説明

画像読み取り装置、複写装置およびプログラム

【課題】動力による開閉が可能で、且つ、読み取る原稿を読み取り手段に送る機構を備えた蓋手段を備えた構成において、読み取り動作が行われている状態で蓋手段の開動作が行われる問題、またはセットされたままとなっている原稿がそのままの状態とされる問題を解決する。
【解決手段】動力によるカバー装置の開動作が指示された際に、カバー装置に原稿がセットされたままの状態であれば、その原稿の排出をまず行い(ステップS704)、しかる後に動力によるカバー装置を開ける動作を行う(ステップS705)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読み取り装置、複写装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、読み取る原稿を載置するプラテンガラスに対して開閉自在なプラテンカバーを備えた画像形成装置において、音声認識を利用してプラテンカバーを開放する構成、更にプラテンカバー上に原稿が載置された状態において、プラテンカバーが開かないようにする構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−280114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、動力による開閉が可能で、且つ、読み取る原稿を読み取り手段に送る機構を有する蓋手段を備えた構成において、原稿を原稿読み取り手段に送る動作状態または蓋手段に画像読み取りのために配置した原稿が置かれたままとなっている状態で、蓋手段の開動作が行われないようにすると共に、原稿を手で取り除く行為を行わなければ、次の動作が行えない不便さを解消する技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、本体と、前記本体に対して開閉可能な構造とされ、原稿を搬送する搬送手段および前記搬送手段により搬送された原稿を排出する排出手段を備えた蓋手段と、動力により前記蓋手段の前記開閉を行う開閉手段と、前記蓋手段の前記開閉手段による開動作が指示された場合に、前記蓋手段の内部からの原稿の排出を前記排出手段により行った後に、前記開閉手段による前記蓋手段の開動作を実行する制御を行う制御手段とを備えることを特徴とする画像読み取り装置である。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記蓋手段は、原稿が配置される原稿配置部分を備え、前記制御手段は、前記原稿配置部分に前記原稿が配置されている状態において、前記蓋手段の前記開閉手段による開動作が指示された場合に、前記原稿配置部分に配置された前記原稿を前記排出手段から排出する制御を行うことを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の画像読み取り装置と、記録材上に前記画像読み取り装置が読み取った画像を形成する画像形成手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、コンピュータに読み取らせて実行させるプログラムであって、本体に対して開閉手段により開閉可能な構造とされ、原稿を搬送する搬送手段および前記搬送手段により搬送された原稿を排出する排出手段を備えた蓋手段を開ける動作の指示がされた場合に、前記蓋手段の内部からの原稿の排出を前記排出手段により行った後に、前記開閉手段による前記蓋手段の開動作を行うことを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、動力による開閉が可能で、且つ、読み取る原稿を読み取り手段に送る機構を備えた蓋手段を備えた画像読み取り装置において、原稿を原稿読み取り手段に送る動作状態または蓋手段に画像読み取りのために配置した原稿が置かれたままとなっている状態で、蓋装置の開動作が行われないようにすると共に、原稿を手で取り除く行為を行わなければ、次の動作が行えない不便さが解消される。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、蓋手段に画像読み取りのために配置した原稿が置かれたままとなっている状態で、原稿を手で取り除く行為を行わなければ、次の動作が行えない不便さが解消される。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、動力による開閉が可能で、且つ、読み取る原稿を読み取り手段に送る機構を備えた蓋手段を備えた複写装置において、原稿を原稿読み取り手段に送る動作状態または蓋手段に画像読み取りのために配置した原稿が置かれたままとなっている状態で、蓋手段の開動作が行われないようにすると共に、原稿を手で取り除く行為を行わなければ、次の画像読み取り動作が行えない不便さが解消される。
【0012】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置を動作させるためのプログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態の複写装置を示す概念図である。
