留め具セットおよび接続部品
【課題】一つの作業で締め付け具、カムの両方に回転力を与える事を可能とする留め具セットおよび接続部品を提供する。
【解決手段】第1の筐体1に係止させるためのストップ部と、ダボ体を第2の筐体2に収納されるカム3に掛合させるための係止塊とを有するダボ体5と、第2の筐体に収納されるカム体を第2の筐体に螺合させる締め付け部材4であって、締め付け部材に対する締め付け力を受けてカム体との間で所定の摩擦力を生じさせる第1の接触部を有する締め付け部材と、ダボ体の係止塊に掛合させるためのストッパと、締め付け部材との間で所定の摩擦力を生じさせる第2の接触部とを有するカム体とを有し、締め付け部材が締め付け方向に回転して第1の接触部と第2の接触部との間で生じた摩擦力によりカム体が回転し、ダボ体の係止塊とカム体のストッパとが互いに掛合してカム体がダボ体を引きつけることにより、第1の筐体と第2の筐体とを接続させる。
【解決手段】第1の筐体1に係止させるためのストップ部と、ダボ体を第2の筐体2に収納されるカム3に掛合させるための係止塊とを有するダボ体5と、第2の筐体に収納されるカム体を第2の筐体に螺合させる締め付け部材4であって、締め付け部材に対する締め付け力を受けてカム体との間で所定の摩擦力を生じさせる第1の接触部を有する締め付け部材と、ダボ体の係止塊に掛合させるためのストッパと、締め付け部材との間で所定の摩擦力を生じさせる第2の接触部とを有するカム体とを有し、締め付け部材が締め付け方向に回転して第1の接触部と第2の接触部との間で生じた摩擦力によりカム体が回転し、ダボ体の係止塊とカム体のストッパとが互いに掛合してカム体がダボ体を引きつけることにより、第1の筐体と第2の筐体とを接続させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筺体の接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
物体の接続構造の一例として、旋回孔を有するカムと係止塊を有するダボを使用する事がある。この構造ではダボの係止塊をカムの旋回孔に侵入させ、カムを回転させる事により、ダボの係止塊をカムに引掛け二つの物体を接続する事が出来る。例えば、特許文献1には、カムおよびダボを用いた物体の接続方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−56957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書の先行技術文献の様に、カムとダボを使用した物体の接続構造を二つの筺体の接続に用いると、ダボが回転するカムに引き付けられた後、接続された二つの筺体を引き離そうとする力に対し抵抗する力が働かないため、ダボの軸方向に引き離す力が加わると、カムはダボを引きつける回転方向とは逆方向に容易に回転し、筺体間の引き付け力が失われてしまう。
【0005】
カム及びダボを使用した接続構造において、カムが逆回転し引き付け力が失われてしまう事を防止するため、カムをカム側面から締め付け具にて筺体に押さえ付け固定する方法が考えられる。この方法のようにカムを回転させダボを引き付け、締め付け具を回転させ筺体に螺合するには、締め付け具に回転力を与える作業と、カムに回転力を与える作業の二つの作業が必要となり、非常に作業性が悪くより容易な方法が求められていた。
【0006】
上記課題を解決する為、本発明では一つの作業で締め付け具、カムの両方に回転力を与える事を可能とする留め具セットおよび接続部品を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる留め具セットは、第1の筐体と、前記第1の筐体とは異なる第2の筐体とを接続する留め具セットであって、前記第1の筐体に収納されるダボ体であって、前記第1の筐体に係止させるためのストップ部と、前記ダボ体を前記第2の筐体に収納されるカムに掛合させるための係止塊と、を有するダボ体と、前記第2の筐体に収納されるカム体を前記第2の筐体に螺合させる締め付け部材であって、前記締め付け部材に対する締め付け力を受けて前記カム体との間で所定の摩擦力を生じさせる第1の接触部を有する締め付け部材と、前記第2の筐体に収納されるカム体であって、前記ダボ体の係止塊に掛合させるためのストッパと、前記締め付け部材との間で所定の摩擦力を生じさせる第2の接触部とを有するカム体と、を有し、前記締め付け力を受けた前記締め付け部材が締め付け方向に回転して前記第1の接触部と前記第2の接触部との間で生じた摩擦力により前記カム体が前記締め付け方向に回転し、前記ダボ体の係止塊と前記カム体のストッパとが互いに掛合して前記カム体が前記ダボ体を引きつけることにより、前記ストップ部によって係止された前記第1の筐体と前記第2の筐体とを接続させる、ことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、上記留め具セットによって接続される接続部品である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、一つの作業で締め付け具、カムの両方に回転力を与え、筐体の接続を容易にさせる留め具セットおよび接続部品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態の分解斜視図である。
【図2】本発明の上部筺体の部位について説明する為の断面斜視図であり、図1のA部の拡大図である。
【図3】本発明のカムの外観斜視図である。
【図4】本発明のカムのダボ入口及び旋回孔を示した上面図である。
【図5】本発明のカムのダボ入口と、カムハウジングを示した断面図であり、図4のI−I部分の断面図である。
【図6】本発明の締め付け具を座面方向から示した外観斜視図である。
【図7】本発明の締め付け具を十字穴方向から示した外観斜視図である。
【図8】本発明のダボを示した外観斜視図である。
【図9】本発明のダボがダボ収納スペースに組み込まれた様子を示した接続部品の分解斜視図である。
【図10】本発明のダボがダボ収納スペースに組み込まれた様子を示した接続部品の拡大斜視図であり、図9のB部の拡大図である。
【図11】本発明のカムがカム収納スペースに組み込まれる様子を示した接続部品の拡大分解斜視図であり、図9のC部の拡大図である。
【図12】本発明の下部筺体と、下部筺体に挿入されるカム及び締め付け具の関係を説明する為の側面図である。
【図13】本発明の下部筺体と摩擦トルクを発生させるカムと締め付け具の接続構造を示した断面図であり、図12のII−II部分の断面図である。
【図14】本発明の摩擦トルクを発生させるカムエッジ部と摩擦フィンの接触部を説明するための拡大図であり、図12のD部の拡大図である。
【図15】本発明のダボを、下部筺体のダボ入口穴に挿入するように位置決めをしている様子を説明する為の図である。
【図16】本発明のダボが下部筺体のダボ入口穴と、カムのダボ入口に挿入された様子を説明する為の図である。
【図17A】本発明の締め付け具を回転させ、下部筺体のネジ穴に螺合すると同時にカムエッジ部と接触する事によって摩擦トルクを発生させ、カムも回転させている様子を説明する為の図である。
