説明

画像診断支援システム、医用画像管理装置、画像診断支援処理装置および画像診断支援方法

【課題】 CAD処理のためにネットワークを介して伝送されるデータ量の低減を図る。
【解決手段】 画像診断支援システムは、通信ネットワーク6を介して互いに通信可能なDICOMサーバ1と、CADサーバ2およびCAD処理装置3-1〜3-nとを含む。DICOMサーバ1のDICOMデータベース1bは、医用画像診断装置4-1〜4-mにより撮像された医用画像を記憶する。DICOMサーバ1のワークステーション1aは、医用画像のうちで画像診断の対象となる解剖学的部位を内在する一部領域を抽出し、この抽出した画像を通信ネットワーク6を介してCADサーバ2へと送信する。CADサーバ2のワークステーション2aは、通信ネットワーク6を介して前記の画像を受信する。CAD処理装置3-1〜3-nは、上記の受信された画像に対して解剖学的部位に関する画像診断を支援するための画像診断支援処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線コンピュータ断層撮影装置(X線CT装置)などの医用画像診断モダリティを用いて収集された画像データから病変の候補となる領域を抽出し提示するコンピュータ診断支援(CAD)に関するもので、特にネットワーク型の画像診断支援サービスの提供を実現する画像診断支援システム、医用画像管理装置、画像診断支援処理装置および画像診断支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、日本国で肺癌は悪性腫瘍死の第一位を占めると共に増加の一途を辿っており、喫煙対策による予防と並んで早期発見への社会的な要請が強い。日本国の各自治体では胸部単純X線写真と喀痰細胞診による肺癌検診が施行されているが、1998年に出された日本国旧厚生省の「癌検診有効性評価に関する研究班」の報告では、現行の肺癌検診では効果があるとしても小さいと結論されている。X線コンピュータ断層撮影法(以下、CTと記す)では胸部単純X線写真よりも容易に肺野型肺癌を発見できるが、ヘリカルスキャン方式のCTが現れた1990年以前は撮像時間が長く検診に使用できなかった。しかしヘリカルCTが登場して間もなく被曝を低減するために比較的低いX線管電流で撮像する方法(以下、低線量ヘリカルCTと記す)が開発され、これを用いた肺癌検診のパイロット研究が日本国および米国で行われた。その結果、低線量ヘリカルCTが胸部単純X線写真を大きく上回る肺癌検出率を有することが実証されている。
【0003】
一方、ヘリカルCTの撮像に要する時間は1998年以降のCT検出器の多列化によって短縮され続けており、最新の多検出器列ヘリカルCT(以下、MDCTと称する)ではほぼ等方的な1mm未満の解像度で肺全体を10秒未満で撮像可能である。このようなCTの技術革新は肺癌をより小さな段階で発見できる可能性を拓いているが、MDCTは1回のスキャン当り数百枚の画像を生成するため、読影に要する負担が著しく増大するという問題も招いている。
【0004】
上記の背景より、低線量ヘリカルCTが肺癌検診の方法として確立されるためには、肺癌の見落としを防ぐためのコンピュータによる読影支援診断システム(Computer Assisted Diagnosis)(以下、CADと記す)が必要であることが広く認識されている。小さな肺野型肺癌はCT画像上で結節状異常として現れるため、このような異常の自動的検出(以下、CT肺結節自動検出と記す)は極めて重要なテーマであり、1990年代より様々な研究が行われてきた(例えば、非特許文献1を参照)。
【0005】
さて、検査目的のMDCTによる胸部撮像の場合は1症例当たり1000枚前後の撮像枚数に及ぶことが一般的である。スクリーニング目的では1症例当たり400枚前後の撮像枚数ではあるが、症例数が1日当たり100を越える場合もあり、上記の結節候補の自動検出処理の対象となるデータが莫大となる。そこで、MDCT装置本体で自動検出処理を行うことは限界があり、一般には画像データの保存先であるPACS(picture archiving and communication system)内のコンピュータ・サーバ(一般的にはPACS内で用いられるデータフォーマット規約であるDICOM(digital imaging and communications in medicine)で画像の運用がされているのでDICOMサーバと言われる。以下DICOMサーバと記す)にて画像データを自動検出処理し、その結果を表示している。
【0006】
上記のDICOMサーバでの自動検出処理は、基本的には病院など施設内でのPACS環境において為されるものであるが、更に病院外での広域ネットワークを利用したPACS環境下でCADを運用する考え方が既に示されており(例えば、特許文献1および特許文献2を参照)、今後、施設内、あるいは広域のネットワーク上でのCAD運用を図るネットワーク型の画像診断支援システムの実用化が図られるものと考えられている。
【特許文献1】特開2001−104253
【特許文献2】特開2002−329190
【非特許文献1】「David S. Paik,ほか7名,"Surface Normal Overlap: A Computer-Aided Detection Algorithm with Application to Colonic Polyps and Lung Nodules in Helical CT",IEEE TRANSACTIONS ON MEDICAL IMAGING, VOL.23, NO.6,2004年6月,p.661-675」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来提案されてきたネットワーク型の画像診断支援システムでは、次のような各種の問題があった。
【0008】
(1) サーバとCAD処理部との間で大量のデータを授受しなければならないことから、そのために多くの時間を要するとともにネットワークリソースを沢山占有してしまう。
【0009】
(2) CAD処理では、大量のデータを解析しなければならないことから、そのために多くの時間を要するとともに、CAD処理を行うハードウェアに非常に大きな負荷がかかってしまう。
【0010】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、その目的とするところは第1に、CAD処理のためにネットワークを介して伝送されるデータ量の低減を図ることにある。
【0011】
また本発明の目的とするところは第2に、CAD処理を効率的に実行可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の態様による画像診断支援システムは、通信網を介して互いに通信可能な医用画像管理装置および画像診断支援処理装置を含み、前記医用画像管理装置は、医用画像診断装置により撮像された医用画像を記憶する記憶手段と、前記医用画像のうちで画像診断の対象となる解剖学的部位を内在する一部領域を診断対象画像として抽出する抽出手段と、前記診断対象画像を前記通信網を介して前記画像診断支援処理装置へと送信する送信手段とを備え、前記画像診断支援処理装置は、前記通信網を介して前記診断対象画像を受信する受信手段と、前記診断対象画像に対して前記解剖学的部位に関する画像診断を支援するための画像診断支援処理を行う処理手段とを備える。
