説明

疎水性フィルム形成ポリマー、顔料および揮発性溶媒を含む組成物を用いる毛髪の染色方法

【課題】本発明は、疎水性フィルム形成ポリマーを用いる、毛髪の染色方法に関する。
【解決手段】本発明の方法は、1種または複数の疎水性フィルム形成ポリマー、顔料および揮発性溶媒を含む組成物を毛髪に付ける工程、その後、組成物に覆われた毛髪を、40℃を超える温度に加熱する工程を含む。このような方法を用いることによって、毛髪を一本毎に独立に保つことを可能にしながら、同時に、ケラチン繊維の物理的性質を維持する着色コーティングが繊維に得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、疎水性フィルム形成ポリマーおよび顔料を用いる、毛髪の染色方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ケラチン繊維の染色の分野において、非永続的染色では直接染料または顔料を、あるいは、永続的染色では染料前駆体を用いる、様々な技法によりケラチン繊維を染色することはすでに知られているやり方である。
【0003】
非永続的染色または直接染色は、ケラチン繊維を、直接染料を含む染料組成物により染色することを含む。これらの染料は、ケラチン繊維に親和性を有する有色の着色性分子である。それらは、所望の着色を得ることが必要とされる時間、ケラチン繊維に付けられ、次いで、洗い流される。
【0004】
使用される標準的染料は、特に、ニトロベンゼン、アントラキノン、ニトロピリジン、アゾ、キサンテン、アクリジンまたはトリアリールメタン型の染料、あるいは天然染料である。
【0005】
これらの染料のいくつかは、目に見える着色を、暗色の毛髪に生成することを可能にする、明色化条件の下で使用され得る。
【0006】
酸化染色によりケラチン繊維を永続的に染色することもまた知られているやり方である。この染色技法は、ケラチン繊維に、酸化ベースのような染料前駆体とカプラーとを含む組成物を付けることを含む。これらの前駆体は、酸化剤の作用の下で、毛髪に1種または複数の着色物質を生成する。
【0007】
酸化ベースおよびカプラーとして用いられる様々な分子により、広範な色が得られ、それらで得られる着色は、永続的で、強固で、外的な作因、特に、光、悪天候、洗うこと、発汗および擦ることに対して耐性がある。
【0008】
暗色の毛髪で目に見えるように、これらの2つの染色技法は、前もってまたは同時に、ケラチン繊維を漂白することが必要である。この漂白工程は、過酸化水素または過酸塩のような酸化剤により実施され、容易に感知される劣化をケラチン繊維に生じ、これがケラチン繊維の美容上の性質を損ねる。この場合、毛髪は、粗くなり、もつれをほぐすのが一層難しくなり、一層脆くなる傾向を有する。
【0009】
別の染色法は、顔料を用いることを含む。具体的には、ケラチン繊維の表面での顔料の使用は、表面の顔料が繊維の自然の色を隠すので、暗色の毛髪で、目に見える着色を得ることを通常可能にする。ケラチン繊維の染色のための顔料の使用は、例えば、特許出願FR2 741 530に記載されており、この特許は、ケラチン繊維の一時的染色のために、少なくとも1種の酸官能基を含むフィルム形成ポリマー粒子の少なくとも1種の分散体と、該分散体の連続層に分散した少なくとも1種の顔料とを含む組成物を用いることを推奨する。
【0010】
この染色法により得られる着色は、シャンプーによる洗いに対して耐性に乏しいという欠点を有する。
【0011】
さらに、シアノアクリレート型の求電子モノマーと顔料とを含む組成物を用い、毛髪に着色コーティングを生成させることは、特に文書EP1 649 898において、知られているやり方である。このような組成物により、完全にコーティングされ、べとつかない毛髪が得られる。しかし、得られるコーティングは、洗うことおよび発汗のような外的な作因に関して完全に満足できるものではない。さらに、得られるコーティングは皮脂のような脂肪物質に影響されやすい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】FR2 741 530
【特許文献2】EP1 649 898
【特許文献3】WO04/028 487
【特許文献4】米国特許第5948393号
【特許文献5】EP0 815 836
【特許文献6】米国特許第5849318号
【特許文献7】FR0 113 920
【特許文献8】米国特許第5246694号
【特許文献9】US-A-5 874 069
【特許文献10】US-A-5 919 441
【特許文献11】US-A-6 051 216
【特許文献12】US-A-5 981 680
【特許文献13】米国特許第4693935号
【特許文献14】米国特許第4728571号
【特許文献15】米国特許第4972037号
【特許文献16】EP-A-0 412 704
【特許文献17】EP-A-0 412 707
【特許文献18】EP-A-0 640 105
【特許文献19】WO95/00578
【特許文献20】米国特許出願公開第2004/0254325号
【特許文献21】WO03/014 194
【特許文献22】米国特許第5162410号
【特許文献23】CA711 756
【特許文献24】米国特許第3175993号
【特許文献25】米国特許第4772675号
【特許文献26】米国特許第4871827号
【特許文献27】米国特許第4888380号
【特許文献28】米国特許第4898910号
【特許文献29】米国特許第4906719号
【特許文献30】米国特許第4962174号
【特許文献31】WO01/96450
【特許文献32】FR2 679 771
【特許文献33】EP1 184 426
【特許文献34】米国特許第6225198号
【特許文献35】米国特許第5990479号
【特許文献36】米国特許第4578266号
【特許文献37】米国特許第5266321号
【特許文献38】米国特許第4742142号
【特許文献39】米国特許第5654362号
【特許文献40】FR2 864 784
【特許文献41】米国特許第4970252号
【特許文献42】米国特許第4987169号
【特許文献43】米国特許第5412004号
【特許文献44】米国特許第5760116号
【特許文献45】JP-A-61-194 009
【特許文献46】米国特許第5236986号
【特許文献47】米国特許第5837793号
【特許文献48】米国特許第5811487号
【特許文献49】米国特許第5538793号
【特許文献50】EP-A-1 400 234
【特許文献51】EP-A-708 114
【特許文献52】WO-A-02/056847
【特許文献53】WO-A-02/47619
【特許文献54】US-A-5 783 657
【特許文献55】EP-A-1 266 647
【特許文献56】0 216 039の番号で出願されたフランス特許出願
【特許文献57】WO-A-03/105 788
【特許文献58】US-A-2002/005 562
【特許文献59】US-A-5 221 534
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】CTFA、第4版、1991年
【非特許文献2】「Silicone Pressure Sensitive Adhesive」、SobieskiおよびTangney
【非特許文献3】「Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology」(D.Satas編)(von Nostrand Reinhold、New York)
【非特許文献4】「Kirk-Othmer's Encyclopaedia of Chemical Technology」
【非特許文献5】「Ullmann's Encyclopaedia of Industrial Chemistry」
【非特許文献6】カラーインデックス
【非特許文献7】Dabboussi B.O.et al.、「(CdSe)ZnS core-shell quantum dots:synthesis and characterization of a size series of highly luminescent nanocrystallites」、Journal of Physical Chemistry B、vol.101、1997年、9463〜9475頁
【非特許文献8】Peng,Xiaogang et al.、「Epitaxial growth of highly luminescent CdSe/CdS core/shell nanocrystals with photostability and electronic accessibility」、Journal of the American Chemical Society、vol.119、No.30、7019〜7029頁
【非特許文献9】Cosmetics and Toiletries、1990年2月、Vol.105、53〜64頁
【非特許文献10】「Mineralogie des argiles[クレイ鉱物学]」、S.Caillere、S.Henin、M.Rautureau(第2版、1982年、Masson)
【非特許文献11】CTFA、第6版、1995年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
こうして、本発明の目的は、毛髪のようなケラチン繊維の染色方法を開発することであり、この方法は、毛髪を一本毎に完全に独立に保ちながら、ケラチン繊維を劣化させることなく、シャンプーに関して、また毛髪が受け得る様々な攻撃要因に関して堅牢である着色コーティングを得ることを可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この目的は本発明により実現され、本発明の一主題は、1種または複数の疎水性フィルム形成ポリマー、少なくとも1種の顔料および1種または複数の揮発性溶媒を含む組成物を毛髪に付ける工程、その後、この組成物により覆われた毛髪を、40℃を超える温度で加熱する工程を含む、毛髪の染色方法である。
【0016】
このような方法を用いると、すべての毛髪タイプで、シャンプーに対して堅牢であり、目に見える着色を得ることを可能にしながら、同時に、ケラチン繊維の物理的性質を維持する着色コーティングが、ケラチン繊維に生成される。このようなコーティングは、特に、毛髪が受け得る外的な攻撃要因、例えば、ヘアドライヤーおよび発汗に対して耐性がある。それは、特に、滑らかで一様な付着を得ることを可能にする。さらに、驚くべきことに、毛髪は1本毎に完全に独立したままであり、問題なくスタイルを整えることができること、および、繊維に付与される、スタイルを整えられる性質はシャンプーに対して堅牢であることが認められた。
【0017】
「1本毎に独立した毛髪」という用語は、組成物を付け、乾燥した後で、コーティングが事実上あらゆる毛髪の回りに形成されるので、互いにくっ付かず(あるいは、互いにばらばらであり)、したがって毛髪の集塊を生成しない毛髪を意味する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明によれば、組成物は、揮発溶媒中に疎水性フィルム形成ポリマーおよび顔料を含む。
【0019】
本発明の目的では、「ポリマー」という用語は、1種または複数の単位の繰返しに相当する化合物を意味する(これらの単位は、モノマーとして知られる化合物に由来する)。これまたはこれらの単位は、少なくとも2回、好ましくは少なくとも3回、繰り返される。
【0020】
「疎水性ポリマー」という用語は、25℃で水に1重量%未満の溶解性を有するポリマーを意味する。
【0021】
「フィルム形成」ポリマーという用語は、それ自体で、またはフィルム形成補助剤の存在下に、巨視的に連続的なフィルムを、好ましくは結合力のあるフィルムを、支持体上に、特にケラチン質上に形成できるポリマーを意味する。
【0022】
一実施形態において、疎水性フィルム形成有機ポリマーは、以下を含む群から選択される少なくとも1種のポリマーである:
- 有機溶媒に溶けるフィルム形成ポリマー、特に、脂溶性ポリマー;これは、ポリマーが有機媒体に溶けるか、または混和性であり、ポリマーが有機媒体に組み入れられた時に、均質な単一相を生成することを意味する;
- 有機溶媒に分散できるフィルム形成ポリマー、これは、有機媒体に一旦組み入れられると、ポリマーは有機媒体に不溶の相を生成し、ポリマーは安定な状態および/または共存した状態のままであることを意味する。特に、このようなポリマーは、ポリマー粒子の非水分散体、好ましくは、シリコーンオイルまたは炭化水素系オイル分散体の状態であり得る;一実施形態において、ポリマーの非水分散体は、少なくとも1種の安定剤によりそれらの表面で安定化されたポリマー粒子を含む;これらの非水分散体は、しばしば、NADと呼ばれる;
- ポリマー粒子の水性分散体の状態にあるフィルム形成ポリマー、これは、水に一旦組み入れられると、ポリマーは水に不溶の相を生成し、ポリマーは安定な状態/または共存した状態のままであることを意味し、ポリマー粒子は、可能性として、少なくとも1種の安定剤によりそれらの表面で安定化されている。これらのポリマー粒子は、しばしば、ラテックスと呼ばれる;この場合、組成物は水性相を含まなければならない。
【0023】
本発明の組成物に使用され得る疎水性フィルム形成ポリマーの中で、ラジカルタイプまたは重縮合タイプの合成ポリマー、天然由来のポリマー、およびこれらの混合物を挙げることができる。特に挙げることができる疎水性フィルム形成ポリマーには、アクリルポリマー、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレア、セルロース系ポリマー(例えばニトロセルロース)、シリコーンポリマー、ポリアミドポリマーおよびコポリマー、ならびにポリイソプレンが含まれる。
【0024】
フィルム形成ポリマーは、特許出願WO04/028 487(この内容は参考として本特許出願に組み込まれる)に記載のフィルム形成ポリマーから選択され得る。
【0025】
疎水性フィルム形成ポリマーは、特に以下から選択される。
a)オレフィン;シクロオレフィン;ブタジエン;イソプレン;スチレン;ビニルエーテル、エステルまたはアミド;線状、分岐状または環状のC1〜C20アルキル基、C6〜C10アリール基またはC2〜C6ヒドロキシアルキル基を含む、(メタ)アクリル酸エステルまたはアミド;のホモポリマーおよびコポリマー。
【0026】
このようなホモポリマーおよびコポリマーは、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ベンジルアクリレートおよびフェニルアクリレート、またはこれらの混合物からなる群から選択されるモノマーから得ることができる。挙げることができる酸モノマーのアミドには、(メタ)アクリルアミド、特にN-アルキル(メタ)アクリルアミド、殊にC2〜C12アルキルのもの、例えば、N-エチルアクリルアミド、N-t-ブチルアクリルアミドおよびN-オクチルアクリルアミド;N-ジ(C1〜C4)アルキル(メタ)アクリルアミドおよびパーフルオロアルキル(メタ)アクリレートが含まれる。上のポリマーは、もしポリマーの全体としての特質が疎水性のままであるならば、モノマーとして少量の不飽和カルボン酸またはスルホン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸またはAMPS)もまた含み得る。
【0027】
使用され得る別のビニルモノマーとして、
