説明

画像読取装置、画像読取方法、及びプログラム

【課題】原稿押さえ板の明暗のムラの影響を回避してより精度よく原稿の領域を検出する。
【解決手段】画像読取装置は、原稿が載置される原稿台と、前記原稿台に原稿を押さえる原稿カバーとを有する。ここで、前記画像読取装置は、原稿押さえ板の所定範囲の画像データに基づいて補正データを生成する。原稿領域を検出する際、当該原稿を含む前記所定範囲の画像データに対して補正データを用いて補正を行う。そして、補正後の画像データに基づいて、原稿領域の検出を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置、画像読取方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
原稿台と、開閉可能な原稿カバーとを備え、原稿台に載置された原稿を読み取る、イメージスキャナー等の画像読取装置が知られている。原稿カバーの内側(原稿台と向かい合う側)には、原稿台に原稿を押さえ付けて固定するための板状の部材(例えば、「原稿押さえ板」と呼ぶ。)が設けられている。原稿押さえ板は、例えば、白色である。
【0003】
また、原稿を含む原稿よりも広い領域を読み取ることにより生成されたイメージデータから、原稿に対応する領域を検出して、原稿の画像データを生成する画像読取装置が知られている。原稿に対応する領域の検出は、例えば、当該原稿の領域とその周囲の領域との明るさの違いを利用して行われる。原稿の領域の大きさの指定をユーザーから受け付けて、原稿の画像データを生成する画像読取装置も知られている。
【0004】
特許文献1には、読み取り対象の原稿サイズを指定し、プリンターにセットされた用紙サイズに比べて前記指定された原稿サイズの方が小さい場合に、スキャニングされたイメージデータから余白部分をクリアする画像処理装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平4−154268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、原稿押さえ板は、完全に平坦になるように精度よく作るのは難しい。また、原稿押さえ板は、その面積が広くなる(例えば、A3以上の大判)につれて、平坦になるように精度よく作るのは難しくなる。原稿押さえ板に平坦でない部分がある(すなわち、凹凸のムラがある)と、原稿カバーが閉じられることにより原稿押さえ板が原稿台に接触している場合であっても、位置によっては影が発生し、明暗のムラが生じる。
【0007】
明暗のムラが生じる原稿押さえ板を使って、原稿(読み取られる範囲よりも小さい原稿)の読み取りを行った場合、原稿に対応する領域の周囲の領域(原稿押さえ板に対応する領域)に、ムラにより暗い部分が生じることがある。すると、原稿の領域とその周囲の領域の明暗差が小さくなり、暗い部分を原稿の領域として誤って検出し、原稿の領域を正確に検出できなくなることがある。
【0008】
この問題に対処するには、原稿押さえ板をより平坦に近付ける必要がある。例えば、原稿押さえ板に均等に力がかかるように原稿カバーの重量のバランスを調整したり、原稿カバーと原稿押さえ板の間にスポンジなどの柔軟な部材を挟んだりする対処方法がある。しかしながら、このような方法では、製造コストの上昇や、歩留まりの低下を招くことになる。
【0009】
そこで、本発明は、原稿押さえ板の明暗のムラの影響を回避してより精度よく原稿の領域を検出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その例を挙げるならば、以下のとおりである。
【0011】
本発明の一態様は、画像読取装置であって、原稿が載置される原稿台と、前記原稿台に原稿を押さえる原稿カバーと、前記原稿台に原稿が載置された状態と載置されていない状態で、前記原稿カバーの主走査方向と副走査方向に亘る所定の領域の読み取りを行って画像データを生成する読取手段と、前記原稿台に原稿が載置されていない状態で読み取られた、前記原稿カバーの前記所定の領域の画像データに基づいて、補正データを算出する補正データ算出手段と、前記原稿台に原稿が載置された状態で読み取られた、前記原稿を含む前記原稿カバーの前記所定の領域の画像データを、前記補正データによって補正する補正手段と、前記補正データによって補正された画像データに基づいて、原稿の領域を検出する領域検出手段と、を有する。
【0012】
ここで、前記読取手段は、検出された前記原稿の領域を所定の解像度で読み取り、前記所定の解像度より低い解像度で前記所定の領域の読み取りを行ってもよい。
【0013】
また、前記画像読取装置は、前記補正データの生成の指示をユーザーから受け付ける受付手段を有し前記読取手段は、前記補正データの生成の指示があった場合に、読み取りを行い、前記補正データ算出手段は、前記補正データの生成の指示があった場合に、前記補正データの算出を行ってもよい。
【0014】
また、前記受付手段は、原稿の領域の検出の指示を受け付け、前記読取手段は、前記原稿の領域の検出の指示があった場合に、読み取りを行い、前記補正手段は、前記原稿の領域の検出の指示があった場合に、補正を行ってもよい。
【0015】
また、前記画像読取装置は、前記補正データの生成の指示があった場合に、前記原稿台から原稿を取り除くことを通知する通知手段を有し、前記読取手段は、前記通知が行われた後、読み取りを行ってもよい。
【0016】
