説明

画像読取装置、及び画像形成装置

【課題】 指向性があり、照射対象面における特定方向の所定幅内に光量が集中する光を照明光として原稿面に照射する画像読取装置で、原稿面の段差による影映像を目立ちにくくする。
【解決手段】 照明装置1から照射された平行光である照明光Liの一部分である第一照明光Laを案内手段としての第一照射ミラー72が反射して、照明光Liの他部分である第二照明光Lbが原稿載置面6fに到るまでの光路とは別の光路へ第一照明光Laを案内し、第一照射ミラー72が、仮想読取面の一部である原稿載置面6fにおける第二照明光Lbの照射点である撮像領域Aを通る法線Nを挟んで、第二照明光Lbの反対側から第一照明光Laを原稿載置面6fに入射する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージスキャナ等の画像読取装置、並びにこれを備えた複写機やファクシミリ等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
紙面等に表された原稿の画像データを読み取って各種の処理に提供する画像読取装置は、原稿面に光源から照明光を照射し、撮像領域に位置する原稿面で反射した反射光をCCD等の光電変換デバイスを備えた撮像手段に入射させるようにしてある。
従来の画像読取装置として、特許文献1に記載の画像読取装置のように、光源として画像を読み取ることが可能な領域の主走査方向の全幅に到る蛍光灯などの光源ランプを備えたものがある。特許文献1の画像読取装置では、主走査方向全域を撮像可能な一次元撮像素子を備え、原稿面の主走査方向の全域に照明光を照射することで、撮像領域に位置する原稿画像の主走査方向全域の画像情報を取得できる。そして、原稿画像と撮像領域との相対位置を副走査方向に移動させていくことよって原稿画像を二次元に読み取ることができる。
【0003】
このような光源ランプによる発光を、主走査方向に直交する平面で見たとすると、光源ランプを中心に光が拡散する状態となっており、光源ランプから発した光の一部のみが原稿面に入射する構成である。このような、光源ランプを用いた構成では、発光のために光源に供給される電力の無駄につながる。
このような光源の電力の無駄を省くことができる構成として、照射方向に指向性があり、照射対象面における特定方向の所定幅内に光量が集中する光を照明光として原稿面に照射する照明装置を備えものがある(例えば、特許文献2のライン光源)。このような照射装置を備えた画像読取装置では、照射対象である原稿面における特定方向が副走査方向であり、副走査方向の光量が集中する所定幅内に、撮像領域が入るように構成する。これにより、副走査方向における撮像領域の近傍のみに照明することができ、光の拡散を抑制し、発光のために光源に供給される電力をより有効に用いることができる。
【0004】
照射方向に指向性があり、照射対象面における特定方向の所定幅内に光量が集中する光を照明光として原稿面に照射する照明装置を備えた構成の一例について図16を用いて説明する。
図16は、指向性のある照明光を照射する照明手段を備えた従来の画像読取装置300を正面から見た模式図である。図16における手前と奥との方向が主走査方向であるので、図16は画像読取装置300の主走査方向に直交する平面での模式図である。
図16に示すように、原稿面Fに原稿画像が形成された記録紙Sは、コンタクトガラス6の原稿載置面6fに載置され、原稿押え板8によって押えられる。照明手段である照明装置1から照射される照明光Liは照明光軸Lcに沿うように指向性のある光である。照明装置1から照射された照明光Liは、第二折返しミラー5、第一折返しミラー4、集光ミラー79の順に反射して、撮像領域Aに位置する記録紙Sの原稿面Fに入射する。撮像領域Aに位置する原稿面Fで反射した反射光のうち受光ミラーに入射する読取光Lrは、変向ミラー71で反射し、第一折返しミラー4、第二折返しミラー5の順で反射して撮像手段としての撮像装置2に入射する。撮像装置2では入射した結像レンズ201に入射した読取光Lrは撮像素子であるCCD202で結像し、CCD202は入射した読取光Lrに基づいて画像情報を生成することにより原稿面Fの原稿画像を読み取る。
また、照明装置1は、原稿面Fの主走査方向の全域に照明光Liを照射することができる構成であり、撮像装置2が備えるCCD202は主走査方向全域を撮像可能な一次元撮像素子である。そのため、原稿面Fの主走査方向の全域に照明光Liを照射することで、撮像領域Aに位置する原稿画像の主走査方向全域の画像情報を取得できる。そして、集光ミラー79及び変向ミラー71を備える第一走行体7を、図16中の矢印Bで示す副走査方向に移動して、原稿面Fの原稿画像に対する撮像領域Aの位置を副走査方向に移動させていきながら、原稿画像の主走査方向全域の画像情報を取得する。これにより、原稿画像を二次元に読み取ることができる。
【0005】
原稿面Fで反射する反射光は拡散するが、図16に示すように、原稿載置面6fの法線方向に反射する反射光を読取光Lrとして受光することが好ましい。原稿載置面6fの法線方向に反射する読取光Lrを受光して撮像装置2で画像情報を生成することにより、原稿面Fを正面から見た画像情報を取得することができる。他の角度で反射した反射光を受光して、画像情報を生成すると原稿面Fを斜めから見た状態の画像情報となる。
【0006】
また、原稿面Fで原稿載置面6fの法線方向に反射する読取光Lrを受光する場合、図16に示すように、撮像領域Aに入射する照明光Liの照明光軸Lcが原稿載置面6fの法線Nに対して傾斜するように構成する。ハーフミラーを用いる構成等により、読取光Lrの光軸と照明光軸Lcとを一致させることにより、原稿載置面6fの法線方向から照明光Liを撮像領域Aに入射させることは可能である。原稿載置面6fの法線方向の反射光である読取光Lrを受光する構成で、照明光軸Lcと原稿載置面6fの法線Nとを一致させると、コンタクトガラス6の原稿載置面6fの裏面に入射した照明光Liの正反射光が読取光Lrと同じ光軸で反射する。そして、原稿載置面6fの裏面の正反射光は光量が大きく、読取光Lrよりも明るい光となることがあるため、読取光Lrから適切な画像情報が得られなかったり、真っ白な画像の画像情報となったりする。
一方、図16に示すように、撮像領域Aに入射する照明光Liの照明光軸Lcが原稿載置面6fの法線Nに対して傾斜するように構成することで、原稿載置面6fの裏面の正反射光の光軸は読取光Lrの光軸とは異なるようになる。これにより、原稿載置面6fの裏面の正反射光と読取光Lrとが同じ光軸で反射することによる不具合を防止することができる。
【0007】
【特許文献1】特開平9−284486号公報
【特許文献2】特開平10−190990号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、撮像領域Aに入射する照明光Liの照明光軸Lcが原稿載置面6fの法線Nに対して傾斜するように構成すると、次のような不具合が生じる。
原稿面Fの原稿画像と撮像領域Aとの相対位置を副走査方向に移動させていくと、図16に示すように記録紙Sの端部などで、段差の境の低くなっている箇所が撮像領域Aとなることがある。この状態で、図16のように照明光Liが段差の高い側から照射される場合、撮像領域Aに位置する原稿押え板8表面には照明光Liが当たりにくい状態となる。これにより、段差の境の低くなっている箇所に段差の影が映り、その影となっている箇所を読み取ることで、原稿画像の端部に影映像(主に黒線)が発生した状態で画像情報が取得されるという不具合が生じる。この画像情報に基づいて画像形成を行うと、原稿画像の端部に相当する位置に黒線の画像が形成される。なお、原稿面Fの段差による影映像は、記録紙Sの端部だけでなく、原稿表面Fに紙片を貼り付けるなどして段差がある場合は、その段差に沿った影映像が生じる恐れがある。