- N-ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタム、ビニルN-(C1〜C6)アルキルピロール、ビニルオキサゾール類、ビニルチアゾール類、ビニルピリミジン類およびビニルイミダゾール類、
- オレフィン、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン類、イソプレンおよびブタジエン類
を挙げることができる。
【0028】
ビニルポリマーは、1種または複数の2官能性モノマー、特に、少なくとも2つのエチレン性不飽和を含むモノマー(例えば、エチレングリコールジメタクリレートまたはジアリルフタレート)を用い、架橋されていてもよい。
【0029】
例えば、Giovarez AC-5099 MLの名称でPhoenix Chem.によって販売されているアルキルアクリレート/シクロアルキルアクリレートのコポリマー、Soltex OPTの名称でRohm & Haasによって販売されているアクリレート/C12-22アルキルメタクリレートのコポリマー、およびビニルピロリドンコポリマー、例えば、C2〜C30アルケン(例えば、C3〜C22アルケン)のコポリマー、ならびにこれらの組合せを挙げることができる。本発明において使用され得るVPコポリマーの例として、VP/ビニルラウレートのコポリマー、VP/ビニルステアレートのコポリマー、ブチル化ポリビニルピロリドン(PVP)コポリマー、Ganex V216の名称でISPによって販売されているVP/ヘキサデセンのコポリマー、Ganex V220の名称でISPによって販売されているVP/エイコセンのコポリマー、VP/トリアコンテンのコポリマーまたはVP/アクリル酸/ラウリルメタクリレートのコポリマーもまた挙げることができる。CTFA名(第4版、1991年)が(オクチルアクリルアミド/アクリレーツ/メタクリル酸ブチルアミノエチル)コポリマーであるコポリマー、例えば、Amphomer(登録商標)またはLovocryl(登録商標)47の名称でNational Starch社によって販売されている製品、さらにCTFA名が(アクリレーツ/オクチルアクリルアミド)コポリマーであるコポリマー、例えば、Dermacryl(登録商標)LTまたはDermacryl(登録商標)79の名称でNational Starch社によって販売されている製品もまた挙げることができる。
【0030】
挙げることができる特定のポリマーには、以下が含まれる。
i)上記の種類の1つに属する、フルオロ基を有するポリマー、特に、米国特許第5948393号に記載のFomblin製品、ならびに、特許EP0 815 836および米国特許第5849318号に記載のアルキル(メタ)アクリレート/パーフルオロアルキル(メタ)アクリレートのコポリマー。
【0031】
ii)1種または複数(好ましくは共役している(またはジエン))のエチレン性結合を含む、エチレン性モノマーの重合または共重合により得られるポリマーまたはコポリマー。エチレン性モノマーの重合または共重合により得られるポリマーまたはコポリマーとして、ビニル、アクリルまたはメタクリルのコポリマーを用いることが可能である。
【0032】
一実施形態において、フィルム形成ポリマーは、スチレン単位またはスチレン誘導体(例えば、メチルスチレン、クロロスチレンまたはクロロメチルスチレン)からなる少なくとも1つのブロックを含むブロックコポリマーである。少なくとも1つのスチレンブロックを含むコポリマーは、ジブロックまたはトリブロックコポリマー、あるいはマルチブロック、星型またはラジアルコポリマーでさえあり得る。少なくとも1つのスチレンブロックを含むコポリマーは、また、例えば、アルキルスチレン(AS)ブロック、エチレン/ブチレン(EB)ブロック、エチレン/プロピレン(EP)ブロック、ブタジエン(B)ブロック、イソプレン(I)ブロック、アクリレート(A)ブロックまたはメタクリレート(MA)ブロック、あるいはこれらのブロックの組合せを含み得る。スチレン単位またはスチレン誘導体からなる少なくとも1つのブロックを含むコポリマーは、ジブロックまたはトリブロックコポリマー、特に、ポリスチレン/ポリイソプレン型またはポリスチレン/ポリブタジエン型のもの、例えば、BASFによってLuvitol HSBの名称で販売または製造されているもの、ならびに、ポリスチレン/コポリ(エチレン-プロピレン)型、または別のものとしてポリスチレン/コポリ(エチレン/ブチレン)型のもの、例えば、Shell Chemical Co.によってKratonの商標名で、またはPenrecoによってGelled Permethyl 99Aの商用名で販売または製造されているものであり得る。
【0033】
例えば、Kraton G1650(SEBS)、Kraton G1651(SEBS)、Kraton G1652(SEBS)、Kraton G1657X(SEBS)、Kraton G1701X(SEP)、Kraton G1702X(SEP)、Kraton G1726X(SEB)、Kraton D-1101(SBS)、Kraton D-1102(SBS)、Kraton D-1107(SIS)、Gelled Permethyl 99A-750、Gelled Permethyl 99A-753-58(星型ブロックポリマーとトリブロックポリマーの混合物)、Gelled Permethyl 99A-753-59(星型ブロックポリマーとトリブロックポリマーの混合物)、PenrecoによるVersagel MD 970およびVersagel MD 960(イソドデカン中の、星型ポリマーおよびトリブロックポリマーの混合物)を挙げることができる。
【0034】
スチレン-メタクリレートコポリマー、例えば、LubrizolからOS 129880、OS 129881およびOS 84383の参照名で販売されているポリマー(スチレン-メタクリレートコポリマー)もまた使用され得る。
【0035】
一実施形態において、フィルム形成ポリマーは、ビニルエステル(ビニル基はエステル基の酸素原子に直接結び付いており、このビニルエステルは、エステル基のカルボニルに結合した、1から19個の炭素原子の線状もしくは分岐状の飽和炭化水素系基を有する)と、ビニルエステル(すでに存在するビニルエステル以外)、α-オレフィン(8から28個の炭素原子を含む)、アルキルビニルエーテル(このアルキル基は2から18個の炭素原子を含む)またはアリルエステルもしくはメタリルエステル(エステル基のカルボニルに結合した、1から19個の炭素原子の線状または分岐状の飽和炭化水素系基を含む)から選択される少なくとも1種の他のモノマーとのコポリマーから選択される。
【0036】
これらのコポリマーは、ビニル型、またはアリルもしくはメタリル型のいずれかであり得る架橋剤、例えば、テトラアリルオキシエタン、ジビニルベンゼン、ジビニルオクタンジオエート(octanedioate)、ジビニルドデカンジオエートおよびジビニルオクタデカンジオエートを用いて部分的に架橋されていてもよい。
【0037】
挙げることができるこれらのコポリマーの例には、次のコポリマーが含まれる:ビニルアセテート/アリルステアレート、ビニルアセテート/ビニルラウレート、ビニルアセテート/ビニルステアレート、ビニルアセテート/オクタデセン、ビニルアセテート/オクタデシルビニルエーテル、ビニルプロピオネート/アリルラウレート、ビニルプロピオネート/ビニルラウレート、ビニルステアレート/1-オクタデセン、ビニルアセテート/1-ドデセン、ビニルステアレート/エチルビニルエーテル、ビニルプロピオネート/セチルビニルエーテル、ビニルステアレート/アリルアセテート、ビニル2,2-ジメチルオクタノエート/ビニルラウレート、アリル2,2-ジメチルペンタノエート/ビニルラウレート、ビニルジメチルプロピオネート/ビニルステアレート、アリルジメチルプロピオネート/ビニルステアレート、ビニルプロピオネート/ビニルステアレート(0.2%のジビニルベンゼンにより架橋)、ビニルジメチルプロピオネート/ビニルラウレート(0.2%のジビニルベンゼンにより架橋)、ビニルアセテート/オクタデシルビニルエーテル(0.2%のテトラアリルオキシエタンにより架橋)、ビニルアセテート/アリルステアレート(0.2%のジビニルベンゼンにより架橋)、ビニルアセテート/1-オクタデセン(0.2%のジビニルベンゼンにより架橋)、および、アリルプロピオネート/アリルステアレート(0.2%のジビニルベンゼンにより架橋)。
【0038】
iii)ポリアルケン、およびC2〜C20アルケンのコポリマー、特に、ポリブテン。
【0039】
iv)天然由来のポリマー、これらは任意選択で変性されており、これらは、シェラック樹脂、サンダラックゴム、ダンマー樹脂、エレミ(elemi)ゴムおよびコーパル樹脂、アルキル(エーテルまたはエステル)側鎖を含む多糖、特に、線状もしくは分岐状で、飽和もしくは不飽和のC1〜C8アルキル基を含むアルキルセルロース、例えば、エチルセルロースおよびプロピルセルロースから選択され得る。
【0040】
天然由来のフィルム形成ポリマーは、特に、セルロース系ポリマー、例えば、ニトロセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセトブチレートまたはセルロースアセトプロピオネートから選択され得る。挙げることができる例には、Aqualon Ethylcellulose N200の参照名でAqualonによって販売されているエチルセルロース、CAB-381--0.5の参照名でEastman Chemicalによって販売されているセルロースアセトブチレート、および、CAP-482-20およびCAP-504-0.2の参照名でEastman Chemicalによって販売されているセルロースアセトプロピオネートが含まれる。
【0041】
v)重縮合物
挙げることができる重縮合物の中には、非イオン性ポリウレタン、ポリウレタン-アクリル、ポリウレタン-ポリビニルピロリドン、ポリエステル-ポリウレタン、ポリエーテル-ポリウレタン、ポリウレア、および、ポリウレア-ポリウレタン、ならびにこれらの混合物がある。
【0042】
ポリウレタンは、例えば、脂肪族、脂環式または芳香族ポリウレタンのコポリマー、あるいはポリウレア-ポリウレタンであり得る。
【0043】
本発明において定められるポリウレタンはまた、分岐状もしくは無分岐ポリエステルから、または移動しやすい水素を含む変性されたアルキドからも、ジイソシアネートと有機2官能(例えば、ジヒドロ、ジアミノまたはヒドロキシ-アミノ)共反応剤との重付加により、得ることができる。
【0044】
ポリエステル、ポリエステルアミド、脂肪鎖ポリエステル、ポリアミドおよびエポキシエステル樹脂もまた挙げることができる。
【0045】
ポリエステルは、脂肪族または芳香族の二酸と、脂肪族または芳香族のジオールとの、あるいはポリオールとの重縮合によって、知られているやり方で得ることができる。コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸またはセバシン酸が脂肪族二酸として使用され得る。テレフタル酸またはイソフタル酸、あるいはさらに無水フタル酸のような誘導体が芳香族二酸として使用され得る。エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノールおよび4,4'-(1-メチルプロピリデン)-ビスフェノールが、脂肪族ジオールとして使用され得る。
【0046】
ポリエステルアミドは、二酸とアミノアルコールとの重縮合によって、ポリエステルと同様に得ることができる。ポリアミドは、二酸とジアミンとの重縮合によって、ポリエステルと同様に得ることができる。
【0047】
挙げることができる特定のポリエステルには、C4〜50アルキル側鎖を含む脂肪族ポリエステル、または脂肪酸2量体の縮合により得られるポリエステル、あるいは別のものとして、特許出願FR0 113 920に定義される、末端ブロック、グラフトもしくは基の形でシリコーンセグメントを含むポリエステルが含まれる。
【0048】
b)シリコーン化合物
疎水性フィルム形成ポリマーはまた、少なくとも1つのシリコーン部分を含むポリマーでもあり得る。
【0049】
本明細書の下の記述では、一般的に受け入れられているものに従って、「シリコーン」および「ポリシロキサン」という用語は、線状もしくは環状、分岐状または架橋構造の、様々な分子量の任意の有機ケイ素ポリマーまたはオリゴマーを意味し、これらは、適切な官能基を有するシランの重合および/または重縮合によって得られ、ケイ素原子が酸素原子を介して互いに結合している(シロキサン結合 ≡Si-O-Si≡)主単位の繰返しから本質的に構成され、任意選択で置換された炭化水素系基が炭素原子を通じて該ケイ素原子に直接結合している。最も一般的な炭化水素系基は、アルキル基、特に、C1〜C10のもの(殊に、メチル、フルオロアルキル基)、アリール基(殊にフェニル)、およびアルケニル基(殊にビニル)である;シロキサン鎖に直接または炭化水素系基を介して結合し得る他のタイプの基は、特に、水素、ハロゲン(殊に、塩素、臭素またはフッ素)、チオール、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン(または、ポリエーテル)基(殊に、ポリオキシエチレンおよび/またはポリオキシプロピレン)、ヒドロキシルまたはヒドロキシアルキル基、置換または無置換アミン基、アミド基、アシルオキシまたはアシルオキシアルキル基、ヒドロキシアルキルアミノまたはアミノアルキル基、第4級アンモニウム基、両性またはベタイン基、陰イオン性基(例えば、カルボキシレート、チオグリコレート、スルホサクシネート、チオサルフェート、ホスフェートおよびサルフェート)であり、明らかに、このリストは、決して限定ではない。
【0050】
少なくとも1つのシリコーン部分を含む疎水性フィルム形成ポリマーとして、特に以下を挙げることができる。
i)シリコーン樹脂、これらは、通常、シリコーンオイルに溶けるか、または膨潤する。
【0051】
これらの樹脂は架橋されたポリオルガノシロキサンのポリマーである。
【0052】
シリコーン樹脂の命名はMDTQの名称で知られており、樹脂は、それが含む様々なシロキサンモノマー単位の関数として記述され、MDTQの文字の各々は単位のタイプを特徴付けている。
【0053】
文字Mは、式(CH3)3SiO1/2の1官能性単位を表し、ケイ素原子はこの単位を含むポリマーにおいて1個の酸素原子だけに結び付いている。
【0054】
文字Dは、2官能性単位(CH3)2SiO2/2を意味し、ケイ素原子は2個の酸素原子に結び付いている。
【0055】
文字Tは、式(CH3)SiO3/2の3官能性単位を表す。
【0056】
すでに定義された単位M、DおよびTにおいて、少なくとも1つのメチル基は、メチル基以外の基R、例えば、2から10個の炭素原子を含む炭化水素系基(特にアルキル)またはフェニル基、あるいは別のものとしてヒドロキシル基により置換されていてもよい。
【0057】
最後に、文字Qは、4官能性単位SiO4/2を意味し、ケイ素原子は4個の酸素原子に結合しており、これらの酸素原子は、それら自体、ポリマーのその他の部分に結合している。
【0058】
異なる性質を有する様々な樹脂を、これらの異なる単位から得ることができ、これらのポリマーの性質は、モノマー(または単位)のタイプ、置換基のタイプと数、ポリマー鎖の長さ、分岐度および側鎖の大きさの関数として変わる。
【0059】
挙げることができるこれらのシリコーン樹脂の例には、以下が含まれる。
- シロキシシリケート、これらは、式[(CH3)3・Si・O]x・(SiO4/2)y(単位MQ)のトリメチルシロキシシリケートであり得る(ここで、xおよびyは50から80の範囲の整数である)。
