画像読取装置、画像形成装置
【課題】 複数のラインセンサで読取った画像データから、隣り合うラインセンサの画像データであって繋ぎ合わせ付近の所定範囲の隣接部分の画像データに基づいて、画像データの補正を行い、繋ぎ目の部分が滑らかな画像データを取得する画像読取装置および画像形成装置を提供する。
【解決手段】 千鳥状に配置した複数のラインセンサによって白基準板の画像データを取得し、繋ぎ目部分から所定範囲の画像データを抽出する。その抽出されて画像データを用いて、隣同士の画像データの出力レベル差を演算する。この出力レベル差は、中央に配置されたラインセンサに近いほうのラインセンサの画像データに一致するように遠いほうのラインセンサの画像データのレベルを一様にシフトさせるための設定値とする。中央に配置されたラインセンサから外側に順にこの設定値を演算し求める。画像データ取得の際にこの設定値に基づいて変換された画像データを取得する。
【解決手段】 千鳥状に配置した複数のラインセンサによって白基準板の画像データを取得し、繋ぎ目部分から所定範囲の画像データを抽出する。その抽出されて画像データを用いて、隣同士の画像データの出力レベル差を演算する。この出力レベル差は、中央に配置されたラインセンサに近いほうのラインセンサの画像データに一致するように遠いほうのラインセンサの画像データのレベルを一様にシフトさせるための設定値とする。中央に配置されたラインセンサから外側に順にこの設定値を演算し求める。画像データ取得の際にこの設定値に基づいて変換された画像データを取得する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿を読取る画像読取装置およびその画像読取装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のラインセンサを原稿の読取り部分の一部が重複するように千鳥状に配置した画像読取装置が広く知られている。ラインセンサによって読取った画像データは繋ぎ合わせて1つの画像データに加工される。
【0003】
しかしラインセンサ毎に性能や読取り条件が異なるので、ラインセンサ間には読取った画像データのレベル差が生じる。取得した画像データをそのまま繋ぎ合わせると、そのレベル差によって繋ぎ目部分に線状の模様が現れる。
【0004】
このような問題を解決するために、例えば特開2002−57860号公報に記載の技術が開示されている。これによれば、複数のラインセンサを主走査線において相互に一部が重なるように配置した場合、隣接するラインセンサの出力を相互の主走査線の重なる距離に基づいて加重平均することにより、複数のラインセンサから読取った画像情報に基づいて主走査線方向のオーバーラップ域について、その距離の値に従って画像情報の補正処理を行い、複数のラインセンサで読取った画像情報から、両者の繋ぎ目部分が滑らかな画像を得るとしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−57860号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし従来の技術では、オーバーラップ域の全域のデータを用いて加重平均をしていた。オーバーラップ域であっても、繋ぎ目部分では、どちらか片一方のラインセンサの読取りデータを使用し、他方のラインセンサからの読取りデータは使用しないことになる。使用しない部分のラインセンサの出力を補正に使用する場合に、その部分のセンサ出力値が他の部分と比べ出力値が著しく異なるような不具合がある場合に、その不具合部分も含めた補正をしてしまい正確な補正ができなくなる。すなわち、使用しないセンサ部分にもかかわらず、その読取りデータによって値を補正してしまうので、繋ぎ目部分に線状の模様が生じることや、また、実際に使用するセンサで取得した読取りデータとは異なる色合いとなる問題がある。
【0007】
また、人は離れた位置にある微妙な色の違いは認識し難いが、隣り合う位置の色の微妙な違いは気がつく。ラインセンサの繋ぎ部分は波長の違いにより色差が発生するところである為、色に段差ができないように色補正する必要がある。
【0008】
本発明は、複数のラインセンサで読取った画像データから、隣り合うラインセンサの画像データであって繋ぎ合わせ付近の隣接部分の所定範囲の画像データに基づいて、画像データの補正を行い、繋ぎ目の部分が滑らかな画像データを取得する画像読取装置および画像形成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の画像読取装置は、隣り合うラインセンサの読取り部分を所定の画素数だけ主走査方向に千鳥状に重ねて配置したラインセンサユニットと、前記隣り合うラインセンサの読取り部分同士が主走査方向に重ならないように読取範囲が予め決められ、前記隣り合うラインセンサの前記読取範囲から取得した読取データを繋ぎ合せて1つの画像データを出力する画像読取装置において、前記隣り合うラインセンサの前記読取範囲の内の最端部から内側に配置される所定範囲のセンサにより読取った白基準板の読取データの平均値を前記隣り合うラインセンサ同士で比率を演算する演算手段と、前記演算手段で取得した前記比率を補正値として記憶するメモリと、前記隣り合うラインセンサの内前記ラインセンサユニットの中央に近い位置に配置された一方のラインセンサを基準にして他方のラインセンサの読取データを前記メモリに記憶された前記比率に基づいて変換する補正手段と、を有し、原稿を読取る場合に前記ラインセンサユニットの中央に配置されたラインセンサの読取データに対して他のラインセンサの読取データを前記補正手段によって補正した後に、前記隣り合うラインセンサで読取った読取データを繋ぎ合わせることを特徴とする。
