説明

異性化反応および結晶化工程を含む2,6−ジメチルナフタレンの分離および精製方法

【課題】高純度2,6−ジメチルナフタレンの製造、分離および精製方法に関する。
【解決手段】1,5−ジメチルテトラリンの脱水素化反応を経て生成された1,5−ジメチルナフタレンが豊富なジメチルナフタレン異性体混合物および高沸点物質と、未反応1,5−ジメチルテトラリンおよび低沸点物質とを蒸留塔精製で分離するステップと、蒸留塔精製で分離したジメチルナフタレン混合物を異性化触媒下で液状異性化反応させるステップと、該液状異性化反応の生成物を、溶媒を用いないで冷媒で冷却させて結晶を形成させる溶融結晶化工程である第1の結晶化ステップと、第1の結晶化ステップの生成物を溶媒と混合して結晶を形成させる溶液結晶化工程である第2の結晶化ステップと、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高純度2,6−ジメチルナフタレンの分離および精製方法に関し、さらに詳しくはオルソ−キシレン(o-Xylene;OX)と1,5−ブタジエン(1,5-Butadiene;BD)を原料にし、脱水素化反応により得られた1,5−ジメチルナフタレン(1,5-Dimethylnaphthalene、以下、「1,5−DMN」とする)より異性化反応および結晶化方法を組み合わせ、高純度の2,6−ジメチルナフタレン(2,6-Dimethylnaphthalene、以下、「2,6−DMN」とする)を分離し、高純度の2,6−DMNを工業上、高収率で得ることができる2,6−DMNの分離および精製方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
2,6−ナフタレンジカルボキシル酸(2,6-Naphthalene Dicarboxylic Acid、以下「2,6−NDA」とする)は、高機能性ポリエステル系高分子のポリエチレンナフタレート(Poly Ethylene Naphthalate;PEN)樹脂の単量体または高分子液晶の原料として用いられる。特に、PEN樹脂は、広く用いられているポリエチレンテレフタレート(Poly Ethylene Terephthalate;PET)樹脂よりも耐熱性、引張強度、衝撃強度および酸素のような気体の遮断性に優れていると知られている。このような優れた物性により、新たな用途および従来の物質との代替を目的として、PEN系樹脂の用途の増加とともに、原料としての2,6−NDA需要は継続して増加する見通しである。
【0003】
高気性能PENの原料としての2,6−NDAを製造するための方法は様々な方法があるが、一般的な経済的方法としては2,6−DMNを酸化させる方法である。しかし、2,6−DMNの酸化反応により2,6−NDAを製造する場合、原料である2,6−DMNの純度によって生成物の品質に大きく影響を受ける。特に、微量の不純物が含まれていた場合、不純物は製造された2,6−NDAの物性に大きく影響を及ぼし、PENの重合過程にも影響を及ぼすようになる。したがって、2,6−NDAの製造のためには他の異性体(ジメチルナフタレン(DMN)は2個のメチル基の位置により10個の異性体が存在)および不純物が含まれていない高純度の2,6−DMNが必要である。したがって、前記反応により生成された一連の混合物のうち、2,6−DMNもやはり高純度に分離および精製されることが要求される。また、2,6−DMNの分離および精製収率と純度を容易に向上させるためには、異性化反応工程において高い2,6−DMN含量への転換が必要である。
【0004】
高純度および高含量の2,6−DMNを得るための方法として知らされた従来の技術は大きく2種類に分けられる。
【0005】
第一に、石炭や石油の精製および加工処理の際に発生する液状物質に含まれているナフタレン異性体混合物から、多様な分離精製および合成工程を経て得る方法がある。
【0006】
第二に、一般の方法としてOXとBDを出発物質にして、先にアルカリ触媒存在下でアルケン化反応(Alkenylation reaction)を経て、5−オルソ−トリル−1−ペンテン(5-o-tolyl-1-pentene;5−OTP)を得、これをゼオライトのような触媒存在下で環化反応(Cyclization reaction)を介し、1,5−ジメチルテトラリン(1,5-Dimethyltetralin;1,5−DMT)を得る。次のステップとして、1,5−DMTを原料にし、脱水素化反応(Dehydrogenation reaction)を経て、1,5−DMNを製造して最後の反応のところで異性化反応(Isomerization reaction)を介し、2,6−DMNを得る方法である。
【0007】
特許文献1および特許文献2には、OXとBDからアルカリ金属であるK、NaまたはNa/Kなどを触媒として用い、80〜175℃条件下でアルケン化液状反応によりo−トリルペンテン−2を高収率で得る方法が、特許文献3にはo−トリルペンテン−2を環状化し、1,5−DMTを製造する方法を、特許文献4には1,5−DMTを脱水し、高収率および高選択率で1,5−DMNを製造する方法が各々開示されている。また、特許文献5と特許文献6には、1,5−DMNを異性化し、主に1,5−、1,6−または2,6−DMNからなる異性体混合物を製造する方法が、各々開示されている。
【0008】
特許文献7には、ジメチルナフタレン(Dimethylnaphthalene;DMN)を主成分とするDMN混合物を触媒存在下で異性化する工程と、溶媒存在下で異性化反応生成物を結晶化する工程と、沈殿した2,6−DMNの結晶を分離回収する工程および結晶分離後、母液を蒸留してDMNより沸点の高い成分と低い成分を除去し、DMN油分を得る工程を順次実施するとともに、そのDMN油分を異性化工程に循環させることによって高純度2,6−DMNを製造する方法と、この方法より得られた2,6−DMNを液状酸化して2,6−NDAを製造し、2,6−NDAをエステル化する2,6−ナフタレンカーボン酸エステルの製造方法が提示されている。
【0009】
前記DMN混合物より2,6−DMNを得る従来の異性化反応工程についてさらに詳しく見ると、次の通りである。
【0010】
特許文献8には、ゼオライト(Zeolite)触媒(8族金属中の一つが水素化反応成分(hydrogenation component)から構成された異性化(isomerization)触媒をいう)を用い、回分式または連続式の液状反応により少なくとも1,5−、1,6−、1,7−および1,8−DMNのうちの、少なくとも一つからなるDMN異性体混合物を、異性化反応を介して少なくとも25重量%以上の2,6−DMN異性体に転換する工程について開示しており、触媒としてはSiO/Alの比が4〜10、12員環(membered ring)、単位セルの大きさ24.2〜24.7Åの酸処理されたUSYゼオライトに無機物であるVIII族金属、すなわち、パラジウム、プラチニウムまたはニッケルをシリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、ベントナイトおよびマグネシアの担持体に担持させて用い、反応温度200〜400℃、反応圧力0.3〜10atmA、1時間当り重量空間速度(WHSV、weight hourly space velocity)=0.2〜20hr−1にて異性化反応をすることについて開示されている。
【0011】
特許文献9に開示された発明は、低酸性を有する分子体担持(supported、molecular-sieve-based)触媒を用い、一つ以上の2,6−DMN異性体を、平衡組成を有する2,6−トライアド(triad)に転換するとともに、2,6−トライアド以外の異性体を減らす気相異性化反応工程であって、さらに詳しく言えば、用いられる触媒として、維持結晶アルミノシリケートの結晶性ボロシリケート分子体(supported crystalline borosilicate molecular sieve of supported crystalline aluminosilicate molecular sieve)を用い、SiO/Al=50〜150、反応温度=250〜400℃、200〜300℃(ボロシリケート分子シブの場合)という条件で、異性化反応を行っている。
【0012】
上述のように、従来知られている2,6−DMNの製造方法は、DMN異性体混合物より2,6−DMNを蒸留操作や触媒を用いた工程により分離するが、DMN異性体の沸点が相当に近接しており蒸留によって2,6−DMNを分離および精製するのは極めて困難という問題点がある。
【0013】
DMN異性体の中でも2,6−DMNの融点が最も高い。したがって、2,6−DMNは結晶化工程を介し、分離および精製が可能である。このような2,6−DMNの分離方法として、結晶化による方法、吸着による方法、ある種の有機化合物を用いて2,6−DMNと錯体を形成させ、そしてこれを分離して錯体を分解する方法といったものが提案されてきた。
【0014】
2,6−DMNを結晶化分離および精製する方法に関連した従来の技術を詳しく見ると、次の通りである。
【0015】
特許文献10では、PEN製造に用いられる2,6−DMNを供給原料に存在する特定の異性体に制限することなく、一連の分画ステップ、結晶化ステップおよび吸着ステップを介し、DMN異性体混合物より高純度および高収率で2,6−DMNを製造する方法として、結晶化ステップを経た後、最終精製ステップでp−,o−キシレンに溶解させ、2,6−DMNを吸着および分離する工程を提案している。また、特許文献11では、DMN異性化反応生成物より結晶化によって2,6−DMNを析出し、高純度の2,6−DMNを高収率で得て、濾過性の良い好適な2,6−DMN結晶を析出し、高純度の2,6−DMNを工業的に有利に分離、回収する方法として、溶媒存在下にDMN異性化反応生成物より2,6−DMNの結晶化方法を介し、2,6−DMNを製造する方法を提案している。この際に異性化反応に用いられた溶媒は、ペンテン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン、シクロオクタン、メチルシクロオクタン、デカン、メチルデカンまたはジメチルデカンのようなものがある。 特許文献12では、DMN異性体混合物より結晶化によって2,6−DMNを析出し、高純度の2,6−DMNを得て、長期間に亘って安定した、かつ要求される純度を維持することが可能な工業的に有利な分離および回収する方法が開示されている。
【0016】
しかし、提示された公知された方法の中では、結晶化による方法が最も簡単で、工業的分離方法としても適していると認められているが、工程が複雑で、収率が相対的に低く、高い溶媒を用いなければならないため、相対的に固定の投資額と高い生産費が要されるということが問題点として指摘されてきた。結晶化を介した分離工程を用いる場合を詳しく見ると、具体的な工程過程が開示されておらず、ただ単に溶媒を用いて単に冷却し、結晶化する形態のものがほとんである。また、結晶化工程よりは異性化工程や触媒を用いた吸着工程に主眼を置かれた。
【特許文献1】日本国特公昭49−134634号
【特許文献2】米国特許第3,244,758号
【特許文献3】日本国特公昭50−8935号
【特許文献4】日本国特公昭48−76852号
【特許文献5】日本国特公昭50−129534号
【特許文献6】米国特許第3,851,002号
【特許文献7】韓国登録特許第10−0469925号