- 式(CH3SiO3/2)x(単位T)のポリシルセスキオキサン、ここで、xは100を超え、少なくとも1つのメチル基は上で定義された基Rにより置換されていてもよい。
- ポリメチルシルセスキオキサン、これらは、メチル基のどれも別の基により置換されていないポリシルセスキオキサンである。このようなポリメチルシルセスキオキサンは、文書、米国特許第5246694号に記載されており、その内容は参考として本明細書に組み込まれる。
【0060】
挙げることができる市販のポリメチルシルセスキオキサン樹脂の例には、以下が含まれる。
- Wacker社によってResin MKの参照名で販売されているもの、例えば、CH3SiO3/2の繰返し単位(単位T)を含むBelsil PMS MK:ポリマー、これは、1重量%までの(CH3)2SiO2/2単位(単位D)もまた含み得る、また約10 000の平均分子量を有する。
- Shin-Etsu社によってKR-220Lの参照名で販売されているもの、これらは、式CH3SiO3/2の単位Tの化合物であり、Si-OH(シラノール)末端基を有する、参照名KR-242Aで販売されているもの、これらは、98%の単位Tおよび2%のジメチル単位Dを含み、Si-OH末端基を有する、あるいは別のものとして、KR-251の参照名で販売されているもの、これらは88%の単位Tおよび12%のジメチル単位Dを含み、Si-OH末端基を有する。
【0061】
挙げることができるシロキシリケート樹脂には、任意選択で粉末状の、トリメチルシロキシシリケート(TMS)樹脂が含まれる。このような樹脂は、General Electric社によってSR1000の参照名で、あるいはWacker社によってTMS 803の参照名で販売されている。Shin-Etsu社によってKF-7312J、Dow Corning社によってDC 749またはDC 593の名称で販売されている、シクロメチコンのような溶媒に含めて販売されているトリメチルシロキシシリケート樹脂もまた挙げることができる。
【0062】
ii)文書、US-A-5 874 069、US-A-5 919 441、US-A-6 051 216およびUS-A-5 981 680(これらの内容は参考として本特許出願に組み込まれる)に記載のもののような、ポリオルガノシロキサン型のシリコーンポリアミド。
【0063】
iii)グラフト化シリコーン化合物
本発明の組成物はまた、グラフト化シリコーンポリマーを含み得る。本発明との関連で、「グラフト化シリコーンポリマー」という用語は、ポリシロキサン部分と、非シリコーン有機鎖からなる部分とを含み、2つの部分の一方がポリマーの主鎖を構成し、他方が該主鎖にグラフトされているポリマーを意味する。
【0064】
本発明による化粧品組成物に用いられるグラフト化シリコーンポリマーは、ポリシロキサンを含むモノマーがグラフトされた非シリコーン有機骨格を有するポリマー、および非シリコーン有機モノマーがグラフトされたポリシロキサン骨格を有するポリマー、ならびにこれらの混合物からなる群から優先的に選択される。
【0065】
グラフト化シリコーンポリマーの主鎖を構成する非シリコーン有機モノマーは、ラジカル重合性のエチレン性不飽和モノマー、重縮合-重合性モノマー(例えば、ポリアミド、ポリエステルまたはポリウレタンを生成するもの)、および開環性モノマー(例えば、オキサゾリンまたはカプロラクトン型のもの)から選択され得る。
【0066】
ポリシロキサンを含むモノマーがグラフトされた非シリコーン有機骨格を含むポリマーは、本発明では、米国特許第4693935号、米国特許第4728571号、および米国特許第4972037号、ならびに、特許出願EP-A-0 412 704、EP-A-0 412 707、EP-A-0 640 105およびWO95/00578に記載のものから選択され得る。それらは、エチレン性不飽和モノマーと、ビニル末端基を含むシリコーンマクロマーとから出発するラジカル重合によって得られるコポリマー、あるいは別のものとして、官能基を含むポリオレフィンを、該官能基と反応性がある末端官能基を含むポリシロキサンマクロマーと反応させることによって得られるコポリマーである。
【0067】
ポリシロキサンを含むモノマーがグラフトされた非シリコーン有機骨格を含むポリマーは、例えば、次の構造を有し得る。
【0068】
【化1】

【0069】
このようなポリマーは、Shin-EtsuによってKP 561の名称で販売されている。
【0070】
ポリシロキサンを含むモノマーがグラフトされた非シリコーン有機骨格を含むコポリマーは、次の構造もまた有し得る。
【0071】
【化2】

【0072】
このようなポリマー(ポリシリコーン7)は、3MによってSA 70の名称で販売されている。
【0073】
ポリシロキサンを含むモノマーがグラフトされた非シリコーン有機骨格を含む別のコポリマーは、また、Shin-Etsuによって販売されているKP545、KP574およびKP575であってもよい。
【0074】
やはり挙げることができるグラフト化シリコーン化合物は、Grant IndustriesによってGranacrysil BMASの名称で販売されている、イソブチルメタクリレート/ビス-ヒドロキシプロピルジメチコンアクリレートコポリマーである。
【0075】
本発明では、非シリコーン有機モノマーがグラフトされたポリシロキサン骨格を含むグラフト化シリコーンポリマーは、該主鎖内で、また任意選択で主鎖の末端の少なくとも1つに、シリコーンを含まない少なくとも1つの有機基がグラフトされたシリコーン主鎖(すなわち、ポリシロキサン(≡Si-O-)n)を含む。
【0076】
前記定義に対応するシリコーンポリマーの例は、特に、チオプロピレンタイプの連結鎖単位を介して、ポリ(メタ)アクリル酸タイプおよびポリアルキル(メタ)アクリレートタイプの混合ポリマー単位がグラフトされた、ポリジメチルシロキサン(PDMS)である。挙げることができる、この定義に対応する化合物は、メチル3-チオプロピルアクリレート/メチルメタクリレート/メタクリル酸の基を含むポリジメチル/メチルシロキサン、あるいは、3M社によってVS80の名称で販売されているポリシリコーン-8である。
【0077】
シリコーンポリマーの他の例は、特に、チオプロピレンタイプの連結鎖単位を介して、ポリイソブチル(メタ)アクリレートタイプのポリマー単位がグラフトされた、ポリジメチルシロキサン(PDMS)である。
【0078】
本発明での、非シリコーン有機モノマーがグラフトされたポリシロキサン骨格を含むシリコーンポリマーの数平均分子量は、好ましくは、ほぼ10 000から1 000 000、より一層優先的には、ほぼ10 000から100 000の範囲にある。
【0079】
好ましくは、グラフト化シリコーンポリマーは、ポリジメチルシロキサンがグラフトされたアルキルメタクリレートコポリマー、イソブチルメタクリレートとアクリル酸とシリコンマクロマーとのコポリマー、および、メチル3-チオプロピルアクリレート/メチルメタクリレート/メタクリル酸の基を含むポリジメチル/メチルシロキサンからなる群から選択される。
【0080】
iv)ポリウレア/ウレタンシリコーン
本発明でのコポリマーは、ポリシロキサン/ポリウレアに加えて、異なる単位の別のブロックを含み得る。特に、ポリシロキサン/ポリウレア/ポリウレタンのブロックターポリマーが挙げられるであろう。
【0081】
一変形形態によれば、コポリマーは1つまたは複数のシロキサンブロックと、1つまたは複数のポリウレアブロックだけを含む。
【0082】
本発明では、コポリマーは一般式(I)に対応し得る。
【0083】
【化3】

【0084】
ここで、
Rは、フッ素または塩素により適宜置換され、1から20個の炭素原子を含む1価の炭化水素系基を表し、
Xは、1から20個の炭素原子を含むアルキレン基を表し、隣同士でないメチレン単位が、-O-基に置き換えられていてもよく、
Aは、酸素原子またはアミノ基-NR'-を表し、
Zは、酸素原子またはアミノ基-NR'-を表し、
R'は、水素、または1から10個の炭素原子を含むアルキル基を表し、
Yは、フッ素または塩素により適宜置換され、1から20個の炭素原子を含む2価の炭化水素系基を表し、
Dは、フッ素、塩素、C1〜C6アルキルまたはC1〜C6アルキルエステルにより適宜置換され、1から700個の炭素原子を含むアルキレン基を表し、隣同士でないメチレン単位が、基、-O-、-COO-、-OCO-、または、-OCOO-に置き換えられていてもよく、
nは、1から4000の範囲の数であり、
aは、少なくとも1に等しい数であり、
bは、0から40の範囲の数であり、
cは、0から30の範囲の数であり、また
dは、ゼロを超える数であるが、但し
Aは、単位(a)の少なくとも1つにおいて、NH基を表す。
【0085】
好ましくは、Rは、1から6個の炭素原子の1価の炭化水素系基、例えば、メチル、エチル、ビニルおよびフェニルを表す。特定の一実施形態によれば、Rは無置換アルキル基である。
【0086】
好ましくは、Xは、2から10個の炭素原子を含むアルキレン基を表す。好ましくは、このアルキレン基Xには介在するものがない。
【0087】
特定の一実施形態によれば、単位(b)および(c)のすべてにおける基Aは、それらが存在する場合、NHを表す。
【0088】
特定の好ましい一実施形態によれば、基AのすべてはNH基を表す。
【0089】
好ましくは、Zは酸素原子またはNH基を表す。
【0090】
好ましくは、Yは、3から13個の炭素原子を含む炭化水素系基を表し、この基は、好ましくは無置換である。好ましくは、Yは線状または環状のアラルキレン(aralkylene)またはアルキレン基を表す。
【0091】
好ましくは、Dは、12個の炭素原子を超えず、少なくとも2個、特に少なくとも4個の炭素原子を含むアルキレン基を表す。
【0092】
やはり好ましくは、Dは、800個を超えず、特に200個の炭素原子を超えず、少なくとも20個、特に少なくとも100個の炭素原子を含むポリオキシアルキレン基、特にポリオキシエチレンまたはポリオキシプロピレン基を表す。
【0093】
好ましくは、基Dは無置換である。
【0094】
好ましくは、nは、好ましくは800を超えず、特に400を超えず、特に好ましくは250を超えず、少なくとも3、特に少なくとも25に等しい数を表す。
【0095】
好ましくは、aは、50を超える数を表す。
【0096】
bが0以外である場合、bは、好ましくは、50を超えず、特に25を超えない数を表す。
【0097】
好ましくは、cは、10を超えず、特に5を超えない数を表す。
【0098】
本発明でのコポリマーは、米国特許出願公開第2004/0254325号または特許出願WO03/014 194に記載の重合方法に従って得ることができる。
【0099】
別の実施形態によれば、コポリマーは、非イオン性のポリシロキサン/ポリウレアコポリマーである、すなわち、それはイオン化したかまたはイオン化し得るいかなる基も含まない。
【0100】
挙げることができるコポリマーの例は、INCI名がポリウレアジメチコンである、ジメチルポリシロキサン/ウレアコポリマーである。
【0101】
このようなポリマーは、特に、α,ω-アミノシリコンとジイソシアネートとの共重合によって得られ得る。これらの特徴に合致するポリマーは、例えば、Wacker社により、Wacker-Belsil(登録商標)UD 60、Wacker-Belsil(登録商標)UD 80、Wacker-Belsil(登録商標)UD 140、およびWacker-Belsil(登録商標)UD 200の参照名で販売されている製品である。
【0102】
v)シリコーン樹脂および流体シリコーンに基づくコポリマー
これらのシリコーンコポリマーは、シリコーン樹脂と流体シリコーンとを反応させることによって得られる。
【0103】
このようなコポリマーは、例えば、「Silicone Pressure Sensitive Adhesive」、SobieskiおよびTangney、「Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology」(D.Satas編)(von Nostrand Reinhold、New York)に記載されている。
【0104】
このコポリマーでは、シリコーン樹脂は、45%と75%(シリコーンの合計質量に対して)の間の量で存在し、流体シリコーンは、25%と55%の間の量で存在する(シリコーン樹脂と流体シリコーンのパーセンテージの合計は100に等しい)。好ましくは、シリコーン樹脂は、55%と65%(シリコーンの合計質量に対して)の間の量で存在し、流体シリコーンは、35%と45%の間の量で存在する(シリコーン樹脂と流体シリコーンのパーセンテージの合計は100に等しい)。
【0105】
好ましくは、本発明に適合するシリコーン樹脂は、SiO2基とR3(SiO)1/2(トリオルガノシリル)基との縮合生成物であり、R基の各々は、メチル、エチル、プロピルおよびビニル基から独立に選択され、シリコーン樹脂のSiO2官能基とR3(SiO)1/2官能基の間の比は、0.6から0.9の範囲である。シリコーン樹脂を生成するための使用され得るトリオルガノシリル基は、トリメチルシリル、トリエチルシリル、メチルメチルプロピルシリルおよびジメチルビニルシリル単位、ならびにこれらの混合であり得る。本発明との関連では、トリメチルシリル基が好ましい。
【0106】
好ましくは、本発明に適合する流体シリコーンは、OH末端官能基を含むジオルガノポリシロキサンであり、これは、25℃で100と100 000cStの間の粘度を有し、ジオルガノポリシロキサンの置換基は、メチル、エチル、プロピルおよびビニル基から独立に選択される。ジオルガノシロキサンは、好ましくは、線状ポリマーである。ジオルガノポリシロキサンの非限定的な例は、OH末端基を含む、ポリジメチルシロキサン、エチルメチルポリシロキサン、ジメチルシロキサンとメチルビニルシロキサンのコポリマー、および、このようなポリマーまたはコポリマーの混合物であり得る。好ましいジオルガノポリシロキサンはポリジメチルシロキサンである。
【0107】
このようなコポリマーの合成の例は、例えば、米国特許第5162410号または特許CA711 756に記載されている。
【0108】
本発明に適合する好ましいコポリマーは、BIO-PSA(登録商標)の参照名でDow Corningによって販売されており、これらのBIO-PSA(登録商標)コポリマー自体は、可能性として、標準形またはアミンと共存できる形の2つの形で存在し、シリコーン樹脂/流体シリコーンのいくつかの比で、様々な溶媒に含めて供給される。特に、7-4400、7-4500および7-4600のグレードを挙げることができる。本発明で特に好ましいBIO-PSA(登録商標)は7-4400グレードである。
【0109】
vi)反応性シリコーン
疎水性フィルム形成ポリマーは、疎水性フィルム形成ポリマーを生成するように付けた時に互いに反応できる、シリコーン化合物XおよびYから得られるポリマーから選択され得る。「シリコーン化合物」という用語は、少なくとも2つのオルガノシロキサン単位を含む化合物を意味する。特定の一実施形態によれば、化合物Xおよび化合物Yはシリコーン化合物である。化合物XおよびYはアミノまたは非アミノ化合物であり得る。それらは、次の基から選択され得る極性基を含み得る(Rはアルキル基を表す):-COOH、-COO-、-COO-、-OH、-NH2、-NH-、-NR-、-S03H、-SO3-、-OCH2CH2-、-O-CH2CH2CH2-、-0-CH2CH(CH3)-、-NR3+、-SH、-NO2、I、Cl、Br、-CN、-PO43-、-CONH-、-CONR-、-CONH2、-CSNH-、-SO2-、-SO-、-SO2NH-、-NHCO-、-NHSO2-、-NHCOO-、-OCONH-、-NHCSO-、および、-OCSNH-。
