説明

画像記録装置

【課題】個々のユーザの趣味嗜好に応じた種々の情報に基づいて画像分類を行うことが可能な画像記録装置を提供する。
【解決手段】本発明の画像記録装置は、画像を撮影した位置を示す撮影位置データを画像に付与した画像ファイルを生成する画像ファイル生成部と、相互に異なる地図データとして構成された複数のテンプレートが格納されているとともに、地図データ毎に複数のメタデータが関連付けられた状態で格納されているデータベース部と、全てのテンプレートの中から1つまたは複数のテンプレートが選択された際の選択結果に応じた各テンプレート毎に、撮影位置データに最も適合する位置関係にあるメタデータ、または、撮影位置データを含む位置関係にあるメタデータのいずれかに該当するものを1つずつ抽出して撮影位置データに関連付ける関連付け部と、関連付けがなされた画像ファイルを記録する記録部と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像記録装置に関し、特に、位置情報を利用して処理を行う画像記録装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
GPS(Global Positioning System)により現在位置の緯度及び経度等の位置情報を取得し、当該取得した位置情報を種々の処理に利用できるように構成された装置等が従来提案されている。
【0003】
具体的には、例えば特許文献1に開示された携帯機器のような、被写体を撮影して画像を得る撮像機能と、当該被写体の撮影時の位置情報をGPSにより得る位置情報取得機能と、当該画像と当該位置情報とを関連付けて記録させる記録制御機能と、を備えたものが提案されている。そして、前述の各機能を備えた装置等によれば、被写体を撮影して得た画像と、当該画像を撮影した場所とを関連付けて地図データ上に表示させることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、一般的な地図データにおいては、被写体の撮影時に得た位置情報を、現存する地名または住所等の普遍的な情報に関連付けることができる一方で、個々のユーザの趣味嗜好に応じた特別な情報に関連付けることができない。
【0005】
すなわち、前述の各機能を備えた装置等において一般的な地図データを用いた場合には、普遍的な情報に基づく画像の分類結果を地図データ上に表示させることができる反面、個々のユーザの趣味嗜好に応じた特別な情報に基づく画像の分類結果を地図データ上に表示させることができなかった。
【0006】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、個々のユーザの趣味嗜好に応じた種々の情報に基づいて画像分類を行うことが可能な画像記録装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の画像記録装置は、画像を撮影した位置を示す撮影位置データを前記画像に付与した画像ファイルを生成する画像ファイル生成部と、相互に異なる地図データとして構成された複数のテンプレートが格納されているとともに、前記地図データ毎に複数のメタデータが予め関連付けられた状態で格納されているデータベース部と、前記データベース部に格納された全てのテンプレートの中から1つまたは複数のテンプレートが選択された第1の選択結果に基づき、該第1の選択結果に応じた各テンプレート毎に、前記撮影位置データに最も適合する位置関係にあるメタデータ、または、前記撮影位置データを含む位置関係にあるメタデータのいずれかに該当するものを1つずつ抽出して前記撮影位置データに関連付ける関連付け部と、前記関連付け部による関連付けがなされた画像ファイルを記録する記録部と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明における画像記録装置によれば、個々のユーザの趣味嗜好に応じた種々の情報に基づいて画像分類を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施例に係る画像記録装置を含む撮像装置の要部の構成を示すブロック図。
【図2】データベース部に格納されたテンプレートのデータ構造を模式的に示す図。
【図3】被写体の撮影の前後において行われる処理等の一例を示すフローチャート。
【図4】テンプレート選択リストの一例を示す図。
【図5】メタデータと撮影位置データとが関連付けられた状態の画像ファイルのデータ構造を模式的に示す図。
【図6】画像の再生表示に伴って行われる処理等の一例を示すフローチャート。
【図7】図6の処理等に続いて行われる処理等の一例を示すフローチャート。
