説明

疲労試験装置、疲労試験方法

【課題】試験体を容易に試験することができ、且つ試験体の疲労状態を正確に把握することができる疲労試験装置1を、提供する。
【解決手段】
本疲労試験装置1では、一方向に長い試験体の疲労を把握するための疲労試験装置1である。疲労試験装置1は、装置本体10と、転動体30と、支持手段20とを、備えている。転動体30は、装置本体10に回転自在に装着される試験体の外周面に接触し、試験体の回転に応じて転動する。支持手段20は、装置本体10に設けられており、転動体30を少なくとも3箇所で支持している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、疲労試験装置、特に、金属の疲労を試験するための疲労試験装置に関する。また、疲労試験装置を用いて金属の疲労を試験するための疲労試験方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、金属の疲労を試験するための様々なタイプの疲労試験装置が、提案されている。これら疲労試験装置の1つとして、ベアリングの性能を調べるための疲労試験装置がある。例えば、このタイプの疲労試験装置では、ベアリング本体が疲労試験装置に装着され、このベアリング本体が疲労試験装置において回転させられる(特許文献1を参照)。そして、ベアリング本体が疲労状態に達すると、ベアリング本体が分解され、ベアリング本体を構成する各部材の疲労強度が、個別に調べられ評価される。一方で、各部材の疲労状態を直接的に調べるための疲労試験装置もある。例えば、このタイプの疲労試験装置では、回転する上下の板面間に、複数のボール体が配置され、ボール体(転動体)の疲労強度が調べられ評価される(特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−287628号公報
【特許文献2】特開2006−184169号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の疲労試験装置では、ベアリング本体を疲労試験装置によって疲労状態に到達させた後、このベアリング本体を各部材に分解して各部材の疲労強度を個別に調べていた。各部材の疲労強度は、材質や回転数等のようなパラメータによって変化するので、各部材の疲労強度を評価するためには、パラメータを変化させて試験する必要がある。しかしながら、従来の方法では、パラメータを変化させるためには、パラメータの数だけベアリング本体を疲労試験装置に装着し、このベアリング本体を分解する必要があった。すなわち、従来の疲労試験装置では、部材の疲労強度を調べるために、多大な労力が必要となっていた。
【0005】
一方で、従来の別のタイプの疲労試験装置では、部材の疲労強度例えばベアリングのボール体の疲労強度を、直接的に調べることができるものある。この疲労試験装置では、ベアリング本体を模擬するために、回転する上下の板面間には、複数のボール体が配置されている。この場合、複数のボール体それぞれが板面間において回転しながら移動したり、隣接するボール体が互いに衝突したりするので、ボール体が疲労した原因を特定することが難しい。また、ボール体が板面間で移動するときの軌道が、安定していないので、ボール体が板面から受ける影響を、正確に判断することが難しい。言い換えると、ベアリングのレースの疲労状態を調べるために、複数のボール体を用いて疲労試験を実行したとしても、上記のボール体と同様に、ボール体同士の衝突やボール体の軌道の不安定性等によって、レースの疲労原因やレースの疲労状態を、正確に判断することが難しい。
【0006】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、試験体を容易に試験することができ、且つ試験体の疲労状態を正確に把握することができる疲労試験装置を、提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る疲労試験装置は、一方向に長い試験体の疲労を把握するための疲労試験装置である。疲労試験装置は、装置本体と、転動体と、支持手段とを、備えている。転動体は、装置本体に回転自在に装着される試験体の外周面に接触し、試験体の回転に応じて転動する。支持手段は、装置本体に設けられており、転動体を少なくとも3箇所で支持している。
【0008】
本疲労試験装置では、まず、試験体が装置本体に回転自在に装着される。次に、転動体が、装置本体に設けられた支持手段によって、少なくとも3箇所で支持される。続いて、転動体を試験体の外周面に接触させた状態において、試験体を回転させる。すると、この試験体の回転に応じて、転動体が転動する。
【0009】
このように、本疲労試験装置では、支持手段によって支持された転動体を、試験体に接触させた状態で、試験体を回転させることによって、転動体を転動させている。これにより、本疲労試験装置では、転動体が試験体に接触した状態で転動しているときに試験体が転動体から受ける影響、すなわち試験体の疲労状態を、調べることができる。
【0010】
このため、本疲労試験装置では、疲労試験が終了すると、試験体を疲労試験装置から取り外すだけで、試験体の疲労状態を直接的に調べることができる。また、本疲労試験装置では、試験体が1つの転動体だけから受ける影響を、直接的に調べることができる。また、本疲労試験装置では、転動体が支持手段によって3箇所以上で支持されているので、転動体を安定的に転動させることができる。特に、本疲労試験装置では、転動体を支持手段によって3箇所以上で支持した状態で、転動体を試験体の外周面に接触させているので、試験体が回転したときに、試験体の回転軸に直交する面と、試験体の外周面とが交わる線上で、転動体を試験体に確実に接触させることができる。すなわち、転動体が試験体に接触する位置、すなわち転動体から試験体への応力の入力位置を、安定させることができる。これにより、試験体が転動体から受ける影響を、正確に調べることができる。このように、本疲労試験装置では、試験体を容易に試験することができ、且つ試験体の疲労状態を正確に把握することができる。
【0011】
請求項2に係る疲労試験装置では、請求項1に記載の疲労試験装置において、転動体が、試験体と支持手段とによって挟持されている。この場合、転動体が、装置本体に装着された試験体と支持手段とによって、挟持されているので、試験体を回転させたときに、転動体を、試験体に接触させた状態において、安定的に転動させることができる。例えば、試験体及び転動体の少なくともいずれか一方が、摩耗したり変形したりしたとしても、転動体を、試験体に確実に接触させた状態で、転動させることができる。これにより、試験体が転動体から受ける影響を、より正確に調べることができる。
【0012】
請求項3に係る疲労試験装置では、請求項1又は2に記載の疲労試験装置において、支持手段が、転動体が一方向に転動可能なように支持している。この場合、支持手段が、転動体が一方向に転動可能なように支持しているので、転動体が試験体に接触する位置を確実に安定させることができる。これにより、試験体が転動体から受ける影響を、より正確に調べることができる。
【0013】
請求項4に係る疲労試験装置では、請求項1から3のいずれかに記載の疲労試験装置において、支持手段が、支持本体と、支持本体に装着される4つの軸受とを、有している。転動体は、4つの軸受によって、4箇所で支持されている。この場合、転動体が、4つの軸受によって、4箇所で支持されているので、転動体を、安定的に支持することができる。また、転動体を軸受によって支持することによって、転動体をスムーズに転動させることができる。
