画像読取装置
【課題】
画像読取装置の搬送路を開放した状態で、読み取り面のガラスに付着したゴミや汚れを検出しようとすると、外光の影響により検出できない場合がある。また、搬送路が閉状態になった時にゴミや汚れを検出する場合は外光の影響を受けないが、搬送路を一旦閉状態にしなければならず、無駄な作業が増えてしまう。
【解決手段】
搬送路が開放されている状態で光源を消灯して画像読み取りを行って読取結果から外光の検出を行い、外光の入射がないと判断した場合は光源を点灯させて画像読み取りを行って読取結果から、ゴミや汚れを検出する。外光の入射があると判断した場合は光源を点灯させて画像読み取りを行い、消灯時に画像読み取りを行った読取結果との差分からゴミや汚れの有無を検出する。
画像読取装置の搬送路を開放した状態で、読み取り面のガラスに付着したゴミや汚れを検出しようとすると、外光の影響により検出できない場合がある。また、搬送路が閉状態になった時にゴミや汚れを検出する場合は外光の影響を受けないが、搬送路を一旦閉状態にしなければならず、無駄な作業が増えてしまう。
【解決手段】
搬送路が開放されている状態で光源を消灯して画像読み取りを行って読取結果から外光の検出を行い、外光の入射がないと判断した場合は光源を点灯させて画像読み取りを行って読取結果から、ゴミや汚れを検出する。外光の入射があると判断した場合は光源を点灯させて画像読み取りを行い、消灯時に画像読み取りを行った読取結果との差分からゴミや汚れの有無を検出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿の画像を読み取る画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
原稿を搬送して画像を読み取る画像読取装置は、通常は原稿台に積載された原稿束から原稿を一枚づつ分離して搬送路を搬送しながら、その搬送中に一次元のラインイメージセンサを有する画像読取部にて画像読み取りを行う。画像読取部には、傷つき防止や紙粉の付着を防ぐの防塵などを目的とした読取ガラスが搬送路に面して設けられており、その奥にあるイメージセンサ素子が読取ガラスを通して原稿を読み取る。
【0003】
しかし、原稿を搬送しながら読み取るため、搬送中の摩擦などによる原因で原稿から紙粉が発生してガラスに付着したり、原稿上に付いていた消しゴムのカスがガラスに付着したり、原稿上の乾いていないインクが読取ガラスを汚すなど、ガラスには様々なゴミや汚れがついてしまう。
【0004】
このように、ガラスに様々なゴミや汚れがついた状態で画像読み取りを行うと、原稿に照射され、原稿で反射された光がイメージセンサ素子に届かず黒く読み取られる部分が生じることがある。逆に、白い汚れが付着した場合に、白い汚れで反射された光がイメージセンサ素子に届き白くなってしまったりすることもある。複数枚の原稿を搬送しながら読み取りを行っている間にこのようなゴミや汚れの付着が発生すると、ラインイメージセンサの走査方向(主走査方向)に略直交する原稿搬送方向(副走査方向)に伸びる黒線や白線となって読み取った画像中に現れる。
【0005】
したがって、ゴミや汚れがガラスに付着した場合、これを検出する手段が必要となる。例えば、特許文献1に開示された検出方法では、搬送路が開閉されたときにゴミの検出を行っている。
【0006】
この方法では、搬送路が完全に開いた状態では、蛍光灯などの光が外光としてイメージセンサに入射してしまい、ゴミの検出ができない。そのため、搬送路の開閉を検出する手段を用意し、ユーザが操作を行い閉状態になったことが検出されたとき、すなわち外光の影響を考慮せずに済むタイミングでゴミの検出を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−324590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
付着したゴミや汚れが清掃によって取り除かれたか否かの確認は、通常の原稿の画像を読み取って画像を確認すれば可能である。しかし、この方法では清掃のために開放されていた搬送路を閉めて原稿をセットし、画像読み取りの開始の操作を行う必要がある。画像を確認し清掃が不十分だった場合には、再度搬送路を開放する手間もかかっていた。
【0009】
これに対して、特許文献1の方法では、付着したゴミや汚れが清掃によって取り除かれたか否かの確認のために、原稿をセットして原稿の画像読み取りを行う手間は不要である。特許文献1のゴミ検出方法の概略を、図12に示す。清掃やジャム処理等のために開放された搬送路を閉じたときに、搬送路が閉じられたことを検出すると(ステップS1201でYES)ゴミや汚れの検出がステップS1202で行われるため、ステップS1203でその検出結果を確認する。確認した結果、まだゴミや汚れがガラス面に存在している場合は、ステップS1204でゴミ検知メッセージを表示して、再度清掃を行うように促す。ゴミや汚れが存在していない場合は、終了となる。
【0010】
上記特許文献1の方法では、外光の影響を受けずにゴミの検出を行うことができるが、例えばガラスの清掃を行っている際に、清掃で十分きれいになったか否かを確認するには、その度に一旦搬送路を閉じる操作を行うという無駄な作業が必要となる。
【0011】
また、特許文献1の実施例として記載されている装置では搬送路が完全に開放された状態では光源を消灯させている。画像読み取り部のガラスは比較的奥に位置している場合が多いため、搬送路を開放した状態でゴミの有無を目視にて確認しようとしても暗くて確認が困難である。
【0012】
本発明は、搬送路が開放された状態で画像読取部にゴミや汚れが付着しているかどうかを検出可能な画像読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の画像読取装置は、前記目的を達成するために発明されたものであり、シートを搬送する搬送手段が設置され、開閉可能な搬送路と、搬送路の開閉を検出する開閉検出手段と、前記搬送路中を前記搬送手段により搬送されているシートの画像を読み取る画像読取センサとシートに光を照射する光源と読取ガラスとを具備する読取ユニットと、前記搬送路が開放されている状態にて、前記光源を消灯させた状態と点灯させた状態でそれぞれ画像を読み取り、読取結果に基づいて前記読取ガラスにゴミや汚れが付着しているかどうかを検出するゴミ検出手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、搬送路の開放中に、外光の入射の有無にかかわらず正しいゴミ検出結果を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の画像読取装置の概略の構成を表す図である。
【図2】画像読取装置の搬送路を開放した状態を表す図である。
【図3】外光が入射していない場合の読取結果を表す図である。
【図4】外光が入射している場合の読取結果を表す図である。
【図5】外光の影響が大きい場合の読取結果を表す図である。
【図6】増幅率を下げて発光光量を高くした場合の読取結果を表す図である。
【図7】外光の影響が大きすぎる場合の読取結果を表す図である。
【図8】ゴミや汚れの検出結果を発光光量の変化で通知する制御のフローチャートである。
【図9】ゴミや汚れの量が異なる3つの場合の検出結果を表す図である。
【図10】ゴミや汚れの検出結果を発光色の変更で通知する制御のフローチャートである。
【図11】ゴミや汚れの検出結果を発光状態の変化で通知する制御のフローチャートである。
【図12】特許文献1のゴミ検出方法を示す概略のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明の詳細な説明を、図面を用いて示す。
【実施例1】
【0017】
図1は、本発明を適用した画像読取装置の一態様を示す模式側断面図である。図1において、100は画像読取装置、100aは原稿などの読取対象のシートSを積載収納するシート積載部、100bは画像読取処理を終えたシートSを積載収納する排出シート積載部である。
【0018】
