説明

留置針

【課題】誤刺を防止する留置針であって、一度本体内に収納した注射針が再度本体から外部に突出することのない留置針を提供する。
【解決手段】本発明は、筒状の本体4から注射針2が突出した状態で穿刺可能であり、使用後は注射針2の針先が本体内に収納される留置針1に関する。留置針1を廃棄するときは、係合部材の係合を外すことにより、コイルスプリング8の付勢力により注射針2及び針基3が本体4の後方に移動される。針基3とコイルスプリング8の当接面は、本体4の軸方向と垂直な面に対して傾斜しており、針基3にはコイルスプリング8の付勢力が斜め方向から付与される。これにより、コイルスプリング8が弓状に折れ曲がった状態となる。従って、仮にチューブ7によって針基3が後方から押された場合であっても、注射針2及び針基3は斜め方向に押されるので、本体4の前方開口4bから外部に突出することがない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば点滴等に用いられる留置針に関する。
【背景技術】
【0002】
医療用針を取り扱う場合、使用後に誤刺が発生しないように、注射針の針先を何らかの手段で保護することが行われている。例えば、下記特許文献1に開示された医療用針は採血等に用いられる針であり、注射針と、この注射針の後方部分を保持する針基と、使用後に注射針及び針基を内部に収納可能なケースとを備えている。そして、当該医療用針では、ケース内に針基を傾斜させるための溝を有し、針基には前記溝に案内される突起を有し、針基を収納する際に前記溝で前記突起を案内している。当該構成により、一度ケース内に収納された針基及び注射針が再度ケースから突出しないようにすることが可能であるとしている。
【0003】
しかしながら、当該医療用針は、針基の後方部分にケースから突出するチューブ等が接続されていない医療用針に関するものである。仮に当該構成をケースから突出するチューブが接続された留置針に適用した場合、何らかの原因によりチューブがケースに対して前方に押し込まれると、針基の突起が前記溝に案内されて前方に押されることとなり、注射針の針先がケースの先端から突出するおそれがある。
【特許文献1】特表2004−538103号公報(フロントページ他)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、留置針の改良を目的とし、さらに詳しくは前記不都合を解消するために、一度本体内に収納した注射針が針基に接続されたチューブ等によって前方に押し込まれた場合であっても針先が本体から外部に突出することのない留置針を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために、本発明の第1の態様の留置針は、筒状の本体から注射針が突出した状態で穿刺可能であり、使用後は前記注射針の針先が本体内に収納される留置針であって、前記注射針の後方部分を固定する筒状の針基と、前記注射針の外周側に配置されると共に前記本体内に収納され前記針基を前記本体の後方に付勢するコイルスプリングと、前記針基に接続されて前記本体の後方から導出されるチューブと、前記針基に係合し前記本体の前方位置に前記針基を保持すると共に前記本体から遠ざかる方向に移動された際に前記針基との係合が解除される係合手段とを備え、前記本体は、前端部に前記コイルスプリングの前端部を係止すると共に前記注射針を挿通可能な前方開口が設けられた前壁部と、前記係合手段の係合が解除された際に前記針基の後端部に当接すると共に前記チューブを挿通可能な後方開口が設けられた後壁部とを有し、前記針基は前記コイルスプリングの後端部を受ける面に本体の軸方向と垂直な面に対して前記コイルスプリングの後端部を所定方向に傾斜させる後方傾斜部を備え、前記本体内で傾動可能に形成されていることを特徴とする。
【0006】
本発明の第1の態様の留置針によれば、前記係合手段と前記針基との係合を解除して前記注射針及び前記針基を前記本体内に収納したときは、前記針基に設けられた後方傾斜部により前記コイルスプリングの後方部分が傾斜した状態となるため、前記コイルスプリングは前記本体内で弓形に湾曲した状態となる。従って、前記針基には前記コイルスプリングの湾曲によってその付勢力が斜め方向から加えられる。このような状態から、前記チューブが前記本体内に押し込まれたときは、前記チューブは前記針基の前記コイルスプリングによる斜め方向の付勢力に抗して押し込まれるため、前記針基は斜め方向に押し込まれることになる。前記針基は前記本体内で傾動可能であるため、前記針基の前方に固定されている注射針の針先は前記前方開口からずれた方向に押され、前記前壁部に当接するので、前記前方開口からは突出しない。また、前記コイルスプリングはコイル状に巻かれた線材であるので、前記コイルスプリングが弓状になった状態で前方に押されると、前記注射針の針先はその線材の間に差し込まれるため、針先が前記前方開口からの突出が防止される。このように、本発明の留置針は、前記針基に前記後方傾斜部を設けるという簡易な構成により前記本体内に収納された注射針の外部への突出を防止することができる。