また、図16ではコンタクトガラス6の原稿載置面6fに原稿画像が形成された記録紙Sを載置し、照明光Liの照明光軸Lcが原稿載置面6fの法線Nに対して傾斜する構成について説明した。しかし、コンタクトガラス6を備えたものに限らず、原稿画像を備えた原稿面を上方に向けて上方から画像を読み取るものであっても、原稿面に対して斜めに照明光Liが照射するものであれば、同様の不具合が生じる。コンタクトガラス6を備えないものについては、原稿面は必ずしも一定の平面ではないため、原稿面と対向する位置にコンタクトガラス6の原稿載置面6fに相当する仮想読取面があるものとして考える。このとき、照明光の照明光軸が仮想読取面の法線に対して傾斜するように構成するものであれば、同様の不具合が生じる。
【0009】
本発明は、以上の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、指向性があり、照射対象面における特定方向の所定幅内に光量が集中する光を照明光として原稿面に照射するもので、原稿面の段差による影映像を目立ちにくくする画像読取装置、並びにこれを備えた画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、仮想読取面上における特定方向の所定幅内に光量が集中するように照明光を照射する照明手段と、該仮想読取面に沿って配置される原稿面部分で該照明光が反射した反射光を受光して撮像する撮像手段とを有し、該仮想読取面に対する該照明光の入射方向が該仮想読取面の法線に対して該特定方向に傾斜した画像読取装置において、上記照明手段から照射された照明光のうち上記特定方向に対応する方向における一部分を、該照明光の他部分が上記仮想読取面に到るまでの光路とは別の光路へ案内し、該仮想読取面上における該照明光の他部分の照射点を通る法線を挟んで該他部分の照明光の反対側から該一部分の照明光を該仮想読取面に入射させる案内手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像読取装置において、上記撮像手段が受光する上記反射光が、上記仮想読取面の法線方向に反射した反射光となるように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の画像読取装置において、上記照明手段から照射される上記照明光が、上記特定方向に対応する方向の長さが一定の平行光であることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1、2または3の画像読取装置において、上記照明光の上記一部分と、該照明光の上記他部分とをそれぞれ独立して集光させる集光手段を備えることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1、2、3または4の画像読取装置において、上記案内手段が、上記照明光の上記一部分のみを反射する一部照明光反射部材を備えることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5の画像読取装置において、上記一部照明光反射部材の上記特定の方向に対応する方向で上記照明光の上記他部分の光路側の端部である照明光他部分側端部の角を鋭角に形成したことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項5または6の画像読取装置において、上記一部照明光反射部材の上記特定の方向に対応する方向で上記照明光の上記他部分の光路側の端部である照明光他部分側端部を黒色としたことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項5、6または7の画像読取装置において、上記一部照明光反射部材によって反射された上記照明光の上記一部分と、該一部照明光反射部材では反射されず通過した該照明光の他部分とを、それぞれ集光させる集光レンズを、該一部分のみが通る光路と該他部分が通る光路とにそれぞれ配置したことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項5、6または7の画像読取装置において、上記照明光が上記一部照明光反射部材に到達する前の該照明光の光路に、集光レンズを配置したことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項5、6または7の画像読取装置において、上記一部照明光反射部材では反射されず通過した上記照明光の上記他部分を反射する他部照明光反射部材を備え、該一部照明光反射部材及び該他部照明光反射部材は、反射する光を集光する形状であることを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10の画像読取装置において、上記仮想読取面における上記特定方向に直交する方向について、光源からの光を複数の分割光に分割する分割照明レンズと、該直交する方向に分割された分割光を上記原稿面で重畳させる直交方向分割光重畳手段とを備えることを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11の画像読取装置において、原稿面に原稿画像が形成された記録体が載置される原稿載置面を備える原稿台を備え、該原稿載置面が上記仮想読取面に含まれることを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、画像読取手段と、該画像読取手段が読み取った画像情報に基づいて記録体上に画像を形成する画像形成手段とを有する画像形成装置において、上記画像読取手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12の画像読取装置を用いることを特徴とするものである。
【0011】
上記請求項1乃至13の画像読取装置においては、照明光の一部分を他部分とは異なる光路で仮想読取面まで案内し、仮想読取面上における照明光の他部分の照射点を通る法線を挟んで一方の照明光の反対側から他方の照明光を仮想読取面に入射させる。この構成により、照射対象である原稿面における特定方向の光量が集中する所定幅内の撮像領域には、撮像領域における仮想読取面法線を挟んで特定方向の両側から照明光が入射する。そのため、原稿面の段差の延びる方向が特定方向と交差する状態であれば、原稿面の段差の低くなっている箇所が撮像領域に位置し、段差の高い側から照射される照明光が撮像領域に入射しにくい状態であっても、撮像領域における仮想読取面の法線を挟んでは特定方向の反対側、すなわち、段差の低い側から照射される照明光が撮像領域に入射する。
【発明の効果】
【0012】
請求項1乃至13の発明によれば、段差の境で低くなっている箇所が撮像領域であっても、段差の高い側から照射される照明光により影映像となる箇所に反対側から照射される照明光が入射するため、段差の影となる領域と他の領域との明るさの違いが緩和し、影映像を目立ちにくくすることができるという優れた効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明をタンデム型のカラー画像形成装置に適用した実施形態について説明する。
図2は、実施形態にかかる画像形成装置としての複写機の概略構成図である。この複写機は、複写装置本体(以下、プリンタ部100という)、給紙テーブル(以下、給紙部200という)を備える。また、プリンタ部100の上部に取り付けるスキャナ部である画像読取装置300、画像読取装置300の上部に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)(以下、原稿搬送部400という)を備えている。また、複写機内の各装置の動作を制御する図示しない制御部も備えている。
【0014】