【図2】図1の複写装置のカバー装置を開けた状態を示す概念図である。
【図3】実施形態の複写装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図4】実施形態の動作の一例を示すフローチャートである。
【図5】実施形態の動作の一例を示すフローチャートである。
【図6】実施形態の動作の一例を示すフローチャートである。
【図7】実施形態の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(複写装置の構成)
図1は、実施形態の複写装置を示す概念図である。図2は、図1に示す状態からカバー装置を開けた状態を示す概念図である。図1および図2には、複写装置100が示されている。複写装置100は、原稿の画像を読み取る機能、および読み取った画像を印刷用紙に複写する能機を備えている。
【0015】
(カバー装置)
複写装置100は、カバー装置200を備えている。カバー装置200は、図2に示すように本体101に対して開閉が可能な状態で取り付けられている。カバー装置200の開閉は、開閉装置102によって行われる。開閉装置102は、ヒンジ機構、モータ、ギア機構等を備え、動力源であるモータの駆動力によりカバー装置200を開閉させることが可能な構成とされている。また、開閉装置102は、接触センサを利用したリミットセンサを備えている。このリミットスイッチは、カバー装置200を開けた際の限界の角度位置を検出する。
【0016】
カバー装置200は、原稿セット面201を備えている。原稿セット面201には、読み取る原稿がセットされる(置かれる)。原稿セット面201にセットされた原稿は、搬送ロール機構202によって、カバー装置200内に送り込まれ、原稿搬送経路203を搬送される。原稿搬送経路203を搬送された原稿は、搬送ロール機構204等の機能により、画像読み取り部205に送られ、そこで原稿上の画像が光学的に読み取られる。
【0017】
搬送経路203には、搬送経路203上における原稿の存在を検出する原稿検出センサ22および23が配置されている。原稿検出センサ22および23は、発光ダイオードと光ダイオードを備えた光電センサであり、センサの付近における原稿の有無を光学的に検出する。
【0018】
画像読み取り部205において、本体101の側に配置された画像読み取りセンサ103に対向する位置にスリット21が設けられている。画像読み取り部205を原稿がこのスリット21の部分を通過する際に、原稿上の画像が、画像読み取りセンサ103によって走査されつつ撮像される。また、画像読み取りセンサ103に隣接して照明装置13が配置され、画像の読み取りに必要な照明が被読み取り領域に対して行われる。画像の読み取りが行われた後の原稿は、搬送ロール機構206の機能によって、原稿排出面207に排出される。
【0019】
なお、原稿セット面201にセットされた原稿を画像の読み取りを行わずに搬送経路203を搬送させた後に、原稿排出面207に排出する単なる原稿排出動作も可能である。
【0020】
原稿セット面201には、原稿検出センサ208が配置されている。原稿検出センサ208は、発光ダイオードと光ダイオードを備えた光電センサであり、原稿セット面201における原稿の有無を光学的に検出する。
【0021】
(本体の構成)
複写装置100の本体101は、画像読み取りセンサ103を備えている。画像読み取りセンサ103は、駆動機構104により、図の左右方向に移動が可能とされている。本体101は、制御部105を備えている。制御部105はコンピュータとしての機能を有し、CPU、RAM、ROM、各種インターフェースを備え、各種演算処理と制御動作を行う。制御部105により、複写装置100の動作の制御が行われる。制御部105の機能および動作については後述する。
【0022】
本体101は、画像形成部106を備えている。画像形成部106は、一次転写ユニット108〜111、転写ベルト107、二次転写部112、画像定着部115を備えている。一次転写ユニット108〜111は、YMCKの4色の基本色のトナー像を転写ベルト107上に重ねて形成する。各一次転写ユニットは、感光体ドラムの周囲にクリーニング装置、帯電装置、露光のためのレーザ光を感光体ドラムに照射する露光装置、トナーを供給する現像装置を備えている。
【0023】
転写ベルト107上にYMCKの各基本色のトナー像が重ねられて形成されることで、カラーのトナー像が転写ベルト107上に形成される(勿論、モノクロ画像の形成も可能である)。転写ベルト107上に形成されたトナー像は、二次転写部112において、搬送経路113を搬送されてきた記録材の一例である印刷用紙に二次転写される。
【0024】
搬送経路113を搬送されてくる印刷用紙は、印刷用紙収納装置114から供給される。なお、記録材は、紙に限定されず、樹脂により構成されたものや紙の表面に樹脂材料がコーティングされたものであってもよい。
【0025】
