説明

画像読出し装置及び画像処理システム

【課題】動画の編集作業や再生作業の効率低下を抑えることを目的とする。
【解決手段】記録部106からメタデータを読み出し、そのメタデータにおける要不要判定データに基づいて、そのメタデータにおける識別情報に対応する動画像フレームが必要な動画像フレームであるか否かを判定する要不要判定部107と、記録部106に記録される識別情報と、その識別情報に対応する記録部106の記録位置を示す情報とが対応付けられたテーブルを用いて、要不要判定部107により必要な動画像フレームと判定された動画像フレームの識別情報に対応する記録部106の記録位置に記録される動画像フレームのみを記録部106から読み出す読出し制御部112とを備えて画像読出し装置108を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画像の各動画像フレームの要不要を自動的に判定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、撮像装置の高解像度化や高速化、フラッシュメモリの大容量化、及び撮像装置内の画像処理回路の高速化や低電力化が進み、高解像度による長時間動画撮影や長時間動画再生が可能になってきている。
【0003】
しかしながら、動画撮影時にユーザが意図をもって撮影していない場合や、とりあえず撮り逃しの無いように長時間、動画の撮影を行っている場合などでは、撮影後の動画像に不要な動画像フレームが多く含まれてしまう。すると、後工程としての動画の編集作業や再生作業に大きな負荷がかかり、動画の編集作業や再生作業の効率を下げてしまうおそれがある。例えば、動画像ファイルに不要な動画像フレームが多く含まれていると、目的の動画像フレームを探すために多くの手間や時間がかかったり、動画像ファイルを編集用プログラムや再生用プログラムにロードする際に多くの時間がかかったりしてしまう。
【0004】
例えば、動画の編集時や再生時において、動画像ファイルの各動画像フレームのうち、階調変化が少ない動画像フレームを不要な動画像フレームであると判定して、その動画像フレームを自動的に削除する技術がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−295285号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、動画の編集時や再生時において、動画像の各動画像フレームのうち、階調変化が少ない動画像フレームを不要な動画像フレームであると判定して、その動画像フレームを自動的に削除する技術は、動画像フレームの要不要を判定する際にユーザにかかる負荷を軽減することができるが、その動画像フレーム自動削除機能を含む編集用プログラムや再生用プログラムに動画像ファイルをロードする必要がやはりあるため、動画像ファイル内に不要な動画像フレームが多いと、編集作業や再生作業の効率を低下させてしまう。
【0007】
本発明は、動画の編集作業や再生作業の効率低下を抑えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の画像読出し装置は、要不要判定手段と、読出し制御手段とを備える。
【0009】
前記要不要判定手段は、動画像の各動画像フレームにそれぞれ対応する、必要な動画像フレームであるか否かを判定するために用いられる要不要判定データと、それぞれに識別情報が付与された、符号化後の前記動画像の各動画像フレームと、前記動画像フレームに付与された識別情報とその動画像フレームに対応する要不要判定データとが統合されたメタデータとが記録された記録手段から前記メタデータを読み出し、そのメタデータにおける要不要判定データに基づいて、そのメタデータにおける識別情報に対応する動画像フレームが必要な動画像フレームであるか否かを判定する。
【0010】
前記画像読出し装置は、前記記録手段に記録される識別情報と、その識別情報に対応する前記記録手段の記録位置を示す情報とが対応付けられたテーブルを用いて、前記要不要判定手段により必要な動画像フレームと判定された動画像フレームの識別情報に対応する前記記録手段の記録位置に記録される動画像フレームのみを前記記録手段から読み出す。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、動画の編集作業や再生作業の効率低下を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態の画像処理システムを示す図である。
【図2】メタデータ、動画像フレーム、記録部内のセクタ、及び記録部内のクラスタの一例を示す図である。
【図3A】ディレクトリの一例を示す図である。
【図3B】FATの一例を示す図である。
【図4】画像読出し装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図5】MPEG形式の符号化時における動画像フレーム、圧縮単位、及び記録部内のクラスタの一例を示す図である。
【図6A】実施例1の撮像装置を備える画像処理システムを示す図である。
【図6B】実施例1の撮像装置を備える画像処理システムの変形例(その1)を示す図である。
【図6C】実施例1の撮像装置を備える画像処理システムの変形例(その2)を示す図である。
【図7】実施例1の撮像装置を備える画像処理システムにおける要不要判定部の動作を示すフローチャートである。
【図8】実施例1の撮像装置を備える画像処理システムにおける要判定の動画像フレームと不要判定の動画像フレームの一例を示す図である。
【図9】実施例1の撮像装置を備える画像処理システムにおける要判定の動画像フレームと不要判定の動画像フレームの他の例を示す図である。
【図10】実施例2の撮像装置を備える画像処理システムを示す図である。
【図11】実施例2の撮像装置を備える画像処理システムにおける要不要判定部の動作を示すフローチャートである。
【図12】実施例3の撮像装置を備える画像処理システムを示す図である。
【図13】実施例3の撮像装置を備える画像処理システムにおける要不要判定部の動作を示すフローチャートである。
【図14】実施例4の撮像装置を備える画像処理システムを示す図である。
【図15】実施例4の撮像装置を備える画像処理システムにおける要不要判定部の動作を示すフローチャートである。
