発信者番号設定システム、発信者番号設定プログラム及び呼制御サーバ
【課題】例えばオペレータ等の発信者の属するグループに応じて発信者番号を指定することができるようにする。
【解決手段】本発明の発信者番号設定システムは、複数のグループと各グループの発信者番号とを対応付けた発信者番号管理テーブルを格納する発信者番号管理テーブル格納手段と、各端末の識別情報と各端末の属するグループとを対応付けた端末管理テーブルを格納する端末管理テーブル格納手段と、端末から発信要求の際、当該端末の識別情報に基づいて、端末管理テーブルから当該端末の属するグループを検索するグループ検索手段と、発信者番号管理テーブルを参照して、グループ検索手段が検索したグループの発信者番号を検索する発信者番号検索手段と、発信者番号検索手段により検索された発信者番号を呼制御情報に設定して発信先に通知する通信制御手段とを備えることを特徴とする。
【解決手段】本発明の発信者番号設定システムは、複数のグループと各グループの発信者番号とを対応付けた発信者番号管理テーブルを格納する発信者番号管理テーブル格納手段と、各端末の識別情報と各端末の属するグループとを対応付けた端末管理テーブルを格納する端末管理テーブル格納手段と、端末から発信要求の際、当該端末の識別情報に基づいて、端末管理テーブルから当該端末の属するグループを検索するグループ検索手段と、発信者番号管理テーブルを参照して、グループ検索手段が検索したグループの発信者番号を検索する発信者番号検索手段と、発信者番号検索手段により検索された発信者番号を呼制御情報に設定して発信先に通知する通信制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発信者番号設定システム、発信者番号設定プログラム及び呼制御サーバに関し、例えば、外線発信時に、発信者番号の設定を行う発信者番号設定システムやサーバに適用し得るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、発信元端末の発信者番号を発信先の端末に表示させる発信者番号通知サービスがある。発信者番号通知サービスは、例えば、一般家庭や企業や企業のコールセンタなどにおいて広く利用されている。
【0003】
例えば、コールセンタでは、オペレータから顧客へ発信する際に、実際に使用する回線の電話番号とは異なる電話番号を発信者番号として発信することが行われている。
【0004】
これは、コールセンタによっては、複数の作業分担が決められており、複数の作業グループで回線を共用することがある。この場合、その作業グループ毎に電話番号(発信者番号)を変えて利用したいという要望があるからである。
【0005】
特許文献1には、複数の端末毎に異なる発信者番号識別情報を設定し、電子交換機が、この発信者番号識別情報に対応する発信者番号を付与して発信先に通知する技術が記載されている(段落0009等)。
【0006】
また、特許文献2には、SIPサーバが各キャリアから取得した代表番号を設定しておき、各キャリア通信網への発信する際に、SIPサーバが、その代表番号を発信者番号として発信先に通知する技術が記載されている(段落0007等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平6−284197号公報
【特許文献2】特開2006−109110号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、例えば、オペレータが複数の作業グループに属している場合、それぞれの作業グループの発信者番号を使い分けるようにすることが要求されている。また例えば、担当する作業グループを週毎や月毎等で変更するシステムを採用している場合には、オペレータの担当する作業グループの変更管理を柔軟に行うことが望まれている。さらに、オペレータによる発信者番号の使い分けについては、オペレータの指定を手作業で行う場合のほか、自動的に発信者番号を指定できるようにすることが望ましい。
【0009】
しかしながら、上述した特許文献1の記載技術の場合、発信者番号識別情報は、例えば部や課で設定されているものであり、発信者(例えばオペレータ等)が選択することができるものではない。
【0010】
また、上述した特許文献2の記載技術の場合、各キャリアから取得した電話番号を発信者番号とするものであり、発信先のキャリア網によって発信者番号が異なり、発信者(例えばオペレータ等)が選択することができるものではない。
【0011】
そのため、発信者(例えばオペレータ等)の属するグループに応じて、発信者が発信先に通知する発信者番号を指定することができる発信者番号設定システム、発信者番号設定プログラム及び呼制御サーバが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
かかる課題を解決するために、第1の本発明の発信者番号設定システムは、端末が属するグループ毎の発信者番号の設定を行う発信者番号設定システムにおいて、(1)複数のグループと各グループの発信者番号とを対応付けた発信者番号管理テーブルを格納する発信者番号管理テーブル格納手段と、(2)各端末の識別情報と各端末の属するグループとを対応付けた端末管理テーブルを格納する端末管理テーブル格納手段と、(3)端末から発信要求の際、当該端末の識別情報に基づいて、端末管理テーブルから当該端末の属するグループを検索するグループ検索手段と、(4)発信者番号管理テーブルを参照して、グループ検索手段が検索したグループの発信者番号を検索する発信者番号検索手段と、(5)発信者番号検索手段により検索された発信者番号を呼制御情報に設定して発信先に通知する通信制御手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
第2の本発明の発信者番号設定方法は、端末が属するグループ毎の発信者番号の設定を行う発信者番号設定プログラムにおいて、複数のグループと各グループの発信者番号とを対応付けた発信者番号管理テーブルを格納する発信者番号管理テーブル格納手段と、各端末の識別情報と各端末の属するグループとを対応付けた端末管理テーブルを格納する端末管理テーブル格納手段と、端末から発信要求の際、当該端末の識別情報に基づいて、端末管理テーブルから当該端末の属するグループを検索するグループ検索手段とを備えるコンピュータを、(1)発信者番号管理テーブルを参照して、グループ検索手段が検索したグループの発信者番号を検索する発信者番号検索手段、(2)発信者番号検索手段により検索された発信者番号を呼制御情報に設定して発信先に通知する通信制御手段として機能させることを特徴とする。
【0014】
第3の本発明の呼制御サーバは、独自の通信網と公衆網とに接続し、上記通信網を介して収容する端末の呼制御を行う呼制御サーバにおいて、(1)複数のグループと各グループの発信者番号とを対応付けた発信者番号管理テーブルを格納する発信者番号管理テーブル格納手段と、(2)各端末の識別情報と各端末の属するグループとを対応付けた端末管理テーブルを格納する端末管理テーブル格納手段と、(3)端末から発信要求の際、当該端末の識別情報に基づいて、端末管理テーブルから当該端末の属するグループを検索するグループ検索手段と、(4)発信者番号管理テーブルを参照して、グループ検索手段が検索したグループの発信者番号を検索する発信者番号検索手段と、(5)発信者番号検索手段により検索された発信者番号を呼制御情報に設定して発信先に通知する通信制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、発信者(例えばオペレータ等)の属するグループに応じて、発信者が発信先に通知する発信者番号を指定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1の実施形態の発信者番号設定システムの構成を示す構成図である。
【図2】第1の実施形態の通信処理部の内部機能を示すブロック図である。
【図3】第1の実施形態の発信者番号設定処理を示すフローチャートである。
【図4】第1の実施形態の発信者番号設定処理を説明する説明図である。
【図5】第2の実施形態の発信者番号設定システムの構成を示す構成図である。
【図6】第2の実施形態に係る各テーブルの構成を説明する説明図である。
【図7】第2の実施形態の通信処理部の内部機能を示すブロック図である。
【図8】第2の実施形態の発信者番号設定処理を示すフローチャートである。
【図9】第2の実施形態の端末作業管理テーブル作成処理を説明する説明図である。
【図10】第2の実施形態の発信者番号設定処理を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(A)第1の実施形態
以下では、本発明の発信者番号設定システム、発信者番号設定プログラム及び呼制御サーバの第1の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0018】
第1の実施形態では、例えばコールセンタにおける呼制御サーバに本発明を適用したときの実施形態を例示して説明する。特に、複数の作業グループが分担されており、複数の作業グループが回線を共用するような場合に、オペレータが担当する作業グループの発信者番号を設定して発信先に送信する場合を例示する。
【0019】
(A−1)第1の実施形態の構成
