説明

画像記録装置及び画像記録方法

【課題】 光源駆動値の補正のための補正テーブルの設定変更ミスをなくし、変更是正の無駄な時間をなくすことの可能な画像記録装置及び画像記録方法を提供する。
【解決手段】 この画像記録方法は、画像データに基づいて光源により記録媒体に露光を行うことで画像を形成するものであって、光源の最大光量を測定し記憶した状態で、画像データに基づく光源駆動値を補正するために設定される補正テーブルの設定可能な範囲を記憶された最大光量に基づいて算出し、補正テーブルが変更されたとき、その変更対象の補正テーブルが設定可能か否かを算出された設定可能な範囲に基づいて判断し、設定可能な範囲外であるとき警告を発する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データに基づいて光源により記録媒体に露光を行う画像記録装置及び画像記録方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
網点画像データに基づいて波長の異なる複数の光源で銀塩カラー感光材料に露光し画像記録を行う画像記録装置が公知である(例えば、下記特許文献1,2参照)。かかる画像記録装置では、例えば、RGBの3波長の発光ダイオード等の複数の光源で銀塩カラー感光材料に光ビームを照射し露光させて画像を記録する際に、RIP(ラスタイメージプロセッサ)で得た網点画像データはLUT(ルックアップテーブル)を参照してドット毎のCMYKデータからRGBの各色の光源を駆動するデータに変換される。LUTは、CMYKの各色と、CMYKの各色を銀塩カラー感光材料で発色させるためのRGBの光量比率とが各光源の駆動値で対応付けられている。得られた光源の駆動値によりRGBからなる光ビームを合成し、銀塩カラー感光材料にドット毎に光ビームを照射することで、銀塩カラー感光材料に光ビームの強度に応じて感光して網点画像が形成され、その後、現像されカラー画像が記録される。
【0003】
上述のような画像記録装置では、各光源の駆動値は、更に、例えばユーザの印刷条件等に応じてカラーコレクションテーブル等の補正テーブルで補正するようになっている。かかるカラーコレクションテーブルは、いつでも自由な値に変更が可能である。しかし、通常、1つか2つのデータを変更するのではなく、かなり多くのデータを変更するため、かなりの時間がかかる。そして、カラーコレクションテーブルを変更し、露光動作をスタートさせるが、その変更したカラーコレクションテーブルで露光を行うことができない場合、そのスタート後に始めてエラーなどの警告が出される。このため、その後に、再変更する等の処置を行うことから非常に無駄な時間が掛かっていた。
【特許文献1】特開2003−211731号公報
【特許文献2】特開2003−140326号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上述のような従来技術の問題に鑑み、光源駆動値の補正のための補正テーブルの設定変更ミスをなくし、変更是正の無駄な時間をなくすことの可能な画像記録装置及び画像記録方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明による画像記録装置は、画像データに基づいて光源により記録媒体に露光を行うことで画像を形成する露光手段と、前記光源の最大光量を測定する測定手段と、前記測定した最大光量を記憶する記憶手段と、警告を発する警告手段と、前記各手段を制御する制御手段と、を備え、前記露光手段は前記画像データに基づく光源駆動値を補正するために設定される補正テーブルを有し、前記制御手段は、前記記憶された最大光量に基づいて前記補正テーブルの設定可能な範囲を算出し、前記補正テーブルが変更されたとき、その変更対象の補正テーブルが設定可能か否かを判断し、その判断結果に基づいて装置制御を行うことを特徴とする。
【0006】
この画像記録装置によれば、露光前に測定し記憶した最大光量に基づいて補正テーブルの設定可能な範囲を算出し、補正テーブルが変更されたとき、その変更対象の補正テーブルが設定可能か否かを判断し、露光動作を行う前に例えば警告手段により必要な警告を発したり露光動作を中止するように制御できるので、補正テーブルの設定変更ミスをなくすことができ、変更是正の無駄な時間がなくなる。
【0007】
上記画像記録装置において前記補正テーブルは色調整のためのカラーコレクションテーブルであることが好ましい。
