説明

画像読取装置および画像読取システムおよびプログラム

【課題】
保存先に画像データの保存ができない状態にあっても解決方法を報知することでその保存先への保存を可能とし、信頼性を向上することを可能にする画像読取装置および画像読取システムおよびプログラムを提供する。
【解決手段】
画像データの保存先に対してコネクトテスト、ログインテスト、書込みテストを行い、これらのテストでエラーが発生している場合にはそのエラーに対応する対応策を提示する。一定回数以上のエラーが発生している場合にはその保存先を消去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置および画像読取システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スキャナ等の画像読取装置において、読み取った画像データを当該画像読取装置とは異なるストレージに保存する構成が可能である。この場合、画像読取装置における画像データの格納先として予め保存先を指定しておくこと若しくは読み取り処理ごとに保存先を指定することが必要である。
【0003】
画像読取装置以外のストレージに保存するということから保存に際してエラーが発生する可能性が高くなる。
【0004】
特許文献1に開示された技術では、スキャナのスタートボタンが押されると、予め設定された宛先の認証情報を用いて保存パスが有効であるか判断し、有効な場合のみスキャンを開始する。それに対して、無効な場合はスキャンを中止することで保存先への出力が不可であるにもかかわらず原稿の読取動作が完了し、ジョブが正常に終了したものとユーザが誤解することを防止している。
【0005】
また、特許文献2では、保存先にデータの保存が正常に完了しなかった場合、代替保存先に自動的に転送することができ、データを保存する際にエラーが発生しても再度スキャナから読み取る必要がなく効率よく転送できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−150567号公報
【特許文献2】特開2006−020125号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、保存先に画像データの保存ができない状態にあっても解決方法を報知することでその保存先への保存を可能とし、信頼性を向上することを可能にする画像読取装置および画像読取システムおよびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、画像データを読み取る画像読取手段と、前記画像読取手段による前記画像データの読取処理に際して、当該画像データの保存先との通信状態を確認する通信状態確認手段と、前記保存先に対して前記画像データの保存操作を行う操作者を認証する認証手段と、前記操作者に対する前記保存操作の操作権限を確認する操作権限確認手段と、前記通信状態確認手段によって前記保存先との通信状態が確認されない場合若しくは前記認証手段によって前記操作者が認証されない場合若しくは前記操作権限確認手段によって前記操作権限が確認されない場合に対応して前記保存先に前記画像データを保存できない原因に対する対応策を前記操作者に報知する対策報知手段とを具備する。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記保存先を指定する保存先指定手段を具備し、前記対策報知手段は、前記保存先指定手段によって保存先が指定されると、前記通信状態確認手段若しくは前記認証手段若しくは前記操作権限確認手段により前記保存先への画像データの保存が可能であるか確認し、該保存先へ前記画像データの保存が可能でない場合に該原因に対する対応策を報知する。
【0010】
また、請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記保存先を管理する保存先管理手段と、前記通信状態確認手段によって前記保存先との通信状態が確認されない場合若しくは前記認証手段によって前記保存先への保存操作を行う前記操作者が認証されない場合若しくは前記操作権限確認手段によって前記操作者が保存操作の操作権限を有することが確認されない場合には、当該保存先への対策回数を記録する記録手段と、前記記録手段によって記録された対策回数が予め指定した指定回数となることにより前記保存先管理手段によって管理された保存先を消去する消去手段とを具備する。
【0011】
また、請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記記録手段は、前記通信状態確認手段によって前記保存先との通信状態が確認されない場合若しくは前記認証手段によって前記保存先への保存操作を行う前記操作者が認証されない場合若しくは前記操作権限確認手段によって前記操作者が保存操作の操作権限を有することが確認されない場合が、一定期間において連続して行った対策回数を記録する。
【0012】
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかの発明において、前記保存先指定手段によって保存先が指定されると、前記通信状態確認手段若しくは前記認証手段若しくは前記操作権限確認手段により前記保存先への画像データの保存が可能であるか確認し、該保存先へ前記画像データの保存が可能でない場合には代替保存先を指定する代替保存先指定手段と、前記代替保存先指定手段によって代替保存先が指定されると、前記読取手段によって読み取った画像データを該代替保存先へ保存する保存手段とを具備する。
【0013】
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかの発明において、前記操作権限確認手段は、動作確認データを保存先へ書き込むことによって保存操作の操作権限を確認し、前記対策報知手段は、前記保存先へ前記動作確認データを書き込むことができない場合に保存先に設定された操作権限を変更する画面を表示する。
【0014】
また、請求項7の発明は、請求項1または6のいずれかの発明において、前記対策報知手段は、前記操作者に電子メールを送信する。
【0015】
また、請求項8の発明は、読取対象から画像データを読み取る画像読取装置と、前記画像読取装置によって読み取った画像データを保存する保存先を有する情報処理装置とを備え、前記画像読取装置は、前記画像データの読取処理に際して、当該画像データの保存先との通信状態を確認する通信状態確認手段と、前記通信状態確認手段により前記保存先への通信が確立された状態を確認した場合に前記画像データの保存操作を行う操作者を認証する認証手段と、前記認証手段によって認証された場合に前記操作者に対する前記保存操作の操作権限を有することを確認する操作権限確認手段と、前記通信状態確認手段によって前記保存先との通信状態が確認されない場合若しくは前記認証手段によって前記保存先への保存操作を行う前記操作者が認証されない場合若しくは前記操作権限確認手段によって前記操作者が保存操作の操作権限を有することが確認されない場合であって前記画像データを保存先に保存できないときは、該保存先に前記画像データを保存できない処理を特定する処理特定情報を前記情報処理装置へ送信する情報送信手段とを具備し、前記情報処理装置は、前記情報送信手段によって送信された処理特定情報に対する対応策を前記操作者に報知する対策報知手段とを具備する。
【0016】