【0110】
別の実施形態によれば、化合物XおよびYの少なくとも1つは、主鎖が主にオルガノシロキサン単位からなるポリマーである。
【0111】
本明細書において下に挙げられるシリコーン化合物の中で、それらのいくつかは、例えば、それらのシリコーンの割合、またはそれらが特定の添加剤との混合物として用いられるかどうかに応じて、フィルム形成性と接着性の両方を有し得る。その結果として、意図される用途に合わせて、このような化合物のフィルム形成性または接着性を調整することが可能であり、特に、室温硬化シリコーンとして知られる反応性シリコーンエラストマーの場合にそうである。
【0112】
化合物XおよびYは、室温と180℃の間の範囲の温度で互いに反応できる。有利には、化合物XおよびYは、室温(20±5℃)、大気圧で、有利には触媒の存在下に、ヒドロシリル化反応または縮合反応により、あるいは過酸化物の存在下における架橋反応により、互いに反応できる。
【0113】
ヒドロシリル化により反応する化合物XおよびYの組合せの例として、Dow Corning社によって提案された次の参照名:DC 7-9800 Soft Skin AdhesiveのA剤およびB剤、さらにはDow Corningによって調製される次の混合物AおよびBを挙げることができる。
【0114】
【表1】

【0115】
【表2】

【0116】
化合物XおよびYは、水の存在下に(加水分解)アルコキシシラン基を有する2つの化合物の反応によってか、あるいは、(複数の)アルコキシシラン基を有する化合物と(複数の)シラノール基を有する化合物との反応によるか、または(複数の)シラノール基を有する2つの化合物の反応による「直接」縮合によってかのいずれかで、縮合により反応できる。
【0117】
縮合が水の存在下に実施される場合、この水は、特に、外部の源、例えば、毛髪を予め湿らすこと(例えば、噴霧器による)により供給される水であり得る。
【0118】
このように、縮合によるこの反応様式では、化合物XおよびY(これらは同じであっても異なっていてもよい)は、主鎖が、少なくとも2つのアルコキシシラン基および/または少なくとも2つのシラノール基(Si-OH)を、側方にまた/または鎖の末端に含むシリコーン化合物から選択され得る。
【0119】
利点のある一実施形態によれば、化合物Xおよび/またはYは、少なくとも2つのアルコキシシラン基を含むポリオルガノシロキサンから選択される。「アルコキシシラン基」という用語は、少なくとも1つの-Si-OR(Rは1から6個の炭素原子を含むアルキル基である)部分を含む基を意味する。
【0120】
化合物XおよびYは、特に、アルコキシシラン末端基を含むポリオルガノシロキサン、より詳細には、少なくとも2つのアルコキシシラン末端基、好ましくはトリアルコキシシラン末端基を含むものから選択される。
【0121】
このようなポリマーは、特に、文書、米国特許第3175993号、米国特許第4772675号、米国特許第4871827号、米国特許第4888380号、米国特許第4898910号、米国特許第4906719号および米国特許第4962174号、ならびにWO01/96450に記載されており、これらの内容は参考として本特許出願に組み込まれる。
【0122】
アルコキシシラン基を有し、また縮合反応により反応する化合物XおよびYの組合せの例として、Dow Corningにより調製される下の混合物A'およびB'の組合せを挙げることができる。
【0123】
【表3】

【0124】
【表4】

【0125】
本発明に適合するフィルム形成ポリマーが、有機溶媒に分散される場合、本発明による組成物は、有利には、1種または複数のポリマーの本質的に球状のポリマー粒子の少なくとも1つの安定な分散体を含む。それらを本発明の組成物に組み入れる前に、粒子は通常、生理学的に許容される液体脂肪相、例えば、炭化水素系オイルまたはシリコーンオイルに分散される。一実施形態によれば、これらの分散体は、ネットワーク(これらはポリマーの水性分散体である)とは対照的に、一般的に、ポリマーのNAD(非水分散体、non-aqueous dispersion)として知られている。
【0126】
これらの分散体は、特に、前記液体有機相での安定分散体におけるポリマーナノ粒子の形態であり得る。ナノ粒子は、好ましくは、5と800nmの間、一層良好には、50と500nmの間の平均の大きさを有する。しかし、1μmまでの範囲のポリマー粒径を得ることが可能である。
【0127】
本発明の組成物に使用され得る分散体中のポリマーは、好ましくは、約2000から10 000 000の範囲の分子量、および、-100℃から300℃、好ましくは、-10℃から80℃の範囲のTgを有する。
【0128】
挙げることができる分散体中のフィルム形成ポリマーの中には、好ましくは40℃以下、特に、-10℃から30℃の範囲のTgを有し、単独でまたは混合物として用いられる、アクリルまたはビニルのラジカルホモポリマーまたはコポリマーがある。
【0129】
一実施形態によれば、ポリマー粒子は、単独または混合物としての安定化剤(これは、室温で固体であり、ブロックポリマー、グラフトポリマーおよび/または統計的ポリマー(statistical polymer)であり得る)により安定化される。安定化は、任意の知られている手段により、特に、重合の間の安定化ポリマーの直接添加によって、実施され得る。
【0130】
ポリマー粒子の水性分散体が使用される場合、該水性分散体の固体含量は、約3重量%から60重量%、好ましくは、10重量%から50重量%であり得る。
【0131】
水性分散体中のポリマー粒子の大きさは、10と500nmの間であってよく、かなりの程度のグロスを有するフィルムが生成されるように、好ましくは20と150nmの間である。しかし、1ミクロンまでの範囲の粒径が使用され得る。
【0132】
限定ではないが、好ましいフィルム形成ポリマーは、次のポリマーまたはコポリマーから選択される:ポリウレタン、ポリウレタン-アクリル、ポリウレア、ポリウレア-ポリウレタン、ポリエステル-ポリウレタン、ポリエーテル-ポリウレタン、ポリエステル、ポリエステルアミド;アクリルおよび/またはビニルのポリマーまたはコポリマー;アクリル-シリコーンのコポリマー;ポリアクリルアミド;シリコーンポリマー、例えば、シリコーンポリウレタンまたはアクリルポリマー、フルオロポリマー;セルロース類;およびこれらの混合物。
【0133】
本発明に適合する疎水性フィルム形成ポリマーは、それらの機械的性質に基づいて選択され得る。このような性質は、柔軟性、硬さ、接着性、残留性(remanence)、水または他の化合物に対する耐性、および耐磨耗性であり得る。ブロックポリマー(2つ以上の異なるポリマーセグメントからなるポリマー)、グラフトポリマー(ホモポリマーまたはコポリマーの骨格にグラフトされたポリマー側鎖を含むポリマー)またはヘテロポリマー(2種以上のモノマーを含むポリマー)の一層変わりやすい性質を利用することも可能である。例えば、コポリマーでは、ハードおよびソフトブロックの量がポリマーの性質にかなりの影響を及ぼす。
【0134】
さらに、所望の性質を実現するために2種以上のポリマーを混合することが可能である。組合せの例は、ポリウレタンとポリアクリレート、ポリウレタンとポリエステル、シリコーン部分を有する2種のポリマー、または、ポリウレタンとシリコーン部分を有するポリマーであり得る。
【0135】
特定の一実施形態によれば、疎水性フィルム形成ポリマーは、非イオン性ポリマーである。別の実施形態によれば、フィルム形成ポリマーは、25℃で、1時間後に肉眼で流動が認められないという意味において固体である。
【0136】
ポリマーは、組成物中に、組成物の全重量に対して、0.1重量%から40重量%の範囲、好ましくは0.1重量%から30重量%の範囲、好ましくは0.5重量%から20重量%の範囲、優先的には1重量%から20重量%の範囲、より優先的には1重量%から15重量%の範囲の量で存在し得る。
【0137】
ポリマーのガラス転移温度が所望の用途にとって高すぎる場合、用いられる混合物のガラス転移温度を下げるために、ポリマーに可塑剤が加えられ一体化され得る。可塑剤は、用途の分野において通常用いられる可塑剤から、特に、ポリマーにとって溶媒であり得る化合物から選択され得る。
【0138】
好ましくは、可塑剤は、5000g/mol以下、好ましくは2000g/mol以下、優先的には1000g/mol以下、より一層優先的には900g/mol以下の分子量を有する。可塑剤は、有利には、100g/mol以上の分子量を有する。
【0139】
このように、組成物は少なくとも1種の可塑剤もまた含み得る。特に、単独または混合物としての、次のような一般的な可塑剤を挙げることができる:
- グリコールおよびそれらの誘導体、例えば、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテルまたはジエチレングリコールへキシルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテルまたはエチレングリコールへキシルエーテル;
- ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコールのコポリマー、およびこれらの混合物、特に、高分子量のポリプロピレングリコール、例えば、500から15 000の範囲の分子量を有するもの;
- グルコールエステル;
- プロピレングリコール誘導体、特に、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテルおよびジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル。このような化合物は、Dowanol PPHおよびDowanol DPnBの名称でDow Chemicalによって販売されている;
- 酸のエステル、特に、カルボン酸のエステル、例えば、クエン酸エステル、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、炭酸エステル、酒石酸エステル、リン酸エステルおよびセバシン酸エステル;
- 式R11COOHのモノカルボン酸と式HOR12OHのジオールの反応により誘導されるエステル(ここで、R11およびR12は、同じであって異なっていてもよく、線状、分岐状または環状で、飽和または不飽和の炭化水素系の鎖を表し、この鎖は好ましくは3から15個の炭素原子を含み、N、OまたはSのようなヘテロ原子を1個または複数、任意選択で含む)、特に、イソ酪酸とオクタンジオール(例えば、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール)の反応により得られるモノエステル、例えば、Texanol Ester Alcoholの参照名でEastman Chemical社によって販売されている製品;
- オキシエチレン化誘導体、例えば、オキシエチレン化オイル(特に植物油、例えば、ヒマシ油);
- これらの混合物。
【0140】
より特定すると、可塑剤は、1から7個の炭素原子を含む少なくとも1種のカルボン酸と、少なくとも4つのヒドロキシル基を含むポリオールとのエステルから選択され得る。
【0141】
本発明に適合するポリオールは、環化または非環化サッカリド-ポリヒドロキシアルデヒド(アルドース)またはポリヒドロキシケトン(ケトース)であり得る。ポリオールは、好ましくは、ヘミアセタール型に環化したサッカリドである。
【0142】
ポリオールは、1から10個のサッカリド、好ましくは1から4個のサッカリド、より好ましくは1または2個のサッカリドを含むモノサッカリドまたはポリサッカリドであり得る。ポリオールは、エリトリトール、キシリトール、ソルビトール、グルコース、スクロース、ラクトースおよびマルトースから選択され得る。
【0143】
本発明に適合するポリオールは、好ましくは、ジサッカリドである。ジサッカリドの中で、スクロース(α-D-グルコピラノシル-(1-2)-β-D-フルクトフラノースとしても知られる)、ラクトース(β-D-ガラクトピラノシル-(1-4)-β-D-グルコピラノースとしても知られる)およびマルトース(α-D-グルコピラノシル-(1-4)-β-D-グルコピラノース)を挙げることができ、好ましくはスクロースである。
【0144】
本発明に適合するエステルは、少なくとも2種の異なるモノカルボン酸により、または少なくとも3種の異なるモノカルボン酸によりエステル化されたポリオールからなり得る。
【0145】
本発明に適合するエステルは、2種のエステルのコポリマー、特に、i)ベンゾイル基により置換されたスクロース、ならびにii)アセチルおよび/またはイソブチリル基により置換されたスクロースのコポリマーであり得る。
【0146】
カルボン酸は、好ましくは、例えば、酢酸、n-プロパン酸、イソプロパン酸、n-ブタン酸、イソブタン酸、tert-ブタン酸、n-ペンタン酸および安息香酸から選択される、1から7個の炭素原子、好ましくは1から5個の炭素原子を含むモノカルボン酸である。
【0147】
エステルは、少なくとも2種の異なるモノカルボン酸から得ることができる。一実施形態によれば、この酸は無置換の線状または分岐状の酸である。
【0148】
前記酸は、好ましくは、酢酸、イソブチル酸および安息香酸、ならびにこれらの混合物から選択される。
【0149】
好ましい一実施形態によれば、エステルはスクロースジアセテートヘキサキス(2-メチルプロパノエート)、例えば、Sustane SAIB Food Grade Kosherの名称でEastman Chemical社によって販売されている製品である。
【0150】
別の実施形態によれば、可塑剤は、脂肪族または芳香族ポリカルボン酸と、1から10個の炭素原子を含む脂肪族または芳香族アルコールとのエステルから選択され得る。
【0151】
脂肪族または芳香族のアルコールは、1から10個、好ましくは1から8個の炭素原子、例えば1から6個の炭素原子を含む。それは、R1がメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ヘキシル、エチルヘキシル、デシル、イソデシル、ベンジル、または1から3個の炭素原子を含むアルキルにより置換されたベンジルを表すアルコールR1OH、およびこれらの混合物から選択され得る。
【0152】
前記の脂肪族または芳香族ポリカルボン酸は、3から12個の炭素原子、好ましくは3から10個の炭素原子、好ましくは3から8個の炭素原子、例えば6から8個の炭素原子を好ましくは含む。
【0153】
脂肪族または芳香族ポリカルボン酸は、有利には、ジカルボン酸およびトリカルボン酸から選択される。
【0154】
挙げることができる脂肪族ジカルボン酸の中には、式HOOC-(CH2)n-COOHのものがあり、ここで、nは1から10の範囲、好ましくは2から8の範囲の整数、例えば、2、4、6または8である。
【0155】
コハク酸、アジピン酸およびセバシン酸から選択されるジカルボン酸が好ましい。
【0156】
芳香族ジカルボン酸の中では、フタル酸を挙げることができる。
【0157】
トリカルボン酸の中では、次の式に対応する三酸(triacid)を挙げることができる。
【0158】
【化4】

【0159】
ここで、Rは、基、-H、-OHまたは-OCOR'を表し、R'は、1から6個の炭素原子を含むアルキル基を表す。好ましくは、Rは基、-OCOCH3を表す。
【0160】
トリカルボン酸は、特に、アセチルクエン酸、ブチロイルクエン酸およびクエン酸から選択される。
【0161】