【0008】
本発明による画像記録方法は、画像データに基づいて光源により記録媒体に露光を行うことで画像を形成する画像記録方法であって、前記光源の最大光量を測定し記憶した状態で、前記画像データに基づく光源駆動値を補正するために設定される補正テーブルの設定可能な範囲を前記記憶された最大光量に基づいて算出するステップと、前記補正テーブルが変更されたとき、その変更対象の補正テーブルが設定可能か否かを前記算出された設定可能な範囲に基づいて判断するステップと、前記設定可能な範囲外であるとき警告を発するステップと、を含むことを特徴とする。
【0009】
この画像記録方法によれば、予め測定し記憶した最大光量に基づいて補正テーブルの設定可能な範囲を算出し、補正テーブルが変更されたとき、その変更対象の補正テーブルが設定可能か否かを判断し、露光動作を行う前に必要な警告を発するように制御できるので、補正テーブルの設定変更ミスをなくすことができ、変更是正の無駄な時間がなくなる。
【0010】
上記画像記録方法において前記光源の最大光量は、前記画像データが所定回数変わる度に測定しメモリに記憶し更新することが好ましく、例えば、画像データが変わる度や画像データが複数回変わる度に測定する。また、前記補正テーブルは色調整のためのカラーコレクションテーブルであることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の画像記録装置及び画像記録方法によれば、光源駆動値の補正のための補正テーブルの設定変更ミスをなくすことができ、変更是正の無駄な時間がなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。図1は本実施の形態によるカラープルーフ作成装置(画像記録装置)を含む印刷システムの構成例を概略的に示す図である。
【0013】
図1に示すように、印刷システムは、印刷工場のクライアント端末1AからPS(PostScript)データ等の画像データが画像処理装置であるRIP(Raster Image Processor)2に入力し、RIP2はPSデータをラスター・イメージに変換処理し、RIP2でラスター・イメージ変換処理されたデジタルデータがRIP2から転送され直接印刷用の原版を作成するための装置であるCTP(コンピュータツウプレート)装置3に送られる一方、カラープルーフ作成のためのフロント装置である網点画像データ生成装置100に送られ、網点画像データ生成装置100で2値の網点画像データを生成し、この網点画像データに基づいてカラープルーフ作成装置1でカラープルーフを作成するように構成されている。
【0014】
図1の網点画像データ生成装置100及びカラープルーフ作成装置1によりプルーフ作成システム101が構成され、このプルーフ作成システム101により印刷工場における印刷の際に印刷出力対象の絵柄、色調、文章、文字等の確認を行うためのカラープルーフ(校正用サンプル)を作成し出力する。このカラープルーフで色調やモアレ・ムラ等を確認し、図1のCTP3で原版を作成してから印刷機で印刷工程を実行する。なお、図1の破線で示すように、クライアント端末1AからPS(PostScript)データ等の画像データを網点画像データ生成装置100に送り、2値の網点画像データを生成するようにしてもよい。
【0015】
次に、図1のカラープルーフ作成装置1について図2,図3を参照して説明する。図2は図1のカラープルーフ作成装置の内部を正面側から見た図である。図3は図2のカラープルーフ作成装置のドラム及び光学ユニットを上部から見た要部平面図である。
【0016】
図2に示すように、画像記録装置であるカラープルーフ作成装置1は、カラープルーフを作成するために銀塩カラー感光材料(以下、単に「感光材料」または「感光紙」ともいう。)に露光し画像を形成する露光ユニット11と、露光された感光材料を現像する現像ユニット21と、を備える。
【0017】
図2に示すように、カラープルーフ作成装置1の露光ユニット11は、内部にロール状に巻かれたシート状感光材料である感光紙を収納した専用のカートリッジ13を装填し収容する装填部12,12’と、装填部12,12’に装填されたカートリッジ13から感光紙を給送する搬送ローラ対40,41,42等からなる給送部14と、給送部14から給送された感光紙Sを外周面に真空吸引し保持しながら主走査のために回転方向Rに回転するドラム10と、ドラム10上の感光紙に対しLED光等の光ビームを露光する光学ユニット16と、光学ユニット16を副走査のために副走査方向(図1の紙面垂直方向)H(図3)に搬送する副走査部17と、画像記録後のドラム10上の感光紙を剥離する剥離部材15と、を備える。露光後の感光紙は出口19及び接続部19aを通して現像ユニット21へと搬送される。
