説明

画像記録再生装置

【課題】 再生された映像データから複数枚の静止画像を連続的にキャプチャして記録する動作を容易に実行可能な画像記録再生装置を提供する。
【解決手段】 記録媒体から動画像を再生する再生部と、静止画像の記録を指示する操作キーと、操作キーからの指示に応じて、再生部によって再生された動画像から静止画像データを生成して記録する記録部と、操作キーからの指示が解除されるまでの間、1フレームずつのコマ送り再生を実行させるとともに、コマ送り再生によって得られる複数枚の静止画像に係る静止画像データを連続的に記録させるよう制御する制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像記録再生装置に関し、特にメモリカードや光ディスク等の記録媒体に記録された映像データの再生画像から静止画像を取り込み、静止画像データにして記録する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ビデオカメラ等で撮像される映像データの高解像度化が進み、記録された映像データから高画質な画像を再現できるようになってきている。さらに、記録された映像データを動画像として観賞するだけではなく、映像データから所望のフレームを静止画像として抜き出し、静止画像やスライドショー等の再生形態で観賞するといった使われ方が一般的に行われるようになっている。
【0003】
記録された映像データから所望の静止画像を抜き出す技術としては、ユーザが所望の画像のタイミングで操作ボタンを操作することによって、そのタイミングに依存した静止画像をキャプチャする技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
ところで、ビデオカメラの中には、映画のフレームレートに対応して、1秒あたり24コマ(フレーム)の撮像画像を記録できるものが存在する。また、24フレーム/秒で撮像されたプログレッシブ映像(24p)に対して、2:3:2:3プルダウン変換処理や、2:3:3:2プルダウン変換処理を行う技術も知られている。いわゆるプルダウン変換処理とは、所定のタイミングで重複フィールドを挿入して、例えば24pから1秒あたり約60コマ(フィールド)のインタレース映像(60i)を生成する技術である。なお、24pから生成された60iのインタレース映像を記録媒体に記録する技術も知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
また、記録されたインタレース映像を再生する際に、トップフィールドとボトムフィールドを動き適応処理に応じて合成する技術と、トップフィールド又はボトムフィールドから合成用のフィールドを生成するフィールド内補間の技術が知られている。(例えば、特許文献3参照。)このような技術は総称してIP変換(インタレース/プログレッシブ変換)と呼ばれる。IP変換を行うことによって、60iで記録された映像データを、60フレーム/秒のプログレッシブ映像(60p)に変換して出力することも可能になる。
【特許文献1】特開2006−140901号公報
【特許文献2】特開2003−284007公報
【特許文献3】特開平10−327393号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載された技術では、1回の静止画キャプチャ操作によって取得できる静止画像は1枚であった。すなわち、動画像から連続的に静止画像をキャプチャするには、静止画キャプチャの操作を繰り返し行う必要があった。これは、1枚といわず複数枚の静止画像のキャプチャを連続して行おうとするユーザにとっては煩わしい操作となる。
【0007】
そこで、1回の静止画キャプチャ操作に応じて、連続する複数フレーム分の静止画像を一括してキャプチャする案も考えられるが、上記の従来技術のように、プルダウン変換処理されたインタレース映像(例えば60i)を再生する場合を想定しなければならない。インタレース映像の場合はIP変換後のフレームから静止画像をキャプチャすることになるが、それがプルダウン変換処理されたインタレース映像である場合には重複フィールドが存在しているため、静止画キャプチャに適さないフレーム画像が含まれると考えられる。
【0008】
本発明はこのような問題点に鑑み、再生された映像データから複数枚の静止画像を連続的にキャプチャして記録する動作を容易に実行可能な画像記録再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の画像記録再生装置は、記録媒体に記録された映像データを再生する再生手段と、静止画像の記録を指示する操作手段と、前記操作手段からの指示に応じて、前記再生手段によって再生された映像データから静止画像データを生成して記録する記録手段と、前記操作手段からの指示が解除されるまでの間、前記再生手段に対して1フレームずつのコマ送り再生を実行させるとともに、前記記録手段に対して前記コマ送り再生によって得られる複数枚の静止画像に係る静止画像データを連続的に記録させるよう制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、再生された映像データから複数枚の静止画像を連続的にキャプチャできるようになり、ユーザの利便性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、この発明は以下に記載された実施の形態に限定されない。また、この発明の実施の形態は発明の最も好ましい形態を示すものであり、発明の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0012】