【図17B】図17AのIII−III部の断面拡大図である。
【図18】本発明のカムを回転後、ダボ係止塊とカムストッパーが接触したため停止し、その後締め付け具のみが回転して下部筺体のネジ結合穴に締まっている様子を説明する為の図である。
【図19A】本発明の締め付け具がカムを下部筺体に押さえ付け固定し、上部筺体と下部筺体がカムとダボによって接続される様子を説明する為の図である。
【図19B】図19AのIV−IV部の断面拡大図である。
【図20A】締め付け具の摩擦フィン後部がカムエッジ部に接触している締め付け具の回転前の初期の段階を示した図である。
【図20B】締め付け具が図20Aの初期の段階から45度回転した状態を示した図である。
【図20C】締め付け具が図20Bの段階からさらに45度回転した状態を示した図である。
【図21】本発明の接続を行うにあたり、上部筺体と下部筺体の基本形状が直方体でなく、筒状の例を示した斜視図である。
【図22】本発明の接続部品のカムのカムハウジング部と締め付け具の摩擦フィンが筒状の場合の例を示した斜視図である。
【図23】本発明の接続部品のカムのカムハウジング部が筒状で、締め付け具の摩擦フィンがねじれ無しの場合の例を示した斜視図である。
【図24】本発明の接続部品のカムのカムエッジ部数が奇数で、締め付け具の摩擦フィンが筒状の例を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明にかかる留め具セットおよび接続部品の実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。図1に示すように、本実施例における筐体の接続構造は、上部筺体1、下部筺体2、カム3、締め付け具4、そしてダボ5を備える。この接続構造は、カム3、締め付け具4、ダボ5を接続部品として使用し、上部筺体1と下部筺体2とを接続する構造となっている。なお、以下では、筐体の接続構造の例として、上部筐体および下部筐体を接続させる場合について説明しているが、右部筐体および左部筐体など、接続される筐体の向きはいずれの向きであってもよい。
【0012】
まず、図1及び図2を用いて本発明の接続を実施する為の各部品について説明する。図1は、本発明にかかる筐体の接続構造の分解斜視図である。図2は、本発明にかかる筐体の接続構造によって接続される上部筺体1の部位について説明する為の断面斜視図であり、図1の拡大図である。上部筺体1は、ダボ5を通す為のダボ出口穴1a、ダボ5を収納する為のダボ収納スペース1b、そしてダボ5が上部筺体1のダボ収納スペース1bからダボ出口穴1aを介して下方に挿入される際、ダボ出口穴1aを貫通して脱落するのを防止するため、ダボ中央軸5bに接触しダボ5を止めるためのダボストッパー1cから構成される。下部筺体2は、上部筺体1のダボ出口穴1aから伸びたダボ5を挿入する為のダボ入口穴2a、カム3をはめ込むためのカムはめ込みスペース2b、及び締め付け具4のネジ部4aが螺合するネジ結合穴2cを備える。
【0013】
次に、図3、図4、図5を用いて、カム3について説明する。図3は、カム3の外観斜視図であり、カム3はネジ受け面3a、旋回孔3b、ダボ入口3c、カム貫通穴3d、カムハウジング部3e、カムエッジ部3e1の部位から構成される。図4は、カム3のダボ入口3c及び旋回孔3bを示した上面図である。図5は、カム3のダボ入口3cと、カムハウジング部3eを示した断面図であり、図4のI−I部分の断面図である。旋回孔3bは、カム係止エッジ3b1、カム溝3b2、カムストッパー3b3の部位から構成される。本実施例のカム3は、カムハウジング部3eに4箇所のカムエッジ部3e1を有するが、側面から見て中心軸周りに円形パターンとなっていればその数に制限はない。
【0014】
次に、図6及び図7を用いて、締め付け具4について説明する。図6は、締め付け具4を座面4bの方向から示した外観斜視図である。図7は、締め付け具4を十字穴4cの方向から示した外観斜視図である。図6、図7に示すように、締め付け具4は、下部筺体2のネジ結合穴2cに螺合するネジ部4a、カム3を押さえつける座面4b、締め付け具4を締め付ける方向または締め付け具4を緩める方向に作用する力(第1の回転力)を受ける十字穴4c、カムエッジ部3e1に接触し、カム3に回転力を伝えるための摩擦フィン4e(接触する摩擦フィン4eの先端部(エッジ部)は摩擦フィン接触部4dと呼ぶ)から構成される。図7に示すように、1つの摩擦フィン4eが有する摩擦フィン接触部4dの一端(フィン前部4d1)と、その摩擦フィン4eに隣接する摩擦フィン4eが有する摩擦フィン接触部4dの一端(フィン後部4d3)とは、締め付け具4が回転力を受けて進む方向に平行な線Dの方向から見た場合に、互いに重なるような形状となっている。摩擦フィン4eがこのような形状を有しているため、カム3と締め付け具4の摩擦フィン4eとが常時接触した状態を保つことができ、後述するように、カム3は摩擦フィン4eから常に一定の回転力を受けて回転するようになっている。
【0015】
次に、図8を用いてダボ5の説明をする。図8は、本実施例におけるダボ5を示した外観斜視図である。図8に示すように、ダボ5は、係合軸5a、中央軸5b、ダボストップ面5cの部位から構成される。係合軸5aは挿入首部5a1、係止塊5a2の部位から構成される。
【0016】
次に、上部筺体1、下部筺体2を接続する為に用いる接続部品の組み立て手順を説明する。
【0017】
部品組み立て手順1:ダボ5と上部筺体1
図10は、本実施例におけるダボ5が、ダボ収納スペース1bに組み込まれた様子を示した拡大斜視図であり、図9のB部の拡大図である。本図を用いて上部筺体1にダボ5を収納する組み立て手順について説明する。ダボ5は、係合軸5aが、上部筺体1のダボ収納スペース1bのダボ出口穴1aから先に出る方向を下方に向けて、ダボ収納スペース1bに収納される。
【0018】
部品組み立て手順2:カム3と下部筺体2
図11は、本実施例におけるカムが、カム収納スペースに組み込まれる様子を示した拡大分解斜視図であり、図9のC部分の拡大図である。本図を用いて下部筺体2のカムはめ込みスペース2bにカム3をはめ込む手順を説明する。カム3をはめ込む方向は、カム側面裏3gが下部筺体2のカムはめ込みスペース2bに向く方向にはめ込む。カム3をカムはめ込みスペース2bにはめ込み後、カム3のダボ入口3cと下部筺体2のダボ入口穴2aの中心軸が一致していない場合、カム3を回転させ一致させる。
【0019】
部品組み立て手順3:締め付け具4とカム3