【図8】メタデータと撮影位置データとが関連付けられた状態の、図5とは異なる画像ファイルのデータ構造を模式的に示す図。
【図9】メタデータと撮影位置データとが関連付けられた状態の、図5及び図6とは異なる画像ファイルのデータ構造を模式的に示す図。
【図10】画像分類結果の表示態様の一例を示す図。
【図11】画像分類結果の表示態様の、図10とは異なる例を示す図。
【図12】画像分類結果の中から選択された画像データの表示態様の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明を行う。図1から図11は、本発明の実施例に係るものである。
【0011】
図1は、本発明の実施例に係る画像記録装置を含む撮像装置の要部の構成を示すブロック図である。
【0012】
デジタルカメラ等である撮像装置101は、図1に示すように、撮像部1と、GPSモジュール2と、操作部3と、時計4と、データベース部5と、記録部6と、表示部7と、制御部8と、を有して構成されている。
【0013】
撮像部1は、レンズ、絞り機構、シャッター機構、焦点調整機構、及び、撮像素子等を備えており、制御部8の制御に応じて被写体を撮像するとともに、撮像した被写体に係る撮像信号を生成して制御部8へ出力するように構成されている。
【0014】
GPSモジュール2は、複数のGPS衛星から受信した電波に基づいて現在位置の測位を行い、測位結果を位置データとして制御部8に出力するように構成されている。
【0015】
操作部3は、画面上に表示されるスイッチ群の操作に応じた指示を制御部8に対して行うことができるように構成されたタッチパネル3aと、入力装置群3bと、を有している。具体的には、入力装置群3bは、例えば、電源ボタン、レリーズボタン、再生ボタン、及び、各種入力キー等を備えて構成されている。
【0016】
入力装置群3bの電源ボタンは、ユーザの操作に応じ、撮像装置101の電源をオンまたはオフに切り替えるための指示を制御部8に対して行うことができるように構成されている。
【0017】
入力装置群3bのレリーズボタンは、ファーストレリーズスイッチとセカンドレリーズスイッチとからなる2段スイッチを有して構成されている。制御部8は、レリーズボタンの半押しに応じてファーストレリーズスイッチがオンされると、AE(自動露出)及びAF(自動焦点)に係る動作等を実施させるための制御を撮像部1に対して行う。また、制御部8は、レリーズボタンの全押しに応じてセカンドレリーズスイッチがオンされると、被写体の撮影を実施させるための制御を撮像部1に対して行う。
【0018】
入力装置群3bの再生ボタンは、ユーザの操作に応じ、被写体を撮影して得られた静止画を表示部7に表示させるための指示を制御部8に対して行うことができるように構成されている。制御部8は、再生ボタンがオフされていることを検出した場合には、撮像装置101の動作モードを撮影モードに設定し、表示部7においてライブビュー表示を行うように動作する。また、制御部8は、再生ボタンがオンされていることを検出した場合には、撮像装置101の動作モードを再生モードに設定し、記録部6に記録された画像ファイルを表示部7に再生表示させるように動作する。
【0019】
時計4は、現在の日付及び時刻を随時取得するとともに、取得結果を日時データとして制御部8へ出力するように構成されている。
【0020】
データベース部5には、(日本地図及び世界地図等の)一般的な地図データと、一般的な地図データとは異なる趣向に基づいて編集された特別な地図データをそれぞれ有する複数のテンプレートと、が格納されている。
【0021】
図2は、データベース部に格納されたテンプレートのデータ構造を模式的に示す図である。
【0022】
図2に示すように、データベース部5に格納された複数のテンプレートTA、TB、TC、・・・には、各テンプレート毎に関連する複数のメタデータが予め付与されている。
【0023】
具体的には、例えば、テンプレートTAが所定のチェーン店の位置を示す地図データ(名称「店舗マップ」)として構成されている場合には、当該所定のチェーン店を構成する各店舗の店舗名を示すメタデータMDA1、MDA2、MDA3、・・・が当該地図データに予め関連付けられた状態で付与されている。
【0024】
また、例えば、テンプレートTBが所定の魚の釣りスポットを示す地図データ(名称「釣りマップ」)として構成されている場合には、当該所定の魚の釣りスポットを構成する各地名を示すメタデータMDB1、MDB2、MDB3、・・・が当該地図データに予め関連付けられた状態で付与されている。
【0025】
さらに、例えば、テンプレートTCが戦国時代の日本を示す地図データ(名称「戦国地図」)として構成されている場合には、戦国時代当時の日本を構成する各国名を示すメタデータMDC1、MDC2、MDC3、・・・が当該地図データに予め関連付けられた状態で付与されている。