【図16】実施例4の撮像装置を備える画像処理システムにおける要判定の動画像フレームと不要判定の動画像フレームの一例を示す図である。
【図17】本発明の他の実施形態の画像処理装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明の実施形態の画像処理システムを示す図である。
【0014】
図1に示す画像処理システムは、入力される動画像を記録部106に記録する画像処理装置100と、記録部106から動画像を読み出す画像読出し装置108とを備える。
【0015】
図1に示す記録部106は、画像処理装置100に内蔵の記録部(例えば、ハードディスク、RAM(Random Acess Memory)など)でも画像処理装置100に着脱可能な外部記録部(例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等の媒体、メモリカード、又はUSBメモリなど)でもよく、例えば、ROM(Read Only Memory)、不揮発性メモリ、又はフラッシュメモリなどにより構成される。図1に示す記録部106は、外部記録部を想定している。なお、記録部106が画像処理装置100に内蔵される場合は、画像処理装置100と画像読出し装置108とが互いに通信線などで接続されるものとする。
【0016】
画像処理装置100は、要不要判定データ生成部103と、画像符号化部104と、メタデータ生成部105と、制御処理部109とを備える。なお、制御処理部109は、画像処理装置100の各部の動作を制御するものとする。
【0017】
要不要判定データ生成部103は、外部(例えば、撮像装置や外部記録部など)から画像処理装置100に入力される動画像の各動画像フレームにそれぞれ対応する、不要な動画像フレームであるか否かを判定するために用いられる要不要判定データを生成する。
【0018】
画像符号化部104は、外部から画像処理装置100に入力される動画像を符号化するとともに、その符号化後の動画像の各動画像フレームをそれぞれ複数のデータに分割しつつ、それらデータにそれぞれ識別情報を付与して記録部106に記録する。例えば、画像符号化部104は、図2に示すように、入力される動画像に対してMPEG2(Moving Picture Experts Group phase 2)形式の符号化を行うとともに、符号化後の動画像の各動画像フレームをそれぞれ複数のTS(Transport Stream)パケットに分割しつつ、それらTSパケットにそれぞれ識別情報PID(Packet IDentification)(K、K+1、・・・)を付与して記録部106に記録する。
【0019】
なお、記録部106は、画像符号化部104において各データにそれぞれ付与された識別情報と、記録部106内の記録位置を示す情報との対応関係を示す識別情報/記録位置テーブルを備える。例えば、記録部106は、図3Aに示すように、識別情報PIDと、記録部106内のクラスタの位置を示すクラスタ番号との対応関係を示す識別情報/記録位置テーブルとしてのディレクトリを備える。
【0020】
また、記録部106は、記録部106内の記録位置を示す情報と、それらの記録位置におけるデータの状態を示す情報(例えば、他の記録位置にデータが続く際のその記録位置を示す情報、データがこの記録位置で終わることを示す情報、又はこの記録位置にデータが無いことを示す情報)との対応関係を示す記録位置/データ状態情報テーブルを備える。例えば、記録部106は、図3Bに示すように、記録部106内のクラスタの位置を示すクラスタ番号と、各クラスタ番号におけるデータの状態を示す情報(例えば、他のクラスタにデータが続く際のそのクラスタの位置を示すクラスタ番号、データがこのクラスタで終わることを示す情報:「FFFF」、又はこのクラスタにデータが無いことを示す情報:「0000」)との対応関係を示す記録位置/データ状態情報テーブルとしてのFAT(File Allocation Table)を備える。
【0021】
メタデータ生成部105は、符号化後の動画像フレームの分割後の各データにそれぞれ付与された識別情報のうちの1つの識別情報と、その動画像フレームに対応する要不要判定データとを統合してメタデータを生成して、その生成したメタデータを記録部106に記録する。例えば、メタデータ生成部105は、図2に示すように、符号化後の動画像フレームf1の分割後の各TSパケットのうちの先頭のTSパケットの識別情報PID=Kと、動画像フレームf1に対応する要不要判定データとを統合することにより動画像フレームf1に対応するメタデータを生成して記録部106に記録する。また、メタデータ生成部105は、符号化後の動画像フレームf2の分割後の各TSパケットのうちの先頭のTSパケットの識別情報PID=K+n+1と、動画像フレームf2に対応する要不要判定データとを統合することにより動画像フレームf2に対応するメタデータを生成して記録部106に記録する。なお、要不要判定データと統合される識別情報PIDは、符号化後の動画像フレームの分割後の各TSパケットのうちの先頭のTSパケットの識別情報PIDに限定されない。
【0022】
なお、画像符号化部104は、外部から画像処理装置100に入力される動画像を符号化するとともに、その符号化後の動画像の各動画像フレームにそれぞれ識別情報を付与して記録部106に記録するように構成してもよい。この場合、画像符号化部104において各動画像フレームにそれぞれ付与された識別情報と、記録部106内の記録位置を示す情報との対応関係を示す識別情報/記録位置テーブルが記録部106に備えられる。また、メタデータ生成部105は、符号化後の動画像フレームに付与された識別情報と、その動画像フレームに対応する要不要判定データとを統合することによりメタデータを生成して、その生成したメタデータを記録部106に記録する。
【0023】
また、図1に示す画像読出し装置108は、例えば、パーソナルコンピュータなどであり、要不要判定部107と、読出し用識別情報/記録位置テーブル110と、読出し用記録位置/データ状態情報テーブル111と、読出し制御部112と、読出し部113と、制御処理部114とを備える。なお、制御処理部114は、画像読出し装置108内の各部の動作を制御するものとする。また、要不要判定部107、読出し制御部112、読出し部113、及び制御処理部114などは、例えば、マイクロコンピュータなどにより構成されるものとする。