また、請求項9の発明は、前記画像読取装置は、前記保存先を管理する保存先管理手段と、前記通信状態確認手段によって前記保存先との通信状態が確認されない場合若しくは前記認証手段によって前記保存先への保存操作を行う前記操作者が認証されない場合若しくは前記操作権限確認手段によって前記操作者が保存操作の操作権限を有することが確認されない場合には、当該保存先への対策回数を記録する記録手段と、前記記録手段によって記録された対策回数が予め指定した指定回数となったことを前記情報処理装置に通知する通知手段と、前記情報処理装置からの指示に基づいて前記保存先を前記保存先管理手段から消去する消去手段とを具備し、前記情報処理装置は、前記通知手段による通知により前記保存先管理手段によって管理された保存先を消去する指示を行う消去指示手段とを具備する。
【0017】
また、請求項10の発明は、コンピュータを、前記画像データの読取処理に際して、当該画像データの保存先との通信状態を確認する通信状態確認手段、前記通信状態確認手段により前記保存先への通信が確立された状態を確認した場合に前記画像データの保存操作を行う操作者を認証する認証手段、前記認証手段によって認証された場合に前記操作者に対する前記保存操作の操作権限を有することを確認する操作権限確認手段、前記通信状態確認手段によって前記保存先との通信状態が確認されない場合若しくは前記認証手段によって前記操作者が認証されない場合若しくは前記操作権限確認手段によって前記操作権限が確認されない場合に対応して前記保存先に前記画像データを保存できない原因に対する対応策を前記操作者に報知する対策報知手段として機能させる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の請求項1によれば、保存先に画像データの保存ができない状態にあっても解決方法を報知することでその保存先への保存が可能となり、信頼性が向上するという効果を奏する。
【0019】
また、請求項2によれば、保存先に画像データが保存できない状態となることを未然に防止することが可能になるという効果を奏する。
【0020】
また、請求項3によれば、不要な保存先が肥大化することを防止することができるという効果を奏する。
【0021】
また、請求項4によれば、直近の一定期間において連続して保存できない状態にある保存先を消去することを可能とし、不要な保存先が肥大化することを防止することができるという効果を奏する。
【0022】
また、請求項5によれば、保存先へ保存できずに処理が停止してしまうことを防止し、安定稼動が可能になるという効果を奏する。
【0023】
また、請求項6によれば、簡単な操作で保存ができない状態を解決することが可能となるという効果を奏する。
【0024】
また、請求項7によれば、簡単に対応策を知ることが可能になるという効果を奏する。
【0025】
また、請求項8によれば、保存先に画像データの保存ができない状態にあっても解決方法を報知することでその保存先への保存が可能となり、信頼性が向上するという効果を奏する。
【0026】
また、請求項9によれば、不要な保存先が肥大化することを防止することができるという効果を奏する。
【0027】
また、請求項10によれば、保存先に画像データの保存ができない状態にあっても解決方法を報知することでその保存先への保存が可能となり、信頼性が向上するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施の形態における画像読取装置および画像読取システムおよびプログラムを適用して構成した画像読取システムのシステム構成図の一例。
【図2】本発明の実施の形態における画像読取装置の詳細な構成を示すブロック図。
【図3】本発明の実施の形態における画像読取装置で行われる処理の流れを示すフローチャート。
【図4】本発明の実施の形態における画像読取装置で行われる処理の流れを示すフローチャート。
【図5】本発明の実施の形態における画像読取装置および画像読取システムおよびプログラムを適用して構成した画像読取システムのシステム構成図の一例。
【図6】図5に示す構成における画像読取装置と情報処理装置との処理遷移を示す図。
【図7】本発明の実施の形態における画像読取装置の詳細な構成を示すブロック図。
【図8】本発明の実施の形態における画像読取装置の詳細な構成を示すブロック図。
【図9】本発明の実施の形態における画像読取装置で行われる処理の流れを示すフローチャート。
【図10】本発明の実施の形態における画像読取装置で行われる処理の流れを示すフローチャートの他の例。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明に係わる画像読取装置および画像読取システムおよびプログラムの一実施例を添付図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0030】
図1は、本発明の実施の形態における画像読取装置および画像読取システムおよびプログラムを適用して構成した画像読取システムのシステム構成図の一例である。
【0031】
図1において、画像読取システムは、原稿台にセットされた原稿を光学的に読み取りを行う画像読取装置100、画像読取装置100で読み取った原稿に対する画像データを保存する保存領域を有する情報処理装置1(200−1)、情報処理装置2(200−2)、情報処理装置3(200−3)を具備して構成される。
【0032】
画像読取装置100は、例えばスキャナによって構成され、プッシュスキャン機能を有している。このプッシュスキャン機能は、原稿を読み取ることにより画像データを生成し、その画像データを情報処理装置1(200−1)、情報処理装置2(200−2)、情報処理装置3(200−3)に設けられた保存領域を保存先として保存する機能である。
【0033】
画像読取装置100は、プッシュスキャン機能における画像データの保存先として情報処理装置1(200−1)、情報処理装置2(200−2)、情報処理装置3(200−3)に設けられた保存領域のうちいずれかを指定し、指定された保存領域に画像データを保存する。
【0034】
このときの保存先の情報は、画像読取装置100に登録された状態にあるが、新たに保存先を登録する場合、例えば情報処理装置1(200−1)の保存先が画像読取装置100に登録されていない状態でこの情報処理装置1(200−1)の「保存先1」を新たに登録する場合には、以下のような処理を行う。
【0035】
まず、保存先として「保存先1」を指定後、その「保存先1」が設けられた情報処理装置1(200−1)との間で相互通信が可能であるを確認する通信確立確認処理(以下、「コネクトテスト」)を行う。
【0036】
このコネクトテストは、セションの確立要求に対して応答があるか否かを判断するテストや、ARP要求に対して応答があるかを判断するテストのほか、PINGコマンドの実行有無を判断するテストが該当する。
【0037】
このコネクトテストによって、「保存先1」が設けられた情報処理装置1(200−1)との間で相互通信が可能であると判断される場合には、続いて、認証確認処理(以下、「ログインテスト」という)、権限確認処理(以下、「書込みテスト」という)を実行し、プッシュスキャン機能における画像データの保存が可能であるかを判断する。
【0038】
このログインテストは、プッシュスキャン機能を用いて印刷出力を要求するユーザのログインIDおよびパスワードを用いて「保存先1」が設けられた情報処理装置1(200−1)によって認証されるかどうかを確認するテストであり、また、書込みテストは、任意のダミーデータの書込みを行うことでログインテストを行ったログインIDに基づくユーザが画像データの書込みを行う権限を有するか否かを確認するテストである。
【0039】
これらの確認処理(「テスト」ともいう)が正常に完了し、画像データの保存が可能であると判断された場合には、その「保存先1」を画像読取装置100におけるプッシュスキャン機能の保存先として登録する。このようにして保存先として登録できたときは、書込みテストにより書込みを行ったダミーデータを削除するような構成であってもよい。
