説明

画像記録装置

【課題】 夜間にファクシミリ受信を行った場合において、用紙切れ又は用紙詰まりにより印刷機能が停止する頻度を低減し、かつ印刷機能の停止に伴い画像データ蓄積メモリに容量不足が生じてファクシミリ受信機能が停止する頻度を低減し得るファクシミリ装置を提供する。
【解決手段】 画像データを受信する受信部と、印刷媒体を収容するための複数の媒体収容部とを備えた画像記録装置において、時刻を計測する時計部と、受信部を介して画像データを受信すると、時計部の示す時刻に基づき、複数の媒体収容部から1つの媒体収容部を選択する選択部と、選択部により選択された当該媒体収容部に収容された媒体に、画像データに基づく印刷処理を行う印刷部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信した画像データに基づき、印刷媒体上に画像を形成する画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の画像記録装置として、例えば特許文献1に開示されているように、通信回線を介して送信側のファクシミリ装置から画像データを受信すると、該画像データを画メモリに記憶し、該記憶した画像データを読み出して画像に展開し、該展開した画像を用紙に印刷するファクシミリ装置が提案されている。このようなファクシミリ装置では、例えば用紙を積載保持するための用紙トレイが装置本体に対し引き出し可能に取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−8017号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記ファクシミリ装置は、相手側ファクシミリ装置から画像データを受信すると、該画像データに基づく印刷処理中に用紙切れ又は用紙詰まりが発生することがある。上記ファクシミリ装置が、オフィス等に導入された場合、夜間に上記不具合が発生すると、社員の数がまばら又は無人のため、これら不具合への対処が迅速に行われず、印刷機能が停止してしまう。また、上記ファクシミリ装置では、上記状況時において、新たな画像データを受信すると、画メモリに順次画像データを記憶するが、記憶データのサイズが増加してメモリ容量が飽和すると、画像データの記憶が不可能になり、従って、画像データの受信機能が停止してしまうという問題があった。
【0005】
以上の問題点に鑑み、本発明の目的は、夜間に受信を行った場合において、用紙切れ又は用紙詰まりにより印刷機能が停止する頻度を低減し、かつ印刷機能の停止に伴い画像データ蓄積メモリに容量不足が生じて受信機能が停止する頻度を低減し得る画像記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以上の点を解決するために、次の構成を採用する。
<構成>
本発明の画像記録装置は、画像データを受信する受信部と、印刷媒体を収容するための複数の媒体収容部とを備えた画像記録装置において、時刻を計測する時計部と、受信部を介して画像データを受信すると、時計部の示す時刻に基づき、複数の媒体収容部から1つの媒体収容部を選択する選択部と、選択部により選択された当該媒体収容部に収容された媒体に、画像データに基づく印刷処理を行う印刷部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、多量の用紙を積載可能な大容量トレイを備え、そして、夜間に受信を行った場合、受信した画像データに基づく印刷処理を大容量トレイを用いて行うよう制御するので、用紙切れが生じる頻度を低減することができる。従って、本発明によれば、用紙切れにより印刷機能及び受信機能が停止する頻度を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係る実施例1のファクシミリ装置100の外観を示す図である。
【図2】本発明に係る実施例1のファクシミリ装置100の制御構成を示すブロック図である。
【図3】本発明に係る実施例1のROM103の構成を示す図である。
【図4】本発明に係る実施例1のRAM104の構成を示す図である。
【図5】本発明に係る実施例1の補給警告プログラムの構成を示すフローチャートである。
【図6】本発明に係る実施例1のファクシミリ受信プログラムの構成を示すフローチャートである。
【図7】本発明に係る実施例1の印刷制御プログラムの構成を示すフローチャートである。
【図8】本発明に係る実施例1の給紙トレイ選択プログラムの構成を示すフローチャートである。
【図9】本発明に係る実施例2のファクシミリ装置100aの外観を示す図である。
【図10】本発明に係る実施例2のファクシミリ装置100aの制御構成を示すブロック図である。
【図11】本発明に係る実施例2のROM103aの構成を示す図である。
【図12】本発明に係る実施例2のRAM104aの構成を示す図である。
【図13】本発明に係る実施例2の夜間トレイ設定プログラムの構成を示すフローチャートである。
【図14】本発明に係る実施例2の補給警告プログラム2の構成を示すフローチャートである。
【図15】本発明に係る実施例2の給紙トレイ選択プログラム2の構成を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を、図を用いて詳細に説明する。ここでは、画像記録装置であるファクシミリ装置がオフィスに導入され、夜間に社員の数がまばら又は無人になる運用環境で使用される場合を例に、説明を行う。
【実施例1】
【0010】
<実施例1の構成>
図1は、本発明に係る実施例1のファクシミリ装置100の外観を示す図である。
ファクシミリ装置100は、図1に示すように、入力表示部105と、印刷部106と、音声出力部108と、該装置の上部に位置する画像読取部200と、該装置の下部に着脱可能に装着されている小容量トレイ1063及び大容量トレイ1064とを備える。
