説明

留置カテーテルの抜去補助具

【課題】軽い力で体腔内固定具を確実に変形させて瘻孔から引き抜くことができる留置カテーテル抜去補助具を提供する。
【解決手段】胃瘻カテーテル4のチューブ本体41を内部に挿通可能な内筒3と、内筒3の外周面に装着される外筒2とを備える。外筒本体21と内筒本体31は、先端部に傾斜する外筒切欠部及び内筒切欠部32を備える。外筒2と内筒3は、相対的に180°軸方向に回転可能に組み付けられている。外筒切欠部及び内筒切欠部32の切欠方向を合わせて内筒3の内部に胃瘻カテーテル4を挿入し、外筒2及び内筒3を瘻孔Aに挿入する。内筒3を回転させてバンパー42を外筒切欠部及び内筒切欠部32で挟持する。その後、ガイドワイヤ5を瘻孔Aに留置した状態で抜去補助具1を胃瘻カテーテル4と共に抜去する。これにより、手技による患者への負担を軽減する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、胃や膀胱等の体腔内に留置される留置カテーテルを抜去する際に用いる補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の留置カテーテル用抜去補助具としては、例えば下記特許文献1に開示されたものが知られている。当該特許文献1では、チューブの先端部にチューブの外径よりも大径に形成されたバンパーを備えた瘻孔カテーテルを抜去する補助具が開示されている。当該補助具は、チューブの外径とほぼ同径の内径を有する円筒部材を備えており、この円筒部材の内部にチューブを後端部から挿入し、その状態で円筒部材を瘻孔に挿入して先端部を体腔内に挿入する。この状態からチューブを後方に引っ張ることで、バンパーを変形させて円筒部材内部に引き込み、円筒部内からバンパーを外部に引き出すことができるとしている。
【0003】
しかしながら、チューブの外径とほぼ同様の内径を有する円筒部材内に、チューブの外径よりも大径となっているバンパーを引き込むのは実際には容易ではない。術者がバンパーを円筒部材内に引き込もうとして円筒部材に対してチューブを後方に強く引っ張ると、チューブの先端からバンパーが外れてしまうおそれがある。また、チューブを強く引っ張った場合、円筒部材を強い力で押さえておかなければならないが、円筒部材に強い力を加えた場合、円筒部材が瘻孔の軸方向或いは径方向に動いて患者に苦痛を与えるおそれもある。
【特許文献1】特開2005−168980号公報、段落0018、0019、図5
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、体腔内に留置される留置カテーテルを抜去する際に用いる補助具の改良を目的とし、さらに詳しくは前記不都合を解消するために、軽い力で体腔内固定具を確実に変形させて瘻孔から引き抜くことができる留置カテーテル抜去補助具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために、本発明の留置カテーテルの抜去補助具は、瘻孔を介して先端が体腔内に挿入される可撓性を有するチューブ本体と、前記チューブ本体の先端に設けられ体腔内からのチューブ本体の抜出しを規制する可撓性を有する椀状の体腔内固定部とを備える留置カテーテルを体腔内から抜去するための抜去補助具であって、瘻孔に挿入される外筒と、前記外筒内に挿入され内部に前記チューブ本体を挿通可能な内筒とを有し、前記外筒は、体腔内部に挿入される先端部に前記体腔内固定部に対面するように切り欠かれた外筒切欠部が設けられ、前記内筒は、体腔内部に挿入される先端部に前記体腔内固定部に対面するように切り欠かれた内筒切欠部が設けられ、前記外筒内に前記内筒を挿入して前記外筒切欠部と前記内筒切欠部の切欠方向を揃えた状態で、前記チューブ本体の後端側を前記内筒の先端側から挿入し、瘻孔を介して体腔内に各先端部が到達するように前記外筒及び内筒を挿入し、前記チューブ本体を後方に引っ張ることにより前記体腔内固定部を前記内筒切欠部に対面させ、前記外筒又は前記内筒のいずれか一方又は双方を軸回りに回転させて前記外筒切欠部と前記内筒切欠部により前記体腔内固定部を挟持し、前記留置カテーテルと少なくとも前記内筒とを瘻孔を介して体腔内から抜去可能に形成されていることを特徴とする。
【0006】
