説明

画像送信方法、画像受信方法、画像送信装置、画像受信装置及び画像伝送システム

【課題】解像度の低下を最小限に抑えた状態で複数のソースの動画像を伝送する。
【解決手段】複数の異なるソース動画像が順次に入力されるステップと、フレーム毎に前記複数の異なるソース画像の1つからメイン画像を生成するステップと、フレーム毎に、前記メイン画像が生成されたソース動画像以外の他のソース動画像について、フレーム間の差分からサブ画像を生成するステップと、前記メイン画像と前記サブ画像とを統合した統合画像を生成するステップと、前記統合画像を受信側へ送信するステップと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像送信方法、画像受信方法、画像送信装置、画像受信装置及び画像伝送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば下記の特許文献に記載されているように、視差を有する左目用画像及び右目用画像を所定周期で交互にディスプレイに供給し、この画像を所定周期に同期して駆動される液晶シャッターを備える眼鏡で観察する方法が知られている。
【0003】
また、現行のデジタル放送では、電子番組表やデータ放送などのサービスが運用されており、ユーザ希望に応じて通常の映像と音声の番組以外のサービスを受けられるようになってきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−138384号公報
【特許文献2】特開2000−36969号公報
【特許文献3】特開2003−45343号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
こうした状況において、通常番組においても、映像と音声に新たな付加価値をつけることで更なるサービスの充実を図ることが要望されている。映像に付加価値をつける1つの方法として、上述したような二眼立体視動画像を伝送することが挙げられる。両眼立体視は、左眼用動画像と右眼用動画像を伝送し、受信側で左目には左眼用動画像を提示し、右目には右眼用動画像を提示することで可能になる。
【0006】
しかしながら、二眼立体視動画像の伝送においては、伝送する情報量が2倍になるため、2次元画像と比較すると、空間解像度、または時間解像度のいずれかが低下する問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、解像度を低下を最小限に抑えた状態で複数のソースの動画像を伝送することが可能な、新規かつ改良された画像送信方法、画像受信方法、画像送信装置、画像受信装置及び画像伝送システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、複数の異なるソース動画像が順次に入力されるステップと、フレーム毎に前記複数の異なるソース画像の1つからメイン画像を生成するステップと、フレーム毎に、前記メイン画像が生成されたソース動画像以外の他のソース動画像について、フレーム間の差分からサブ画像を生成するステップと、前記メイン画像と前記サブ画像とを統合した統合画像を生成するステップと、前記統合画像を受信側へ送信するステップと、を備える、画像送信方法が提供される。
【0009】
また、前記メイン画像を生成するステップにおいて、ソース動画像のオリジナルサイズを縮小して前記メイン画像を生成するものであってもよい。
【0010】
また、前記サブ画像を生成するステップにおいて、フレーム間の差分を縮小して前記サブ画像を生成するものであってもよい。
【0011】
また、前記サブ画像を生成するステップにおいて、前記他のソース動画像について、1つ前のフレームの前記他のソース動画像と、現フレームの前記他のソース動画像との差分から現フレームのサブ画像を生成するものであってもよい。
【0012】
また、前記サブ動画像は、前記他のソース動画像の時間軸における前後方向の画像列から得られる推定元画像を用い、前記他のソース動画像の現フレームの元画像から前記推定元画像を減算して得られる差分画像から生成されるものであってもよい。
【0013】
また、前記推定元画像は、ソース動画像の総数をNとし、現フレームが1のソース動画像中のK番目の画像とし、このソース動画像がK−M番目でメイン画像となるとした場合に、K−M番目の画像、又はK+N−M番目の画像であってもよい。
【0014】
また、前記推定元画像は、ソース動画像の総数をNとし、現フレームが1のソース動画像中のK番目の画像とし、このソース動画像がK−M番目でメイン画像となるとした場合に、i、jを0以上の整数とすると、K−N*i−M番目で示される前方の画像とK+N*j+N−M番目で示される後方の画像から選択した複数画像に対する重みつき平均画像、K−1番目以前とK+N*j+N−M番目で示される後方の画像から選択した複数画像に対する重みつき平均画像、K−M番目の画像からK番目の画像への変化をもとにK−M番目の画像に動き補正を行った動き補正画像、K+N−M番目の画像からK番目の画像への変化をもとにK+N−M番目の画像に動き補正を行った動き補正画像、K−N*i−M番目で示される前方の画像とK+N*j+N−M番目で示される後方の画像から選択した複数画像各々とK番目の画像の違いから各画像に動き補正を行った動き補正画像列に対する重みつき平均画像、K−1番目以前とjを0以上の整数としたときにK+N*j+N−M番目で示される後方の画像から選択した複数画像各々とK番目の画像の違いから各画像に動き補正を行った動き補正画像列に対する重みつき平均画像、のいずれかであってもよい。
【0015】
また、前記サブ動画像は、前記他のソース動画像の時間軸における前後方向の画像列から得られる推定元画像を用い、前記他のソース動画像の現フレームの元画像から前記推定元画像を減算して得られる差分画像に対して補正演算処理を行って生成され、前記補正処理は、伝送する補正差分画像数Sに対して、1又は複数の補正差分画像を生成する処理であり、補正差分画像1は、元画像もしくは縮小元画像と推定元画像との差分画像に対して、伝送する画像内の配置に基づく縮小率で縮小処理を施して得る画像であり、補正差分画像n(n=2〜S)は、元画像もしくは縮小元画像から、推定元画像ならびに補正差分画像1〜補正差分画像(n−1)を推定元画像と同サイズに拡大して得た拡大補正差分画像1〜拡大補正差分画像(n−1)を減算した差分画像を、伝送する画像内の配置に基づく縮小率で縮小処理を施して得られる画像であってもよい。
【0016】
また、元画像もしくは縮小元画像と補正差分画像を統合した統合動画像では、各ソース動画像の配置を入れ替えることで、前の統合画像の元画像もしくは縮小画像と同位置に次の統合画像の元画像もしくは縮小画像が配置され、前の統合画像の補正差分画像と同位置に次の統合画像の補正差分画像が配置されるものであってもよい。
【0017】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、複数の異なるソース動画像の1つから生成されたメイン画像と、前記メイン画像に対応するソース動画像以外の他のソース動画像についてフレーム間の差分から生成されたサブ動画像と、からなる統合画像を受信するステップと、前記統合画像から前記メイン画像と前記サブ画像を分離するステップと、前記メイン画像に対応するソース動画像を復元するステップと、隣接するフレームのメイン画像と、分離したサブ画像とからサブ画像に対応するソース動画像を復元するステップと、前記メイン画像及び前記サブ画像に対応するそれぞれのソース動画像を表示するステップと、を備える、画像受信方法が提供される。
【0018】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、複数の異なるソース動画像が順次に入力される入力部と、フレーム毎に前記複数の異なるソース画像の1つからメイン画像を生成するメイン画像処理部と、フレーム毎に、前記メイン画像は生成されたソース動画像以外の他のソース動画像について、フレーム間の差分からサブ動画像を生成するサブ画像処理部と、前記メイン画像と前記サブ画像とを統合した統合画像を生成する統合画像生成処理部と、を備える、画像送信装置が提供される。
【0019】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、複数の異なるソース動画像の1つから生成されたメイン画像と、前記メイン画像に対応するソース動画像以外の他のソース動画像についてフレーム間の差分から生成されたサブ動画像と、からなる統合画像を受信し、前記統合画像から前記メイン画像と前記サブ画像を分離する分離部と、前記メイン画像に対応するソース動画像を復元するメイン画像復元分と、隣接するフレームのメイン画像と、分離したサブ画像とからサブ画像に対応するソース動画像を復元するサブ画像復元分と、前記メイン画像及び前記サブ画像に対応するそれぞれのソース動画像を表示する表示部と、を備える、画像受信装置が提供される。
【0020】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、複数の異なるソース動画像が順次に入力される入力部と、フレーム毎に前記複数の異なるソース画像の1つからメイン画像を生成するメイン画像処理部と、フレーム毎に、前記メイン画像は生成されたソース動画像以外の他のソース動画像について、フレーム間の差分からサブ動画像を生成するサブ画像処理部と、前記メイン画像と前記サブ画像とを統合した統合画像を生成する統合画像生成処理部と、を有する画像送信装置と、複数の異なるソース動画像の1つから生成されたメイン画像と、前記メイン画像に対応するソース動画像以外の他のソース動画像についてフレーム間の差分から生成されたサブ動画像と、からなる統合画像を受信し、前記統合画像から前記メイン画像と前記サブ画像を分離する分離部と、前記メイン画像に対応するソース動画像を復元するメイン画像復元分と、隣接するフレームのメイン画像と、分離したサブ画像とからサブ画像に対応するソース動画像を復元するサブ画像復元分と、前記メイン画像及び前記サブ画像に対応するそれぞれのソース動画像を表示する表示部と、を有する画像受信装置と、を備える画像伝送システムが提供される。