【0010】
本発明の画像形成装置は、上述画像読取装置と、画像を記憶媒体に記録する画像形成手段と、前記記録媒体を画像形成手段に搬送する搬送手段と、を有し、前記画像読取装置で取得した前記画像データに基づいて前記記憶媒体に画像を記録することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
複数のラインセンサで読取った画像データの繋ぎ目の部分が滑らかな画像データを取得できる。また、複数のラインセンサで読取った画像データの繋ぎ目の部分が滑らかな画像データに基づいて記録媒体に出力することで、記録媒体上に画像データの繋ぎ目の部分が滑らか画像を記録できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、原稿を読取るラインセンサの配置を説明する図である。
【図2】図2は、隣り合うラインセンサの繋ぎ目部分を説明する図である。
【図3】図3は、隣り合うライセンサの出力レベルを示す図である。
【図4】図4は、画像形成装置の構成の概略図である。
【図5】図5は、画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態を説明する。
図1は、原稿を読取るラインセンサの配置を説明する図である。ラインセンサユニット1は、第1ラインセンサ2、第2ラインセンサ3、第3ラインセンサ4、第4ラインセンサ5、第5ラインセンサ6の5つのラインセンサを2列に並べて配置してある。原稿7は矢印の方向に第1搬送ローラ8によって搬送される。原稿7がラインセンサユニット1を通過して第2搬送ローラ9に到達すると、原稿7は第1搬送ローラ8と第2搬送ローラ9によって搬送される。第1搬送ローラ8と第2搬送ローラ9は原稿7の搬送手段の一部を構成する。
【0014】
第1ラインセンサ2と第2ラインセンサ3は第1境界10を含む部分で原稿7を重複して読取る。同様に、第2ラインセンサ3と第3ラインセンサ4は第2境界11を含む部分で原稿7を重複して読取る。同様に、第3ラインセンサ4と第4ラインセンサ5は第3境界12を含む部分で原稿7を重複して読取る。同様に、第4ラインセンサ5と第5ラインセンサ6は第4境界13を含む部分で原稿7を重複して読取る。原稿7の搬送方向を副走査方向、副走査方向に垂直方向であるラインセンサユニット1の長手方向を主走査方向とする。
【0015】
第1ラインセンサ2の第1境界10と隣接する所定範囲、例えば16画素分のセンサ領域、は後述する補正に使用する補正データ取得範囲14である。第2ラインセンサ3の第1境界10と隣接する所定範囲、例えば16画素分のセンサ領域、は後述する補正に使用する補正データ取得範囲15である。第2ラインセンサ3の第2境界11と隣接する所定範囲、例えば16画素分のセンサ領域、は後述する補正に使用する補正データ取得範囲16である。第3ラインセンサ4の第2境界11と隣接する所定範囲、例えば16画素分のセンサ領域、は後述する補正に使用する補正データ取得範囲17である。第3ラインセンサ4の第3境界12と隣接する所定範囲、例えば16画素分のセンサ領域、は後述する補正に使用する補正データ取得範囲18である。第4ラインセンサ5の第3境界12と隣接する所定範囲、例えば16画素分のセンサ領域、は後述する補正に使用する補正データ取得範囲19である。第4ラインセンサ5の第4境界13と隣接する所定範囲、例えば16画素分のセンサ領域、は後述する補正に使用する補正データ取得範囲20である。第5ラインセンサ6の第4境界13と隣接する所定範囲、例えば16画素分のセンサ領域、は後述する補正に使用する補正データ取得範囲21である。
【0016】
第1ラインセンサ2と第2ラインセンサ3は第1境界10を境に取得した画像データを繋ぎ合わせる。他のラインセンサも同様に各境界を堺に取得した画像データを繋ぎ合わせる。各ラインセンサの各境界位置、補正データ取得範囲の位置は予め後述するRAM等のメモリに記憶されている。
【0017】
図2は、隣り合うラインセンサの繋ぎ目部分を説明する図である。隣り合うラインセンサによって読取った画像データは、境界22を境に繋ぐ。ラインセンサ使用部23、26によって読取られた画像データが繋ぎ合わされる。ラインセンサ不使用部24、27は画像データが繋ぎ合わされることなく使用されない。ラインセンサ使用部23、26によって読取った画像データの内の補正データ取得範囲25、28の16画素分の画像データは後述する補正処理に使用される。
【0018】
図3は、隣り合うライセンサの出力レベルを示す図である。図2で示された隣り合うラインセンサで取得した画像データの出力値である。
【0019】