【0024】
要不要判定部107は、記録部106から読み出したメタデータにおける要不要判定データに基づいて、そのメタデータにおける識別情報に対応する動画像フレームが不要な動画像フレームであるか否かを判定する。
【0025】
読出し用識別情報/記録位置テーブル110は、記録部106内の識別情報/記録位置テーブルと同じ内容のテーブルであり、例えば、図3Aに示すディレクトリと同様とする。
【0026】
読出し用記録位置/データ状態情報テーブル111は、記録部106内の記録位置/データ状態情報テーブルと同じ内容のテーブルであり、例えば、図3Bに示すFATと同様とする。
【0027】
読出し制御部112は、読出し用識別情報/記録位置テーブル110や読出し用記録位置/データ状態情報テーブル111を用いて、記録部106に記録される動画像ファイルの各動画像フレームのうち、要不要判定部107により必要な動画像フレームであると判定された動画像フレームのみを記録部106から読み出す。
【0028】
読出し部113は、読出し制御部112により記録部106から読み出された動画像ファイルを、画像読出し装置108の内部若しくは外部で実行される動画像の編集プログラムや再生プログラム、又は、画像読出し装置108の内部若しくは外部に設けられる表示装置に出力する。
【0029】
図4は、画像読出し装置108の動作の一例を示すフローチャートである。
【0030】
まず、要不要判定部107は、画像読出し装置108の内部又は外部の動画像の編集プログラムや再生プログラムなどから記録部106内の動画像ファイルの読出し要求などがあると(S11がYes)、その読出し要求などに示される動画像ファイルの各動画像フレームのうちの1以上の動画像フレームに対応するメタデータを記録部106から読み出す(S12)。
【0031】
次に、要不要判定部107は、読み出したメタデータにおける要不要判定データに基づいて、そのメタデータにおける識別情報に対応する動画像フレームが必要な動画像フレームであるか否かを判定する(S13)。
【0032】
必要な動画像フレームではないと判定した場合(S13がNo)、要不要判定部107は、読出し要求などに示される動画像ファイルの各動画像フレームのうち、必要な動画像フレームが全て記録部106から読み出されたか否かを判断する(S14)。
【0033】
要不要判定部107は、必要な動画像フレームが全て読み出されたと判断した場合(S14がYes)、動画像ファイルの読出し処理を終了し、必要な動画像フレームが全て読み出されていないと判断した場合(S14がNo)、S12に戻り、次の1以上の動画像フレームに対応するメタデータを記録部106から読み出す。
【0034】
また、上記S13において、記録部106から読み出したメタデータにおける識別情報に対応する動画像フレームが必要な動画像フレームであると判定された場合(S13がYes)、読出し制御部112は、読出し用識別情報/記録位置テーブル110及び読出し用記録位置/データ状態情報テーブル111を参照して(S15)、その必要な動画像フレームを記録部106から読み出し(S16)、必要な動画像フレームが全て読み出されたか否かを判断する(S14)。
【0035】
例えば、図2に示す動画像フレームf2が必要と判定された場合、読出し制御部112は、図3Aに示すディレクトリを用いて、動画像フレームf2の識別情報PID=K+n+1に対応する記録部106内のクラスタの位置を示すクラスタ番号として「0003」を特定する。次に、読出し制御部112は、図3Bに示すFATを用いて、特定したクラスタ番号「0003」に記録されるデータを読み出すとともに、次のクラスタ番号「0004」に記録されるデータを読み出す。
【0036】
なお、図4に示すフローチャートでは、メタデータ毎に、すなわち、動画像フレーム毎に、動画像フレームの要不要判定を行う構成であるが、所定の動画像フレーム数毎に、動画像フレームの要不要判定を行うように構成してもよい。なお、上記所定の動画像フレーム数は、動画像の編集時や再生時に必要な動画像フレームの量に基づいて、ユーザなどにより予め設定されていてもよい。このように構成することにより、要不要判定部107の演算量を低減することができる。
【0037】
また、画像読出し装置108は、記録部106に記録される全ての識別情報と、それら識別情報にそれぞれ対応する記録部106の記録位置を示す情報とが対応付けられたテーブルを備えていてもよい。この場合、読出し制御部112は、このテーブルを用いて、要不要判定部107により必要な動画像フレームと判定された動画像フレームの識別情報に対応する記録部106の記録位置に記録されるデータのみを記録部106から読み出すように構成してもよい。
【0038】
本発明の実施形態の画像処理システムは、編集作業や再生作業の前段階において、動画像ファイルの各動画像フレームのうち、必要な動画像フレームと判定された動画像フレームを記録部106から読み出す構成であるため、動画像ファイルを記録部106から読み出す際、不要な動画像フレーム以外が読み出される。このように、編集作業や再生作業の前段階において不要な動画像フレームが除かれた動画像ファイルを記録部106から読み出すことができるため、編集作業時や再生作業時において、動画像ファイルを編集用プログラムや再生用プログラムにロードする時間を短縮することができ、編集作業や再生作業の効率低下を抑えることができる。
【0039】
また、本発明の実施形態の画像処理システムは、必要な動画像フレームに対応する記録部106の記録位置を特定するために、動画像フレームの分割後の各データや各動画像フレームに付与される識別情報を使用する構成であるため、メタデータを生成する際やメタデータを読み出す際のデータ処理量を少なくすることができ、画像処理装置100や画像読出し装置108にかかる負荷を抑えることができる。
【0040】
