画像供給装置は、前記画像記録装置の記録解像度に対応した前記記録用固定データ及び前記記録用可変データを前記画像記録装置に供給するとともに、前記画像記録装置の記録解像度と前記画像検査装置の撮像解像度に対応した前記検査用固定データ及び前記検査用可変データを前記画像検査装置に供給することを特徴とする。
【0016】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の画像記録システムにおいて、
前記画像検査装置の撮像解像度は前記画像記録装置の記録解像度よりも低く、前記画像検査装置の撮像データの階調数は前記画像記録装置の記録階調数よりも高いことを特徴とする。
【0017】
請求項8に記載の発明は、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の画像記録システムにおいて、
前記画像記録装置は、複数の色材を記録可能なカラー画像記録装置であり、
前記画像検査装置は、画像を複数の色成分に分解して撮像可能なカラー撮像手段を備え、複数の色成分を有するカラー画像の照合・検査が可能なカラー画像検査装置であり、
前記画像供給装置は、前記画像記録装置の色特性に対応した前記記録用固定データ及び前記記録用可変データを前記画像記録装置に供給するとともに、前記画像記録装置の色特性と前記画像検査装置の色特性に対応した前記検査用固定データ及び前記検査用可変データを前記画像検査装置に供給することを特徴とする。
【0018】
請求項9に記載の発明は、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の画像記録システムにおいて、
前記画像検査装置は、検査したページを不良と判定するとその結果を前記画像供給装置に通知し、
前記画像供給装置は、前記画像検査装置より不良の通知を受けると、不良のページ以降の前記記録用可変データを再度前記画像記録装置に供給し、
前記画像記録装置は、前記画像供給装置より再供給された前記記録用可変データに基づいて不良ページ以降のページを再度記録することを特徴とする。
【0019】
請求項10に記載の発明は、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の画像記録システムにおいて、
前記画像検査装置は、検査したページの判定結果を前記画像記録装置に通知し、
前記画像記録装置は、記録したページの検査結果が良と通知を受けるまで当該ページに対応する前記記録用可変データを保持し、記録したページの検査結果が不良と通知を受けると、当該不良ページ以降のページを再度記録することを特徴とする。
【0020】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の画像記録システムにおいて、
前記画像記録装置の記録位置と前記画像検査装置の撮像位置との間の記録媒体搬送経路に沿った距離をL、1ページの長さをPとするとき、前記画像記録装置は、(L/P+1)ページ分以上の前記記録用可変データを保持する容量の前記可変データメモリ又は前記共通データメモリを備えていることを特徴とする。
【0021】
請求項12に記載の発明は、
画像供給装置と、当該画像供給装置から供給された記録用画像データを記録媒体に記録する画像記録装置と、当該画像記録装置により記録媒体上に記録された記録画像を撮像し前記画像記録装置から転送された検査用画像データと照合して正常に記録が行われたか否かを検査する画像検査装置と、を備える画像記録システムであって、
前記画像供給装置は、前記記録用画像データを複数ページに共通する記録用固定データと共通しない記録用可変データとに分離して前記画像記録装置に送信し、
前記画像記録装置は、少なくとも1ページ分の前記記録用固定データを保持する固定データメモリと、少なくとも1ページ分の前記記録用可変データを保持する可変データメモリとを備え、前記固定データメモリに保持された前記記録用固定データと、前記可変データメモリに保持された前記記録用可変データとを1ページずつ合成して記録媒体に記録を行う画像記録部を備え、
前記画像検査装置は、前記画像記録装置により記録媒体上に記録された記録画像を撮像する画像撮像部と、少なくとも1ページ分の検査用固定データを保持する固定データメモリを備え、この固定データメモリに保持された前記検査用固定データと前記検査用画像データの検査用可変データとを合成して得られる検査用画像と、前記画像撮像部で撮像された記録画像とを照合して記録画像の検査を行う画像検査部を備え、
前記画像供給装置は、複数ページの画像記録に際して前記記録用固定データを1回前記画像供給装置に供給し、前記画像記録装置は、前記検査用固定データを1回前記画像検査装置に供給することを特徴とする画像記録システム。
【0022】
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の画像記録システムにおいて、
前記画像記録装置の前記可変データメモリは、少なくとも2ページ分の前記記録用可変データを保持する容量を備え、記録の終ったページのメモリ領域を循環的に順次、新しいページの前記記録用可変データの保持に使用することを特徴とする。
【0023】
請求項14に記載の発明は、請求項12に記載の画像記録システムにおいて、
前記画像記録装置は、Nページ(N≧2)分の記録画像に対応した前記記録用固定データを格納する固定データ領域と前記記録用可変データを保持する可変データ領域とを有するN個の共通メモリと、この共通メモリのどの領域に前記記録用可変データを保持するかを管理する可変データ領域管理部とを備え、
画像記録に先立ち、前記画像供給装置より供給された前記記録用固定データを前記N個の共通メモリに保持するとともに、前記画像供給装置より供給された前記記録用可変データの格納領域を示す可変データ位置情報を前記可変データ領域管理部に保持し、
前記可変データ領域管理部は、前記画像供給装置より供給される前記記録用可変データを前記可変データ位置情報に基づいて前記N個の共通メモリの前記可変データ領域にページごとに循環的に順次保持し、
前記画像記録部は、前記N個の共通メモリに保持された前記記録用固定データと前記記録用可変データとを1ページごとに循環的に読み出して記録媒体に記録を行うことを特徴とする。
【0024】
請求項15に記載の発明は、請求項12から請求項14のいずれか一項に記載の画像記録システムにおいて、
前記画像検査装置は、少なくとも2ページ分の前記検査用可変データを保持する可変データメモリを備え、検査の終ったページのメモリ領域を循環的に順次、新しいページの前記検査用可変データの保持に使用することを特徴とする。
【0025】
請求項16に記載の発明は、請求項12から請求項14のいずれか一項に記載の画像記録システムにおいて、
前記画像検査装置は、Nページ(N≧2)分の検査画像に対応した前記検査用固定データを格納する固定データ領域と前記検査用可変データを格納する可変データ領域とを有するN個の共通メモリと、この共通メモリのどの領域に前記検査用可変データを保持するかを管理する可変データ領域管理部とを備え、
画像検査に先立ち、前記画像記録装置より供給された前記検査用固定データをN個の共通メモリに保持するとともに、前記画像記録装置より供給された前記検査用可変データの格納領域を示す可変データ位置情報を前記可変データ領域管理部に保持し、
前記可変データ領域管理部は、前記画像記録装置より供給される前記検査用可変データを前記可変データ位置情報に基づいて前記N個の共通メモリの前記可変データ領域にページごとに循環的に順次保持し、
前記画像検査部は、N個の共通メモリに保持された前記検査用固定データと前記検査用可変データとを1ページごとに循環的に読み出し、前記画像撮像部で撮像された記録画像と照合して記録画像の検査を行うことを特徴とする。
【0026】
請求項17に記載の発明は、請求項12から請求項16のいずれか一項に記載の画像記録システムにおいて、
前記画像供給装置は、前記画像記録装置の記録解像度に対応した前記記録用固定データ及び前記記録用可変データを前記画像記録装置に供給し、
前記画像記録装置は、前記画像検査装置の撮像解像度に対応した前記検査用固定データ及び前記検査用可変データを前記画像検査装置に供給することを特徴とする。
【0027】
請求項18に記載の発明は、請求項17に記載の画像記録システムにおいて、
前記画像検査装置の撮像解像度は前記画像記録装置の記録解像度よりも低く、前記画像検査装置の撮像データの階調数は前記画像記録装置の記録階調数よりも高いことを特徴とする。
【0028】
請求項19に記載の発明は、請求項12から請求項18のいずれか一項に記載の画像記録システムにおいて、
前記画像記録装置は、複数の色材を記録可能なカラー画像記録装置であり、
前記画像検査装置は、画像を複数の色成分に分解して撮像可能なカラー撮像手段を備え、複数の色成分を有するカラー画像の照合・検査が可能なカラー画像検査装置であり、
前記画像供給装置は、前記画像記録装置の色特性に対応した前記記録用固定データ及び前記記録用可変データを前記画像記録装置に供給し、
前記画像記録装置は、前記画像検査装置の色特性に対応した前記検査用固定データ及び前記検査用可変データを前記画像検査装置に供給することを特徴とする。
【0029】
請求項20に記載の発明は、請求項12から請求項19のいずれか一項に記載の画像記録システムにおいて、
前記画像検査装置は、検査したページを不良と判定するとその結果を前記画像供給装置に通知し、
前記画像供給装置は、前記画像検査装置より不良の通知を受けると、不良のページ以降の前記記録用可変データを再度前記画像記録装置に供給し、
前記画像記録装置は、前記画像供給装置より再供給された前記記録用可変データに基づいて不良ページ以降のページを再度記録することを特徴とする。
【0030】
請求項21に記載の発明は、請求項12から請求項19のいずれか一項に記載の画像記録システムにおいて、
前記画像検査装置は、検査したページの判定結果を画像記録装置に通知し、
前記画像記録装置は、記録したページの検査結果が良と通知を受けるまで当該ページに対応する前記記録用可変データを保持し、記録したページの検査結果が不良と通知を受けると、当該不良ページ以降のページを再度記録することを特徴とする。
【0031】
請求項22に記載の発明は、請求項21に記載の画像記録システムにおいて、
前記画像記録装置の記録位置と前記画像検査装置の撮像位置との間の記録媒体搬送経路に沿った距離をL、1ページの長さをPとするとき、前記画像記録装置は、(L/P+1)ページ分以上の前記記録用可変データを保持する容量の可変データメモリ又は共通データメモリを備えていることを特徴とする。
【0032】
請求項23に記載の発明は、請求項9、請求項10、請求項20、又は請求項21に記載の画像記録システムにおいて、
前記画像供給装置の制御に基づいて記録媒体上に不良マークを記録する不良マーク記録装置を、前記画像検査装置よりも記録媒体搬送方向の下流側に備え、
前記画像供給装置は、前記画像検査装置より不良の通知を受けると、当該不良ページから、当該ページを再記録するまでの全てのページに不良マークを記録するように、前記不良マーク記録装置を制御することを特徴とする。
【0033】
請求項24に記載の発明は、請求項9、請求項10、請求項20、又は請求項21に記載の画像記録システムにおいて、
前記記録媒体は枚葉状の記録媒体であり、前記画像供給装置の制御に基づいて記録済みの記録媒体を仕分けする記録媒体仕分け装置を備え、
前記画像供給装置は、前記画像検査装置より不良の通知を受けると、当該不良ページから、当該ページを再記録するまでの全てのページを、正常のページとは別に仕分けするように、前記記録媒体仕分け装置を制御することを特徴とする。
【0034】
請求項25に記載の発明は、請求項9、請求項10、請求項20、又は請求項21に記載の画像記録システムにおいて、
前記記録媒体は帯状の記録媒体であり、前記画像供給装置の制御に基づいて前記帯状の記録媒体を搬送する記録媒体搬送装置を備え、
前記画像供給装置は、前記画像検査装置より不良の通知を受けると、前記記録媒体搬送装置を制御して当該不良ページが記録された帯状記録媒体部位を前記画像記録部まで逆送し、前記画像記録装置に、当該不良ページから、既に記録済みの続くページに不良マークを記録し、続く記録媒体の未記録部に前記不良と通知されたページから記録を再開させることを特徴とする。
【0035】
請求項26に記載の発明は、請求項1から請求項25のいずれか一項に記載の画像記録システムにおいて、
前記記録媒体は帯状の記録媒体であり、前記画像記録装置は1ページごとに位置基準マークを記録し、
前記画像検査装置はこの位置基準マークを検出して、記録画像の撮像タイミングを決定することを特徴とする。
【0036】
請求項27に記載の発明は、請求項1から請求項25のいずれか一項に記載の画像記録システムにおいて、
前記記録媒体は帯状の記録媒体であり、前記画像記録装置は、前記帯状の記録媒体に予め形成されている位置基準マーク又は記録媒体の形状を検知手段で検知して、画像記録タイミングを決定し、
前記画像検査装置は前記位置基準マーク又は記録媒体の形状を前記検知手段で検知して、記録画像撮像タイミングを決定するに際して、前記検知手段で検知した前記位置基準マーク又は記録媒体の形状の検知タイミングを複数ページ分記憶する記憶手段有し、前記検知手段で前記位置基準マーク又は記録媒体の形状を検出してから当該位置基準マーク又は記録媒体の形状に対応するページを撮像するまでの間に、次のページの位置基準マーク又は記録媒体の形状を検知した場合には、その検知タイミングを前記記憶手段に記憶することを特徴とする。
【0037】
請求項28に記載の発明は、請求項1から請求項25のいずれか一項に記載の画像記録システムにおいて、
前記記録媒体は帯状の記録媒体であり、前記画像記録装置は、前記帯状の記録媒体に予め形成されている位置基準マーク又は記録媒体の形状を第1の検知手段で検知して、画像記録タイミングを決定し、
前記画像検査装置は前記位置基準マーク又は記録媒体の形状を第1の検知手段よりも画像検査装置近傍に設置された第2の検知手段で検知して、記録画像撮像タイミングを決定することを特徴とする。
【0038】
請求項29に記載の発明は、請求項28に記載の画像記録システムにおいて、
前記画像検査装置は、撮像した画像が1ページ目の画像と判断されるまで、前記可変データメモリに保持する1ページ目の可変データを更新せずに、検査を続けることを特徴とする。
【0039】
請求項30に記載の発明は、請求項29に記載の画像記録システムにおいて、
予め設定した所定ページ以上検査しても1ページ目の画像と判断されないときは1ページ目の記録画像を不良と判断することを特徴とする。
【発明の効果】
【0040】
請求項1に記載の発明によれば、固定画像部分も可変画像部分も1つの画像検査装置で同時に検査を行うことができるため、システム構成を単純化でき、装置コストを削減することができるとともに、記録画像に固定画像と可変画像とが混在している場合でも迅速かつ高精度に検査を行うことができる。
また、画像記録装置及び画像検査装置に、固定データを1ページ毎に毎回転送する必要がないため、画像記録および画像検査を高速化することができる。
【0041】
請求項2に記載の発明によれば、画像記録装置が2ページ分以上の可変データメモリを持っているので、画像供給装置から画像記録装置へのデータ転送が一時的に途絶えたり転送速度が低下したりした場合でも、画像記録を停止せずに継続できる。また、可変データのみを2ページ分以上持つので少ないメモリ容量で済む。さらに、メモリを循環的に使用するので、画像記録中に次のページのデータ転送を行うことができ、画像記録を高速化することができる。
【0042】