【0021】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、複数の異なるソース動画像の1つから生成されたメイン画像と、前記メイン画像に対応するソース動画像以外の他のソース動画像についてフレーム間の差分から生成されたサブ動画像と、からなる統合画像を受信するステップと、前記統合画像から前記メイン画像と前記サブ画像を分離するステップと、前記メイン画像に対応するソース動画像を復元するステップと、隣接するフレームのメイン画像と、分離したサブ画像とからサブ画像に対応するソース動画像を復元するステップと、前記メイン画像及び前記サブ画像に対応するそれぞれのソース動画像を表示するステップと、を備える、画像受信方法が提供される。
【0022】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、複数の異なるソース動画像が順次に入力される入力部と、フレーム毎に前記複数の異なるソース画像の1つからメイン画像を生成するメイン画像処理部と、フレーム毎に、前記メイン画像は生成されたソース動画像以外の他のソース動画像について、フレーム間の差分からサブ動画像を生成するサブ画像処理部と、前記メイン画像と前記サブ画像とを統合した統合画像を生成する統合画像生成処理部と、を備える、画像送信装置が提供される。
【0023】
また、複数の異なるソース動画像の1つから生成されたメイン画像と、前記メイン画像に対応するソース動画像以外の他のソース動画像についてフレーム間の差分から生成されたサブ動画像と、からなる統合画像を受信し、前記統合画像から前記メイン画像と前記サブ画像を分離する分離部と、前記メイン画像に対応するソース動画像を復元するメイン画像復元分と、隣接するフレームのメイン画像と、分離したサブ画像とからサブ画像に対応するソース動画像を復元するサブ画像復元分と、前記メイン画像及び前記サブ画像に対応するそれぞれのソース動画像を表示する表示部と、を備える、画像受信装置が提供される。
【0024】
また、複数の異なるソース動画像が順次に入力される入力部と、フレーム毎に前記複数の異なるソース画像の1つからメイン画像を生成するメイン画像処理部と、フレーム毎に、前記メイン画像は生成されたソース動画像以外の他のソース動画像について、フレーム間の差分からサブ動画像を生成するサブ画像処理部と、前記メイン画像と前記サブ画像とを統合した統合画像を生成する統合画像生成処理部と、を有する画像送信装置と、複数の異なるソース動画像の1つから生成されたメイン画像と、前記メイン画像に対応するソース動画像以外の他のソース動画像についてフレーム間の差分から生成されたサブ動画像と、からなる統合画像を受信し、前記統合画像から前記メイン画像と前記サブ画像を分離する分離部と、前記メイン画像に対応するソース動画像を復元するメイン画像復元分と、隣接するフレームのメイン画像と、分離したサブ画像とからサブ画像に対応するソース動画像を復元するサブ画像復元分と、前記メイン画像及び前記サブ画像に対応するそれぞれのソース動画像を表示する表示部と、を有する画像受信装置と、を備える画像伝送システムが提供される。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、解像度を低下させることなく、複数のソースの動画像を伝送することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態を説明するため、飛んでいるボールなどを撮影した動画を示す模式図である。
【図2】サブ画像をなくした場合、メイン画像が左眼・右眼の交互に並ぶ動画像を示す模式図である。
【図3】メイン画像とサブ画像を横方向に配置した場合を示す模式図である。
【図4】メイン画像とサブ画像を上下方向に配置した場合を示す模式図である。
【図5】第1の実施形態に係る送信装置の処理ブロックを示す模式図である。
【図6】第1の実施形態に係る受信装置の処理ブロックを示す模式図である。
【図7】図5の処理ブロックの動作を示す送信側のフローチャートである。
【図8】サブ画像処理を示すフローチャートである。
【図9】第1の実施形態の受信側の処理を示すフローチャートである。
【図10】第1の実施形態の受信側の処理を示すフローチャートである。
【図11】第2の実施形態の送信装置の処理ブロックを示す模式図である。
【図12】第2の実施形態の受信装置の処理ブロックを示す模式図である。
【図13】第2の実施形態の送信側の処理を示すフローチャートである。
【図14】図13のサブ画像処理を示すフローチャートである。
【図15】第2の実施形態の受信側の処理を示すフローチャートである。
【図16】図15のサブ画像復元処理を示すフローチャートである。
【図17】第3の実施形態に係る送信装置の処理ブロックを示す模式図である。
【図18】第3の実施形態の受信装置の処理ブロックを示す模式図である。
【図19】第3の実施形態の送信側の処理を示すフローチャートである。
【図20】図19の出力処理を示すフローチャートである。
【図21】サブ画像処理を示すフローチャートである。
【図22】図21のステップS1102における、推定元画像算出処理のフローチャートである。
【図23】メイン画像処理を示すフローチャートである。
【図24】図23のステップS1306におけるサブ画像処理のフローチャートである。
【図25】推定元画像算出処理を示すフローチャートである。
【図26】メイン画像の右側と下側にサブ画像を1つずつ配置した統合画像内の様子を示す模式図である。
【図27】サブ画像配置が3箇所になった場合を示す模式図である。
【図28】サブ画像配置が2箇所になった場合を示す模式図である。
【図29】サブ画像配置が2箇所になった場合を示す模式図である。
【図30】差分画像をオリジナル画像サイズで行った場合に、送信側のサブ画像処理を示すフローチャートである。
【図31】差分画像をオリジナル画像サイズで行った場合に、受信側のサブ画像復元処理を示すフローチャートである。
【図32】現フレームL2において、L1の推定元画像を算出する方法を示す模式図である。
【図33】3つの全く異なる動画像を統合画像として伝送する場合を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0028】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.第1の実施形態(本発明に係る実施形態の基本的構成)
2.第2の実施形態(オリジナル画を用いてサブ画像を生成する例)
3.第3の実施形態(動き補償、重み付けを用いて推定元画像を生成する例)
【0029】
<1.第1の実施形態>
既存の映像伝送にて二眼立体視動画像を伝送する場合、左眼・右眼で独立の動画伝送を行うのではなく、左眼画像と右眼画像を交互に伝送するフレーム(フィールド)シーケンシャル方式や、左眼画像と右眼画像を一枚のフレーム(フィールド)内に左右に並べて伝送するサイドバイサイド方式、左眼画像と右眼画像を一枚のフレーム(フィールド)内に上下に並べて伝送するトップアンドボトム方式などを用いる。
【0030】
これらの方式では、時間方向・左右方向・上下方向いずれかのサンプル数を半分にすることで、左眼画像と右眼画像を送ることを可能にしている。このため、時間方向・左右方向・上下方向いずれかで解像度が半分となる。
【0031】
時間方向の解像度(時間解像度)が不足した場合には動きへの追従性が悪くなり、動きの滑らかさが失われる現象が発生し、上下左右方向の解像度(空間解像度)が半分になると被写体のリアリティ(特に静止している被写体のリアリティ)が失われる現象が発生する。
【0032】
もともと既存の映像伝送では一眼画像を伝送することが前提であるため、同じ圧縮率での符号化を考えた場合には、二眼立体視動画像を伝送する場合、情報量が2倍となるため、時間方向または上下左右方向での解像度劣化がトレードオフとなる。
【0033】
一方、いずれか一方向(時間方向または空間方向)での解像度劣化ではなく、それぞれの方向に解像度劣化は生じるが、全体での解像度劣化が抑えられる方法は現時点で想定されていないのが実情である。
【0034】
ここで、時間解像度・空間解像度と人間の視覚特性に関する知見として、次のようなことが挙げられる。
・静止画と動画
静止画を伝送する場合には、空間解像度が高いことが望ましく、フレーム(フィールド)シーケンシャル方式による伝送がもっとも良いと考えられる。一方、動きの速い動画を伝送する場合には、時間解像度が高いことが望ましく、映像の縦横方向での解像度を低下させたサイドバイサイド方式もしくはトップアンドボトム方式が最良となる。
【0035】
しかしながら、通常のビデオカメラでの撮影では、背景は静止画に近く、前景は動画に近い状態であり、一概に時間解像度と空間解像度のどちらか一方を優先したり、空間解像度の上下あるいは左右のどちらか一方に解像度のしわ寄せを行うのは好ましい状況とは言えない。
【0036】
・視覚特性と時間解像度
人間の視覚特性としては、時間方向で映像が変化したか否かは敏感に感じられる。また、物体の移動に関しては、移動速度の変化について予測と異なる動きが発生すると人間の資格特性は敏感に反応する。このため、図1に示すように、飛んでいるボールなどを撮影した動画では、時間方向に半分のサンプルを行い、同じフレームを2回表示すると、静止・動作の繰り返しとして認識され、動きの滑らかさを欠いたギクシャクした動きとなってしまう。
【0037】
また、シーンの切り替わり時には、突然シーン全面を切り替えるよりも、前後シーンがブレンドされつつ、後半のシーンに切り替わる方が滑らかなシーンチェンジになる。この現象は動体よりも静止物に依存し、静止物が突然無くなることによる違和感から生じると考えられる。
【0038】
・視覚特性と空間解像度
人間の視覚特性としては、動きを伴うものに対する空間解像度よりも、静止物に対する空間解像度の方が敏感である。これはタイヤがとまっているとホイールのデザインがはっきり見えるのに比べて動き始めるとホイールのデザインがわからなくなっていく状況を思い浮かべると理解しやすい。
【0039】
動体に関して、時間解像度には敏感であり、空間解像度には比較的鈍感であるという点は、タイヤがまわっている場合では次のように考えられる。回っているタイヤのホイールデザインの詳細部がぼけていても違和感はないが、ホイールデザインの詳細部がはっきりと映っていてもタイヤが止まったり動いたりするように見えると違和感を感じるようになる。
【0040】
・両眼視における補正作用