出力値29はラインセンサ使用部23とラインセンサ不使用部24によって取得した白基準板を読取ったときの画像データの出力値である。白基準板は白色の基準となる。この白基準板で取ったデータが取得可能な読取値の最大値となる。出力値30はラインセンサ使用部26とラインセンサ不使用部27によって取得した白基準板を読取ったときの画像データの出力値である。ラインセンサの位置によって微妙に出力値が異なる。
【0020】
読取範囲35はラインセンサ使用部23に相当する。読取範囲36はラインセンサ使用部26に相当する。読取範囲33は補正データ取得範囲25に相当する。読取範囲34は補正データ取得範囲28に相当する。
【0021】
何も補正しない場合は、各ラインセンサの繋ぎ目部分には出力値差32が生じる。これはセンサ個々の性能の差、照射する光の差などの原因による。そこで、後述する補正処理によって、繋ぎ目部分の出力値差を無くす方向に出力値30をシフトさせる。これによって、出力値30は補正処理後に点線で示された出力値31となる。繋ぎ目部分の出力値差が無くなり、繋ぎ目部分が滑らかな画像データを取得できる。
【0022】
図4は、画像形成装置の構成の概略図である。画像形成装置43の構成の概要を説明する。画像形成装置43は、画像形成部38と画像読取装置37を備える。画像形成手段39には、装置内部に格納されたロール紙40が供給される。ロール紙40は、ロール状に記録媒体を巻いたものである。記録媒体は、紙、薄い扁平なプラスチックフィルムなどである。ロール紙40は、複数の搬送ローラ41によって画像形成手段39に搬送され、画像形成手段39によって画像が記録され、外部に排出される。搬送ローラ41は記録媒体を搬送する搬送手段の一部である。画像形成手段39は、例えば、電子写真式記録装置、インクジェット記録装置などのプリンタ装置である。画像読取装置37は、原稿42を読取り画像データに変換するラインセンサユニット1を有する。さらに原稿42を挟持しながら搬送する搬送ローラ45とピンチローラ44のローラ対を有する。原稿42はラインセンサユニット1上を通過するように搬送される。ラインセンサユニット1によって取得した画像データを画像形成部38に出力することで、取得した画像データに基づいて、例えば等倍、拡大、縮小して、画像をロール紙40に記録する。
【0023】
図5は、画像形成装置の構成を示すブロック図である。
制御手段46は画像形成装置の全体を制御する制御手段である。例えば制御手段46はCPUを有する。ROM47は制御手段46の動作プログラムやデータを保存する記憶手段である。RAM48は制御手段46の動作に従って、データを読み書きするメモリである。
【0024】
画像形成手段39は記録媒体に画像を記録する手段である。第1用紙搬送手段49は画像形成手段39に記録媒体を搬送する搬送ローラ41を含む搬送手段である。ラインセンサユニット1は原稿を読取る複数のラインセンサが配置された画像読取用のセンサである。第2用紙搬送手段50はピンチローラ44、搬送ローラ45を含み、原稿を搬送する手段である。メモリにはラインセンサ毎に境界の位置、境界間のセンサの位置、補正データ取得範囲、ラインセンサ使用部の範囲、ラインセンサ不使用部の範囲が記憶されている。また、メモリすなわちRAM48には各ラインセンサで取得した画像データを記憶する領域がある。また、メモリにはラインセンサ毎に設定値を記憶する領域をもつ。これらの情報を基に制御手段46がプログラムにしたがって演算を行う。
【0025】
次に、画像形成装置43の動作について説明する。
ラインセンサは夫々少しずつ出力特性に差がある。そこで、各ラインセンサの出力特性を予め一定の範囲に入るように予備調整を行う。この予備調整の処理は、白基準板を読取ったときに所定の値の出力値を取得するように照明用のLEDの点灯時間を求め、この点灯時間を基準点灯時間として値をRAM48に保存する。R、G、Bの各色は各色用のLEDを点灯させ、A/D変換後の出力値が所定の値、例えば3000、になるように点灯時間を求め、基準点灯時間とする。グレーの場合はR、G、Bの各色より高めの出力値、例えばA/D変換後の値が3500となるように点灯時間を求め、基準点灯時間とする。
【0026】
このように最大出力値が同レベルとなるように予め設定する。この予備調整によって、各ラインセンサの出力値のばらつきが有る程度抑えられる。さらに、画像の繋ぎ目を滑らかにする色相補正の処理をする。
【0027】
第3ラインセンサ4はラインセンサユニット1の中央に配置されている。この第3ラインセンサ4の色相に第2ラインセンサ3と第4ラインセンサ5を合わせる補正を行う。更に、第2ラインセンサ3の色相に第1ラインセンサ2を合わせる補正と、第4ラインセンサ5の色相に第5ラインセンサ6を合わせる補正をする。全てのラインセンサの補正を行った上でシェーディング補正を行う。
【0028】
(1)第1のステップの説明をする。
まず、各色の色相補正パラメータの初期値を設定しRAM48に記憶する。色はR、G、B、グレーである。設定する色相補正パラメータは色相の補正を行わない基準となる値であり、所定の値である。例えば、ここでは1を設定する。
【0029】
(2)第2のステップの説明をする。