給送手段としてのピックアップローラ111は、シート積載部100aに積載された読取原稿であるシートSを装置内部に向けて給紙する。このピックアップローラ111はローラ保持部材に支持されている。ローラ保持部材112は、送りローラ113の軸を中心に回動可能に支持され、ピックアップローラ111をシート積載部100aに積載された複数枚のシートSからなるシート束の最上部に当接する当接位置と積載を妨げない離間位置とに移動可能に支持している。
【0019】
先端規制手段としてのシート規制部材115は、シート先端が後述する分離給送部110まで押し込まれてしまうのを防いでいるとともに、シート先端を揃えるためのものであり、スキャン動作を開始すると搬送路より退避する構成になっている。
【0020】
このシート規制部材115は画像読取装置100の停止状態においてシートSの先端を規制する規制位置(図1の二点鎖線位置)に保持されており、該規制位置で前記ピックアップローラ111を支持しているローラ保持部材112と当接させることで、シートSの積載を妨げない離間位置にピックアップローラ111を退避させている。また、シート規制部材115が退避時に平行な位置となる傾斜部分には摩擦係数の大きいシートが貼り付けられていて、かつ給紙時にピックアップローラ111と対向する位置にあるため、給紙時にシートSがこの傾斜部分を通る時にシートがある程度分離される。
【0021】
複数枚のシートを一枚に捌く分離給送部110では、搬送方向に対して正回転する送りローラ113と搬送方向に対して逆回転する方向の駆動力を伝達されている分離ローラ114とで構成されている。複数枚のシートが分離給送部に入ってきたときは、送りローラ113が正回転する一方で、分離ローラ114が逆回転することによりシートが一枚に捌かれる。
【0022】
重送検知センサ160aおよび160bの出力信号を用いて、搬送されているシートが1枚に分離されているかどうかを検知可能である。この重送検知センサには、超音波を用いたものの他に、赤外線を使用したタイプなどがある。搬送手段の一部であり、搬送路に設置されたレジストローラ対121、131は、分離給送部110によって分離されたシートを搬送する。なお、レジストローラ121は図示しない駆動モータによって正逆転可能に構成されており、正方向に回転することによってシートを下流側に搬送する。搬送路に設置された搬送手段の一部である搬送ローラ122、123、124は、各搬送ローラに押圧配置され従動回転する従動ローラ132、133、134と対をなし、シートSを所定の速度で狭持搬送する。
【0023】
画像読取センサと原稿に光を照射する光源を有する画像読取部(読取ユニット)140、150を用いて、搬送されているシートSの表面及び裏面の画像を選択的に読み取ることが可能である。排紙センサ161の出力信号を用いて、読み取ったシートが正常に排紙されたか、もしくはジャムが発生し排紙されない状態になっているかを判断することができる。
【0024】
次に、このように構成された画像読取装置100における画像読取動作について説明する。画像読取動作が開始されると、まず図示しない原稿検知センサがシート積載部に積載された原稿を検知し、図示しない駆動モータが回転を開始する。これにより、シート規制部材115および搬送ローラ121〜124が動作開始する。シート規制部材115はシート先端を規制する規制位置(図1の二点鎖線位置)から搬送路下面に退避した退避位置(図1の実線位置)に移動する。
【0025】
このシート規制部材115の退避位置への移動によりピックアップローラ111は下降して、シート積載部100a上に積載されたシートSの最上面に当接して該シートSを給紙する。給紙されたシートSは、ピックアップローラ111と対向する傾斜部および分離装置110により一枚に捌かれてレジストローラ対121,131や搬送ローラ122、従動ローラ132とからなるローラ対で搬送されることで、表面及び裏面画像読取部140、150に略密着した状態で通過する。
【0026】
そして、シートSの表面あるいは裏面に形成された画像は、表面及び裏面用の画像読取部140、150を通過する際にライン走査され、電気信号として外部に出力される。このように画像の読み取りが行われた後、シートSは搬送ローラ123,124と従動ローラ133、134とからなる各ローラ対で搬送され、排紙センサ161で排紙部に到達したことが確認されるとともに、排出積載部100bヘ排出される。
【0027】
また、搬送路中にシートSが引っかかるなどの現象が発生してジャムとなった場合、搬送や読み取り動作を一時中断し、搬送路開閉レバー116を操作して開閉可能な搬送路を開放することができる。搬送路を開放すると、ジャムとなったシートSを取り出すことが可能となる。
【0028】
以上が通常の原稿読み取り動作となるが、シートSは搬送路中を搬送されている間に、搬送路のガイド部やローラ類と接触しながら移動するため、摩擦により紙粉が発生する。また、シートSをシート積載部100aに積載する前に、消しゴムの使用やサインペンなどでの記入を行うと、消しゴムのカスや、なま乾きのインクがシートS上に残っている場合がある。
【0029】
このようなシートSの読み取りを行うと、画像読取部140、150の画像読取面にある読取ガラス141、151に紙粉、消しゴムのカス、インクなどが付着してしまう。この状態でシートSの読み取りを行うと、シートSを搬送しながら画像読取部140、150で読み取りを行うと、画像読取を行っている期間中ゴミや汚れのある部分だけはゴミや汚れを読み取り続けてしまう。したがって、ゴミや汚れのあった部分に相当する画像上の位置にはシートSの搬送方向(副走査方向)に伸びる黒スジや白スジが発生する。
【0030】
このような黒スジや白スジが発生した場合は、ユーザは搬送路開閉レバー116を操作して図2に示すように搬送路を開放し、表面用の画像読取部140の読み取り面にある表面読取ガラス141の汚れを布などで拭き取る。
【0031】
ユーザは同様に、裏面用の画像読取部150の読み取り面にある裏面読取ガラス151の汚れを布などで拭き取る。これら読取ガラス141、151にゴミや汚れがついてしまうと、原稿の画像を読み取ったときに画像読取部140、150はゴミや汚れにより影響を受けた反射光を読み取ってしまい、読み取った画像には搬送方向に伸びる線となって現れてしまうからである。このように、黒スジや白スジが発生した場合には、ユーザは読取ガラスの汚れを拭き取ってから、再度原稿の画像読み取りを行う。
【0032】
搬送路開閉レバー116をユーザが操作して搬送路が開放され、図2のような状態になった場合、図示しない搬送路開閉検出センサが搬送路の開放を検出するようになっている。この搬送路開閉検出センサとしては、(1)搬送路の開閉によりレバーが動くタイプ、(2)搬送路の開閉により移動する部分と移動しない部分に発光素子と受光素子をそれぞれ配置して、受光素子が発光素子の出力を検出することで判断するタイプ、(3)搬送路の開閉により移動する部分と移動しない部分との一方に発光素子、他方に光ガイドを設けるタイプ、(4)一方に磁石、他方に磁界センサを配置するタイプなど、どのような方法を用いたものでもよい。なお、図2の状態においては外光の画像読取部への入射は起こる可能性があるものとする。
【0033】
搬送路開閉検出センサにより搬送路が開けられたことを検出すると、まず画像読取部140、150内にある光源は消灯した状態でイメージセンサが画像の読み取りを行う。そのときの読取結果は、表面読取ガラス141および裏面読取ガラス151に外光が入射していなければ、ゴミや汚れの有無に関わらず図3(a)のように暗くなる。これは、光源の光のガラス面での反射もなく、ガラス面を透過する外光もないためである。
【0034】
次に光源を点灯させて画像読み取りを行う場合、ガラス面にゴミや汚れがあると、図2のような搬送路の開放状態でも光源の光はガラス面にあるゴミや汚れの付着した部分では反射されるので、受光することができる。したがって、図3(b)のようにゴミや汚れのある部分では、受光光量は光源の光が反射されて高くなるが、それ以外の部分では反射されないので、光源を消灯して読み取りを行った時の受光光量と近い受光光量になる。このように外光が入射しなければ、光源点灯時の読取結果にゴミや汚れの付着を表す大きなピークが現れる。そこで、読取結果が光源消灯時に図3(a)、光源点灯時に図3(b)のようになった場合は、この読取結果を使用して不図示の制御回路のCPUが制御プログラムを実行してゴミや汚れの検出を行うようにした。このような処理をCPUではなくハードウエアによって実現してもよい。このような処理を行うCPUと制御プログラム、又はハードウエアがゴミ検出手段の一例である。