使用され得るトリカルボン酸エステルの中には、クエン酸から誘導されるエステル(またはシトラート)、例えば、トリブチルアセチルシトラート、トリエチルアセチルシトラート、トリエチルヘキシルアセチルシトラート、トリヘキシルアセチルシトラート、トリヘキシルブチロイルシトラート、トリイソデシルシトラート、トリイソプロピルシトラート、トリブチルシトラートおよびトリス(2-エチルヘキシル)シトラートがある。前記可塑剤の市販されている参照名として、Vertellusによって販売されているCitroflex商品群、特に、Citroflex A4およびCitroflex C2を挙げることができる。
【0162】
挙げることができるアジピン酸エステルの中には、ジブチルアジペートおよびビス(2-エチルヘキシル)アジペートがある。
【0163】
挙げることができるセバシン酸エステルの中には、ジブチルセバケート、ビス(2-エチルヘキシル)セバケート、ジエチルセバケートおよびジイソプロピルセバケートがある。
【0164】
挙げることができるコハク酸エステルの中には、ビス(2-エチルヘキシル)サクシネートおよびジエチルサクシネートがある。
【0165】
挙げることができるフタル酸エステルの中には、ブチルベンジルフタレート、ジブチルフタレート、ジエチルヘキシルフタレート、ジエチルフタレートおよびジメチルフタレートがある。
【0166】
有利には、可塑剤は、疎水性フィルム形成ポリマーと可塑剤の間の質量比が0.5と100の間、好ましくは1と50の間、好ましくは1と10の間であるような量で、組成物中に存在し得る。
【0167】
本発明によれば、毛髪に付けられる組成物は、少なくとも1種の揮発性溶媒含む。本発明との関連で、「揮発性溶媒」という用語は、室温(20℃)、大気圧で液体であり、20℃で0.1mmHgを超え、好ましくは0.1と300mmHgの間、より一層優先的には0.5と200mmHgの間の蒸気圧を有する化合物を意味する。
【0168】
この揮発性溶媒は、水、非シリコーン有機溶媒またはシリコーン有機溶媒、あるいはこれらの混合物であり得る。挙げることができる揮発性の非シリコーン有機溶媒には、以下が含まれる:
・ 揮発性C1〜C4アルカノール、例えば、エタノールまたはイソプロパノール;
・ 揮発性C5〜C7アルカン、例えば、n-ペンタン、ヘキサン、シクロペンタン、2,3-ジメチルブタン、2,2-ジメチルブタン、2-メチルペンタンまたは3-メチルペンタン;
・ C1〜C20の液体の酸と、C1〜C8の揮発性アルコールのエステル、例えば、メチルアセテート、n-ブチルアセテート、エチルアセテート、プロピルアセテート、イソペンチルアセテートまたはエチル3-エトキシプロピオネート;
・ 室温で液体であり揮発性のケトン、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノンまたはアセトン;
・ 揮発性ポリオール、例えば、プロピレングリコール;
・ 揮発性エーテル、例えば、ジメトキシメタン、ジエトキシエタンまたはジエチルエーテル;
・ 揮発性グリコールエーテル、例えば、2-ブトキシエタノール、ブチルジグリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールn-ブチルエーテルまたはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート;
・ 揮発性炭化水素系オイル、例えば、8から16個の炭素原子を含む揮発性炭化水素系オイル、およびこれらの混合物、特に、分岐状C8〜C16アルカン、例えば、C8〜C16イソアルカン(イソパラフィンとしても知られる)、イソドデカン、イソデカン、および、例えば、IsoparまたはPermethylの商用名で販売されているオイル、ならびにこれらの混合物。イソヘキシルまたはイソデシルネオペンタノエートもまた挙げることができる。
・ C4〜C10の揮発性パーフルオロアルカン、例えば、ドデカフルオロペンタン、テトラデカフルオロへキサンまたはデカフルオロペンタン;
・ 揮発性パーフルオロシクロアルキル、例えば、パーフルオロメチルシクロペンタン、1,3-パーフルオロジメチルシクロヘキサンおよびパーフルオロデカリン、それぞれ、Flutec PC1(登録商標)、Flutec PC3(登録商標)およびFlutec PC6(登録商標)の名称でF2 Chemicals社によって販売されている、また、パーフルオロジメチルシクロブタンおよびパーフルオロモルホリン;
・ 次の式:
CH3-(CH2)n[Z]t-X-CF3
(ここで、tは0または1であり、nは0、1、2または3であり、Xは、2から5個の炭素原子を含む線状または分岐状で2価のパーフルオロアルキル基であり、ZはO、SまたはNRを表し、Rは水素、または基、-(CH2)n-CH3もしくは-(CF2)m-CF3であり、mは2、3、4または5である)
に対応する、揮発性フルオロアルキルまたはヘテロフルオロアルキル化合物。
【0169】
特に挙げることができる揮発性フルオロアルキルまたはヘテロフルオロアルキル化合物の中には、3M社によってMSX 4518(登録商標)およびHFE-7100(登録商標)の名称で販売されているメトキシノナフルオロブタン、ならびに、3M社によってHFE-7200(登録商標)の名称で販売されているエトキシノナフルオロブタンがある。
【0170】
好ましくは、溶媒は、その沸点が200℃未満であるように選択される。
【0171】
特定の一実施形態によれば、非シリコーン有機溶媒は、エタノール、イソプロパノール、アセトンおよびイソドデカンから選択される。
【0172】
挙げることができる揮発性シリコーン溶媒には、2から7個のケイ素原子を含む線状または環状のシリコーンから選択される低粘度シリコーン化合物(これらのシリコーンは、1から10個の炭素原子を含むアルキルまたはアルコキシ基を任意選択で含む)、例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルへキシルトリシロキサン、ヘプタメチルエチルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、オクタメチルトリシロキサンおよびデカメチルテトラシロキサン、ならびにこれらの混合物が含まれる。特定の一実施形態によれば、シリコーン化合物は、シクロペンタジメチルシロキサンおよびドデカメチルシクロヘキサシロキサンから選択される。
【0173】
特定の一実施形態によれば、揮発性シリコーン溶媒は、50センチストークス未満の粘度を有する。
【0174】
好ましくは、揮発性シリコーンは環状であり、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルトリシロキサンおよびデカメチルテトラシロキサンから選択される。
【0175】
挙げることができる例には、DC-245の名称でDow Corning社によって販売されているデカメチルシクロペンタシロキサン、DC-200 Fluid 1 cStの名称でDow Corning社によって販売されているオクタメチルトリシロキサン、および、DC-200 Fluid 1.5 cStの名称でDow Corning社によって販売されているデカメチルテトラシロキサンが含まれる。
【0176】
この環状揮発性シリコーンは、一般的に、低粘度、例えば、25℃で5cSt未満の粘度を有する。
【0177】
好ましくは、前記揮発性シリコーンは環状であり、DC-245の名称でDow Corning社によって販売されているデカメチルシクロペンタシロキサンである。
【0178】
揮発性溶媒は、本発明の方法において有用である組成物中に、組成物の全重量に対して、0.1重量%から95重量%の範囲、好ましくは1重量%から70重量%の範囲、優先的には5重量%から90重量%の範囲の含量で存在し得る。
【0179】
本発明の組成物はまた、次のような別の非揮発性有機溶媒も含み得る:
・ 非揮発性芳香族アルコール、例えば、ベンジルアルコールまたはフェノキシエタノール;
・ C1〜C20の液体の酸とC1〜C8の非揮発性アルコールのエステル、例えば、イソプロピルミリステート;
・ エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートまたはブチレンカーボネート;
・ 非揮発性ポリオール、例えば、グリセロール、エチレングリコール、ジプロピレングリコールまたはブチレングリコール;
・ 非揮発性グリコールエーテル、例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテルまたはジプロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテル;
・ 非揮発性炭化水素系オイル、例えば、イソヘキサンデカン;
・ 非揮発性で液体のC10〜C30脂肪アルコール、例えば、オレイルアルコール;液体のC10〜C30脂肪アルコールのエステル、例えば、C10〜C30脂肪アルコールのベンゾエート、およびこれらの混合物;ポリブテンオイル、イソノニルイソノナノエート、イソステアリルマレート(malate)、ペンタエリトリチルテトライソステアレートまたはトリデシルトリメリテート;
・ 非揮発性パーフルオロ溶媒、例えば、パーフルオロパーヒドロフェナントレン、Flutec PC11(登録商標)の名称でF2 Chemicals社によって販売されている。
【0180】
本発明での組成物は顔料を含む。このような組成物により、ケラチン繊維の劣化なしに、着色した残留性のコーティングを得ることが可能になる。
【0181】
「顔料」という用語は、ケラチン質に色を付与する任意の顔料、またはケラチン質に白色だけを付与する二酸化チタンのような白色顔料を意味する。
【0182】
使用され得る顔料は、特に、当技術分野において知られている有機および/または無機顔料、特に、「Kirk-Othmer's Encyclopaedia of Chemical Technology」および「Ullmann's Encyclopaedia of Industrial Chemistry」に記載のものから選択される。
【0183】
これらの顔料は、粉末または顔料ペーストの形態であり得る。それらは、コーティングされていることも、コーティングされていないこともある。
【0184】
顔料は、例えば、無機顔料、有機顔料、レーキ、特殊効果を有する顔料(例えば、真珠光沢剤(nacre)または光輝(glitter)フレーク)、およびこれらの混合物から選択され得る。
【0185】
顔料は無機顔料であり得る。「無機顔料」という用語は、Ullmann's encyclopaediaの無機顔料に関する章における定義を満たす任意の顔料を意味する。本発明において有用な無機顔料の中では、酸化鉄、酸化クロム、マンガンバイオレット、ウルトラマリンブルー、クロム水和物およびフェリック(ferric)ブルーを挙げることができる。
【0186】
顔料は有機顔料であり得る。「有機顔料」という用語は、Ullmann's encyclopaediaの有機顔料に関する章における定義を満たす任意の顔料を意味する。有機顔料は、ニトロソ、ニトロ、アゾ、キサンテン、キノリン、アントラキノン、フタロシアニン、金属錯体、イソインドリノン、イソインドリン、キナクリドン、ペリノン、ペリレン、ジケトピロロピロール、チオインジゴ、ジオキサジン、トリフェニルメタンおよびキノフタロン化合物から選択され得る。
【0187】
特に、白色または有色の有機顔料は、カルミン、カーボンブラック、アニリンブラック、メラニン、アゾイエロー、キナクリドン、フタロシアニンブルー、ソルガム(sorghum)レッド、カラーインデックスにおいて参照名CI 42090、69800、69825、73000、74100および74160とコード化された青色顔料、カラーインデックスにおいて参照名CI 11680、11710、15985、19140、20040、21100、21108、47000および47005とコード化された黄色顔料、カラーインデックスにおいて参照名CI 61565、61570および74260とコード化された緑色顔料、カラーインデックスにおいて参照名CI 11725、15510、45370および71105とコード化されたオレンジ色顔料、カラーインデックスにおいて参照名CI 12085、12120、12370、12420、12490、14700、15525、15580、15620、15630、15800、15850、15865、15880、17200、26100、45380、45410、58000、73360、73915および75470とコード化された赤色顔料、ならびに、特許FR2 679 771に記載のようにインドールまたはフェノール誘導体の酸化重合によって得られる顔料から選択され得る。
【0188】
やはり挙げることができる例には、有機顔料の顔料ペースト、例えば、Hoechst社によって、以下の名称で販売されている製品が含まれる:
- Jaune Cosmenyl IOG:Pigment Yellow 3(CI 11710);
- Jaune Cosmenyl G:Pigment Yellow 1(CI 11680);
- Orange Cosmenyl GR:Pigment Orange 43(CI 71105);
- Rouge Cosmenyl R:Pigment Red 4(CI 12085);
- Carmine Cosmenyl FB:Pigment Red 5(CI 12490);
- Violet Cosmenyl RL:Pigment Violet 23(CI 51319);
- Bleu Cosmenyl A2R:Pigment Blue 15.1(CI 74160);
- Vert Cosmenyl GG:Pigment Green 7(CI 74260);
- Noir Cosmenyl R:Pigment Black 7(CI 77266)。
【0189】
本発明に適合する顔料はまた、特許、EP1 184 426に記載の複合顔料の形態でもあり得る。これらの複合顔料は、特に、無機の核、核への有機顔料の結合を保証する少なくとも1種のバインダー、および、少なくとも部分的に核を覆う少なくとも1種の有機顔料を含む粒子複合物であり得る。
【0190】
有機顔料はまたレーキでもあり得る。「レーキ」という用語は、不溶性粒子上に吸着させた染料(こうして得られる複合体は、使用中、不溶のままである)を意味する。
【0191】
染料がその上に吸着される無機の基材は、例えば、アルミナ、シリカ、ホウケイ酸カルシウムナトリウム、またはホウケイ酸カルシウムアルミニウム、およびアルミニウムである。
【0192】
染料の中では、コチニールカルミンを挙げることができる。次の名称で知られる染料もまた挙げることができる:D&C Red 21(CI 45 380)、D&C Orange 5(CI 45 370)、D&C Red 27(CI 45 410)、D&C Orange 10(CI 45 425)、D&C Red 3(CI 45 430)、D&C Red 4(CI 15 510)、D&C Red 33(CI 17 200)、D&C Yellow 5(CI 19 140)、D&C Yellow 6(CI 15 985)、D&C Green(CI 61 570)、D&C Yellow 10(CI 77 002)、D&C Green 3(CI 42 053)、D&C Blue 1(CI 42 090)。
【0193】
挙げることができるレーキの例は、次の名称で知られる製品である:D&C Red 7(CI 15 850:1)。
【0194】
顔料はまた特殊効果を有する顔料でもあり得る。「特殊効果を有する顔料」という用語は、一般に、観察条件(光、温度、観察角など)の関数として変化する、一様でない色外観(特定の色調、特定の鮮やかさ(vivacity)、および特定の明るさにより特徴付けられる)を生じる顔料を意味する。このため、それらは、不透明、半透明または透明で一様な通例の色調を与える白色または着色顔料と対照をなす。