二次転写部112において、トナー像が二次転写された印刷用紙には、画像定着部115において加熱と加圧による定着処理が施される。この定着処理により印刷用紙上にトナー像が定着する。画像の定着処理が終了した印刷用紙は、印刷用紙排出面116に排出される。
【0026】
複写装置100の本体101は、動作の指示の受け付け手段として機能する操作部117を備えている。操作部117は、複写装置100を操作するためのボタンが配置されている。操作部117が操作されることで、カバー装置200の開閉指示や複写装置100に各種の動作を行わすための指示が行われる。
【0027】
本体101の上面は、原稿配置面118とされている。原稿配置面118は、ガラス面とされ、その上に置かれた原稿の画像を、画像読み取りセンサ103によって読み取ることが可能な構造とされている。原稿配置面118に置かれた原稿の読み取りを行う場合は、駆動機構104の機能により、画像読み取りセンサ103が、図の右方向に動き、走査されつつの画像の撮像が行われる。
【0028】
原稿配置面118には、開閉検出センサ119が配置されている。開閉検出センサ119は、発光ダイオードと光ダイオードを備えた光電センサであり、カバー装置200が開いているのか、閉じているのか検出する。
【0029】
(制御系の構成)
図3は、複写装置100の制御系の一例を示すブロック図である。操作部117は、操作者により操作され、操作者の操作内容を反映した信号を制御部105に出力する。画像形成部106は、制御部105により制御されて、印刷用紙収納装置114から供給される印刷用紙上への画像の形成を行う。開閉装置102は、制御部105により制御され、カバー装置200の開閉を動力(この例ではモータの力)によって行う。また開閉装置102が備えるリミットスイッチの信号が、制御部105に送られる。
【0030】
開閉検出センサ119は、カバー装置200の開閉の状態を検知し、その検知信号を制御部105に出力する。原稿送り装置302は、図1の搬送ロール機構202と204により構成され、図1の原稿セット面201にセットされた原稿をカバー装置200内に取り込み、原稿搬送経路203を搬送させて画像読み取り部205に送る。原稿排出装置303は、搬送ロール機構206その他によって構成され、カバー装置200内の搬送経路203から原稿を原稿排出面207に排出する。
【0031】
画像読み取りセンサ103は、搬送経路203を搬送される原稿の画像を読み取り、あるいは原稿配置面118に置かれた原稿の画像を読み取る。読み取った画像のデータは、画像読み取りセンサ103から制御部105に送られる。制御部105は、画像読み取りセンサ103が読み取った画像のデータに対して、縮尺の調整やコントラストの調整等を行う画像処理を施す。この画像処理が施された画像データに基づいて、制御部105による画像形成部106の制御が行われ、印刷用紙上への画像の形成が行われる。
【0032】
駆動機構104は、画像読み取り時に、制御部105に制御されて画像読み取りセンサ103を図の右方向に移動させる。また、画像の読み取り作業の終了後に、画像読み取りセンサ103を定位置(図1の位置)に復帰させる。原稿搬送経路上の原稿検出センサ22および23は、搬送経路203上における原稿の有無を検出し、その検出信号を制御部105に出力する。原稿セット面201の原稿検出センサ208は、原稿セット面201に原稿がセットされているか否かに関する信号を制御部105に出力する。
【0033】
(動作例1)
図1〜図3に示す構成の動作の一例を説明する。図4は、動作の一例を示すフローチャートである。図4に示すフローチャートを実行するためのプログラムは、制御部105の記憶領域に記憶されており、適当な記憶領域に読み出されて制御部105において実行される。この点は、後述する他の動作例の場合も同じである。
【0034】
処理が開始されると(ステップS401)、カバー装置200の開動作(開ける動作)を指示する操作が操作部117に対して行われたのか否か、の判定が行われる(ステップS402)。開動作を指示する操作が操作部117に対して行われていなければ、処理を終了する(ステップS407)。この場合、再度ステップS401以下の処理が開始される。
【0035】
開動作を指示する操作が操作部117に対して行われた場合、ステップS403に進み、カバー装置200が閉じているか否か、の判定が行われる。カバー装置200が閉じていれば、ステップS404に進み、カバー装置200が閉じていなければ、開動作を実行し(ステップS406)、開閉装置102の機能により、カバー装置200をモータにより開ける動作を行う。
【0036】
ステップS404では、原稿送り装置302が動作中であるか否かの判定が行われ、原稿送り装置302が動作していなければ、カバー装置200からの原稿の排出が終了したか否かの判定が行われ(ステップ405)、原稿送り装置302が動作していれば、開動作は行わず、処理を終了する(ステップS407)。
【0037】
ステップ405では、カバー装置200からの原稿排出面207への原稿の排出が終了したか否かの判定を行う。この際、搬送経路上の原稿検出センサ22および23の出力に基づいて、カバー装置200からの原稿排出面207への原稿の排出が終了したか否かの判定が行われる。カバー装置200からの原稿排出面207への原稿の排出が完了したら、ステップ406の開動作を行い、処理を終了し(ステップS407)、原稿排出面207への原稿の排出が完了していなければ、開動作は行わず、処理を終了する(ステップS407)。
