画像送信装置及び撮像表示システム
【課題】使用する撮像装置によらず、表示装置が表示する画像の画質の違いを抑制することができる画像送信装置及び撮像表示システムを提供する。
【解決手段】画像インターフェイス回路39にはフレーム画像データが入力され、撮像装置インターフェイス回路102には撮像装置の撮像特性パラメータが入力される。画像処理回路35は、処理パラメータに基づいてフレーム画像データを画像処理する。RF回路37は、画像処理されたフレーム画像データを無線送信し、撮像装置毎の撮像特性に起因する画質の違いを抑えるように処理パラメータを調整する際の指針となる指針パラメータを無線受信する。画像処理回路35は、撮像特性パラメータと指針パラメータとに基づいて処理パラメータを調整する。
【解決手段】画像インターフェイス回路39にはフレーム画像データが入力され、撮像装置インターフェイス回路102には撮像装置の撮像特性パラメータが入力される。画像処理回路35は、処理パラメータに基づいてフレーム画像データを画像処理する。RF回路37は、画像処理されたフレーム画像データを無線送信し、撮像装置毎の撮像特性に起因する画質の違いを抑えるように処理パラメータを調整する際の指針となる指針パラメータを無線受信する。画像処理回路35は、撮像特性パラメータと指針パラメータとに基づいて処理パラメータを調整する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置で生成されたフレーム画像データを画像処理して無線送信する画像送信装置に関する。また、本発明は、撮像装置、画像送信装置、画像受信装置、表示装置を含む撮像表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
撮像装置が被写体を撮像して生成した撮像画像の表示を行う場合に、制御装置によって設定される画像処理パラメータに基づいて所望の画像処理を撮像画像に行った後、撮像画像を表示するシステムが開発されている。例えば特許文献1では、制御装置(リモコン)から転送された画像処理パラメータに応じて、撮像装置(デジタルカメラ)内で撮像画像に画像処理を行い、表示データを生成して出力する方法が開示されている。
【0003】
この方法では、画像データを画像処理することにより、表示装置に合わせた表示データが生成されている。この方法は、撮像装置と表示装置の関係が1対1のシステムを前提とした方法であり、複数の撮像装置により構成されるシステムにおいて、撮像装置間の撮像特性の違いが無くなるように表示装置の表示画質を調整することには適用できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-125271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
医療システムの大規模化により、同一部位を撮像している複数台の医療装置から出力される画像を1台若しくは複数の表示装置に配信し、医療装置と表示装置との間の接続を適宜切り替えて表示するシステムが実用化されている。同一部位を複数の医療機器で撮像し、1台の表示装置に複数の画像を並べて表示したり、切り替えて表示したりする場合、それら複数の画像の表示画質が異なっていると、それぞれの医療装置が撮像している部位が同一部位であることをユーザーが認識するのに手間取り、ユーザーの判断に迷いが生ずる可能性がある。そのため、医療装置の撮像特性が異なっていても、表示装置には同じ画質で表示されることが求められている。
【0006】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであって、使用する撮像装置によらず、表示装置が表示する画像の画質の違いを抑制することができる画像送信装置及び撮像表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、被写体を撮像し、フレーム画像データを出力する撮像装置と、前記フレーム画像データを無線送信する画像送信装置と、無線送信された前記フレーム画像データを無線受信する画像受信装置と、前記画像受信装置によって無線受信された前記フレーム画像データに基づく画像を表示する表示装置と、を有する撮像表示システムにおける前記画像送信装置であって、前記撮像装置の撮像特性パラメータと、前記フレーム画像データとが入力される入力部と、処理パラメータに基づいて、前記入力部に入力された前記フレーム画像データを画像処理する画像処理部と、前記画像処理部によって画像処理された前記フレーム画像データを前記画像受信装置に無線送信し、撮像装置毎の撮像特性に起因する画質の違いを抑えるように前記処理パラメータを調整する際の指針となる指針パラメータを、当該指針パラメータを無線送信する装置から無線受信する通信部と、前記撮像特性パラメータと前記指針パラメータとに基づいて前記処理パラメータを調整する調整部と、を有する画像送信装置である。
【0008】
また、本発明の画像送信装置は、被写体を撮像し、第1のフレーム画像データを出力する第1の撮像装置と、前記第1のフレーム画像データを無線送信する画像送信装置と、被写体を撮像し、第2のフレーム画像データを出力する第2の撮像装置と、無線送信された前記第1のフレーム画像データを無線受信する画像受信装置と、前記画像受信装置によって無線受信された前記第1のフレーム画像データに基づく第1の画像及び前記第2の撮像装置から出力された前記第2のフレーム画像データに基づく第2の画像を表示する表示装置と、を有する撮像表示システムにおける前記画像送信装置であって、前記第1の撮像装置の撮像特性パラメータと、前記第1のフレーム画像データとが前記入力部に入力され、前記画像処理部は、前記入力部に入力された前記第1のフレーム画像データを処理し、前記通信部は、前記画像処理部によって画像処理された前記第1のフレーム画像データを前記画像受信装置に無線送信し、前記通信部はさらに、前記指針パラメータとして、前記第2の撮像装置の撮像特性パラメータを、当該第2の撮像装置の撮像特性パラメータを無線送信する装置から無線受信する。
【0009】
また、本発明の画像送信装置において、前記通信部は、前記指針パラメータとして、前記表示装置が表示する画像の画質の調整目標パラメータを、当該調整目標パラメータを無線送信する装置から無線受信する。
【0010】
また、本発明の画像送信装置において、前記通信部は、前記指針パラメータとして、予め指定された標準的な撮像特性パラメータを、当該標準的な撮像特性パラメータを無線送信する装置から無線受信する。
【0011】
また、本発明の画像送信装置において、前記通信部は、前記画像受信装置から前記指針パラメータを無線受信する。
【0012】
また、本発明の画像送信装置において、前記通信部は、前記画像送信装置と前記画像受信装置との無線接続を制御する制御装置から前記指針パラメータを無線受信する。
【0013】
また、本発明の画像送信装置において、前記撮像特性パラメータ、前記処理パラメータ、及び前記指針パラメータは、色ゲイン、色相、ガンマ、及び周波数特性のパラメータを有する。
【0014】
また、本発明の画像送信装置において、前記調整部は、前記指針パラメータを前記撮像特性パラメータで除算した値に基づいて前記処理パラメータを調整する。
【0015】
また、本発明は、被写体を撮像し、フレーム画像データを出力する撮像装置と、前記フレーム画像データを無線送信する画像送信装置と、無線送信された前記フレーム画像データを無線受信する画像受信装置と、前記画像受信装置によって無線受信された前記フレーム画像データに基づく画像を表示する表示装置と、を有する撮像表示システムであって、前記画像送信装置は、前記撮像装置の撮像特性パラメータと、前記フレーム画像データとが入力される入力部と、処理パラメータに基づいて、前記入力部に入力された前記フレーム画像データを画像処理する画像処理部と、前記画像処理部によって画像処理された前記フレーム画像データを前記画像受信装置に無線送信し、撮像装置毎の撮像特性に起因する画質の違いを抑えるように前記処理パラメータを調整する際の指針となる指針パラメータを、当該指針パラメータを無線送信する装置から無線受信する通信部と、前記撮像特性パラメータと前記指針パラメータとに基づいて前記処理パラメータを調整する調整部と、を有する撮像表示システムである。
【0016】
また、本発明の撮像表示システムにおいて、前記撮像表示システムはさらに、前記画像送信装置と前記画像受信装置との無線接続を制御し、前記処理パラメータを調整する際の指針となる指針パラメータを前記画像送信装置に無線送信する制御装置を有し、前記通信部は、前記指針パラメータを前記制御装置から受信する。
【0017】
また、本発明は、被写体を撮像し、第1のフレーム画像データを出力する第1の撮像装置と、前記第1のフレーム画像データを無線送信する画像送信装置と、被写体を撮像し、第2のフレーム画像データを出力する第2の撮像装置と、無線送信された前記第1のフレーム画像データを無線受信する画像受信装置と、前記画像受信装置によって無線受信された前記第1のフレーム画像データに基づく第1の画像を表示すると共に前記第2の撮像装置から出力された前記第2のフレーム画像データに基づく第2の画像を表示する表示装置と、を有する撮像表示システムであって、前記画像送信装置は、前記第1の撮像装置の撮像特性パラメータと、前記第1のフレーム画像データとが入力される入力部と、処理パラメータに基づいて、前記入力部に入力された前記第1のフレーム画像データを画像処理する画像処理部と、前記画像処理部によって画像処理された前記第1のフレーム画像データを前記画像受信装置に無線送信し、撮像装置毎の撮像特性に起因する画質の違いを抑えるように前記処理パラメータを調整する際の指針となる前記第2の撮像装置の撮像特性パラメータを前記画像受信装置から無線受信する第1の通信部と、前記第1の撮像装置の撮像特性パラメータと前記第2の撮像装置の撮像特性パラメータとに基づいて前記処理パラメータを調整する調整部と、を有し、前記画像受信装置は、前記第1のフレーム画像データを前記画像送信装置から無線受信し、前記第2の撮像装置の撮像特性パラメータを前記画像送信装置に無線送信する第2の通信部と、前記第1のフレーム画像データを出力する出力部と、を有する撮像表示システムである。
【0018】
また、本発明は、被写体を撮像し、フレーム画像データを出力する複数の撮像装置と、前記複数の撮像装置のそれぞれに対応して設けられ、前記撮像装置から出力された前記フレーム画像データを無線送信する複数の画像送信装置と、無線送信された前記フレーム画像データを無線受信する画像受信装置と、前記画像受信装置によって無線受信された前記フレーム画像データに基づく画像を表示する表示装置と、を有する撮像表示システムであって、前記画像送信装置は、前記撮像装置の撮像特性パラメータと、前記フレーム画像データとが入力される入力部と、処理パラメータに基づいて、前記入力部に入力された前記フレーム画像データを画像処理する画像処理部と、前記画像処理部によって画像処理された前記フレーム画像データを前記画像受信装置に無線送信し、撮像装置毎の撮像特性に起因する画質の違いを抑えるように前記処理パラメータを調整する際の指針となる、前記表示装置が表示する画像の画質の調整目標パラメータを前記画像受信装置から無線受信する第1の通信部と、前記撮像装置の撮像特性パラメータと前記調整目標パラメータとに基づいて前記処理パラメータを調整する調整部と、を有し、前記画像受信装置は、前記フレーム画像データを前記画像送信装置から無線受信し、前記調整目標パラメータを前記画像送信装置に無線送信する第2の通信部と、前記フレーム画像データを出力する出力部と、を有する撮像表示システムである。
【0019】
また、本発明は、被写体を撮像し、フレーム画像データを出力する複数の撮像装置と、前記複数の撮像装置のそれぞれに対応して設けられ、前記撮像装置から出力された前記フレーム画像データを無線送信する複数の画像送信装置と、無線送信された前記フレーム画像データを無線受信する画像受信装置と、前記画像受信装置によって無線受信された前記フレーム画像データに基づく画像を表示する表示装置と、前記画像送信装置と前記画像受信装置との無線接続を制御し、撮像装置毎の撮像特性に起因する画質の違いを抑えるように処理パラメータを調整する際の指針となる、予め指定された標準的な撮像特性パラメータを前記画像送信装置に無線送信する制御装置と、を有する撮像表示システムであって、前記画像送信装置は、前記撮像装置の撮像特性パラメータと、前記フレーム画像データとが入力される入力部と、前記処理パラメータに基づいて、前記入力部に入力された前記フレーム画像データを画像処理する画像処理部と、前記画像処理部によって画像処理された前記フレーム画像データを前記画像受信装置に無線送信し、前記標準的な撮像特性パラメータを前記制御装置から無線受信する第1の通信部と、前記撮像装置の撮像特性パラメータと前記標準的な撮像特性パラメータとに基づいて前記処理パラメータを調整する調整部と、を有し、前記画像受信装置は、前記フレーム画像データを前記画像送信装置から無線受信する第2の通信部と、前記フレーム画像データを出力する出力部と、を有する撮像表示システムである。
【0020】
また、本発明は、被写体を撮像し、フレーム画像データを出力する複数の撮像装置と、前記複数の撮像装置のそれぞれに対応して設けられ、前記撮像装置から出力された前記フレーム画像データを無線送信する複数の画像送信装置と、無線送信された前記フレーム画像データを無線受信する画像受信装置と、前記画像受信装置によって無線受信された前記フレーム画像データに基づく画像を表示する表示装置と、前記画像送信装置と前記画像受信装置との無線接続を制御し、撮像装置毎の撮像特性に起因する画質の違いを抑えるように処理パラメータを調整する際の指針となる、予め指定された標準的な撮像特性パラメータを前記画像送信装置に無線送信し、前記表示装置が表示する画像の画質の調整目標パラメータを前記画像受信装置に送信する制御装置と、を有する撮像表示システムであって、前記画像送信装置は、前記撮像装置の撮像特性パラメータと、前記フレーム画像データとが入力される入力部と、第1の処理パラメータに基づいて、前記入力部に入力された前記フレーム画像データを画像処理する第1の画像処理部と、前記第1の画像処理部によって画像処理された前記フレーム画像データを前記画像受信装置に無線送信し、前記標準的な撮像特性パラメータを前記制御装置から無線受信する第1の通信部と、前記撮像装置の撮像特性パラメータと前記標準的な撮像特性パラメータとに基づいて前記第1の処理パラメータを調整する第1の調整部と、を有し、前記画像受信装置は、前記フレーム画像データを前記画像送信装置から無線受信し、前記調整目標パラメータを前記制御装置から無線受信する第2の通信部と、第2の処理パラメータに基づいて、前記フレーム画像データを処理する第2の画像処理部と、前記第2の画像処理部によって処理された前記フレーム画像データを出力する出力部と、前記調整目標パラメータに基づいて前記第2の処理パラメータを調整する第2の調整部と、を有する撮像表示システムである。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、撮像装置毎の撮像特性に起因する画質の違いを抑えるように処理パラメータを調整する際の指針となる各種パラメータと、撮像装置の撮像特性パラメータとに基づいて処理パラメータを調整することによって、使用する撮像装置によらず、表示装置が表示する画像の画質の違いを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1の実施形態による撮像表示システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態による撮像表示システムが備えるカメラヘッドの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態による撮像表示システムが備える撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態による撮像表示システムが備える撮像装置内の撮像処理回路の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施形態による撮像表示システムが備える送信装置の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第1の実施形態による撮像表示システムが備える撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第1の実施形態による撮像表示システムが備える受信装置の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第1の実施形態による撮像表示システムが備える送信装置内の画像処理回路の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第1の実施形態における撮像特性値を示す参考図である。
【図10】本発明の第1の実施形態におけるガンマを示す参考図である。
【図11】本発明の第1の実施形態における周波数特性を示す参考図である。
【図12】本発明の第2の実施形態による撮像表示システムの構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の第2の実施形態による撮像表示システムが備える表示処理装置の構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の第2の実施形態における撮像特性値を示す参考図である。
【図15】本発明の第2の実施形態における画質調整目標値を示す参考図である。
【図16】本発明の第2の実施形態における画像処理の調整値を示す参考図である。