【0026】
すなわち、データベース部5には、相互に異なる地図データとして構成された複数のテンプレートが格納されているとともに、前記地図データ毎に複数のメタデータが予め関連付けられた状態で格納されている。
【0027】
なお、データベース部5に格納されたテンプレートを用いて行われる画像分類の処理の詳細については、後程述べるものとする。
【0028】
一方、記録部6は、制御部8により生成された画像ファイルを記録可能な不揮発性の記録媒体等により構成されている。
【0029】
表示部7は、制御部8の制御に応じ、撮影直後の画像データを一定時間だけ表示するレックビュー表示、記録部6に記録された画像ファイルの再生表示、及び、撮影する被写体の構図を動画にて確認可能なライブビュー表示等の種々の画像表示を行うことができるように構成されている。
【0030】
制御部8は、撮像装置101の各部の動作に係る制御を行うように構成されている。また、制御部8は、画像処理部8aと、関連付け部8bと、を有して構成されている。
【0031】
画像処理部8aは、撮像部1から出力される撮像信号に対して種々の画像処理を施すことにより、記録部6に記録する画像データ及び当該画像データを含む画像ファイルの生成、レックビュー表示用の画像データの生成、及び、ライブビュー表示用の画像データの生成等を行うことができるように構成されている。また、画像処理部8aは、記録部6に記録された画像ファイルを読み込み、当該読み込んだ画像ファイルに基づいて再生表示用の画像データを生成することができるように構成されている。さらに、画像処理部8aは、操作部3におけるユーザの操作に応じ、タッチパネル3aの画面上に表示するスイッチ群、及び、種々の情報の入力を促す入力画面等の、GUI(Graphical User Interface)に関する画像を生成可能に構成されている。
【0032】
関連付け部8bは、画像処理部8aにより生成された画像ファイルに対し、撮影時の位置データを撮影位置データとして付与するとともに、撮影時の日時データを撮影日時データとして付与する。さらに、関連付け部8bは、ユーザによりデータベース部5に格納された各テンプレートの中から選択された1または複数のテンプレートに付与されているメタデータと、画像ファイルに付与された撮影位置データとの関連付けを行うことができるように構成されている。なお、このような関連付けを含む処理の詳細については、後程述べるものとする。
【0033】
ここで、以上に述べたような構成を具備する撮像装置101を用いて撮影を行う場合の動作等について説明を行う。図3は、被写体の撮影の前後において行われる処理等の一例を示すフローチャートである。
【0034】
まず、入力装置群3bの電源ボタンの操作に応じて撮像装置101の電源がオンされると、制御部8は、入力装置群3bの再生ボタンがオンされているか否かを検出する(図3のステップS1)。そして、制御部8は、図3のステップS1において、入力装置群3bの再生ボタンがオンされていることを検出した場合には、撮像装置101の動作モードを再生モードに設定した(図3のステップS2)後、図6のステップS101に示す処理を続けて行う。
【0035】
一方、制御部8は、図3のステップS1において、入力装置群3bの再生ボタンがオフされていることを検出した場合には、撮像装置101の動作モードを撮影モードに設定した後、表示部7においてライブビュー表示を行う(図3のステップS3)。
【0036】
その後、制御部8は、入力装置群3bのレリーズボタンのセカンドレリーズスイッチがオンされたか否かを検出する(図3のステップS4)。そして、制御部8は、セカンドレリーズスイッチがオンされていないことを検出した場合には、GPSにより現在位置の位置データを取得するか否かの判定を行う(図3のステップS5)。
【0037】
制御部8は、操作部3のタッチパネル3aまたは入力装置群3bの操作に応じ、GPSによる位置データの取得に係る指示が行われたことを検出した場合、GPSモジュール2における電波の受信を開始させる(図3のステップS6)。
【0038】
そして、制御部8は、GPS衛星からの電波の受信に成功し、GPSモジュール2から現在位置の位置データを取得することができた(図3のステップS7)場合には、当該取得した現在位置の位置データを保持したまま、図3のステップS1からの処理を再度行う。
【0039】
一方、制御部8は、図3のステップS5においてGPSによる現在位置の位置データの取得に係る指示が行われなかった場合、または、図3のステップS7においてGPSモジュール2から位置データを取得することができなかった場合のいずれかの場合に、手動入力により現在位置の位置データを取得するか否かの判定を行う(図3のステップS8)。