また両眼で立体視を行う場合には、片眼での情報が多少不足する状態でももう一方の眼に入る情報によって情報が補完されて、立体視が可能である。たとえば、片眼の視力が低下した場合など、片眼の画像としてはぼやけた画像になっていたとしても、両眼立体視を行うともう一方の目の情報によって、立体視が可能であるとともにある程度ぼやけが解消するように見える。
【0041】
以上のように、人間の視覚特性に照らして時間解像度・空間解像度を考えると、時間方向・左右方向・上下方向何れかのみの解像度をトレードオフの犠牲にするのは好ましくないことがわかるとともに、人間の視覚特性を考慮することでより好適な時空間解像度制御方法を考えることが望ましい。
【0042】
以上の観点から、時間方向・左右方向・上下方向の何れかのみの解像度を1/2にして二眼立体視動画像を伝送する方式に比較して、本実施形態では、人間の視覚特性を考慮に入れて、より好適な時空間解像度制御を可能にした、複数動画像、特に二眼立体視動画像を伝送する方式ならびにシステムおよび装置を提供する。
【0043】
先ず、本実施形態の基本的な形態を示す。図5は、第1の実施形態に係る送信装置の処理ブロックを示す模式図である。本実施形態の送信側処理では、図5の左側に示す、左眼用動画像、右眼用動画像、メイン縮小率、サブ縮小率、メインサブ配置情報を入力とし、左右フラグ、統合動画像、メイン縮小率、サブ縮小率、メインサブ配置情報、推定元画像0フラグを出力としている。
【0044】
左眼用動画像、右眼用動画像はそれぞれの眼で同時に見ることで立体視可能な動画像である。メインとサブの縮小率はメインサブ配置に関連しており、左眼用・右眼用の動画像の画像サイズ(これをオリジナル画サイズと呼ぶ)に対して、統合画像内のメイン画像やサブ画像がどのくらい縮小されるかを示すものである。
【0045】
本実施形態では、ソース動画像数を2つに限定する必要はないが、まず最初に、最も効果的である二眼立体視動画像を入力とした場合で説明を行う。二眼立体視動画像の場合にはソース画像は左眼用もしくは右眼用の動画像であり、任意の第1のソース画像と第2のソース画像を例に挙げるよりも理解し易いため、下記では左眼もしくは右眼としてソース画像を表現する。
【0046】
図2の左側は、メイン画像L0とサブ画像dR0、メイン画像R1とサブ画像dL1、メイン画像L2とサブ画像dR2、メイン画像R3とサブ画像dL3からなる統合画像が時系列に送られる様子を示している。図2に示すように、統合画像は、メイン画像とサブ画像を合わせた画像であり、左眼用または右眼用のオリジナル画と同等のサイズである。メイン画像は、オリジナル画に対してメイン縮小率で規定される縮小率で縮小される。また、サブ画像は、オリジナル画に対してサブ縮小率で規定される縮小率で縮小される。本実施形態において、メイン画像とサブ画像の縮尺率は、統合画像内で配置可能な範囲内で変更することが可能である。例えば、図2の右側のようにサブ画像をなくした場合、メイン画像L0,R1,L2,R3・・・が左眼・右眼用の交互に並ぶ動画像となるため、フレームシーケンシャル方式と同等の伝送方式となる。
【0047】
図3及び図4の左側に示す図は、図2の左側に示す図と同様に、メイン縮小率とサブ縮小率を異なるようにした場合を示している。また、図3の中央に示す図は、メイン画像とサブ画像とを同じサイズにして左右に配置した場合を示しており、サイドバイサイド方式と同等の伝送方式となる。また、図4の中央に示す図は、メイン画像とサブ画像とを同じサイズにして上下に配置した場合を示しており、トップアンドボトム方式と同等の伝送方式となる。
【0048】
本実施形態では、図2〜図4の左側の図に示すように、メイン縮小率とサブ縮小率を異ならせて統合画像を生成する。従って、本実施形態は、フレームシーケンシャル方式・サイドバイサイド方式・トップアンドボトム方式の中間的な伝送方式であり、時間方向・左右方向・上下方向いずれかのみの解像度を半分にして二眼立体視動画像を伝送するという制約を解き、伝送するコンテンツに応じて、フレームシーケンシャル方式に近い伝送方法としたり、サイドバイサイド方式に近い伝送方法にするなど時空間解像度を制御することが可能としたものである。ここで、メイン縮小率を大きくするほどフレームシーケンシャル方式に近い伝送方法となり、メイン縮小率を小さくするほどサイドバイサイド方式(またはトップアンドボトム方式)に近い伝送方法となる。
【0049】
図3に示すように、2フレーム目を現フレームとすると、サブ画像dL1は現フレームのメイン画像L1と前のフレームのメイン画像L0との差分であり、現フレームのメイン画像L1は送信側から送信されない。つまり、2フレーム目では左眼用画像として差分dL1を送ることで、サブ画像の情報量を低下させることができ、メイン画像に対してサブ画像を小さくして統合画像を生成することができる。同様に、サブ画像dR2はメイン画像R2と前のフレームのメイン画像R1との差分であり、メイン画像R2は送信側から送信されない。これを一般化すると、dR2n=R2n−R2n−1,dL2n+1=L2n+1−L2nとなる。図4に示すトップアンドボトム方式の場合も同様である。なお、dR2n,dR2nを差分画像と称することとする。
【0050】
また、本実施形態では、時間軸方向での差分画像をベース概念とした補正差分画像を導入することで、時間変化する成分と時間変化しない成分の分離を図り、静止物と動体の空間周波数の扱いを分離することを可能にしている。これは静止物と動体では空間周波数の高域成分に対する感度が異なっているという視覚特性上の性質を考慮したものであり、サブ画像から高域成分に敏感な静止物を取り除いてサブ画像の高域劣化耐性をあげることで、メイン画像とサブ画像の縮小率を変えてメイン画像の解像度を改善することを可能にしている。
【0051】
すなわち、前後のフレーム間では、静止している部分のデータについては変化しない。例えばフレームL1とフレームL2では、静止している部分のデータは同一であり、動きのある部分のみが変化する。従って、差分画像dL1(=L1−L0)は、動きのある部分に対応した画像になる。
【0052】
サブ画像に関しては縮小率を上げた分だけ(サブ画像を小さくした分だけ)不鮮明な画像になることは避けられないが、静止物の分離による高域耐性の向上とともに、両眼立体視において情報欠落の補完に用いられる反対側の眼の画像であるメイン画像は高域特性が改善されており、立体視動画視聴上大きな支障になることはない。
【0053】
さらに、左眼画像と右眼画像に対して交互にメイン画像とサブ画像を切り替えることで、サブ画像内の静止物については同じ眼の時間軸上前後方向のメイン画像を含めた推定元画像から高域成分も含めて画像情報を得ることが可能となり、高解像感のある静止物表示が可能となった。
【0054】
以上のように、本実施形態を用いることで、旧来からある、時間方向・左右方向・上下方向いずれかのみの解像度を1/2にして、二眼立体視動画像を伝送する方式に比較して、人間の視覚特性を考慮に入れた、より好適な時空間解像度制御が可能な二眼立体視動画像を伝送する方式ならびにシステムおよび装置を提供可能である。
【0055】
次に、本発明の二眼立体動画像以外の複数動画像処理における効果を説明する。二眼立体視動画像を伝送する場合には、両眼立体視における情報欠落の補完作用を有効に活用することや統合画像のメイン画像位置とサブ画像位置を揃えることで統合画像の動画像圧縮に有利であることは本実施形態の一つの特徴として挙げられるが、処理としては各ソース画像ごとの処理となっているため、処理自体は立体視動画像処理に制限されることも、二つの動画像入力に制限されることもない。
【0056】
たとえば、図33に示すように、3つの全く異なる動画像を統合画像として伝送する場合にも順番にメイン画像となるソース画像を変えることで対応可能である。この場合でもサブ画像が時間軸方向での差分画像をベース概念としていることは不変であるため、静止物の分離による空間周波数の高域耐性の向上は行われ、サブ画像の縮小拡大による影響が少ない伝送を行うことが可能である。
【0057】
メイン画像以外のソース画像は2画像あるため、統合画像にはソース画像1のメイン画像L0とソース画像2のサブ画像dL0、ソース画像3のサブ画像dR0が配置される。この場合でもメイン画像を高解像度とし、サブ画像の画像サイズを小さくして配置することで、静止物の空間解像度をメイン画像で得、動体に関してはサブ画像で時間方向の解像度を得ることが可能である。
【0058】
以上から、本実施形態によって、人間の視覚特性を考慮に入れて、より好適な時空間解像度制御を可能にした、複数動画像、特に二眼立体視動画像を伝送する方式ならびにシステムおよび装置を提供することが可能となる。
【0059】
1つのソース画に対するサブ画像は1つに限られるものではなく、統合画像内に複数配置することができる。例えば、図26には、メイン画像の右側と下側にサブ画像をひとつずつ配置した統合画像内の様子を示している。例えば1フレーム目では、L0がメイン画像であり、dR00,dR10はサブ画像である。メイン画像であるL0,R1のオリジナル画サイズに対する割合をメイン縮小率とし、サブ画像dR00,dR10のオリジナル画サイズに対するそれぞれの割合をサブ縮小率とする。
【0060】
図5の処理ブロックは、入力部110、メイン画像処理部120、サブ画像処理部130、統合画像生成処理部140の4つに分けられる。これらの動作を記述したのが図7の本実施形態の送信側のフローチャートである。
【0061】
送信側の処理としては、左右眼画像のどちらがメインでどちらがサブかを決めるフラグをもっており(ここでは初期値として、main=L,sub=Rとする)、このフラグに応じて入力されたオリジナル画の左右眼画像を入力部110でメイン画像処理部120とサブ画像処理部130に交互に振り分ける。
【0062】
メイン画像処理部120では、メイン元画像(オリジナル画サイズ)をメイン縮小率で縮小し、統合画像内のメイン画像のサイズに合わせる。また、上述のようにdR2n=R2n−R2n−1,dL2n+1=L2n+1−L2nであるため、このメイン画像(R2n−1またはL2n)は、次のフレームのサブ画像(dR2nまたはdL2n+1)を作成する際に使用するために保存しておく。次に、mainを左右フラグとして出力し、統合画像にメイン画像とサブ画像を配置して出力した後、まだ入力画像があれば、入力部110での交互振り分けのためにmain,subを切り替えて、上記処理を再度行い、入力画像がなくなれば終了する。
【0063】