【0013】
本発明の第2の態様による医用画像管理装置は、通信網を介して通信可能な画像診断支援処理装置とともに画像診断支援システムを構成するものであって、医用画像診断装置により撮像された医用画像を記憶する記憶手段と、前記医用画像のうちで画像診断の対象となる解剖学的部位を内在する一部領域を診断対象画像として抽出する抽出手段と、前記診断対象画像を前記通信網を介して前記画像診断支援処理装置へと送信する送信手段とを備える。
【0014】
本発明の第3の態様による画像診断支援方法は、通信網を介して互いに通信可能な医用画像管理装置および画像診断支援処理装置により画像診断を支援する方法であって、前記医用画像管理装置は、医用画像診断装置により撮像された医用画像を記憶し、前記医用画像のうちで画像診断の対象となる解剖学的部位を内在する一部領域を診断対象画像として抽出し、前記診断対象画像を前記通信網を介して前記画像診断支援処理装置へと送信し、前記画像診断支援処理装置は、前記通信網を介して前記診断対象画像を受信し、前記診断対象画像に対して前記解剖学的部位に関する画像診断を支援するための画像診断支援処理を行う。
【0015】
本発明の第4の態様による画像診断支援システムは、通信網を介して互いに通信可能な医用画像管理装置および画像診断支援処理装置を含み、前記医用画像管理装置は、医用画像診断装置により撮像された医用画像を記憶する記憶手段と、前記医用画像のうちで画像診断の対象となる解剖学的部位をそれぞれ内在する複数領域をそれぞれ診断対象画像として抽出する抽出手段と、抽出された複数の前記診断対象画像を前記通信網を介して前記画像診断支援処理装置へと送信する送信手段とを備え、前記画像診断支援処理装置は、前記通信網を介して複数の前記診断対象画像を受信する受信手段と、前記診断対象画像に対して前記解剖学的部位に関する画像診断を支援するための画像診断支援処理をそれぞれ行う複数の処理手段と、複数の前記診断対象画像に対する画像診断支援処理を前記複数の処理手段に割り振る割り振り手段とを具備したことを特徴とする画像診断支援システム。
【0016】
本発明の第5の態様による画像診断支援処理装置は、通信網を介して通信可能な医用画像管理装置とともに画像診断支援システムを構成するものであって、医用画像診断装置により撮像された医用画像から画像診断の対象となる解剖学的部位をそれぞれ内在する複数領域としてそれぞれ抽出された複数の診断対象画像を前記医用画像管理装置から前記通信網を介して受信する受信手段と、前記診断対象画像に対して前記解剖学的部位に関する画像診断を支援するための画像診断支援処理をそれぞれ行う複数の処理手段と、複数の前記診断対象画像に対する画像診断支援処理を前記複数の処理手段に割り振る割り振り手段とを備える。
【0017】
本発明の第6の態様による画像診断支援方法は、通信網を介して互いに通信可能な医用画像管理装置および画像診断支援処理装置により画像診断を支援する方法であって、前記医用画像管理装置は、医用画像診断装置により撮像された医用画像を記憶し、前記医用画像のうちで画像診断の対象となる解剖学的部位をそれぞれ内在する複数領域をそれぞれ診断対象画像として抽出し、抽出された複数の前記診断対象画像を前記通信網を介して前記画像診断支援処理装置へと送信し、前記画像診断支援処理装置は、前記通信網を介して複数の前記診断対象画像を受信し、前記診断対象画像に対して前記解剖学的部位に関する画像診断を支援するための画像診断支援処理をそれぞれ行う複数の処理手段に、複数の前記診断対象画像に対する画像診断支援処理を前記複数の処理手段に割り振る。
【0018】
本発明の第7の態様による画像診断支援システムは、通信網を介して互いに通信可能な医用画像管理装置および画像診断支援処理装置を含み、前記医用画像管理装置は、医用画像診断装置により撮像された複数の医用画像を記憶する記憶手段と、複数の前記医用画像のそれぞれのうちで画像診断の対象となる解剖学的部位をそれぞれ内在する複数領域をそれぞれ診断対象画像として抽出する抽出手段と、複数の前記医用画像のそれぞれから抽出された複数ずつの前記診断対象画像を前記通信網を介して前記画像診断支援処理装置へと送信する送信手段とを備え、前記画像診断支援処理装置は、前記通信網を介して前記診断対象画像を受信する受信手段と、前記診断対象画像に対して前記解剖学的部位に関する画像診断を支援するための画像診断支援処理をそれぞれ行う複数の処理手段と、複数の前記医用画像のそれぞれから抽出された複数ずつの前記診断対象画像に対する画像診断支援処理を前記複数の処理手段に割り振る割り振り手段とを
備える。
【0019】
本発明の第8の態様による画像診断支援処理装置は、通信網を介して通信可能な医用画像管理装置とともに画像診断支援システムを構成するものであって、医用画像診断装置により撮像された複数の医用画像から画像診断の対象となる解剖学的部位をそれぞれ内在する複数領域としてそれぞれ抽出された複数の診断対象画像を前記医用画像管理装置から前記通信網を介して受信する受信手段と、前記診断対象画像に対して前記解剖学的部位に関する画像診断を支援するための画像診断支援処理をそれぞれ行う複数の処理手段と、複数の前記医用画像のそれぞれから抽出された複数ずつの前記診断対象画像に対する画像診断支援処理を前記複数の処理手段に割り振る割り振り手段とを備える。
【0020】
本発明の第9の態様による画像診断支援方法は、通信網を介して互いに通信可能な医用画像管理装置および画像診断支援処理装置により画像診断を支援する方法であって、前記医用画像管理装置は、医用画像診断装置により撮像された複数の医用画像を記憶し、複数の前記医用画像のそれぞれのうちで画像診断の対象となる解剖学的部位をそれぞれ内在する複数領域をそれぞれ診断対象画像として抽出し、複数の前記医用画像のそれぞれから抽出された複数ずつの前記診断対象画像を前記通信網を介して前記画像診断支援処理装置へと送信し、前記画像診断支援処理装置は、前記通信網を介して前記診断対象画像を受信し、前記診断対象画像に対して前記解剖学的部位に関する画像診断を支援するための画像診断支援処理をそれぞれ行う複数の処理手段に、複数の前記医用画像のそれぞれから抽出された複数ずつの前記診断対象画像に対する画像診断支援処理を割り振る。
【0021】
本発明の第10の態様による画像診断支援システムは、通信網を介して互いに通信可能な医用画像管理装置および画像診断支援処理装置を含み、前記医用画像管理装置は、医用画像診断装置により撮像された医用画像を記憶する記憶手段と、前記医用画像のうちの少なくとも一部を診断対象画像として前記通信網を介して前記画像診断支援処理装置へと送信する手段とを備え、前記画像診断支援処理装置は、前記通信網を介して前記診断対象画像を受信する手段と、前記診断対象画像に対して前記解剖学的部位に関する画像診断を支援するための画像診断支援処理を行う処理手段と、前記画像診断支援処理の結果を前記診断対象画像を伴わずに表す結果情報を前記医用画像管理装置へと送信する送信手段とを備え、前記医用画像管理装置はさらに、前記結果情報を受信する手段と、受信された結果情報が表す前記画像診断支援処理の結果を前記記憶手段に記憶された医用画像とともに表す結果画像を表示する手段とを備える。
【0022】
