説明

異方性導電フィルム用組成物

【課題】導電フィルムに適用することにより、高温多湿な環境または熱衝撃条件でも優れたピール接着力と低い電気接続抵抗を維持することができ、シランカップリング剤が組成物に化学的に結合してフィルム製造過程中にシランカップリング剤が揮発しない異方性導電フィルム用組成物の提供。
【解決手段】本発明の異方性導電フィルム用組成物は、エラストマー、シラン基含有フィルム形成剤、(メタ)アクリレート系のオリゴマーまたは第1モノマー、(メタ)アクリレート系第2モノマー、ラジカル重合型の熱硬化型開始剤、導電性粒子、および有機溶媒を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異方性導電フィルム用組成物に係り、さらに詳しくは、高温多湿条件のように冷酷な環境でも、優れたピール接着力と低い電気接続抵抗を保つことが可能な異方性導電フィルム用樹脂組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
各種電子製品の部品から発生する電磁波は、人体に有害であるうえ、周辺素子の誤作動を引き起こして機器障害の原因になることもある。このような不要な電磁波を遮断するために、電子部品の組み立ての際には導電フィルムが使用される。
【0003】
異方性導電フィルムは、基本的に導電性粒子と絶縁性樹脂から構成される。このような導電フィルム用組成物の導電性粒子としては、初期には炭素繊維を、その後には半田ボール(solder ball)を使用したが、現在にはニッケルボール、銀ボール、またはプラスチッ
ク球状粒子にニッケルまたは金をコートした導電ボールを使用し、あるいはこれらの上に絶縁膜をコートして使用する。
【0004】
導電フィルム用組成物において導電フィルムの物性を左右する絶縁性樹脂は、熱による分子構造の変更有無によって硬化性樹脂および可塑性樹脂に分けられる。硬化性樹脂は、硬化方式によって熱硬化性樹脂と光硬化性樹脂に分けられる。光硬化性樹脂は、光の種類によって紫外線硬化性樹脂と赤外線硬化性樹脂に分けられる。これらの中でも、導電フィルム用組成物に最も多く使用される樹脂は、熱硬化性樹脂であって、硬化構造管理が容易であるという利点があるが、熱エネルギーと相対的に長い時間が必要であるという欠点がある。熱硬化性樹脂としては、主にエポキシ樹脂とアクリル樹脂が用いられている。エポキシ型熱硬化性樹脂は、多種の基材に高い接着力を示し、耐熱性・耐湿性に優れるという利点があるが、高い接着温度、長い接着時間などといった欠点がある。これに対し、アクリル型熱硬化性樹脂は、接着温度が低くて接着時間が短いという利点を持つが、低い接着力や低い耐熱・耐湿信頼性などの欠点を持つ。
【0005】
既存の異方性導電フィルム用組成物は、組成物の接着増進を目的とするシランカップリング剤を含む。ところが、大部分のシランカップリング剤は、分子量が小さいため、異方性導電フィルム製造過程中の一つである乾燥過程または高温接着過程中に一部のシランカップリング剤が揮発するという問題点が発生する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、導電フィルムに適用することにより、電子部品の組立の後、高温多湿な環境でも電気接続抵抗と接着性を持続させて電気的な損失を最小化させることができる、異方性導電フィルム用組成物を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、シランカップリング剤が組成物に化学的に結合してフィルム製造過程中に揮発しない異方性導電フィルム用組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、エラストマー、シラン基含有フィルム形成剤、ラジカル重合型の熱硬化型開始剤、(メタ)アクリレート系のオリゴマーまたは第1モノマー、(メタ)アクリレート系第2モノマー、導電性粒子および有機溶
媒を含む、異方性導電フィルム用組成物を提供する。
【発明の効果】
【0009】
上述したように、本発明の組成物は、シラン結合の効果を用いて高温多湿な環境や熱衝撃条件でも優れた信頼性を保つため、電子部品の組立において電気的な接続が要求される部品に高信頼性を発揮する異方性導電フィルムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の異方性導電フィルム用組成物は、エラストマー、水酸基またはエポキシ基の除去されたシラン基含有フィルム形成剤、(メタ)アクリレートオリゴマーあるいは第1モノマーを含むことを特徴とする。
【0011】
有機シランは、次のように表示される2つの作用基を持っている。
n−Si(X)4-n・・・1
式1中、Xは加水分解が可能であり、シリカーなどの無機物質に化学的結合または電荷的な親和力が発生しうるグループであって、典型的なアルコキシ(Alkoxy)、アクリロキシ(Acryloxy)、アミン(Amine)またはクローリン(Chlorine)基であり、Rは非作用性基を有
する置換基であり、あるいは樹脂と化学結合または相互作用を行うことが可能な作用基を有する置換基である。
【0012】
例えば、Rが非作用性基のアルキル鎖からなる場合、染料または充填剤の分散を促進させる役割をし、Rがラジカルによって化学的な結合を行うことが可能な作用基の場合、硬化した樹脂と充填剤や金属表面などの無機物間に両者相互結合が行われて接着力が向上し、耐水熱性に優れるうえ、耐化学性および耐汚染性が向上する。
【0013】
シランカップリング剤のメカニズムは、次の3段階に分けられる。第1段階は、外部環境で存在する水分によって1個〜3個のXグループが加水分解されることにより、シリコン作用基のある分子を生成する。このような加水分解反応は、酸条件(Acid Condition)の下で急速に行われる。第2段階は、縮合反応を行うための準備段階であって、これらのシリコングループまたはシリコンと無機表面のヒドロキシ(Hydroxy)グループとが水素結合(Hydrogen Bonding)を行う。最後に、第3段階は、後硬化(Post Curing)の間に、これら両者の間に存在する水素結合が、水分を生成しながら縮合反応(Condensation Reaction)に
よってシランカップリング剤のシリコングループと表面あるいは他のシリコングループとの間に有機−無機ハイブリッド(Organic-inorganic Hybrid)型オルガノシロキサン(Organosiloxane)を形成する。
【0014】
本発明は、有機−無機ハイブリッド化学(Organic-inorganic Hybrid Chemistry)を用いてラジカル重合型の熱硬化型に適用される異方性導電フィルム用組成物において、実際重合に参与してはおらずにフィルムの形成に主な役割をしているエラストマーまたはフィルム形成剤であるフェノキシ部分の信頼性を高めるために、エラストマーまたはフィルム形成剤であるフェノキシ部分の作用基を有機シランと化学的に反応させて信頼性を高めることができるうえ、ラジカル重合に参与するように改質する。
【0015】
本発明に係る異方性導電フィルム用組成物は、好ましくは、(a)エラストマー5〜80重量%、(b)シラン結合用フィルム形成剤10〜60重量%、(c)(メタ)アクリレートオリゴマーまたは第1モノマー10〜80重量%、(d)(メタ)アクリレート系第2モノマー5〜50重量%、(e)ラジカル重合型の熱硬化型開始剤0.1〜15重量%、および(f)導電性粒子0.01〜30重量%含み、残部が(g)有機溶媒からなる。
【0016】
本発明に係る異方性導電フィルム用組成物は、(a)通常のエラストマーの少なくとも1種、(b)シラン基含有フィルム形成剤よりなる群から選択される少なくとも1種の化合物、(c)(メタ)アクリレートオリゴマーまたは第1モノマーよりなる群から選択される少なくとも1種の化合物、(d)(メタ)アクリレート系第2モノマー、(e)ラジカル重合型の熱硬化型開始剤、(f)導電性粒子、および(g)有機溶媒を含んでなる熱硬化性樹脂組成物である。好ましくは、前記フィルム形成剤だけでなく、前記(a)エラストマー、(c)(メタ)アクリレートオリゴマーまたは第1モノマーもシラン基を含有したものを使用することもできる。
【0017】
フィルム形成剤を始めとしてその他のシラン基含有化合物を製造するために使用される有機反応型シランには、エポキシと反応することが可能なアミン系シラン、カルボキシルと容易に反応するエポキシ系シラン、水酸基との反応性に優れたイソシアネート系シランなどがある。すなわち、このようなシラン基含有化合物に含まれるシラン基は、アミン系シラン、エポキシ系シランおよびイソシアネート系シランよりなる群から選択されるシラン由来である。
【0018】
具体的には、アミン系シランは、N−アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(3−メタアクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−[3−(トリメトキシシリ)プロピル]エチレンジアミン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ジエチレントリアミノプロピルトリメトキシシラン、ジエチレントリアミノプロピルトリエトキシシラン、ジエチレントリアミノプロピルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルアミノプロピルトリメトキシシラン、ヘキサンジアミノメチルジエトキシシラン、アニリノメチルトリエトキシシラン、アニリノメチルトリメトキシシラン、メチルアミノプロピルトリメトキシシランなどがある。
【0019】
エポキシ系シランとしては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロ
ヘキシ)−エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシ)−エチル
トリエトキシシランなどがある。
【0020】
イソシアネート系シランは、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナトプロピルトリメトキシシランなどがある。
前記有機反応性シランは、異方性導電フィルムの製造に必要な組成物の作用基に応じて適切に選択して反応することができる。
【0021】
本発明で使用されるエラストマーは、それ自体でも組成物内に使用してもよく、場合によってはシラン基を含有した形で使用してもよい。
好ましくは、本発明のフィルム形成用エラストマーは、カルボキシル基またはエポキシ基を含有するゴムを有機反応型シランとの化学的反応によって合成したゴムである。例えば、アクリロニトリル系、ブタジエン系、アクリル系、ウレタン系、ポリアミド系、オレフィン系およびシリコン系ゴムなどに存在するカルボキシル基またはエポキシ基をそれぞれエポキシ系シランおよびアミン系シランと反応させることにより、接着力を増進させることが可能なゴムを合成する。
【0022】
前記カルボキシル基とエポキシ基含有エラストマー、またはシラン基含有エラストマー
の重量平均分子量は、500〜5,000,000の範囲が好ましい。また、前記エラストマーは、異方性導電フィルム用組成物全体に対して5〜80重量%含むことが好ましい。
【0023】
より具体的に、本発明で使用可能なシラン基含有エラストマーは、下記一般式2の構造を持つ。
【0024】
【化1】