【0040】
プッシュスキャン機能の登録されている保存先については、画像読取装置100に登録された状態にあるプッシュスキャン機能の各保存先に対して、定期的に若しくは任意のタイミングで画像データの保存が可能であるかを確認する保存先確認処理を行う。
【0041】
画像読取装置100に、情報処理装置1(200−1)の「保存先1」、情報処理装置2(200−2)の「保存先2」、情報処理装置3(200−3)の「保存先3」が登録された状態にある場合において、所定の時間となることによりこれらの保存先に対して画像データが正常に保存することができるか否かを確認する保存先確認処理を行う
この保存先確認処理は、各保存先に対して通信確立確認処理(コネクトテスト)、認証確認処理(ログインテスト)、権限確認処理(書込みテスト)を行い、さらに、これらの確認処理(テスト)において正常動作していることが確認できない場合には、その保存先ごとに正常動作していることが確認できない連続失敗回数を計数して所定の回数以上となることで保存先の更新処理を行う。
【0042】
この更新処理として、その保存先へ一定期間内に画像データの保存処理を行った実績があるかを判断し、連続失敗回数が所定の回数以上であって一定期間内に保存処理を行った実績がない場合には保存先から消去・削除することによって画像データを保存できる保存先を更新する。
【0043】
また、保存先確認処理によって、正常動作していることが確認できない保存先に対応する代替保存先の指定を可能とし、代替保存先が指定された場合には、プッシュスキャン機能による保存先を代替保存先に変更する処理を行う。
【0044】
この保存先確認処理の詳細な処理の流れを図3および図4に示す。
【0045】
図2は、本発明の実施の形態における画像読取装置の詳細な構成を示すブロック図である。
【0046】
図2において、画像読取装置100は、プッシュスキャン機能における原稿の読み取り処理を制御し、また読み取った画像データの保存処理の制御を行うコントローラ10、原稿台にセットされた原稿の読取処理を行う画像読取部30を具備して構成される。
【0047】
コントローラ10は、通信インターフェース11、保存先登録制御部12、保存先管理部13、保存先確認部14、コネクトテスト実行部15、ログインテスト実行部16、書込みテスト実行部17、タイマー部18、確認回数計数部19、更新制御部20、表示制御部21、表示情報保存部22、表示部23、操作部24、読取制御部25を具備して構成される。
【0048】
ユーザインターフェースである表示部23、操作部24において、操作部24に設けられたボタンや表示部23に表示された項目よりプッシュスキャン機能における保存先の新規登録を選択すると、表示制御部21が表示情報保存部22で保存された保存先の新規登録を行う登録項目に関する情報を取得し、表示制御部21が表示部23へと表示する。
【0049】
表示部23に表示された新規登録に関する情報を元に、ユーザが操作部24を用いてこれらの情報を入力・指定すると、その登録情報が表示制御部21へ送出され、表示制御部21は、保存先の新規登録要求とともに登録情報を保存先登録制御部12へと送出する。
【0050】
このときの表示部23に表示される保存先の新規登録に関する情報とは、例えば保存先の情報処理装置の装置名称やIPアドレス、ログインユーザ名やパスワード等であって、これらの情報が登録情報として保存先登録制御部12へと送出される。
【0051】
保存先登録制御部12では、表示制御部21から保存先の新規登録要求および登録情報を受信することによって、保存先確認部14にその保存先の確認処理を要求し、確認処理の結果に基づいて保存先の登録の有無を判断する処理を行う。保存先登録制御部12から確認処理要求を受信した保存先確認部14では、登録情報に基づいて保存先の確認処理を行う。
【0052】
この確認処理において、まず、コネクトテスト実行部15によって登録情報に含まれる保存先を指定する情報に基づき、通信の確立が可能であるかを確認するコネクトテストを行う。このコネクトテストは、上記するように、セションの確立要求に対して応答があるか否かを確認するテストや、ARP要求に対して応答があるかを確認するテストのほか、PINGコマンドの実行有無を判断するテストによって通信の確立が可能であるかを確認する。
【0053】
このコネクトテスト実行部15におけるコネクトテストによって保存先の装置と通信の確立が確認されると、続いて、ログインテスト実行部16によって登録情報に含まれるログインIDやパスワード等のログイン情報に基づき、ログイン可能であって認証できるかを確認する。
【0054】
ログインテスト実行部16におけるログインテストによって認証でき、ログインが可能であることが確認されると、続いて、書込みテスト実行部17によってログインテストを行ったログインIDに基づくユーザが画像データの書込みを行う権限を有するか否かを確認する。
【0055】
これらの確認処理によって全て、正常動作することが確認されると、保存先確認部14は、その旨を保存先登録制御部12に通知し、これによって保存先登録制御部12は、保存先の情報を保存先管理部13に登録する。このとき、タイマー部18は再び経過時間の計時を開始する。
【0056】
それに対して、確認処理におけるいずれかの処理(通信確立確認処理(コネクトテスト)、認証確認処理(ログインテスト)、権限確認処理(書込みテスト))において、正常動作することが確認できない場合、保存先確認部14は、保存先登録制御部12へその旨を通知する。このとき、保存先登録制御部12は、表示制御部21を介して表示部23に指定した保存先に画像データを保存できないため保存先を登録することができない旨を表示する。
【0057】
保存先管理部13では、登録された保存先の一覧を管理しており、各保存先の情報としてIPアドレスや装置名称などの通信情報、ログインIDやパスワードなどの認証情報、アクセス制限に関する権限情報を対応付けて管理している。
【0058】
この保存先管理部13で管理した保存先が登録されてから一定時間を経過したことをタイマー部18が計時すると、タイマー部18は、保存先確認部14に対して一定時間を経過したことを通知する。この通知を受信した保存先確認部14では、保存先管理部13が管理する一定時間を経過した保存先に関する情報を取得し、この情報を元にコネクトテスト実行部15でコネクトテストを行い、ログインテスト実行部16でログインテストを行い、書込みテスト実行部17で書込みテストをそれぞれ実行し、正常に画像データの保存することができるかを確認する処理を行う。
【0059】
全ての確認処理によって正常に画像データを保存できることが確認されると、保存先確認部14は、その旨を確認回数計数部19に通知する。確認回数計数部19では、その保存先に対する連続失敗回数の情報を「0(ゼロ)」とし、更新情報部20へと通知する。更新情報部20は、保存先管理部13で管理する確認処理が行われた保存先への連続失敗回数の情報を「0(ゼロ)」と更新する。
【0060】
また、コネクトテスト実行部15でのコネクトテスト、ログインテスト実行部16でのログインテスト、書込みテスト実行部17での書込みテストのうち、いずれかの処理によって画像データの保存できることを確認できない場合には、確認回数計数部19へその旨を通知し、確認回数計数部19は、その保存先に対する連続失敗回数に「1」を加算することを更新制御部20に通知する。更新制御部20では、保存先管理部13で管理する保存先に対する連続失敗回数に「1」を加算して更新する。
【0061】