締め付け具4をカム3にはめ込む手順を説明する。図13は、下部筺体2と、摩擦トルクを発生させるカム3と締め付け具4の接続構造を示した断面図であり、図12のII−II部分の断面図である。図14は、本実施例における摩擦トルクを発生させるカムエッジ部3e1と摩擦フィン接触部4dを説明するための拡大図であり、図12のD部分の拡大図である。まず、締め付け具4をネジ部4aの先端からカム3のカムハウジング部3e側から挿入する。挿入の際、図13と図14に示すように、締め付け具4の中心軸から摩擦フィン4e先端までの長さは、カムハウジング部3eの中心軸からカムエッジ部3e1までの長さより長いため、接触する。図14に示した例では、ある1つの摩擦フィン4eが有する摩擦フィン接触部4d2が、フィン中間部4d2-2でカムエッジ部3e1に接触している様子を示している。このとき、その摩擦フィン4eの摩擦フィン接触部4d2のうちのフィン前部4d1−2は、隣接する摩擦フィン4eの摩擦フィン接触部4d3のうちのフィン後部4d3−3に重なった状態となっている。一方、その摩擦フィン4eの摩擦フィン接触部4d2のうちのフィン後部4d3−2は、隣接する摩擦フィン4eの摩擦フィン接触部4d1のうちのフィン前部4d1−1に重なった状態となっている。したがって、上述したように、カム3と締め付け具4の摩擦フィン4eとが常時接触した状態を保ちつつ、カム3は摩擦フィン4eから常に一定の回転力を受けて回転する。
【0020】
次に、カム3、締め付け具4、そしてダボ5を接続部品として使用し、上部筺体1と下部筺体2を接続する手順を、図15〜19Bを用いて説明する。
【0021】
図15は、本実施例におけるダボ5を、下部筺体2のダボ入口穴2aに挿入するように位置決めをしている様子を説明する為の図である。これらの接続を行うには、図15に示すように、先ずダボ5をダボ収納スペース1bから伸ばした状態にする。
【0022】
図16は、ダボ5が下部筺体2のダボ入口穴3cと、カム3のダボ入口2aに挿入された様子を説明する為の図である。ダボ5を伸ばした後、図16に示すように、ダボ5の中心軸と、ダボ入口穴2aの中心軸とが同一線上になる様に配置し、ダボ5を下部筺体2のダボ入口穴2aを貫通させてカム3のダボ入口3cに挿入する。
【0023】
図17A及び図17Bは、本実施例における締め付け具4が回転し、下部筺体2のネジ結合穴2cに螺合する際に、締め付け具4の摩擦フィン4eがカム3を側面から下部筺体2に押さえ付け、摩擦フィン4eがカムエッジ部3e1と接触している事によって摩擦トルクを発生させ、カム3が回転している様子を説明する為の図である。ダボ5をカム3に挿入後、図17Bに示すように、締め付け具4のネジ部4aが下部筺体2のネジ結合穴2cに締めこまれる様に十字穴4cを回転させると、締め付け具4の摩擦フィン接触部4dがカム3のカムエッジ部3e1と接触していることにより、カムエッジ部3e1に摩擦力を発生させ、カム3は締め付け具4の締め付け方向と同方向に回転する。
【0024】
図18は、本実施例におけるカム3を回転後、ダボ係止塊5a2とカムストッパー3b3が接触して掛合したため停止し、その後締め付け具4のみが回転して下部筺体2のネジ結合穴2cに締まっている様子を説明する為の図である。図18に示すように、カム3は、旋回孔3bのカムストッパー3b3がダボ係止塊5a2に接触するまで回転し、ダボ係止塊5a2にカムストッパー3b3が接触すると、両者が掛合し、回転が停止する。カム3がダボ係止塊5a2に接触後、締め付け具4にカム3と下部筺体2との間の静止摩擦力以上の回転力を与え続けると、摩擦フィン4eはカム3のカムエッジ部3e1を滑り、カム3と締め付け具4との間に発生する摩擦力により、カム3を締め付け具4の回転方向(締め付け方向)と同方向に回転させようとする力が働く。この様に、カム3が回転を続けようとする事によってカムストッパー3b3に掛合した状態にあるダボ係止塊5a2を回転方向(締め付け方向)に引きつける。その結果、ダボ5がさらに引き付けられ、ダボ5が組み込まれている上部筺体1は下部筺体2に強固に引き付けられる。
【0025】
図19A及び図19Bに示すように、図18に示した状態からさらに締め付け具4を回転させ続けると、締め付け具4がカム3をカム側面3f側から下部筺体2に押さえ付け、ネジ部4aと下部筺体2のネジ結合穴2cが螺合して固定される事によって、カム3が逆回転して上部筺体1と下部筺体2が緩まないように固定する事ができる。
【0026】
次に、図11を用いて、カムエッジ部3e1と、摩擦フィン4eとの間で摩擦力の発生する接点の数について説明する。カムエッジ部3e1と、摩擦フィン4eとの間にて摩擦力が発生する接点の数は、カムエッジ部3e1と摩擦フィン4eの形状によって決まる。摩擦フィン4eは、締め付け具4の回転軸を中心に、摩擦フィン4eの一端であるフィン前部4d1からフィン中間部4d2を通り、摩擦フィン4eの他端であるフィン後部4d3にかけてねじれている。このフィン前部4d1からフィン後部4d3までの角度をねじれ角度4fと呼ぶ。以下に、カムエッジ部3e1の数と摩擦フィン4eの枚数が同じ場合であり、1枚の摩擦フィン4eが接触しているカムエッジ部3e1との接点を1箇所とする場合の摩擦フィン4eのねじれ角度4fの計算方法を示す。
ねじれ角度4f=360°/(摩擦フィン4e枚数)
次に、各摩擦フィン4eとカムエッジ部3e1の接点をN箇所ずつにする場合のねじれ角度4fの計算方法を示す。
ねじれ角度4f=360°/(摩擦フィン4e枚数/N)
以上のように、摩擦フィン4eの枚数とカムエッジ部3e1の数とねじれ角度4fを設定する事によって、締め付け具4とカム3の間で同時に接触している接点の数を自由に設定する事ができる。以上の方法により回転中に接触箇所数に変化が無いように同時接触箇所数を設定すると、締め付け具4がねじれ方向に回転する際に発生する摩擦力が一定に保たれ、非常に安定した回転となり震えない等のメリットがある。
【0027】
次に、図20A〜20Cを用いて、摩擦フィン4eが4枚、ねじれ角度4fが90°、そしてカムエッジ部3e1が4箇所の場合における締め付け具4とカム3の接触のメカニズムを説明する。
【0028】
図20Aは、締め付け具4の摩擦フィン4e1が有する摩擦フィン後部4d3がカムエッジ部3e1に接触し、回転が始まる前の状態を示した図である。締め付け具4の十字穴4cに回転力を与えると、締め付け具4は回転を始める。図20Bは、図20Aに示した締め付け具4に回転力を与え、45度回転させた状態を示す図である。締め付け具4が45度回転すると、図20Bに示すように、摩擦フィン4e1とカムエッジ部3e1の接触箇所が、摩擦フィン後部4d3から摩擦フィン中間部4d2に移動する。
【0029】
図20Cは、締め付け具4が図20Bに示した状態からさらに45度回転した図である。図20Bに示した状態の締め付け具4に回転力を与え続けると、締め付け具4は回転を続け、摩擦フィン4e1とカムエッジ部3e1の接触箇所が、摩擦フィン中間部4d2から摩擦フィン前部4d1に移動する。そして、摩擦フィン4e1の摩擦フィン前部4d1がカムエッジ部3e1に達すると、次の隣接する摩擦フィン4e2の摩擦フィン後部4d3とカムエッジ部3e1の間に接触箇所が移行する。この締め付け具4の摩擦フィン4eとカムエッジ部3e1の接触のメカニズムが繰り返されることで、締め付け具4の回転中、カム3との接触箇所の数が変化ないため、一定の摩擦力を発生する事が出来る。
【0030】
次に、上述した実施例と同機能を有した各部品の形状のバリエーション(変形例)について説明する。先ず、本実施例の締め付け具4は、4箇所の摩擦フィン4eを有するが、0箇所(摩擦フィン4eが0箇所の場合、図22に示す締め付け具4の様に筒状となる)、または2箇所以上でありかつ中心軸周りに円形パターンであれば何箇所有しても良い。
