説明

画像通信装置

【課題】T.38通信機能による画像通信装置において、IFPパケットの階層、T.30コマンドや画像情報の階層でそれぞれビット送出順序が異なる対向機が存在する環境においても正しい画像通信が可能な画像通信装置を提供する。
【解決手段】T.38IFPパケット制御部111で制御されるIFPパケットおよび画像通信制御部109で制御されるT.30コマンド/画情報に対応してそれぞれのビット送出/解析順序を装置設定情報320として予め設定しておき、この装置設定情報320を参照してT.38IFPパケット制御部111で制御されるIFPパケットおよび画像通信制御部109で制御されるT.30コマンド/画情報の送出/解析順序をそれぞれ制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、T.38通信機能による画像通信を行う画像通信装置としては、特許文献1に記載されたものが知られている。
【0003】
また、特許文献2には、LAN(Local Area Network)通信におけるアドレスのビット送出順序を他方のLANのビット定義に合せて変更可能な構成が記載されている。
【0004】
ところで、T.38通信機能による画像通信は、IFP(Internet Facsimili Protocol)パケットの送受により行われており、このIFPパケットには、T.30に準拠するG3ファクシミリ信号に対応した情報を運ぶためのフィールドが定義され、このIFPパケットの所定のフィールドにT.30に準拠するG3ファクシミリ信号に対応した情報(T.30コマンドや画情報)を記述することにより画像通信がなされる。
【0005】
例えば、SIP(Session Initiation Protocol)を用いて相手先とセッションを確立して、T.38通信機能による画像通信を行う画像通信装置においては、LAN通信におけるIP(Internet Protocol)の階層に加えて、IFPパケットの階層、T.30コマンドや画情報の階層があり、発信側と着信側とでIPの階層でのビット送出順序は一致しても、IFPパケットやIFPパケットに記述されたT.30コマンドや画情報のビット送出順序が不一致の相手機とは正しく画像通信を行うことができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−157120号公報
【特許文献2】特開平03-13223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、T.38通信機能による画像通信装置において、IFPパケットの階層、T.30コマンドや画像情報の階層でそれぞれビット送出順序が異なる対向機が存在する環境においても正しい画像通信が可能な画像通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1の発明の画像通信装置は、T.38通信機能によりIFPパケットを送受するパケット制御部と、T.30コマンドおよび画情報を前記IFPパケットのフィールドに記述して画像通信を制御する画像通信制御手段とを具備し、前記パケット制御部は、前記IFPパケット、前記T.30コマンドおよび画情報に対応するそれぞれのビット送出および解析順序を示す順序情報を設定する設定手段と、前記設定手段に設定された順序情報に基づき前記IFPパケット、前記T.30コマンドおよび画情報のビット送出および解析順序をそれぞれ制御する制御手段とを具備する。
【0009】
請求項2の発明の画像通信装置は、SIPメッセージを用いて相手先とセッションを確立する呼接続制御手段と、T.38通信機能によりIFPパケットを送受するパケット制御部と、T.30コマンドおよび画情報を前記IFPパケットのフィールドに記述して画像通信を制御する画像通信制御手段とを具備し、前記呼接続制御手段は、呼接続時に発信側から着信側に送信される招待SIPメッセージに発信側装置の製造元情報を記述するとともに、前記招待SIPメッセージに応答して着信側から発信側に送信される応答SIPメッセージに着信側装置の製造元情報を記述し、前記パケット制御部は、前記製造元情報に対応して前記IFPパケット、前記T.30コマンドおよび画情報に対応するそれぞれのビット送出および解析順序を示す順序情報を設定する設定手段を具備し、前記発信側装置では、前記設定手段に前記着信側装置の製造元情報に対応して設定された順序情報に基づき前記IFPパケット、前記T.30コマンドおよび画情報のビット送出および解析順序をそれぞれ制御し、前記着信装置側では、前記設定手段に前記発信側装置の製造元情報に対応して設定された前記順序情報に基づき前記IFPパケット、前記T.30コマンドおよび前記画情報のビット送出および解析順序をそれぞれ制御する。
【0010】
請求項3の発明の画像通信装置は、T.38通信機能によりIFPパケットを送受するパケット制御部と、T.30コマンドおよび画情報を前記IFPパケットのフィールドに記述して画像通信を制御する画像通信制御手段とを具備し、前記パケット制御部は、呼接続に用いる短縮番号に対応して前記IFPパケット、前記T.30コマンドおよび画情報に対応するそれぞれのビット送出および解析順序を示す順序情報を設定する設定手段と、前記短縮番号に対応して前記設定手段に設定された前記順序情報に基づき前記IFPパケット、前記T.30コマンドおよび画情報のビット送出および解析順序をそれぞれ制御する制御手段とを具備する。
【0011】
請求項4の発明の画像通信装置は、T.38通信機能によりIFPパケットを送受するパケット制御部と、T.30コマンドおよび画情報を前記IFPパケットのフィールドに記述して画像通信を制御する画像通信制御手段とを具備し、前記パケット制御部は、発信側装置に対応して前記IFPパケット、前記T.30コマンドおよび画情報に対応するそれぞれのビット送出順序および解析順序を別々に示す第1の順序情報を設定する第1の設定手段と、着信側装置に対応して前記IFPパケット、前記T.30コマンドおよび画情報に対応するそれぞれのビット送出順序および解析順序を別々に示す第2の順序情報を設定する第2の設定手段とを具備し、前記発信側装置では、前記第1の設定手段に設定された前記第1の順序情報に基づき前記IFPパケット、前記T.30コマンドおよび画情報のビット送出および解析順序をそれぞれ別々に制御し、前記着信側装置では、前記第2の設定手段により設定された前記第2の順序情報に基づき前記IFPパケット、前記T.30コマンドおよび画情報のビット送出および解析順序をそれぞれ別々に制御する。
【0012】
請求項5の発明の画像通信装置は、T.38通信機能によりIFPパケットを送受するパケット制御部と、T.30コマンドおよび画情報を前記IFPパケットのフィールドに記述して画像通信を制御する画像通信制御手段とを具備し、前記パケット制御部は、前記IFPパケット、前記T.30コマンドおよび画情報に対応するそれぞれのビット送出および解析順序を示す第1の順序情報を設定する第1の設定手段と、着信側装置に対応して前記IFPパケット、前記T.30コマンドおよび画情報に対応するそれぞれのビット送出順序を示す第2の順序情報を設定する第2の設定手段とを具備し、パケット送出時は、前記第1の設定手段に設定された前記第1の順序情報に基づき前記IFPパケット、前記T.30コマンドおよび画情報のビット送出を制御し、パケット受信時は、前記第2の設定手段により設定された前記第2の順序情報に基づき前記IFPパケット、前記T.30コマンドおよび画情報のビット解析順序を制御する。
【0013】
請求項6の発明の画像通信装置は、SIPメッセージを用いて相手先とセッションを確立する呼接続制御手段と、T.38通信機能によりIFPパケットを送受するパケット制御部と、T.30コマンドおよび画情報を前記IFPパケットのフィールドに記述して画像通信を制御する画像通信制御手段とを具備し、前記呼接即制御手段は、呼接続時に発信側から着信側に送信される招待SIPメッセージに発信側装置の製造元情報を記述するとともに、前記招待SIPメッセージに応答して着信側から発信側に送信される応答SIPメッセージに着信側装置の製造元情報を記述し、前記パケット制御部は、前記製造元情報に対応して前記IFPパケット、前記IFPT.30コマンドおよび画情報に対応するそれぞれのビット送出および解析順序を示す第1の順序情報を設定する設定手段と、着信時の前記IFPパケット、前記T.30コマンドおよび画情報に対応するそれぞれのビット送出および解析順序を示す第2の順序情報を設定する第2の設定手段とを具備し、発信時は、前記設定手段に前記着信側装置の製造元情報に対応して設定された前記第1の順序情報に基づき前記IFPパケット、前記T.30コマンドおよび画情報のビット送出および解析順序をそれぞれ制御し、着信時は、前記設定手段に設定された前記第2の順序情報に基づき前記IFPパケット、前記T.30コマンドおよび画情報のビット送出順序および解析順序をそれぞれ制御する。
【0014】
請求項7の発明の画像通信装置は、T.38通信機能によりIFPパケットを送受するパケット制御部と、T.30コマンドおよび画情報を前記IFPパケットのフィールドに記述して画像通信を制御する画像通信制御手段とを具備し、前記パケット制御部は、前記T.38通信機能による呼接続応答信号を受信した後、発信側で前記T.30コマンドが一定時間受信できない場合は、呼切断した後、相手機に再発信し、前記T.30コマンドおよび画情報のビット送出および解析順序を反転してT.30コマンドおよび画情報の送出および解析を行う。
【0015】