【0040】
制御部8は、操作部3のタッチパネル3aまたは入力装置群3bの操作に応じ、手動入力による位置データの取得に係る指示が行われなかった場合には、現在位置の位置データを未取得の状態のまま、図3のステップS1からの処理を再度行う。
【0041】
また、制御部8は、操作部3のタッチパネル3aまたは入力装置群3bの操作に応じ、手動入力による位置データの取得に係る指示が行われたことを検出した場合、画像処理部8aにおいて生成した位置データ入力画面をタッチパネル3aまたは表示部7に表示させる(図3のステップS9)。
【0042】
具体的には、制御部8は、前述の位置データ入力画面として、例えば、現在位置の住所等を示す文字列を入力するように促す画面を表示部7に表示させる。または、制御部8は、前述の位置データ入力画面として、例えば、一般的な(日本地図または世界地図等の)地図データに基づいて描画された地図に直接触れさせることにより、現在位置の指定を促す画面をタッチパネル3aに表示させる。
【0043】
そして、制御部8は、位置データ入力画面における入力内容が確定されると、データベース部5に格納された一般的な地図データの緯度及び経度に基づき、当該確定された入力内容に対応する現在位置の位置データを取得し(図3のステップS10)、当該取得した現在位置の位置データを保持したまま、図3のステップS1からの処理を再度行う。
【0044】
一方、制御部8は、図3のステップS4において、セカンドレリーズスイッチがオンされたことを検出した場合には、ユーザにより撮影操作が実施されたものとみなし、被写体の撮影を実施させるための制御を撮像部1に対して行う(図3のステップS11)。
【0045】
そして、被写体の撮影が行われた後、記録部6に記録する画像ファイルが画像処理部8aにより生成される。
【0046】
制御部8は、被写体の撮影が行われた後、現在位置の位置データを取得済であるか否かの判定を行う(図3のステップS12)。
【0047】
制御部8は、現在位置の位置データを未取得である場合には、撮影位置データが付与されていない画像ファイルを記録部6に記録させた後、図3のステップS1からの処理を再度行う。
【0048】
さらに、制御部8は、現在位置の位置データを取得済である場合には、当該現在位置の位置データを撮影位置データとして画像ファイルに付与した(図3のステップS13)後、データベース部5に格納された複数のテンプレートを参照することによりテンプレート選択リストを生成し、当該生成したテンプレート選択リストをレックビュー表示の最中にタッチパネル3aまたは表示部7に表示させる(図3のステップS14)。図4は、テンプレート選択リストの一例を示す図である。
【0049】
タッチパネル3aまたは表示部7に表示されるテンプレート選択リスト201は、撮影して得られた画像ファイルの分類に用いられるテンプレートを、データベース部5に格納された複数のテンプレートの中からユーザに選択できるようにしたものである。具体的には、テンプレート選択リスト201のリスト内には、例えば図4に示すように、テンプレートTAに対応する名称である「店舗マップ」と、テンプレートTBに対応する名称である「釣りマップ」と、テンプレートTCに対応する名称である「戦国地図」と、が選択可能な項目として並べられている。なお、本実施例のテンプレート選択リスト201によれば、スクロールバー202を操作してリスト内の項目を上下に移動させることにより、データベース部5に格納された全てのテンプレートに対応する名称を確認することができるようにしている。
【0050】
なお、テンプレート選択リスト201のリスト内の項目として、データベース部5に予め格納された各テンプレートの名称のみが挙げられるものに限らず、例えば、外部装置との通信が可能な図示しない通信部を撮像装置101の内部に設けた場合において、該通信部がインターネット等の通信回線を介して受信したテンプレートの名称と、データベース部5に予め格納された各テンプレートの名称と、が併せて挙げられるものであってもよい。
【0051】
一方、制御部8は、テンプレート選択リスト201が表示された状態で所定時間が経過する前に、テンプレート選択リスト201の中から1つ以上のテンプレートが選択されたことを検出する(図3のステップS15及びステップS16)と、選択されたテンプレートのメタデータを画像ファイルの撮影位置データに関連付ける処理を行う(図3のステップS17)。また、制御部8は、テンプレート選択リスト201が表示された状態で所定時間が経過したことを検出すると(図3のステップS15)、レックビュー表示を終了させるに伴ってテンプレート選択リスト201の表示を終了させた(図3のステップS18)後、図3のステップS1からの処理を再度行う。