図1は、第1の実施形態の発信者番号設定システム10Aの構成を示す構成図である。図1において、発信者番号設定システム10Aは、LAN2に接続するIP電話機1と、公衆網6に接続する電話機7と、LAN2と公衆網6とに接続する呼制御サーバ3とを少なくとも有して構成される。
【0020】
呼制御サーバ3は、LAN2と公衆網6とに接続し、LAN2を介して収容するIP電話機1の呼制御を行うサーバである。なお、第1の実施形態において、呼制御方式は種々の方式を広く適用することができ、例えば、SIP(Session Initiation Protocol)やITU−TのH.323等を利用した方式を適用することができる。
【0021】
呼制御サーバ3は、IP電話機1から呼接続要求を受け取ると、このIP電話機1の識別情報(例えばIPアドレス等)から作業グループを特定し、この作業グループに割り当てられている発信者番号を設定して発信先に通知するものである。
【0022】
呼制御サーバ3は、図1に示すように内部構成として、公衆網インターフェース部31、LANインターフェース部32、通信処理部33、端末作業管理テーブル格納部34、発信者番号管理テーブル格納部35を少なくとも有する。
【0023】
公衆網インターフェース部31は、公衆網6との接続インターフェースである。また、LANインターフェース部32は、LAN2との接続インターフェースである。
【0024】
発信者番号管理テーブル格納部35は、複数の作業グループのそれぞれに対して割り当てた発信者番号を管理する発信者番号管理テーブル5を格納するものである。ここで、図1に、発信者番号管理テーブル5の構成例を例示する。図1に示すように、発信者番号管理テーブル5は、作業グループと発信者番号とを項目とし、作業グループとそれに割り当てた発信者番号とを対応付けたテーブルである。例えば、図1に示す発信者番号管理テーブル5において、「グループ1」には「xxxx」の発信者番号が割り当てられている。
【0025】
端末作業管理テーブル格納部34は、オペレータが利用するIP電話機1の識別情報と当該オペレータの属する作業グループとを対応付けた端末作業管理テーブル4を格納するものである。ここで、図1に、端末作業管理テーブル4の構成例を例示する。図1に示すように、端末作業管理テーブル4は、IP電話機1のIPアドレスと、作業グループとを対応付けたテーブルである。例えば、図1に示す端末作業管理テーブル4において、IPアドレス「192.168.1.1」、「192.168.1.2」には、「グループ1」の作業グループが対応付けられているが、これは、IPアドレス「192.168.1.1」、「192.168.1.2」のIP電話機1を利用するオペレータが、作業グループ「グループ1」の作業を担当していることを示す。
【0026】
通信処理部33は、LAN2を介して収容するIP電話機1の呼処理を行うものである。図2は、通信処理部33の内部機能を示すブロック図である。図2において、通信処理部33は、作業グループ検索部331、発信者番号検索部332、呼制御部333を有する。
【0027】
作業グループ検索部331は、端末作業管理テーブル4を参照して、呼接続要求してきたIP電話機1の識別情報(IPアドレス)に対応付けられている作業グループを検索するものである。
【0028】
発信者番号検索部332は、作業グループ検索部331が検索した作業グループの発信者番号を、発信者番号管理テーブル5から検索するものである。
【0029】
呼制御部333は、収容するIP電話機1の呼制御を行うものであり、IP電話機1から呼接続要求を受信すると、その呼接続要求により要求する接続先との呼制御を行うものである。呼制御部333が行う呼制御方式は、上述したように広く適用することができ、例えばSIPやITU−TのH.323などを適用できる。
【0030】
また、呼制御部333は、IP電話機1から呼接続要求を受信した場合には、発信者番号検索部332により検索された発信者番号を呼接続要求メッセージに付与して、発信先(接続要求先)に対して送信するものである。
【0031】
IP電話機1は、オペレータが利用する電話端末であり、LAN2を介して呼制御サーバ3と接続し、呼制御サーバ3の呼制御を受けて公衆網6の電話機7と通話を行う電話端末である。IP電話機は、通信プロトコルをIP(インターネットプロトコル)として通話機能を実現するIP電話機であり、例えば、固定型の電話端末、携帯型の電話端末、いわゆるソフトフォンのようにソフトウェア処理により電話機能を実現するパーソナルコンピュータ(PC)等が該当する。なお、図1では、1台のみにしか示していないが、多数台のIP電話機1がLAN2に接続されている。
【0032】
また、IP電話機1は、図1に示すように、LANインターフェース部11、通信処理部12を少なくとも有して構成される。LANインターフェース部11は、LAN2と接続するための接続インターフェースである。通信処理部12は、呼制御サーバ3との間で呼処理を行う処理手段である。
【0033】
電話機7は、公衆網7に接続する電話機であり、外線網の電話端末である。電話機7は、図1に示すように、公衆網6と接続する公衆網インターフェース部71、呼処理を行う通信処理部72を有して構成される。
【0034】
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、第1の実施形態の発信者番号設定システム100Aの処理の動作について図面を参照しながら説明する。
【0035】
図3は、第1の実施形態の呼制御サーバ3における処理を行う動作を示すフローチャートである。また、図4は、第1の実施形態の発信者番号設定システム100Aの動作を説明する説明図である。
【0036】
図4では、3台のIP電話機1−1〜1−3が呼制御サーバ3に接続する場合を例示する。IP電話機1−1〜1−3のIPアドレスは、IP電話機1−1が「192.168.1.1」であり、IP電話機1−2が「192.168.1.2」であり、IP電話機1−3が「192.168.1.3」であるとする。
【0037】
呼制御サーバ3において、発信者番号管理テーブル5は、予め設定されているものであり、発信者番号管理テーブル格納部35に格納されている。
【0038】
まず、オペレータが自身の担当する作業グループを指定する際、オペレータはIP電話機1を操作して、自身が担当する作業グループを選択する。IP電話機1は、作業グループを示す識別情報をメッセージに記載して、作業グループを指定したメッセージを作成する。そして、IP電話機1は、その作業グループを作成したメッセージをLAN2を介して呼制御サーバ3に送信する。
【0039】
ここで、例えば、SIPを利用してIP電話機1がオペレータの作業グループの指定を行う際、IP電話機1は、作業グループ登録メッセージ(例えばRESISTERなど)にオペレータが指定した作業グループの識別情報を記載して呼制御サーバ3に送信する。
【0040】
呼制御サーバ3がIP電話機1からメッセージを受信すると(図3のステップS201)、通信処理部33は、当該受信メッセージが発信要求のメッセージであるか否かを判断する(図3のステップS202)。
【0041】
この場合、発信要求のメッセージではなく、作業グループ登録メッセージであるから、通信処理部33は、当該受信メッセージの発信元のIPアドレスと、当該受信メッセージに記載されている作業グループの識別情報とを対応付けて端末作業管理テーブル4を作成して、端末作業管理テーブル格納部34に格納する(図3のステップS203)。
【0042】
例えば、IP電話機1−1のオペレータが作業グループ「グループ1」であることを指定した場合、通信処理部33は、受信メッセージに基づいて、IPアドレス「192.168.1.1」が作業グループ「グループ1」であることを示す端末作業管理テーブル4を作成して、端末作業管理テーブル格納部34に格納する。同様にして、通信処理部33は、IP電話機1−2、1−3についても、IPアドレス「192.168.1.2」が作業グループ「グループ1」IPアドレス「192.168.1.3」が作業グループ「グループ2」とする端末作業管理テーブル4を作成する。
【0043】
次に、オペレータが公衆網6上の発信先に対して発信する際に、オペレータがIP電話機1を用いて発呼操作を行うと、IP電話機1は呼制御サーバ3に対して呼接続要求(発信要求)のメッセージを送信する。例えば、呼接続要求のメッセージとしては、INVITEなどが該当する。
【0044】
呼制御サーバ3が、IP電話機1からの呼接続要求のメッセージを受信すると(図3のステップS201)、呼制御サーバ3の通信処理部33が、当該受信メッセージが発信要求のメッセージか否かを判断する(図3のステップS202)。
【0045】
この場合、発信要求のメッセージであるから、通信処理部33は、端末作業管理テーブル4を参照して、当該受信メッセージの送信元のIPアドレスに対応する作業グループを検索して取得する(図3のステップS204)。
【0046】
次に、通信処理部33が、発信者番号管理テーブル5を参照して、検索した作業グループに対応する発信者番号を検索して取得する(図3のステップS205)。
【0047】
そして、通信処理部33が、作業グループの発信者番号を取得すると、この発信者番号をメッセージに記載し、発信者番号を記載したメッセージを公衆網6に送信する(図3のステップS206)。これにより、発信先の電話機7は、受信したメッセージに記載されている発信者番号を知ることができ、これを電話機7の表示部上に表示したり格納部に格納したりすることができる。
【0048】