プリンタ部100は、その中央に中間転写体としての中間転写ベルト10を備えている。中間転写ベルト10は、第一支持ローラ14、第二支持ローラ15及び第三支持ローラ16に掛け回され、図中時計回りに表面移動可能となっている。そして、中間転写ベルト10に対向するように、表面にブラック・イエロー・マゼンタ・シアンのうちの1色のトナー像をそれぞれ担持する潜像担持体としての4つの感光体ドラム40K、40Y、40M、40Cを備えている。4つの感光体ドラム40K、40Y、40M、40Cの表面にトナー像を形成するための現像ユニット61K、61Y、61M、61Cを備えている。更に、一次転写後の感光体ドラム40K、40Y、40M、40C表面に残留しているトナーを除去する感光体クリーニング装置63K、63Y、63M、63Cも備えている。4つの感光体ドラム40K、40Y、40M、40C、現像ユニット61K、61Y、61M、61C、そして、感光体クリーニング装置63K、63Y、63M、63Cからなる4つの画像形成ユニット18K、18Y、18M、18Cを横に並べて配置してタンデム画像形成ユニット20が構成する。また、第三支持ローラ16のと中間転写ベルト10を挟んで対向するように、トナー像を記録体としての転写紙上に転写した後の中間転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去するベルトクリーニング装置17を備えている。また、プリンタ部100は、タンデム画像形成ユニット20の上方に露光装置21を備えている。
【0015】
また、中間転写ベルト10の内側で各感光体ドラム40K、40Y、40M、40Cと中間転写ベルト10を挟んで対向する位置には、一次転写ローラ62K、62Y、62M、62Cを備えている。一次転写ローラ62K、62Y、62M、62Cは中間転写ベルト10を挟んで感光体ドラム40K、40Y、40M、40Cに押し当てて設けられ、一次転写部を形成している。
【0016】
一方、中間転写ベルト10を挟んでタンデム画像形成ユニット20と反対の側には、二次転写装置を備える。この二次転写装置は、二次転写ローラ22と二次転写ベルト張架ローラ23との間に、二次転写ベルト24を掛け渡して構成している。二次転写装置は、二次転写ローラ22が支持する位置で、二次転写ベルト24が中間転写ベルト10を介して第三支持ローラ16に押し当てられ、二次転写ベルト24と中間転写ベルト10との間で二次転写部としての二次転写ニップ部を形成するように配置されている。
【0017】
二次転写装置の図中左側には、転写紙上の転写画像を定着する定着装置25を備えている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27を押し当てて構成する。また、上述した二次転写装置には、二次転写ニップ部でトナー像の転写を受けた転写紙を定着装置25へと搬送する転写紙搬送機能も備えてなる。なお、二次転写装置として、転写ローラや非接触のチャージャを配置してもよく、そのような場合は、この転写紙搬送機能を併せて備えることは難しくなる。
【0018】
二次転写装置および定着装置25の下には、上述したタンデム画像形成ユニット20と平行に、転写紙の両面に画像を記録すべく転写紙を反転する転写紙反転装置28を備えている。これによって、転写紙の片面に画像定着後に、切換爪で転写紙の進路を転写紙反転装置側に切り換え、そこで反転させて再び二次転写ニップ部に転写紙を搬送し、トナー像を転写させた後、排紙トレイ上に排紙させることができる。
【0019】
詳細は後述する画像読取装置300は、コンタクトガラス6上に載置された原稿の画像情報を撮像装置2で読み取り、読み取った画像情報をこの制御部に送る。
【0020】
不図示の制御部は、画像読取装置300から受け取った上記画像情報に基づき、プリンタ部100の露光装置21内に配設された図示しないレーザやLED等を制御して感光体ドラムに向けてレーザ書き込み光Lを照射させる。この照射により、感光体ドラム40の表面には静電潜像が形成され、この潜像は所定の現像プロセスを経由してトナー像に現像される。
【0021】
給紙部200は、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセット44、給紙カセットから転写紙を繰り出す給紙ローラ42、繰り出した転写紙を分離して給紙路46に送り出す分離ローラ45、プリンタ部の給紙路48に転写紙を搬送する搬送ローラ47等を備えている。
【0022】
本実施形態の複写機では、給紙部200以外に、手差し給紙も可能となっており、手差しのための手差しトレイ51、手差しトレイ51上の転写紙を手差し給紙路53に向けて一枚ずつ分離する分離ローラ52も装置側面に備えている。
【0023】
レジストローラ49は、それぞれ給紙カセット44又は手差しトレイ51に載置されている転写紙を1枚だけ排出させ、中間転写体としての中間転写ベルト10と二次転写装置との間に位置する二次転写ニップ部に送る。
【0024】
本実施形態の複写機において、カラー画像のコピーをとるとき、原稿搬送部400の原稿トレイ30上に原稿をセットするか、又は原稿搬送部400を開いて画像読取装置300のコンタクトガラス6上に原稿をセットして原稿搬送部400を閉じることで原稿を押える。
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿搬送部400に原稿をセットしたときは原稿をコンタクトガラス6上へと搬送して後、他方コンタクトガラス6上に原稿をセットしたときは直ちに、画像読取装置300を駆動し、原稿の画像情報を読み取る。
【0025】
そして、画像読取装置から画像情報を受け取ると、上述のようなレーザ書き込みや、後述する現像プロセスを実施させて感光体ドラム上にトナー像を形成させるとともに、該画像情報に応じたサイズの転写紙を給紙させるべく、4つの給紙ローラのうちの1つを作動させる。
また、これに伴って、不図示の駆動モータで第一支持ローラ14、第二支持ローラ15または第三支持ローラ16のうちの1つを回転駆動して他の二つの支持ローラを従動回転し、中間転写ベルト10を回転搬送する。同時に、個々の画像形成ユニット18で感光体ドラム40を回転して各感光体ドラム40上にそれぞれ、ブラック・イエロー・マゼンタ・シアンの単色画像を形成する。そして、中間転写ベルト10の搬送とともに、それらの単色画像を順次転写して中間転写ベルト10上に合成カラー画像を形成する。
一方、給紙部200では給紙ローラ42の1つを選択回転し、給紙カセット44の1つから転写紙を繰り出し、分離ローラ45で1枚ずつ分離して給紙路46に入れ、搬送ローラ47で複写機本体であるプリンタ部100内の給紙路48に導き、この転写紙をレジストローラ49に突き当てて止める。又は、給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上の転写紙を繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。なお、手差しトレイ51上の転写紙を用いる場合は、給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上のシートを繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。
そして、中間転写ベルト10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転し、中間転写ベルトと二次転写ローラ22との当接部である二次転写ニップ部に転写紙を送り込み、ニップに形成されている転写用電界や当接圧力などの影響によってカラー画像を二次転写して転写紙上にカラー画像を記録する。
【0026】
二次転写ニップ部でカラー画像の転写を受けた後の転写紙は、二次転写装置の二次転写ベルト24で定着装置25へと送り込まれ、定着装置25で加圧ローラ27と定着ベルトとによる加圧力と熱の付与によりカラー画像を定着される。その後、排出ローラ56で排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。また、両面に画像形成される転写紙は、カラー画像を定着された後、切換爪55で切り換えて転写紙反転装置28に搬送され、そこで反転されて再び二次転写ニップ部へと導かれ、裏面にも画像を記録して後、排出ローラ56で排紙トレイ57上に排出される。
一方、二次転写ニップ部で転写紙にカラー画像を転写した後の中間転写ベルト10の表面は、残留する残留トナーがベルトクリーニング装置17によって除去され、タンデム画像形成ユニット20による再度の画像形成に備える。