【0035】
一方、外光が入射している場合は、光源消灯時の読取結果では図4(a)のように、ゴミや汚れのない部分は外光により受光光量が高くなるが、ゴミや汚れのある部分は外光が遮られて多少低くなる。ここで光源を点灯させて読み取りを行うと、図4(b)のような読取結果が得られる。これは、外光が入射せず光源を点灯させた時の読取結果の図3(b)と外光が入射した状態で光源を消灯した時の読取結果の図4(a)を加算したものに相当する。この図4(a)や図4(b)の読取結果をそのまま使用してゴミや汚れの検出を行うことは、ゴミや汚れのある部分とない部分の受光光量の差が少ないため難しい。そこで、図4(b)から図4(a)を差し引くことにより、図3(b)の読取結果と同等の図4(c)のような演算結果が得られる。このように、図4(c)の演算結果を使用したゴミや汚れの検出は、外光が入る状況でも容易である。そこで、読取結果が光源消灯時に図4(a)、光源点灯時に図4(b)のようになった場合は、図4(c)の演算結果を使用してゴミや汚れの検出を行うようにした。上述した、外光が入射しているか否かの検出は、不図示の制御回路のCPUが制御プログラムを実行して行うようにした。このような処理をCPUではなくハードウエアによって実現してもよい。このような処理を行うCPUと制御プログラム、又はハードウエアが外光検出手段の一例である。
【0036】
以上のようなゴミや汚れの検出を、搬送路の開放を検出した場合に、1回又は複数回繰り返して行うようにする。例えば、搬送路の開放を検出したとき、ユーザが読取ガラスの汚れを拭き取るためにかかる時間よりも長い待ち時間の後に、上記のゴミや汚れの検出を1回行ってもよい。また、搬送路の開放を検出したとき、ゴミや汚れが検出されなくなるまで、上記のゴミや汚れの検出の処理を繰り返し行ってもよい。
【実施例2】
【0037】
本発明の第2の実施形態は、第1の実施形態の変形例であり、通常の画像読取の動作は第1の実施形態と同じである。黒スジや白スジの発生により、ユーザが読取ガラスの汚れを拭き取るために、搬送路を開放した状態にした場合の動作が第1の実施形態とは異なる。本実施形態によれば、搬送路を開放した状態において外光の影響が顕著であって、第1の実施形態ではゴミや汚れの検出の処理ができなくなるような状況でも、ゴミや汚れの検出が可能である。
【0038】
このような状況では、光源を消灯した状態で画像読み取りを行うと、読取結果において図5(a)のように、ゴミや汚れの付着部分の受光光量と他の部分の受光光量とは差が小さく、どちらもほぼ飽和した状態となる。
【0039】
この状態で光源を点灯させて画像読み取りを行うと、読取結果は図5(b)のように飽和してしまう。このように外光の影響の大きい状態で光源点灯時と消灯時の読取結果の差分を求めても、演算結果は図5(c)のようになりゴミや汚れの検出は困難である。
【0040】
このように、外光の影響があることを想定し、図5(a)のように光源消灯時の読取結果がほぼ飽和しているかどうかを判断するようにした。すなわち、破線で示したような所定のしきい値をあらかじめ設定しておき、光源消灯時の読取結果において受光光量がしきい値を超えているかどうかにより判断する。なお、光源点灯時の読取結果において所定のしきい値をあらかじめ設定しておいて、飽和による影響の有無を判断してもよい。上述した、外光の入射量が飽和の起こるレベルに達したか否かの検出は、不図示の制御回路のCPUが制御プログラムを実行して行うようにした。このような処理をCPUではなくハードウエアによって実現してもよい。このような処理を行うCPUと制御プログラム、又はハードウエアが外光入射量検出手段の一例である。
【0041】
このように、ゴミ検出時に外光による飽和の影響があると判断した場合には読取時にイメージセンサから出力されるアナログ信号である画像信号を増幅する増幅器の増幅率を下げるようにした。このようにすると、光源消灯時の読み取り画像は外光の影響が減り図6(a)のようになる。
【0042】
このように増幅率を下げた状態で、かつ光源をより明るく点灯させて画像読み取りを行うと、図6(b)のような画像が得られる。こうして得られた光源点灯時と消灯時の読取結果の差分をとると、図6(c)のようにゴミや汚れのある部分とない部分の受光光量の差が十分にある演算結果を得ることができ、ゴミや汚れの検出が可能となる。
【0043】
なお、外光による飽和の影響がないと判断した場合には、第1の実施形態と同様の方法でゴミや汚れの検出を行う。
【実施例3】
【0044】
本発明の第3の実施形態は、第1、第2の実施形態の変形例であり、通常の画像読取の動作は第1、第2の実施形態と同じである。また、後述するゴミや汚れの検出できない旨の通知以外は、第1、第2の実施形態と同様の処理を行う。第2の実施形態で説明した外光の状態よりも、さらに外光が増加したため、増幅器の増幅率を下げても光源消灯時の読取結果又は光源消灯時と点灯時の両方の読取結果が図7のようになり、所定の飽和しきい値を超えておりゴミや汚れの検出ができない場合に、その旨をユーザに通知するようにした。上述した、外光の入射量が多く増幅器の増幅率を下げても、読取結果が飽和しきい値を超えていることの検出は、不図示の制御回路のCPUが制御プログラムを実行して行うようにした。このような処理をCPUではなくハードウエアによって実現してもよい。このような処理を行うCPUと制御プログラム、又はハードウエアが外光飽和検出手段の一例である。
【0045】
このように、搬送路を開放してユーザがゴミの拭き取りを行った際に、ゴミや汚れが読取結果から検出できない状態である場合に、この旨をユーザに知らせることにより、無駄な再清掃をユーザに行わせることがなくなる。このゴミや汚れが読取結果から検出できない状態であることの判断のために、図7に示したような、所定のしきい値をあらかじめ設定しておく。光源消灯時の読取結果において又は光源点灯時の読取結果において受光光量がしきい値を超えているかどうかによって判断を行う。ユーザへの通知は、画像読取装置に設けた不図示の表示部への表示や、不図示の動作状態表示ランプの点灯状態の制御等、どのような方法で行ってもよい。または、画像読取装置に接続されたPC等のホスト装置の表示部にユーザへの通知を表示してもよい。
【実施例4】
【0046】
本発明の第4の実施形態は、第1、第2、第3の実施形態の変形例であり、通常の画像読取の動作は第1、第2、第3の実施形態と同じである。また、後述するゴミや汚れがなくなった旨の通知以外は、第1、第2、第3の実施形態と同様の処理を行う。ユーザが行った清掃によりゴミや汚れがなくなった旨をユーザに知らせるために、光源の発光状態を変更し、ゴミや汚れの検出結果を通知するようにした。この方法を図8のフローチャートにて説明する。なお、本処理は不図示の制御回路のCPU等がプログラムにより行うものとするが、ハードウエアによって実現してもよい。
【0047】
まず、清掃を行うためにユーザの操作で搬送路が開放された状態であることを、不図示のCPUはステップS801にて不図示の搬送路開閉検出センサの信号に基づいて検出するとステップS802に移行する。なお、ステップS801にて搬送路が開放されていないと判断した場合は、本処理を終了する。ステップS802でCPUは光源点灯状態での画像読取を行わせて読取結果を取得し、また必要に応じて光源消灯状態での画像読取を行わせて読取結果を取得し、ガラス面のゴミや汚れの検出を行う。
【0048】
そしてステップS803では、CPUはゴミや汚れの検出結果を通知するため、検出されたゴミや汚れの量に応じて光源の発光状態を所定の色に変化させステップS801に戻る。このようにすることで、ユーザはゴミや汚れが検出されなくなったか否かを、清掃作業を行っているそのときに認識できるようになる。色の変化ではなく、光量又は点滅状態を変化させて、検出されたゴミや汚れの量をユーザに通知してもよい。本処理は、搬送路が開放された状態である間は繰り返し実行されるため、ユーザは光源の発光状態の変化を見ながら、ゴミや汚れが残っているとの通知がされなくなるまで、手でガラス面のゴミや汚れの拭き取り等を行えるので、適切な清掃を行うことができる。なお、ガラス面のゴミや汚れがないとCPUが判断した場合は、光源を消灯することでその旨の通知に替えて、本処理を終了してもよい。