【特許文献8】米国特許第4,962,260号
【特許文献9】米国特許第4,783,569号
【特許文献10】韓国特許公開第2001−33746号
【特許文献11】日本国特開平9−301900号
【特許文献12】日本国特開平9−249586号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の目的は、異性化反応および結晶化方法を用いて高純度の2,6−DMNを高収率で分離および精製する方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の適切な実施形態によれば、2,6−ジメチルナフタレンを分離および精製する方法において、1,5−ジメチルテトラリンの脱水素化反応を経て生成された1,5−ジメチルナフタレンが豊富なジメチルナフタレン異性体混合物および高沸点物質と、そして未反応1,5−ジメチルテトラリンおよび低沸点物質を蒸留塔精製で分離するステップと、蒸留塔精製で分離したジメチルナフタレン混合物を異性化触媒下で液状異性化反応させるステップと、液状異性化反応の生成物を、溶媒を用いないで冷媒で冷却させ、結晶を形成させる溶融結晶化工程である第1の結晶化ステップと、第1の結晶化ステップの生成物を溶媒に混合し、結晶を形成させる溶液結晶化工程である第2の結晶化ステップと、を含む2,6−ジメチルナフタレンの分離および精製方法が提供される。
【0019】
本発明のもう一つの適切な実施形態によれば、蒸留塔精製は低沸点物質を分離するための低沸点物質分離および精製ステップと、そして高沸点物質を分離するための高沸点物質分離および精製ステップと、を含む。また、前記低沸点物質の分離および精製ステップの蒸留塔操作の条件としては、塔上部が60〜150mmHgおよび160〜200℃であり、塔下部が176〜220℃であることが好ましい。また、前記高沸点物質の分離および精製ステップの蒸留塔操作の条件としては、塔上部が30〜80mmHgおよび158〜170℃であり、塔下部が190〜250℃であることが好ましい。
【0020】
本発明のもう一つの適切な実施形態によれば、前記ジメチルナフタレン混合物の液状異性化反応は、固定層連続反応器でなされ、前記ジメチルナフタレン混合物は総量対比0.5〜15.0重量%の2,6−ジメチルナフタレンおよび60.0〜97.0重量%の1,5−ジメチルナフタレンを含むことができる。また、前記ジメチルナフタレン混合物の液状異性化反応は、常圧(1atm)下で反応温度250〜320℃の区間で行われることが好ましい。また、前記反応は2〜4hr−1の空間速度(WHSV)でなされることが好ましい。
【0021】
本発明のもう一つの適切な実施形態によれば、前記液状異性化反応は異性化触媒の存在下でなされ、前記異性化触媒は水素イオン交換されたゼオライトベータであって、SiO/Alのモル比が5〜300であることが好適である。
【0022】
本発明のもう一つの適切な実施形態によれば、前記異性化触媒はペレット状であることが好ましい。
【0023】
本発明のもう一つの適切な実施形態によれば、第1の結晶化ステップは回分式または連続式であり、冷媒はエチレングリコールと水との混合物または工業用メタノールであり、冷却温度は90〜0℃の範囲であることが好ましい。
【0024】
本発明のもう一つの適切な実施形態によれば、第2の結晶化ステップの溶媒は炭素数1〜6のアルコール、アセトン、ヘキサンおよびヘプタンから構成された群から選択される1種であることが好ましい。
【0025】
本発明のもう一つの適切な実施形態によれば、第2の結晶化ステップの溶媒は再び結晶化に用いられ、分離されたジメチルナフタレン異性体は再び原料注入ステップに投入され、循環することが好ましい。
【0026】
本発明のもう一つの適切な実施形態によれば、前記第2の結晶化ステップの冷却温度は50〜−20℃の範囲であり、第2の結晶化ステップの溶媒:2,6−ジメチルナフタレンを含むジメチルナフタレン異性体の混合物の混合重量比は10:1〜20:1であることが好ましい。
【0027】
本発明のもう一つの適切な実施形態によれば、前記第1の結晶化ステップおよび第2の結晶化ステップの冷却速度は0.5〜1℃/min範囲であることが好ましい。
【0028】
本発明のもう一つの適切な実施形態によれば、前記第1の結晶化ステップにおけるジメチルナフタレン異性体混合物は2,6−ジメチルナフタレンを35〜50重量%含むことが好ましい。
【0029】
本発明のもう一つの適切な実施形態によれば、前記第2の結晶化ステップにおけるジメチルナフタレン異性体の混合物は2,6−ジメチルナフタレンを75〜95重量%含むことが好ましい。
【0030】
本発明に係る2,6−DMNの分離および精製工程は、次のようなステップを含む。
【0031】
1)1,5−DMTの脱水素化反応を経て生成された1,5−DMNが豊富なDMN異性体混合物および高沸点物質と未反応1,5−DMTおよび低沸点物質を蒸留塔精製で分離するステップと、
【0032】
2)前記1)ステップの後、高沸点物質とDMN異性体を分離するステップと、
【0033】
3)前記2)ステップの後、分離されたDMN異性体混合物を異性化反応器を経て、2,6−DMNが豊富な混合物で異性化反応させるステップと、
【0034】
4)2,6−DMNが豊富なDMN異性体混合物より溶融結晶化の方法で1次結晶化を介し、選択的に2,6−DMNを含むDMN異性体の混合物を分離する第1の結晶化ステップと、
【0035】
5)前記第1の結晶化ステップの2,6−DMNを含むDMN異性体の混合物より溶液結晶化方法で2次再結晶化を介し、高純度の2,6−DMNを分離する第2の結晶化ステップと、
【0036】
6)前記第1のおよび第2の結晶化ステップにて分離された母液を蒸留塔を経て、溶媒とDMN異性体に分離するステップと、
【0037】
7)前記6)ステップにて分離された溶媒は再び結晶化に用いられ、分離されたDMN異性体は前記1)ステップにて再び循環されるステップ。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、前記の1,5−ジメチルナフタレンを、ゼオライトベータ触媒を用いて異性化反応を介した2,6−ジメチルナフタレンを高い選択率と収率で、直ちに工業的にできる製造方法が提供されている。また、従来のゼオライトY触媒の代わりに、特にSiO/Alのモル比が5.0〜300.0であるゼオライトベータ触媒を用いることによって副反応生成物を減少させ、高い選択率および高収率の2,6−DMNを提供する効果を奏する。また1,5−ジメチルナフタレンの異性化反応のステップは、常圧(1atm)と、250〜320℃の温度範囲、好ましくは280〜300℃の温度の条件で反応がなされ、これによって2,6−ジメチルナフタレンが効率的に分離および精製が可能にする。
【0039】
併せて本発明によれば、分離および精製においても精製塔精製と結晶化分離および精製工程を適切に結合し、反応工程にて発生する高沸点物質と低沸点物質を効果的に分離および精製することができる。本発明に係る結晶化法による2,6−DMNの分離、精製方法は蒸留操作にて用いられる気化熱の約1/5である融解熱を用いるため、エネルギーが節約でき、単純な固液分離操作によって高純度の2,6−DMNを高収率で分離することができる。本発明によれば、分離および精製装置が簡単で、操業が単純なため、固定投資費と生産費を減らし、経済的にも有用な長所がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
図1は前記のような工程を実施するための本発明の装置の一実施形態を示したものである。図1の中、英文大文字は各々の装置に投入される混合物を示し、矢印は混合物の移動経路を示す。図1を参照して、本発明の工程を概略的に説明する。
【0041】
出発原料である1,5−ジメチルテトラリンの脱水素化反応を経て製造された1,5−DMN異性体を95%以上含有する混合物Aを、低沸点物質であるDMT、5−OTPおよびOXなどを分離するために、低沸点物質の精製蒸留塔1に第1のポンプP1を介して導入される。この場合、混合物Aは再循環するDMN異性体混合物Mと共に混合され、混合物Bの形態で低沸点物質の精製蒸留塔1に導入される。低沸点物質の精製蒸留塔1に導入された混合物において、低沸点物質Cは一定の圧力と温度条件下で上部に分離され、DMN異性体混合物と高沸点物質との混合物Dは次のステップであるDMN精製蒸留塔2に第2のポンプP2を介して流入される。DMN精製蒸留塔2に導入された混合物Dのうち、DMN異性体混合物Fは一定の圧力と温度下で上部に分離され、高沸点物質Eは蒸留塔下部に分離される。DMN精製蒸留塔2上部に分離されたDMN異性体混合物Fの真空吸引によって蒸発されたDMN気体は凝縮機を介して凝縮され、凝縮されたDMN異性体混合物は第1のDMN貯蔵槽3に導入され、第3のポンプP3を介して異性化反応器4に流入される。また、常圧および一定の温度範囲において異性化反応を経て、2,6−DMNが豊富な第2のDMN貯蔵槽5に移送される。その後、DMN貯蔵槽に流入された2,6−DMNが豊富なDMN異性体混合物Gは、第4ポンプP4を介してバッフルおよびドラフトチューブが取り付けられた第1の結晶化器6に導入される。第1の結晶化器6は導入される試料の溶融点以上から出発し、第1の結晶化器の外部ジャケットを循環する冷媒によって前記混合物Gを結晶生成点以下に冷却させ、第1の吸引濾過器7に送る。第1の吸引濾過器7にて冷却によって得られた第一次結晶は固体および液体に分離され、そして第1の分離母液Iは吸引濾過によって母液貯蔵槽10に供給される。第1の吸引濾過器7にて吸引濾過後、残った第一次結晶はエタノール貯蔵槽12から、第6ポンプP6を介し熱交換器13を経て導入された熱いエタノールPで溶解され、第5ポンプP5を介し第2の結晶化器8に流入される。また、第2の結晶化器8に流入され、高い温度で溶解された一次結晶化溶解物Hは前記第1の結晶化器の場合と同様に第2の結晶化器の外部ジャケットを循環する冷媒によってDMN混合物の溶解度による結晶生成点以下に冷却された後、第2の吸引濾過器9に送られる。濾過装置(Filter)が取り付けられた第2の吸引濾過器9において2次結晶生成物(2,6−DMN)Jと第2の分離母液Kは真空吸引濾過によって分離される。分離された高純度の2,6−DMN結晶Jは排出し、そして第2の分離母液Kは母液貯蔵槽10に供給される。その後、母液貯蔵槽10に供給された母液Lは、第7ポンプP7によりエタノールおよびDMN混合物分離塔11に導入される。エタノールおよびDMN混合物分離蒸留塔11に導入されたエタノールとDMN混合物は分離し、そして上部に分離したエタノールNはエタノール貯蔵槽12に集められる。このときに分離したDMN混合物Mは第8ポンプP8を用いて1,5−ジメチルテトラリンの脱水素化反応を経て製造された1,5−DMN異性体を95%以上含有する混合物Aと共に再び低沸点物質の精製蒸留塔1に導入されて循環されるようになる。
【0042】
上述した各々の工程について詳しく説明する。
低沸点物質の精製蒸留塔1に流入されるジメチルナフタレン異性体混合物の原料は、1,5−DMT脱水素化工程より得られる1,5−DMNが豊富な異性体、高沸点および低沸点の炭化水素を含む混合物である。また、前記混合物には結晶化分離および精製後、再循環される工程により蒸留塔に再循環される2,6−DMN、1,6−DMN、1,5−DMNおよびその他の混合物がさらに含まれており、下の表1に示す含量で各々含まれている。
【0043】
【表1】