【0031】
次に、上部筺体1と下部筺体2の形状のバリエーションについて説明する。本実施例の上部筺体1と下部筺体2は直方体を基本とした構造となっているが、カム3、締め付け具4、ダボ5を接続部品として使用する事が可能であれば、どの様な形状でも良い。例えば、図21に示すように、下部筺体2が筒状であり、上部筺体1が下部筺体2と接触可能な形状であってもよい。
【0032】
次に、カム3のカムエッジ部3e1と締め付け具4の摩擦フィン4eが特殊な形状と個数の組み合わせの例として、図22、図23、図24を用いて三つのバリエーションを説明する。図22は、カムエッジ部3e1と摩擦フィン4eが筒状である場合の組み合わせの例である。図23は、カムエッジ部3e1が筒状であり、摩擦フィン4eにねじれが無い場合の組み合わせの例である。図24は、カムエッジ部3e1の数が奇数であり(本図では三個の場合)、中心軸周りに円形パターンで、摩擦フィン4eが筒状の例である。このように、カム3と摩擦フィン4との間で摩擦力を生じさせるものであれば、その形状はいずれの形状であってもよい。
【0033】
最後に、本実施例の締め付け具4に回転力を与える為の十字穴4cの形状のバリエーションについて説明する。本実施例における接続構造にて回転力を締め付け具4に与える為には、十字穴4cに回転力を与えているが、この穴形状は、六角、トルクス形状の様に中心軸周りに回転トルクを与える事が可能であればどの様な形状でも良い。以上が、本発明にかかる筐体の接続構造における実施例と同機能を持った各部品の形状のバリエーションである。本発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。
【0034】
このように、本発明の接続構造は、上部筺体と、上部筺体に組み込まれ係止塊を有するダボと、締め付け具と、下部筺体と、内部に締め付け具がはめ込まれ下部筺体にはめ込まれるカムを有し、締め付け具に回転力を与え回転させると、この締め付け具の外周部はカムのハウジング部と接触しているため、接触部に摩擦力が発生する。この摩擦力によりカムに回転力が与えられ、カムは締め付け具と同方向に回転し、カムの旋回孔に係止塊が挿入されたダボを引き付ける。ダボを完全に引き付けた時点でカムの回転が止まる構造となっているが、締め付け具とカムの接触部は、締め付け具とカムの間の静止摩擦力以上の力を加えると滑る構造となっているため、締め付け具のみ回転を続け、ネジ部が下部筺体のネジ穴に締まる事によって間に在るカムを側面から下部筺体に押さえ付け、固定する事ができる。したがって、本発明の接続構造によると、締め付け具に回転力を与え回転させる事で、接触するカムとの間に発生する摩擦力を利用して、そのカムに回転力を伝達させる事が可能である。以上の回転力の伝達方法によると、一つの作業で締め付け具とカムに回転力を与える事ができ、接続作業が容易となる効果がある。
【符号の説明】
【0035】
1 上部筺体
1a ダボ出口穴
1b ダボ収納スペース
1c ダボストッパー
2 下部筺体
2a ダボ入口穴
2b カムはめ込みスペース
2c ネジ結合穴
3 カム
3a ネジ受け面
3b 旋回孔
3b1 カム係止エッジ
3b2 カム溝
3b3 カムストッパー
3c ダボ入口
3d カム貫通穴
3e カムハウジング部
3e1 カムエッジ部
3f カム側面
3g カム側面裏
4 締め付け具
4a ネジ部
4b 座面
4c 十字穴
4d 摩擦フィン接触部
4d1 フィン前部
4d2 フィン中間部
4d3 フィン後部
4e 摩擦フィン
4e1 摩擦フィンA
4e2 摩擦フィンB
4f ねじれ角度
5 ダボ
5a 係合軸
5a1 挿入首部
5a2 係止塊
5b 中央軸
5c ダボストップ面。
【技術分野】
【0001】
本発明は、筺体の接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
物体の接続構造の一例として、旋回孔を有するカムと係止塊を有するダボを使用する事がある。この構造ではダボの係止塊をカムの旋回孔に侵入させ、カムを回転させる事により、ダボの係止塊をカムに引掛け二つの物体を接続する事が出来る。例えば、特許文献1には、カムおよびダボを用いた物体の接続方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−56957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書の先行技術文献の様に、カムとダボを使用した物体の接続構造を二つの筺体の接続に用いると、ダボが回転するカムに引き付けられた後、接続された二つの筺体を引き離そうとする力に対し抵抗する力が働かないため、ダボの軸方向に引き離す力が加わると、カムはダボを引きつける回転方向とは逆方向に容易に回転し、筺体間の引き付け力が失われてしまう。
【0005】
カム及びダボを使用した接続構造において、カムが逆回転し引き付け力が失われてしまう事を防止するため、カムをカム側面から締め付け具にて筺体に押さえ付け固定する方法が考えられる。この方法のようにカムを回転させダボを引き付け、締め付け具を回転させ筺体に螺合するには、締め付け具に回転力を与える作業と、カムに回転力を与える作業の二つの作業が必要となり、非常に作業性が悪くより容易な方法が求められていた。
【0006】
上記課題を解決する為、本発明では一つの作業で締め付け具、カムの両方に回転力を与える事を可能とする留め具セットおよび接続部品を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる留め具セットは、第1の筐体と、前記第1の筐体とは異なる第2の筐体とを接続する留め具セットであって、前記第1の筐体に収納されるダボ体であって、前記第1の筐体に係止させるためのストップ部と、前記ダボ体を前記第2の筐体に収納されるカムに掛合させるための係止塊と、を有するダボ体と、前記第2の筐体に収納されるカム体を前記第2の筐体に螺合させる締め付け部材であって、前記締め付け部材に対する締め付け力を受けて前記カム体との間で所定の摩擦力を生じさせる第1の接触部を有する締め付け部材と、前記第2の筐体に収納されるカム体であって、前記ダボ体の係止塊に掛合させるためのストッパと、前記締め付け部材との間で所定の摩擦力を生じさせる第2の接触部とを有するカム体と、を有し、前記締め付け力を受けた前記締め付け部材が締め付け方向に回転して前記第1の接触部と前記第2の接触部との間で生じた摩擦力により前記カム体が前記締め付け方向に回転し、前記ダボ体の係止塊と前記カム体のストッパとが互いに掛合して前記カム体が前記ダボ体を引きつけることにより、前記ストップ部によって係止された前記第1の筐体と前記第2の筐体とを接続させる、ことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、上記留め具セットによって接続される接続部品である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、一つの作業で締め付け具、カムの両方に回転力を与え、筐体の接続を容易にさせる留め具セットおよび接続部品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態の分解斜視図である。