本発明の第11の態様による医用画像管理装置は、通信網を介して通信可能な画像診断支援処理装置とともに画像診断支援システムを構成するものであって、医用画像診断装置により撮像された医用画像を記憶する記憶手段と、前記医用画像のうちの少なくとも一部を診断対象画像として前記通信網を介して前記画像診断支援処理装置へと送信する手段と、前記診断対象画像に対して前記解剖学的部位に関する画像診断を支援するための画像診断支援処理の結果を前記診断対象画像を伴わずに表す結果情報を受信する手段と、受信された結果情報が表す前記画像診断支援処理の結果を前記記憶手段に記憶された医用画像とともに表す結果画像を生成する生成手段とを備える。
【0023】
本発明の第12の態様による画像診断支援処理装置は、通信網を介して通信可能な医用画像管理装置ととも画像診断支援システムを構成するものであって、医用画像診断装置により撮像された医用画像のうちの少なくとも一部である診断対象画像を前記通信網を介して受信する手段と、前記診断対象画像に対して前記解剖学的部位に関する画像診断を支援するための画像診断支援処理を行う処理手段と、前記画像診断支援処理の結果を前記診断対象画像を伴わずに表す結果情報を前記医用画像管理装置へと送信する送信手段とを備える。
【0024】
本発明の第13の態様による画像診断支援方法は、通信網を介して互いに通信可能な医用画像管理装置および画像診断支援処理装置により画像診断を支援する方法であって、前記医用画像管理装置は、医用画像診断装置により撮像された医用画像を記憶し、前記医用画像のうちの少なくとも一部を診断対象画像として前記通信網を介して前記画像診断支援処理装置へと送信し、前記画像診断支援処理装置は、前記通信網を介して前記診断対象画像を受信し、前記診断対象画像に対して前記解剖学的部位に関する画像診断を支援するための画像診断支援処理を行い、前記画像診断支援処理の結果を前記診断対象画像を伴わずに表す結果情報を前記医用画像管理装置へと送信し、前記医用画像管理装置はさらに、前記結果情報を受信し、受信された結果情報が表す前記画像診断支援処理の結果を前記記憶手段に記憶された医用画像とともに表す結果画像を生成する。
【発明の効果】
【0025】
CAD処理のためにネットワークを介して伝送されるデータ量の低減を図るか、あるいはCAD処理を効率的に実行可能とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図面を参照して一実施形態について説明する。
【0027】
図1は本実施形態に係る画像診断支援システム(以下、CADサービス・システムと称する)の構成を示す図である。
【0028】
このCADサービス・システムは、病院100に設置されたDICOMサーバ1と、CADサービスセンタ200に設置されたCADサーバ2および複数のCAD処理装置3-1〜3-nとを含んで構成される。
【0029】
DICOMサーバ1は、ワークステーション1aおよびDICOMデータベース1bを含む。ワークステーション1aは、医用画像ネットワーク5を介して医用画像診断装置4-1〜4-mと通信可能である。医用画像診断装置4-1〜4-mは、例えばMDCTである。医用画像診断装置4-1〜4-mは、被検体の一部を含んだ関心領域を撮像して3次元の医用画像データを得る。医用画像診断装置4-1〜4-mは、医用画像データを医用画像ネットワーク5を介してDICOMサーバ1に送る。DICOMサーバ1では、医用画像診断装置4-1〜4-mから送られた医用画像データをワークステーション1aがDICOMデータベース1bに記憶させて管理する。なお、DICOMデータベース1bにて医用画像データは、DICOMに準拠した付帯情報とともに管理される。
【0030】
ワークステーション1aは、医用画像ネットワーク5および通信ネットワーク6を介してCADサーバ2と通信できる。なお通信ネットワーク6としては、典型的には病院外広域ネットワークが利用される。ただし通信ネットワーク6としては、病院内ネットワークや、公衆通信ネットワークなどを任意に利用し得る。ワークステーション1aは、医用画像データに関するCAD処理をCADサーバ2に必要に応じて依頼する。
【0031】
CADサーバ2は、ワークステーション2aおよびCADデータベース2bを含む。ワークステーション2aは、DICOMサーバ1からの依頼に応じてCAD処理をCAD処理装置3-1〜3-nに実行させる。CAD処理装置3-1〜3-nは、ワークステーション2aの制御の下にCAD処理を実行し、その結果をCADサーバ2に返す。CADサーバ2では、CAD処理の結果をワークステーション2aがDICOMサーバ1に通知する。DICOMサーバ1では、CAD処理の結果をワークステーション1aがDICOMデータベース1bに保存し、管理する。なおワークステーション2aは、DICOMサーバ1からの依頼に関する情報や、CAD処理の結果に関する情報をCADデータベース2bに記憶させて管理する。
【0032】
DICOMサーバ1では、CADサーバ2から通知されるCAD処理の結果を、ワークステーション1aがDICOMデータベース1bに記憶させて管理する。ワークステーション1aは、必要に応じてDICOMデータベース1bから医用画像とCAD処理の結果とを取り出して、CAD処理の結果を閲覧可能とするための画像を生成し、表示する。
【0033】
次に以上のように構成されたCADサービス・システムの動作につき説明する。なおここでは、胸部MDCT画像から肺結節を抽出し観察する3次元肺癌CAD処理を行う場合について説明する。
【0034】
図2はワークステーション1aの処理手順を示すフローチャートである。
【0035】
ステップSa1乃至ステップSa4においてワークステーション1aは、医用画像の保存が要求されるか、CAD処理の必要が発生するか、CAD処理の結果が通知されるか、あるいはCAD結果の提示が要求されるのを待ち受けている。
【0036】
さて、本実施形態のCADサービス・システムを利用して肺結節を観察するためには、まず医用画像診断装置4-1〜4-mのいずれかにて胸部のMDCT画像を撮像し、このMDCT画像を表す医用画像データを取得する。この医用画像データは例えば、肺領域を含む体軸方向の長さが40cmの領域を0.5mmスライス厚で再構成した後の800枚分のマルチスライス画像データである。この医用画像データは例えば、1スライスに512×512ボクセルを含み、各ボクセルの画素値は2バイトで表されている。つまり、医用画像データは、512×512×800=200Mボクセル分の情報を含み、そのデータ量は200M×2=400Mバイトである。
【0037】
医用画像診断装置4-1〜4-mは、取得した医用画像データを、DICOMに準拠した付帯情報を付加したDICOMフォーマットにて、医用画像ネットワーク5を介してDICOMサーバ1へと送り、その保存を要求する。
【0038】
この要求が到来するとワークステーション1aは、ステップSa1からステップSa5へ進む。ステップSa5においてワークステーション1aは、医用画像診断装置4-1〜4-mから送られてくる医用画像データを取得する。そしてステップSa6においてワークステーション1aは、取得した医用画像データをDICOMデータベース1bに保存する。なおワークステーション1aは、付帯情報も医用画像データに関連付けてDICOMデータベース1bに保存する。こののちにワークステーション1aは、ステップSa1乃至ステップSa4の待ち受け状態に戻る。
【0039】