請求項8の発明の画像通信装置は、T.38通信機能によりIFPパケットを送受するパケット制御部と、T.30コマンドおよび画情報を前記IFPパケットのフィールドに記述して画像通信を制御する画像通信制御手段とを具備し、前記パケット制御部は、前記T.38通信機能による呼接続が正常に完了した後、発信側で呼接続応答コマンドが一定時間受信できない場合は、呼切断下後、相手機に再発信し、前記IFPパケットのビット送出および解析順序を反転してIFPパケットの送出および解析を行う。
【0016】
請求項9の発明の画像通信装置は、T.38通信機能によりIFPパケットを送受するパケット制御部と、T.30コマンドおよび画情報を前記IFPパケットのフィールドに記述して画像通信を制御する画像通信制御手段とを具備し、前記パケット制御部は、前記T.38通信機能による呼接続が正常に完了した後、前記T.30コマンドが着信側で一定時間受信できない場合は、呼切断した後、相手機からの再着信を待って、前記T.30コマンドおよび前記画情報のビット送出順序および解析順序を反転してT.30コマンドの送出および画情報の解析を行う。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明によれば、IFPパケットの階層、T.30コマンドや画像情報の階層でそれぞれビット送出順序が異なる対向機が存在する環境においても正しい画像通信が可能になる。
【0018】
請求項2の発明によれば、呼接続に用いるSIPメッセージに記述された機種コードから相手機のIFPパケット、T.30コマンドおよび画情報の送出順序を知ることができるので、IFPパケットの階層、T.30コマンドや画像情報の階層でそれぞれビット送出順序が異なる対向機が存在する環境においても正しい画像通信が可能になる。
【0019】
請求項3の発明によれば、呼接続に用いる短縮番号から相手機のIFPパケット、T.30コマンドおよび画情報の送出順序を知ることができるので、IFPパケットの階層、T.30コマンドや画像情報の階層でそれぞれビット送出順序が異なる対向機が存在する環境においても正しい画像通信が可能になる。
【0020】
請求項4の発明によれば、発信側装置および着信側装置に対応してIFPパケット、T.30コマンドおよび画情報の送出順序および解析順序をそれぞれ別々に設定することで、IFPパケットの階層、T.30コマンドや画像情報の階層でそれぞれビット送出順序が異なる対向機が存在する環境においても正しい画像通信が可能になる。
【0021】
請求項5の発明によれば、発信側装置に対応して発信時のIFPパケット、T.30コマンドおよび画情報の送出および解析順序を設定するとともに、着信側装置に対応してIFPパケット、T.30コマンドおよび画情報の送出順序および解析順序をそれぞれ別々に設定することで、IFPパケットの階層、T.30コマンドや画像情報の階層でそれぞれビット送出順序が異なる対向機が存在する環境においても正しい画像通信が可能になる。
【0022】
請求項6の発明によれば、呼接続に用いるSIPメッセージに記述された機種コードから相手機のIFPパケット、T.30コマンドおよび画情報の送出順序を知り、着信時は、自機に設定されたIFPパケット、IFPパケットに記述したT.30コマンドおよび画情報の送出および解析順序を用いることで、IFPパケットの階層、T.30コマンドや画像情報の階層でそれぞれビット送出順序が異なる対向機が存在する環境においても正しい画像通信が可能になる。
【0023】
請求項7の発明によれば、発信側装置において、着信側装置のIFPパケット、IFPパケットに記述したT.30コマンドおよび画情報の送出順序を知らない場合でも正しい画像通信が可能になる。
【0024】
請求項8の発明によれば、発信側装置において、着信側装置のIFPパケット、IFPパケットに記述したT.30コマンドおよび画情報の送出順序を知らない場合でも正しい画像通信が可能になる。
【0025】
請求項9の発明によれば、着信側装置において、発信側装置のIFPパケット、IFPパケットに記述したT.30コマンドおよび画情報の送出順序を知らない場合でも正しい画像通信が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は、本発明に係わる画像通信装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、IFPパケットの階層、T.30コマンドや画像情報の階層でそれぞれビット送出順序が異なる対向機が存在する環境において、正しい画像通信を可能にするためのビット送出順序および解析順序を説明する図である。
【図3】図3は、本発明の実施例1に係わる画像通信制御を説明するフローチャートである。
【図4】図4は、本発明の実施例2に係わる画像通信制御を説明するフローチャートである。
【図5】図5は、本発明の実施例3に係わる画像通信制御を説明するフローチャートである。
【図6】図6は、本発明の実施例4に係わる画像通信制御を説明するフローチャートである。
【図7】図7は、本発明の実施例5に係わる画像通信制御を説明するフローチャートである。
【図8】図8は、本発明の実施例6に係わる画像通信制御を説明するフローチャートである。
【図9】図9は、本発明の実施例7に係わる画像通信制御を説明するフローチャートである。
【図10】図10は、本発明の実施例8に係わる画像通信制御を説明するフローチャートである。
【図11】図11は、本発明の実施例9に係わる画像通信制御を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の一実施例を添付図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0028】
図1は、本発明に係わる画像通信装置の概略構成を示すブロック図である。この画像通信装置100は、主制御部101、画像蓄積部102、画像読取部103、印刷部104、操作部105、記憶部106、画像処理部107、呼接続制御部108、画像通信制御部109をバス110に接続し、呼接続制御部108を画像通信制御部109をTCP/UDP/IP制御部112を介してネットワークインターフェイス部113に接続するとともに、画像通信制御部109をT.38IFPパケット制御部111を介してTCP/UDP/IP制御部112に接続して構成される。
【0029】
ここで、主制御部101は、画像通信装置100の全体の制御処理を行うものである。
【0030】
画像蓄積部102は、画像読取部103から読み込まれた画像または受信した画像を蓄積する。
【0031】
画像読取部103は、所定の解像度で原稿画像を読み込み、印刷部104は、所定の解像度で画像を印刷する。
【0032】
操作部105は、画像通信装置100を操作する各種の操作キーおよび各種情報を表示する表示部を有する。
【0033】
記憶部106は、RAM(Random Access Memory)から構成され、画像通信装置100の動作を制御するシステムデータおよび通信情報等を記憶する。
【0034】
画像処理部107は、画像データに対する符号化、復号化、拡大、縮小等の処理を行う。
【0035】
呼接続制御部108は、SIPによる呼接続を制御する。SIPにより提供される制御機能の具体例としては、位置情報の登録、セッションの確立・切断、能力のネゴシエーション、プレゼンス情報交換などがある。
【0036】
画像通信制御部109は、画像通信を実現するもので、ITU(国際電気通信連合)−T.30プロトコルを制御する。
【0037】
T.38IFPパケット制御部111は、ITU−T.38に準拠したIFPパケット層のプロトコルを制御する。
【0038】
TCP/UDP/IP制御部112は、インターネットのトランスポート/ネットワーク層のプロトコル制御を行う。ネットワークインタ−フェース部113は、IP網に接続され、データリンク層以下の通信制御を行う。
【0039】
図2は、IFPパケットの階層、T.30コマンドや画像情報の階層でそれぞれビット送出順序が異なる対向機が存在する環境において、正しい画像通信を可能にするためのビット送出順序および解析順序を説明する図である。
【0040】
T.38による画像通信で使用するパケットの構成を示すと、図2(a)のようになる。
【0041】
T.38による画像通信では、IFPパケットに定義されたフィールドにT.30に準拠したT.30コマンドや画情報を記述されるので、T.38による画像通信では、図2(a)に示すように、IPアドレス201、IFPパケット202、T.30コマンドまたは画情報203の階層がある。
【0042】
ここで、パケットを受信する側では、全ての階層において、送信機側が送出したビット順序通りにビットの解析を行わなければ、受信したT.30コマンドを正しく解釈することができず、また、受信した画情報を正しく復号化することもできない。
【0043】
例えば、T.30コマンド203をLSB Firstで送出(下位ビットから送出)し、上位階層のIFPパケット202とIPアドレス201をMSB Firstで送出(上位ビットから送出)する送信機のコマンドを正しく解析するためには、図2(b)に示すように、IFPパケットとIPアドレスはMSB Firstで解析(上位ビットから解釈)し、T.30コマンドのみLSB Firstで解析(下位ビットから解釈)する必要がある。
【0044】
また、IPアドレスなどはMSB Firstで送出するが、IFPパケットとT.30コマンドはLSB Firstで送出する送信機の存在も否定できず、その場合は、IPアドレスはMSB Firstで、IFPパケットとT.30コマンドはLSB Firstで解析する必要がある。
【0045】