【図2】本発明の上部筺体の部位について説明する為の断面斜視図であり、図1のA部の拡大図である。
【図3】本発明のカムの外観斜視図である。
【図4】本発明のカムのダボ入口及び旋回孔を示した上面図である。
【図5】本発明のカムのダボ入口と、カムハウジングを示した断面図であり、図4のI−I部分の断面図である。
【図6】本発明の締め付け具を座面方向から示した外観斜視図である。
【図7】本発明の締め付け具を十字穴方向から示した外観斜視図である。
【図8】本発明のダボを示した外観斜視図である。
【図9】本発明のダボがダボ収納スペースに組み込まれた様子を示した接続部品の分解斜視図である。
【図10】本発明のダボがダボ収納スペースに組み込まれた様子を示した接続部品の拡大斜視図であり、図9のB部の拡大図である。
【図11】本発明のカムがカム収納スペースに組み込まれる様子を示した接続部品の拡大分解斜視図であり、図9のC部の拡大図である。
【図12】本発明の下部筺体と、下部筺体に挿入されるカム及び締め付け具の関係を説明する為の側面図である。
【図13】本発明の下部筺体と摩擦トルクを発生させるカムと締め付け具の接続構造を示した断面図であり、図12のII−II部分の断面図である。
【図14】本発明の摩擦トルクを発生させるカムエッジ部と摩擦フィンの接触部を説明するための拡大図であり、図12のD部の拡大図である。
【図15】本発明のダボを、下部筺体のダボ入口穴に挿入するように位置決めをしている様子を説明する為の図である。
【図16】本発明のダボが下部筺体のダボ入口穴と、カムのダボ入口に挿入された様子を説明する為の図である。
【図17A】本発明の締め付け具を回転させ、下部筺体のネジ穴に螺合すると同時にカムエッジ部と接触する事によって摩擦トルクを発生させ、カムも回転させている様子を説明する為の図である。
【図17B】図17AのIII−III部の断面拡大図である。
【図18】本発明のカムを回転後、ダボ係止塊とカムストッパーが接触したため停止し、その後締め付け具のみが回転して下部筺体のネジ結合穴に締まっている様子を説明する為の図である。
【図19A】本発明の締め付け具がカムを下部筺体に押さえ付け固定し、上部筺体と下部筺体がカムとダボによって接続される様子を説明する為の図である。
【図19B】図19AのIV−IV部の断面拡大図である。
【図20A】締め付け具の摩擦フィン後部がカムエッジ部に接触している締め付け具の回転前の初期の段階を示した図である。
【図20B】締め付け具が図20Aの初期の段階から45度回転した状態を示した図である。
【図20C】締め付け具が図20Bの段階からさらに45度回転した状態を示した図である。
【図21】本発明の接続を行うにあたり、上部筺体と下部筺体の基本形状が直方体でなく、筒状の例を示した斜視図である。
【図22】本発明の接続部品のカムのカムハウジング部と締め付け具の摩擦フィンが筒状の場合の例を示した斜視図である。
【図23】本発明の接続部品のカムのカムハウジング部が筒状で、締め付け具の摩擦フィンがねじれ無しの場合の例を示した斜視図である。
【図24】本発明の接続部品のカムのカムエッジ部数が奇数で、締め付け具の摩擦フィンが筒状の例を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明にかかる留め具セットおよび接続部品の実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。図1に示すように、本実施例における筐体の接続構造は、上部筺体1、下部筺体2、カム3、締め付け具4、そしてダボ5を備える。この接続構造は、カム3、締め付け具4、ダボ5を接続部品として使用し、上部筺体1と下部筺体2とを接続する構造となっている。なお、以下では、筐体の接続構造の例として、上部筐体および下部筐体を接続させる場合について説明しているが、右部筐体および左部筐体など、接続される筐体の向きはいずれの向きであってもよい。
【0012】
まず、図1及び図2を用いて本発明の接続を実施する為の各部品について説明する。図1は、本発明にかかる筐体の接続構造の分解斜視図である。図2は、本発明にかかる筐体の接続構造によって接続される上部筺体1の部位について説明する為の断面斜視図であり、図1の拡大図である。上部筺体1は、ダボ5を通す為のダボ出口穴1a、ダボ5を収納する為のダボ収納スペース1b、そしてダボ5が上部筺体1のダボ収納スペース1bからダボ出口穴1aを介して下方に挿入される際、ダボ出口穴1aを貫通して脱落するのを防止するため、ダボ中央軸5bに接触しダボ5を止めるためのダボストッパー1cから構成される。下部筺体2は、上部筺体1のダボ出口穴1aから伸びたダボ5を挿入する為のダボ入口穴2a、カム3をはめ込むためのカムはめ込みスペース2b、及び締め付け具4のネジ部4aが螺合するネジ結合穴2cを備える。
【0013】
次に、図3、図4、図5を用いて、カム3について説明する。図3は、カム3の外観斜視図であり、カム3はネジ受け面3a、旋回孔3b、ダボ入口3c、カム貫通穴3d、カムハウジング部3e、カムエッジ部3e1の部位から構成される。図4は、カム3のダボ入口3c及び旋回孔3bを示した上面図である。図5は、カム3のダボ入口3cと、カムハウジング部3eを示した断面図であり、図4のI−I部分の断面図である。旋回孔3bは、カム係止エッジ3b1、カム溝3b2、カムストッパー3b3の部位から構成される。本実施例のカム3は、カムハウジング部3eに4箇所のカムエッジ部3e1を有するが、側面から見て中心軸周りに円形パターンとなっていればその数に制限はない。
【0014】
次に、図6及び図7を用いて、締め付け具4について説明する。図6は、締め付け具4を座面4bの方向から示した外観斜視図である。図7は、締め付け具4を十字穴4cの方向から示した外観斜視図である。図6、図7に示すように、締め付け具4は、下部筺体2のネジ結合穴2cに螺合するネジ部4a、カム3を押さえつける座面4b、締め付け具4を締め付ける方向または締め付け具4を緩める方向に作用する力(第1の回転力)を受ける十字穴4c、カムエッジ部3e1に接触し、カム3に回転力を伝えるための摩擦フィン4e(接触する摩擦フィン4eの先端部(エッジ部)は摩擦フィン接触部4dと呼ぶ)から構成される。図7に示すように、1つの摩擦フィン4eが有する摩擦フィン接触部4dの一端(フィン前部4d1)と、その摩擦フィン4eに隣接する摩擦フィン4eが有する摩擦フィン接触部4dの一端(フィン後部4d3)とは、締め付け具4が回転力を受けて進む方向に平行な線Dの方向から見た場合に、互いに重なるような形状となっている。摩擦フィン4eがこのような形状を有しているため、カム3と締め付け具4の摩擦フィン4eとが常時接触した状態を保つことができ、後述するように、カム3は摩擦フィン4eから常に一定の回転力を受けて回転するようになっている。
【0015】
次に、図8を用いてダボ5の説明をする。図8は、本実施例におけるダボ5を示した外観斜視図である。図8に示すように、ダボ5は、係合軸5a、中央軸5b、ダボストップ面5cの部位から構成される。係合軸5aは挿入首部5a1、係止塊5a2の部位から構成される。