【図17】本発明の第3の実施形態による撮像表示システムの構成を示すブロック図である。
【図18】本発明の第3の実施形態による撮像表示システムが備える受信装置の構成を示すブロック図である。
【図19】本発明の第3の実施形態による撮像表示システムが備える表示処理装置の構成を示すブロック図である。
【図20】本発明の第3の実施形態における標準撮像特性値を示す参考図である。
【図21】本発明の第3の実施形態における画像処理の調整値を示す参考図である。
【図22】本発明の第3の実施形態における画質調整目標値を示す参考図である。
【図23】本発明の第3の実施形態における表示特性を示す参考図である。
【図24】本発明の第3の実施形態における画像処理の調整値を示す参考図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態を説明する。
【0024】
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態を説明する。本実施形態では、2台の医療用撮像装置から成る撮像表示システムであって、第1の医療用撮像装置で得られた撮像画像を無線により、第2の医療用撮像装置に送信し、第2の医療用撮像装置の表示用モニタで両方の撮像画像を観察することが可能なように構成された撮像表示システムに本発明を適用した場合を例に説明を行う。図1は、本実施形態による撮像表示ステムの構成を示している。
【0025】
カート6には、カメラヘッド3を用いて第1の撮像画像を生成し出力する撮像装置2(第1の撮像装置)と、第1の撮像画像や制御情報を表示するモニタ1と、アンテナ5を介して第1の撮像画像を無線送信する送信装置4(画像送信装置)とが搭載されている。カート14には、アンテナ9を介して送信装置4からの第1の撮像画像を受信し撮像装置11に出力する受信装置10(画像受信装置)と、カメラヘッド12を用いて第2の撮像画像を生成し、第2の撮像画像と受信装置10からの第1の撮像画像とに基づいて、ユーザーの指示に応じた表示状態の表示信号を生成し、モニタ13に出力する撮像装置11(第2の撮像装置)と、撮像装置11からの表示信号に基づいて第1の撮像画像及び第2の撮像画像を表示するモニタ13(表示装置)とが搭載されている。カメラヘッド3及びカメラヘッド12は、ベッド8上の患者7の手術部位を観察する位置に適宜配置される。
【0026】
撮像装置2は、カメラヘッド3により、被写体である患者7の手術部位を撮像して第1の撮像画像を生成する。一方、撮像装置11は、カメラヘッド12により患者7の手術部位を撮像して第2の撮像画像を生成する。これらの撮像画像のデータは、フレーム毎の画像データ(フレーム画像データ)で構成されている。以降の記載における撮像画像のデータは1フレーム又は複数フレームの画像データで構成されているものとする。
【0027】
撮像装置2で生成された第1の撮像画像は、モニタ1で表示されると共に、送信装置4により受信装置10に無線送信され、モニタ13において、撮像装置11で生成された第2の撮像画像と共に表示される。撮像装置2と撮像装置11の撮像特性は異なっているため、送信装置4内の画像処理回路が撮像装置2と撮像装置11の撮像特性を用いて第1の撮像画像の表示画質を第2の撮像画像の表示画質と同等の表示画質に変換した後に、送信装置4が第1の撮像画像の無線送信を行う。
【0028】
動作開始時に、撮像装置11の撮像特性が送信装置4に通知される。送信装置4は、通知された撮像装置11の撮像特性と接続中の撮像装置2の撮像特性とを用いて、送信装置4内の画像処理回路が画像処理に使用する調整値(処理パラメータ)を生成する。これによって、撮像装置毎の撮像特性に起因する画質の違いは打ち消され、モニタ13において第1の撮像画像と第2の撮像画像は同じ画質で表示されることになる。上記の画像処理の詳細については、後に説明を行う。
【0029】
図2を用いてカメラヘッド3の構成を説明する。カメラヘッド3は、撮像光学系15と、撮像素子16と、フロントエンド回路17と、AD変換回路18とから構成されている。撮像光学系15は被写体像を撮像素子16上に結像させる。撮像素子16は、被写体像を撮像信号に変換する。フロントエンド回路17は、撮像素子16から出力された撮像信号を処理する。AD変換回路18は、フロントエンド回路17で処理された撮像信号をデジタルデータに変換し、カメラヘッド出力19として撮像装置2に出力する。フロントエンド回路17及びAD変換回路18の動作は、撮像装置2からのカメラヘッド制御信号20により制御される。カメラヘッド3の動作内容は公知であるので、これ以上の説明は省略する。
【0030】
図3を用いて撮像装置2の構成を説明する。撮像装置2は、撮像処理回路21と、表示画面生成回路22と、装置制御回路23と、ユーザーインターフェイス24と、記憶回路25とから構成されている。撮像処理回路21は、カメラヘッド3からのカメラヘッド出力19を受け取って画質調整処理を行い第1の撮像画像を生成すると共に、カメラヘッド制御信号20を生成する。表示画面生成回路22は、撮像処理回路21からの第1の撮像画像と、撮像装置2の動作状態を示す制御情報とに基づいて、モニタ1に第1の撮像画像を表示するための表示信号26を生成する。装置制御回路23は撮像装置2の全体の動作を制御する。ユーザーインターフェイス24は、ユーザーの指示を装置制御回路23に伝える。記憶回路25は、ユーザーの指示の内容や、撮像装置2の撮像特性を示す各種パラメータ等を記憶する。撮像処理回路21からの第1の撮像画像は、送信用撮像画像27として送信装置4に出力される。又、送信装置制御信号28が装置制御回路23から出力される。動作開始時には、撮像装置2の撮像特性を示す撮像特性値(撮像特性パラメータ)が送信装置制御信号28として出力される。
【0031】
図4を用いて撮像装置2内の撮像処理回路21の構成を説明する。撮像処理回路21は、ゲイン調整回路29と、カメラ信号処理回路30と、バッファー回路31と、撮像制御回路32とから構成されている。ゲイン調整回路29は、カメラヘッド3からのカメラヘッド出力19にゲインコントロール処理を施す。カメラ信号処理回路30は、ゲイン調整回路29で処理された信号に画質調整処理を施す。バッファー回路31は、カメラ信号処理回路30で処理された信号に出力インピーダンス変換を施し、送信用撮像画像27として送信装置4に出力すると共に表示用撮像画像33として表示画面生成回路22に出力する。撮像制御回路32は、装置制御回路23からの撮像制御信号34に従って撮像処理回路21の全体の動作を制御する。又、装置制御回路23からの撮像制御信号34に従って、撮像制御回路32からカメラヘッド制御信号20が出力される。
【0032】
図5を用いて送信装置4の構成を説明する。送信装置4は、画像処理回路35(画像処理部、第1の画像処理部)と、フォーマット変換回路36と、RF回路37(通信部)と、送信制御回路38と、画像インターフェイス回路39(入力部)と、撮像装置インターフェイス回路102(入力部)と、記憶回路40とから構成されている。画像インターフェイス回路39には撮像装置2からの送信用撮像画像27が入力され、撮像装置インターフェイス回路102には撮像装置2からの送信装置制御信号28が入力される。送信装置4は、送信装置制御信号28が示す指示に応じて送信用撮像画像27に画像処理を行い、無線信号としてアンテナ5に出力する。
【0033】
画像処理回路35は、画像インターフェイス回路39から出力される処理前画像27aに対して、画像処理用のパラメータである調整値を用いて画像処理を施す。フォーマット変換回路36は、画像処理回路35から出力される処理後画像27bを所定の通信フォーマットに変換する。RF回路37は、フォーマット変換回路36から出力されたフォーマット変換後の第1の撮像画像を無線化し、アンテナ5を介して受信装置10に送信する。又、動作開始時に受信装置10から、撮像装置11の撮像特性値を無線化したデータが送信され、RF回路37は、アンテナ5を介してこのデータを受信し、撮像装置11の撮像特性値を送信制御回路38に伝える。撮像装置11の撮像特性値は、送信制御回路38によって画像処理回路35に伝えられる。画像処理回路35が行う画像処理の詳細は、後に図8を用いて説明する。
【0034】
撮像装置インターフェイス回路102には、撮像装置2の装置制御回路23からの送信装置制御信号28が入力されており、撮像装置2の撮像特性値が送信制御回路38を経由して画像処理回路35に伝えられる。送信制御回路38は送信装置4の全体の動作を制御する。記憶回路40は各種パラメータ等を記憶する。
【0035】
図6を用いて撮像装置11の構成を説明する。撮像装置2は、撮像処理回路41と、表示処理回路42と、装置制御回路43と、ユーザーインターフェイス44と、記憶回路45とから構成されている。撮像装置11の構成は、基本的には撮像装置2の構成と同じであるが、カメラヘッド12からの第2の撮像画像と受信装置10からの第1の撮像画像とを用いて、モニタ13に出力するモニタ表示信号49を生成する表示処理回路42の構成が異なっている。
【0036】
表示処理回路42は、撮像処理回路41からの第2の撮像画像と、第1の撮像画像に対応する、受信装置10からの受信画像信号48とが入力され、これらからモニタ13に表示する表示信号49を生成する。モニタ13では、第1の撮像画像のみ又は第2の撮像画像のみの表示や、第1の撮像画像と第2の撮像画像のマルチ画面表示等を行うことが可能である。装置制御回路43は、ユーザーインターフェイス44に入力されたユーザーの指示に従って、表示処理回路42に指示を与える。又、動作開始時に装置制御回路43は、撮像装置11の撮像特性値を、受信装置制御信号47として受信装置10に出力する。
【0037】
図7を用いて受信装置10の構成を説明する。受信装置10は、RF回路50(第2の通信部)と、フォーマット逆変換回路51(出力部)と、全体制御回路52と、撮像装置インターフェイス回路53とから構成されている。RF回路50は、送信装置4から無線送信された無線データを、アンテナ9を介して受信し、高周波処理を行う。フォーマット逆変換回路51は、RF回路50が受信した無線データのフォーマットを逆変換して第1の撮像画像に戻した後、受信画像信号48として撮像装置11に出力する。全体制御回路52は、受信装置10の全体の動作を制御する。
【0038】
撮像装置インターフェイス回路53は、受信装置制御信号47により撮像装置11と接続されている。動作開始時に、撮像装置11の撮像特性値が受信装置制御信号47により撮像装置インターフェイス回路53に入力され、撮像装置インターフェイス回路53を介して全体制御回路52に伝えられる。全体制御回路52は撮像装置11の撮像特性値をRF回路50に出力する。RF回路50は、撮像装置11の撮像特性値を無線化したデータを、アンテナ9を介して送信装置4に送信する。
【0039】
図8を用いて送信装置4中の画像処理回路35の構成を説明する。画像処理回路35は、色バランス調整回路54と、ガンマ調整回路55と、周波数特性調整回路56と、調整値制御回路57(調整部)とから構成されている。撮像装置2からの送信用撮像画像27は、Y(輝度)、U(色差−Cb)、V(色差−Cr)から成り、処理前画像27aとして色バランス調整回路54に入力される。色バランス調整回路54は処理前画像27aの色ゲインと色相を調整する。ガンマ調整回路55は、色バランス調整回路54で処理された画像にガンマ調整を施す。周波数特性調整回路56は、ガンマ調整回路55で処理された画像に周波数調整を施し、処理後画像27bを出力する。調整値制御回路57は、送信制御回路38からの指示に応じて画像処理回路35の全体の動作を制御する。画像処理回路35が行う画質調整に含まれる、色ゲインと色相の調整、ガンマ調整、周波数調整の詳細については、後に説明を行う。
【0040】
図9は、送信装置4の画像処理回路35が行う画質調整に用いる撮像特性値の例である。撮像特性値は撮像装置毎の撮像特性を示しており、図示するように、撮像画像の彩度及び色相(HUE)の特性値である色ゲイン及び色相(0〜±180度)、撮像画像のガンマ特性値であるガンマ、撮像画像の周波数特性値である周波数特性から成っている。尚、周波数特性は、サンプリング周波数を1として正規化して表示しており、水平(H)/垂直(V)両方向に共通に、0, 0.1, 0.2, 0.3, 0.4, 0.5の各周波数でのゲインで規定している。
【0041】
画質調整は、撮像特性値に応じて行われる。例えば撮像装置2の撮像特性が図9のID_aの特性であり、撮像装置11の特性がID_bの特性である場合、色ゲイン1.1で撮像された第1の撮像画像を、色ゲイン0.8で撮像された第2の撮像画像の画質と同画質にして送信するためには、色ゲインを0.73(=0.8/1.1)倍に調整する必要がある。同様に、色相を-20度(=-10-10)調整する必要がある。
【0042】
本実施形態においては、前述したように、動作開始直後に撮像装置11の撮像特性値が受信装置10を介して送信装置4に通知される一方、撮像装置2の撮像特性値が撮像装置2から送信装置4に通知される。送信装置4の画像処理回路35において、調整値制御回路57は、送信制御回路38から通知された撮像装置11の撮像特性値及び撮像装置2の撮像特性値に基づいて、色バランス調整回路54、ガンマ調整回路55、周波数特性調整回路56のそれぞれの調整値を決定し、各回路に調整値を設定する。ガンマと周波数特性については、図10と図11を用いて説明を行う。
【0043】
図10は、ガンマ補正の例である。通常の表示モニタでは、装置のガンマが2.2又は1.8に設定されており、撮像装置は、撮像装置と表示モニタが接続された状態で表示モニタのガンマを相殺してガンマ=1となるような逆補正(1/Γ補正)を行う。そのため、撮像画像のガンマ特性値は、ガンマ=0.45(=1/2.2)か0.55(=1/1.8)であり、撮像装置2のガンマ特性値が0.45で撮像装置11のガンマ特性値が0.55の場合、ガンマ調整回路55が行うガンマ調整では、第1の撮像画像に対してガンマ=1.22(=0.55/0.45)の補正を行うことになる。又、撮像装置2のガンマ特性値が0.55で撮像装置11のガンマ特性値が0.45の場合、ガンマ調整回路55はガンマ=0.82(=0.45/0.55)の補正を行い、撮像装置2と撮像装置11が同じガンマ特性値の場合、ガンマ=1(無調整)となる。ガンマ調整回路55には、図10に示した入出力関係(Γ=0.82 , 1 , 1.22)を持つテーブルが用意されており、調整値制御回路57からの指示によりテーブルが切り替えて使用される。
【0044】
図11は、撮像装置2の周波数特性を示している。図9に示したように、撮像装置2の周波数特性は、サンプリング周波数を1として正規化しており、0, 0.1, 0.2, 0.3, 0.4, 0.5の各周波数でのゲインが(1.0, 1.0, 1.0, 1.1, 1.2, 1.0)である。撮像装置11の周波数特性が(1.0, 1.0, 1.0, 1.2, 1.3, 1.0)であるので、第1の撮像画像の各周波数のゲインを第2の撮像画像の各周波数のゲインと揃えるため、周波数調整値は、第2の撮像画像の各周波数のゲインを第1の撮像画像の各周波数のゲインで除算した(1.0, 1.0, 1.0, 1.1, 1.1, 1.0)となる。周波数特性調整回路56は、上記の周波数調整を実現するためのデジタルフィルタ回路を内蔵しており、フィルタ係数を調整することにより上記の周波数調整を行う。
【0045】
以上の方法により、送信装置4は、第1の撮像画像の画質を第2の撮像画像の画質と同画質に変換し、無線送信を行う。このことにより、撮像装置毎の撮像特性に起因する画質の違いは打ち消され、モニタ13に表示される第1の撮像画像と第2の撮像画像は同じ画質で表示されることになる。
【0046】
上述したように、本実施形態によれば、撮像装置毎の撮像特性に起因する画質の違いを抑えるように調整値を調整する際に、撮像装置2の撮像特性値と撮像装置11の撮像特性値とに基づいて画像処理回路35の調整値を調整することによって、使用する撮像装置によらず、モニタ13が表示する画像の画質の違いを抑制することができる。
【0047】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。本実施形態では、2台の医療用撮像装置と1台の画像表示装置から成る撮像表示システムであって、2台の医療用撮像装置で得られた撮像画像を無線により、画像表示装置に送信し、画像表示装置で両方の撮像画像を観察することが可能なように構成された撮像表示システムに本発明を適用した場合を例に説明を行う。図12は、本実施形態による撮像表示ステムの構成を示している。
【0048】
カート6には、第1の実施形態と同じ構成のカメラヘッド3と、撮像装置2と、モニタ1と、送信装置4とが搭載されている。カート63には、カート6と同じ構成のカメラヘッド58と、撮像装置59と、モニタ62と、送信装置61とが搭載されている。カメラヘッド3及びカメラヘッド58は、第1の実施形態と同様に、ベッド8上の患者7の手術部位を観察する位置に適宜配置される。
【0049】
カート68には、アンテナ65を介して送信装置4からの第1の撮像画像及び送信装置61からの第2の撮像画像を受信する受信装置66と、第1の撮像画像及び第2の撮像画像を受信装置66から受け取り、これらの撮像画像に基づいて表示信号を生成しモニタ67に出力する表示処理装置64と、表示処理装置64からの表示信号に基づいて第1の撮像画像及び第2の撮像画像を表示するモニタ67とが搭載されている。受信装置66の構成は、図7を用いて説明を行った受信装置10の構成と同一である。
【0050】