また、前記画像読取装置は、前記原稿台から原稿を取り除くことを通知する通知手段を有し、前記読取手段は、前記補正データの生成の指示があった場合に、読み取った前記所定の領域の画像データに基づいて、前記原稿台に原稿が載置されているか否かを判定し、前記通知手段は、前記原稿台に原稿が載置されていると判定された場合に、前記通知を行い、前記補正データ算出手段は、前記原稿台に原稿が載置されていないと判定された場合に、前記補正データの算出を行ってもよい。
【0017】
また、前記画像読取装置は、前記所定の領域の範囲の設定をユーザーから受け付ける設定手段を有してもよい。
【0018】
また、前記読取手段は、前記所定の領域の読み取りを行う際、画像データに対してガンマ補正を行わないようにしてもよい。
【0019】
また、前記画像読取装置は、電源OFF時に記録を保持しない第一記憶手段と、電源OFF時に記録を保持する第二記憶手段と、データ格納手段と、を有し、前記補正データ算出手段は、前記補正データを前記第一記憶手段に記憶させ、前記補正手段は、前記第一記憶手段に記憶された補正データを用いて補正を行い、前記データ格納手段は、電源OFFの場合、前記第一記憶手段に記憶された前記補正データを前記第二記憶手段に記憶させ、電源ONの場合、前記第二記憶手段に記憶された前記補正データを前記第一記憶手段に記憶させてもよい。
【0020】
また、前記データ格納手段は、電源OFFの場合、前記第一記憶手段に記憶された前記補正データを圧縮して前記第二記憶手段に記憶させ、電源ONの場合、前記第二記憶手段に記憶された前記補正データを展開して前記第一記憶手段に記憶させてもよい。
【0021】
本発明の他の態様は、原稿が載置される原稿台と、前記原稿台に原稿を押さえる原稿カバーとを備える画像読取装置における画像読取方法であって、前記原稿台に原稿が載置された状態又は載置されていない状態で、前記原稿カバーの主走査方向と副走査方向に亘る所定の領域の読み取りを行って画像データを生成する読取ステップと、前記原稿台に原稿が載置されていない状態で読み取られた、前記原稿カバーの前記所定の領域の画像データに基づいて、補正データを算出する補正データ算出ステップと、前記原稿台に原稿が載置された状態で読み取られた、前記原稿を含む前記原稿カバーの前記所定の領域の画像データを、前記補正データによって補正する補正ステップと、前記補正データによって補正された画像データに基づいて、原稿の領域を検出する領域検出ステップと、を含む。
【0022】
本発明のさらに他の態様は、原稿が載置される原稿台と、前記原稿台に原稿を押さえる原稿カバーとを備える画像読取装置のプログラムであって、前記原稿台に原稿が載置された状態又は載置されていない状態で、前記原稿カバーの主走査方向と副走査方向に亘る所定の領域の読み取りを行って画像データを生成する読取手段と、前記原稿台に原稿が載置されていない状態で読み取られた、前記原稿カバーの前記所定の領域の画像データに基づいて、補正データを算出する補正データ算出手段と、前記原稿台に原稿が載置された状態で読み取られた、前記原稿を含む前記原稿カバーの前記所定の領域の画像データを、前記補正データによって補正する補正手段と、前記補正データによって補正された画像データに基づいて、原稿の領域を検出する領域検出手段として、前記画像読取装置を機能させる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像読取装置の構成の一例を示す図である。
【図2】画像読取装置の外観の一例を示す図である。
【図3】原稿押さえ板の明暗のムラの一例を説明する図である。
【図4】原稿を含む領域の切り出しの一例を説明する図である。
【図5】補正データを生成する処理の一例を示すフロー図である。
【図6】補正データを圧縮する処理の一例を示すフロー図である。
【図7】補正データを展開する処理の一例を示すフロー図である。
【図8】補正データを用いて原稿領域を検出する処理の一例を示すフロー図である。
【図9】原稿を原稿台から取り除くことを通知する画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態の一例について、図面を参照して説明する。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像読取装置の構成の一例を示す図である。図2は、画像読取装置の外観の一例を示す図である。
【0026】
画像読取装置1は、例えば、図2に示すような、いわゆるフラットヘッドスキャナである。また、画像読取装置1は、カラーイメージスキャナーである。画像読取装置1は、本体の上側に、透明のガラスや樹脂などで形成された、読み取り対象の原稿を載置するための原稿台4と、ヒンジなどを介して開閉可能に本体に接続され、原稿台4を覆うための原稿カバー2と、を備える。原稿カバー2の内側(原稿台4と向き合う側)には、原稿台4に載置された原稿を押さえるための原稿押さえ板3が設けられている。原稿押さえ板3は、白色であるものとする。
【0027】
画像読取装置1は、また、原稿台4の下側に、光源やイメージセンサー(不図示)を搭載し、副走査方向に移動することにより原稿台4に載置された原稿の走査を行うキャリッジ5を備える。
【0028】
画像読取装置1は、例えば、図1に示すように、コントローラー10と、イメージセンサー20と、A/D変換部30と、操作パネル40と、通信インターフェイス(I/F)50とを有する。説明を分かり易くするため、光源、キャリッジ、モーターなどの構成は省略している。
【0029】