図1は、本発明の実施例1に係る画像記録再生装置の構成を示すブロック図である。
【0013】
図1において、画像記録再生装置1には、着脱可能なメモリカードなどのランダムアクセスメディアである記録媒体2が接続される。
【0014】
画像記録再生装置1は、メディア・インタフェース(I/F)の機能を備えた記録再生部101、ストリームバッファ102、MPEGデコーダ(復号器)103、及び、インタレース/プログレッシブ変換を行うIP変換部107を備える。さらに、動画像フォーマット判別部104、プルダウン検出部105、シーン切り替わり検知部106、フレーム画像生成部108、フレームバッファ109、JPEGエンコーダ110、表示部111、操作キー112、及び、制御部(CPU)113を備える。なお、操作キー112は静止画キャプチャを指示するための操作部などを含み、制御部113は操作キー112から入力されるユーザ指示に従って、画像記録再生装置1の各部を制御する。
【0015】
また、記録再生部101は、記録媒体2に記録されている映像データ又は静止画像データを再生する機能と、記録媒体2に映像データ又は静止画データを記録する機能を有する。なお、静止画キャプチャの動作実行時、記録再生部101は、記録媒体2から動画像の映像データ(MPEGストリーム)を再生して、後述するJPEGエンコーダ110によって生成された静止画像データ(JPEG形式の静止画像データ)を記録媒体2に記録する。
【0016】
ストリームバッファ102は、記録再生部101によって再生された映像データ(MPEGストリーム)を一時保持する。ストリームバッファ102に記憶された映像データは、順次MPEGデコーダ103に送られ、MPEGデコーダ103によってMPEG形式による圧縮状態が復号化される。なお、本実施形態ではMPEG形式で圧縮符号化された映像データを記録媒体2から再生する構成を説明するが、画像の圧縮符号化方式はMPEGに限定されず、H.264方式等であっても良い。
【0017】
MPEGデコーダ103で復号される再生された映像データについて、動画像フォーマット判別部104が動画像フォーマットを判別する。具体的には、動画像フォーマット判別部104は、プログレッシブ映像であるか、インタレース映像であるかを判別する。また、プルダウン検出部105が、再生された映像データからプルダウン変換されて記録されたことを示す情報や重複フィールドの位置を検出することによって、プルダウン記録された映像であるか否か、及びそのフィールドごとのタイプを判別する。プルダウン変換されて記録されたことを示す情報は、映像データ中の所定のデータエリアに記録されたフラグ等から識別できる。さらに、シーン切り替わり検知部106が、再生された映像データにおけるシーン切り替わりポイントを検知する。シーンの切り替わりポイントとは、映像データのタイトル(クリップ)の変化点や、シーンチェンジが起こったポイント、動画像フォーマットの変化点などである。
【0018】
IP変換部107は、MPEGデコーダ103でデコードされた映像データがインタレース映像であった場合に、プログレッシブ映像に変換する機能ブロックである。IP変換処理は、トップフィールドとボトムフィールドを動き適応処理に応じて合成したり、トップフィールド又はボトムフィールドから合成用のフィールドを生成するフィールド内補間を使ったりして行われる。なお、映像データがプログレッシブ映像である場合は、IP変換部107はスルーできる構成である。
【0019】
フレーム画像生成部108は、IP変換部107からの映像データをフレームバッファ109へ出力する機能と、フレームバッファ109に一時保持されている直前のフレーム画像と現在のフレーム画像とを用いて、新たなフレーム画像を生成する機能を有する。フレームバッファ109は、フレーム画像生成部108から送られたフレーム画像データを一時保持するものである。静止画キャプチャの動作実行時は、再生された映像データ(プログレッシブ映像)から、所望のフレーム画像が生成され、フレーム画像生成部108によって新たな静止画像が生成されることになる。
【0020】
JPEGエンコーダ110は、静止画像符号化部であって、静止画キャプチャによって生成された静止画像をJPEG方式によって圧縮符号化する。圧縮された静止画像データは、記録再生部101を介して記録媒体2に記録される。
【0021】
表示部111は液晶モニタ、又は、外部のモニタに出力する出力部などから構成され、再生された映像データに係る動画像を表示したり、静止画キャプチャの動作実行時は、キャプチャされた静止画像を表示したりする。
【0022】