撮像装置2で生成された第1の撮像画像は、モニタ1に表示されると共に、送信装置4により受信装置66に無線送信される。撮像装置59で生成された第2の撮像画像も、モニタ62に表示されると共に、送信装置61により受信装置66に無線送信される。受信装置66は第1の撮像画像と第2の撮像画像とを受信し、表示処理装置64に出力する。表示処理装置64は、第1の撮像画像と第2の撮像画像から表示信号を生成し、モニタ67に出力する。モニタ67は、表示信号に基づいて第1の撮像画像と第2の撮像画像を表示する。
【0051】
送信装置4と送信装置61内の画像処理回路の調整値を調整することにより、モニタ67に表示される第1の撮像画像と第2の撮像画像の画質は、所定の画質になるように調整される。送信装置4と送信装置61内の画像処理回路の調整値の調整には、モニタ67に表示される画像の画質を示す画質調整目標値が使用される。この画質調整目標値は、ユーザーが希望する撮像画像の画質に対応したパラメータの目標値である。また、画質調整目標値は、撮像装置2,59の撮像特性と、送信装置4,61の画像処理回路が行う画質調整(画像処理)の特性とを合わせた特性に基づいている。このように、画質調整目標値は、撮像装置の撮像特性と、画像処理回路の画質調整の特性とに基づくものであるが、これらの各特性を個別に指定するものではなく、あくまでこれらの各特性を反映して最終的に得られる画質の特性を示すものである。
【0052】
画質調整目標値は、表示処理装置64に保持されており、動作開始時に受信装置66を介して送信装置4と送信装置61に無線送信される。受信装置66から送信装置4及び送信装置61への画質調整目標値の無線送信については、第1の実施形態における受信装置10から送信装置4への撮像装置11の撮像特性値の無線送信と同様である。又、第1の実施形態と同様に、動作開始時に撮像装置11の撮像特性が送信装置4に通知され、撮像装置59の撮像特性が送信装置61に通知される。
【0053】
送信装置4と送信装置61は、各々が接続している撮像装置2と撮像装置59の撮像特性と共通の画質調整目標値とから画像処理回路の調整値を決定する。この際、送信装置4と送信装置61のそれぞれの画像処理回路が撮像画像を処理して得られる画質のパラメータが、共通の画質調整目標値が示す画質のパラメータと一致するように、各画像処理回路の調整値が決定される。これによって、撮像装置毎の撮像特性に起因する画質の違いは打ち消され、モニタ67において第1の撮像画像と第2の撮像画像は、画質調整目標値によって示された同じ画質で表示されることになる。上記の画像処理の詳細については、後に説明を行う。
【0054】
図13を用いて表示処理装置64の構成を説明する。表示処理装置64は、フレームメモリ回路69と、表示画面生成回路70と、装置制御回路71と、ユーザーインターフェイス72と、記憶回路73とから構成されている。フレームメモリ回路69は、受信装置66から出力される受信画像信号75を一時記憶する。フレームメモリ回路69に書き込まれた受信画像信号に対応する第1の撮像画像及び第2の撮像画像は、所望のタイミングで読み出されて表示画面生成回路70に出力される。表示画面生成回路70は、フレームメモリ回路69から読み出された第1の撮像画像及び第2の撮像画像と装置制御回路71からの各種制御情報とをまとめて表示信号76を生成する。
【0055】
装置制御回路71は、表示処理装置64の全体の動作を制御する。又、装置制御回路71は、画質調整目標値を生成して記憶回路73に保持しておき、送信装置4と送信装置61の画像処理回路が画質調整を行う時に画質調整目標値を受信装置制御信号74として受信装置66に出力する。ユーザーインターフェイス72は、ユーザーの指示を装置制御回路71に伝える。記憶回路73は、ユーザーの指示の内容や画質調整目標値等を記憶する。
【0056】
次に、図14〜図16を用いて、送信装置4と送信装置61の画像処理回路が行う画質調整について説明を行う。画質調整は、表示処理装置64からの画質調整目標値を基準にして、接続中の撮像装置の撮像特性を用いて、各送信装置の画像処理回路が撮像画像に行う処理である。画質調整により、モニタ67に表示される第1の撮像画像と第2の撮像画像の画質は、画質調整目標値によって示された同画質となる。
【0057】
図14は、撮像装置2と撮像装置59の撮像特性値を示している。図14において、ID_aの情報が撮像装置2の撮像特性値であり、ID_bの情報が撮像装置59の撮像特性値である。
【0058】
図15は、画質調整目標値の例である。本実施形態の画質調整目標値は、モニタ67を観察するユーザー毎の好みの画質に対応して定義されている。画質調整目標値は、撮像画像の彩度及び色相(HUE)の特性値である色ゲイン及び色相(0〜±180度)、撮像画像のガンマ特性値であるガンマ、撮像画像の周波数特性値である周波数特性から成っている。図15には、例として、ユーザーIDがMD1であるユーザーの好みの画質に対応した画質調整目標値が定義されている。
【0059】
図16は、図14に示す撮像特性値と図15に示す画質調整目標値とを用いる場合の送信装置4と送信装置61の画像処理回路での画像処理の調整値(処理パラメータ)を示している。
【0060】
先ず、画質調整目標値の生成方法について説明を行う。撮像装置2を使用した場合を例に、画質調整目標値の生成手順を具体的に説明する。表示処理装置64の装置制御回路71は、画質調整目標値を生成して記憶回路73に保持する。具体的には、ユーザーIDがMD1であるユーザーが撮像装置2からの第1の撮像画像をモニタ67で観察している状態で、表示処理装置64のユーザーインターフェイス72を操作し、モニタ67に表示される第1の撮像画像の画質を好みの画質に調整する。
【0061】
この時、ユーザーの操作内容は、表示処理装置64から受信装置66に送られ、受信装置66から送信装置4に無線送信され、送信装置4の画像処理回路35に伝達される。画像処理回路35では、ユーザーの操作内容に基づいて、調整値制御回路57が色バランス調整回路54、ガンマ調整回路55、周波数特性調整回路56の調整値を更新する。その結果、モニタ67に表示される第1の撮像画像の画質の調整が行われる。
【0062】
画質調整目標値は、モニタ67に表示される第1の撮像画像の画質がユーザーの好みの画質になった時点での画像処理回路35の調整値を用いて生成される。図16の送信装置:TX_aの項には、上記の画質調整目標値の生成手順に従って決定された調整値の例が示されている。
【0063】
画像処理回路35の調整値が、図16に示した値である場合、撮像装置2の撮像特性値が、図14に示した値であるので、画質調整目標値は、図15に示した値となる。例えば、色ゲインについては、調整値が0.82であり、撮像特性値が1.1であるので、画質調整目標値は0.9(=0.82*1.1)となる。同様に色相については、調整値が-5度であり、撮像特性値が+10度であるので、画質調整目標値は+5度となる。ガンマについては、調整値が1.11であり、撮像特性値が0.45であるので、画質調整目標値は0.5(=1.11*0.45)となる。周波数特性については、調整値が(1, 1, 1, 1, 1, 1.1)であり、撮像特性値が(1, 1, 1, 1.1, 1.2, 1)であるので、画質調整目標値は(1, 1, 1, 1, 1.2, 1.1)となる。
【0064】
画質調整目標値の生成時には、画像処理回路35の調整値は表示処理装置64からの操作により決定されるため、表示処理装置64の記憶回路73は画像処理回路35の調整値も保持している。表示処理装置64の装置制御回路71は上記の手順により画質調整目標値を生成する。
【0065】
次に、動作時の各送信装置の画像処理回路の調整値の設定について説明を行う。画質調整目標値が図15に示した値の場合、送信装置4及び送信装置61の画像処理回路の調整値は、図16に示した値となる。ここでは、図14〜図16に示した値を用いて、送信装置61の画像処理回路の調整値を設定する場合を例に説明を行う。
【0066】
送信装置61の画像処理回路の調整値(図16)は、画質調整目標値(図15)と撮像装置59の撮像特性値(図14)から決定される。具体的には、色ゲインについては、画質調整目標値が0.9であり、撮像特性値が1.2であるので、調整値は0.75(=0.9/1.2)となる。同様に色相については、画質調整目標値が+5度であり、撮像特性値が+20度であるので、調整値は-15度となる。ガンマについては、画質調整目標値が0.5であり、撮像特性値が0.56であるので、調整値は0.89(=0.5/0.56)となる。周波数特性については、画質調整目標値が(1, 1, 1, 1, 1.2, 1.1)であり、撮像特性値が(1, 1, 1, 1.2, 1.2, 1)であるので、調整値は(1, 1, 1, 0.83, 1, 1.1)となる。
【0067】
送信装置61の画像処理回路内の調整値制御回路は、画質調整目標値と撮像装置59の撮像特性値に基づいて、色ゲイン、色相、ガンマ、周波数特性の調整値を決定し、各回路に調整値を設定する。送信装置4についても、同様の手順で調整値が決定される。上記のように調整値が決定されることによって、撮像装置毎の撮像特性に起因する画質の違いは打ち消され、モニタ67に表示される第1の撮像画像と第2の撮像画像の画質は、画質調整目標値によって示された値となる。
【0068】
上述したように、本実施形態によれば、撮像装置毎の撮像特性に起因する画質の違いを抑えるように調整値を調整する際に、撮像装置2の撮像特性値と画質調整目標値とに基づいて送信装置4の画像処理回路35の調整値を調整すると共に、撮像装置59の撮像特性値と画質調整目標値とに基づいて送信装置61の画像処理回路の調整値を調整することによって、使用する撮像装置によらず、モニタ67が表示する画像の画質の違いを抑制することができる。
【0069】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態を説明する。本実施形態では、2台の医療用撮像装置と2台の画像表示装置と1台の接続設定装置(リモコン)から成る撮像表示システムであって、接続設定装置が決定した無線接続の設定に従って、2台の医療用撮像装置で得られた撮像画像を無線により、2台の画像表示装置に送信し、2台の画像表示装置のそれぞれで両方の撮像画像を観察することが可能なように構成された撮像表示システムに本発明を適用した場合を例に説明を行う。図17は、本実施形態による撮像表示ステムの構成を示している。
【0070】
カート6とカート63の構成は、第2の実施形態の構成と同じである。カート81には、アンテナ77を介して送信装置4からの第1の撮像画像及び送信装置61からの第2の撮像画像を受信する受信装置78と、第1の撮像画像及び第2の撮像画像を受信装置66から受け取り、これらの撮像画像に基づいて表示信号を生成しモニタ80に出力する表示処理装置79と、表示処理装置79からの表示信号に基づいて第1の撮像画像及び第2の撮像画像を表示するモニタ80とが搭載されている。
【0071】
カート86の構成はカート81の構成と同様である。カート86には、アンテナ82を介して送信装置4からの第1の撮像画像及び送信装置61からの第2の撮像画像を受信する受信装置83と、表示処理装置84と、モニタ85とが搭載されている。カート81とカート86の構成は、第2の実施形態のカート68の構成とほぼ同じであるが、受信装置78と受信装置83に画質調整機能がある点が、第2の実施形態の受信装置66と異なっている。又、本実施形態では、画像を表示するモニタが2台あり、リモコン87(制御装置)が各送信装置と各受信装置との無線接続を制御し、無線接続する送信装置と受信装置の組み合わせを自由に決定することが可能となっている。これによって、各モニタに表示される撮像画像をリモコン87により自由に決定することが可能である。
【0072】
撮像装置2で生成された第1の撮像画像は、モニタ1に表示されると共に、送信装置4により受信装置78と受信装置83に無線送信される。撮像装置59で生成された第2の撮像画像も、モニタ62に表示されると共に、送信装置61により受信装置78と受信装置83に無線送信される。受信装置78は第1の撮像画像と第2の撮像画像とを受信し、表示処理装置79に出力する。受信装置83は第1の撮像画像と第2の撮像画像とを受信し、表示処理装置84に出力する。
【0073】
表示処理装置79は、第1の撮像画像と第2の撮像画像から表示信号を生成し、モニタ80に出力する。モニタ80は、表示信号に基づいて第1の撮像画像と第2の撮像画像を表示する。表示処理装置84は、第1の撮像画像と第2の撮像画像から表示信号を生成し、モニタ85に出力する。モニタ85は、表示信号に基づいて第1の撮像画像と第2の撮像画像を表示する。
【0074】
送信装置4と送信装置61内の画像処理回路と受信装置78内の画像処理回路の調整値を調整することにより、モニタ80に表示される第1の撮像画像と第2の撮像画像の画質は、モニタの使用者毎に設定された所定の画質になるように調整される。又、送信装置4と送信装置61内の画像処理回路と受信装置83内の画像処理回路の調整値を調整することにより、モニタ85に表示される第1の撮像画像と第2の撮像画像の画質は、モニタの使用者毎に設定された所定の画質になるように調整される。本説明においては、モニタ80の表示画質とモニタ85の表示画質が異なる画質に調整されるものとして説明を行う。
【0075】
各モニタに表示される画像の画質を示す画質調整目標値は、リモコン87に保持されており、リモコン87による接続設定が行われる時に受信装置78と受信装置83に無線送信される。又、本実施形態では、送信装置4と送信装置61から送信される撮像画像の画質を均一にするため、予め指定された標準的な撮像特性である標準撮像特性値(標準撮像特性パラメータ)が使用される。この標準撮像特性値もリモコン87に保持されており、リモコン87による接続設定時に送信装置4と送信装置61及び受信装置78と受信装置83に無線送信される。
【0076】
本実施形態の第1の撮像画像の画質は、送信装置4内の画像処理回路35により、標準撮像特性に対応した画質に調整される。また、本実施形態の第2の撮像画像の画質は、送信装置61内の画像処理回路により、標準撮像特性に対応した画質に調整される。このように、第1の撮像画像と第2の撮像画像は、画質を揃えて無線送信され、受信装置78と受信装置83において、接続しているモニタ毎に指定された画質調整目標値に対応した画質に調整される。上記の画像処理の詳細については、後に説明を行う。
【0077】
図18を用いて受信装置83の構成を説明する。受信装置83は、RF回路88(通信部)と、フォーマット逆変換回路89と、画像処理回路90(画像処理部、調整部、出力部)と、全体制御回路91と、撮像装置インターフェイス回路92とから構成されている。受信装置83の構成は、第1の実施形態の受信装置10の構成に対して、受信した撮像画像の画像処理を行う画像処理回路90を追加した構成になっている。画像処理回路90は、フォーマット逆変換回路89の後に配置され、全体制御回路91により設定される内容に従って画像処理を行い、処理後の画像を受信画像信号94として表示処理装置84に出力する。画像処理回路90の構成は、図8に示した構成と同様である。受信装置制御信号93は図7の受信装置制御信号47に対応し、受信画像信号94は図7の受信画像信号48に対応する。受信装置78の構成も受信装置83の構成と同様である。
【0078】
図19を用いて表示処理装置84の構成を説明する。表示処理装置84は、フレームメモリ回路95と、表示画面生成回路96と、装置制御回路97と、ユーザーインターフェイス98と、記憶回路99とから構成されている。表示処理装置84の構成は、第2の実施形態の表示処理装置64の構成とほぼ同じとなっており、装置制御回路97とモニタ85間で通信を行うためのモニタ情報通知信号101が追加されている点だけが異なっている。受信装置制御信号93は図13の受信装置制御信号74に対応し、受信画像信号94は図13の受信画像信号75に対応し、表示信号100は図13の表示信号76に対応する。
【0079】
モニタ情報通知信号101は、モニタ85の表示特性を表示処理装置84に通知するための信号である。モニタ情報通知信号101により通知されたモニタ85の表示特性は受信装置制御信号93として受信装置83に出力され、受信装置83からリモコン87に無線送信され、画質調整目標値の生成時に使用される。
【0080】
次に、図20〜図24を用いて、送信装置4、送信装置61、受信装置78、受信装置83の画像処理回路が行う画質調整について説明を行う。送信装置4と送信装置61における画質調整は、第1の撮像画像と第2の撮像画像の画質が、リモコン87によって指定された標準撮像特性値に対応した同一の画質となるように第1の撮像画像と第2の撮像画像の画質を調整することにより行われる。受信装置78と受信装置83における画質調整は、送信装置4と送信装置61から受信した第1の撮像画像と第2の撮像画像の画質が、リモコン87によって指定された画質調整目標値に対応したユーザー毎の画質となるように第1の撮像画像と第2の撮像画像の画質を調整することにより行われる。
【0081】
先ず、送信装置4と送信装置61で行われる画像処理について説明を行う。送信装置4と送信装置61内の画像処理回路は、接続している撮像装置の撮像特性値と標準撮像特性値に基づいて、色ゲイン、色相、ガンマ、周波数特性の調整値を決定し、各回路に調整値を設定する。図20は標準撮像特性値を示している。標準撮像特性値は、本実施形態の撮像表示システムで使用される撮像装置の代表的な値として適宜決定されたものである。撮像装置2と撮像装置59の撮像特性値は、第2の実施形態で説明した図14に示した値と同じであるので、送信装置4、送信装置61で行われる画像処理の調整値は、図21に示した値となる。
【0082】
