説明

異常監視装置

【課題】出力型の異なる振動センサに共用することができ、別途構成を外付せずに振動センサを直接接続することができる異常監視装置を提供する。
【解決手段】異常検出装置1は、機器の振動を検出する振動センサ2が接続される接続部13を備える。また、異常検出装置1は、電荷出力型の振動センサ2に適合するチャージアンプ回路11aと、電圧出力型の振動センサ2に適合する定電流回路11bとを備える。接続部13と増幅回路12との間に、チャージアンプ回路11aを接続するか定電流回路11bを接続するかは、機械式接点の選択手段14a,14bを用いて選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転機器のような機器の振動を検出する振動センサが接続され、振動センサの出力を常時監視する異常監視装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、回転機器のような機器を含む装置や設備において、故障、破損、焼き付きなどの徴候を異常として検知し装置や設備の予防保全を行うことを目的として異常監視装置が用いられている。この種の異常監視装置として、機器の振動を検出する振動センサの出力の特徴を判定することにより機器の動作を監視するものが知られている(たとえば、特許文献1参照)。すなわち、図11に示すように、機器3に振動センサ2を取り付け、振動センサ2の出力を異常監視装置1により監視するのであって、異常監視装置1は異常を検出すると、表示灯4を点灯させたり、移動体電話機5を通して利用者に通知したりする。異常監視装置1では、たとえば、正常動作時における振動センサ2の出力を蓄積するともに、正常動作時における振動センサ2の出力の偏差を許容範囲として求めておき、振動センサ2の出力が許容範囲を超えるときに機器3に異常が発生していると判断する。
【0003】
ところで、機器3の振動を監視する振動センサ2のうち2線式のものには、電荷出力型と電圧出力型との2種類の出力型がある。振動センサがピエゾ素子によって振動を検出するものである場合、電荷出力型の振動センサではピエゾ素子が発生する電荷出力を出力し、電圧出力型の振動センサではピエゾ素子の電荷出力を電圧出力に変換して出力する。
【0004】
電荷出力型の振動センサは、一般に高温まで使用することができるとともに堅牢であるが、出力インピーダンスが高いから耐ノイズ性が低いものである。電荷出力型の振動センサを用いるには、インピーダンスを低インピーダンスに変換する必要があり、そのため、フィードバック用のコンデンサを備えた反転増幅器を備え高入力インピーダンスかつ低出力インピーダンスであるチャージアンプ回路が必要である。
【0005】
一方、電圧出力型の振動センサは、一般に電荷出力型に比較すると安価であり出力インピーダンスが低いが、動作温度範囲は電荷出力型よりも低いことが多い。電圧出力型の振動センサを用いるには、電荷出力を電圧出力に変換するために定電流を与える必要があり、定電流電源と増幅器を内蔵した定電流回路が必要である。
【0006】
すなわち、電荷出力型と電圧出力型とは使用できる環境が異なるから、使用用途に応じて電荷出力型と電圧出力型とを使い分ける必要がある。
【0007】
電荷出力型の振動センサ2aを用いる場合には、図12(a)に示すように、振動センサ2aの出力を増幅回路12に与える前に、電流−電圧変換を行うためのチャージアンプ回路11aが必要であり、電圧出力型の振動センサ2bを用いる場合には、図12(b)に示すように、振動センサ2bを定電流回路11bに接続する必要である。つまり、振動センサ2a,2bの出力型の種類に応じて、異なる回路を用いる必要がある。
【0008】
各振動センサ2a,2bに対応した回路を異常監視装置1に組み込む場合には、図12(a)のようにチャージアンプ回路11aを備えるものと、図12(b)のように定電流回路11bを備えるものとを用意しておき、使用する振動センサ2a,2bの出力型の種類に応じていずれかの異常監視装置1を用いることが考えられる。
【0009】
また、図13(a)に示すように、チャージアンプ回路11aを異常監視装置1に対して外付したり、図13(b)に示すように、定電流回路11bを異常監視装置1に対して外付することも考えられる。
【特許文献1】実開昭60−29264号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、図12に示す構成では、振動センサ2a,2bの出力型の種類ごとに、異なる構成の異常監視装置1が必要であるから、既存の機器3に対して設けられていた異常監視装置1を他の設備に転用する場合には、既存の機器3に取り付けていた振動センサ2a,2bと同種の振動センサ2a,2bを取り付けた機器3にしか用いることができないという問題がある。
【0011】