また、保存先確認部14は、保存先登録制御部12に対して保存先管理部13に登録された保存先への確認処理において画像データの保存ができることを確認できない旨を通知し、保存先登録制御部12は、保存先管理部13が管理するその保存先の連続失敗回数を取得してその連続失敗回数が指定回数以上であるか判断する。
【0062】
連続失敗回数が指定回数以上である場合には、続いて、一定期間内にその保存先に画像データの保存を行った実績があるかを判断する。保存を行ったことがない場合には、保存先管理部13で管理する保存先の情報を削除する。
【0063】
このように、登録された保存先への確認処理が連続して指定回数以上、失敗している場合に保存先の情報を削除するのではなく、確認処理によって画像データを保存できることが確認できない保存先に対する代替保存先を設定して、その代替保存先に画像データを保存するような構成とすることも可能である。
【0064】
図3は、本発明の実施の形態における画像読取装置で行われる処理の流れを示すフローチャートである。
【0065】
図3において、保存先が新たに登録されると若しくは保存先が登録されてから一定時間以上が経過すると処理が開始され、その保存先との通信の確立が可能であるかを確認するコネクトテストを実行する(301)。このコネクトテストによって接続が確認できたかを判断し(302)、接続が確認できた場合(302でYES)には、続いて、ログイン可能であって認証できるかを確認するログインテストを実行する(303)。
【0066】
このログインテストによってログイン可能であるかを判断し(304)、ログイン可能ができず認証されない場合(304でNO)には、保存先のログイン情報(ログインID、パスワード)の確認画面を表示する(308)。
【0067】
また、ログインテストによってログイン可能であって認証された場合(304でYES)には、続いて、書込みテストを実行することによってログインテストを行ったログインIDに基づくユーザが画像データの書込みを行う権限を有するか否かを確認する(305)。
【0068】
この書込みテストによって画像データの書込みが可能である場合(305でYES)には、保存先の確認処理を終了する。
【0069】
また、画像データの書込みができない場合(305でNO)には、保存先のアクセス権の変更画面を表示して(307)ユーザに変更を要求する。
【0070】
次に、コネクトテストによる保存先との通信の確立の確認処理によって通信確立が確認されない場合(302でNO)には、続いて、保存先の装置から応答があるかを判断する(309)。
【0071】
応答がある場合(309でYES)には、その保存先の装置が接続されたネットワークが同一のサブネットワークであるかを判断する(310)。同一のサブネットワーク内にある場合(310でYES)には、ファイアウォールの設定を変更する画面を表示し、同一のサブネットワーク内にない場合(310でNO)には、FW設定の変更画面を表示若しくは同一サブネットに変更する(312)。
【0072】
また、コネクトテストによる保存先からの応答がない場合(309でNO)には、続いて、その保存先へのコネクトテストが初めてであるか否かを判断する(313)。初めてのコネクトテストである場合(313でYES)、すなわち新規に保存先を登録する場合には、IPアドレスやサブネットマスク等の通信情報の設定確認画面を表示する(315)。それに対して、コネクトテストが初めてではない場合(313でNO)、すなわち登録された保存先である場合には、その保存先へのコネクトテストを指定回数以上実行しているかを判断する(314)。
【0073】
指定回数以上を実行していない場合(314でNO)には、再度、コネクトテストを実行する(301)。また、指定回数以上を実行している場合(314でYES)には、IPアドレスやサブネットマスク等の通信情報の設定確認画面を表示する(315)。
【0074】
これらのコネクトテスト、ログインテスト、書込みテストのうち、いずれかの確認処理において画像データを保存できないと判断され、その原因への対応を指示する画面が表示された場合(307、308、311、312、315)には、次に、連続失敗回数に「1」を加算することによって連続失敗回数を保存する(316)。
【0075】
そして、連続失敗回数が指定回数以上であるかを判断して(317)、指定回数以上でない場合(317でNO)には、保存先の確認処理を終了する。それに対して、連続失敗回数が指定回数以上である場合(317でYES)には、続いて、一定期間内にその保存先に対して画像データの保存を行った実績があるかを判断する(318)。
【0076】
一定期間内に画像データの保存を行った実績がある場合(318でYES)には、保存先の確認処理を終了するが、一定期間内に画像データの保存を行った実績がない場合(318でNO)には、登録した保存先から削除する(319)。
【0077】
図4は、本発明の実施の形態における画像読取装置で行われる処理の流れを示すフローチャートである。
【0078】
図4は、図3に示すフローチャートと類似することから、同一の符号体系を用いて説明する。
【0079】
図4において、図3に示すフローチャートと同様、保存先が新たに登録されると若しくは保存先が登録されてから一定時間以上が経過すると処理が開始され、その保存先との通信の確立が可能であるかを確認するコネクトテストを実行する(301)。このコネクトテストによって接続が確認できたかを判断し(302)、接続が確認できた場合(302でYES)には、続いて、ログイン可能であって認証できるかを確認するログインテストを実行する(303)。
【0080】
このログインテストによってログイン可能であるかを判断し(304)、ログイン可能ができず認証されない場合(304でNO)には、保存先のログイン情報(ログインID、パスワード)の確認画面を表示する(308)。
【0081】
また、ログインテストによってログイン可能であって認証された場合(304でYES)には、続いて、書込みテストを実行することによってログインテストを行ったログインIDに基づくユーザが画像データの書込みを行う権限を有するか否かを確認する書込みテストを行う(305)。この書込みテストによってダミーデータの正常書込みができたかを判断する(306)。
【0082】
この書込みテストによって画像データの書込みが正常に行うことができた場合(306でYES)には、保存先の確認処理を終了する。
【0083】
また、画像データの書込みができない場合(306でNO)には、保存先のアクセス権の変更画面を表示して(307)ユーザに変更を要求する。
【0084】
次に、コネクトテストによる保存先との通信の確立の確認処理によって通信確立が確認されない場合(302でNO)には、続いて、保存先の装置から応答があるかを判断する(309)。
【0085】
保存先の装置から応答がある場合(309でYES)には、その保存先の装置が接続されたネットワークが同一のサブネットワークであるかを判断する(310)。同一のサブネットワーク内にある場合(310でYES)には、ファイアウォールの設定を変更する画面を表示し(311)、同一のサブネットワーク内にない場合(310でNO)には、FW設定の変更画面を表示若しくは同一サブネットに変更する(312)。
【0086】
また、コネクトテストによる保存先からの応答がない場合(309でNO)には、続いて、その保存先へのコネクトテストが初めてであるか否かを判断する(313)。初めてのコネクトテストである場合(313でYES)、すなわち新規に保存先を登録する場合には、IPアドレスやサブネットマスク等の通信情報の設定確認画面を表示する(315)。それに対して、コネクトテストが初めてではない場合(313でNO)、すなわち登録された保存先である場合には、続いて、その保存先へのコネクトテストを指定回数以上実行しているかを判断する(314)。
【0087】