【0052】
ここで、図3のステップS17において、メタデータと撮影位置データとを関連付ける際に行われる処理等について説明する。図5は、メタデータと撮影位置データとが関連付けられた状態の画像ファイルのデータ構造を模式的に示す図である。
【0053】
制御部8の関連付け部8bは、図3のステップS16において選択された各テンプレート毎に、撮影により得られた画像ファイルに付与されている撮影位置データの緯度及び経度に最も適合する位置関係にあるメタデータ、または、撮影位置データの緯度及び経度を含む位置関係にあるメタデータのいずれかに該当するものを1つずつ抽出するとともに、抽出した各メタデータを撮影位置データに関連付ける。
【0054】
具体的には、関連付け部8bは、例えば、テンプレートTAに対応する所定のチェーン店の藤沢店において撮影が行われた場合であって、かつ、テンプレート選択リスト201においてテンプレートTA、TB及びTCが選択された場合には、撮影位置データの緯度及び経度と、データベース部5に格納されたテンプレートTA、TB及びTCの地図データと、に基づき、テンプレートTAに付与された複数のメタデータMDA1、MDA2、MDA3、・・・の中から「藤沢店」を抽出し、テンプレートTBに付与された複数のメタデータMDB1、MDB2、MDB3、・・・の中から「江ノ島」を抽出し、テンプレートTCに付与された複数のメタデータMDC1、MDC2、MDC3、・・・の中から「相模国」を抽出する。そして、関連付け部8bは、例えば図5に示すように、「藤沢店」、「江ノ島」、及び、「相模国」の各メタデータを画像ファイルI1の撮影位置データに関連付ける。
【0055】
すなわち、図3のステップS16及びステップS17を経ることにより、ユーザの趣味嗜好に応じた情報として選択されたテンプレートの数に応じたメタデータ(タグ)が、撮影により得られた画像ファイル毎に個別に付与される。
【0056】
一方、制御部8は、図3のステップS17の処理が完了したことを検出すると、メタデータと撮影位置データとが関連付けられた状態の画像ファイルを記録部6に記録させた後、図3のステップS15に戻り、テンプレート選択リスト201が表示された状態で所定時間が経過したか否かの判定を再度行う。
【0057】
次に、記録部6に記録された画像を再生表示する場合の動作等について説明を行う。図6は、画像の再生表示に伴って行われる処理等の一例を示すフローチャートである。図7は、図6の処理等に続いて行われる処理等の一例を示すフローチャートである。図8は、メタデータと撮影位置データとが関連付けられた状態の、図5とは異なる画像ファイルのデータ構造を模式的に示す図である。図9は、メタデータと撮影位置データとが関連付けられた状態の、図5及び図6とは異なる画像ファイルのデータ構造を模式的に示す図である。
【0058】
制御部8は、図3のステップS2において撮像装置101の動作モードを再生モードに設定した後、記録部6に記録された複数の画像ファイルを読み込み、当該読み込んだ複数の画像ファイルに対応する複数の画像データのサムネイルをタッチパネル3aまたは表示部7に一覧表示させる(図6のステップS101)。
【0059】
その後、制御部8は、操作部3のタッチパネル3aまたは入力装置群3bの操作に応じ、一覧表示されたものの中から1つのサムネイルが選択されたか否かを判定する(図6のステップS102)。そして、制御部8は、サムネイルの選択操作がなされない場合には、(入力装置群3bの再生ボタンがオフされること等に応じた)一覧表示の終了に関する指示を検出する(図7のステップS118)までの間、タッチパネル3aまたは表示部7におけるサムネイルの一覧表示を継続する。また、制御部8は、サムネイルの選択操作がなされたことを検出した場合には、選択されたサムネイルに対応する画像データをタッチパネル3aまたは表示部7に拡大表示させる(図6のステップS103)。
【0060】
一方、制御部8は、図6のステップS103において拡大表示させた画像データを含む画像ファイルに撮影位置データが付与されているか否かを判定する(図6のステップS104)。そして、制御部8は、画像ファイルに撮影位置データが付与されていることを検出した場合には、後述の図6のステップS107の処理を続けて行う。また、制御部8は、画像ファイルに撮影位置データが付与されていないことを検出した場合には、画像処理部8aにおいて生成した撮影位置データ入力画面をタッチパネル3aまたは表示部7に表示させる(図6のステップS105)。
【0061】