【0007】
また、本発明の第1の態様の留置針においては、前記前壁部は、前記本体の軸方向と垂直な面に対して前記針基の後方傾斜部と対称の傾斜を有する前方傾斜部を備えていることが好ましい。前記前壁部に前記前方傾斜部を設けることにより、前記注射針及び前記針基が前記本体内に収納された際には、前記コイルスプリングの湾曲がさらに強調される。従って、前記針基を斜めに付勢する力が強化されるため、前記注射針の針先の前記前方開口からの突出をさらに抑制することができる。
【0008】
また、本発明の第1の態様の留置針においては、前記本体は、前記係合手段の係合が解除された際に、前記コイルスプリングの後端部の傾斜角度を増加させる方向に前記針基を傾斜させる傾斜案内部を備えていることが好ましい。このように、前記針基が前記本体の後方位置に移動された際に、前記針基を傾斜させたときは、前記コイルスプリングの湾曲がさらに強くなる。このため、前記注射針の針先の前記前方開口からの突出をさらに抑制することができる。また、この場合、前記コイルスプリングの湾曲を強化できればよいので、上記特許文献1のように前記針基を大きく傾斜させる必要がない。従って、前記本体に前記傾斜案内部を設けた場合であっても、前記本体の周方向への拡大を最小限に抑えることができる。
【0009】
また、前記目的を達成するために、本発明の第2の態様の留置針は、筒状の本体から注射針が突出した状態で穿刺可能であり、使用後は前記注射針の針先が本体内に収納される留置針であって、前記注射針の後方部分を固定する筒状の針基と、前記注射針の外周側に配置されると共に前記本体内に収納され前記針基を前記本体の後方に付勢するコイルスプリングと、前記針基に接続されて前記本体の後方から導出されるチューブと、前記針基に係合し前記本体の前方位置に前記針基を保持すると共に前記本体から遠ざかる方向に移動された際に前記針基との係合が解除される係合手段とを備え、前記本体は、前端部に前記コイルスプリングの前端部を係止すると共に前記注射針を挿通可能な前方開口が設けられた前壁部と、前記係合手段の係合が解除された際に前記針基の後端部に当接すると共に前記チューブを挿通可能な後方開口が設けられた後壁部とを有し、前記前壁部は前記コイルスプリングの前端部を受ける面に本体の軸方向と垂直な面に対して前記コイルスプリングの前端部を所定方向に傾斜させる前方傾斜部を備え、前記針基が前記本体内で傾動可能に形成されていることを特徴とする。
【0010】
前記第1の態様の留置針が、前記針基に前記後方傾斜部を設けることを特徴としているのに対し、この第2の態様の留置針においては、前記前壁部に前記コイルスプリングを傾斜させる前方傾斜部を備えていることを特徴としている。当該構成によっても、上記第1の態様と同様に、前記注射針及び前記針基が前記本体内に収納された際に前記コイルスプリングを湾曲させることができる。従って、前記注射針の針先が前記前方開口から突出することを防止することができる。
【0011】
また、本発明の第2の態様の留置針においては、前記本体は、前記係合手段の係合が解除された際に、前記本体の軸方向と垂直な面に対して前記コイルスプリングの後端部を前記前方傾斜部と対称に傾斜する方向に前記針基を傾斜させる第2の傾斜案内部を備えていることが好ましい。このような第2の傾斜案内部をさらに備えることにより、前記注射針及び前記針基が前記本体内に収納された際に前記コイルスプリングをさらに湾曲させることができるため、前記注射針の針先の前記前方開口からの突出をさらに抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、本発明の留置針の実施形態の一例について、図1乃至図7を参照して説明する。図1は第1の実施形態の留置針を示す説明的斜視図、図2は図1のII−II線の一部断面を示す説明的断面図、図3は針及び針基が本体内に収納された状態を平面から見た断面を示す説明的断面図、図4は注射針及び針基が本体内に収納された状態を示す説明的断面図、図5は図4の留置針を平面から見た状態を示す説明的断面図、図6は第2の実施形態の留置針を平面から見た状態を示す説明的断面図、図7は第2の実施形態の留置針において針及び針基が本体内に収納された状態を平面から見た断面を示す説明的断面図である。