例えば、送信装置4の場合、色ゲインについては、標準撮像特性値が1.0であり、撮像特性値が1.1であるので、画質調整値は0.91(=1.0/1.1)となる。同様に色相については、標準撮像特性値が0度であり、撮像特性値が+10度であるので、画質調整値は-10度となる。ガンマ、周波数特性の調整値の決定方法も、第2の実施形態で説明した方法と同様であるので、これ以上の説明は省略する。
【0083】
次に、画質調整目標値の決定方法と、受信装置78、受信装置83の画像処理回路が画質調整目標値を用いて行う画質調整とについて説明を行う。先ず、画質調整目標値の決定方法について説明を行う。画質調整目標値は、ユーザーが、モニタ80又はモニタ85を用いて撮像装置からの撮像画像を観察している状態で受信装置の画像処理回路の調整値を調整し、表示されている撮像画像の画質が好みの画質になった時点での画像処理回路の調整値と、使用したモニタの表示特性と、標準撮像特性値とを用いて生成される。
【0084】
画質調整目標値の生成時に、画像処理回路の調整値とモニタの表示特性が、使用しているモニタに接続されている受信装置からリモコン87に送られ、リモコン87によって画質調整目標値が生成される。以下では、IDがMD1であるユーザーがモニタ80で撮像装置2からの第1の撮像画像を観察しており、受信装置78の画像処理回路の調整値が図24のRX_eに示す値であり、送信装置4から無線送信される第1の撮像画像の画質が、標準撮像特性値に対応した画質に調整されていて、モニタ80の表示特性が図23のDS_eに示す値である場合について説明を行う。
【0085】
色ゲインについては、標準撮像特性値が1.0であり、表示特性が0.8であり、調整値が1.13であるので、画質調整目標値は0.9(=1.0*0.8*1.13)となる。同様に色相については、標準撮像特性値が0度であり、表示特性が0度であり、調整値が+5度であるので、画質調整目標値は+5度(=0+0+5)となる。ガンマについては、標準撮像特性値が0.45であり、表示特性が2.2であり、調整値が1.11であるので、画質調整目標値は1.1(=0.45*2.2*1.11)となる。周波数特性については、標準撮像特性値が(1, 1, 1, 1, 1.2, 1)であり、表示特性が(1, 1, 1, 1.2, 1.2, 1)であり、調整値が(1, 1, 1, 0.83, 0.83, 1.1)であるので、画質調整目標値は(1, 1, 1, 1, 1.2, 1.1)となる。前述したように、画質調整目標値は、その生成時に使用した撮像装置の撮像特性やモニタの表示特性を反映して最終的に得られる画質の特性を示すものである。図22は、上記のようにして生成されたユーザー毎の画質調整目標値の例を示している。
【0086】
次に、受信装置78、受信装置83の画像処理回路が画質調整目標値を用いて行う画質調整について説明を行う。以下では、図22のユーザーIDがMD2の画質調整目標値の画質でモニタ85に撮像画像を表示する場合を例として説明する。受信装置83の画像処理回路90の調整値は、標準撮像特性に対応した画質に調整された撮像画像を、図23に示した表示特性を持つモニタ85に、図22に示したMD2の画質調整目標値に対応する画質で表示するような調整値となる。
【0087】
色ゲインについては、標準撮像特性値が1.0であり、表示特性が0.9であり、画質調整目標値が1.0であるので、調整値は1.11(=1.0/(1.0*0.9))となる。色相については、標準撮像特性値が0度であり、表示特性が0度であり、画質調整目標値が-10度であるので、調整値は-10度(=0-0-10)となる。ガンマについては、標準撮像特性値が0.45であり、表示特性が1.8であり、画質調整目標値が1.0であるので、調整値は1.23(=1.0/(0.45*1.8))となる。周波数特性については、標準撮像特性値が(1, 1, 1, 1, 1.2, 1)であり、表示特性が(1, 1, 1, 1.2, 1.3, 1)、画質調整目標値が(1, 1, 1, 1.2, 1.3, 1)であるので、調整値は(1, 1, 1, 0.83, 1, 1)となる。
【0088】
受信装置83の画像処理回路90内の調整値制御回路は、標準撮像特性値と、表示特性と、画質調整目標値とに基づいて、色ゲイン、色相、ガンマ、周波数特性の調整値を決定し、各回路に調整値を設定する。上記の調整値で画像処理回路90が画像処理を行うことにより、撮像装置2と撮像装置59からの撮像画像は、図22に示したMD2の画質調整目標値に対応した画質でモニタ85上に表示されることになる。
【0089】
上述したように、本実施形態によれば、撮像装置毎の撮像特性に起因する画質の違いを抑えるように調整値を調整する際に、撮像装置2の撮像特性値と標準撮像特性値とに基づいて送信装置4の画像処理回路35の調整値を調整すると共に、撮像装置59の撮像特性値と標準撮像特性値とに基づいて送信装置61の画像処理回路の調整値を調整することによって、使用する撮像装置によらず、同一のモニタが表示する画像の画質の違いを抑制することができる。
【0090】
また、標準撮像特性値と表示特性と画質調整目標値とに基づいて受信装置78、受信装置83の画像処理回路の調整値を調整することによって、使用するモニタによらず、ユーザー毎の画質調整目標値に対応した画質で画像を表示することができる。
【0091】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について詳述してきたが、具体的な構成は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、撮像装置で撮像されて送信装置から受信装置へ無線送信される撮像画像は動画像と静止画像のどちらであっても構わない。
【符号の説明】
【0092】
1,13,62,67,80,85・・・モニタ、2,11,59・・・撮像装置、3,12,58・・・カメラヘッド、4,61・・・送信装置、5,9,60,65,77,82・・・アンテナ、6,14,63,68,81,86・・・カート、7・・・患者、8・・・ベッド、10,66,78,83・・・受信装置、15・・・撮像光学系、16・・・撮像素子、17・・・フロントエンド回路、18・・・AD変換回路、21,41・・・撮像処理回路、22,70,96・・・表示画面生成回路、23,43,71,97・・・装置制御回路、24,44,72,98・・・ユーザーインターフェイス、25,40,45,73,99・・・記憶回路、29・・・ゲイン調整回路、30・・・カメラ信号処理回路、31・・・バッファー回路、32・・・撮像制御回路、35,90・・・画像処理回路、36・・・フォーマット変換回路、37,50,88・・・RF回路、38・・・送信制御回路、39・・・画像インターフェイス回路、102,53,92・・・撮像装置インターフェイス回路、42・・・表示処理回路、51,89・・・フォーマット逆変換回路、52,91・・・全体制御回路、54・・・色バランス調整回路、55・・・ガンマ調整回路、56・・・周波数特性調整回路、57・・・調整値制御回路、64,79,84・・・表示処理装置、69,95・・・フレームメモリ回路
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置で生成されたフレーム画像データを画像処理して無線送信する画像送信装置に関する。また、本発明は、撮像装置、画像送信装置、画像受信装置、表示装置を含む撮像表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
撮像装置が被写体を撮像して生成した撮像画像の表示を行う場合に、制御装置によって設定される画像処理パラメータに基づいて所望の画像処理を撮像画像に行った後、撮像画像を表示するシステムが開発されている。例えば特許文献1では、制御装置(リモコン)から転送された画像処理パラメータに応じて、撮像装置(デジタルカメラ)内で撮像画像に画像処理を行い、表示データを生成して出力する方法が開示されている。
【0003】
この方法では、画像データを画像処理することにより、表示装置に合わせた表示データが生成されている。この方法は、撮像装置と表示装置の関係が1対1のシステムを前提とした方法であり、複数の撮像装置により構成されるシステムにおいて、撮像装置間の撮像特性の違いが無くなるように表示装置の表示画質を調整することには適用できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-125271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
医療システムの大規模化により、同一部位を撮像している複数台の医療装置から出力される画像を1台若しくは複数の表示装置に配信し、医療装置と表示装置との間の接続を適宜切り替えて表示するシステムが実用化されている。同一部位を複数の医療機器で撮像し、1台の表示装置に複数の画像を並べて表示したり、切り替えて表示したりする場合、それら複数の画像の表示画質が異なっていると、それぞれの医療装置が撮像している部位が同一部位であることをユーザーが認識するのに手間取り、ユーザーの判断に迷いが生ずる可能性がある。そのため、医療装置の撮像特性が異なっていても、表示装置には同じ画質で表示されることが求められている。
【0006】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであって、使用する撮像装置によらず、表示装置が表示する画像の画質の違いを抑制することができる画像送信装置及び撮像表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、被写体を撮像し、フレーム画像データを出力する撮像装置と、前記フレーム画像データを無線送信する画像送信装置と、無線送信された前記フレーム画像データを無線受信する画像受信装置と、前記画像受信装置によって無線受信された前記フレーム画像データに基づく画像を表示する表示装置と、を有する撮像表示システムにおける前記画像送信装置であって、前記撮像装置の撮像特性パラメータと、前記フレーム画像データとが入力される入力部と、処理パラメータに基づいて、前記入力部に入力された前記フレーム画像データを画像処理する画像処理部と、前記画像処理部によって画像処理された前記フレーム画像データを前記画像受信装置に無線送信し、撮像装置毎の撮像特性に起因する画質の違いを抑えるように前記処理パラメータを調整する際の指針となる指針パラメータを、当該指針パラメータを無線送信する装置から無線受信する通信部と、前記撮像特性パラメータと前記指針パラメータとに基づいて前記処理パラメータを調整する調整部と、を有する画像送信装置である。
【0008】
また、本発明の画像送信装置は、被写体を撮像し、第1のフレーム画像データを出力する第1の撮像装置と、前記第1のフレーム画像データを無線送信する画像送信装置と、被写体を撮像し、第2のフレーム画像データを出力する第2の撮像装置と、無線送信された前記第1のフレーム画像データを無線受信する画像受信装置と、前記画像受信装置によって無線受信された前記第1のフレーム画像データに基づく第1の画像及び前記第2の撮像装置から出力された前記第2のフレーム画像データに基づく第2の画像を表示する表示装置と、を有する撮像表示システムにおける前記画像送信装置であって、前記第1の撮像装置の撮像特性パラメータと、前記第1のフレーム画像データとが前記入力部に入力され、前記画像処理部は、前記入力部に入力された前記第1のフレーム画像データを処理し、前記通信部は、前記画像処理部によって画像処理された前記第1のフレーム画像データを前記画像受信装置に無線送信し、前記通信部はさらに、前記指針パラメータとして、前記第2の撮像装置の撮像特性パラメータを、当該第2の撮像装置の撮像特性パラメータを無線送信する装置から無線受信する。
【0009】
また、本発明の画像送信装置において、前記通信部は、前記指針パラメータとして、前記表示装置が表示する画像の画質の調整目標パラメータを、当該調整目標パラメータを無線送信する装置から無線受信する。
【0010】
また、本発明の画像送信装置において、前記通信部は、前記指針パラメータとして、予め指定された標準的な撮像特性パラメータを、当該標準的な撮像特性パラメータを無線送信する装置から無線受信する。
【0011】
また、本発明の画像送信装置において、前記通信部は、前記画像受信装置から前記指針パラメータを無線受信する。
【0012】
また、本発明の画像送信装置において、前記通信部は、前記画像送信装置と前記画像受信装置との無線接続を制御する制御装置から前記指針パラメータを無線受信する。
【0013】
また、本発明の画像送信装置において、前記撮像特性パラメータ、前記処理パラメータ、及び前記指針パラメータは、色ゲイン、色相、ガンマ、及び周波数特性のパラメータを有する。
【0014】
また、本発明の画像送信装置において、前記調整部は、前記指針パラメータを前記撮像特性パラメータで除算した値に基づいて前記処理パラメータを調整する。
【0015】
また、本発明は、被写体を撮像し、フレーム画像データを出力する撮像装置と、前記フレーム画像データを無線送信する画像送信装置と、無線送信された前記フレーム画像データを無線受信する画像受信装置と、前記画像受信装置によって無線受信された前記フレーム画像データに基づく画像を表示する表示装置と、を有する撮像表示システムであって、前記画像送信装置は、前記撮像装置の撮像特性パラメータと、前記フレーム画像データとが入力される入力部と、処理パラメータに基づいて、前記入力部に入力された前記フレーム画像データを画像処理する画像処理部と、前記画像処理部によって画像処理された前記フレーム画像データを前記画像受信装置に無線送信し、撮像装置毎の撮像特性に起因する画質の違いを抑えるように前記処理パラメータを調整する際の指針となる指針パラメータを、当該指針パラメータを無線送信する装置から無線受信する通信部と、前記撮像特性パラメータと前記指針パラメータとに基づいて前記処理パラメータを調整する調整部と、を有する撮像表示システムである。
【0016】
また、本発明の撮像表示システムにおいて、前記撮像表示システムはさらに、前記画像送信装置と前記画像受信装置との無線接続を制御し、前記処理パラメータを調整する際の指針となる指針パラメータを前記画像送信装置に無線送信する制御装置を有し、前記通信部は、前記指針パラメータを前記制御装置から受信する。
【0017】
また、本発明は、被写体を撮像し、第1のフレーム画像データを出力する第1の撮像装置と、前記第1のフレーム画像データを無線送信する画像送信装置と、被写体を撮像し、第2のフレーム画像データを出力する第2の撮像装置と、無線送信された前記第1のフレーム画像データを無線受信する画像受信装置と、前記画像受信装置によって無線受信された前記第1のフレーム画像データに基づく第1の画像を表示すると共に前記第2の撮像装置から出力された前記第2のフレーム画像データに基づく第2の画像を表示する表示装置と、を有する撮像表示システムであって、前記画像送信装置は、前記第1の撮像装置の撮像特性パラメータと、前記第1のフレーム画像データとが入力される入力部と、処理パラメータに基づいて、前記入力部に入力された前記第1のフレーム画像データを画像処理する画像処理部と、前記画像処理部によって画像処理された前記第1のフレーム画像データを前記画像受信装置に無線送信し、撮像装置毎の撮像特性に起因する画質の違いを抑えるように前記処理パラメータを調整する際の指針となる前記第2の撮像装置の撮像特性パラメータを前記画像受信装置から無線受信する第1の通信部と、前記第1の撮像装置の撮像特性パラメータと前記第2の撮像装置の撮像特性パラメータとに基づいて前記処理パラメータを調整する調整部と、を有し、前記画像受信装置は、前記第1のフレーム画像データを前記画像送信装置から無線受信し、前記第2の撮像装置の撮像特性パラメータを前記画像送信装置に無線送信する第2の通信部と、前記第1のフレーム画像データを出力する出力部と、を有する撮像表示システムである。
【0018】
また、本発明は、被写体を撮像し、フレーム画像データを出力する複数の撮像装置と、前記複数の撮像装置のそれぞれに対応して設けられ、前記撮像装置から出力された前記フレーム画像データを無線送信する複数の画像送信装置と、無線送信された前記フレーム画像データを無線受信する画像受信装置と、前記画像受信装置によって無線受信された前記フレーム画像データに基づく画像を表示する表示装置と、を有する撮像表示システムであって、前記画像送信装置は、前記撮像装置の撮像特性パラメータと、前記フレーム画像データとが入力される入力部と、処理パラメータに基づいて、前記入力部に入力された前記フレーム画像データを画像処理する画像処理部と、前記画像処理部によって画像処理された前記フレーム画像データを前記画像受信装置に無線送信し、撮像装置毎の撮像特性に起因する画質の違いを抑えるように前記処理パラメータを調整する際の指針となる、前記表示装置が表示する画像の画質の調整目標パラメータを前記画像受信装置から無線受信する第1の通信部と、前記撮像装置の撮像特性パラメータと前記調整目標パラメータとに基づいて前記処理パラメータを調整する調整部と、を有し、前記画像受信装置は、前記フレーム画像データを前記画像送信装置から無線受信し、前記調整目標パラメータを前記画像送信装置に無線送信する第2の通信部と、前記フレーム画像データを出力する出力部と、を有する撮像表示システムである。
【0019】