このファクシミリ装置100は、例えば図示しないVoIPアダプタを介してアナログ公衆回線網及びIP網と接続されており、他のファクシミリ装置とファクシミリ通信(受信、送信)を行うことが可能である。
ファクシミリ装置100と、他のファクシミリ装置との間で行うファクシミリ通信については周知の技術であるため、詳細な説明は割愛する。
【0011】
入力表示部105は、図1に示すように、タッチパネルディスプレイ1051と、各種ボタン群1052と、「スタート」ボタン1053と、「キャンセル」ボタン1054とから構成される。
タッチパネルディスプレイ1051は、図1に示すように、入力表示部105を操作するユーザから各種指示の入力を受け付ける、又はユーザに対する各種通知を表示するための部分である。
このタッチパネルディスプレイ1051は、後述する通信I/F部(図2参照)がファクシミリ受信を行うと、後述する制御部101(図2参照)の制御に基づいて、該受信をユーザに対し通知するための受信通知画面を表示する。
【0012】
各種ボタン群1052は、ユーザが送信先のファクシミリ装置のファクシミリ番号を入力するために用いる、0〜9までの各数字に対応する複数のボタンから成る。
【0013】
「スタート」ボタン1053は、ユーザが画像読取部200の手差しトレイ201に原稿を載置し、各種ボタン群1052を用いて送信先のファクシミリ番号を入力した後、ファクシミリ送信を指示するために押下するボタンである。
【0014】
「キャンセル」ボタン1054は、ユーザが「スタート」ボタン1053を押下し、ファクシミリ送信が開始された状況において、当該送信処理の取り消しを指示するために押下するボタンである。
【0015】
印刷部106は、上記小容量トレイ1063と、大容量トレイ1064と、排出用紙積載部1065とを有する。
小容量トレイ1063は、少量の枚数(例えば100枚まで)を収容可能な用紙トレイである。
大容量トレイ1064は、多量の枚数(例えば500枚まで)を収容可能な用紙トレイである。
本実施例1では、ファクシミリ装置100は、大容量トレイ1064を有する構成であるため、該装置のサイズが大きくなってしまう。このため、ファクシミリ装置100は、他のトレイとして通常の枚数(例えば300枚)よりも少量の枚数(例えば100枚)を積載可能な小容量トレイ1063を有する構成となっている。しかしながら、本発明はこれに限らず、ユーザの用紙補給の頻度を低減すべく、該小容量トレイ1063の代わりに通常の枚数を積載保持可能な用紙トレイを有する構成にも適用可能である。
また、本実施例1では、ファクシミリ装置100は、図1に示すように、1つの小容量トレイ1063を有する構成となっているが、本発明はこれに限らず、複数のサイズの用紙を用いて印刷処理を可能にすべく、複数の小容量トレイを有する構成にも適用可能である。
【0016】
排出用紙積載部1065は、ファクシミリ装置100の図示しない排出部から排出された、印刷処理が完了した用紙を積載保持するための部分である。
この排出用紙積載部1065は、図1に示すように、多量(最大500枚)の用紙の積載を可能にすべく、該排出用紙積載部1065と画像読取部200の下部との間隔Lを十分に保つ(長い)構成となっている。
本実施例1では、ファクシミリ装置100は、図1に示すように、排出用紙積載部1065と画像読取部200の下部との間隔Lが長い構成となっているが、本発明はこれに限らず、該間隔Lを一般的な長さにし、かつ装置本体の側面に複数の排出スタッカを配設する構成にも適用可能である。
上記構成の場合、ファクシミリ装置100の制御部101は、夜間時刻において、排出用紙の枚数が所定の枚数(例えば100枚)になる毎に、排出用紙積載部1065、排出スタッカ1、排出スタッカ2、・・・と順次排出先を変更するように、印刷部106を制御する。この構成により、ファクシミリ装置100のサイズが大型化することを防止できる。
【0017】
そして、印刷部106は、通信I/F部102(図2参照)を介して送信側のファクシミリ装置から受信した画像データに基づく印刷処理を行う。この印刷処理の動作に係る構成については、後述する制御構成の説明時に詳細説明する。
【0018】
音声出力部108は、図1に示すように、音声を発するためのスピーカーから成る。
この音声出力部108は、後述する夜間時刻(午後6時から翌朝9時)になった際に、大容量トレイ1064への用紙補給をユーザに促す「補給警告メッセージ」を音声出力する。
上記「補給警告メッセージ」は、後述するROM103に予め記憶されている。
本実施例1では、音声出力部108は、上記「補給警告メッセージ」を音声出力するためにのみ用いられる構成となっているが、これに限らず、通信I/F部102を介して画像データを受信したことを通知するための受信通知音を音声出力する構成にも適用可能である。
また、音声出力部108は、通信I/F部102を介して画像データの送信が完了したことを通知するための送信完了通知音を音声出力する構成にも適用可能である。
【0019】
画像読取部200は、図1に示すように、原稿を載置するための手差しトレイ201を有する。この手差しトレイ201は、図1に示すように、ファクシミリ装置100の上部に位置するカバーと一体形成されている。そして、画像読取部200は、上記カバーの下側と対面する位置に、図示しないガラス板からなる原稿載置台を有する。
この画像読取部200は、「スタート」ボタン1053の押下に基づき、手差しトレイ201、又は図示しない原稿載置台に載置された原稿を読み取って画像データを生成する部分である。
本実施例1では、ファクシミリ装置100のファクシミリ受信時の制御についてのみ説明を行うので、ファクシミリ送信時のみに用いる構成である、画像読取部200の詳細説明を割愛する。
【0020】
図2は、本発明に係る実施例1のファクシミリ装置100の制御構成を示す図である。