請求項3に記載の発明によれば、画像記録装置の共通メモリに固定データと可変データを保持することにより、簡便な構成で固定データと可変データを合成して画像記録を行うことができる。また、Nページ分(N≧2)の共通メモリを持っているので、画像供給装置から画像記録装置へのデータ転送が一時的に途絶えたり転送速度が低下したりした場合でも、画像記録を停止せずに継続できる。また、ページごとに可変データのみを転送し、共通メモリ上の可変データ領域のみを更新するので、転送データが少なく、画像記録を高速化することができる。さらに、Nページ分の共通メモリを循環的に使用するため、画像記録中に次のページのデータ転送を行うことができることからも、一層の画像記録の高速化が可能となる。
【0043】
請求項4に記載の発明によれば、画像検査装置が2ページ分以上の可変データメモリを持っているので、画像供給装置から画像検査装置へのデータ転送が一時的に途絶えたり転送速度が低下したりした場合でも、画像検査を継続できる。また、可変データのみを2ページ分以上持つので少ないメモリ容量で済む。さらに、メモリを循環的に使用するので、画像検査中に次のページのデータ転送を行うことができ、画像検査を高速化することができる。
【0044】
請求項5に記載の発明によれば、画像検査装置の共通メモリに固定データと可変データを保持することにより、簡便な構成で固定データと可変データを合成して撮像画像と照合・検査することができる。また、Nページ分(N≧2)の共通メモリを持っているので、画像供給装置から画像検査装置へのデータ転送が一時的に途絶えたり転送速度が低下したりした場合でも、画像検査を継続できる。また、ページごとに可変データのみを転送し、共通メモリ上の可変データ領域のみを更新するので、転送データが少なく、画像検査を高速化できる。Nページ分の共通メモリを循環的に使用するため、画像検査中に次のページのデータ転送を行うことができ、画像検査を高速化することができる。
【0045】
請求項6に記載の発明によれば、画像供給装置は、画像記録装置の記録解像度に対応した固定データおよび可変データを画像記録装置に供給するので、画像記録装置は簡単な構成で目的の寸法を有する画像を高速に記録することができる。また、画像供給装置は、画像記録装置の記録解像度と画像検査装置の撮像解像度に対応した固定データおよび可変データを画像検査装置に供給するので、画像検査装置は簡単な構成で撮像画像の寸法を含む検査を高速に行うことができる。
【0046】
請求項7に記載の発明によれば、画像検査装置の撮像解像度が画像記録装置の記録解像度よりも低くても、階調数が高いので、画像記録装置の局所的な記録不良も的確に検知することができる。
【0047】
請求項8に記載の発明によれば、画像供給装置は、画像記録装置の色特性に対応した固定データ及び可変データを画像記録装置に供給するので、画像記録装置は簡単な構成で目的の色特性を有する画像を高速に記録することができる。また、画像供給装置は、画像記録装置の色特性と画像検査装置の色特性に対応した固定データ及び可変データを画像検査装置に供給するので、画像検査装置は簡単な構成で撮像画像の色特性を含む検査を高速に行うことができる。
【0048】
請求項9に記載の発明によれば、画像検査装置が不良と判定したページが再度記録されるため、ページの抜けが無くなる。
【0049】
請求項10に記載の発明によれば、画像検査装置が不良と判定したページが再度記録されるため、ページの抜けが無くなる。また、画像供給装置から画像記録装置に再記録するページの可変データを再送する必要がないので、速やかに不良ページの再記録を開始することができる。
【0050】
請求項11に記載の発明によれば、画像記録装置は、画像検査装置から良の検査結果通知を受けるまで、再記録用の可変データを保持することができる。
【0051】
請求項12に記載の発明によれば、固定画像部分も可変画像部分も1つの画像検査装置で同時に検査を行うことができるため、システム構成を単純化でき、装置コストを削減することができるとともに、記録画像に固定画像と可変画像とが混在している場合でも迅速かつ高精度に検査を行うことができる。
また、画像記録装置及び画像検査装置に、固定データを1ページ毎に毎回転送する必要がないため、画像記録及び画像検査を高速化することができる。
【0052】
請求項13に記載の発明によれば、画像記録装置が2ページ分以上の可変データメモリを持っているので、画像供給装置から画像記録装置へのデータ転送が一時的に途絶えたり転送速度が低下したりした場合でも、画像記録を停止せずに継続できる。また、可変データのみを2ページ分以上持つので少ないメモリ容量で済む。さらに、メモリを循環的に使用するので、画像記録中に次のページのデータ転送を行うことができ、画像記録を高速化することができる。
【0053】
請求項14に記載の発明によれば、画像記録装置の共通メモリに固定データと可変データを保持することにより、簡便な構成で固定データと可変データを合成して記録することができる。また、Nページ分(N≧2)の共通メモリを持っているので、画像供給装置から画像記録装置へのデータ転送が一時的に途絶えたり転送速度が低下したりした場合でも、画像記録を停止せずに継続できる。また、ページごとに可変データのみを転送し、共通メモリ上の可変データ領域のみを更新するので、転送データが少なく、画像記録を高速化できる。Nページ分の共通メモリを循環的に使用するため、画像記録中に次のページのデータ転送を行うことができ、画像記録を高速化することができる。
【0054】
請求項15に記載の発明によれば、画像検査装置が2ページ分以上の可変データメモリを持っているので、画像記録装置から画像検査装置へのデータ転送が一時的に途絶えたり転送速度が低下したりした場合でも、画像検査を継続できる。また、可変データのみを2ページ分以上持つので少ないメモリ容量で済む。さらに、メモリを循環的に使用するので、画像検査中に次のページのデータ転送を行うことができ、画像検査を高速化することができる。
【0055】
請求項16に記載の発明によれば、画像検査装置の共通メモリに固定データと可変データを保持することにより、簡便な構成で固定データと可変データを合成して撮像画像と照合・検査することができる。また、Nページ分(N≧2)の共通メモリを持っているので、画像記録装置から画像検査装置へのデータ転送が一時的に途絶えたり転送速度が低下したりした場合でも、画像検査を継続できる。また、ページごとに可変データのみを転送し、共通メモリ上の可変データ領域のみを更新するので、転送データが少なく、画像検査を高速化できる。Nページ分の共通メモリを循環的に使用するため、画像検査中に次のページのデータ転送を行うことができ、画像検査を高速化することができる。
【0056】
請求項17に記載の発明によれば、画像供給装置は、画像記録装置の記録解像度に対応した固定データ及び可変データを画像記録装置に供給するので、画像記録装置は簡単な構成で目的の寸法を有する画像を高速に記録することができる。また、画像記録装置は、画像記録装置の記録解像度に対応して一度変換された固定データ及び可変データを画像検査装置の撮像解像度に対応して再変換して画像検査装置に供給するので、画像検査装置は簡単な構成で撮像画像の寸法を含む検査を高速に行うことができる。
【0057】
請求項18に記載の発明によれば、画像検査装置の撮像解像度が画像記録装置の記録解像度よりも低くても、階調数が高いので、画像記録装置の局所的な記録不良も的確に検知することができる。
【0058】
請求項19に記載の発明によれば、画像供給装置は、画像記録装置の色特性に対応した固定データ及び可変データを画像記録装置に供給するので、画像記録装置は簡単な構成で目的の色特性を有する画像を高速に記録することができる。また、画像記録装置は、画像記録装置の色特性に対応して一度変換された固定データ及び可変データを画像検査装置の色特性に対応して再変換して画像検査装置に供給するので、画像検査装置は簡単な構成で撮像画像の色特性を含む検査を高速に行うことができる。
【0059】
請求項20に記載の発明によれば、画像検査装置が不良と判定したページが再度記録されるため、ページの抜けが無くなる。
【0060】
請求項21に記載の発明によれば、画像検査装置が不良と判定したページが再度記録されるため、ページの抜けが無くなる。また、画像供給装置から画像記録装置に再記録するページの可変データを再送する必要がないので、速やかに不良ページの再記録を開始することができる。
【0061】
請求項22に記載の発明によれば、画像記録装置は、画像検査装置から良の検査結果通知を受けるまで、再記録用の可変データを保持することができる。
【0062】
請求項23に記載の発明によれば、不良ページには不良マークが記録されるため、後で、不良ページを取り除くことが容易になる。また、当該不良マークに基づいて不良ページを取り除けば、正常なページが連続することになる。
【0063】
請求項24に記載の発明によれば、不良ページが別に仕分けされ、正常なページのみが連続して仕分けされる。
【0064】
請求項25に記載の発明によれば、不良ページには不良マークが記録されるため、後で、不良ページを取り除くことが容易になる。また、当該不良マークに基づいて不良ページを取り除けば、正常なページが連続することになる。また、不良マークを記録するための新たな装置が不要であり、コストを削減することができる。
【0065】
請求項26に記載の発明によれば、画像記録装置で記録した位置基準マークを検出して記録画像撮像タイミングを決定するので、撮像画像と照合画像の位置関係を精度良く照合・検査することができる。
【0066】
請求項27に記載の発明によれば、画像記録装置は記録媒体に予め形成されているマーク又は記録媒体の形状を検出して、画像記録タイミングを決定し、画像記録を行うとともに、画像検査装置は該マークまたは記録媒体の形状を前記検知手段で検知して、記録画像撮像タイミングを決定するに際して、前記検知手段で検知した前記マークまたは記録媒体の形状の検知タイミングを複数ページ分記憶する記憶手段有し、前記検知手段で前記マークまたは記録媒体の形状を検出してから当該マーク又は記録媒体の形状に対応するページを撮像するまでの間に、次のページのマーク又は記録媒体の形状を検知した場合には、その検知タイミングを前記記憶手段に記憶するので、検知手段と画像検査装置の間隔よりも短いページを連続記録しても、記録したページを正しく撮像し、照合・検査することができる。
【0067】
請求項28に記載の発明によれば、画像記録装置は記録媒体に予め形成されているマーク又は記録媒体の形状を第1の検知手段で検知して、画像記録タイミングを決定し、画像記録を行うとともに、画像検査装置は当該マーク又は記録媒体の形状を第1の検知手段よりも画像検査装置近傍に設置された第2の検知手段で検知して、記録画像撮像タイミングを決定するので、撮像画像と照合画像の位置関係を精度良く照合・検査することができる。
【0068】
請求項29に記載の発明によれば、画像検査装置は、撮像した画像が1ページ目の画像と判断するまで、可変データメモリに保持する1ページ目の可変データを更新せずに検査を続けるので、画像記録装置と画像検査装置の位置関係に対応した記録画像と検査画像のページのずれを補正する必要がなくなり、検査時の手間が省け、また、設定の不手際から正常に記録されたものまで不良と判定してしまうおそれがない。
【0069】
請求項30に記載の発明によれば、予め設定した所定ページ以上検査しても1ページ目の画像と判断されないときは不良と判断するので、記録された1ページ目の可変データ部に不良があるときでも不良を検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明に係る画像記録システムの第1の実施形態の概略構成を示す要部ブロック図である。
【図2】第1の実施形態における画像記録システムの全体構成を示す概略構成図である。
【図3】図2に示す画像記録システムで記録される記録画像の一例を示す図である。
【図4】固定ビットマップデータを記録用固定データに変換する手順を説明する説明図である。
【図5】固定テキストデータを記録用固定データに変換する手順を説明する説明図である。
【図6】バーコードデータを記録用固定データに変換する手順を説明する説明図である。
【図7】記録用固定データを検査用固定データに変換する手順を説明する説明図である。
【図8】記録画像に記録される不良マークの一例を示した図である。
【図9】第1の実施形態の作用を説明するフローチャートである。
【図10】第1の実施形態の作用を説明するフローチャートである。
【図11】第1の実施形態の作用を説明するフローチャートである。
【図12】第1の実施形態の一変形例の全体構成を示す概略構成図である。
【図13】第2の実施形態における画像記録システムの全体構成を示す概略構成図である。
【図14】帯状の記録媒体に記録されるトリガマークの一例を示す説明図である。
【図15】画像記録装置で不良マーク記録装置を兼用する場合処理手順を説明するフローチャートである。
【図16】図15に示す処理により記録される不良マークの一例を示す説明図である。
【図17】帯状の記録媒体の一変形例を示す説明図である。
【図18】帯状の記録媒体の一変形例を示す説明図である。
【図19】トリガマークとトリガセンサとの位置関係の例を示す説明図である。
【図20】トリガマークとトリガセンサとの位置関係の例を示す説明図である。
【図21】第3の実施形態における画像記録システムの全体構成を示す概略構成図である。
【図22】図21に示す画像記録システムにおけるトリガマークとトリガセンサとの位置関係の例を示す説明図である。
【図23】図21における画像検査装置の一変形例の機能的構成を示すブロック図である。
【図24】第4の実施形態における画像記録装置の概略構成を示す要部ブロック図である。
【図25】第4の実施形態における画像検査装置の概略構成を示す要部ブロック図である。
【図26】図24,25における共通データメモリの具体例を示す説明図である。
【図27】図24,25における共通データメモリの具体例を示す説明図である。
【図28】図24,25における共通データメモリの具体例を示す説明図である。
【図29】第5の実施形態における画像記録システムの概略構成を示す要部ブロック図である。
【図30】図29に示す画像供給装置の処理を説明するフローチャートである。
【図31】図29に示す画像供給装置の処理を説明するフローチャートである。
【図32】図29に示す画像記録装置の処理を説明するフローチャートである。
【図33】図29に示す画像記録装置の処理を説明するフローチャートである。
【図34】図29に示す画像記録装置の処理を説明するフローチャートである。
【図35】図29に示す画像記録装置の処理を説明するフローチャートである。
【図36】図29に示す画像記録システムの一変形例の概略構成を示す要部ブロック図である。
【図37】図29に示す画像記録システムの一変形例の概略構成を示す要部ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0071】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、本発明を適用可能な実施形態がこれに限定されるものではない。
【0072】
[第1の実施形態]
まず、図1から図11を参照しつつ、本発明に係る画像記録システムの第1の実施形態について説明する。ただし、本発明を適用可能な実施形態は図示例のものに限定されるものではない。
【0073】
図1は、本実施形態における画像記録システムのデータ処理の流れを示すものである。また、図2は、本実施形態における画像記録システム構成の一例を示す概略図である。