コントローラー10は、例えば、画像読取装置1の主要機能を搭載したチップ(SoC:System on Chip)などで構成され、画像読取装置1全体の動作を制御する。コントローラー10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)とを備える。各種の画像処理や圧縮・展開処理を行うための専用回路を備えていてもよい。コントローラー10は、各種処理を専用に行うように設計されたASICで構成されていてもよい。
【0030】
イメージセンサー20は、光源から照射され原稿や原稿押さえ板から反射した反射光を受けて光電変換を行い、アナログ電気信号の画像データとして出力する。イメージセンサー20は、例えば、フォトダイオード、シフトゲート、シフトレジスター、などからなる。イメージセンサー20の動作は、コントローラー10により制御される。アナログ電気信号は、A/D変換部30に出力される。
【0031】
A/D変換部30は、アナログ電気信号をデジタル信号に変換して出力する。A/D変換部30は、例えば、AFE(Analog Front End)回路などからなる。A/D変換部30の設定値等は、コントローラー10により設定される。A/D変換部30は、イメージセンサー20からアナログ電気信号の画像データを受信すると、デジタル電気信号に変換し、画像データとしてコントローラー10に出力する。A/D変換部30は、コントローラー10内に設けられていてもよい。
【0032】
操作パネル40は、ユーザーと画像読取装置1のインターフェイスとして機能する。操作パネル40は、例えば、画像等を表示するディスプレイと、ユーザーの操作を受け付けるタッチパネルやボタン等の入力装置とを備える。
【0033】
通信I/F50は、LANなどのネットワークに接続して、パーソナルコンピューターなどのホストと通信するユニットである。
【0034】
以上の画像読取装置1のハードウェアの構成は、本実施形態の特徴を説明するにあたって主要構成を説明したのであって、上記の構成に限られない。一般的な画像読取装置が備える構成を排除するものではない。例えば、RAMやROMは、コントローラー10の外に設けられていてもよい。
【0035】
ここで、本実施形態の特徴を明確にするため、原稿押さえ板の凹凸のムラにより起こる原稿の領域の誤検出について、図3〜4を参照して説明する。図3は、原稿押さえ板の明暗のムラの一例を説明する図である。図4は、原稿を含む領域の切り出しの一例を説明する図である。
【0036】
原稿台に原稿を載置せずに、原稿カバーを閉じて読み取りを行った場合、原稿押さえ板の画像データを取得することができる。ここで、原稿押さえ板は、完全に平坦ではない(凹凸のムラがある)ため、例えば図3に示すように、影がある部分が生じ、全体として明暗のムラが発生する。
【0037】
このような明暗のムラがある原稿押さえ板を用いて、読み取りサイズよりも小さい原稿を読み取った場合、原稿領域を誤検出するおそれがある。例えば、図4(A)に示すように、読み取りサイズよりも小さいサイズの原稿を読み取る場合を考える。
【0038】
原稿押さえ板にムラがなければ、図4(B)に示すように、原稿押さえ板の画像(例えば、白色)と、原稿の画像との明暗が明確に現れるので、原稿と対応する領域を切り出し領域として精度よく検出することができる。
【0039】
一方、原稿押さえ板にムラがある場合、原稿の領域の外側に影が現れる。原稿の画像と影の明暗の差は小さいため、影の部分が原稿の一部として検出され、原稿の領域よりも広い、影を含む領域が、切り出し領域として検出される。
【0040】
このように、原稿押さえ板に凹凸のムラがあると、原稿の領域の誤検出が発生するおそれがある。
【0041】
そこで、上記のような問題を解決するため、本実施形態の画像読取装置1は、図1に示すような機能構成を有する。
【0042】
コントローラー10は、操作受付部100と、通信部110と、読取制御部120と、領域検出部130と、画像処理部140と、補正データ生成部150と、圧縮・展開部160と、画像データ補正部170と、第一記憶部180と、第二記憶部190とを有する。
【0043】
操作受付部100と、通信部110と、読取制御部120と、領域検出部130と、画像処理部140と、補正データ生成部150と、圧縮・展開部160と、画像データ補正部170とは、例えば、CPUがROMからRAMにロードした所定のプログラムを実行することにより実現される。この所定のプログラムは、予め記ROMに格納される。もちろん、通信I/F50を介してネットワーク上からダウンロードされてインストールおよび/または更新されてもよい。また、画像読取装置1が可搬型の記憶媒体を読み取る装置を有する場合は、当該記憶媒体から読み出されてインストールおよび/または更新されてもよい。
【0044】
第一記憶部180は、揮発性の記憶装置、例えば、RAMにより実現される。すなわち、画像読取装置1の電源がOFFされた場合には、格納されている情報は消去される。第二記憶部190は、不揮発性の記憶装置、例えば、ROMにより実現される。すなわち、第二記憶部190は、画像読取装置1の電源がOFFにされた場合にも、格納されている情報を保持し続ける。
【0045】
操作受付部100は、ユーザーの操作を受け付ける機能部である。例えば、操作受付部100は、操作パネル40に、メニュー画面等のインターフェイス画面を表示する。また、操作受付部100は、操作パネル40を介して、メニュー項目の選択などのユーザーの操作を受け付ける。また、操作受付部100は、通信部110を介して、ドライバープログラム等がインストールされたホストからの操作を受け付ける。
【0046】
通信部110は、ホストなどの外部装置と通信を行う機能部である。例えば、通信部110は、通信I/F50を介して、ホストと通信を行う。
【0047】