指定回数以上を実行していない場合(314でNO)には、再度、コネクトテストを実行する(301)。また、指定回数以上を実行している場合(314でYES)には、IPアドレスやサブネットマスク等の通信情報の設定確認画面を表示する(315)。
【0088】
これらのコネクトテスト、ログインテスト、書込みテストのうち、いずれかの確認処理において画像データを保存できないと判断され、その原因への対応を指示する画面が表示された場合(307、308、311、312、315)には、次に、その保存先への保存に代えて代替となる保存先(代替保存先)へ保存するかを指定する画面を表示する(401)。
【0089】
この画面を用いて代替保存先が指定されたかを判断し(402)、代替保存先が指定され、代替保存先に保存することが指定された場合(402でYES)には、その保存先に代えて代替保存先へ画像データを保存するように変更する(403)。
【実施例2】
【0090】
図5は、本発明の実施の形態における画像読取装置および画像読取システムおよびプログラムを適用して構成した画像読取システムのシステム構成図の一例である。
【0091】
図5において、画像読取システムは、原稿台にセットされた原稿を光学的に読み取りを行う画像読取装置100、画像読取装置100で読み取った原稿に対する画像データを保存する保存領域を有する情報処理装置1(200−1)、情報処理装置2(200−2)を具備して構成される。
【0092】
画像読取装置100は、例えばスキャナによって構成され、プッシュスキャン機能を有している。また、画像読取装置100におけるプッシュスキャン機能における保存先として指定された情報処理装置1(200−1)、情報処理装置2(200−2)は、このプッシュスキャン機能における保存先として情報処理装置1(200−1)の保存先1が指定されると、若しくはこの情報処理装置1(200−1)の保存先1が登録された状態で所定の時間となると、保存先確認処理の処理要求を画像読取装置100に対して行う。
【0093】
この保存先確認処理は、まず、保存先確認処理の対象となる保存先が情報処理装置1(200−1)の「保存先1」である場合、その「保存先1」が設けられた情報処理装置1(200−1)との間で相互通信が可能であるを確認する通信確立確認処理(以下、「コネクトテスト」)を行う。
【0094】
このコネクトテストは、セションの確立要求に対して応答があるか否かを判断するテストや、ARP要求に対して応答があるかを判断するテストのほか、PINGコマンドの実行有無を判断するテストが該当する。
【0095】
このコネクトテストによって、「保存先1」が設けられた情報処理装置1(200−1)との間で相互通信が可能であると判断される場合には、続いて、認証確認処理(以下、「ログインテスト」という)、権限確認処理(以下、「書込みテスト」という)を実行し、プッシュスキャン機能における画像データの保存が可能であるかを判断する。
【0096】
このログインテストは、プッシュスキャン機能を用いて印刷出力を要求するユーザのログインIDおよびパスワードを用いて「保存先1」が設けられた情報処理装置1(200−1)によって認証されるかどうかを確認するテストであり、また、書込みテストは、任意のダミーデータの書込みを行うことでログインテストを行ったログインIDに基づくユーザが画像データの書込みを行う権限を有するか否かを確認するテストである。
【0097】
これらの通信確立確認処理(コネクトテスト)、認証確認処理(ログインテスト)、権限確認処理(書込みテスト)全てが正常に確認され、プッシュスキャン機能における画像データの保存を行うことできる保存先1であることが確認されると、その確認結果の情報を画像読取装置100で保存するとともに保存先確認処理の要求元である情報処理装置1(200−1)へ応答する。
【0098】
それに対して、この保存先確認処理における通信確立確認処理(コネクトテスト)、認証確認処理(ログインテスト)、権限確認処理(書込みテスト)のうち、いずれかの確認処理において、その保存先ごとに正常動作していることが確認できない連続失敗回数を計数して所定の回数以上となることで保存先の更新処理を行う。
【0099】
この更新処理として、その保存先へ一定期間内に画像データの保存処理を行った実績があるかを判断し、連続失敗回数が所定の回数以上であって一定期間内に保存処理を行った実績がない場合には保存先から削除することによって画像データを保存できる保存先を更新する。
【0100】
また、保存先確認処理によって、正常動作していることが確認できない保存先に対応する代替保存先の指定を可能とし、代替保存先が指定された場合には、プッシュスキャン機能による保存先を代替保存先に変更する処理を行う。
【0101】
このとき、画像読取装置100は、保存先確認処理の処理要求元の情報処理装置1(200−1)に対して正常動作が確認されない場合に、正常動作が確認されない確認処理に対する対応策を電子メール等で報知する。
【0102】
もちろん、図6に示すように、情報処理装置1(200−1)からの問合せに応じてその対応策を画面情報として送信してもよい。
【0103】
保存先確認処理における通信確立確認処理(コネクトテスト)において、通信の確立が確認されない場合には再度、コネクトテストを行い、それでも通信が確認されない場合にはファイアウォールの設定を変更する画面や通信情報(IPアドレス等)の確認を促す画面の情報を送信する。また、認証確認処理(ログインテスト)においてログインが行えない場合にはログイン情報の確認画面の情報を送信し、権限確認処理(書込みテスト)において書込みが行えない場合にはアクセス権の確認を行う画面の情報を送信する。
【0104】
この画面情報を受信した情報処理装置1(200−1)では、表示ディスプレイにその画面を表示し、ユーザによる確認および変更が行われる。このとき、変更後の情報を画像読取装置に送信すると、その変更後の情報によって上書きされ、再度上記の保存確認処理が行われる。
【0105】
なお、上記の例では、プッシュスキャン機能における保存先として情報処理装置1(200−1)の保存先1が指定された場合若しくはこの情報処理装置1(200−1)の保存先1が登録された状態で所定の時間となった場合に、その保存先1を有する情報処理装置1(200−1)から、保存先確認処理の処理要求が行われて、画像読取装置100で保存先確認処理を行うような構成を示しているが、もちろんこれに限定されることなく、保存先確認処理における確認処理の対象である保存先1を有するのではない情報処理装置2(200−2)によって、保存先確認処理の処理要求を行うような構成であってもよい。
【0106】
保存先確認処理の処理要求を行う情報処理装置(図5に示す例では情報処理装置1(200−1)、情報処理装置2(200−2))同士は、画像読取装置100により行われた保存先確認処理の結果を定期的に相互間で交換し、同一の処理結果を有する。
【0107】
図7は、本発明の実施の形態における画像読取装置の詳細な構成を示すブロック図である。
【0108】
この図7に示すブロック図は、図2に示すブロック図と類似していることから同一体系の符号を用いて説明する。
【0109】
図7において、画像読取装置100は、プッシュスキャン機能における原稿の読み取り処理を制御し、また読み取った画像データの保存処理の制御を行うコントローラ10、原稿台にセットされた原稿の読取処理を行う画像読取部30を具備して構成される。
【0110】
コントローラ10は、通信インターフェース11、保存先登録制御部12、保存先管理部13、保存先確認部14、コネクトテスト実行部15、ログインテスト実行部16、書込みテスト実行部17、確認回数計数部19、更新制御部20、表示制御部21、表示情報保存部22、表示部23、操作部24、読取制御部25、テスト結果保存部26を具備して構成される。