図2は、操作キー112からのユーザ指示に応じて、制御部113の制御によって実行される、実施例1に係る静止画キャプチャ処理の動作を示すフローチャートである。
【0023】
まず、制御部113の制御に応じて、記録再生部101が記録媒体2から映像データの再生を行っている状態において、操作キー112によって静止画像の記録(静止画キャプチャ)の指示が入力されることでフローが開始される。
【0024】
静止画像の記録が指示されると、制御部113は、再生された動画像における現在のフレーム画像がプログレッシブ映像であるか、インタレース映像であるかを、動画像フォーマット判別部104からの判別結果に基づいて判定する(S201)。
【0025】
S201においてプログレッシブ映像であった場合、制御部113は、現在のフレーム画像がプルダウン変換処理されて記録された映像であるか否かを、プルダウン検出部105からの検出結果に基づいて判定する(S202)。
【0026】
S202においてプルダウン変換された映像であった場合、制御部113は、現在のフレーム画像のトップフィールドがリピートフィールドであるか否かを、プルダウン検出部105の検出結果に基づいて判定する(S203)。なお、リピートフィールドとは重複フィールドを意味する。
【0027】
S203において現在のフレーム画像のトップフィールドがリピートフィールドである場合、制御部113は、フレーム画像生成部108に現在のフレーム画像をフレームバッファ109に保持するよう制御する(S205)。フレームバッファ109に保持された現在のフレーム画像は、次のフレーム画像との合成に利用される。
【0028】
S205で現在のフレーム画像を保持したならば、制御部113は、記録再生部101、に対して1フレーム分のコマ送り再生を行うよう制御する(S206)。コマ送りされた後の再生フレーム画像はMPEGデコーダ103に送られる。
【0029】
S206でコマ送りした後に、制御部113は、再生している動画像のシーンが切り替わっているか、またはユーザから静止画像の記録の終了(静止画キャプチャの指示の解除)が指示されているかを判断する(S207)。制御部113は、動画像のシーンが切り替わったことは、シーン切り替わり検知部106からの検知結果に基づいて判断する。
【0030】
S207の判断の結果、シーンが切り替わっているか、またはユーザから静止画像の記録の終了が指示されている場合は、フローは終了となり、それ以外の場合は、S201に戻る。
【0031】
一方、S203で現在のフレーム画像のトップフィールドがリピートフィールドではない場合、フローはS208へ遷移する。そして、制御部113は、現在のフレーム画像の直前のフレーム画像がフレームバッファ109に保持されているか否かを判断する(S208)。
【0032】
S208において直前のフレーム画像がフレームバッファ109に保持されている場合、制御部113は、フレーム画像生成部108によって、フレームバッファ109に一時保持されている直前のフレーム画像のデータを用いて新たなフレーム画像を生成する。具体的に、フレーム画像生成部108は、フレームバッファ109に保持されている直前のフレーム画像のボトムフィールドと、現在のフレーム画像のトップフィールドとを組み合わせることで、プルダウン変換される前と同じフレーム画像を生成する(S209)。
【0033】
また、S201においてプログレッシブ映像ではない場合、制御部113は、インタレース映像であると判断する。この場合、制御部113は、IP変換部107によってIP変換を行い、現在のフレーム画像に対応するトップフィールド及びボトムフィールドから、プログレッシブのフレーム画像を生成する(S210)。
【0034】
S209及びS210でフレーム画像が生成されると、フローはS211に遷移する。また、S202においてプルダウン変換されて記録された映像ではない場合、及び、S208において現在のフレーム画像の直前のフレーム画像がフレームバッファ109に保持されていない場合にも、フローはS211に遷移する。
【0035】
S211において制御部113は、S209若しくはS210で生成されたフレーム画像、又は、S202若しくはS208でそれぞれ判断の基礎となった現在のフレーム画像を静止画像として記録(静止画キャプチャ)するよう制御する(S211)。静止画キャプチャの対象となったフレーム画像は、JPEGエンコーダ110によって圧縮符号化され、記録再生部101によって記録媒体2に記録される。このとき、記録される静止画像を表示部111に表示しても良い。
【0036】
1枚のフレーム画像に対する静止画キャプチャが実行されると、フローはS206に遷移する。そして、上述したように、S206以降では、コマ送り再生をおこなって次のフレーム画像を対象として、静止画キャプチャするかどうかの適否を判定することになる。従って、S207でフローが終了と判定されるまでは、複数枚のフレーム画像に対する静止画キャプチャ処理が連続的に繰り返し実行されることになる。
【0037】