【0014】
請求項5に係る疲労試験装置では、請求項4に記載の疲労試験装置において、2つの軸受が、試験体の第1回転軸と平行に配置された第2回転軸に対して回転自在に、支持本体に装着されている。また、他の2つの軸受が、第2回転軸と平行に配置された第3回転軸に対して回転自在に、支持本体に装着されている。
【0015】
この場合、転動体は、第2回転軸と第3回転軸との間において、4つの軸受によって、4箇所で支持される。すなわち、転動体は、第2回転軸において同軸に配置された2個の軸受と、第3回転軸において同軸に配置された他の2個の軸受との間において、4箇所で支持される。このため、転動体を、軸受が回転する方向に、スムーズに転動させることができる。すなわち、転動体が試験体に接触する位置、すなわち転動体から試験体への応力の入力位置を、固定することができる。これにより、試験体が転動体から受ける影響を、高精度で調べることができるので、試験体の疲労状態を正確に把握することができる。
【0016】
請求項6に係る疲労試験装置では、請求項4及び5に記載の疲労試験装置において、支持手段が、試験体を支持本体に対して回転可能に位置決めする位置決め部を、さらに有している。この場合、試験体が、支持手段の位置決め部によって、支持手段の支持本体に対して回転可能に位置決めされているので、支持手段を基準として、試験体と転動体との位置を設定することができる。これにより、試験体と転動体との位置精度を、確実に保証することができる。すなわち、試験体が転動体から受ける影響を、高精度で調べることができるので、試験体の疲労状態を正確に把握することができる。
【0017】
請求項7に係る疲労試験装置は、球状の試験体の疲労を把握するための疲労試験装置である。疲労試験装置は、装置本体と、軸部材と、支持手段とを、備えている。軸部材は、装置本体に回転自在に装着される。支持手段は、試験体を、少なくとも3箇所で支持する。試験体は、軸部材に接触し、軸部材の回転に応じて転動する。
【0018】
本疲労試験装置では、まず、軸部材が装置本体に回転自在に装着される。次に、球状の試験体が、装置本体に設けられた支持手段によって、3箇所で支持される。続いて、試験体が軸部材の外周面に接触した状態において、軸部材を回転させる。すると、この軸部材の回転に応じて、試験体が転動する。
【0019】
このように、本疲労試験装置では、支持手段によって支持された試験体を、軸部材に接触させた状態で、軸部材を回転させることによって、試験体を転動させている。これにより、本疲労試験装置では、試験体が軸部材に接触した状態で転動しているときに試験体が軸部材から受ける影響、すなわち球状の試験体の疲労状態を、調べることができる。
【0020】
このため、本疲労試験装置では、疲労試験が終了すると、試験体を疲労試験装置から取り外すだけで、試験体の疲労状態を直接的に調べることができる。また、本疲労試験装置では、1つの球状の試験体が軸部材から受ける影響を、直接的に調べることができる。また、本疲労試験装置では、試験体が支持手段によって3箇所で支持されているので、試験体を安定的に転動させることができる。特に、本疲労試験装置では、試験体を支持手段によって3箇所で支持した状態で、試験体を軸部材の外周面に接触させているので、軸部材が回転したときに、軸部材の回転軸に直交する面と、軸部材の外周面とが交わる線上で、試験体を軸部材に確実に接触させることができる。すなわち、軸部材が試験体に接触する位置、すなわち軸部材から試験体への応力の入力位置を、安定させることができる。これにより、試験体が軸部材から受ける影響を、正確に調べることができる。このように、本疲労試験装置では、試験体を容易に試験することができ、且つ試験体の疲労状態を正確に把握することができる。
【0021】
請求項8に係る疲労試験装置は、一方向に長い第1試験体の疲労と、球状の第2試験体の疲労とを、把握するための疲労試験装置である。球状の第2試験体は、一方向に長い第1試験体に接触し、第1試験体の回転に応じて転動する。疲労試験装置は、装置本体と支持手段とを備えている。支持手段は、装置本体に設けられており、第2試験体を少なくとも3箇所で支持する。
【0022】
本疲労試験装置では、まず、一方向に長い第1試験体が装置本体に回転自在に装着される。次に、球状の第2試験体が、装置本体に設けられた支持手段によって、3箇所で支持される。続いて、第2試験体が第1試験体の外周面に接触した状態において、第1試験体を回転させる。すると、この第2試験体の回転に応じて、第2試験体が転動する。
【0023】
このように、本疲労試験装置では、支持手段によって支持された第2試験体を、第1試験体に接触させた状態で、第1試験体を回転させることによって、第2試験体を転動させている。これにより、本疲労試験装置では、第2試験体が第1試験体に接触した状態で転動しているときに第2試験体が第1試験体から受ける影響、すなわち球状の第2試験体の疲労状態を、調べることができる。
【0024】
このため、本疲労試験装置では、疲労試験が終了すると、第1試験体及び第2試験体を疲労試験装置から取り外すだけで、第1試験体及び第2試験体の疲労状態を、直接的に調べることができる。また、本疲労試験装置では、一方向に長い第1試験体と、1つの球状の第2試験体とが互いに受ける影響を、直接的に調べることができる。また、本疲労試験装置では、第2試験体が支持手段によって3箇所で支持されているので、第2試験体を安定的に転動させることができる。特に、本疲労試験装置では、第2試験体を支持手段によって3箇所で支持した状態で、第2試験体を第1試験体の外周面に接触させているので、第1試験体が回転したときに、第1試験体の回転軸に直交する面と、第1試験体の外周面とが交わる線上で、第2試験体を第1試験体に確実に接触させることができる。すなわち、第1試験体と第2試験体とが接触する位置、すなわち第1試験体と第2試験体とが互いに応力を及ぼし合う位置(応力の入力位置)を、安定させることができる。これにより、1つの球状の第2試験体とが互いに受ける影響を、正確に調べることができる。このように、本疲労試験装置では、試験体を容易に試験することができ、且つ試験体の疲労状態を正確に把握することができる。
【0025】
請求項9に係る疲労試験方法は、試験体の疲労を把握するための疲労試験方法である。ここで、疲労試験装置は、装置本体と、軸部材と、転動体と、支持手段とを、備えている。軸部材は、装置本体に回転自在に装着される。転動体は、軸部材の回転に応じて、転動する。支持手段は、転動体を少なくとも3箇所で支持している。この疲労試験方法では、軸部材及び前記転動体の少なくともいずれか一方が、試験体として設定される。
【0026】
本疲労試験方法は、軸部材装着工程と、転動体配置工程と、試験体セット工程と、試験工程とを、備えている。軸部材装着工程では、軸部材が装置本体に装着される。転動体配置工程では、装置本体に装着される前記支持手段に、転動体が配置される。試験体セット工程では、軸部材と支持手段とによって、転動体が挟持される。試験工程では、軸部材と支持手段とによって転動体が挟持された状態で、軸部材が回転させられる。
【0027】