【0111】
通信インターフェース11を介してネットワーク接続された情報処理装置では、タイマー等を搭載しており、このタイマーによる計時によって所定の時間となると画像読取装置100に対して保存先確認処理の処理要求を行う。このとき、画像読取装置100に複数の保存先が登録されている場合には各保存先に対して以下のような保存先確認処理を行う。
【0112】
画像読取装置では、情報処理装置から処理要求を受信すると、通信インターフェース11を介して保存先登録制御部12が保存先確認部14に対して保存先の確認処理の処理要求を行う。この保存先登録制御部12では、表示制御部21により指定された装置名称やIPアドレス、ログインユーザ名やパスワード等の登録情報および保存先の新規登録要求を受信した場合にも、保存先確認部14に対して保存先の確認処理の処理要求を行う。
【0113】
このようにして保存先の確認処理の処理要求を受信した保存先確認部14では、受信した登録情報に基づいて保存先の確認処理を行う。
【0114】
この確認処理において、まず、コネクトテスト実行部15によって登録情報に含まれる保存先を指定する情報に基づき、通信の確立が可能であるかを確認するコネクトテストを行う。このコネクトテストは、上記するように、セションの確立要求に対して応答があるか否かを確認するテストや、ARP要求に対して応答があるかを確認するテストのほか、PINGコマンドの実行有無を判断するテストによって通信の確立が可能であるかを確認する。
【0115】
このコネクトテスト実行部15におけるコネクトテストによって保存先の装置と通信の確立が確認されると、続いて、ログインテスト実行部16によって登録情報に含まれるログインIDやパスワード等のログイン情報に基づき、ログイン可能であって認証できるかを確認する。
【0116】
ログインテスト実行部16におけるログインテストによって認証でき、ログインが可能であることが確認されると、続いて、書込みテスト実行部17によってログインテストを行ったログインIDに基づくユーザが画像データの書込みを行う権限を有するか否かを確認する。
【0117】
これらの確認処理によって全て、正常動作することが確認されると、保存先確認部14は、その旨を保存先登録制御部12に通知し、これによって保存先登録制御部12は、保存先の情報を保存先管理部13に登録する。
【0118】
それに対して、確認処理におけるいずれかの処理(通信確立確認処理(コネクトテスト)、認証確認処理(ログインテスト)、権限確認処理(書込みテスト))において、正常動作することが確認できない場合、保存先確認部14は、保存先登録制御部12へその旨を通知する。このとき、保存先登録制御部12は、表示制御部21を介して表示部23に指定した保存先に画像データを保存できないため保存先を登録することができない旨を表示する。
【0119】
保存先管理部13では、登録された保存先の一覧を管理しており、各保存先の情報としてIPアドレスや装置名称などの通信情報、ログインIDやパスワードなどの認証情報、アクセス制限に関する権限情報を対応付けて管理している。
【0120】
全ての確認処理によって正常に画像データを保存できることが確認されると、保存先確認部14は、その結果をテスト結果保存部26へ保存するほか、その旨を確認回数計数部19に通知する。テスト結果保存部26では、画像読取装置により行われた保存先確認処理の結果を保存しており、正常動作が確認されない場合にはその正常動作が確認できない処理を特定する情報とともにそのテスト結果を保存する。
【0121】
この保存先確認部14は、さらに、テスト結果保存部26二保存するテスト結果を通信インターフェース11を介して情報処理装置へも送信する。
【0122】
そして、確認回数計数部19では、その保存先に対する連続失敗回数の情報を「0(ゼロ)」とし、更新情報部20へと通知する。更新情報部20は、保存先管理部13で管理する確認処理が行われた保存先への連続失敗回数の情報を「0(ゼロ)」と更新する。
【0123】
また、コネクトテスト実行部15でのコネクトテスト、ログインテスト実行部16でのログインテスト、書込みテスト実行部17での書込みテストのうち、いずれかの処理によって画像データの保存できることを確認できない場合には、確認回数計数部19へその旨を通知し、確認回数計数部19は、その保存先に対する連続失敗回数に「1」を加算することを更新制御部20に通知する。更新制御部20では、保存先管理部13で管理する保存先に対する連続失敗回数に「1」を加算して更新する。
【0124】
また、保存先確認部14は、保存先登録制御部12に対して保存先管理部13に登録された保存先への確認処理において画像データの保存ができることを確認できない旨を通知し、保存先登録制御部12は、保存先管理部13が管理するその保存先の連続失敗回数を取得してその連続失敗回数が指定回数以上であるか判断する。
【0125】
連続失敗回数が指定回数以上である場合には、続いて、一定期間内にその保存先に画像データの保存を行った実績があるかを判断する。保存を行ったことがない場合には、保存先管理部13で管理する保存先の情報を消去、削除する。
【0126】
このように、登録された保存先への確認処理が連続して指定回数以上、失敗している場合に保存先の情報を削除するのではなく、確認処理によって画像データを保存できることが確認できない保存先に対する代替保存先を設定して、その代替保存先に画像データを保存するような構成とすることも可能である。
【0127】
図7に示す画像読取装置のブロック図では、テスト結果保存部26を設け、保存先確認処理におけるテスト結果を保存するような構成を示しているが、これに限定されることなく図8に示すような画像読取装置のブロック図のように、テスト結果保存部26を設けず、保存先確認部14による保存先確認処理の結果を情報処理装置に通信インターフェース11を介して送信するような構成であってもよい。
【0128】
図9は、本発明の実施の形態における画像読取装置で行われる処理の流れを示すフローチャートである。
【0129】
図9において、情報処理装置から保存先確認処理の処理要求を受信すると処理が開始され、その保存先との通信の確立が可能であるかを確認するコネクトテストを実行する(901)。このコネクトテストによって接続が確認できたかを判断し(902)、接続が確認できた場合(9でYES)には、続いて、ログイン可能であって認証できるかを確認するログインテストを実行する(903)。
【0130】
このログインテストによってログイン可能であるかを判断し(904)、ログイン可能ができず認証されない場合(904でNO)には、保存先のログイン情報(ログインID、パスワード)の確認画面を表示する(908)。
【0131】
また、ログインテストによってログイン可能であって認証された場合(904でYES)には、続いて、書込みテストを実行することによってログインテストを行ったログインIDに基づくユーザが画像データの書込みを行う権限を有するか否かを確認する(905)。
【0132】
この書込みテストによって画像データの書込みが可能である場合(905でYES)には、保存先の確認処理を終了する。
【0133】
また、画像データの書込みができない場合(905でNO)には、保存先のアクセス権の変更画面を表示して(907)ユーザに変更を要求する。
【0134】
次に、コネクトテストによる保存先との通信の確立の確認処理によって通信確立が確認されない場合(902でNO)には、続いて、保存先の装置から応答があるかを判断する(909)。
【0135】