本発明の留置カテーテルの抜去補助具によれば、前記外筒及び内筒を外筒切欠部と内筒切欠部の切欠方向を揃えた状態で体腔内に挿入し、その状態で前記チューブ本体を後方に引っ張るため、前記体腔内固定部が前記内筒切欠部に対面する形となる。このような状態にするためには、前記体腔内固定部を無理矢理変形させる必要がないため、従来の補助具に比べて小さい力でチューブ本体を引っ張ればよい。そして、前記外筒又は内筒を軸回りに回転させて前記外筒切欠部と前記内筒切欠部により前記体腔内固定部を挟持する。前記外筒及び内筒の先端にはそれぞれ切欠部が形成されているため、前記外筒又は前記内筒を軸回りに回転させることで前記体腔内固定部を変形させて前記外筒切欠部及び前記内筒切欠部との間に挟持することができる。このように前記体腔内固定部を各切欠部で挟持したときは、体腔内固定具が前記外筒及び内筒の外周側への突出量を小さくすることができる。従って、この状態で瘻孔から前記外筒、内筒及び瘻孔カテーテルを抜去した際には、患者に与える苦痛を極力小さくすることができる。
【0007】
また、本発明の留置カテーテルの抜去補助具では、前記外筒を瘻孔に挿入した状態で瘻孔カテーテル及び内筒のみを抜去することもできる。この場合、体腔内固定部は既に外筒切欠部と内筒切欠部との間に挟持されて小さく折り畳まれているため、前記外筒の内部を通すことも容易となる。また、この場合、瘻孔に瘻孔カテーテル及び内筒が触れないので、患者に苦痛を与えることがない。また、前記外筒が瘻孔内に残されているので、瘻孔カテーテルを交換する場合、新たな瘻孔カテーテルを前記外筒を介して体腔内に挿入することも容易となる。
【0008】
また、本発明の留置カテーテルの抜去補助具において、前記外筒切欠部及び前記内筒切欠部は、前記外筒及び内筒の先端部に向けて斜めに傾斜していることが好ましい。このように前記外筒切欠部及び前記内筒切欠部が斜めに傾斜しているときは、前記外筒又は前記内筒を回転させて前記体内固定部を挟持する際に、前記体内固定部が前記外筒又は内筒の回転と共に徐々に変形されていく。このため、前記体内固定部の変形が円滑に行われる。
【0009】
また、本発明の留置カテーテルの抜去補助具においては、前記内筒切欠部近傍の内周面に前記体腔内固定部を変形させる変形突起を備えていることが好ましい。前記内筒切欠部の内周面に前記変形突起が設けられていることにより、前記外筒及び内筒に対して前記チューブ本体を後方に引っ張った際に前記体腔内固定部が前記変形突起を基点にして変形する。これにより、前記変形突起がない場合に比べて、前記体腔内固定部の変形が円滑に行われるので、前記体腔内固定部を速やかに変形させることができ、その後の前記外筒又は内筒の回転操作も容易となる。また、前記変形突起は、前記内筒の正面視中央よりも回転方向側に若干ずれた位置に設けることが好ましい。前記変形突起がない状態で前記体腔内固定部を変形させる場合、前記内筒の正面視中央よりも回転方向側に若干ずれた位置から変形が始まることが多いため、当該変形が始まる位置に前記変形突起を設けることにより、前記体腔内固定部の変形がより円滑に行われる。
【0010】
また、本発明の留置カテーテルの抜去補助具においては、前記外筒の外周面より内側に線状又は棒状の一時留置部材を案内する案内通路が設けられていることが好ましい。留置カテーテルを単に抜去するのではなく、交換して新たな留置カテーテルを取り付ける場合には、新たな留置カテーテルを瘻孔を介して体腔内に挿入する必要がある。その際、瘻孔内にガイドワイヤのような線状又は棒状の一時留置部材を留置しておけば、新たな留置カテーテルを挿入する際に容易に挿入が可能となる。また、前記案内通路は、前記外筒の外周面より内側に設けられているため、前記一時留置部材を瘻孔内に挿入する際にも瘻孔に触れないので患者に苦痛を与えることがない。
【0011】
また、本発明の留置カテーテルの抜去補助具においては、前記内筒の壁面が軸方向に亘って直線状に内方に変形され、前記変形突起と前記案内通路が一体に形成されていることが好ましい。このように、前記変形突起と前記案内通路とを一体に形成することにより、前記内筒の製造時の加工が容易となる。
【0012】
また、本発明の留置カテーテルの抜去補助具においては、前記外筒は、筒状の外筒本体と、前記外筒本体の後端部から径方向外方に突出し前記外筒切欠部の方向が識別可能な外筒フランジ部とを備え、前記内筒は、筒状の内筒本体と、前記内筒本体の後端部から径方向外方に突出し前記内筒切欠部の方向が識別可能な内筒フランジ部とを備え、前記外筒及び内筒は軸回りに180゜回転可能に組み付けられていることが好ましい。当該構成によれば、前記外筒フランジ部及び内筒フランジ部は前記外筒切欠部及び前記内筒切欠部の方向を識別することができるので、前記外筒及び内筒の先端部を体腔内に挿入している場合でも、各切欠部の方向を把握することができる。さらに、前記外筒及び内筒は軸回りに180゜回転可能に組み付けられているため、前記外筒切欠部の対面側に前記内筒切欠部を位置させることが容易となる。