このように、本疲労試験方法では、軸部材と支持手段とによって転動体を挟持した状態で、軸部材を回転させることによって、転動体を転動させている。これにより、本疲労試験方法では、転動体が軸部材に接触した状態で回転しているときに、軸部材又は転動体が、転動体又は軸部材から受ける影響、又は軸部材及び転動体が互いに受ける影響を、調べることができる。すなわち、軸部材及び転動体の少なくともいずれか一方の疲労状態(試験体の疲労状態)を、調べることができる。
【0028】
このため、本疲労試験方法では、疲労試験が終了すると、軸部材及び転動体の少なくともいずれか一方を、疲労試験装置から取り外すだけで、軸部材及び転動体の少なくともいずれか一方の疲労状態を、直接的に調べることができる。また、本疲労試験方法では、1つの転動体が軸部材に接触して転動するので、転動体が軸部材に与える影響や、軸部材が転動体に与える影響を、直接的に調べることができる。さらに、本疲労試験方法では、転動体が支持手段によって3箇所で支持されているので、転動体を安定的に転動させることができる。すなわち、転動体が軸部材に接触する位置を、支持手段によって安定させることができるので、軸部材が転動体から受ける影響(転動体が軸部材から受ける影響)を、正確に調べることができる。このように、本疲労試験方法では、試験体を容易に試験することができ、且つ試験体の疲労状態を正確に把握することができる。
【0029】
請求項10に係る疲労試験方法は、請求項9に記載の疲労試験方法において、再試験工程をさらに備えている。再試験工程では、軸部材が、装置本体に対して移動させられ、再び装着される。この場合、試験体セット工程では、移動後の軸部材と支持手段とによって、転動体が再び挟持される。そして、試験工程では、移動後の軸部材と支持手段とによって、転動体が挟持された状態で、軸部材が再び回転させられる。
【0030】
この場合、1回目の疲労試験が終了した後に、ここで用いられた軸部材が、装置本体に対して移動させられ、再び装着される。そして、移動後の軸部材を回転するこによって、2回目の疲労試験が実行される。すなわち、軸部材を移動するだけで、疲労試験を繰り返し実行することができる。これにより、複数の疲労試験を、容易に実行することができる。また、介在物の分布が同じ1つの軸部材から、複数の疲労試験の結果を得ることができるので、介在物が軸部材の疲労状態に与える影響を、定性的に把握することができる。
【0031】
請求項11に係る疲労試験方法では、請求項10に記載の疲労試験方法において、移動前の軸部材が回転する回数と、移動後の軸部材が回転する回数とが異なるように、軸部材が回転させられる。この工程は、試験工程において実現される。
【0032】
この場合、軸部材を回転させる回数を、変化させることによって、複数の疲労試験の結果を得ることができる。このため、各疲労試験の結果、すなわち各疲労試験で転動体が軸部材に接触した位置において、軸部材の断面を観察することによって、介在物を基点として損傷が軸部材において成長する過程を、確実に把握することができる。すなわち、軸部材の疲労状態を、より正確に把握することができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明では、試験体を容易に試験することができ、且つ試験体の疲労状態を正確に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施形態による疲労試験装置を正面から見た全体図。
【図2】前記疲労試験装置を側面から見た全体図。
【図3】前記疲労試験装置の支持手段を側面から見た部分拡大図。
【図4】前記支持手段を上方から見た斜視図。
【図5】前記支持手段、軸部材、及び転動体の部分斜視図。
【図6】疲労試験を実行する際の工程を示す図。
【図7】本発明の他の実施形態における、1つの転動体と3つの転動体用の軸受との位置関係を示す模式図。
【図8】本発明の他の実施形態における、2つの転動体と6つの転動体用の軸受との位置関係を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0035】
〔疲労試験装置の構成〕
図1及び図2に示す疲労試験装置1は、一方向に長い試験体の疲労を把握するための装置である。具体的には、疲労試験装置1は、軸受のレースの疲労を把握するための装置である。ここでは、試験体は、軸受のレースに対応するものである。この部材には、断面が円形の軸部材40が、用いられている。また、転動体30は、軸受のボール体に対応するものである。
【0036】
疲労試験装置1は、図1及び図2に示すように、装置本体10と、支持手段20と、転動体30と、軸部材40(試験体)を回転駆動するための駆動手段50と、駆動手段50を制御するための制御手段60とを、備えている。本実施形態では、図5に示すように、転動体30が接触する軸部材40の外周部を、接触領域SRと定義している。接触領域SRは、軸部材40の外周面において、円周方向に形成される。
【0037】
<装置本体>
装置本体10は、図1及び図2に示すように、フレーム体11と、軸部材40を回転自在に保持するための保持手段12と、軸部材40と転動体30とを係合させるための係合手段15と、潤滑油の飛散を防止するためのカバー部材19とを、備えている。フレーム体11は、床面FLに立設されている。
【0038】
保持手段12は、軸部材40を回転自在に保持するためのものである。保持手段12は、図1に示すように、複数の保持部材13例えば3個の保持部材13から、構成されている。隣接する2個の保持部材13の間には、支持手段20が配置される。各保持部材13は、本体部材13aと、軸部材用の第1軸受13bとを、有している。図1では、中央の保持部材13にのみ、符号13a,13bを付している。本体部材13aは、フレーム体11に固定されている。具体的には、3個の本体部材13aが、互いに間隔を隔てて、フレーム体11に固定されている。軸部材用の第1軸受13bは、3個の本体部材13aそれぞれに装着されている。詳細には、3個の軸部材用の第1軸受13bの回転軸が同軸上に位置するように、3個の軸部材用の第1軸受13bの外輪それぞれが、各本体部材13aに固定されている。軸部材40は、3個の軸部材用の第1軸受13bの内輪に挿通され、3個の軸部材用の第1軸受13bに回転自在に保持される。
【0039】
係合手段15は、図2に示すように、軸部材40と転動体30とを支持手段20を介して係合させるためのものである。係合手段15は、錘部材16と、錘部材16及び支持手段20を連結する連結部材17と、連結部材17の支点となる支点部材18とを、有している。詳細には、係合手段15は、支点部材18が連結部材17を支持する位置を支点とした、錘部材16に対する反力を、利用して、軸部材40と転動体30とを支持手段20を介して係合させる。
【0040】
連結部材17は、支持手段20が装着される第1連結部17aと、錘部材16が装着される第2連結部17bと、第1連結部17aと第2連結部17bとを連結する第3連結部17cとを、有している。第1連結部17aの一端部には、支持手段20が揺動自在に装着されている。第2連結部17bの一端部には、錘部材16が装着されている。第3連結部17cの一端部には、第1連結部17aの他端部が揺動自在に装着されている。第3連結部17cの他端部には、第2連結部17bの他端部が揺動自在に装着されている。すなわち、第3連結部17cの一端部には、第1連結部17aを介して支持手段20が連結され、第3連結部17cの他端部には、第2連結部17bを介して錘部材16が連結される。
【0041】