また、本発明は、被写体を撮像し、フレーム画像データを出力する複数の撮像装置と、前記複数の撮像装置のそれぞれに対応して設けられ、前記撮像装置から出力された前記フレーム画像データを無線送信する複数の画像送信装置と、無線送信された前記フレーム画像データを無線受信する画像受信装置と、前記画像受信装置によって無線受信された前記フレーム画像データに基づく画像を表示する表示装置と、前記画像送信装置と前記画像受信装置との無線接続を制御し、撮像装置毎の撮像特性に起因する画質の違いを抑えるように処理パラメータを調整する際の指針となる、予め指定された標準的な撮像特性パラメータを前記画像送信装置に無線送信する制御装置と、を有する撮像表示システムであって、前記画像送信装置は、前記撮像装置の撮像特性パラメータと、前記フレーム画像データとが入力される入力部と、前記処理パラメータに基づいて、前記入力部に入力された前記フレーム画像データを画像処理する画像処理部と、前記画像処理部によって画像処理された前記フレーム画像データを前記画像受信装置に無線送信し、前記標準的な撮像特性パラメータを前記制御装置から無線受信する第1の通信部と、前記撮像装置の撮像特性パラメータと前記標準的な撮像特性パラメータとに基づいて前記処理パラメータを調整する調整部と、を有し、前記画像受信装置は、前記フレーム画像データを前記画像送信装置から無線受信する第2の通信部と、前記フレーム画像データを出力する出力部と、を有する撮像表示システムである。
【0020】
また、本発明は、被写体を撮像し、フレーム画像データを出力する複数の撮像装置と、前記複数の撮像装置のそれぞれに対応して設けられ、前記撮像装置から出力された前記フレーム画像データを無線送信する複数の画像送信装置と、無線送信された前記フレーム画像データを無線受信する画像受信装置と、前記画像受信装置によって無線受信された前記フレーム画像データに基づく画像を表示する表示装置と、前記画像送信装置と前記画像受信装置との無線接続を制御し、撮像装置毎の撮像特性に起因する画質の違いを抑えるように処理パラメータを調整する際の指針となる、予め指定された標準的な撮像特性パラメータを前記画像送信装置に無線送信し、前記表示装置が表示する画像の画質の調整目標パラメータを前記画像受信装置に送信する制御装置と、を有する撮像表示システムであって、前記画像送信装置は、前記撮像装置の撮像特性パラメータと、前記フレーム画像データとが入力される入力部と、第1の処理パラメータに基づいて、前記入力部に入力された前記フレーム画像データを画像処理する第1の画像処理部と、前記第1の画像処理部によって画像処理された前記フレーム画像データを前記画像受信装置に無線送信し、前記標準的な撮像特性パラメータを前記制御装置から無線受信する第1の通信部と、前記撮像装置の撮像特性パラメータと前記標準的な撮像特性パラメータとに基づいて前記第1の処理パラメータを調整する第1の調整部と、を有し、前記画像受信装置は、前記フレーム画像データを前記画像送信装置から無線受信し、前記調整目標パラメータを前記制御装置から無線受信する第2の通信部と、第2の処理パラメータに基づいて、前記フレーム画像データを処理する第2の画像処理部と、前記第2の画像処理部によって処理された前記フレーム画像データを出力する出力部と、前記調整目標パラメータに基づいて前記第2の処理パラメータを調整する第2の調整部と、を有する撮像表示システムである。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、撮像装置毎の撮像特性に起因する画質の違いを抑えるように処理パラメータを調整する際の指針となる各種パラメータと、撮像装置の撮像特性パラメータとに基づいて処理パラメータを調整することによって、使用する撮像装置によらず、表示装置が表示する画像の画質の違いを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1の実施形態による撮像表示システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態による撮像表示システムが備えるカメラヘッドの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態による撮像表示システムが備える撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態による撮像表示システムが備える撮像装置内の撮像処理回路の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施形態による撮像表示システムが備える送信装置の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第1の実施形態による撮像表示システムが備える撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第1の実施形態による撮像表示システムが備える受信装置の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第1の実施形態による撮像表示システムが備える送信装置内の画像処理回路の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第1の実施形態における撮像特性値を示す参考図である。
【図10】本発明の第1の実施形態におけるガンマを示す参考図である。
【図11】本発明の第1の実施形態における周波数特性を示す参考図である。
【図12】本発明の第2の実施形態による撮像表示システムの構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の第2の実施形態による撮像表示システムが備える表示処理装置の構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の第2の実施形態における撮像特性値を示す参考図である。
【図15】本発明の第2の実施形態における画質調整目標値を示す参考図である。
【図16】本発明の第2の実施形態における画像処理の調整値を示す参考図である。
【図17】本発明の第3の実施形態による撮像表示システムの構成を示すブロック図である。
【図18】本発明の第3の実施形態による撮像表示システムが備える受信装置の構成を示すブロック図である。
【図19】本発明の第3の実施形態による撮像表示システムが備える表示処理装置の構成を示すブロック図である。
【図20】本発明の第3の実施形態における標準撮像特性値を示す参考図である。
【図21】本発明の第3の実施形態における画像処理の調整値を示す参考図である。
【図22】本発明の第3の実施形態における画質調整目標値を示す参考図である。
【図23】本発明の第3の実施形態における表示特性を示す参考図である。
【図24】本発明の第3の実施形態における画像処理の調整値を示す参考図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態を説明する。
【0024】
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態を説明する。本実施形態では、2台の医療用撮像装置から成る撮像表示システムであって、第1の医療用撮像装置で得られた撮像画像を無線により、第2の医療用撮像装置に送信し、第2の医療用撮像装置の表示用モニタで両方の撮像画像を観察することが可能なように構成された撮像表示システムに本発明を適用した場合を例に説明を行う。図1は、本実施形態による撮像表示ステムの構成を示している。
【0025】
カート6には、カメラヘッド3を用いて第1の撮像画像を生成し出力する撮像装置2(第1の撮像装置)と、第1の撮像画像や制御情報を表示するモニタ1と、アンテナ5を介して第1の撮像画像を無線送信する送信装置4(画像送信装置)とが搭載されている。カート14には、アンテナ9を介して送信装置4からの第1の撮像画像を受信し撮像装置11に出力する受信装置10(画像受信装置)と、カメラヘッド12を用いて第2の撮像画像を生成し、第2の撮像画像と受信装置10からの第1の撮像画像とに基づいて、ユーザーの指示に応じた表示状態の表示信号を生成し、モニタ13に出力する撮像装置11(第2の撮像装置)と、撮像装置11からの表示信号に基づいて第1の撮像画像及び第2の撮像画像を表示するモニタ13(表示装置)とが搭載されている。カメラヘッド3及びカメラヘッド12は、ベッド8上の患者7の手術部位を観察する位置に適宜配置される。
【0026】
撮像装置2は、カメラヘッド3により、被写体である患者7の手術部位を撮像して第1の撮像画像を生成する。一方、撮像装置11は、カメラヘッド12により患者7の手術部位を撮像して第2の撮像画像を生成する。これらの撮像画像のデータは、フレーム毎の画像データ(フレーム画像データ)で構成されている。以降の記載における撮像画像のデータは1フレーム又は複数フレームの画像データで構成されているものとする。
【0027】
撮像装置2で生成された第1の撮像画像は、モニタ1で表示されると共に、送信装置4により受信装置10に無線送信され、モニタ13において、撮像装置11で生成された第2の撮像画像と共に表示される。撮像装置2と撮像装置11の撮像特性は異なっているため、送信装置4内の画像処理回路が撮像装置2と撮像装置11の撮像特性を用いて第1の撮像画像の表示画質を第2の撮像画像の表示画質と同等の表示画質に変換した後に、送信装置4が第1の撮像画像の無線送信を行う。
【0028】
動作開始時に、撮像装置11の撮像特性が送信装置4に通知される。送信装置4は、通知された撮像装置11の撮像特性と接続中の撮像装置2の撮像特性とを用いて、送信装置4内の画像処理回路が画像処理に使用する調整値(処理パラメータ)を生成する。これによって、撮像装置毎の撮像特性に起因する画質の違いは打ち消され、モニタ13において第1の撮像画像と第2の撮像画像は同じ画質で表示されることになる。上記の画像処理の詳細については、後に説明を行う。
【0029】
図2を用いてカメラヘッド3の構成を説明する。カメラヘッド3は、撮像光学系15と、撮像素子16と、フロントエンド回路17と、AD変換回路18とから構成されている。撮像光学系15は被写体像を撮像素子16上に結像させる。撮像素子16は、被写体像を撮像信号に変換する。フロントエンド回路17は、撮像素子16から出力された撮像信号を処理する。AD変換回路18は、フロントエンド回路17で処理された撮像信号をデジタルデータに変換し、カメラヘッド出力19として撮像装置2に出力する。フロントエンド回路17及びAD変換回路18の動作は、撮像装置2からのカメラヘッド制御信号20により制御される。カメラヘッド3の動作内容は公知であるので、これ以上の説明は省略する。
【0030】
図3を用いて撮像装置2の構成を説明する。撮像装置2は、撮像処理回路21と、表示画面生成回路22と、装置制御回路23と、ユーザーインターフェイス24と、記憶回路25とから構成されている。撮像処理回路21は、カメラヘッド3からのカメラヘッド出力19を受け取って画質調整処理を行い第1の撮像画像を生成すると共に、カメラヘッド制御信号20を生成する。表示画面生成回路22は、撮像処理回路21からの第1の撮像画像と、撮像装置2の動作状態を示す制御情報とに基づいて、モニタ1に第1の撮像画像を表示するための表示信号26を生成する。装置制御回路23は撮像装置2の全体の動作を制御する。ユーザーインターフェイス24は、ユーザーの指示を装置制御回路23に伝える。記憶回路25は、ユーザーの指示の内容や、撮像装置2の撮像特性を示す各種パラメータ等を記憶する。撮像処理回路21からの第1の撮像画像は、送信用撮像画像27として送信装置4に出力される。又、送信装置制御信号28が装置制御回路23から出力される。動作開始時には、撮像装置2の撮像特性を示す撮像特性値(撮像特性パラメータ)が送信装置制御信号28として出力される。
【0031】
図4を用いて撮像装置2内の撮像処理回路21の構成を説明する。撮像処理回路21は、ゲイン調整回路29と、カメラ信号処理回路30と、バッファー回路31と、撮像制御回路32とから構成されている。ゲイン調整回路29は、カメラヘッド3からのカメラヘッド出力19にゲインコントロール処理を施す。カメラ信号処理回路30は、ゲイン調整回路29で処理された信号に画質調整処理を施す。バッファー回路31は、カメラ信号処理回路30で処理された信号に出力インピーダンス変換を施し、送信用撮像画像27として送信装置4に出力すると共に表示用撮像画像33として表示画面生成回路22に出力する。撮像制御回路32は、装置制御回路23からの撮像制御信号34に従って撮像処理回路21の全体の動作を制御する。又、装置制御回路23からの撮像制御信号34に従って、撮像制御回路32からカメラヘッド制御信号20が出力される。
【0032】
図5を用いて送信装置4の構成を説明する。送信装置4は、画像処理回路35(画像処理部、第1の画像処理部)と、フォーマット変換回路36と、RF回路37(通信部)と、送信制御回路38と、画像インターフェイス回路39(入力部)と、撮像装置インターフェイス回路102(入力部)と、記憶回路40とから構成されている。画像インターフェイス回路39には撮像装置2からの送信用撮像画像27が入力され、撮像装置インターフェイス回路102には撮像装置2からの送信装置制御信号28が入力される。送信装置4は、送信装置制御信号28が示す指示に応じて送信用撮像画像27に画像処理を行い、無線信号としてアンテナ5に出力する。
【0033】
画像処理回路35は、画像インターフェイス回路39から出力される処理前画像27aに対して、画像処理用のパラメータである調整値を用いて画像処理を施す。フォーマット変換回路36は、画像処理回路35から出力される処理後画像27bを所定の通信フォーマットに変換する。RF回路37は、フォーマット変換回路36から出力されたフォーマット変換後の第1の撮像画像を無線化し、アンテナ5を介して受信装置10に送信する。又、動作開始時に受信装置10から、撮像装置11の撮像特性値を無線化したデータが送信され、RF回路37は、アンテナ5を介してこのデータを受信し、撮像装置11の撮像特性値を送信制御回路38に伝える。撮像装置11の撮像特性値は、送信制御回路38によって画像処理回路35に伝えられる。画像処理回路35が行う画像処理の詳細は、後に図8を用いて説明する。
【0034】
撮像装置インターフェイス回路102には、撮像装置2の装置制御回路23からの送信装置制御信号28が入力されており、撮像装置2の撮像特性値が送信制御回路38を経由して画像処理回路35に伝えられる。送信制御回路38は送信装置4の全体の動作を制御する。記憶回路40は各種パラメータ等を記憶する。
【0035】
図6を用いて撮像装置11の構成を説明する。撮像装置2は、撮像処理回路41と、表示処理回路42と、装置制御回路43と、ユーザーインターフェイス44と、記憶回路45とから構成されている。撮像装置11の構成は、基本的には撮像装置2の構成と同じであるが、カメラヘッド12からの第2の撮像画像と受信装置10からの第1の撮像画像とを用いて、モニタ13に出力するモニタ表示信号49を生成する表示処理回路42の構成が異なっている。
【0036】
表示処理回路42は、撮像処理回路41からの第2の撮像画像と、第1の撮像画像に対応する、受信装置10からの受信画像信号48とが入力され、これらからモニタ13に表示する表示信号49を生成する。モニタ13では、第1の撮像画像のみ又は第2の撮像画像のみの表示や、第1の撮像画像と第2の撮像画像のマルチ画面表示等を行うことが可能である。装置制御回路43は、ユーザーインターフェイス44に入力されたユーザーの指示に従って、表示処理回路42に指示を与える。又、動作開始時に装置制御回路43は、撮像装置11の撮像特性値を、受信装置制御信号47として受信装置10に出力する。
【0037】
図7を用いて受信装置10の構成を説明する。受信装置10は、RF回路50(第2の通信部)と、フォーマット逆変換回路51(出力部)と、全体制御回路52と、撮像装置インターフェイス回路53とから構成されている。RF回路50は、送信装置4から無線送信された無線データを、アンテナ9を介して受信し、高周波処理を行う。フォーマット逆変換回路51は、RF回路50が受信した無線データのフォーマットを逆変換して第1の撮像画像に戻した後、受信画像信号48として撮像装置11に出力する。全体制御回路52は、受信装置10の全体の動作を制御する。
【0038】
撮像装置インターフェイス回路53は、受信装置制御信号47により撮像装置11と接続されている。動作開始時に、撮像装置11の撮像特性値が受信装置制御信号47により撮像装置インターフェイス回路53に入力され、撮像装置インターフェイス回路53を介して全体制御回路52に伝えられる。全体制御回路52は撮像装置11の撮像特性値をRF回路50に出力する。RF回路50は、撮像装置11の撮像特性値を無線化したデータを、アンテナ9を介して送信装置4に送信する。
【0039】
図8を用いて送信装置4中の画像処理回路35の構成を説明する。画像処理回路35は、色バランス調整回路54と、ガンマ調整回路55と、周波数特性調整回路56と、調整値制御回路57(調整部)とから構成されている。撮像装置2からの送信用撮像画像27は、Y(輝度)、U(色差−Cb)、V(色差−Cr)から成り、処理前画像27aとして色バランス調整回路54に入力される。色バランス調整回路54は処理前画像27aの色ゲインと色相を調整する。ガンマ調整回路55は、色バランス調整回路54で処理された画像にガンマ調整を施す。周波数特性調整回路56は、ガンマ調整回路55で処理された画像に周波数調整を施し、処理後画像27bを出力する。調整値制御回路57は、送信制御回路38からの指示に応じて画像処理回路35の全体の動作を制御する。画像処理回路35が行う画質調整に含まれる、色ゲインと色相の調整、ガンマ調整、周波数調整の詳細については、後に説明を行う。
【0040】
図9は、送信装置4の画像処理回路35が行う画質調整に用いる撮像特性値の例である。撮像特性値は撮像装置毎の撮像特性を示しており、図示するように、撮像画像の彩度及び色相(HUE)の特性値である色ゲイン及び色相(0〜±180度)、撮像画像のガンマ特性値であるガンマ、撮像画像の周波数特性値である周波数特性から成っている。尚、周波数特性は、サンプリング周波数を1として正規化して表示しており、水平(H)/垂直(V)両方向に共通に、0, 0.1, 0.2, 0.3, 0.4, 0.5の各周波数でのゲインで規定している。