例えば、IP電話機1−1のオペレータが、公衆網6上の電話機7に対して発信する場合を例示する。この場合、IP電話機1−1から発信要求のメッセージが呼制御サーバ3に与えられると、呼制御サーバ3の通信処理部33は、メッセージの送信元のIPアドレスが「192.168.1.1」であるから、端末作業管理テーブル4を参照して、当該IP電話機1−1を利用するオペレータの作業グループが「グループ1」であることを検索する。
【0049】
そして、呼制御サーバ33の通信処理部33は、発信者番号管理テーブル5を参照して、当該グループ1の発信者番号が「XXXX」であることを取得すると、この「XXXX」を発信者番号としてメッセージに記載して発信先に送信する。
【0050】
なお、呼制御サーバ3の通信処理部33は、例えば、発信者番号をINVITEメッセージのFromヘッダ等に記載して送信する。
【0051】
(A−3)第1の実施形態の効果
上記のように、第1の実施形態によれば、オペレータがIP電話機1を用いて呼制御サーバ3に対して自身の担当する作業グループを簡単に指定することができ、さらにオペレータが発信する際に、オペレータが望んだ作業グループの発信者番号を発信先に通知することができる。
【0052】
(B)第2の実施形態
次に、本発明の発信者番号設定システム、発信者番号設定プログラム及び呼制御サーバの第2の実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0053】
第2の実施形態が、第1の実施形態と異なる点は、呼制御サーバ3が端末作業管理テーブル4を生成する方法である。
【0054】
(B−1)第2の実施形態の構成
図5は、第2の実施形態の発信者番号設定システム10Bの構成を示す構成図である。図5において、発信者番号設定システム10Bは、LAN2に接続するオペレータ端末9(9−1、9−2)と、公衆網6に接続する電話機7と、LAN2と公衆網6とに接続する呼制御サーバ3とを少なくとも有して構成される。
【0055】
オペレータ端末9(9−1及び9−2)は、オペレータが利用する端末である。一般にオペレータは、電話端末だけでなく、パーソナルコンピュータ(PC)も操作しながら顧客への対応を行う。そこで、第2の実施形態では、オペレータが利用する1又は複数の端末をオペレータ端末9と呼ぶ。
【0056】
オペレータ端末9(9−1及び9−2)は、IP電話機1(1−1及び1−2)と、PC8(8−1及び8−2)から構成される。ここで、IP電話機1は、LANインターフェース部11、通信処理部12を備え、第1の実施形態で説明した電話端末が該当し、例えば、固定型の電話端末、携帯型の電話端末等が該当する。また、PC8は、LANインターフェース部81、通信処理部82を備え、例えばデスクトップ型、ノード型などのパーソナルコンピュータが該当する。なお、IP電話機1がいわゆるソフトフォンに該当する場合には、IP電話機1はPC8の機能の一部として動作する。
【0057】
IP電話機1とPC8とは、それぞれ異なるLANインターフェース部11、81を備えており、各LANインターフェース部11、81には、それぞれ異なるIPアドレスが割り当てられている。
【0058】
呼制御サーバ3は、オペレータ端末8を管理するものである。すなわち、呼制御サーバ3は、第1の実施形態と同様にして、LAN2を介してIP電話機1と接続し、収容するIP電話機1のIP電話機能を備える。さらに、呼制御サーバ3は、LAN2を介してPC8と接続して、コールセンタに求められる各種機能を実現するものである。このコールセンタに求められる各種機能としては、種々の機能を設定することができ、例えば、着信時の自動音声応答機能や、着信時にオペレータのPC8の画面に電話着信を表示する機能や、オペレータのリポートを管理する機能や、通話の録音や保存等がある。
【0059】
さらに呼制御サーバ3は、図5に示すように、第1の実施形態で説明した内部構成に加えて、オペレータ端末連携管理テーブル36、PCログイン管理テーブル37、コールグループ管理テーブル格納部38を有する。また、通信処理部33に代えて通信処理部39を備える。
【0060】
オペレータ端末連携管理テーブル格納部36は、オペレータ端末8としてのIP電話機1とPC8との関係を示すオペレータ端末連携管理テーブル21を格納するものである。ここで、図6(A)は、オペレータ端末連携管理テーブル21の構成例を例示する。図6(A)において、オペレータ端末連携管理テーブル21は、IP電話機1に割り当てられているIPアドレスと、PC8に割り当てられているIPアドレスとを対応付けたテーブルである。例えば、図6(A)において、IP電話機1のIPアドレス「192.168.1.1」とPC8のIPアドレス「192.168.1.11」とが対応付けられている。これは、オペレータがオペレータ端末8として利用するIP電話機1とPC8との対応関係を記述したものである。オペレータ端末連携管理テーブル21は、例えば予め設定しておくことができる。
【0061】
PCログイン管理テーブル格納部37は、オペレータとオペレータが利用するPC8との関係を示すPCログイン管理テーブル22を格納するものである。ここで、図6(B)は、PCログイン管理テーブル22の構成例を例示する。図6(B)において、PCログイン管理テーブル22は、PC8のIPアドレスと、オペレータの識別情報(例えばID番号等)とを対応付けたテーブルである。例えば、図6(B)において、PC8のIPアドレス「192.168.1.11」とオペレータID「○○○」とが対応付けられており、この場合、IPアドレス「192.168.1.11」とするPC8を利用するオペレータは「○○○」であることを示す。
【0062】
コールグループ管理テーブル格納部38は、オペレータの担当する作業グループを管理するコールグループ管理テーブル23を格納するものである。ここで、図6(C)は、コールグループ管理テーブル23の構成例を例示する。図6(C)において、コールグループ管理テーブル23は、オペレータの識別情報(例えばID番号など)と、作業グループの識別情報とを対応付けたテーブルである。例えば、図6(C)において、オペレータID「○○○」と作業グループ「グループ1」とが対応付けられており、これは、オペレータ「○○○」のオペレータが作業グループ「グループ1」に属していることを示す。
【0063】
図7は、第2の実施形態の通信処理部39の内部機能を示すブロック図である。図7に示すように、第2の実施形態の通信処理部39は、第1の実施形態の通信処理部33の機能の他に、端末作業管理テーブル作成部334を更に有する。
【0064】
端末作業管理テーブル作成部334は、LAN2を介して受信するメッセージに記載されている情報に基づいて、PCログイン管理テーブル22やコールグループ管理テーブル23を作成し、それぞれ作成したPCログイン管理テーブル22、コールグループ管理テーブル23テーブルをPCログイン管理テーブル格納部37、コールグループ管理テーブル格納部38に格納するものである。
【0065】
また、端末作業管理テーブル作成部334は、オペレータ端末連携管理テーブル21、PCログイン管理テーブル22、コールグループ管理テーブル23に記載されている情報に基づいて、オペレータが利用するIP電話機1と作業グループとの関係を導き、端末作業管理テーブル4を作成するものである。なお、端末作業管理テーブル4の作成方法については、動作の項において詳細に説明する。
【0066】
(B−2)第2の実施形態の動作
次に、第2の実施形態の呼制御サーバ3における処理の動作を図面を参照しながら説明する。
【0067】
図8は、第2の実施形態の呼制御サーバ3における処理の動作を示すフローチャートである。また、図9は、第2の実施形態の端末作業管理テーブル4の作成方法を説明する説明図である。さらに、図10は、第2の実施形態の発信者番号設定システム100Bの動作を説明する説明図である。
【0068】
呼制御サーバ3において、発信者番号管理テーブル5は、第1の実施形態と同様に、予め設定されているものであり、発信者番号管理テーブル格納部35に格納されている。また、オペレータ端末連携管理テーブル21も、各オペレータ毎に予め設定されており、オペレータ端末連携管理テーブル格納部36に格納されている(ステップS301)。
【0069】
呼制御サーバ3は、LAN2を介してオペレータ端末9からメッセージを受信すると(ステップS201)、その受信したメッセージが発信要求のメッセージか否かを判断する(ステップS202)。
【0070】
受信したメッセージが発信要求のメッセージでない場合、呼制御サーバ3の通信処理部39は、(a)IPアドレス(PC)に対応するオペレータID、(b)オペレータIDに対応する作業グループのいずれかのデータがメッセージに記載されているか否かを判断する(ステップS302)。
【0071】
ステップS302において、IPアドレス(PC)に対応するオペレータIDが記載されたデータを受信した場合、ステップS303に移行し、通信処理部39は、PC8のIPアドレスとオペレータIDとを対応付けてPCログイン管理テーブル22を作成する(ステップS303)。
【0072】
例えば、オペレータが自身のPC8−1を操作してログインする場合、オペレータが自身のオペレータ識別情報を入力して、PC8−1がそのデータを呼制御サーバ3に送信する。このとき、呼制御サーバ3の通信処理部39は、図9(b)に示すように、当該受信データの送信元のPC8−1のIPアドレス「192.168.1.11」と、当該受信データに含まれているオペレータID「○○○」とを対応付けて、PCログイン管理テーブル22を作成する。