支点部材18の下端部は、フレーム体11の上部に固定されている。支点部材18の上端部は、連結部材17を所定の位置Pで支持している。具体的には、支点部材18の上端部には、連結部材17の第3連結部17cが揺動自在に装着されている。ここで、連結部材17の第3連結部17cが支点部材18に支持された支点Pと、第3連結部17cの一端側の揺動中心Y1との距離L1と、この支点と第3連結部17cの他端側の揺動中心Y2との距離L2との比(レバー比=L1/L2)は、所定の比になるように設定されている。
【0042】
カバー部材19は、図1〜図3に示すように、潤滑油の飛散を防止するためのものである。カバー部材19は、フレーム体11に装着されている。例えば、カバー部材19には、疲労試験を開始する前に、所定量の潤滑油が注入される。これにより、試験中の各部材の温度上昇を、抑制することができる。
【0043】
<支持手段>
図1〜図5に示すように、支持手段20は、転動体30を支持するためのものである。支持手段20は、装置本体10に設けられている。具体的には、図2に示すように、支持手段20は、係合手段15を介して、フレーム体11に支持されている。支持手段20は、連結部材17すなわち第1連結部17aに揺動自在に装着されている。
【0044】
支持手段20は、転動体30を少なくとも3箇所で支持する。具体的には、図3〜図5に示すように、支持手段20は、転動体30が一方向に転動可能なように、転動体30を4箇所で支持している。支持手段20は、支持本体21と、転動体30を支持する支持部25とを、有している。支持本体21は、一対のプレート部材22と、一対のプレート部材22の間隔を保持するための間隔保持部23と、軸部材40を支持本体21に対して回転可能に位置決めする位置決め部24とを、有している。
【0045】
一対のプレート部材22は、図4に示すように、互いに対向して配置される。間隔保持部23は、図4に示すように、第1円筒部材23aと、第1円筒部材23aをプレート部材22に固定するための第1固定部材23bとを、有している。第1円筒部材23aは、一対のプレート部材22の間に配置される。第1固定部材23bは、ボルトとナットとから構成されている。ボルトの軸部は、第1円筒部材23aの孔に挿通され、ナットはボルトの軸部の先端部に螺合される。具体的には、まず、一対のプレート部材22において互いに対向した位置に形成されたボルト孔と、一対のプレート部材22の間に配置された第1円筒部材23aの孔とに、ボルトの軸部が挿通される。そして、ボルトの軸部の先端部をナットで締め付けることによって、一対のプレート部材22が互いに近接し、第1円筒部材23aが一対のプレート部材22によって挟持される。
【0046】
位置決め部24は、図4に示すように、各プレート部材22に設けられた2つの位置決め部材124と、各プレート部材22に設けられた位置決め孔224とを、有している。各プレート部材22に設けられた2つの位置決め部材124それぞれは、第2円筒部材124aと、軸部材用の第2軸受124bと、第2固定部材124cとを、有している。第2円筒部材124aは、プレート部材22と軸部材用の第2軸受124bとの間に配置される。具体的には、第2円筒部材124aは、プレート部材22と軸部材用の第2軸受124bの内輪との間に配置される。4つの軸部材用の第2軸受124bには、同じ軸受が用いられている。すなわち、4つの軸部材用の第2軸受124bは、内輪径が同じであり、且つ外輪径が同じである。
【0047】
図3に示すように、4つの軸部材用の第2軸受124bの回転軸X4それぞれが互いに平行になるように、軸部材用の第2軸受124bは、プレート部材22に設けられる。言い換えると、4つの軸部材用の第2軸受124bの回転軸X4それぞれが互いに平行になるように、プレート部材22に対する第2固定部材124cの位置が、決定されている。第2固定部材124cは、第2円筒部材124aと軸部材用の第2軸受124bとを、プレート部材22に固定する。
【0048】
詳細には、図4に示すように、第2固定部材124cは、プレート部材22と軸部材用の第2軸受124bの内輪との間に第2円筒部材124aを配置した状態で、第2円筒部材124aと軸部材用の第2軸受124bとを、プレート部材22に固定する。具体的には、第2固定部材124cは、ボルトとナットとから構成されている。ボルトの軸部は、軸部材用の第2軸受124bの内輪と第2円筒部材124aの孔に挿通され、ボルトの頭部がワッシャを介して軸部材用の第2軸受124bの内輪に接触した状態で、ボルトの軸部の先端部が、プレート部材22に設けられた雌ネジ(図示しない)に、螺合される。これにより、軸部材用の第2軸受124bが、プレート部材22に対して回転自在に保持される。
【0049】
ここでは、2つの軸部材用の第2軸受124bの中心間距離が、軸部材40の直径と、軸部材用の第2軸受124bの直径との和となるように、軸部材用の第2軸受124bが各プレート部材22に装着されている。言い換えると、2つの軸部材用の第2軸受124bの外周面間距離の最小値が、軸部材40の直径となるように、軸部材用の第2軸受124bが各プレート部材22に装着されている。
【0050】
位置決め孔224は、軸部材40が挿通される孔であり、各プレート部材22に設けられている。図4に示すように、位置決め孔224は、各プレート部材22に設けられた2つの位置決め部材124の間に形成されている。位置決め孔224は、各プレート部材22に設けられた2つの位置決め部材124の回転中心を結ぶ直線に直交する方向に長い長孔である。位置決め孔224例えば長孔は、一対のプレート部材22において対向して形成されている。この長孔の幅(短軸方向の長さ)は、軸部材40の直径より大きく形成されており、軸部材40は、長孔に配置された状態で、長孔の長軸方向に移動可能である。
【0051】
支持部25は、転動体30を支持する部分である。支持部25は、図3及び図4に示すように、支持本体21に装着される4つの転動体用の軸受26と、転動体用の軸受26を位置決めするための第3円筒部材27と、転動体用の軸受26及び第3円筒部材27を固定するための第3固定部材28とを、有している。なお、図3では、転動体用の第1軸受26a用の第3円筒部材及び第3固定部材に対してのみ、符号27,28を付している。
【0052】
4つの転動体用の軸受26は、図4に示すように、支持本体21に対して回転自在に装着されている。4つの転動体用の軸受26は、図4及び図5に示すように、一対のプレート部材22の間において、転動体30を4箇所で支持する。4つの転動体用の軸受26には、同じ軸受が用いられている。すなわち、4つの転動体用の軸受26は、内輪径が同じであり、且つ外輪径が同じである。図3に示すように、4つの転動体用の軸受26の回転軸X2,X3が、軸部材40の回転軸X1(第1回転軸)に平行となるように、4つの転動体用の軸受26は、一対のプレート部材22の間において、プレート部材22に対して回転自在に装着されている。
【0053】
図3〜図5に示すように、4つの転動体用の軸受26の中の2つの転動体用の第1軸受26aは、それぞれが同軸上に配置されている。詳細には、同軸上の2つの転動体用の第1軸受26aの間隔が、転動体30の直径より小さくなるように、2つの転動体用の第1軸受26aは、同軸上に配置されている。また、2つの転動体用の第1軸受26aの外輪間距離が、上述した接触領域SRの幅の5倍の距離以上になるように、2つの転動体用の第1軸受26aが、同軸上に配置されている。なお、2つの転動体用の第1軸受26aでは、互いに対向する2つの外輪の隅角部が、面取りされている。この面取り部は、転動体30を安定的に保持するためのものである。