【0013】
まず、第1の実施形態の留置針1について図1乃至図5を参照して説明する。なお、本願では、注射針の針先が示す方向を前方、チューブが接続されている方向を後方として説明を行う。第1の実施形態の留置針1は、図1に示すように、直接患者に穿刺して留置する留置針であり、注射針2と、注射針2の後方部分に固定された筒状の針基3と、針基3を保持している筒状の本体4と、本体4の上方に配置されたレバー5aを備えた係合部材5と、本体4から横方向に突出する翼部6と、本体4の後方から導出されるチューブ7とを備えている。また、本体4の内部には、図2に示すように、コイルスプリング8が内蔵されている。
【0014】
注射針2は、通常広く用いられているステンレススチール製の中空針であり、その後方部分が針基3と一体成形されて固定されている。
【0015】
針基3は合成樹脂製であり、図2に示すように、注射針2の後方部分を保持する第1小径部3aと、第1小径部3aの後方に位置して第1小径部3aと共に注射針を保持する第2小径部3bと、第2小径部3bの後方に位置してチューブ7が接続される大径部3cとを備えている。大径部3cの先端部には、図3に示すように、注射針2の軸方向に垂直な面に対して傾斜する後方傾斜面3d(後方傾斜部)が形成されている。また、大径部3cの外径は、本体4の内径よりも小径となっており、大径部3cが本体4内である程度傾斜することが可能な構成となっている。また、第2小径部3bの外径は、コイルスプリング8の内径よりも小径となっており、コイルスプリング8が径方向にある程度自由に変形できるようになっている。また、図2及び図3に示すように、針基3が本体4の前方部分に保持されているときは、針基3がコイルスプリング8によって本体4の後方に向けて付勢された状態となっている。
【0016】
本体4は、図1に示すように、全体として筒状であり、前端部には前壁部4aが設けられ、この前壁部4aには針基3の第1小径部3aが挿通可能な前方開口4bが設けられている。また、図2に示すように、その後端部には後壁部4cが設けられており、この後壁部4cにはチューブ7が挿通可能な後方開口4dが設けられている。また、本体4の内部には、図3に示すように、後方部分に内周面に緩い傾斜を有する傾斜案内部4eが設けられている。この傾斜案内部4eは、図5に示すように、針基3が本体4の後方位置に移動された際に、針基3の後方傾斜面3dの傾斜をさらに大きくする方向に傾斜が設けられている。また、本体4は、図2に示すように、針基3が前方位置に保持されている状態で、針基3の第2小径部3bと大径部3cとを収納し、さらにコイルスプリング8を収納している。また、本体4の長さは、図5に示すように、注射針2及び針基3を内部に収納できる長さとなっている。
【0017】
係合部材5は、図2に示すように、本体4の外方に突出するレバー5aと、本体4の内部に突出し針基3の大径部3cの後端部を係止する係合爪5bとを有している。本実施形態においては、係合部材5は本体4の前壁部4aを含む一体成形品であり、本体4の一部を構成している。翼部6は、図1に示すように本体4の前方部分から横方向に延びており、本実施形態では本体4と一体に形成されている。
【0018】
また、コイルスプリング8は、図3に示すように、針基3が本体4の前方位置に係止されているときは、針基3の第2小径部3bの外周を囲むように装着されている。また、その前端部は前壁部4aに当接し、その後端部は針基3の後方傾斜面3dに当接している。このように、コイルスプリング8は、その後端部が後方傾斜面3dに当接しているため、図3に示すように本体4の内部で弓状に湾曲した状態で収納されている。また、コイルスプリング8は、図4及び図5に示すような針基3が本体4の後方位置に押し込まれた状態においても、その前端部が本体4の前壁部4aに当接し、その後端部が後方傾斜面3dに当接するような長さとなっている。
【0019】
本実施形態の留置針1は、使用前及び使用時においては、図1乃至図3に示すように、本体4の前方開口4bから注射針2及び針基3の第1小径部3aが突出しており、本体4の後方開口4dからチューブ7が導出されている。この状態で患者に穿刺し、翼部6を利用して患者の皮膚に本体4を固定し、点滴等を行う。
【0020】
本実施形態の留置針1を廃棄するときは、図4に示すように、作業者はレバー5aを本体4から離す方向に持ち上げる。すると、係合部材5の係合爪5bが針基3の後端部から外れるため、針基3はコイルスプリング8の付勢力により本体4の後方に押し込まれる。このとき、コイルスプリング8は針基3に設けられた後方傾斜面3dによってその後方部分に傾斜が生じるため、図5に示すように、本体4内で湾曲した状態となる。また、針基3の大径部3cが本体4の後端部近傍に設けられた傾斜案内部4eに沿って本体4内で傾斜した形で収納される。これにより、コイルスプリング8の本体4内での湾曲がさらに大きくなっている。また、注射針2の針先は本体4内に収納され、針基3の傾斜に応じてコイルスプリング8の内側に押し付けられた状態となっている。