応答がある場合(909でYES)には、その保存先の装置が接続されたネットワークが同一のサブネットワークであるかを判断する(910)。同一のサブネットワーク内にある場合(910でYES)には、ファイアウォールの設定を変更する画面を表示し、同一のサブネットワーク内にない場合(910でNO)には、FW設定の変更画面を表示若しくは同一サブネットに変更する(912)。
【0136】
また、コネクトテストによる保存先からの応答がない場合(909でNO)には、続いて、その保存先へのコネクトテストが初めてであるか否かを判断する(913)。初めてのコネクトテストである場合(913でYES)、すなわち新規に保存先を登録する場合には、IPアドレスやサブネットマスク等の通信情報の設定確認画面を表示する(915)。それに対して、コネクトテストが初めてではない場合(913でNO)、すなわち登録された保存先である場合には、その保存先へのコネクトテストを指定回数以上実行しているかを判断する(914)。
【0137】
指定回数以上を実行していない場合(914でNO)には、再度、コネクトテストを実行する(901)。また、指定回数以上を実行している場合(914でYES)には、IPアドレスやサブネットマスク等の通信情報の設定確認画面を表示する(915)。
【0138】
これらのコネクトテスト、ログインテスト、書込みテストのうち、いずれかの確認処理において画像データを保存できないと判断され、その原因への対応を指示する画面が表示された場合(907、908、911、912、915)には、次に、連続失敗回数に「1」を加算することによって連続失敗回数を保存する(916)。
【0139】
そして、連続失敗回数が指定回数以上であるかを判断して(917)、指定回数以上でない場合(917でNO)には、保存先確認処理のテスト結果およびそのテスト結果がエラーである場合にはエラー内容を保存する(920)。また、このテスト結果およびエラーの内容を処理要求元の情報処理装置へと送信する(921)。
【0140】
それに対して、連続失敗回数が指定回数以上である場合(917でYES)には、続いて、一定期間内にその保存先に対して画像データの保存を行った実績があるかを判断する(918)。
【0141】
一定期間内に画像データの保存を行った実績がある場合(918でYES)には、保存先の確認処理を終了するが、一定期間内に画像データの保存を行った実績がない場合(918でNO)には、登録した保存先から削除する(919)。この場合にも上記同様、保存先確認処理のテスト結果およびそのテスト結果がエラーである場合にはエラー内容を保存する(920)。また、このテスト結果およびエラーの内容を処理要求元の情報処理装置へと送信する(921)。
【0142】
図10は、本発明の実施の形態における画像読取装置で行われる処理の流れを示すフローチャートの他の例である。
【0143】
図10において、情報処理装置から保存先確認処理の処理要求を受信すると処理が開始され、その保存先との通信の確立が可能であるかを確認するコネクトテストを実行する(901)。このコネクトテストによって接続が確認できたかを判断し(902)、接続が確認できた場合(9でYES)には、続いて、ログイン可能であって認証できるかを確認するログインテストを実行する(903)。
【0144】
このログインテストによってログイン可能であるかを判断し(904)、ログイン可能ができず認証されない場合(904でNO)には、保存先のログイン情報(ログインID、パスワード)の確認画面を表示する(908)。
【0145】
また、ログインテストによってログイン可能であって認証された場合(904でYES)には、続いて、書込みテストを実行することによってログインテストを行ったログインIDに基づくユーザが画像データの書込みを行う権限を有するか否かを確認する(905)。
【0146】
この書込みテストによって画像データの書込みが可能である場合(905でYES)には、保存先の確認処理を終了する。
【0147】
また、画像データの書込みができない場合(905でNO)には、保存先のアクセス権の変更画面を表示して(907)ユーザに変更を要求する。
【0148】
次に、コネクトテストによる保存先との通信の確立の確認処理によって通信確立が確認されない場合(902でNO)には、続いて、保存先の装置から応答があるかを判断する(909)。
【0149】
応答がある場合(909でYES)には、その保存先の装置が接続されたネットワークが同一のサブネットワークであるかを判断する(910)。同一のサブネットワーク内にある場合(910でYES)には、ファイアウォールの設定を変更する画面を表示し、同一のサブネットワーク内にない場合(910でNO)には、FW設定の変更画面を表示若しくは同一サブネットに変更する(912)。
【0150】
また、コネクトテストによる保存先からの応答がない場合(909でNO)には、続いて、その保存先へのコネクトテストが初めてであるか否かを判断する(913)。初めてのコネクトテストである場合(913でYES)、すなわち新規に保存先を登録する場合には、IPアドレスやサブネットマスク等の通信情報の設定確認画面を表示する(915)。それに対して、コネクトテストが初めてではない場合(913でNO)、すなわち登録された保存先である場合には、その保存先へのコネクトテストを指定回数以上実行しているかを判断する(914)。
【0151】
指定回数以上を実行していない場合(914でNO)には、再度、コネクトテストを実行する(901)。また、指定回数以上を実行している場合(914でYES)には、IPアドレスやサブネットマスク等の通信情報の設定確認画面を表示する(915)。
【0152】
これらのコネクトテスト、ログインテスト、書込みテストのうち、いずれかの確認処理において画像データを保存できないと判断され、その原因への対応を指示する画面が表示された場合(907、908、911、912、915)には、次に、代替保存先へ保存するかおよび代替保存先の情報の指定を行う画面を情報処理装置に表示する(1001)。
【0153】
情報処理装置に表示されたこの画面を用いて代替保存先に保存することが指定されたかを判断し(1002)、代替保存先に保存することが指定された場合(1002でYES)には、プッシュスキャン機能における画像データの保存先を指定されたその代替保存先へ変更する(1003)。
【0154】
これにより代替保存先へ保存されると、若しくは代替保存先に保存することが指定されない場合(1002でNO)には、保存先確認処理のテスト結果およびそのテスト結果がエラーである場合にはエラー内容を保存する(920)。また、このテスト結果およびエラーの内容を処理要求元の情報処理装置へと送信する(921)。
【0155】
以上に示す実施の形態は、本発明の実施の一形態であって、これらの実施例に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。
【0156】
なお、本発明は、通信機能を備えた画像読取システムで上述の動作を実行させ、あるいは上述の手段を構成させるためのプログラムを格納した記録媒体(CD−ROM、DVD−ROM等)から該プログラムをコンピュータにインストールし、これを実行させることにより、上述の処理を実行する画像読取システムを構成することも可能である。画像読取システムを構成するコンピュータは、システムバスを介してCPU(Central Processor Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクが接続されている。CPUは、ROMまたはハードディスクに記憶されているプログラムに従い、RAMを作業領域にして処理を行う。
【0157】