ファクシミリ装置100は、制御構成として、図2に示すように、装置全体を制御する制御部101と、通信I/F部102と、ROM103と、RAM104と、入力表示部105と、印刷部106と、計時部107と、音声出力部108とを備える。
【0021】
通信I/F(Inter Face)部102は、他のファクシミリ装置とファクシミリ通信(受信、又は送信)を行う部分である。
即ち、通信I/F部102は、ファクシミリ装置100と、他のファクシミリ装置との間において、規定された通信シーケンスに基づいてファクシミリ通信を行う。
この通信シーケンスは周知の技術であるため、詳細説明を割愛する。
【0022】
通信I/F部102がファクシミリ受信を行って画像データを取得すると、制御部101は、該画像データをRAM104の後述する画像データ記憶領域20(図4参照)に記憶する。
【0023】
図3は、ROM103の構成を示す図である。
ROM(Read Only Memory)103は、制御部101の制御に基づきファクシミリ装置100の各部において実行される、各プログラムを記憶する部分である。
このROM103は、図3に示すように、「補給警告プログラム」を記憶するための補給警告プログラム記憶領域10と、「ファクシミリ受信プログラム」を記憶するためのファクシミリ受信プログラム記憶領域11と、「印刷制御プログラム」を記憶するための印刷制御プログラム記憶領域12と、「給紙トレイ選択プログラム」を記憶するための給紙トレイ選択プログラム記憶領域13と、「補給警告メッセージ」を記憶するための補給警告メッセージ記憶領域14とを有する。
【0024】
上記「補給警告プログラム」は、計時部107が計測する現在時刻が予め設定した夜間時刻(午後6時から翌朝9時)になると、制御部101が音声出力部108にユーザに対する大容量トレイ1064への用紙の補給を促す、上記「補給警告メッセージ」を出力させるべく、音声出力制御を行うために用いるプログラムである。この「補給警告プログラム」の構成については、後で詳細説明を行う。
【0025】
上記「ファクシミリ受信プログラム」は、制御部101が通信I/F部102に相手側のファクシミリ装置からのファクシミリ(画像データ)を受信させ、該画像データをRAM104の画像データ記憶領域20に記憶させるべく通信制御を行うために用いるプログラムである。この「ファクシミリ受信プログラム」の構成については、後で詳細説明を行う。
本実施例1では、ファクシミリ受信処理のみを説明するため、図3に示すようにROM103に「ファクシミリ受信プログラム」を記憶する構成にしたが、これに限らず、該ROM103には、ファクシミリ送信処理を行うための「ファクシミリ送信プログラム」も記憶されているものとする。
【0026】
上記「印刷制御プログラム」は、制御部101がRAM104の画像データ記憶領域20への画像データの記憶を完了した場合、印刷制御部1061にプリンタエンジンを制御させ、小容量トレイ1063及び大容量トレイ1064のいずれか一方のトレイから用紙を給紙して印刷させるべく、印刷制御を行うために用いるプログラムである。この「印刷制御プログラム」の構成については、後で詳細説明を行う。
【0027】
上記「給紙トレイ選択プログラム」は、制御部101が印刷処理を行う場合、計時部107が計測する現在時刻が夜間時刻であるか否かに基づいて、小容量トレイ1063と、大容量トレイ1064とのいずれのトレイから用紙を給紙すべきかを選択させるべく、選択制御を行うために用いるプログラムである。この「給紙トレイ選択プログラム」の構成については、後で詳細説明を行う。
【0028】
上記「補給警告メッセージ」は、計時部107が計測する現在時刻が予め設定した夜間時刻になると、制御部101が上記「補給警告プログラム」を実行時に用いる、ユーザに対する大容量トレイ1064への用紙補給を促す音声メッセージである。
【0029】
図4は、RAM104の構成を示す図である。
RAM(Random Access Memory)104は、各種情報を一時的に記憶する記憶部である。
また、RAM104は、ROM103に記憶された上記各種プログラムを展開するためのワークメモリである。
このRAM104は、各種情報を記憶するために予め複数の記憶領域を有する。
RAM104は、本発明の特徴となる記憶領域として、図4に示すように、画像データ記憶領域20と、補給警告フラグ記憶領域21と、給紙トレイポインタ記憶領域22とを有する。
【0030】
画像データ記憶領域20は、通信I/F部102を介して取得した画像データを記憶するためのメモリである。
即ち、画像データ記憶領域20は、制御部101の上記「ファクシミリ受信プログラム」実行時の通信制御に基づいて、画像データを記憶する。
この画像データ記憶領域20に記憶された画像データは、当該画像データに基づく印刷処理が完了すると、制御部101の上記通信制御に基づいて、該記憶領域から削除される。
【0031】
補給警告フラグ記憶領域21は、音声出力部108による補給警告メッセージの音声出力が完了した、又は未完了かを示す各変数を記憶するためのメモリである。
即ち、補給警告フラグ記憶領域21には、音声出力部108による補給警告メッセージの音声出力が完了すると、制御部101の上記「補給警告プログラム」実行時の音声出力制御に基づいて、警告が完了したことを示す「警告完了」が記憶される。
一方、補給警告フラグ記憶領域21には、上記音声出力が未完了であると、制御部101の制御に基づいて、警告が未完了であることを示す変数「未警告」が記憶される。
【0032】
給紙トレイポインタ記憶領域22は、印刷処理に用いる用紙の給紙先となるトレイを示す変数を記憶するためのメモリである。
即ち、給紙トレイポインタ記憶領域22には、計時部107の計測する現在時刻が夜間時刻の場合、制御部101の制御に基づいて、使用するトレイが大容量トレイ1064であることを示す、変数名「大容量トレイ」が記憶される。