【0027】
次に、画像読取装置300について説明する。
図3は、従来の画像読取装置300の斜視説明図であり、図4は、従来の画像読取装置300の正面模式図である。
図3及び図4に示す画像読取装置300は、原稿面Fに原稿画像が形成された記録紙Sは、原稿台としてのコンタクトガラス6の原稿載置面6fに載置される。第一走行体7は、光源である光源ランプ78、リフレクタ77、及び変向ミラー71を備え、第二走行体3は、第一折返しミラー4、及び第二折返しミラー5を備えている。光源ランプ78から照射された光、及び、光源ランプ78からの光を受けたリフレクタ77で反射された光が撮像領域Aに照射される。そして、その反射光である読取光Lrが変向ミラー71、第一折返しミラー4、及び第二折返しミラー5を通して、結像レンズ201によって一次元撮像素子であるCCD202に結像し、CCD202が撮像領域Aに位置する原稿画像の画像情報を一次元に取得する。
【0028】
第一走行体7と第二走行体3とは、走行体駆動モータ305による駆動を伝達手段である駆動伝達ベルト306を介して、伝達され、第一走行体7は第二走行体3の2倍の移動速度で図中矢印B方向に走行する。第一走行体7が第二走行体3の2倍の移動速度で移動することにより、コンタクトガラス6の原稿載置面6fから結像レンズ201までの読取光Lrの光路の長さを一定にすることができる。このため、結像レンズ201の結像位置がCCD202の撮像素子面となる状態を保ちながら、原稿載置面6fにおいてライン状の撮像領域に対して直交する方向に走行することになる。これにより、原稿画像と撮像領域Aとの相対位置を、ライン状の撮像領域Aに直交する方向に移動させていくことができ、原稿載置面6f上にある原稿面Fの原稿画像をCCD202にて順次読み出して二次元に取得する。この第一走行体7が走査する方向を副走査方向と呼び、一次元撮像素子であるCCD202が読み取る画像方向を主走査方向と呼ぶ。
【0029】
通常撮像素子であるCCD202として一次元CCDが用いられ、結像レンズ201は原稿載置面6fに対して縮小してCCD202上に結像している。また、第一走行体7とと第二走行体3の走行速度比は2:1に設定してあるので第二走行体3の移動距離は第一走行体7の移動距離の半分となり、撮像領域Aから結像レンズ201およびCCD202までの距離は第一走行体7、第二走行体3の位置によらず一定となる。
【0030】
スキャナの通常の画像解像度はDPI(ドット/inch)で表され、デジタル複写機に搭載されるスキャナは400ないし600DPIである場合が多い。
特にカラースキャナでは、R(赤)・G(緑)・B(青)の各光に感度を有する3ラインのCCDを副走査方向に配置した、3ラインCCDを撮像素子として用いる事が多い。各画素列の間は、CCD画素の4ないし8倍程度の距離があり、かならずしも一体となっている訳ではない。また、これを画像読取装置に搭載した場合、各RGBに対応するCCD画素の読取位置は、副走査方向にずれて読み取ることになり、照明手段も各読取位置に合せる必要がある。
【0031】
図1は、本実施形態の画像読取装置300の正面模式図である。
図1に示す本実施形態の画像読取装置300は、照明手段である照明装置1が、照射する照明光Liが、指向性のある光である点で、図3及び図4を用いて説明した従来の画像読取装置300と異なる。原稿面に指向性のある照明光Liを照射するように構成することにより、光源ランプ78を用いた構成に比べて、光の拡散を抑制し、発光のために光源に供給される電力をより有効に用いることができる。
【0032】
次に、本実施形態の画像読取装置300について説明する。
図1に示すように、本実施形態の画像読取装置300は、原稿画像が形成された記録体である記録紙Sを原稿載置面6fに載置する原稿台としてのコンタクトガラス6と、原稿載置面6f上の記録紙Sを押える原稿押え板8を有する。また、記録紙Sの原稿画像が形成された原稿面Fに照明光Liを照射する照射手段としての照明装置1と、原稿面Fで反射した読取光Lrを受光して原稿面Fの撮像領域Aに位置する箇所の原稿画像を撮像する撮像手段としての撮像装置2とを有する。第一走行体7は、変向ミラー71及び詳細は後述する二つの反射部材72及び73を備え、第二走行体3は、第一折返しミラー4、及び第二折返しミラー5を備えている。
【0033】
照明手段である照明装置1が照射する照明光Liは、照明光軸Lcに沿うような指向性がある光であり、原稿載置面6fにおける副走査方向の所定幅内に光量が集中する光である。
照明装置1から照射された照明光Liは、第二折返しミラー5、第一折返しミラー4及び2つの反射部材72、73の順に反射して、撮像領域Aに位置する記録紙Sの原稿面Fに入射する。なお、照明装置1から照射される照明光Liは、原稿載置面6fに照射したときの副走査方向に対応する方向の長さが、照明装置1から第一走行体7に到るまでの光路で一定の平行光である。撮像領域Aに位置する原稿面Fで反射した読取光Lrは、変向ミラー71で反射し、第一折返しミラー4、第二折返しミラー5の順で反射して撮像手段としての撮像装置2に入射する。撮像装置2では入射した結像レンズ201に入射した読取光Lrは撮像素子であるCCD202で結像し、CCD202は入射した読取光Lrに基づいて画像情報を生成することにより原稿面Fの原稿画像を読み取る。
また、照明装置1は、原稿面Fの主走査方向の全域に照明光Liを照射する可能な構成であり、撮像装置2が備えるCCD202は主走査方向全域を撮像可能な一次元撮像素子である。そのため、原稿面Fの主走査方向の全域に照明光Liを照射することで、撮像領域Aに位置する原稿画像の主走査方向全域の画像情報を取得できる。そして、2つの反射部材72、73と変向ミラー71とを備える第一走行体7を、図1中の矢印Bで示す副走査方向に移動して、原稿面Fの原稿画像に対する撮像領域Aの位置を副走査方向に移動させていきながら、原稿画像の主走査方向全域の画像情報を取得する。これにより、原稿画像を二次元に読み取ることができる。
【0034】
原稿面Fで反射する反射光は拡散するが、本実施形態では、図1に示すように、撮像領域Aの鉛直下方に変向ミラー71を配置し、原稿面Fで原稿載置面6fの法線方向に反射する反射光を読取光Lrとして受光するように構成している。原稿載置面6fの法線方向に反射する読取光Lrを受光して撮像装置2で画像情報を生成することにより、原稿面Fを正面から見た画像情報を取得することができる。
【0035】
次に、本実施形態の特徴部について説明する。
図1に示すように、画像読取装置300では、照明装置1から照射された平行光である照明光Liの一部分である第一照明光Laを、第一走行体7に配置された2つの反射部材の一方である案内手段としての第一照射ミラー72が反射する。これにより、照明光Liの他部分である第二照明光Lbが原稿載置面6fに到るまでの光路とは別の光路へ第一照明光Laを案内する。そして、案内手段としての第一照射ミラー72は、原稿載置面6fにおける第二照明光Lbの照射点を通る法線Nを挟んで、第二照明光Lbの反対側から第一照明光Laを原稿載置面6fに入射させる。すなわち、異なる光路を通って原稿載置面6fに到る第一照明光Laと第二照明光Lbとが法線Nを挟んで、副走査方向の両側から撮像領域Aに位置する原稿面Fに入射するように、原稿面Fを照射している。なお、原稿載置面6fは仮想読取面の一部を構成する。また、本実施形態では照射点は第二照明光Lbの光軸が原稿載置面6fに入射する位置であり、撮像領域Aと略一致する。
図1に示す画像読取装置300の第一走行体7は、照明光Liの一部分である第一照明光Laのみを反射する一部照明光反射部材としての第一照射ミラー72を備える。さらに、第一走行体7は、第一照射ミラー72では反射されず、通過した他部分の照明光である第二照明光Lbを反射する他部照明光反射部材としての第二照射ミラー73を備えている。