また、1台の機器3の複数箇所に振動センサ2a,2bを取り付け、複数個の振動センサ2a,2bの出力を1台の異常監視装置1で監視するような用途では、各振動センサ2a,2bの出力を異常監視装置1に順に入力する構成が考えられる。この場合、使用する振動センサ2a,2bの出力型の種類を統一しなければならず、振動センサ2a,2bを取付場所に適合するように選択することができないという問題を有している。さらに、2種類の異常監視装置1が必要であり、振動センサ2a,2bと異常監視装置1との組合せを間違える可能性がある。
【0012】
一方、図13に示すように、異常監視装置1に対してチャージアンプ回路11aと定電流回路11bとを外付する構成を採用すると、異常監視装置1は1種類だけになるから、異常監視装置1の転用が容易になり、また、振動センサ2a,2bの出力型の種類に合わせてチャージアンプ回路11aと定電流回路11bとの一方を組み合わせるから、誤接続の可能性が低減されると考えられる。
【0013】
しかしながら、振動センサ2a,2bにチャージアンプ回路11aや定電流回路11bを外付する場合には、チャージアンプ回路11aまたは定電流回路11bとは、振動センサ2a,2bとの間をセンサ線Lsにより接続し、異常監視装置1との間を監視線Ltにより接続する必要があるから、センサ線Lsと監視線Ltとの2本の電線を必要とし、接続に手間がかかる上にコストが増加するという問題が生じる。また、異常監視装置1と振動センサ2a,2bとのほかに、チャージアンプ回路11aあるいは定電流回路11bが別に必要であるから、異常監視のための構成が占有するスペースが大きくなるという問題がある。
【0014】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、出力型の異なる振動センサに共用することができ、しかも別途構成を外付せずに振動センサを直接接続することができるようにした異常監視装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
請求項1の発明は、機器の振動を検出する振動センサが接続され振動センサの出力の特徴を検出し機器の動作を監視する異常監視装置であって、振動センサの出力の特徴を検出する回路に前置して設けられる前置回路部を備え、前置回路部は、出力型の異なる複数種類の振動センサにそれぞれ適合する複数種類の回路機能が選択可能であることを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、振動センサの出力型に応じて前置回路部の回路機能を選択することができるから、別途構成を外付することなく複数種類の振動センサで共用することが可能になる。しかも、使用する振動センサの出力型の種類に依存しないから、異なる出力型の振動センサにも転用することが可能になる。
【0017】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、前記振動センサは少なくとも出力型の種類を特定するデータが格納されたメモリを備え、前記前置回路部は、振動センサが接続されたときにメモリからデータを読み出すことにより出力型を取得するインターフェイス回路と、インターフェイス回路で読み出した出力型により前記回路機能を選択する選択制御回路とを備えることを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、振動センサを接続すればインターフェイス回路により振動センサの出力型を自動的に取得することができ、取得した出力型に基づいて前置回路部の回路機能を自動的に選択することができるから、振動センサの出力型に応じて前置回路部の回路機能を人手によって設定する作業が不要である。
【0019】
請求項3の発明では、請求項1または請求項2の発明において、前記前置回路部はプログラムにより回路機能が選択されるプログラマブルデバイスを備え、前記振動センサの出力型に適合する回路機能を選択するプログラムをプログラマブルデバイスに与えることを特徴とする。
【0020】
この構成によれば、プログラマブルデバイスに与えるプログラムによって前置回路部の回路機能を選択するから、振動センサの出力型の種類に対してプログラムで対応することができ、振動センサの出力型以外の仕様の相違にも対応することが可能になる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の構成によれば、振動センサの出力型に応じて前置回路部の回路機能を選択することができるから、別途構成を外付することなく複数種類の振動センサで共用することが可能になるという利点を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
(実施形態1)
本実施形態の異常監視装置は、電荷出力型の振動センサと電圧出力型の振動センサとの両方を接続可能としたものである。図1に示すように、異常監視装置1は、振動センサ2が電荷出力型である場合に振動センサ2の出力の電流−電圧変換を行うチャージアンプ回路11aと、振動センサ2が電圧出力型である場合に振動センサ2に定電流を流すとともに電圧出力を検出する定電流回路11bとを内蔵している。
【0023】
振動センサ2はセンサ線Lsを介して接続される。センサ線Lsが接続される接続部13には、センサ線Lsの一端に設けたコネクタが抜き差しされるコネクタと、接続線Lsの一端部が直接接続される端子との少なくとも一方が設けられる。