【0054】
また、図3〜図5に示すように、2つの転動体用の第1軸受26aを除いた他の2つの転動体用の軸受26、すなわち2つの転動体用の第2軸受26bは、それぞれが同軸上に配置されている。詳細には、同軸上の2つの転動体用の第2軸受26bの間隔が、転動体30の直径より小さくなるように、2つの転動体用の第2軸受26bは、同軸上に配置されている。また、2つの転動体用の第2軸受26bの外輪間距離が、上述した接触領域SRの幅の5倍の距離以上になるように、2つの転動体用の第2軸受26bが、同軸上に配置されている。なお、2つの転動体用の第2軸受26bでは、互いに対向する2つの外輪の隅角部が、面取りされている。この面取り部は、転動体30を安定的に保持するためのものである。
【0055】
また、図3に示すように、転動体用の第1軸受26aの回転軸X2(第2回転軸)と、転動体用の第2軸受26bの回転軸X3(第3回転軸)とが、互いに平行になるように、転動体用の第1軸受26a及び転動体用の第2軸受26bが、支持本体21に回転自在に装着されている。また、転動体用の第1軸受26aの回転軸X2と、転動体用の第2軸受26bの回転軸X3とは、軸部材用の第2軸受124bの回転軸X4に平行になるように、転動体用の第1軸受26a及び転動体用の第2軸受26bが、支持本体21に回転自在に装着されている。
【0056】
また、転動体用の第1軸受26aの回転軸X2と、転動体用の第2軸受26bの回転軸X3とを結ぶ線上において、転動体用の第1軸受26aの外周面と転動体用の第2軸受26bの外周面とが対向するように、2つの転動体用の第1軸受26aと2つの転動体用の第2軸受26bとが、一対のプレート部材22の間に配置されている。ここで、転動体用の第1軸受26aの外周面と転動体用の第2軸受26bの外周面とが対向した部分の距離は、転動体30の直径より小さく設定されている。
【0057】
また、回転軸X2と回転軸X3との軸間距離が、転動体用の第1軸受26aの半径と転動体用の第2軸受26bの半径との和より大きくなるように、2つの転動体用の第1軸受26aと2つの転動体用の第2軸受26bとが、一対のプレート部材22の間に配置されている。言い換えると、上記の軸間距離が、転動体用の第1軸受26aの外径(転動体用の第2軸受26bの外径)より大きくなるように、設定されている。
【0058】
このように、4つの転動体用の軸受26、すなわち2つの転動体用の第1軸受26a及び2つの転動体用の第2軸受26bを、一対のプレート部材22の間に配置することによって、転動体30は、2つの転動体用の第1軸受26aの回転軸X2と、2つの転動体用の第2軸受26bの回転軸X3との間において、2つの転動体用の第1軸受26a及び2つの転動体用の第2軸受26bによって、4箇所で支持される。
【0059】
上述した4つの転動体用の軸受26の位置決めは、図4に示すように、第3円筒部材27によって行われる。第3円筒部材27は、転動体用の第1軸受26a及び転動体用の第2軸受26bを、位置決めするためのものである。転動体用の第1軸受26aは、3つの第3円筒部材27によって位置決めされる。また、転動体用の第2軸受26bも、3つの第3円筒部材27によって位置決めされる。また、上記の外輪間距離は、第3円筒部材27の軸方向長さによって、調節される。
【0060】
第3円筒部材27は、一対のプレート部材22のいずれか一方と2つの転動体用の第1軸受26aのいずれか一方との間と、2つの転動体用の第1軸受26aの間と、一対のプレート部材22のいずれか他方と2つの転動体用の第1軸受26aのいずれか他方との間とに、配置される。同様に、第3円筒部材27は、一対のプレート部材22のいずれか一方と2つの転動体用の第2軸受26bのいずれか一方との間と、2つの転動体用の第2軸受26bの間と、一対のプレート部材22のいずれか他方と2つの転動体用の第2軸受26bのいずれか他方との間とに、配置される。
【0061】
転動体用の第1軸受26aを位置決めする3つの第3円筒部材27それぞれは、転動体用の第1軸受26aの内輪に接触している。また、転動体用の第2軸受26bを位置決めする3つの第3円筒部材27それぞれは、転動体用の第2軸受26bの内輪に接触している。
【0062】
第3固定部材28は、転動体用の軸受26及び第3円筒部材27を、一対のプレート部材22に固定するためのものである。具体的には、第3固定部材28は、第3円筒部材27を上記の位置に配置した状態で、転動体用の第1軸受26aと第3円筒部材27とを、プレート部材22に固定する。また、第3固定部材28は、第3円筒部材27を上記の位置に配置した状態で、転動体用の第2軸受26bと第3円筒部材27とを、プレート部材22に固定する。
【0063】
詳細には、第3固定部材28は、ボルトとナットとから構成されている。ボルトの軸部は、一方のプレートに形成されたボルト孔と、転動体用の第1軸受26aの内輪と、第3円筒部材27の孔と、他方のプレートに形成されたボルト孔とに挿通される。そして、ボルトの頭部がワッシャを介して一方のプレート部材22に接触した状態で、他方のプレート部材22から突出したボルトの軸部の先端部が、ナットによって締め付けられる。これにより、転動体用の第1軸受26aが、一対のプレート部材22の間において回転自在に保持される。また、転動体用の第1軸受26aと同様に組立てることによって、転動体用の第2軸受26bも、一対のプレート部材22の間において回転自在に保持される。
【0064】
<転動体>
転動体30は、図3〜図5に示すように、球状に形成されている。ここでは、転動体30の強度が軸部材40の強度以上になるように、転動体30は形成されている。上述したように、転動体30は、支持手段20に支持される。具体的には、転動体30は、4つの転動体用の軸受26それぞれに接触し、4箇所で支持される。また、転動体30が、4つの転動体用の軸受26、すなわち2つの転動体用の第1軸受26a及び2つの転動体用の第2軸受26bに支持された状態において、係合手段15が支持手段20を軸部材40の方向に付勢すると、転動体30は、2つの転動体用の第1軸受26a及び2つの転動体用の第2軸受26bと、軸部材40とによって、挟持される。この状態で、軸部材40が回転すると、この軸部材40の回転に応じて、転動体30は、2つの転動体用の第1軸受26a及び2つの転動体用の第2軸受26bと、軸部材40との間において、転動する。
【0065】
なお、上述したように、2つの転動体用の第1軸受26aの外輪間距離、及び2つの転動体用の第2軸受26bの外輪間距離が、接触領域SRの幅の5倍の距離以上になるように、設定されている。これにより、4つの転動体用の軸受26(2つの転動体用の第1軸受26a及び2つの転動体用の第2軸受26b)が、転動体30に与える影響が、転動体30を介して、軸部材40へと伝達されないように考慮されている。
【0066】
<駆動手段>
駆動手段50は、軸部材40を回転駆動するためのものである。駆動手段50は、図1及び図2に示すように、駆動モータ50aと、駆動モータ50aから軸部材40に回転を伝達するための回転伝達部材50bとを、有している。駆動モータ50aは、装置本体10例えばフレーム体11に、固定されている。駆動モータ50aは、制御手段60によって、回転が制御される。回転伝達部材50bは、例えばベルトである。ベルト50bは、駆動モータ50aの回転を、プーリ50cを介して、軸部材40に伝達する。具体的には、ベルト50bは、駆動モータ50aとプーリ50cとに架け渡されている。プーリ50cは、軸部材40と一体回転可能に装着されている。ここでは、プーリ50cを軸部材40の一端部にチャックすることによって、プーリ50cが軸部材40に固定されている。