【0018】
図2のカラープルーフ作成装置1は、更に、搬送ローラ対42の下流側に配置されドラム10に向けて送られる感光紙の搬送に従い従動回転する従動ローラ31と、感光紙をドラム10との間で搬送する従動ローラ31と、ドラム10上から剥離部材15で剥離された感光紙をドラム10と従動ローラ31とで搬送するときに感光紙をガイドするアキュームガイド部材18と、アキュームガイド部材18で送られてきた感光紙を出口19へと更に搬送する搬送ローラ対32と、搬送ローラ対32に達した感光紙をアキュームするためにアキュームガイド部材18の一部が開放されることで形成されるアキュームレート部30と、搬送ローラ対32の下流側近傍に配置された感光紙の先端を検出する検出センサ33と、を備える。
【0019】
また、搬送ローラ対42の下流側近傍に配置された比較的幅狭の従動ローラ43は記録紙の移動とともに従動回転し、この従動ローラ43と同軸にロータリエンコーダ(図示省略)が連結されている。このロータリエンコーダが従動ローラ43とともに回転し回転量を測定することで搬送ローラ対42を通過して回転ドラム10に巻き付けられた感光紙の長さを求めることができる。また、下流側の搬送ローラ対32は、ワンウェイクラッチ構造を有し、感光紙の下流側への送り出し方向への回転が自在となっている。
【0020】
図2の搬送ローラ対40,41の下流側近傍には感光紙を切断するカット部10aがそれぞれ配置されており、各カット部10aはモータ(図示省略)により回転駆動されるロータリカッタを有し、上述の感光紙の長さ測定に基づいて感光紙を所定長さに切断する。
【0021】
図2の現像ユニット21は、露光ユニット11から送られた露光後の感光紙について湿式現像を行うもので、感光紙の現像処理を行う現像部23と、定着処理を行う定着部24と、安定処理を行う安定部25と、乾燥処理を行う乾燥部26と、乾燥された感光紙を搬送ローラ対27a等で外部に排出する排出部27と、排出されて出力した感光紙を集積する集積部28と、を備える。
【0022】
図3のように、カラープルーフ作成装置1のドラム10は、回転軸部14’の回転軸14a及び回転軸部18aの回転軸15aが軸受33a、33bを介して支持台34a、34bに回転可能に軸支されている。ドラム10の一方の回転軸15aには、駆動プーリ35aが設けられ、この駆動プーリ35aはドラム駆動用パルスモータM6の出力プーリ35bとベルト36により連結され、ドラム駆動用パルスモータM6の駆動によりドラム10が回転する。また、ドラム10の回転軸15aには、ロータリーエンコーダ37が設けられ、回転のためのパルス信号を出力してドラムの回転に同期した画素クロック制御に用いる。
【0023】
ドラム10の他方の回転軸14aは吸引ブロアP1に連結されている。ドラム10の表面には吸着孔31cが回転軸方向に直線状に延びて多数形成されており、吸引ブロアP1の駆動によりドラム10の内部が減圧されて感光紙がドラム10の表面に吸着される。
【0024】
光学ユニット16は、副走査部17によりドラム軸と平行に移動可能に構成され、ドラム10に吸着された感光紙に光ビームで露光して画像の書き込みを行う。図3に示すように、光学ユニット16には、異なる3波長の光源としてLEDユニット320、LEDユニット321、LEDユニット322が配置されている。各LEDユニット320,321,322はそれぞれ複数チャンネル分の基板上に配置された発光ダイオード(LED)を備え、各LEDユニット320,321,322からの光ビームは、ミラー325、326、327を介して、集光レンズ331からドラム10上の感光紙に画像を露光する。露光シャッタ332は露光ソレノイド333により開閉することで、露光開始/終了時に光路の開閉を行なう。
【0025】
また、複数のLEDユニット320,321,322は、例えば、それぞれ波長450nm程度のB(ブルー)、波長540nm程度のG(グリーン)、波長650nm程度のR(レッド)の各色を発光するように構成でき、各LEDユニットにより銀塩カラー感光材料を露光したとき、BによりY(イエロー)、RによりM(マゼンダ)、GによりC(シアン)がそれぞれ発色するようになる。