【0024】
チャージアンプ回路11aと定電流回路11bとは、選択手段14aを介して接続部13に択一的に接続される。また、チャージアンプ回路11aと定電流回路11bとは、異常監視装置1が内蔵する増幅回路12に対しても選択手段14bを介して択一的に接続される。両選択手段14a,14bは連動しており、選択手段14a,14bの切換位置に応じて、接続部13と増幅回路12との間に、チャージアンプ回路11aと定電流回路11bとが択一的に挿入されるようにしてある。
【0025】
ここに、接続部13と増幅回路12との間の構成が前置回路部として機能する。増幅回路12を含めて増幅回路12から後段には、振動センサ2の出力の特徴を検出し機器の動作を監視する回路が設けられる。以下に説明する各構成においても、振動センサ2と増幅回路12との間に設けられ、増幅回路12に前置する回路構成を前置回路部とする。前置回路部では、選択手段14a,14bによってチャージアンプ回路11aと定電流回路11bとの一方を選択するから、選択手段14a,14bにより前置回路部の回路機能が選択されることになる。
【0026】
選択手段14a,14bには、機械式のスイッチの接点または機械式のリレーの接点を用いる。スイッチの接点を選択手段14a,14bに用いる場合には手動で切換操作を行う。また、リレーの接点を選択手段14a,14bに用いる場合には、リレーに対して異常監視装置1の外部から接点切換を行うための信号を与えればよい。
【0027】
上述した構成例では、チャージアンプ回路11aと定電流回路11bとの選択に機械式のスイッチまたは機械式のリレーの接点を用いた選択手段14a,14bを設けているが、図2に示すように、機械式接点の選択手段14a,14bに代えて無接点の選択手段15a,15bを用いるようにしてもよい。選択手段15a,15bには、アナログスイッチまたはマルチプレクサを用いる。図示しない外部装置から選択手段15a,15bに切換信号を与えることができるように、異常監視装置1には外部装置を接続するための制御端子16aを設けてある。制御端子16aについても、接続部13と同様にコネクタと結線用の端子とのどちらを採用してもよい。
【0028】
ところで、選択手段15a,15bを用いる場合には、図3に示すように、外部装置と選択手段15a,15bとの間に通信端子16bに接続される外部装置との間でデータ通信を行う通信部17を挿入してもよい。通信部17は異常監視装置1に内蔵されたマイコンの一部機能として実現することができる。ここに、図示例では通信部17と外部装置との間のデータ通信を行う伝送経路は有線を想定しているが、無線の伝送経路を採用してもよい。
【0029】
外部装置との間の通信によって通信部17が選択手段15a,15bに切換信号を与える動作を図4に示す。図4に示す動作では、通信部17において外部装置から何らかのデータを受信すると(S1)、当該データが正常データか否かを判定し(S2)、正常データであれば外部装置により与えられたデータから指示内容を取り出す(S3)。指示内容が電荷出力型の選択であれば、選択手段15a,15bに対してチャージアンプ回路11aを選択する切換信号を与える(S4)。また、指示内容が電圧出力型の選択であれば、選択手段15a,15bに対して定電流回路11bを選択する切換信号を与える(S5)。なお、ステップS3において通信部17に与えられたデータが正常データでないと判断したときには、外部装置にエラーを通知するなどの適宜のエラー処理を行う(S6)。
【0030】
以上説明したように、本実施形態では選択手段14a,14b、選択手段15a,15b、選択手段15a,15bと通信部17のいずれかを用いることにより、前置回路部の回路機能として、チャージアンプ回路11aと定電流回路11bとの一方の回路機能を選択することができる。したがって、別途構成を外付することなく1台の異常監視装置1を出力型の異なる振動センサ2に共用することができる。
【0031】
(実施形態2)
本実施形態では、IEEE1451.4規格であるTEDS(Transducer Electronic Data Sheet=トランスデューサ電子データシート)を搭載した振動センサ2を用いる例を示す。TEDSはEEPROMからなるメモリにセンサ固有の識別情報や感度・校正データなどを格納したものであり、TEDSを搭載した振動センサを用いることによって、振動センサのパラメータの設定を自動化することができ、また校正も自動的に行われるようにしたものである。この種のセンサは、プラグアンドプレイセンサと呼ばれている。
【0032】
この種の振動センサ2を用いる異常監視装置1は、図5に示すように、図3に示した実施形態1の構成の通信部17に代えて、マイコン(CPU)10とインターフェイス回路18とを付加した構成を有している。実施形態1における通信部17はマイコンの一部機能を用いていたから、本実施形態の構成は、実質的にはインターフェイス回路18を付加した構成になる。インターフェイス回路18は、振動センサ2に内蔵したTEDSを取得することができ、マイコン10では読み出したTEDSの内容に応じて選択手段15a,15bに与える切換信号を生成する。つまり、インターフェイス回路18で読み出した振動センサ2の出力型を用いて、マイコン10と選択手段15a,15bとからなる選択制御回路が前置回路部の回路機能を選択する。