読取制御部120は、原稿の読み取りの制御を行う機能部である。
【0048】
例えば、読取制御部120は、操作受付部100を介して読み取りの開始の指示を受け付けた場合、イメージセンサー20、光源(不図示)、キャリッジ等を制御して、原稿台に載置された原稿の読み取りを行う。読取制御部120は、イメージセンサー20、光源、キャリッジ等を制御して、所定の読み取り可能最大サイズの読み取りや、領域検出部130により検出された領域のサイズの読み取り、操作受付部100を介して受け付けたユーザー指定の領域のサイズの読み取りを制御する。
【0049】
画像処理部140は、読み取り画像データを生成する機能部である。
【0050】
例えば、画像処理部140は、A/D変換部30から出力されるデジタルの画像データを受け付け、シェーディング補正、ガンマ補正などの各種画像処理を施し、画像データ181として第一記憶部180に格納する。
【0051】
本実施形態では、一回の読み取りで、1ページ分の画像データが生成されるものとする。また、画像データを構成する各画素を、主走査方向及び副走査方向の座標(x, y)で表すものとする。また、画素(x, y)のRGB各色の階調値を、(R(x, y), G(x, y), B(x, y))と表すものとする。
【0052】
補正データ生成部150は、領域検出のための画像データの補正に使用される補正データを生成する機能部である。
【0053】
例えば、補正データ生成部150は、画像データ181を構成する全ての画素の中から、最も明るい画素を特定する。最も明るい画素とは、例えば、RGB全色の階調値が全画素の中で最大である画素である。例えば、原稿押さえ板が白色、各色8ビット(0〜255)の場合、RGB各色255の画素があれば、当該画素が最も明るい画素となる。この最も明るい画素の階調値を(Rmax, Gmax, Bmax)とする。
【0054】
もちろん、最も明るい画素の特定方法は、上記に限られない。例えば、RGB全色の階調値が全画素の中で最大である画素が存在しない場合、いずれか1色又は2色が最大である画素の中から、3色の平均値や3色の合計値などが最大の画素を選択すればよい。いずれか1色又は2色が最大である画素の中からランダムに一つを選択してもよい。なお、最も明るい画素を上記のように特定するのではなく、固定の階調値(例えば、RGB各色255)の画素を最も明るい画素として予め設定しておいてもよい。
【0055】
それから、補正データ生成部150は、画像データ181を構成する全ての画素のそれぞれについて、補正値(Radj(x, y), Gadj (x, y), Badj (x, y))を算出する。補正値は、画像データ181を構成する各画素の階調値と、特定した最も明るい画素の階調値との差分である(Radj(x, y) = Rmax - R(x, y), Gadj(x, y) = Gmax - G(x, y), Badj(x, y) = Bmax - B(x, y))。なお、差分がマイナス値となる場合は、補正値を0として設定してもよい。補正データ生成部150は、画像データ181を構成する全ての画素に対応する補正値を、画像データ181の全ての画素との位置関係を保ったまま補正データ182として第一記憶部180に格納する。
【0056】
圧縮・展開部160は、補正データの圧縮・展開を行う機能部である。
【0057】
例えば、圧縮・展開部160は、画像読取装置1の電源がOFFされるか否かを監視し、電源がOFFされた場合に、第一記憶部180に格納されている補正データ182に対して所定の圧縮処理を施して、データサイズを減らした圧縮補正データ191を生成し、第二記憶部190に格納する。画像読取装置1の電源がONされた場合、圧縮・展開部160は、第二記憶部190に格納されている圧縮補正データ191に対して所定の展開処理を施して、圧縮前のデータサイズに戻して、補正データ182として第一記憶部180に格納する。圧縮方法、及び展開方法は、特に限定されない。なお、補正データ182を圧縮せずに第二記憶部190に格納してもよい。
【0058】
画像データ補正部170は、領域検出に用いられる補正画像データを生成する機能部である。
【0059】
例えば、画像データ補正部170は、第一記憶部180に格納された画像データ181と補正データ182を読み出し、画像データ181の各画素に対して、補正データ182の対応する位置の画素の補正値を用いて補正画素値(R’(x, y), G’ (x, y), B’ (x, y))を算出する。補正画素値は、画像データ181を構成する各画素の階調値と、対応する位置の補正値との和である(R’(x, y) = R(x, y) + Radj(x, y), G’(x, y) = G(x, y) + Gadj(x, y), B’(x, y) = B(x, y) + Badj(x, y))。画像データ補正部170は、画像データ181を構成する全ての画素に対応する補正画素値を、補正画像データ183として第一記憶部180に格納する。
【0060】
領域検出部130は、読み取りにより生成された画像データに所定の補正を施した補正画像データから、原稿に対応する領域を検出する機能部である。
【0061】
例えば、領域検出部130は、第一記憶部180に格納された補正画像データ183を解析し、所定の閾値を下回る階調値の画素データを内側に含む最小の矩形の範囲を、原稿に対応する領域として検出する。補正画像データ183を構成する各画素の階調値を(R’(x, y), G’(x, y), B’(x, y))とし、RGB各色の階調値の所定の閾値を(Rth, Gth, Bth)とすると、((R’(x, y) < Rth), (G’(x, y) < Gth), (B’(x, y) < Bth))の条件を満たす画素データを内側に含む矩形の範囲を、原稿に対応する領域として検出する。所定の閾値を上回る画素データが含まれる領域は、白色の原稿押さえ板に対応する領域として検出できる。