一方、給紙トレイポインタ記憶領域22には、現在時刻が夜間時刻ではない場合、制御部101の制御に基づいて、使用するトレイが小容量トレイ1063であることを示す、変数名「小容量トレイ」が記憶される。
【0033】
入力表示部105は、上記説明したタッチパネルディスプレイ1051と、各種ボタン群1052と、「スタート」ボタン1053と、「キャンセル」ボタン1054とを備える。
【0034】
印刷部106は、図2に示すように、印刷制御部1061と、プリンタエンジン1062と、小容量トレイ1063と、大容量トレイ1064と、排出用紙積載部1065とから構成される。
【0035】
印刷制御部1061は、プリンタエンジン1062を制御し、小容量トレイ1063又は大容量トレイ1064のいずれかのトレイに積載保持される用紙を用いて、ファクシミリ受信した画像データに基づく印刷処理を行う。
【0036】
プリンタエンジン1062は、画像データに基づく印刷処理を実行する実行部である。このプリンタエンジン1062は、図示しない各種印刷機構を用いて、小容量トレイ1063又は大容量トレイ1064からの用紙の給紙、感光体ドラムへの帯電、レーザ照射、トナーの塗布、用紙への転写及び定着を行う。
【0037】
<実施例1の動作>
【0038】
図5は、補給警告プログラムの構成を示すフローチャートである。
補給警告プログラムの構成について、図5を用いて詳細に説明を行う。
ファクシミリ装置100を利用するユーザが該装置本体の図示しない電源ボタンをONにすると、制御部101は、図示しない電源部からの電圧を該装置を構成する各部に供給して起動させる。そして、ファクシミリ装置100の各部が起動すると、制御部101は、ROM103の補給警告プログラム記憶領域10に記憶されている補給警告プログラムを読み出す。補給警告プログラムは、制御部101に読み出されることにより、図5を示す各ステップが順次実行される。
【0039】
制御部101は、計時部107が計測する現在時刻が予め設定した夜間時刻(午後6時から翌朝9時まで)であるか否かを判定し(ステップS11)、夜間時刻であると、RAM104の補給警告フラグ記憶領域21に「ON」が記憶されているか否かを判定する(ステップS12)。
【0040】
一方、制御部101は、現在時刻が夜間時刻ではないと、補給警告フラグ記憶領域21に「OFF」を記憶されているか否かを検索し(ステップS13)、「ON」が記憶されている場合には、該記憶領域に「OFF」を記憶する(ステップS14)。そして、制御部101は、「OFF」を記憶すると、再びステップS11の動作を行う。また、制御部101は、補給警告フラグ記憶領域21に「OFF」が記憶されている場合には、再びステップS11の動作を行う。
【0041】
そして、制御部101は、現在時刻が夜間時刻の場合において、補給警告フラグ記憶領域21に「ON」が記憶されていると、再びステップS11の動作を行う。
【0042】
一方、制御部101は、補給警告フラグ記憶領域21に「OFF」が記憶されていると、ROM103の補給警告メッセージ記憶領域14に記憶されている補給警告メッセージを読み出し、音声出力部108に音声出力を指示すると共に、該メッセージを転送する。
【0043】
音声出力部108は、上記音声出力の指示と共に、上記補給警告メッセージを受けると、スピーカーを用いて該メッセージを示す「夜間時刻になりました。大容量トレイへ用紙を補給してください。」を大音量で音声出力する(ステップS15)。
【0044】
音声出力部108が補給警告メッセージを音声出力し終えると、制御部101は、大容量トレイ1064に設置された図示しないセンサを用いて該トレイに用紙がセット(補給)されたことを検知すると(ステップS16)、RAM104の補給警告フラグ記憶領域21に「ON」を記憶する(ステップS17)。
このとき、制御部101は、大容量トレイ1064に用紙がセットされるまで、所定の時間間隔で、上記メッセージを大音量で音声出力する。
そして、制御部101は、上記記憶動作を終えると、再びステップS11の動作を行う。
【0045】
図6は、ファクシミリ受信プログラムの構成を示すフローチャートである。
ファクシミリ受信プログラムの構成について、図6を用いて詳細に説明を行う。
ファクシミリ装置100の上記電源ボタンがONになり、該装置の各部が起動すると、制御部101は、ROM103のファクシミリ受信プログラム記憶領域11に記憶されているファクシミリ受信プログラムを読み出す。ファクシミリ受信プログラムは、制御部101に読み出されることにより、図6を示す各ステップが順次実行される。
【0046】
制御部101は、通信I/F部102を介して相手側ファクシミリ装置からファクシミリ(画像データ)を受信すると(ステップS21)、該画像データをRAM104の画像データ記憶領域20へ記憶させるべく処理を開始する(ステップS22)。
【0047】
一方、制御部101は、画像データを受信しない場合には、画像データの受信を待機すべく再びステップS21の動作を行う。
【0048】
そして、制御部101は、画像データ記憶領域20に画像データを記憶し終えると(ステップS23)、ファクシミリ受信機能が停止していないので(ステップS24)、再びステップS21の動作を行う。
【0049】
一方、制御部101は、印刷部106の印刷機能が停止し(用紙切れ、又は用紙詰まりなどの原因により)、画像データ記憶領域20に順次記憶された画像データのデータサイズが増加して該領域のメモリ容量が飽和し、画像データを記憶できなくなると、ファクシミリ受信機能を停止する(ステップS25)。そして、制御部101は、画像データ記憶領域20に当該画像データを記憶し終えると(ステップS23)、ファクシミリ受信機能が停止しているので(ステップS24)、ファクシミリ受信機能停止を解除する(ステップS26)。制御部101は、ファクシミリ受信機能停止を解除すると、再びステップS21の動作を行う。ここで、制御部101は、画像データの記憶が完了するまで、ファクシミリ受信機能を停止させる。