次に、白基準板を読取る。白基準板を読取るラインセンサは、第2ラインセンサ3、第3ラインセンサ4、第4ラインセンサ5の3つである。最初に第3ラインセンサ4に隣の第2ラインセンサ3と第4ラインセンサ5の色相を合わせる補正処理をする。所定のライン数、ここでは120ライン、の画像データを取得する。
【0030】
(3)第3のステップの説明をする。
次に、(2)の結果から補正データ取得範囲16で取得した画像データの平均値を求め、補正データ取得範囲16に対応させてRAM48に記憶させる。同様に、補正データ取得範囲17、18、19で取得した画像データの平均値を求め、補正データ取得範囲17、18、19に対応させてRAM48に記憶させる。
【0031】
(4)第4のステップの説明をする。
次に、(3)平均値から各ラインセンサ間の色相補正のパラメータを求める。第3ラインセンサ4に対する第2ラインセンサの色相補性のパラメータは、(補正データ取得範囲17から取得し演算した平均値)/(補正データ取得範囲16から取得し演算した平均値)の式によって演算し、結果をRAM48に記憶する。色毎に演算し、各色の色相補性のパラメータを取得し、記憶する。
【0032】
同様に第3ラインセンサ4に対する第4ラインセンサ5の色相補性のパラメータも隣り合う補正データ取得範囲18と補正データ取得範囲19とに基づいて演算し、RAM48に記憶する。
【0033】
(5)第5のステップの説明をする。
次に、第1ラインセンサ2、第2ラインセンサ3、第4ラインセンサ5、第5ラインセンサ6によって、白基準板を所定のライン数、ここでは120ライン、の画像データを取得する。ここで、第2ラインセンサ3と第4ラインセンサ5によって取得した画像データに第4のステップで取得した夫々の色相補正のパラメータを積算した値を取得する。すなわち画像データ中央に配置された第3ラインセンサ4との繋ぎ目に合わせるように補正した出力値を取得する。
【0034】
(6)第6のステップの説明をする。
次に、補正データ取得範囲14、15、20、21で取得した画像データの平均値を求め、各範囲に対応してRAM48に記憶する。
【0035】
(7)第7のステップの説明をする。
次に、第4のステップと同様に、各ラインセンサ間の色相補正のパラメータを演算し、RAM48に記憶する。
【0036】
このように中央に配置されたラインセンサを基準に遠ざかる方向に順に色相補正のパラメータを演算し、それぞれのラインセンサに対応させてして記憶する。補正の基となるデータが離れた位置でなく隣接する位置にあるデータによって、また実際に画像データとして使用する範囲のセンサを用いて、補正データを取得することで、より確実に繋ぎ部分が滑らかな画像データを取得することができる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は原稿を読取るスキャナを有する画像形成装置に利用できる。
【符号の説明】
【0038】
1 センサユニット
2 第1ラインセンサ
3 第2ラインセンサ
4 第3ラインセンサ
5 第4ラインセンサ
6 第5ラインセンサ
7 原稿
8 第1搬送ローラ
9 第2搬送ローラ
14 補正データ取得範囲
22 境界
23 ラインセンサ使用部
24 ラインセンサ不使用部
25 補正データ取得範囲
29 出力値
32 出力値差
37 画像読取装置
38 画像形成部
39 画像形成手段
40 ロール紙
43 画像形成装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿を読取る画像読取装置およびその画像読取装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のラインセンサを原稿の読取り部分の一部が重複するように千鳥状に配置した画像読取装置が広く知られている。ラインセンサによって読取った画像データは繋ぎ合わせて1つの画像データに加工される。
【0003】
しかしラインセンサ毎に性能や読取り条件が異なるので、ラインセンサ間には読取った画像データのレベル差が生じる。取得した画像データをそのまま繋ぎ合わせると、そのレベル差によって繋ぎ目部分に線状の模様が現れる。
【0004】
このような問題を解決するために、例えば特開2002−57860号公報に記載の技術が開示されている。これによれば、複数のラインセンサを主走査線において相互に一部が重なるように配置した場合、隣接するラインセンサの出力を相互の主走査線の重なる距離に基づいて加重平均することにより、複数のラインセンサから読取った画像情報に基づいて主走査線方向のオーバーラップ域について、その距離の値に従って画像情報の補正処理を行い、複数のラインセンサで読取った画像情報から、両者の繋ぎ目部分が滑らかな画像を得るとしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−57860号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし従来の技術では、オーバーラップ域の全域のデータを用いて加重平均をしていた。オーバーラップ域であっても、繋ぎ目部分では、どちらか片一方のラインセンサの読取りデータを使用し、他方のラインセンサからの読取りデータは使用しないことになる。使用しない部分のラインセンサの出力を補正に使用する場合に、その部分のセンサ出力値が他の部分と比べ出力値が著しく異なるような不具合がある場合に、その不具合部分も含めた補正をしてしまい正確な補正ができなくなる。すなわち、使用しないセンサ部分にもかかわらず、その読取りデータによって値を補正してしまうので、繋ぎ目部分に線状の模様が生じることや、また、実際に使用するセンサで取得した読取りデータとは異なる色合いとなる問題がある。