【0073】
また、ステップS302において、オペレータIDに対応する作業グループが記載されたデータを受信した場合、ステップS304に移行し、通信処理部39は、オペレータIDと作業グループの識別情報とを対応付けてコールグループ管理テーブル23を作成する(ステップS304)。
【0074】
例えば、オペレータの担当する作業グループが決まった場合、オペレータが自身のPC8−1を操作して担当する作業グループの識別情報「グループ1」とオペレータID「○○○」とを入力して、PC8がそのデータを呼制御サーバ3に送信する。このとき、通信処理部39は、図9(c)に示すように、当該受信データに含まれているオペレータID「○○○」と作業グループの識別情報「グループ1」とを対応付けてコールグループ管理テーブル23を作成する。
【0075】
なお、コールグループ管理テーブル23の作成について、上記のようにして呼制御サーバ3が各オペレータのPC8から受信したデータに基づいて作成しても良いし、別の方法として、例えば作業グループの担当を決定する管理者のPC8から受信したデータに基づくコールグループ管理テーブル23を作成するようにしても良い。すなわち、管理者が各オペレータの作業グループを決定する場合には、管理者が作業グループに属するオペレータIDの入力を行い、その情報を呼制御サーバ3に送信する。これにより、通信処理部39は、作業グループに属する複数のオペレータIDを作業グループ毎に受信することができるので、このデータからコールグループ管理テーブル23を作成するようにしても良い。なお、管理者は、作業グループ毎の管理者であっても良いし、全ての作業グループを決定する管理者であっても良い。
【0076】
次に、通信処理部39は、オペレータ端末連携管理テーブル21、PCログイン管理テーブル22及びコールグループ管理テーブル23に保存されている情報を確認し、各データ欄が保存されているか否かを判断する(ステップS305)。
【0077】
そして、オペレータ端末連携管理テーブル21、PCログイン管理テーブル22及びコールグループ管理テーブル23の各データ欄にデータが保存されている場合、通信処理部39は、オペレータ端末連携管理テーブル21、PCログイン管理テーブル22及びコールグループ管理テーブル23の情報を用いて、端末作業管理テーブル4を作成する(ステップS306)。
【0078】
例えば、図6(A)に示すように、オペレータ端末連携管理テーブル21が予め設定されているものとする。また、ステップS303及びステップS304の処理により、図6(B)及び図6(C)に示すPCログイン管理テーブル22及びコールグループ管理テーブル23が作成されたものとする。
【0079】
例えば、IPアドレス「192.168.1.1」のIP電話機1−1に対応する作業グループのデータを取得する場合を例示する。
【0080】
まず、呼制御サーバ3の通信処理部39は、図9(a)に示すように、オペレータ端末連携管理テーブル21からIPアドレス「192.168.1.1」のIP電話機1−1を用いるオペレータのPC8−1のIPアドレス「192.168.1.11」を取得する。
【0081】
次に、通信処理部39は、図9(b)に示すように、PCログイン管理テーブル22を参照して、当該PC8−1「192.168.1.11」を利用するオペレータID「○○○」を取得する。さらに、図9(c)に示すように、コールグループ管理テーブル23を参照して、当該オペレータID「○○○」に対応する作業グループ「グループ1」を取得する。
【0082】
このような処理を行うことで、通信処理部39は、図9(d)に示すように、当該IP電話機8−1のオペレータの属する作業グループ「グループ1」を取得することができるので、図9(e)に示すように、このIP電話機8−1のIPアドレス「192.168.1.1」と作業グループ「グループ1」とを対応付けて端末作業管理テーブル4を作成する。
【0083】
このようにして、端末作業管理テーブル4を作成することができる。また、発信者番号の設定処理については、ステップS202に戻り、第1の実施形態と同様にして行なわれる。
【0084】
その結果、図10に示すように、作業グループ「グループ1」に属するオペレータのオペレータ端末9−1が、公衆網6上の電話機7に発信する場合には、グループ1の発信者番号「XXXX」を設定して通知し、作業グループ「グループ2」に属するオペレータのオペレータ端末9−2が、公衆網6上の電話機7に発信する場合には、グループ2の発信者番号「YYYY」を設定して通知する。
【0085】
(B−3)第2の実施形態の効果
上記のように、第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得られると共に、オペレータが、IP電話機1とPC8とをオペレータ端末として利用するような場合に、オペレータ端末連携管理テーブル21、PCログイン管理テーブル22及びコールグループ管理テーブル23の情報を用いて、端末作業管理テーブル4を作成することができる。
【0086】
(C)他の実施形態
上述した第2の実施形態において、PCログイン管理テーブルとコールグループ管理テーブルとをそれぞれ異なるテーブルとした場合を例示したが、これら2個の管理テーブルを1個の管理テーブルに集約するようにしてもよい。
【0087】
上述した第1及び第2の実施形態において、呼制御サーバは、上述した処理をソフトウェア処理によりに実現するものである。例えば、呼制御サーバのハードウェア構成は、通常のサーバと同様に、CPU、ROM、RAM、EEPROM等を有しており、CPUが、ROMに格納される処理プログラムをRAMに読み出し実行することにより実現される。
【符号の説明】
【0088】
10A、10B…発信者番号設定システム、1…IP電話機、2…LAN、3…呼制御サーバ、6…公衆網、7…電話機、4…端末作業管理テーブル、
5…発信者番号管理テーブル、21…オペレータ端末連携管理テーブル、
22…PCログイン管理テーブル、23…コールグループ管理テーブル、
31…公衆網インターフェース部、32…LANインターフェース部、
33、39…通信処理部、34…端末作業管理テーブル格納部、
35…発信者番号管理テーブル格納部、36…オペレータ端末連携管理テーブル格納部、
37…PCログイン管理テーブル格納部、38…コールグループ管理テーブル格納部、
331…作業グループ検索部、332…発信者番号検索部、333…呼制御部、
334…端末作業管理テーブル作成部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、発信者番号設定システム、発信者番号設定プログラム及び呼制御サーバに関し、例えば、外線発信時に、発信者番号の設定を行う発信者番号設定システムやサーバに適用し得るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、発信元端末の発信者番号を発信先の端末に表示させる発信者番号通知サービスがある。発信者番号通知サービスは、例えば、一般家庭や企業や企業のコールセンタなどにおいて広く利用されている。
【0003】
例えば、コールセンタでは、オペレータから顧客へ発信する際に、実際に使用する回線の電話番号とは異なる電話番号を発信者番号として発信することが行われている。
【0004】
これは、コールセンタによっては、複数の作業分担が決められており、複数の作業グループで回線を共用することがある。この場合、その作業グループ毎に電話番号(発信者番号)を変えて利用したいという要望があるからである。
【0005】
特許文献1には、複数の端末毎に異なる発信者番号識別情報を設定し、電子交換機が、この発信者番号識別情報に対応する発信者番号を付与して発信先に通知する技術が記載されている(段落0009等)。
【0006】
また、特許文献2には、SIPサーバが各キャリアから取得した代表番号を設定しておき、各キャリア通信網への発信する際に、SIPサーバが、その代表番号を発信者番号として発信先に通知する技術が記載されている(段落0007等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平6−284197号公報
【特許文献2】特開2006−109110号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、例えば、オペレータが複数の作業グループに属している場合、それぞれの作業グループの発信者番号を使い分けるようにすることが要求されている。また例えば、担当する作業グループを週毎や月毎等で変更するシステムを採用している場合には、オペレータの担当する作業グループの変更管理を柔軟に行うことが望まれている。さらに、オペレータによる発信者番号の使い分けについては、オペレータの指定を手作業で行う場合のほか、自動的に発信者番号を指定できるようにすることが望ましい。
【0009】
しかしながら、上述した特許文献1の記載技術の場合、発信者番号識別情報は、例えば部や課で設定されているものであり、発信者(例えばオペレータ等)が選択することができるものではない。
【0010】
また、上述した特許文献2の記載技術の場合、各キャリアから取得した電話番号を発信者番号とするものであり、発信先のキャリア網によって発信者番号が異なり、発信者(例えばオペレータ等)が選択することができるものではない。
【0011】