【0050】
図7は、印刷制御プログラムの構成を示すフローチャートである。
印刷制御プログラムの構成について、図7を用いて詳細に説明を行う。
ファクシミリ装置100の上記電源ボタンがONになり、該装置の各部が起動すると、制御部101は、ROM103に記憶されているトレイ選択プログラムを読み出す。トレイ選択プログラムは、制御部101に読み出されることにより、図7を示す各ステップが順次実行される。
【0051】
制御部101は、RAM104の画像データ記憶領域20に画像データが記憶されている場合には(ステップS31)、ROM103の給紙トレイ選択プログラム記憶領域13に記憶されている給紙トレイ選択プログラムを読み出す。
【0052】
そして、制御部101は、上記給紙トレイ選択処理を終えると、RAM104の給紙トレイポインタ記憶領域22に記憶された変数名に基づいて、小容量トレイ1063、大容量トレイ1064のいずれか一方のトレイに積載保持される用紙を給紙して、印刷処理を行う。
【0053】
一方、制御部101は、画像データ記憶領域20に画像データが記憶されていない場合には、再びステップS31の動作を行う。
【0054】
制御部101は、印刷処理を終えると、画像データ記憶領域20に記憶された当該処理済の画像データを削除する(ステップS34)。そして、制御部101は、再びステップS31の動作を行う。
【0055】
図8は、給紙トレイ選択プログラムの構成を示すフローチャートである。
給紙トレイ選択プログラムの構成について、図8を用いて詳細に説明を行う。
ファクシミリ装置100の電源ボタンがONになり、該装置の各部が起動すると、制御部101は、ROM103の給紙トレイ選択プログラムに記憶されている給紙トレイ選択プログラムを読み出す。給紙トレイ選択プログラムは、制御部101に読み出されることにより、図8を示す各ステップが順次実行される。
【0056】
制御部101は、計時部107が計測する現在時刻が夜間時刻(午後6時から翌朝9時まで)の場合には(ステップS41)、RAM104の給紙トレイポインタ記憶領域22に記憶された変数が「大容量トレイ」であるか否かを判断する(ステップS42)。
【0057】
そして、制御部101は、上記記憶領域に記憶された変数が「小容量トレイ」の場合には、大容量トレイ1064を給紙トレイに選択すべく、該記憶領域に変数「大容量トレイ」を記憶する(ステップS43)。制御部101は、上記記憶処理を終えると、再びステップS41の動作を行う。
【0058】
一方、制御部101は、上記変数が「大容量トレイ」の場合には、再びステップS41の動作を行う。
【0059】
また、制御部101は、現在時刻が夜間時刻ではない場合には、上記記憶領域に記憶された変数が「大容量トレイ」の場合には(ステップS44)、小容量トレイ1063を給紙トレイに選択すべく、該記憶領域に変数「小容量トレイ」を記憶する(ステップS45)。制御部101は、上記記憶処理を終えると、再びステップS41の動作を行う。
【0060】
一方、制御部101は、上記記憶領域に記憶された変数が「小容量トレイ」の場合には、再びステップS41の動作を行う。
【0061】
<実施例1の効果>
本実施例1のファクシミリ装置100は、多量(例えば500枚)の用紙を積載可能な大容量トレイ1064を備え、夜間時刻になると、該トレイへの用紙補給を促す「補給警告メッセージ」を音声出力部108のスピーカーから音声出力するので、オフィス内のいずれかの社員は、該通知を聞いて該トレイへ用紙補給を行う。これにより、夜間において大容量トレイ1064には多量の用紙が積載保持される。そして、夜間にファクシミリ受信を行った場合、制御部101が受信した画像データに基づく印刷処理を大容量トレイ1064を用いて行うよう制御するので、用紙切れが生じる頻度を低減することができる。従って、本発明によれば、用紙切れにより印刷機能及びファクシミリ受信機能が停止する頻度を低減することが可能となる。
【実施例2】
【0062】
<実施例2の構成>
本発明の実施例2のファクシミリ装置100aは、実施例1のファクシミリ装置100が有する小容量トレイ1063及び大容量トレイ1064の代わりに、通常の枚数(例えば300枚)の用紙を積載可能な第1トレイ1066及び第2トレイ1067を有する構成に変更したものである(図9参照)。
【0063】
また、ファクシミリ装置100aは、第1トレイ1066及び第2トレイ1067のいずれか一方のトレイに印刷未処理の用紙を積載保持させ、かつ他のトレイに片面のみが印刷処理済の用紙(裏紙)を積載保持させる構成に変更したものである。
【0064】
更に、ファクシミリ装置100aは、入力表示部105aに、夜間時刻に印刷処理に用いる夜間トレイとして、必ず印刷未処理の用紙を収容させるトレイを第1トレイ1066及び第2トレイ1067のいずれにするのかを、ユーザに設定させるべく、第1トレイ指定ボタン1055と、第2トレイ指定ボタン1056とを追加した構成に変更したものである(図9参照)。
【0065】
そして、ファクシミリ装置100aは、画像読取部200の下面と、排出用紙積載部1065aとの間隔L´を、実施例1のファクシミリ装置100における間隔Lと比べ、短くする構成に変更したものである(図9参照)。
尚、本実施例において、実施例1と同一の構成については同一の符号で示し、これらについての詳しい説明を省略する。
【0066】
図9は、本発明に係る実施例2のファクシミリ装置100aの外観を示す図である。
ファクシミリ装置100aは、図9に示すように、入力表示部105aと、印刷部106aと、音声出力部108aと、該装置の上部に位置する画像読取部200と、該装置の下部に着脱可能に装着されている第1トレイ1066及び第2トレイ1067とを備える。
【0067】