*a)低沸点物質:(<C12;沸点がDMNより低い物質)、b)高沸点物質:(>C12;沸点がDMNより高い物質)
【0044】
表1に示す通り、本発明は1,5−DMNが一定範囲の含量で含まれたDMN異性体混合物から経済的で、かつ工業的に有用な高純度の2,6−DMNを製造、分離および精製できるようにするものである。
【0045】
本発明によれば、1,5−DMN原料物質中に含まれた低沸点および高沸点の物質は連続的に連結した2本の蒸留塔から除去される。また、結晶化工程から分離された1,5−DMNおよび1,6−DMNが主成分であるDMN異性体混合物は再循環され、脱水素化反応生成物の原料と混合されて供給される。
【0046】
蒸留塔はステンレススチールで製作されており、蒸留塔の内部はパッキングで満たされ、蒸留塔の理論段数である15段で設計製作された。蒸留塔の分離は、時間当り5kgの注入量による分離が可能なように設計された。具体的には単位時間当り5kgの原料を注入し、排出される塔上部および塔下部の物質の和が5kg/hourとなる。
【0047】
第一の蒸留塔である低沸点物質の分離精製用蒸留塔に流入される混合物Bは、導入された原料の中、未反応物と副反応物であるナフタレン、1−メチルナフタレン、1,5−DMT、5−OTPおよびOXのような化合物を含む。このような低沸点物質は蒸留塔上部に蒸気状態Cで分離され除去される。低沸点物質の蒸留塔分離および精製が必要な理由としては、低沸点物質の成分は未反応物と副産物の原料として供給されるだけでなく、1,5−DMNの再循環により蓄積されるため、除去される必要があるからである。また、低沸点物質の除去速度は原料物質内に含まれた成分と異性化反応の中、生成される副産物の成分によって増加または減少され得、そして、これに伴いエネルギーと生産収率が調節されることができる。
【0048】
蒸留塔から除去される低沸点物質の成分は、蒸留塔上部の凝縮機の温度に応じて決定される。塔上部の制御温度が上がれば上がるほど、低沸点不純物の除去率は増加するが、これによるDMNの損失もまた大きくなる。したがって、塔上部のリフラックスによる制御が必要となり、1,5−DMNの再循環速度は温度と組成によって制御される。
【0049】
塔上部の凝縮機温度は、蒸発される水の圧力調節により制御することができる。このような工程の過程を介し、下部生成物である低沸点物質が除去された生成物Dは第二の蒸留塔に移送される。
【0050】
1次低沸点物質除去のための蒸留塔の運転条件としては、塔上部が60〜150mmHgおよび160〜200℃、そして塔下部が176〜220℃での加熱および蒸留となる。低沸点物質は塔上部から除去され、塔下部の生成物は2次DMN蒸留塔に流入される。
【0051】
第二の蒸留塔は、高沸点物質とDMN異性体の混合物Dを分離および精製するための蒸留塔であって、その構成および操作は第一の蒸留塔の構成および操作と類似する。ただし、制御温度と圧力は成分の差により変わり得る。制御温度と圧力は、実施例にて条件に応じて記載した。塔上部から得られる蒸気(DMN異性体)Fは凝縮機によって凝縮され、一部再循環される量を除いた生成物は液状であって、異性化反応工程に送られる。下部の生成物Eは高沸点物質として除去される。
【0052】
2次高沸点物質除去のための蒸留塔の運転条件としては、塔上部の操作条件が158〜170℃および30〜80mmHgであり、そして塔下部が190〜250℃である。このような条件でDMN異性体Fは塔上部に分離され、高沸点物質Eは塔下部に分離され、除去される。異性化反応により導入される成分の組成は、次の表2の通りである。
【0053】
【表2】