サブ画像処理部130では、サブ画像を算出する。サブ画像処理部130の処理については、図8に示したサブ画像処理のフローチャートに従って説明を行う。まず、推定元画像を作成する。本実施形態では、一枚前のメイン画像を現在のメイン画像サイズに拡大もしくは縮小して推定元画像とする(ステップS200)。この処理はサブ画像処理部130の拡大・縮小部131にて行う。なお、図3、図4に示したように、メイン画像サイズが不変であれば当然ながらこの拡大縮小は不要であり、1枚前のメイン画像(図3及び図4に示すL0,L2,・・・,R1,R3,・・・,)を推定元画像とする。
【0064】
ただし、最初のサブ画像処理では一枚前のメイン画像が存在しないので、推定元画像の画素値はすべて0とする。また、推定元画像の画素値を0として処理したかどうかを、受信側で判別できるようにするために、推定元画像0フラグを出力する。ここで、推定元画像0フラグ=1で画素値を0としたと判定することとする。
【0065】
次に、この推定元画像と同サイズにサブ元画像(オリジナル画サイズ)を縮小し(ステップS202)、縮小したサブ元画像(図3及び図4におけるL1,L3,・・・,R0,R2,・・・,)から推定元画像を引いて差分画像とする(ステップS204)。この縮小処理は縮小処理部132で行い、差分画像の算出は差分画像算出部133で行う。ここで、(差分画像)=(縮小サブ元画像)−(推定元画像)であるので、差分画像に推定元画像を加算すればメイン画像サイズのサブ元画像を得ることができる。受信側では、推定元画像は1枚前の統合画像内から切り出したメイン画像を基に算出可能である。
【0066】
サブ画像としては、図26のようにメイン画像の右横と下側の双方に配置される場合がある。このような場合、本実施形態では、最初に右横のサブ画像(図26の2フレーム目であればdL00)を算出し、次に下側のサブ画像(2フレーム目であればdL01)を算出するものとする。最初に上述のようにして算出した差分画像を右横のサブ画像サイズに縮小して補正差分画像(サブ画像)を出力する。下側のサブ画像の算出については、図8のステップS208における、「求めるサブ画像はまだあるか?」の条件分岐でyes側の処理にしたがって行われる。すなわち、これから求めようとする下側に配置されるサブ画像の前に算出されたサブ画像(本実施形態では右横のサブ画像)をメイン画像サイズに拡大して拡大サブ画像を算出し(ステップS210)、差分画像から拡大サブ画像を減算して新たな差分画像とする(ステップS212)。つまり、
(新たな差分画像)=(差分画像)−(拡大サブ画像)
とする。この新たな差分画像を下側のサブ画像サイズに縮小して下側サブ画像を出力し、すべての求めるサブ画像算出が終了し、サブ画像処理は終了となる。
【0067】
ここで、K番目の統合画像のメイン画像をM(K),右横のサブ画像をdS0(K),下側のdS1(K)とし、差分画像を右横のサブ画像サイズに縮小する処理をF1、右横のサブ画像をメイン画像サイズに拡大する処理をF2、差分画像を下側のサブ画像サイズに縮小する処理をG1,下側のサブ画像をメイン画像サイズに拡大する処理をG2とすると、
(サブ画像dS0(K))
=F1*(差分画像)
=F1*((縮小サブ元画像)−(推定元画像))
であり、
(新たな差分画像)
=(差分画像)−(拡大サブ画像)
=(差分画像)−F2*(サブ画像)
=(差分画像)−F2*F1*(差分画像)
=(1−F2*F1)*(差分画像)
=(1−F2*F1)*((縮小サブ元画像)−(推定元画像))
となる。ここから、
(サブ画像dS1(K))
=G1*(新たな差分画像)
=G1*(1−F2*F1)*((縮小サブ元画像)−(推定元画像))
となる。
【0068】
縮小処理によって情報量は削減されてしまうため、縮小処理後に拡大処理をおこなっても、縮小前の画像を復元することはできないため、上記の新たな差分画像の各画素がすべて0になることはない。ただし、例外として縮小率=拡大率=1.0の場合(すなわち縮小しない場合)にはF2*F1=1となり、新たな差分画像の各画素がすべて0になって、新たな差分画像は意味を持たなくなる。この場合、統合画像上で考えると、メイン画像と並ぶサブ画像がメイン画像と同サイズの領域を持つものであり、いわゆるサイドバイサイド画像かトップアンドボトム画像と同じ並びになる。
【0069】
差分画像は正負の値を扱うため、メイン画像と同じビット数で統合画像に配置する際には、精度を落とす形になる。本実施形態では、1枚おきに量子化精度に問題のないメイン画像が使用され、これに対する差分画像の精度が落ちる形になるため、全体の動画像を通しての品質的な問題とはなりにくいが、単純に最下位ビットを無視して処理するだけでなく、非線形量子化などを利用することも考えられる。
【0070】
なお、特例として、サブ画像サイズが1つでメイン画像サイズと同じサイズの場合に限り、サブ画像を補正差分画像ではなく、サブ画像サイズに縮小したサブ元画像として扱う取り決めを送信側と受信側で行うことにより、減算を行うことで生じる正負符号のためのビット増加による精度落ちを回避することができる。
【0071】
また、図27のようにサブ画像配置が3箇所になった場合も想定することができる。この場合には、右下のサブ画像をdS2(K)、差分画像を右下のサブ画像サイズに縮小する処理をH1,右下のサブ画像をメイン画像サイズに拡大する処理をH2とすると、
差分画像はすでに、
(差分画像)=(1−F2*F1)*((縮小サブ元画像)−(推定元画像))
となっているため、
(新たな差分画像)
=(差分画像)−(拡大サブ画像)
=(差分画像)−G2*(サブ画像)
=(差分画像)−G2*G1*(差分画像)
=(1−G2*G1)*(差分画像)
=(1−G2*G1)*(1−F2*F1)*((縮小サブ元画像)−(推定元画像))
となる。ここから、
(サブ画像dS2(K))
=H1*(新たな差分画像)
=H1*(1−G2*G1)*(1−F2*F1)*((縮小サブ元画像)−(推定元画像))
となる。
【0072】
以上のようにしてサブ画像が生成されると、拡大部135によりサブ画像がメイン画サイズに拡大される。拡大されたサブ画像は、次のフレームの差分画像を算出する際に推定元画像(1フレーム前のメイン画像)として使用される。
【0073】
統合画像生成処理部140は、メイン画像処理部120からメイン画像の入力を受け、サブ画像処理部130からサブ画像の入力を受けて、統合画像を生成し、これを受信装置200へ出力する。この他、送信装置100は、図5に示すように、左右フラグ、推定元画像0フラグ、メイン縮小率、サブ縮小率、メインサブ配置の情報を受信装置200へ送信する。
【0074】
[受信側の処理について]
次に受信側の処理について説明する。図6は、本実施形態の受信装置200の処理ブロックを示す模式図である。本実施形態の受信側処理では、図6の左側にある、統合動画像、メインサブ配置情報、メイン縮小率、サブ縮小率、左右フラグ、推定元画像0フラグを入力とし、左眼用動画像、右眼用動画像を出力する。図6の処理ブロックは、入力部210、メイン画像処理部220、サブ画像処理部230、復元画像振り分け処理240の4つに分けられる。この受信側の処理を図9、図10のフローチャートに示す。
【0075】
先ず図9のフローチャートについて説明すると、図6の入力部210では、入力された統合画像とメインサブ配置情報からメイン画像とサブ画像を切り出す(ステップS300)。図3及び図4の統合画像であれば、サブ画像は1画像である。また、図26の統合画像であればサブ画像は2画像であり、図27の統合画像であればサブ画像は3画像である。メイン画像はメイン画像処理部220へ入力され、サブ画像はサブ画像処理部230へ入力される。次に、サブ画像処理ブロック230で後述のサブ画像復元処理を行い、サブ復元画像を算出する(ステップS302)。その後、メイン画像処理ブロック220で、メイン縮小率を用いてメイン画像をオリジナル画像サイズに拡大し、メイン復元画像を算出する(ステップS304)。メイン復元画像への拡大は、メイン画像処理部220の拡大処理部221にて行われる。メイン復元画像は次のサブ復元処理に用いられるので、メイン縮小率とメイン画像は次のサブ復元処理が行われるまで保存される(ステップS306)。
【0076】
さらに、得られたメイン復元画像とサブ復元画像を左右フラグに応じて、左眼用画像と右眼用画像に振り分けて出力する(ステップS308)。ステップS310〜ステップS300のループにて、全ての統合画像に関してこれを繰り返すと受信側の処理を終了する。
【0077】
図10は、サブ画像復元処理を示すフローチャートである。サブ画像復元処理は、推定元画像に推定元画像サイズに調整したサブ画像をすべて加算して、オリジナル画像サイズに拡大して出力する処理である。
【0078】
この処理では、最初に、1枚前のメイン画像を1枚前のメイン画像縮小率と現在の縮小率を用いて、現在のメイン画像サイズに拡大・縮小して、推定元画像を求める(ステップS400)。なお、図3、図4に示したように、メイン画像サイズが不変であればこの拡大縮小は不要であり、1枚前のメイン画像を推定元画像とする。この処理は、本実施形態において推定元画像を1枚前のメイン画像とすることを送信側と受信側の取り決めとしており、送信側、受信側の処理で同じ推定元画像を用いて処理が行われていることに基づいている。ただし、推定元画像0フラグが1の場合には送信側で推定元画像の画素値を0としてサブ画像を算出しているので、推定元画像の画素値を全て0とする。
【0079】
次に、推定元画像を一時復元画像とし(ステップS402)、サブ画像それぞれに対して、順に、現在のメイン画像サイズ(=推定元画像サイズ)に拡大し(ステップS404)、一時復元画像への加算を行い(ステップS406)、ステップS408〜S404のループにて、全てのサブ画像について終了したら、一時サブ復元画像をオリジナル画像サイズに拡大してサブ復元画像として出力して終了する(ステップS410)。
【0080】
例えば図26の統合画像であれば、送信側の処理で用いた、K番目の統合画像のメイン画像をM(K),右横のサブ画像をdS0(K),下側のdS1(K)、メイン画像サイズを右横のサブ画像サイズに縮小する処理F1、右横のサブ画像をメイン画像サイズに拡大する処理F2、差分画像を下側のサブ画像サイズに縮小する処理G1,下側のサブ画像をメイン画像サイズに拡大する処理G2を使用すると、
(一時復元画像)
=(推定元画像)+F2*(サブ画像dS0(K))+G2*(サブ画像dS1(K))
=(推定元画像)