そのため、発信者(例えばオペレータ等)の属するグループに応じて、発信者が発信先に通知する発信者番号を指定することができる発信者番号設定システム、発信者番号設定プログラム及び呼制御サーバが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
かかる課題を解決するために、第1の本発明の発信者番号設定システムは、端末が属するグループ毎の発信者番号の設定を行う発信者番号設定システムにおいて、(1)複数のグループと各グループの発信者番号とを対応付けた発信者番号管理テーブルを格納する発信者番号管理テーブル格納手段と、(2)各端末の識別情報と各端末の属するグループとを対応付けた端末管理テーブルを格納する端末管理テーブル格納手段と、(3)端末から発信要求の際、当該端末の識別情報に基づいて、端末管理テーブルから当該端末の属するグループを検索するグループ検索手段と、(4)発信者番号管理テーブルを参照して、グループ検索手段が検索したグループの発信者番号を検索する発信者番号検索手段と、(5)発信者番号検索手段により検索された発信者番号を呼制御情報に設定して発信先に通知する通信制御手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
第2の本発明の発信者番号設定方法は、端末が属するグループ毎の発信者番号の設定を行う発信者番号設定プログラムにおいて、複数のグループと各グループの発信者番号とを対応付けた発信者番号管理テーブルを格納する発信者番号管理テーブル格納手段と、各端末の識別情報と各端末の属するグループとを対応付けた端末管理テーブルを格納する端末管理テーブル格納手段と、端末から発信要求の際、当該端末の識別情報に基づいて、端末管理テーブルから当該端末の属するグループを検索するグループ検索手段とを備えるコンピュータを、(1)発信者番号管理テーブルを参照して、グループ検索手段が検索したグループの発信者番号を検索する発信者番号検索手段、(2)発信者番号検索手段により検索された発信者番号を呼制御情報に設定して発信先に通知する通信制御手段として機能させることを特徴とする。
【0014】
第3の本発明の呼制御サーバは、独自の通信網と公衆網とに接続し、上記通信網を介して収容する端末の呼制御を行う呼制御サーバにおいて、(1)複数のグループと各グループの発信者番号とを対応付けた発信者番号管理テーブルを格納する発信者番号管理テーブル格納手段と、(2)各端末の識別情報と各端末の属するグループとを対応付けた端末管理テーブルを格納する端末管理テーブル格納手段と、(3)端末から発信要求の際、当該端末の識別情報に基づいて、端末管理テーブルから当該端末の属するグループを検索するグループ検索手段と、(4)発信者番号管理テーブルを参照して、グループ検索手段が検索したグループの発信者番号を検索する発信者番号検索手段と、(5)発信者番号検索手段により検索された発信者番号を呼制御情報に設定して発信先に通知する通信制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、発信者(例えばオペレータ等)の属するグループに応じて、発信者が発信先に通知する発信者番号を指定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1の実施形態の発信者番号設定システムの構成を示す構成図である。
【図2】第1の実施形態の通信処理部の内部機能を示すブロック図である。
【図3】第1の実施形態の発信者番号設定処理を示すフローチャートである。
【図4】第1の実施形態の発信者番号設定処理を説明する説明図である。
【図5】第2の実施形態の発信者番号設定システムの構成を示す構成図である。
【図6】第2の実施形態に係る各テーブルの構成を説明する説明図である。
【図7】第2の実施形態の通信処理部の内部機能を示すブロック図である。
【図8】第2の実施形態の発信者番号設定処理を示すフローチャートである。
【図9】第2の実施形態の端末作業管理テーブル作成処理を説明する説明図である。
【図10】第2の実施形態の発信者番号設定処理を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(A)第1の実施形態
以下では、本発明の発信者番号設定システム、発信者番号設定プログラム及び呼制御サーバの第1の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0018】
第1の実施形態では、例えばコールセンタにおける呼制御サーバに本発明を適用したときの実施形態を例示して説明する。特に、複数の作業グループが分担されており、複数の作業グループが回線を共用するような場合に、オペレータが担当する作業グループの発信者番号を設定して発信先に送信する場合を例示する。
【0019】
(A−1)第1の実施形態の構成
図1は、第1の実施形態の発信者番号設定システム10Aの構成を示す構成図である。図1において、発信者番号設定システム10Aは、LAN2に接続するIP電話機1と、公衆網6に接続する電話機7と、LAN2と公衆網6とに接続する呼制御サーバ3とを少なくとも有して構成される。
【0020】
呼制御サーバ3は、LAN2と公衆網6とに接続し、LAN2を介して収容するIP電話機1の呼制御を行うサーバである。なお、第1の実施形態において、呼制御方式は種々の方式を広く適用することができ、例えば、SIP(Session Initiation Protocol)やITU−TのH.323等を利用した方式を適用することができる。
【0021】
呼制御サーバ3は、IP電話機1から呼接続要求を受け取ると、このIP電話機1の識別情報(例えばIPアドレス等)から作業グループを特定し、この作業グループに割り当てられている発信者番号を設定して発信先に通知するものである。
【0022】
呼制御サーバ3は、図1に示すように内部構成として、公衆網インターフェース部31、LANインターフェース部32、通信処理部33、端末作業管理テーブル格納部34、発信者番号管理テーブル格納部35を少なくとも有する。
【0023】
公衆網インターフェース部31は、公衆網6との接続インターフェースである。また、LANインターフェース部32は、LAN2との接続インターフェースである。
【0024】
発信者番号管理テーブル格納部35は、複数の作業グループのそれぞれに対して割り当てた発信者番号を管理する発信者番号管理テーブル5を格納するものである。ここで、図1に、発信者番号管理テーブル5の構成例を例示する。図1に示すように、発信者番号管理テーブル5は、作業グループと発信者番号とを項目とし、作業グループとそれに割り当てた発信者番号とを対応付けたテーブルである。例えば、図1に示す発信者番号管理テーブル5において、「グループ1」には「xxxx」の発信者番号が割り当てられている。
【0025】
端末作業管理テーブル格納部34は、オペレータが利用するIP電話機1の識別情報と当該オペレータの属する作業グループとを対応付けた端末作業管理テーブル4を格納するものである。ここで、図1に、端末作業管理テーブル4の構成例を例示する。図1に示すように、端末作業管理テーブル4は、IP電話機1のIPアドレスと、作業グループとを対応付けたテーブルである。例えば、図1に示す端末作業管理テーブル4において、IPアドレス「192.168.1.1」、「192.168.1.2」には、「グループ1」の作業グループが対応付けられているが、これは、IPアドレス「192.168.1.1」、「192.168.1.2」のIP電話機1を利用するオペレータが、作業グループ「グループ1」の作業を担当していることを示す。
【0026】
通信処理部33は、LAN2を介して収容するIP電話機1の呼処理を行うものである。図2は、通信処理部33の内部機能を示すブロック図である。図2において、通信処理部33は、作業グループ検索部331、発信者番号検索部332、呼制御部333を有する。
【0027】
作業グループ検索部331は、端末作業管理テーブル4を参照して、呼接続要求してきたIP電話機1の識別情報(IPアドレス)に対応付けられている作業グループを検索するものである。
【0028】
発信者番号検索部332は、作業グループ検索部331が検索した作業グループの発信者番号を、発信者番号管理テーブル5から検索するものである。
【0029】
呼制御部333は、収容するIP電話機1の呼制御を行うものであり、IP電話機1から呼接続要求を受信すると、その呼接続要求により要求する接続先との呼制御を行うものである。呼制御部333が行う呼制御方式は、上述したように広く適用することができ、例えばSIPやITU−TのH.323などを適用できる。
【0030】
また、呼制御部333は、IP電話機1から呼接続要求を受信した場合には、発信者番号検索部332により検索された発信者番号を呼接続要求メッセージに付与して、発信先(接続要求先)に対して送信するものである。
【0031】
IP電話機1は、オペレータが利用する電話端末であり、LAN2を介して呼制御サーバ3と接続し、呼制御サーバ3の呼制御を受けて公衆網6の電話機7と通話を行う電話端末である。IP電話機は、通信プロトコルをIP(インターネットプロトコル)として通話機能を実現するIP電話機であり、例えば、固定型の電話端末、携帯型の電話端末、いわゆるソフトフォンのようにソフトウェア処理により電話機能を実現するパーソナルコンピュータ(PC)等が該当する。なお、図1では、1台のみにしか示していないが、多数台のIP電話機1がLAN2に接続されている。
【0032】