画像記録システム100は、図1及び図2に示すように、記録用画像データを供給する画像供給装置1と、この画像供給装置1から供給された記録用画像データを記録媒体に記録する画像記録装置3と、この画像記録装置3よりも記録媒体の搬送方向Xの下流側に設けられ、画像記録装置3で記録された記録画像を撮像し、画像供給装置1から供給された検査用画像データと照合して正常に記録が行われたか否かを検査する画像検査装置5とを備えて構成されている。また、画像検査装置5よりも記録媒体の搬送方向Xの下流側には、画像検査装置5により記録が不良であると判定されたときに不良マークfを記録する不良マーク記録装置7が設けられている。さらに、画像記録システム100は、記録媒体搬送装置8により適宜記録媒体を供給し搬送するようになっている。
なお、本実施形態では、枚葉状の記録媒体を用いて画像記録及び記録画像の検査を行う画像記録システム100について説明する。
【0074】
本実施形態において、画像供給装置1は、USBやイーサネット(登録商標)(Ethernet(登録商標))等の汎用インターフェイス、又は、専用のインターフェイスにより、画像記録装置3、画像検査装置5、不良マーク記録装置7、記録媒体搬送装置8等と接続されている。
なお、画像検査装置5は、画像記録装置3と同一の筐体内に収納されていてもよい。この場合には、画像供給装置1と画像記録装置3及び画像検査装置5とは同一のインターフェイスケーブルで接続され、当該筐体内で、画像記録用の信号と、画像検査用の信号に分配される形態としてもよい。
【0075】
画像供給装置1は、PC(パーソナルコンピュータ)等で構成されており、制御部10、画像データメモリ11、画像データ変換部12、操作部13等を備えている。
【0076】
画像データメモリ11は、画像記録システム100において記録及び検査を行う原画像のデータ(以下「原画像データ」という)を記憶・保存している。原画像データは例えばビットマップデータの形式で保存されているが、データの形式はこれに限定されない。画像データメモリ11は、例えば画像供給装置1に内蔵されているHDD(図示せず)等である。
なお、画像データメモリ11は、画像供給装置に内蔵されている場合に限定されない。例えば、画像データメモリ11は、画像供給装置1とネットワーク接続されたサーバやデータストレージ装置内等に設けられていてもよい。
【0077】
本実施形態において、原画像データは、例えば図3に示すように、固定データと可変データとを含んでいる。
ここで、固定データとは、複数ページの記録を行う際に各ページにおいて共通して記録される固定画像のデータであり、例えば図3に示すように、文字データである固定テキストデータや図形等の固定ビットマップデータ等を含んでいる。また、可変データとは、複数ページの記録を行う際に各ページ毎に変化する(すなわち、複数ページに共通しない)可変画像のデータであり、例えば通し番号やページ番号、通し番号等に伴って変化する場合のバーコード等のデータである。
なお、図3ではバーコードが可変画像である場合を例示しているが、複数ページに共通のバーコードを記録する場合には、バーコードは固定画像であり、そのデータは固定データとして扱われる。
【0078】
操作部13は、例えばキーボードやマウス等で構成されており、この操作部13をユーザが操作すること(これをオペレータ操作という。)により、画像データメモリ11内に保存されている原画像データの中から任意の原画像データを選択可能となっている。
操作部13を操作することにより選択された原画像データは、後述する画像データ変換部12において適宜変換処理され、図示しないインターフェイスを介して画像記録装置3及び画像検査装置5に送信(出力)されるようになっている。
【0079】
画像データ変換部12は、画像データメモリ11に記憶されている画像データを画像記録装置3に送信するための記録用画像データ、画像検査装置5に出力するための検査用画像データに変換する機能部である。
【0080】
画像データ変換部12は、記録及び検査を行う原画像データを画像記録装置3及び画像検査装置5に適応するように適宜変換処理を行う。
まず、図4から図6を参照しつつ、画像データ変換部12による原画像データの変換処理のうち固定データの変換処理について説明する。
【0081】
画像データ変換部12は、原画像データを画像記録装置3に適合するように変換して記録用画像データを生成する。
【0082】
具体的には、図3に示す原画像データのうち、固定ビットマップデータ(図3のマーク部分)については、画像データ変換部12は、まず、原画像データを画像記録装置3の記録解像度と色特性に応じて変換する。例えば、画像記録装置3が記録解像度300dpiでシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色のインクを各画素2値(インクを吐出するかしないか)の記録が可能なインクジェットプリンタである場合、原画像のビットマップデータを、300dpiの2値のCMYK4色のビットマップ画像データに変換する。例えば、図4に示すように、原画像のビットマップデータが600dpiのsRGB規格(standard RGB規格)に則ったRGB各色8ビットのデータだったときには、まず、300dpiの各色8ビットのRGBデータに、バイリニア、バイキュービックなどの周知の手法により解像度変換する。
次に、画像記録装置3の色特性に応じた300dpiの各色8ビットのCMYK4色のビットマップ画像データに変換する色変換処理を行う。このような画像記録装置3の色特性に応じた色変換を行うためには、予め画像記録装置3で出力したカラーパッチを測色して作成したカラープロファイルを使用する等、周知の手法を用いることができる。
そして、さらに誤差拡散、ディザ等、周知の手法を用いて、これを300dpi各色1ビット(2値)のCMYK4色の画像データに変換する2値化処理を行う。これにより固定ビットマップデータに基づく記録用固定データが生成される。
【0083】
また、図3に示す原画像データのうち、固定テキストデータ(図3の「サンプルABC」部分)については、図5に示すように、画像データ変換部12は、この原画像データを、フォントデータを参照しつつ指定されたフォントで指定の寸法に300dpiで各色1ビット(2値)のCMYK4色のビットマップ画像に展開する。
なお、文字がカラーの場合には、まず、原画像データをRGB各8ビットの300dpiのビットマップデータに一旦展開し、これについて上記固定ビットマップデータの場合と同様に、色変換処理と2値化処理とを行なって、画像記録装置3の色特性に対応した各色1ビット(2値)のCMYK4色のビットマップ画像データとする。これにより固定テキストデータに基づく記録用固定データが生成される。
【0084】
同様に、原画像データに固定データとしてのバーコードが含まれているときには、図6に示すように、画像データ変換部12は、この原画像データを、バーコード情報を参照して300dpiで各色1ビット(2値)のCMYK4色のビットマップ画像に展開する。
なお、バーコードがカラーの場合には、まず、RGB各8ビットの300dpiビットマップデータに一旦展開し、それを上記のビットマップデータの場合と同様に、色変換処理と2値化処理とを行なって、画像記録装置3の色特性に対応した各色1ビット(2値)のCMYK4色のビットマップ画像データとする。これによりバーコードデータに基づく記録用固定データが生成される。
【0085】
画像データ変換部12において変換された固定ビットマップデータ、固定テキストデータ、バーコードデータ等の固定データ(記録用固定データ)は、インターフェイスを介して画像記録装置3に転送される。
本実施形態においては、複数ページの記録を行う場合でも、固定データ(記録用固定データ)については、記録動作を始める前に1回だけ画像供給装置1から画像記録装置3に送信される。なお、ここでいう1回とは、正常に送信される回数を意味し、例えばデータ転送エラー等により再送する場合には、複数回送信が行われたとしても、複数回の送信とはカウントせずに1回の送信と考える。
【0086】
なお、原画像データを画像記録装置3に適合するように変換する変換処理は、図4から図6に示した順序で行うことが情報量の欠落が少ないため望ましいが、他の順序で行っても構わない。
【0087】
次に、画像データ変換部12は、原画像データを画像検査装置5に適合するように変換して検査用画像データを生成する。例えば、画像検査装置5の撮像部51の撮像解像度が600dpiで赤(R)、緑(G)、青(B)の3色のカラー信号を各色8bit(256階調)で出力する場合、600dpi各色8bitのRGBデータを生成する。
【0088】
検査用画像データを生成する場合には、画像データ変換部12は、図7に示すように、画像記録装置3に転送した300dpiの1ビット(2値)のCMYK4色のビットマップ画像データ(すなわち、検査用固定データ)を、まず、画像検査装置5の後述する画像撮像部51(図1参照)の色特性に応じた300dpiの8ビットのRGBデータに色変換処理を行う。このような画像撮像部51の色特性に応じた色変換を行うためには、予め画像記録装置で出力したカラーパッチを画像撮像部51で撮像して作成したカラープロファイルを使用する方法や、予め画像記録装置3で出力したカラーパッチを測色して作成した画像記録装置3のカラープロファイルと、測色されたカラーパッチを画像撮像部51で撮像して作成した画像撮像部51のカラープロファイルとを合成して生成したカラープロファイルを用いる等、周知の手法を用いることができる。
そして、さらにバイリニア、バイキュービックなどの周知の手法を用いて、これを600dpiの8ビットのRGBデータに解像度変換する。これにより検査用固定データが生成される。
【0089】
画像データ変換部12において変換された検査用固定データは、インターフェイスを介して画像検査装置5に転送される。
本実施形態においては、複数ページの記録を行う場合でも、固定データ(検査用固定データ)については、検査を始める前に1回だけ画像供給装置1から画像検査装置5に送信される。なお、ここでいう1回とは、正常に送信される回数を意味し、例えばデータ転送エラー等により再送する場合には、複数回送信が行われたとしても、複数回の送信とはカウントせずに1回の送信と考える。
【0090】
なお、変換処理は、図7に示した順序で行うことが情報量の欠落が少ないため望ましいが、他の順序で行っても構わない。
【0091】
なお、本実施形態では、検査用固定データに変換する元の画像として、画像記録装置3に転送した記録用固定データを使用したが、このように記録用固定データを元の画像として検査用固定データを生成した場合には、原画像データから直接検査用固定データを生成するよりも、画像記録装置3の記録解像度や色特性を加味したデータとなり、画像検査の精度が向上するため望ましい。
例えば、原画像データから直接画像撮像部51の色特性に応じたRGBデータ(検査用固定データ)に変換すると、実際には画像記録装置3で記録不可能な色域のデータが含まれる場合があり、これを検査時の照合データとすると、正常に記録された画像を不良と誤判定するおそれがある。また、原画像データから画像撮像部51の解像度に合わせた600dpiの8ビットのデータ(検査用固定データ)を直接生成すると、実際に記録された300dpiの2値の記録画像よりも高精細な画像となり、これを検査時の照合データとすると、正常に記録された画像を不良と誤判定するおそれがある。逆にこれを正常と判定させるためには、照合の一致精度を落して判定する必要があり、その場合は、実際に記録不良があったとしても正常と判定してしまうおそれがある。
【0092】
なお、画像撮像部51として、ここでは画像記録装置3よりも高い解像度で撮像を行う画像撮像部51を例に説明したが、より安価な低解像の画像撮像部51を使用することもできる。画像撮像部51の解像度が画像記録装置3の解像度よりも低い場合には、画像撮像部51から得る撮像データの階調数(ビット数)を画像記録装置3の階調数(ビット数)よりも高くすることが望ましい。
例えば、画像記録装置3が300dpiの1ビット(0、又は1の2値)で記録を行うものであり、画像撮像部51が150dpiの解像度で撮像を行うものであるとき、撮像データの1画素は記録画素の4画素分((360/180)=4)に相当するので、画像検査装置5に転送する150dpiの検査用固定データは5値(0〜1×4)となり、撮像データの階調数が5以上あれば、記録画素4画素の一部に不良があったときでも、階調値の不良として、これを検出することができる。
【0093】
原理的には、
(画像撮像部51の階調数)≧(画像記録装置3の階調数−1)×((画像記録装置3の解像度)/(画像撮像部51の解像度))+1
であればよいが、画像記録装置3や画像撮像部51の階調特性の非線形性も考慮して画像撮像部51の階調数はより大きい方が望ましい。
【0094】
また、画像データ変換部12は、固定データと同様の方法で、原画像データのうち、可変データを画像記録装置3に適合する記録用可変データ、画像検査装置5に適合する検査用可変データに変換する。変換後の記録用可変データ及び検査用可変データは、それぞれ画像供給装置1から画像記録装置3、画像検査装置5に転送される。
本実施形態において、画像供給装置1は、記録用可変データの画像記録装置3への転送処理(以下、可変画像記録装置転送処理という。)、及び検査用可変データの画像検査装置5への転送処理(以下、可変画像検査装置転送処という。)を、画像供給装置1を構成するPCのマルチタスク機能により並列的に実行するようになっている。
【0095】
可変画像記録装置転送処理では、画像データ変換部12は、各ページの可変データを画像記録装置3の記録解像度と色特性に応じて変換する。すなわち、例えば、図3に示す「0001」の可変ナンバーをテキストデータとして指定されたフォントで指定の寸法に300dpiで2値のビットマップ画像データ(すなわち、記録用可変データ)として生成する。また、この可変ナンバー「0001」に相当する所定のバーコード(図3参照)のデータを指定の寸法で300dpiの2値のビットマップ画像データ(すなわち、記録用可変データ)として生成する。
なお、可変ナンバーのテキストデータ及び可変ナンバーに相当するバーコードのデータが、それぞれカラーの場合には、RGBの各8ビットの300dpiビットマップデータに一旦展開してから色変換処理と2値化処理を行ない、画像記録装置3の色特性に対応した各色1ビット(2値)のCMYK4色のビットマップ画像データ(すなわち、記録用可変データ)とする。
【0096】
変換済みの記録用可変データは、インターフェイスを介して画像供給装置1から画像記録装置3に転送されるようになっている。
なお、画像供給装置1は、記録用可変データを画像記録装置3に転送した後も、転送したデータを画像検査装置用の検査用可変データを生成する元のデータとするために保持しておくことが望ましい。
【0097】
可変画像検査装置転送処理では、画像データ変換部12は、画像記録装置3に転送した各ページの記録用可変データを、前述した固定データの場合の変換と同様に、画像検査装置5の撮像解像度と色特性に応じて変換する。これにより、画像検査装置5に転送される検査用可変データは、実際に画像記録装置3で記録される画像の色特性や解像度を反映したデータとなる。
【0098】
変換済みの検査用可変データは、インターフェイスを介して画像供給装置1から画像検査装置5に転送されるようになっている。
【0099】
画像供給装置1の制御部10は、画像供給装置1の各機能部を制御するものである。
制御部10は、画像記録装置3や画像検査装置5に対して、固定データメモリ32,52、可変データメモリ33,53に空きがあるか否かの問い合わせを行うようになっており、各データメモリの空きの有無によって固定データ、可変データを画像記録装置3や画像検査装置5に転送するタイミングを調整するようになっている。