+F2*F1*((縮小サブ元画像)−(推定元画像))
+G2*G1*(1−F2*F1)*((縮小サブ元画像)−(推定元画像))
=(縮小サブ元画像)
−(1−G2*G1)*(1−F2*F1)*((縮小サブ元画像)−(推定元画像))
がすべてのサブ画像を加算した状態での一時復元画像である。縮小サブ元画像が復元されることが最適なケースであるが、統合画像内の限られた解像度に収めるために縮小処理が入っており、特殊な場合を除き、(1−G2*G1)*(1−F2*F1)は0にはならない。もちろん、(縮小サブ元画像)−(推定元画像)は言い換えると現フレームと前フレームの差分画像であり、静止画であれば全く問題なく復元ができることを意味している。
【0081】
さらにサブ画像数が増えた図27に対しては、
(一時復元画像)
=(推定元画像)+F2*(サブ画像dS0(K))+G2*(サブ画像dS1(K))+H2*(サブ画像dS2(K))
=(推定元画像)
+F2*F1*((縮小サブ元画像)−(推定元画像))
+G2*G1*(1−F2*F1)*((縮小サブ元画像)−(推定元画像))
+H2*H1*(1−G2*G1)*(1−F2*F1)*((縮小サブ元画像)−(推定元画像))
=(縮小サブ元画像)
−(1−H2*H1)*((1−G2*G1)*(1−F2*F1)*((縮小サブ元画像)−(推定元画像))
となり、一時復元画像は、より縮小サブ元画像に近づく。
【0082】
ここで、縮小処理と拡大処理をより具体的に説明する。たとえば図26において、右横のサブ画像に縮小する場合、縦方向のサイズは変更されないため、横方向の一次元フィルタを各行の画素に適用して、横方向の画素数を間引いた横縮小画像を出力とすると考える。
【0083】
この処理は画像全体を行列とみなし、各画素を行列の要素とみなすと、
[横縮小画像]=[元画像][F1]
という行列演算で示すことができる。F1のi列ベクトルは、出力の横縮小画像のi列の画素を算出するための縮小FIRフィルタの係数である。つまり着目画素付近に重みをつけた上で代表画素値を算出するためのベクトルであり、この列ベクトル数が横縮小画像の横幅になる。このため、[F1]は正方行列ではなく行数の方が列数よりも多い行列になる。
【0084】
また、横方向拡大処理についても通常行われる処理は同様に行列演算として表現でき、
[横拡大画像]=[元画像][F2]
と示される。i列ベクトルはF1のものと同様に、出力の復元画像のi列の画素を算出するための拡大FIRフィルタの係数である。違いは行数の方が列数よりも少ない行列であることである。
【0085】
これを用いると横縮小後に横拡大して復元する処理は、
[復元画像]=[元画像][F1][F2]
となる。
【0086】
一方、縦方向については、i列ベクトルではなく、i行ベクトルがフィルタの役割をするため、行列の掛ける方向が異なっており、
[復元画像]=[G2][G1][元画像]
となる。
【0087】
これらの関係を用いて図26の一時復元画像を算出すると、
[サブ画像dS0(K)]=([縮小サブ元画像]−[推定元画像])[F1]
[サブ画像dS1(K)]=[G1]([縮小サブ元画像]−[推定元画像])(1−[F1][F2])
[一時復元画像]
=[縮小サブ元画像]
−(1−[G2][G1])([縮小サブ元画像]−[推定元画像])(1−[F1][F2])
となる。図27に対しては、さらに増えたサブ画像が、縦方向及び横方向に拡大縮小を行う形になっている。縦方向と横方向を独立なフィルタ(縮小:H10、H11、拡大:H20、H21)として考えた場合には、
[サブ画像dS2(K)]=[H10](1−[G2][G1])([縮小サブ元画像]−[推定元画像])(1−[F1][F2])[H11]
[一時復元画像]
=[縮小サブ元画像]
−(1−[G2][G1])([縮小サブ元画像]−[推定元画像])(1−[F1][F2])
+[H20][H10](1−[G2][G1])([縮小サブ元画像]−[推定元画像])(1−[F1][F2])[H11][H21]
=[縮小サブ元画像]
−(1−[H20][H10])(1−[G2][G1])([縮小サブ元画像]−[推定元画像])(1−[F1][F2])
−(1−[G2][G1])([縮小サブ元画像]−[推定元画像])(1−[F1][F2])(1−[H11][H21])
+(1−[H20][H10])(1−[G2][G1])([縮小サブ元画像]−[推定元画像])(1−[F1][F2])(1−[H11][H21])
となる。
【0088】
本実施形態では、1枚前のメイン画像を推定元画像に用いており、一時復元画像の誤差成分は時間的な変化分に依存している。上記の縮小拡大フィルタは低域通過フィルタとして考えられるので、図26の場合も図27の場合も時間的な変化分に対して、(全域−低域通過フィルタ)で示される高域通過フィルタによって、時間的変化分の高域成分が1枚前のメイン画像に置き換えられるような誤差になっている。
【0089】
上述したように、視覚特性としては時間方向の変化には敏感であるが、変化時の空間方向の高周波成分はそれほど敏感ではないため、ある程度の誤差は許容できると考えられる。しかし、縮小拡大フィルタによって1枚前のフレームにもないような擬似輪郭や時間方向での揺れ動くような均一でない状況が発生することは避けるべきである。
【0090】
以上のようにしてメイン画像、サブ画像が復元されると、振分け処理部240により、左右フラグに従ってメイン画像、サブ画像の左右への振り分けが行われる。これにより、左眼用動画像、右眼用動画像を得ることができる。
【0091】
<2.第2の実施形態>
第2の実施形態では、第1の実施形態に対して、処理を簡略化した形態を示す。第1の実施形態では、サブ画像処理の中心がメイン画像サイズで行われており、送信側ではオリジナル画像サイズからメイン画像サイズに縮小して画像処理を行い、サブ画像サイズに縮小してサブ画像とする。伝送後は、受信側でサブ画像サイズからメイン画像サイズへの拡大の後、画像処理されて得た一時復元画像がさらにオリジナル画像サイズに拡大されて表示されるようになっている。
【0092】
一方、第2の実施形態では、サブ画像に関わる処理をメイン画像サイズではなく、オリジナル画像サイズで行う。図11は、第2の実施形態の送信装置100の処理ブロックを示している。図5と比較すると差分画像算出ブロック133の前段で、サブ元画像の縮小処理は行われない。また、拡大部136にて、保存されていたメイン画像を現在のメイン画像サイズではなくオリジナル画像サイズに拡大すること第1の実施形態と異なっている。
【0093】
本実施形態の送信側のフローチャートを図13に示す。図13の処理は、図7のフローチャートと処理の流れは同じであり、処理上の違いは図13のステップS504と図7のステップS104のサブ画像処理である。この相違は、図14に示すサブ画像処理のフローチャートに現れている。
【0094】
図14の最初のステップで示されるように、本実施形態では、推定元画像として一枚前のメイン画像をオリジナル画像サイズに拡大した画像を用いる(ステップS600)。この拡大処理は、拡大部136にて行う。なお、一枚前のメイン画像がない場合に、推定元画像の画素値を0とすること、推定元画像0フラグに推定元画像の画素値を0にしたかどうかを設定し出力することは図8の処理と同じである。
【0095】
サブ元画像はオリジナル画像サイズであるので、サブ元画像から推定元画像を引いて差分画像とする(ステップS602)。ここで、(差分画像)=(サブ元画像)−(推定元画像)であるので、差分画像に推定元画像を加算すればサブ元画像を得ることができる。なお、受信側では推定元画像は1枚前の統合画像内から切り出したメイン画像をもとに算出可能である。
【0096】
本実施形態では、最初に右横のサブ画像を算出し、次に下側のサブ画像を算出するものとすると、最初に差分画像を右横のサブ画像サイズに縮小して補正差分画像(サブ画像)を出力する(ステップS604)。
【0097】
下側のサブ画像の算出については、図14のステップS606における「求めるサブ画像はまだあるか?」の条件分岐でyes側の処理にしたがって行われる。すなわち、これから求めようとするサブ画像の前のサブ画像(本実施形態では右横のサブ画像)をオリジナル画像サイズに拡大した拡大サブ画像を算出し(ステップS608)、差分画像から拡大サブ画像を減算して新たな差分画像とする(ステップS610)。
【0098】
つまり、
(新たな差分画像)=(差分画像)−(拡大サブ画像)
とする。この新たな差分画像を下側のサブ画像サイズに縮小して下側サブ画像を出力し、すべての求めるサブ画像算出が終了すると、サブ画像処理は終了となる。
【0099】
ここで、K番目の統合画像のメイン画像をM(K),右横のサブ画像をdS0(K),下側のdS1(K)とし、差分画像を右横のサブ画像サイズに縮小する処理をF1、右横のサブ画像をオリジナル画像サイズに拡大する処理をF2、差分画像を下側のサブ画像サイズに縮小する処理をG1,下側のサブ画像をオリジナル画像サイズに拡大する処理をG2とすると、
(サブ画像dS0(K))
=F1*(差分画像)
=F1*((サブ元画像)−(推定元画像))
であり、
(新たな差分画像)
=(差分画像)−(拡大サブ画像)
=(差分画像)−F2*(サブ画像)
=(差分画像)−F2*F1*(差分画像)
=(1−F2*F1)*(差分画像)
=(1−F2*F1)*((サブ元画像)−(推定元画像))
となる。ここから、
(サブ画像dS1(K))
=G1*(新たな差分画像)
=G1*(1−F2*F1)*((サブ元画像)−(推定元画像))
となる。
【0100】
縮小処理によって情報量は削減されてしまうため、縮小処理後に拡大処理を行っても、縮小前の画像を復元することはできないため、上記の新たな差分画像の各画素がすべて0になることはない。
【0101】
図27の場合の3番目のサブ画像についても、右下のサブ画像をdS2(K)、差分画像を右下のサブ画像サイズに縮小する処理をH1,右下のサブ画像をメイン画像サイズに拡大する処理をH2とすると、
差分画像はすでに、
(差分画像)=(1−F2*F1)*((サブ元画像)−(推定元画像))
となっているため、
(新たな差分画像)
=(差分画像)−(拡大サブ画像)
=(差分画像)−G2*(サブ画像)
=(差分画像)−G2*G1*(差分画像)
=(1−G2*G1)*(差分画像)
=(1−G2*G1)*(1−F2*F1)*((サブ元画像)−(推定元画像))
となる。ここから、