【0013】
また、本発明の留置カテーテルの抜去補助具においては、前記内筒フランジ部に、前記体腔内固定部を前記内筒切欠部に対面させた状態で保持できるように、前記チューブ本体を挟持する挟持溝が設けられていることが好ましい。当該構成によれば、前記チューブ本体を前記挟持溝に挟持した状態で前記外筒又は内筒を軸回りに回転させることができるため、操作が容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、本発明の留置カテーテルの抜去補助具の実施形態の一例について、図1乃至図6を参照して説明する。図1は本発明の実施形態の一例である胃瘻カテーテル抜去補助具(以下単に「抜去補助具」という。)を示す説明図、図2は図1の抜去補助具の分解図、図3は図1のIII−III線断面図、図4(a)乃至(c)は胃瘻カテーテルを内部に挿入した状態で抜去補助具を瘻孔内に挿入させる手順を示す説明図、図5(a)乃至(d)は胃瘻カテーテルの胃内固定部を変形させて瘻孔から抜去する際の手順を示す説明図、図6(a)及び(b)は内筒に設けられた変形突起の変形例を示す説明図である。
【0015】
本実施形態の抜去補助具1は、図1に示すように、胃瘻(瘻孔)A内に挿入される外筒2と、外筒2内に挿入されて内部に胃瘻カテーテル(瘻孔カテーテル)4のチューブ本体41を挿入可能な内筒3とを備えている。
【0016】
外筒2は、図1乃至図3に示すように、外筒本体21と外筒フランジ部22とからなる。外筒本体21は、合成樹脂製の円筒部材であり、先端部に先端側に向けて傾斜する外筒切欠部23を有している。また、外筒フランジ部22は、外筒本体21の基端側(図1における上側)に設けられており、外筒本体21の外周面よりも外方に突出している。外筒フランジ部22の上方には、筒状で上方に延出された外筒延出部24が設けられている。外筒延出部24の周壁には、約180゜の範囲で周壁を貫通する回転スリット25が設けられている。この回転スリット25には、図2の一部拡大図に示すように、外筒2に対する内筒3の位置を安定させるために突起26が設けられている。また、外筒切欠部23の切欠方向には、外筒フランジ部22の表面に切欠方向を表示する切欠表示27が設けられている。
【0017】
内筒3は、図1乃至図3に示すように、内筒本体31と内筒フランジ部32とからなる。内筒本体31は、合成樹脂製の円筒部材であり、先端部に先端側に向けて傾斜する内筒切欠部33を有している。また、切欠部33が設けられている内筒31の内周面には、径方向内方に半球状に突出する変形突起33aが設けられている。この変形突起33aは、図1乃至図3に示すように、内筒31の正面視中央から回転方向側にずれた位置に設けられている。また、図2に示すように、内筒本体31の基端側で、内筒切欠部33の切欠方向の周壁に係止ピン34が取り付けられる。この係止ピン34は、上述の外筒フランジ部22に設けられた回転スリット25内を移動するものである。
【0018】
また、内筒フランジ部32は、内筒本体31の基端側に設けられており、内筒本体31の外周面よりも外方に突出している。内筒フランジ部32の上部には、胃瘻カテーテル4のチューブ本体41を挟持可能な挟持溝35が設けられている。本実施形態では、この挟持溝35は内筒本体31の切欠方向に設けられており、内筒フランジ部32における切欠標示となっている。また、内筒フランジ部32には、内筒本体31の外周面に向けて貫通する案内孔36が設けられている。また、図3に示すように、内筒本体31の外周面において、内筒切欠部33の切欠方向とは逆の位置に、軸方向に向けて延びる案内溝37が設けられている。本実施形態では、この案内孔36と案内溝37と外筒本体21の内周面とによって、ガイドワイヤ5を挿通する案内通路38を形成している。
【0019】