また、IP電話機1は、図1に示すように、LANインターフェース部11、通信処理部12を少なくとも有して構成される。LANインターフェース部11は、LAN2と接続するための接続インターフェースである。通信処理部12は、呼制御サーバ3との間で呼処理を行う処理手段である。
【0033】
電話機7は、公衆網7に接続する電話機であり、外線網の電話端末である。電話機7は、図1に示すように、公衆網6と接続する公衆網インターフェース部71、呼処理を行う通信処理部72を有して構成される。
【0034】
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、第1の実施形態の発信者番号設定システム100Aの処理の動作について図面を参照しながら説明する。
【0035】
図3は、第1の実施形態の呼制御サーバ3における処理を行う動作を示すフローチャートである。また、図4は、第1の実施形態の発信者番号設定システム100Aの動作を説明する説明図である。
【0036】
図4では、3台のIP電話機1−1〜1−3が呼制御サーバ3に接続する場合を例示する。IP電話機1−1〜1−3のIPアドレスは、IP電話機1−1が「192.168.1.1」であり、IP電話機1−2が「192.168.1.2」であり、IP電話機1−3が「192.168.1.3」であるとする。
【0037】
呼制御サーバ3において、発信者番号管理テーブル5は、予め設定されているものであり、発信者番号管理テーブル格納部35に格納されている。
【0038】
まず、オペレータが自身の担当する作業グループを指定する際、オペレータはIP電話機1を操作して、自身が担当する作業グループを選択する。IP電話機1は、作業グループを示す識別情報をメッセージに記載して、作業グループを指定したメッセージを作成する。そして、IP電話機1は、その作業グループを作成したメッセージをLAN2を介して呼制御サーバ3に送信する。
【0039】
ここで、例えば、SIPを利用してIP電話機1がオペレータの作業グループの指定を行う際、IP電話機1は、作業グループ登録メッセージ(例えばRESISTERなど)にオペレータが指定した作業グループの識別情報を記載して呼制御サーバ3に送信する。
【0040】
呼制御サーバ3がIP電話機1からメッセージを受信すると(図3のステップS201)、通信処理部33は、当該受信メッセージが発信要求のメッセージであるか否かを判断する(図3のステップS202)。
【0041】
この場合、発信要求のメッセージではなく、作業グループ登録メッセージであるから、通信処理部33は、当該受信メッセージの発信元のIPアドレスと、当該受信メッセージに記載されている作業グループの識別情報とを対応付けて端末作業管理テーブル4を作成して、端末作業管理テーブル格納部34に格納する(図3のステップS203)。
【0042】
例えば、IP電話機1−1のオペレータが作業グループ「グループ1」であることを指定した場合、通信処理部33は、受信メッセージに基づいて、IPアドレス「192.168.1.1」が作業グループ「グループ1」であることを示す端末作業管理テーブル4を作成して、端末作業管理テーブル格納部34に格納する。同様にして、通信処理部33は、IP電話機1−2、1−3についても、IPアドレス「192.168.1.2」が作業グループ「グループ1」IPアドレス「192.168.1.3」が作業グループ「グループ2」とする端末作業管理テーブル4を作成する。
【0043】
次に、オペレータが公衆網6上の発信先に対して発信する際に、オペレータがIP電話機1を用いて発呼操作を行うと、IP電話機1は呼制御サーバ3に対して呼接続要求(発信要求)のメッセージを送信する。例えば、呼接続要求のメッセージとしては、INVITEなどが該当する。
【0044】
呼制御サーバ3が、IP電話機1からの呼接続要求のメッセージを受信すると(図3のステップS201)、呼制御サーバ3の通信処理部33が、当該受信メッセージが発信要求のメッセージか否かを判断する(図3のステップS202)。
【0045】
この場合、発信要求のメッセージであるから、通信処理部33は、端末作業管理テーブル4を参照して、当該受信メッセージの送信元のIPアドレスに対応する作業グループを検索して取得する(図3のステップS204)。
【0046】
次に、通信処理部33が、発信者番号管理テーブル5を参照して、検索した作業グループに対応する発信者番号を検索して取得する(図3のステップS205)。
【0047】
そして、通信処理部33が、作業グループの発信者番号を取得すると、この発信者番号をメッセージに記載し、発信者番号を記載したメッセージを公衆網6に送信する(図3のステップS206)。これにより、発信先の電話機7は、受信したメッセージに記載されている発信者番号を知ることができ、これを電話機7の表示部上に表示したり格納部に格納したりすることができる。
【0048】
例えば、IP電話機1−1のオペレータが、公衆網6上の電話機7に対して発信する場合を例示する。この場合、IP電話機1−1から発信要求のメッセージが呼制御サーバ3に与えられると、呼制御サーバ3の通信処理部33は、メッセージの送信元のIPアドレスが「192.168.1.1」であるから、端末作業管理テーブル4を参照して、当該IP電話機1−1を利用するオペレータの作業グループが「グループ1」であることを検索する。
【0049】
そして、呼制御サーバ33の通信処理部33は、発信者番号管理テーブル5を参照して、当該グループ1の発信者番号が「XXXX」であることを取得すると、この「XXXX」を発信者番号としてメッセージに記載して発信先に送信する。
【0050】
なお、呼制御サーバ3の通信処理部33は、例えば、発信者番号をINVITEメッセージのFromヘッダ等に記載して送信する。
【0051】
(A−3)第1の実施形態の効果
上記のように、第1の実施形態によれば、オペレータがIP電話機1を用いて呼制御サーバ3に対して自身の担当する作業グループを簡単に指定することができ、さらにオペレータが発信する際に、オペレータが望んだ作業グループの発信者番号を発信先に通知することができる。
【0052】
(B)第2の実施形態
次に、本発明の発信者番号設定システム、発信者番号設定プログラム及び呼制御サーバの第2の実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0053】
第2の実施形態が、第1の実施形態と異なる点は、呼制御サーバ3が端末作業管理テーブル4を生成する方法である。
【0054】
(B−1)第2の実施形態の構成
図5は、第2の実施形態の発信者番号設定システム10Bの構成を示す構成図である。図5において、発信者番号設定システム10Bは、LAN2に接続するオペレータ端末9(9−1、9−2)と、公衆網6に接続する電話機7と、LAN2と公衆網6とに接続する呼制御サーバ3とを少なくとも有して構成される。
【0055】
オペレータ端末9(9−1及び9−2)は、オペレータが利用する端末である。一般にオペレータは、電話端末だけでなく、パーソナルコンピュータ(PC)も操作しながら顧客への対応を行う。そこで、第2の実施形態では、オペレータが利用する1又は複数の端末をオペレータ端末9と呼ぶ。
【0056】
オペレータ端末9(9−1及び9−2)は、IP電話機1(1−1及び1−2)と、PC8(8−1及び8−2)から構成される。ここで、IP電話機1は、LANインターフェース部11、通信処理部12を備え、第1の実施形態で説明した電話端末が該当し、例えば、固定型の電話端末、携帯型の電話端末等が該当する。また、PC8は、LANインターフェース部81、通信処理部82を備え、例えばデスクトップ型、ノード型などのパーソナルコンピュータが該当する。なお、IP電話機1がいわゆるソフトフォンに該当する場合には、IP電話機1はPC8の機能の一部として動作する。
【0057】
IP電話機1とPC8とは、それぞれ異なるLANインターフェース部11、81を備えており、各LANインターフェース部11、81には、それぞれ異なるIPアドレスが割り当てられている。
【0058】
呼制御サーバ3は、オペレータ端末8を管理するものである。すなわち、呼制御サーバ3は、第1の実施形態と同様にして、LAN2を介してIP電話機1と接続し、収容するIP電話機1のIP電話機能を備える。さらに、呼制御サーバ3は、LAN2を介してPC8と接続して、コールセンタに求められる各種機能を実現するものである。このコールセンタに求められる各種機能としては、種々の機能を設定することができ、例えば、着信時の自動音声応答機能や、着信時にオペレータのPC8の画面に電話着信を表示する機能や、オペレータのリポートを管理する機能や、通話の録音や保存等がある。
【0059】
さらに呼制御サーバ3は、図5に示すように、第1の実施形態で説明した内部構成に加えて、オペレータ端末連携管理テーブル36、PCログイン管理テーブル37、コールグループ管理テーブル格納部38を有する。また、通信処理部33に代えて通信処理部39を備える。
【0060】
オペレータ端末連携管理テーブル格納部36は、オペレータ端末8としてのIP電話機1とPC8との関係を示すオペレータ端末連携管理テーブル21を格納するものである。ここで、図6(A)は、オペレータ端末連携管理テーブル21の構成例を例示する。図6(A)において、オペレータ端末連携管理テーブル21は、IP電話機1に割り当てられているIPアドレスと、PC8に割り当てられているIPアドレスとを対応付けたテーブルである。例えば、図6(A)において、IP電話機1のIPアドレス「192.168.1.1」とPC8のIPアドレス「192.168.1.11」とが対応付けられている。これは、オペレータがオペレータ端末8として利用するIP電話機1とPC8との対応関係を記述したものである。オペレータ端末連携管理テーブル21は、例えば予め設定しておくことができる。