図3は、図2に示したような連続的な静止画キャプチャ処理を60Hzのインタレース記録画像に対して行った場合のイメージ図である。図3の例は、動画符号化フォーマットが30フレーム/秒(30fps)のインタレース映像、記録画像フォーマットが60Hzのインタレース:60i(プルダウンなし)である。図3では、このような映像データに対して図2に示した手順で静止画キャプチャを行ったときの、静止画記録のフィールドペアを示している。
【0038】
なお、図3等に記載された「プログレッシブフラグ」、「プルダウン判別フラグ」、「プルダウンフラグ」は、映像データの記録時に、動画符号化フォーマットの1フレーム毎にMPEGストリーム中の所定のデータエリアに多重化される付加情報である。そして、再生時に動画像フォーマット判別部104、プルダウン検出部105によって検出される情報でもある。図3及び後述する図4、図5において、動画符号化フレーム(F0〜F14)のそれぞれに付与された情報として、プログレッシブフラグは「0」がインタレース、「1」がプログレッシブを示している。さらに、プルダウン判別フラグは「0」がプルダウン記録ではないもの、「1」がプルダウン記録であるものを示し、プルダウンフラグは「0」がリピートフィールド、「1」がリピートではないフィールドを示している。
【0039】
このような動画符号化フォーマット及び記録画像フォーマットのストリームに対して、再生画像を静止画キャプチャする際は、図2におけるS201において、プログレッシブ映像ではない(インタレース映像である)と判断される。この場合は、動画符号化フォーマットと一致したフレーム単位で静止画像が記録される。記録画像フォーマットがインタレースとなっているため、図2におけるS210でIP変換されたフレーム画像が静止画像として記録される。従って、図3に示すように、動画符号化フォーマットとしての連続する15フレーム(F0〜F14)から、15枚の静止画像が記録される。
【0040】
次に、図4は、図2に示したような連続的な静止画キャプチャ処理を30Hzのプログレッシブ記録画像に対して行った場合のイメージ図である。図4の例は、動画符号化フォーマットが30フレーム/秒(30fps)のインタレース映像、記録画像フォーマットが30Hzのプログレッシブ:30p(プルダウンなし)である。図4では、このような映像データに対して図2に示した手順で静止画キャプチャを行ったときの、静止画記録のフィールドペアを示している。
【0041】
このような動画符号化フォーマット及び記録画像フォーマットのストリームに対して、再生画像を静止画キャプチャする際は、図2におけるS202からS211へ遷移することになる。この場合は、動画符号化フォーマットと一致したフレーム単位で静止画像が記録される。記録画像フォーマットがプログレッシブとなっているため、再生され、復号化されたフレーム画像がそのまま静止画像として記録される。従って、図4に示すように、動画符号化フォーマットとしての連続する15フレーム(F0〜F14)から、15枚の静止画像が記録される。
【0042】
次に、図5は、図2に示したような連続的な静止画キャプチャ処理を24Hzの2−3プルダウン記録画像に対して行った場合のイメージ図である。図5の例は、動画符号化フォーマットが30フレーム/秒(30fps)のインタレース映像、記録画像フォーマットが24Hzのプログレッシブのプルダウン:24p(プルダウンあり)である。図5では、このような映像データに対して図2に示した手順で静止画キャプチャを行ったときの、静止画記録のフィールドペアを示している。
【0043】
このような動画符号化フォーマット及び記録画像フォーマットのストリームにおける各フレーム画像は、プログレッシブであり、なおかつプルダウン記録画像である。そのため、再生画像を静止画キャプチャする際に記録対象となるフレーム画像は、次の(1)、(2)のケースが考えられる。
(1)S208でNOと判断されたときの現在のフレーム画像
(2)S209で新たに生成されるフレーム画像
【0044】
図5では、記録される静止画像に対応して上記(1)、(2)のいずれかの符号を記す。(1)の場合は、MPEGデコーダによって復号化された動画符号化フレームに対応するフレーム画像がそのまま静止画像として記録される。また、(2)の場合は、フレーム画像生成部108によって直前のフレーム画像と現在のフレーム画像とから生成された新たなフレーム画像が静止画像として記録される。従って、図5に示すように、動画符号化フォーマットとしての連続する15フレーム(F0〜F14)から、12枚の静止画像が記録される。
【0045】
以上のとおり、本実施例に記載の画像記録再生装置によれば、映像の再生中にユーザが静止画キャプチャの指示を与えることによって、再生コマ送りと静止画キャプチャを繰り返しながら、適切なフレーム画像から得られる静止画像の記録を連続して行える。なお、静止画キャプチャは、動画再生中又は再生ポーズ状態から実行でき、記録開始指示から指示が解除されるまでの間、再生画像からコマ落ちのない連続した静止画を記録することが簡単に実現できるようになる。
【0046】
また、動画符号化フォーマットを判別し、IP変換などの画像フォーマット変換を行うことで静止画像に適したフレーム画像を抽出することが可能になる。
【0047】