上記構成の外筒2と内筒3とは、図2に示すように、内筒本体31の先端部を外筒2の基端側から挿入し、回転スリット25内に係止ピン34を挿入し、係止ピン34を内筒本体31に設けられた穴に取り付ける。これにより、内筒3が外筒2から抜け出ないようになる。また、外筒2と内筒3とは、回転スリット25と係止ピン34とにより、約180゜相対的に回転可能となっている。また、外筒2と内筒3とは、図1に示す状態と、180゜相対的に回転した状態において、回転スリット25内に設けられた突起26と係止ピン34によって軽く位置決めされるようになっている。
【0020】
次に、上記構成の抜去補助具1を用いて胃瘻カテーテル4を抜去する際の手順を図4及び図5を参照して説明する。図4(a)は、胃瘻カテーテル4が胃瘻Aを介して胃の内部に挿入されている状態を示している。図中符号Bは腹壁、符号Cは胃壁である。胃瘻カテーテル4は、図4(a)に示すように、チューブ本体41とバンパー42とを有するいわゆるバンパータイプの胃瘻カテーテルである。
【0021】
まず、図4(a)に示すように、内筒3内にチューブ本体41が通るように胃瘻カテーテル4のチューブ本体41の後端を抜去補助具1の内筒3内に挿入する。このとき、予め内筒フランジ部32の挟持溝35と外筒フランジ部22の切欠表示27の向きを合わせて、外筒切欠部23と内筒切欠部33の切欠方向が同一となるようにしておく。
【0022】
次に、図4(b)に示すように、抜去補助具1の先端部を胃瘻A内に挿入する。このとき、抜去補助具1の先端部には外筒切欠部23及び内筒切欠部33が設けられているため、円滑に胃瘻A内に抜去補助具1を挿入することができる。
【0023】
次に、抜去補助具1を術者が手で押さえ、チューブ本体41を後方に引っ張る。すると、図4(c)に示すように、内筒切欠部33と外筒切欠部23の切欠面にバンパー42が対面するようになると共に、バンパー42が縮まるように変形する。このとき、バンパー42において、変形突起33aに当接している箇所から折り畳まれていき、変形が円滑に行われる。次に、この状態でチューブ本体41を内筒フランジ部32の挟持溝35に挟持させる。これにより、術者がチューブ本体41から手を離してもバンパー42が図4(c)の状態で保持される。
【0024】
次に、術者が外筒2を手で押さえておき、図5(a)に示すように、内筒フランジ部32を軸周りに回転させる。図5(a)では約90°回転させた状態を示している。このように、外筒2に対して内筒3を回転させると、内筒切欠部33に対面しているバンパー42が徐々に内筒切欠部33と外筒切欠部23に挟まれていき、小さく変形する。そして、図5(b)に示すように、外筒2に対して内筒3を180゜回転させると、バンパー42が内筒切欠部33と外筒切欠部23との間に挟持される。これにより、バンパー42がほぼ外筒本体21の外径よりも内側に納まるように変形される。
【0025】
次に、図5(c)に示すように、抜去補助具1を介してガイドワイヤ5を胃内に挿入する。このガイドワイヤ5は、胃瘻カテーテル4を単に抜去するだけでなく、新たな胃瘻カテーテル4と交換をする際に用いられる。このガイドワイヤ5は、この種の胃瘻造設手技に用いられる一般的なものを用いる。術者は、ガイドワイヤ5の先端部を内筒フランジ部32の案内孔36に挿入し、案内通路38を通して内筒本体31及び外筒本体21の先端部より胃内に挿入する。
【0026】
次に、図5(d)に示すように、ガイドワイヤ5を胃瘻Aに留置したまま、抜去補助具1を胃瘻Aから抜き取る。以上の手技により、胃瘻Aを介して胃内に留置されていた胃瘻カテーテル4を抜去することができる。
【0027】
なお、上記実施形態においては、外筒切欠部23及び内筒切欠部33を、先端側に向けて傾斜する形状としているが、これに限らず、円弧状の傾斜としてもよく、他の形状としても良い。また、上記実施形態では、体腔として胃を例にして説明したが、膀胱や気管等、他の体腔にも本発明の抜去補助具を使用することができる。
【0028】
また、上記嫉視形態においては、変形突起33aを半球状に突出する形状としているが、これに限らず、図6(a)に示すように、内筒31の内周面に軸方向に延びる三角柱状の変形突起33bとしてもよい。また、図6(b)に示すように、内筒31を軸方向に全体的に変形させて内部が中空の三角柱状の変形突起33cとしてもよい。この場合、この変形突起33cと案内溝37とを一体に形成することができる。
【0029】