【0061】
PCログイン管理テーブル格納部37は、オペレータとオペレータが利用するPC8との関係を示すPCログイン管理テーブル22を格納するものである。ここで、図6(B)は、PCログイン管理テーブル22の構成例を例示する。図6(B)において、PCログイン管理テーブル22は、PC8のIPアドレスと、オペレータの識別情報(例えばID番号等)とを対応付けたテーブルである。例えば、図6(B)において、PC8のIPアドレス「192.168.1.11」とオペレータID「○○○」とが対応付けられており、この場合、IPアドレス「192.168.1.11」とするPC8を利用するオペレータは「○○○」であることを示す。
【0062】
コールグループ管理テーブル格納部38は、オペレータの担当する作業グループを管理するコールグループ管理テーブル23を格納するものである。ここで、図6(C)は、コールグループ管理テーブル23の構成例を例示する。図6(C)において、コールグループ管理テーブル23は、オペレータの識別情報(例えばID番号など)と、作業グループの識別情報とを対応付けたテーブルである。例えば、図6(C)において、オペレータID「○○○」と作業グループ「グループ1」とが対応付けられており、これは、オペレータ「○○○」のオペレータが作業グループ「グループ1」に属していることを示す。
【0063】
図7は、第2の実施形態の通信処理部39の内部機能を示すブロック図である。図7に示すように、第2の実施形態の通信処理部39は、第1の実施形態の通信処理部33の機能の他に、端末作業管理テーブル作成部334を更に有する。
【0064】
端末作業管理テーブル作成部334は、LAN2を介して受信するメッセージに記載されている情報に基づいて、PCログイン管理テーブル22やコールグループ管理テーブル23を作成し、それぞれ作成したPCログイン管理テーブル22、コールグループ管理テーブル23テーブルをPCログイン管理テーブル格納部37、コールグループ管理テーブル格納部38に格納するものである。
【0065】
また、端末作業管理テーブル作成部334は、オペレータ端末連携管理テーブル21、PCログイン管理テーブル22、コールグループ管理テーブル23に記載されている情報に基づいて、オペレータが利用するIP電話機1と作業グループとの関係を導き、端末作業管理テーブル4を作成するものである。なお、端末作業管理テーブル4の作成方法については、動作の項において詳細に説明する。
【0066】
(B−2)第2の実施形態の動作
次に、第2の実施形態の呼制御サーバ3における処理の動作を図面を参照しながら説明する。
【0067】
図8は、第2の実施形態の呼制御サーバ3における処理の動作を示すフローチャートである。また、図9は、第2の実施形態の端末作業管理テーブル4の作成方法を説明する説明図である。さらに、図10は、第2の実施形態の発信者番号設定システム100Bの動作を説明する説明図である。
【0068】
呼制御サーバ3において、発信者番号管理テーブル5は、第1の実施形態と同様に、予め設定されているものであり、発信者番号管理テーブル格納部35に格納されている。また、オペレータ端末連携管理テーブル21も、各オペレータ毎に予め設定されており、オペレータ端末連携管理テーブル格納部36に格納されている(ステップS301)。
【0069】
呼制御サーバ3は、LAN2を介してオペレータ端末9からメッセージを受信すると(ステップS201)、その受信したメッセージが発信要求のメッセージか否かを判断する(ステップS202)。
【0070】
受信したメッセージが発信要求のメッセージでない場合、呼制御サーバ3の通信処理部39は、(a)IPアドレス(PC)に対応するオペレータID、(b)オペレータIDに対応する作業グループのいずれかのデータがメッセージに記載されているか否かを判断する(ステップS302)。
【0071】
ステップS302において、IPアドレス(PC)に対応するオペレータIDが記載されたデータを受信した場合、ステップS303に移行し、通信処理部39は、PC8のIPアドレスとオペレータIDとを対応付けてPCログイン管理テーブル22を作成する(ステップS303)。
【0072】
例えば、オペレータが自身のPC8−1を操作してログインする場合、オペレータが自身のオペレータ識別情報を入力して、PC8−1がそのデータを呼制御サーバ3に送信する。このとき、呼制御サーバ3の通信処理部39は、図9(b)に示すように、当該受信データの送信元のPC8−1のIPアドレス「192.168.1.11」と、当該受信データに含まれているオペレータID「○○○」とを対応付けて、PCログイン管理テーブル22を作成する。
【0073】
また、ステップS302において、オペレータIDに対応する作業グループが記載されたデータを受信した場合、ステップS304に移行し、通信処理部39は、オペレータIDと作業グループの識別情報とを対応付けてコールグループ管理テーブル23を作成する(ステップS304)。
【0074】
例えば、オペレータの担当する作業グループが決まった場合、オペレータが自身のPC8−1を操作して担当する作業グループの識別情報「グループ1」とオペレータID「○○○」とを入力して、PC8がそのデータを呼制御サーバ3に送信する。このとき、通信処理部39は、図9(c)に示すように、当該受信データに含まれているオペレータID「○○○」と作業グループの識別情報「グループ1」とを対応付けてコールグループ管理テーブル23を作成する。
【0075】
なお、コールグループ管理テーブル23の作成について、上記のようにして呼制御サーバ3が各オペレータのPC8から受信したデータに基づいて作成しても良いし、別の方法として、例えば作業グループの担当を決定する管理者のPC8から受信したデータに基づくコールグループ管理テーブル23を作成するようにしても良い。すなわち、管理者が各オペレータの作業グループを決定する場合には、管理者が作業グループに属するオペレータIDの入力を行い、その情報を呼制御サーバ3に送信する。これにより、通信処理部39は、作業グループに属する複数のオペレータIDを作業グループ毎に受信することができるので、このデータからコールグループ管理テーブル23を作成するようにしても良い。なお、管理者は、作業グループ毎の管理者であっても良いし、全ての作業グループを決定する管理者であっても良い。
【0076】
次に、通信処理部39は、オペレータ端末連携管理テーブル21、PCログイン管理テーブル22及びコールグループ管理テーブル23に保存されている情報を確認し、各データ欄が保存されているか否かを判断する(ステップS305)。
【0077】
そして、オペレータ端末連携管理テーブル21、PCログイン管理テーブル22及びコールグループ管理テーブル23の各データ欄にデータが保存されている場合、通信処理部39は、オペレータ端末連携管理テーブル21、PCログイン管理テーブル22及びコールグループ管理テーブル23の情報を用いて、端末作業管理テーブル4を作成する(ステップS306)。
【0078】
例えば、図6(A)に示すように、オペレータ端末連携管理テーブル21が予め設定されているものとする。また、ステップS303及びステップS304の処理により、図6(B)及び図6(C)に示すPCログイン管理テーブル22及びコールグループ管理テーブル23が作成されたものとする。
【0079】
例えば、IPアドレス「192.168.1.1」のIP電話機1−1に対応する作業グループのデータを取得する場合を例示する。
【0080】
まず、呼制御サーバ3の通信処理部39は、図9(a)に示すように、オペレータ端末連携管理テーブル21からIPアドレス「192.168.1.1」のIP電話機1−1を用いるオペレータのPC8−1のIPアドレス「192.168.1.11」を取得する。
【0081】
次に、通信処理部39は、図9(b)に示すように、PCログイン管理テーブル22を参照して、当該PC8−1「192.168.1.11」を利用するオペレータID「○○○」を取得する。さらに、図9(c)に示すように、コールグループ管理テーブル23を参照して、当該オペレータID「○○○」に対応する作業グループ「グループ1」を取得する。
【0082】
このような処理を行うことで、通信処理部39は、図9(d)に示すように、当該IP電話機8−1のオペレータの属する作業グループ「グループ1」を取得することができるので、図9(e)に示すように、このIP電話機8−1のIPアドレス「192.168.1.1」と作業グループ「グループ1」とを対応付けて端末作業管理テーブル4を作成する。
【0083】
このようにして、端末作業管理テーブル4を作成することができる。また、発信者番号の設定処理については、ステップS202に戻り、第1の実施形態と同様にして行なわれる。
【0084】
その結果、図10に示すように、作業グループ「グループ1」に属するオペレータのオペレータ端末9−1が、公衆網6上の電話機7に発信する場合には、グループ1の発信者番号「XXXX」を設定して通知し、作業グループ「グループ2」に属するオペレータのオペレータ端末9−2が、公衆網6上の電話機7に発信する場合には、グループ2の発信者番号「YYYY」を設定して通知する。