【0025】
式2中、二重結合型ゴムは、アクリロニトリル系、ブタジエン系、スチレン系、アクリル系、ウレタン系、ポリアミド系、オレフィン系、およびシリコン系エラストマーよりなる群から選択され、
1、R2およびR3は、それぞれ下記一般式3で表わされる置換基から選択され、
a、bおよびcは、それぞれ20〜100の整数であり、nは1〜5の整数である。
【0026】
【化2】

【0027】
式3中、R4、R5、R6はそれぞれ独立にアルキル基またはベンゼン基であり、
7はメチル基、エチル基、プロピル基、およびイソプロピル基よりなる群から選択さ
れる。
【0028】
本発明で使用可能なシラン基含有フィルム形成剤は、フィルムの形成に必要なフェノキ
シ樹脂であって、水酸基またはエポキシ基を含有するフェノキシ樹脂を有機反応型シランと化学的に反応させて合成する。例えば、水酸基型フェノキシ樹脂の場合には水酸基との反応が可能なイソシアネート型シラン、エポキシ型フェノキシ樹脂の場合にはアミン型シランとそれぞれ化学的に反応させて接着増進用シラン基含有フィルム形成剤を製造することが好ましい。
【0029】
本発明で使用可能な好適なシラン基含有フィルム形成剤は、下記一般式4の構造を持つ。
【0030】
【化3】

【0031】
式4中、R1とR2はそれぞれ独立にヒドロキノン、2−ブロモヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、またはビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エーテルの水酸基を除いた骨格に、アルキル基、アリール基、メチロール基、アリル基、環状脂肪族基、アルコキシカルボニル基、あるいはこれらのハロゲン置換誘導体またはニトロ基置換誘導体が導入されたフェノール類由来の基であり、これらの中でもビスフェノール骨格の中心炭素には直鎖状アルキル基、分枝状アルキル基、アリル基、置換アリル基、環状脂肪族基、またはアルコキシカルボニル基が導入され、
3およびR4はそれぞれ独立に下記一般式5で表わされる作用基であり、
5は下記一般式6で表わされる作用基であり、
aおよびbはそれぞれ独立に1〜100の整数、nは1〜3の整数である。
【0032】
【化4】