さて、所定のタイミングにてワークステーション1aは、CAD処理の必要が発生したと判定する。上記の所定のタイミングは任意であって良いが、典型的には、予め定められた実行時刻が到来したときや、ユーザからの実行指示がなされたときである。そしてCAD処理の必要が発生したと判定したならばワークステーション1aは、ステップSa2からステップSa7へ進む。ステップSa7においてワークステーション1aは、DICOMデータベース1bに保存されている医用画像データのうちからCAD処理の対象となるものを選択し、その医用画像データから肺を含んだ領域のデータを画像領域データとして抽出する。具体的には、まず、肺に相当する胸壁を含む肺領域を抽出する。これは、右肺および左肺のそれぞれについて行う。かくして、右肺領域および左肺領域が分割される。この処理には、例えば「Hu S, Hoffman EA, Reinhardt JM. Automatic lung segmentation for accurate quantization of volumetric X-ray CT images. IEEE Trans Med Imaging 2001; 20:490-498」により知られた既存の方法を利用可能である。そしてワークステーション1aは、医用画像データのうちで右肺領域および左肺領域のそれぞれに外接する直方体状の領域に関するデータを画像領域データとして抽出する。
【0040】
スクリーニング検査など多数の胸部MDCT3次元画像データがDICOMデータベース1bに保存されている場合には、これらの画像データがいずれもCAD処理の対象となる医用画像データとして選択され、これらの複数の医用画像データからそれぞれ画像領域データが抽出される。
【0041】
図3は画像領域データとして抽出される領域の一例を示す図である。
【0042】
図3における直方体11は、医用画像データが表す3次元画像の領域を示す。そして直方体12,13がそれぞれ画像領域データが表す3次元画像の領域である。ちなみに、直方体12に相当する画像領域データが右肺を内包した3次元画像を表し、直方体13に相当する画像領域データが左肺を内包した3次元画像を表す。そこで、以下において右肺を内包した3次元画像を表す画像領域データと左肺を内包した3次元画像を表す画像領域データとを区別する必要がある場合には、右肺データおよび左肺データとそれぞれ称することとする。
【0043】
なお、一般に人間の肺は、左肺に比べ右肺のほうが容積が大きいことが知られている。このため図3においても、直方体13に比べて直方体12が大きくなっている。つまり、左肺データに比べて右肺データのほうがデータ量が大きい。具体的には例えば、に関する直方体12は200×300×600=34Mボクセルを含み、右肺データのデータ量は34M×2=68Mバイトである。一方、直方体13は200×300×500=29Mボクセルを含み、左肺データのデータ量は29M×2=58Mバイトである。かくして、抽出された画像領域データはおよそ126Mバイトであり、医用画像データ(400Mバイト)に対して約1/3である。
【0044】
ステップSa8においてワークステーション1aは、上記の抽出した画像領域データに関し、CAD処理のために必要な付帯情報(以下、CAD用付帯情報と称する)を生成する。このCAD用付帯情報は、例えばマトリクスサイズ(図3の例では「200×300×600,200×300×500」)、ボクセルの大きさ(x,y,z方向の長さで表し、例えば「0.5mm,0.5mm,0.3mm」)および画像領域データと付帯情報とを識別するための識別情報を含む。識別情報は、セキュリティを考慮して、患者情報は用いない。そしてワークステーション1aは、後述するようにCADサーバ2から送信されるCAD結果情報と画像領域データとを照合することを目的とした、患者情報とは無関係な識別情報を発行する。この識別情報は例えば、任意の英数字コードやQRコード(登録商標)などとする。
【0045】
なお、ワークステーション1aは、ここで生成したCAD用付帯情報を、医用画像データが表す画像における画像領域データが表す画像の位置を示した位置情報とともに、医用画像データに関係付けて、ワークステーション1aに内蔵した記憶装置またはDICOMデータベース1bに保存しておく。なお位置情報は例えば、医用画像データが表す画像の座標系における図3中の点P1,P2のそれぞれの座標とする。位置情報は、DICOMサーバ1側で保存せず、CAD用付帯情報に含めてCADサーバ2へと送るようにしても良い。
【0046】
ステップSa9においてワークステーション1aは、ステップSa7で抽出した画像領域データとステップSa8で生成したCAD用付帯情報とを含んだCAD依頼情報を生成する。なお、このCAD依頼情報に含める画像領域データは、ロスレスの画像圧縮手法により圧縮したものとしても良い。一般のロスレスの画像圧縮手法であるロスレスモードのJPEGまたはJPEG2000では約1/3のデータ圧縮率となる。従ってこのような圧縮を行えば、CAD依頼情報に含める画像領域データは、元々の医用画像データのおよそ1/10のデータ量(図3に示す例ではおよそ40Mバイト)となる。複数件の検査に関する医用画像データがCAD処理の対象となっている場合には、それらの医用画像データからそれぞれ抽出された画像領域データと、それに関するCAD用付帯情報とがCAD依頼情報に含められる。かくしてCAD依頼情報のデータ量は、CAD処理の対象となる検査件数をjとすると、およそ40M×jバイトとなる。なお、画像領域データが示す画像には肺領域の周辺領域も含まれるが、この周辺領域の画像はCAD処理においては不要である。そこで周辺領域のボクセルは、例えば−32768(16進数2's complement表示で8000)などの一定の画素値に置き換えておくようにしても良い。この場合、上記の画像圧縮の効率を向上させ、さらなるデータ量の縮減を図ることが可能となる。
【0047】
ステップSa10においてワークステーション1aは、CAD依頼情報を医用画像ネットワーク5および通信ネットワーク6を介してCADサーバ2へと送信する。こののちにワークステーション1aは、ステップSa1乃至ステップSa4の待ち受け状態に戻る。
【0048】
上記の例では、CAD依頼情報はおよそ40M×jバイトであるから、医用画像ネットワーク5および通信ネットワーク6の通信スピードが100Mビット/秒、つまり12.5Mバイト/秒の場合には、CAD依頼情報の転送に要する時間は約4×j秒となる。この時間は、実際にはトラフィックの状況に依存して増大することがある。しかし、上記の所定のタイミングを夜間などのようなトラフィックの空いている時間帯に設定しておけば、上記の時間での転送が可能である。
【0049】
さて、CADサーバ2においてワークステーション2aは、図4に示すような処理を行う。
【0050】
ステップSb1およびステップSb2においてワークステーション2aは、CAD処理の実行がDICOMサーバ1から要求されるか、あるいはCAD処理の結果がCAD処理装置3-1〜3-nから通知されるのを待ち受ける。
【0051】
上記のようにワークステーション1aから送信されたCAD依頼情報がCADサーバ2へと到達すると、ワークステーション2aはCAD処理の実行が要求されたと判定する。そしてこのときにワークステーション2aは、ステップSb1からステップSb3へ進む。ステップSb3においてワークステーション2aは、CAD依頼情報を取得する。ステップSb4においてワークステーション2aは、取得したCAD依頼情報をCADデータベース2bに保存する。