【0016】
次に、上部筺体1、下部筺体2を接続する為に用いる接続部品の組み立て手順を説明する。
【0017】
部品組み立て手順1:ダボ5と上部筺体1
図10は、本実施例におけるダボ5が、ダボ収納スペース1bに組み込まれた様子を示した拡大斜視図であり、図9のB部の拡大図である。本図を用いて上部筺体1にダボ5を収納する組み立て手順について説明する。ダボ5は、係合軸5aが、上部筺体1のダボ収納スペース1bのダボ出口穴1aから先に出る方向を下方に向けて、ダボ収納スペース1bに収納される。
【0018】
部品組み立て手順2:カム3と下部筺体2
図11は、本実施例におけるカムが、カム収納スペースに組み込まれる様子を示した拡大分解斜視図であり、図9のC部分の拡大図である。本図を用いて下部筺体2のカムはめ込みスペース2bにカム3をはめ込む手順を説明する。カム3をはめ込む方向は、カム側面裏3gが下部筺体2のカムはめ込みスペース2bに向く方向にはめ込む。カム3をカムはめ込みスペース2bにはめ込み後、カム3のダボ入口3cと下部筺体2のダボ入口穴2aの中心軸が一致していない場合、カム3を回転させ一致させる。
【0019】
部品組み立て手順3:締め付け具4とカム3
締め付け具4をカム3にはめ込む手順を説明する。図13は、下部筺体2と、摩擦トルクを発生させるカム3と締め付け具4の接続構造を示した断面図であり、図12のII−II部分の断面図である。図14は、本実施例における摩擦トルクを発生させるカムエッジ部3e1と摩擦フィン接触部4dを説明するための拡大図であり、図12のD部分の拡大図である。まず、締め付け具4をネジ部4aの先端からカム3のカムハウジング部3e側から挿入する。挿入の際、図13と図14に示すように、締め付け具4の中心軸から摩擦フィン4e先端までの長さは、カムハウジング部3eの中心軸からカムエッジ部3e1までの長さより長いため、接触する。図14に示した例では、ある1つの摩擦フィン4eが有する摩擦フィン接触部4d2が、フィン中間部4d2-2でカムエッジ部3e1に接触している様子を示している。このとき、その摩擦フィン4eの摩擦フィン接触部4d2のうちのフィン前部4d1−2は、隣接する摩擦フィン4eの摩擦フィン接触部4d3のうちのフィン後部4d3−3に重なった状態となっている。一方、その摩擦フィン4eの摩擦フィン接触部4d2のうちのフィン後部4d3−2は、隣接する摩擦フィン4eの摩擦フィン接触部4d1のうちのフィン前部4d1−1に重なった状態となっている。したがって、上述したように、カム3と締め付け具4の摩擦フィン4eとが常時接触した状態を保ちつつ、カム3は摩擦フィン4eから常に一定の回転力を受けて回転する。
【0020】
次に、カム3、締め付け具4、そしてダボ5を接続部品として使用し、上部筺体1と下部筺体2を接続する手順を、図15〜19Bを用いて説明する。
【0021】
図15は、本実施例におけるダボ5を、下部筺体2のダボ入口穴2aに挿入するように位置決めをしている様子を説明する為の図である。これらの接続を行うには、図15に示すように、先ずダボ5をダボ収納スペース1bから伸ばした状態にする。
【0022】
図16は、ダボ5が下部筺体2のダボ入口穴3cと、カム3のダボ入口2aに挿入された様子を説明する為の図である。ダボ5を伸ばした後、図16に示すように、ダボ5の中心軸と、ダボ入口穴2aの中心軸とが同一線上になる様に配置し、ダボ5を下部筺体2のダボ入口穴2aを貫通させてカム3のダボ入口3cに挿入する。
【0023】
図17A及び図17Bは、本実施例における締め付け具4が回転し、下部筺体2のネジ結合穴2cに螺合する際に、締め付け具4の摩擦フィン4eがカム3を側面から下部筺体2に押さえ付け、摩擦フィン4eがカムエッジ部3e1と接触している事によって摩擦トルクを発生させ、カム3が回転している様子を説明する為の図である。ダボ5をカム3に挿入後、図17Bに示すように、締め付け具4のネジ部4aが下部筺体2のネジ結合穴2cに締めこまれる様に十字穴4cを回転させると、締め付け具4の摩擦フィン接触部4dがカム3のカムエッジ部3e1と接触していることにより、カムエッジ部3e1に摩擦力を発生させ、カム3は締め付け具4の締め付け方向と同方向に回転する。
【0024】
図18は、本実施例におけるカム3を回転後、ダボ係止塊5a2とカムストッパー3b3が接触して掛合したため停止し、その後締め付け具4のみが回転して下部筺体2のネジ結合穴2cに締まっている様子を説明する為の図である。図18に示すように、カム3は、旋回孔3bのカムストッパー3b3がダボ係止塊5a2に接触するまで回転し、ダボ係止塊5a2にカムストッパー3b3が接触すると、両者が掛合し、回転が停止する。カム3がダボ係止塊5a2に接触後、締め付け具4にカム3と下部筺体2との間の静止摩擦力以上の回転力を与え続けると、摩擦フィン4eはカム3のカムエッジ部3e1を滑り、カム3と締め付け具4との間に発生する摩擦力により、カム3を締め付け具4の回転方向(締め付け方向)と同方向に回転させようとする力が働く。この様に、カム3が回転を続けようとする事によってカムストッパー3b3に掛合した状態にあるダボ係止塊5a2を回転方向(締め付け方向)に引きつける。その結果、ダボ5がさらに引き付けられ、ダボ5が組み込まれている上部筺体1は下部筺体2に強固に引き付けられる。
【0025】
図19A及び図19Bに示すように、図18に示した状態からさらに締め付け具4を回転させ続けると、締め付け具4がカム3をカム側面3f側から下部筺体2に押さえ付け、ネジ部4aと下部筺体2のネジ結合穴2cが螺合して固定される事によって、カム3が逆回転して上部筺体1と下部筺体2が緩まないように固定する事ができる。
【0026】
次に、図11を用いて、カムエッジ部3e1と、摩擦フィン4eとの間で摩擦力の発生する接点の数について説明する。カムエッジ部3e1と、摩擦フィン4eとの間にて摩擦力が発生する接点の数は、カムエッジ部3e1と摩擦フィン4eの形状によって決まる。摩擦フィン4eは、締め付け具4の回転軸を中心に、摩擦フィン4eの一端であるフィン前部4d1からフィン中間部4d2を通り、摩擦フィン4eの他端であるフィン後部4d3にかけてねじれている。このフィン前部4d1からフィン後部4d3までの角度をねじれ角度4fと呼ぶ。以下に、カムエッジ部3e1の数と摩擦フィン4eの枚数が同じ場合であり、1枚の摩擦フィン4eが接触しているカムエッジ部3e1との接点を1箇所とする場合の摩擦フィン4eのねじれ角度4fの計算方法を示す。
ねじれ角度4f=360°/(摩擦フィン4e枚数)
次に、各摩擦フィン4eとカムエッジ部3e1の接点をN箇所ずつにする場合のねじれ角度4fの計算方法を示す。
ねじれ角度4f=360°/(摩擦フィン4e枚数/N)
以上のように、摩擦フィン4eの枚数とカムエッジ部3e1の数とねじれ角度4fを設定する事によって、締め付け具4とカム3の間で同時に接触している接点の数を自由に設定する事ができる。以上の方法により回転中に接触箇所数に変化が無いように同時接触箇所数を設定すると、締め付け具4がねじれ方向に回転する際に発生する摩擦力が一定に保たれ、非常に安定した回転となり震えない等のメリットがある。