【0007】
また、人は離れた位置にある微妙な色の違いは認識し難いが、隣り合う位置の色の微妙な違いは気がつく。ラインセンサの繋ぎ部分は波長の違いにより色差が発生するところである為、色に段差ができないように色補正する必要がある。
【0008】
本発明は、複数のラインセンサで読取った画像データから、隣り合うラインセンサの画像データであって繋ぎ合わせ付近の隣接部分の所定範囲の画像データに基づいて、画像データの補正を行い、繋ぎ目の部分が滑らかな画像データを取得する画像読取装置および画像形成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の画像読取装置は、隣り合うラインセンサの読取り部分を所定の画素数だけ主走査方向に千鳥状に重ねて配置したラインセンサユニットと、前記隣り合うラインセンサの読取り部分同士が主走査方向に重ならないように読取範囲が予め決められ、前記隣り合うラインセンサの前記読取範囲から取得した読取データを繋ぎ合せて1つの画像データを出力する画像読取装置において、前記隣り合うラインセンサの前記読取範囲の内の最端部から内側に配置される所定範囲のセンサにより読取った白基準板の読取データの平均値を前記隣り合うラインセンサ同士で比率を演算する演算手段と、前記演算手段で取得した前記比率を補正値として記憶するメモリと、前記隣り合うラインセンサの内前記ラインセンサユニットの中央に近い位置に配置された一方のラインセンサを基準にして他方のラインセンサの読取データを前記メモリに記憶された前記比率に基づいて変換する補正手段と、を有し、原稿を読取る場合に前記ラインセンサユニットの中央に配置されたラインセンサの読取データに対して他のラインセンサの読取データを前記補正手段によって補正した後に、前記隣り合うラインセンサで読取った読取データを繋ぎ合わせることを特徴とする。
【0010】
本発明の画像形成装置は、上述画像読取装置と、画像を記憶媒体に記録する画像形成手段と、前記記録媒体を画像形成手段に搬送する搬送手段と、を有し、前記画像読取装置で取得した前記画像データに基づいて前記記憶媒体に画像を記録することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
複数のラインセンサで読取った画像データの繋ぎ目の部分が滑らかな画像データを取得できる。また、複数のラインセンサで読取った画像データの繋ぎ目の部分が滑らかな画像データに基づいて記録媒体に出力することで、記録媒体上に画像データの繋ぎ目の部分が滑らか画像を記録できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、原稿を読取るラインセンサの配置を説明する図である。
【図2】図2は、隣り合うラインセンサの繋ぎ目部分を説明する図である。
【図3】図3は、隣り合うライセンサの出力レベルを示す図である。
【図4】図4は、画像形成装置の構成の概略図である。
【図5】図5は、画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態を説明する。
図1は、原稿を読取るラインセンサの配置を説明する図である。ラインセンサユニット1は、第1ラインセンサ2、第2ラインセンサ3、第3ラインセンサ4、第4ラインセンサ5、第5ラインセンサ6の5つのラインセンサを2列に並べて配置してある。原稿7は矢印の方向に第1搬送ローラ8によって搬送される。原稿7がラインセンサユニット1を通過して第2搬送ローラ9に到達すると、原稿7は第1搬送ローラ8と第2搬送ローラ9によって搬送される。第1搬送ローラ8と第2搬送ローラ9は原稿7の搬送手段の一部を構成する。
【0014】
第1ラインセンサ2と第2ラインセンサ3は第1境界10を含む部分で原稿7を重複して読取る。同様に、第2ラインセンサ3と第3ラインセンサ4は第2境界11を含む部分で原稿7を重複して読取る。同様に、第3ラインセンサ4と第4ラインセンサ5は第3境界12を含む部分で原稿7を重複して読取る。同様に、第4ラインセンサ5と第5ラインセンサ6は第4境界13を含む部分で原稿7を重複して読取る。原稿7の搬送方向を副走査方向、副走査方向に垂直方向であるラインセンサユニット1の長手方向を主走査方向とする。
【0015】