【0100】
また、後述するように画像記録装置3によって記録された画像に不良があると画像検査装置5が判定した場合には、画像検査装置5から制御部10に画像の不良及び不良箇所(不良が発生しているページ数等)が通知されるようになっており、制御部10は、画像検査装置5からこの不良通知を受けると、画像記録装置3に対して、すでに転送済みの記録用可変データがある場合にはこれを破棄するように通知するとともに、不良が発生した以降の部分(ページ)の記録用可変データを画像記録装置3に再度転送するようになっている。
【0101】
また、本実施形態において、制御部10は、不良マーク記録装置7を制御可能となっており、画像検査装置5から不良通知を受けると、不良マーク記録装置7に対して不良マークfを記録するよう指示するようになっている。
【0102】
例えば、画像供給装置1は、画像検査装置5から10ページ目が不良である旨の不良通知を受けると、不良マーク記録装置7を制御して、不良のあった10ページ目及び画像記録装置3によって再記録された10ページ目の前に記録された部分(すなわち、画像検査装置5が10ページ目の不良を検知した際に画像記録装置3がすでに11ページ目を記録中であった場合にはその11ページ目)の記録媒体に不良マークfを記録させるようになっている。
これにより、不良ページ(部分)とそれに続く破棄すべきページ(部分)のすべてに不良マークfが記録されることとなり、後で、この不良マークfが記録されたページ(部分)を取り除くことにより、正常なページ(部分)が連続することになる。
【0103】
なお、ここで、画像供給装置1は画像検査装置5から不良通知を受けると不良と判定されたページ(部分)以降の記録用可変データを再度画像記録装置3に転送する構成としたが、不良ページ(部分)の再記録を行うための構成はこれに限定されない。
例えば、画像記録装置3が、画像検査装置5から判定結果の通知を受ける構成とし、記録したページの良の通知を受けるまで対応する記録用可変データを可変データメモリ33に保持し、記録したページの検査結果が不良との通知を受けると、当該ページの記録用可変データを固定データメモリ32内の記録用固定データと合成して記録するように構成してもよい。この場合、画像供給装置1から画像データを再送する必要がなくなるので速やかに不良ページ(部分)の再記録を開始することができる。
なお、このような構成をとる場合には、画像記録装置3の記録位置と画像検査装置5の撮像位置との間の記録媒体搬送経路に沿った距離をL、1ページの長さをPとするとき、再記録用可変データの保持用に(L/P)ページ分、記録用可変データの格納に1ページ分、合計(L/P+1)ページ分以上の容量の可変データメモリ53を持てばよい。
【0104】
画像記録装置3は、画像供給装置1から転送された記録用固定データ及び記録用可変データから成る記録用画像データに基づく画像を記録媒体に所定の解像度と色特性で記録するものである。
【0105】
本実施形態では、以下、画像記録装置3として、300dpiの記録解像度で、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)4色のインクを各画素2値(インクを吐出するかしないか)の記録が可能なインクジェットプリンタを適用する場合について説明する。
インクジェットプリンタとしては、記録ヘッドを記録幅分設けた形態(ラインプリント方式)のものが記録速度が速いため望ましいが、記録ヘッドを記録媒体の搬送と同期させながら記録媒体搬送方向と直交する方向に走査して記録を行う形態(シリアルプリント方式)のものでもよい。
なお、画像記録装置3として適用可能なインクジェットプリンタはカラーのものに限定されず、単色のものでもよい。また、画像記録装置3は、インクジェットプリンタに限定されず、電子写真、熱転写方式、又はその他の方式の各種記録装置を適用することができる。
【0106】
本実施形態において、画像記録装置3は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)4色のインクに対応した図示しない記録ヘッドを備え、画像記録を行う画像記録部31と、1ページ分の記録用固定データを保存する固定データメモリ32と、4ページ分の記録用可変データを保存可能な可変データメモリ33と、記録媒体の先端を検知するトリガセンサ35とを備えている。なお、トリガセンサ35は、記録媒体の先端を検知することのできるものであればどのような方式のものでも適用することができ、特に限定されない。
【0107】
画像記録を行う際には、画像記録装置3は、トリガセンサ35が記録媒体の先端を検知すると、トリガセンサ35と記録位置との距離に相当する所定の遅延を取った後、固定データメモリ32に保存されている記録用固定データと可変データメモリ33に保存されている記録用可変データとを合成して、1ページごとの記録用画像データを生成し、順次この記録用画像データを画像記録部31に出力することにより、記録媒体の搬送に同期して画像記録を行うようになっている。
【0108】
なお、ここで、トリガセンサ35が記録媒体の先端を検知してから記録を開始するまでの遅延は、トリガセンサ35から記録位置まで記録媒体が搬送されるのに要する時間としてもよいが、後述する搬送ローラ81と一体となって回転するエンコーダ82が出力するパルスをトリガセンサ35から記録位置までの距離に相当するパルス数分カウントする方が、記録媒体の搬送速度に変動があった場合でも正確に記録開始位置を決定できるため望ましい。同様に、画像の記録もこのエンコーダ82の出力するパルスに同期して行うと、記録媒体の搬送速度に変動があった場合でも歪みのない画像が記録できるため望ましい。
【0109】
画像検査装置5は、画像記録装置3で記録された記録画像を撮像し、読み取る画像撮像部51と、画像撮像部51によって取得された撮像画像データを格納する撮像データメモリ54と、1ページ分の検査用固定データを保存する固定データメモリ52と、4ページ分の検査用可変データを保存可能な可変データメモリ53と、画像記録装置3で記録された記録画像が正常か否かを判定する画像検査部55と、記録媒体の先端を検知するトリガセンサ56とを備えている。なお、トリガセンサ56は、記録媒体の先端を検知することのできるものであればどのような方式のものでも適用することができ、特に限定されない。
【0110】
画像撮像部51は、例えば単色又はカラーのCCDエリアセンサ等の2次元撮像素子を使用したカメラ、又は、CCDラインセンサ等のラインセンサ等を使用したスキャナである。
本実施形態においては、画像撮像部51は、600dpiの解像度で赤(R)、緑(G)、青(B)の3色のカラー信号を各色8bitで出力するものを適用しているが、本システムに適用可能な画像撮像部51はこれに限定されない。
【0111】
撮像データメモリ54は、画像撮像部51から出力されたRGB各8bitの撮像画像データを一時的に格納するものである。撮像データメモリ54は、複数ページ(部分)分のデータを保存可能であることが望ましい。
【0112】
画像検査部55は、撮像データメモリ54に格納された撮像画像データを検査用固定データ及び検査用可変データから成る検査用画像データと照合することにより、画像記録装置3で記録された記録画像が正常か否かを判定する機能部である。
画像検査部55は、記録画像が不良である場合には、その旨を画像供給装置1に通知するようになっている。
【0113】
画像検査装置5は、トリガセンサ56が記録媒体の先端を検知してから、トリガセンサ56と撮像位置との距離に相当する所定の遅延を取った後、記録媒体に記録された記録画像を画像撮像部51で撮像し、得られた撮像画像データを撮像データメモリ54に格納する。
【0114】
なお、ここで、トリガセンサ56が記録媒体の先端を検知してから撮像を開始するまでの遅延は、トリガセンサ56から撮像位置まで記録媒体が搬送されるのに要する時間としてもよいが、搬送ローラ81と一体となって回転するエンコーダ82が出力するパルスをトリガセンサ56から撮像位置までの距離に相当するパルス数分カウントする方が、記録媒体の搬送速度に変動があった場合でも正確に撮像開始位置を決定できるため望ましい。
【0115】
なお、画像撮像部51としてCCDエリアセンサ等の2次元撮像素子を使用したカメラを用いる場合には、撮像開始タイミグで電子シャッタや機械シャッタを開いて撮像してもよいし、撮像開始タイミグでストロボを発光させて撮像してもよい。また、画像撮像部51としてCCDラインセンサ等のラインセンサを用いて撮像する場合には、撮像開始タイミングから、エンコーダ82の出力するパルスに同期して撮像すると記録媒体の搬送速度に変動があった場合でも正確に歪みのない画像が撮像できるため望ましい。
【0116】
画像検査装置5の画像検査部55は、撮像データメモリ54に各ページの撮像画像データが格納されると、固定データメモリ52と可変データメモリ53の画像を合成して、撮像データメモリ54内の撮像画像データと照合し、記録画像に不良がないかどうか判定し、判定結果を画像供給装置1に通知する。
画像検査部55における判定方法としては、例えば、両画像の対応する画素のデータの差分の絶対値又は差分の2乗値を全画素について積算し、この値が所定値以上の場合は不良と判定する等、周知の方法を用いることができる。
【0117】
不良マーク記録装置7は、不良マーク記録部71を備え、画像供給装置1の制御部10の制御により、画像検査装置5により不良と判定された部分(ページ)に不良マークfを記録するものである。
不良マーク記録装置7による不良マークfの記録手法は特に限定されず、例えば、インクジェット、その他の方式のプリンタで所定の不良マークfを記録したり、スタンプや版を接触させて不良マークfを記録したり、レーザー等で所定の不良マークfを刻印したりするものが適用される。また、不良マーク記録装置7を穿孔機等の加工機で構成し、不良と判定された部分(ページ)に所定の形状の孔や切り欠きを加工することにより不良マークfを記録する構成としてもよい。
なお、不良マーク記録装置7は本画像記録システム100の必須の構成要素ではなく、これを設けない構成としてもよい。
【0118】
また、記録媒体搬送装置8は、複数の搬送ローラ81とこの搬送ローラ81と一体となって回転するエンコーダ82を備え、記録媒体を所定の搬送方向Xに搬送するものである。この記録媒体搬送装置8により、記録媒体供給部83から供給された記録媒体が、画像記録装置3の画像記録部31、画像検査装置5の画像撮像部51、不良マーク記録装置7を経て排紙皿84まで搬送されるようになっている。
記録媒体搬送装置8は、画像供給装置1の制御部10からの指示信号に従い、記録媒体供給部83から1枚ずつ記録媒体を供給させ、所定のタイミングで順次記録媒体を搬送するようになっている。
【0119】
次に、本実施形態における画像撮影システム100の作用について説明する。
なお、ここでは、図3に示す固定テキスト、固定ビットマップ、可変ナンバー、可変バーコードからなる画像を101.6mm×76.2mmのカードを1000枚プリントする場合を例に、図9から図11のフローチャートに従って説明する。
【0120】
画像供給装置1は、オペレータ操作により指定された原画像データ(図3参照)を画像供給装置1の画像データメモリ11内、または、ネットワーク上のサーバやデータストレージ装置等から読み出す(ステップS1)。
画像供給装置1の画像データ変換部12は、図3の原画像データのうち、固定データを、画像記録装置3の記録解像度と色特性に対応した300dpi各色1ビット(2値)のCMYK4色のビットマップ画像データ(すなわち、記録用固定データ)に変換する(ステップS2)。
そして、画像供給装置1は、画像データ変換部12により変換されたビットマップ、テキスト等の記録用固定データを画像記録装置3に転送し(ステップS3)、画像記録装置3は、転送された記録用固定データを固定データメモリ32に格納する。
【0121】
次に、画像データ変換部12は、画像記録装置3に転送した300dpiの1ビット(2値)のCMYK4色のビットマップ画像データ(すなわち、記録用固定データ)を、画像検査装置5の撮像解像度と色特性に応じて変換し、600dpi各色8bitのRGB3色の検査用固定データを生成する(ステップS4)。
そして、画像供給装置1は、画像データ変換部12により変換された検査用固定データを画像検査装置5に転送し(ステップS5)、画像検査装置5は、転送された検査用固定データを固定データメモリ52に格納する。
【0122】
さらに、画像データ変換部12は、可変画像記録装置転送処理及び可変画像検査装置転送処理を並列的に実行することにより、図3の原画像データのうち、可変データを記録用可変データに変換して画像記録装置3に転送するとともに(ステップS6)、可変データを検査用可変データに変換して画像検査装置5に転送する(ステップS7)。
【0123】
ここで、図10を参照しつつ、可変画像記録装置転送処理について詳細に説明する。
可変画像記録装置転送処理では、ページ数nに1をセットし(ステップS11)、1ページ目に対応する記録用可変データを画像記録装置3の記録解像度と色特性に対応した300dpi各色1ビット(2値)のCMYK4色のビットマップ画像データ(すなわち、記録用可変データ)に変換する(ステップS12)。
【0124】
画像供給装置1は、画像記録装置3に、可変データメモリ33に空きがあるか否かを問い合わせる(ステップS13)。画像供給装置1は、画像記録装置3からの応答を確認し、可変データメモリ33に空きがない場合(ステップS13:NO)には、可変データメモリ33に空きができるまで判断を繰り返す。他方、可変データメモリ33に空きがある場合(ステップS13:YES)には、変換済みの記録用可変データを画像記録装置3に転送する(ステップS14)。
例えば、本実施形態では、画像記録装置3は、4ページ分の可変データメモリ33を持っているので、画像記録を開始する前はそのすべてのメモリが空いている。そこで、画像記録装置3は、可変データメモリ33に空きがあると画像供給装置1に応答する。
【0125】
画像供給装置1から記録用可変データが転送されると、画像記録装置3は、この記録用可変データを可変データメモリ33の1ページ目に格納する。画像供給装置1又は画像記録装置3から記録媒体搬送装置8に指示信号が送られると、記録媒体供給部83から1枚の記録媒体が供給され、搬送ローラ81により記録媒体が画像記録装置3の画像記録部31から画像検査装置5の画像検査部55、不良マーク記録装置7を経て排紙皿84まで搬送される。
【0126】
画像供給装置1は、1ページ目の記録用可変データを画像記録装置3に転送すると、画像検査装置5から不良通知があるかどうかを確認し(ステップS15)、不良通知がなければ(ステップS15:NO)、全ページ転送したか同かを確認し(ステップS16)、転送していなければ(ステップS16:NO)、ページ数nを1つインクリメントして2として(ステップS17)、ステップS12に戻る。
そして、画像供給装置1は、1ページ目の記録用可変データと同様に、2ページ目の記録用可変データを画像記録装置3の記録解像度と色特性に応じて変換する(ステップS12)
画像供給装置1は、画像記録装置3に、可変データメモリ33に空きがあるか否かを問い合わせ(ステップS13)、画像記録装置3は、4ページ分持っている可変データメモリ33のうち3ページ分が空いているので、空きがあると画像供給装置1に応答する。画像供給装置1は、画像記録装置3からの空きありの応答を確認し(ステップS13:YES)、S12の変換済みの記録用可変データを画像記録装置3に転送する(ステップS14)