【0033】
【化5】

【0034】
式5および6中、R6、R7およびR8はそれぞれ独立にアルキル基またはベンゼン基で
あり、R9はメチル基、エチル基、プロピル基およびイソプロピル基よりなる群から選択
される。
【0035】
具体的に、R1およびR2を形成するフェノール類の例は、4,4’−(1−メチルエチ
リデン)ビス[2−メチルフェノール]、4,4’−メチレンビス[2−メチルフェノー
ル]、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス[2−(1−メチルエチル)フェノール
]、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス[2−(1,1−メチルプロピル)フェノール]、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス[2−(1,1−ジメチルエチル)フェノール]、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、4,4’−メ
チレンビス[2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)フェノール]、4,4’−(1−メ
チルエチリデン)ビス[2,6−ジ(1,1−ジメチルエチル)フェノール]、4,4’−
(1−メチルエチリデン)ビス[2−(2−プロフェニル)フェノール]、4,4’−メ
チレンビス[2−(2−プロフェニル)フェノール]、4,4’−(1−メチルエチリデ
ン)ビス[2−(1−フェニルエチル)フェノール]、3,3’−ジメチル[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジオール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,1’−ビフェ
ニル]−4,4’−ジオール、3,3’,5,5’−テトラ−t−ブチル−[1,1’−ビフ
ェニル]−4,4’−ジオール、3,3’−ビス(2−プロフェニル)−[1,1’−ビフ
ェニル]−4,4’−ジオール、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス[2−メチル−6−ヒドロキシメチルフェノール]、テトラメチロールビスフェノールA、3,3’,5,
5’−テトラキス(ヒドロキシメチル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジオール、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス[2−フェニルフェノール]、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス[2−シクロヘキシルフェノール]、4,4’−メチレンビス
(2−シクロヘキシル−5−メチルフェノール)、4,4’−(1−メチルプロピリデン
)ビスフェノール、4,4’−(1−メチルヘプチリデン)ビスフェノール、4,4’−(1−メチルオクチリデン)ビスフェノール、4,4’−(1,3−ジメチルブチリデン)ビスフェノール、4,4’−(2−エチルヘキシリデン)ビスフェノール、4,4’−(2−メチルプロピリデン)ビスフェノール、4,4’−3−プロピリデンビスフェノール、4,4’−(1−エチルプロピリデン)ビスフェノール、4,4’−(3−メチルブチリデン
)ビスフェノール、4,4’−(1−フェニルエチリデン)ビスフェノール、4,4’−(フェニルメチレン)ビスフェノール、4,4’−(ジフェニルメチレン)ビスフェノール
、4,4’−[1−(4−ニトロフェニル)エチリデン]ビスフェノール、4,4’−[1−(4−アミノフェニル)エチリデン]ビスフェノール、4,4’−[(4−ブロモフェ
ニル)メチレン]ビスフェノール、4,4’−[(4−クロロフェニル)メチレン]ビス
フェノール、4,4’−[(4−フルオロフェニル)メチレン]ビスフェノール、4,4’
−(2−メチルプロピリデン)ビス[3−メチル−6−(1,1−ジメチルエチル)フェ
ノール]、4,4’−(1−エチルプロピリデン)ビス[2−メチルフェノール]、4,4’−(1−フェニルエチリデン)ビス[2−メチルフェノール]、4,4’−(フェニル
メチレン)ビス−2,3,5−トリメチルフェノール、4,4’−(1−フェニルエチリデ
ン)ビス[2−(1,1−ジメチルエチル)フェノール]、4,4'−(1−メチルプロピ
リデン)ビス[2−シクロヘキシル−5−メチルフェノール]、4,4’−(1−フェニ
ルエチリデン)ビス[2−フェニルフェノール]、4,4’−ブチリデンビス[3−メチ
ル−6−(1,1−ジメチルエチル)フェノール]、4−ヒドロキシ−α−(4−ヒドロ
キシフェニル)−α−メチルベンゼンアセチレンメチルエステル、4−ヒドロキシ−α−(4−ヒドロキシフェニル)−α−メチルベンゼンアセチレンエチルエステル、4−ヒドロキシ−α−(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼンアセチレンブチルエステル、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールF、テトラブロモビスフェノールAD、4,4’−(1−メチルエチレン)ビス[2,6−ジクロロフェノール]、4,4’−
(1−メチルエチリデン)ビス[2−クロロフェノール]、4,4−(1−メチルエチリ
デン)ビス[2−クロロ−6−メチルフェノール]、4,4’−メチレンビス[2−フル
オロフェノール]、4,4’−メチレンビス[2,6−ジフルオロフェノール]、4,4’
−イソプロピリデンビス[2−フルオロフェノール]、3,3’−ジフルオロ−[1,1’−ジフェニル]−4,4’−ジオール、3,3’,5,5’−テトラフルオロ−[1,1’−
ビフェニル]−4,4’−ジオール、4,4’−(フェニルメチレン)ビス[2−フルオロフェノール]、4,4’−[(4−フルオロフェニル)メチレンビス[2−フルオロフェ
ノール]、4,4’−(フルオロメチレン)ビス[2,6−ジフルオロフェノール]、4,
4’−(4−フルオロフェニル)メチレンビス[2,6−ジフルオロフェノール]、4,4’−(ジフェニルメチレン)ビス[2−フルオロフェノール]、4,4’−(ジフェニル
メチレン)ビス[2,6−ジフルオロフェノール]、4,4’−(1−メチルエチレン)ビス[2−ニトロフェノール]、1,4−ナフタレンジオール、1,5−ナフタレンジオール、1,6−ナフタレンジオール、1,7−ナフタレンジオール、2,7−ナフタレンジオー
ル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ノン、4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノール、4,4'−シクロヘキシリデンビス
[2−メチルフェノール]、4,4’−シクロペンチリデンビスフェノール、4,4’−シクロペンチリデンビス[2−メチルフェノール]、4,4’−シクロヘキシリデン[2,6−ジメチルフェノール]、4,4’−シクロヘキシリデンビス[2−(1,1−ジメチルエチル)フェノール]、4,4’−シクロヘキシリデンビス[2−シクロヘキシルフェノー
ル]、4,4’−(1,2−エタンジイル)ビスフェノール、4,4’−シクロヘキシリデ
ンビス[2−フェニルフェノール]、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビス[2−メチルフェノール]、4,4’−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスフェノール、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスフェノール、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビス[2−メチル−6−ヒドロキシメチルフェノール]、4−[1−[4−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−4−メチルシクロヘキシル]−1−メチルエチル]−2−メチルフェノール、4−[1−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)
−4−メチルシクロヘキシル]−1−メチルエチル]−2,6−ジメチルフェノール、4,4’−(1,2−エタンジイル)ビス[2,6−ジ−(1,1−ジメチルエチル)フェノー
ル]、4,4’−(ジメチルシリレン)ビスフェノール、1,3−ビス(p−ヒドロキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、両末端にp−ヒドロキシフェニル
基を有するシリコンオリゴマーおよび2,2’−メチリデンビスフェノール、2,2’−メチルエチリデンビスフェノール、2,2’−エチリデンビスフェノールなどのフェノール
骨格の芳香環に直鎖状アルキル基、分枝状アルキル基、アリール基、メチロール基、アリル基などを導入したものである。
【0036】
具体的には、2,2’−メチリデンビス[4−メチルフェノール]、2,2’−エチリデ
ンビス[4−メチルフェノール]、2,2’−メチリデンビス[4,6−ジメチルフェノール]、2,2’−(1−メチルエチリデン)ビス[4,6−ジメチルフェノール]、2,2
’−(1−メチルエチリデン)ビス[4−sec−ブチルフェノール]、2,2’ −メチリデンビス[6−(1,1−ジメチルエチル)−4−メチルフェノール]、2,2’−エチリデンビス[4,6−ジ(1,1−ジメチルエチル)フェノール]、2,2’−メチリデン
ビス[4−ノニルフェノール]、2,2’−メチリデンビス[3−メチル−4,6−ジ−(1,1−ジメチルエチル)フェノール]、2,2’−(2−メチルプロピリデン)ビス[2,4−ジメチルフェノール]、2,2’−エチリデンビス[4−(1,1−ジメチルエチル
)フェノール]、2,2’−メチリデンビス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェノール)、2,2’−メチリデンビス(4−フェニルフェノール)、2,2’−メチリリデンビス[4−メチル−6−ヒドロキシメチルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−
(2−プロフェニル)フェノール]などがある。
【0037】
前記シラン基含有フィルム形成剤は、水酸基とエポキシ基を含有したフェノキシ樹脂から合成され、重量平均分子量は500〜300,000の範囲が好ましい。
本発明において、シラン基含有フィルム形成剤は、幾つかの種類を混用することができ、本発明の組成物のうちシラン基含有フィルム形成剤の含量は、異方性導電フィルム用組成物に対して10〜60重量%であることが好ましい。
【0038】
本発明の組成物に含まれる(メタ)アクリレートオリゴマーまたは第1モノマーは、ラジカル重合型物質であって、必要に応じてはシラン基を与えることが可能な水酸基、エポキシあるいはカルボキシ基形態の少なくとも1つのラジカル重合型(メタ)アクリレートを含有する(メタ)アクリレートオリゴマーあるいはモノマーを有機反応型シランとの化学的反応によって得たシラン基含有の形態で使用することもできる。
【0039】
本発明で使用可能な好ましいシラン基含有(メタ)アクリレートオリゴマーまたはモノマーは、好ましくは下記一般式7の構造を持つ。
【0040】
【化6】