第1ラインセンサ2の第1境界10と隣接する所定範囲、例えば16画素分のセンサ領域、は後述する補正に使用する補正データ取得範囲14である。第2ラインセンサ3の第1境界10と隣接する所定範囲、例えば16画素分のセンサ領域、は後述する補正に使用する補正データ取得範囲15である。第2ラインセンサ3の第2境界11と隣接する所定範囲、例えば16画素分のセンサ領域、は後述する補正に使用する補正データ取得範囲16である。第3ラインセンサ4の第2境界11と隣接する所定範囲、例えば16画素分のセンサ領域、は後述する補正に使用する補正データ取得範囲17である。第3ラインセンサ4の第3境界12と隣接する所定範囲、例えば16画素分のセンサ領域、は後述する補正に使用する補正データ取得範囲18である。第4ラインセンサ5の第3境界12と隣接する所定範囲、例えば16画素分のセンサ領域、は後述する補正に使用する補正データ取得範囲19である。第4ラインセンサ5の第4境界13と隣接する所定範囲、例えば16画素分のセンサ領域、は後述する補正に使用する補正データ取得範囲20である。第5ラインセンサ6の第4境界13と隣接する所定範囲、例えば16画素分のセンサ領域、は後述する補正に使用する補正データ取得範囲21である。
【0016】
第1ラインセンサ2と第2ラインセンサ3は第1境界10を境に取得した画像データを繋ぎ合わせる。他のラインセンサも同様に各境界を堺に取得した画像データを繋ぎ合わせる。各ラインセンサの各境界位置、補正データ取得範囲の位置は予め後述するRAM等のメモリに記憶されている。
【0017】
図2は、隣り合うラインセンサの繋ぎ目部分を説明する図である。隣り合うラインセンサによって読取った画像データは、境界22を境に繋ぐ。ラインセンサ使用部23、26によって読取られた画像データが繋ぎ合わされる。ラインセンサ不使用部24、27は画像データが繋ぎ合わされることなく使用されない。ラインセンサ使用部23、26によって読取った画像データの内の補正データ取得範囲25、28の16画素分の画像データは後述する補正処理に使用される。
【0018】
図3は、隣り合うライセンサの出力レベルを示す図である。図2で示された隣り合うラインセンサで取得した画像データの出力値である。
【0019】
出力値29はラインセンサ使用部23とラインセンサ不使用部24によって取得した白基準板を読取ったときの画像データの出力値である。白基準板は白色の基準となる。この白基準板で取ったデータが取得可能な読取値の最大値となる。出力値30はラインセンサ使用部26とラインセンサ不使用部27によって取得した白基準板を読取ったときの画像データの出力値である。ラインセンサの位置によって微妙に出力値が異なる。
【0020】
読取範囲35はラインセンサ使用部23に相当する。読取範囲36はラインセンサ使用部26に相当する。読取範囲33は補正データ取得範囲25に相当する。読取範囲34は補正データ取得範囲28に相当する。
【0021】
何も補正しない場合は、各ラインセンサの繋ぎ目部分には出力値差32が生じる。これはセンサ個々の性能の差、照射する光の差などの原因による。そこで、後述する補正処理によって、繋ぎ目部分の出力値差を無くす方向に出力値30をシフトさせる。これによって、出力値30は補正処理後に点線で示された出力値31となる。繋ぎ目部分の出力値差が無くなり、繋ぎ目部分が滑らかな画像データを取得できる。
【0022】
図4は、画像形成装置の構成の概略図である。画像形成装置43の構成の概要を説明する。画像形成装置43は、画像形成部38と画像読取装置37を備える。画像形成手段39には、装置内部に格納されたロール紙40が供給される。ロール紙40は、ロール状に記録媒体を巻いたものである。記録媒体は、紙、薄い扁平なプラスチックフィルムなどである。ロール紙40は、複数の搬送ローラ41によって画像形成手段39に搬送され、画像形成手段39によって画像が記録され、外部に排出される。搬送ローラ41は記録媒体を搬送する搬送手段の一部である。画像形成手段39は、例えば、電子写真式記録装置、インクジェット記録装置などのプリンタ装置である。画像読取装置37は、原稿42を読取り画像データに変換するラインセンサユニット1を有する。さらに原稿42を挟持しながら搬送する搬送ローラ45とピンチローラ44のローラ対を有する。原稿42はラインセンサユニット1上を通過するように搬送される。ラインセンサユニット1によって取得した画像データを画像形成部38に出力することで、取得した画像データに基づいて、例えば等倍、拡大、縮小して、画像をロール紙40に記録する。
【0023】
図5は、画像形成装置の構成を示すブロック図である。
制御手段46は画像形成装置の全体を制御する制御手段である。例えば制御手段46はCPUを有する。ROM47は制御手段46の動作プログラムやデータを保存する記憶手段である。RAM48は制御手段46の動作に従って、データを読み書きするメモリである。
【0024】
画像形成手段39は記録媒体に画像を記録する手段である。第1用紙搬送手段49は画像形成手段39に記録媒体を搬送する搬送ローラ41を含む搬送手段である。ラインセンサユニット1は原稿を読取る複数のラインセンサが配置された画像読取用のセンサである。第2用紙搬送手段50はピンチローラ44、搬送ローラ45を含み、原稿を搬送する手段である。メモリにはラインセンサ毎に境界の位置、境界間のセンサの位置、補正データ取得範囲、ラインセンサ使用部の範囲、ラインセンサ不使用部の範囲が記憶されている。また、メモリすなわちRAM48には各ラインセンサで取得した画像データを記憶する領域がある。また、メモリにはラインセンサ毎に設定値を記憶する領域をもつ。これらの情報を基に制御手段46がプログラムにしたがって演算を行う。