第一折返しミラー4で反射して、第一走行体7に向かった照明光Liは、その略中央部部分よりも下側が第一照明光Laとして第一照射ミラー72によって反射する。そして、第一照射ミラー72で反射した第一照明光Laが法線Nに対して矢印Bで示す副走査方向の上流側から撮像領域Aに位置する原稿面Fに照射される。一方、第一照射ミラー72で反射されなかった照明光(略中央部分よりも上側)である第二照明光Lbは、第二照射ミラー73によって反射する。そして、第二照射ミラー73で反射した第二照明光Lbが法線Nに対して矢印Bで示す副走査方向の下流側から撮像領域Aに位置する原稿面Fに照射される。
【0036】
また、図1に示すように、第一照明光La及び第二照明光Lbの撮像領域Aに入射するときの光軸は、原稿載置面6fの法線Nに対して傾斜するように第一照射ミラー72及び第二照射ミラー73を配置している。これにより、撮像領域Aにおける法線N上となる撮像領域Aの鉛直下方に配置された変向ミラー71に入射し、撮像装置2まで到る読取光Lrに、コンタクトガラス6の原稿載置面6fの裏面に入射した第一照明光La及び第二照明光Lbの正反射光が入射することがない。これにより、撮像装置2がコンタクトガラス6の原稿載置面6fの裏面に入射した光の正反射光を受光することに起因する画像不良の発生を防止することができる。
【0037】
法線Nに対して、照射方向が副走査方向に傾斜した照明光が撮像領域Aに入射する構成では、図1のように記録紙Sの端部の段差の境の低くなっている箇所が撮像領域Aとなる場合、段差の高い側から照射される光は照射領域Aには当りにくい状態となり、段差の境の低くなっている箇所に段差の影が映る。すなわち、図1は、段差の高い側である副走査方向下流側から照射される第二照明光Lbが撮像領域Aに入射しにくい状態であり、第二照明光Lbだけでは撮像領域Aに段差の影が映る状態となる。
本実施形態の画像読取装置300では、法線Nを挟んで副走査方向の上流側から第一照明光Laが撮像領域Aに位置する原稿面Fに入射するため、段差の低い側から第一照明光Laが撮像領域Aに入射する状態となる。これにより、段差の境で低くなっている箇所が撮像領域Aとなっても、段差の高い側から照射される第二照明光Lbにより影映像となる箇所に、反対側から照射される第一照明光Laが入射するため、段差の影となる領域と他の領域との明るさの違いが緩和し、影映像を目立ちにくくすることができる。これにより、記録紙Sの端部での影の発生を抑えることができる。
なお、本実施形態では、法線Nと読取光Lrの光軸は一致するため、読取光Lrの光軸である読取光軸に対して、副走査方向の上流側及び下流側の両側から照明光Liによって撮像領域Aに位置する原稿面Fが照明された状態である。
【0038】
法線Nを挟んで副走査方向の両側から撮像領域Aに照射する構成は、法線Nの副走査方向上流側から照明光を照射する照明装置と、法線Nの副走査方向下流側から照明光を照射する照明装置との2つの照明装置を設けることでも実現可能である。しかし、法線Nを挟んで両側から照明するために2つの照明装置を備えるとコスト高につながる。これに対して、本実施形態の画像読取装置300であれば、一つの照明装置1から照射される照明光Liの一部分を他部分とは異なる光路で原稿載置面6fまで案内し、法線Nを挟んで両側から照明することができるため、コストを抑えることができる。
また、照明光Liの一部分を他部分とは異なる光路で原稿載置面6fまで案内する構成として、本実施形態では、照明光Liの指向性により光量が集中する幅の略中心に第一照射ミラー72の上端部が位置するように、第一照射ミラー72を配置する。これにより、照明光Liの略半分の光を第一照射ミラー72で反射することができる。そして、第一照射ミラー72で反射した第一照明光Laと、第一照射ミラー72で反射せず直進した第二照明光Lbとをそれぞれ異なる光路で原稿面Fに照射するように構成することにより、照明光Liによって二方向から原稿面Fに照射することができる。このように、案内手段して、照明光Liの一部のみを反射する第一照射ミラー72を用いることにより、特別な光分離装置を用いることなく安価な構成で照明光Liを二方向から原稿面Fに照射することができる。
また、このような画像読取装置300を備えた複写機では、安価な構成で原稿の記録紙Sの端部での影の発生を抑制した画像形成を実現することができる。
【0039】
次に、本実施形態に用いる照明装置1について説明する。
図5は、照明装置1を上方から見た概略説明図であり、図6は、照明装置1を側方から見た概略説明図である。
照明装置1は、光源としてLED101を備え、これを図中矢印Cで示す主走査方向に直線上に並べて配置している。LED101に対して照明装置1の照射方向に対して前側に、集光レンズ102、照明レンズ103、及び結合レンズ104を備えている。
個別のLED101は透明樹脂で封入されており、この透明樹脂の照明装置1の照射方向に対して後ろ側には回転放物面鏡101aが形成されている。これは、LED101から放射された光束が回転放物面鏡101aで反射して略平行光として出力するように形成されている。なお、この回転放物面鏡101aのLED101と対向する放物面の焦点距離は、放物面からLED101までの距離である。
集光レンズ102はLED101からの光束を主走査方向に分割し、照明レンズ103の個別のシリンダレンズに対し切り出した光束を全部透過させるために集光させるレンズである。集光レンズ102は、図7(a)に示すようなシリンダ(レンズ)アレイであり、図7(b)のようなシリンダ(レンズ)を並べたものである。なお、シリンダ(レンズ)としては、図7(d)に示すようなものを並べても良い。
統合レンズ104は集光レンズ102、照明レンズ103で分割、照射された光束を照明対象面に重畳させるためのレンズで光軸Lmを軸対称とした通常のレンズである。集光レンズ102、照明レンズ103で分割された光束の光軸(副光軸と称する)を照明対象面の中心(主光軸)に合せられ、分割された光束を照明対象面上に重畳できる。
このように設定すると集光レンズ102の個別のシリンダのサイズの像が照明対象面上での大きさに投影され、シリンダアレイの個々のシリンダの幅を通過した光束は全部照明対象面に届く。このシリンダからの個々の光束による照明では照度むらが激しいものとなっているが、全体を重畳した結果は平坦となっている。
このような照明装置1によって、主走査方向の照度むらを抑えながら効率的に照明対象面を照明することができる。
【0040】
図6に示すように、照射対象である原稿載置面6fに照射したときの副走査方向Bに対応する長さである照射光幅Lが一定のまま照射される平行光である。図6に示すように、透明樹脂で封入されたLED101から発する光束は、後端には回転放物面鏡101bでほぼ平行光束にされて出力される。そして、集光レンズ102と照明レンズ103とは図6のように装置側方から見ると平行平板と同様の振る舞いとなるので、入射前にほぼ平行となった光束はほとんど影響を受けずに、集光レンズ102と照明レンズ103とを平行光のまま通過する。
【0041】
統合レンズ104としては、図7(c)に示すようにレンズの中心部から外した部分を用いる。こうすると、光源であるLED101、集光レンズ102、照明レンズ103、及び統合レンズ104をユニットとしてまとめて、照明装置1として結像レンズ201の横に置くことができる。
なお、本実施形態では照明装置1から照射される照明光Liと結像レンズ201に入射する読取光Lrとの光軸がことなるため、図1に示すように、高さ方向にdhだけシフトした位置に配置する。
また、図5の領域Dには、母線Lmで対象な照明装置1と同じ構成の2つめの照明装置を配置しても良い。領域Dに2つ目の照明装置を配置した場合、照明装置1の場合と照明光Liが照射される領域は同じであるが、同じ領域に照射される光量が増えるため、撮像領域Aに照射される照明光Liを図5の構成よりも明るくすることができる。
【0042】