【0052】
ステップSb5においてワークステーション2aは、CAD処理をスケジューリングする。具体的にはワークステーション2aは、CAD依頼情報に含まれている左肺データおよび右肺データの個々を1つの処理単位とし、これら処理単位に関するCAD処理をCAD処理装置3-1〜3-nに割り振るとともに、それらのCAD処理がCAD処理装置3-1〜3-nで並列的に行われるようにスケジューリングする。以下に、スケジューリングの具体例を列挙する。なおこの具体例は、2つのCAD処理装置3-1,3-2にCAD処理を割り振るものとしている。
【0053】
(1) 図5はCAD依頼情報に1検査分の画像領域データのみが含まれる場合であり、その画像領域データのうちの右肺データR1および左肺データL1をCAD処理装置3-1,3-2にそれぞれ割り振る。
【0054】
ところで前述したように、右肺データは左肺データよりもデータ量が多い。このため、右肺データに関するCAD処理に要する時間は、左肺データのそれよりも長くなる。このため図5の場合には、CAD依頼情報に関する全てのCAD処理を完了するまでに要する時間(以下、本処理時間と称する)は、右肺データR1についてCAD処理するのに要する時間Taとなる。これにより、右肺データR1および左肺データL1の処理を1つのCAD処理装置により連続的に行う場合に比べて、本処理時間の短縮を図る。
【0055】
(2) 図6はCAD依頼情報にk検査分の画像領域データが含まれる場合であり、各画像領域データのうちの右肺データR1,R2…,RkをCAD処理装置3-1に処理させ、かつ左肺データL1,L2…,LkをCAD処理装置3-2に処理させるとともに、同一検査に関する右肺データおよび左肺データのCAD処理を同時に開始させるように割り付ける。
【0056】
この場合の本処理時間Tbは、左肺データL1,L2…,LkのそれぞれをCAD処理するのに要する時間となる。これにより、全ての画像領域データの処理を1つのCAD処理装置により連続的に行う場合に比べて、本処理時間の短縮を図る。
【0057】
(3) 図7はCAD依頼情報にk検査分の画像領域データが含まれる場合であり、奇数番目の画像領域データをCAD処理装置3-1に処理させ、かつ偶数番目の画像領域データをCAD処理装置3-2に処理させるとともに、左肺データどうしおよび右肺データどうしのCAD処理を並列して行うように割り付ける。
【0058】
この場合には、CAD処理装置3-1,3-2のいずれとも、他方の処理が完了するのを待ち受ける時間がほとんど無くなるため、本処理時間Tcは本処理時間Tbよりも短縮される。
【0059】
(4) 図8はCAD依頼情報にk検査分の画像領域データが含まれる場合であり、奇数番目の右肺データおよび偶数番目の左肺データをCAD処理装置3-1に処理させ、かつ奇数番目の左肺データおよび偶数番目の右肺データをCAD処理装置3-2に処理させるとともに、CAD処理装置3-1,3-2ではそれぞれ若い順番の画像領域データに関するデータから待ち時間を取ることなく順番に処理させるように割り付ける。
【0060】
この場合の本処理時間Tdは、本処理時間Tcとほぼ同等な時間となる。
【0061】
(5) 図9はCAD依頼情報にk検査分の画像領域データが含まれる場合であり、右肺データおよび左肺データの個々のデータ量を考慮して、CAD処理装置3-1,3-2の一方が割り付けられた全ての処理を完了してから他方が処理を完了するまでの時間が最小になるように、画像領域データの順番に関係なく割り付ける。
【0062】
すなわち、図6乃至図9では、右肺データどうし、あるいは左肺データどうしは、同じデータ量である如く示しているが、実際には個人差などからデータ量にばらつきがある。このため、図7および図8に示すスケジューリングでは、CAD処理装置3-1,3-2のそれぞれの負荷に差が生じて本処理時間が延長することがある。しかしながら図9の場合は、CAD処理装置3-1,3-2のそれぞれの負荷の平準化を図り、本処理時間Teは本処理時間Tc,Tdよりも短縮される。
【0063】
さて、ステップSb6においてワークステーション2aは、CAD依頼情報に含まれた各データをステップSb5にてスケジューリングした通りにCAD処理を実行するようにCAD処理装置3-1〜3-nに指示する。こののち、ワークステーション2aはステップSb1およびステップSb2の待ち受け状態に戻る。
【0064】
上記の指示に応じてCAD処理装置3-1〜3-nは、CAD処理を実行する。3次元肺癌CAD処理にあってCAD処理装置3-1〜3-nは、肺野内における結節候補の特定と、その位置、大きさ、コントラスト、球形度、結節内画素値のヒストグラム、結節候補とその周辺構造における逓減度、画素値のヒストグラムなどの判定などを行う。結節候補は、擬陰性(False Negative)を極力小さくするためにCAD処理過程で結節候補と判断されなかった一部の構造、特に判断時に僅かな数値差で結節候補とされなかった構造を含めても良い。結節候補の位置は例えば、右肺データおよび左肺データが表す画像の領域における座標として判定する。CAD用付帯情報に右肺データおよび左肺データに関する位置情報が含まれているならば、それに基づいて元々の医用画像データが表す画像における座標として判定しても良い。この3次元肺癌CAD処理には例えば、画素値と前景部情報から結節の大きさ、コントラスト、逓減度などの複数のパラメータから結節候補を絞り込む技術、すなわち本出願人が特願2006−159423として出願済みの技術が好適である。CAD処理装置3-1〜3-nは、1つの左肺データまたは右肺データについてのCAD処理が終了するたびに、その結果を表したCAD結果情報をワークステーション2aに通知する。
【0065】
そしてCAD結果情報が通知されたことに応じてワークステーション2aは、ステップSb2からステップSb7へ進む。ステップSb7においてワークステーション2aは、CAD結果情報を取得する。ステップSb8においてワークステーション2aは、上記の取得したCAD結果情報をCADデータベース2bに保存する。ステップSb9においてワークステーション2aは、CAD依頼情報に関する全てのCAD処理が完了したか否かを確認する。そしてまだ完了していなければ、ワークステーション2aはステップSb1およびステップSb2の待ち受け状態に戻る。
【0066】
CAD依頼情報に関する全てのCAD処理に関するCAD結果情報を取得し終えたならば、ワークステーション2aはステップSb9からステップSb10へ進む。ステップSb10においてワークステーション2aは、CAD依頼情報に関する全てのCAD処理に関するCAD結果情報を含んだCAD結果通知情報を生成する。ワークステーション2aはCAD結果通知情報には、CAD依頼情報に含まれているCAD用付帯情報に記述された識別情報が各CAD結果情報に関係付けて含める。なお、CAD結果通知情報には、CAD結果情報に示された各種の特徴量の全てを個別に含んでも良いし、一部の複数の特徴量を結節候補単位にまとめて含んでも良い。CAD処理に使用した画像領域データは、CAD結果通知情報に含めない。CAD処理が終了した画像領域データは、CADデータベース2bから削除することも可能である。