【0067】
<制御手段>
制御手段60は、駆動手段50例えば駆動モータ50aを制御するためのものである。制御手段60は、制御装置本体61と、駆動モータ50aを調整するための調整パネル60aと、駆動モータ50aの回転を開始させるためのスタートボタン60bと、駆動モータ50aの回転を停止させるためのストップボタン60cとを、有している。
【0068】
制御装置本体61は、装置本体10に装着されている。例えば、制御装置本体61は、フレーム体11に立設された立設部に装着されている。調整パネル60aは、制御装置本体61に設けられている。調整パネル60aは、接触入力式の画像表示部、例えばタッチパネルである。ここでは、駆動モータ50aを調整するための情報が、調整パネル60aから直接的に入力される。そして、スタートボタン60bが押されると、調整パネル60aに入力された情報に基づいて、駆動モータ50aを回転制御する制御信号が、図示しない制御部から出力され、駆動モータ50aが回転する。一方で、ストップボタン60cが押されると、駆動モータ50aを停止する制御信号が、図示しない制御部から出力され、駆動モータ50aが回転を停止する。
【0069】
なお、制御部は、制御装置本体61に内蔵されている。制御部は、例えば、CPU及びメモリから構成されている。例えば、CPUは、駆動モータ50aの制御に関する処理を実行する。メモリは、駆動モータ50aの制御時に各種の情報を記憶する。
【0070】
本実施形態では、「手段」という文言を用いて構成を説明している部分があるが、この「手段」という文言に代えて「構造」という文言を用いてもよい。
【0071】
〔疲労試験方法の説明〕
以下では、上述した疲労試験装置1を用いた疲労試験方法について、説明する。
具体的には、まず、本疲労試験装置1を用いた基本的な疲労試験(基本疲労試験)についての説明を行う。次に、1つの軸部材(試験体)だけを用いて基本的な疲労試験を連続的に実行する疲労試験(連続疲労試験)についての説明を行う。図6には、疲労試験を実行する際の工程が、示されている。なお、図6は、以下に示す基本疲労試験及び連続疲労試験の両方の工程を示すものである。
【0072】
<基本疲労試験>
まず、疲労試験装置1において、準備用の重量の錘部材16が、連結部材17(第2連結部17b)に装着される(S1)。次に、軸部材40(試験体)が、装置本体10に装着される(S2)。具体的には、軸部材40が、保持手段12に回転自在に装着される。より具体的には、軸部材40が、各プレート部材22に形成された位置決め部24の位置決め孔224、及び3個の軸部材用の第1軸受13bに挿通され、軸部材40の一端部にプーリ50cが固定される。そして、ベルト50bが、駆動モータ50aとプーリ50cとの間に架け渡される。
【0073】
続いて、装置本体10に装着された支持手段20に、転動体30が配置される(S3)。具体的には、転動体30が、4つの転動体用の軸受26(2つの転動体用の第1軸受26a及び2つの転動体用の第2軸受26b)の上部に配置され、4箇所で支持される。続いて、錘部材16の重量が試験用の重量になるように、錘部材16が連結部材17(第2連結部17b)に装着される(S4)。すると、てこの原理で、支持手段20が、連結部材17によって、上方に引き上げられる。すると、軸部材40が、各プレート部材22に形成された位置決め部24の位置決め孔224(長孔)の内周下面に向けて、移動する。すると、軸部材40が転動体30に接触し、転動体30が軸部材40と4つの転動体用の軸受26とによって挟持される。
【0074】
また、軸部材40が転動体30に接触した状態においては、軸部材40が、各プレート部材22において互いに隣接して設けられた2つの位置決め部材124の間に、配置される。すなわち、軸部材40が、各プレート部材22に設けられた2つの軸部材用の第2軸受124bの間に、配置される。これにより、各プレート部材22に対する、床面FLに平行な方向への軸部材40の移動が、規制される。
【0075】
このようにして、軸部材40(試験体)が疲労試験装置1にセットされる(S5)。この状態では、転動体30は、軸部材40と1箇所で接触し、4つの転動体用の軸受26と4箇所で接触している。詳細には、転動体30の上部が、軸部材40の下部において1箇所で接触し、転動体30の下部が、4つの転動体用の軸受26それぞれと1箇所で接触している。
【0076】
続いて、調整パネル60aに各種の情報が入力されると(S6)、軸部材40が駆動手段50によって回転させられ、疲労試験が開始される(S7)。具体的には、駆動モータ50aの回転数や駆動モータ50aの最大回転回数(試験時間)等が、制御装置本体61の調整パネル60aに入力される。そして、制御装置本体61のスタートボタン60bが押されると、駆動モータ50aが回転を開始する。すると、転動体30が、軸部材40の外周面に接触した状態で、軸部材40と4つの転動体用の軸受26との間において、転動する。ここでは、転動体30が軸部材40の外周面に接触する部分を、接触領域SRと呼ぶ。接触領域SRは、軸部材40の外周面において、円周方向に形成される。
【0077】
続いて、軸部材40の回転が所定の回転回数に到達すると、軸部材40の回転が停止させられ、試験が終了する(S8)。具体的には、調整パネル60aの入力情報、例えば駆動モータ50aの最大回転回数に基づいて、駆動モータ50aが回転を停止すると、軸部材40の回転が停止する。なお、制御装置本体61のストップボタン60cが押されたときにも、駆動モータ50aは回転を停止する。このようにして駆動モータ50aが回転を停止すると、転動体30は転動を停止する。
【0078】
続いて、軸部材40(試験体)が疲労試験装置1から取り外される(S9,S10でNo)。具体的には、錘部材16の重量が減らされ、支持手段20が、連結部材17によって、下方に引き下げられる。これにより、転動体30が軸部材40から離反し、軸部材40と転動体30との接触が解除される。すると、軸部材40が、各プレート部材22に形成された位置決め部24の位置決め孔224、及び3個の軸部材用の第1軸受13bから取り外される。
【0079】
続いて、軸部材40が、接触領域SRを避けた位置において、軸芯に対して垂直に切断される。そして、切断面が、接触領域SRの方向に研磨される。そして、切断面を研磨することによって、研磨面が接触領域SRに到達すると、この研磨面の状態が、観察される。例えば、ここでは、軸部材40が転動体30から受ける影響、例えば介在物を基点とした亀裂等が、観察される。
【0080】
このような疲労試験では、疲労試験が終了すると、軸部材40を、疲労試験装置1から取り外すだけで、軸部材40の疲労状態を、直接的に調べることができる。また、1つの転動体30が軸部材40に接触して転動するので、軸部材40が1つの転動体30だけから受ける影響を、直接的に調べることができる。さらに、転動体30が支持手段20によって4箇所で支持されているので、転動体30を安定的に転動させることができる。すなわち、転動体30を軸部材40の接触領域SRに安定的に接触させることができる。これにより、軸部材40が転動体30から受ける影響を、正確に調べることができる。このように、疲労試験では、試験体を容易に試験することができ、且つ試験体の疲労状態を正確に把握することができる。