【0041】
式7中、R1はそれぞれ独立にアルキル基あるいはベンゼン基であり、R2は下記一般式8で表わされる置換基から選択され、qはR1の構造によって1〜3を示す。
【0042】
【化7】

【0043】
式8中、R4、R5、R6はそれぞれ独立にアルキル基またはベンゼン基であり、R7はメチル基、エチル基、プロピル基およびイソプロピル基よりなる群から選択される。
前記シラン基含有(メタ)アクリレートオリゴマーまたは第1モノマーは、水酸基を含有している(メタ)アクリレート、エポキシ基を含有している(メタ)アクリレートまたはカルボキシル基を含有する(メタ)アクリレートと反応させて(メタ)アクリルレートに導入したシラン基を含む化合物から選択されることが好ましい。
【0044】
具体的に、水酸基を含有している(メタ)アクリレートとしては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート、1−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトンポリオールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ3−フェノキシプロピルアクリレート、2−アクリロイルオキシエチル2−ヒドロキシエチルフタレート、ジ(メタ)アクリレート系列のビスフェノールA(例えば、EB−600、SK−UCB製、韓国)などが挙げられ、エポキシ基を含有している(メタ)アクリレートとしては、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、アリサイクリックエポキシを含有している(メタ)アクリレート(例えば、ダイセル社のM100またはA200)などが挙げられ、カルボキシル基を含有する(メタ)アクリレートとしては、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタレート、2−メタクロイルオキシエチルサクシネートなどが挙げられる。
【0045】
前記(メタ)アクリレートオリゴマーまたは第1モノマーは、異方性導電フィルム用組成物に対して10〜80重量%を含むことが好ましい。
一方、本発明の組成物に使用された(メタ)アクリレート系第2モノマーは、反応に参与するラジカル重合型希釈剤であって(メタ)アクリレートが少なくとも一つの官能基を持っているモノマーである。(メタ)アクリレート系モノマーの好ましい例としては、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ
)アクリレート、ペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレート(Dipentaerythritolpenta(math)acrylate)、グリセリンジ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート(tetrahydrof
urfuryl(math)acrylate)、イソデシル(メタ)アクリレート(isodecyl(math)acrylate)、2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、エトキシ付加型ノニルフェノール(メタ)アクリレート(ethoxylated nonylphenolacrylate)、エチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオール
ジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプ
ロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ付加型ビスフェノール−AD(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリロイルオキシエチルフォスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルフォスフェート、ジメチロールトリシクロデセンジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサアクリレート、トリメチルロプロパンベンゾエートアクリレート、およびこれらの混合物よりなる群から選択される。
【0046】
前記(メタ)アクリレート系第2モノマーの含量は、5〜50重量%程度であることが好ましい。
本発明において、ラジカル重合型の熱硬化型開始剤は、ペルオキシド系とアゾ系を使用することができる。ペルオキシド系開始剤の例は、t−ブチルペルオキシラウレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルペルオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−
1−メチルエチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(m−トルオイルペルオキシ)ヘキサン、t−ブチルペルオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシアセテート、α,α’−ビス(t−ブチル
ペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルペルオキシド、t−ブチル
ペルオキシネオデカノエート、t−ヘキシルペルオキシ−2−エチルヘキサノネート、t−ブチルペルオキシ−2−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシイソブチレート、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、t−ヘキシルペルオキシ
イソプロピルモノカーボネート、t−ブチルペルオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシピバレート、クミルペルオキシネオデカノエート、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、イソブチルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルペ
ルオキシド、オクタノイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、ステアロイルペルオキシド、サクシンペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルペルオキシド、オクタノイルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシトルエン、ベンゾイルペルオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシネオデカノエート、
1−シクロヘキシル−1−メチルエチルペルオキシネオデカノエート、ジ−n−プロピルペルオキシジカーボネート、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシメトキシペルオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシルペルオキシ)ジカーボネート、ジメトキシブチルペルオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチルペルオキシ)ジカーボネート、1,1−ビス(t−ヘキシルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキ
サン、1,1−ビス(t−ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−(t−ブチルペルオキ
シ)シクロドデカン、2,2−ビス(t−ブチルペルオキシ)デカン、t−ブチルトリメ
チルシリルペルオキシド、ビス(t−ブチル)ジメチルシリルペルオキシド、t−ブチル
トリアリルシリルペルオキシド、ビス(t−ブチル)ジアリルシリルペルオキシド、トリス(t−ブチル)アリルシリルペルオキシドなどを含む。
【0047】
また、アゾ系開始剤の例としては、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(N−シクロエキシル−2−メチルプロピオネミド)、2,2−アゾビス(
2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス[N−(2−プロフェニル)−2−メチルプロピオネミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオネミド)、2,2’−アゾビス[N−(2
−プロフェニル)−2−メチルプロピオネミド]、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、1−[(シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミドなどを含む。
【0048】
本発明において、前記ラジカル重合型の熱硬化型開始剤は、異方性導電フィルム用組成物に対して0.1〜15重量%を含むことが好ましい。
一方、本発明の組成物で好ましい導電性粒子としては、Au、Ag、Ni、Cu、半田などの金属粒子および炭素があり、これ以外にも、有機・無機粒子の上に金属でコートしたもの(ここで、コートされた金属成分は金または銀)、あるいはその上にさらに絶縁粒子をコートした導電性粒子を使用してもよい。また、導電性粒子は、適用される回路の大きさに応じて適当な大きさのものを選択して使用することが好ましいが、2〜30μmのものを用途に合わせて使用することがより好ましい。
【0049】
前記導電性粒子は、異方性導電フィルム用組成物に対して0.01〜30重量%を含むことが好ましい。これは、導電性粒子の含量が足りなければ、本発明の組成から形成された組成物が十分な電気伝導性を示すことができず、その含量が過度であれば、接続回路間の絶縁信頼性が確保され難いので、異方導電性を示さないという問題が発生するおそれがあるためである。
【0050】