【0195】
特殊効果を有するいくつかのタイプの顔料が存在する:低屈折率を有するもの、例えば、蛍光、フォトクロミックまたはサーモクロミック顔料、および高屈折率を有するもの、例えば、真珠光沢剤または光輝フレーク。
【0196】
挙げることができる特殊効果を有する顔料の例には、真珠光沢顔料(例えば、チタンまたはオキシ塩化ビスマスによりコーティングされたマイカ)、着色真珠光沢顔料(例えば、酸化鉄を有するチタンマイカ、特にフェリックブルーまたは酸化クロムを有するチタンマイカ、前記のタイプの有機顔料を有するチタンマイカ)、さらにオキシ塩化ビスマスに基づく真珠光沢顔料が含まれる。挙げることができる真珠光沢顔料には、Engelhardによって販売されているCellini真珠光沢剤(マイカ-Ti02-レーキ)、Eckartによって販売されているPrestige(マイカ-TiO2)、Eckartによって販売されているPrestige Bronze(マイカ-Fe2O3)、およびMerckによって販売されているColorona(マイカ-TiO2-Fe2O3)が含まれる。
【0197】
マイカ基材の真珠光沢剤以外に、合成基材(例えば、アルミナ、シリカ、ホウケイ酸カルシウムナトリウムまたはホウケイ酸カルシウムアルミニウム、およびアルミニウム)に基づく多層顔料も想定され得る。
【0198】
基材に固定されていなくて干渉効果を有する顔料、例えば、液晶(WackerによるHelicones HC)、ホログラフィック干渉フレーク(SpectratekによるGemetric PigmentsまたはSpectra f/x)もまた挙げることができる。特殊効果を有する顔料には、蛍光顔料(これらが、日光で蛍光を発するか、または紫外により蛍光を生じる物質であるかどうかにかかわらず)、燐光顔料、フォトクロミック顔料、サーモクロミック顔料、および、例えばQuantum Dots Corporation社によって販売されている量子ドットもまた含まれる。
【0199】
量子ドットは、光励起下に、400nmと700nmの間の波長を有する光を放出できるルミネセンス半導体ナノ粒子である。これらのナノ粒子は、文献により知られている。それらは、特に、例えば、米国特許第6225198号または米国特許第5990479号に、これらに引用されている出版物に、また次の出版物に記載の方法に従って製造され得る:Dabboussi B.O.et al.、「(CdSe)ZnS core-shell quantum dots:synthesis and characterization of a size series of highly luminescent nanocrystallites」、Journal of Physical Chemistry B、vol.101、1997年、9463〜9475頁、および、Peng,Xiaogang et al.、「Epitaxial growth of highly luminescent CdSe/CdS core/shell nanocrystals with photostability and electronic accessibility」、Journal of the American Chemical Society、vol.119、No.30、7019〜7029頁。
【0200】
本発明において使用され得る様々な顔料は、広範な色、さらにはメタリック効果または干渉効果のような特別な光学的効果を得ることを可能にする。
【0201】
本発明による化粧品組成物に使用される顔料の大きさは、通常、10nmと200μmの間、好ましくは20nmと80μmの間、より優先的には30nmと50μmの間である。
【0202】
顔料は分散剤によって製品に分散され得る。
【0203】
分散剤は、分散した粒子を、凝集またはフロック化に対して保護する役目を果たす。この分散剤は、分散される粒子の表面に強いアフィニティを有する1つまたは複数の官能基を有する、界面活性剤、オリゴマー、ポリマー、またはこれらのいくつかの混合物であり得る。特に、これらは、顔料の表面に物理的または化学的に結び付くことができる。これらの分散剤はまた、連続媒体に相溶するかまたは可溶である少なくとも1つの官能基も含む。特に、12-ヒドロキシステアリン酸エステル、および、グルセロールまたはジグリセロールのようなポリオールのC8からC20脂肪酸エステル、例えば、約750g/molの分子量を有するポリ(12-ヒドロキシステアリン酸)ステアレート(例えば、Avecia社によってSolsperse 21 000の名称で販売されている製品)、Henkel社によってDehymyls PGPHの参照名で販売されているジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル-2(CTFA名)、または、ポリヒドロキシステアリン酸(例えば、Uniqema社によってArlacel P100の参照名で販売されている製品)、およびこれらの混合物が用いられる。
【0204】
本発明の組成物に使用され得る他の分散剤として、重縮合脂肪酸の第4級アンモニウム誘導体、例えば、Avecia社によって販売されるSolsperse 17 000、および、ポリジメチルシロキサン/オキシプロピレン混合物、例えば、Dow Corning社によりDC2-5l85およびDC2-5225 Cの参照名で販売されているものを挙げることができる。
【0205】
本発明による化粧品組成物に使用される顔料は、有機処理剤により表面処理されてもよい。
【0206】
こうして、前もって表面処理された顔料は、本発明との関連において有用であり、本発明による組成物に分散される前に、特に、Cosmetics and Toiletries、1990年2月、Vol.105、53〜64頁に記載のもののような有機処理剤により、化学的、電子的、電気化学的、メカノケミカルまたは機械的な特質の表面処理を全体的にまたは部分的に受けた顔料である。これらの有機処理剤は、例えば、アミノ酸;ワックス、例えば、カルナウバワックスおよび蜜蝋;脂肪酸、脂肪アルコールおよびこれらの誘導体、例えば、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、ステアリルアルコール、ヒドロキシステアリルアルコールおよびラウリン酸およびこれらの誘導体;陰イオン界面活性剤;レシチン;脂肪酸のナトリウム、カリウム、マグネシウム、鉄、チタン、亜鉛またはアルミニウム塩、例えば、ステアリン酸またはラウリン酸アルミニウム;金属アルコキシド;多糖、例えば、キトサン、セルロースおよびこれらの誘導体;ポリエチレン;(メタ)アクリルポリマー、例えば、ポリメチルメタクリレート;アクリレート単位を含むポリマーおよびコポリマー;タンパク質;アルカノールアミン;シリコーン化合物、例えば、シリコーン、ポリジメチルシロキサン、アルコキシシラン、アルキルシランおよびシロキシシリケート;有機フッ素化合物、例えば、パーフルオロアルキルエーテル;フルオロシリコーン化合物から選択され得る。
【0207】
本発明による化粧品組成物に有用である表面処理顔料は、また、これらの化合物の混合物により処理されていてもよく、また/あるいは、いくつかの表面処理を受けていてもよい。
【0208】
本発明との関連において有用である表面処理顔料は、当業者によく知られている表面処理技法に従って調製され得る、あるいは、必要とされる状態で市販されていることもある。
【0209】
好ましくは、表面処理顔料は有機層によりコーティングされている。
【0210】
顔料を処理する有機処理剤は、溶媒の蒸発、表面処理剤の分子間の化学反応、または表面処理剤と顔料との間の共有結合の生成によって、顔料に付着され得る。このように、表面処理は、例えば、表面処理剤と顔料表面の化学反応、および表面処理剤と顔料またはフィラーとの間の共有結合の生成によって、実施され得る。この方法は、特に、米国特許第4578266号に記載されている。
【0211】
顔料に共有結合する有機処理剤が、好ましくは、使用されるであろう。
【0212】
表面処理剤は、表面処理された顔料の全重量に対して、0.1重量%から50重量%、好ましくは0.5重量%から30重量%、より一層優先的には1重量%から10重量%を占め得る。
【0213】
好ましくは、顔料の表面処理は、次の処理から選択される:
- PEG-シリコーン処理、例えば、LCWによって販売されているAQ表面処理;
- キトサン処理、例えば、LCWによって販売されているCST表面処理;
- トリエトキシカプリリルシラン処理、例えば、LCWによって販売されているAS表面処理;
- メチコン処理、例えば、LCWによって販売されているSI表面処理;
- ジメチコン処理、例えば、LCWによって販売されているCovasil 3.05表面処理;
- ジメチコン/トリメチルシロキシシリケート処理、例えば、LCWによって販売されているCovasil 4.05表面処理;
- ラウロイルリシン処理、例えば、LCWによって販売されているLL表面処理;
- ラウロイルリシンジメチコン処理、例えば、LCWによって販売されているLL/SI表面処理;
- ミリスチン酸マグネシウム処理、例えば、LCWによって販売されているMM表面処理;
- アルミニウムジミリステート処理、例えば、Miyoshiによって販売されているMI表面処理;
- パーフルオロポリメチルイソプロピルエーテル処理、例えば、LCWによって販売されているFHC表面処理;
- イソステアリルセバケート処理、例えば、Miyoshiによって販売されているHS表面処理;
- ステアロイルグルタミン酸二ナトリウム処理、例えば、Miyoshiによって販売されているNAI表面処理;
- ジメチコン/ステアロイルグルタミン酸二ナトリウム処理、例えば、Miyoshiによって販売されているSA/NAI表面処理;
- パーフルオロアルキルホスフェート処理、例えば、Daitoによって販売されているPF表面処理;
- アクリレート/ジメチコンコポリマーおよびパーフルオロアルキルホスフェート処理、例えば、Daitoによって販売されているFSA表面処理;
- ポリメチルハイドロジェンシロキサン/パーフルオロアルキルホスフェート処理、例えば、Daitoによって販売されているFS01表面処理;
- ラウロイルリシン/トリステアリン酸アルミニウム処理、例えば、Daitoによって販売されているLL-AlSt表面処理剤;
- オクチルトリエチルシラン処理、例えば、Daitoによって販売されているOTS表面処理;
- オクチルトリエチルシラン/パーフルオロアルキルホスフェート処理、例えば、Daitoによって販売されているFOTS表面処理;
- アクリレート/ジメチコンコポリマー処理、例えば、Daitoによって販売されているASC表面処理;
- トリイソステアリン酸イソプロピルチタン処理、例えば、Daitoによって販売されているITT表面処理;
- マイクロクリスタリンセルロースおよびカルボキシメチルセルロース処理、例えば、Daitoによって販売されているAC表面処理;
- セルロース処理、例えば、Daitoによって販売されているC2表面処理;
- アクリレートコポリマー処理、例えば、Daitoによって販売されているAPD表面処理;
- パーフルオロアルキルホスフェート/トリイソステアリン酸イソプロピルチタン処理、例えば、Daitoによって販売されているPF+ITT表面処理。
【0214】
本発明による組成物は、1種または複数の表面無処理顔料をさらに含み得る。
【0215】
好ましくは、顔料は真珠光沢剤である。
【0216】
顔料の量は、0.5%から40%まで、好ましくは1%から20%の範囲であり得る。
【0217】
本発明の組成物は、親水性または疎水性の直接染料あるいは染料前駆体のような、他の有色または着色化学種を含み得る。
【0218】
本発明の組成物をより良好に広く付け、またコーティングを改善するために、本発明の組成物はまた、100cStを超え、優先的には300cStを超える粘度を有する1種または複数のポリシロキサンも含み得る。これらのポリシロキサンの粘度は、ASTM標準D-445に従って測定され得る。このようなポリシロキサンは、シリコーンオイル、ゴムまたは樹脂、あるいは架橋したシリコーンであり得る。
【0219】
100cStを超える粘度を有するポリシロキサンとして、特に、ポリジメチルシロキサン;アルキルジメチコン;ポリフェニルメチルシロキサン、例えば、フェニルジメチコン、フェニルトリメチコンおよびビニルメチルメチコン;さらには、任意選択でフッ素化された脂肪族および/または芳香族基により、あるいは、ヒドロキシル、チオールおよび/またはアミン基のような官能基により変性されたシリコーン;を挙げることができる。
【0220】
このようなポリシロキサンは、式(I)のシリコーンから選択され得る。
【0221】
【化5】

【0222】
ここで、
R1、R2、R5およびR6は、共にまたは独立に、1から6個の炭素原子を含むアルキル基であり、R3およびR4は、共にまたは独立に、1から6個の炭素原子を含むアルキル基、ビニル基、アリール基、アミン基またはヒドロキシル基であり、Xは、1から6個の炭素原子を含むアルキル基、ヒドロキシル基、ビニル基またはアミン基であり、nおよびpは、300cStを超える粘度を得るように選択される整数である。
【0223】
挙げることができる例には次のポリジメチルシロキサンが含まれる:
・ 置換基R1からR6およびXがメチル基を表すポリジメチルシロキサン、例えば、Baysilicone TP 3898の名称でGeneral Electric社によって販売されている製品、および、AK 500 000の名称でWacker社によって販売されている製品、
・ 置換基R1からR6およびXがメチル基を表し、pおよびnは、分子量が120 000g/molであるようなものであるポリジメチルシロキサン、例えば、Dow Corning 200 Fluid 60 000 CSの名称でDow Corning社によって販売されている製品、
・ 置換基R1からR6およびXがメチル基を表し、pおよびnは、分子量が250 000g/molであるようなものであるポリジメチルシロキサン、例えば、Mirasil DM 500 000の名称でRhodia社によって販売されている製品、および、Dow Corning 200 Fluid 500 000 CSの名称でDow Corning社によって販売されている製品、
・ 置換基R1からR6がメチル基を表し、基Xがヒドロキシル基を表し、pおよびnは、ポリマーの分子量が600 000g/molであるようなものであるポリジメチルシロキサン、例えば、SGM 36の名称でDow Corning社によって販売されている製品、
・ (ポリジメチルシロキサン)(メチルビニルシロキサン)型のジメチコン、例えば、GE Bayer Siloconesによって販売されているSE63、およびポリ(ジメチルシロキサン)(ジフェニル)(メチルビニルシロキサン)コポリマー、ならびにこれらの混合物。
【0224】
ポリシロキサンがフルオロ基を含む場合、次の構造を有するコポリマーを選択することが可能である。
【0225】
【化6】

【0226】
ここで、
Rは、線状または分岐状で1から6個の炭素原子を含む2価アルキル基、好ましくは、2価のメチル、エチル、プロピルまたはブチル基を表し、Rfは、1から12個の炭素原子、好ましくは1から9個の炭素原子を含むフルオロアルキル基、特に、パーフルオロアルキル基を表し、R1は、互いに独立に、C1〜C20アルキル基、ヒドロキシル基またはフェニル基を表し、R2は、R1またはRfを表し、mは、0乃至500、好ましくは0乃至200から選択され、nは、1乃至1000、好ましくは1乃至500から選択される。