【0021】
このように、針基3が本体4の後方に押し込まれた状態で、何らかの原因によりチューブ7が本体4の先端方向に押し込まれた場合は、湾曲したコイルスプリング8の付勢力に抗して針基3が押し込まれることになる。また、針基3は傾斜案内部4eにより傾斜した状態となっている。従って、針基3がチューブ7により前方に押し込まれた場合は、針基3の前方に設けられている注射針2の針先は、本体4の前方開口4bから横方向(図5において上方向)にずれて前壁部4aに当接する。また、注射針2の針先はコイルスプリング8の内面に押し付けられているため、その状態で前方に移動させると、注射針2の針先がコイルスプリング8の線材の間に進入するため、針先がコイルスプリング8の前端開口、即ち本体4の前方開口4bに案内されることがない。これにより、一度本体4内に収納された注射針2が、再度本体4から外部に突出することが防止される。
【0022】
次に、本実施形態の第2の実施形態について、図6及び図7を参照して説明する。この第2の実施形態の留置針1’は、外見上は図1に示す第1の実施形態の留置針1と同様である。一方、図6に示すように、第2の実施形態の留置針1においては、本体4の前壁部4aに前方傾斜部4fが設けられている。この前方傾斜部4fは、前壁部4aの一部(図6において下方)に、後方に向けて突出する凸部を設けることにより形成されている。第2の実施形態においては、コイルスプリング8の先端部がこの前方傾斜部4fに当接しているため、図6において上方に湾曲するように本体4内に収納されている。また、傾斜案内部4e(第2の傾斜案内部)は、コイルスプリング8の後端部が、本体4の軸方向に垂直な面に対して前方傾斜部4fによって傾けられるコイルスプリング8の先端部とは対称となるように針基3を傾けるように構成されている。
【0023】
その他、上記第1の実施形態の留置針1と異なる点は、第2の実施形態の留置針1’では、針基3に後方傾斜面3dが設けられていない点である。その他の点は上記第1の実施形態と同様の構成であるので、上記実施形態と同様の構成については図面において同様の符号を付すことにより詳細な説明は省略する。
【0024】
第2の実施形態の留置針1’は、上述のような構成となっているため、使用前及び使用時においては、図6に示すように、本体4の前方開口4bから注射針2及び針基3の第1小径部3aが突出しており、本体4の後方開口4dからチューブ7が導出されている。この状態で患者に穿刺し、翼部6を利用して患者の皮膚に本体4を固定し、点滴等を行う。
【0025】
第2の実施形態の留置針1’を廃棄するときは、レバー5aを持ち上げて係合部材5の係合爪5bが針基3の後端部から外すと(図4参照)、針基3はコイルスプリング8の付勢力により本体4の後方に押し込まれる。このとき、コイルスプリング8は前壁部4aに設けられた前方傾斜部4fによってその前方部分に傾斜が生じるため、図7に示すように、本体4内で湾曲した状態となる。また、針基3の大径部3cが本体4の後端部近傍に設けられた傾斜案内部4eに沿って本体4内で傾斜した形で収納される。これにより、コイルスプリング8の本体4内での湾曲がさらに大きくなっている。また、注射針2の針先は本体4内に収納され、針基3の傾斜に応じてコイルスプリング8の内側に押し付けられた状態となっている。
【0026】
従って、第2の実施形態の留置針1’においても、針基3が本体4の後方に押し込まれた状態で、何らかの原因によりチューブ7が本体4の先端方向に押し込まれた場合は、上記第1の実施形態と同様に、注射針2の本体4の前方開口4bから横方向(図7において上方向)にずれて前壁部4aに当接することになるので、一度本体4内に収納された注射針2が、再度本体4から外部に突出することが防止される。
【0027】
なお、上記第1及び第2の実施形態においては、それぞれ後方傾斜面3dと前方傾斜部4fとを設けているが、これに限らず、後方傾斜面3dと前方傾斜部4fの両方を備えるものであってもよい。また、前記第1の実施形態における後方傾斜部は後方傾斜面3dとなっているが、これに限らず、前方傾斜部4fのように段差を設けてもよい。逆に、前方傾斜部4fは段差により形成されているが、これに限らず、後方傾斜面3dのように傾斜面で形成してもよい。また、上記実施形態としては、留置針として翼部6を有するいわゆる翼状針を例にして説明したが、これに限らず、翼部のない留置針に用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】第1の実施形態の留置針を示す説明的斜視図。