また、プルダウン判別を行い、リピートフィールドを取り除き、前後のフレーム画像を用いてプルダウン前の画像フレームを新たに生成することで、静止画像に適した画像フレームを記録することが可能になる。
【0048】
また、動画像のシーンの切り替わりを検知したら静止画像の記録を停止することで、所望のシーン期間のフレーム画像だけを静止画像として記録することが可能になる。
【0049】
また、動画像のコマ送り再生後に静止画像の記録の停止を判断することで、その後の静止画記録再開時に、重複したフレーム画像が静止画像として記録されることを防ぐことが可能となる。
【実施例2】
【0050】
次に、本発明に係る実施例2について説明する。なお、実施例2における画像記録再生装置1の構成ブロック図については実施例1で説明したものと同様となるため、その説明を省略する。
【0051】
図6及び図7は、操作キー112からのユーザ指示に応じて、制御部113の制御によって実行される、実施例2に係る静止画キャプチャ処理の動作を示すフローチャートである。実施例2では、静止画キャプチャを行う際にエラー判別を行う処理を追加した内容について説明する。
【0052】
まず、制御部113の制御に応じて、記録再生部101が記録媒体2から映像データの再生を行っている状態において、操作キー112によって静止画像の記録(静止画キャプチャ)の指示が入力されることでフローが開始される。
【0053】
静止画像の記録が指示されると、制御部113は、MPEGデコーダ103によってデコードされた動画像の現在のフレーム画像についてデコード・エラーが発生していないかを判断する(S600)。
【0054】
S600においてデコードできる(デコード・エラーが発生しない)場合、制御部113は、現在のフレーム画像の動画符号化フォーマットが判別できるか否かを、動画像フォーマット判別部104からの判別結果に基づいて判断する(S601)。すなわち、S601では、再生されたフレーム画像がインタレースであるか、プログレッシブであるかの判別ができるか否かを判断する。
【0055】
S601において動画符号化フォーマットが判別できる場合、制御部113は、記録画像フォーマットが判別できるか否かを、プルダウン検出部105からの検出結果に基づいて判断する(S602)。すなわち、S602では、再生されたフレーム画像がプルダウンされて記録された映像か否か、及び、プルダウンフラグ等の判別ができるか否かを判断する。
【0056】
S602で記録画像フォーマットが判別できる場合、フローは図7のAに遷移し、図2と説明と同様の過程でS201以降のフローが実行される。
【0057】
一方、S601において動画符号化フォーマットが判別できない場合、又は、S602で記録画像フォーマットが判別できない場合、フローは図7のBに遷移し、図2と説明と同様の過程でS210以降のフローが実行される。なお、この場合、制御部113は、再生された現在のフレーム画像をインタレースと仮定するものである。インタレースと仮定してIP変換を行うことによって、プログレッシブのフレーム画像を生成することができる。仮に現在のフレーム画像がプログレッシブ画像であったとしても、片方のフィールドが補間されるだけでIP変換による問題はない。
【0058】
また、S600において現在のフレーム画像のデコードができない場合には、フローは図7のDに遷移して、このまま静止画キャプチャ処理は終了となる。
【0059】
なお、図7において、図2と同様の過程でフローがS207へ遷移した場合、S207の判断の結果、シーンが切り替わっているか、またはユーザから静止画像の記録の終了が指示されている場合は、フローは終了となる。一方S207でそれ以外の場合は、図6のCに遷移して、S600に戻る。
【0060】
また、S600、S601又はS602でNOと判断された場合に、その結果をユーザに通知、具体的には表示部111に警告表示を行うように構成してもよい。
【0061】
また、S601又はS602でNOと判断された場合にはBに遷移したが、静止画キャプチャを終了するほうが確実である場合には、Dに遷移するように変形しても良い。
【0062】
以上のとおり、本実施例に記載の画像記録再生装置によれば、デコードしたフレーム画像の動画符号化フォーマットや記録画像フォーマットが判別不可能な場合であっても、IP変換を行って得られたフレーム画像を静止画像として記録するようにした。これにより、静止画キャプチャの実行可能範囲を拡張できるとともに、インタレース画像をそのまま静止画記録することも防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施例1に係る画像記録再生装置の構成を示すブロック図である。
【図2】実施例1に係る静止画キャプチャ処理の動作を示すフローチャートである。
【図3】連続的な静止画キャプチャ処理を60Hzのインタレース記録画像に対しておこなった場合のイメージ図である。
【図4】連続的な静止画キャプチャ処理を30Hzのプログレッシブ記録画像に対しておこなった場合のイメージ図である。
【図5】連続的な静止画キャプチャ処理を24Hzの2−3プルダウン記録画像に対して行った場合のイメージ図である。