*a)低沸点物質:(<C12;沸点がDMNより低い物質)、b)高沸点物質:(>C12;沸点がDMNより高い物質)
【0054】
本発明のDMN異性化反応は、2,6−DMN(45.6モル%)、1,6−DMN(46.2モル%)および1,5−DMN(8.2モル%)の平衡組成の可逆反応である。工業的な2,6−DMN生産において、付加的な問題点としては2,6−DMN以外のDMN異性体より目的とする2,6−DMN異性体に転換するに当たって困難があるという点である。DMN異性化過程中、メチル群が1,4,5または8位置のアルファ位置から2,3,6または7位置のベータ位置に、或いはこれと逆方向に移動する場合には、ナフタレン環状のメチル群が移動しやすい。ところが、メチル群がベータ位置からまた別のベータ位置に再整列するのは難しいと知られている。文献によれば、DMN異性体は容易に異性化されるトライアド(triad)と呼ばれる群に分類されてきた。このようなトライアドは、1)1,5−DMN、1,6−DMNおよび2,6−DMNと、2)1,7−DMN、1,8−DMNおよび2,7−DMNと、3)1,3−DMN、1,4−DMNおよび2,3−DMNである。十番目の異性体である1,2−DMNはアルファおよびベータ位置に隣接した二つのメチル群からなり、前で言及したトライアドのうちの一つとは一致しない。
【0055】
本発明は、SiO/Alのモル比が5.0〜300であるゼオライトベータ触媒、特に、ペレット状で構成されたゼオライト触媒を用い、1,5−DMNおよび1,6−DMNを異性化反応させ、2,6−DMNを高い選択率および高収率で製造する方法を提供する。
【0056】
以下、本発明に係る異性化反応工程について詳しく説明する。
1,5−ジメチルナフタレンの異性化反応は、常圧(1atm)および250〜320℃の温度範囲、好ましくは280〜300℃の温度条件で反応がなされることができる。
【0057】
本発明は1,5−DMN、1,6−DMN、2,6−DMNまたはこれらの混合物を異性化反応させ、2,6−DMNを製造するに当たってSiO/Alのモル比が5.0以上であるゼオライトベータ触媒を用いることを特徴とする。
【0058】
本発明に使われたゼオライトベータは水素イオンで置換されたゼオライトベータであり、SiO/Alのモル比が5〜300であり、NaO含量は0.001〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%である。SiO/Alのモル比が5未満であるゼオライトベータ触媒を用いる場合、活性点の低下により転換率が下がる。また、SiO/Alのモル比が300を超える場合には、触媒自体の気孔が大きくなるため、反応の活性があまりにも大きくなり、副反応が発生して高沸点物質の発生量が増加するばかりでなく、気孔を塞いでしまうため、急激に転換率が下がることとなるため、SiO/Alのモル比が5〜300であるゼオライトベータ触媒を用いた方が、2,6−DMNへの転換率および選択率を高め、かつ高収率で2,6−DMNを製造することができるようになる。
【0059】
また、本発明にて用いたゼオライトベータ触媒は、ペレット状であることを特徴とする。触媒を工業的に用いるためには、反応中の触媒の損失を減らすために、反応器内での触媒の固定が必要である。このため、触媒は適当な大きさを有さなければならず、それによる構造的強度を有さなければならない。すなわち、大きさが小さい場合、触媒層内の密度が増加し、流体が触媒層を通過する場合、触媒層内での圧力損失が増加するようになるため、適当な流速流れを維持するためには反応に必要な圧力以上の大きな圧力が必要とされる。また、構造的強度が弱い場合には、固定層内で層の重さまたは流体の圧力によって触媒形態が破壊され、大きさが縮小し、この結果、触媒の流出による損失を招くことになる。したがって、工業的に用いられる触媒においては、適当な大きさ、すなわち、直径0.1mm以上の大きさが必要とされる。
【0060】
本発明に用いられる異性化反応触媒としては、ゼオリスト(Zeolyst)社が製造したペレット状のゼオライトベータCP811E−75と日本東ソー社のHSZ−930が挙げられる。
【0061】
本発明に係るDMN異性体混合物を異性化反応を介し、2,6−DMNを製造する方法を詳しく説明すると、次の通りである。水素イオンで置換されたゼオライトベータ触媒とDMN、すなわち1,5−DMN、1,6−DMNまたはこれら混合物を液状固定層反応器に入れ、先ず窒素を通させて反応器内の空気を除去した後、反応温度200〜400℃、好ましくは280〜320℃にて、反応圧力0.8〜1.2kg/cmG、重量基準の空間速度(WHSV)は通常2〜4hr−1にて異性化反応が行われる。反応温度が前記範囲より高い、或いはWHSVが前記範囲より低い場合には所望する2,6−DMNへの異性化より他の異性体に転換されてしまう副反応が起き、逆に反応温度が前記範囲より低い場合には1,5−DMNの2,6−DMNへの異性化率が下がってしまう。このとき、ゼオライトベータは乾燥させ、水分を除去した後に用い、水分を除去するためにゼオライトベータ14kgを500℃に調整された炉に入れ、5時間焼成させて用いる。
【0062】
本発明の結晶化工程は、異性化工程により得られたジメチルナフタレン混合物から2,6−ジメチルナフタレンを低エネルギー消耗型で、装置が簡単で、操業が単純なため、固定投資費と生産費を減らすことができる溶融結晶化または溶液結晶化方法を用い、高純度および高収率で分離および精製することを含む。
【0063】
本発明に係る2,6−DMNを結晶化、分離および精製する方法を、図1を参考して説明する。
【0064】
異性化ステップから得られたジメチルナフタレン異性体混合物より溶融または溶液結晶化方法を介し、選択的に2,6−ジメチルナフタレンを含むジメチルナフタレン異性体の混合物を分離する第1の結晶化ステップについて説明する。
【0065】
異性化工程から得られたジメチルナフタレン異性体混合物は、10個のDMN異性体、高沸点および低沸点の炭化水素を含む混合物であって、2,6−DMN、1,6−DMN、1,5−DMNおよびその他の物質が混合され、各々次の表3に示す含量で含まれている。
【0066】
【表3】