そこで、IFPパケットの階層、T.30コマンドや画像情報の階層でそれぞれビット送出順序が異なる対向機が存在する環境においても正しい画像通信が可能な画像通信を可能にするためには、IFPパケットの階層、T.30コマンドや画像情報の階層についてビット送出/解析順序を設定可能にする必要がある。
【0046】
図3は、本発明の実施例1に係わる画像通信制御(FAX通信制御)を説明するフローチャートである。
【0047】
この実施例1に係わる画像通信制御においては、IFPパケットおよびT.30コマンド/画情報に対応してそれぞれのビット送出/解析順序を装置設定情報320として予め設定しておき、この装置設定情報320を参照してIFPパケットおよびT.30コマンド/画情報の送出/解析順序をそれぞれ制御する。
【0048】
図3においては、SIPメッセージを用いて呼接続を行う。すなわち、発信装置では、呼接続に際して、招待SIPメッセージである「INVITE」を着信側装置に送出する(ステップ301)。
【0049】
着信側装置は、発信側装置から「INVITE」を受信すると(ステップ311)、発信側装置に対して「INVITE」に対する応答SIPメッセージである「200 OK」を送信する(ステップ312)。
【0050】
発信側装置は、着信側装置から「200 OK」を受信すると、着信側装置との間の呼接続を行い(ステップ302)、次に、T.38に準拠した画像通信が可能かを判断する(ステップ303)。ここで、着信側装置との間との間で、T.38に準拠した画像通信が可能であると判断されると(ステップ303でYES)、予め設定された装置設定情報320を参照して、ビット送出/解析順序を決定する(ステップ304)。
【0051】
図3に示した構成においては、装置設定情報320として、IFPパケットは、MSB First(上位ビットから送出/解析)、T.30コマンド/画情報は、LSB First(下位ビットから送出/解析)が設定されているので、ステップ304では、IFPパケットについては、上位ビットから送出して上位ビットから解析すると決定し、T.30コマンド/画情報については、下位ビットから送出して下位ビットから解析すると決定する。
【0052】
具体的には、図3の331〜334に示しように、IFPパケット部分である「CED:0300000504」331、「Preamble:0300000506」332、T.コマンド部分である「ff138000eeaac4・・・」334を除く「DIS:0300001cc002800011「ff138000eeaac4・・・」40」333は、上位ビットから送出して上位ビットから解析すると決定し、T.30コマンド部分である「ff138000eeaac4・・・」334は、下位ビットから送出して下位ビットから解析すると決定する。
【0053】
また、着信側装置では、「200 OK」を送信すると、次に、T.38に準拠した画像通信が可能かを判断する(ステップ313)。ここで、発信側装置との間との間で、T.38に準拠した画像通信が可能であると判断されると(ステップ313でYES)、装置設定情報320を参照して、ビット送出/解析順序を決定する(ステップ314)。
【0054】
ここでも、装置設定情報320として、IFPパケットは、MSB First(上位ビットから送出/解析)、T.30コマンド/画情報は、LSB First(下位ビットから送出/解析)が設定されているので、着信側装置のステップ314では、IFPパケットについては、上位ビットから送出して上位ビットから解析すると決定し、T.30コマンド/画情報については、下位ビットから送出して下位ビットから解析すると決定する。
【0055】
これにより、発信側装置と着信側装置では、全ての階層に対してビット送出順序と解析順序が一致するようになる。
【0056】
その後、発信側装置は、T.38ポートにて着信側装置とT.38に準じたFAX通信を実施する(ステップ305)。
【0057】
同様に、着信側装置でも、T.38ポートにて発信側装置とT.38に準じたFAX通信を実施する(ステップ315)。
【0058】
そして、FAX通信の終了等により発信側装置で呼切断する場合は、発信側装置から着信側装置にBYE(セッション切断要求)を送信してSIP呼切断を行って(ステップ306)、この処理を終了する。
【0059】
また、着信側装置は、発信側装置からBYE(セッション切断要求)を受信するとSIP呼切断を行って(ステップ316)、この処理を終了する。
【0060】
なお、ステップ303でT.38に準拠した画像通信が不可であると判断された場合は(ステップ303でNO)、ステップ306に進み、SIP呼切断を行う。また、ステップ313でT.38に準拠した画像通信が不可であると判断された場合は(ステップ313でNO)、ステップ316に進み、SIP呼切断を行う。
【実施例2】
【0061】
図4は、本発明の実施例2に係わる画像通信制御(FAX通信制御)を説明するフローチャートである。
【0062】
この実施例2に係わる画像通信制御においては、呼接続に用いるSIPメッセージに発信側装置および着信側装置のそれぞれの製造元情報を設定するとともに、製造元情報に対応して、IFPパケットおよびT.30コマンド/画情報のそれぞれのビット送出/解析順序をメーカ別装置設定情報420として予め設定しておき、このメーカ別装置設定情報420を参照して発信側装置と着信側装置でIFPパケットおよびT.30コマンド/画情報の送出/解析順序が一致するようにそれぞれ制御する。
【0063】
なお、SIPメッセージに対する製造元情報の設定は、SIPメッセージのSDP(Session Description Protocol)若しくはT.38 VendorInfoに、製造元情報を記述することにより行われる。
【0064】
図4に示す実施例2においては、呼接続に際して、発信装置は、招待SIPメッセージ「INVITE」を送出する(ステップ401)。このとき、「INVITE」の「T.38 VendorInfo」に、自社(発信側装置)の製造元情報(自社コード)を記述する。
【0065】
着信側装置は、発信側装置から「INVITE」を受信すると(ステップ411)、「INVITE」の「T.38 VendorInfo」を解析して、「T.38 VendorInfo」に記述された自社コードから発信側装置のメーカ(相手メーカ)を特定する。
【0066】
そして、着信側装置は、発信側装置に対して「INVITE」に対する応答SIPメッセージ「200 OK」を送信する(ステップ412)。このとき、「200 OK」の「T.38 VendorInfo」に、自社(着信側装置)の製造元情報(自社コード)を記述する。
【0067】
発信側装置は、着信側装置から「200 OK」を受信すると、着信側装置との間の呼接続を行う(ステップ402)。このとき、発信側装置は、「200 OK」の「T.38 VendorInfo」を解析して、「T.38 VendorInfo」に記述された自社コードから着信側装置のメーカを特定する。
【0068】
発信側装置では、次に、T.38に準拠した画像通信が可能かを判断する(ステップ403)。ここで、着信側装置との間との間で、T.38に準拠した画像通信が可能であると判断されると(ステップ403でYES)、ステップ402で特定した着信側装置のメーカに基づきメーカ別装置設定情報420を参照して、ビット送出/解析順序を決定する(ステップ404)。
【0069】
なお、図4に示した構成においては、メーカ別装置設定情報420として、A社(自社コード91)には、IFPパケットのビット送出/解析順序として、MSB First(上位ビットから送出/解析)、T.30コマンド/画情報のビット送出/解析順序として、MSB First(上位ビットから送出/解析)が設定されており、同様に、B社(自社コード92)には、IFPパケットのビット送出/解析順序として、MSB First(上位ビットから送出/解析)、T.30コマンド/画情報のビット送出/解析順序として、LSB First(下位ビットから送出/解析)、C社(自社コード93)には、IFPパケットのビット送出/解析順序として、LSB First(下位ビットから送出/解析)、T.30コマンド/画情報のビット送出/解析順序として、LSB First(下位ビットから送出/解析)、D社(自社コード94)には、IFPパケットのビット送出/解析順序として、MSB First(上位ビットから送出/解析)、T.30コマンド/画情報のビット送出/解析順序として、MSB First(上位ビットから送出/解析)が設定されている。
【0070】
また、メーカが不定/未知である場合には、IFPパケットのビット送出/解析順序として、MSB First(上位ビットから送出/解析)、T.30コマンド/画情報のビット送出/解析順序として、MSB First(上位ビットから送出/解析)が設定されている。
【0071】
ここで、例えば、「200 OK」の「T.38 VendorInfo」に、記述された自社コートがA社を示す「91」であると、ステップ404では、メーカ別装置設定情報420を参照して、IFPパケットのビット送出/解析順序として、MSB First(上位ビットから送出/解析)、T.30コマンド/画情報のビット送出/解析順序として、MSB First(上位ビットから送出/解析)と決定する。
【0072】
また、着信側装置では、「200 OK」を送信すると、次に、T.38に準拠した画像通信が可能かを判断する(ステップ413)。ここで、発信側装置との間との間で、T.38に準拠した画像通信が可能であると判断されると(ステップ413でYES)、メーカ別装置設定情報420を参照して、ビット送出/解析順序を決定する(ステップ414)。
【0073】