また、画像符号化部104は、入力される動画像に対して、MPEG形式の符号化を行う場合、例えば、図5に示すように、SH(Sequence Header)及びGOP(Group Of Picture)の圧縮単位(例えば、Iフレーム(Intra Picture)、B1フレーム〜B3フレーム(Bidirectionally Predictive Picture)、Pフレーム(Predictive Picture))で符号化を行う。この場合、読出し制御部112は、必要な動画像フレームが含まれるGOPを記録部106から読み出す。図5の例では、必要な動画像の先頭フレームB1が含まれるGOPに対応するクラスタ番号「0002」に記録されるデータを記録部106から読み出すとともに、必要な動画像の末尾フレームB2’が含まれるGOPに対応するクラスタ番号「0014」に記録されるデータを記録部106から読み出す。
【0041】
図6Aは、画像処理装置100の実施例1としての撮像装置600を備える画像処理システムを示す図である。なお、図1に示す構成と同じ構成には同じ符号を付しその構成の説明を省略する。
【0042】
図6Aに示す撮像装置600は、例えば、デジタルカメラなどであり、撮像部101と、画像処理部102と、要不要判定データ生成部103と、画像符号化部104と、メタデータ生成部105と、制御処理部109とを備える。
【0043】
撮像部101は、例えば、レンズによってCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子に結像される被写体像をその撮像素子において電気信号に変換し静止画像フレーム又は複数の動画像フレームからなる動画像を得る。
【0044】
画像処理部102は、撮像部101により得られる静止画像又は動画像の各動画像フレームに対して、シャープネス補正、コントラスト補正、輝度・色差信号生成、及びホワイトバランス補正などの各種画像処理を行う。
【0045】
画像符号化部104は、画像処理後の静止画像フレームに対してJPEG(Joint Photographic Experts Group)形式などの符号化を行う。また、画像符号化部104は、画像処理後の動画像に対してMPEG形式などの符号化を行う。
【0046】
図6Aに示す撮像装置600の特徴とする点は、要不要判定データ生成部103として被写体検出処理部601を備え、その被写体検出処理部601により、画像処理後の動画像の各動画像フレームにおいて、それぞれ、要不要判定データとしての「被写体の位置」及び「被写体のサイズ」が検出され、メタデータ生成部105において、検出された「被写体の位置」及び「被写体のサイズ」と、識別情報PIDとが統合されてメタデータとして記録部106に記録される点である。
【0047】
図7は、図6Aに示す要不要判定部107の動作の一例を示すフローチャートである。
【0048】
まず、要不要判定部107は、記録部106から読み出したメタデータに示される「被写体の位置」及び「被写体のサイズ」を入力する(S21)。なお、被写体検出処理部601は、画像処理後の動画像フレーム内において被写体を検出した後、その検出した被写体を囲む矩形範囲を被写体エリアとし、その被写体エリアの左上の画素位置(x0,y0)を「被写体の位置」とする。また、被写体検出処理部601は、「被写体のサイズ」として被写体エリアの横方向の画素数をWとするとともに被写体エリアの縦方向の画素数をHとする。また、被写体検出処理部601は、動画像フレームから被写体が検出されない場合、x0を0よりも小さい値にする。また、動画像フレームの左上の画素位置を(1,1)とする。
【0049】
次に、要不要判定部107は、x0が0よりも小さいか否か、すなわち、被写体が検出されていないか否かを判断する(S22)。
【0050】
被写体が検出されていると判断した場合(S22がNo)、要不要判定部107は、Wが閾値Thr_Wよりも小さいか否か又はHが閾値Thr_Hよりも小さいか否か、すなわち、被写体が所定サイズよりも小さいか否かを判断する(S23)。なお、閾値Thr_Wや閾値Thr_Hは、ユーザなどにより予め設定されていてもよい。
【0051】
被写体が所定サイズよりも大きいと判断した場合(S23がNo)、要不要判定部107は、x0+W/2が閾値Thr_L_xよりも小さいか否か、すなわち、被写体エリアが動画像フレームの左端より外側に外れているか否かを判断する(S24)。なお、閾値Thr_L_xは、ユーザなどにより予め設定されていてもよい。
【0052】
被写体エリアが動画像フレームの左端より外側に外れていないと判断した場合(S24がNo)、要不要判定部107は、x0+W/2が閾値Thr_R_xよりも大きいか否か、すなわち、被写体エリアの右端が動画像フレームの右端より外側に外れているか否かを判断する(S25)。なお、閾値Thr_R_xは、ユーザなどにより予め設定されていてもよい。
【0053】
被写体エリアの右端が動画像フレームの右端より外側に外れていないと判断した場合(S25がNo)、要不要判定部107は、y0+H/2が閾値Thr_U_yよりも大きいか否か、すなわち、被写体エリアの上端が動画像フレームの上端より外側に外れているか否かを判断する(S26)。なお、閾値Thr_U_yは、ユーザなどにより予め設定されていてもよい。
【0054】
被写体エリアの上端が動画像フレームの上端より外側に外れていないと判断した場合(S26がNo)、要不要判定部107は、y0+H/2が閾値Thr_D_yよりも小さいか否か、すなわち、被写体エリアの下端が動画像フレームの下端より外側に外れているか否かを判断する(S27)。なお、閾値Thr_U_yは、ユーザなどにより予め設定されていてもよい。
【0055】
被写体エリアの下端が動画像フレームの下端より外側に外れていないと判断した場合(S27がNo)、要不要判定部107は、その動画像フレームを編集時や再生時に必要な動画像フレームであると判定して、記録部106から読み出したメタデータにおける識別情報に対応する動画像フレームが編集時や再生時に必要な動画像フレームである旨を示す要不要判定フラグFLG=1とともに、その識別情報を読出し制御部112に出力する(S28)。例えば、要不要判定部107は、図8に示すように、被写体が所定サイズよりも大きく、かつ、被写体が動画像フレームの中央付近に存在している識別情報PID=8〜11の各動画像フレームを編集時や再生時に必要な動画像フレーム(OK)として判定する。
【0056】