【0067】
前記表3に示す通り、本発明は、回分式または連続式により2,6−DMNが20〜95重量%の含量で含まれたDMN異性体から、工業的に有用な高純度の2,6−DMNを高収率で分離および精製することができるため、従来の2,6−DMNを低収率で分離する方法よりも、さらに効率的に分離することができる長所がある。
【0068】
前記結晶化は、回分式または連続式操作によりなされる。結晶化の分離および精製方法は、溶融結晶化または溶液結晶化法によってなされるが、溶媒を用いない溶融結晶化の場合は、制御温度が溶媒を用いた溶液結晶化よりも高い溶解度を有する温度で制御される。
【0069】
前記結晶化の分離および精製に用いる第1の結晶化器6は、冷媒が循環される外部ジャケットがあり、結晶化器の内部に冷却チューブ(Draft tube)のある冷却結晶化器、冷却器および攪拌器を含む。前記攪拌器としては、攪拌速度調節機が取り付けられたマリン−タイプの攪拌器(自社製作)が結晶化器内の溶液を混合するために用いられ、このとき、攪拌速度は無攪拌〜1000rpmとする。冷却結晶化器内の溶液と恒温槽の温度は、K−タイプの熱電帯を連結したデジタル温度測定機(PT100Ω)にて記録され、冷却器の温度はPID制御機が取り付けられた冷凍恒温調節機を用い、±0.05Kの誤差の範囲に制御される。冷却器の熱媒体(冷媒)は、エチレングリコールと水を1:3の割合で混合したものと、工業用メタノールを用いることができる。結晶化器の内部の溶液の温度は、外部ジャケットを介して循環する熱媒体によって調節され、結晶化器の冷却速度はPIDプログラミングによって調節され、最終冷却温度調節範囲はDMN異性体混合物の濃度に応じて90℃から0℃に調節され、そして生成された結晶は真空濾過器を用いて母液から分離される。冷却速度は0.1〜10℃/min範囲とする。このとき、冷却温度を前記の範囲とする理由は、原料の中2,6−DMNの結晶生成範囲が前記の領域にあるからである。前記の温度範囲を外れる低い温度では2,6−DMN以外の他の成分も固体の結晶として伸び、高い温度では結晶が生成されない問題がある。冷却速度が前記範囲を外れると、結晶化器の操業が難しいだけでなく結晶成長速度が速いため、生成された結晶の中に多くの不純物が存在し、純度が落ちる問題がある。
【0070】
結晶および残液の組成はFID(Flame Ionization Detector)が取り付けられた気体クロマトグラフィー(以下、「GC」とする)を用いて分析し、2,6−DMNの純度が75〜95重量%以上になれば、抽出結晶化を介した第2の結晶化ステップに移送させる。溶融結晶化方法は溶媒を用いないことを除いては溶液結晶化方法と同じ方法で行われる。
【0071】
前記のような溶融結晶化方法による分離および精製工程は、回分式または連続的な結晶化工程となり、2,6−DMNの純度が75〜95重量%以上になれば、生成物は第2の結晶化ステップへ移送される。結晶化は第1の結晶化器において結晶と残液を分離し、結晶生成物は第2の結晶化ステップに送られ、残液は第2の結晶化器に移送され、結晶化が行われる。
【0072】
第1の結晶化ステップにて1次分離および精製されて得られた純度45重量%以上の2,6−DMNを含むジメチルナフタレン異性体の混合物より溶液結晶化方法を介し、純度99重量%以上の高純度の2,6−ジメチルナフタレンを分離する第2の結晶化ステップについて説明する。
【0073】
溶液結晶化方法を用い、前記2,6−DMNを含むジメチルナフタレン異性体の混合物から純度99重量%以上の2,6−DMNを分離する過程であって、第2の結晶化器8の冷却温度を50〜−20℃の範囲とし、冷却速度を0.1〜10℃/min範囲とし、2,6−DMN結晶を生成させる。このとき、冷却温度を前記範囲とする理由としては、前記範囲の温度が2,6−DMNの結晶生成温度だけでなく、前記温度範囲で結晶相が最も多く存在するからである。前記の温度範囲を外れる高い温度では結晶の生成がないため分離されず、低い温度ではその他の不純物と共に結晶相として存在するようになる。また、冷却速度が前記の温度範囲を外れると、結晶の中に多くの他の不純物が2,6−DMNのような固体状で結晶化されるという問題点が有する。また、前記溶液結晶化方法では溶媒と2,6−DMNを含むジメチルナフタレン異性体の混合物との混合比を1:1〜100:1重量比とするのが好ましく、混合比が前記の温度範囲を外れる低い混合比では高純度の結晶は得にくく、高い混合比では生成される結晶量に対する抽出溶媒の量が相対的に多すぎ、さらに過飽和の発生しない領域として結晶が得られにくくなる。特に、溶液結晶化方法で用いる溶媒としては2,6−DMNに、非活性であり、粘度が低く、そして2,6−DMNとの沸点差が大きい溶媒を用いた方が溶媒および結晶の分離がし易く、相対的に多くの結晶化物を得ることができるという点で好ましい。前記の溶媒としては、炭素数1〜6のアルコール、アセトン、ヘキサンまたはヘプタンが用いられ、より好ましくはエタノールを用いることができる。本発明に係る実施例の場合、溶液結晶化に用いられる溶媒としてエタノールが用いられた。エタノールを用いた理由は、他のいかなる溶媒より溶解度の面で有利であるばかりでなく、結晶の形状と高純度の2,6−DMNを結晶化するのに精製効率が高いからである。
【0074】
溶液結晶化工程は、2,6−DMNと2,7−DMNが共に存在する共融系を形成するが、溶融結晶化工程ではこのような共融点より低い温度領域では分離が難しい。したがって、第3の物質である溶媒を用い、相の挙動を変化させることによって所望する2,6−DMNの結晶を得ることができるのである。このように前述した本発明に係る2,6−DMNの分離および精製方法は、低い純度の2,6−DMNを含有するDMN異性体混合物から溶融および溶液結晶化方法を組み合わせ、純度99重量%以上の2,6−ジメチルナフタレンを分離することができるようにする。
【0075】
回分式または連続式の結晶化分離および精製工程において、結晶化時間および結晶が結晶化器の表面にくっつく現象のような問題を解決するため、次のような装置をさらに備えることができる。
【0076】
1)結晶化時間の遅延を最小化するためには、熱伝達面積を高めなければならない。したがって、熱伝達面積を高めるため、結晶化器内にドラフトチューブおよびバッフルを設ける。
【0077】
2)結晶化器内にくっつく現象をなくすため、結晶化器の表面にくっついた結晶を剥離できる攪拌器翼に掻き取り装置を取り付け、結晶化器の表面にくっつく現象を防止し、結晶化を行った。
【0078】
3)また、結晶化器内に温度の低い窒素ガスを吹き込み、結晶が結晶化器の内部の表面にくっつく現象および結晶と結晶がくっつく凝集効果を減少させ、十分な攪拌効果を発生し、結晶化器の内部の全体の温度勾配を小さくすることによって、大きな結晶にて成長および内部の壁面にくっつく現象を同時に除去する効果を奏する。
【0079】
4)もう一つの方法は、結晶化器の表面にくっつく現象を減少させるために、結晶化器の内部および攪拌器に表面処理(Buffing)して用いる方法がある。
次に本発明の範囲を制限しない実施例について説明する。
【実施例】
【0080】
1.低沸点物質および高沸点物質の精製塔分離
実施例1
図1に示す装置により工程が施された。注入される原料、すなわち、脱水素化反応を経て得られた1,5−DMNが豊富な原料の中に含まれた副反応と、未反応物である低沸点物質および高沸点物質を除去するために、2機の蒸留塔工程が施された。蒸留塔はステンレススチールで製作され、塔内部はパッキングで満たされ、蒸留塔の理論段数である15段で設計および製作された。蒸留塔の分離は時間当り5kgの注入量による分離が可能なように設計された。5kg/hrで注入される原料を1次低沸点物質の除去のための蒸留塔の運転条件として、塔上部は60mmHg、160℃で、塔下部は180℃で加熱して蒸留した。低沸点物質は塔上部で除去され、塔下部の生成物は2次DMN蒸留塔に流入される。2次DMN蒸留塔はDMN異性体および高沸点物質を分離するための蒸留塔であって、1次低沸点物質除去蒸留塔と同じような設計条件で製作された。2次蒸留塔上部の操作条件は160℃および30mmHgで、塔下部は190℃の条件下で、DMN異性体は塔上部に分離され、高沸点物質は塔下部に分離された。実施例1では再循環工程を除いた分離および精製工程のみが施された。各々の生成物を採取して分析した結果を表4に示した。
【0081】
実施例2
実施例2は蒸留塔の運転条件を、1次低沸点物質の除去のための蒸留塔の塔上部は130mmHgおよび180℃に、塔下部は200℃にし、2次DMN蒸留塔の塔上部は165℃および45mmHgに、塔下部は210℃にしたことを除いては、実施例1と同じ条件下で行われた。GC分析を通した実施例2の結果が表4に示されている。
【0082】
実施例3
実施例1と同じ条件下で行われ、異なるところは注入される原料の組成が再循環工程によって変わることである。GC分析を通した実施例3の結果は表4に示した。
【0083】
実施例1〜3の結果からみたとき、本発明により設計された蒸留塔において、低沸点物質と高沸点物質は蒸留塔の分離によって容易に除去されることが分かり、その結果、低沸点物質と高沸点物質が除去されたDMN異性体のみ得ることができる。
【0084】
【表4】