このように、画像供給装置1は、ステップS12からステップS17の処理を繰り返し、画像記録装置3の可変データメモリ33の空きがなくなるまで、4ページ目までの記録用可変データを画像記録装置3に転送する。
【0127】
画像記録装置3は1ページ目の画像記録が終了すると、1ページ目の可変データメモリ33を開放し、空きありと画像供給装置1に応答する。画像供給装置1は、画像記録装置3からの空きありの応答を確認すると、5ページ目の記録用可変データを画像記録装置3に転送する。以後、画像供給装置は、画像記録装置3の記録に同期して、続くページの記録用可変データを順次画像記録装置3に転送する。
【0128】
次に、図11を参照しつつ、可変画像検査装置転送処理について詳細に説明する。
可変画像検査装置転送処理では、ページ数nに1をセットし(ステップS31)、画像記録装置3に転送した1ページ目の可変データを、固定画像の変換と同様に、画像検査装置5の撮像解像度と色特性に対応した600dpi各色8ビットのRGB3色のビットマップ画像データ(すなわち、検査用可変データ)に変換する(ステップS32)。
【0129】
画像供給装置1は、画像検査装置5に、可変データメモリ53に空きがあるか否かを問い合わせる(ステップS33)。画像供給装置1は、画像検査装置5からの応答を確認し、可変データメモリ53に空きがない場合(ステップS33:NO)には、可変データメモリ53に空きができるまで判断を繰り返す。他方、可変データメモリ53に空きがある場合(ステップS33:YES)には、変換済みの検査用可変データを画像検査装置5に転送する(ステップS34)。
例えば、本実施形態では、画像検査装置5は、4ページ分の可変データメモリ53を持っているので、画像記録を開始する前はそのすべてのメモリが空いている。そこで、画像検査装置5は、可変データメモリ53に空きがあると画像供給装置1に応答する。
【0130】
画像供給装置1から検査用可変データが転送されると、画像検査装置5は、この検査用可変データを可変データメモリ53の1ページ目に格納する。
画像検査装置5の画像検査部55は、撮像データメモリ54に1ページ目の撮像画像データが格納されると、固定データメモリ52と可変データメモリ53の1ページ目の画像を合成して、撮像データメモリ54の撮像画像データと照合し、記録画像に不良がないか否かを判定し、判定結果を画像供給装置1に通知する。
画像供給装置1は、1ページ目の可変データを画像検査装置5に転送すると、全ページ転送したか否かを確認し(ステップS35)、転送していなければ、ページ数nを1つインクリメントして2として(ステップS36)、ステップS32に戻る。
【0131】
そして、画像供給装置1は、1ページ目の検査用可変データと同様に、2ページ目の検査用可変データを画像記録装置3の記録解像度と色特性及び画像検査装置5の色特性に応じて変換する(ステップS32)
画像供給装置1は、画像検査装置5に、可変データメモリ53に空きがあるか否かを問い合わせ(ステップS33)、画像検査装置5は、4ページ分持っている可変データメモリ53のうち3ページ分が空いているので、空きがあると画像供給装置1に応答する。画像供給装置1は、画像検査装置5からの空きありの応答を確認し(ステップS33:YES)、S32の変換済みの検査用可変データを画像検査装置5に転送する(ステップS34)
画像供給装置1は、ステップS32からステップS36の処理を繰り返し、画像検査装置5の可変データメモリ53の空きがなくなるまで、4ページ目までの検査用可変データを画像検査装置5に転送する。
【0132】
画像検査装置5は1ページ目の画像検査が終了すると、1ページ目の可変データメモリ53を開放し、空きありと画像供給装置1に応答する。画像供給装置1は、画像検査装置5からの空きありの応答を確認すると、5ページ目の検査用可変データを画像検査装置5に転送する。以後、画像供給装置1は、画像検査装置5の検査に同期して、続くページの検査用可変データを順次画像検査装置5に転送する。
【0133】
このようにして、画像供給装置1は続くページの記録用可変データを画像記録装置3に、検査用可変データを画像検査装置5にそれぞれ供給し、画像記録装置3は供給された記録用可変データを記録用固定データと合成して記録媒体に記録し、画像検査装置5は供給された検査用可変データを検査用固定データと合成して得られる検査用画像と、画像撮像部51が撮像した撮像画像とを照合し、検査する。
ここで、図10に戻り、例えば画像検査装置5の画像検査部55が、撮像した10ページ目の記録画像を不良と判定すると、画像検査装置5は10ページ目が不良である旨を画像供給装置1に通知する(S15:YES)。
【0134】
例えば、画像検査部55が、10ページ目の記録画像を不良と判定したとき、画像供給装置1は、続く、11、12、13ページ目の記録用可変データを画像記録装置3に転送済みであって、画像記録装置3の画像記録部が11ページ目を記録中であったとする。
この場合、画像供給装置1の可変画像記録装置転送処理においては、ステップS15で画像検査装置5からの不良通知を受けると、すでに転送済みの記録用可変データは破棄するよう画像記録装置3に通知(ステップS18)し、ページ数nに不良ページ10をセットし(ステップS19)、10ページ目の記録用可変データを生成するとともに(ステップS12)、画像記録装置3の可変データメモリ33に空きがあることを確認して(ステップS13)、画像記録装置3に転送する(ステップS14)。
【0135】
画像記録装置3は、転送済みの12,13ページ目の記録用可変データを破棄し、再送された10ページ目の記録用可変データを可変データメモリ33に格納する。画像記録装置3は記録中の11ページ目の記録を中断し、または、最後まで行った後、再送された10ページ目の記録用可変データを固定データメモリ32の記録用固定データと合成して、記録媒体の次のページに再記録する。
また、画像供給装置1の制御部10は、10ページ目が不良であるとの不良通知を受けると、不良マーク記録装置7を制御し、不良のあった10ページ目の記録媒体に不良マークfを記録する。さらに、画像供給装置は、不良マーク記録装置7を制御し、再記録された10ページ目の前に記録されたページまで、すなわち、画像検査装置5が10ページ目の不良を検知した際に記録中であった11ページ目にも不良マークfを記録する。
これにより、不良ページとそれに続く破棄すべきページには不良マークfが記録され、後で、この不良マークfが記録されたページを取り除くことにより、正常なページが連続することになる。
【0136】
なお、画像記録装置3がインクジェトプリンタである場合は、インクを吐出する記録ヘッド部分のクリーニングを行ってから再記録するようにすると、不良画像を再び記録してしまうおそれが少なくなるので望ましい。その際に、検査結果を参照して不良個所に対応する記録ヘッドの部位のみをクリーニングするようにすると、クリーニング時に消費するインクの節約や時間短縮になるので望ましい。さらに、画像記録装置3は、記録ヘッドからインクが正常に吐出するかどうかを検査する光学式等の液滴検出器を備え、クリーニング前、または後に、記録ヘッドからインクが正常に吐出するかどうかを検査し、不良があった場合には記録ヘッドのクリーニングを行うようにすると、記録媒体に不良画像を無駄に記録することがなくなるので望ましい。
【0137】
画像供給装置1の制御部10は、全ページの転送が終了したか否か(図9のステップS8及び図10のステップS16)、全ページの検査が終了したか否か(図9のステップS9及び図10のステップS23)を判断し、可変画像記録装置転送処理として、全ページの転送が終了し、全ページの検査が終了するまで、図10のステップ12からステップ23の処理を繰り返す。また、画像供給装置1の可変画像検査装置転送処理は、全ページの転送が終了するまで、図11の処理を繰り返す。これにより、全ページについて記録及び検査が行われる。
【0138】
以上のように、本実施形態においては、固定画像部分も可変画像部分も1つの画像検査装置5で同時に検査を行うことができるため、システム構成を単純化でき、装置コストを削減することができるとともに、記録画像に固定画像と可変画像とが混在している場合でも迅速かつ高精度に検査を行うことができる。
また、各ページに共通する記録用固定データと検査用固定データについては、1回だけ画像記録装置3及び画像検査装置5に転送すれば足り、ページ毎に毎回転送する必要がないため、画像記録及び画像検査を高速化することができる。
【0139】
また、画像記録装置3及び画像検査装置5は、4ページ分の可変データメモリを持っているので、画像供給装置1から画像記録装置3又は画像検査装置5へのデータ転送が一時的に途絶えたり転送速度が低下したりした場合でも、画像記録及び画像検査を停止させることなく継続することができる。また、可変データのみを4ページ分持っているので少ないメモリ容量で済む。さらに、メモリを循環的に使用するので、画像記録中又は画像検査中に次のページのデータ転送を行うことができ、画像記録及び画像検査を高速化することができる。
【0140】
また、画像供給装置1は、画像記録装置3の色特性に対応した記録用固定データ及び記録用可変データを画像記録装置3に供給するので、画像記録装置3は簡単な構成で目的の寸法と色特性を有する画像を高速に記録することができる。
また、画像供給装置1は、画像記録装置3の色特性と画像検査装置5の色特性に対応した検査用固定データ及び検査用可変データを画像検査装置に供給するので、画像検査装置5は簡単な構成で撮像画像の色特性を含む精度の高い検査を高速に行うことができる。
【0141】
また、画像検査装置5が不良と判定したページについては再度記録が行われるため、ページの抜けが無くなる。
また、画像検査装置5が不良と判定したページについては、不良マークfが付されるため、後で容易に不良ページを取り除くことができる。
【0142】
なお、本実施形態においては、画像検査装置5における記録媒体搬送方向Xの下流側に不良マーク記録装置7を設ける構成としたが、不良なページを仕分けする手法はこれに限定されない。例えば、図12に示すように、記録媒体搬送装置8における記録媒体搬送方向Xの最下流側に、不良マーク記録装置を配置する代わりに、良品排紙皿91と不良品排紙皿92と、記録媒体の排出先を切り替える仕分けゲート93とを備える記録媒体仕分け装置9を備えてもよい。
この場合、画像供給装置1は、画像検査装置5から不良通知を受けると記録媒体仕分け装置9を制御し、当該不良ページから同ページが再プリントされる直前のページまで(前記の例では、10、11ページ目)を不良品排紙皿92に排出しそれ以外の良品を良品排紙皿91に排出するよう仕分けゲート93を切り替える。そして、画像供給装置1は記録媒体仕分け装置9を制御し、再プリントされた10ページ目以降再び良品排紙皿91に排出するよう仕分けゲート93を元の位置に切り替える。
これにより、不良ページとそれに続く破棄すべきページは不良品排紙皿92に排出され、良品排紙皿91には良品のみが正しいページ順で排出されることになる。
【0143】
また、本実施形態では、可変データメモリ33,53が4ページ分の記録画像に対応したものである場合を例としたが、可変データメモリ33,53は、少なくとも2ページ分(すなわち、Nページ(N≧2)分)の記録画像に対応したものであればよく、その容量は特に限定されない。
【0144】
その他、本発明が本実施形態に限定されず、適宜変更可能であることはいうまでもない。
【0145】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、第2の実施形態は、帯状の記録媒体を用いて画像記録及びその記録画像の画像検査を行うものである点で第1の実施形態と異なるため、以下においては、特に第1の実施形態と異なる点について説明する。
【0146】
本実施形態において、画像記録システムは、帯状の記録媒体に対して画像記録、画像検査を行うものであり、図13に示すように、記録媒体搬送装置110は、帯状の記録媒体が巻回された記録媒体供給部111と、画像記録後に記録媒体を巻き取る記録媒体巻取り部112とを備えている。
記録媒体搬送装置110は、画像供給装置1の制御に基づいて帯状の記録媒体を記録媒体供給部111から記録媒体巻取り部112に順次搬送するように構成されている。
【0147】
本実施形態では、画像供給装置1は固定データの一部として、図14に示すようなトリガマークmのデータを画像記録装置3に転送し、画像記録装置3は帯状の記録媒体に、他の固定画像及び可変画像ともにトリガマークmを記録するようになっていることが望ましい。
ここでトリガマークmとは、各ページの位置の基準となる位置基準マークであり、画像検査装置5は、このトリガマークmを検出して撮像タイミングを決定するようになっている。
【0148】
なお、この場合、画像検査装置5は、画像記録装置3が記録したトリガマークmをトリガセンサ56で検知してから、トリガセンサ56と撮像位置との距離に相当する所定の遅延を取った後、記録媒体に記録された画像を画像撮像部51で撮像して撮像画像データを取得して、画像供給装置1から転送された検査用画像データと照合・検査する。
【0149】
また、本実施形態においても、画像検査装置5により記録画像が不良と判定された場合には、不良マーク記録装置7により不良であるページに不良マークfを記録される。
【0150】
なお、その他の構成は、第1の実施形態において示したものとほぼ同様であるため、同一箇所には同一の符号を付して、その説明を省略する。
また、画像記録及び画像検査の手法等は、第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0151】
以上のように、本実施形態によれば、帯状の記録媒体を用いて画像記録を行う場合でも、ページの区切り位置を正確に把握して、迅速かつ高精度に記録画像の検査を行うことができる。
【0152】
なお、このような帯状の記録媒体を用いる場合には、不良マークfを図8に示すような画像の上だけではなく、例えば図16に示すように、欄外にも記録させるようにしてもよい。また、画像の上には不良マークfを記録せず、欄外のみに記録してもよい。
帯状の記録媒体の場合には、記録後これをページ毎に切り離して用いることが想定されるため、その時点でどの部分が不良であったのかが分かるように不良マークfを記録すればよく、必ずしも記録画像の上に重ねて不良マークfを記録する必要はなく、最小限度、良・不良の識別が可能であるようなマークを記録すれば足りる。
【0153】
また、本実施形態においては、不良マークfを記録する不良マーク記録装置7を画像記録装置3とは別個に設けることとしたが、不良マーク記録装置7を別個に設けず、画像記録装置3が不良マーク記録装置を兼用する構成としてもよい。
例えば、図13に示すような帯状の記録媒体を用いて記録を行う画像記録システムの場合、画像記録装置3で記録を行った後、画像検査装置5で不良が検知された場合、記録媒体を画像記録装置3の位置まで巻き戻して不良マークfを記録させることが可能である。このような構成とすれば、別途不良マーク記録装置7を設ける必要がない分、システムのコスト削減及びシステム全体の小型化を図ることが可能となる。
【0154】
画像記録装置3で不良マーク記録装置を兼用する場合の具体的な処理手順を図15に示す。なお、ステップS41からステップS44は、図10におけるステップS11からステップS14と同じであるため、説明を省略する。
画像検査装置5は不良を検知すると、当該不良ページを画像供給装置1に通知する(ステップS45:YES)。例えば、画像検査装置5が10ページ目を不良と判断すると、10ページ目が不良であることを画像供給装置1に通知する。画像検査装置5から不良通知を受けた画像供給装置1は、画像記録装置3に10ページ目以降の可変データを破棄し、記録を中止するように通知する(ステップS46)とともに、記録媒体搬送装置8を制御して、記録媒体を逆送させ、不良のあった10ページ目の先頭を記録位置まで戻す(ステップS47)。