また、要不要判定部107は、「被写体が検出されていない(S22がYes)」、「被写体が所定サイズよりも小さい(S23がYes)」、「被写体エリアが動画像フレームの左端より外側に外れている(S24がYes)」、「被写体エリアが動画像フレームの右端より外側に外れている(S25がYes)」、「被写体エリアが動画像フレームの上端より外側に外れている(S26がYes)」、及び「被写体エリアが動画像フレームの下端より外側に外れている(S27がYes)」の少なくとも1つを判断すると、その動画像フレームを編集時や再生時に不要な動画像フレームであると判定して、記録部106から読み出したメタデータにおける識別情報に対応する動画像フレームが編集時や再生時に不要な動画像フレームである旨を示す要不要判定フラグFLG=−1とともに、その識別情報を読出し制御部112に出力する(S28)。例えば、要不要判定部107は、図8に示すように、被写体が所定サイズよりも小さい識別情報PID=7の動画像フレームや被写体が動画像フレームから外れている識別情報PID=12の動画像フレームを編集時や再生時に不要な動画像フレーム(NG)として判定する。
【0057】
そして、読出し制御部112は、要不要判定部107から要不要判定フラグFLG=1及び識別情報が出力されると、その識別情報に対応する動画像フレームを記録部106から読み出し、要不要判定部107から要不要判定フラグFLG=−1及び識別情報が出力されると、その識別情報に対応する動画像フレームを記録部106から読み出さない。
【0058】
図6Aに示す画像読出し装置108は、被写体の位置やサイズに応じて、動画像フレームの要不要が判定されるため、スポーツやレースの観戦時など被写体が激しく動く場合において取得される動画像ファイルの読出し時のデータ量の削減に有効である。
【0059】
なお、図7に示す要不要判定部107の動作例では、メタデータに記述されている構図指標は被写体の位置やサイズに基づいており、動画像フレームの要不要判定を行う構成であるが、図9に示すように、同じような構図の動画像フレームを連続して取得されるとき、それらの動画像フレームを編集時や再生時に不要な動画像フレームと判定するように構成してもよい。例えば、要不要判定部107において、図9に示す識別情報PID=7に対応する動画像フレームの構図と、識別情報PID=8、9に対応する動画像フレームの構図との差異が所定値以下であると判断されるとき、読出し制御部112は、識別情報PID=9以降の動画像フレームを記録部106から読み出さないようにする。また、構図の差異が所定値以下のフレームが所定数以上連続する場合に、読出し制御部112は、連続するフレームの一部に相当する識別情報の動画像フレームを記録部106から読み出さないようにする。
なお、上記フレーム間の差異の測定方法としては、図9に示した、構図指標すなわち被写体の位置サイズの検出の差異の他に、画像の統計量に基づきフレーム間の差異を求めとも良い。フレーム間のレベル差の差分の合計値が所定値以下の場合、比較するフレームのヒストグラムの変化量の合計値が所定値以下の場合を不要とする等を使っても良い。フレーム間の差分を用いる場合、例えば、図6Bに示すように、被写体検出処理部103の代わりにフレーム間差分を積分する差分演算部1031手段を備える。また、ヒストグラムを用いる場合には、例えば、図6Cに示すように、被写体検出処理部103の代わりにヒストグラムを算出しフレーム間のヒストグラムの差分またはその積分を計算するヒストグラム差分演算部1032を備える。
【0060】
図10は、画像処理装置100の実施例2としての撮像装置1000を備える画像処理システムを示す図である。なお、図6に示す構成と同じ構成には同じ符号を付しその構成の説明を省略する。
【0061】
図10に示す撮像装置1000の特徴とする点は、要不要判定データ生成部103としてフォーカス情報処理部1001を備え、そのフォーカス情報処理部1001により、画像処理後の動画像の各動画像フレームに対して、それぞれ、要不要判定データとしての「フォーカス情報」が設定され、メタデータ生成部105により、「フォーカス情報」と識別情報PIDとが統合されてメタデータとして記録部106に記録される点である。
【0062】
図11は、図10に示す要不要判定部107の動作の一例を示すフローチャートである。
【0063】
まず、要不要判定部107は、記録部106から読み出したメタデータに示される「フォーカス情報」を入力する(S31)。なお、フォーカス情報処理部1001は、撮像部101が動画像フレームを取得する度に、その動画像フレームに対応するコントラスト評価値C0を画像処理部102から得るとともに、フォーカスレンズのレンズ位置L0を撮像部101から得てメタデータ生成部105へ出力する。また、画像処理部102は、フォーカスができていないとき、すなわち、フォーカスレンズの焦点が合っていないとき、コントラスト評価値C0を0よりも小さい値にする。
【0064】
次に、要不要判定部107は、C0が0以上である、すなわち、フォーカスレンズの焦点が合っていると判断した場合(S32がNo)、今回取得された動画像フレームに対応するレンズ位置L0_nを要不要判定部107の内部又は外部にある記憶部に保持する(S33)。
【0065】
次に、要不要判定部107は、今回取得された動画像フレームに対応するレンズ位置L0_nと前回取得された動画像フレームに対応するレンズ位置L0_n−1とを上記記憶部から読み出し(S34)、それらレンズ位置L0_nとレンズ位置L0_n−1との差分の絶対値が閾値Thr_Lよりも大きいか否か、すなわち、フォーカスが安定していないか否かを判断する(S35)。なお、閾値Thr_Lは、ユーザなどにより予め設定されていてもよい。
【0066】
フォーカスが安定していると判断した場合(S35がNo)、要不要判定部107は、その動画像フレームを編集時や再生時に必要な動画像フレームであると判定して、記録部106から読み出したメタデータにおける識別情報に対応する動画像フレームが編集時や再生時に必要な動画像フレームである旨を示す要不要判定フラグFLG=1とともに、その識別情報を読出し制御部112に出力する(S36)。
【0067】
また、要不要判定部107は、フォーカスができていないと判断した場合(S32がYes)又はフォーカスが安定していないと判断した場合(S35がYes)、その動画像フレームを編集時や再生時に不要な動画像フレームであると判定して、記録部106から読み出したメタデータにおける識別情報に対応する動画像フレームが編集時や再生時に不要な動画像フレームである旨を示す要不要判定フラグFLG=−1とともに、その識別情報を読出し制御部112に出力する(S37)。