【0038】
図4に例示する処理の手順によれば、カバー装置200を動力により開けようとする操作を行っても、原稿送り装置302が動作中か、原稿送り装置302の動作が完了し、カバー装置200からの原稿の排出中ならば、カバー装置200を開ける動作は行われない。このため、原稿セット面201にセットされた原稿が、カバー装置200の開動作により、飛散する事態や既にセットされている原稿の読み取りが中断される事態の発生が避けられる。
【0039】
(動作例2)
図5は、制御動作の一例を示すフローチャートである。処理が開始されると(ステップS501)、カバー装置200の開動作を指示する操作が操作部117に対して行われたのか否か、の判定が行われる(ステップS502)。開動作を指示する操作が操作部117に対して行われていなければ、処理を終了する(ステップS507)。この場合、再度ステップS501以下の処理が開始される。
【0040】
開動作を指示する操作が操作部117に対して行われた場合、ステップS503に進み、カバー装置200が閉じているか否か、の判定が行われる。カバー装置200が閉じていれば、ステップS504に進み、カバー装置200が閉じていなければ、開動作を実行し(ステップS506)、開閉装置102の機能により、カバー装置200をモータにより開ける動作を行う。
【0041】
ステップS504では、原稿送り装置302が動作中であるか否かの判定が行われ、原稿送り装置302が動作中であれば、ステップS504の前段階に戻り、原稿送り装置302が動作していなければ、カバー装置200の内部からの原稿の排出が完了したか否かの判定が行われる(ステップS505)。この判定は、搬送経路上の原稿検出センサ22および23の出力に基づいて行われる。カバー装置200の内部からの原稿の排出が完了したら、ステップS506に進み、そうでなければステップS505の処理を繰り返す。
【0042】
図5に例示する処理の手順によれば、カバー装置200を動力により開けようとする操作を行っても、原稿送り装置302が動作中であれば、カバー装置200を開ける動作は行われず、更にカバー装置200からの原稿の排出が完了するまでカバー装置200を開ける動作は行われない。このため、原稿セット面201にセットされた原稿が、カバー装置200の開動作により、飛散する事態や既にセットされている原稿の読み取りが中断される事態の発生が避けられる。
【0043】
(動作例3)
図6は、制御動作の一例を示すフローチャートである。処理が開始されると(ステップS701)、カバー装置200の開動作を指示する操作が操作部117に対して行われたのか否か、の判定が行われる(ステップS702)。開動作を指示する操作が操作部117に対して行われていなければ、処理を終了する(ステップS706)。この場合、再度ステップS701以下の処理が開始される。
【0044】
開動作を指示する操作が操作部117に対して行われた場合、ステップS703に進み、原稿セット面201に読み取り対象となる原稿がセットされているか否かの判定が行われる(ステップS703)。原稿セット面201に読み取り対象となる原稿がセットされていれば、その原稿を原稿排出面207に排出する処理を実行し(ステップS704)、この処理の終了後に、開閉装置102によるカバー装置200の開動作を実行し(ステップS705)、処理を終了する(ステップS706)。また、原稿セット面201に原稿がセットされていなければ、開閉装置102によるカバー装置200の開動作を実行し(ステップS705)、処理を終了する(ステップS706)。
【0045】
図6に例示する処理の手順によれば、原稿セット面201に原稿が残っている状態で、カバー装置200の開動作が行われることによる原稿セット面201に残っている原稿の飛散を防止できる。更に、既にセットされている原稿が排出された後に、カバー装置200の開動作を実行する制御が行われるので、既にセットされている原稿を手で取り除く行為を行わなければ、次の動作が行えない不都合が解消される。
【0046】
(動作例4)
図7は、制御動作の一例を示すフローチャートである。処理が開始されると(ステップS801)、カバー装置200の開動作を指示する操作が操作部117に対して行われたのか否か、の判定が行われる(ステップS802)。開動作を指示する操作が操作部117に対して行われていなければ、処理を終了する(ステップS807)。この場合、再度ステップS801以下の処理が開始される。
【0047】
開動作を指示する操作が操作部117に対して行われた場合、ステップS803に進み、原稿セット面201に読み取り対象となる原稿がセットされているか否かの判定が行われる(ステップS803)。原稿セット面201に読み取り対象となる原稿がセットされていれば、その原稿を原稿排出面207に排出する処理が実行される(ステップS804)。また、原稿セット面201に原稿がセットされていなければ、開閉装置102によるカバー装置200の開動作を実行し(ステップS806)、処理を終了する(ステップS807)。