入力表示部105aは、図9に示すように、タッチパネルディスプレイ1051と、各種ボタン群1052と、「スタート」ボタン1053と、「キャンセル」ボタン1054と、第1トレイ指定ボタン1055と、第2トレイ指定ボタン1056とから構成される。
【0068】
第1トレイ指定ボタン1055は、ユーザにより夜間に印刷を行う場合に用いる給紙トレイ(夜間トレイ)として、第1トレイ1066を指定するために用いるボタンである。
第2トレイ指定ボタン1056は、ユーザにより夜間に印刷を行う場合に用いる夜間トレイとして、第2トレイ1067を指定するために用いるボタンである。
ここで、第1トレイ指定ボタン1055及び第2トレイ指定ボタン1056がユーザにより夜間時刻に押下された場合、該押下は無効になる。
尚、入力表示部105aの他の構成は、実施例1の入力表示部105の構成と同じである。
【0069】
印刷部106aは、上記第1トレイ1066と、第2トレイ1067と、排出用紙積載部1065aとを有する。
第1トレイ1066は、通常の枚数(例えば300枚まで)を収容可能な用紙トレイである。
第2トレイ1067は、通常の枚数(例えば300枚まで)を収容可能な用紙トレイである。
第1トレイ1066及び第2トレイ1067のいずれか一方のトレイには、印刷未処理の用紙を収容し、他のトレイには、片面のみが印刷処理済の用紙(裏紙)を収容する。
本実施例2では、ファクシミリ装置100aが、図9に示すように、2つの用紙トレイ(第1トレイ1066及び第2トレイ1067)を有する構成になっているが、本発明はこれに限らず、3つ以上の用紙トレイを有する構成にも適用可能である。
【0070】
排出用紙積載部1065aは、ファクシミリ装置100aの図示しない排出部から排出された、印刷処理が完了した用紙を積載保持するための部分である。
この排出用紙積載部1065aは、図9に示すように、通常の枚数(最大300枚)の用紙を積載可能にすべく、該排出用紙積載部1065aと画像読取部200の下部との間隔L´を、実施例1のファクシミリ装置100における間隔Lと比べ、短くする構成となっている。
尚、印刷部106aの他の構成は、実施例1の印刷部106の構成と同じである。
【0071】
音声出力部108aは、図9に示すように、音声を発するためのスピーカーから成る。
この音声出力部108aは、夜間時刻になると、制御部101a(図10参照)の制御に基づいて、第1トレイ1066への用紙補給をユーザに促す「第1トレイ補給警告メッセージ」、又は第2トレイ1067への用紙補給をユーザに促す「第2トレイ補給警告メッセージ」のいずれか一方を音声出力する。
上記「第1トレイ補給警告メッセージ」及び「第2トレイ補給警告メッセージ」は、後述するROM103a(図12参照)に予め記憶されている。
尚、音声出力部108aの他の構成は、実施例1の音声出力部108の構成と同じである。
【0072】
図10は、本発明に係る実施例2のファクシミリ装置100aの制御構成を示す図である。
ファクシミリ装置100aは、制御構成として、図10に示すように、装置全体を制御する制御部101aと、通信I/F部102と、ROM103aと、RAM104aと、入力表示部105aと、印刷部106aと、計時部107と、音声出力部108aとを備える。
【0073】
図11は、ROM103aの構成を示す図である。
ROM103aは、制御部101aの制御に基づき各部において実行される、各プログラムを記憶する部分である。
このROM103aは、図11に示すように、「補給警告プログラム2」を記憶するための補給警告プログラム記憶領域10aと、「ファクシミリ受信プログラム」を記憶するためのファクシミリ受信プログラム記憶領域11と、「印刷制御プログラム」を記憶するための印刷制御プログラム記憶領域12と、「給紙トレイ選択プログラム2」を記憶するための給紙トレイ選択プログラム記憶領域13aと、「第1トレイ補給警告メッセージ」及び「第2トレイ補給警告メッセージ」を記憶するための補給警告メッセージ記憶領域14aと、「夜間トレイ設定プログラム」を記憶するための夜間トレイ設定プログラム記憶領域15と、「押下無効メッセージ」を記憶するための押下無効メッセージ記憶領域16とを有する。
【0074】
上記「補給警告プログラム2」は、計時部107が計測する現在時刻が夜間時刻になると、制御部101aが音声出力部108aにユーザに対する夜間トレイ(第1トレイ1066、又は第2トレイ1067)への補給を促す、上記「第1トレイ補給警告メッセージ」、又は「第2トレイ補給警告メッセージ」を出力させるべく、音声出力制御を行うために用いるプログラムである。この「補給警告プログラム2」の構成については、後で詳細説明を行う。
【0075】
上記「給紙トレイ選択プログラム」は、制御部101aが印刷処理を行う場合、計時部107が計測する現在時刻が夜間時刻であるか否かに基づいて、第1トレイ1066と、第2トレイ1067とのいずれのトレイから用紙を給紙すべきかを選択させるべく、選択制御を行うために用いるプログラムである。この「給紙トレイ選択プログラム2」の構成については、後で詳細説明を行う。
【0076】
上記「夜間トレイ設定プログラム」は、ユーザからの第1トレイ指定ボタン1055、又は第2トレイ指定ボタン1056の押下に基づいて、制御部101aが夜間時刻の印刷処理に用いる夜間トレイ(第1トレイ1066、又は第2トレイ1067)を設定させるべく、設定制御を行うために用いるプログラムである。この「夜間トレイ設定プログラム」の構成については、後で詳細説明を行う。
【0077】
上記「第1トレイ補給警告メッセージ」は、計時部107が計測する現在時刻が夜間時刻になると、制御部101aが上記「補給警告プログラム2」を実行時に用いる、ユーザに対する第1トレイ1066への用紙補給を促す音声メッセージである。