本発明において、有機溶媒は、異方性導電フィルム用組成物の粘度を低くしてフィルムの製造を容易にするものである。本発明で使用可能な有機溶媒は、特に制限されないが、トルエン、キシレン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ベンゼン、アセトン、メチルエチルキトン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアルデヒド、シクロヘキサノンなどを含む。本発明で有機溶媒の好ましい含量は、5〜70重量%である。
【0051】
本発明の組成物には、本発明に係る組成物の物性を害しない限り、重合防止剤、酸化防止剤などのその他の添加剤が0.01〜10重量%の量で含まれてもよい。
前記重合防止剤は、ヒドロキノン(Hydroquinon)、ヒドロキノンモノメチルエーテル(Hydroquinonmonomethylether)、パラ−ベンゾキノン(Para-benzoquinon)、フェノチアジン(Phenotiazin)、およびこれらの混合物よりなる群から選択される。
【0052】
前記酸化防止剤は、熱によって誘導される組成物の酸化現象を防止するためのもので、例えば枝分かれしたフェノリック系あるいはヒドロキシシンナメート系の物質であって、酸化防止だけでなく、熱安定性を持っている。代表的な例としては、テトラキス−(メチレン−(3,5−ジ−テトラブチル−4−ヒドロシンナメート)メタン(tetrakis-(methylene-(3,5-di-terbutyl-4-hydrocinnamate)methane)、3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシベンゼンプロパン酸チオールジ−2,1−エタンジイルエステル(3,5-bis(1,1-dimethylethyl)-4-hydroxybenzenepropanoic acid thioldi-2,1-ethanediyl ester)、オクタデシル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート(Octadecyl 3,5-Di-(tert)-butyl-4-hydroxyhydrocinnamate)(以上、Cibageigy社製
)、2,6−ジ−t−ブチル−p−メチルフェノール(2,6-di-tert-butyl-p-methylphenol
)、およびこれらの混合物よりなる群から少なくとも1種が選択されることが好ましい。
【0053】
本発明の異方性導電フィルム用組成物を用いて異方性導電フィルムを製造する場合には、異方性導電フィルム用組成物を基材にコートして硬化させる。すなわち、異方性導電フィルムは、前記のような組成物を剥離用シートに塗布および乾燥させて形成できる。
【0054】
以下、実施例を挙げて本発明についてさらに詳しく説明する。ところが、これらの実施例は、本発明を説明するためのものに過ぎず、本発明の保護範囲を制限するものではない。
[製造例1]
3Lの攪拌棒付き円筒フラスコに、固形分が30重量%である、プロピレングリコールモノメチルアセテート溶液に溶解されたビスフェノールA、F系よりなるフェノキシ樹脂E−1256(JER製)270g、イソシアネートと水酸基との反応のための触媒であるn−ブチル錫ラウレート0.1g、イソシアネートシランである3−イソシアナトプロ
ピルトリエトキシシラン(3-isocyanatopropyltriethoxysilane)5gを添加した後、75
℃で8時間攪拌を行った。反応の終結時点は、赤外線分光器によって、水酸基ピーク3200〜3600cm-1で消滅を確認し、イソシアネートピーク2000〜2270cm-1で消滅を確認し、1次アミンピーク1580〜1650cm-1を確認した。反応完了後の余分のシランは、フィルム製作過程中に蒸発する。
【0055】
[製造例2]
3Lの攪拌棒付き円筒フラスコに、固形分が30重量%である、トルエン溶液に溶解されたアクリロニトリルブタジエン系のナチュラルゴム(N−34、日本ゼオン製)270g、プロピレングリコールモノメチルアセテート溶液に溶解されたビスフェノールA、F系よりなるフェノキシ樹脂E−4275(JER製)200g、水酸基を含有している二官能性イソシアノウレート系アクリレートM−215(東亜合成製)150g、ビスフェノールA系の水酸基が含まれているエポキシアクリレートEB−600(SK−UCB製、韓国)260g、イソシアネートと水酸基との反応のための触媒であるn−ブチル錫ラウレート0.1g、重合禁止剤としてのヒドロキノンモノメチルエーテル(hydroquinone monomethylether)0.02g、溶媒としてのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100gを添加した後、エポキシシランである3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(3-glycidoxypropyltriethoxysilane) 5gとイソシアネートシランである3
−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン(3-isocyanatopropyltriethoxysilane) 15gを添加し、その後75℃で8時間攪拌を行った。反応の終結時点は、赤外線分光器によって、水酸基ピーク3200〜3600cm-1で消滅を確認し、カルボキシル基のピーク2500〜3000cm-1の消滅を確認し、イソシアネートピーク2000〜2270cm-1で消滅を確認し、1次アミンピーク1580〜1650cm-1を確認した。反応完了後の余分のシランは、フィルム製作過程中に蒸発する。
【0056】
[製造例3]
3Lの攪拌棒付き円筒フラスコに、固形分が30重量%である、トルエン溶液に溶解されたアクリルゴム(At−4000、株式会社SAMWON製、韓国)230gと、固形分が25重量%である、トルエン溶液に溶解されたエポキシ系アクリルゴム(SG−80HDR、ナガゼケムテックス株式会社製)70gと、固形分が20重量%である、シクロヘキサノン溶液に溶解されたフィルム形成剤としてのビスフェノール系ポリエステル系混合物であるフェノキシ樹脂PKHM−301(InChem Industry製)50gと、固形分が
30重量%である、プロピレングリコールモノメチルアセテート溶液に溶解されたビスフェノールA、F系からなる高分子量のエポキシE−4275(JER製)50gと、水酸基を含有している二官能性イソシアノウレート系アクリレートM−215(東亜合成製)150gと、ビスフェノールA系の水酸基が含まれているエポキシアクリレートEB−6
00(SK−UCB製、韓国)260gと、イソシアネートと水酸基との反応のための触媒であるn−ブチル錫ラウレート0.1gと、重合禁止剤としてのヒドロキノンモノメチ
ルエーテル(hydroquinone monomethylether)0.02gと、溶媒としてのプロピレングリ
コールモノメチルエーテルアセテート100gとを添加した後、エポキシシランである3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(3-glycidoxypropyltriethoxysilane)5gとイソシアネートシランである3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン(3-isocyanatopropyltriethoxysilane)15gを添加し、その後75℃で8時間攪拌を行った。反応の
終結時点は、赤外線分光器によって、水酸基ピーク3200〜3600cm-1で消滅を確認し、カルボキシル基のピーク2500〜3000cm-1の消滅を確認し、イソシアネートピーク2000〜2270cm-1で消滅を確認し、1次アミンピーク1580〜1650cm-1を確認した。反応完了後の余分のシランは、フィルム製作過程中に蒸発する。
【0057】
[製造例4]
3Lの攪拌棒付き円筒フラスコに、固形分が30重量%である、プロピレングリコールモノメチルアセテート溶液に溶解されたナチュラルゴムDN−003(日本ゼオン社製)230gと、固形分が25重量%である、テトラヒドロフラン溶液に溶解されたフィルム形成剤の分枝状クレゾールノボラックよりなるエポキシ樹脂YDCN−500−90P(国道化学製、韓国)90gと、固形分が30重量%である、プロピレングリコールモノメチルアセテート溶液に溶解されたフィルム形成剤としてのエポキシ系プルルオレン樹脂BPEFG(大阪
ガス株式会社製)150gと、水酸基を含有している二官能性イソシアノウレート系アクリレートM−215(東亜合成製)150gと、ビスフェノールA系の水酸基が含まれているエポキシアクリレートEB−600(SK−UCB製、韓国)260gと、イソシアネートと水酸基との反応のための触媒であるn−ブチル錫ラウレート0.1gと、重合禁
止剤としてのヒドロキノンモノメチルエーテル(hydroquinone monomethylether)0.02
gと、溶媒としてのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100gとを添加した後、アミノシランであるγ−アミノプロピルトリメトキシシラン(γ-aminopropyltrimethoxysilane)5gとイソシアネートシランである3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン(3-isocyanatopropyltriethoxysilane)15gを添加し、その後75℃で8時
間攪拌を行った。反応の終結時点は、赤外線分光器によって、エポキシ基ピーク900〜950cm-1で消滅を確認した。反応完了後の余分のシランは、フィルム製作過程中に蒸発する。
【0058】
[比較製造例1]