図1に示すように、第一照射ミラー72の上端部は、第二照明光Lbの光路側の端部である照明光他部分側端部であるので、第一照射ミラー72の上端部にも照明光Liが当る。反射した光を撮像領域Aに向ける第一照射ミラー72の反射面と、照明光他部分側端面である第一照射ミラー72の上部端面とは向きが異なるため、この端面に光が入射すると、第一照射ミラー72の反射面とは異なる方向に光が反射し、乱反射を起こしやすい。乱反射した光を撮像装置2が受光し、画像情報を生成すると、フレアと呼ばれる画像不良が発生した状態の画像情報となる。
【0043】
図8は、第一照射ミラー72の照明光他部分側端部付近で照明光Liが乱反射することを防止する一つ目の例の第一照射ミラー72と第二照射ミラー73との説明図である。
図8に示す例では、一部照明光反射部材である第一照射ミラー72の上端部である第一ミラー上端部72eにおける、第一ミラー反射面72fと第一ミラー上部端面72gとが成す角θを鋭角に形成している。照明光Liの略中央部分よりも下側は第一照射ミラー72に反射するため、第一ミラー上端部72eにも照明光Liは当る。第一ミラー反射面72fと第一ミラー上部端面72gとが成す角θを鋭角としているので、照明光Liが照明光他部分側端面である第一ミラー上部端面72gに入射することを防止することができる。これにより、第一ミラー上端部72e付近での乱反射を防止することができ、フレアの発生を抑制することができる。フレアの発生を抑制することにより、画像読取装置300を備える複写機で画像形成を行ったときの画像品質の向上を図ることができる。
【0044】
図9は、第一照射ミラー72の照明光他部分側端部付近で照明光Liが乱反射することを防止する二つ目の例の第一照射ミラー72と第二照射ミラー73との説明図である。
図9に示す例では、第一照射ミラー72及び第二照射ミラー73の上下の端面を黒色としている。黒色とすることにより、照明光Liが当ってもほとんど反射しないため、第一照射ミラー72の照明光他部分側端面である第一ミラー上部端面72gで照明光Liが反射することを防止できる。これにより、第一ミラー上端部72e付近での乱反射を防止することができ、フレアの発生を抑制することができる。各照射ミラーの上下の端面を黒色とする方法としては、黒色の塗装、表面処理、黒色物質の貼付などを挙げることができる。
フレアの発生を抑制することにより、画像読取装置300を備える複写機で画像形成を行ったときの画像品質の向上を図ることができる。
【0045】
本実施形態の照明光Liは、図1に示すように、照明光Liは、原稿載置面6fに照射したときの副走査方向に対応する方向の長さが、照明装置1から第一走行体7に到るまでの光路で一定の平行光である。平行光の照明光Liは、光路を二つに分けて原稿面Fに照射してもその照射領域は副走査方向にある程度の幅を持った照射領域となる。一方、CCD202によって、一度に読み込まれる画像が位置する撮像領域Aは略ライン上であり、副走査方向の幅は非常に狭い。そして、撮像領域A以外の照射領域に当っている光は画像の読込には寄与しておらず、無駄な光となっている。よって、平行光である照明光Liを作像領域Aの近傍に集光することによって、より効率が良い照明を実現することができる。
【0046】
図10は、平行光である照明光Liを撮像領域Aの近傍に集光する一つ目の例の画像読取装置300の正面模式図である。
図10に示す例では、第一照明光Laのみが通る光路である第一照射ミラー72で反射された第一照明光Laが原稿面Fに到達するまでの間の光路上に第一集光レンズ74を備える。一方、第二照明光Lbのみが通る光路である第二照射ミラー73で反射された第二照明光Lbが原稿面Fに到達するまでの間の光路上には第二集光レンズ75を備える。第一照明光La及び第二照明光Lbを、第一集光レンズ74及び第二集光レンズ75を通過させることにより、照射対象である原稿載置面6fに照射したときの副走査方向Bに対応する長さである照射光幅Lが収束するようにして集光することにより、原稿面Fでの照射領域の副走査方向の幅を狭めることができる。そして、第一照明光La及び第二照明光Lbを、読取光Lrの光軸近傍に集光するように第一集光レンズ74及び第二集光レンズ75を配置することにより、効率の良い照明を行うことができる。これにより、照明効率を向上することができ、照明光Liを発光のために光源に供給される電力の省電力化を図ることができる。よって、画像読取装置300を備える複写機全体での省電力化を図ることができる。
【0047】
図11は、平行光である照明光Liを撮像領域Aの近傍に集光する二つ目の例の画像読取装置300の正面模式図である。
図11に示す例では、照明光Liが一部照明光反射部材である第一照射ミラー72に到達する前の照明光Liの光路である、第一折返しミラー4で反射された照明光Liが第一照射ミラー72に到達するまでの間の光路上に、照明光集光レンズ76を備える。照明光集光レンズ76を通過した照明光Liは、照射光幅Lが狭まりながら第一照射ミラー72に到達する。そして、第一照射ミラー72で反射された第一照明光Laはその照射光幅Lが狭まりながら原稿面Fに向かい、原稿面Fで集光する。一方、照明光集光レンズ76を通過した後、第一照射ミラー72で反射されなかった第二照明光Lbは、その照射光幅Lが狭まりながら第二照射ミラー73に到達し、第二照射ミラー73で反射して原稿面Fに向かい、原稿面Fで集光する。そして、第一照明光La及び第二照明光Lbを、読取光Lrの光軸近傍に集光するように照明光集光レンズ76を配置することにより、効率の良い照明を行うことができる。これにより、照明効率を向上することができ、照明光Liを発光のために光源に供給される電力の省電力化を図ることができる。よって、画像読取装置300を備える複写機全体での省電力化を図ることができる。
【0048】
図12は、平行光である照明光Liを撮像領域Aの近傍に集光する三つ目の例の画像読取装置300の正面模式図である。
図12に示す例では、第一照射ミラー72及び第二照射ミラー73が、反射する光の照射対象である原稿載置面6fに照射したときの副走査方向Bに対応する長さである照射光幅Lを収束させるようにして撮像領域Aに位置する原稿面Fで集光する形状となっている。第一照射ミラー72及び第二照射ミラー73としては、放物面鏡を用いる。図13は、第一照射ミラー72及び第二照射ミラー73に用いる放物面鏡の斜視図である。
図12に示す例の画像読取装置300では、照明装置1から照射された平行光の照明光Liは、第一走行体7に配置された放物面鏡からなる第一照射ミラー72によってその一部分が他部分とは異なる光路に案内されて、原稿面Fに入射する。第一折返しミラー4から第一走行体7に向かった照明光Liは、その略中央部分よりも下側が放物面鏡である第一照射ミラー72によって反射する。第一照射ミラー72で反射した光である第一照明光Laは、法線Nの副走査方向の上流側から撮像領域Aに位置する原稿面Fに集光して照射される。第一照射ミラー72で反射されなかった光(略中央部分よりも上側)である第二照明光Lbは、第二照射ミラー73に入射して、反射する。第二照射ミラー73で反射した第二照明光Lbは、法線Nの副走査方向の下流側から撮像領域Aに位置する原稿面Fに集光して照射される。
これにより、撮像領域Aにおける原稿載置面6fの法線である法線Nに対して副走査方向の上流側及び下流側の両側から原稿が照明され、原稿端部の影の発生が抑えられる。また集光によって効率の良い照明が実現される。このような画像読取装置300を備える複写機では、影の発生を抑えることにより画像品質の向上を図ることができ、効率の良い照明によって複写機の省電力化を図ることができる。
【0049】
図12に示した画像読取装置300のように、第一照射ミラー72及び第二照射ミラー73としては、放物面鏡を用いる構成であっても、図1の画像読取装置300と同様に、第一照射ミラー72の上端部に照明光Liが当る。そして、第一照射ミラー72の上部端面に照明光Liが当り反射すると乱反射するおそれがある。
図14は、第一照射ミラー72及び第二照射ミラー73として放物面鏡を用いた構成で、第一照射ミラー72の照明光他部分側端部付近で照明光Liが乱反射することを防止する一つ目の例の説明図である。