また、上記「第2トレイ補給警告メッセージ」は、制御部101aが上記「補給警告プログラム2」を実行時に用いる、ユーザに対する第2トレイ1067への用紙補給を促す音声メッセージである。
尚、ROM103aの他の構成は、実施例1のROM103の構成と同じである。
【0078】
図12は、RAM104aの構成を示す図である。
RAM104aは、各種情報を一時的に記憶する記憶部である。
また、RAM104aは、ROM103aに記憶された上記各種プログラムを展開するためのワークメモリである。
このRAM104aは、各種情報を記憶するために予め複数の記憶領域を有する。
RAM104aは、本発明の特徴となる記憶領域として、図4に示すように、画像データ記憶領域20と、補給警告フラグ記憶領域21と、給紙トレイポインタ記憶領域22aと、夜間トレイポインタ記憶領域23とを有する。
【0079】
給紙トレイポインタ記憶領域22aは、印刷処理に用いる用紙の給紙先となるトレイを示す変数を記憶するためのメモリである。
即ち、給紙トレイポインタ記憶領域22aには、計時部107の計測する現在時刻が夜間時刻の場合、制御部101aの制御に基づいて、使用するトレイが後述する夜間トレイであることを示す、変数名「夜間トレイ」が記憶される。
一方、給紙トレイポインタ記憶領域22aには、現在時刻が夜間時刻ではない場合、制御部101aの制御に基づいて、使用するトレイが上記夜間トレイではないトレイであることを示す、変数名「夜間トレイではないトレイ」が記憶される。
【0080】
夜間トレイポインタ記憶領域23は、夜間時刻での印刷処理に用いる用紙の給紙先となるトレイを示す変数を記憶するためのメモリである。
即ち、夜間トレイポインタ記憶領域23には、ユーザが夜間時刻ではない時間に第1トレイ指定ボタン1055を押下した場合、制御部101aの制御に基づいて、夜間に使用するトレイが第1トレイ1066であることを示す、変数名「第1トレイ」が記憶される。
一方、夜間トレイポインタ記憶領域23には、ユーザが夜間時刻ではない時間に第2トレイ指定ボタン1056を押下した場合、制御部101aの制御に基づいて、夜間に使用するトレイが第2トレイ1067であることを示す、変数名「第2トレイ」が記憶される。
【0081】
<実施例2の動作>
図13は、夜間トレイ設定プログラムの構成を示すフローチャートである。
夜間トレイ設定プログラムの構成について、図13を用いて詳細に説明を行う。
ファクシミリ装置100aを利用するユーザが該装置本体の図示しない電源ボタンをONにすると、制御部101aは、図示しない電源部からの電圧を該装置を構成する各部に供給して起動させる。そして、ファクシミリ装置100aの各部が起動すると、制御部101aは、ROM103aの夜間トレイ設定プログラム記憶領域15に記憶されている夜間トレイ設定プログラムを読み出す。夜間トレイ設定プログラムは、制御部101aに読み出されることにより、図13が示す各ステップが順次実行される。
【0082】
制御部101aは、先ず、RAM104aの夜間トレイポインタ記憶領域23に夜間トレイを示す変数の初期値として、「第2トレイ」を設定する(ステップS51)。
【0083】
制御部101aは、ユーザにより第1トレイ指定ボタン1055、又は第2トレイ指定ボタン1056が押下されると(ステップS52)、夜間時刻であるか否かを判定する(ステップS53)。
【0084】
そして、制御部101aは、夜間時刻でない場合、押下されたボタンが「第1トレイ指定ボタン1055」であると(ステップS54)、夜間トレイポインタ記憶領域23に変数名「第1トレイ」を記憶する(ステップS55)。
【0085】
一方、制御部101aは、押下されたボタンが「第2トレイ指定ボタン1056」であると、既に変数名「第2トレイ」が設定されているので、ステップS52の動作に戻る。
【0086】
また、制御部101aは、夜間時刻の場合、ROM103aの押下無効メッセージ記憶領域16に記憶されている「押下無効メッセージ」を読み出し、タッチパネルディスプレイ1051上に、例えば「夜間時刻での夜間トレイ指定ボタンの押下は無効となります。」旨のメッセージを表示させる(ステップS56)。
【0087】
図14は、補給警告プログラム2の構成を示すフローチャートである。
補給警告プログラム2の構成について、図14を用いて詳細に説明を行う。
ファクシミリ装置100aを利用するユーザが該装置本体の図示しない電源ボタンをONにすると、制御部101aは、図示しない電源部からの電圧を該装置を構成する各部に供給して起動させる。そして、ファクシミリ装置100aの各部が起動すると、制御部101aは、ROM103aの補給警告プログラム記憶領域10aに記憶されている「補給警告プログラム2」を読み出す。補給警告プログラム2は、制御部101aに読み出されることにより、図14を示す各ステップが順次実行される。
【0088】
実施例2のステップS61〜S64の動作は、実施例1のステップS11〜S14の動作と同じである。
【0089】
制御部101aは、補給警告フラグ記憶領域21に「OFF」が記憶されていると、RAM104aの夜間トレイポインタ記憶領域23に記憶された変数を読み出す。そして、制御部101aは、読み出した変数が「第1トレイ」の場合(ステップS65)、ROM103aの補給警告メッセージ記憶領域14aの第1トレイ補給警告メッセージ記憶領域141に記憶されている「第1トレイ補給警告メッセージ」を読み出し、音声出力部108aに音声出力を指示すると共に、該メッセージを転送する。
【0090】
一方、制御部101aは、上記読み出した変数が「第2トレイ」の場合、補給警告メッセージ記憶領域14aの第2トレイ補給警告メッセージ記憶領域142に記憶されている「第2トレイ補給警告メッセージ」を読み出し、音声出力部108aに音声出力を指示すると共に、該メッセージを転送する。
【0091】