【0041】
画質調整は、撮像特性値に応じて行われる。例えば撮像装置2の撮像特性が図9のID_aの特性であり、撮像装置11の特性がID_bの特性である場合、色ゲイン1.1で撮像された第1の撮像画像を、色ゲイン0.8で撮像された第2の撮像画像の画質と同画質にして送信するためには、色ゲインを0.73(=0.8/1.1)倍に調整する必要がある。同様に、色相を-20度(=-10-10)調整する必要がある。
【0042】
本実施形態においては、前述したように、動作開始直後に撮像装置11の撮像特性値が受信装置10を介して送信装置4に通知される一方、撮像装置2の撮像特性値が撮像装置2から送信装置4に通知される。送信装置4の画像処理回路35において、調整値制御回路57は、送信制御回路38から通知された撮像装置11の撮像特性値及び撮像装置2の撮像特性値に基づいて、色バランス調整回路54、ガンマ調整回路55、周波数特性調整回路56のそれぞれの調整値を決定し、各回路に調整値を設定する。ガンマと周波数特性については、図10と図11を用いて説明を行う。
【0043】
図10は、ガンマ補正の例である。通常の表示モニタでは、装置のガンマが2.2又は1.8に設定されており、撮像装置は、撮像装置と表示モニタが接続された状態で表示モニタのガンマを相殺してガンマ=1となるような逆補正(1/Γ補正)を行う。そのため、撮像画像のガンマ特性値は、ガンマ=0.45(=1/2.2)か0.55(=1/1.8)であり、撮像装置2のガンマ特性値が0.45で撮像装置11のガンマ特性値が0.55の場合、ガンマ調整回路55が行うガンマ調整では、第1の撮像画像に対してガンマ=1.22(=0.55/0.45)の補正を行うことになる。又、撮像装置2のガンマ特性値が0.55で撮像装置11のガンマ特性値が0.45の場合、ガンマ調整回路55はガンマ=0.82(=0.45/0.55)の補正を行い、撮像装置2と撮像装置11が同じガンマ特性値の場合、ガンマ=1(無調整)となる。ガンマ調整回路55には、図10に示した入出力関係(Γ=0.82 , 1 , 1.22)を持つテーブルが用意されており、調整値制御回路57からの指示によりテーブルが切り替えて使用される。
【0044】
図11は、撮像装置2の周波数特性を示している。図9に示したように、撮像装置2の周波数特性は、サンプリング周波数を1として正規化しており、0, 0.1, 0.2, 0.3, 0.4, 0.5の各周波数でのゲインが(1.0, 1.0, 1.0, 1.1, 1.2, 1.0)である。撮像装置11の周波数特性が(1.0, 1.0, 1.0, 1.2, 1.3, 1.0)であるので、第1の撮像画像の各周波数のゲインを第2の撮像画像の各周波数のゲインと揃えるため、周波数調整値は、第2の撮像画像の各周波数のゲインを第1の撮像画像の各周波数のゲインで除算した(1.0, 1.0, 1.0, 1.1, 1.1, 1.0)となる。周波数特性調整回路56は、上記の周波数調整を実現するためのデジタルフィルタ回路を内蔵しており、フィルタ係数を調整することにより上記の周波数調整を行う。
【0045】
以上の方法により、送信装置4は、第1の撮像画像の画質を第2の撮像画像の画質と同画質に変換し、無線送信を行う。このことにより、撮像装置毎の撮像特性に起因する画質の違いは打ち消され、モニタ13に表示される第1の撮像画像と第2の撮像画像は同じ画質で表示されることになる。
【0046】
上述したように、本実施形態によれば、撮像装置毎の撮像特性に起因する画質の違いを抑えるように調整値を調整する際に、撮像装置2の撮像特性値と撮像装置11の撮像特性値とに基づいて画像処理回路35の調整値を調整することによって、使用する撮像装置によらず、モニタ13が表示する画像の画質の違いを抑制することができる。
【0047】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。本実施形態では、2台の医療用撮像装置と1台の画像表示装置から成る撮像表示システムであって、2台の医療用撮像装置で得られた撮像画像を無線により、画像表示装置に送信し、画像表示装置で両方の撮像画像を観察することが可能なように構成された撮像表示システムに本発明を適用した場合を例に説明を行う。図12は、本実施形態による撮像表示ステムの構成を示している。
【0048】
カート6には、第1の実施形態と同じ構成のカメラヘッド3と、撮像装置2と、モニタ1と、送信装置4とが搭載されている。カート63には、カート6と同じ構成のカメラヘッド58と、撮像装置59と、モニタ62と、送信装置61とが搭載されている。カメラヘッド3及びカメラヘッド58は、第1の実施形態と同様に、ベッド8上の患者7の手術部位を観察する位置に適宜配置される。
【0049】
カート68には、アンテナ65を介して送信装置4からの第1の撮像画像及び送信装置61からの第2の撮像画像を受信する受信装置66と、第1の撮像画像及び第2の撮像画像を受信装置66から受け取り、これらの撮像画像に基づいて表示信号を生成しモニタ67に出力する表示処理装置64と、表示処理装置64からの表示信号に基づいて第1の撮像画像及び第2の撮像画像を表示するモニタ67とが搭載されている。受信装置66の構成は、図7を用いて説明を行った受信装置10の構成と同一である。
【0050】
撮像装置2で生成された第1の撮像画像は、モニタ1に表示されると共に、送信装置4により受信装置66に無線送信される。撮像装置59で生成された第2の撮像画像も、モニタ62に表示されると共に、送信装置61により受信装置66に無線送信される。受信装置66は第1の撮像画像と第2の撮像画像とを受信し、表示処理装置64に出力する。表示処理装置64は、第1の撮像画像と第2の撮像画像から表示信号を生成し、モニタ67に出力する。モニタ67は、表示信号に基づいて第1の撮像画像と第2の撮像画像を表示する。
【0051】
送信装置4と送信装置61内の画像処理回路の調整値を調整することにより、モニタ67に表示される第1の撮像画像と第2の撮像画像の画質は、所定の画質になるように調整される。送信装置4と送信装置61内の画像処理回路の調整値の調整には、モニタ67に表示される画像の画質を示す画質調整目標値が使用される。この画質調整目標値は、ユーザーが希望する撮像画像の画質に対応したパラメータの目標値である。また、画質調整目標値は、撮像装置2,59の撮像特性と、送信装置4,61の画像処理回路が行う画質調整(画像処理)の特性とを合わせた特性に基づいている。このように、画質調整目標値は、撮像装置の撮像特性と、画像処理回路の画質調整の特性とに基づくものであるが、これらの各特性を個別に指定するものではなく、あくまでこれらの各特性を反映して最終的に得られる画質の特性を示すものである。
【0052】
画質調整目標値は、表示処理装置64に保持されており、動作開始時に受信装置66を介して送信装置4と送信装置61に無線送信される。受信装置66から送信装置4及び送信装置61への画質調整目標値の無線送信については、第1の実施形態における受信装置10から送信装置4への撮像装置11の撮像特性値の無線送信と同様である。又、第1の実施形態と同様に、動作開始時に撮像装置11の撮像特性が送信装置4に通知され、撮像装置59の撮像特性が送信装置61に通知される。
【0053】
送信装置4と送信装置61は、各々が接続している撮像装置2と撮像装置59の撮像特性と共通の画質調整目標値とから画像処理回路の調整値を決定する。この際、送信装置4と送信装置61のそれぞれの画像処理回路が撮像画像を処理して得られる画質のパラメータが、共通の画質調整目標値が示す画質のパラメータと一致するように、各画像処理回路の調整値が決定される。これによって、撮像装置毎の撮像特性に起因する画質の違いは打ち消され、モニタ67において第1の撮像画像と第2の撮像画像は、画質調整目標値によって示された同じ画質で表示されることになる。上記の画像処理の詳細については、後に説明を行う。
【0054】
図13を用いて表示処理装置64の構成を説明する。表示処理装置64は、フレームメモリ回路69と、表示画面生成回路70と、装置制御回路71と、ユーザーインターフェイス72と、記憶回路73とから構成されている。フレームメモリ回路69は、受信装置66から出力される受信画像信号75を一時記憶する。フレームメモリ回路69に書き込まれた受信画像信号に対応する第1の撮像画像及び第2の撮像画像は、所望のタイミングで読み出されて表示画面生成回路70に出力される。表示画面生成回路70は、フレームメモリ回路69から読み出された第1の撮像画像及び第2の撮像画像と装置制御回路71からの各種制御情報とをまとめて表示信号76を生成する。
【0055】
装置制御回路71は、表示処理装置64の全体の動作を制御する。又、装置制御回路71は、画質調整目標値を生成して記憶回路73に保持しておき、送信装置4と送信装置61の画像処理回路が画質調整を行う時に画質調整目標値を受信装置制御信号74として受信装置66に出力する。ユーザーインターフェイス72は、ユーザーの指示を装置制御回路71に伝える。記憶回路73は、ユーザーの指示の内容や画質調整目標値等を記憶する。
【0056】
次に、図14〜図16を用いて、送信装置4と送信装置61の画像処理回路が行う画質調整について説明を行う。画質調整は、表示処理装置64からの画質調整目標値を基準にして、接続中の撮像装置の撮像特性を用いて、各送信装置の画像処理回路が撮像画像に行う処理である。画質調整により、モニタ67に表示される第1の撮像画像と第2の撮像画像の画質は、画質調整目標値によって示された同画質となる。
【0057】
図14は、撮像装置2と撮像装置59の撮像特性値を示している。図14において、ID_aの情報が撮像装置2の撮像特性値であり、ID_bの情報が撮像装置59の撮像特性値である。
【0058】
図15は、画質調整目標値の例である。本実施形態の画質調整目標値は、モニタ67を観察するユーザー毎の好みの画質に対応して定義されている。画質調整目標値は、撮像画像の彩度及び色相(HUE)の特性値である色ゲイン及び色相(0〜±180度)、撮像画像のガンマ特性値であるガンマ、撮像画像の周波数特性値である周波数特性から成っている。図15には、例として、ユーザーIDがMD1であるユーザーの好みの画質に対応した画質調整目標値が定義されている。
【0059】
図16は、図14に示す撮像特性値と図15に示す画質調整目標値とを用いる場合の送信装置4と送信装置61の画像処理回路での画像処理の調整値(処理パラメータ)を示している。
【0060】
先ず、画質調整目標値の生成方法について説明を行う。撮像装置2を使用した場合を例に、画質調整目標値の生成手順を具体的に説明する。表示処理装置64の装置制御回路71は、画質調整目標値を生成して記憶回路73に保持する。具体的には、ユーザーIDがMD1であるユーザーが撮像装置2からの第1の撮像画像をモニタ67で観察している状態で、表示処理装置64のユーザーインターフェイス72を操作し、モニタ67に表示される第1の撮像画像の画質を好みの画質に調整する。
【0061】
この時、ユーザーの操作内容は、表示処理装置64から受信装置66に送られ、受信装置66から送信装置4に無線送信され、送信装置4の画像処理回路35に伝達される。画像処理回路35では、ユーザーの操作内容に基づいて、調整値制御回路57が色バランス調整回路54、ガンマ調整回路55、周波数特性調整回路56の調整値を更新する。その結果、モニタ67に表示される第1の撮像画像の画質の調整が行われる。
【0062】
画質調整目標値は、モニタ67に表示される第1の撮像画像の画質がユーザーの好みの画質になった時点での画像処理回路35の調整値を用いて生成される。図16の送信装置:TX_aの項には、上記の画質調整目標値の生成手順に従って決定された調整値の例が示されている。
【0063】
画像処理回路35の調整値が、図16に示した値である場合、撮像装置2の撮像特性値が、図14に示した値であるので、画質調整目標値は、図15に示した値となる。例えば、色ゲインについては、調整値が0.82であり、撮像特性値が1.1であるので、画質調整目標値は0.9(=0.82*1.1)となる。同様に色相については、調整値が-5度であり、撮像特性値が+10度であるので、画質調整目標値は+5度となる。ガンマについては、調整値が1.11であり、撮像特性値が0.45であるので、画質調整目標値は0.5(=1.11*0.45)となる。周波数特性については、調整値が(1, 1, 1, 1, 1, 1.1)であり、撮像特性値が(1, 1, 1, 1.1, 1.2, 1)であるので、画質調整目標値は(1, 1, 1, 1, 1.2, 1.1)となる。
【0064】
画質調整目標値の生成時には、画像処理回路35の調整値は表示処理装置64からの操作により決定されるため、表示処理装置64の記憶回路73は画像処理回路35の調整値も保持している。表示処理装置64の装置制御回路71は上記の手順により画質調整目標値を生成する。
【0065】
次に、動作時の各送信装置の画像処理回路の調整値の設定について説明を行う。画質調整目標値が図15に示した値の場合、送信装置4及び送信装置61の画像処理回路の調整値は、図16に示した値となる。ここでは、図14〜図16に示した値を用いて、送信装置61の画像処理回路の調整値を設定する場合を例に説明を行う。
【0066】
送信装置61の画像処理回路の調整値(図16)は、画質調整目標値(図15)と撮像装置59の撮像特性値(図14)から決定される。具体的には、色ゲインについては、画質調整目標値が0.9であり、撮像特性値が1.2であるので、調整値は0.75(=0.9/1.2)となる。同様に色相については、画質調整目標値が+5度であり、撮像特性値が+20度であるので、調整値は-15度となる。ガンマについては、画質調整目標値が0.5であり、撮像特性値が0.56であるので、調整値は0.89(=0.5/0.56)となる。周波数特性については、画質調整目標値が(1, 1, 1, 1, 1.2, 1.1)であり、撮像特性値が(1, 1, 1, 1.2, 1.2, 1)であるので、調整値は(1, 1, 1, 0.83, 1, 1.1)となる。
【0067】
送信装置61の画像処理回路内の調整値制御回路は、画質調整目標値と撮像装置59の撮像特性値に基づいて、色ゲイン、色相、ガンマ、周波数特性の調整値を決定し、各回路に調整値を設定する。送信装置4についても、同様の手順で調整値が決定される。上記のように調整値が決定されることによって、撮像装置毎の撮像特性に起因する画質の違いは打ち消され、モニタ67に表示される第1の撮像画像と第2の撮像画像の画質は、画質調整目標値によって示された値となる。
【0068】
上述したように、本実施形態によれば、撮像装置毎の撮像特性に起因する画質の違いを抑えるように調整値を調整する際に、撮像装置2の撮像特性値と画質調整目標値とに基づいて送信装置4の画像処理回路35の調整値を調整すると共に、撮像装置59の撮像特性値と画質調整目標値とに基づいて送信装置61の画像処理回路の調整値を調整することによって、使用する撮像装置によらず、モニタ67が表示する画像の画質の違いを抑制することができる。
【0069】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態を説明する。本実施形態では、2台の医療用撮像装置と2台の画像表示装置と1台の接続設定装置(リモコン)から成る撮像表示システムであって、接続設定装置が決定した無線接続の設定に従って、2台の医療用撮像装置で得られた撮像画像を無線により、2台の画像表示装置に送信し、2台の画像表示装置のそれぞれで両方の撮像画像を観察することが可能なように構成された撮像表示システムに本発明を適用した場合を例に説明を行う。図17は、本実施形態による撮像表示ステムの構成を示している。
【0070】
カート6とカート63の構成は、第2の実施形態の構成と同じである。カート81には、アンテナ77を介して送信装置4からの第1の撮像画像及び送信装置61からの第2の撮像画像を受信する受信装置78と、第1の撮像画像及び第2の撮像画像を受信装置66から受け取り、これらの撮像画像に基づいて表示信号を生成しモニタ80に出力する表示処理装置79と、表示処理装置79からの表示信号に基づいて第1の撮像画像及び第2の撮像画像を表示するモニタ80とが搭載されている。
【0071】
カート86の構成はカート81の構成と同様である。カート86には、アンテナ82を介して送信装置4からの第1の撮像画像及び送信装置61からの第2の撮像画像を受信する受信装置83と、表示処理装置84と、モニタ85とが搭載されている。カート81とカート86の構成は、第2の実施形態のカート68の構成とほぼ同じであるが、受信装置78と受信装置83に画質調整機能がある点が、第2の実施形態の受信装置66と異なっている。又、本実施形態では、画像を表示するモニタが2台あり、リモコン87(制御装置)が各送信装置と各受信装置との無線接続を制御し、無線接続する送信装置と受信装置の組み合わせを自由に決定することが可能となっている。これによって、各モニタに表示される撮像画像をリモコン87により自由に決定することが可能である。
【0072】
撮像装置2で生成された第1の撮像画像は、モニタ1に表示されると共に、送信装置4により受信装置78と受信装置83に無線送信される。撮像装置59で生成された第2の撮像画像も、モニタ62に表示されると共に、送信装置61により受信装置78と受信装置83に無線送信される。受信装置78は第1の撮像画像と第2の撮像画像とを受信し、表示処理装置79に出力する。受信装置83は第1の撮像画像と第2の撮像画像とを受信し、表示処理装置84に出力する。
【0073】