【0049】
以上のように、特許文献1の画像読取装置においてゴミや汚れの検知動作(図12)を行わせるために必要であった搬送路を閉じる動作は必要ない。ユーザは清掃を行った後は搬送路を開放状態にしたままで、ゴミや汚れの検出結果が確認できる。清掃状態が不十分であり再度清掃を行う場合でも、搬送路は開放状態となっており搬送路を開放する操作も必要なく、光源の発光状態が変化したかどうかを確認するだけでゴミや汚れがあるかどうかが確認できる。したがって、清掃の開始時に搬送路を開け清掃を行った状態のまま、光源を見るだけでよい。
【0050】
また、ゴミや汚れがどの程度画像に影響するかは、検出結果からある程度の推測が可能となるようにした。すなわち、ゴミや汚れの検出時の読取結果において、図9(a)のように、ゴミや汚れがある部分とない部分の受光光量の差が大きい場合、原稿の画像読み取りを行った時にゴミや汚れを原因とする黒スジや白スジもはっきりと出る。図9(b)のように受光光量の差がやや小さい場合は、原稿読み取り時の画像への影響も図9(a)のような場合に比べて小さくなる。また、図9(c)のように濃度差が小さい場合は、原稿読み取り時の画像に対する影響はほとんどない。このことをユーザに通知するために、本実施形態では図10のフローチャートに示す処理を行い、ゴミや汚れの検出結果に応じて光源の発光色や発光光量を変更させるようにした。
【0051】
図10は後述する図11のゴミや汚れの検出処理のフローチャートにおいて、ステップS1104の発光状態を変化させる処理を詳しく説明するためのフローチャートである。ゴミや汚れの検出時の読取結果が図9(a)ようになり、ゴミや汚れがある部分とない部分の受光光量の差が大きく、原稿の画像読み取りを行った時のゴミや汚れによる画像への影響が大きいと考えられる場合は(ステップS1001でYES)、光源を赤色に発光させて警告を通知する(ステップS1002)。警告を通知する色は赤色系が好適であるが、他の色でもよい。受光光量の差が中程度であり図9(b)のようなレベル差となった場合は(ステップS1003でYES)、原稿の画像読み取りに対する影響がやや少ないと考えられるため、黄色に光源を発光させて注意を促す(ステップS1004)。注意を促す色は黄色系が好適であるが、他の色でもよい。
【0052】
ゴミや汚れの検出時の読取結果が図9(c)のようになり、受光光量の差が少なく原稿の画像読み取りに対する影響がほとんどないと考えられる場合は(ステップS1005でYES)、緑色に光源を発光させる(ステップS1006)。この場合緑色系が好適であるが、他の色でもよい。そして、ごみや汚れがないと判断した場合は(ステップS1005でNO)、光源を消灯する(ステップS1007)。
【0053】
このように、ゴミや汚れの検出時の読取結果から、原稿の画像読み取りを行った場合の影響度がわかるので、受光光量からゴミや汚れを検出し、光源を発光させる色を変更させるようにした。このことにより、ユーザは清掃がどの程度できたかをわずらわしい操作を行わずに知ることができる。例えば原稿を読み取った画像を二値画像として保存する場合は図9(c)に示す受光光量となる程度までゴミや汚れの影響がなくなれば十分であり、ゴミや汚れが完全になくなる必要はないため、ステップS1006で光源が緑に発光した時点で清掃をやめればよい。
【0054】
このように、本実施形態では、ユーザが行った清掃によりどの程度ゴミや汚れが落ちたかがほぼリアルタイムに確認できるため、必要以上の清掃を無駄に行うことが防止できる。本実施形態でゴミや汚れを検出するための処理を説明するフローチャートを図11に示す。ステップS1104は、図8のステップS803がゴミや汚れの検出の有無を通知しているのに対し、ゴミや汚れの検出された量を通知している。
【0055】
まず、清掃を行うためにユーザの操作で搬送路が開放された状態であることを、不図示のCPUはステップS1101にて不図示の搬送路開閉検出センサの信号に基づいて検出するとステップS1102に移行し、不図示の表示部等に清掃を促す表示を行う。なお、ステップS1101にて搬送路が開放されていないと判断した場合は、本処理を終了する。ステップS1103でCPUは光源点灯状態での画像読取を行わせて読取結果を取得し、また必要に応じて光源消灯状態での画像読取を行わせて読取結果を取得し、ガラス面のゴミや汚れの検出を行う。
【0056】
そしてステップS1104にて図10のフローチャートに従って、CPUはゴミや汚れの検出結果に応じて光源の発光状態を所定の色に変化させる。色の変化ではなく、光量又は点滅状態を変化させてユーザに通知してもよい。ステップS1105でゴミや汚れが十分減少したと判断した場合は本処理を終了する。ゴミや汚れが十分減少していないと判断した場合は、ステップS1101に戻る。本処理は定期的に実行され、搬送路が開放された状態である間は繰り返されるため、ユーザは光源の発光状態の変化を見ながら、ゴミや汚れが残っているとの通知がされなくなるまで、手でガラス面のゴミや汚れの拭き取り等の適切な清掃を行うことができる。
【0057】
このように、ゴミや汚れが完全にとれたかどうかではなく、ゴミや汚れが原稿の読み取りに問題ない程度までとれたかどうか、すなわち、光源の発光状態がどのように変化しているかという判断を行っている。これにより、必要最低限の清掃で済ませることが可能となる。
【符号の説明】
【0058】
100 画像読取装置
100a シート積載部
100b 排出シート積載部
111 ピックアップローラ
113 送りローラ
114 分離ローラ
116 搬送路開放レバー
140 画像読取部
141 表面読取ガラス
150 画像読取部
151 裏面読取ガラス
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿の画像を読み取る画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
原稿を搬送して画像を読み取る画像読取装置は、通常は原稿台に積載された原稿束から原稿を一枚づつ分離して搬送路を搬送しながら、その搬送中に一次元のラインイメージセンサを有する画像読取部にて画像読み取りを行う。画像読取部には、傷つき防止や紙粉の付着を防ぐの防塵などを目的とした読取ガラスが搬送路に面して設けられており、その奥にあるイメージセンサ素子が読取ガラスを通して原稿を読み取る。
【0003】
しかし、原稿を搬送しながら読み取るため、搬送中の摩擦などによる原因で原稿から紙粉が発生してガラスに付着したり、原稿上に付いていた消しゴムのカスがガラスに付着したり、原稿上の乾いていないインクが読取ガラスを汚すなど、ガラスには様々なゴミや汚れがついてしまう。
【0004】
このように、ガラスに様々なゴミや汚れがついた状態で画像読み取りを行うと、原稿に照射され、原稿で反射された光がイメージセンサ素子に届かず黒く読み取られる部分が生じることがある。逆に、白い汚れが付着した場合に、白い汚れで反射された光がイメージセンサ素子に届き白くなってしまったりすることもある。複数枚の原稿を搬送しながら読み取りを行っている間にこのようなゴミや汚れの付着が発生すると、ラインイメージセンサの走査方向(主走査方向)に略直交する原稿搬送方向(副走査方向)に伸びる黒線や白線となって読み取った画像中に現れる。
【0005】
したがって、ゴミや汚れがガラスに付着した場合、これを検出する手段が必要となる。例えば、特許文献1に開示された検出方法では、搬送路が開閉されたときにゴミの検出を行っている。
【0006】
この方法では、搬送路が完全に開いた状態では、蛍光灯などの光が外光としてイメージセンサに入射してしまい、ゴミの検出ができない。そのため、搬送路の開閉を検出する手段を用意し、ユーザが操作を行い閉状態になったことが検出されたとき、すなわち外光の影響を考慮せずに済むタイミングでゴミの検出を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−324590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