【0085】
2.異性化反応工程
実施例4
実施例4にて用いた変形されたゼオライトベータは、ゼオリスト社(Zeolyst)のCP811e−75ペレット状であって、SiO/Alのモル比が75である。内径5インチおよび長さ170cmのステンレス鋼の管型固定層反応器に水素イオンで置換されたゼオライトベータ触媒14kgを反応器に充填した後、5℃/minの昇温速度で400℃まで窒素を十分に流し、反応器内の空気を除去した後、水素を100cc/minで流しながら、500℃で1時間還元させた後、反応条件である200℃および1KgfGで安定化させた後、空間速度(WHSV)=2h−1の条件で反応させた。生成物を採取してGCで分析した。反応物の組成と生成物の組成を表5に示した。
【0086】
実施例5
実施例4と比較したとき、反応温度を250℃に変えたことを除いては、実施例4と同じ方法で異性化反応させた。反応物の組成と生成物の組成は表5に示した。
【0087】
実施例6
実施例4と比較したとき、反応温度条件を300℃に変えたことを除いては、実施例4と同じ方法で異性化反応させた。反応物の組成と生成物の組成は下の表5に示した。
【0088】
実施例7
実施例4と比較したとき、反応温度条件を280℃に変えたことを除いては、実施例4と同じ方法で異性化反応させた。反応物の組成と生成物の組成は下の表6に示した。
【0089】
実施例8
実施例7と比較したとき、WHSVを4に変えたことを除いては、実施例7と同じ方法で異性化反応させた。反応物の組成と生成物の組成は下の表6に示した。
【0090】
実施例9
実施例4と比較したとき、ゼオライトベータ触媒をSiO/Alのモル比が27である東ソー社のHSZ−930に変えたことを除いては、実施例4と同じ方法で異性化反応させた。生成物を採取してGCで分析した。反応物の組成と生成物の組成を下の表7に示した。
【0091】
実施例10
実施例9と比較したとき、反応温度条件を250℃に変えたことを除いては、同じ方法で異性化反応させた。反応物の組成と生成物の組成は下の表7に示した。
【0092】
実施例11
実施例9と比較したとき、反応温度条件を300℃に変えたことを除いては、同じ方法で異性化反応させた。反応物の組成と生成物の組成は下の表7に示した。
【0093】
実施例12
実施例9と比較したとき、反応温度条件を280℃に変えたことを除いては、同じ方法で異性化反応させた。反応物の組成と生成物の組成は下の表8に示した。
【0094】
実施例13
実施例12と比較したとき、WHSVを4に変えたことを除いては、同じ方法で異性化反応させた。反応物の組成と生成物の組成は下の表8に示した。
【0095】
実施例14
実施例12のSiO/Alモル比を9に変えたことを除いては、同じ方法で異性化反応させた。反応物の組成と生成物の組成は下の表8に示した。
【0096】
以上、実施例4〜14の結果からみたとき、ゼオリスト社のCP811e−75を変形して作ったSiO/Alモル比が75であるゼオライトベータと東ソー社のHSZ−930のSiO/Alモル比が27であるゼオライトベータを用いて異性化反応を行った場合が2,6−DMNへの選択率が高かった。さらに、常圧下で反応条件としてはWHSVが2hr−1と反応温度280℃での選択率が高いことが分かった。
【0097】
【表5】