【0062】
なお、領域検出には、従来の技術を用いることができるので、具体的な説明を省略する。また、検出する領域は、原稿に対応する領域を含んでいれば、大きさや形状は上記のようなものに限られない。
【0063】
第一記憶部180は、上述のように、各種データ(画像データ181、補正データ182、補正画像データ183)を格納する機能部である。
【0064】
第二記憶部190は、上述のように、各種データ(圧縮補正データ191)を格納する機能部である。
【0065】
以上の機能構成は、画像読取装置1の構成を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。構成要素の分類の仕方や名称によって、本願発明が制限されることはない。画像読取装置1の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。また、各構成要素の処理は、1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0066】
次に、上記の画像読取装置1により実現される処理について説明する。
【0067】
図5は、補正データを生成する処理の一例を示すフロー図である。
【0068】
本フローは、画像読取装置1の電源がONにされている間、実行される。このフローは、例えば、画像読取装置1の製造工程において行われる。もちろん、エンドユーザーの使用環境において実行されるようにしてもよい。
【0069】
S10では、操作受付部100は、補正データの生成の指示があるか否かを判定する。具体的には、操作受付部100は、操作パネル40又は通信部110を介して、補正データの生成を指示する、ユーザーの操作があったか否かを判定する。補正データの生成の指示があった場合(S10:YES)、操作受付部100は、処理をS20に進める。指示がない場合(S10:NO)、判定を継続する。
【0070】
なお、補正データの生成を指示する場合、ユーザーは、原稿台には何も載置しない必要がある。また、原稿カバーを閉じておく必要がある。
【0071】
S20では、読取制御部120は、原稿押さえ板の読み取りを行う。具体的には、読取制御部120は、光源、イメージセンサー、キャリッジ等を制御し、主走査方向及び副走査方向に亘る読み取り可能な最大サイズで読み取りを行う。本処理では、読取制御部120は、読取解像度が、通常の原稿の読み取りに使用される解像度(例えば、600dpi×600dpi)よりも低い解像度(例えば、75dpi×75dpi)となるように、読み取りを行う。そして、処理をS30に進める。
【0072】
S30では、画像処理部140は、画像データを第一記憶部180に保存する。具体的には、画像処理部140は、A/D変換部30から出力される画像データに所定の画像処理を施し、画像データ181として第一記憶部180に格納する。本処理では、画像処理部140は、シェーディング補正以外の色の補正を行う処理(例えば、ガンマ補正)を行わない。そして、処理をS40に進める。
【0073】
S40では、補正データ生成部150は、補正データを生成する。具体的には、上述したように、補正データ生成部150は、S30で第一記憶部180に格納された画像データ181の中から最も明るい画素を特定する。それから、当該最も明るい画素と画像データ181の各画素の差分を算出する。そして、処理をS50に進める。
【0074】
S50では、補正データ生成部150は、補正データを第一記憶部180に保存する。具体的には、補正データ生成部150は、S40で生成した各補正値を、補正データ182として第一記憶部180に格納する。そして、本フローを終了する。
【0075】
図6は、補正データを圧縮する処理の一例を示すフロー図である。
【0076】
本フローは、画像読取装置1の電源がONにされている間、実行される。このフローは、例えば、画像読取装置1の製造工程において行われる。もちろん、エンドユーザーの使用環境において実行されるようにしてもよい。
【0077】
S60では、圧縮・展開部160は、画像読取装置1の電源がOFFされたか否かを監視する。電源OFFされた場合(S60:YES)、処理をS70に進める。電源OFFされていない場合(S60:NO)、監視を継続する。
【0078】
S70では、圧縮・展開部160は、補正データを圧縮する。具体的には、圧縮・展開部160は、S50で第一記憶部180に格納された補正データ182に対して所定の圧縮処理を施して、データサイズを減らした圧縮補正データを生成する。
【0079】
S80では、圧縮・展開部160は、圧縮補正データを第二記憶部190に保存する。具体的には、圧縮・展開部160は、S70で生成した圧縮補正データを、圧縮補正データ191として第二記憶部190に格納する。そして、本フローを終了する。
【0080】
図7は、補正データを展開する処理の一例を示すフロー図である。
【0081】
本フローは、画像読取装置1の電源がONにされた場合に、開始される。このフローは、例えば、画像読取装置1がエンドユーザーにより使用される場合に行われる。
【0082】
S110では、圧縮・展開部160は、圧縮補正データを展開する。具体的には、圧縮・展開部160は、第二記憶部190に格納されている圧縮補正データ191に対して所定の展開処理を施して、圧縮前のデータサイズに展開する。そして、処理をS120に進める。