付着したゴミや汚れが清掃によって取り除かれたか否かの確認は、通常の原稿の画像を読み取って画像を確認すれば可能である。しかし、この方法では清掃のために開放されていた搬送路を閉めて原稿をセットし、画像読み取りの開始の操作を行う必要がある。画像を確認し清掃が不十分だった場合には、再度搬送路を開放する手間もかかっていた。
【0009】
これに対して、特許文献1の方法では、付着したゴミや汚れが清掃によって取り除かれたか否かの確認のために、原稿をセットして原稿の画像読み取りを行う手間は不要である。特許文献1のゴミ検出方法の概略を、図12に示す。清掃やジャム処理等のために開放された搬送路を閉じたときに、搬送路が閉じられたことを検出すると(ステップS1201でYES)ゴミや汚れの検出がステップS1202で行われるため、ステップS1203でその検出結果を確認する。確認した結果、まだゴミや汚れがガラス面に存在している場合は、ステップS1204でゴミ検知メッセージを表示して、再度清掃を行うように促す。ゴミや汚れが存在していない場合は、終了となる。
【0010】
上記特許文献1の方法では、外光の影響を受けずにゴミの検出を行うことができるが、例えばガラスの清掃を行っている際に、清掃で十分きれいになったか否かを確認するには、その度に一旦搬送路を閉じる操作を行うという無駄な作業が必要となる。
【0011】
また、特許文献1の実施例として記載されている装置では搬送路が完全に開放された状態では光源を消灯させている。画像読み取り部のガラスは比較的奥に位置している場合が多いため、搬送路を開放した状態でゴミの有無を目視にて確認しようとしても暗くて確認が困難である。
【0012】
本発明は、搬送路が開放された状態で画像読取部にゴミや汚れが付着しているかどうかを検出可能な画像読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の画像読取装置は、前記目的を達成するために発明されたものであり、シートを搬送する搬送手段が設置され、開閉可能な搬送路と、搬送路の開閉を検出する開閉検出手段と、前記搬送路中を前記搬送手段により搬送されているシートの画像を読み取る画像読取センサとシートに光を照射する光源と読取ガラスとを具備する読取ユニットと、前記搬送路が開放されている状態にて、前記光源を消灯させた状態と点灯させた状態でそれぞれ画像を読み取り、読取結果に基づいて前記読取ガラスにゴミや汚れが付着しているかどうかを検出するゴミ検出手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、搬送路の開放中に、外光の入射の有無にかかわらず正しいゴミ検出結果を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の画像読取装置の概略の構成を表す図である。
【図2】画像読取装置の搬送路を開放した状態を表す図である。
【図3】外光が入射していない場合の読取結果を表す図である。
【図4】外光が入射している場合の読取結果を表す図である。
【図5】外光の影響が大きい場合の読取結果を表す図である。
【図6】増幅率を下げて発光光量を高くした場合の読取結果を表す図である。
【図7】外光の影響が大きすぎる場合の読取結果を表す図である。
【図8】ゴミや汚れの検出結果を発光光量の変化で通知する制御のフローチャートである。
【図9】ゴミや汚れの量が異なる3つの場合の検出結果を表す図である。
【図10】ゴミや汚れの検出結果を発光色の変更で通知する制御のフローチャートである。
【図11】ゴミや汚れの検出結果を発光状態の変化で通知する制御のフローチャートである。
【図12】特許文献1のゴミ検出方法を示す概略のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明の詳細な説明を、図面を用いて示す。
【実施例1】
【0017】
図1は、本発明を適用した画像読取装置の一態様を示す模式側断面図である。図1において、100は画像読取装置、100aは原稿などの読取対象のシートSを積載収納するシート積載部、100bは画像読取処理を終えたシートSを積載収納する排出シート積載部である。
【0018】
給送手段としてのピックアップローラ111は、シート積載部100aに積載された読取原稿であるシートSを装置内部に向けて給紙する。このピックアップローラ111はローラ保持部材に支持されている。ローラ保持部材112は、送りローラ113の軸を中心に回動可能に支持され、ピックアップローラ111をシート積載部100aに積載された複数枚のシートSからなるシート束の最上部に当接する当接位置と積載を妨げない離間位置とに移動可能に支持している。
【0019】
先端規制手段としてのシート規制部材115は、シート先端が後述する分離給送部110まで押し込まれてしまうのを防いでいるとともに、シート先端を揃えるためのものであり、スキャン動作を開始すると搬送路より退避する構成になっている。
【0020】
このシート規制部材115は画像読取装置100の停止状態においてシートSの先端を規制する規制位置(図1の二点鎖線位置)に保持されており、該規制位置で前記ピックアップローラ111を支持しているローラ保持部材112と当接させることで、シートSの積載を妨げない離間位置にピックアップローラ111を退避させている。また、シート規制部材115が退避時に平行な位置となる傾斜部分には摩擦係数の大きいシートが貼り付けられていて、かつ給紙時にピックアップローラ111と対向する位置にあるため、給紙時にシートSがこの傾斜部分を通る時にシートがある程度分離される。
【0021】
複数枚のシートを一枚に捌く分離給送部110では、搬送方向に対して正回転する送りローラ113と搬送方向に対して逆回転する方向の駆動力を伝達されている分離ローラ114とで構成されている。複数枚のシートが分離給送部に入ってきたときは、送りローラ113が正回転する一方で、分離ローラ114が逆回転することによりシートが一枚に捌かれる。
【0022】
重送検知センサ160aおよび160bの出力信号を用いて、搬送されているシートが1枚に分離されているかどうかを検知可能である。この重送検知センサには、超音波を用いたものの他に、赤外線を使用したタイプなどがある。搬送手段の一部であり、搬送路に設置されたレジストローラ対121、131は、分離給送部110によって分離されたシートを搬送する。なお、レジストローラ121は図示しない駆動モータによって正逆転可能に構成されており、正方向に回転することによってシートを下流側に搬送する。搬送路に設置された搬送手段の一部である搬送ローラ122、123、124は、各搬送ローラに押圧配置され従動回転する従動ローラ132、133、134と対をなし、シートSを所定の速度で狭持搬送する。
【0023】
画像読取センサと原稿に光を照射する光源を有する画像読取部(読取ユニット)140、150を用いて、搬送されているシートSの表面及び裏面の画像を選択的に読み取ることが可能である。排紙センサ161の出力信号を用いて、読み取ったシートが正常に排紙されたか、もしくはジャムが発生し排紙されない状態になっているかを判断することができる。
【0024】
次に、このように構成された画像読取装置100における画像読取動作について説明する。画像読取動作が開始されると、まず図示しない原稿検知センサがシート積載部に積載された原稿を検知し、図示しない駆動モータが回転を開始する。これにより、シート規制部材115および搬送ローラ121〜124が動作開始する。シート規制部材115はシート先端を規制する規制位置(図1の二点鎖線位置)から搬送路下面に退避した退避位置(図1の実線位置)に移動する。
【0025】
このシート規制部材115の退避位置への移動によりピックアップローラ111は下降して、シート積載部100a上に積載されたシートSの最上面に当接して該シートSを給紙する。給紙されたシートSは、ピックアップローラ111と対向する傾斜部および分離装置110により一枚に捌かれてレジストローラ対121,131や搬送ローラ122、従動ローラ132とからなるローラ対で搬送されることで、表面及び裏面画像読取部140、150に略密着した状態で通過する。