【0027】
次に、図20A〜20Cを用いて、摩擦フィン4eが4枚、ねじれ角度4fが90°、そしてカムエッジ部3e1が4箇所の場合における締め付け具4とカム3の接触のメカニズムを説明する。
【0028】
図20Aは、締め付け具4の摩擦フィン4e1が有する摩擦フィン後部4d3がカムエッジ部3e1に接触し、回転が始まる前の状態を示した図である。締め付け具4の十字穴4cに回転力を与えると、締め付け具4は回転を始める。図20Bは、図20Aに示した締め付け具4に回転力を与え、45度回転させた状態を示す図である。締め付け具4が45度回転すると、図20Bに示すように、摩擦フィン4e1とカムエッジ部3e1の接触箇所が、摩擦フィン後部4d3から摩擦フィン中間部4d2に移動する。
【0029】
図20Cは、締め付け具4が図20Bに示した状態からさらに45度回転した図である。図20Bに示した状態の締め付け具4に回転力を与え続けると、締め付け具4は回転を続け、摩擦フィン4e1とカムエッジ部3e1の接触箇所が、摩擦フィン中間部4d2から摩擦フィン前部4d1に移動する。そして、摩擦フィン4e1の摩擦フィン前部4d1がカムエッジ部3e1に達すると、次の隣接する摩擦フィン4e2の摩擦フィン後部4d3とカムエッジ部3e1の間に接触箇所が移行する。この締め付け具4の摩擦フィン4eとカムエッジ部3e1の接触のメカニズムが繰り返されることで、締め付け具4の回転中、カム3との接触箇所の数が変化ないため、一定の摩擦力を発生する事が出来る。
【0030】
次に、上述した実施例と同機能を有した各部品の形状のバリエーション(変形例)について説明する。先ず、本実施例の締め付け具4は、4箇所の摩擦フィン4eを有するが、0箇所(摩擦フィン4eが0箇所の場合、図22に示す締め付け具4の様に筒状となる)、または2箇所以上でありかつ中心軸周りに円形パターンであれば何箇所有しても良い。
【0031】
次に、上部筺体1と下部筺体2の形状のバリエーションについて説明する。本実施例の上部筺体1と下部筺体2は直方体を基本とした構造となっているが、カム3、締め付け具4、ダボ5を接続部品として使用する事が可能であれば、どの様な形状でも良い。例えば、図21に示すように、下部筺体2が筒状であり、上部筺体1が下部筺体2と接触可能な形状であってもよい。
【0032】
次に、カム3のカムエッジ部3e1と締め付け具4の摩擦フィン4eが特殊な形状と個数の組み合わせの例として、図22、図23、図24を用いて三つのバリエーションを説明する。図22は、カムエッジ部3e1と摩擦フィン4eが筒状である場合の組み合わせの例である。図23は、カムエッジ部3e1が筒状であり、摩擦フィン4eにねじれが無い場合の組み合わせの例である。図24は、カムエッジ部3e1の数が奇数であり(本図では三個の場合)、中心軸周りに円形パターンで、摩擦フィン4eが筒状の例である。このように、カム3と摩擦フィン4との間で摩擦力を生じさせるものであれば、その形状はいずれの形状であってもよい。
【0033】
最後に、本実施例の締め付け具4に回転力を与える為の十字穴4cの形状のバリエーションについて説明する。本実施例における接続構造にて回転力を締め付け具4に与える為には、十字穴4cに回転力を与えているが、この穴形状は、六角、トルクス形状の様に中心軸周りに回転トルクを与える事が可能であればどの様な形状でも良い。以上が、本発明にかかる筐体の接続構造における実施例と同機能を持った各部品の形状のバリエーションである。本発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。
【0034】
このように、本発明の接続構造は、上部筺体と、上部筺体に組み込まれ係止塊を有するダボと、締め付け具と、下部筺体と、内部に締め付け具がはめ込まれ下部筺体にはめ込まれるカムを有し、締め付け具に回転力を与え回転させると、この締め付け具の外周部はカムのハウジング部と接触しているため、接触部に摩擦力が発生する。この摩擦力によりカムに回転力が与えられ、カムは締め付け具と同方向に回転し、カムの旋回孔に係止塊が挿入されたダボを引き付ける。ダボを完全に引き付けた時点でカムの回転が止まる構造となっているが、締め付け具とカムの接触部は、締め付け具とカムの間の静止摩擦力以上の力を加えると滑る構造となっているため、締め付け具のみ回転を続け、ネジ部が下部筺体のネジ穴に締まる事によって間に在るカムを側面から下部筺体に押さえ付け、固定する事ができる。したがって、本発明の接続構造によると、締め付け具に回転力を与え回転させる事で、接触するカムとの間に発生する摩擦力を利用して、そのカムに回転力を伝達させる事が可能である。以上の回転力の伝達方法によると、一つの作業で締め付け具とカムに回転力を与える事ができ、接続作業が容易となる効果がある。
【符号の説明】
【0035】
1 上部筺体
1a ダボ出口穴
1b ダボ収納スペース
1c ダボストッパー
2 下部筺体
2a ダボ入口穴
2b カムはめ込みスペース
2c ネジ結合穴
3 カム
3a ネジ受け面
3b 旋回孔
3b1 カム係止エッジ
3b2 カム溝
3b3 カムストッパー
3c ダボ入口
3d カム貫通穴
3e カムハウジング部
3e1 カムエッジ部
3f カム側面
3g カム側面裏
4 締め付け具
4a ネジ部
4b 座面
4c 十字穴
4d 摩擦フィン接触部
4d1 フィン前部
4d2 フィン中間部
4d3 フィン後部
4e 摩擦フィン
4e1 摩擦フィンA
4e2 摩擦フィンB
4f ねじれ角度
5 ダボ
5a 係合軸
5a1 挿入首部
5a2 係止塊
5b 中央軸
5c ダボストップ面。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の筐体と、前記第1の筐体とは異なる第2の筐体とを接続する留め具セットであって、
前記第1の筐体に収納されるダボ体であって、前記第1の筐体に係止させるためのストップ部と、前記ダボ体を前記第2の筐体に収納されるカムに掛合させるための係止塊と、を有するダボ体と、
前記第2の筐体に収納されるカム体を前記第2の筐体に螺合させる締め付け部材であって、前記締め付け部材に対する締め付け力を受けて前記カム体との間で所定の摩擦力を生じさせる第1の接触部を有する締め付け部材と、
前記第2の筐体に収納されるカム体であって、前記ダボ体の係止塊に掛合させるためのストッパと、前記締め付け部材との間で所定の摩擦力を生じさせる第2の接触部とを有するカム体と、を有し、
前記締め付け力を受けた前記締め付け部材が締め付け方向に回転して前記第1の接触部と前記第2の接触部との間で生じた摩擦力により前記カム体が前記締め付け方向に回転し、前記ダボ体の係止塊と前記カム体のストッパとが互いに掛合して前記カム体が前記ダボ体を引きつけることにより、前記ストップ部によって係止された前記第1の筐体と前記第2の筐体とを接続させる、
ことを特徴とする留め具セット。
【請求項2】
前記締め付け部材の第1の接触部は複数のフィンから構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の留め具セット。
【請求項3】