具体的には、制御部8は、前述の撮影位置データ入力画面として、例えば、拡大表示されている画像データの撮影を行った住所等を示す文字列を入力するように促す画面を表示部7に表示させる。または、制御部8は、前述の位置データ入力画面として、例えば、一般的な(日本地図または世界地図等の)地図データに基づいて描画された地図に直接触れさせることにより、拡大表示されている画像データの撮影を行った位置の指定を促す画面をタッチパネル3aに表示させる。
【0062】
そして、制御部8は、撮影位置データ入力画面における入力内容が確定されると、データベース部5に格納された一般的な地図データの緯度及び経度に基づき、当該確定された入力内容に対応する撮影位置データを取得し(図6のステップS106)、当該取得した撮影位置データを保持したまま、図6のステップS107の処理を続けて行う。
【0063】
制御部8は、図6のステップS104またはステップS106を経た後、撮影位置データにメタデータが付与されているか否かを判定する(図6のステップS107)。制御部8は、撮影位置データにメタデータが1つ以上付与されていることを検出した場合には、図7のステップS111の処理を続けて行う。一方、制御部8は、撮影位置データにメタデータが付与されていないことを検出した場合には、データベース部5に格納された複数のテンプレートを参照することによりテンプレート選択リストを生成し、当該生成したテンプレート選択リストを拡大表示されている画像データに併せてタッチパネル3aまたは表示部7に表示させる(図6のステップS108)。図6のステップS108においてタッチパネル3aまたは表示部7に表示されるテンプレート選択リストとしては、例えば図4に示したような、図3のステップS14と同様のものを用いることができる。
【0064】
制御部8は、テンプレート選択リスト201の中から1つ以上のテンプレートが選択されたことを検出する(図6のステップS109)と、選択されたテンプレートのメタデータを画像ファイルの撮影位置データに関連付ける処理を行う(図6のステップS110)。なお、図6のステップS110の処理としては、図3のステップS17における処理と同様の処理を行えばよい。
【0065】
また、制御部8は、テンプレートが選択されないままテンプレート選択リスト201の表示を終了させる指示が行われたことを検出した(図6のステップS109)場合には、図7のステップS117の処理を続けて行う。
【0066】
すなわち、図6のステップS104〜ステップS110の処理を経ることにより、撮影位置データが付与されていない画像ファイル、及び/または、撮影位置データにメタデータが関連付けられていない画像ファイルが記録部6に記録されていたとしても、ユーザの趣味嗜好に応じた情報として選択されたテンプレートの数に応じたメタデータ(タグ)を、画像ファイル毎に個別に付与することができる。
【0067】
ここで、以降においては、図5の画像ファイルI1、図8の画像ファイルI2、及び、図9の画像ファイルI3が記録部6に記録されているものとして説明を行う。
【0068】
制御部8は、撮影位置データにメタデータが関連付けられた画像ファイルが記録部6に記録されていることを検出すると、テンプレート選択リスト201のリスト内の各項目の中から、画像分類に用いる所望のテンプレートの名称の選択を促す画面をタッチパネル3aまたは表示部7に表示させる。
【0069】
制御部8は、所望のテンプレートの名称を選択する指示がなされないまま画面表示を終了させる指示が行われたことを検出した(図7のステップS111)場合には、図7のステップS117の処理を続けて行う。また、制御部8は、所望のテンプレートの名称を選択する指示がなされたことを検出した(図7のステップS111)場合には、当該選択されたテンプレートに応じた画像分類結果をタッチパネル3aまたは表示部7に表示させる(図7のステップS112)。
【0070】
ここで、図7のステップS112において、選択されたテンプレートに応じた画像分類結果を表示する際に行われる処理等について説明する。図10は、画像分類結果の表示態様の一例を示す図である。図11は、画像分類結果の表示態様の、図10とは異なる例を示す図である。
【0071】
制御部8の画像処理部8aは、例えば、テンプレートTAに対応する名称である「店舗マップ」が選択されたことを検出すると、記録部6に記録された全画像ファイルのメタデータを検索することにより、テンプレートTAに付与されている各メタデータ(店舗名)のいずれかに一致するメタデータとして、画像ファイルI1の「藤沢店」、画像ファイルI2の「八王子店」、及び、画像ファイルI3の「平塚店」をそれぞれ抽出する。そして、画像処理部8aは、テンプレートTAに付与されている各メタデータ(店舗名)と、記録部6に記録された全画像ファイルを対象としたメタデータの抽出結果と、に基づき、テンプレートTAに応じた画像分類結果を示す画像として、「藤沢店」、「八王子店」及び「平塚店」の表示態様と他の店舗名の表示態様とが異なるような画像を生成してタッチパネル3aまたは表示部7に表示させる。