【0227】
好ましくは、基R1は同じであり、メチル基を表す。
【0228】
このようなポリシロキサンは、特に、Shin-Etsu社によってFL-5、FL-10、X22-821およびX22-822またはFL-100の名称で、Dow Corning社によってFS-1265 Fluidの名称で、Phoenix Chemical社によってPecosil Fsの名称で、またはPecosil FSL-150、Pecosil FSL-300、Pecosil FSH-150、Pecosil FSH-300、Pecosil FSU-150およびPecosil FSU-300の名称で販売されているものである。
【0229】
(複数の)ポリシロキサンの重量平均分子量は、1000と1 500 000g/molの間、特に、20 000と1 000 000g/molの間であり得る。
【0230】
ポリシロキサンは樹脂の形態であり得る。「樹脂」という用語は、架橋または無架橋の3次元構造を意味する。挙げることができるポリシロキサン樹脂の例には、シルセスキオキサンおよびシロキシシリケートが含まれる。
【0231】
本発明の一実施形態において、本発明の組成物において有用であるポリシロキサンは、本発明の組成物に可溶または分散可能である。一実施形態において、シリコーン樹脂は25℃で固体である。
【0232】
本発明の組成物はまた、柔軟な固体材料の粘弾性を有し、3次元構造の高分子量シリコーン合成物(compound)である、オルガノポリシロキサン架橋エラストマーのような架橋シリコーンもまた含み得る。こうして、これらのオルガノポリシロキサンは、乾燥粉末の状態であるか、または溶媒で膨潤した状態(得られる生成物は通常ゲルである)であり得る。これらの生成物はまた水溶液に分散した状態にもあり得る。
【0233】
これらのオルガノポリシロキサンの合成は、次の特許に記載されている:
- Kobayashi Koseによる米国特許第5266321号、
- Toray Siliconeによる米国特許第4742142号、
- Dow Corning Corp.による米国特許第5654362号、
- 特許出願FR2 864 784。
【0234】
組成物に使用されるオルガノポリシロキサンエラストマーは、部分的に架橋されていることも、全体的に架橋されていることもある。それらは通常、粒子状である。特に、オルガノポリシロキサンエラストマー粒子は、0.1から500μm、好ましくは3から200μm、一層良好には3から50μmの範囲の数平均径を有する。これらの粒子は任意の形状であってよく、例えば、球状、板状、または無定形であり得る。
【0235】
得られる架橋オルガノポリシロキサンは、非乳化合成物または乳化合成物であり得る。「非乳化」という用語は、ポリオキシアルキレン単位を含まない架橋オルガノポリシロキサンを定める。「乳化」という用語は、少なくとも1つのポリオキシアルキレン単位、特に、ポリオキシエチレンまたはポリオキシプロピレンを有する架橋オルガノポリシロキサン合成物を意味する。
【0236】
架橋オルガノポリシロキサン粒子は、少なくとも1種の炭化水素系オイルおよび/または少なくとも1種のシリコーンオイルに含まれる架橋オルガノポリシロキサンからなるゲルの形態で移送され得る。これらのゲルでは、オルガノポリシロキサン粒子は、しばしば、非球状粒子である。架橋オルガノポリシロキサン粒子はまた、粉末の形態(特に球状粉末の形態)でもあり得る。
【0237】
非乳化の架橋オルガノポリシロキサンは、特に、米国特許第4970252号、米国特許第4987169号、米国特許第5412004号、米国特許第5654362号、および米国特許第5760116号、ならびに特許出願JP-A-61-194 009に記載されている。
【0238】
使用され得る非乳化の架橋オルガノポリシロキサンには、Shin-Etsu社によってKSG-6、KSG-15、KSG-16、KSG-18、KSG-31、KSG-32、KSG-33、KSG-41、KSG-42、KSG-43、KSG-44およびUSG-103、Dow Corning社によってDC9040、DC9041、DC9509、DC9505、DC9506およびDC9045、Grant Industries社によってGransil、ならびにGeneral Electric社によってSFE 839の名称で販売されているものが含まれる。
【0239】
有利には、乳化架橋オルガノポリシロキサンは、ジビニル化合物、特に、少なくとも2つのビニル基(これらはポリシロキサンのSi-H結合と反応する)を含むポリシロキサンから生成される、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンを含む。乳化架橋オルガノポリシロキサンは、特に、米国特許第5236986号、米国特許第5412004号、米国特許第5837793号および米国特許第5811487号に記載されている。
【0240】
使用され得る乳化架橋オルガノポリシロキサンには、Shin-Etsu社によってKSG-21、KSG-20、KSG-30およびX-226146、ならびにDow Corning社によってDC9010およびDC9011の名称で販売されているものが含まれる。
【0241】
架橋オルガノポリシロキサンエラストマー粒子はまた、シリコーン樹脂により、特に、例えば米国特許第5538793号に記載の、シルセスキオキサン樹脂によりコーティングされた架橋オルガノポリシロキサンエラストマーの粉末の形態でもあり得る。
【0242】
このようなエラストマーは、Shin-Etsu社によって、KSP-100、KSP-101、KSP-102、KSP-103、KSP-104およびKSP-105の名称で販売されている。
【0243】
それらが存在する場合、これらのシリコーン合成物の量は、通常、0.1重量%と30重量%の間、特に0.1重量%と20重量%の間、優先的には0.1重量%と10重量%の間である。
【0244】
本発明による組成物は、ポリマー増粘剤および無機増粘剤、ならびにこれらの混合物から選択される少なくとも1種の増粘剤を含む。
【0245】
増粘剤は、無機または有機で、ポリマーまたは非ポリマーであり得る。増粘剤は、場合に応じて、組成物の水性相または脂肪相を増粘するように選択され得る。
【0246】
「増粘剤」という用語は、それが組み入れられる媒体のレオロジーを調整する化合物を意味する。
【0247】
水性媒体の増粘剤は、以下から選択され得る:
- 親水性クレイ(clay)、
- 親水性フュームドシリカ、
- 水溶性のセルロース系増粘剤、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースまたはヒドロキシプロピルセルロース。これらの中で、特に、Amerchol社によってCellosize QP 4400 Hの名称で販売されているガムを挙げることができる、
- C1〜C6ヒドロキシアルキル基を含む非イオン性グアーガム。挙げることができる例には、ヒドロキシメチル、ヒドロキシプロピルおよびヒドロキシブチル基が含まれる。このようなグアーガムは、特に、Jaguar HP8、Jaguar HP60、Jaguar HP120およびJaguar HP105の商用名でMeyhall社によって、またはGalactasol 40H4FD2の名称でAqualon社によって販売されている、
- カラギーナン、
- カロブ(carob)ガム、スクレログルカンガム、ジェラン(gellan)ガム、ラムザン(rhamsan)ガムまたはカラヤガム、
- アルギネート、マルトデキストリン、デンプンおよびその誘導体、ヒアルロン酸およびその塩、
- ポリグリセリル(メタ)アクリレートポリマー、Hispano Quimica社またはGuardian社によってHispagelおよびLubragelの名称で販売されている、
- ポリビニルピロリドン、
- ポリビニルアルコール、
- 架橋アクリルアミドポリマーおよびコポリマー、例えば、Hoechst社によってPAS 5161またはBozepol C、SEPPIC社によってSepigel 305の名称で販売されているもの、
- メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド架橋ホモポリマー、Allied Colloid社によってSalcare SC95の名称で販売されている、
- 会合性ポリマー、特に会合性ポリウレタン。
【0248】
このような増粘剤は、特に、特許出願EP-A-1 400 234に記載されており、その内容は参考として本明細書に組み込まれる。
【0249】
油性媒体の増粘剤は以下から選択され得る:
- 親有機性(organophilic)クレイ;
- 疎水性フュームドシリカ;
- アルキルグアーガム(C1〜C6アルキル基を有する)、例えば、EP-A-708 114に記載のもの;
- オイル-ゲル化ポリマー、例えば、エチレン性の基を含む少なくとも1種のモノマーの重合または共重合により得られるトリブロックポリマーまたは星型ポリマー、例えば、Kratonの名称で販売されているポリマー;
- 特許出願WO-A-02/056847およびWO-A-02/47619(これらの内容は参考として組み込まれる)に記載のように、a)少なくとも1個のヘテロ原子を含む炭化水素系繰返し単位を含むポリマー骨格、および任意選択で、b)少なくとも1つのペンダント脂肪鎖および/または少なくとも1つの末端脂肪鎖を含み(これらの鎖は、任意選択で官能化されており、6から120個の炭素原子を含み、これらの炭化水素系単位に連結している)、100 000未満の重量平均分子量を有するポリマー;特に、ポリアミド樹脂(特に、12から22個の炭素原子を含むアルキル基を含むもの)、例えば、US-A-5 783 657(この内容は参考として組み込まれる)に記載のもの、
- 特許出願EP-A-1 266 647、および0 216 039の番号で出願されたフランス特許出願(これらの内容は参考として組み込まれる)に記載のシリコーン系ポリアミド樹脂。
【0250】
このような増粘剤は、特に、特許出願EP-A-1 400 234に記載されており、その内容は参考として組み込まれる。
【0251】
増粘剤は、有機ゲル化剤、すなわち、少なくとも1種の有機化合物を含む作用剤であり得る。オルガノゲル化剤は、特許出願WO-A-03/105 788(この内容は参考として組み込まれる)に記載のものから選択され得る。
【0252】
より明確には、本発明による組成物に存在するポリマー増粘剤は、オレフィンの重合によって生成するアモルファスポリマーである。このオレフィンは、特に、エラストマー性のエチレン性不飽和モノマーであり得る。
【0253】
挙げることができるオレフィンの例には、エチレン性炭化物(carbide)モノマー、特に、1つまたは2つのエチレン性不飽和を含み、2から5個の炭素原子を含むもの、例えば、エチレン、プロピレン、ブタジエンまたはイソプレンが含まれる。
【0254】
ポリマー増粘剤は、組成物を増粘またはゲル化できる。「アモルファスポリマー」という用語は、結晶状態を有さないポリマーを意味する。ポリマー増粘剤はまたフィルム形成性でもあり得る。
【0255】
ポリマー増粘剤は、特に、ジブロック、トリブロック、マルチブロック、ラジアルまたは星型のコポリマー、あるいはこれらの混合物であり得る。
【0256】
このようなポリマー増粘剤は、特許出願US-A-2002/005 562および特許US-A-5 221 534に記載されている。
【0257】
有利には、ポリマー増粘剤は、スチレンとオレフィンとのアモルファスブロックコポリマーである。
【0258】
ポリマー増粘剤は、モノマーの重合後に、残留エチレン性不飽和を減らすために、好ましくは水素添加される。
【0259】
特に、ポリマー増粘剤は、スチレンブロックおよびエチレン/C3〜C4アルキレンブロックを含む、任意選択で水素添加されたコポリマーである。
【0260】
好ましくは水素添加された、挙げることができるジブロックコポリマーには、スチレン-エチレン/プロピレンコポリマー、および、スチレン-エチレン/ブタジエンコポリマーが含まれる。ジブロックポリマーは、特に、Kraton Polymers社によってKraton(登録商標)G1701Eの名称で販売されている。
【0261】
好ましくは水素添加された、挙げることができるトリブロックコポリマーには、スチレン-エチレン/プロピレン-スチレンコポリマー、スチレン-エチレン/ブタジエン-スチレンコポリマー、スチレン-イソプレン-スチレンコポリマー、および、スチレン-ブタジエン-スチレンコポリマーが含まれる。トリブロックポリマーは、特に、Kraton Polymers社によって、Kraton(登録商標)G1650、Kraton(登録商標)G1652、Kraton(登録商標)D1101、Kraton(登録商標)D1102およびKraton(登録商標)D1160の名称で販売されている。
【0262】
水素添加されたスチレン-ブタジエン/エチレン-スチレントリブロックコポリマーと、水素添加されたエチレン-プロピレン-スチレン星型ポリマーとの混合物もまた使用することができ、このような混合物は、特に、イソドデカン中に存在する。このような混合物は、例えば、Penreco社によって、Versagel(登録商標)M5960およびVersagel(登録商標)M5670の商用名で販売されている。
【0263】
有利には、すでに記載したもののようなジブロックコポリマー、特に、スチレン-エチレン/プロピレンジブロックコポリマーが、ポリマー増粘剤として使用される。
【0264】
より明確には、親有機性クレイは、クレイが膨潤できるようにする化合物により変性されたクレイである。
【0265】
クレイはそれ自体すでによく知られている産物であり、例えば、書籍「Mineralogie des argiles[クレイ鉱物学]」、S.Caillere、S.Henin、M.Rautureau(第2版、1982年、Masson)に記載されており、その教示は参考として本明細書に含められる。
【0266】
クレイは、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、ナトリウム、カリウムおよびリチウムの陽イオン、ならびにこれらの混合から選択され得る陽イオンを含むシリケートである。
【0267】
挙げることができるこのような産物の例には、スメクタイト類、例えば、モンモリロナイト、ヘクトライト、ベントナイト、バイデライト(beidellite)およびサポナイト、さらには、バーミキュライト類、ステベンサイト(stevensite)類およびクロライト類のクレイが含まれる。
【0268】
これらのクレイは、天然または合成由来のものであり得る。好ましくは、化粧上、ケラチン質に適合し許容されるクレイが用いられる。
【0269】
親有機性クレイは、モンモリロナイト、ベントナイト、ヘクトライト、アタパルジャイトおよびセピオライト、ならびにこれらの混合物から選択され得る。クレイは、好ましくは、ベントナイトまたはヘクトライトである。
【0270】
これらのクレイは、第4級アミン、第3級アミン、アミンアセテート、イミダゾリン、アミン石鹸、脂肪サルフェート、アルキルアリールスルホネートおよびアミンオキシド、ならびにこれらの混合物から選択される化合物により変性され得る。
【0271】