【0081】
<連続疲労試験>
本疲労試験装置1では、上述した基本疲労試験を用いて、疲労試験を連続的に実行することもできる。例えば、上記の基本疲労試験を用いて、1回目の疲労試験が実行されると(S1〜S9)、軸部材40が、疲労試験装置1において軸方向に移動させられ再び装着される(S10でYes)。そして、2回目の疲労試験が実行される(S1〜S9)。このように、軸部材40を疲労試験装置1において順次移動させ、疲労試験を繰り返すことによって、1つの軸部材40に複数の接触領域SRが形成される。そして、試験実行者が所望する回数の疲労試験が、終了すると、軸部材40が疲労試験装置1から取り外される(S10でNo)。
【0082】
続いて、軸部材40が、各接触領域SRを避けた位置、すなわち複数の接触領域SRそれぞれの近傍において、軸芯に垂直に切断される。すると、複数の切断面それぞれが、接触領域SRの方向に研磨される。そして、各切断面を研磨することによって、各研磨面が接触領域SRに到達すると、各研磨面の状態が、観察される。これにより、多数の疲労試験の結果を、1つの軸部材40から容易に得ることができる。また、様々な条件で疲労試験を実行した場合の結果も、1つの軸部材40から容易に得ることができる。
【0083】
なお、軸部材40を軸方向に移動する際の移動量は、接触領域SRの幅より大きくなるように、設定されている。この移動量は、ある疲労試験が次の疲労試験に影響しないように考えられた移動量である。これにより、1つの軸部材40だけを用いて複数の疲労試験を実行したとしても、複数の疲労試験それぞれから、独立した結果を得ることができる。
【0084】
以下には、1つの軸部材40に対して異なる条件で疲労試験を実行した場合の一例を示す。例えば、疲労試験における軸部材40の基本回転回数を「1×10の6乗」回に設定した場合、1回目の疲労試験では、軸部材40が「1×10の6乗」回転したときに、軸部材40の回転が停止される。続いて、2回目の疲労試験では、軸部材40を軸方向に移動させて、軸部材40が「2×10の6乗」回転したときに、軸部材40の回転が停止される。同様に、n回目の疲労試験でも、軸部材40を軸方向に移動させて、軸部材40が「n×10の6乗」回転したときに、軸部材40の回転が停止される。すると、1つの軸部材40の外周面には、n個の試験結果すなわちn個の接触領域SRが、形成される。n個の接触領域SRは、それぞれが互いに異なる位置に形成されている。
【0085】
このように、本疲労試験装置1では、1本の軸部材40を移動するだけで、条件の異なる複数の疲労試験の結果を、容易に得ることができる。また、介在物の分布が同じ1つの軸部材40から、複数の疲労試験の結果を得ることができるので、介在物が軸部材40の疲労状態に与える影響を、定性的に把握することができる。例えば、ここに示したように、疲労試験回数(n)が増えるにつれて、軸部材40の回転回数(「n×10の6乗」回)を増やした場合、1回目の疲労試験からn回目の疲労試験までの間で、軸部材40が転動体30から受ける影響を、時系列に沿って、観察することができる。この場合、1回目の疲労試験からn回目の疲労試験までの間で、介在物を基点として軸部材40で成長する亀裂等を、時系列に沿って、観察することができる。
【0086】
〔本疲労試験装置の特徴〕
本疲労試験装置1では、支持手段20によって支持された転動体30を、軸部材40に接触させた状態で、軸部材40を回転させることによって、転動体30を転動させている。これにより、本疲労試験装置1では、転動体30が軸部材40に接触した状態で転動しているときに軸部材40が転動体30から受ける影響、すなわち軸部材40の疲労状態を、調べることができる。
【0087】
このため、本疲労試験装置1では、疲労試験が終了すると、軸部材40を疲労試験装置1から取り外すだけで、軸部材40の疲労状態を直接的に調べることができる。また、本疲労試験装置1では、軸部材40が1つの転動体30だけから受ける影響を、直接的に調べることができる。また、本疲労試験装置1では、転動体30が支持手段20によって4箇所で支持されているので、転動体30を安定的に転動させることができる。
【0088】
特に、本疲労試験装置1では、転動体30を支持手段20によって4箇所で支持した状態で、転動体30を軸部材40の外周面に接触させているので、軸部材40が回転したときに、軸部材40の接触領域SRに転動体30を確実に接触させることができる。すなわち、転動体30が軸部材40に接触する位置、すなわち転動体30から軸部材40への応力の入力位置を、安定させることができる。これにより、軸部材40が転動体30から受ける影響を、正確に調べることができる。このように、本疲労試験装置1では、軸部材40を容易に試験することができ、且つ軸部材40の疲労状態を正確に把握することができる。
【0089】
また、本疲労試験装置1では、転動体30が、装置本体に装着された軸部材40と支持手段20とによって、挟持されているので、軸部材40を回転させたときに、転動体30を、軸部材40に接触させた状態において、安定的に転動させることができる。例えば、軸部材40及び転動体30の少なくともいずれか一方が、摩耗したり変形したりしたとしても、転動体30を、軸部材40に確実に接触させ、転動させることができる。これにより、軸部材40が転動体30から受ける影響を、より正確に調べることができる。
【0090】
また、本疲労試験装置1では、転動体30が一方向に転動可能なように支持手段20が支持しているので、転動体30を軸部材40の接触領域SRに安定的に接触させることができる。これにより、軸部材40が転動体30から受ける影響を、より正確に調べることができる。
【0091】
また、本疲労試験装置1では、転動体30が、4つの転動体用の軸受26によって、4箇所で支持されている。具体的には、転動体30は、転動体用の第1軸受26aの回転軸X2(第2回転軸)と、転動体用の第2軸受26bの回転軸X3(第3回転軸)との間において、4つの転動体用の軸受26によって、4箇所で支持されている。より具体的には、転動体30は、第2回転軸において同軸に配置された2個の軸受と、第3回転軸において同軸に配置された他の2個の軸受との間において、4箇所で支持される。これにより、転動体30を、安定的に支持することができる。また、転動体30を、軸受が回転する方向に、スムーズに転動させることができる。さらに、転動体30が軸部材40に接触する位置、すなわち転動体30から軸部材40への応力の入力位置を、固定することができる。このため、軸部材40が転動体30から受ける影響を、高精度で調べることができるので、軸部材40の疲労状態を正確に把握することができる。
【0092】
また、本疲労試験装置1では、軸部材40が、支持手段20の位置決め部24によって、支持手段20の支持本体21に対して回転可能に位置決めされているので、支持手段20を基準として、軸部材40と転動体30との位置を設定することができる。これにより、軸部材40と転動体30との位置精度を、確実に保証することができる。すなわち、軸部材40が転動体30から受ける影響を、高精度で調べることができるので、軸部材40の疲労状態を正確に把握することができる。
【0093】
〔他の実施形態〕
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