画像供給装置1の制御部10は、例えば図16に示す不良マークf1と不良マークf2のデータを画像記録装置3の可変データメモリ33に転送するとともに不良マークfの記録を指示し(ステップS48)、記録媒体搬送装置8を制御して記録媒体を再び順方向に搬送させて(ステップS49)、図16に示すように不良マークf1と不良マークf2を10ページ目と続く11ページ目に上書き記録させる。また、制御部10は、続けて再記録を開始するページを不良とされたページからに設定し(ステップS50)、再プリントする10ページ目以降の記録用可変データを画像記録装置3の可変データメモリ33に転送し(ステップS44)、10ページ目から再記録を開始させる。
他方、画像検査装置5から不良通知がなかったとき(ステップS45:NO)は、全ページの転送が終了したか否かを判断し(ステップS51)、終了していなければ(ステップS51:NO)、ページ数を1つインクリメントして(ステップS51)、ステップS42に戻る。また、全ページ終了している場合には(ステップS51:YES)、さらに画像検査装置5から不良通知があったか否かを判断し(ステップS53)、不良通知があった場合(ステップS53:YES)には、前記ステップS46からステップS50と同様の処理を行う(ステップS54からステップS58)。また不良通知がなかった場合(ステップS53:NO)には、全ページの検査が終了したか否かを判断し(ステップS59)、終了していなければ(ステップS59:NO)、ステップS53に戻って全ページの検査が終了するまで処理を繰り返す。また、全ページの検査が終了していれば(ステップS59:YES)、処理を終了する。
これにより、不良ページには不良マークf1及び不良マークf2が記録され、その後に再プリントされたページが続くため、後で、不良マークf1または不良マークf2を検知して不良ページを取り除けば、正常なページが連続する。
【0155】
なお、図14に示す例では、画像検査装置5が撮像タイミングを決定するためのトリガマークmを画像記録装置3により無地の記録媒体上に記録する構成としたが、図17に示すように予め画像記録位置を示すトリガマークmが記録された帯状の記録媒体を使用し、このトリガマークmを図13のトリガセンサ35で検知して画像記録タイミングを決定し、また、トリガマークmをトリガセンサ56で検知して撮像タイミングを決定してもよい。
【0156】
また、図18に示すように、裏面に粘着剤が塗布されたタック紙を剥離紙と貼り合わせた帯状記録媒体のタック紙のみを記録する画像に対応して型抜きしたハーフカット済みタック紙を使用する場合、型抜き位置(すなわち、記録媒体の形状)をトリガセンサ35及びトリガセンサ56で検知して、それぞれ記録タイミングと撮像タイミングを決定してもよい。
【0157】
このように、予め画像記録位置を示すトリガマークmが記録された帯状の記録媒体を使用する場合や、型抜き位置(すなわち、記録媒体の形状)をトリガマークmに代えて位置基準マークのように利用する場合には、このトリガマークmや型抜き位置は、画像検査装置5の撮像タイミングを決定するためだけでなく、画像記録装置3が画像記録を行う際の画像記録タイミングを決定するものとしても用いられる。
【0158】
なお、この場合、例えば図19に示す位置から画像の記録と検査を開始すると、画像記録装置3のトリガセンサ35はトリガマークm1を検知して1ページ目の記録位置に1ページ目の画像を記録するが、画像検査装置5のトリガセンサ56はトリガマークm0を検知して1ページ目の撮像位置を撮像し、これを1ページ目の検査用画像データと照合してしまうことが起こりうる。このような場合、画像検査装置5によって撮像された部分にはまだ何も記録されていないので、不良と判定されてしまうこととなる。
また、図20に示すように、前回記録した画像に連続して新しい画像を記録する場合、画像検査装置5が前回記録した画像の末尾に対応するトリガマークm0を検知して撮像してしまうと、新しい画像の最初のページと一致しないため、不良と判定されてしまうこととなる。
【0159】
そこで、これら場合には、トリガセンサ35とトリガセンサ56との間の距離とトリガマークmの間隔に応じて画像検査装置5の撮像を遅延させれば良いが、トリガマークmの間隔すなわち画像記録の間隔が変わる度に撮像の遅延量を設定し直す必要があるばかりでなく、トリガセンサ35とトリガセンサ56との間の距離がトリガマークmの間隔の整数倍でない場合、たとえば、トリガセンサ35とトリガセンサ56との間の距離がトリガマークmの間隔の1.5倍となっている場合、画像記録と検査を開始する際、トリガセンサ35とトリガセンサ56の間には、トリガマークmが1つある場合と2つある場合があり、これによって、トリガセンサ2が最初のトリガマークmを検知してから実際に撮像と照合を開始するまでの遅延量を変える必要があり、遅延量を正しく設定することが困難である。このような場合は、トリガセンサ56で最初に検知したトリガマークmを基準として撮像した画像を1ページ目の画像と照合し、一致しない場合は、次に検知したトリガマークmを基準として撮像した画像を1ページ目の画像と照合し、これを一致するまで繰り返し、一致した後は、以後検知するトリガマークmを基準として撮像した画像を2ページ目以降の画像と順次照合すればよい。ただし、1ページ目の画像が正しく記録されなかった場合は、一致することがないので、所定回数一致しないときは、1ページ目の記録画像を不良と判断すればよい。
【0160】
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。なお、第3の実施形態は、トリガセンサの構成等が第1の実施形態及び第2の実施形態と異なるため、以下においては、特に第1の実施形態及び第2の実施形態と異なる点について説明する。
【0161】
図21に示すように、本実施形態の画像記録システムでは、第1の実施形態及び第2の実施形態の画像記録システムと異なり、画像記録装置3及び画像検査装置5が、共通のトリガセンサ120の信号に基づいて、画像記録タイミングと撮像タイミングを決定するようになっている。
すなわち、画像記録装置3は、トリガセンサ120がトリガマークmを検知してから、トリガセンサ120から記録位置までの距離に相当する遅延後、画像記録を開始するようになっており、画像検査装置5は、トリガセンサ120がトリガマークmを検知してから、トリガセンサ120から撮像位置までの距離に相当する遅延後、撮像を開始するようになっている。
第1の実施形態等で述べたのと同様、それぞれの遅延は、トリガセンサ120から記録位置又は撮像位置まで記録媒体が搬送されるのに要する時間としてもよいが、搬送ローラ81と一体として回転するエンコーダ82が出力するパルスをトリガセンサ120から記録位置又は撮像位置までの距離に相当するパルス数分カウントする方が、記録媒体の搬送速度に変動があった場合でも正確に記録開始位置を決定できるので望ましい。
このように構成すると、図22に示すように、画像記録及び検査開始時に、画像記録装置3と画像検査装置5の間にトリガマークmが存在していても、画像記録開始位置と画像検査開始位置がずれて画像検査装置5が画像記録開始前の部位を不良と誤判定しまうおそれがない。
【0162】
ただ、図22に示すように、トリガマークmの間隔、すなわち記録画像のページ間隔が記録位置と撮像位置の距離よりも短いと、トリガセンサ120がトリガマークmを検知して画像検査するまで遅延をかけている間に次のページのトリガマークmがトリガセンサ120に到達してしまう。
そこで、このような場合でも正しいタイミングで各ページの撮像を行うためには、例えば、図23に示すようにトリガセンサ120がトリガマークmを検知したタイミングを複数ページ分保持することのできるトリガタイミングメモリ122及びこれに保持されているタイミングデータに基づいて撮像タイミングを決定する撮像タイミング決定手段123を設け、前のページの撮像タイミングまで遅延をかけている最中でも次のページのトリガマークmを検知したタイミングを記憶し、撮像タイミング決定手段123が、前のページの撮像後に記憶しておいたトリガマークmの検知タイミングに基づいて遅延をかけて次のページの撮像タイミングを決定するように構成するとよい。トリガタイミングメモリ122は、トリガセンサ120と撮像位置間の距離をトリガマークmの間隔、すなわち記録画像のページ間隔で除した数より多い組数だけ設ければよい。
【0163】
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。なお、第4の実施形態は、メモリの構成等が第1の実施形態から第3の実施形態と異なるため、以下においては、特に第1の実施形態から第3の実施形態と異なる点について説明する。
【0164】
本実施形態の画像記録システムでは、図24に示すように、画像記録装置3は、記録用固定データと記録用可変データとを両方記憶する共通メモリ130と、この共通メモリ130のどの領域に記録用可変データを格納するかを管理する可変データ領域管理部131とを備えている。
【0165】
共通メモリ130は、記録用固定データを格納する固定データ領域と記録用可変データを保持する可変データ領域とを有しており、Nページ(N≧2)分の記録画像に対応した容量を有している。
なお図24では、共通メモリ130を4ページ分備えている場合を例示している。
【0166】
可変データ領域管理部131は、画像供給装置1から供給された記録用可変データの格納領域を示す可変データ位置情報を保持しており、画像供給装置から供給される記録用可変データをこの可変データ位置情報に基づいて各共通メモリ130の可変データ領域にページごとに循環的に順次保持させるようになっている。
そして、画像記録を行う際には、画像記録部31は、各共通メモリ130に保持された記録用固定データと記録用可変データとを1ページごとに循環的に読み出して記録媒体に記録を行う。
【0167】
また、本実施形態の画像記録システムでは、図25に示すように、画像検査装置5は、検査用固定データと検査用可変データとを両方記憶する共通メモリ133と、この共通メモリ133のどの領域に検査用可変データを格納するかを管理する可変データ領域管理部134とを備えている。
【0168】
共通メモリ133は、検査用固定データを格納する固定データ領域と検査用可変データを保持する可変データ領域とを有しており、Nページ(N≧2)分の記録画像に対応した容量を有している。
なお図25では、共通メモリ133を4ページ分備えている場合を例示している。
【0169】
可変データ領域管理部134は、画像供給装置1から供給された検査用可変データの格納領域を示す可変データ位置情報を保持しており、画像供給装置1から供給される検査用可変データをこの可変データ位置情報に基づいて各共通メモリ133の可変データ領域にページごとに循環的に順次保持させるようになっている。
そして、画像検査を行う際には、画像検査部55は、各共通メモリ133に保持された検査用固定データと検査用可変データとを1ページごとに循環的に読み出して記録画像の検査を行う。
【0170】
なお、本実施形態では、共通メモリ130,133を4ページ分備えている場合を例としたが、共通メモリ130,133は、Nページ(N≧2)分の記録画像に対応したものであればよく、その容量は特に限定されない。
【0171】
これらの画像記録装置3と画像検査装置5は、第1の実施形態において説明したのと同様に、例えば、図9に示すフローチャートに従って、画像供給装置1により制御される。
すなわち、画像供給装置1は、図9に示すステップS3で記録用固定データを画像記録装置3に転送し、図26に示すように、転送された記録用固定データは画像記録装置3の共通メモリ130a,130b,130c,130dに格納される。
【0172】
本実施形態では、このように記録用固定データは4面の共通メモリ130a,130b,130c,130dに格納されるため、画像供給装置1は同一の固定データを4回、画像記録装置3に転送してもよいが、画像供給装置1から画像記録装置3の転送は1回だけ行って共通メモリ130aに格納し、画像記録装置3がそのデータを画像記録装置3内部でデータ130b,130c,130dにコピーする方が、距離の離れた画像供給装置1と画像記録装置3との間を4回転送するよりも高速であり、しかもノイズの影響も受けないため好ましい。さらに、画像供給装置1から画像記録装置3の転送は1回だけとし、転送されたデータを共通メモリ130a,130b,130c,130dに分配して同時に格納するように構成すると、さらに転送時間が短くなるので、より好ましい。
【0173】
同様に、図9に示すステップS5で検査用固定データを画像検査装置5に転送し、転送された検査用固定データは画像検査装置5の共通メモリ133a,133b,133c,133dに格納する。
画像供給装置1は、可変画像記録装置転送処理について示した図10のステップS14で、1ページ目の記録用可変データを画像記録装置3の共通メモリ130aに転送する。このとき、記録用可変データの記録位置を可変データ領域管理部131に通知し、可変データ領域管理部131は転送された1ページ目の記録用可変データを共通メモリ130aの可変画像記録位置に対応した領域に保存する。同様に、画像供給装置1は、ステップS14において、2〜4ページ目の記録用可変データを画像記録装置の共通メモリ130b,130c,130dに順次転送し、可変データ領域管理部131は転送された2〜4ページ目の記録用可変データを共通メモリ130bから130dの可変画像記録位置に対応した領域に順次保存する。(図27参照)
【0174】
その後1ページ目の画像が記録されて共通メモリ130aが空くと、画像供給装置1はステップS14において、5ページ目の記録用可変データを画像記録装置3の共通メモリ130aに転送し、可変データ領域管理部131は転送された5ページ目の記録用可変データを共通メモリ130aの1ページ目の記録用可変データが保存されていた可変画像記録位置に対応した領域に上書き保存する。従って、本実施例では、記録用可変データは全ページで全て同じ位置に同じサイズで記録されるものとする。(図28参照)
【0175】
以後、画像記録の進行とともに、空いた共通メモリの可変データ領域に、続くページの記録用可変データを順次上書き保存していく。
【0176】
同様に、画像供給装置1は、図11に示した可変画像検査装置転送処理のステップS34で、1ページ目の検査用可変データを画像検査装置5の共通メモリ133aに転送する。このとき、検査用可変データの記録位置を可変データ領域管理部134に通知し、可変データ領域管理部134は転送された1ページ目の検査用可変データを共通メモリ133の可変画像記録位置に対応した領域に保存する。同様に、画像供給装置1は、図11のステップS34において、2〜4ページ目の検査用可変データを画像検査装置5の共通メモリ133b,133c,133dに順次転送し、可変データ領域管理部134は転送された2〜4ページ目の検査用可変データを共通メモリ133b〜133dの可変画像記録位置に対応した領域に順次保存する。
【0177】
その後1ページ目の画像が記録されて共通メモリ133aが空くと、画像供給装置1は、図11のステップS34において、5ページ目の検査用可変データを画像検査装置5の共通メモリ133aに転送し、可変データ領域管理部134は転送された5ページ目の検査用可変データを共通メモリ133aの1ページ目の検査用可変データが保存されていた可変画像記録位置に対応した領域に上書き保存する。
【0178】