【0026】
光学ユニット16は、移動ベルト340に固定され、一対のガイドレール341、342に案内されてドラム軸と平行方向の副走査方向H及びその反対の方向H’に移動可能に設けられている。移動ベルト340は一対のプーリ343、344に掛け渡され、一方のプーリ344は副走査モータM7の出力軸345に連結され、副走査モータM7の駆動により光学ユニット16がドラム軸と平行に副走査方向H、その反対の方向H’に移動する。
【0027】
また、図3のように、ドラム10の外周面のドラム軸と平行の延長上位置にはフォトダイオード等の受光素子からなる測光センサ70が配置されており、図3のホームポジションの位置の光学ユニット16が方向H’に若干移動し各LEDユニット320〜322からの光ビームが測光センサ70に入射することで、各LEDの光ビームの光量を測定できるようになっている。
【0028】
図3に示すように、吸引ブロアP1は空気吸引ポンプにより吸引連結管51’を通してドラム10内を吸引し、露光ユニット11による露光開始前にドラム10内を負圧にし感光紙を外周面に吸着する。
【0029】
次に、図2,図3のカラープルーフ作成装置1における画像データの流れ及び制御系について図4を参照して説明する。図4は、図2,図3のカラープルーフ作成装置1の露光ユニット11における画像データの流れ及びカラープルーフ作成装置1の制御系のブロック図である。
【0030】
図4のように、露光ユニット11は、図1,図5の網点画像データ生成装置100からのYMCKの2値網点画像データが入力する画像データI/F部52と、画像データI/F部52からの網点画像データをいったん記憶し随時出力するハードディスク記憶装置等からなるデータバッファ53と、データバッファ53からのYMCKの2値網点画像データに対する光源駆動値を対応づけて感光紙に対する露光のための露光データとするルックアップテーブル(LUT)54と、ルックアップテーブル54からの露光データのデジタル信号をアナログ信号に変換するB、G、Rの各LEDユニット320〜322に対応した複数のD/A変換部55a,55b,55cと、D/A変換部55a〜55cからの各アナログ信号により各LEDユニット320〜322の各LEDを直接にアナログ変調しドライブする複数のドライバ56a,56b,56cと、を備える。
【0031】
図4の制御部50は、中央演算処理装置(CPU)等から構成され、測光センサ70の信号が入力し、画像データI/F部52、データバッファ53、ルックアップテーブル54、露光ユニット11の筐体外部に設けられた表示入力部2及び他の装置部分を制御する。表示入力部2は、タッチパネルから構成され、各種情報を表示するとともに、情報入力が可能となっている。
【0032】
また、制御部50は、カラーコレクションテーブル61,濃度−露光量テーブル60及び露光量−光源駆動値テーブル62をメモリに保存する。カラーコレクションテーブル61は、刷版インキの色等の印刷条件等に合わせて色を調整するためにユーザ毎に各色版の組み合わせに対するカラーコレクション値(発色濃度)を設定する補正テーブルであり、刷版インキ等の印刷条件等が変わる度に変更する。この変更はユーザが表示入力部2から入力することで行うことができる。
【0033】
また、濃度−露光量テーブル60は、カラーコレクションテーブル61で設定されたカラーコレクション値(発色濃度)に対する露光量のテーブルであり、記録材料の特性を記憶するもので、例えば感光紙のロットや種類が変わる度に変更する。また、露光量−光源駆動値テーブル62は、濃度−露光量テーブル60で設定された露光量に対する光源駆動値のテーブルである。
【0034】
制御部50は、カラーコレクションテーブル61で色調整のために設定されたカラーコレクション値(発色濃度)を濃度−露光量テーブル60で露光量に変換し、この露光量を露光量−光源駆動値テーブル62で光源駆動値に変換し、この光源駆動値をルックアップテーブル(LUT)54に露光の度に設定する。これにより、ユーザが設定したカラーコレクションテーブル61による各色版の組み合わせに対するカラーコレクション値(発色濃度)の設定が光源駆動値に反映される。
【0035】