(a)前記実施形態では、試験体が軸部材40である場合の例を示したが、軸部材40に代えて、転動体30を試験体に設定してもよい。この場合、軸部材40の回転が所定の回転回数に到達すると、転動体30が疲労試験装置1から取り外され、転動体30の切断面が観察される。また、軸部材40及び転動体30を、試験体に設定してもよい。この場合、軸部材40の回転が所定の回転回数に到達すると、軸部材40及び転動体30が疲労試験装置1から取り外され、軸部材40及び転動体30の切断面が観察される。このように、試験体の対象を、転動体30、又は軸部材40及び転動体30に設定したとしても、軸部材40から影響を受ける転動体30の疲労状態や、転動体30及び軸部材40が互いに影響を及ぼし合ったときの各部材40,30の疲労状態を、容易に再現し、正確に把握することができる。
(b)前記実施形態では、転動体130が4つの転動体用の軸受26によって4箇所で支持される場合の例を示したが、転動体130を3つの転動体用の軸受26によって支持するようにしてもよい。この場合、図7(a)に示した平面視において、3つの転動体用の軸受126は、互いに平行に配置された回転軸を有する2つの転動体用の第3軸受126a,126bと、2つの転動体用の第3軸受126a,126bの回転軸の中間に回転軸を有する1つの転動体用の第4軸受126cとから、構成される。転動体用の第3軸受126a,126bは、同径である。図7(b)に示した側面視において、転動体用の第4軸受126cの回転軸は、転動体130から離れるにつれて上方に傾斜するように、プレート部材22に装着されている。このように疲労試験装置を構成したとしても、前記実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、図7は、転動体130、及び3つの転動体用の軸受126(126a,126b,126c)の位置関係を示す模式図である。
(c)前記実施形態では、2つの転動体用の第1軸受26aを同軸に配置し、2つの転動体用の第2軸受26bを同軸に配置し、1つの転動体30が4つの転動体用の軸受26a,26bによって4箇所で支持される場合の例を示した。これに代えて、図8の平面視に示すように、3つの転動体用の第5軸受226aを同軸に配置し、3つの転動体用の第6軸受226bを同軸に配置し、2つ転動体230が、6つの転動体用の軸受226(226a,226b)によって、支持されるようにしてもよい。この場合、2つの転動体230を同時に用いることができるので、同じ条件の下で、1つの軸部材40に対する2つの疲労試験結果を、同時に得ることができる。言い換えると、同じ条件の下で、1つの軸部材40から転動体230が受ける2つの疲労試験結果を、同時に得ることができる。また、このように疲労試験装置を構成したとしても、前記実施形態と同様の効果を得ることができる。図8は、2つ転動体230、及び6つの転動体用の軸受226(226a,226b)の位置関係を示す模式図である。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明は、試験体の疲労を把握するための疲労試験装置に対して、広く用いることができる。また、本発明は、本疲労試験装置を用いた疲労試験方法に対して、広く用いることができる。
【符号の説明】
【0095】
1 疲労試験装置
10 装置本体
13b 軸部材用の第1軸受
20 支持手段
24 位置決め部
124b 軸部材用の第2軸受
26 転動体用の軸受
26a 転動体用の第1軸受
26b 転動体用の第2軸受
30 転動体
40 軸部材
21 支持本体
X1 軸部材の回転軸(第1回転軸)
X2 転動体用の第1軸受の回転軸(第2回転軸)
X3 転動体用の第2軸受の回転軸(第3回転軸)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に長い試験体の疲労を把握するための疲労試験装置であって、
装置本体と、
前記装置本体に回転自在に装着される前記試験体の外周面に接触し、前記試験体の回転に応じて転動する転動体と、
前記装置本体に設けられ前記転動体を少なくとも3箇所で支持する支持手段と、
を備える疲労試験装置。
【請求項2】
前記転動体は、前記試験体と前記支持手段とによって挟持されている、
請求項1に記載の疲労試験装置。
【請求項3】
前記支持手段は、前記転動体が一方向に転動可能なように支持している、
請求項1又は2に記載の疲労試験装置。
【請求項4】
前記支持手段は、支持本体と、前記支持本体に装着される4つの軸受とを、有しており、
前記転動体は、4つの前記軸受によって、4箇所で支持されている、
請求項1から3のいずれかに記載の疲労試験装置。
【請求項5】
2つの前記軸受が、前記試験体の第1回転軸と平行に配置された第2回転軸に対して回転自在に、前記支持本体に装着されており、他の2つの前記軸受が、前記第2回転軸と平行に配置された第3回転軸に対して回転自在に、前記支持本体に装着されており、
前記転動体は、前記第2回転軸と前記第3回転軸との間において、4つの前記軸受によって、4箇所で支持されている、
請求項4に記載の疲労試験装置。
【請求項6】
前記支持手段は、前記試験体を前記支持本体に対して回転可能に位置決めする位置決め部を、さらに有している、
請求項4及び5に記載の疲労試験装置。
【請求項7】
球状の試験体の疲労を把握するための疲労試験装置であって、
装置本体と、
前記装置本体に回転自在に装着される軸部材と、
前記軸部材に接触し、前記軸部材の回転に応じて転動する前記試験体を、少なくとも3箇所で支持する支持手段と、
を備える疲労試験装置。
【請求項8】
一方向に長い第1試験体の疲労と、前記第1試験体に接触し前記第1試験体の回転に応じて転動する球状の第2試験体の疲労とを、把握するための疲労試験装置であって、
装置本体と、
前記装置本体に設けられ前記第2試験体を少なくとも3箇所で支持する支持手段と、
を備える疲労試験装置。
【請求項9】
装置本体と、前記装置本体に回転自在に装着される軸部材と、前記軸部材の回転に応じて転動する転動体と、前記転動体を少なくとも3箇所で支持する支持手段とを用いて、前記軸部材及び前記転動体の少なくともいずれか一方の疲労を把握するための疲労試験方法であって、
前記軸部材を前記装置本体に装着する軸部材装着工程と、
前記装置本体に装着される前記支持手段に、前記転動体を配置する転動体配置工程と、
前記軸部材と前記支持手段とによって前記転動体を挟持する試験体セット工程と、
前記軸部材と前記支持手段とによって前記転動体を挟持した状態で、前記軸部材を回転させる試験工程と、
を備える疲労試験方法。
【請求項10】
前記軸部材を前記装置本体に対して移動し再び装着する再試験工程を、
さらに備え、
前記試験体セット工程では、移動後の前記軸部材と前記支持手段とによって、前記転動体が再び挟持され、
前記試験工程では、移動後の前記軸部材と前記支持手段とによって前記転動体が挟持された状態で、前記軸部材が再び回転させられる、
請求項9に記載の疲労試験方法。
【請求項11】
前記試験工程では、移動前の前記軸部材が回転する回数と、移動後の前記軸部材が回転する回数とが異なるように、前記軸部材が回転させられる、
請求項10に記載の疲労試験方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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