【0072】
例えば、テンプレートTAに応じた画像分類結果が地図形式で表示される場合には、例えば図10に示すように、記録部6に画像ファイルが存在する「藤沢店」及び「平塚店」の店舗名に模様が付されており、かつ、記録部6に画像ファイルが存在しない「茅ヶ崎店」の店舗名が無模様となっている。なお、図10に示すような地図形式の画像分類結果によれば、タッチパネル3aまたは表示部7に表示される地図の縮尺または位置を適宜切り替えることにより、前述したもの以外の店舗名に模様が付されているか否かを確認することができる。
【0073】
また、例えば、テンプレートTAに応じた画像分類結果がリスト形式で表示される場合には、例えば図11に示すように、テンプレートTAに付与されている全ての店舗名が一覧表示されるとともに、記録部6に画像ファイルが存在する「藤沢店」、「八王子店」及び「平塚店」に模様が付されており、かつ、記録部6に画像ファイルが存在しない他の各店舗名が無模様となっている。
【0074】
なお、本実施例によれば、所望のテンプレートに応じた画像分類結果が、記録部6に画像ファイルが存在するものと存在しないものとを視覚的に区別できるように表示される限りにおいては、図10及び図11に例示したものとは異なるように表示されてもよい。また、本実施例によれば、図10に示すような地図形式の画像分類結果と、図11に示すようなリスト形式の画像分類結果と、を相互に切り替えることができるように構成してもよい。
【0075】
そして、ユーザは、以上に例示したような画像分類結果を確認することにより、画像の撮影を行ったことがある(既に訪れたことがある)場所と、画像の撮影を行ったことがない(未だ訪れたことがない)場所と、を容易に識別することができる。
【0076】
制御部8は、操作部3のタッチパネル3aまたは入力装置群3bの操作に応じ、タッチパネル3aまたは表示部7に表示されている画像分類結果の各項目の中から、記録部6に画像ファイルが記録されている項目である有効な項目が選択されたか否かの判定を行う(図7のステップS113)。
【0077】
具体的には、制御部8は、例えば図10及び図11に示した画像分類結果において、模様が付された状態で示されている「藤沢店」、「八王子店」及び「平塚店」の中からいずれか1つの項目が選択されたか否かの判定を行う。
【0078】
そして、制御部8は、有効な項目を選択する指示がなされないまま画像分類結果の表示を終了させる指示が行われたことを検出した(図7のステップS113及びステップS114)場合には、図7のステップS117の処理を続けて行う。また、制御部8は、有効な項目を選択する指示、及び、画像分類結果の表示を終了させる指示のいずれかが検出されるまでの間、図7のステップS112の画像分類結果をタッチパネル3aまたは表示部7に表示させ続ける(図7のステップS113及びステップS114)。
【0079】
一方、制御部8は、図7のステップS113において、有効な項目を選択する指示がなされたことを検出すると、記録部6に記録された画像ファイルを参照することにより、当該選択された有効な項目に一致するメタデータが付与された画像ファイルを抽出し、抽出した各画像ファイルに含まれる画像データをタッチパネル3aまたは表示部7に表示させる(図7のステップS115)。
【0080】
具体的には、制御部8は、例えば、図10に示した画像分類結果の地図上の「藤沢店」が選択されたことを検出した場合、または、図11に示した画像分類結果のリスト内の各店舗名の中から「藤沢店」が選択されたことを検出した場合、「藤沢店」のメタデータが付された画像ファイルを記録部6に記録された全画像ファイルの中から抽出するとともに、抽出した各画像ファイルに含まれる画像データを(拡大表示、縮小表示または一覧表示等の任意の表示態様により)表示させる。例えば、図10に示した画像分類結果の地図上の「藤沢店」が選択された場合には、図12に示すような表示態様により画像データを表示させることができる。
【0081】
その後、制御部8は、操作部3のタッチパネル3aまたは入力装置群3bの操作に応じ、画像表示を終了させる指示がなされるまでの間、図7のステップS115の画像表示を継続する(図7のステップS116)。また、制御部8は、操作部3のタッチパネル3aまたは入力装置群3bの操作に応じ、画像表示を終了させる指示がなされたことを検出した(図7のステップS116)場合、図7のステップS112の画像分類結果をタッチパネル3aまたは表示部7に再度表示させる。