(サブ画像dS2(K))
=H1*(新たな差分画像)
=H1*(1−G2*G1)*(1−F2*F1)*((サブ元画像)−(推定元画像))
となる。
【0102】
次に、第2の実施形態に係る受信装置200の処理ブロックを図12に示す。図6と比較するとメイン画像処理の前でメイン画像とメイン縮小率を保存していたところが、メイン画像処理の後にオリジナル画サイズのメイン画像を保存する形に変更されている。また、サブ画像処理では、推定元画像として一枚前のオリジナル画サイズのメイン画像をそのまま用いて拡大サブ画像と合算する形に変更されている。推定元画像と拡大サブ画像を合算する処理ブロックの後でも、拡大処理なしで復元画像振分け処理に入力される形になっており、図6に比較してサブ画像処理が簡略化されている。
【0103】
この受信側の処理のフローチャートを図15、図16に示す。図15に関しても図9のフローチャートと処理の流れは変わらず、第1の実施形態ではメイン画像とメイン縮小率を保存していたところが、メイン復元画像を保存することに変更された点が相違点(ステップS302とステップS702の違い)といえる。図16に示されているサブ画像復元処理では、一時復元画像がオリジナル画像サイズとなっているために、推定元画像のサイズや拡大サブ画像のサイズをオリジナル画像サイズとする点(ステップS800〜S804)、サブ復元画像として出力する際に、オリジナル画像サイズへの拡大を行わなくとも良くなった点(ステップS810)が図10と異なる点である。
【0104】
図26の統合画像であれば、送信側の処理で用いた、K番目の統合画像のメイン画像をM(K),右横のサブ画像をdS0(K),下側のdS1(K)、メイン画像サイズを右横のサブ画像サイズに縮小する処理F1、右横のサブ画像をオリジナル画像サイズに拡大する処理F2、差分画像を下側のサブ画像サイズに縮小する処理G1,下側のサブ画像をオリジナル画像サイズに拡大する処理G2を使用すると、
(一時復元画像)
=(推定元画像)+F2*(サブ画像dS0(K))+G2*(サブ画像dS1(K))
=(推定元画像)
+F2*F1*((サブ元画像)−(推定元画像))
+G2*G1*(1−F2*F1)*((サブ元画像)−(推定元画像))
=(サブ元画像)
−(1−G2*G1)*(1−F2*F1)*((サブ元画像)−(推定元画像))
がすべてのサブ画像を加算した状態での一時復元画像である。サブ元画像が復元されることが最適なケースであるが、統合画像内の限られた解像度に収めるために縮小処理が入っており、(1−G2*G1)*(1−F2*F1)は0にはならない。(サブ元画像)−(推定元画像)は言い換えると現フレームと前フレームの差分画像であり、静止画であれば全く問題なく復元ができることを意味している。
【0105】
さらにサブ画像数が増えた図27に対しては、
(一時復元画像)
=(推定元画像)+F2*(サブ画像dS0(K))+G2*(サブ画像dS1(K))+H2*(サブ画像dS2(K))
=(推定元画像)
+F2*F1*((サブ元画像)−(推定元画像))
+G2*G1*(1−F2*F1)*((サブ元画像)−(推定元画像))
+H2*H1*(1−G2*G1)*(1−F2*F1)*((サブ元画像)−(推定元画像))
=(サブ元画像)
−(1−H2*H1)*((1−G2*G1)*(1−F2*F1)*((サブ元画像)−(推定元画像))
となり、一時復元画像は、よりサブ元画像に近づく。
【0106】
第1の実施の形態と同様に、縮小処理と拡大処理をより具体的に説明する。複数画素に重みをつけて出力画素を算出する縮小処理および拡大処理が行列演算として表現できることは第1の実施の形態にも示した。ここでも同様に行列演算で本実施例の処理を説明する。なお、行列演算として表現できないような縮小処理や拡大処理を用いることもできる。
【0107】
本実施形態では、オリジナル画像サイズでのサブ画像処理を行っているため、右横のサブ画像でも下側のサブ画像でも縦横方向の縮小拡大処理が入ってしまう。右横のサブ画像の縮小処理をF10,F11、拡大処理をF20,F21とし、下側のサブ画像の縮小処理をG10,G11、拡大処理をG20,G21とすると、
図26のサブ画像処理およびサブ画像復元処理では、
[サブ画像dS0(K)]=[F10][差分画像0][F11]
ただし、
[差分画像0]=[サブ元画像]−[推定元画像]。
[サブ画像dS1(K)]=[G10][差分画像1][G11]
ただし、
[差分画像1]
= (1−[F20][F10])[差分画像0]
+ [差分画像0](1−[F11][F21])
−(1−[F20][F10])[差分画像0](1−[F11][F21])
[サブ復元画像]
=[サブ元画像]
+(1−[G20][G10])[差分画像1](1−[G11][G21])
− [差分画像1](1−[G11][G21])
−(1−[G20][G10])[差分画像1]
となる。図27に対しては、さらに増えたサブ画像の縮小処理をH10,H11、拡大処理をH20,H21として考えた場合には、
[サブ画像dS2(K)]=[H10][差分画像2][H11]
ただし、
[差分画像2]=[差分画像1]−[G20][G10][差分画像1][G11][G21]
= (1−[G20][G10])[差分画像1]
+ [差分画像1](1−[G11][G21])
−(1−[G20][G10])[差分画像1](1−[G11][G21])
[サブ復元画像]
=[サブ元画像]
+(1−[H20][H10])[差分画像2](1−[H11][H21])
− [差分画像2](1−[H11][H21])
−(1−[H20][H10])[差分画像2]
となる。
【0108】
上記の式ではサブ復元画像はサブ画像を増やすとサブ元画像に近づくと考えられるが、実際には統合画像の解像度の制限によって、F,G,Hの縮小拡大処理行列は変化するため、図27のサブ画像3個の場合と、図28、図29のサブ画像2個の場合のどちらがより好適かは、この解像度の制限によって変化する。また、より単純にメイン画像とサブ画像1個の方が良い場合もあり得る。これらは伝送するコンテンツの内容にも依存して最適条件が変化するため、これに応じて柔軟に対応可能である。
【0109】
メインサブ配置やメイン縮小率、サブ縮小率を統合画像ごとに伝送すればダイナミックにメインサブを変更することも可能である。また、これらの変更は少ないとして、変化したときのみ伝送することも可能である。更には、一定の配置や縮小率と送受信間で取り決めて伝送パラメータに含めないことも可能である。縮小拡大処理のフィルタパラメータに関してもメイン縮小率・サブ縮小率に伴って伝送することも考えられる。
【0110】
本実施形態では、差分画像をオリジナル画像サイズで行っているため、サブ画像サイズとメイン画像サイズが同じになってもF1,F2の縮小・拡大率は1.0にならない。そこで、図30に示すような送信側のサブ画像処理を用い、図31に示すような受信側のサブ画像復元処理を用いることも考えられる。
【0111】
図30、図31のフローチャートでは、最初にメイン画像とサブ画像の縮小率が同じかどうかを判断し、同じだった場合には差分画像を用いず、送信側ではサブ元画像をそのまま縮小し、受信側ではサブ画像をそのままオリジナル画像サイズに拡大して出力している。なお。多くのコンテンツでは、サブ画像サイズとメイン画像サイズを等しくする場合よりも、サブ画像サイズがメイン画像サイズよりも小さくなること場合の方が適していると考えられるため、図30、図31の処理が必ずしも必要になるわけではない。
【0112】
<3.第3の実施形態>
第3の実施形態では、動き補償も含めた例を示す。第1の実施形態では、サブ画像を作成する際やサブ画像から復元画像を生成する際に必要となる推定元画像は、1フレーム前の統合画像内のメイン画像としたが、第3の実施形態では複数のメイン画像・サブ復元画像を参照して推定元画像を生成する。更に、第3の実施形態では、それらの画像とサブ元画像との動き検出や動き補償処理を行い、重みつき平均によって推定元画像を算出する。
【0113】
推定元画像の算出に関して、本実施形態では、1,3,5枚前の3個のメイン画像と、2,4枚前の2個のメイン画像サイズのサブ復元画像、1枚後のメイン画像を使用するものとする。図32は、現フレームL2において、L1の推定元画像を算出する方法を示す模式図である。この場合、1,3,5枚前の3個のメイン画像として、L,L−2,L−4を用い、2,4枚前の2個のメイン画像サイズのサブ復元画像として、L−1,L−3を用い、1枚後のメイン画像としてL2を用いるものとする。
【0114】
動き検出と動き補正処理は、メイン画像サイズの画像を8x8の画素ブロックに分け、それぞれのブロックが他の画像のどこにマッチングするかを求め、マッチング箇所を並べ直して推定元画像算出に用いることとする。もちろん、算出に用いるメイン画像数やメイン画像サイズ、サブ復元画像数や動き検出方法および動き補正方法には特に制限はなく、どのような枚数、動き検出・補正方法であっても適用可能である。
【0115】
図17は、第3の実施形態に係る送信装置100の処理ブロックを示す模式図である。図5に比較すると、図17では、サブ画像処理ブロックの内部処理以外では、入力部のサブ元画像、サブ縮小率が一旦バッファリングされる。また、図17では、メイン画像処理部120の出力の左右フラグ、メイン画像がバッファリングされ、また、メイン画像処理部120からの出力のメイン画像、メイン縮小率のバッファリング数が複数に対応できるようになっており、サブ画像処理部で必要なメイン画像、メイン縮小率を複数供給できるようになる。
【0116】
また、図17では、サブ画像処理部130の出力であるメイン画像サイズサブ復元画像、サブ復元縮小率をバッファリングし、後のサブ画像処理で必要なメイン画像サイズサブ復元画像、サブ復元縮小率を供給できる。また、図17では、推定元画像0フラグに替わって重みつき平均の重みを出力する。図17では、以上の構成が図5に対して異なっている。
【0117】
この変更に伴って、図19に示すフローチャートは図7のフローチャートから変化している。処理の最初に、main=L,sub=R,p_num=0とする(ステップS900)。main,subは左右のどちらをメイン画像・サブ画像とするかを示すフラグであり、p_numは出力する統合画像の画像番号であり、0を最初の画像とし、一枚作成するごとに1ずつ増加するカウンタ値である。
【0118】