【0068】
そして、読出し制御部112は、要不要判定部107から要不要判定フラグFLG=1及び識別情報が出力されると、その識別情報に対応する動画像フレームを記録部106から読み出し、要不要判定部107から要不要判定フラグFLG=−1及び識別情報が出力されると、その識別情報に対応する動画像フレームを記録部106から読み出さない。
【0069】
図10に示す画像読出し装置108では、フォーカスができていないか否か又はフォーカスが安定していないか否かに応じて、動画像フレームの要不要が判断されるため、例えば、被写体だけでなく撮影者も移動している場合において取得される動画像ファイルの読出し時のデータ量の削減に有効である。
【0070】
図12は、画像処理装置100の実施例3としての撮像装置1200を備える画像処理システムを示す図である。なお、図6に示す構成と同じ構成には同じ符号を付しその構成の説明を省略する。
【0071】
図12に示す撮像装置1200の特徴とする点は、要不要判定データ生成部103としてズーム情報処理部1201を備え、そのズーム情報処理部1201により、画像処理後の動画像の各動画像フレームに対して、それぞれ、要不要判定データとしての「ズーム情報」が設定され、メタデータ生成部105により、「ズーム情報」と識別情報PIDとが統合されてメタデータとして記録部106に記録される点である。
【0072】
図13は、図12に示す要不要判定部107の動作の一例を示すフローチャートである。
【0073】
まず、要不要判定部107は、記録部106から読み出したメタデータに示される「ズーム情報」を入力する(S41)。なお、ズーム情報処理部1201は、撮像部101が動画像フレームを取得する度に、その動画像フレームに対応するズーム情報Z0(例えば、ズームレンズのレンズ位置やレンズ移動量など)を撮像部101から得てメタデータ生成部105へ出力する。
【0074】
次に、要不要判定部107は、入力されるズーム情報Z0を要不要判定部107の内部又は外部にある記憶部に保持する(S42)。
【0075】
次に、要不要判定部107は、今回取得された動画像フレームに対応するズーム情報Z0_nと前回取得された動画像フレームに対応するズーム情報Z0_n−1とを上記記憶部から読み出し(S43)、それらズーム情報Z0_nとズーム情報Z0_n−1との差分の絶対値が閾値Thr_Zよりも大きいか否か、すなわち、ズームレンズのレンズ位置が安定していないか否かを判断する(S44)。なお、閾値Thr_Zは、ユーザなどにより予め設定されていてもよい。
【0076】
ズームレンズのレンズ位置が安定していると判断した場合(S44がNo)、要不要判定部107は、その動画像フレームを編集時や再生時に必要な動画像フレームであると判定して、記録部106から読み出したメタデータにおける識別情報に対応する動画像フレームが編集時や再生時に必要な動画像フレームである旨を示す要不要判定フラグFLG=1とともに、その識別情報を読出し制御部112に出力する(S45)。
【0077】
また、要不要判定部107は、ズームレンズのレンズ位置が安定していないと判断した場合(S44がYes)、その動画像フレームを編集時や再生時に不要な動画像フレームであると判定して、記録部106から読み出したメタデータにおける識別情報に対応する動画像フレームが編集時や再生時に不要な動画像フレームである旨を示す要不要判定フラグFLG=−1とともに、その識別情報を読出し制御部112に出力する(S46)。
【0078】
そして、読出し制御部112は、要不要判定部107から要不要判定フラグFLG=1及び識別情報が出力されると、その識別情報に対応する動画像フレームを記録部106から読み出し、要不要判定部107から要不要判定フラグFLG=−1及び識別情報が出力されると、その識別情報に対応する動画像フレームを記録部106から読み出さない。
【0079】
図12に示す画像読出し装置108では、ズームレンズのレンズ位置が安定していないか否かに応じて、動画像フレームの要不要が判断されるため、例えば、被写体が撮影者に対して前後方向に移動している場合において取得される動画像ファイルの読出し時のデータ量の削減に有効である。
【0080】
なお、動画像の編集時や再生時に必要な動画像フレームの要不要判定処理に使用される情報は、上述したような被写体の位置やサイズ、フォーカス情報、又はズーム情報に限定されない。例えば、画像処理後の各動画像フレームの輝度階調のヒストグラムを使用してもよい。
【0081】
また、上述した被写体の位置やサイズ、フォーカス情報、ズーム情報、及び輝度階調のヒストグラムのうち、2つ以上の情報を組み合わせて、動画像の編集時や再生時に必要な動画像フレームの要不要判定処理に使用してもよい。
【0082】
図14は、画像処理装置100の実施例4としての撮像装置1400を備える画像処理システムを示す図である。なお、図6に示す構成と同じ構成には同じ符号を付しその構成の説明を省略する。
【0083】
図14に示す撮像装置1400の特徴とする点は、要不要判定データ生成部103として無線アンテナ1401及び受信信号強度検出部1402を備え、受信信号強度検出部1402により、画像処理後の動画像の各動画像フレームに対して、それぞれ、要不要判定データとしての受信信号強度情報(RSSI:Received Signal Strength Indication)R0が検出され、メタデータ生成部105により、受信信号強度情報R0と識別情報PIDとが統合されてメタデータとして記録部106に記録される点である。なお、無線アンテナ1401は、被写体に備えられる送信機から送信される信号や撮像装置1400から送信され被写体に反射した信号を受信するものとする。
【0084】
図15は、図14に示す要不要判定部107の動作の一例を示すフローチャートである。
【0085】
まず、要不要判定部107は、記録部106から読み出したメタデータに示される受信信号強度情報R0を入力する(S51)。なお、受信信号強度検出部1402は、撮像部101が動画像フレームを取得する度に、その動画像フレームに対応させて、無線アンテナ1401により受信される受信信号のレベルを受信信号強度情報R0としてメタデータ生成部105へ出力する。
【0086】