音声出力部108aは、上記音声出力の指示と共に、「第1トレイ補給警告メッセージ」を受けると、スピーカーを用いて該メッセージを示す、例えば「夜間時刻になりました。第1トレイへの用紙を補給してください。」を大音量で音声出力する(ステップS66)。
【0092】
音声出力部108aが「第1トレイ補給警告メッセージ」を音声出力し終えると、制御部101aは、第1トレイ1066に設置された図示しないセンサを用いて該トレイに用紙がセット(補給)されたことを検知すると(ステップS67)、RAM104aの補給警告フラグ記憶領域21に「ON」を記憶する(ステップS68)。
このとき、制御部101aは、第1トレイ1066に用紙がセットされるまで、所定の時間間隔で、上記メッセージを大音量で音声出力する。
【0093】
一方、音声出力部108aは、上記音声出力の指示と共に、「第2トレイ補給メッセージ」を受けると、スピーカーを用いて該メッセージを示す、例えば「夜間時刻になりました。第2トレイへの用紙を補給してください。」を大音量で音声出力する(ステップS69)。
【0094】
音声出力部108aが「第2トレイ補給メッセージ」を音声出力し終えると、制御部101aは、第2トレイ1067に設置された図示しないセンサを用いて該トレイに用紙がセット(補給)されたことを検知すると(ステップS70)、RAM104aの補給警告フラグ記憶領域21に「ON」を記憶する(ステップS68)。
このとき、制御部101aは、第2トレイ1067に用紙がセットされるまで、所定の時間間隔で、上記メッセージを大音量で音声出力する。
そして、制御部101aは、上記記憶動作を終えると、再びステップS61の動作を行う。
【0095】
図15は、給紙トレイ選択プログラム2の構成を示すフローチャートである
給紙トレイ選択プログラム2の構成について、図15を用いて詳細に説明を行う。
ファクシミリ装置100aの電源ボタンがONになり、該装置の各部が起動すると、制御部101aは、ROM103aの給紙トレイ選択プログラム記憶領域13aに記憶されている給紙トレイ選択プログラム2を読み出す。給紙トレイ選択プログラム2は、制御部101aに読み出されることにより、図15を示す各ステップが順次実行される。
【0096】
制御部101aは、計時部107が計測する現在時刻が夜間時刻の場合には(ステップS71)、夜間トレイを給紙トレイに選択すべく、該記憶領域に変数「夜間トレイ」を記憶する(ステップS72)。制御部101aは、上記記憶処理を終えると、再びステップS71の動作を行う。
【0097】
一方、制御部101aは、現在時刻が夜間時刻ではない場合には、夜間トレイではないトレイを給紙トレイに選択すべく、該記憶領域に変数「夜間トレイではないトレイ」を記憶する(ステップS73)。制御部101aは、上記記憶処理を終えると、再びステップS71の動作を行う。
【0098】
<実施例2の効果>
本実施例2のファクシミリ装置100aは、印刷未処理の用紙と、裏紙とを第1トレイ1066及び第2トレイ1067とに各々収容し、該印刷未処理の用紙を収容したトレイに該当するトレイを第1トレイ指定ボタン1055又は第2トレイ指定ボタン1056により入力設定し、夜間時刻になると、該印刷未処理の用紙を収容したトレイへの用紙補給を促すメッセージを音声出力部108aのスピーカーから音声出力するので、オフィス内のいずれかの社員は、該通知を聞いて、該印刷未処理の用紙が収容されたトレイへ用紙補給を行う。これにより、夜間にファクシミリ受信を行った場合、制御部101aが受信した画像データに基づく印刷処理を印刷未処理の用紙を用いて行うよう制御する(裏紙を使用しない)ので、用紙詰まりが生じる頻度を低減することができる。従って、本発明によれば、用紙詰まりにより印刷機能及びファクシミリ受信機能が停止する頻度を低減することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0099】
前記した実施例では、本発明の画像記録装置をファクシミリ装置として説明したが、これに限る必要はなく、例えばファクシミリ機能と、プリンタ機能とを有する複合機(MFP)にも適用可能である。
【符号の説明】
【0100】
100 ファクシミリ装置
1055 第1トレイ指定ボタン
1056 第2トレイ指定ボタン
1063 小容量トレイ
1064 大容量トレイ
1066 第1トレイ
1067 第2トレイ
107 計時部
108 音声出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを受信する受信部と、印刷媒体を収容するための複数の媒体収容部とを備えた画像記録装置において、
時刻を計測する時計部と、
前記受信部を介して画像データを受信すると、前記時計部の示す時刻に基づき、前記複数の媒体収容部から1つの媒体収容部を選択する選択部と、
前記選択部により選択された当該媒体収容部に収容された媒体に、画像データに基づく印刷処理を行う印刷部とを備えることを特徴とする画像記録装置。
【請求項2】
前記選択部は、各々の前記媒体収容部が収容可能な媒体の枚数と、前記時計部の示す時刻とに基づき前記媒体収容部を選択することを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項3】
利用者からの指示を受け付ける操作部を更に備え、
前記選択部は、前記操作部により受け付けた利用者からの指示と、前記時計部の示す時刻とに基づき、前記媒体収容部を選択することを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−130023(P2011−130023A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−284360(P2009−284360)
【出願日】平成21年12月15日(2009.12.15)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】