図14に示すように、第一照射ミラー72の上端部である第一ミラー上端部72eにおける、第一ミラー反射面72fと第一ミラー上部端面72gとが成す角θを鋭角に形成している。これにより、図8を用いて説明した例と同様に、照明光Liの略中央部分より下側は第一照射ミラー72の第一ミラー反射面72fに反射するが、その上側(照明光他部分側)端部は、その角が鋭角に構成されており、端部付近での乱反射を防止することができ、フレアの発生を抑えることができる。フレアの発生を抑制することにより、画像読取装置300を備える複写機で画像形成を行ったときの画像品質の向上を図ることができる。
【0050】
図15は、第一照射ミラー72及び第二照射ミラー73として放物面鏡を用いた構成で、第一照射ミラー72の照明光他部分側端部付近で照明光Liが乱反射することを防止する二つ目の例の説明図である。図15に示す例では、図9を用いて説明した例と同様に、第一照射ミラー72及び第二照射ミラー73の上下の端面を黒色としている。放物面鏡からなる第一照射ミラー72及び第二照射ミラー73の上下の端面は黒色(黒色の塗装・表面処理・黒色物質の貼付など)に構成されているため、端部付近での乱反射を防止することができ、フレアの発生を抑えることができる。フレアの発生を抑制することにより、画像読取装置300を備える複写機で画像形成を行ったときの画像品質の向上を図ることができる。
【0051】
実施形態の画像読取装置300では、撮像領域Aの鉛直下方に変向ミラー71を配置して、原稿面Fの撮像領域Aにおける原稿載置面6fの法線方向に反射する反射光を読取光Lrとして撮像装置2に入射させる構成について説明した。変向ミラー71の位置としては、撮像領域Aの鉛直下方に限るものではなく、原稿載置面6fの裏面に入射する第一照射ミラー72または第二照射ミラー73の正反射光を受光しない位置で、照明光Liの反射光を受光できる位置であればよい。変向ミラー71を撮像領域Aの鉛直下方以外に配置する場合は、読取光Lrによって得られる画像情報が、原稿画像の正面画像ではなく、斜めから見た状態の画像情報となるため、画像情報を原稿画像の正面画像となるような画像処理を必要とする。
また、実施形態の画像読取装置300の照射する指向性のある照明光Liが、平行光である構成について説明したが、指向性を備えつつ発散する光や、照射対象に向かうにつれて収束していく光であっても良い。照明装置1が平行光の照明光Liを照射することにより、指向性があっても発散する照明光を照射する構成に比べて、より効率的な照明を行うことができる。また、指向性があっても収束していく照明光を照射する構成に比べて、光量の集中する幅が一定であるため照明装置1から原稿載置面6fに到る光路の設計を行いやすい。
また、実施形態では、図2に示すように画像読取装置300を画像形成装置である複写機に設置する構成について説明したが、本実施形態の画像読取装置300を適用する構成としては画像形成装置に限るものではない。例えば、原稿搬送部400と、画像読取装置300とを基本構成としてファクシミリ装置を形成することは容易である。また、画像読取装置300を基本構成としてスキャナ装置を形成しても良い。
【0052】
以上、本実施形態によれば、画像読取装置300では、照明装置1から照射された平行光である照明光Liの一部分である第一照明光Laを案内手段としての第一照射ミラー72が反射して、照明光Liの他部分である第二照明光Lbが原稿載置面6fに到るまでの光路とは別の光路へ第一照明光Laを案内し、第一照射ミラー72が、仮想読取面の一部である原稿載置面6fにおける第二照明光Lbの照射点を通る法線Nを挟んで、第二照明光Lbの反対側から第一照明光Laを原稿載置面6fに入射することによって、異なる光路を通って原稿載置面6fに到る第一照明光Laと第二照明光Lbとが法線Nを挟んで、副走査方向の両側から撮像領域Aに位置する原稿面Fに入射するように、原稿面Fを照射している。そのため、原稿面Fと原稿押え板8との段差の延びる方向が副走査方向と交差する状態であれば、段差の低くなっている箇所である原稿押え板8側が撮像領域に位置し、段差の高い側から照射される第二照明光Lbが撮像領域Aに入射しにくい状態であっても、法線Nを挟んでは副走査方向の反対側、すなわち、段差の低い側から照射される第一照明光Laが撮像領域に入射する。これにより、段差の高い側から照射される第二照明光Lbにより影映像となる箇所に反対側から照射される第一照明光Laが入射するため、段差の影となる領域と他の領域との明るさの違いが緩和し、影映像を目立ちにくくすることができる。このような画像読取装置300を複写機が備えることにより、原稿面の段差に対応する箇所の黒線を抑えることができる。
また、撮像手段である撮像装置2が受光する読取光Lrが、原稿載置面6fの法線方向に反射した反射光となるように、作像領域Aの鉛直下方に変向ミラー71を配置することにより、法線Nに対して入射方向が副走査方向に傾斜した、第一照明光La及び第二照明光Lbの正反射光が撮像装置2に入射することを防止することができる。このような画像読取装置300を複写機が備えることにより、撮像装置2に照明光の正反射光が入射することに起因する画像不良の発生を防止することができる。
また、照明装置1から照射される照明光Liが、照射光幅Lがほとんど変化しない平行光であることにより、指向性があっても発散する照明光を照射する構成よりも効率的な照明を行うことができ、指向性があっても収束していく照明光を照射する構成に比べて照明装置1から原稿載置面6fに到る光路の設計を行いやすい。
また、照明光Liの一部分である第一照明光Laと、照明光の他部分である第二照明光Lbとをそれぞれ独立して原稿面Fで集光させる集光手段としての第一集光レンズ74と第二集光レンズ75とをそれぞれ備えることにより、原稿面Fでの照射領域の副走査方向の幅を狭めることができ、効率の良い照明を行うことができる。これにより、照明光Liを発光のために光源に供給される電力の省電力化を図ることができ、画像読取装置300を備える複写機全体での省電力化を図ることができる。
また、第一照明光Laを第二照明光Lbとは異なる光路に案内し、法線Nを挟んで第二照明光Lbの反対側から第一照明光Laを原稿面Fに入射させる案内手段として、照明光Liの第一照明光Laの部分のみを反射する一部照明光反射部材としての第一照射ミラー72を備えることにより、特別な光分離装置を用いることなく安価な構成で照明光Liを二方向から原稿面Fに照射することができる。このような画像読取装置300を備えた複写機では、安価な構成で原稿の記録紙Sの端部での影の発生を抑制した画像形成を実現することができる。
また、第一照射ミラー72の照明光Liの副走査方向に対向する方向で第二照明光Lbの光路側の端部である照明光他部分側端部である第一ミラー上端部72eにおける、第一ミラー反射面72fと第一ミラー上部端面72gとが成す角θを鋭角に形成することにより、第一ミラー上端部72e付近での乱反射を防止することができ、フレアの発生を抑制することができる。フレアの発生を抑制することにより、画像読取装置300を備える複写機で画像形成を行ったときの画像品質の向上を図ることができる。
また、第一照射ミラー72及び第二照射ミラー73の上下の端面を黒色としている。黒色とすることにより、照明光Liが当ってもほとんど反射しないため、第一ミラー上部端面72gで照明光Liが反射することを防止できる。これにより、第一ミラー上端部72e付近での乱反射を防止することができ、フレアの発生を抑制することができる。フレアの発生を抑制することにより、画像読取装置300を備える複写機で画像形成を行ったときの画像品質の向上を図ることができる。
また、照明光Liが第一照射ミラー72に到達する前の光路に、照明光Liを原稿面Fで集光させる照明光集光レンズ76を配置したことにより、照明効率を向上することができ、照明光Liを発光のために光源に供給される電力の省電力化を図ることができる。よって、画像読取装置300を備える複写機全体での省電力化を図ることができる。