【0033】
ここに、インターフェイス回路18は振動センサ2に内蔵したTEDSを読み出すために、振動センサ2に接続する必要がある。また、TEDSは振動センサ2の出力と同様に信号線Lsを通して読み出すことができる。そこで、振動センサ2を接続する接続部13に選択手段15aを介してインターフェイス回路18を接続してある。マイコン10が振動センサ2からTEDSを読み出す際には、マイコン10では選択手段15aにおいて接続部13をインターフェイス回路18に接続する状態を選択するように切換信号を発生する。このとき、増幅回路12に接続されている選択手段15bはどのような状態であってもよいが、チャージアンプ回路11aと定電流回路11bとのいずれにも増幅回路12を専属しない状態を選択するのが望ましい。
【0034】
本実施形態では、マイコン10の動作は図6のようになる。すなわち、マイコン10では、振動センサ2が接続部13に接続されたことを検出した後、選択手段15aに対してインターフェイス回路18を接続部13に接続するように指示し(S11)、振動センサ2に搭載されているTEDSを読み込む。TEDSの読み出しが終了すると(S12)、読み出したTEDSにより振動センサ2の出力型の種類を抽出し(S13)、振動センサ2が電荷出力型か電圧出力型かに応じて選択手段15a,15bへの切換信号を生成する(S14,S15)。
【0035】
なお、図6に示す処理は、振動センサ2を接続部13に接続するたびに実行される。したがって、接続部13に接続する振動センサ2を取り換えると、チャージアンプ回路11aと定電流回路11bとが自動的に選択されることになる。また、振動センサ2がTEDSを備えていることにより、オフセットや増幅率が自動的に調節されることはいうまでもない。なお、本実施形態では、TEDSを搭載した振動センサ2を用いているが、少なくとも出力型の種類を特定するデータが格納されたメモリを振動センサ2が備えていれば、本実施形態は実現可能である。他の構成および動作は実施形態1と同様である。
【0036】
(実施形態3)
実施形態1および実施形態2では、電荷出力型の振動センサ2を用いる場合に必要なチャージアンプ回路11aと、電圧出力型の振動センサ2を用いる場合に必要な定電流回路11bとを個々に構成した例を示したが、本実施形態は、図7に示すように、FPGA(field programmable gate array)やFPAA(field programmable analog array)のように論理回路あるいはアナログ回路を利用者のプログラムによって設計することができるプログラマブルデバイス11を用い、マイコン10からプログラムを書き込むことによって、プログラマブルデバイス11をチャージアンプ回路11aとして機能させるか定電流電源11bとして機能させるかを選択可能としたものである。したがって、マイコン10とプログラマブルデバイス11と選択手段15a,15bとにより前置回路部が構成される。ただし、図7に示す回路は実施形態1に対応する構成であって、TDESを搭載していない振動センサ2を対象にしている。
【0037】
図7に示す構成例では、マイコン10は、選択手段15a,15bに対する切換信号を生成する機能とプログラマブルデバイス11に対してプログラムを書き込む機能とを有している。選択手段15a,15bに与える切換信号およびプログラマブルデバイス11に書き込むプログラムの種類はマイコン10に接続されたスイッチSWのオンオフによって選択される。
【0038】
すなわち、図8に示すように、マイコン10ではスイッチSWのオンオフの状態を読み込み(S21)、スイッチSWのオンオフの状態に呼応して選択手段15a,15bに対する切換信号を生成する(S22)。切換信号が電荷出力型か電圧出力型かに応じて選択手段15a,15bの切換を行い(S23,S24)、さらに、マイコン10からプログラマブルデバイス11に対してプログラムの書込を行い(S25)、プログラムの書込が完了すれば(S26)、スイッチSWにより選択した種類の振動センサ2に対する動作が可能になる。ここに、実施形態1と同様に機械式のスイッチSWではなく外部装置からの信号やデータ通信によりスイッチSWと等価な電子スイッチをオンオフさせる構成を採用してもよい。
【0039】
図9に示す回路は実施形態2に対応し、振動センサ2がTDESを搭載したプラグアンドプレイセンサである場合に適合する構成であって、図7に示した構成に対してスイッチSWに代えてインターフェイス回路18を設け、振動センサ2からインターフェイス回路18を通してTDESを取得し、TDESに基づいて選択手段15a,15bの切換およびプログラマブルデバイスへのプログラムの書込を行うように構成してある。この構成では、マイコン10とプログラマブルデバイス11と選択手段15a,15bとインターフェイス回路18とにより前置回路部が構成される。