ここでは、「INVITE」の「T.38 VendorInfo」に記述された自社コートがB社を示す「92」であると、ステップ414では、メーカ別装置設定情報420を参照して、IFPパケットのビット送出/解析順序として、MSB First(上位ビットから送出/解析)、T.30コマンド/画情報のビット送出/解析順序として、LSB First(下位ビットから送出/解析)と決定する。
【0074】
これにより、発信側装置と着信側装置では、全ての階層に対してビット送出順序と解析順序が一致するようになる。
【0075】
その後、発信側装置は、T.38ポートにて着信側装置とT.38に準じたFAX通信を実施する(ステップ405)。
【0076】
同様に、着信側装置でも、T.38ポートにて発信側装置とT.38に準じたFAX通信を実施する(ステップ415)。
【0077】
そして、FAX通信の終了等により発信側装置で呼切断する場合は、発信側装置から着信側装置にBYE(セッション切断要求)を送信し、SIP呼切断を行って(ステップ406)、この処理を終了する。
【0078】
また、着信側装置は、発信側装置からBYE(セッション切断要求)を受信するとSIP呼切断を行って(ステップ416)、この処理を終了する。
【0079】
なお、ステップ403でT.38に準拠した画像通信が不可であると判断された場合は(ステップ403でNO)、ステップ406に進み、SIP呼切断を行う。また、ステップ413でT.38に準拠した画像通信が不可であると判断された場合は(ステップ413でNO)、ステップ416に進み、SIP呼切断を行う。
【実施例3】
【0080】
図5は、本発明の実施例3に係わる画像通信制御(FAX通信制御)を説明するフローチャートである。
【0081】
この実施例3に係わる画像通信制御においては、呼接続に用いる短縮番号(短縮ダイヤル)に対応して、IFPパケットおよびT.30コマンド/画情報のそれぞれのビット送出/解析順序を短縮番号別装置設定情報520として予め記憶しておき、この短縮番号別装置設定情報520を参照して発信側装置と着信側装置でIFPパケットおよびT.30コマンド/画情報の送出/解析順序が一致するようにそれぞれ制御する。
【0082】
図5に示す実施例3においては、短縮番号別装置設定情報520に、短縮番号「001」に対応して、IFPパケットのビット送出/解析順序は、MSB First(上位ビットから送出/解析)、T.30コマンド/画情報のビット送出/解析順序は、MSB First(上位ビットから送出/解析)が設定されており、同様に、短縮番号「002」に対応して、IFPパケットのビット送出/解析順序は、MSB First(上位ビットから送出/解析)、T.30コマンド/画情報のビット送出/解析順序は、LSB First(下位ビットから送出/解析)、短縮番号「003」に対応して、IFPパケットのビット送出/解析順序は、LSB First(下位ビットから送出/解析)、T.30コマンド/画情報のビット送出/解析順序は、LSB First(下位ビットから送出/解析)、短縮番号「004」に対応して、IFPパケットのビット送出/解析順序は、MSB First(上位ビットから送出/解析)、T.30コマンド/画情報のビット送出/解析順序は、MSB First(上位ビットから送出/解析)、短縮番号「005」に対応して、IFPパケットのビット送出/解析順序は、MSB First(上位ビットから送出/解析)、T.30コマンド/画情報のビット送出/解析順序は、MSB First(上位ビットから送出/解析)が設定されている。
【0083】
すなわち、短縮番号別装置設定情報520には、短縮番号に対応して、相手先の装置のIFPパケットおよびT.30コマンド/画情報のビット送出/解析順序が予め設定されている。
【0084】
図5において、発信側装置は、短縮番号を用いた発信に際して、短縮番号別装置設定情報520を参照して、着信側と全ての階層に対してビット送出順序と解析順序が一致するようにビット送出/解析順序を決定する(ステップ501)。
【0085】
続いて、発信装置は、招待SIPメッセージ「INVITE」を着信側装置に送出する(ステップ502)。
【0086】
着信側装置は、発信側装置から「INVITE」を受信すると(ステップ511)、「INVITE」に対する応答SIPメッセージ「200 OK」を発信側装置に送信する(ステップ512)。
【0087】
発信側装置は、着信側装置から「200 OK」を受信すると、着信側装置との間の呼接続を行う(ステップ503)。
【0088】
発信側装置では、次に、T.38に準拠した画像通信が可能かを判断する(ステップ504)。ここで、着信側装置との間との間で、T.38に準拠した画像通信が可能であると判断されると(ステップ504でYES)、発信側装置は、T.38ポートにて着信側装置とT.38に準じたFAX通信を実施する(ステップ505)。
【0089】
また、着信側装置では、「200 OK」を送信すると、次に、T.38に準拠した画像通信が可能かを判断する(ステップ513)。ここで、発信側装置との間との間で、T.38に準拠した画像通信が可能であると判断されると(ステップ513でYES)、着信側装置でも、T.38ポートにて発信側装置とT.38に準じたFAX通信を実施する(ステップ514)。
【0090】
発信側装置と着信側装置との間のT.38に準じたFAX通信は、まず、着信側装置から発信側装置にCED信号を送信し、続いて、着信側装置から発信側装置にNSF/CSI/DIS信号を送信し、次に、発信側装置から着信側装置にTSI/DCS信号を送信し、着信側装置から発信側装置にCFR信号を送信し、その後、発信側装置から着信側装置に画情報を送信し、続いて、発信側装置から着信側装置にPPS.EOP信号を送信し、着信側装置から発信側装置にMCF信号を送信し、発信側装置から着信側装置にDCN信号を送信することにより行われる。
【0091】
そして、FAX通信の終了等により発信側装置で呼切断する場合は、発信側装置から着信側装置にBYE(セッション切断要求)を送信し、SIP呼切断を行って(ステップ506)、この処理を終了する。
【0092】
また、着信側装置は、発信側装置からBYE(セッション切断要求)を受信すると、SIP呼切断を行って(ステップ515)、この処理を終了する。
【0093】
なお、ステップ504でT.38に準拠した画像通信が不可であると判断された場合は(ステップ504でNO)、ステップ506に進み、SIP呼切断を行う。また、ステップ413でT.38に準拠した画像通信が不可であると判断された場合は(ステップ513でNO)、ステップ515に進み、SIP呼切断を行う。
【実施例4】
【0094】
図6は、本発明の実施例4に係わる画像通信制御(FAX通信制御)を説明するフローチャートである。
【0095】
この実施例4に係わる画像通信制御においては、発呼側装置に対応して、IFPパケットおよびT.30コマンド/画情報のビット送出順序およびビット解析順序を別々に設定した発信側装置設定情報620と、着呼側装置に対応して、IFPパケットおよびT.30コマンド/画情報のビット送出順序およびビット解析順序を別々に設定した着信側装置設定情報630とを設け、発信側装置は、発信側装置設定情報620を参照してIFPパケットおよびT.30コマンド/画情報の送出順序および解析順序をそれぞれ制御し、着信側装置は、着信側装置設定情報630を参照してIFPパケットおよびT.30コマンド/画情報の送出順序および解析順序をそれぞれ制御することにより、発信側装置と着信側装置でIFPパケットおよびT.30コマンド/画情報の送出/解析順序が一致するようにしたものである。
【0096】
図6に示す実施例4においては、呼接続に際して、発信側装置から招待SIPメッセージ「INVITE」を着信側装置に送出する(ステップ601)。
【0097】
着信側装置は、発信側装置から「INVITE」を受信すると(ステップ611)、発信側装置に対して「INVITE」に対する応答SIPメッセージ「200 OK」を送信する(ステップ612)。
【0098】
発信側装置は、着信側装置から「200 OK」を受信すると、着信側装置との間の呼接続を行い(ステップ602)、次に、T.38に準拠した画像通信が可能かを判断する(ステップ603)。ここで、着信側装置との間との間で、T.38に準拠した画像通信が可能であると判断されると(ステップ603でYES)、発信側装置設定情報620を参照して、ビット送出/解析順序を決定する(ステップ604)。
【0099】
このとき、発信側装置設定情報620には、IFPパケットおよびT.30コマンド/画情報に対応してビット送出順序およびビット解析順序が別々に設定されているので、IFPパケットおよびT.30コマンド/画情報に対応して、ビット送出順序およびビット解析順序をそれぞれ別々に決定する。
【0100】
すなわち、図6に示した構成においては、発信側装置設定情報620として、IFPパケットは、ビット送出順序がMSB First(上位ビットから送出)、ビット解析順序がMSB First(上位ビットから解析)に設定されており、T.30コマンド/画情報は、ビット送出順序がLSB First(下位ビットから送出)、ビット解析順序がMSB First(上位ビットから解析)に設定されているので、ステップ604では、IFPパケットについては、上位ビットから送出し、上位ビットから解析すると決定し、T.30コマンド/画情報については、下位ビットから送出し、上位ビットから解析すると決定する。
【0101】
また、着信側装置では、「200 OK」を送信すると、次に、T.38に準拠した画像通信が可能かを判断する(ステップ613)。ここで、発信側装置との間との間で、T.38に準拠した画像通信が可能であると判断されると(ステップ613でYES)、着信側装置設定情報630を参照して、ビット送出/解析順序を決定する(ステップ614)。