【0048】
ステップS804の処理の終了後、再びカバー装置200の開動作を指示する操作が操作部117に対して行われたのか否か、の判定が行われ(ステップS805)、開動作を指示する操作が操作部117に対して再度行われると、開閉装置102によるカバー装置200の開動作を実行し(ステップS806)、処理を終了する(ステップS807)。開動作を指示する操作が操作部117に対して行われない場合、ステップS805の処理を繰り返す。
【0049】
図7に例示する処理の手順によれば、原稿セット面201に原稿が残っている状態で、カバー装置200の開動作が行われることによる原稿セット面201に残っている原稿の飛散を防止できる。更に、既にセットされている原稿が排出された後に、カバー装置200の開動作を実行する制御が行われるので、既にセットされている原稿を手で取り除く行為を行わなければ、次の動作が行えない不都合が解消される。また、既にセットされている原稿が排出された後に、カバー装置200の開動作を実行する制御を、再度ユーザ側に指示させることで、原稿排出面207に排出された原稿を、ユーザが取り除いている最中に、開動作を実行する制御が行われることを回避できる。
【0050】
(その他)
図1に示す複写装置100は、画像読み取り装置として機能させることもできる。この場合、読み取った画像のデータは、制御部105の記憶領域に記憶される。また、読み取った画像のデータは、制御部105が備えたインターフェース機能を利用して、LAN等を介して外部に出力される。また、図1に示す構成において、画像形成部106を備えない構成とし、読み取った画像のデータを外部に出力する、あるいは読み取った画像のデータを記憶する機能を有した画像読み取り装置とすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、原稿上の画像を読み取る機能を有する装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0052】
100…複写装置、101…本体、102…開閉装置、103…画像読み取り装置、13…照明装置、104…駆動機構、105…制御部、106…画像形成部、107…転写ベルト、108…一次転写ユニット、109…一次転写ユニット、110…一次転写ユニット、111…一次転写ユニット、112…二次転写部、113…搬送経路、114…印刷用紙収納装置、115…画像定着部、116…印刷用紙排出面、117…操作部、118…原稿配置面、119…開閉検出センサ、200…カバー装置、201…原稿セット面、202…搬送ロール機構、203…原稿搬送経路、204…搬送ロール機構、205…画像読み取り部、206…搬送ロール機構、207…原稿排出面、208…原稿検出センサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
前記本体に対して開閉可能な構造とされ、原稿を搬送する搬送手段および前記搬送手段により搬送された原稿を排出する排出手段を備えた蓋手段と、
動力により前記蓋手段の前記開閉を行う開閉手段と、
前記蓋手段の前記開閉手段による開動作が指示された場合に、前記蓋手段の内部からの原稿の排出を前記排出手段により行った後に、前記開閉手段による前記蓋手段の開動作を実行する制御を行う制御手段と
を備えることを特徴とする画像読み取り装置。
【請求項2】
前記蓋手段は、原稿が配置される原稿配置部分を備え、
前記制御手段は、前記原稿配置部分に前記原稿が配置されている状態において、前記蓋手段の前記開閉手段による開動作が指示された場合に、前記原稿配置部分に配置された前記原稿を前記排出手段から排出する制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像読み取り装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の画像読み取り装置と、
記録材上に前記画像読み取り装置が読み取った画像を形成する画像形成手段と
を備えることを特徴とする複写装置。
【請求項4】
コンピュータに読み取らせて実行させるプログラムであって、
本体に対して開閉手段により開閉可能な構造とされ、原稿を搬送する搬送手段および前記搬送手段により搬送された原稿を排出する排出手段を備えた蓋手段を開ける動作の指示がされた場合に、前記蓋手段の内部からの原稿の排出を前記排出手段により行った後に、前記開閉手段による前記蓋手段の開動作を行うことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−224241(P2010−224241A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−71742(P2009−71742)
【出願日】平成21年3月24日(2009.3.24)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】