【0083】
S120では、圧縮・展開部160は、補正データを第一記憶部180に保存する。具体的には、圧縮・展開部160は、S110で展開した補正データを、補正データ182として第一記憶部180に格納する。そして、本フローを終了する。
【0084】
図8は、補正データを用いて原稿領域を検出する処理の一例を示すフロー図である。
【0085】
本フローは、画像読取装置1の電源がONにされている間、実行される。このフローは、例えば、画像読取装置1がエンドユーザーにより使用される場合に行われる。
【0086】
S130では、操作受付部100は、原稿領域の検出の指示があるか否かを判定する。具体的には、操作受付部100は、操作パネル40又は通信部110を介して、原稿領域の検出を指示する、ユーザーの操作があったか否かを判定する。原稿領域の検出の指示があった場合(S130:YES)、操作受付部100は、処理をS140に進める。指示がない場合(S130:NO)、判定を継続する。
【0087】
なお、原稿領域の検出を指示する場合、ユーザーは、原稿台に原稿を載置する必要がある。また、原稿カバーを閉じておく必要がある。
【0088】
S140では、読取制御部120は、原稿の読み取りを行う。この処理は、S210の本スキャンに先立って、原稿領域検出のために行う、いわゆるプレスキャンである。具体的には、読取制御部120は、光源、イメージセンサー、キャリッジ等を制御し、読み取り可能な最大サイズまたは指定サイズで読み取りを行う。本処理では、読取制御部120は、読取解像度が、原稿の読み取りに使用される解像度(例えば、600dpi×600dpi)よりも低い解像度(例えば、75dpi×75dpi)となるように、読み取りを行う。そして、処理をS150に進める。
【0089】
S150では、画像処理部140は、画像データを第一記憶部180に保存する。本処理は、S30と同様であるので説明を省略する。
【0090】
S160では、画像データ補正部170は、補正画像データを生成する。具体的には、上述したように、画像データ補正部170は、S150で第一記憶部180に格納された画像データ181と、S50又はS120で第一記憶部180に格納された補正データ182とを読み出す。それから、画像データ181の各画素と、対応する補正データ182の各補正値との和を算出する。そして、処理をS170に進める。
【0091】
S170では、画像データ補正部170は、補正画像データを第一記憶部180に保存する。具体的には、画像データ補正部170は、S160で生成した各補正画素値を、補正画像データ183として第一記憶部180に格納する。そして、処理をS180に進める。
【0092】
S180では、領域検出部130は、原稿領域の検出を行う。具体的には、領域検出部130は、S170で第一記憶部180に格納された補正画像データ183を解析し、所定の閾値を下回る階調値の画素データを内側に含む矩形の範囲を、原稿に対応する領域として検出する。そして、処理をS190に進める。
【0093】
S190では、操作受付部100は、原稿領域が確定されたか否かを判定する。具体的には、操作受付部100は、例えば、第一記憶部180に格納されている補正画像データ183と、S180で検出された又はS200で調整された原稿領域を示す情報とを、操作パネル40のディスプレイに表示する。通信部110を介してホストに送信してもよい。また、操作受付部100は、操作パネル40又は通信部110を介して、原稿領域を確定するユーザーの操作があったか否かを判定する。確定した場合(S190:YES)、処理をS210に進める。確定していない場合(S210:NO)、処理をS200に進める。
【0094】
S200では、操作受付部100は、原稿領域の調整を行う。具体的には、操作受付部100は、例えば、操作パネル40又は通信部110を介して、原稿領域の範囲(位置とサイズ)を変更するユーザーの操作を受け付ける。ユーザーによる原稿領域の変更は、領域検出部130が検出した原稿領域に反映される。操作受付部100は、調整を受け付けると、処理をS190に戻す。
【0095】
S210では、読取制御部120は、原稿領域の読み取りを行う。この処理は、設定された原稿領域の読み取りを行う、いわゆる本スキャンである。具体的には、読取制御部120は、光源、イメージセンサー、キャリッジ等を制御し、S190で確定した原稿領域の位置及びサイズで、当該原稿領域の読み取り(切り出し)を行う。本処理では、読取制御部120は、読取解像度が、原稿の読み取りに使用される解像度(例えば、600dpi×600dpi)となるように、読み取りを行う。そして、本フローを終了する。
【0096】
なお、本スキャンの場合、画像処理部140は、A/D変換部30から出力される画像データに対して、シェーディング補正や、ガンマ補正等の各種処理を施し、画像データ181として第一記憶部180に格納する。もちろん、この画像データに対しては、画像データ補正部170による補正処理は行われない。
【0097】
上述のフローの各処理単位は、画像読取装置1の処理を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって、本願発明が制限されることはない。画像読取装置1の処理は、処理内容に応じて、さらに多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位がさらに多くの処理を含むように分割することもできる
【0098】