【0102】
ここでも、着信側装置設定情報630には、IFPパケットおよびT.30コマンド/画情報に対応してビット送出順序およびビット解析順序が別々に設定されているので、IFPパケットおよびT.30コマンド/画情報に対応して、ビット送出順序およびビット解析順序をそれぞれ別々に決定する。
【0103】
すなわち、図6に示した構成においては、着信側装置設定情報630として、IFPパケットは、ビット送出順序がMSB First(上位ビットから送出)、ビット解析順序がMSB First(上位ビットから解析)に設定されており、T.30コマンド/画情報は、ビット送出順序がMSB First(上位ビットから解析)、ビット解析順序がLSB First(下位ビットから送出)に設定されているので、ステップ614では、IFPパケットについては、上位ビットから送出し、上位ビットから解析すると決定し、T.30コマンド/画情報については、上位ビットから送出し、下位ビットから解析すると決定する。
【0104】
これにより、発信側装置と着信側装置では、全ての階層に対してビット送出順序と解析順序が一致するようになる。
【0105】
その後、発信側装置は、T.38ポートにて着信側装置とT.38に準じたFAX通信を実施する(ステップ605)。
【0106】
同様に、着信側装置でも、T.38ポートにて発信側装置とT.38に準じたFAX通信を実施する(ステップ615)。
【0107】
発信側装置と着信側装置との間のT.38に準じたFAX通信は、まず、着信側装置から発信側装置にCED信号を送信し、続いて、着信側装置から発信側装置にNSF/CSI/DIS信号を送信し、次に、発信側装置から着信側装置にTSI/DCS信号を送信し、着信側装置から発信側装置にCFR信号を送信し、その後、発信側装置から着信側装置に画情報を送信し、続いて、発信側装置から着信側装置にPPS.EOP信号を送信し、着信側装置から発信側装置にMCF信号を送信し、発信側装置から着信側装置にDCN信号を送信することにより行われる。
【0108】
ここで、発信側装置においては、TSI/DCS信号、画情報、PPS.EOP信号、DCN信号は、IFPパケットの階層では、上位ビットから送出し、T.30コマンド(画情報)の階層では、下位ビットから送出する。
【0109】
また、着信側装置から受信したCED信号、NSF/CSI/DIS信号、CRF信号、MCF信号は、IFPパケットの階層では、上位ビットから解析し、T.30コマンドの階層も上位ビットから解析する。
【0110】
着信側装置においては、CED信号、NSF/CSI/DIS信号、CRF信号、MCF信号は、IFPパケットの階層では、上位ビットから送出し、T.30コマンドの階層も上位ビットから送出する。
【0111】
また、発信側装置から受信したTSI/DCS信号、画情報、PPS.EOP信号、DCN信号は、IFPパケットの階層では、上位ビットから解析し、T.30コマンド(画情報)の階層では下位ビットから解析する。
【0112】
そして、FAX通信の終了等により発信側装置で呼切断する場合は、発信側装置から着信側装置にBYE(セッション切断要求)を送信し、SIP呼切断を行って(ステップ606)、この処理を終了する。
【0113】
また、着信側装置は、発信側装置からBYE(セッション切断要求)を受信すると、SIP呼切断を行って(ステップ616)、この処理を終了する。
【0114】
なお、ステップ603でT.38に準拠した画像通信が不可であると判断された場合は(ステップ603でNO)、ステップ606に進み、SIP呼切断を行う。また、ステップ613でT.38に準拠した画像通信が不可であると判断された場合は(ステップ613でNO)、ステップ616に進み、SIP呼切断を行う。
【実施例5】
【0115】
図7は、本発明の実施例5に係わる画像通信制御(FAX通信制御)を説明するフローチャートである。
【0116】
この実施例5に係わる画像通信制御においては、発呼側装置に対応して、IFPパケットおよびT.30コマンド/画情報の発信時のビット送出順序およびビット解析順序を設定した発信側装置設定情報720と、着呼側装置に対応して、IFPパケットおよびT.30コマンド/画情報のビット送出順序およびビット解析順序を別々に設定した着信側装置設定情報730とを設け、発信側装置は、発信側装置設定情報720を参照してIFPパケットおよびT.30コマンド/画情報の送出および解析順序をそれぞれ制御し、着信側装置は、着信側装置設定情報730を参照してIFPパケットおよびT.30コマンド/画情報の送出順序および解析順序をそれぞれ別々に制御することにより、発信側装置と着信側装置でIFPパケットおよびT.30コマンド/画情報の送出/解析順序が一致するようにしたものである。
【0117】
図7に示す実施例5においては、呼接続に際して、発信側装置から招待SIPメッセージ「INVITE」を着信側装置に送出する(ステップ701)。
【0118】
着信側装置は、発信側装置から「INVITE」を受信すると(ステップ711)、発信側装置に対して「INVITE」に対する応答SIPメッセージ「200 OK」を送信する(ステップ712)。
【0119】
発信側装置は、着信側装置から「200 OK」を受信すると、着信側装置との間の呼接続を行い(ステップ702)、次に、T.38に準拠した画像通信が可能かを判断する(ステップ703)。ここで、着信側装置との間との間で、T.38に準拠した画像通信が可能であると判断されると(ステップ703でYES)、発信側装置設定情報720を参照して、ビット送出/解析順序を決定する(ステップ704)。
【0120】
このとき、発信側装置設定情報720には、IFPパケットおよびT.30コマンド/画情報に対応して発信時のビット送出順序およびビット解析順序が設定されているので、これに応じて、IFPパケットおよびT.30コマンド/画情報のビット送出順序およびビット解析順序を決定する。
【0121】
すなわち、図7に示した構成においては、発信側装置設定情報720として、発信時のIFPパケットは、ビット送出/解析順序がMSB First(上位ビットから送出/解析)、発信時のT.30コマンド/画情報は、ビット送出/解析順序がLSB First(下位ビットから送出/解析)に設定されているので、ステップ704では、IFPパケットについては、上位ビットから送出/解析すると決定し、T.30コマンド/画情報については、下位ビットから送出/解析すると決定する。
【0122】
なお、図7に示した構成においては、発信側装置設定情報720に装置デフォルトとして、IFPパケットは、ビット送出/解析順序がMSB First(上位ビットから送出/解析)、T.30コマンド/画情報は、ビット送出/解析順序がMSB First(上位ビットから送出/解析)と設定されているが、この設定は、発信側装置が受信時に用いる設定である。
【0123】
また、着信側装置では、「200 OK」を送信すると、次に、T.38に準拠した画像通信が可能かを判断する(ステップ713)。ここで、発信側装置との間との間で、T.38に準拠した画像通信が可能であると判断されると(ステップ713でYES)、着信側装置設定情報730を参照して、ビット送出/解析順序を決定する(ステップ714)。
【0124】
ここで、着信側装置設定情報730には、IFPパケットおよびT.30コマンド/画情報に対応してビット送出順序およびビット解析順序が別々に設定されているので、IFPパケットおよびT.30コマンド/画情報に対応して、ビット送出順序およびビット解析順序をそれぞれ別々に決定する。
【0125】
すなわち、図7に示した構成においては、着信側装置設定情報7630として、IFPパケットは、ビット送出順序がMSB First(上位ビットから送出)、ビット解析順序がMSB First(上位ビットから解析)に設定されており、T.30コマンド/画情報は、ビット送出順序がMSB First(上位ビットから解析)、ビット解析順序がLSB First(下位ビットから送出)に設定されているので、ステップ714では、IFPパケットについては、上位ビットから送出し、上位ビットから解析すると決定し、T.30コマンド/画情報については、上位ビットから送出し、下位ビットから解析すると決定する。
【0126】
これにより、発信側装置と着信側装置では、全ての階層に対してビット送出順序と解析順序が一致するようになる。
【0127】
その後、発信側装置は、T.38ポートにて着信側装置とT.38に準じたFAX通信を実施する(ステップ705)。
【0128】
同様に、着信側装置でも、T.38ポートにて発信側装置とT.38に準じたFAX通信を実施する(ステップ715)。
【0129】
発信側装置と着信側装置との間のT.38に準じたFAX通信は、まず、着信側装置から発信側装置にCED信号を送信し、続いて、着信側装置から発信側装置にNSF/CSI/DIS信号を送信し、次に、発信側装置から着信側装置にTSI/DCS信号を送信し、着信側装置から発信側装置にCFR信号を送信し、その後、発信側装置から着信側装置に画情報を送信し、続いて、発信側装置から着信側装置にPPS.EOP信号を送信し、着信側装置から発信側装置にMCF信号を送信し、発信側装置から着信側装置にDCN信号を送信することにより行われる。
【0130】
ここで、発信側装置においては、TSI/DCS信号、画情報、PPS.EOP信号、DCN信号は、IFPパケットの階層では、上位ビットから送出し、T.30コマンド(画情報)の階層では、下位ビットから送出する。
【0131】