製造例2と比較するために、シランとの反応過程および水酸基とイソシアネートとの反応のための触媒であるn−ブチル錫ラウレートの添加は全て省略し、少量のシランカップリング剤のみを添加した。組成物の製造は、次のとおりである。3Lの攪拌棒付き円筒フラスコに、固形分が30重量%である、トルエン溶液のナチュラルゴム(N−34、日本ゼオン製)270gと、プロピレングリコールモノメチルアセテート溶液に溶解されたフィルム形成剤としてのフェノキシ樹脂E−4275(JER製)200gと、水酸基を含有している二官能性イソシアノウレート系アクリレートのM−215(東亜合成製)150gと、ビスフェノールA系の水酸基が含まれているエポキシアクリレートEB−600(SK−UCB製、韓国)260gと、重合禁止剤としてのヒドロキノンモノメチルエーテル(hydroquinone monomethylether) 0.02gと、溶媒としてのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100gとを添加し、常温(25℃)で30分間攪拌を行った。
【0059】
[比較製造例2]
製造例3と比較するために、シランとの反応過程および水酸基とイソシアネートとの反応のための触媒であるn−ブチル錫ラウレートの添加は全て省略し、少量のシランカップリング剤のみを添加した。組成物の製造は、次のとおりに行った。3Lの攪拌棒付き円筒
フラスコに、固形分が30重量%である、トルエン溶液のアクリルゴム(At−4000、株式会社SAMWON製、韓国)230gと、トルエン溶液のアクリルゴム(SG−80HDR、ナガセケムテックス株式会社製)70gと、固形分が20重量%である、シクロヘキサノン溶液に溶解されたフィルム形成剤としてのフェノキシ樹脂PKHM−301(InChem Industry in chemicals製)50gと、固形分が30重量%である、プロピレングリコールモノメチルアセテート溶液に溶解されたE−4275(JER製)50gと、水酸基を含有している二官能性イソシアノウレート系アクリレートM−215(東亜合成製)150gと、ビスフェノールA系の水酸基が含まれているエポキシアクリレートEB−600(SK−UCB製、韓国)260g、重合禁止剤としてのヒドロキノンモノメチルエーテル(hydroquinone monomethylether)0.02gと、溶媒としてのプロピレングリ
コールモノメチルエーテルアセテート100gとを添加し、常温(25℃)で30分間攪拌を行った。
【0060】
[比較製造例3]
製造例4と比較するために、シランとの反応過程および作用基の添加は全て省略し、少量のシランカップリング剤のみを添加した。3Lの攪拌棒付き円筒フラスコに、固形分が30重量%である、プロピレングリコールモノメチルアセテート溶液のナチュラルゴムDN−003(日本ゼオン社製)230gと、固形分が25重量%である、テトラヒドロフラン溶液に溶解されたフィルム形成剤としての分枝状クレゾールノボラックよりなるエポキシ樹脂YDCN−500−90P(国道化学製、韓国)90gと、固形分が30重量%である、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液に溶解されたフィルム形成剤としてのエポキシ系プルルオレン樹脂 BPEFG(大阪ガス株式会社製)150gと、水酸基を含有している二官能性イソシアノウレート系アクリレートM−215(東亜合成製)150gと、ビスフェノールA系の水酸基が含まれているエポキシアクリレートEB−600(SK−UCB製、韓国)260gと、重合禁止剤としてのヒドロキノンモノメチルエーテル(hydroquinone monomethylether)0.02gと、溶媒としてのプロピレングリコールモ
ノメチルエーテルアセテート100gとを添加した後、常温(25℃)で30分間攪拌を行った。
【0061】
[実施例1]
分散可能な300g用容器に、前記製造例1から得た組成物30gと、固形分が30重量%である、トルエン溶液のナチュラルゴム(N−34、日本ゼオン製)60gと、ビスフェノール系のエポキシアクリレート系のEB3701(SK−UCB製、韓国)20gと、3官能性イソシアノウレート系アクリレートNK−ESTER A−9300(新中
村化学工業(株)製)10gと、ラジカル重合型アクリレート第2モノマーである2−ヒドロキシエチルメタクリロイルオキシエチルフォスフェート2gと、2−メタクリロイルオキシエチルフォスフェート2gと、細かい粉末に製造されたベンゾイルペルオキシド0.5gと、ラウリルペルオキシド0.2gと、ベンゾグアニン系の高分子粒子にニッケルと金でコートされている粒子サイズ4μmの導電性粒子(NCI社製)1.5gとを入れて
常温(25℃)で20分間攪拌を行った。この際、攪拌速度は、導電性粒子が壊れない速度範囲内にした。
【0062】
[実施例2]
分散可能な300g用容器に、前記製造例2から得たレジン90gと、ラジカル重合型アクリレートモノマーである2−ヒドロキシエチルメタクリロイルオキシエチルフォスフェート2gと、2−メタクリロイルオキシエチルフォスフェート2gと、細かい粉末に製造されたベンゾイルペルオキシド0.5gと、ラウリルペルオキシド0.2gと、ベンゾグアニン系の高分子粒子にニッケルと金でコートされている粒子サイズ4μmの導電性粒子(NCI社製)1.5gとを入れて常温(25℃)で20分間攪拌を行った。この際、攪
拌速度は、導電性粒子が壊れない速度範囲内にした。
【0063】
[実施例3]
分散可能な300g用容器に、前記製造例3から得たレジン90gと、ラジカル重合型アクリレートモノマーである2−ヒドロキシエチルメタクリロイルオキシエチルフォスフェート2gと、2−メタクリロイルオキシエチルフォスフェート2gと、細かい粉末に製造されたベンゾイルペルオキシド0.5gと、ラウリルペルオキシド0.2gと、ベンゾグアニン系の高分子粒子にニッケルと金でコートされている粒子サイズ4μmの導電性粒子(NCI社製)1.5gとを入れて常温(25℃)で20分間攪拌を行った。この際、攪
拌速度は、導電性粒子が壊れない速度範囲内にした。
【0064】
[実施例4]
分散可能な300g用容器に、前記製造例4から得たレジン90gと、ラジカル重合型アクリレートモノマーである2−ヒドロキシエチルメタクリロイルオキシエチルフォスフェート2gと、2−メタクリロイルオキシエチルフォスフェート2gと、細かい粉末に製造されたベンゾイルペルオキシド0.5gと、ラウリルペルオキシド0.2gと、ベンゾグアニン系の高分子粒子にニッケルと金でコートされている粒子サイズ4μmの導電性粒子(NCI社製)1.5gとを入れて常温(25℃)で20分間攪拌を行った。この際、攪
拌速度は、導電性粒子が壊れない速度範囲内にした。
【0065】
[比較例1]
分散可能な300g用容器に、比較製造例1から得たレジン90gと、ラジカル重合型アクリレートモノマーである2−ヒドロキシエチルメタクリロイルオキシエチルフォスフェート2gと、2−メタクリロイルオキシエチルフォスフェート2gと、細かい粉末に製造されたベンゾイルペルオキシド0.5gと、ラウリルペルオキシド0.2gと、ラジカル重合型シランカップリング剤である3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(3-methacryloxypropyltrimethoxysilane)0.5gと、ベンゾグアニン系の高分子粒子にニッケ
ルと金でコートされている粒子サイズ4μmの導電性粒子(NCI社製)1.5gとを入
れて常温(25℃)で20分間攪拌を行った。この際、攪拌速度は、導電性粒子が壊れない速度範囲内にした。
【0066】
[比較例2]
分散可能な300g用容器に、比較製造例2から得たレジン90gと、ラジカル重合型アクリレートモノマーである2−ヒドロキシエチルメタクリロイルオキシエチルフォスフェート2gと、2−メタクリロイルオキシエチルフォスフェート2gと、細かい粉末に製造されたベンゾイルペルオキシド0.5gと、ラウリルペルオキシド0.2gと、ラジカル重合型シランカップリング剤である3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(3-methacryloxypropyltrimethoxysilane)0.5gと、ベンゾグアニン系の高分子粒子にニッ
ケルと金でコートされている粒子サイズ4μmの導電性粒子(NCI社製)1.5gとを
入れて常温(25℃)で20分間攪拌を行った。この際、攪拌速度は、導電性粒子が壊れない速度範囲内にした。
【0067】
[比較例3]
分散可能な300g用容器に、比較製造例3から得たレジン90gと、ラジカル重合型アクリレートモノマーである2−ヒドロキシエチルメタクリロイルオキシエチルフォスフェート2gと、2−メタクリロイルオキシエチルフォスフェート2gと、細かい粉末に製造されたベンゾイルペルオキシド0.5gと、ラウリルペルオキシド0.2gと、ラジカル重合型シランカップリング剤である3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(3-methacryloxypropyltrimethoxysilane)0.5gと、ベンゾグアニン系の高分子粒子にニッ
ケルと金でコートされている粒子サイズ4μmの導電性粒子(NCI社製)1.5gとを
入れて常温(25℃)で20分間攪拌を行った。この際、攪拌速度は、導電性粒子が壊れ
ない速度範囲内にした。
【0068】
*実施例および比較例で製造された導電フィルムの物性評価
前記実施例1〜4および比較例1〜3によって製造された異方性導電フィルム用組成物を用いて形成されたフィルムの信頼性を評価するために、それぞれのフィルムは、常温(25℃)で1時間放置した後、大きさ30mm×30mmのインジウム錫酸化物とピッチ55μm、厚さ12μm、ライン幅40μmのチップオンフィルムテープ(COF:Chip
on Film)を用いて90°のピール接着力(90°Peel Strength)信頼性を測定した。電気
接続抵抗は、前記ITOと同サイズのITOとピッチ65μm、厚さ18μm、ライン幅30μmの銅回路であるテープキャリアパッケージ(TCP)を用いて信頼性を測定した。それぞれの試片は、全て10個ずつ準備して測定し、仮圧着条件は160℃、1秒であり、接着条件は180℃、5秒、圧力3MPaである。また、信頼性試験には、高温多湿試験と熱衝撃試験がある。高温多湿試験は、温度85℃、相対湿度85%で1000時間行い、熱衝撃試験は−40℃〜80℃で1000回繰り返し行う。信頼性試験以後の平均ピール接着力を測定し、その結果を表1に示した。また、信頼性試験後の平均電気接続抵抗値を測定して、その結果を表2に示した。
【0069】
【表1】