【図6】実施例2に係る静止画キャプチャ処理の動作を示すフローチャートである。
【図7】実施例2に係る静止画キャプチャ処理の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0064】
1 画像記録再生装置
2 記録媒体
101 記録再生部
102 ストリームバッファ
103 MPEGデコーダ
104 動画像フォーマット判別部
105 プルダウン検出部
106 シーン切り替わり検知部
107 IP変換部
108 フレーム画像生成部
109 フレームバッファ
110 JPEGデコーダ
111 表示部
112 操作キー
113 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に記録された映像データを再生する再生手段と、
静止画像の記録を指示する操作手段と、
前記操作手段からの指示に応じて、前記再生手段によって再生された映像データから静止画像データを生成して記録する記録手段と、
前記操作手段からの指示が解除されるまでの間、前記再生手段に対して1フレームずつのコマ送り再生を実行させるとともに、前記記録手段に対して前記コマ送り再生によって得られる複数枚の静止画像に係る静止画像データを連続的に記録させるよう制御する制御手段とを備えたことを特徴とする画像記録再生装置。
【請求項2】
前記再生手段によって再生される映像データが、インタレース映像かプログレッシブ映像かを判別する動画像フォーマット判別手段と、
前記インタレース映像を前記プログレッシブ映像に変換する変換手段とをさらに備え、
前記制御手段は、前記再生手段によって再生される映像データが前記インタレース映像の場合、前記変換手段によって前記プログレッシブ映像に変換された後のフレーム画像から前記静止画像データを生成するよう制御し、前記再生手段によって再生される映像データが前記プログレッシブ映像の場合、再生されたフレーム画像から前記静止画像データを生成するよう制御することを特徴とする請求項1に記載の画像記録再生装置。
【請求項3】
前記再生手段によって再生される映像データからプルダウン変換されて記録されたフレーム画像を検出するプルダウン検出手段と、
前記プルダウン検出手段による検出結果に基づいて、前記再生手段によって再生される映像データからフレーム画像を抽出して保持するフレームバッファ手段と、
再生された現在のフレーム画像と、前記フレームバッファ手段に記憶された直前のフレーム画像とを用いて前記プルダウン変換される前のフレーム画像を生成するフレーム画像生成手段とをさらに備え、
前記記録手段は、前記プルダウン変換された映像データから前記静止画像データを生成する場合、前記再生手段によって再生されたフレーム画像と、前記フレーム画像生成手段によって生成されたフレーム画像とから前記静止画像データを生成することを特徴とする請求項1または2に記載の画像記録再生装置。
【請求項4】
前記プルダウン検出手段は重複フィールドの位置を検出するものであって、検出された前記重複フィールドの位置に基づいて、前記制御手段は、前記静止画像データを記録してからコマ送り再生するか、前記静止画像データを記録せずにコマ送り再生するかを判定することを特徴とする請求項3に記載の画像記録再生装置。
【請求項5】
前記再生手段によって再生される映像データのシーンの切り替わりを検知するシーン切り替わり検知手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記シーン切り替わり検知手段の検知結果に基づいて、前記記録手段による前記静止画像データの記録を終了することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像記録再生装置。
【請求項6】
前記再生手段によって再生される映像データについて前記動画像フォーマット判別手段による動画像フォーマットの判別ができない場合には、前記制御手段は、前記再生される映像データを前記変換手段によって変換し、変換された後のフレーム画像から前記静止画像データを生成するよう制御することを特徴とする請求項2に記載の画像記録再生装置。
【請求項7】
前記再生手段によって再生される映像データからプルダウン変換されて記録された映像データを検出するプルダウン検出手段をさらに備え、
前記再生手段によって再生される映像データについて前記プルダウン検出手段によるプルダウン検出ができない場合には、前記制御手段は、前記再生される映像データを前記変換手段によって変換し、変換された後のフレーム画像から前記静止画像データを生成するよう制御することを特徴とする請求項2に記載の画像記録再生装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2010−141717(P2010−141717A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−317279(P2008−317279)
【出願日】平成20年12月12日(2008.12.12)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】