【0025】
次に、画像形成装置43の動作について説明する。
ラインセンサは夫々少しずつ出力特性に差がある。そこで、各ラインセンサの出力特性を予め一定の範囲に入るように予備調整を行う。この予備調整の処理は、白基準板を読取ったときに所定の値の出力値を取得するように照明用のLEDの点灯時間を求め、この点灯時間を基準点灯時間として値をRAM48に保存する。R、G、Bの各色は各色用のLEDを点灯させ、A/D変換後の出力値が所定の値、例えば3000、になるように点灯時間を求め、基準点灯時間とする。グレーの場合はR、G、Bの各色より高めの出力値、例えばA/D変換後の値が3500となるように点灯時間を求め、基準点灯時間とする。
【0026】
このように最大出力値が同レベルとなるように予め設定する。この予備調整によって、各ラインセンサの出力値のばらつきが有る程度抑えられる。さらに、画像の繋ぎ目を滑らかにする色相補正の処理をする。
【0027】
第3ラインセンサ4はラインセンサユニット1の中央に配置されている。この第3ラインセンサ4の色相に第2ラインセンサ3と第4ラインセンサ5を合わせる補正を行う。更に、第2ラインセンサ3の色相に第1ラインセンサ2を合わせる補正と、第4ラインセンサ5の色相に第5ラインセンサ6を合わせる補正をする。全てのラインセンサの補正を行った上でシェーディング補正を行う。
【0028】
(1)第1のステップの説明をする。
まず、各色の色相補正パラメータの初期値を設定しRAM48に記憶する。色はR、G、B、グレーである。設定する色相補正パラメータは色相の補正を行わない基準となる値であり、所定の値である。例えば、ここでは1を設定する。
【0029】
(2)第2のステップの説明をする。
次に、白基準板を読取る。白基準板を読取るラインセンサは、第2ラインセンサ3、第3ラインセンサ4、第4ラインセンサ5の3つである。最初に第3ラインセンサ4に隣の第2ラインセンサ3と第4ラインセンサ5の色相を合わせる補正処理をする。所定のライン数、ここでは120ライン、の画像データを取得する。
【0030】
(3)第3のステップの説明をする。
次に、(2)の結果から補正データ取得範囲16で取得した画像データの平均値を求め、補正データ取得範囲16に対応させてRAM48に記憶させる。同様に、補正データ取得範囲17、18、19で取得した画像データの平均値を求め、補正データ取得範囲17、18、19に対応させてRAM48に記憶させる。
【0031】
(4)第4のステップの説明をする。
次に、(3)平均値から各ラインセンサ間の色相補正のパラメータを求める。第3ラインセンサ4に対する第2ラインセンサの色相補性のパラメータは、(補正データ取得範囲17から取得し演算した平均値)/(補正データ取得範囲16から取得し演算した平均値)の式によって演算し、結果をRAM48に記憶する。色毎に演算し、各色の色相補性のパラメータを取得し、記憶する。
【0032】
同様に第3ラインセンサ4に対する第4ラインセンサ5の色相補性のパラメータも隣り合う補正データ取得範囲18と補正データ取得範囲19とに基づいて演算し、RAM48に記憶する。
【0033】
(5)第5のステップの説明をする。
次に、第1ラインセンサ2、第2ラインセンサ3、第4ラインセンサ5、第5ラインセンサ6によって、白基準板を所定のライン数、ここでは120ライン、の画像データを取得する。ここで、第2ラインセンサ3と第4ラインセンサ5によって取得した画像データに第4のステップで取得した夫々の色相補正のパラメータを積算した値を取得する。すなわち画像データ中央に配置された第3ラインセンサ4との繋ぎ目に合わせるように補正した出力値を取得する。
【0034】
(6)第6のステップの説明をする。
次に、補正データ取得範囲14、15、20、21で取得した画像データの平均値を求め、各範囲に対応してRAM48に記憶する。
【0035】
(7)第7のステップの説明をする。
次に、第4のステップと同様に、各ラインセンサ間の色相補正のパラメータを演算し、RAM48に記憶する。
【0036】
このように中央に配置されたラインセンサを基準に遠ざかる方向に順に色相補正のパラメータを演算し、それぞれのラインセンサに対応させてして記憶する。補正の基となるデータが離れた位置でなく隣接する位置にあるデータによって、また実際に画像データとして使用する範囲のセンサを用いて、補正データを取得することで、より確実に繋ぎ部分が滑らかな画像データを取得することができる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は原稿を読取るスキャナを有する画像形成装置に利用できる。
【符号の説明】
【0038】
1 センサユニット
2 第1ラインセンサ
3 第2ラインセンサ
4 第3ラインセンサ
5 第4ラインセンサ
6 第5ラインセンサ
7 原稿
8 第1搬送ローラ
9 第2搬送ローラ
14 補正データ取得範囲
22 境界
23 ラインセンサ使用部
24 ラインセンサ不使用部
25 補正データ取得範囲
29 出力値
32 出力値差
37 画像読取装置
38 画像形成部
39 画像形成手段
40 ロール紙