【0026】
そして、シートSの表面あるいは裏面に形成された画像は、表面及び裏面用の画像読取部140、150を通過する際にライン走査され、電気信号として外部に出力される。このように画像の読み取りが行われた後、シートSは搬送ローラ123,124と従動ローラ133、134とからなる各ローラ対で搬送され、排紙センサ161で排紙部に到達したことが確認されるとともに、排出積載部100bヘ排出される。
【0027】
また、搬送路中にシートSが引っかかるなどの現象が発生してジャムとなった場合、搬送や読み取り動作を一時中断し、搬送路開閉レバー116を操作して開閉可能な搬送路を開放することができる。搬送路を開放すると、ジャムとなったシートSを取り出すことが可能となる。
【0028】
以上が通常の原稿読み取り動作となるが、シートSは搬送路中を搬送されている間に、搬送路のガイド部やローラ類と接触しながら移動するため、摩擦により紙粉が発生する。また、シートSをシート積載部100aに積載する前に、消しゴムの使用やサインペンなどでの記入を行うと、消しゴムのカスや、なま乾きのインクがシートS上に残っている場合がある。
【0029】
このようなシートSの読み取りを行うと、画像読取部140、150の画像読取面にある読取ガラス141、151に紙粉、消しゴムのカス、インクなどが付着してしまう。この状態でシートSの読み取りを行うと、シートSを搬送しながら画像読取部140、150で読み取りを行うと、画像読取を行っている期間中ゴミや汚れのある部分だけはゴミや汚れを読み取り続けてしまう。したがって、ゴミや汚れのあった部分に相当する画像上の位置にはシートSの搬送方向(副走査方向)に伸びる黒スジや白スジが発生する。
【0030】
このような黒スジや白スジが発生した場合は、ユーザは搬送路開閉レバー116を操作して図2に示すように搬送路を開放し、表面用の画像読取部140の読み取り面にある表面読取ガラス141の汚れを布などで拭き取る。
【0031】
ユーザは同様に、裏面用の画像読取部150の読み取り面にある裏面読取ガラス151の汚れを布などで拭き取る。これら読取ガラス141、151にゴミや汚れがついてしまうと、原稿の画像を読み取ったときに画像読取部140、150はゴミや汚れにより影響を受けた反射光を読み取ってしまい、読み取った画像には搬送方向に伸びる線となって現れてしまうからである。このように、黒スジや白スジが発生した場合には、ユーザは読取ガラスの汚れを拭き取ってから、再度原稿の画像読み取りを行う。
【0032】
搬送路開閉レバー116をユーザが操作して搬送路が開放され、図2のような状態になった場合、図示しない搬送路開閉検出センサが搬送路の開放を検出するようになっている。この搬送路開閉検出センサとしては、(1)搬送路の開閉によりレバーが動くタイプ、(2)搬送路の開閉により移動する部分と移動しない部分に発光素子と受光素子をそれぞれ配置して、受光素子が発光素子の出力を検出することで判断するタイプ、(3)搬送路の開閉により移動する部分と移動しない部分との一方に発光素子、他方に光ガイドを設けるタイプ、(4)一方に磁石、他方に磁界センサを配置するタイプなど、どのような方法を用いたものでもよい。なお、図2の状態においては外光の画像読取部への入射は起こる可能性があるものとする。
【0033】
搬送路開閉検出センサにより搬送路が開けられたことを検出すると、まず画像読取部140、150内にある光源は消灯した状態でイメージセンサが画像の読み取りを行う。そのときの読取結果は、表面読取ガラス141および裏面読取ガラス151に外光が入射していなければ、ゴミや汚れの有無に関わらず図3(a)のように暗くなる。これは、光源の光のガラス面での反射もなく、ガラス面を透過する外光もないためである。
【0034】
次に光源を点灯させて画像読み取りを行う場合、ガラス面にゴミや汚れがあると、図2のような搬送路の開放状態でも光源の光はガラス面にあるゴミや汚れの付着した部分では反射されるので、受光することができる。したがって、図3(b)のようにゴミや汚れのある部分では、受光光量は光源の光が反射されて高くなるが、それ以外の部分では反射されないので、光源を消灯して読み取りを行った時の受光光量と近い受光光量になる。このように外光が入射しなければ、光源点灯時の読取結果にゴミや汚れの付着を表す大きなピークが現れる。そこで、読取結果が光源消灯時に図3(a)、光源点灯時に図3(b)のようになった場合は、この読取結果を使用して不図示の制御回路のCPUが制御プログラムを実行してゴミや汚れの検出を行うようにした。このような処理をCPUではなくハードウエアによって実現してもよい。このような処理を行うCPUと制御プログラム、又はハードウエアがゴミ検出手段の一例である。
【0035】
一方、外光が入射している場合は、光源消灯時の読取結果では図4(a)のように、ゴミや汚れのない部分は外光により受光光量が高くなるが、ゴミや汚れのある部分は外光が遮られて多少低くなる。ここで光源を点灯させて読み取りを行うと、図4(b)のような読取結果が得られる。これは、外光が入射せず光源を点灯させた時の読取結果の図3(b)と外光が入射した状態で光源を消灯した時の読取結果の図4(a)を加算したものに相当する。この図4(a)や図4(b)の読取結果をそのまま使用してゴミや汚れの検出を行うことは、ゴミや汚れのある部分とない部分の受光光量の差が少ないため難しい。そこで、図4(b)から図4(a)を差し引くことにより、図3(b)の読取結果と同等の図4(c)のような演算結果が得られる。このように、図4(c)の演算結果を使用したゴミや汚れの検出は、外光が入る状況でも容易である。そこで、読取結果が光源消灯時に図4(a)、光源点灯時に図4(b)のようになった場合は、図4(c)の演算結果を使用してゴミや汚れの検出を行うようにした。上述した、外光が入射しているか否かの検出は、不図示の制御回路のCPUが制御プログラムを実行して行うようにした。このような処理をCPUではなくハードウエアによって実現してもよい。このような処理を行うCPUと制御プログラム、又はハードウエアが外光検出手段の一例である。
【0036】
以上のようなゴミや汚れの検出を、搬送路の開放を検出した場合に、1回又は複数回繰り返して行うようにする。例えば、搬送路の開放を検出したとき、ユーザが読取ガラスの汚れを拭き取るためにかかる時間よりも長い待ち時間の後に、上記のゴミや汚れの検出を1回行ってもよい。また、搬送路の開放を検出したとき、ゴミや汚れが検出されなくなるまで、上記のゴミや汚れの検出の処理を繰り返し行ってもよい。
【実施例2】
【0037】
本発明の第2の実施形態は、第1の実施形態の変形例であり、通常の画像読取の動作は第1の実施形態と同じである。黒スジや白スジの発生により、ユーザが読取ガラスの汚れを拭き取るために、搬送路を開放した状態にした場合の動作が第1の実施形態とは異なる。本実施形態によれば、搬送路を開放した状態において外光の影響が顕著であって、第1の実施形態ではゴミや汚れの検出の処理ができなくなるような状況でも、ゴミや汚れの検出が可能である。
【0038】
このような状況では、光源を消灯した状態で画像読み取りを行うと、読取結果において図5(a)のように、ゴミや汚れの付着部分の受光光量と他の部分の受光光量とは差が小さく、どちらもほぼ飽和した状態となる。
【0039】
この状態で光源を点灯させて画像読み取りを行うと、読取結果は図5(b)のように飽和してしまう。このように外光の影響の大きい状態で光源点灯時と消灯時の読取結果の差分を求めても、演算結果は図5(c)のようになりゴミや汚れの検出は困難である。
【0040】
このように、外光の影響があることを想定し、図5(a)のように光源消灯時の読取結果がほぼ飽和しているかどうかを判断するようにした。すなわち、破線で示したような所定のしきい値をあらかじめ設定しておき、光源消灯時の読取結果において受光光量がしきい値を超えているかどうかにより判断する。なお、光源点灯時の読取結果において所定のしきい値をあらかじめ設定しておいて、飽和による影響の有無を判断してもよい。上述した、外光の入射量が飽和の起こるレベルに達したか否かの検出は、不図示の制御回路のCPUが制御プログラムを実行して行うようにした。このような処理をCPUではなくハードウエアによって実現してもよい。このような処理を行うCPUと制御プログラム、又はハードウエアが外光入射量検出手段の一例である。