【0082】
制御部8は、操作部3のタッチパネル3aまたは入力装置群3bの操作に応じ、画像データの拡大表示を終了させる指示がなされるまでの間、図6のステップS104以降の処理を繰り返し行う(図7のステップS117)。
【0083】
制御部8は、操作部3のタッチパネル3aまたは入力装置群3bの操作に応じ、画像データの拡大表示を終了させる指示がなされたことを検出した(図7のステップS117)後、一覧表示の終了に関する指示を検出する(図7のステップS118)までの間、図6のステップS101以降の処理を繰り返し行う。
【0084】
また、制御部8は、操作部3のタッチパネル3aまたは入力装置群3bの操作に応じ、画像データの拡大表示を終了させる指示がなされたことを検出した(図7のステップS117)後、さらに、一覧表示の終了に関する指示がなされたことを検出する(図7のステップS118)と、再生モードにおける一連の処理を完了し、図3のステップS1の処理を再度行う。
【0085】
以上に述べたように、本実施例によれば、一般的な地図データとは異なる趣向に基づいて編集された特別な地図データを有するテンプレートに予め付与されているメタデータを、画像ファイル毎に個別に付与される撮影位置データに関連付けた状態で記録することができる。そのため、本実施例によれば、撮影位置データに関連付けられたメタデータに基づいて画像ファイルの分類を行うことができ、すなわち、個々のユーザの趣味嗜好に応じた種々の情報に基づいて画像分類を行うことができる。
【0086】
なお、本発明は、上述した各実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更や応用が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0087】
1 撮像部
2 GPSモジュール
3 操作部
3a タッチパネル
3b 入力装置群
4 時計
5 データベース部
6 記録部
7 表示部
8 制御部
8a 画像処理部
8b 関連付け部
101 撮像装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0088】
【特許文献1】特許4168837号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を撮影した位置を示す撮影位置データを前記画像に付与した画像ファイルを生成する画像ファイル生成部と、
相互に異なる地図データとして構成された複数のテンプレートが格納されているとともに、前記地図データ毎に複数のメタデータが予め関連付けられた状態で格納されているデータベース部と、
前記データベース部に格納された全てのテンプレートの中から1つまたは複数のテンプレートが選択された第1の選択結果に基づき、該第1の選択結果に応じた各テンプレート毎に、前記撮影位置データに最も適合する位置関係にあるメタデータ、または、前記撮影位置データを含む位置関係にあるメタデータのいずれかに該当するものを1つずつ抽出して前記撮影位置データに関連付ける関連付け部と、
前記関連付け部による関連付けがなされた画像ファイルを記録する記録部と、
を有することを特徴とする画像記録装置。
【請求項2】
前記データベース部に格納された全てのテンプレートの中から1つのテンプレートが選択された第2の選択結果に基づき、該第2の選択結果に応じた前記1つのテンプレートに付与されている複数のメタデータのうち、どのメタデータが関連付けられた画像ファイルが前記記録部に記録された全画像ファイルの中に含まれているかを示す画像分類結果を表示部に表示させる制御部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記撮影位置データの入力を促す入力画面を生成して前記表示部に表示させることを特徴とする請求項2に記載の画像記録装置。
【請求項4】
前記画像分類結果がリスト形式で前記表示部に表示されることを特徴とする請求項2に記載の画像記録装置。
【請求項5】
前記画像分類結果が地図形式で前記表示部に表示されることを特徴とする請求項2に記載の画像記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−70078(P2012−70078A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−211134(P2010−211134)
【出願日】平成22年9月21日(2010.9.21)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】