また、上記実施形態では、外筒2と内筒3とを係止ピン34を用いて係止しているが、これに限らず、外筒2と内筒3とを係止せずに抜き差し自在としてもよい。これにより、例えば、図5(b)の状態で、外筒2を瘻孔A内に留置したまま、内筒3と胃瘻カテーテル4とを抜去することができる。この場合、外筒フランジ部22の内部に弁構造等を設けて胃内の気体が外筒2から外部にもれないようにすることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施形態の一例である胃瘻カテーテル抜去補助具を示す説明図。
【図2】図1の抜去補助具の分解図。
【図3】図1のIII−III線断面図。
【図4】(a)乃至(c)は胃瘻カテーテルが胃内に留置された状態で抜去補助具を瘻孔内に挿入させる手順を示す説明図。
【図5】(a)乃至(d)は胃瘻カテーテルの胃内固定部を変形させて瘻孔から抜去する際の手順を示す説明図。
【図6】(a)及び(b)は内筒に設けられた変形突起の変形例を示す説明図。
【符号の説明】
【0031】
1…抜去補助具、2…外筒、3…内筒、4…胃瘻カテーテル(留置カテーテル)、21…外筒本体、22…外筒切欠部、31…内筒本体、32…内筒切欠部、41…チューブ本体、42…バンパー(体腔内固定部)、A…胃瘻(瘻孔)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
瘻孔を介して先端が体腔内に挿入される可撓性を有するチューブ本体と、前記チューブ本体の先端に設けられ体腔内からのチューブ本体の抜出しを規制する可撓性を有する椀状の体腔内固定部とを備える留置カテーテルを体腔内から抜去するための抜去補助具であって、
瘻孔に挿入される外筒と、前記外筒内に挿入され内部に前記チューブ本体を挿通可能な内筒とを有し、
前記外筒は、体腔内部に挿入される先端部に前記体腔内固定部に対面するように切り欠かれた外筒切欠部が設けられ、
前記内筒は、体腔内部に挿入される先端部に前記体腔内固定部に対面するように切り欠かれた内筒切欠部が設けられ、
前記外筒内に前記内筒を挿入して前記外筒切欠部と前記内筒切欠部の切欠方向を揃えた状態で、前記チューブ本体の後端側を前記内筒の先端側から挿入し、瘻孔を介して体腔内に各先端部が到達するように前記外筒及び内筒を挿入し、
前記チューブ本体を後方に引っ張ることにより前記体腔内固定部を前記内筒切欠部に対面させ、前記外筒又は前記内筒のいずれか一方又は双方を軸回りに回転させて前記外筒切欠部と前記内筒切欠部により前記体腔内固定部を挟持し、少なくとも前記内筒と前記留置カテーテルとを瘻孔を介して体腔内から抜去可能に形成されていることを特徴とする留置カテーテルの抜去補助具。
【請求項2】
前記外筒切欠部及び前記内筒切欠部は、前記外筒及び内筒の先端部に向けて斜めに傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の留置カテーテル抜去補助具。
【請求項3】
前記内筒切欠部近傍の内周面に前記体腔内固定部を変形させる変形突起を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の留置カテーテル抜去補助具。
【請求項4】
前記外筒の外周面より内側に線状又は棒状の一時留置部材を案内する案内通路が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の留置カテーテルの抜去補助具。
【請求項5】
前記内筒の壁面が軸方向に亘って直線状に内方に変形され、前記変形突起と前記案内通路が一体に形成されていることを特徴とする請求項3及び4に記載の留置カテーテルの抜去補助具。
【請求項6】
前記外筒は、筒状の外筒本体と、前記外筒本体の後端部から径方向外方に突出し前記外筒切欠部の方向が識別可能な外筒フランジ部とを備え、
前記内筒は、筒状の内筒本体と、前記内筒本体の後端部から径方向外方に突出し前記内筒切欠部の方向が識別可能な内筒フランジ部とを備え、
前記外筒及び内筒は軸回りに180゜回転可能に組み付けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の留置カテーテルの抜去補助具。
【請求項7】
前記内筒フランジ部に、前記体腔内固定部を前記内筒切欠部に対面させた状態で保持できるように、前記チューブ本体を挟持する挟持溝が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の留置カテーテルの抜去補助具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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