また、第一照射ミラー72では反射されず通過した第二照明光Lbを反射する他部照明光反射部材としての第二照射ミラー73を備え、第一照射ミラー72及び第二照射ミラー73は、反射する光を原稿面上で集光する放物面鏡であることにより、第一照明光La及び第二照明光Lbを原稿面F上でそれぞれ集光させることができるので、照明効率を向上することができ、照明光Liを発光のために光源に供給される電力の省電力化を図ることができる。よって、画像読取装置300を備える複写機全体での省電力化を図ることができる。
また、照明装置1は、原稿載置面6f上における副走査方向に直交する方向である主走査方向について、光源であるLED101からの光束を複数の光束に分割する分割照明レンズとしての照明レンズ103と、主走査方向に分割された光束を撮像領域Aに位置する原稿面Fで重畳させる直交方向分割照明光重畳手段としての統合レンズ104とを備える。これにより、主走査方向の照度むらを抑えながら効率的に照明対象面である原稿面Fを照明することができる。このような照明装置1を備える画像読取装置300では、主走査方向全域に渡って良好に画像を読み取ることができる。また、画像読取装置300を備える複写機では、良好な画像形成を行うことができる。
また、画像読取装置300が、原稿面Fに原稿画像が形成された記録紙Sが載置される原稿載置面6fを備える原稿台としてのコンタクトガラス6を備え、原稿載置面6fが仮想読取面に含まれることにより、コンタクトガラス6を介して下方から原稿画像を読み取る構成の画像読取装置300に本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】実施形態に係る画像読取装置の正面模式図。
【図2】実施形態に係る複写機の概略構成図。
【図3】従来の画像読取装置の斜視説明図。
【図4】従来の画像読取装置の正面模式図。
【図5】照明装置を上方から見た概略説明図。
【図6】照明装置を側方から見た概略説明図。
【図7】レンズの斜視図、(a)は集光レンズ、(b)は集光レンズが備える個別のシリンダレンズの一つ目の例、(c)は結合レンズ、(d)はシリンダレンズの一つ目の例の斜視図。
【図8】乱反射を防止する一つ目の例の第一照射ミラーと第二照射ミラーとの説明図。
【図9】乱反射を防止する二つ目の例の第一照射ミラーと第二照射ミラーとの説明図。
【図10】照明光を集光する一つ目の例の画像読取装置の正面模式図。
【図11】照明光を集光する二つ目の例の画像読取装置の正面模式図。
【図12】照明光を集光する三つ目の例の画像読取装置の正面模式図。
【図13】第一照射ミラー72及び第二照射ミラー73に用いる放物面鏡の斜視図。
【図14】放物面鏡からなる第一照射ミラーと第二照射ミラーとの乱反射を防止する一つ目の例の説明図。
【図15】放物面鏡からなる第一照射ミラーと第二照射ミラーとの乱反射を防止する二つ目の例の説明図。
【図16】指向性のある照明光を照射する照明装置を備えた従来の画像読取装置の正面模式図。
【符号の説明】
【0054】
1 照明装置
2 撮像装置
3 第二走行体
4 第一折返しミラー
5 第二折返しミラー
6 コンタクトガラス
6f 原稿載置面
7 第一走行体
8 原稿押え板
10 中間転写ベルト
21 露光装置
24 二次転写ベルト
25 定着装置
71 変向ミラー
72 第一照射ミラー
73 第二照射ミラー
77 リフレクタ
78 光源ランプ
100 プリンタ部
200 給紙部
201 結像レンズ
202 CCD
300 画像読取装置
400 原稿搬送部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想読取面上における特定方向の所定幅内に光量が集中するように照明光を照射する照明手段と、
該仮想読取面に沿って配置される原稿面部分で該照明光が反射した反射光を受光して撮像する撮像手段とを有し、
該仮想読取面に対する該照明光の入射方向が該仮想読取面の法線に対して該特定方向に傾斜した画像読取装置において、
上記照明手段から照射された照明光のうち上記特定方向に対応する方向における一部分を、該照明光の他部分が上記仮想読取面に到るまでの光路とは別の光路へ案内し、該仮想読取面上における該照明光の他部分の照射点を通る法線を挟んで該他部分の照明光の反対側から該一部分の照明光を該仮想読取面に入射させる案内手段を設けたことを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
請求項1の画像読取装置において、
上記撮像手段が受光する上記反射光が、上記仮想読取面の法線方向に反射した反射光となるように構成したことを特徴とする画像読取装置。
【請求項3】
請求項1または2の画像読取装置において、
上記照明手段から照射される上記照明光が、上記特定方向に対応する方向の長さが一定の平行光であることを特徴とする画像読取装置。
【請求項4】
請求項1、2または3の画像読取装置において、
上記照明光の上記一部分と、該照明光の上記他部分とをそれぞれ独立して集光させる集光手段を備えることを特徴とする画像読取装置。
【請求項5】
請求項1、2、3または4の画像読取装置において、
上記案内手段が、上記照明光の上記一部分のみを反射する一部照明光反射部材を備えることを特徴とする画像読取装置。
【請求項6】
請求項5の画像読取装置において、
上記一部照明光反射部材の上記特定の方向に対応する方向で上記照明光の上記他部分の光路側の端部である照明光他部分側端部の角を鋭角に形成したことを特徴とする画像読取装置。
【請求項7】
請求項5または6の画像読取装置において、
上記一部照明光反射部材の上記特定の方向に対応する方向で上記照明光の上記他部分の光路側の端部である照明光他部分側端部を黒色としたことを特徴とする画像読取装置。
【請求項8】
請求項5、6または7の画像読取装置において、
上記一部照明光反射部材によって反射された上記照明光の上記一部分と、該一部照明光反射部材では反射されず通過した該照明光の他部分とを、それぞれ集光させる集光レンズを、該一部分のみが通る光路と該他部分が通る光路とにそれぞれ配置したことを特徴とする画像読取装置。
【請求項9】
請求項5、6または7の画像読取装置において、
上記照明光が上記一部照明光反射部材に到達する前の該照明光の光路に、集光レンズを配置したことを特徴とする画像読取装置。
【請求項10】
請求項5、6または7の画像読取装置において、
上記一部照明光反射部材では反射されず通過した上記照明光の上記他部分を反射する他部照明光反射部材を備え、
該一部照明光反射部材及び該他部照明光反射部材は、反射する光を集光する形状であることを特徴とする画像読取装置。
【請求項11】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10の画像読取装置において、
上記仮想読取面における上記特定方向に直交する方向について、光源からの光を複数の分割光に分割する分割照明レンズと、該直交する方向に分割された分割光を上記原稿面で重畳させる直交方向分割光重畳手段とを備えることを特徴とする画像読取装置。
【請求項12】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11の画像読取装置において、
原稿面に原稿画像が形成された記録体が載置される原稿載置面を備える原稿台を備え、
該原稿載置面が上記仮想読取面に含まれることを特徴とする画像読取装置。
【請求項13】
画像読取手段と、
該画像読取手段が読み取った画像情報に基づいて記録体上に画像を形成する画像形成手段とを有する画像形成装置において、
上記画像読取手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12の画像読取装置を用いることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2008−116670(P2008−116670A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−299488(P2006−299488)
【出願日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】