処理としては両眼画像すべてについてのループ処理となっている。ループ処理としては、まず、main,subに応じて両眼画像をメイン元画像とサブ元画像とし(ステップS902)、サブ元画像とサブ縮小率を保存する(ステップS904)。
【0119】
次にメイン画像処理を行い、メイン元画像をメイン縮小率で縮小してメイン画像とする(ステップS906)。この際、メイン画像とメイン縮小率を保存するとともに、mainフラグを左右フラグとして保存する(ステップS908)。これらの保存データに関しては、最初の画像から何枚目かを示す画像インデックスなどで検索可能とし、出力処理やサブ画像処理で必要な画像を引き出すことを可能とする。
【0120】
フローチャートとしては、この段階でサブ画像処理に必要な後続メイン画像は揃ったかどうかを判定し、判定結果に応じた分岐処理となる(ステップS910)。本実施形態では、1,3,5枚前の3個のメイン画像と、2,4枚前の2個のメイン画像サイズサブ復元画像、1枚後のメイン画像を使用することとしており、後続メイン画像としてはサブ画像処理を行うp_num番号に対してp_num+1のメイン画像を使用する。
【0121】
このため、最初の処理では後続メイン画像は揃っておらず、noの判定になる。もちろん、両眼画像はまだ存在するので次の分岐はyes判定になって、ステップS928でmain,subを入れ替えた上でループ処理を繰り返す。この繰り返しによって、再度サブ画像処理に必要な後続メイン画像(p_num+1)が揃うため、ステップS910の分岐処理がyes判定になって、p_numのサブ画像処理(ステップS922)と出力処理(ステップS924)が行われる。
【0122】
このループ処理は、ステップS926の判定に応じて、両眼画像全てを処理するまで行われる。最後の両眼画像がメイン・サブに分けられて保存され、上記の分岐処理ならびにサブ画像処理・出力処理が行われると、残りの両眼画像はなくなる。しかし、後続メイン画像を使用している関係で、サブ画像処理した画像数と保存したメイン画像・サブ元画像数にはずれが生じているため、処理を続行してメイン画像をすべて統合画像に配置して伝送しなければならない。このため、main,subを入れ替えた上で(ステップS920)、再度、後続メイン画像が足りないままサブ画像処理と出力処理を行い、全ての保存したサブ元画像が処理された段階で処理を終了する。
【0123】
図20は、図19のステップS924の出力処理を示すフローチャートである。図20の出力処理では、算出したサブ画像と同時刻のメイン画像を統合画像に配置し(ステップS1000)、同時刻の統合画像、メインサブ配置、左右フラグ、メイン縮小率、サブ縮小率、動きベクトルを出力するとともに(ステップS1002)、サブ画像を算出する際に用いた推定元画像算出に用いた重みも出力する(ステップS1004)。この重みでは、最初の処理で存在しなかったメイン画像やサブ復元画像に対して0を指定する。また、最後に後続メイン画像が不足した状況でサブ画像算出した場合の不足したメイン画像に対して0を指定しており、受信側で得られない画像の重みを0とすることで同じ推定元画像を生成できる仕組みとしている。
【0124】
こうした出力を行った後、p_numをインクリメントして(ステップS1006)、p_numを次の処理すべき統合画像の画像番号として出力処理を終了する。
【0125】
図21は、図19のステップS922のサブ画像処理のフローチャートである。本実施形態のサブ画像処理では、サブ元画像を現在のメイン画像サイズに縮小して縮小サブ元画像とする(ステップS1100)。次に後述する推定元画像算出処理によって推定元画像を算出する(ステップS1102)。次に、求めた縮小サブ元画像から推定元画像を引いて差分画像とし、差分画像を一時サブ復元元画像にコピーする(ステップS1104)。以降、求めるサブ画像の数だけループ処理を行う。
【0126】
ループ処理の内容は以下である。先ず、差分画像を縮小して補正差分画像を求め、サブ画像として出力する(ステップS1106)。次にサブ画像を現在のメイン画像サイズに拡大し、拡大サブ画像とする(ステップS1108)。さらに、一時サブ復元画像に拡大サブ画像を加算して新たな一時サブ復元画像とする(ステップS1110)。
【0127】
ステップS1112では求めるサブ画像がまだあるか否かを判定し、この時点でサブ画像数がそろっていればループを終了し、一時サブ復元画像をメイン画像サイズサブ復元画像として出力する(ステップS1116)。サブ画像数が足りない場合には、差分画像から拡大差分画像を減算して新たな差分画像とし(ステップS1114)、ループ処理を繰り返す。
【0128】
図22は、図21のステップS1102における、推定元画像算出処理のフローチャートである。本実施形態では推定元画像を複数の画像から算出する。複数の画像からは重みつき平均を用いて一枚の推定元画像とするので、最初に一時推定元画像を画素値0で初期化し(ステップS1200)、重みをつけて画素加算することで最終的な推定元画像を得ることにする。なお、重みを掛けた際の丸め処理方法などの詳細については記述しないが、方法は特に限定されるものではない。
【0129】
また、推定ソース画像は既に記述したように、前3枚のメイン画像と前2枚のサブ画像、後1枚のメイン画像とする(ステップS1202)。これら全ての推定ソース画像に対してループ処理を行う。
【0130】
ループ処理の内容は以下である。先ず、ステップS1204において、当該の推定ソース画像が存在するか否かを判定し、当該の推定ソース画像が存在しない場合は、一時重みの当該係数を0として次の推定ソース画像の処理に移る(ステップS1214)。推定ソース画像が存在しないケースは、両眼動画像の最初の画像を処理するときなどに算出するサブ画像よりも前の画像がない場合と、最後の画像を処理するときなどに算出するサブ画像よりも後の画像がない場合がある。これらの場合には推定ソース画像として画素値0をもつ画像を想定するため、一時推定元画像には加算処理を行わない。また、この処理を受信側でも同様に行うために、重み係数のうちの該当する係数を0として伝送する。
【0131】
また、当該の推定ソース画像が存在する場合には、推定ソース画像を現在のメイン画像サイズに拡大・縮小し、補正前入力画像とする(ステップS1206)。
【0132】
次に、図21のサブ画像処理のフローチャートの最初に算出した縮小サブ元画像を8x8のブロックにわけ、各ブロックごとに最もマッチするブロック位置を補正前入力画像から選び、このときの画像上でのブロック位置のずれを動きベクトルとして出力する(ステップS1208)。
【0133】
この動きベクトルを用いて補正前入力画像上のマッチングしたブロックを、縮小サブ元画像の各ブロック位置に配置しなおし、補正後入力画像とする(ステップS1210)。この状態で、補正後入力画像と縮小サブ元画像の各ブロックはマッチングが取れている状態となっているので、推定ソース画像ごとに定めた重みを各画素に乗算し、一時推定元画像に加算する。また、この重みを一時重みの該当重みにコピーする(ステップS1212)。
【0134】
ステップS1216では、残りの推定ソース画像があるか否かを判定し、この時点ですべての推定ソース画像の処理が済んでいれば、ループ処理を終了して一時推定元画像を推定元画像として出力するとともに、一時重みを重みとして出力して推定元画像算出処理を終了する(ステップS1218)。一方、ステップS1216で残りの推定ソース画像がある場合には、ループ処理を繰り返す。
【0135】
以上のようにして、本実施形態では、複数の推定ソース画像の動き検出と動き補正を行った後に重み付け平均をとった推定元画像を算出することができる。
【0136】
どのメイン画像、メイン画像サイズサブ復元画像を使用するか、動き検出・補償を行うブロックのサイズはどのくらいにするかなどは、受信側とあらかじめ取り決めを行うことができる。また、取り決めを行わない場合は、送信側からこれらの情報を伝送し、受信側でも送信側と同じ推定元画像を生成できるようにする。メイン画像に関しては現在よりも後のメイン画像を推定ソース画像として使用できるが、メイン画像サイズサブ復元画像に関しては現在よりも前のメイン画像サイズサブ復元画像のみが使用できる。
【0137】
推定元画像を算出する処理は受信側の処理でも可能である必要がある。現在よりも前のメイン画像やメイン画像サイズサブ復元画像は受信側で得ることが可能であり、到達した統合画像の処理を遅らせて、処理する統合画像より後の統合画像からも推定ソース画像を得るとすると、統合画像上から切り出したメイン画像は拡大縮小のみで推定ソース画像として使用できるが、サブ画像は復元処理が必要であり、そのまま使用することはできない。したがって上記のような推定ソース画像の使用制限となっている。
【0138】
図18は、本実施形態の受信装置200の処理ブロックを示す模式図である。本実施形態の受信側処理では、図18の左側にある、統合動画像、メインサブ配置情報、メイン縮小率、サブ縮小率、左右フラグ、動きベクトル、重みを入力とし、左眼用動画像、右眼用動画像を出力する。
【0139】
入力部210は、第1および第2の実施形態と同様に、統合画像をメインサブ配置情報に基づいてメイン画像とサブ画像に分離する。分離したメイン画像とサブ画像は一旦バッファリングされる。そのほかの入力に関しても一旦バッファリングされる。このバッファリングはサブ画像処理で処理する統合画像よりも後に到着する統合画像中のメイン画像を処理に用いるために行われる。
【0140】
メイン画像処理ブロック220は、第1および第2の実施の形態と同様の処理であり、メイン画像をメイン縮小率を用いてオリジナル画像サイズに拡大する。この拡大処理は、サブ画像処理で復元されたサブ復元画像と同じ時刻のメイン画像に対して施され、復元画像振分け処理にて左眼用画像と右眼用画像に振り分けられる。この振り分け処理に用いられる左右フラグについてもサブ復元画像と同じ時刻のものが使用される。この処理をフローチャートに示したものが図23である。
【0141】
図24は、図23のステップS1306におけるサブ画像処理のフローチャートである。サブ画像処理では最初に、後述する推定元画像算出処理を行い、推定元画像を算出する(ステップS1400)。
【0142】
この推定元画像を一時サブ復元画像とし(ステップS1402)、以下のループ処理を行う。まず、サブ画像を現在のメイン画像サイズに拡大し、拡大サブ画像とする(ステップS1404)。次に一時サブ復元画像に拡大サブ画像を加算し、新たな一時サブ復元画像とする(ステップS1406)。