【0070】
前記表1から確認されるように、実施例1〜4の場合には、信頼性試験後にも高いピール接着力を示した。これは、高温多湿な環境または熱衝撃試験の途中にラジカルによって重合が行われた異方性導電フィルム用組成物内に存在するシラン基がITOガラス表面および銅線などの無機物質表面と結合して優れた信頼性を示すためである。
【0071】
【表2】

【0072】
前記表2から確認されるように、実施例1〜4の場合には、信頼性試験後にも低い電気接続抵抗値を示した。これは、異方性導電フィルム用組成物内の結合したシランのカップリング結合構造によって信頼性試験後にも電気的通電を発揮する導電性粒子の変形が相対的に少なかったためである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エラストマー、シラン基含有フィルム形成剤、(メタ)アクリレート系のオリゴマーまたは第1モノマー、(メタ)アクリレート系第2モノマー、ラジカル重合型の熱硬化型開始剤、導電性粒子、および有機溶媒を含むことを特徴とする、異方性導電フィルム用組成物。
【請求項2】
前記エラストマーはシラン基含有エラストマーであり、前記(メタ)アクリレート系のオリゴマーまたは第1モノマーはシラン基含有(メタ)アクリレート系のオリゴマーまたは第1モノマーであることを特徴とする、請求項1に記載の異方性導電フィルム用組成物。
【請求項3】
前記組成物は、エラストマー5〜80重量%、シラン含有フィルム形成剤10〜60重量%、(メタ)アクリレート系のオリゴマーまたは第1モノマー10〜80重量%、(メタ)アクリレート系第2モノマー5〜50重量%、ラジカル重合型の熱硬化型開始剤0.1〜15重量%、および導電性粒子0.01〜30重量%含み、残部が(g)有機溶媒からなることを特徴とする、請求項1に記載の異方性導電フィルム用組成物。
【請求項4】
前記エラストマーは、アクリロニトリル系、ブタジエン系、スチレン系、アクリル系、ウレタン系、ポリアミド系、オレフィン系、およびシリコン系エラストマーよりなる群から選択されたエラストマーであることを特徴とする、請求項1または2に記載の異方性導電フィルム用組成物。
【請求項5】
前記シラン基は、アミン系シラン、エポキシ系シランおよびイソシアネート系シランよりなる群から選択されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の異方性導電フィルム用組成物。
【請求項6】
前記シラン基含有エラストマーが、下記一般式2で表わされることを特徴とする、請求項2に記載の異方性導電フィルム用組成物。
【化1】