【0085】
(B−3)第2の実施形態の効果
上記のように、第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得られると共に、オペレータが、IP電話機1とPC8とをオペレータ端末として利用するような場合に、オペレータ端末連携管理テーブル21、PCログイン管理テーブル22及びコールグループ管理テーブル23の情報を用いて、端末作業管理テーブル4を作成することができる。
【0086】
(C)他の実施形態
上述した第2の実施形態において、PCログイン管理テーブルとコールグループ管理テーブルとをそれぞれ異なるテーブルとした場合を例示したが、これら2個の管理テーブルを1個の管理テーブルに集約するようにしてもよい。
【0087】
上述した第1及び第2の実施形態において、呼制御サーバは、上述した処理をソフトウェア処理によりに実現するものである。例えば、呼制御サーバのハードウェア構成は、通常のサーバと同様に、CPU、ROM、RAM、EEPROM等を有しており、CPUが、ROMに格納される処理プログラムをRAMに読み出し実行することにより実現される。
【符号の説明】
【0088】
10A、10B…発信者番号設定システム、1…IP電話機、2…LAN、3…呼制御サーバ、6…公衆網、7…電話機、4…端末作業管理テーブル、
5…発信者番号管理テーブル、21…オペレータ端末連携管理テーブル、
22…PCログイン管理テーブル、23…コールグループ管理テーブル、
31…公衆網インターフェース部、32…LANインターフェース部、
33、39…通信処理部、34…端末作業管理テーブル格納部、
35…発信者番号管理テーブル格納部、36…オペレータ端末連携管理テーブル格納部、
37…PCログイン管理テーブル格納部、38…コールグループ管理テーブル格納部、
331…作業グループ検索部、332…発信者番号検索部、333…呼制御部、
334…端末作業管理テーブル作成部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末が属するグループ毎の発信者番号の設定を行う発信者番号設定システムにおいて、
複数のグループと各グループの発信者番号とを対応付けた発信者番号管理テーブルを格納する発信者番号管理テーブル格納手段と、
各端末の識別情報と各端末の属するグループとを対応付けた端末管理テーブルを格納する端末管理テーブル格納手段と、
端末から発信要求の際、当該端末の識別情報に基づいて、上記端末管理テーブルから当該端末の属するグループを検索するグループ検索手段と、
上記発信者番号管理テーブルを参照して、上記グループ検索手段が検索したグループの発信者番号を検索する発信者番号検索手段と、
上記発信者番号検索手段により検索された発信者番号を呼制御情報に設定して発信先に通知する通信制御手段と
を備えることを特徴とする発信者番号設定システム。
【請求項2】
利用者が通話に利用する電話端末と作業に利用する通信端末とを利用する場合、
利用者が利用する上記電話端末の識別情報と上記通信端末の識別情報とを対応付けた端末連携管理テーブルを格納する端末連携管理テーブル格納手段と、
上記通信端末の識別情報と上記通信端末を利用する利用者の属するグループとを対応付けたグループ管理テーブルを格納するグループ格納手段とを備え、
上記端末連携管理テーブル及び上記グループ管理テーブルに基づいて、上記端末管理テーブルを作成する端末管理テーブル作成手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の発信者番号設定システム。
【請求項3】
端末が属するグループ毎の発信者番号の設定を行う発信者番号設定プログラムにおいて、
複数のグループと各グループの発信者番号とを対応付けた発信者番号管理テーブルを格納する発信者番号管理テーブル格納手段と、
各端末の識別情報と各端末の属するグループとを対応付けた端末管理テーブルを格納する端末管理テーブル格納手段と、
端末から発信要求の際、当該端末の識別情報に基づいて、上記端末管理テーブルから当該端末の属するグループを検索するグループ検索手段と
を備えるコンピュータを、
上記発信者番号管理テーブルを参照して、上記グループ検索手段が検索したグループの発信者番号を検索する発信者番号検索手段、
上記発信者番号検索手段により検索された発信者番号を呼制御情報に設定して発信先に通知する通信制御手段
として機能させることを特徴とする発信者番号設定プログラム。
【請求項4】
独自の通信網と公衆網とに接続し、上記通信網を介して収容する端末の呼制御を行う呼制御サーバにおいて、
複数のグループと各グループの発信者番号とを対応付けた発信者番号管理テーブルを格納する発信者番号管理テーブル格納手段と、
各端末の識別情報と各端末の属するグループとを対応付けた端末管理テーブルを格納する端末管理テーブル格納手段と、
端末から発信要求の際、当該端末の識別情報に基づいて、上記端末管理テーブルから当該端末の属するグループを検索するグループ検索手段と、
上記発信者番号管理テーブルを参照して、上記グループ検索手段が検索したグループの発信者番号を検索する発信者番号検索手段と、
上記発信者番号検索手段により検索された発信者番号を呼制御情報に設定して発信先に通知する通信制御手段と
を備えることを特徴とする呼制御サーバ。
【請求項1】
端末が属するグループ毎の発信者番号の設定を行う発信者番号設定システムにおいて、
複数のグループと各グループの発信者番号とを対応付けた発信者番号管理テーブルを格納する発信者番号管理テーブル格納手段と、
各端末の識別情報と各端末の属するグループとを対応付けた端末管理テーブルを格納する端末管理テーブル格納手段と、
端末から発信要求の際、当該端末の識別情報に基づいて、上記端末管理テーブルから当該端末の属するグループを検索するグループ検索手段と、
上記発信者番号管理テーブルを参照して、上記グループ検索手段が検索したグループの発信者番号を検索する発信者番号検索手段と、
上記発信者番号検索手段により検索された発信者番号を呼制御情報に設定して発信先に通知する通信制御手段と
を備えることを特徴とする発信者番号設定システム。
【請求項2】
利用者が通話に利用する電話端末と作業に利用する通信端末とを利用する場合、
利用者が利用する上記電話端末の識別情報と上記通信端末の識別情報とを対応付けた端末連携管理テーブルを格納する端末連携管理テーブル格納手段と、
上記通信端末の識別情報と上記通信端末を利用する利用者の属するグループとを対応付けたグループ管理テーブルを格納するグループ格納手段とを備え、
上記端末連携管理テーブル及び上記グループ管理テーブルに基づいて、上記端末管理テーブルを作成する端末管理テーブル作成手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の発信者番号設定システム。
【請求項3】
端末が属するグループ毎の発信者番号の設定を行う発信者番号設定プログラムにおいて、
複数のグループと各グループの発信者番号とを対応付けた発信者番号管理テーブルを格納する発信者番号管理テーブル格納手段と、
各端末の識別情報と各端末の属するグループとを対応付けた端末管理テーブルを格納する端末管理テーブル格納手段と、
端末から発信要求の際、当該端末の識別情報に基づいて、上記端末管理テーブルから当該端末の属するグループを検索するグループ検索手段と
を備えるコンピュータを、
上記発信者番号管理テーブルを参照して、上記グループ検索手段が検索したグループの発信者番号を検索する発信者番号検索手段、
上記発信者番号検索手段により検索された発信者番号を呼制御情報に設定して発信先に通知する通信制御手段
として機能させることを特徴とする発信者番号設定プログラム。
【請求項4】
独自の通信網と公衆網とに接続し、上記通信網を介して収容する端末の呼制御を行う呼制御サーバにおいて、
複数のグループと各グループの発信者番号とを対応付けた発信者番号管理テーブルを格納する発信者番号管理テーブル格納手段と、
各端末の識別情報と各端末の属するグループとを対応付けた端末管理テーブルを格納する端末管理テーブル格納手段と、
端末から発信要求の際、当該端末の識別情報に基づいて、上記端末管理テーブルから当該端末の属するグループを検索するグループ検索手段と、
上記発信者番号管理テーブルを参照して、上記グループ検索手段が検索したグループの発信者番号を検索する発信者番号検索手段と、
上記発信者番号検索手段により検索された発信者番号を呼制御情報に設定して発信先に通知する通信制御手段と
を備えることを特徴とする呼制御サーバ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2011−61618(P2011−61618A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−210872(P2009−210872)
【出願日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【出願人】(308033722)株式会社OKIネットワークス (165)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【出願人】(308033722)株式会社OKIネットワークス (165)
【Fターム(参考)】
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