【0143】
ステップS1408では残りのサブ画像があるか否かを判定し、全てのサブ画像について、このループ処理を行った後、一時サブ復元画像をメイン画像サイズサブ復元画像として保存するとともに、オリジナル画像サイズに拡大し、オリジナル画像サイズサブ復元画像として出力する(ステップS1410)。
【0144】
図25は、推定元画像算出処理を示すフローチャートである。最初に一時推定元画像を画素値0で初期化する(ステップS1500)。送信側の処理で既に示したように、本実施例では、1,3,5枚前の3個のメイン画像と、2,4枚前の2個のメイン画像サイズサブ復元画像、1枚後のメイン画像を使用することとしている。
【0145】
これらの画像をバッファ中から引き出し推定ソース画像とし(ステップS1502)、全ての推定ソース画像に対して以下の処理を行う。ただし、ステップS1504の判定により、重みが0の画像に関しては処理しない。重みが0でない画像に関しては、現在のメイン画像サイズに拡大・縮小し、補正前入力画像とする(ステップS1506)。
【0146】
次に補正後入力画像上の各8x8ブロックに対して動きベクトルによって対応する8x8ブロックを補正前入力画像から選び出して配置しなおすことで、補正後入力画像を得る(ステップS1508)。
【0147】
補正後入力画像が求まったら、重みを掛けた後、一時推定元画像に加算する(ステップS1510)。以上の処理をすべての推定ソース画像に対して行った後、一時推定元画像を推定元画像として出力する(ステップS1512)。
【0148】
第1、第2、第3の実施の形態で示した推定元画像算出処理は、処理の一例であり、たとえば、1枚前のメイン画像を使用して、動き補償を行って推定元画像とする場合、1枚前と1枚後の2個のメイン画像を平均(重みが均一な重みつき平均)した画像を推定元画像とする場合など、多くの組み合わせを想定することができる。
【0149】
また、本実施形態では、最も効果が高いと思われる二眼立体画像の処理について記述したが、時間軸方向での差分画像をベースとしたサブ画像を用い、メイン画像に比べてサブ画像を縮小した形で伝送する方式の有効性には、立体動画像のような動画像間の類似性や動画像数による制限はなく、相関のない2つ以上の動画像に対して適用した場合も十分な効果を得ることができる。
【0150】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0151】
100 送信装置
110 入力部
120 メイン画像処理部
130 サブ画像処理部
140 統合画像生成処理部
200 受信装置
210 入力部
220 メイン画像処理部
230 サブ画像処理部230
240 復元画像振り分け処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の異なるソース動画像が順次に入力されるステップと、
フレーム毎に前記複数の異なるソース画像の1つからメイン画像を生成するステップと、
フレーム毎に、前記メイン画像が生成されたソース動画像以外の他のソース動画像について、フレーム間の差分からサブ画像を生成するステップと、
前記メイン画像と前記サブ画像とを統合した統合画像を生成するステップと、
前記統合画像を受信側へ送信するステップと、
を備える、画像送信方法。
【請求項2】
前記メイン画像を生成するステップにおいて、ソース動画像のオリジナルサイズを縮小して前記メイン画像を生成する、請求項1に記載の画像送信方法。
【請求項3】
前記サブ画像を生成するステップにおいて、フレーム間の差分を縮小して前記サブ画像を生成する、請求項1に記載の画像送信方法。
【請求項4】
前記サブ画像を生成するステップにおいて、前記他のソース動画像について、1つ前のフレームの前記他のソース動画像と、現フレームの前記他のソース動画像との差分から現フレームのサブ画像を生成する、請求項1に記載の画像送信方法。
【請求項5】
前記サブ動画像は、
前記他のソース動画像の時間軸における前後方向の画像列から得られる推定元画像を用い、前記他のソース動画像の現フレームの元画像から前記推定元画像を減算して得られる差分画像から生成される、請求項1に記載の画像送信方法。
【請求項6】
前記推定元画像は、ソース動画像の総数をNとし、現フレームが1のソース動画像中のK番目の画像とし、このソース動画像がK−M番目でメイン画像となるとした場合に、K−M番目の画像、又はK+N−M番目の画像である、請求項1に記載の画像送信方法。
【請求項7】
前記推定元画像は、ソース動画像の総数をNとし、現フレームが1のソース動画像中のK番目の画像とし、このソース動画像がK−M番目でメイン画像となるとした場合に、i、jを0以上の整数とすると、
K−N*i−M番目で示される前方の画像とK+N*j+N−M番目で示される後方の画像から選択した複数画像に対する重みつき平均画像、K−1番目以前とK+N*j+N−M番目で示される後方の画像から選択した複数画像に対する重みつき平均画像、K−M番目の画像からK番目の画像への変化をもとにK−M番目の画像に動き補正を行った動き補正画像、K+N−M番目の画像からK番目の画像への変化をもとにK+N−M番目の画像に動き補正を行った動き補正画像、K−N*i−M番目で示される前方の画像とK+N*j+N−M番目で示される後方の画像から選択した複数画像各々とK番目の画像の違いから各画像に動き補正を行った動き補正画像列に対する重みつき平均画像、K−1番目以前とjを0以上の整数としたときにK+N*j+N−M番目で示される後方の画像から選択した複数画像各々とK番目の画像の違いから各画像に動き補正を行った動き補正画像列に対する重みつき平均画像、のいずれかである、請求項1に記載の画像送信方法。
【請求項8】
前記サブ動画像は、
前記他のソース動画像の時間軸における前後方向の画像列から得られる推定元画像を用い、前記他のソース動画像の現フレームの元画像から前記推定元画像を減算して得られる差分画像に対して補正演算処理を行って生成され、
前記補正処理は、伝送する補正差分画像数Sに対して、1又は複数の補正差分画像を生成する処理であり、補正差分画像1は、元画像もしくは縮小元画像と推定元画像との差分画像に対して、伝送する画像内の配置に基づく縮小率で縮小処理を施して得る画像であり、補正差分画像n(n=2〜S)は、元画像もしくは縮小元画像から、推定元画像ならびに補正差分画像1〜補正差分画像(n−1)を推定元画像と同サイズに拡大して得た拡大補正差分画像1〜拡大補正差分画像(n−1)を減算した差分画像を、伝送する画像内の配置に基づく縮小率で縮小処理を施して得られる画像である、請求項1に記載の画像送信方法。
【請求項9】
元画像もしくは縮小元画像と補正差分画像を統合した統合動画像では、各ソース動画像の配置を入れ替えることで、前の統合画像の元画像もしくは縮小画像と同位置に次の統合画像の元画像もしくは縮小画像が配置され、前の統合画像の補正差分画像と同位置に次の統合画像の補正差分画像が配置される、請求項5に記載の画像送信方法。
【請求項10】
複数の異なるソース動画像の1つから生成されたメイン画像と、前記メイン画像に対応するソース動画像以外の他のソース動画像についてフレーム間の差分から生成されたサブ動画像と、からなる統合画像を受信するステップと、
前記統合画像から前記メイン画像と前記サブ画像を分離するステップと、
前記メイン画像に対応するソース動画像を復元するステップと、
隣接するフレームのメイン画像と、分離したサブ画像とからサブ画像に対応するソース動画像を復元するステップと、
前記メイン画像及び前記サブ画像に対応するそれぞれのソース動画像を表示するステップと、
を備える、画像受信方法。
【請求項11】
複数の異なるソース動画像が順次に入力される入力部と、
フレーム毎に前記複数の異なるソース画像の1つからメイン画像を生成するメイン画像処理部と、
フレーム毎に、前記メイン画像は生成されたソース動画像以外の他のソース動画像について、フレーム間の差分からサブ動画像を生成するサブ画像処理部と、
前記メイン画像と前記サブ画像とを統合した統合画像を生成する統合画像生成処理部と、
を備える、画像送信装置。
【請求項12】
複数の異なるソース動画像の1つから生成されたメイン画像と、前記メイン画像に対応するソース動画像以外の他のソース動画像についてフレーム間の差分から生成されたサブ動画像と、からなる統合画像を受信し、前記統合画像から前記メイン画像と前記サブ画像を分離する分離部と、
前記メイン画像に対応するソース動画像を復元するメイン画像復元分と、
隣接するフレームのメイン画像と、分離したサブ画像とからサブ画像に対応するソース動画像を復元するサブ画像復元分と、
前記メイン画像及び前記サブ画像に対応するそれぞれのソース動画像を表示する表示部と、
を備える、画像受信装置。
【請求項13】
複数の異なるソース動画像が順次に入力される入力部と、フレーム毎に前記複数の異なるソース画像の1つからメイン画像を生成するメイン画像処理部と、フレーム毎に、前記メイン画像は生成されたソース動画像以外の他のソース動画像について、フレーム間の差分からサブ動画像を生成するサブ画像処理部と、前記メイン画像と前記サブ画像とを統合した統合画像を生成する統合画像生成処理部と、を有する画像送信装置と、
複数の異なるソース動画像の1つから生成されたメイン画像と、前記メイン画像に対応するソース動画像以外の他のソース動画像についてフレーム間の差分から生成されたサブ動画像と、からなる統合画像を受信し、前記統合画像から前記メイン画像と前記サブ画像を分離する分離部と、前記メイン画像に対応するソース動画像を復元するメイン画像復元分と、隣接するフレームのメイン画像と、分離したサブ画像とからサブ画像に対応するソース動画像を復元するサブ画像復元分と、前記メイン画像及び前記サブ画像に対応するそれぞれのソース動画像を表示する表示部と、を有する画像受信装置と、
を備える画像伝送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2011−109398(P2011−109398A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−262186(P2009−262186)
【出願日】平成21年11月17日(2009.11.17)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】