表示処理装置79は、第1の撮像画像と第2の撮像画像から表示信号を生成し、モニタ80に出力する。モニタ80は、表示信号に基づいて第1の撮像画像と第2の撮像画像を表示する。表示処理装置84は、第1の撮像画像と第2の撮像画像から表示信号を生成し、モニタ85に出力する。モニタ85は、表示信号に基づいて第1の撮像画像と第2の撮像画像を表示する。
【0074】
送信装置4と送信装置61内の画像処理回路と受信装置78内の画像処理回路の調整値を調整することにより、モニタ80に表示される第1の撮像画像と第2の撮像画像の画質は、モニタの使用者毎に設定された所定の画質になるように調整される。又、送信装置4と送信装置61内の画像処理回路と受信装置83内の画像処理回路の調整値を調整することにより、モニタ85に表示される第1の撮像画像と第2の撮像画像の画質は、モニタの使用者毎に設定された所定の画質になるように調整される。本説明においては、モニタ80の表示画質とモニタ85の表示画質が異なる画質に調整されるものとして説明を行う。
【0075】
各モニタに表示される画像の画質を示す画質調整目標値は、リモコン87に保持されており、リモコン87による接続設定が行われる時に受信装置78と受信装置83に無線送信される。又、本実施形態では、送信装置4と送信装置61から送信される撮像画像の画質を均一にするため、予め指定された標準的な撮像特性である標準撮像特性値(標準撮像特性パラメータ)が使用される。この標準撮像特性値もリモコン87に保持されており、リモコン87による接続設定時に送信装置4と送信装置61及び受信装置78と受信装置83に無線送信される。
【0076】
本実施形態の第1の撮像画像の画質は、送信装置4内の画像処理回路35により、標準撮像特性に対応した画質に調整される。また、本実施形態の第2の撮像画像の画質は、送信装置61内の画像処理回路により、標準撮像特性に対応した画質に調整される。このように、第1の撮像画像と第2の撮像画像は、画質を揃えて無線送信され、受信装置78と受信装置83において、接続しているモニタ毎に指定された画質調整目標値に対応した画質に調整される。上記の画像処理の詳細については、後に説明を行う。
【0077】
図18を用いて受信装置83の構成を説明する。受信装置83は、RF回路88(通信部)と、フォーマット逆変換回路89と、画像処理回路90(画像処理部、調整部、出力部)と、全体制御回路91と、撮像装置インターフェイス回路92とから構成されている。受信装置83の構成は、第1の実施形態の受信装置10の構成に対して、受信した撮像画像の画像処理を行う画像処理回路90を追加した構成になっている。画像処理回路90は、フォーマット逆変換回路89の後に配置され、全体制御回路91により設定される内容に従って画像処理を行い、処理後の画像を受信画像信号94として表示処理装置84に出力する。画像処理回路90の構成は、図8に示した構成と同様である。受信装置制御信号93は図7の受信装置制御信号47に対応し、受信画像信号94は図7の受信画像信号48に対応する。受信装置78の構成も受信装置83の構成と同様である。
【0078】
図19を用いて表示処理装置84の構成を説明する。表示処理装置84は、フレームメモリ回路95と、表示画面生成回路96と、装置制御回路97と、ユーザーインターフェイス98と、記憶回路99とから構成されている。表示処理装置84の構成は、第2の実施形態の表示処理装置64の構成とほぼ同じとなっており、装置制御回路97とモニタ85間で通信を行うためのモニタ情報通知信号101が追加されている点だけが異なっている。受信装置制御信号93は図13の受信装置制御信号74に対応し、受信画像信号94は図13の受信画像信号75に対応し、表示信号100は図13の表示信号76に対応する。
【0079】
モニタ情報通知信号101は、モニタ85の表示特性を表示処理装置84に通知するための信号である。モニタ情報通知信号101により通知されたモニタ85の表示特性は受信装置制御信号93として受信装置83に出力され、受信装置83からリモコン87に無線送信され、画質調整目標値の生成時に使用される。
【0080】
次に、図20〜図24を用いて、送信装置4、送信装置61、受信装置78、受信装置83の画像処理回路が行う画質調整について説明を行う。送信装置4と送信装置61における画質調整は、第1の撮像画像と第2の撮像画像の画質が、リモコン87によって指定された標準撮像特性値に対応した同一の画質となるように第1の撮像画像と第2の撮像画像の画質を調整することにより行われる。受信装置78と受信装置83における画質調整は、送信装置4と送信装置61から受信した第1の撮像画像と第2の撮像画像の画質が、リモコン87によって指定された画質調整目標値に対応したユーザー毎の画質となるように第1の撮像画像と第2の撮像画像の画質を調整することにより行われる。
【0081】
先ず、送信装置4と送信装置61で行われる画像処理について説明を行う。送信装置4と送信装置61内の画像処理回路は、接続している撮像装置の撮像特性値と標準撮像特性値に基づいて、色ゲイン、色相、ガンマ、周波数特性の調整値を決定し、各回路に調整値を設定する。図20は標準撮像特性値を示している。標準撮像特性値は、本実施形態の撮像表示システムで使用される撮像装置の代表的な値として適宜決定されたものである。撮像装置2と撮像装置59の撮像特性値は、第2の実施形態で説明した図14に示した値と同じであるので、送信装置4、送信装置61で行われる画像処理の調整値は、図21に示した値となる。
【0082】
例えば、送信装置4の場合、色ゲインについては、標準撮像特性値が1.0であり、撮像特性値が1.1であるので、画質調整値は0.91(=1.0/1.1)となる。同様に色相については、標準撮像特性値が0度であり、撮像特性値が+10度であるので、画質調整値は-10度となる。ガンマ、周波数特性の調整値の決定方法も、第2の実施形態で説明した方法と同様であるので、これ以上の説明は省略する。
【0083】
次に、画質調整目標値の決定方法と、受信装置78、受信装置83の画像処理回路が画質調整目標値を用いて行う画質調整とについて説明を行う。先ず、画質調整目標値の決定方法について説明を行う。画質調整目標値は、ユーザーが、モニタ80又はモニタ85を用いて撮像装置からの撮像画像を観察している状態で受信装置の画像処理回路の調整値を調整し、表示されている撮像画像の画質が好みの画質になった時点での画像処理回路の調整値と、使用したモニタの表示特性と、標準撮像特性値とを用いて生成される。
【0084】
画質調整目標値の生成時に、画像処理回路の調整値とモニタの表示特性が、使用しているモニタに接続されている受信装置からリモコン87に送られ、リモコン87によって画質調整目標値が生成される。以下では、IDがMD1であるユーザーがモニタ80で撮像装置2からの第1の撮像画像を観察しており、受信装置78の画像処理回路の調整値が図24のRX_eに示す値であり、送信装置4から無線送信される第1の撮像画像の画質が、標準撮像特性値に対応した画質に調整されていて、モニタ80の表示特性が図23のDS_eに示す値である場合について説明を行う。
【0085】
色ゲインについては、標準撮像特性値が1.0であり、表示特性が0.8であり、調整値が1.13であるので、画質調整目標値は0.9(=1.0*0.8*1.13)となる。同様に色相については、標準撮像特性値が0度であり、表示特性が0度であり、調整値が+5度であるので、画質調整目標値は+5度(=0+0+5)となる。ガンマについては、標準撮像特性値が0.45であり、表示特性が2.2であり、調整値が1.11であるので、画質調整目標値は1.1(=0.45*2.2*1.11)となる。周波数特性については、標準撮像特性値が(1, 1, 1, 1, 1.2, 1)であり、表示特性が(1, 1, 1, 1.2, 1.2, 1)であり、調整値が(1, 1, 1, 0.83, 0.83, 1.1)であるので、画質調整目標値は(1, 1, 1, 1, 1.2, 1.1)となる。前述したように、画質調整目標値は、その生成時に使用した撮像装置の撮像特性やモニタの表示特性を反映して最終的に得られる画質の特性を示すものである。図22は、上記のようにして生成されたユーザー毎の画質調整目標値の例を示している。
【0086】
次に、受信装置78、受信装置83の画像処理回路が画質調整目標値を用いて行う画質調整について説明を行う。以下では、図22のユーザーIDがMD2の画質調整目標値の画質でモニタ85に撮像画像を表示する場合を例として説明する。受信装置83の画像処理回路90の調整値は、標準撮像特性に対応した画質に調整された撮像画像を、図23に示した表示特性を持つモニタ85に、図22に示したMD2の画質調整目標値に対応する画質で表示するような調整値となる。
【0087】
色ゲインについては、標準撮像特性値が1.0であり、表示特性が0.9であり、画質調整目標値が1.0であるので、調整値は1.11(=1.0/(1.0*0.9))となる。色相については、標準撮像特性値が0度であり、表示特性が0度であり、画質調整目標値が-10度であるので、調整値は-10度(=0-0-10)となる。ガンマについては、標準撮像特性値が0.45であり、表示特性が1.8であり、画質調整目標値が1.0であるので、調整値は1.23(=1.0/(0.45*1.8))となる。周波数特性については、標準撮像特性値が(1, 1, 1, 1, 1.2, 1)であり、表示特性が(1, 1, 1, 1.2, 1.3, 1)、画質調整目標値が(1, 1, 1, 1.2, 1.3, 1)であるので、調整値は(1, 1, 1, 0.83, 1, 1)となる。
【0088】
受信装置83の画像処理回路90内の調整値制御回路は、標準撮像特性値と、表示特性と、画質調整目標値とに基づいて、色ゲイン、色相、ガンマ、周波数特性の調整値を決定し、各回路に調整値を設定する。上記の調整値で画像処理回路90が画像処理を行うことにより、撮像装置2と撮像装置59からの撮像画像は、図22に示したMD2の画質調整目標値に対応した画質でモニタ85上に表示されることになる。
【0089】
上述したように、本実施形態によれば、撮像装置毎の撮像特性に起因する画質の違いを抑えるように調整値を調整する際に、撮像装置2の撮像特性値と標準撮像特性値とに基づいて送信装置4の画像処理回路35の調整値を調整すると共に、撮像装置59の撮像特性値と標準撮像特性値とに基づいて送信装置61の画像処理回路の調整値を調整することによって、使用する撮像装置によらず、同一のモニタが表示する画像の画質の違いを抑制することができる。
【0090】
また、標準撮像特性値と表示特性と画質調整目標値とに基づいて受信装置78、受信装置83の画像処理回路の調整値を調整することによって、使用するモニタによらず、ユーザー毎の画質調整目標値に対応した画質で画像を表示することができる。
【0091】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について詳述してきたが、具体的な構成は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、撮像装置で撮像されて送信装置から受信装置へ無線送信される撮像画像は動画像と静止画像のどちらであっても構わない。
【符号の説明】
【0092】
1,13,62,67,80,85・・・モニタ、2,11,59・・・撮像装置、3,12,58・・・カメラヘッド、4,61・・・送信装置、5,9,60,65,77,82・・・アンテナ、6,14,63,68,81,86・・・カート、7・・・患者、8・・・ベッド、10,66,78,83・・・受信装置、15・・・撮像光学系、16・・・撮像素子、17・・・フロントエンド回路、18・・・AD変換回路、21,41・・・撮像処理回路、22,70,96・・・表示画面生成回路、23,43,71,97・・・装置制御回路、24,44,72,98・・・ユーザーインターフェイス、25,40,45,73,99・・・記憶回路、29・・・ゲイン調整回路、30・・・カメラ信号処理回路、31・・・バッファー回路、32・・・撮像制御回路、35,90・・・画像処理回路、36・・・フォーマット変換回路、37,50,88・・・RF回路、38・・・送信制御回路、39・・・画像インターフェイス回路、102,53,92・・・撮像装置インターフェイス回路、42・・・表示処理回路、51,89・・・フォーマット逆変換回路、52,91・・・全体制御回路、54・・・色バランス調整回路、55・・・ガンマ調整回路、56・・・周波数特性調整回路、57・・・調整値制御回路、64,79,84・・・表示処理装置、69,95・・・フレームメモリ回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮像し、フレーム画像データを出力する撮像装置と、
前記フレーム画像データを無線送信する画像送信装置と、
無線送信された前記フレーム画像データを無線受信する画像受信装置と、
前記画像受信装置によって無線受信された前記フレーム画像データに基づく画像を表示する表示装置と、
を有する撮像表示システムにおける前記画像送信装置であって、
前記撮像装置の撮像特性パラメータと、前記フレーム画像データとが入力される入力部と、
処理パラメータに基づいて、前記入力部に入力された前記フレーム画像データを画像処理する画像処理部と、
前記画像処理部によって画像処理された前記フレーム画像データを前記画像受信装置に無線送信し、撮像装置毎の撮像特性に起因する画質の違いを抑えるように前記処理パラメータを調整する際の指針となる指針パラメータを、当該指針パラメータを無線送信する装置から無線受信する通信部と、
前記撮像特性パラメータと前記指針パラメータとに基づいて前記処理パラメータを調整する調整部と、
を有する画像送信装置。
【請求項2】
被写体を撮像し、第1のフレーム画像データを出力する第1の撮像装置と、
前記第1のフレーム画像データを無線送信する画像送信装置と、
被写体を撮像し、第2のフレーム画像データを出力する第2の撮像装置と、
無線送信された前記第1のフレーム画像データを無線受信する画像受信装置と、
前記画像受信装置によって無線受信された前記第1のフレーム画像データに基づく第1の画像及び前記第2の撮像装置から出力された前記第2のフレーム画像データに基づく第2の画像を表示する表示装置と、
を有する撮像表示システムにおける前記画像送信装置であって、
前記第1の撮像装置の撮像特性パラメータと、前記第1のフレーム画像データとが前記入力部に入力され、
前記画像処理部は、前記入力部に入力された前記第1のフレーム画像データを処理し、
前記通信部は、前記画像処理部によって画像処理された前記第1のフレーム画像データを前記画像受信装置に無線送信し、
前記通信部はさらに、前記指針パラメータとして、前記第2の撮像装置の撮像特性パラメータを、当該第2の撮像装置の撮像特性パラメータを無線送信する装置から無線受信する請求項1に記載の画像送信装置。
【請求項3】
前記通信部は、前記指針パラメータとして、前記表示装置が表示する画像の画質の調整目標パラメータを、当該調整目標パラメータを無線送信する装置から無線受信する請求項1に記載の画像送信装置。
【請求項4】
前記通信部は、前記指針パラメータとして、予め指定された標準的な撮像特性パラメータを、当該標準的な撮像特性パラメータを無線送信する装置から無線受信する請求項1に記載の画像送信装置。
【請求項5】
前記通信部は、前記画像受信装置から前記指針パラメータを無線受信する請求項1に記載の画像送信装置。
【請求項6】
前記通信部は、前記画像送信装置と前記画像受信装置との無線接続を制御する制御装置から前記指針パラメータを無線受信する請求項1に記載の画像送信装置。
【請求項7】
前記撮像特性パラメータ、前記処理パラメータ、及び前記指針パラメータは、色ゲイン、色相、ガンマ、及び周波数特性のパラメータを有する請求項1に記載の画像送信装置。
【請求項8】
前記調整部は、前記指針パラメータを前記撮像特性パラメータで除算した値に基づいて前記処理パラメータを調整する請求項1に記載の画像送信装置。
【請求項9】
被写体を撮像し、フレーム画像データを出力する撮像装置と、
前記フレーム画像データを無線送信する画像送信装置と、
無線送信された前記フレーム画像データを無線受信する画像受信装置と、
前記画像受信装置によって無線受信された前記フレーム画像データに基づく画像を表示する表示装置と、
を有する撮像表示システムであって、
前記画像送信装置は、
前記撮像装置の撮像特性パラメータと、前記フレーム画像データとが入力される入力部と、
処理パラメータに基づいて、前記入力部に入力された前記フレーム画像データを画像処理する画像処理部と、
前記画像処理部によって画像処理された前記フレーム画像データを前記画像受信装置に無線送信し、撮像装置毎の撮像特性に起因する画質の違いを抑えるように前記処理パラメータを調整する際の指針となる指針パラメータを、当該指針パラメータを無線送信する装置から無線受信する通信部と、
前記撮像特性パラメータと前記指針パラメータとに基づいて前記処理パラメータを調整する調整部と、
を有する撮像表示システム。
【請求項10】
前記撮像表示システムはさらに、前記画像送信装置と前記画像受信装置との無線接続を制御し、前記処理パラメータを調整する際の指針となる指針パラメータを前記画像送信装置に無線送信する制御装置を有し、
前記通信部は、前記指針パラメータを前記制御装置から受信する請求項9に記載の撮像表示システム。
【請求項11】
被写体を撮像し、第1のフレーム画像データを出力する第1の撮像装置と、
前記第1のフレーム画像データを無線送信する画像送信装置と、
被写体を撮像し、第2のフレーム画像データを出力する第2の撮像装置と、
無線送信された前記第1のフレーム画像データを無線受信する画像受信装置と、