また、着信側装置から受信したCED信号、NSF/CSI/DIS信号、CRF信号、MCF信号は、IFPパケットの階層では、上位ビットから解析し、T.30コマンドの階層も上位ビットから解析する。
【0132】
着信側装置においては、CED信号、NSF/CSI/DIS信号、CRF信号、MCF信号は、IFPパケットの階層では、上位ビットから送出し、T.30コマンドの階層も上位ビットから送出する。
【0133】
また、発信側装置から受信したTSI/DCS信号、画情報、PPS.EOP信号、DCN信号は、IFPパケットの階層では、上位ビットから解析し、T.30コマンド(画情報)の階層では下位ビットから解析する。
【0134】
そして、FAX通信の終了等により発信側装置で呼切断する場合は、発信側装置から着信側装置にBYE(セッション切断要求)を送信し、SIP呼切断を行って(ステップ706)、この処理を終了する。
【0135】
また、着信側装置は、発信側装置からBYE(セッション切断要求)を受信すると、SIP呼切断を行って(ステップ716)、この処理を終了する。
【0136】
なお、ステップ703でT.38に準拠した画像通信が不可であると判断された場合は(ステップ703でNO)、ステップ706に進み、SIP呼切断を行う。また、ステップ713でT.38に準拠した画像通信が不可であると判断された場合は(ステップ713でNO)、ステップ716に進み、SIP呼切断を行う。
【実施例6】
【0137】
図8は、本発明の実施例6に係わる画像通信制御(FAX通信制御)を説明するフローチャートである。
【0138】
この実施例6に係わる画像通信制御においては、図4に示した実施例2と同様に、呼接続に用いるSIPメッセージに発信側装置および着信側装置のそれぞれの製造元情報を設定するとともに、製造元情報に対応して、IFPパケットおよびT.30コマンド/画情報のそれぞれのビット送出/解析順序をメーカ別装置設定情報420として予め設定し、発信時には、ビット送出順序の反転ありのメーカに対しては、T.30コマンド/画情報を自機の送出/解析順序を反転させた順序でパケットの送出/解析を行うが、着信時は自機のビット送出/解析順序のままT.30コマンド/画情報の送出/解析を行う。
【0139】
なお、SIPメッセージに対する製造元情報の設定は、SIPメッセージのSDP(Session Description Protocol)若しくはT.38 VendorInfoに、製造元情報を記述することにより行われる。
【0140】
図8に示す実施例6においては、呼接続に際して、発信装置は、招待SIPメッセージ「INVITE」を送出する(ステップ801)。このとき、「INVITE」の「T.38 VendorInfo」に、自社(発信側装置)の製造元情報(自社コード)を記述する。
【0141】
着信側装置は、発信側装置から「INVITE」を受信すると(ステップ811)、「INVITE」の「T.38 VendorInfo」を解析して、「T.38 VendorInfo」に記述された自社コードから発信側装置のメーカ(相手メーカ)を特定する。
【0142】
そして、着信側装置は、発信側装置に対して「INVITE」に対する応答SIPメッセージ「200 OK」を送信する(ステップ812)。このとき、「200 OK」の「T.38 VendorInfo」に、自社(着信側装置)の製造元情報(自社コード)を記述する。
【0143】
発信側装置は、着信側装置から「200 OK」を受信すると、着信側装置との間の呼接続を行う(ステップ402)。このとき、発信側装置は、「200 OK」の「T.38 VendorInfo」を解析して、「T.38 VendorInfo」に記述された自社コードから着信側装置のメーカ(相手メーカ)を特定する。
【0144】
発信側装置では、次に、T.38に準拠した画像通信が可能かを判断する(ステップ803)。ここで、着信側装置との間との間で、T.38に準拠した画像通信が可能であると判断されると(ステップ803でYES)、発信時は、ステップ802で特定した着信側装置のメーカに基づきメーカ別装置設定情報820を参照して、ビット送出/解析順序を決定する(ステップ804)。
【0145】
なお、図8に示した構成においては、メーカ別装置設定情報420として、A社(自社コード91)には、IFPパケットのビット送出/解析順序として、MSB First(上位ビットから送出/解析)、T.30コマンド/画情報のビット送出/解析順序として、MSB First(上位ビットから送出/解析)が設定されており、同様に、B社(自社コード92)には、IFPパケットのビット送出/解析順序として、MSB First(上位ビットから送出/解析)、T.30コマンド/画情報のビット送出/解析順序として、LSB First(下位ビットから送出/解析)、C社(自社コード93)には、IFPパケットのビット送出/解析順序として、LSB First(下位ビットから送出/解析)、T.30コマンド/画情報のビット送出/解析順序として、LSB First(下位ビットから送出/解析)、D社(自社コード94)には、IFPパケットのビット送出/解析順序として、MSB First(上位ビットから送出/解析)、T.30コマンド/画情報のビット送出/解析順序として、MSB First(上位ビットから送出/解析)が設定されている。
【0146】
また、メーカが不定/未知である場合には、IFPパケットのビット送出/解析順序として、MSB First(上位ビットから送出/解析)、T.30コマンド/画情報のビット送出/解析順序として、MSB First(上位ビットから送出/解析)が設定されている。
【0147】
ここで、例えば、「200 OK」の「T.38 VendorInfo」に、記述された自社コートがA社を示す「91」であると、ステップ804では、メーカ別装置設定情報420を参照して、発信時のIFPパケットのビット送出/解析順序として、MSB First(上位ビットから送出/解析)、T.30コマンド/画情報のビット送出/解析順序として、MSB First(上位ビットから送出/解析)と決定する。
【0148】
また、着信側装置では、「200 OK」を送信すると、次に、T.38に準拠した画像通信が可能かを判断する(ステップ813)。ここで、発信側装置との間との間で、T.38に準拠した画像通信が可能であると判断されると(ステップ813でYES)、装置設定情報830を参照して、着信時のビット送出/解析順序を決定する(ステップ814)。
【0149】
ここでは、装置設定情報830に、IFPパケットのビット送出/解析順序として、MSB First(上位ビットから送出/解析)、T.30コマンド/画情報のビット送出/解析順序として、LSB First(下位ビットから送出/解析)が設定されているので、着信時のビット送出/解析順序として、IFPパケットは、MSB First(上位ビットから送出/解析)、T.30コマンド/画情報は、LSB First(下位ビットから送出/解析)と決定する。
【0150】
これにより、発信側装置と着信側装置では、全ての階層に対してビット送出順序と解析順序が一致するようになる。
【0151】
その後、発信側装置は、T.38ポートにて着信側装置とT.38に準じたFAX通信を実施する(ステップ805)。
【0152】
同様に、着信側装置でも、T.38ポートにて発信側装置とT.38に準じたFAX通信を実施する(ステップ815)。
【0153】
そして、FAX通信の終了等により発信側装置で呼切断する場合は、発信側装置から着信側装置にBYE(セッション切断要求)を送信し、SIP呼切断を行って(ステップ806)、この処理を終了する。
【0154】
また、着信側装置は、発信側装置からBYE(セッション切断要求)を受信すると、SIP呼切断を行って(ステップ816)、この処理を終了する。
【0155】
なお、ステップ803でT.38に準拠した画像通信が不可であると判断された場合は(ステップ803でNO)、ステップ806に進み、SIP呼切断を行う。また、ステップ813でT.38に準拠した画像通信が不可であると判断された場合は(ステップ813でNO)、ステップ816に進み、SIP呼切断を行う。
【実施例7】
【0156】
図9は、本発明の実施例7に係わる画像通信制御(FAX通信制御)を説明するフローチャートである。
【0157】
この実施例7に係わる画像通信制御においては、相手機からT.38通信機能による呼接続応答信号(CED)を受信した後、発信側で、相手機からIFPパケットに含まれるT.30コマンドが一定時間受信できない場合は、相手機に再発信し、T.30コマンドおよび画情報のビット送出および解析順序を反転してT.30コマンドおよび画情報の送出および解析を行うように構成される。
【0158】
図9において、発信側装置は、呼接続に際して、招待SIPメッセージ「INVITE」を相手機に送出する(ステップ901)。
【0159】
そして、「INVITE」に対する応答SIPメッセージ「200 OK」を相手機から受信すると、相手機との間の呼接続を行い(ステップ902)、次に、T.38に準拠した画像通信が可能かを判断する(ステップ903)。ここで、相手機との間との間で、T.38に準拠した画像通信が可能であると判断されると(ステップ903でYES)、予め設定された装置設定情報(例えば、図3に示す装置設定情報320参照)を参照して、IFPパケットのビット送出/解析順序を決定する(ステップ904)。
【0160】
そして、相手機からCEDを受信すると(ステップ905)、上記装置設定情報を参照してT.30コマンド/画情報のビット送出/解析順序を決定する(ステップ906)。ただし、ステップ906において、後述するピット反転フラグがONの場合は、上記装置設定情報を参照して決定されたビット送出/解析順序を反転する。