以上、本発明の一実施形態の一例について説明した。本実施形態によれば、原稿押さえ板の明暗のムラの影響を回避してより精度よく原稿の領域を検出することができる。
【0099】
具体的には、本実施形態では、原稿押さえ板の所定範囲の画像データに基づいて補正データが生成される。そして、原稿領域を検出する際には、当該原稿を含む前記所定範囲の画像データに対して補正データを用いて補正が行われ、補正後の画像データに基づいて、原稿領域の検出が行われる。このような構成によれば、原稿押さえ板の明暗のムラによる影の部分が消去されるため、原稿の画像とその周囲との明暗が明確となり、原稿と対応する領域を切り出し領域として精度よく検出することができる。
【0100】
また、本実施形態では、補正データは、通常の読み取り解像度よりも低い解像度の画像データに基づいて生成される。また、プレスキャンの解像度も、通常の読み取り解像度よりも低い解像度で実行される。このような構成によれば、原稿領域の検出のために使用されるメモリー量をより削減できる。
【0101】
なお、上記の本発明の実施形態は、本発明の要旨と範囲を例示することを意図し、限定するものではない。多くの代替物、修正および変形例が当業者にとって明らかである。
【0102】
例えば、補正データを生成する際に、原稿を取り除くことを通知してもよい。具体的には、図5のS10でYESと判定された場合、操作受付部100は、図9に示すように、「原稿台から原稿が取り除かれていることを確認して下さい」などのメッセージを、操作パネル40に表示する。通信部110を介して、ホストに表示させるようにしてもよい。操作受付部100は、メッセージを表示後、ユーザーの確認操作を受け付けた場合、図5のS20に処理を進める。操作受付部100は、図9に示すようなメッセージを表示して、図5のフローを終了してもよい。
【0103】
また、例えば、補正データを生成する際に、原稿が載置されているか否かを判定し、載置されている場合に、原稿を取り除くことを通知してもよい。具体的には、例えば、画像処理部140は、図5のS30とS40の間で、S30で生成した画像データを用いて、所定の閾値よりも小さい階調値を有する画素が所定数以上在るか否かを判定する。すなわち、原稿押さえ板のムラによる影よりも暗い画素が在る場合又は所定数以上在る場合は、原稿が載置されていると判定する。もちろん、判定方法はこれに限られない。原稿が載置されている場合、操作受付部100は、図9に示すようなメッセージを表示し、図5のフローを終了する。メッセージを表示後、ユーザーの確認操作を受け付けた場合、図5のS20に処理を戻してもよい。原稿が載置されていない場合は、操作受付部100は、処理をS40に進める。
【0104】
また、例えば、補正データを生成する際に、対象となる画像データの領域の指定を受け付けてもよい。具体的には、例えば、操作受付部100は、図5のS10において、補正データの生成の指示とともに、補正データを生成する領域の位置及びサイズの設定を受け付けるようにする。S20において、読取制御部120は、指定された領域の位置及びサイズで読み取りを行う。図8のS140において、読取制御部120は、補正データの位置及びサイズと対応する領域で読み取りを行う。このようにすれば、指定された領域内で補正データの生成、原稿領域の検出が行われるため、メモリー使用量を削減することができる。また、ユーザーは、自ら使用する領域の大きさを決定できる。例えば、画像読取装置が最大A3の読み取りが可能であっても、ユーザーが実際に使用するA4の大きさを指定できる。
【0105】
以上の実施形態と各変形例は、一以上を組み合わせてもよい。また、本発明は、上述したような画像読取装置だけでなく、スキャン機能を有する複合機、コピー機等にも適用できる。
【符号の説明】
【0106】
1:画像読取装置、2:原稿カバー、3:原稿押さえ板、4:原稿台、5:キャリッジ、10:コントローラー、20:イメージセンサー、30:A/D変換部、40:操作パネル、50:通信I/F、100:操作受付部、110:通信部、120:読取制御部、130:領域検出部、140:画像処理部、150:補正データ生成部、160:圧縮・展開部、170:画像データ補正部、180:第一記憶部、181:画像データ、182:補正データ、183:補正画像データ、190:第二記憶部、191:圧縮補正データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像読取装置であって、
原稿が載置される原稿台と、
前記原稿台に原稿を押さえる原稿カバーと、
前記原稿台に原稿が載置された状態と載置されていない状態で、前記原稿カバーの主走査方向と副走査方向に亘る所定の領域の読み取りを行って画像データを生成する読取手段と、
前記原稿台に原稿が載置されていない状態で読み取られた、前記原稿カバーの前記所定の領域の画像データに基づいて、補正データを算出する補正データ算出手段と、
前記原稿台に原稿が載置された状態で読み取られた、前記原稿を含む前記原稿カバーの前記所定の領域の画像データを、前記補正データによって補正する補正手段と、
前記補正データによって補正された画像データに基づいて、原稿の領域を検出する領域検出手段と、を有する、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像読取装置であって、
前記読取手段は、検出された前記原稿の領域を所定の解像度で読み取り、前記所定の解像度より低い解像度で前記所定の領域の読み取りを行う、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像読取装置であって、