【0067】
ステップSb11においてワークステーション2aは、CAD結果通知情報を通信ネットワーク6および医用画像ネットワーク5を介してDICOMサーバ1へと送信する。こののちにワークステーション2aは、ステップSb1およびステップSb2の待ち受け状態に戻る。
【0068】
さて、DICOMサーバ1では、上記のようにワークステーション2aから送信されたCAD結果通知情報が到来すると、ワークステーション1aがCAD結果の通知がなされたと判定し、図2におけるステップSa3からステップSa11へ進む。ステップSa11においてワークステーション1aは、CAD結果通知情報を取得する。ステップSa12においてワークステーション1aは、CAD結果通知情報に含まれているCAD結果情報をDICOMデータベース1bに保存する。このときにワークステーション1aは、CAD結果通知情報にCAD結果情報に関係付けて記述された識別情報とDICOMサーバ1側に保存しておいた識別情報との照合によって各CAD結果情報がどの検査に関するものであるかを判断し、各CAD結果情報を各医用画像データに関係付ける。こののちにワークステーション1aは、ステップSa1乃至ステップSa4の待ち受け状態に戻る。
【0069】
さて、例えばワークステーション1aのコンソールから、医用画像診断装置4-1〜4-mから、あるいは医用画像ネットワーク5を介して図示しないコンピュータ端末からCAD処理の結果の提示が要求された場合にワークステーション1aは、ステップSa4からステップSa13へ進む。ステップSa13においてワークステーション1aは、提示の対象となる検査に関する医用画像データおよびCAD結果情報をDICOMデータベース1bから読み出す。ステップSa14においてワークステーション1aは、上記の読み出した医用画像データおよびCAD結果情報に基づいて、CAD処理の結果をユーザに閲覧させるための結果閲覧画像を生成する。具体的には例えば、医用画像データが表すMDCT胸部画像を例えばMPR(multi-planar reformatting)法により断面表示したり、あるいはVR(volume rendering)法により3次元表示した画像上に、CAD結果情報が表す結節候補を重畳表示させて結果閲覧画像を生成する。また、結節候補単位のCAD結果情報からCAD本処理とは異なる結節候補判断パラメータ(例えば結節周辺構造であるスピキュラや血管巻き込み、胸壁の湾入の程度など)を用いて画像処理を行い、擬陽性および擬陰性を極力少なくするために結節候補の2次検出や良性・悪性の鑑別診断などを行うための結果閲覧画像を生成する。また、肺癌結節候補とその周辺領域の表示法に関しては、前出の特願2006−159423にて提案済みの手法などにより多様な結節候補表示を行うような結果閲覧画像を生成しても良い。
【0070】
ステップSa15においてワークステーション1aは、上記のように生成した結果閲覧画像を、CAD処理の結果の提示の要求元に対して出力する。これによりユーザは、CAD処理の結果を確認しながら、最終読影判断を進めることができる。更に、自動検出された肺癌結節候補を分析処理する検査フロー支援に関する手法として本出願人が出願した特願2007−007387の技術を利用して、フォローアップ検査の種類などの判断を行ってもよい。
【0071】
以上のように本実施形態では、医用画像診断装置4-1〜4-mで得られた医用画像データのうちでCAD処理に必要な一部のみを抽出した画像領域データをCADサーバ2へと転送する。このため、CAD処理を依頼するためのデータの転送に要する時間を医用画像データをそのまま転送する場合に比べて大幅に短縮することができる。
【0072】
また本実施形態では、CAD処理を複数のCAD処理装置3-1〜3-mにて分担して処理する。このため、CAD処理に要する時間を短縮できるとともに、CAD処理装置3-1〜3-mの個々の処理負担も軽減することができる。
【0073】
また本実施形態では、CAD用付帯情報では患者情報とは無関係な識別情報を用いるようにしている。このため、患者情報が病院100の外部へと出力されることがない。つまり、患者情報の秘匿に関わるセキュリティを十分に保つことができる。
【0074】
また本実施形態では、CADサーバ2からDICOMサーバ1へと送信するのは、CAD処理に用いた画像領域データを含まずに各種パラメータのみを示したCAD結果通知情報であるので、そのデータ量は小さい。このため、CAD結果通知情報の転送も短い時間に済ませることができる。さらにDICOMサーバ1では、DICOMデータベース1bに保存しておいた医用画像データが示す医用画像上にCAD処理の結果を表した結果閲覧画像を生成するので、ユーザはCAD結果を容易に閲覧することができる。
【0075】
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
【0076】
(1) CAD処理のための画像処理をDICOMサーバ1にて行っても良い。例えばCAD処理に特願2006−159423の手法を利用する場合には、分割された右肺領域および左肺領域の内部を、肺血管および結節におよそ相当する前景部と、それ以外の背景部とに二分する処理が行われる。特願2006−159423の手法のみならず、多くの肺癌CAD処理においては前景部の分離を行っている。そして、前景部を分離するまでのいわば前処理と、各種のパラメータを判断するための本処理とでは、本処理のほうが前処理よりも数倍から数十倍程度の長い時間を要することが一般的である。そこで、前景部の分離までを含めた前処理をDICOMサーバ1にて行うことにより、CADサーバ2およびCAD処理装置3-1〜3-nの負担を軽減しても良い。なお、前景部および背景部に二分する処理には、例えば「Manay S, Yezzi A. Antigeometric diffusion for adaptive thresholding and fast segmentation. IEEE Trans Image Processing 2003; 12:1310-1323」により知られた既存の適応的閾値処理を適用可能である。そして前景部および背景部に二分する処理をDICOMサーバ1にて行った場合には、前景部および背景部を表す例えば2bit分のマスク情報をCAD用付帯情報に含めるようにする。図10は左肺データが表す画像の一例を示す図であり、図11は図10に示す左肺データに基づいて生成されたマスク情報の一例を示す図である。なお、上記の実施形態にて説明したCAD付帯情報にマスク情報を含めた場合のCAD用付帯情報のデータ量は、両肺領域で例えば約9Mバイトとなる。
【0077】
(2) 結節であり得る構造(結節候補)の検出までをDICOMサーバ1またはワークステーション2aにて行っても良い。そして、各結節候補についての特徴量の測定や、各結節候補が結節であるか否かの判定をCAD処理装置3-1〜3-nで分担して行っても良い。結節候補の検出をDICOMサーバ1で行う場合は、各結節候補を含む直方体状の領域内のデータを画像領域データとすることによって、DICOMサーバ1からCADサーバ2へと転送する画像データのデータ量をさらに減少できる。
【0078】