【図2】図1のII−II線の一部断面を示す説明的断面図。
【図3】針及び針基が本体内に収納された状態を平面から見た断面を示す説明的断面図。
【図4】注射針及び針基が本体内に収納された状態を示す説明的断面図。
【図5】図4の留置針を平面から見た状態を示す説明的断面図。
【図6】図6は第2の実施形態の留置針を平面から見た状態を示す説明的断面図。
【図7】第2の実施形態の留置針において針及び針基が本体内に収納された状態を平面から見た断面を示す説明的断面図。
【符号の説明】
【0029】
1…留置針、2…注射針、3…針基、3d…後方傾斜面(後方傾斜部)、4…本体、4a…前壁部、4b…前方開口、4c…後壁部、4d…後方開口、5…係合部材(係合手段)、7…チューブ、8…コイルスプリング。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の本体から注射針が突出した状態で穿刺可能であり、使用後は前記注射針の針先が本体内に収納される留置針であって、
前記注射針の後方部分を固定する筒状の針基と、前記注射針の外周側に配置されると共に前記本体内に収納され前記針基を前記本体の後方に付勢するコイルスプリングと、前記針基に接続されて前記本体の後方から導出されるチューブと、前記針基に係合し前記本体の前方位置に前記針基を保持すると共に前記本体から遠ざかる方向に移動された際に前記針基との係合が解除される係合手段とを備え、
前記本体は、前端部に前記コイルスプリングの前端部を係止すると共に前記注射針を挿通可能な前方開口が設けられた前壁部と、前記係合手段の係合が解除された際に前記針基の後端部に当接すると共に前記チューブを挿通可能な後方開口が設けられた後壁部とを有し、
前記針基は前記コイルスプリングの後端部を受ける面に本体の軸方向と垂直な面に対して前記コイルスプリングの後端部を所定方向に傾斜させる後方傾斜部を備え、前記本体内で傾動可能に形成されていることを特徴とする留置針。
【請求項2】
前記前壁部は、前記本体の軸方向と垂直な面に対して前記針基の後方傾斜部と対称の傾斜を有する前方傾斜部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の留置針。
【請求項3】
前記本体は、前記係合手段の係合が解除された際に、前記コイルスプリングの後端部の傾斜角度を増加させる方向に傾斜させる傾斜案内部を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の留置針。
【請求項4】
筒状の本体から注射針が突出した状態で穿刺可能であり、使用後は前記注射針の針先が本体内に収納される留置針であって、
前記注射針の後方部分を固定する筒状の針基と、前記注射針の外周側に配置されると共に前記本体内に収納され前記針基を前記本体の後方に付勢するコイルスプリングと、前記針基に接続されて前記本体の後方から導出されるチューブと、前記針基に係合し前記本体の前方位置に前記針基を保持すると共に前記本体から遠ざかる方向に移動された際に前記針基との係合が解除される係合手段とを備え、
前記本体は、前端部に前記コイルスプリングの前端部を係止すると共に前記注射針を挿通可能な前方開口が設けられた前壁部と、前記係合手段の係合が解除された際に前記針基の後端部に当接すると共に前記チューブを挿通可能な後方開口が設けられた後壁部とを有し、
前記前壁部は前記コイルスプリングの前端部を受ける面に本体の軸方向と垂直な面に対して前記コイルスプリングの前端部を所定方向に傾斜させる前方傾斜部を備え、前記針基が前記本体内で傾動可能に形成されていることを特徴とする留置針。
【請求項5】
前記本体は、前記係合手段の係合が解除された際に、前記本体の軸方向と垂直な面に対して前記コイルスプリングの後端部を前記前方傾斜部と対称に傾斜する方向に前記針基を傾斜させる第2の傾斜案内部を備えていることを特徴とする請求項4に記載の留置針。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−330318(P2007−330318A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−162308(P2006−162308)
【出願日】平成18年6月12日(2006.6.12)
【出願人】(390029676)株式会社トップ (106)
【Fターム(参考)】