前記補正データの生成の指示をユーザーから受け付ける受付手段を有し、
前記読取手段は、前記補正データの生成の指示があった場合に、読み取りを行い、
前記補正データ算出手段は、前記補正データの生成の指示があった場合に、前記補正データの算出を行う、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像読取装置であって、
前記受付手段は、原稿の領域の検出の指示を受け付け、
前記読取手段は、前記原稿の領域の検出の指示があった場合に、読み取りを行い、
前記補正手段は、前記原稿の領域の検出の指示があった場合に、補正を行う、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の画像読取装置であって、
前記補正データの生成の指示があった場合に、前記原稿台から原稿を取り除くことを通知する通知手段を有し、
前記読取手段は、前記通知が行われた後、読み取りを行う、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項6】
請求項3又は4に記載の画像読取装置であって、
前記原稿台から原稿を取り除くことを通知する通知手段を有し、
前記読取手段は、前記補正データの生成の指示があった場合に、読み取った前記所定の領域の画像データに基づいて、前記原稿台に原稿が載置されているか否かを判定し、
前記通知手段は、前記原稿台に原稿が載置されていると判定された場合に、前記通知を行い、
前記補正データ算出手段は、前記原稿台に原稿が載置されていないと判定された場合に、前記補正データの算出を行う、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項7】
請求項1〜6いずれか一項に記載の画像読取装置であって、
前記所定の領域の範囲の設定をユーザーから受け付ける設定手段を有する、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項8】
請求項1〜7いずれか一項に記載の画像読取装置であって、
前記読取手段は、前記所定の領域の読み取りを行う際、画像データに対してガンマ補正を行わない、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項9】
請求項1〜8いずれか一項に記載の画像読取装置であって、
電源OFF時に記録を保持しない第一記憶手段と、
電源OFF時に記録を保持する第二記憶手段と、
データ格納手段と、を有し、
前記補正データ算出手段は、前記補正データを前記第一記憶手段に記憶させ、
前記補正手段は、前記第一記憶手段に記憶された補正データを用いて補正を行い、
前記データ格納手段は、電源OFFの場合、前記第一記憶手段に記憶された前記補正データを前記第二記憶手段に記憶させ、電源ONの場合、前記第二記憶手段に記憶された前記補正データを前記第一記憶手段に記憶させる、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項10】
請求項9に記載の画像読取装置であって、
前記データ格納手段は、電源OFFの場合、前記第一記憶手段に記憶された前記補正データを圧縮して前記第二記憶手段に記憶させ、電源ONの場合、前記第二記憶手段に記憶された前記補正データを展開して前記第一記憶手段に記憶させる、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項11】
原稿が載置される原稿台と、前記原稿台に原稿を押さえる原稿カバーとを備える画像読取装置における画像読取方法であって、
前記原稿台に原稿が載置された状態又は載置されていない状態で、前記原稿カバーの主走査方向と副走査方向に亘る所定の領域の読み取りを行って画像データを生成する読取ステップと、
前記原稿台に原稿が載置されていない状態で読み取られた、前記原稿カバーの前記所定の領域の画像データに基づいて、補正データを算出する補正データ算出ステップと、
前記原稿台に原稿が載置された状態で読み取られた、前記原稿を含む前記原稿カバーの前記所定の領域の画像データを、前記補正データによって補正する補正ステップと、
前記補正データによって補正された画像データに基づいて、原稿の領域を検出する領域検出ステップと、を含む、
ことを特徴とする画像読取方法。
【請求項12】
原稿が載置される原稿台と、前記原稿台に原稿を押さえる原稿カバーとを備える画像読取装置のプログラムであって、
前記原稿台に原稿が載置された状態又は載置されていない状態で、前記原稿カバーの主走査方向と副走査方向に亘る所定の領域の読み取りを行って画像データを生成する読取手段と、
前記原稿台に原稿が載置されていない状態で読み取られた、前記原稿カバーの前記所定の領域の画像データに基づいて、補正データを算出する補正データ算出手段と、
前記原稿台に原稿が載置された状態で読み取られた、前記原稿を含む前記原稿カバーの前記所定の領域の画像データを、前記補正データによって補正する補正手段と、
前記補正データによって補正された画像データに基づいて、原稿の領域を検出する領域検出手段として、前記画像読取装置を機能させる、
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−93689(P2013−93689A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−233667(P2011−233667)
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】