挙げることができる親有機性クレイには、クオタニウム-18ベントナイト、例えば、Rheox社によってBentone 3、Bentone 38およびBentone 38V、United Catalyst社によってTixogel VP、Southern Clay社によってClaytone 34、Claytone 40およびClaytone XLの名称で販売されているもの;ステアラルコニウムベントナイト、例えば、Rheox社によってBentone 27、United Catalyst社によってTixogel LG、ならびに、Southern Clay社によってClaytone AFおよびClaytone APAの名称で販売されているもの;クオタニウム-18/ベンザルコニウムベントナイト、例えば、Southern Clay社によってClaytone HTおよびClaytone PSの名称で販売されているもの;が含まれる。
【0272】
フュームドシリカは、含酸素水素炎における揮発性ケイ素化合物の高温加水分解によって得ることができ、微細なシリカを生成する。この方法により、特に、表面に多数のシラノール基を有する親水性シリカを得ることが可能になる。このような親水性シリカは、例えば、Degussa社によってAerosil 130(登録商標),Aerosil 200(登録商標)、Aerosil 255(登録商標)、Aerosil 300(登録商標)およびAerosil 380(登録商標)、またCabot社によってCab-O-Sil HS-5(登録商標)、Cab-O-Sil EH-5(登録商標)、Cab-O-Sil LM-130(登録商標)、Cab-O-Sil MS-55(登録商標)およびCab-O-Sil M-5(登録商標)の名称で販売されている。
【0273】
シラノール基の数の減少を生じる化学反応を通じて、前記シリカの表面を化学的に変性することが可能である。特に、シラノール基を疎水性基により置換することが可能である。この場合、疎水性シリカが得られる。
【0274】
疎水性基は次のものであり得る:
- トリメチルシロキシ基、これは、特に、ヘキサメチルジシラザンの存在下にフュームドシリカを処理することによって得られる。こうして処理されたシリカは、CTFA(第6版、1995年)により「シリル化シリカ」として知られている。それらは、例えば、Degussa社によってAerosil R812(登録商標)、Cabot社によってCa-O-Sil TS-530(登録商標)の参照名で販売されている;
- ジメチルシリルオキシル(dimethylsilyloxyl)またはポリジメチルシロキサン基、これらは、特に、ポリジメチルシロキサンまたはジメチルジクロロシランの存在下にフュームドシリカを処理することによって得られる。このように処理されたシリカは、CTFA(第6版、1995年)により「ジメチルシリル化シリカ」として知られている。それらは、例えば、Degussa社によってAerosil R972(登録商標)およびAerosil R974(登録商標)、ならびに、Cabot社によってCab-O-Sil TS-610(登録商標)およびCab-O-Sil TS-720(登録商標)の参照名で販売されている。
【0275】
ヒュームドシリカは、好ましくは、ナノメートルからマイクロメートル、例えば、約5から200nmの範囲であり得る粒径を有する。
【0276】
有機変性ベントナイトまたはヘクトライトが、好ましくは、無機増粘剤として使用される。
【0277】
増粘剤は、組成物中に、組成物の全重量に対して、0.1重量%から10重量%の範囲、好ましくは0.5重量%から7重量%の範囲、より優先的には1重量%から5重量%の範囲の全含量で存在する。
【0278】
本発明による組成物はまた、例えば、還元剤、脂肪物質、柔軟化剤、消泡剤、モイスチャーライザー、UV-遮蔽剤、無機コロイド、ペプタイザー(peptizer)、可溶化剤、芳香剤、陰イオン性、陽イオン性、非イオン性または両性の界面活性剤、タンパク質、ビタミン、プロペラント、オキシエチレン化または非オキシエチレン化ワックス、パラフィン、C10〜C30脂肪酸(例えば、ステアリン酸またはラウリン酸)、ならびにC10〜C30脂肪アミド(例えば、ラウリン酸ジエタノールアミド)から選択される、化粧品に通常用いられる作用剤を少なくとも1種含み得る。
【0279】
上の添加剤は通常、それらの各々が組成物の重量に対して、0.01重量%と20重量%の間の量で存在する。
【0280】
言うまでもなく、本発明によるコーティングの生成に不可分に関連する利点のある性質が悪影響を受けないか、または実質的に受けないように、当業者は、これまたはこれらの任意選択の添加剤を選択するのに注意を払うであろう。
【0281】
本発明による組成物は、特に、懸濁液、分散体、溶液、ゲル、エマルジョン(特に、水中油(O/W)または油中水(W/O)エマルジョン、または多重エマルジョン(W/O/Wもしくはポリオール/O/WもしくはO/W/O))の形態、クリーム、ムース、スティック、(特に、イオン性または非イオン性の脂質の)ベシクルの分散体、2相または多層のローション、スプレー、粉末あるいはペーストの形態であり得る。組成物はまたラッカーの形態でもあり得る。
【0282】
当業者は、適切な調合形態(galenical form)を、またそれを調製する方法を、第1に、使用される成分の特質、特に担体へのそれらの溶解性、および、第2に、各組成物の意図される用途を考慮に入れて、一般的知識に基づいて、選択できる。
【0283】
組成物は、無水の組成物、すなわち、2重量%未満の水、またはさらに0.5%未満の水を含む組成物、特に、水を含まない組成物であり得る(水は、組成物の調製の間に添加されないが、混合される成分によってもたらされる残留水に対応する)。
【0284】
前記組成物は、湿ったまたは乾いた毛髪に、また、明るい色のまたは暗色の、染めていない(natural)または染めた、パーマをかけた、漂白したまたはリラックス処理した毛髪のどのようなタイプにも使用され得る。
【0285】
本発明の方法の特定の一実施形態によれば、毛髪は、前記組成物を付ける前に洗われる。
【0286】
毛髪への付着は、例えば、櫛、細かいブラシ、粗いブラシまたは指を用いて実施され得る。
【0287】
次いで、組成物を付着させた後に、40℃を超える温度で乾燥される。特定の一実施形態によれば、この温度は45℃を超える。特定の一実施形態によれば、この温度は45℃を超え、220℃未満である。
【0288】
乾燥は、付けた後直ちに、あるいは、1分から30分までの範囲であり得るリーブオン(leave-on)時間の後で、実施され得る。
【0289】
好ましくは、熱を加える以外に、毛髪は、空気の流れを用いて乾燥される。乾燥の間のこの空気の流れは、コーティングの一本毎の独立性の向上を可能にする。
【0290】
乾燥の間、毛髪の房に機械的作用(例えば、櫛で梳かすこと、ブラシをかけること、または指で梳くこと)が加えられてもよい。
【0291】
本発明の方法の乾燥工程は、フード(hood)、ヘアドライヤー、アイロン(smoothing iron)、クリマゾン(Climazon)などにより実施され得る。
【0292】
乾燥工程がフードまたはヘアドライヤーにより実施される場合、乾燥温度は40と110℃の間、好ましくは50と90℃の間である。
【0293】
乾燥工程がアイロンにより実施される場合、乾燥温度は、110と220℃の間、好ましくは140と200℃の間である。
【0294】
一旦乾燥が完了すると、最終のリンスまたはシャンプー洗いが任意選択で実施され得る。
【0295】
(実施例)
(実施例1)
次の組成物を調製する。
Eastman ChemicalによってCAB-381-0.5の参照名で販売されているセルロースアセトプロピオネート 10g
EckartによってPrestige Soft Bronzeの参照名で販売されているマイカ-鉄酸化物真珠光沢剤 10g
エチルアセテート 80g
【0296】
0.5gの組成物を、清浄で乾いた1gの毛髪の房に付ける。毛髪の房は、直ちに、ヘアドライヤーにより80℃で1分間乾燥し、乾燥の間中、絶えず櫛で梳かす。毛髪が一本毎に独立し、色がシャンプー堅牢性である染色された毛髪の房を得る。
【0297】
(実施例2)
次の組成物を調製する。
イソデカン中40%のイソブチルメタクリレート/ビス-ヒドロキシプロピルジメチコンアクリレートコポリマー、Grant IndustriesによってGranacrysil BMASの名称で販売されている 25g
EckartによってPrestige Soft Bronzeの参照名で販売されているマイカ-鉄酸化物真珠光沢剤 10g
Dow CorningによってDC 1501 Fluidの名称で販売されているα,ω-ジヒドロキシル化ポリジメチルシロキサン/シクロペンタジメチルシロキサン(14.7/85.3) 50g
イソドデカン 15g
【0298】
0.5gの組成物を、清浄で乾いた1gの毛髪の房に付ける。2分間のリーブオン時間の後、毛髪の房を、ヘアドライヤーにより80℃で2分間乾燥する。毛髪が一本毎に独立し、色がシャンプー堅牢性である染色された毛髪の房を得る。
【0299】
(実施例3)
次の組成物を調製する。
National Starch社によってDermacryl(登録商標)LTの参照名で販売されている、アクリル酸/イソブチルメタクリレート/エチルメタクリレート/N-tert-オクチルアクリルアミドコポリマー 10g
EckartによってPrestige Soft Bronzeの参照名で販売されているマイカ-鉄酸化物真珠光沢剤 10g
Dow CorningによってDC 1501 Fluidの名称で販売されているα,ω-ジヒドロキシル化ポリジメチルシロキサン/シクロペンタジメチルシロキサン(14.7/85.3) 40g
エタノール 40g
【0300】
0.5gの組成物を、清浄で乾いた1gの毛髪の房に付ける。2分間のリーブオン時間の後、毛髪の房を、ヘアドライヤーにより80℃で2分間乾燥し、乾燥の間、毛髪の房にブラシをかける。毛髪が一本毎に独立し、色がシャンプー堅牢性である染色された毛髪の房を得る。
【0301】
(実施例4)
次の組成物を調製する。
Dow Corningによって販売されているDC245 Fluid 65g
Dow Corningによって販売されているDC1501 20g
茶色鉄酸化物によりコーティングされたマイカの真珠光沢剤、EckartによってPrestige Bronzeの名称で販売されている 10g
Dow Corningによって販売されているBioPSA 7-4400 5g
【0302】
0.5gの組成物を、清浄で乾いた1gの毛髪の房に付ける。2分間のリーブオン時間の後、アイロンを用いて、毛髪の房を180℃で乾燥する。毛髪が一本毎に独立し、色がシャンプー堅牢性である染色された毛髪の房を得る。
【0303】
(実施例5)
次の組成物を調製する。
イソプロパノール 45g
Dow CorningによってDC245 Fluidの名称で販売されているシクロペンタジメチルシロキサン 30g
Dow CorningによってDow Corning 200 Fluid 60000csの参照名で販売されているポリジメチルシロキサン 5g
茶色鉄酸化物によりコーティングされたマイカの真珠光沢剤、EckartによってPrestige Bronzeの名称で販売されている 10g
WackerによってWacker-Belsil UD 60の参照名で販売されているジメチルポリシロキサン/ウレアコポリマー 10g
【0304】
0.5gの組成物を、清浄で乾いた1gの毛髪の房に付ける。リーブオン時間なしに、ヘアドライヤーにより、空気の最大流量で、80℃で毛髪の房を乾燥し、乾燥の間、2分間、毛髪の房にブラシをかける。毛髪が一本毎に独立し、色がシャンプー堅牢性である染色された毛髪の房を得る。
【0305】
(実施例6)
次の組成物を調製する。
茶色鉄酸化物によりコーティングされたマイカの真珠光沢剤、EckartによってPrestige Bronzeの名称で販売されている 10g
WackerによってWacker-Belsil PMS MK Powderの参照名で販売されているポリメチルシルセスキオキサン 10g
Dow CorningによってDC245 Fluidの名称で販売されているシクロペンタジメチルシロキサン 80g
【0306】
0.5gの組成物を、清浄で乾いた1gの毛髪の房に付ける。リーブオン時間なしに、ヘアドライヤーにより、空気の最大流量で、80℃で毛髪の房を乾燥し、乾燥の間、2分間、毛髪の房にブラシをかける。毛髪が一本毎に独立し、色がシャンプー堅牢性である染色された毛髪の房を得る。
【0307】
(実施例7)
次の組成物を調製する。
茶色鉄酸化物によりコーティングされたマイカの真珠光沢剤、EckartによってPrestige Bronzeの名称で販売されている 10g
48%の水分散体としてのアクリレーツ/C12〜22アルキルメタクリレートコポリマー、Rohm & HaasによってSoltex OPTの参照名で販売されている 20g
Dow Corningによって販売されている7-3100 Gum Blend HIP Emulsion 20g
水 50g
【0308】
0.5gの組成物を、清浄で乾いた1gの毛髪の房に付ける。リーブオン時間なしに、ヘアドライヤーにより、空気の最大流量で、80℃で毛髪の房を乾燥し、乾燥の間、2分間、毛髪の房にブラシをかける。毛髪が一本毎に独立し、色がシャンプー堅牢性である染色された毛髪の房を得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1種または複数の疎水性フィルム形成ポリマー、1種または複数の顔料および揮発性溶媒を含む組成物を毛髪に付ける工程、その後、該組成物により覆われた毛髪を、40℃を超える温度に加熱する工程を含む、毛髪の染色方法。
【請求項2】
加熱工程が45℃を超える温度で実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
加熱工程が45と220℃の間、好ましくは45と200℃の間で実施される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
疎水性フィルム形成ポリマーが、ポリウレタンベースのポリマーまたはコポリマー、ポリアクリレート、ビニルエステルコポリマー、シリコーン樹脂、ポリウレア/ポリウレタンシリコーン、シリコーン樹脂およびジメチコノールベースのコポリマー、ならびに反応性シリコーンから選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
揮発性溶媒が、水、またはエタノール、イソプロパノール、アセトン、イソドデカン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルトリシロキサンおよびデカメチルテトラシロキサンから選択される有機溶媒、またはこれらの混合物である、請求項1から4のいずれかに一項に記載の方法。
【請求項6】
顔料が真珠光沢剤である、請求項1から5のいずれかに一項に記載の方法。
【請求項7】
組成物が、300cStを超える粘度を有する1種または複数のポリシロキサンもまた含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
加熱工程が、毛髪で40℃を超える温度を得ることを可能にする空気の流れにより実施される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。

【公開番号】特開2009−143919(P2009−143919A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−317547(P2008−317547)
【出願日】平成20年12月12日(2008.12.12)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】