また、プログラムを供給するための媒体は、通信媒体(通信回線、通信システムのように一時的または流動的にプログラムを保持する媒体)でもよい。例えば、通信ネットワークの電子掲示板(BBS:Bulletin Board Service)に該プログラムを掲示し、これを通信回線を介して配信するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0158】
10 コントローラ
11 通信インターフェース
12 保存先登録制御部
13 保存先管理部
14 保存先確認部
15 コネクトテスト実行部
16 ログインテスト実行部
17 書込みテスト実行部
18 タイマー部
19 確認回数計数部
20 更新制御部
21 表示制御部
22 表示情報保存部
23 表示部
24 操作部
25 読取制御部
30 画像読取部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを読み取る画像読取手段と、
前記画像読取手段による前記画像データの読取処理に際して、当該画像データの保存先との通信状態を確認する通信状態確認手段と、
前記保存先に対して前記画像データの保存操作を行う操作者を認証する認証手段と、
前記操作者に対する前記保存操作の操作権限を確認する操作権限確認手段と、
前記通信状態確認手段によって前記保存先との通信状態が確認されない場合若しくは前記認証手段によって前記操作者が認証されない場合若しくは前記操作権限確認手段によって前記操作権限が確認されない場合に対応して前記保存先に前記画像データを保存できない原因に対する対応策を前記操作者に報知する対策報知手段と
を具備する画像読取装置。
【請求項2】
前記保存先を指定する保存先指定手段
を具備し、
前記対策報知手段は、
前記保存先指定手段によって保存先が指定されると、前記通信状態確認手段若しくは前記認証手段若しくは前記操作権限確認手段により前記保存先への画像データの保存が可能であるか確認し、該保存先へ前記画像データの保存が可能でない場合に該原因に対する対応策を報知する請求項1記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記保存先を管理する保存先管理手段と、
前記通信状態確認手段によって前記保存先との通信状態が確認されない場合若しくは前記認証手段によって前記保存先への保存操作を行う前記操作者が認証されない場合若しくは前記操作権限確認手段によって前記操作者が保存操作の操作権限を有することが確認されない場合には、当該保存先への対策回数を記録する記録手段と、
前記記録手段によって記録された対策回数が予め指定した指定回数となることにより前記保存先管理手段によって管理された保存先を消去する消去手段と
を具備する請求項1または2記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記記録手段は、
前記通信状態確認手段によって前記保存先との通信状態が確認されない場合若しくは前記認証手段によって前記保存先への保存操作を行う前記操作者が認証されない場合若しくは前記操作権限確認手段によって前記操作者が保存操作の操作権限を有することが確認されない場合が、一定期間において連続して行った対策回数を記録する請求項3記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記保存先指定手段によって保存先が指定されると、前記通信状態確認手段若しくは前記認証手段若しくは前記操作権限確認手段により前記保存先への画像データの保存が可能であるか確認し、該保存先へ前記画像データの保存が可能でない場合には代替保存先を指定する代替保存先指定手段と、
前記代替保存先指定手段によって代替保存先が指定されると、前記読取手段によって読み取った画像データを該代替保存先へ保存する保存手段と
を具備する請求項1乃至4のいずれかに記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記操作権限確認手段は、
動作確認データを保存先へ書き込むことによって保存操作の操作権限を確認し、
前記対策報知手段は、
前記保存先へ前記動作確認データを書き込むことができない場合に保存先に設定された操作権限を変更する画面を表示する請求項1乃至5のいずれかに記載の画像読取装置。
【請求項7】
前記対策報知手段は、
前記操作者に電子メールを送信する請求項1または6に記載の画像読取装置。
【請求項8】
読取対象から画像データを読み取る画像読取装置と、
前記画像読取装置によって読み取った画像データを保存する保存先を有する情報処理装置と
を備え、
前記画像読取装置は、
前記画像データの読取処理に際して、当該画像データの保存先との通信状態を確認する通信状態確認手段と、
前記通信状態確認手段により前記保存先への通信が確立された状態を確認した場合に前記画像データの保存操作を行う操作者を認証する認証手段と、
前記認証手段によって認証された場合に前記操作者に対する前記保存操作の操作権限を有することを確認する操作権限確認手段と、
前記通信状態確認手段によって前記保存先との通信状態が確認されない場合若しくは前記認証手段によって前記保存先への保存操作を行う前記操作者が認証されない場合若しくは前記操作権限確認手段によって前記操作者が保存操作の操作権限を有することが確認されない場合であって前記画像データを保存先に保存できないときは、該保存先に前記画像データを保存できない処理を特定する処理特定情報を前記情報処理装置へ送信する情報送信手段と
を具備し、
前記情報処理装置は、
前記情報送信手段によって送信された処理特定情報に対する対応策を前記操作者に報知する対策報知手段と
を具備する画像読取システム。
【請求項9】
前記画像読取装置は、
前記保存先を管理する保存先管理手段と、
前記通信状態確認手段によって前記保存先との通信状態が確認されない場合若しくは前記認証手段によって前記保存先への保存操作を行う前記操作者が認証されない場合若しくは前記操作権限確認手段によって前記操作者が保存操作の操作権限を有することが確認されない場合には、当該保存先への対策回数を記録する記録手段と、
前記記録手段によって記録された対策回数が予め指定した指定回数となったことを前記情報処理装置に通知する通知手段と、
前記情報処理装置からの指示に基づいて前記保存先を前記保存先管理手段から消去する消去手段と
を具備し、
前記情報処理装置は、
前記通知手段による通知により前記保存先管理手段によって管理された保存先を消去する指示を行う消去指示手段と
を具備する請求項8記載の画像読取システム。
【請求項10】
コンピュータを、
前記画像データの読取処理に際して、当該画像データの保存先との通信状態を確認する通信状態確認手段、
前記通信状態確認手段により前記保存先への通信が確立された状態を確認した場合に前記画像データの保存操作を行う操作者を認証する認証手段、
前記認証手段によって認証された場合に前記操作者に対する前記保存操作の操作権限を有することを確認する操作権限確認手段、
前記通信状態確認手段によって前記保存先との通信状態が確認されない場合若しくは前記認証手段によって前記操作者が認証されない場合若しくは前記操作権限確認手段によって前記操作権限が確認されない場合に対応して前記保存先に前記画像データを保存できない原因に対する対応策を前記操作者に報知する対策報知手段
として機能させる画像読取プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−219920(P2010−219920A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−64741(P2009−64741)
【出願日】平成21年3月17日(2009.3.17)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】