【0098】
【表6】

【0099】
【表7】

【0100】
【表8】

【0101】
3.結晶化工程
実施例15〜17
実施例15〜17は、原料物質の注入組成による結晶化工程の分離および精製を図1に示す分離および精製工程で行った。22.38〜47.37重量%の2,6−DMNが含まれているDMN異性体混合物(crude DMN)60kgをジャケットからなる100Lの第1の結晶化器に入れ、熱媒体を結晶化器のジャケットに循環させ、温度を90℃で30分間維持させた後、0.7K/minの速度で5〜45℃まで冷却させ、結晶化最終温度で30分間維持した。このように生成された結晶は、第1の吸引濾過器に移送され、結晶は残液と分離してGCで各々の成分を分析し、その結果を下の表9に示した。次に結晶と残液を分離させて得られた結晶生成物は、350Lの第1の吸引濾過器にそのまま存在するようになり、これに70℃の熱いエタノールを投入して溶解させ、第2の結晶化器へ送る。第2の結晶化過程は第1の結晶化過程と同じで、ただ最終冷却温度が−15℃、溶媒比が20:1ということを除けば第1の結晶化過程と同じである。また、得られた結晶をGCで各々の成分を分析し、その結果は表9に示した。結晶化による注入組成による分離、精製能力は注入組成の2,6−DMN純度が高いほど高かった。注入される2,6−DMNの純度が45.37重量%である場合、第2の結晶化ステップ後、得られた結晶の純度は99.24重量%であり、収率は95.7%であった。
【0102】
実施例18〜20
実施例18〜20に係る、冷却速度による結晶化工程の分離および精製を図1に示す分離および精製工程で行った。第1のおよび第2の結晶化工程において冷却速度を0.1〜3℃/minに変えたことを除いては、実施例15〜17と同じ方法で行った。得られた2,6−DMN結晶はGC分析を通し、下の表10に示した。
【0103】
実施例21〜23
実施例21〜23に係る、結晶化温度による結晶化工程の分離および精製を図1に示す分離および精製工程で行った。1次溶融結晶化において結晶化最終温度を0〜45℃に、2次溶液結晶化において結晶化最終温度を0〜−25℃に変えたことを除いては、実施例15〜17と同じ方法で行った。得られた2,6−DMN結晶はGC分析を通し、下の表11に示した。
【0104】
実施例24〜26
実施例24〜26に係る、攪拌速度による結晶化工程の分離および精製を図1に示す分離および精製工程で行った。第1のおよび第2の結晶化工程において攪拌速度を100〜500rpmに変えたことを除いては、実施例15〜17と同じ方法で行った。得られた2,6−DMN結晶はGC分析を通し、下の表12に示した。
【0105】
実施例27〜29
実施例27〜29に係る、溶媒比による結晶化工程の分離および精製を図1に示す分離および精製工程で行った。1次溶融結晶化後、2次溶液結晶化において溶媒比を12:1〜20:1に変えたことを除いては、実施例15〜17と同じ方法で行った。得られた2,6−DMN結晶はGC分析を通し、下の表13に示した。
【0106】
実施例30〜32
実施例30〜32に係る、使用溶媒による結晶化工程の分離および精製を図1に示す分離および精製工程で行った。1次溶融結晶化後、2次溶液結晶化において使用溶媒をエタノール、メタノール、ヘキサンに変えたことを除いては、実施例15〜17と同じ方法で行った。得られた2,6−DMN結晶はGC分析を通し、下の表14に示した。
【0107】
以上、結晶化分離および精製の部分工程において得られた結果からみたとき、注入物組成の2,6−DMNの純度が高いほど、冷却速度が遅いほど、結晶化温度が高いほど、攪拌速度が遅いほど、そして溶媒比が増加するほど、結晶の純度は高かった。しかし、結晶化分離および精製工程では注入物組成の2,6−DMNの純度が高いものを用いた方が収率もまた高いため有利であるが、冷却速度は遅いほど操業時間が増加するため、適切な冷却速度である0.7℃/minとするのが有利である。結晶化温度は高いほど純度には有利であるが、収率が低くなるため、1次溶融結晶化過程では注入組成に応じて25〜45℃に、2次結晶化過程では−15℃とするのが有利である。攪拌速度は低ければ低いほど結晶の大きさは大きくなり、純度も増加するが、低い攪拌速度では結晶が結晶化器の壁面にくっつく現象が発生する。したがって、攪拌速度を100rpm以下の最低速度で維持しながら、結晶化器の壁面にくっつく結晶は結晶化器の形態および表面処理を介し、解決することができる。溶媒比は高いほど純度は増加するのに対して収率を落とし、さらに多くの溶媒を用いるという経済的な負担があるため、2次結晶化過程では20:1とするのが有利である。用いられる溶媒はC1〜C6アルコール、ヘキサン、ヘプタンなど様々なものがあるが、メタノール、エタノール、ヘキサンを検討した結果、エタノールが結晶の大きさ、形状、純度および収率などに卓越した効果を現した。また、結晶の形状の制御もさらに可能であり、100〜700mm大きさの高純度の2,6−DMNを提示された実施例による工程の過程を介して得ることができる。
【0108】
【表9】

【0109】
【表10】

【0110】
【表11】

【0111】
【表12】

【0112】
【表13】

【0113】
【表14】

【0114】
4.連続工程
実施例33
図1を参照して、再循環(Recycle)工程を含む全体工程を連続的に運転した場合、全体工程の最適化時の運転条件、工程純度、収率および各々の工程にて発生するサンプルを分析し、GC分析をした結果を表15に示した。
【0115】
【表15】