【0041】
このように、ゴミ検出時に外光による飽和の影響があると判断した場合には読取時にイメージセンサから出力されるアナログ信号である画像信号を増幅する増幅器の増幅率を下げるようにした。このようにすると、光源消灯時の読み取り画像は外光の影響が減り図6(a)のようになる。
【0042】
このように増幅率を下げた状態で、かつ光源をより明るく点灯させて画像読み取りを行うと、図6(b)のような画像が得られる。こうして得られた光源点灯時と消灯時の読取結果の差分をとると、図6(c)のようにゴミや汚れのある部分とない部分の受光光量の差が十分にある演算結果を得ることができ、ゴミや汚れの検出が可能となる。
【0043】
なお、外光による飽和の影響がないと判断した場合には、第1の実施形態と同様の方法でゴミや汚れの検出を行う。
【実施例3】
【0044】
本発明の第3の実施形態は、第1、第2の実施形態の変形例であり、通常の画像読取の動作は第1、第2の実施形態と同じである。また、後述するゴミや汚れの検出できない旨の通知以外は、第1、第2の実施形態と同様の処理を行う。第2の実施形態で説明した外光の状態よりも、さらに外光が増加したため、増幅器の増幅率を下げても光源消灯時の読取結果又は光源消灯時と点灯時の両方の読取結果が図7のようになり、所定の飽和しきい値を超えておりゴミや汚れの検出ができない場合に、その旨をユーザに通知するようにした。上述した、外光の入射量が多く増幅器の増幅率を下げても、読取結果が飽和しきい値を超えていることの検出は、不図示の制御回路のCPUが制御プログラムを実行して行うようにした。このような処理をCPUではなくハードウエアによって実現してもよい。このような処理を行うCPUと制御プログラム、又はハードウエアが外光飽和検出手段の一例である。
【0045】
このように、搬送路を開放してユーザがゴミの拭き取りを行った際に、ゴミや汚れが読取結果から検出できない状態である場合に、この旨をユーザに知らせることにより、無駄な再清掃をユーザに行わせることがなくなる。このゴミや汚れが読取結果から検出できない状態であることの判断のために、図7に示したような、所定のしきい値をあらかじめ設定しておく。光源消灯時の読取結果において又は光源点灯時の読取結果において受光光量がしきい値を超えているかどうかによって判断を行う。ユーザへの通知は、画像読取装置に設けた不図示の表示部への表示や、不図示の動作状態表示ランプの点灯状態の制御等、どのような方法で行ってもよい。または、画像読取装置に接続されたPC等のホスト装置の表示部にユーザへの通知を表示してもよい。
【実施例4】
【0046】
本発明の第4の実施形態は、第1、第2、第3の実施形態の変形例であり、通常の画像読取の動作は第1、第2、第3の実施形態と同じである。また、後述するゴミや汚れがなくなった旨の通知以外は、第1、第2、第3の実施形態と同様の処理を行う。ユーザが行った清掃によりゴミや汚れがなくなった旨をユーザに知らせるために、光源の発光状態を変更し、ゴミや汚れの検出結果を通知するようにした。この方法を図8のフローチャートにて説明する。なお、本処理は不図示の制御回路のCPU等がプログラムにより行うものとするが、ハードウエアによって実現してもよい。
【0047】
まず、清掃を行うためにユーザの操作で搬送路が開放された状態であることを、不図示のCPUはステップS801にて不図示の搬送路開閉検出センサの信号に基づいて検出するとステップS802に移行する。なお、ステップS801にて搬送路が開放されていないと判断した場合は、本処理を終了する。ステップS802でCPUは光源点灯状態での画像読取を行わせて読取結果を取得し、また必要に応じて光源消灯状態での画像読取を行わせて読取結果を取得し、ガラス面のゴミや汚れの検出を行う。
【0048】
そしてステップS803では、CPUはゴミや汚れの検出結果を通知するため、検出されたゴミや汚れの量に応じて光源の発光状態を所定の色に変化させステップS801に戻る。このようにすることで、ユーザはゴミや汚れが検出されなくなったか否かを、清掃作業を行っているそのときに認識できるようになる。色の変化ではなく、光量又は点滅状態を変化させて、検出されたゴミや汚れの量をユーザに通知してもよい。本処理は、搬送路が開放された状態である間は繰り返し実行されるため、ユーザは光源の発光状態の変化を見ながら、ゴミや汚れが残っているとの通知がされなくなるまで、手でガラス面のゴミや汚れの拭き取り等を行えるので、適切な清掃を行うことができる。なお、ガラス面のゴミや汚れがないとCPUが判断した場合は、光源を消灯することでその旨の通知に替えて、本処理を終了してもよい。
【0049】
以上のように、特許文献1の画像読取装置においてゴミや汚れの検知動作(図12)を行わせるために必要であった搬送路を閉じる動作は必要ない。ユーザは清掃を行った後は搬送路を開放状態にしたままで、ゴミや汚れの検出結果が確認できる。清掃状態が不十分であり再度清掃を行う場合でも、搬送路は開放状態となっており搬送路を開放する操作も必要なく、光源の発光状態が変化したかどうかを確認するだけでゴミや汚れがあるかどうかが確認できる。したがって、清掃の開始時に搬送路を開け清掃を行った状態のまま、光源を見るだけでよい。
【0050】
また、ゴミや汚れがどの程度画像に影響するかは、検出結果からある程度の推測が可能となるようにした。すなわち、ゴミや汚れの検出時の読取結果において、図9(a)のように、ゴミや汚れがある部分とない部分の受光光量の差が大きい場合、原稿の画像読み取りを行った時にゴミや汚れを原因とする黒スジや白スジもはっきりと出る。図9(b)のように受光光量の差がやや小さい場合は、原稿読み取り時の画像への影響も図9(a)のような場合に比べて小さくなる。また、図9(c)のように濃度差が小さい場合は、原稿読み取り時の画像に対する影響はほとんどない。このことをユーザに通知するために、本実施形態では図10のフローチャートに示す処理を行い、ゴミや汚れの検出結果に応じて光源の発光色や発光光量を変更させるようにした。
【0051】
図10は後述する図11のゴミや汚れの検出処理のフローチャートにおいて、ステップS1104の発光状態を変化させる処理を詳しく説明するためのフローチャートである。ゴミや汚れの検出時の読取結果が図9(a)ようになり、ゴミや汚れがある部分とない部分の受光光量の差が大きく、原稿の画像読み取りを行った時のゴミや汚れによる画像への影響が大きいと考えられる場合は(ステップS1001でYES)、光源を赤色に発光させて警告を通知する(ステップS1002)。警告を通知する色は赤色系が好適であるが、他の色でもよい。受光光量の差が中程度であり図9(b)のようなレベル差となった場合は(ステップS1003でYES)、原稿の画像読み取りに対する影響がやや少ないと考えられるため、黄色に光源を発光させて注意を促す(ステップS1004)。注意を促す色は黄色系が好適であるが、他の色でもよい。
【0052】
ゴミや汚れの検出時の読取結果が図9(c)のようになり、受光光量の差が少なく原稿の画像読み取りに対する影響がほとんどないと考えられる場合は(ステップS1005でYES)、緑色に光源を発光させる(ステップS1006)。この場合緑色系が好適であるが、他の色でもよい。そして、ごみや汚れがないと判断した場合は(ステップS1005でNO)、光源を消灯する(ステップS1007)。
【0053】
このように、ゴミや汚れの検出時の読取結果から、原稿の画像読み取りを行った場合の影響度がわかるので、受光光量からゴミや汚れを検出し、光源を発光させる色を変更させるようにした。このことにより、ユーザは清掃がどの程度できたかをわずらわしい操作を行わずに知ることができる。例えば原稿を読み取った画像を二値画像として保存する場合は図9(c)に示す受光光量となる程度までゴミや汚れの影響がなくなれば十分であり、ゴミや汚れが完全になくなる必要はないため、ステップS1006で光源が緑に発光した時点で清掃をやめればよい。
【0054】