(3) 処理単位毎のCAD処理のCAD処理装置3-1〜3-nへの割り振り、あるいは当該割り振りとそれらのCAD処理のスケジューリングとの双方をワークステーション1aまたは病院100に設置された他のコンピュータにより行っても良い。CAD処理の割り振りとスケジューリングとの双方を病院100側で行う場合には、CADサーバ2は病院100側からCAD処理装置3-1〜3-nへの処理要求を仲介するために備えておいても良いが、省略することも可能である。
【0079】
(4) 医用画像診断装置4-1〜4-mは、磁気共鳴イメージング装置または超音波診断装置などであっても良い。
【0080】
(5) CAD処理は、肝臓、脳、あるいは乳房などの他の解剖学的部位についての病変(例えば汗癌)を対象とするものであっても良い。
【0081】
(6) 肺野を分割する処理は、左肺および右肺の分割に加えて右肺では上葉、中葉および下葉を、左肺では上葉および下葉をそれぞれ分割するなどのように更に多分割するようにしても良い。肝臓であれば、左右葉、あるいは解剖学的に知られたさらに細かな各葉に分割できる。
【0082】
(7) CAD処理は、3台以上のCAD処理装置にて分担させても良い。
【0083】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像診断支援システム(CADサービス・システム)の構成を示す図。
【図2】図1中のワークステーション1aの処理手順を示すフローチャート。
【図3】画像領域データとして抽出される領域の一例を示す図。
【図4】図1中のワークステーション2aの処理手順を示すフローチャート。
【図5】CAD処理のスケジューリングの第1の具体例を示す図。
【図6】CAD処理のスケジューリングの第2の具体例を示す図。
【図7】CAD処理のスケジューリングの第3の具体例を示す図。
【図8】CAD処理のスケジューリングの第4の具体例を示す図。
【図9】CAD処理のスケジューリングの第5の具体例を示す図。
【図10】左肺データが表す画像の一例を示す図。
【図11】図10に示す左肺データに基づいて生成されたマスク情報の一例を示す図。
【符号の説明】
【0085】
1…DICOMサーバ、1b…DICOMデータベース、1a…ワークステーション、2…CADサーバ、2b…CADデータベース、2a…ワークステーション、3-1〜3-m…CAD処理装置、4-1〜4-n…医用画像診断装置、5…医用画像ネットワーク、6…通信ネットワーク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信網を介して互いに通信可能な医用画像管理装置および画像診断支援処理装置を含んだ画像診断支援システムにおいて、
前記医用画像管理装置は、
医用画像診断装置により撮像された医用画像を記憶する記憶手段と、
前記医用画像のうちで画像診断の対象となる解剖学的部位を内在する一部領域を診断対象画像として抽出する抽出手段と、
前記診断対象画像を前記通信網を介して前記画像診断支援処理装置へと送信する送信手段とを具備し、
前記画像診断支援処理装置は、
前記通信網を介して前記診断対象画像を受信する受信手段と、
前記診断対象画像に対して前記解剖学的部位に関する画像診断を支援するための画像診断支援処理を行う処理手段とを具備したことを特徴とする画像診断支援システム。
【請求項2】
通信網を介して通信可能な画像診断支援処理装置とともに画像診断支援システムを構成する医用画像管理装置において、
医用画像診断装置により撮像された医用画像を記憶する記憶手段と、
前記医用画像のうちで画像診断の対象となる解剖学的部位を内在する一部領域を診断対象画像として抽出する抽出手段と、
前記診断対象画像を前記通信網を介して前記画像診断支援処理装置へと送信する送信手段とを具備したことを特徴とする医用画像管理装置。
【請求項3】
前記診断対象画像を表す画像データをロスレスの画像圧縮手法により圧縮して圧縮データを得る圧縮手段をさらに備え、
前記送信手段は、前記圧縮データの送信により前記診断対象画像を前記画像診断支援処理装置へと送信することを特徴とする請求項2に記載の医用画像管理装置。
【請求項4】
前記診断対象画像に関し、当該診断対象画像を抽出した前記医用画像に対応する患者を特定可能な情報を含まない付帯情報を生成する生成手段をさらに備え、
前記送信手段は、前記付帯情報を前記診断対象画像とともに送信することを特徴とする請求項2に記載の医用画像管理装置。
【請求項5】
前記抽出手段は、前記医用画像のうちで画像診断の対象となる解剖学的部位をそれぞれ内在する複数領域をそれぞれ診断対象画像として抽出することを特徴とする請求項2に記載の医用画像管理装置。
【請求項6】
前記抽出手段は、前記医用画像のうちで画像診断の対象となる臓器を含む直方体状の領域を診断対象画像として抽出することを特徴とする請求項2に記載の医用画像管理装置。
【請求項7】
通信網を介して互いに通信可能な医用画像管理装置および画像診断支援処理装置により画像診断を支援する方法において、
前記医用画像管理装置は、
医用画像診断装置により撮像された医用画像を記憶し、
前記医用画像のうちで画像診断の対象となる解剖学的部位を内在する一部領域を診断対象画像として抽出し、
前記診断対象画像を前記通信網を介して前記画像診断支援処理装置へと送信し、
前記画像診断支援処理装置は、
前記通信網を介して前記診断対象画像を受信し、
前記診断対象画像に対して前記解剖学的部位に関する画像診断を支援するための画像診断支援処理を行うことを特徴とする画像診断支援方法。
【請求項8】
通信網を介して互いに通信可能な医用画像管理装置および画像診断支援処理装置を含んだ画像診断支援システムにおいて、
前記医用画像管理装置は、
医用画像診断装置により撮像された医用画像を記憶する記憶手段と、
前記医用画像のうちで画像診断の対象となる解剖学的部位をそれぞれ内在する複数領域をそれぞれ診断対象画像として抽出する抽出手段と、
抽出された複数の前記診断対象画像を前記通信網を介して前記画像診断支援処理装置へと送信する送信手段とを具備し、
前記画像診断支援処理装置は、
前記通信網を介して複数の前記診断対象画像を受信する受信手段と、
前記診断対象画像に対して前記解剖学的部位に関する画像診断を支援するための画像診断支援処理をそれぞれ行う複数の処理手段と、
複数の前記診断対象画像に対する画像診断支援処理を前記複数の処理手段に割り振る割り振り手段とを具備したことを特徴とする画像診断支援システム。
【請求項9】
通信網を介して通信可能な医用画像管理装置とともに画像診断支援システムを構成する画像診断支援処理装置において、
医用画像診断装置により撮像された医用画像から画像診断の対象となる解剖学的部位をそれぞれ内在する複数領域としてそれぞれ抽出された複数の診断対象画像を前記医用画像管理装置から前記通信網を介して受信する受信手段と、
前記診断対象画像に対して前記解剖学的部位に関する画像診断を支援するための画像診断支援処理をそれぞれ行う複数の処理手段と、
複数の前記診断対象画像に対する画像診断支援処理を前記複数の処理手段に割り振る割り振り手段とを具備したことを特徴とする画像診断支援処理装置。
【請求項10】
前記割り振り手段はさらに、前記複数の処理手段が前記画像診断支援処理を並列的に実行するようにスケジューリングすることを特徴とする請求項9に記載の画像診断支援処理装置。
【請求項11】
通信網を介して互いに通信可能な医用画像管理装置および画像診断支援処理装置により画像診断を支援する方法において、
前記医用画像管理装置は、