【0161】
CEDの受信により所定のタイマ(T1タイマ)が起動され、発信側装置は、T.38ポートにて相手機とT.38に準じたFAX通信を実施する(ステップ907)。
【0162】
このT.38に準じたFAX通信においては、ステップ904で決定されたビット送出/解析順序で、T.30コマンドである(NSF)/(CSI)/DSI信号を含むIFPパケットの送出/解析が制御されるとともに、ステップ906で決定されたビット送出/解析順序で、T.30コマンド/画情報の送出/解析が制御される。
【0163】
このT.38に準じたFAX通信においては、相手機からT.30コマンドの受信を監視し(ステップ908)、T.30コマンドの受信がないと(ステップ908でNO)、上記T1タイマがタイムアウトしたかを調べる(ステップ909)。
ここで、T1タイマがタイムアウトしていない場合は(ステップ909でNO)、ステップ907に戻り、相手機との間のT.38に準じたFAX通信を継続する。
【0164】
ステップ909で、T1タイマがタイムアウトしたと判断されると(ステップ909でYES)、呼を切断する。その後、予め設定したリトライ回数に残りがあるかを調べ(ステップ910)、残りがある場合は(ステップ910でYES)、ビット反転フラグをONにし(ステップ911)、ステップ901に戻り、再呼接続を行う。
【0165】
この場合、ビット反転フラグがONであるので、ステップ906でビット送出/解析順序が反転され、ステップ907のFAX通信においては、この反転されたビット送出/解析順序でT.30コマンド/画情報の送出/解析が制御される。
【0166】
なお、ステップ912において、ビット反転フラグが既にONである場合は、ビット反転フラグをOFFにする。
【0167】
ステップ908でT.30コマンドを受信した場合(ステップ908でYES)で、相手機との間のT.38に準じたFAX通信を継続する場合は(ステップ902でNO)、ステップ907に戻り、相手機との間のT.38に準じたFAX通信を継続する。
【0168】
また、ステップ902で、相手機との間のT.38に準じたFAX通信を終了する場合は(ステップ912でYES)、SIP呼切断を行い(ステップ913)、この処理を終了する。
【0169】
また、ステップ910で、リトライ回数の残りがないと判断された場合は(ステップ910でNO)、ステップ913に進み、SIP呼切断を行い、この処理を終了する。
【実施例8】
【0170】
図10は、本発明の実施例8に係わる画像通信制御(FAX通信制御)を説明するフローチャートである。
【0171】
この実施例8に係わる画像通信制御においては、相手機から呼接続応答コマンド(CED)が一定時間受信できない場合は、相手機に再発信し、IFPパケットのビット送出および解析順序を反転してT.30コマンドおよび画情報の送出および解析を行うように構成される。
【0172】
図10において、発信側装置は、呼接続に際して、招待SIPメッセージ「INVITE」を相手機に送出する(ステップ1001)。
【0173】
そして、「INVITE」に対する応答SIPメッセージ「200 OK」を相手機から受信すると、相手機との間の呼接続を行い(ステップ1002)、次に、T.38に準拠した画像通信が可能かを判断する(ステップ1003)。ここで、相手機との間との間で、T.38に準拠した画像通信が可能であると判断されると(ステップ1003でYES)、予め設定された装置設定情報(例えば、図3に示す装置設定情報320参照)を参照して、IFPパケットのビット送出/解析順序を決定する(ステップ1004)。ただし、ステップ1004において、後述するピット反転フラグがONの場合は、上記装置設定情報を参照して決定されたビット送出/解析順序を反転する。
【0174】
次に、相手機からCNG信号を受信したかを調べる(ステップ1005)。ここで、CED信号を受信した場合は(ステップ1005でYES)、上記装置設定情報を参照してT.30コマンド/画情報のビット送出/解析順序を決定し(ステップ1006)、T.38ポートにて相手機とT.38に準じたFAX通信を実施する(ステップ1007)。
【0175】
このT.38に準じたFAX通信においては、ステップ1004で決定されたビット送出/解析順序で、T.30コマンド(NSF)/(CSI)/DSI信号を含むIFPパケットの送出/解析が制御されるとともに、ステップ1006で決定されたビット送出/解析順序で、T.30コマンド/画情報の送出/解析が制御される。
【0176】
また、ステップ1005で、CED信号を受信していないと判断された場合は(ステップ1005でNO)、所定のタイマ(T0タイマ)を起動して、T0タイマがタイムアウトしたかを調べる(ステップ1008)。
T0タイマがタイムアウトしていない場合は(ステップ1008でNO)、ステップ1005に戻り、相手機からのCED信号の受信を待つ。
【0177】
ステップ1008で、T0タイマがタイムアウトしたと判断されると(ステップ1008でYES)、予め設定したリトライ回数に残りがあるかを調べ(ステップ1009)、残りがある場合は(ステップ1009でYES)、ビット反転フラグをONにし(ステップ1010)、ステップ1001に戻り、再呼接続を行う。
【0178】
この場合、ビット反転フラグがONであるので、ステップ1004でビット送出/解析順序が反転され、ステップ1007のFAX通信においては、この反転されたビット送出/解析順序で、ビット送出/解析順序でIFPパケットの送出/解析が制御される。
【0179】
なお、ステップ1010において、ビット反転フラグが既にONである場合は、ビット反転フラグをOFFにする。
【0180】
ステップ1011では、ステップ1007のFAX通信が終了かが調べられ、ここで、FAX通信を終了しない場合は(ステップ1011でNO)、ステップ1007に戻り、相手機との間のT.38に準じたFAX通信を継続するが、終了する場合は(ステップ1011でYES)、SIP呼切断を行い(ステップ1012)、この処理を終了する。
【0181】
また、ステップ1009で、リトライ回数の残りがないと判断された場合は(ステップ1009でNO)、ステップ1012に進み、SIP呼切断を行い、この処理を終了する。
【実施例9】
【0182】
図11は、本発明の実施例9に係わる画像通信制御(FAX通信制御)を説明するフローチャートである。
【0183】
この実施例9に係わる画像通信制御においては、相手機に対してT.38通信機能による呼接続応答信号(CED)を送信した後、着信側で、相手機からT.30コマンドが一定時間受信できない場合は、呼を切断する。その後、相手機に再発信し、T.30コマンドおよび画情報のビット送出および解析順序を反転してT.30コマンドおよび画情報の送出および解析を行うように構成される。
【0184】
図11において、着信側装置は、相手機から招待SIPメッセージ「INVITE」を受信すると(ステップ1101)、この「INVITE」に対する応答SIPメッセージ「200 OK」を相手機に送信する(ステップ1102)。
【0185】
次に、T.38に準拠した画像通信が可能かを判断し(ステップ1103)、ここで、相手機との間との間で、T.38に準拠した画像通信が可能であると判断すると(ステップ1103でYES)、予め設定された装置設定情報(例えば、図3に示す装置設定情報320参照)を参照して、IFPパケットのビット送出/解析順序を決定する(ステップ1104)。
【0186】
次に、上記装置設定情報を参照してT.30コマンド/画情報のビット送出/解析順序を決定する(ステップ1105)。ただし、ステップ1105において、後述するピット反転フラグがONの場合は、上記装置設定情報を参照して決定されたビット送出/解析順序を反転する。
【0187】
その後、着信側装置は、T.38ポートにて相手機とT.38に準じたFAX通信を実施する(ステップ1106)。
【0188】
このT.38に準じたFAX通信においては、ステップ1104で決定されたビット送出順序で、CED信号を示すIFPパケットを送信した後、T1タイマを起動して、T.30コマンドであるNSF/CSI/DSI信号を含むIFPパケットを送信する。このNSF/CSI/DSI信号の送出は、相手機からTSI信号またはNSS信号を予め設定されたタイマ時間T4経過して受信しない場合は、繰り返して送信される。
【0189】
また、このT.38に準じたFAX通信においては、相手機からT.30コマンドの受信を監視し(ステップ1107)、T.30コマンドの受信がないと(ステップ1107でNO)、上記T1タイマがタイムアウトしたかを調べる(ステップ1108)。
ここで、T1タイマがタイムアウトしていない場合は(ステップ1108でNO)、ステップ1106に戻り、相手機との間のT.38に準じたFAX通信を継続する。
【0190】
ステップ1108で、T1タイマがタイムアウトしたと判断されると(ステップ1108でYES)、呼を切断する。その後、予め設定したリトライ回数に残りがあるかを調べ(ステップ1109)、残りがある場合は(ステップ1109でYES)、ビット反転フラグをONにし(ステップ1110)、ステップ1101に戻り、相手機の再呼接続を待つ。
【0191】
この場合、ビット反転フラグがONであるので、ステップ1105でビット送出/解析順序が反転され、ステップ1109のFAX通信においては、この反転されたビット送出/解析順序でT.30コマンド/画情報の送出/解析が制御される。
【0192】
なお、ステップ1110において、ビット反転フラグが既にONである場合は、ビット反転フラグをOFFにする。