前記カム体の第2の接触部は複数のエッジ部を有している、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の留め具セット。
【請求項4】
前記フィンの一端が隣接するフィンの他端にかけてねじれた形状となっている、
ことを特徴とする請求項2または3に記載の留め具セット。
【請求項5】
前記第1の筐体は前記ダボ体を収納するダボ収納部を有し、前記第2の筐体は前記カム体を収納するカム収納部を有する、
ことを特徴とする請求項1〜4に記載の留め具セット。
【請求項6】
前記締め付け部材は、前記締め付け力によって、前記カム体の側面から前記第2の筐体に、前記カム体を押さえつける、
ことを特徴とする請求項1〜5に記載の留め具セット。
【請求項7】
第1の筐体と、前記第1の筐体とは異なる第2の筐体とが留め具セットによって接続された接続部品であって、
前記留め具セットは、前記第1の筐体に収納されるダボ体であって、前記第1の筐体に係止させるためのストップ部と、前記ダボ体を前記第2の筐体に収納されるカムに掛合させるための係止塊と、を有するダボ体と、前記第2の筐体に収納されるカム体を前記第2の筐体に螺合させる締め付け部材であって、前記締め付け部材に対する締め付け力を受けて前記カム体との間で所定の摩擦力を生じさせる第1の接触部を有する締め付け部材と、前記第2の筐体に収納されるカム体であって、前記ダボ体の係止塊に掛合させるためのストッパと、前記締め付け部材との間で所定の摩擦力を生じさせる第2の接触部とを有するカム体と、を有し、
前記第1の筐体は、前記ダボ体を収納するダボ収納部を有し、
前記第2の筐体は、前記カム体を収納するカム収納部を有し、
前記締め付け力を受けた前記締め付け部材が締め付け方向に回転して前記第1の接触部と前記第2の接触部との間で生じた摩擦力により前記カム体が前記締め付け方向に回転し、前記ダボ体の係止塊と前記カム体のストッパとが互いに掛合して前記カム体が前記ダボ体を引きつけることにより、前記ストップ部によって係止された前記第1の筐体と前記第2の筐体とが接続されている、
ことを特徴とする接続部品。
【請求項1】
第1の筐体と、前記第1の筐体とは異なる第2の筐体とを接続する留め具セットであって、
前記第1の筐体に収納されるダボ体であって、前記第1の筐体に係止させるためのストップ部と、前記ダボ体を前記第2の筐体に収納されるカムに掛合させるための係止塊と、を有するダボ体と、
前記第2の筐体に収納されるカム体を前記第2の筐体に螺合させる締め付け部材であって、前記締め付け部材に対する締め付け力を受けて前記カム体との間で所定の摩擦力を生じさせる第1の接触部を有する締め付け部材と、
前記第2の筐体に収納されるカム体であって、前記ダボ体の係止塊に掛合させるためのストッパと、前記締め付け部材との間で所定の摩擦力を生じさせる第2の接触部とを有するカム体と、を有し、
前記締め付け力を受けた前記締め付け部材が締め付け方向に回転して前記第1の接触部と前記第2の接触部との間で生じた摩擦力により前記カム体が前記締め付け方向に回転し、前記ダボ体の係止塊と前記カム体のストッパとが互いに掛合して前記カム体が前記ダボ体を引きつけることにより、前記ストップ部によって係止された前記第1の筐体と前記第2の筐体とを接続させる、
ことを特徴とする留め具セット。
【請求項2】
前記締め付け部材の第1の接触部は複数のフィンから構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の留め具セット。
【請求項3】
前記カム体の第2の接触部は複数のエッジ部を有している、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の留め具セット。
【請求項4】
前記フィンの一端が隣接するフィンの他端にかけてねじれた形状となっている、
ことを特徴とする請求項2または3に記載の留め具セット。
【請求項5】
前記第1の筐体は前記ダボ体を収納するダボ収納部を有し、前記第2の筐体は前記カム体を収納するカム収納部を有する、
ことを特徴とする請求項1〜4に記載の留め具セット。
【請求項6】
前記締め付け部材は、前記締め付け力によって、前記カム体の側面から前記第2の筐体に、前記カム体を押さえつける、
ことを特徴とする請求項1〜5に記載の留め具セット。
【請求項7】
第1の筐体と、前記第1の筐体とは異なる第2の筐体とが留め具セットによって接続された接続部品であって、
前記留め具セットは、前記第1の筐体に収納されるダボ体であって、前記第1の筐体に係止させるためのストップ部と、前記ダボ体を前記第2の筐体に収納されるカムに掛合させるための係止塊と、を有するダボ体と、前記第2の筐体に収納されるカム体を前記第2の筐体に螺合させる締め付け部材であって、前記締め付け部材に対する締め付け力を受けて前記カム体との間で所定の摩擦力を生じさせる第1の接触部を有する締め付け部材と、前記第2の筐体に収納されるカム体であって、前記ダボ体の係止塊に掛合させるためのストッパと、前記締め付け部材との間で所定の摩擦力を生じさせる第2の接触部とを有するカム体と、を有し、
前記第1の筐体は、前記ダボ体を収納するダボ収納部を有し、
前記第2の筐体は、前記カム体を収納するカム収納部を有し、
前記締め付け力を受けた前記締め付け部材が締め付け方向に回転して前記第1の接触部と前記第2の接触部との間で生じた摩擦力により前記カム体が前記締め付け方向に回転し、前記ダボ体の係止塊と前記カム体のストッパとが互いに掛合して前記カム体が前記ダボ体を引きつけることにより、前記ストップ部によって係止された前記第1の筐体と前記第2の筐体とが接続されている、
ことを特徴とする接続部品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17A】
【図17B】
【図18】
【図19A】
【図19B】
【図20A】
【図20B】
【図20C】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
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【図4】
【図5】
【図6】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17A】
【図17B】
【図18】
【図19A】
【図19B】
【図20A】
【図20B】
【図20C】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2012−219878(P2012−219878A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−84854(P2011−84854)
【出願日】平成23年4月6日(2011.4.6)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月6日(2011.4.6)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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