以後、画像記録と検査の進行とともに、空いた共通メモリの可変データ領域に、続くページの可変データを順次上書き保存していくようにする。
【0179】
このように、共通メモリ130,133に固定データと可変データとを保持することにより、簡便な構成で固定データと可変データを合成して記録し、検査することができる。また、Nページ分(N≧2)の共通メモリを持っているので、画像供給装置1から画像記録装置3又は画像検査装置5に対するデータ転送が一時的に途絶えたり転送速度が低下したりした場合でも、画像記録や画像検査を停止せずに継続することができる。
また、ページごとに可変データのみを転送し、共通メモリ130,133上の可変データ領域のみを更新するので、転送データが少なく、画像記録及び検査を高速化できる。Nページ分の共通メモリを循環的に使用するため、画像記録中や画像検査中に次のページのデータ転送を行うことができ、画像記録及び画像検査を高速化することができる。
【0180】
なお、本実施形態では、画像記録装置3及び画像検査装置5がともに共通メモリ130,133及び可変データ領域管理部131,134を備えている場合を例としたが、画像記録装置又は画像検査装置5の一方のみが共通メモリ及び可変データ領域管理部を備え、他方は固定データメモリ及び可変データメモリを有する構成としてもよい。
【0181】
[第5の実施形態]
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。なお、第5の実施形態は、メモリの構成等が第1の実施形態から第4の実施形態と異なるため、以下においては、特に第1の実施形態から第4の実施形態と異なる点について説明する。
【0182】
図29は、本実施形態における画像記録システムの全体構成を示した図である。
本実施形態における画像記録システムでは、画像供給装置1から転送された記録用画像データに基づいて画像記録装置3が検査用画像データを生成し、画像検査装置5に転送する構成となっている。
本実施形態において、画像記録装置3は、図29に示すように、画像記録部31、記録用固定データを保持する記録用固定データメモリ150、記録用可変データを保持する記録用可変データメモリ151、検査用データ生成部155及び、装置各部を制御する画像記録装置全体制御部156を備えている。また、画像検査装置5は、画像撮像部51、撮像データメモリ54、画像検査部55の他、検査用固定データを保持する検査用固定データメモリ157、検査用可変データを保持する検査用可変データメモリ158を備えている。
【0183】
図30及び図31は、本実施形態における画像供給装置1の処理の一例を示すフローチャートであり、図32から図35は、画像記録装置3の処理の一例を示すフローチャートである。
図30に示すように、画像供給装置1は、画像データを読み込んで(ステップS61)、固定データを画像記録装置3の記録解像度と色特性に応じて変換し(ステップS62)、変換済み固定データ(記録用固定データ)を画像記録装置3に転送する(ステップS63)。
【0184】
また、図32に示すように、画像記録装置3は、画像供給装置1から固定データ(記録用固定データ)を受信すると(ステップS81:YES)、これを記録用固定データメモリ150に格納する(ステップS82)。そして、検査用データ生成部151において記録用固定データメモリ150に格納されている記録用固定データを画像検査装置5の撮像解像度と色特性に応じて変換し、画像検査装置5の検査用固定データメモリ157に格納する(ステップS83)。さらに、画像記録装置3は、可変データ受信処理(ステップS84)、画像記録処理(ステップS85)、可変データメモリ開放処理(ステップS86)をそれぞれ起動し、各処理を並列的に実行する。画像記録装置3は、全ページについて検査が終了したかを判断し(ステップS87)、検査が終了するまで処理を繰り返す。
【0185】
一方、図30に示すように、画像供給装置1は、可変画像記録装置転送処理を起動する(ステップS64)。可変画像記録装置転送処理においては、ページ数nに1をセットし(ステップS71)、1ページ目の可変データを画像記録装置3の記録解像度と色特性に応じて変換し(ステップS72)、画像記録装置3の記録用可変データメモリ151に空きがあることを確認し(ステップS73)、記録用可変データメモリ151に空きがある場合(ステップS73:YES)には、1ページ目の変換済み可変データ(記録用可変データ)を画像記録装置3に転送する(ステップS74)。以後、画像供給装置1は、ステップS72からステップS76の処理を繰り返すことによって2ページ目以降の可変データを順次画像記録装置3の記録解像度と色特性に応じて変換し、画像記録装置3の記録用可変データメモリ151に空きが出来ると(ステップS73:YES)、変換した可変データ(記録用可変データ)を画像記録装置3に転送する。
【0186】
次に、図33に示すように、画像記録装置3による可変データ受信処理は、まず、記録用可変データメモリ151に空きがあるか否かを判断し(ステップS91)、記録用可変データメモリ151に空きがあることを確認すると(ステップS91:YES)、画像供給装置1からの受信可変データがあるか否かを判断する(ステップS92)。そして、受信可変データがある場合(ステップS92:YES)には、1ページ目の可変データを受信して記録用可変データメモリ151に格納する(ステップS93)。そして、検査用データ生成部155が記録用可変データメモリ151に格納されている1ページ目の可変データ(記録用可変データ)を画像検査装置5の撮像解像度と色特性に応じて変換し、画像検査装置5の検査用可変データメモリ158に格納する(ステップS94)。以後、可変データ受信処理はステップS91からステップS94の処理を繰り返し、記録用可変データメモリ151に空きが出来ると、2ページ目以降の可変データを記録用可変データメモリ150に格納し、検査用データ生成部155が画像検査装置5の撮像解像度と色特性に応じて変換し、画像検査装置5の検査用可変データメモリ158に格納する。
【0187】
画像記録装置3の画像記録処理は、図34に示すように、まず、ページ数nに1をセットし(ステップS101)、画像検査部から不良通知がないか否かを判断する(ステップS102)。そして、不良通知がないことを確認すると(ステップS102:NO)、全ページの記録が終了したか否かを判断し(ステップS103)、全ページの記録が終了していないことを確認すると(ステップS103:NO)、1ページ目か否か確認し(ステップS104)、1ページ目の場合(ステップS104:YES)には、1ページ目の可変データを受信終了したか否かを確認し(ステップS106)、1ページ目の可変データの受信が終了したら(ステップS106:YES)1ページ目の可変データと固定データとの合成画像の記録を開始する(ステップS107)。
【0188】
画像検査装置5は、1ページ目の画像を撮像すると、撮像データを撮像データメモリに格納し、画像記録装置から転送された固定データおよび可変データから成る画像データと照合して、記録画像が正常か否かを判定し、画像記録装置全体制御部に通知する。
【0189】
画像記録装置3の画像記録処理は、ステップS102からステップS108の処理を繰り返し、画像検査装置5から不良通知がないことを確認しながら、前ページの記録が終了すると、受信した次のページの記録用可変データを記録用固定データと合成して、順次画像記録を行っていく。
【0190】
画像記録装置3の可変データメモリ開放処理は、図35に示すように、画像検査部55から良の通知を受けると(ステップS121)、該当ページの記録用可変データが格納されている記録用可変データメモリ151を開放し、当該記録用可変データメモリ151を空きとする(ステップS122)。これにより、可変画像記録装置転送処理のステップS73において、画像供給装置1は画像記録装置3の記録用可変データメモリ151に空きがあると確認し、新しいページの記録用可変データを画像記録装置3に転送することになる。また、画像記録装置3は、可変データ受信処理のステップS91において、記録用可変データメモリ151に空きがあることを確認し、新しいページの記録用可変データを受信することなる。
【0191】
画像記録装置3は、画像検査部55から不良の通知を受けると、画像記録処理のステップS102からステップS109に分岐し、現在記録中のページの記録を中止し、ステップS110で次に記録するページ数nに当該不良ページ数をセットし、ステップS107における不良ページの記録を開始する。可変データメモリ開放処理は、当該ページが良の通知を受けるまで当該ページが格納されている記録用可変データメモリ151を開放しないので、画像供給装置1から再度記録用可変データを転送することなく、直ちに当該不良ページの記録を再開することができる。
【0192】
ここで、検査が終了するまで記録用可変データを記録用可変データメモリ151に保持するためには、画像記録装置3の記録位置と画像検査装置5の撮像位置との間の記録媒体搬送経路に沿った距離をL、1ページの長さをPとするとき、検査用データ保持用に(L/P)ページ分、記録用データの格納に1ページ分、合計(L/P+1)ページ分以上の容量の記録用可変データメモリ151を持てばよい。
【0193】
なお、画像記録終了後、直ちに記録用可変データメモリ151を開放する構成とした場合は、当該ページの検査結果が不良であったことを画像供給装置1に通知し、当該ページの記録用可変データを再送すればよく、この場合、可変データメモリの容量は、(L/P+1)ページ分以上である必要はない。
【0194】
このように、本実施形態においては、画像供給装置1と画像記録装置3、画像検査装置5の各部が協調して動作することにより、全ページが良と判定されるまで画像記録が行われる。
【0195】
なお、本実施形態では、画像記録装置3が検査用データ生成部155を備え、記録用画像データを検査装置撮像部の解像度と色特性に応じて画像データを変換して画像検査装置5に転送する構成としたが、画像検査装置5が検査用データ生成部を備え、画像記録装置3は記録用画像データを画像検査装置5に転送し、画像検査装置5が記録用画像データを画像撮像部51の解像度と色特性に応じて転送された画像データを変換して検出用画像データを生成する構成としてもよい。
【0196】
また、本実施形態では、画像検査装置5は検査用可変データを格納する検査用可変データメモリ158を備える構成としたが、検査用可変データメモリ158は必須の構成要素ではなく、図36に示すようにこれを省略することもできる。
すなわち、例えば、検査用データの生成に要する時間が画像記録に要する時間よりも短い場合には、画像検査を行う際に、記録用可変データを順次検査用データに変換しながら検査用固定データと合成して検査用の画像を生成し、これを撮像データと照合することにより、検査を行う構成としてもよい。このように検査用可変データメモリを備えない場合には、その分コストダウンを図ることが可能となる。
【0197】
また、図37に示すように、画像記録装置3、又は、画像検査装置5に、固定データと可変データとを格納する共通メモリ160,161と、可変データの格納領域を管理する可変データ領域管理部162,163とを備え、この可変データ領域管理部162,163が、可変データの記録位置に応じて可変データの格納領域を管理する構成としてもよい。
【0198】
なお、以上のいずれの実施形態においても、画像供給装置1から、特定のテストチャート画像を画像記録装置3に転送して記録し、画像検査装置5で検査すれば、画像記録装置3の画像記録部31に不良がないか否かを診断することが出来る。
【0199】
なお、その他、本発明が上記の実施形態に限定されず、適宜変更可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0200】
100 画像記録システム
1 画像供給装置
3 画像記録装置
5 画像検査装置
7 不良マーク記録装置
8 記録媒体搬送装置
9 記録媒体仕分け装置
10 制御部
11 画像データメモリ
12 画像データ変換部
31 画像記録部
32 固定データメモリ
33 可変データメモリ
51 画像撮像部
52 固定データメモリ
53 可変データメモリ
54 撮像データメモリ
55 画像検査部
82 エンコーダ
83 記録媒体供給部
84 排紙皿
93 仕分けゲート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像供給装置と、当該画像供給装置から供給された記録用画像データを記録媒体に記録する画像記録装置と、当該画像記録装置により記録媒体上に記録された記録画像を撮像しこの記録画像と前記画像供給装置から供給された検査用画像データとを照合して正常に記録が行われたか否かを検査する画像検査装置と、を備える画像記録システムであって、
前記画像供給装置は、前記記録用画像データを複数ページに共通する記録用固定データと共通しない記録用可変データとに分離して前記画像記録装置に送信するとともに、前記検査用画像データを前記記録用固定データに対応する検査用固定データと、前記記録用可変データに対応する検査用可変データとに分離して画像検査装置に送信し、
前記画像記録装置は、少なくとも1ページ分の前記記録用固定データを保持する固定データメモリと、少なくとも1ページ分の前記記録用可変データを保持する可変データメモリとを備え、前記固定データメモリに保持された前記記録用固定データと、前記可変データメモリに保持された前記記録用可変データとを1ページずつ合成して記録媒体に記録を行う画像記録部を備え、
前記画像検査装置は、前記画像記録装置により記録媒体上に記録された記録画像を撮像する画像撮像部と、少なくとも1ページ分の前記検査用固定データを保持する固定データメモリと、少なくとも1ページ分の前記検査用可変データを保持する可変データメモリとを備え、前記固定データメモリに保持された前記検査用固定データと前記可変データメモリに保持された前記検査用可変データとを合成して得られる検査用画像と、前記画像撮像部で撮像された記録画像とを照合して記録画像の検査を行う画像検査部を備え、
前記画像供給装置は、複数ページの画像記録に際して前記記録用固定データを1回前記画像記録装置に供給するとともに、前記検査用固定データを1回前記画像検査装置に供給することを特徴とする画像記録システム。
【請求項2】
前記画像記録装置の前記可変データメモリは、少なくとも2ページ分の前記記録用可変データを保持する容量を備え、記録の終ったページのメモリ領域を循環的に順次、新しいページの前記記録用可変データの保持に使用することを特徴とする請求項1に記載の画像記録システム。
【請求項3】
前記画像記録装置は、Nページ(N≧2)分の記録画像に対応した前記記録用固定データを格納する固定データ領域と前記記録用可変データを保持する可変データ領域とを有するN個の共通メモリと、この共通メモリのどの領域に前記記録用可変データを保持するかを管理する可変データ領域管理部とを備え、
画像記録に先立ち、前記画像供給装置より供給された前記記録用固定データを前記N個の共通メモリに保持するとともに、前記画像供給装置より供給された前記記録用可変データの格納領域を示す可変データ位置情報を前記可変データ領域管理部に保持し、
前記可変データ領域管理部は、前記画像供給装置より供給される前記記録用可変データを前記可変データ位置情報に基づいて前記N個の共通メモリの前記可変データ領域にページごとに循環的に順次保持し、
前記画像記録部は、前記N個の共通メモリに保持された前記記録用固定データと前記記録用可変データとを1ページごとに循環的に読み出して記録媒体に記録を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像記録システム。