【0193】
ステップ1107でT.30コマンドを受信し(ステップ1107でYES)、相手機との間のT.38に準じたFAX通信を継続する場合は(ステップ1111でNO)、ステップ1106に戻り、相手機との間のT.38に準じたFAX通信を継続する。
【0194】
また、ステップ1111で、相手機との間のT.38に準じたFAX通信を終了する場合は(ステップ1111でYES)、SIP呼切断を行い(ステップ1112)、この処理を終了する。
【0195】
また、ステップ1109で、リトライ回数の残りがないと判断された場合は(ステップ1109でNO)、ステップ1112に進み、SIP呼切断を行い、この処理を終了する。
【0196】
以上が本発明の代表的な実施形態の一例であるが、本発明は、上記実施例及び図面に示す実施例に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。
【符号の説明】
【0197】
100 画像通信装置
101 主制御部
102 画像蓄積部
103 画像読取部
104 印刷部
105 操作部
106 記憶部
107 画像処理部
108 呼接続制御部
109 画像通信制御部
110 バス
111 パケット制御部
112 TCP/UDP/IP制御部
113 ネットワークインターフェイス部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
T.38通信機能によりIFPパケットを送受するパケット制御部と、
T.30コマンドおよび画情報を前記IFPパケットのフィールドに記述して画像通信を制御する画像通信制御手段と
を具備し、
前記パケット制御部は、
前記IFPパケット、前記T.30コマンドおよび画情報に対応するそれぞれのビット送出および解析順序を示す順序情報を設定する設定手段と、
前記設定手段に設定された順序情報に基づき前記IFPパケット、前記T.30コマンドおよび画情報のビット送出および解析順序をそれぞれ制御する制御手段と
を具備する画像通信装置。
【請求項2】
SIPメッセージを用いて相手先とセッションを確立する呼接続制御手段と、
T.38通信機能によりIFPパケットを送受するパケット制御部と、
T.30コマンドおよび画情報を前記IFPパケットのフィールドに記述して画像通信を制御する画像通信制御手段と
を具備し、
前記呼接続制御手段は、
呼接続時に発信側から着信側に送信される招待SIPメッセージに発信側装置の製造元情報を設定するとともに、前記招待SIPメッセージに応答して着信側から発信側に送信される応答SIPメッセージに着信側装置の製造元情報を設定し、
前記パケット制御部は、
前記製造元情報に対応して前記IFPパケット、前記T.30コマンドおよび画情報に対応するそれぞれのビット送出および解析順序を示す順序情報を設定する設定手段
を具備し、
前記発信側装置では、前記設定手段に前記着信側装置の製造元情報に対応して設定された順序情報に基づき前記IFPパケット、前記T.30コマンドおよび画情報のビット送出および解析順序をそれぞれ制御し、
前記着信装置側では、前記設定手段に前記発信側装置の製造元情報に対応して設定された前記順序情報に基づき前記IFPパケット、前記T.30コマンドおよび画情報のビット送出および解析順序をそれぞれ制御する画像通信装置。
【請求項3】
T.38通信機能によりIFPパケットを送受するパケット制御部と、
T.30コマンドおよび画情報を前記IFPパケットのフィールドに記述して画像通信を制御する画像通信制御手段と
を具備し、
前記パケット制御部は、
呼接続に用いる短縮番号に対応して前記IFPパケット、前記T.30コマンドおよび画情報に対応するそれぞれのビット送出および解析順序を示す順序情報を設定する設定手段と、
前記短縮番号に対応して前記設定手段に設定された前記順序情報に基づき前記IFPパケット、前記T.30コマンドおよび画情報のビット送出および解析順序をそれぞれ制御する制御手段と
を具備する画像通信装置。
【請求項4】
T.38通信機能によりIFPパケットを送受するパケット制御部と、
T.30コマンドおよび画情報を前記IFPパケットのフィールドに記述して画像通信を制御する画像通信制御手段と
を具備し、
前記パケット制御部は、
発信側装置に対応して前記IFPパケット、前記T.30コマンドおよび画情報に対応するそれぞれのビット送出順序および解析順序を別々に示す第1の順序情報を設定する第1の設定手段と、
着信側装置に対応して前記IFPパケット、前記T.30コマンドおよび画情報に対応するそれぞれのビット送出順序および解析順序を別々に示す第2の順序情報を設定する第2の設定手段と
を具備し、
前記発信側装置では、前記第1の設定手段に設定された前記第1の順序情報に基づき前記IFPパケット、前記T.30コマンドおよび画情報のビット送出および解析順序をそれぞれ別々に制御し、
前記着信側装置では、前記第2の設定手段により設定された前記第2の順序情報に基づき前記IFPパケット、前記T.30コマンドおよび画情報のビット送出および解析順序をそれぞれ別々に制御する画像通信装置。
【請求項5】
T.38通信機能によりIFPパケットを送受するパケット制御部と、
T.30コマンドおよび画情報を前記IFPパケットのフィールドに記述して画像通信を制御する画像通信制御手段と
を具備し、
前記パケット制御部は、
前記IFPパケット、前記T.30コマンドおよび画情報に対応するそれぞれのビット送出および解析順序を示す第1の順序情報を設定する第1の設定手段と、
着信側装置に対応して前記IFPパケット、前記T.30コマンドおよび画情報に対応するそれぞれのビット送出順序を示す第2の順序情報を設定する第2の設定手段と
を具備し、
パケット送出時は、前記第1の設定手段に設定された前記第1の順序情報に基づき前記IFPパケット、前記T.30コマンドおよび画情報のビット送出を制御し、
パケット受信時は、前記第2の設定手段により設定された前記第2の順序情報に基づき前記IFPパケット、前記T.30コマンドおよび画情報のビット解析順序を制御する画像通信装置。
【請求項6】
SIPメッセージを用いて相手先とセッションを確立する呼接続制御手段と、
T.38通信機能によりIFPパケットを送受するパケット制御部と、
T.30コマンドおよび画情報を前記IFPパケットのフィールドに記述して画像通信を制御する画像通信制御手段と
を具備し、
前記呼接即制御手段は、
呼接続時に発信側から着信側に送信される招待SIPメッセージに発信側装置の製造元情報を設定するとともに、前記招待SIPメッセージに応答して着信側から発信側に送信される応答SIPメッセージに着信側装置の製造元情報を設定し、
前記パケット制御部は、
前記製造元情報に対応して前記IFPパケット、前記IFPT.30コマンドおよび画情報に対応するそれぞれのビット送出および解析順序を示す第1の順序情報を設定する第1の設定手段と、
着信時の前記IFPパケット、前記T.30コマンドおよび画情報に対応するそれぞれのビット送出および解析順序を示す第2の順序情報を設定する第2の設定手段と
を具備し、
発信時は、前記第1の設定手段に前記着信側装置の製造元情報に対応して設定された前記第1の順序情報に基づき前記IFPパケット、前記T.30コマンドおよび画情報のビット送出および解析順序をそれぞれ制御し、
着信時は、前記設定手段に設定された前記第2の順序情報に基づき前記IFPパケット、前記T.30コマンドおよび画情報のビット送出および解析順序をそれぞれ制御する画像通信装置。
【請求項7】
T.38通信機能によりIFPパケットを送受するパケット制御部と、
T.30コマンドおよび画情報を前記IFPパケットのフィールドに記述して画像通信を制御する画像通信制御手段と
を具備し、
前記パケット制御部は、
前記T.38通信機能による呼接続応答信号を受信した後、発信側で前記T.30コマンドが一定時間受信できない場合は、呼切断した後、相手機に再発信し、前記T.30コマンドおよび画情報のビット送出および解析順序を反転してT.30コマンドおよび画情報の送出および解析を行う画像通信装置。
【請求項8】
T.38通信機能によりIFPパケットを送受するパケット制御部と、
T.30コマンドおよび画情報を前記IFPパケットのフィールドに記述して画像通信を制御する画像通信制御手段と
を具備し、
前記パケット制御部は、
前記T.38通信機能による呼接続が正常に完了した後、発信側で呼接続応答コマンドが一定時間受信できない場合は、呼切断下後、相手機に再発信し、前記IFPパケットのビット送出および解析順序を反転してIFPパケットの送出および解析を行う画像通信装置。
【請求項9】
T.38通信機能によりIFPパケットを送受するパケット制御部と、
T.30コマンドおよび画情報を前記IFPパケットのフィールドに記述して画像通信を制御する画像通信制御手段と
を具備し、
前記パケット制御部は、
前記T.38通信機能による呼接続が正常に完了した後、前記T.30コマンドが着信側で一定時間受信できない場合は、呼切断した後、相手機からの再着信を待って、前記T.30コマンドおよび画情報のビット送出順序および解析順序を反転してT.30コマンドの送出および画情報の解析を行う画像通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−263320(P2010−263320A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−111280(P2009−111280)
【出願日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】