ルックアップテーブル54からの露光データによりドライバ56a〜56cで駆動された各LEDユニット320〜322からドラム10の外周面に保持された感光紙に対し露光することで網点画像データ生成装置100からのYMCKの2値網点画像データに基づいて画像形成が行われる。
【0036】
次に、カラーコレクションテーブル61が変更された場合の図4の制御部による制御について図5を参照して説明する。図5は図4の濃度−露光量テーブル60の例を示すグラフである。
【0037】
図5のように、濃度−露光量テーブル60において露光量が光源の駆動値を決定するので、光源の最大光量から露光量の最大値が分かる。例えば、光源の最大光量から最大の露光量が3000と判断されたとき、その最大光量に対応するカラーコレクション値(濃度)が150である。従って、図5の濃度−露光量テーブル60からカラーコレクションテーブル61におけるカラーコレクション値(濃度)の設定可能な最大値は150であると判断できる。なお、図5において、カラーコレクション値0〜200は、濃度0〜2.00に対応する値であり、また、露光量0〜4000は、測光センサ70での測定値信号を0〜4000のレンジでAD変換した値で表したものである。
【0038】
ユーザにより刷版インキ等の印刷条件等が変更されたため、カラーコレクションテーブル61のカラーコレクションデータが変更されたとき、制御部50は、例えば、その変更に係わるカラーコレクションテーブル61で設定されるカラーコレクション値を取得し、そのカラーコレクション値の最大値が例えば図5のように200であると、設定可能範囲(150)を越えているので、設定不可と判断する。制御部50が設定不可と判断した場合、そのカラーコレクションデータの変更はできない旨の警告を表示部2に表示させる。この場合、ユーザは、必要に応じて、カラーコレクションテーブルの再設定を行うか、または、変更しようとしたカラーコレクションデータの変更設定を中止する。
【0039】
次に、図1〜図5のカラープルーフ作成装置1における動作について図6のフローチャートを参照して説明する。
【0040】
まず、今回の露光以前に、光学ユニット16が図3のホームポジションの位置から方向H’に移動し各LEDユニット320〜322からの光ビームを測光センサ70に入射させて各LEDの光ビームの最大光量Pを測定し制御部50のメモリに記憶させておく(S01)。
【0041】
次に、上記最大光量Pから図5の濃度−露光量テーブル60を介してカラーコレクションテーブル61における最大のカラーコレクション値を算出し、カラーコレクションデータの設定可能範囲を得る(S02)。
【0042】
そして、カラーコレクションテーブル61が変更されカラーコレクションデータが変わった場合(S03)、そのカラーコレクション値が設定可能範囲内であるか否かを判断し(S04)、設定可能範囲を越えている場合、表示部2に警告を表示させ(S05)、カラーコレクションテーブル61の変更を中止し、変更前のものに戻す(S06)。なお、この場合、ステップS06においてカラーコレクションデータの再設定を行い、ステップS04に戻るようにしてもよい。
【0043】
次に、変更されたカラーコレクションテーブルのカラーコレクション値が設定可能範囲内である場合(S04)、画像データ生成装置100で生成された2値の網点画像データがカラープルーフ作成装置1の露光ユニット11に入力し(S07)、その網点画像データによる露光動作前に、各LEDの光ビームの最大光量Pを測定し制御部50のメモリに記憶させる(S08)。
【0044】
そして、入力した2値の網点画像データに基づいて上述のようにして各LEDユニット320〜322により感光紙に露光する(S09)。次に、露光済み感光紙を現像ユニット21で現像してから(S10)、プルーフとして排出部27から集積部28に出力させる(S11)。
【0045】
そして、次の露光動作を行う場合には(S12)、上述のステップS02に戻り、上記ステップS08で測定し記憶した最大光量に基づいて同様にしてカラーコレクションデータの設定可能範囲を得てから、ステップS03以下の同様の動作を実行する。
【0046】
以上のように、本実施の形態では、予め測定し記憶した最大光量データからカラーコレクションデータの設定可能範囲を求め、カラーコレクションテーブルの変更により、その設定可能範囲を越えるカラーコレクションデータが設定された場合、警告を出し、露光動作を中止させるので、カラーコレクションテーブルの変更ミスをなくすことができ、変更ミスの是正のための無駄な時間を防ぐことができ、効率的な装置管理を実現できる。