【請求項4】
前記画像検査装置の前記可変データメモリは、少なくとも2ページ分の前記検査用可変データを保持する容量を備え、検査の終ったページのメモリ領域を循環的に順次、新しいページの前記検査用可変データの保持に使用することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の画像記録システム。
【請求項5】
前記画像検査装置は、Nページ(N≧2)分の検査画像に対応した前記検査用固定データを格納する固定データ領域と前記検査用可変データを格納する可変データ領域とを有するN個の共通メモリと、この共通メモリのどの領域に前記検査用可変データを保持するかを管理する可変データ領域管理部とを備え、
画像検査に先立ち、前記画像供給装置より供給された前記検査用固定データを前記N個の共通メモリに保持するとともに、前記画像供給装置より供給された前記検査用可変データの格納領域を示す可変データ位置情報を前記可変データ領域管理部に保持し、
該可変データ領域管理部は、前記画像供給装置より供給される前記検査用可変データを前記可変データ位置情報に基づいて前記N個の共通メモリの前記可変データ領域にページごとに循環的に順次保持し、
前記画像検査部は、N個の共通メモリに保持された前記検査用固定データと前記検査用可変データとを1ページごとに循環的に読み出し、前記画像撮像部で撮像された記録画像と照合して記録画像の検査を行うことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の画像記録システム。
【請求項6】
前記画像供給装置は、前記画像記録装置の記録解像度に対応した前記記録用固定データ及び前記記録用可変データを前記画像記録装置に供給するとともに、前記画像記録装置の記録解像度と前記画像検査装置の撮像解像度に対応した前記検査用固定データ及び前記検査用可変データを前記画像検査装置に供給することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の画像記録システム。
【請求項7】
前記画像検査装置の撮像解像度は前記画像記録装置の記録解像度よりも低く、前記画像検査装置の撮像データの階調数は前記画像記録装置の記録階調数よりも高いことを特徴とする請求項6記載の画像記録システム。
【請求項8】
前記画像記録装置は、複数の色材を記録可能なカラー画像記録装置であり、
前記画像検査装置は、画像を複数の色成分に分解して撮像可能なカラー撮像手段を備え、複数の色成分を有するカラー画像の照合・検査が可能なカラー画像検査装置であり、
前記画像供給装置は、前記画像記録装置の色特性に対応した前記記録用固定データ及び前記記録用可変データを前記画像記録装置に供給するとともに、前記画像記録装置の色特性と前記画像検査装置の色特性に対応した前記検査用固定データ及び前記検査用可変データを前記画像検査装置に供給することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の画像記録システム。
【請求項9】
前記画像検査装置は、検査したページを不良と判定するとその結果を前記画像供給装置に通知し、
前記画像供給装置は、前記画像検査装置より不良の通知を受けると、不良のページ以降の前記記録用可変データを再度前記画像記録装置に供給し、
前記画像記録装置は、前記画像供給装置より再供給された前記記録用可変データに基づいて不良ページ以降のページを再度記録することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の画像記録システム。
【請求項10】
前記画像検査装置は、検査したページの判定結果を前記画像記録装置に通知し、
前記画像記録装置は、記録したページの検査結果が良と通知を受けるまで当該ページに対応する前記記録用可変データを保持し、記録したページの検査結果が不良と通知を受けると、当該不良ページ以降のページを再度記録することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の画像記録システム。
【請求項11】
前記画像記録装置の記録位置と前記画像検査装置の撮像位置との間の記録媒体搬送経路に沿った距離をL、1ページの長さをPとするとき、前記画像記録装置は、(L/P+1)ページ分以上の前記記録用可変データを保持する容量の前記可変データメモリ又は前記共通データメモリを備えていることを特徴とする請求項10に記載の画像記録システム。
【請求項12】
画像供給装置と、当該画像供給装置から供給された記録用画像データを記録媒体に記録する画像記録装置と、当該画像記録装置により記録媒体上に記録された記録画像を撮像し前記画像記録装置から転送された検査用画像データと照合して正常に記録が行われたか否かを検査する画像検査装置と、を備える画像記録システムであって、
前記画像供給装置は、前記記録用画像データを複数ページに共通する記録用固定データと共通しない記録用可変データとに分離して前記画像記録装置に送信し、
前記画像記録装置は、少なくとも1ページ分の前記記録用固定データを保持する固定データメモリと、少なくとも1ページ分の前記記録用可変データを保持する可変データメモリとを備え、前記固定データメモリに保持された前記記録用固定データと、前記可変データメモリに保持された前記記録用可変データとを1ページずつ合成して記録媒体に記録を行う画像記録部を備え、
前記画像検査装置は、前記画像記録装置により記録媒体上に記録された記録画像を撮像する画像撮像部と、少なくとも1ページ分の検査用固定データを保持する固定データメモリを備え、この固定データメモリに保持された前記検査用固定データと前記検査用画像データの検査用可変データとを合成して得られる検査用画像と、前記画像撮像部で撮像された記録画像とを照合して記録画像の検査を行う画像検査部を備え、
前記画像供給装置は、複数ページの画像記録に際して前記記録用固定データを1回前記画像供給装置に供給し、前記画像記録装置は、前記検査用固定データを1回前記画像検査装置に供給することを特徴とする画像記録システム。
【請求項13】
前記画像記録装置の前記可変データメモリは、少なくとも2ページ分の前記記録用可変データを保持する容量を備え、記録の終ったページのメモリ領域を循環的に順次、新しいページの前記記録用可変データの保持に使用することを特徴とする請求項12に記載の画像記録システム。
【請求項14】
前記画像記録装置は、Nページ(N≧2)分の記録画像に対応した前記記録用固定データを格納する固定データ領域と前記記録用可変データを保持する可変データ領域とを有するN個の共通メモリと、この共通メモリのどの領域に前記記録用可変データを保持するかを管理する可変データ領域管理部とを備え、
画像記録に先立ち、前記画像供給装置より供給された前記記録用固定データを前記N個の共通メモリに保持するとともに、前記画像供給装置より供給された前記記録用可変データの格納領域を示す可変データ位置情報を前記可変データ領域管理部に保持し、
前記可変データ領域管理部は、前記画像供給装置より供給される前記記録用可変データを前記可変データ位置情報に基づいて前記N個の共通メモリの前記可変データ領域にページごとに循環的に順次保持し、
前記画像記録部は、前記N個の共通メモリに保持された前記記録用固定データと前記記録用可変データとを1ページごとに循環的に読み出して記録媒体に記録を行うことを特徴とする請求項12に記載の画像記録システム。
【請求項15】
前記画像検査装置は、少なくとも2ページ分の前記検査用可変データを保持する可変データメモリを備え、検査の終ったページのメモリ領域を循環的に順次、新しいページの前記検査用可変データの保持に使用することを特徴とする請求項12から請求項14のいずれか一項に記載の画像記録システム。
【請求項16】
前記画像検査装置は、Nページ(N≧2)分の検査画像に対応した前記検査用固定データを格納する固定データ領域と前記検査用可変データを格納する可変データ領域とを有するN個の共通メモリと、この共通メモリのどの領域に前記検査用可変データを保持するかを管理する可変データ領域管理部とを備え、
画像検査に先立ち、前記画像記録装置より供給された前記検査用固定データをN個の共通メモリに保持するとともに、前記画像記録装置より供給された前記検査用可変データの格納領域を示す可変データ位置情報を前記可変データ領域管理部に保持し、
前記可変データ領域管理部は、前記画像記録装置より供給される前記検査用可変データを前記可変データ位置情報に基づいて前記N個の共通メモリの前記可変データ領域にページごとに循環的に順次保持し、
前記画像検査部は、N個の共通メモリに保持された前記検査用固定データと前記検査用可変データとを1ページごとに循環的に読み出し、前記画像撮像部で撮像された記録画像と照合して記録画像の検査を行うことを特徴とする請求項12から請求項14のいずれか一項に記載の画像記録システム。
【請求項17】
前記画像供給装置は、前記画像記録装置の記録解像度に対応した前記記録用固定データ及び前記記録用可変データを前記画像記録装置に供給し、
前記画像記録装置は、前記画像検査装置の撮像解像度に対応した前記検査用固定データ及び前記検査用可変データを前記画像検査装置に供給することを特徴とする請求項12から請求項16のいずれか一項に記載の画像記録システム。
【請求項18】
前記画像検査装置の撮像解像度は前記画像記録装置の記録解像度よりも低く、前記画像検査装置の撮像データの階調数は前記画像記録装置の記録階調数よりも高いことを特徴とする請求項17に記載の画像記録システム。
【請求項19】
前記画像記録装置は、複数の色材を記録可能なカラー画像記録装置であり、
前記画像検査装置は、画像を複数の色成分に分解して撮像可能なカラー撮像手段を備え、複数の色成分を有するカラー画像の照合・検査が可能なカラー画像検査装置であり、
前記画像供給装置は、前記画像記録装置の色特性に対応した前記記録用固定データ及び前記記録用可変データを前記画像記録装置に供給し、
前記画像記録装置は、前記画像検査装置の色特性に対応した前記検査用固定データ及び前記検査用可変データを前記画像検査装置に供給することを特徴とする請求項12から請求項18のいずれか一項に記載の画像記録システム。
【請求項20】
前記画像検査装置は、検査したページを不良と判定するとその結果を前記画像供給装置に通知し、
前記画像供給装置は、前記画像検査装置より不良の通知を受けると、不良のページ以降の前記記録用可変データを再度前記画像記録装置に供給し、
前記画像記録装置は、前記画像供給装置より再供給された前記記録用可変データに基づいて不良ページ以降のページを再度記録することを特徴とする請求項12から請求項19のいずれか一項に記載の画像記録システム。
【請求項21】
前記画像検査装置は、検査したページの判定結果を画像記録装置に通知し、
前記画像記録装置は、記録したページの検査結果が良と通知を受けるまで当該ページに対応する前記記録用可変データを保持し、記録したページの検査結果が不良と通知を受けると、当該不良ページ以降のページを再度記録することを特徴とする請求項12から請求項19のいずれか一項に記載の画像記録システム。
【請求項22】
前記画像記録装置の記録位置と前記画像検査装置の撮像位置との間の記録媒体搬送経路に沿った距離をL、1ページの長さをPとするとき、前記画像記録装置は、(L/P+1)ページ分以上の前記記録用可変データを保持する容量の可変データメモリ又は共通データメモリを備えていることを特徴とする請求項21に記載の画像記録システム。
【請求項23】
前記画像供給装置の制御に基づいて記録媒体上に不良マークを記録する不良マーク記録装置を、前記画像検査装置よりも記録媒体搬送方向の下流側に備え、
前記画像供給装置は、前記画像検査装置より不良の通知を受けると、当該不良ページから、当該ページを再記録するまでの全てのページに不良マークを記録するように、前記不良マーク記録装置を制御することを特徴とする請求項9、請求項10、請求項20、又は請求項21に記載の画像記録システム。
【請求項24】
前記記録媒体は枚葉状の記録媒体であり、前記画像供給装置の制御に基づいて記録済みの記録媒体を仕分けする記録媒体仕分け装置を備え、
前記画像供給装置は、前記画像検査装置より不良の通知を受けると、当該不良ページから、当該ページを再記録するまでの全てのページを、正常のページとは別に仕分けするように、前記記録媒体仕分け装置を制御することを特徴とする請求項9、請求項10、請求項20、又は請求項21に記載の画像記録システム。
【請求項25】
前記記録媒体は帯状の記録媒体であり、前記画像供給装置の制御に基づいて前記帯状の記録媒体を搬送する記録媒体搬送装置を備え、
前記画像供給装置は、前記画像検査装置より不良の通知を受けると、前記記録媒体搬送装置を制御して当該不良ページが記録された帯状記録媒体部位を前記画像記録部まで逆送し、前記画像記録装置に、当該不良ページから、既に記録済みの続くページに不良マークを記録し、続く記録媒体の未記録部に前記不良と通知されたページから記録を再開させることを特徴とする請求項9、請求項10、請求項20、又は請求項21に記載の画像記録システム。
【請求項26】
前記記録媒体は帯状の記録媒体であり、前記画像記録装置は1ページごとに位置基準マークを記録し、
前記画像検査装置はこの位置基準マークを検出して、記録画像の撮像タイミングを決定することを特徴とする請求項1から請求項25のいずれか一項に記載の画像記録システム。
【請求項27】
前記記録媒体は帯状の記録媒体であり、前記画像記録装置は、前記帯状の記録媒体に予め形成されている位置基準マーク又は記録媒体の形状を検知手段で検知して、画像記録タイミングを決定し、
前記画像検査装置は前記位置基準マーク又は記録媒体の形状を前記検知手段で検知して、記録画像撮像タイミングを決定するに際して、前記検知手段で検知した前記位置基準マーク又は記録媒体の形状の検知タイミングを複数ページ分記憶する記憶手段有し、前記検知手段で前記位置基準マーク又は記録媒体の形状を検出してから当該位置基準マーク又は記録媒体の形状に対応するページを撮像するまでの間に、次のページの位置基準マーク又は記録媒体の形状を検知した場合には、その検知タイミングを前記記憶手段に記憶することを特徴とする請求項1から請求項25のいずれか一項に記載の画像記録システム。
【請求項28】
前記記録媒体は帯状の記録媒体であり、前記画像記録装置は、前記帯状の記録媒体に予め形成されている位置基準マーク又は記録媒体の形状を第1の検知手段で検知して、画像記録タイミングを決定し、
前記画像検査装置は前記位置基準マーク又は記録媒体の形状を第1の検知手段よりも画像検査装置近傍に設置された第2の検知手段で検知して、記録画像撮像タイミングを決定することを特徴とする請求項1から請求項25のいずれか一項に記載の画像記録システム。
【請求項29】
前記画像検査装置は、撮像した画像が1ページ目の画像と判断されるまで、前記可変データメモリに保持する1ページ目の可変データを更新せずに、検査を続けることを特徴とする請求項28に記載の画像記録システム。
【請求項30】
予め設定した所定ページ以上検査しても1ページ目の画像と判断されないときは1ページ目の記録画像を不良と判断することを特徴とする請求項29に記載の画像記録システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【公開番号】特開2010−287098(P2010−287098A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−141250(P2009−141250)
【出願日】平成21年6月12日(2009.6.12)
【出願人】(000001270)コニカミノルタホールディングス株式会社 (4,463)
【Fターム(参考)】