【0040】
図9に示す回路構成では、図10に示すように、まずマイコン10において、振動センサ2が接続部13に接続されたことを検出した後、選択手段15aに対してインターフェイス回路18を接続部13に接続するように指示し(S31)、振動センサ2に搭載されているTEDSを読み込む。TEDSの読み出しが終了すると(S32)、読み出したTEDSにより振動センサ2の出力型の種類を抽出して切換信号を生成する(S33)。さらに、振動センサ2が電荷出力型か電圧出力型かに応じて選択手段15a,15bの切換を行い(S34,S35)、さらに、マイコン10からプログラマブルデバイス11に対してプログラムの書込を行い(S36)、プログラムの書込が完了すれば(S37)、振動センサ2の出力型の種類に応じた動作が可能になる。
【0041】
本実施形態ではプログラマブルデバイス11に与えるプログラムよって前置回路部の回路機能を選択するから、振動センサ2の出力型以外の仕様の相違に対しても回路変更を伴うことなくプログラムの変更のみで対応することができ、種々仕様の振動センサ2への対応が容易になる。他の構成および動作は実施形態1、実施形態2と同様である。
【0042】
なお、上述した構成例では、1台の異常監視装置1に1個の振動センサ2が接続される例を示したが、1台の異常監視装置1に対して複数個の振動センサ2を接続するように、接続部13を複数個設けている場合には、上述した構成によって電荷出力型と電圧出力型との振動センサ2を混在させて1台の異常監視装置1に接続することができ、2台の異常監視装置1を用いる場合に比較すると省スペースになる。また、1個の接続部13に対してセレクタを介して複数個の振動センサ2を接続することも可能であって、この場合には選択手段14a,14b、15a,15bに与える切換信号に連動させてセレクタも切り換える。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施形態1を示すブロック図である。
【図2】同上の他の構成例を示すブロック図である。
【図3】同上のさらに他の構成例を示すブロック図である。
【図4】同上の動作説明図である。
【図5】本発明の実施形態2を示すブロック図である。
【図6】同上の動作説明図である。
【図7】本発明の実施形態3を示すブロック図である。
【図8】同上の動作説明図である。
【図9】同上の他の構成例を示すブロック図である。
【図10】図9に示した構成例の動作説明図である。
【図11】異常監視装置の使用例を示すブロック図である。
【図12】従来構成を示し、(a)は電荷出力型の振動センサを用いる場合のブロック図、(b)は電圧出力型の振動センサを用いる場合のブロック図である。
【図13】他の従来構成を示し、(a)は電荷出力型の振動センサを用いる場合のブロック図、(b)は電圧出力型の振動センサを用いる場合のブロック図である。
【符号の説明】
【0044】
1 異常監視装置
2 振動センサ
2a 振動センサ(電荷出力型)
2b 振動センサ(電圧出力型)
3 機器
11 プログラマブルデバイス
11a チャージアンプ回路
11b 定電流回路
12 増幅回路
13 接続部
14a,14b 選択手段
15a,15b 選択手段
16a 制御端子
16b 通信端子
17 通信部
10 マイコン
18 インターフェイス回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器の振動を検出する振動センサが接続され振動センサの出力の特徴を検出し機器の動作を監視する異常監視装置であって、振動センサの出力の特徴を検出する回路に前置して設けられる前置回路部を備え、前置回路部は、出力型の異なる複数種類の振動センサにそれぞれ適合する複数種類の回路機能が選択可能であることを特徴とする異常監視装置。
【請求項2】
前記振動センサは少なくとも出力型の種類を特定するデータが格納されたメモリを備え、前記前置回路部は、振動センサが接続されたときにメモリからデータを読み出すことにより出力型を取得するインターフェイス回路と、インターフェイス回路で読み出した出力型により前記回路機能を選択する選択制御回路とを備えることを特徴とする請求項1記載の異常監視装置。
【請求項3】
前記前置回路部はプログラムにより回路機能が選択されるプログラマブルデバイスを備え、前記振動センサの出力型に適合する回路機能を選択するプログラムをプログラマブルデバイスに与えることを特徴とする請求項1または請求項2記載の異常監視装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−147401(P2007−147401A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−341192(P2005−341192)
【出願日】平成17年11月25日(2005.11.25)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】