【0047】
以上のように本発明を実施するための最良の形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が可能である。例えば、測光センサ70による光源の最大光量の測定は、図6では、ステップS08のように入力した画像データの露光前に行ったが、露光後に行うようにしてもよい。
【0048】
また、光源の最大光量は、画像データが変わる度に測定し更新するようにしてもよいが、画像データが複数回変わったときに測定し更新するように制御してもよく、このように制御する場合で最大光量の測定を行わないときは、図6のステップS08を省略する。また、ユーザが図4の表示入力部2から指示したときに光源の最大光量の測定を行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本実施の形態によるカラープルーフ作成装置(画像記録装置)を含む印刷システムの構成例を概略的に示す図である。
【図2】図1のカラープルーフ作成装置の内部を正面側から見た図である。
【図3】図2のカラープルーフ作成装置のドラム及び光学ユニットを上部から見た要部平面図である。
【図4】図2,図3のカラープルーフ作成装置1の露光ユニット11における画像データの流れ及びカラープルーフ作成装置1の制御系のブロック図である。
【図5】図4のカラーコレクションテーブル61の例を示すグラフである。
【図6】図1〜図5のカラープルーフ作成装置1における動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0050】
1 カラープルーフ作成装置、画像記録装置
11 露光ユニット
16 光学ユニット
21 現像ユニット
50 制御部
54 ルックアップテーブル
60 濃度−露光量テーブル
61 カラーコレクションテーブル
70 測光センサ
320,321,322 LEDユニット(光源)
P 最大光量
S 感光紙、銀塩カラー感光材料(記録媒体)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに基づいて光源により記録媒体に露光を行うことで画像を形成する露光手段と、
前記光源の最大光量を測定する測定手段と、
前記測定した最大光量を記憶する記憶手段と、
前記各手段を制御する制御手段と、を備え、
前記露光手段は前記画像データに基づく光源駆動値を補正するために設定される補正テーブルを有し、
前記制御手段は、前記記憶された最大光量に基づいて前記補正テーブルの設定可能な範囲を算出し、前記補正テーブルが変更されたとき、その変更対象の補正テーブルが設定可能か否かを判断し、その判断結果に基づいて装置制御を行うことを特徴とする画像記録装置。
【請求項2】
前記補正テーブルは色調整のためのカラーコレクションテーブルであることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項3】
画像データに基づいて光源により記録媒体に露光を行うことで画像を形成する画像記録方法であって、
前記光源の最大光量を測定し記憶した状態で、前記画像データに基づく光源駆動値を補正するために設定される補正テーブルの設定可能な範囲を前記記憶された最大光量に基づいて算出するステップと、
前記補正テーブルが変更されたとき、その変更対象の補正テーブルが設定可能か否かを前記算出された設定可能な範囲に基づいて判断するステップと、
前記設定可能な範囲外であるとき警告を発するステップと、を含むことを特徴とする画像記録方法。
【請求項4】
前記光源の最大光量を前記画像データが所定回数変わる度に測定し記憶することを特徴とする請求項3に記載の画像記録方法。
【請求項5】
前記補正テーブルは色調整のためのカラーコレクションテーブルであることを特徴とする請求項3または4に記載の画像記録方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−258913(P2006−258913A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−73093(P2005−73093)
【出願日】平成17年3月15日(2005.3.15)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】