このように、本実施形態では、ユーザが行った清掃によりどの程度ゴミや汚れが落ちたかがほぼリアルタイムに確認できるため、必要以上の清掃を無駄に行うことが防止できる。本実施形態でゴミや汚れを検出するための処理を説明するフローチャートを図11に示す。ステップS1104は、図8のステップS803がゴミや汚れの検出の有無を通知しているのに対し、ゴミや汚れの検出された量を通知している。
【0055】
まず、清掃を行うためにユーザの操作で搬送路が開放された状態であることを、不図示のCPUはステップS1101にて不図示の搬送路開閉検出センサの信号に基づいて検出するとステップS1102に移行し、不図示の表示部等に清掃を促す表示を行う。なお、ステップS1101にて搬送路が開放されていないと判断した場合は、本処理を終了する。ステップS1103でCPUは光源点灯状態での画像読取を行わせて読取結果を取得し、また必要に応じて光源消灯状態での画像読取を行わせて読取結果を取得し、ガラス面のゴミや汚れの検出を行う。
【0056】
そしてステップS1104にて図10のフローチャートに従って、CPUはゴミや汚れの検出結果に応じて光源の発光状態を所定の色に変化させる。色の変化ではなく、光量又は点滅状態を変化させてユーザに通知してもよい。ステップS1105でゴミや汚れが十分減少したと判断した場合は本処理を終了する。ゴミや汚れが十分減少していないと判断した場合は、ステップS1101に戻る。本処理は定期的に実行され、搬送路が開放された状態である間は繰り返されるため、ユーザは光源の発光状態の変化を見ながら、ゴミや汚れが残っているとの通知がされなくなるまで、手でガラス面のゴミや汚れの拭き取り等の適切な清掃を行うことができる。
【0057】
このように、ゴミや汚れが完全にとれたかどうかではなく、ゴミや汚れが原稿の読み取りに問題ない程度までとれたかどうか、すなわち、光源の発光状態がどのように変化しているかという判断を行っている。これにより、必要最低限の清掃で済ませることが可能となる。
【符号の説明】
【0058】
100 画像読取装置
100a シート積載部
100b 排出シート積載部
111 ピックアップローラ
113 送りローラ
114 分離ローラ
116 搬送路開放レバー
140 画像読取部
141 表面読取ガラス
150 画像読取部
151 裏面読取ガラス
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを搬送する搬送手段が設置され、開閉可能な搬送路と、
搬送路の開閉を検出する開閉検出手段と、
前記搬送路中を前記搬送手段により搬送されているシートの画像を読み取る画像読取センサとシートに光を照射する光源と読取ガラスとを具備する読取ユニットと、
前記搬送路が開放されている状態にて、前記光源を消灯させた状態と点灯させた状態でそれぞれ画像を読み取り、読取結果に基づいて前記読取ガラスにゴミや汚れが付着しているかどうかを検出するゴミ検出手段とを有することを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記光源を消灯させた状態での読取結果から、外光が入射しているか否かを検出する外光検出手段をさらに備え、
外光が入射していないと前記外光検出手段が判断した場合は、前記光源を点灯させた状態での読取結果に基づいて、
外光が入射していると前記外光検出手段が判断した場合は前記光源を点灯させた状態での読取結果と、前記光源を消灯させた状態での読取結果との差分に基づいて、
それぞれ前記ゴミ検出手段は、前記読取ガラスにゴミや汚れが付着しているかどうかを検出することを特徴とする、請求項1記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記光源を消灯させた状態での読取結果から、外光の入射量が所定のしきい値を越えたか否かを検出する外光入射量検出手段と、
前記読取ユニットが読取時に出力する画像信号を増幅する増幅手段と、
をさらに有し、
ゴミ検出時に外光の入射量が所定のしきい値を越えたと、前記外光入射量検出手段が検出した場合は、前記光源の点灯時の発光光量を増加させ、前記増幅手段の増幅率を下げることを特徴とする、請求項1記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記光源を消灯させた状態での読取結果から、外光が所定の飽和しきい値を越えたことを検出する外光飽和検出手段をさらに有し、
ゴミ検出時に前記外光飽和検出手段が外光の飽和を検出した場合は、前記光源の発光状態を変更するか、またはユーザに通知することを請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記ゴミ検出手段がゴミや汚れがなくなったと判断した場合、または検出されたゴミや汚れの量が変化したと判断した場合は、前記光源の発光状態の変更及び、前記光源の消灯及び、ユーザへの通知のうち、少なくとも1つを実行することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項1】
シートを搬送する搬送手段が設置され、開閉可能な搬送路と、
搬送路の開閉を検出する開閉検出手段と、
前記搬送路中を前記搬送手段により搬送されているシートの画像を読み取る画像読取センサとシートに光を照射する光源と読取ガラスとを具備する読取ユニットと、
前記搬送路が開放されている状態にて、前記光源を消灯させた状態と点灯させた状態でそれぞれ画像を読み取り、読取結果に基づいて前記読取ガラスにゴミや汚れが付着しているかどうかを検出するゴミ検出手段とを有することを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記光源を消灯させた状態での読取結果から、外光が入射しているか否かを検出する外光検出手段をさらに備え、
外光が入射していないと前記外光検出手段が判断した場合は、前記光源を点灯させた状態での読取結果に基づいて、
外光が入射していると前記外光検出手段が判断した場合は前記光源を点灯させた状態での読取結果と、前記光源を消灯させた状態での読取結果との差分に基づいて、
それぞれ前記ゴミ検出手段は、前記読取ガラスにゴミや汚れが付着しているかどうかを検出することを特徴とする、請求項1記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記光源を消灯させた状態での読取結果から、外光の入射量が所定のしきい値を越えたか否かを検出する外光入射量検出手段と、
前記読取ユニットが読取時に出力する画像信号を増幅する増幅手段と、
をさらに有し、
ゴミ検出時に外光の入射量が所定のしきい値を越えたと、前記外光入射量検出手段が検出した場合は、前記光源の点灯時の発光光量を増加させ、前記増幅手段の増幅率を下げることを特徴とする、請求項1記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記光源を消灯させた状態での読取結果から、外光が所定の飽和しきい値を越えたことを検出する外光飽和検出手段をさらに有し、
ゴミ検出時に前記外光飽和検出手段が外光の飽和を検出した場合は、前記光源の発光状態を変更するか、またはユーザに通知することを請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記ゴミ検出手段がゴミや汚れがなくなったと判断した場合、または検出されたゴミや汚れの量が変化したと判断した場合は、前記光源の発光状態の変更及び、前記光源の消灯及び、ユーザへの通知のうち、少なくとも1つを実行することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−97395(P2011−97395A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−249885(P2009−249885)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(000104652)キヤノン電子株式会社 (876)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(000104652)キヤノン電子株式会社 (876)
【Fターム(参考)】
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