(式2中、二重結合型ゴムは、アクリロニトリル系、ブタジエン系、スチレン系、アクリル系、ウレタン系、ポリアミド系、オレフィン系、およびシリコン系ゴムよりなる群から選択され、
1、R2およびR3は、それぞれ独立に下記一般式3で表わされる置換基から選択され

a、bおよびcは、それぞれ独立に20〜100の整数であり、nは1〜5の整数である。)
【化2】

(式3中、R4、R5、R6はそれぞれ独立にアルキル基またはベンゼン基であり、
7はメチル基、エチル基、プロピル基、およびイソプロピル基よりなる群から選択さ
れる。)
【請求項7】
前記シラン基含有フィルム形成剤が、下記一般式4の構造を持つことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の異方性導電フィルム用組成物。
【化3】

(式4中、R1とR2はそれぞれ独立にヒドロキノン、2−ブロモヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、またはビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エーテルの水酸基を除いた骨格に、アルキル基、アリール基、メチロール基、アリル基、環状脂肪族基、アルコキシカルボニル基、あるいはこれらのハロゲン置換誘導体またはニトロ基置換誘導体が導入されたフェノール類由来の基であり、これらの中でもビスフェノール骨格の中心炭素には直鎖状アルキル基、分枝状アルキル基、アリル基、置換アリル基、環状脂肪族基、またはアルコキシカルボニル基が導入され、
3およびR4はそれぞれ独立に下記一般式5で表わされる作用基であり、
5は下記一般式6で表わされる作用基であり、
aおよびbはそれぞれ独立に1〜100の整数、nは1〜3の整数である。)
【化4】

【化5】

(式5および6中、R6、R7およびR8はそれぞれ独立にアルキル基またはベンゼン基で
あり、R9はメチル基、エチル基、プロピル基およびイソプロピル基よりなる群から選択
される。)
【請求項8】
前記ラジカル重合型の熱硬化型開始剤が、ペルオキシド系またはアゾ系硬化剤であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の異方性導電フィルム用組成物。
【請求項9】
前記シラン基含有(メタ)アクリレート系のオリゴマーあるいは第1モノマーが、水酸基またはカルボキシル基の含有されている(メタ)アクリレート系から合成されることを特徴とする、請求項2に記載の異方性導電フィルム用組成物。
【請求項10】
前記第1モノマーが、下記一般式7の構造を持つラジカル重合性モノマーであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の異方性導電フィルム用組成物。
【化6】

(式7中、R1はそれぞれ独立にアルキル基あるいはベンゼン基を含有し、
2は下記一般式8で表わされる置換基から選択され、
qは1、2または3を示す。)
【化7】

(式8中、R4、R5、R6はそれぞれ独立にアルキル基またはベンゼン基であり、
7はメチル基、エチル基、プロピル基およびイソプロピル基よりなる群から選択され
る。)
【請求項11】
前記シラン基含有エラストマーの分子量が500〜5,000,000の範囲であることを特徴とする、請求項2に記載の異方性導電フィルム用組成物。
【請求項12】
前記シラン基含有フィルム形成剤の分子量が、500〜300,000の範囲であるこ
とを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の異方性導電フィルム用組成物。
【請求項13】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物を剥離用シートに塗布および乾燥させて形成された異方性導電フィルム。


【公開番号】特開2006−190644(P2006−190644A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−297377(P2005−297377)
【出願日】平成17年10月12日(2005.10.12)
【出願人】(500005066)チェイル インダストリーズ インコーポレイテッド (263)
【Fターム(参考)】