次に、要不要判定部107は、入力される受信信号強度情報R0が閾値Thr_Rよりも大きいか否か、すなわち、撮像装置1400に対して被写体が遠いか否かを判断する(S52)。なお、閾値Thr_Rは、ユーザなどにより予め設定されていてもよい。
【0087】
撮像装置1400に対して被写体が遠くないと判断した場合(S52がNo)、要不要判定部107は、その動画像フレームを編集時や再生時に必要な動画像フレームであると判定して、記録部106から読み出したメタデータにおける識別情報に対応する動画像フレームが編集時や再生時に必要な動画像フレームである旨を示す要不要判定フラグFLG=1とともに、その識別情報を読出し制御部112に出力する(S53)。例えば、要不要判定部107は、図16に示すように、受信信号強度情報R0が閾値Thr_Rよりも大きい識別情報PID=15、22の各動画像フレームを編集時や再生時に必要な動画像フレーム(OK)として判定する。
【0088】
また、要不要判定部107は、撮像装置1400に対して被写体が遠いと判断した場合(S52がYes)、その動画像フレームを編集時や再生時に不要な動画像フレームであると判定して、記録部106から読み出したメタデータにおける識別情報に対応する動画像フレームが編集時や再生時に不要な動画像フレームである旨を示す要不要判定フラグFLG=−1とともに、その識別情報を読出し制御部112に出力する(S54)。例えば、要不要判定部107は、図16に示すように、受信信号強度情報R0が閾値Thr_Rよりも小さい識別情報PID=16〜21の各動画像フレームを編集時や再生時に不要な動画像フレーム(NG)として判定する。
【0089】
そして、読出し制御部112は、要不要判定部107から要不要判定フラグFLG=1及び識別情報が出力されると、その識別情報に対応する動画像フレームを記録部106から読み出し、要不要判定部107から要不要判定フラグFLG=−1及び識別情報が出力されると、その識別情報に対応する動画像フレームを記録部106から読み出さない。
【0090】
図14に示す画像読出し装置108では、受信信号強度情報R0に応じて、動画像フレームの要不要が判定されるため、例えば、撮像装置1400に対して被写体が前後に移動している場合において取得される動画像ファイルの読出し時のデータ量の削減に有効である。
【0091】
また、上述の撮像装置1400では、要不要判定部107において、受信信号強度情報R0が閾値Thr_Rよりも大きいか否かに基づいて、動画像フレームの要不要の判定が行われる構成であるが、撮像装置1400の受信信号強度検出部1402において、受信信号強度情報R0が閾値Thr_Rよりも大きいか否かに基づいて、動画像フレームの要不要の判定が行われるように構成してもよい。このように構成する場合、メタデータ生成部105において、必要な動画像フレームであることを示す要不要判定フラグFLG=1と、その動画像フレームに対応する識別情報とが統合されてメタデータが生成される。また、読出し制御部112は、要不要判定フラグFLG=1を含むメタデータにおける識別情報に対応する動画像フレームのみを記録部106から読み出す。このように構成される画像読出し装置108では、要不要判定部107を省略することができる。
【0092】
なお、図1に示す画像処理システムでは、画像処理装置100と、画像読出し装置108とがそれぞれ独立した装置で構成されているが、図17に示すように、画像読出し装置108の機能を画像処理装置100に含めて一体の装置で構成してもよい。図17に示す画像処理装置100の各部の動作は上述した動作と同様であるため説明を省略する。
【0093】
また、上記各実施形態において、要不要判定部107が識別情報とともに要不要判定フラグFLG=1のみを読出し制御部112に出力し、読出し制御部112が要不要判定フラグFLG=1及び識別情報を受け取ったときだけ読出し動作を行うように構成してもよい。
【符号の説明】
【0094】
100 画像処理装置
101 撮像部
102 画像処理部
103 要不要判定データ生成部
104 画像符号化部
105 メタデータ生成部
106 記録部
107 要不要判定部
108 画像読出し装置
109 制御処理部
110 読出し用識別情報/記録位置テーブル
111 読出し用記録位置/データ状態情報テーブル
112 読出し制御部
113 読出し部
114 制御処理部
600 撮像装置
601 被写体検出処理部
1000 撮像装置
1001 フォーカス情報処理部
1200 撮像装置
1201 ズーム情報処理部
1400 撮像装置
1401 無線アンテナ
1402 受信信号強度検出部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画像の各動画像フレームにそれぞれ対応する、必要な動画像フレームであるか否かを判定するために用いられる要不要判定データと、
それぞれに識別情報が付与された、符号化後の前記動画像の各動画像フレームと、
前記動画像フレームに付与された識別情報と、その動画像フレームに対応する要不要判定データとが統合されたメタデータと、
が記録された
記録手段から前記メタデータを読み出し、そのメタデータにおける要不要判定データに基づいて、そのメタデータにおける識別情報に対応する動画像フレームが必要な動画像フレームであるか否かを判定する要不要判定手段と、
前記記録手段に記録される識別情報と、その識別情報に対応する前記記録手段の記録位置を示す情報とが対応付けられたテーブルを用いて、前記要不要判定手段により必要な動画像フレームと判定された動画像フレームの識別情報に対応する前記記録手段の記録位置に記録される動画像フレームのみを前記記録手段から読み出す読出し制御手段と、
を備えることを特徴とする画像読出し装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像読出し装置であって、
前記記録手段には、MPEG2形式で符号化された前記動画像を記録されているとともに、符号化後の動画像の各動画像フレームは、それぞれ複数のTSパケットに分割され、それらTSパケットにそれぞれ識別情報としてのPIDが付与されて記録されており、
前記読出し制御手段は、前記要不要判定手段により必要な動画像フレームと判定された動画像フレームのPIDに対応する前記記録手段の記録位置に記録されるデータのみを前記記録手段から読み出す読出す