前記画像受信装置によって無線受信された前記第1のフレーム画像データに基づく第1の画像を表示すると共に前記第2の撮像装置から出力された前記第2のフレーム画像データに基づく第2の画像を表示する表示装置と、
を有する撮像表示システムであって、
前記画像送信装置は、
前記第1の撮像装置の撮像特性パラメータと、前記第1のフレーム画像データとが入力される入力部と、
処理パラメータに基づいて、前記入力部に入力された前記第1のフレーム画像データを画像処理する画像処理部と、
前記画像処理部によって画像処理された前記第1のフレーム画像データを前記画像受信装置に無線送信し、撮像装置毎の撮像特性に起因する画質の違いを抑えるように前記処理パラメータを調整する際の指針となる前記第2の撮像装置の撮像特性パラメータを前記画像受信装置から無線受信する第1の通信部と、
前記第1の撮像装置の撮像特性パラメータと前記第2の撮像装置の撮像特性パラメータとに基づいて前記処理パラメータを調整する調整部と、
を有し、
前記画像受信装置は、
前記第1のフレーム画像データを前記画像送信装置から無線受信し、前記第2の撮像装置の撮像特性パラメータを前記画像送信装置に無線送信する第2の通信部と、
前記第1のフレーム画像データを出力する出力部と、
を有する撮像表示システム。
【請求項12】
被写体を撮像し、フレーム画像データを出力する複数の撮像装置と、
前記複数の撮像装置のそれぞれに対応して設けられ、前記撮像装置から出力された前記フレーム画像データを無線送信する複数の画像送信装置と、
無線送信された前記フレーム画像データを無線受信する画像受信装置と、
前記画像受信装置によって無線受信された前記フレーム画像データに基づく画像を表示する表示装置と、
を有する撮像表示システムであって、
前記画像送信装置は、
前記撮像装置の撮像特性パラメータと、前記フレーム画像データとが入力される入力部と、
処理パラメータに基づいて、前記入力部に入力された前記フレーム画像データを画像処理する画像処理部と、
前記画像処理部によって画像処理された前記フレーム画像データを前記画像受信装置に無線送信し、撮像装置毎の撮像特性に起因する画質の違いを抑えるように前記処理パラメータを調整する際の指針となる、前記表示装置が表示する画像の画質の調整目標パラメータを前記画像受信装置から無線受信する第1の通信部と、
前記撮像装置の撮像特性パラメータと前記調整目標パラメータとに基づいて前記処理パラメータを調整する調整部と、
を有し、
前記画像受信装置は、
前記フレーム画像データを前記画像送信装置から無線受信し、前記調整目標パラメータを前記画像送信装置に無線送信する第2の通信部と、
前記フレーム画像データを出力する出力部と、
を有する撮像表示システム。
【請求項13】
被写体を撮像し、フレーム画像データを出力する複数の撮像装置と、
前記複数の撮像装置のそれぞれに対応して設けられ、前記撮像装置から出力された前記フレーム画像データを無線送信する複数の画像送信装置と、
無線送信された前記フレーム画像データを無線受信する画像受信装置と、
前記画像受信装置によって無線受信された前記フレーム画像データに基づく画像を表示する表示装置と、
前記画像送信装置と前記画像受信装置との無線接続を制御し、撮像装置毎の撮像特性に起因する画質の違いを抑えるように処理パラメータを調整する際の指針となる、予め指定された標準的な撮像特性パラメータを前記画像送信装置に無線送信する制御装置と、
を有する撮像表示システムであって、
前記画像送信装置は、
前記撮像装置の撮像特性パラメータと、前記フレーム画像データとが入力される入力部と、
前記処理パラメータに基づいて、前記入力部に入力された前記フレーム画像データを画像処理する画像処理部と、
前記画像処理部によって画像処理された前記フレーム画像データを前記画像受信装置に無線送信し、前記標準的な撮像特性パラメータを前記制御装置から無線受信する第1の通信部と、
前記撮像装置の撮像特性パラメータと前記標準的な撮像特性パラメータとに基づいて前記処理パラメータを調整する調整部と、
を有し、
前記画像受信装置は、
前記フレーム画像データを前記画像送信装置から無線受信する第2の通信部と、
前記フレーム画像データを出力する出力部と、
を有する撮像表示システム。
【請求項14】
被写体を撮像し、フレーム画像データを出力する複数の撮像装置と、
前記複数の撮像装置のそれぞれに対応して設けられ、前記撮像装置から出力された前記フレーム画像データを無線送信する複数の画像送信装置と、
無線送信された前記フレーム画像データを無線受信する画像受信装置と、
前記画像受信装置によって無線受信された前記フレーム画像データに基づく画像を表示する表示装置と、
前記画像送信装置と前記画像受信装置との無線接続を制御し、撮像装置毎の撮像特性に起因する画質の違いを抑えるように処理パラメータを調整する際の指針となる、予め指定された標準的な撮像特性パラメータを前記画像送信装置に無線送信し、前記表示装置が表示する画像の画質の調整目標パラメータを前記画像受信装置に送信する制御装置と、
を有する撮像表示システムであって、
前記画像送信装置は、
前記撮像装置の撮像特性パラメータと、前記フレーム画像データとが入力される入力部と、
第1の処理パラメータに基づいて、前記入力部に入力された前記フレーム画像データを画像処理する第1の画像処理部と、
前記第1の画像処理部によって画像処理された前記フレーム画像データを前記画像受信装置に無線送信し、前記標準的な撮像特性パラメータを前記制御装置から無線受信する第1の通信部と、
前記撮像装置の撮像特性パラメータと前記標準的な撮像特性パラメータとに基づいて前記第1の処理パラメータを調整する第1の調整部と、
を有し、
前記画像受信装置は、
前記フレーム画像データを前記画像送信装置から無線受信し、前記調整目標パラメータを前記制御装置から無線受信する第2の通信部と、
第2の処理パラメータに基づいて、前記フレーム画像データを処理する第2の画像処理部と、
前記第2の画像処理部によって処理された前記フレーム画像データを出力する出力部と、
前記調整目標パラメータに基づいて前記第2の処理パラメータを調整する第2の調整部と、
を有する撮像表示システム。
【請求項1】
被写体を撮像し、フレーム画像データを出力する撮像装置と、
前記フレーム画像データを無線送信する画像送信装置と、
無線送信された前記フレーム画像データを無線受信する画像受信装置と、
前記画像受信装置によって無線受信された前記フレーム画像データに基づく画像を表示する表示装置と、
を有する撮像表示システムにおける前記画像送信装置であって、
前記撮像装置の撮像特性パラメータと、前記フレーム画像データとが入力される入力部と、
処理パラメータに基づいて、前記入力部に入力された前記フレーム画像データを画像処理する画像処理部と、
前記画像処理部によって画像処理された前記フレーム画像データを前記画像受信装置に無線送信し、撮像装置毎の撮像特性に起因する画質の違いを抑えるように前記処理パラメータを調整する際の指針となる指針パラメータを、当該指針パラメータを無線送信する装置から無線受信する通信部と、
前記撮像特性パラメータと前記指針パラメータとに基づいて前記処理パラメータを調整する調整部と、
を有する画像送信装置。
【請求項2】
被写体を撮像し、第1のフレーム画像データを出力する第1の撮像装置と、
前記第1のフレーム画像データを無線送信する画像送信装置と、
被写体を撮像し、第2のフレーム画像データを出力する第2の撮像装置と、
無線送信された前記第1のフレーム画像データを無線受信する画像受信装置と、
前記画像受信装置によって無線受信された前記第1のフレーム画像データに基づく第1の画像及び前記第2の撮像装置から出力された前記第2のフレーム画像データに基づく第2の画像を表示する表示装置と、
を有する撮像表示システムにおける前記画像送信装置であって、
前記第1の撮像装置の撮像特性パラメータと、前記第1のフレーム画像データとが前記入力部に入力され、
前記画像処理部は、前記入力部に入力された前記第1のフレーム画像データを処理し、
前記通信部は、前記画像処理部によって画像処理された前記第1のフレーム画像データを前記画像受信装置に無線送信し、
前記通信部はさらに、前記指針パラメータとして、前記第2の撮像装置の撮像特性パラメータを、当該第2の撮像装置の撮像特性パラメータを無線送信する装置から無線受信する請求項1に記載の画像送信装置。
【請求項3】
前記通信部は、前記指針パラメータとして、前記表示装置が表示する画像の画質の調整目標パラメータを、当該調整目標パラメータを無線送信する装置から無線受信する請求項1に記載の画像送信装置。
【請求項4】
前記通信部は、前記指針パラメータとして、予め指定された標準的な撮像特性パラメータを、当該標準的な撮像特性パラメータを無線送信する装置から無線受信する請求項1に記載の画像送信装置。
【請求項5】
前記通信部は、前記画像受信装置から前記指針パラメータを無線受信する請求項1に記載の画像送信装置。
【請求項6】
前記通信部は、前記画像送信装置と前記画像受信装置との無線接続を制御する制御装置から前記指針パラメータを無線受信する請求項1に記載の画像送信装置。
【請求項7】
前記撮像特性パラメータ、前記処理パラメータ、及び前記指針パラメータは、色ゲイン、色相、ガンマ、及び周波数特性のパラメータを有する請求項1に記載の画像送信装置。
【請求項8】
前記調整部は、前記指針パラメータを前記撮像特性パラメータで除算した値に基づいて前記処理パラメータを調整する請求項1に記載の画像送信装置。
【請求項9】
被写体を撮像し、フレーム画像データを出力する撮像装置と、
前記フレーム画像データを無線送信する画像送信装置と、
無線送信された前記フレーム画像データを無線受信する画像受信装置と、
前記画像受信装置によって無線受信された前記フレーム画像データに基づく画像を表示する表示装置と、
を有する撮像表示システムであって、
前記画像送信装置は、
前記撮像装置の撮像特性パラメータと、前記フレーム画像データとが入力される入力部と、
処理パラメータに基づいて、前記入力部に入力された前記フレーム画像データを画像処理する画像処理部と、
前記画像処理部によって画像処理された前記フレーム画像データを前記画像受信装置に無線送信し、撮像装置毎の撮像特性に起因する画質の違いを抑えるように前記処理パラメータを調整する際の指針となる指針パラメータを、当該指針パラメータを無線送信する装置から無線受信する通信部と、
前記撮像特性パラメータと前記指針パラメータとに基づいて前記処理パラメータを調整する調整部と、
を有する撮像表示システム。
【請求項10】
前記撮像表示システムはさらに、前記画像送信装置と前記画像受信装置との無線接続を制御し、前記処理パラメータを調整する際の指針となる指針パラメータを前記画像送信装置に無線送信する制御装置を有し、
前記通信部は、前記指針パラメータを前記制御装置から受信する請求項9に記載の撮像表示システム。
【請求項11】
被写体を撮像し、第1のフレーム画像データを出力する第1の撮像装置と、
前記第1のフレーム画像データを無線送信する画像送信装置と、
被写体を撮像し、第2のフレーム画像データを出力する第2の撮像装置と、
無線送信された前記第1のフレーム画像データを無線受信する画像受信装置と、
前記画像受信装置によって無線受信された前記第1のフレーム画像データに基づく第1の画像を表示すると共に前記第2の撮像装置から出力された前記第2のフレーム画像データに基づく第2の画像を表示する表示装置と、
を有する撮像表示システムであって、
前記画像送信装置は、
前記第1の撮像装置の撮像特性パラメータと、前記第1のフレーム画像データとが入力される入力部と、
処理パラメータに基づいて、前記入力部に入力された前記第1のフレーム画像データを画像処理する画像処理部と、
前記画像処理部によって画像処理された前記第1のフレーム画像データを前記画像受信装置に無線送信し、撮像装置毎の撮像特性に起因する画質の違いを抑えるように前記処理パラメータを調整する際の指針となる前記第2の撮像装置の撮像特性パラメータを前記画像受信装置から無線受信する第1の通信部と、
前記第1の撮像装置の撮像特性パラメータと前記第2の撮像装置の撮像特性パラメータとに基づいて前記処理パラメータを調整する調整部と、
を有し、
前記画像受信装置は、
前記第1のフレーム画像データを前記画像送信装置から無線受信し、前記第2の撮像装置の撮像特性パラメータを前記画像送信装置に無線送信する第2の通信部と、
前記第1のフレーム画像データを出力する出力部と、
を有する撮像表示システム。
【請求項12】
被写体を撮像し、フレーム画像データを出力する複数の撮像装置と、
前記複数の撮像装置のそれぞれに対応して設けられ、前記撮像装置から出力された前記フレーム画像データを無線送信する複数の画像送信装置と、
無線送信された前記フレーム画像データを無線受信する画像受信装置と、
前記画像受信装置によって無線受信された前記フレーム画像データに基づく画像を表示する表示装置と、
を有する撮像表示システムであって、
前記画像送信装置は、
前記撮像装置の撮像特性パラメータと、前記フレーム画像データとが入力される入力部と、
処理パラメータに基づいて、前記入力部に入力された前記フレーム画像データを画像処理する画像処理部と、
前記画像処理部によって画像処理された前記フレーム画像データを前記画像受信装置に無線送信し、撮像装置毎の撮像特性に起因する画質の違いを抑えるように前記処理パラメータを調整する際の指針となる、前記表示装置が表示する画像の画質の調整目標パラメータを前記画像受信装置から無線受信する第1の通信部と、
前記撮像装置の撮像特性パラメータと前記調整目標パラメータとに基づいて前記処理パラメータを調整する調整部と、
を有し、
前記画像受信装置は、
前記フレーム画像データを前記画像送信装置から無線受信し、前記調整目標パラメータを前記画像送信装置に無線送信する第2の通信部と、
前記フレーム画像データを出力する出力部と、
を有する撮像表示システム。
【請求項13】
被写体を撮像し、フレーム画像データを出力する複数の撮像装置と、
前記複数の撮像装置のそれぞれに対応して設けられ、前記撮像装置から出力された前記フレーム画像データを無線送信する複数の画像送信装置と、
無線送信された前記フレーム画像データを無線受信する画像受信装置と、
前記画像受信装置によって無線受信された前記フレーム画像データに基づく画像を表示する表示装置と、
前記画像送信装置と前記画像受信装置との無線接続を制御し、撮像装置毎の撮像特性に起因する画質の違いを抑えるように処理パラメータを調整する際の指針となる、予め指定された標準的な撮像特性パラメータを前記画像送信装置に無線送信する制御装置と、
を有する撮像表示システムであって、
前記画像送信装置は、
前記撮像装置の撮像特性パラメータと、前記フレーム画像データとが入力される入力部と、
前記処理パラメータに基づいて、前記入力部に入力された前記フレーム画像データを画像処理する画像処理部と、
前記画像処理部によって画像処理された前記フレーム画像データを前記画像受信装置に無線送信し、前記標準的な撮像特性パラメータを前記制御装置から無線受信する第1の通信部と、
前記撮像装置の撮像特性パラメータと前記標準的な撮像特性パラメータとに基づいて前記処理パラメータを調整する調整部と、
を有し、
前記画像受信装置は、
前記フレーム画像データを前記画像送信装置から無線受信する第2の通信部と、
前記フレーム画像データを出力する出力部と、
を有する撮像表示システム。
【請求項14】
被写体を撮像し、フレーム画像データを出力する複数の撮像装置と、
前記複数の撮像装置のそれぞれに対応して設けられ、前記撮像装置から出力された前記フレーム画像データを無線送信する複数の画像送信装置と、
無線送信された前記フレーム画像データを無線受信する画像受信装置と、
前記画像受信装置によって無線受信された前記フレーム画像データに基づく画像を表示する表示装置と、
前記画像送信装置と前記画像受信装置との無線接続を制御し、撮像装置毎の撮像特性に起因する画質の違いを抑えるように処理パラメータを調整する際の指針となる、予め指定された標準的な撮像特性パラメータを前記画像送信装置に無線送信し、前記表示装置が表示する画像の画質の調整目標パラメータを前記画像受信装置に送信する制御装置と、
を有する撮像表示システムであって、
前記画像送信装置は、
前記撮像装置の撮像特性パラメータと、前記フレーム画像データとが入力される入力部と、
第1の処理パラメータに基づいて、前記入力部に入力された前記フレーム画像データを画像処理する第1の画像処理部と、
前記第1の画像処理部によって画像処理された前記フレーム画像データを前記画像受信装置に無線送信し、前記標準的な撮像特性パラメータを前記制御装置から無線受信する第1の通信部と、
前記撮像装置の撮像特性パラメータと前記標準的な撮像特性パラメータとに基づいて前記第1の処理パラメータを調整する第1の調整部と、
を有し、
前記画像受信装置は、
前記フレーム画像データを前記画像送信装置から無線受信し、前記調整目標パラメータを前記制御装置から無線受信する第2の通信部と、
第2の処理パラメータに基づいて、前記フレーム画像データを処理する第2の画像処理部と、
前記第2の画像処理部によって処理された前記フレーム画像データを出力する出力部と、
前記調整目標パラメータに基づいて前記第2の処理パラメータを調整する第2の調整部と、
を有する撮像表示システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2012−239080(P2012−239080A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−107561(P2011−107561)
【出願日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
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