43 画像形成装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣り合うラインセンサの読取り部分を所定の画素数だけ主走査方向に千鳥状に重ねて配置したラインセンサユニットと、
前記隣り合うラインセンサの読取り部分同士が主走査方向に重ならないように読取範囲が予め決められ、前記隣り合うラインセンサの前記読取範囲から取得した読取データを繋ぎ合せて1つの画像データを出力する画像読取装置において、
前記隣り合うラインセンサの前記読取範囲の内の最端部から内側に配置される所定範囲のセンサにより読取った白基準板の読取データの平均値を前記隣り合うラインセンサ同士で比率を演算する演算手段と、
前記演算手段で取得した前記比率を補正値として記憶するメモリと、
前記隣り合うラインセンサの内前記ラインセンサユニットの中央に近い位置に配置された一方のラインセンサを基準にして他方のラインセンサの読取データを前記メモリに記憶された前記比率に基づいて変換する補正手段と、
を有し、原稿を読取る場合に前記ラインセンサユニットの中央に配置されたラインセンサの読取データに対して他のラインセンサの読取データを前記補正手段によって補正した後に、前記隣り合うラインセンサで読取った読取データを繋ぎ合わせることを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記補正値はR、G、Bと白黒の4種類の色毎に取得することを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記白基準板の読取データを取得する前に、前記ラインセンサユニットに配置された全ラインセンサ毎に前記白基準板を読取った値が所定の出力レベルになるように照明手段の照明時間を設定する予備調整手段を有することを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の画像読取装置と、
画像を記憶媒体に記録する画像形成手段と、
前記記録媒体を画像形成手段に搬送する搬送手段と、
を有し、前記画像読取装置で取得した前記画像データに基づいて前記記憶媒体に画像を記録することを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
隣り合うラインセンサの読取り部分を所定の画素数だけ主走査方向に千鳥状に重ねて配置したラインセンサユニットと、
前記隣り合うラインセンサの読取り部分同士が主走査方向に重ならないように読取範囲が予め決められ、前記隣り合うラインセンサの前記読取範囲から取得した読取データを繋ぎ合せて1つの画像データを出力する画像読取装置において、
前記隣り合うラインセンサの前記読取範囲の内の最端部から内側に配置される所定範囲のセンサにより読取った白基準板の読取データの平均値を前記隣り合うラインセンサ同士で比率を演算する演算手段と、
前記演算手段で取得した前記比率を補正値として記憶するメモリと、
前記隣り合うラインセンサの内前記ラインセンサユニットの中央に近い位置に配置された一方のラインセンサを基準にして他方のラインセンサの読取データを前記メモリに記憶された前記比率に基づいて変換する補正手段と、
を有し、原稿を読取る場合に前記ラインセンサユニットの中央に配置されたラインセンサの読取データに対して他のラインセンサの読取データを前記補正手段によって補正した後に、前記隣り合うラインセンサで読取った読取データを繋ぎ合わせることを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記補正値はR、G、Bと白黒の4種類の色毎に取得することを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記白基準板の読取データを取得する前に、前記ラインセンサユニットに配置された全ラインセンサ毎に前記白基準板を読取った値が所定の出力レベルになるように照明手段の照明時間を設定する予備調整手段を有することを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の画像読取装置と、
画像を記憶媒体に記録する画像形成手段と、
前記記録媒体を画像形成手段に搬送する搬送手段と、
を有し、前記画像読取装置で取得した前記画像データに基づいて前記記憶媒体に画像を記録することを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【公開番号】特開2012−5066(P2012−5066A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−140898(P2010−140898)
【出願日】平成22年6月21日(2010.6.21)
【出願人】(395003187)株式会社セイコーアイ・インフォテック (173)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月21日(2010.6.21)
【出願人】(395003187)株式会社セイコーアイ・インフォテック (173)
【Fターム(参考)】
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