医用画像診断装置により撮像された医用画像を記憶し、
前記医用画像のうちで画像診断の対象となる解剖学的部位をそれぞれ内在する複数領域をそれぞれ診断対象画像として抽出し、
抽出された複数の前記診断対象画像を前記通信網を介して前記画像診断支援処理装置へと送信し、
前記画像診断支援処理装置は、
前記通信網を介して複数の前記診断対象画像を受信し、
前記診断対象画像に対して前記解剖学的部位に関する画像診断を支援するための画像診断支援処理をそれぞれ行う複数の処理手段に、複数の前記診断対象画像に対する画像診断支援処理を前記複数の処理手段に割り振ることを特徴とする画像診断支援方法。
【請求項12】
通信網を介して互いに通信可能な医用画像管理装置および画像診断支援処理装置を含んだ画像診断支援システムにおいて、
前記医用画像管理装置は、
医用画像診断装置により撮像された複数の医用画像を記憶する記憶手段と、
複数の前記医用画像のそれぞれのうちで画像診断の対象となる解剖学的部位をそれぞれ内在する複数領域をそれぞれ診断対象画像として抽出する抽出手段と、
複数の前記医用画像のそれぞれから抽出された複数ずつの前記診断対象画像を前記通信網を介して前記画像診断支援処理装置へと送信する送信手段とを具備し、
前記画像診断支援処理装置は、
前記通信網を介して前記診断対象画像を受信する受信手段と、
前記診断対象画像に対して前記解剖学的部位に関する画像診断を支援するための画像診断支援処理をそれぞれ行う複数の処理手段と、
複数の前記医用画像のそれぞれから抽出された複数ずつの前記診断対象画像に対する画像診断支援処理を前記複数の処理手段に割り振る割り振り手段とを具備したことを特徴とする画像診断支援システム。
【請求項13】
通信網を介して通信可能な医用画像管理装置とともに画像診断支援システムを構成する画像診断支援処理装置において、
医用画像診断装置により撮像された複数の医用画像から画像診断の対象となる解剖学的部位をそれぞれ内在する複数領域としてそれぞれ抽出された複数の診断対象画像を前記医用画像管理装置から前記通信網を介して受信する受信手段と、
前記診断対象画像に対して前記解剖学的部位に関する画像診断を支援するための画像診断支援処理をそれぞれ行う複数の処理手段と、
複数の前記医用画像のそれぞれから抽出された複数ずつの前記診断対象画像に対する画像診断支援処理を前記複数の処理手段に割り振る割り振り手段とを具備したことを特徴とする画像診断支援処理装置。
【請求項14】
前記割り振り手段はさらに、前記複数の処理手段が前記画像診断支援処理を並列的に実行するようにスケジューリングすることを特徴とする請求項13に記載の画像診断支援処理装置。
【請求項15】
通信網を介して互いに通信可能な医用画像管理装置および画像診断支援処理装置により画像診断を支援する方法において、
前記医用画像管理装置は、
医用画像診断装置により撮像された複数の医用画像を記憶し、
複数の前記医用画像のそれぞれのうちで画像診断の対象となる解剖学的部位をそれぞれ内在する複数領域をそれぞれ診断対象画像として抽出し、
複数の前記医用画像のそれぞれから抽出された複数ずつの前記診断対象画像を前記通信網を介して前記画像診断支援処理装置へと送信し、
前記画像診断支援処理装置は、
前記通信網を介して前記診断対象画像を受信し、
前記診断対象画像に対して前記解剖学的部位に関する画像診断を支援するための画像診断支援処理をそれぞれ行う複数の処理手段に、複数の前記医用画像のそれぞれから抽出された複数ずつの前記診断対象画像に対する画像診断支援処理を割り振ることを特徴とする画像診断支援方法。
【請求項16】
通信網を介して互いに通信可能な医用画像管理装置および画像診断支援処理装置を含んだ画像診断支援システムにおいて、
前記医用画像管理装置は、
医用画像診断装置により撮像された医用画像を記憶する記憶手段と、
前記医用画像のうちの少なくとも一部を診断対象画像として前記通信網を介して前記画像診断支援処理装置へと送信する手段とを具備し、
前記画像診断支援処理装置は、
前記通信網を介して前記診断対象画像を受信する手段と、
前記診断対象画像に対して前記解剖学的部位に関する画像診断を支援するための画像診断支援処理を行う処理手段と、
前記画像診断支援処理の結果を前記診断対象画像を伴わずに表す結果情報を前記医用画像管理装置へと送信する送信手段とを具備し、
前記医用画像管理装置はさらに、
前記結果情報を受信する手段と、
受信された結果情報が表す前記画像診断支援処理の結果を前記記憶手段に記憶された医用画像とともに表す結果画像を表示する手段とを具備したことを特徴とする画像診断支援システム。
【請求項17】
通信網を介して通信可能な画像診断支援処理装置とともに画像診断支援システムを構成する医用画像管理装置において、
医用画像診断装置により撮像された医用画像を記憶する記憶手段と、
前記医用画像のうちの少なくとも一部を診断対象画像として前記通信網を介して前記画像診断支援処理装置へと送信する手段と、
前記診断対象画像に対して前記解剖学的部位に関する画像診断を支援するための画像診断支援処理の結果を前記診断対象画像を伴わずに表す結果情報を受信する手段と、
受信された結果情報が表す前記画像診断支援処理の結果を前記記憶手段に記憶された医用画像とともに表す結果画像を生成する生成手段とを具備したことを特徴とする医用画像管理装置。
【請求項18】
通信網を介して通信可能な医用画像管理装置ととも画像診断支援システムを構成する画像診断支援処理装置において、
医用画像診断装置により撮像された医用画像のうちの少なくとも一部である診断対象画像を前記通信網を介して受信する手段と、
前記診断対象画像に対して前記解剖学的部位に関する画像診断を支援するための画像診断支援処理を行う処理手段と、
前記画像診断支援処理の結果を前記診断対象画像を伴わずに表す結果情報を前記医用画像管理装置へと送信する送信手段とを具備したことを特徴とする画像診断支援処理装置。
【請求項19】
通信網を介して互いに通信可能な医用画像管理装置および画像診断支援処理装置により画像診断を支援する方法において、
前記医用画像管理装置は、
医用画像診断装置により撮像された医用画像を記憶し、
前記医用画像のうちの少なくとも一部を診断対象画像として前記通信網を介して前記画像診断支援処理装置へと送信し、
前記画像診断支援処理装置は、
前記通信網を介して前記診断対象画像を受信し、
前記診断対象画像に対して前記解剖学的部位に関する画像診断を支援するための画像診断支援処理を行い、
前記画像診断支援処理の結果を前記診断対象画像を伴わずに表す結果情報を前記医用画像管理装置へと送信し、
前記医用画像管理装置はさらに、
前記結果情報を受信し、
受信された結果情報が表す前記画像診断支援処理の結果を前記記憶手段に記憶された医用画像とともに表す結果画像を生成することを特徴とする画像診断支援方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−61266(P2009−61266A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−203197(P2008−203197)
【出願日】平成20年8月6日(2008.8.6)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【出願人】(504150450)国立大学法人神戸大学 (421)
【Fターム(参考)】