【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】本発明に係る蒸留塔、異性化反応および結晶化工程を結合した2,6−ジメチルナフタレンを製造するための装置の一実施形態を概略的に示したものである。
【符号の説明】
【0117】
1:低沸点物質の精製蒸留塔、2:DMN精製蒸留塔、3:第1のDMN貯蔵槽、4:異性化反応器、5:第2のDMN貯蔵槽、6:第1の結晶化器、7:第1の吸引濾過器、8:第2の結晶化器、9:第2の吸引濾過器、10:母液貯蔵槽、11:エタノールおよびDMN混合物分離塔、12:エタノール貯蔵槽、13:熱交換器、A:1,5−ジメチルテトラリンの脱水素化反応を経て製造された1,5−DMN異性体を95%以上含有する混合物、B:混合物Aと混合物Mの混合物、C:低沸点物質、D:DMN異性体混合物と高沸点物質との混合物、E:高沸点物質、F:DMN異性体混合物、G:2,6−DMNが豊富なDMN異性体混合物、H:一次結晶化溶解物、I:第1の分離母液、J:2次結晶生成物、K:第2の分離母液、L:母液、M:DMN異性体混合物、N:エタノール、P:エタノール、P1:第1のポンプ、P2:第2のポンプ、P3:第3のポンプ、P4:第4ポンプ、P5:第5ポンプ、P6:第6ポンプ、P7:第7ポンプ、P8:第8ポンプ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2,6−ジメチルナフタレンを分離および精製する方法であって、
1,5−ジメチルテトラリンの脱水素化反応を経て生成された1,5−ジメチルナフタレンが豊富なジメチルナフタレン異性体混合物および高沸点物質と、未反応1,5−ジメチルテトラリンおよび低沸点物質とを蒸留塔精製で分離するステップと、
蒸留塔精製で分離されたジメチルナフタレン混合物を異性化触媒下で液状異性化反応させるステップと、
液状異性化反応の生成物を、溶媒を用いないで冷媒で冷却させて結晶を形成させる溶融結晶化工程である第1の結晶化ステップと、
第1の結晶化ステップの生成物を溶媒に混合して結晶を形成させる溶液結晶化工程である第2の結晶化ステップと、
を含む2,6−ジメチルナフタレンの分離および精製方法。
【請求項2】
前記蒸留塔精製は、低沸点物質を分離するための低沸点物質分離および精製ステップと、高沸点物質を分離するための高沸点物質分離および精製ステップと、
を含む請求項1記載の2,6−ジメチルナフタレンの分離および精製方法。
【請求項3】
前記低沸点物質分離および精製ステップの蒸留塔の操作条件は、塔上部は60〜150mmHgおよび160〜200℃であり、塔下部は176〜220℃であることを特徴とする請求項2記載の2,6−ジメチルナフタレンの分離および精製方法。
【請求項4】
前記高沸点物質分離および精製ステップの蒸留塔の操作条件は、塔上部は30〜80mmHgおよび158〜170℃であり、塔下部は190〜250℃であることを特徴とする請求項2記載の2,6−ジメチルナフタレンの分離および精製方法。
【請求項5】
前記ジメチルナフタレン混合物の液状異性化反応は、固定層連続反応器でなされることを特徴とする請求項1記載の2,6−ジメチルナフタレンの分離および精製方法。
【請求項6】
前記ジメチルナフタレン混合物は、総量対比0.5〜15.0重量%の2,6−ジメチルナフタレンおよび60.0〜97.0重量%の1,5−ジメチルナフタレンを含むことを特徴とする請求項1記載の2,6−ジメチルナフタレンの分離および精製方法。
【請求項7】
前記ジメチルナフタレン混合物の液状異性化反応は、常圧(1atm)下、反応温度250〜320℃の区間で行われることを特徴とする請求項1記載の2,6−ジメチルナフタレンの分離および精製方法。
【請求項8】
前記ジメチルナフタレン混合物の液状異性化反応は、2〜4hr−1の空間速度(WHSV)であることを特徴とする請求項1記載の2,6−ジメチルナフタレンの分離および精製方法。
【請求項9】
前記液状異性化反応は、異性化触媒の存在下でなされ、前記異性化触媒は水素イオン交換されたゼオライトベータであって、シリカ/アルミナモル比が5〜300であることを特徴とする請求項1記載の2,6−ジメチルナフタレンの分離および精製方法。
【請求項10】
前記異性化触媒は、ペレット状であることを特徴とする請求項9記載の2,6−ジメチルナフタレンの分離および精製方法。
【請求項11】
第1の結晶化ステップは、回分式または連続式であることを特徴とする請求項1記載の2,6−ジメチルナフタレンの分離および精製方法。
【請求項12】
前記第2の結晶化ステップの溶媒は、炭素数1〜6のアルコール、アセトン、ヘキサンおよびヘプタンで構成された群から選択される1種であることを特徴とする請求項1記載の2,6−ジメチルナフタレンの分離および精製方法。
【請求項13】
前記第2の結晶化ステップの溶媒は、再び結晶化に用いられ、分離したジメチルナフタレン異性体は再び原料注入ステップに投入され循環することを特徴とする請求項1記載の2,6−ジメチルナフタレンの分離および精製方法。
【請求項14】
前記第1の結晶化ステップの冷媒は、エチレングリコールと水との混合物または工業用メタノールであることを特徴とする請求項1記載の2,6−ジメチルナフタレンの分離および精製方法。
【請求項15】
前記第1の結晶化ステップの冷却温度が90〜0℃の範囲であることを特徴とする請求項1記載の2,6−ジメチルナフタレンの分離および精製方法。
【請求項16】
前記第1の結晶化ステップおよび第2の結晶化ステップの冷却速度は、0.5〜1℃/minであることを特徴とする請求項1記載の2,6−ジメチルナフタレンの分離および精製方法。
【請求項17】
前記第2の結晶化ステップの冷却温度が50〜−20℃の範囲であることを特徴とする請求項1記載の2,6−ジメチルナフタレンの分離および精製方法。
【請求項18】
前記第2の結晶化ステップは、溶媒:2,6−ジメチルナフタレンを含むジメチルナフタレン異性体の混合物の混合重量比が10:1〜20:1であることを特徴とする請求項1記載の2,6−ジメチルナフタレンの分離および精製方法。
【請求項19】
前記第1の結晶化ステップにおけるジメチルナフタレン異性体混合物は、2,6−ジメチルナフタレンを35〜50重量%含む請求項1記載の2,6−ジメチルナフタレンの分離および精製方法。
【請求項20】
前記第2の結晶化ステップにおけるジメチルナフタレン異性体の混合物は、2,6−ジメチルナフタレンを75〜95重量%含む請求項1記載の2,6−ジメチルナフタレンの分離および精製方法。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2008−1680(P2008−1680A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−279894(P2006−279894)
【出願日】平成18年10月13日(2006.10.13)
【出願人】(503434298)ヒョスング コーポレーション (22)
【Fターム(参考)】