ことを特徴とする画像読み出し装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像読出し装置であって、
入力される動画像の各動画像フレームにそれぞれ対応する、前記要不要判定データを生成する要不要判定データ生成手段と、
前記入力される動画像を符号化するとともに、その符号化後の動画像の各動画像フレームにそれぞれ識別情報を付与して前記記録手段に記録する画像符号化手段と、
前記動画像フレームに付与された識別情報と、その動画像フレームに対応する要不要判定データとを統合してメタデータを生成して前記記録手段に記録するメタデータ生成手段と、
を更に備えることを特徴とする画像読出し装置。
【請求項4】
動画像を記録手段に記録する画像処理装置と、前記記録手段から動画像を読み出す画像読出し装置とを備える画像処理システムであって、
前記画像処理装置は、
入力される動画像の各動画像フレームにそれぞれ対応する、必要な動画像フレームであるか否かを判定するために用いられる要不要判定データを生成する要不要判定データ生成手段と、
前記入力される動画像を符号化するとともに、その符号化後の動画像の各動画像フレームにそれぞれ識別情報を付与して前記記録手段に記録する画像符号化手段と、
前記動画像フレームに付与された識別情報と、その動画像フレームに対応する要不要判定データとを統合してメタデータを生成して前記記録手段に記録するメタデータ生成手段と、
を備え、
前記画像読出し装置は、
前記記録手段からメタデータを読み出し、そのメタデータにおける要不要判定データに基づいて、そのメタデータにおける識別情報に対応する動画像フレームが必要な動画像フレームであるか否かを判定する要不要判定手段と、
前記記録手段に記録される識別情報と、その識別情報に対応する前記記録手段の記録位置を示す情報とが対応付けられたテーブルを用いて、前記要不要判定手段により必要な動画像フレームと判定された動画像フレームの識別情報に対応する前記記録手段の記録位置に記録される動画像フレームのみを前記記録手段から読み出す読出し制御手段と、
を備えることを特徴とする画像処理システム。
【請求項5】
請求項4に記載の画像処理システムであって、
前記画像符号化手段は、前記入力される動画像をMPEG2形式で符号化するとともに、符号化後の動画像の各動画像フレームをそれぞれ複数のTSパケットに分割しつつ、それらTSパケットにそれぞれ識別情報としてのPIDを付与して前記記録手段に記録する
ことを特徴とする画像処理システム。
【請求項6】
請求項4に記載の画像処理システムであって、
前記要不要判定データ生成手段は、前記動画像フレーム中の被写体の位置及びサイズを前記要不要判定データとして生成し、
前記要不要判定手段は、前記記録手段から読み出したメタデータにおける要不要判定データが示す被写体のサイズが所定のサイズよりも小さい場合であって、前記記録手段から読み出したメタデータにおける要不要判定データが示す被写体の位置が所定の範囲外に位置する場合、そのメタデータにおける識別情報に対応する動画像フレームが必要な動画像フレームでないと判定する
ことを特徴とする画像処理システム。
【請求項7】
請求項4に記載の画像処理システムであって、
前記要不要判定データ生成手段は、前記動画像フレーム中の画像特徴量に基づいて、前記要不要判定データを生成し、
前記要不要判定手段は、前記記録手段から読み出したメタデータにおける要不要判定データが示す画像特徴量と、そのメタデータに対応する動画像フレームに近接する動画像フレームのメタデータにおける要不要判定データが示す画像特徴量と、の差異が所定値以下の場合、そのメタデータにおける識別情報に対応する動画像フレームが必要な動画像フレームでないと判定する
ことを特徴とする画像処理システム。
【請求項8】
請求項7に記載の画像処理システムであって、
前記画像特徴量が、被写体の構図を示す構図指標である
ことを特徴とする画像処理システム。
【請求項9】
請求項7に記載の画像処理システムであって、
前記画像特徴量が、画像の輝度値の統計量である
ことを特徴とする画像処理システム。
【請求項10】
請求項4に記載の画像処理システムであって、
前記要不要判定データ生成手段は、前記動画像フレームの撮影時のフォーカス情報を前記要不要判定データとして生成し、
前記要不要判定手段は、前記記録手段から読み出したメタデータにおける要不要判定データが示すフォーカス情報から、そのメタデータに対応する動画像フレームのフォーカスが合っていない、又は、フォーカスが安定していない、と判断した場合、そのメタデータにおける識別情報に対応する動画像フレームが必要な動画像フレームでないと判定する
ことを特徴とする画像処理システム。
【請求項11】
請求項4に記載の画像処理システムであって、
前記要不要判定データ生成手段は、前記動画像フレームの撮影時のズーム情報を前記要不要判定データとして生成し、
前記要不要判定手段は、前記記録手段から読み出したメタデータにおける要不要判定データが示すズーム情報と、そのメタデータに対応する動画像フレームの一つ前の動画像フレームのメタデータにおける要不要判定データが示すズーム情報と、から、ズームレンズのレンズ位置が安定していないと判断した場合、そのメタデータにおける識別情報に対応する動画像フレームが必要な動画像フレームでないと判定する
する
ことを特徴とする画像処理システム。
【請求項12】
請求項4に記載の画像処理システムであって、
被写体側からの信号を受信する無線アンテナを備え、
前記要不要判定データ生成手段は、前記無線アンテナにより受信される信号の受信信号強度を前記要不要判定データとして生成し、
前記要不要判定手段は、前記記録手段から読み出したメタデータにおける要不要判定データが示す受信信号強度が、所定の値より低い場合、そのメタデータにおける識別情報に対応する動画像フレームが必要な動画像フレームでないと判定する
ことを特徴とする画像処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−70265(P2013−70265A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−207819(P2011−207819)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】